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特開2024-133941遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキット、および、遠隔操作器具の使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133941
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキット、および、遠隔操作器具の使用方法
(51)【国際特許分類】
   B25B 7/22 20060101AFI20240926BHJP
   B25B 11/00 20060101ALI20240926BHJP
   B25B 7/12 20060101ALI20240926BHJP
   B25J 1/00 20060101ALI20240926BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B25B7/22
B25B11/00 C
B25B7/12
B25J1/00
H02G1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043972
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000222037
【氏名又は名称】東北電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591083772
【氏名又は名称】株式会社永木精機
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】宮古 尚
(72)【発明者】
【氏名】大場 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 順二
(72)【発明者】
【氏名】石垣 正幸
(72)【発明者】
【氏名】後藤 政則
【テーマコード(参考)】
3C020
3C707
5G352
【Fターム(参考)】
3C020PP01
3C020PP15
3C020QQ05
3C020SS01
3C020WW06
3C707AS26
3C707BS29
3C707DS01
3C707ES02
3C707EU07
3C707HS08
3C707XF06
5G352AE05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第1操作棒および第2操作棒の撓みが抑制され、かつ、第1操作棒に対する第2操作棒の円滑な相対移動が許容される遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキットおよび遠隔操作器具の使用方法を提供する。
【解決手段】遠隔操作器具1Aは、第1作用部材21および第2作用部材22を有する工具2と、第1作用部材に連結される第1操作棒3と、第2作用部材に連結される第2操作棒4と、第1作用部材および第2作用部材のうちの少なくとも一方を遠隔操作する操作部材5と、第1操作棒と第2操作棒とを連結する連結具6Aと、を具備する。連結具は、第1操作棒の一部を受容する第1受容部61と、第2操作棒の一部を受容する第2受容部66と、第1受容部と第2受容部とを連結する第1連結部75と、を備える。第2受容部は、第2受容部の第2内面67に対して、第2操作棒が横方向に相対移動することを許容する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1作用部材と、第2作用部材とを有し、前記第1作用部材および前記第2作用部材によって対象物を把持可能または切断可能な工具と、
前記第1作用部材に連結される第1操作棒と、
前記第2作用部材に連結される第2操作棒と、
前記第1操作棒および前記第2操作棒のそれぞれに連結され、前記第2操作棒を前記第1操作棒に対して相対移動させることにより、前記第1作用部材および前記第2作用部材のうちの少なくとも一方を遠隔操作する操作部材と、
前記工具と前記操作部材との間の領域において、前記第1操作棒と前記第2操作棒とを連結する連結具と
を具備し、
前記連結具は、
前記第1操作棒を保持する第1内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第1領域を規定する第1受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第2内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第2領域を規定し、前記第2領域において前記第2操作棒が前記第2内面に対して横方向に相対移動することを許容する第2受容部と、
前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する第1連結部と
を備える
遠隔操作器具。
【請求項2】
前記連結具が前記第1操作棒および前記第2操作棒に取り付けられた状態で、前記連結具は、前記第1操作棒の長手方向に沿って、前記第1操作棒に対してスライド移動可能である
請求項1に記載の遠隔操作器具。
【請求項3】
前記第1受容部から前記第2受容部に向かう方向を第1横方向と定義し、前記第2受容部から前記第1受容部に向かう方向を第2横方向と定義するとき、前記第2受容部の前記第2内面は、
前記第2領域の前記第1横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の間隔の増加を防止する第1当接面と、
前記第2領域の前記第2横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の減少を防止する第2当接面と
を備え、
前記第1当接面と前記第2当接面との間の前記第2領域は、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記増加と、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記減少とを許容する
請求項1に記載の遠隔操作器具。
【請求項4】
前記第1受容部から前記第2受容部に向かう方向を第1横方向と定義し、前記第2受容部から前記第1受容部に向かう方向を第2横方向と定義するとき、前記第2受容部の前記第2内面は、
前記第2領域の前記第1横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の間隔の増加を防止する第1当接面と、
前記第2領域の前記第2横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の減少を防止する第2当接面と
を備え、
前記第1当接面と前記第2当接面との間の前記第2領域は、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記増加と、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記減少とを許容する
請求項2に記載の遠隔操作器具。
【請求項5】
前記第1領域と前記第2領域とは、形状またはサイズにおいて異なる
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遠隔操作器具。
【請求項6】
前記第2操作棒の長手方向に沿う方向にみて、前記第2領域は、前記横方向に長い細長形状を有する
請求項5に記載の遠隔操作器具。
【請求項7】
前記工具と前記連結具との間の領域において、前記第1操作棒と前記第2操作棒とを連結する第2連結具を更に具備し、
前記第2連結具は、
前記第1操作棒を保持する第3内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第3領域を規定する第3受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第4内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第4領域を規定し、前記第4領域において前記第2操作棒が前記第4内面に対して前記横方向に相対移動することを許容する第4受容部と、
前記第3受容部と前記第4受容部とを連結する第2連結部と
を備え、
前記第2連結部の長さは、前記第1連結部の長さよりも短い
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遠隔操作器具。
【請求項8】
遠隔操作器具の第1操作棒と前記遠隔操作器具の第2操作棒とを連結することにより前記第1操作棒および前記第2操作棒の撓みを抑制する連結具であって、
前記第1操作棒を保持可能な第1内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第1領域を規定する第1受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第2内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第2領域を規定し、前記第2領域において前記第2操作棒が前記第2内面に対して横方向に相対移動することを許容する第2受容部と、
前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する第1連結部と
を具備する
連結具。
【請求項9】
前記第1連結部は、前記第1受容部と前記第2受容部との間の距離を変更可能なように前記第1受容部と前記第2受容部とを連結するか、前記第1受容部と前記第2受容部との間の相対回転が許容されるように前記第1受容部と前記第2受容部とを連結するか、あるいは、前記第1受容部と前記第2受容部との間の距離を変更可能かつ前記第1受容部と前記第2受容部との間の相対回転が許容されるように前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する
請求項8に記載の連結具。
【請求項10】
請求項8または9に記載の連結具と、
第2連結具と
を具備し、
前記第2連結具は、
前記第1操作棒を保持可能な第3内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第3領域を規定する第3受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第4内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第4領域を規定し、前記第4領域において前記第2操作棒が前記第4内面に対して横方向に相対移動することを許容する第4受容部と、
前記第3受容部と前記第4受容部とを連結する第2連結部と
を備え、
前記第1連結部の長さと前記第2連結部の長さとが互いに異なるか、前記第1連結部の長さおよび前記第2連結部の長さのうちの少なくとも一方を調整可能である
連結具と第2連結具とを含むキット。
【請求項11】
遠隔操作器具の使用方法であって、
前記遠隔操作器具は、
第1作用部材と、第2作用部材とを有し、前記第1作用部材および前記第2作用部材によって対象物を把持可能または切断可能な工具と、
前記第1作用部材に連結される第1操作棒と、
前記第2作用部材に連結される第2操作棒と、
前記第1操作棒および前記第2操作棒のそれぞれに連結され、前記第2操作棒を前記第1操作棒に対して相対移動させることにより、前記第1作用部材および前記第2作用部材のうちの少なくとも一方を遠隔操作する操作部材と、
前記工具と前記操作部材との間の領域において、前記第1操作棒と前記第2操作棒とを連結する連結具と
を具備し、
前記連結具は、
前記第1操作棒を保持する第1内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第1領域を規定する第1受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第2内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第2領域を規定する第2受容部と、
前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する第1連結部と
を備え、
前記使用方法は、
前記第1操作棒に対して前記第2操作棒が相対移動するように前記操作部材を操作する工程と、
前記第1操作棒に対する前記第2操作棒の相対移動によって、前記第1作用部材および前記第2作用部材から前記対象物に把持力または切断力を付与する工程と、
前記第1操作棒に対する前記第2操作棒の前記相対移動に伴って、前記第2受容部によって規定される前記第2領域において前記第2操作棒を前記第2内面に対して横方向に相対移動させる工程と
を具備する
遠隔操作器具の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキット、および、遠隔操作器具の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
架空電線等の対象物を把持可能な遠隔操作用作業器具が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、遠隔操作用作業器具が記載されている。特許文献1に記載の遠隔操作用作業器具は、先端作業工具と、主操作棒と、補助操作棒と、操作ハンドルと、主操作棒と補助操作棒の各々の中間部に配置されて主操作棒と補助操作棒とを連結する連結保持具と、を備える。また、連結保持具は、第1保持部材と、第2保持部材と、連結部材と、を有する。連結保持具は、第1保持部材と連結部材とで主操作棒を両側から挟み込む状態で主操作棒に固定され、第2保持部材と連結部材とで補助操作棒を両側から挟み込む状態で補助操作棒に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-82780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遠隔操作用作業器具において、連結保持具は、主操作棒と補助操作棒とを連結することにより、遠隔操作用作業器具の使用時に主操作棒が撓むことを抑制する。特許文献1に記載の遠隔操作用作業器具では、主操作棒が第1保持部材によって保持され、補助操作棒が第2保持部材によって保持されている。また、特許文献1に記載の遠隔操作用作業器具では、第1保持部材または第2保持部材に対して連結部材が回動可能であることにより、補助操作棒に対する主操作棒の相対移動が円滑に行われる。しかし、当該相対移動が可能な範囲は、第1保持部材または第2保持部材に対する連結部材の回動運動が可能な範囲によって規制される。よって、先端作業工具によって把持または切断される作業対象物のサイズ等によっては、補助操作棒に対する主操作棒の円滑な相対移動が妨げられるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、第1操作棒および第2操作棒の撓みが抑制され、かつ、第1操作棒に対する第2操作棒の円滑な相対移動が許容される遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキット、および、遠隔操作器具の使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下に示す、遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキット、および、遠隔操作器具の使用方法に関する。
【0008】
(1)第1作用部材と、第2作用部材とを有し、前記第1作用部材および前記第2作用部材によって対象物を把持可能または切断可能な工具と、
前記第1作用部材に連結される第1操作棒と、
前記第2作用部材に連結される第2操作棒と、
前記第1操作棒および前記第2操作棒のそれぞれに連結され、前記第2操作棒を前記第1操作棒に対して相対移動させることにより、前記第1作用部材および前記第2作用部材のうちの少なくとも一方を遠隔操作する操作部材と、
前記工具と前記操作部材との間の領域において、前記第1操作棒と前記第2操作棒とを連結する連結具と
を具備し、
前記連結具は、
前記第1操作棒を保持する第1内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第1領域を規定する第1受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第2内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第2領域を規定し、前記第2領域において前記第2操作棒が前記第2内面に対して横方向に相対移動することを許容する第2受容部と、
前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する第1連結部と
を備える
遠隔操作器具。
(2)前記連結具が前記第1操作棒および前記第2操作棒に取り付けられた状態で、前記連結具は、前記第1操作棒の長手方向に沿って、前記第1操作棒に対してスライド移動可能である
上記(1)に記載の遠隔操作器具。
(3)前記第1受容部から前記第2受容部に向かう方向を第1横方向と定義し、前記第2受容部から前記第1受容部に向かう方向を第2横方向と定義するとき、前記第2受容部の前記第2内面は、
前記第2領域の前記第1横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の間隔の増加を防止する第1当接面と、
前記第2領域の前記第2横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の減少を防止する第2当接面と
を備え、
前記第1当接面と前記第2当接面との間の前記第2領域は、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記増加と、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記減少とを許容する
上記(1)に記載の遠隔操作器具。
(4)前記第1受容部から前記第2受容部に向かう方向を第1横方向と定義し、前記第2受容部から前記第1受容部に向かう方向を第2横方向と定義するとき、前記第2受容部の前記第2内面は、
前記第2領域の前記第1横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の間隔の増加を防止する第1当接面と、
前記第2領域の前記第2横方向側に配置され、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の減少を防止する第2当接面と
を備え、
前記第1当接面と前記第2当接面との間の前記第2領域は、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記増加と、前記第1操作棒と前記第2操作棒との間の前記間隔の前記減少とを許容する
上記(2)に記載の遠隔操作器具。
(5)前記第1領域と前記第2領域とは、形状またはサイズにおいて異なる
上記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の遠隔操作器具。
(6)前記第2操作棒の長手方向に沿う方向にみて、前記第2領域は、前記横方向に長い細長形状を有する
上記(5)に記載の遠隔操作器具。
(7)前記工具と前記連結具との間の領域において、前記第1操作棒と前記第2操作棒とを連結する第2連結具を更に具備し、
前記第2連結具は、
前記第1操作棒を保持する第3内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第3領域を規定する第3受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第4内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第4領域を規定し、前記第4領域において前記第2操作棒が前記第4内面に対して前記横方向に相対移動することを許容する第4受容部と、
前記第3受容部と前記第4受容部とを連結する第2連結部と
を備え、
前記第2連結部の長さは、前記第1連結部の長さよりも短い
上記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の遠隔操作器具。
(8)遠隔操作器具の第1操作棒と前記遠隔操作器具の第2操作棒とを連結することにより前記第1操作棒および前記第2操作棒の撓みを抑制する連結具であって、
前記第1操作棒を保持可能な第1内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第1領域を規定する第1受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第2内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第2領域を規定し、前記第2領域において前記第2操作棒が前記第2内面に対して横方向に相対移動することを許容する第2受容部と、
前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する第1連結部と
を具備する
連結具。
(9)前記第1連結部は、前記第1受容部と前記第2受容部との間の距離を変更可能なように前記第1受容部と前記第2受容部とを連結するか、前記第1受容部と前記第2受容部との間の相対回転が許容されるように前記第1受容部と前記第2受容部とを連結するか、あるいは、前記第1受容部と前記第2受容部との間の距離を変更可能かつ前記第1受容部と前記第2受容部との間の相対回転が許容されるように前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する
上記(8)に記載の連結具。
(10)上記(8)または(9)に記載の連結具と、
第2連結具と
を具備し、
前記第2連結具は、
前記第1操作棒を保持可能な第3内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第3領域を規定する第3受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第4内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第4領域を規定し、前記第4領域において前記第2操作棒が前記第4内面に対して横方向に相対移動することを許容する第4受容部と、
前記第3受容部と前記第4受容部とを連結する第2連結部と
を備え、
前記第1連結部の長さと前記第2連結部の長さとが互いに異なるか、前記第1連結部の長さおよび前記第2連結部の長さのうちの少なくとも一方を調整可能である
連結具と第2連結具とを含むキット。
(11)遠隔操作器具の使用方法であって、
前記遠隔操作器具は、
第1作用部材と、第2作用部材とを有し、前記第1作用部材および前記第2作用部材によって対象物を把持可能または切断可能な工具と、
前記第1作用部材に連結される第1操作棒と、
前記第2作用部材に連結される第2操作棒と、
前記第1操作棒および前記第2操作棒のそれぞれに連結され、前記第2操作棒を前記第1操作棒に対して相対移動させることにより、前記第1作用部材および前記第2作用部材のうちの少なくとも一方を遠隔操作する操作部材と、
前記工具と前記操作部材との間の領域において、前記第1操作棒と前記第2操作棒とを連結する連結具と
を具備し、
前記連結具は、
前記第1操作棒を保持する第1内面を有し、前記第1操作棒の一部を受容する第1領域を規定する第1受容部と、
前記第2操作棒に接触可能な第2内面を有し、前記第2操作棒の一部を受容する第2領域を規定する第2受容部と、
前記第1受容部と前記第2受容部とを連結する第1連結部と
を備え、
前記使用方法は、
前記第1操作棒に対して前記第2操作棒が相対移動するように前記操作部材を操作する工程と、
前記第1操作棒に対する前記第2操作棒の相対移動によって、前記第1作用部材および前記第2作用部材から前記対象物に把持力または切断力を付与する工程と、
前記第1操作棒に対する前記第2操作棒の前記相対移動に伴って、前記第2受容部によって規定される前記第2領域において前記第2操作棒を前記第2内面に対して横方向に相対移動させる工程と
を具備する
遠隔操作器具の使用方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、第1操作棒および第2操作棒の撓みが抑制され、かつ、第1操作棒に対する第2操作棒の円滑な相対移動が許容される遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキット、および、遠隔操作器具の使用方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態における遠隔操作器具の操作棒に連結具が取り付けられる前の状態を模式的に示す概略側面図である。
図2図2は、第1の実施形態における遠隔操作器具を模式的に示す概略側面図である。
図3図3は、連結具の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図4図4は、連結具の一例を模式的に示す概略断面図である。
図5図5は、第2の実施形態における遠隔操作器具を模式的に示す概略側面図である。
図6図6は、連結具が第1操作棒の長手方向に沿ってスライド移動可能な様子を模式的に示す図である。
図7図7は、第1操作棒および第2操作棒の少なくとも一方が撓み変形する様子を模式的に示す図である。
図8図8は、連結具の一例を模式的に示す概略断面図である。
図9図9は、第1操作棒および第2操作棒に複数の連結具が取り付けられた状態を模式的に示す図である。
図10図10は、第2連結具の一例を模式的に示す概略断面図である。
図11図11は、操作部材の一例を拡大して示す概略側面図である。
図12図12は、第3の実施形態における連結具を模式的に示す概略3面図である。
図13図13は、第3の実施形態の第1変形例における連結具、第3の実施形態の第2変形例における連結具を模式的に示す図である。
図14図14は、第3の実施形態の第3変形例における連結具、第3の実施形態の第4変形例における連結具を模式的に示す図である。
図15図15は、第4の実施形態における連結具と第2連結具とを含むキットの一例を模式的に示す図である。
図16図16は、第4の実施形態における連結具と第2連結具とを含むキットの他の一例を模式的に示す図である。
図17図17は、実施形態における遠隔操作器具の使用方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施形態における遠隔操作器具1、連結具6、連結具6と第2連結具8とを含むキットK、および、遠隔操作器具1の使用方法について、詳しく説明する。なお、本明細書において、同種の機能を有する部材には、同一または類似の符号が付されている。そして、同一または類似の符号の付された部材について、繰り返しとなる説明が省略される場合がある。
【0012】
(方向の定義)
図2等から把握されるように、本明細書において、連結具6の第1受容部61から連結具6の第2受容部66に向かう方向を「第1横方向DT1」と定義し、連結具6の第2受容部66から連結具6の第1受容部61に向かう方向を「第2横方向DT2」と定義する。また、第1横方向DT1および第2横方向DT2のことを総括して、「横方向DT」と呼ぶ。換言すれば、横方向DTには、第1横方向DT1と、第2横方向DT2とが包含される。第1受容部61に第1操作棒3が受容され、第2受容部66に第2操作棒4が受容された状態においては、第1操作棒3から第2操作棒4に向かう方向は、「第1横方向DT1」と一致し、第2操作棒4から第1操作棒3に向かう方向は、「第2横方向DT2」と一致する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1乃至図4を参照して、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aの操作棒(3、4)に連結具6Aが取り付けられる前の状態を模式的に示す概略側面図である。図2は、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aを模式的に示す概略側面図である。なお、図1(a)および図2(a)には、対象物Tが遠隔操作器具1Aによって把持される前の状態が示され、図1(b)および図2(b)には、対象物Tが遠隔操作器具1Aによって把持された後の状態が示されている。図3は、連結具6Aの一例を模式的に示す概略斜視図である。図4は、連結具6Aの一例を模式的に示す概略断面図である。なお、図4(a)には、連結具6Aが、第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられる前の状態が示され、図4(b)には、図2(a)におけるA-A矢視断面図が示され、図4(c)には、図2(b)におけるB-B矢視断面図が示されている。
【0014】
第1の実施形態における遠隔操作器具1Aは、工具2と、第1操作棒3と、第2操作棒4と、操作部材5と、連結具6A(図2(a)を参照。)と、を備える。
【0015】
図1(a)に記載の例において、工具2は、第1作用部材21および第2作用部材22によって対象物Tを把持可能な把持工具2Aである。工具2は、第1作用部材21と、第2作用部材22とを有する。第1作用部材21は、対象物Tに接触する第1作用部212を有し、第2作用部材22は、対象物Tに接触する第2作用部222を有する。
【0016】
図1(a)に例示されるように、工具2が把持工具2Aである場合には、第1作用部材21は、第1把持部材21aであり、第1作用部212は、第1把持部212aである。また、第2作用部材22は、第2把持部材22aであり、第2作用部222は、第2把持部222aである。
【0017】
第1操作棒3は、第1作用部材21に連結され、第2操作棒4は、第2作用部材22に連結される。図1(a)に記載の例では、第1操作棒3の先端部3aが、第1作用部材21の基端部214に連結され、第2操作棒4の先端部4aが、第2作用部材22の基端部224に連結されている。
【0018】
操作部材5は、第1操作棒3および第2操作棒4のそれぞれに連結される。また、操作部材5は、第2操作棒4を第1操作棒3に対して相対移動させることにより、第1作用部材21および第2作用部材22のうちの少なくとも一方を遠隔操作する。なお、第2操作棒4を第1操作棒3に対して相対移動させることは、第2操作棒4を移動させることにより実行されてもよいし、第1操作棒3を移動させることにより実行されてもよいし、第1操作棒3および第2操作棒4の両方を移動させることにより実行されてもよい。
【0019】
図1(a)に記載の例において、操作部材5が第1操作方向MR1に操作されると、第1作用部212と第2作用部222との間の距離が縮小し、対象物Tが、第1作用部材21および第2作用部材22によって、把持される(図1(b)を参照。)。他方、操作部材5が第2操作方向MR2に操作されると、第1作用部212と第2作用部222との間の距離が拡大し、第1作用部材21および第2作用部材22による対象物Tの把持が解除される(図1(a)を参照。)。
【0020】
図1(b)に例示されるように、第1作用部212および第2作用部222に対象物Tが接触した状態で、操作部材5が第1操作方向MR1に操作されると、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの少なくとも一方が撓む。当該撓みは、対象物Tに作用する把持力を低下させる。また、操作棒(3、4)が繰り返し大きく撓むことにより、操作棒(3、4)が劣化する可能性がある。例えば、操作棒(3、4)の形状が、図1(a)に示されるデフォルト形状に戻らなくなったり、操作棒(3、4)が破損したりする可能性がある。
【0021】
そこで、図2(a)に例示されるように、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aは、第1操作棒3および第2操作棒4の撓みを抑制する連結具6Aを備える。
【0022】
連結具6Aは、工具2と操作部材5との間の領域において、第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する。連結具6Aは、第1操作棒3の一部(換言すれば、長い第1操作棒3の一部分)を受容する第1受容部61と、第2操作棒4の一部(換言すれば、長い第2操作棒4の一部分)を受容する第2受容部66と、第1受容部61と第2受容部66とを連結する第1連結部75と、を備える。
【0023】
図3に例示されるように、第1受容部61は、第1操作棒3が通過可能な第1側部開口OP1を有し、第2受容部66は、第2操作棒4が通過可能な第2側部開口OP2を有する。第1受容部61が第1側部開口OP1を有する場合、ワンタッチで(換言すれば、一工程で)、迅速に、第1受容部61を第1操作棒3に取り付けることができる。また、第2受容部66が第2側部開口OP2を有する場合、ワンタッチで(換言すれば、一工程で)、迅速に、第2受容部66を第2操作棒4に取り付けることができる。
【0024】
なお、第1の実施形態において、第1側部開口OP1、第2側部開口OP2は省略されてもよい。例えば、連結具6Aが、第1半体と、第2半体とを有する場合、第1操作棒3および第2操作棒4を挟むように、第1半体と第2半体とが配置され、その後、第1半体と第2半体とが互いに連結されてもよい。こうして、第1半体と第2半体とを有する連結具6Aを、第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けることができる。ただし、迅速な取り付けの観点から、第1受容部61が第1側部開口OP1を有し、第2受容部66が第2側部開口OP2を有する方がより好ましい。
【0025】
図4(b)および図4(c)に例示されるように、第1受容部61は、第1操作棒3を保持する第1内面62を有する。図4(a)に例示されるように、第1受容部61は、第1操作棒3の一部(換言すれば、長い第1操作棒3の一部分)を受容する第1領域AR1を規定する。図4(a)に記載の例では、第1領域AR1は、第1受容部61の第1内面62によって規定されている。より具体的には、第1受容部61の第1内面62の内側の領域が第1領域AR1である。
【0026】
図4(a)に例示されるように、第2受容部66は、第2操作棒4に接触可能な第2内面67を有する。第2受容部66は、第2操作棒4の一部(換言すれば、長い第2操作棒4の一部分)を受容する第2領域AR2を規定する。図4(a)に記載の例では、第2領域AR2は、第2受容部66の第2内面67によって規定されている。より具体的には、第2受容部66の第2内面67の内側の領域が第2領域AR2である。
【0027】
図4(b)に記載の例では、第2領域AR2(ドットによるハッチングが付与されている領域を参照。)は、第2操作棒4の横断面(換言すれば、第2操作棒4の長手方向に垂直な断面)の全体を受容している。
【0028】
図4(b)および図4(c)に例示されるように、第2領域AR2は、第2操作棒4が第2内面67に対して横方向DTに相対移動することを許容する。例えば、図2(a)に記載の例において、操作部材5が第1操作方向MR1に操作されると、アーム55aの回動により、第2操作棒4は、先端部4aから基端部4bに向かう方向に変位するとともに、横方向DT(より具体的には、第1横方向DT1)に変位する(図2(b)を参照。)。上述の第2領域AR2は、第2操作棒4の横方向DTへの変位を許容するため、第2操作棒4は、第1操作棒3に対して円滑に相対移動することができる。
【0029】
また、図2(b)に記載の例では、操作部材5に操作力が作用し、かつ、第1作用部材21および第2作用部材22に対象物Tからの反力が作用することにより、第1操作棒3が、横方向DT(例えば、第2横方向DT2)に撓む。当該撓みに起因して、連結具6Aは、第2操作棒4に対して、横方向DT(例えば、第2横方向DT2)に相対変位する。上述の第2領域AR2は、第2操作棒4に対する連結具6Aの横方向DTへの相対変位を許容するため、第1操作棒3の撓みに起因して第1操作棒3に対する第2操作棒4の円滑な相対移動が妨げられることがない。また、第1操作棒3の撓みに起因して、操作部材5の可動範囲が小さくなることがない。
【0030】
これに対し、第1操作棒が第1受容部61によって横方向移動不能なように保持され、かつ、第2操作棒4が第2受容部66によって横方向移動不能なように保持される場合には、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの少なくとも一方が横方向DTに相対変位するか、あるいは、横方向DTに撓むと、第1受容部61と第1操作棒3との間に作用する摩擦力が大きくなり、第2受容部66と第2操作棒4との間に作用する摩擦力が大きくなる。その結果、第1操作棒3に対する第2操作棒4の円滑な相対移動が妨げられ、操作部材5の可動範囲が小さくなる。また、当該摩擦力が大きな状態で無理に操作部材5を操作すると、第1操作棒3および第2操作棒4の表面が摩擦によって傷つく可能性がある。
【0031】
他方、図4(b)および図4(c)に記載の例では、操作部材5が操作されてから第2操作棒4が第2内面67のうちの第1横方向DT1側の第1当接面67aに接触するまでのタイミングを遅くすることができる。当該タイミングが遅くなることにより、操作部材5の操作時に、受容部(61、66)と、操作棒(3、4)との間に作用する摩擦力が小さくて済む。また、第1操作棒3および第2操作棒4の表面が摩擦によって傷つくことが抑制される。
【0032】
また、図2(a)に記載の例において、連結具6Aの取り付け位置を、より先端部(3a、4a)側にすれば、第2操作棒4の初期位置を、第1横方向DT1側の第1当接面67aから更に離れた位置にすることができる。その結果、第2操作棒4が第1当接面67aに接触するまでのタイミングを更に遅くすることができ、操作部材5の操作時に、受容部(61、66)と、操作棒(3、4)との間に作用する摩擦力を更に小さくすることができる。
【0033】
第1の実施形態における遠隔操作器具1Aは、第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する連結具6Aを備え、当該連結具6Aの第2受容部66によって規定される第2領域AR2は、第2操作棒4が第2内面67に対して横方向DTに相対移動することを許容する。よって、連結具6Aにより、第1操作棒3および第2操作棒4の撓みが抑制され、かつ、第2領域AR2によって、第1操作棒3に対する第2操作棒4の円滑な相対移動が許容される。
【0034】
(第2の実施形態)
図5を参照して、第2の実施形態における遠隔操作器具1Bについて説明する。図5は、第2の実施形態における遠隔操作器具1Bを模式的に示す概略側面図である。なお、図5(a)には、対象物Tが遠隔操作器具1Bによって切断される前の状態が示され、図5(b)には、遠隔操作器具1Bによって対象物Tの切断が実行されている状態が示されている。
【0035】
第2の実施形態における遠隔操作器具1Bは、工具2が切断工具2Bである点において、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aとは異なる。そのほかの点では、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様である。
【0036】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0037】
第2の実施形態における遠隔操作器具1Bは、工具2と、第1操作棒3と、第2操作棒4と、操作部材5と、連結具6Aと、を備える。
【0038】
図5(a)に記載の例において、工具2は、第1作用部材21および第2作用部材22によって対象物Tを切断可能な切断工具2Bである。工具2は、第1作用部材21と、第2作用部材22とを有する。第1作用部材21は、対象物Tに接触する第1作用部212を有し、第2作用部材22は、対象物Tに接触する第2作用部222を有する。
【0039】
図5(a)に例示されるように、工具2が切断工具2Bである場合には、第1作用部材21は、第1切断部材21bであり、第1作用部212は、第1切断刃212bである。また、第2作用部材22は、第2切断部材22bであり、第2作用部222は、第2切断刃222bである。
【0040】
第1操作棒3は、第1作用部材21に連結され、第2操作棒4は、第2作用部材22に連結される。図5(a)に記載の例では、第1操作棒3の先端部3aが、第1作用部材21の基端部214に連結され、第2操作棒4の先端部4aが、第2作用部材22の基端部224に連結されている。
【0041】
操作部材5は、第1操作棒3および第2操作棒4のそれぞれに連結される。また、操作部材5は、第2操作棒4を第1操作棒3に対して相対移動させることにより、第1作用部材21および第2作用部材22のうちの少なくとも一方を遠隔操作する。なお、第2操作棒4を第1操作棒3に対して相対移動させることは、第2操作棒4を移動させることにより実行されてもよいし、第1操作棒3を移動させることにより実行されてもよいし、第1操作棒3および第2操作棒4の両方を移動させることにより実行されてもよい。
【0042】
図5(a)に記載の例において、操作部材5が第1操作方向MR1に操作されると、第1作用部212と第2作用部222との間の距離が縮小し、対象物Tが、第1作用部材21および第2作用部材22によって切断される(図5(b)を参照。)。他方、操作部材5が第2操作方向MR2に操作されると、第1作用部212と第2作用部222との間の距離が拡大し、第1作用部材21および第2作用部材22が元の位置に戻る(図5(a)を参照。)。
【0043】
連結具6Aは、工具2と操作部材5との間の領域において、第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する。連結具6Aは、第1操作棒3の一部(換言すれば、長い第1操作棒3の一部分)を受容する第1受容部61と、第2操作棒4(換言すれば、長い第2操作棒4の一部分)を受容する第2受容部66と、第1受容部61と第2受容部66とを連結する第1連結部75と、を備える。
【0044】
第2の実施形態における遠隔操作器具1Bが有する連結具6Aは、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aが有する連結具6Aと同様である。よって、連結具6Aの説明に関しては、第1の実施形態における連結具6Aの説明を援用し、連結具6Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0045】
第2の実施形態における遠隔操作器具1Bは、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aと同様の効果を奏する。
【0046】
続いて、図1乃至図11を参照して、第1の実施形態における遠隔操作器具1A、あるいは、第2の実施形態における遠隔操作器具1Bにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。図6は、連結具6が第1操作棒3の長手方向に沿ってスライド移動可能な様子を模式的に示す図である。図7は、第1操作棒3および第2操作棒4の少なくとも一方が撓み変形する様子を模式的に示す図である。なお、図7(a)には、第1操作棒3および第2操作棒4の少なくとも一方が外向き撓み方向に撓んだ様子が示され、図7(b)には、第1操作棒3および第2操作棒4の少なくとも一方が内向き撓み方向に撓んだ様子が示されている。図8は、連結具6Aの一例を模式的に示す概略断面図である。図9は、第1操作棒3および第2操作棒4に複数の連結具(6、8)が取り付けられた状態を模式的に示す図である。図10は、第2連結具8Aの一例を模式的に示す概略断面図である。図10(a)には、第2連結具8Aが、第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられる前の状態が示され、図10(b)には、図9におけるC-C矢視断面図が示されている。図11は、操作部材5の一例を拡大して示す概略側面図である。なお、図11(a)には、操作部材5が第1操作方向MR1に操作される前の状態が示され、図11(b)には、操作部材5が第1操作方向MR1に操作された後の状態が示されている。
【0047】
(連結具6A)
連結具6Aについて、任意付加的な構成について説明する。なお、連結具6Aについての任意付加的な構成は、第1の実施形態、第2の実施形態のみならず、後述の第3の実施形態における連結具6、あるいは、第4の実施形態におけるキットKのうちの連結具6においても採用可能である。
【0048】
図6(a)および図6(b)に記載の例では、連結具6Aが第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられた状態で、連結具6Aは、第1操作棒3の長手方向に沿って、第1操作棒3に対してスライド移動可能である。
【0049】
図6(b)に例示されるように、連結具6Aを、第1操作棒3に沿って、第1操作棒3の先端部3aに向けてスライド移動させることにより(矢印F1を参照。)、第1横方向DT1側の第1当接面67aの位置を、第2操作棒4からより離れた位置にすることができる。よって、操作部材5の操作によって、第1操作棒3と第2操作棒4との間の間隔が拡大する場合において、第2操作棒4が第1横方向DT1側の第1当接面67aに当接するタイミングをより遅くすることができる。その結果、第1操作棒3に対して第2操作棒4を円滑に相対移動させることができる。
【0050】
他方、図6(a)に例示されるように、連結具6Aを、第1操作棒3に沿って、第1操作棒3の基端部3bに向けてスライド移動させることにより(矢印F2を参照。)、第1横方向DT1側の第1当接面67a位置を、第2操作棒4の位置により近い位置にすることができる。よって、操作部材5の操作によって、第1操作棒3と第2操作棒4との間の間隔が拡大する場合において、第2操作棒4が第1横方向DT1側の第1当接面67aに当接するタイミングをより早くすることができる。その結果、第1操作棒3が第2操作棒4から離れる方向に撓むこと(あるいは、第2操作棒4が第1操作棒3から離れる方向に撓むこと)が、より早期に抑制される。
【0051】
図2(b)には、操作部材5が操作されることにより、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの一方が、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの他方から離れる方向(以下、「外向き撓み方向」という。)に撓む例が示されている。他方、対象物Tのサイズ、連結具6Aの配置、後述の第2連結具8Aの配置、操作部材5から第1操作棒3または第2操作棒4に操作力を伝達する機構の構造および配置等によっては、操作部材5が操作されることにより、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの一方が、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの他方に近づく方向(以下、「内向き撓み方向」という。)に撓む場合がある(図7(b)を参照。)。
【0052】
これに対し、図4(b)に記載の例では、第2受容部66の第2内面67は、第1操作棒3および第2操作棒4が外向き撓み方向に撓むことを抑制する第1当接面67aと、第1操作棒3および第2操作棒4が内向き撓み方向に撓むことを抑制する第2当接面67bと、を備える。より具体的には、第1当接面67aは、第2領域AR2の第1横方向DT1側に配置され、第2操作棒4との接触により(図7(a)を参照。)、第1操作棒3と第2操作棒4との間の間隔の増加を防止する。こうして、第1操作棒3および第2操作棒4が外向き撓み方向に過度に撓むことが防止される。また、第2当接面67bは、第2領域AR2の第2横方向DT2側に配置され、第2操作棒4との接触により(図7(b)を参照。)、第1操作棒3と第2操作棒4との間の間隔の減少を防止する。こうして、第1操作棒3および第2操作棒4が内向き撓み方向に過度に撓むことが防止される。
【0053】
加えて、図4(b)に記載の例において、第1当接面67aと第2当接面67bとの間の第2領域AR2は、第1操作棒3と第2操作棒4との間の間隔の増加と、第1操作棒3と第2操作棒4との間の間隔の減少とを許容する。換言すれば、第2領域AR2は、第1操作棒3および第2操作棒4の適度の撓みを許容する。
【0054】
以上のとおり、連結具6Aは、操作棒(3、4)の外向き撓み方向への適度な撓み、および、操作棒(3、4)の内向き撓み方向への適度な撓みの両方を許容することによって、第1操作棒3に対する第2操作棒4の円滑な相対移動を担保する。また、連結具6Aは、操作棒(3、4)の外向き撓み方向への過度な撓み、および、操作棒(3、4)の内向き撓み方向への過度な撓みの両方を防止する。過度な撓みが防止される結果、対象物Tに作用する把持力または切断力の低下が抑制され、操作棒(3、4)の劣化が抑制される。
【0055】
なお、図7(a)、図7(b)に例示されるように、第2操作棒4が第1当接面67aまたは第2当接面67bに接触した状態において、第2操作棒4に対する連結具6A(より具体的には、第2受容部66)の相対的な摺動移動、および、第1操作棒3に対する連結具6A(より具体的には、第1受容部61)の相対的な摺動移動のうちの少なくとも一方が許容されることが好ましい。この場合、第2操作棒4が第1当接面67aまたは第2当接面67bに接触した後においても、第1操作棒3に対する第2操作棒4の相対移動が可能となり、操作部材5の操作を継続することが可能となる。例えば、第2操作棒4が第1当接面67aまたは第2当接面67bに接触した後、第2受容部66に対して第2操作棒4が摺動移動し(矢印F3を参照。)、更にその後、第1操作棒3に対して第1受容部61が摺動移動する(矢印F4を参照。)ように構成されてもよい。
【0056】
図4(a)に例示されるように、第1受容部61は、第1操作棒3を保持することに適した形状を有する。より具体的には、第1受容部61の第1内面62は、第1操作棒3に篏合する形状を有することが好ましい(なお、当該「嵌合」は、第1操作棒3の長手方向に沿って、第1受容部61が第1操作棒3に対して摺動移動することを許容する嵌合であることが好ましい。)。他方、第2受容部66は、第2操作棒4が第2受容部66の内側で横方向DTに移動することを許容する形状を有する。
【0057】
第1受容部61に求められる機能と、第2受容部66に求められる機能とが互いに異なることから、第1受容部61によって規定される第1領域AR1(より具体的には、第1内面62の内側の第1領域AR1)と、第2受容部66によって規定される第2領域AR2(より具体的には、第2内面67の内側の第2領域AR2)とは、形状またはサイズにおいて異なることが好ましい。代替的に、(1)第1領域AR1の形状およびサイズを、第2領域AR2の形状およびサイズと同一とし、(2)第1操作棒3の外形形状を第1領域AR1にジャストフィットする形状とし、かつ、(3)第2操作棒4の外形形状を第2領域AR2内で横方向DTに移動可能な形状としてもよい。この場合にも、第1受容部61に求められる機能と、第2受容部66に求められる機能との両方を担保することができる。
【0058】
第1受容部61に求められる機能(第1操作棒3を保持する機能)を担保するために、図4(a)に例示されるように、第1受容部61の第1内面62の形状は、第1操作棒3の外形形状にジャストフィットする形状であることが好ましい。例えば、第1操作棒3の外形形状が真円形状を有する場合、第1内面62は、当該真円形状に対して相補的な形状(より具体的には、真円形状にジャストフィットする円弧形状)を有することが好ましい。また、第1受容部61が第1操作棒3に取り付けられた状態において、第1受容部61と第1操作棒3との間には、第1操作棒3のガタつきを誘引する隙間が存在しないことが好ましい。
【0059】
第2受容部66に求められる機能(第2操作棒4の横方向移動を許容する機能)を担保するために、図4(b)に例示されるように、第2領域AR2は、第2操作棒4の長手方向に沿う方向にみて、横方向DTに長い細長形状を有していてもよい(より具体的には、横方向DTに沿う長軸を有する細長形状を有していてもよい。)。当該細長形状は、長円形状であってもよい。図4(b)に記載の例では、第2操作棒4の長手方向に沿う方向にみて、第2領域AR2の形状は、第1領域AR1の形状よりも扁平である。
【0060】
図8に記載の例において、第1受容部61の第1側部開口OP1の開口幅W1(以下、「第1開口幅W1」という。)は、第2受容部66の第2側部開口OP2の開口幅W2(以下、「第2開口幅W2」という。)と異なる。第1開口幅W1は、第1操作棒3の外径D1よりも小さいことが好ましい。この場合、第1受容部61に受容された第1操作棒3が、意図せずして、第1側部開口OP1を通って、第1受容部61外に脱落することが防止または抑制される。第2開口幅W2は、第2操作棒4の外径D2よりも小さいことが好ましい。この場合、第2受容部66に受容された第2操作棒4が、意図せずして、第2側部開口OP2を通って、第2受容部66外に脱落することが防止または抑制される。なお、第1操作棒3の第1受容部61からの脱落を防止するため、連結具6Aは、第1側部開口OP1を開閉可能な開閉部材を有していてもよい。また、第2操作棒4の第2受容部66からの脱落を防止するため、連結具6Aは、第2側部開口OP2を開閉可能な開閉部材を有していてもよい。
【0061】
遠隔操作器具1の使用時に、第2領域AR2内を横方向DTに移動可能な第2操作棒4が、移動の勢いで、第2側部開口OP2を通過して第2受容部66から脱落する可能性がある。他方、第1操作棒3は、第1領域AR1内で実質的に横方向DTに移動不能であるため、第1操作棒3が、第1側部開口OP1を通過して第1受容部61から脱落する可能性は相対的に低い。そこで、図8に記載の例とは異なり、第2操作棒4の外径D2から第2開口幅W2を減算することにより得られる値V2は、第1操作棒3の外径D1から第1開口幅W1を減算することに得られる値V1よりも大きい値に設定されてもよい。値V2が大きい場合、遠隔操作器具1の使用時に、第2操作棒4が、第2側部開口OP2を通過して第2受容部66から脱落する可能性が低減される。
【0062】
(第2連結具8A)
図9に例示されるように、遠隔操作器具1は、連結具6Aに加えて、第2連結具8Aを備えていてもよい。また、遠隔操作器具1は、連結具6Aおよび第2連結具8Aに加えて、第3連結具を有していてもよい。
【0063】
図9に記載の例において、第2連結具8Aは、工具2と連結具6Aとの間の領域において、第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する。第2連結具8Aは、第3受容部81と、第4受容部86と、第2連結部95と、を備える。
【0064】
図10(a)に記載の例において、第3受容部81は、第1操作棒3を保持する第3内面82を有する。また、第3受容部81は、第1操作棒3の一部を受容する第3領域AR3を規定する。
【0065】
図10(a)に記載の例において、第4受容部86は、第2操作棒4に接触可能な第4内面87を有する。また、第4受容部86は、第2操作棒4の一部を受容する第4領域AR4を規定する。当該第4領域AR4は、第2操作棒4が第4内面87に対して横方向DTに相対移動することを許容する(図10(b)を参照。)。
【0066】
第2連結部95は、第3受容部81と第4受容部86とを連結する。図9に記載の例において、第2連結部95の長さ(換言すれば、第3受容部81と第4受容部86との間の間隔)は、第1連結部75の長さ(換言すれば、第1受容部61と第2受容部66との間の間隔)よりも短い。
【0067】
第2連結部95の長さと第1連結部75の長さとが異なる点を除き、第2連結具8Aは、連結具6Aと同様の構造および/または形状を有していてもよい。また、本明細書において、上述の連結具6Aの全ての説明を、「第1受容部61」、「第1内面62」、「第2受容部66」、「第2内面67」、「第1当接面67a」、「第2当接面67b」、「第1連結部75」、「第1領域AR1」、「第2領域AR2」、「第1側部開口OP1」、「第2側部開口OP2」を、それぞれ、「第3受容部81」、「第3内面82」、「第4受容部86」、「第4内面87」、「第3当接面87a」、「第4当接面87b」、「第2連結部95」、「第3領域AR3」、「第4領域AR4」、「第3側部開口OP3」、「第4側部開口OP4」に読み替えることにより、第2連結具8Aの説明とみなし、第2連結具8Aについての繰り返しとなる説明を省略する。
【0068】
実施形態における遠隔操作器具1が、連結具6Aに加えて第2連結具8Aを有する場合、第1操作棒3および第2操作棒4の撓みをより一層効果的に抑制することができる。また、連結具6Aの第1連結部75の長さと、第2連結具8Aの第2連結部95の長さとが互いに異なることにより、連結具6Aが配置される領域における第1操作棒3と第2操作棒4との間隔G1(図9を参照。)と、第2連結具8Aが配置される領域における第1操作棒3と第2操作棒4との間隔G2(図9を参照。)との違いに柔軟に対応させることができる。さらに、連結具6Aの第2受容部66によって規定される第2領域AR2、および、第2連結具8Aの第4受容部86によって規定される第4領域AR4の両方において、第2操作棒4の横方向DTへの移動が許容されることにより、第1操作棒3に対する第2操作棒4の円滑な相対移動が可能となる。
【0069】
(工具2)
図2(a)、図5(a)に記載の例では、工具2は、第1作用部材21と第2作用部材22とを有し、第2作用部材22は、第1軸AX1まわりに第1作用部材21に対して相対回転可能なように、第1作用部材21に連結されている。
【0070】
図2(a)、図5(a)に記載の例では、第1作用部材21は、第1作用部212を有する第1部分P1と、第1操作棒3に取り付けられる基端部214を有する第2部分P2とを含む。第1部分P1と第2部分P2とは1つの部品によって構成されていてもよく。複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0071】
図2(a)、図5(a)に記載の例では、第2作用部材22は、第2作用部222を有する第3部分P3と、第2操作棒4に取り付けられる基端部224を有する第4部分P4とを含む。図2(a)、図5(a)に記載の例では、第3部分P3は、第4部分P4に、第2軸AX2まわりに回転可能なように連結されている。代替的に、第3部分P3と第4部分P4とは互いに相対回転不能なように連結されていてもよいし、第3部分P3と第4部分P4とが1つの部品によって構成されていてもよい。
【0072】
(操作棒3、4)
第1操作棒3および第2操作棒4の各々の長さは、操作部材5から離れた位置にある対象物Tを把持または切断するために必要とされる長さに設定されている。第1操作棒3の長さは、例えば、1m以上、1.5m以上、あるいは、2m以上である。また、第2操作棒4の長さは、例えば、1m以上、1.5m以上、あるいは、2m以上である。操作棒(3、4)の長さに応じて、第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する連結具(6A、8A)の数が変更されてもよい。例えば、操作棒(3、4)の長さが長い場合には、第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する連結具(6A、8A)の数が増加されてもよい。
【0073】
図2(a)、図5(a)に記載の例では、第1操作棒3は、第2操作棒4よりも太い。第1操作棒3および第2操作棒4のうち、太い方の操作棒を主操作棒と定義し、細い方の操作棒を副操作棒と定義する。図2(a)、図5(a)に記載の例では、第1操作棒3が主操作棒であり、第2操作棒4が副操作棒である。代替的に、第1操作棒3が副操作棒であり、第2操作棒4が主操作棒であってもよい。更に代替的に、第1操作棒3の太さと、第2操作棒4の太さとが同じであってもよい。
【0074】
図2(b)、図5(b)に記載の例では、操作部材5の操作に伴い、第1操作棒3が撓む。代替的に、操作部材5の操作に伴い、第2操作棒4が撓んでもよい。操作部材5の操作に伴い、第1操作棒3および第2操作棒4の両方が撓んでもよい。
【0075】
第1操作棒3は、例えば、FRP製(換言すれば、繊維強化プラスチック製)である。また、対象物Tが架空電線等の電線である場合には、第1操作棒3は、電気絶縁性の操作棒であることが好ましい。第2操作棒4は、例えば、FRP製(換言すれば、繊維強化プラスチック製)である。また、対象物Tが架空電線等の電線である場合には、第2操作棒4は、電気絶縁性の操作棒であることが好ましい。なお、第1操作棒3および第2操作棒4の各々の材質、あるいは、第1操作棒3および第2操作棒4の各々における電気絶縁性等の特性は、工具2の種類、あるいは、工具2によって取り扱われる対象物Tの種類等に応じて適宜設定される。換言すれば、第1操作棒3および第2操作棒4の各々の材質、あるいは、特性等は、上述の例に限定されず任意である。
【0076】
(安全領域規定鍔11、雨除け鍔12)
図2(a)、図5(a)に例示されるように、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの少なくとも一方には、安全領域を規定する安全領域規定鍔11が取り付けられていてもよい。第1操作棒3(または、第2操作棒4)に安全領域規定鍔11が取り付けられる場合、安全領域規定鍔11よりも基端部3b側(または、基端部4b側)の領域が、作業中にユーザが触れてもよい領域であり、安全領域規定鍔11よりも先端部3a側(または、先端部4a側)の領域が、作業中にユーザが触れてはいけない領域である。安全領域規定鍔11は、電気絶縁性材料(例えば、電気絶縁性の樹脂)によって構成される。
【0077】
図2(a)、図5(a)に例示されるように、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの少なくとも一方には、雨が、第1操作棒3(または、第2操作棒4)を伝わって基端部3b側(または、基端部4b側)に流れ落ちることを防止する雨除け鍔12が取り付けられていてもよい。
【0078】
(操作部材5)
図11(a)に記載の例では、操作部材5は、操作ハンドル50と、第1操作棒3に接続される第1接続部材51と、第2操作棒4に接続される第2接続部材55(より具体的には、アーム55a)とを備える。図11(a)に記載の例では、第2接続部材55(より具体的には、アーム55a)は、第3軸AX3まわりに回転可能なように第1接続部材51に連結されている。また、第2接続部材55(より具体的には、アーム55a)は、第4軸AX4まわりに回転可能なように第2操作棒4に連結されている。図11(a)、図11(b)に記載の例では、第2接続部材55(より具体的には、アーム55a)は、操作ハンドル50と一体的に第3軸AX3まわりを回転可能である。
【0079】
操作部材5は、操作ハンドル50が第1操作方向MR1に操作されることを許容し、第2操作方向MR2に操作されることを禁止するワンウェイ操作機構(例えば、ラチェット機構)を有していてもよい。また、操作部材5は、操作ハンドル50が第2操作方向MR2に操作されることを許容するように、ワンウェイ操作機構の作動を解除する解除操作部53を有していてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、操作部材5は、操作ハンドル50が第1操作方向MR1および第2操作方向MR2の両方に操作されることを禁止するために操作ハンドル50の位置を固定するロック部材56と、ロック部材56を、ロック位置である進出位置とロック解除位置である退避位置との間で移動させるロック部材操作部57と、を有していてもよい。
【0080】
(第3の実施形態)
図1乃至図14を参照して、第3の実施形態における連結具6について説明する。図12は、第3の実施形態における連結具6Aを模式的に示す概略3面図である。図13は、第3の実施形態の第1変形例における連結具6B、第3の実施形態の第2変形例における連結具6Cを模式的に示す図である。図14は、第3の実施形態の第3変形例における連結具6D、第3の実施形態の第4変形例における連結具6Eを模式的に示す図である。
【0081】
第3の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態または第2の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第3の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第3の実施形態において、第1の実施形態または第2の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。特に、第1の実施形態または第2の実施形態において「連結具6A」について説明された事項は、第3の実施形態における連結具6において採用可能である。また、以下において説明される連結具6は、上述の第1の実施形態または第2の実施形態において第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する連結具として採用可能である。
【0082】
第3の実施形態における連結具6は、遠隔操作器具1(例えば、図1を参照。)の第1操作棒3と遠隔操作器具1の第2操作棒4とを連結することにより第1操作棒3および第2操作棒4の撓みを抑制するための連結具である。
【0083】
図4(a)乃至図4(c)に例示されるように、連結具6は、(1)第1操作棒3を保持可能な第1内面62を有し、第1操作棒3の一部を受容する第1領域AR1を規定する第1受容部61と、(2)第2操作棒4に接触可能な第2内面67を有し、第2操作棒4の一部を受容する第2領域AR2を規定し、第2領域AR2において第2操作棒4が第2内面67に対して横方向DTに相対移動することを許容する第2受容部66と、(3)第1受容部61と第2受容部66とを連結する第1連結部75と、を具備する。
【0084】
よって、第3の実施形態における連結具6が取り付けられた遠隔操作器具は、第1の実施形態または第2の実施形態における遠隔操作器具1と同様の効果を奏する。
【0085】
図1乃至図14を参照して、第3の実施形態における連結具6において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0086】
(第1受容部61、および、第2受容部66)
図12に記載の例では、第1受容部61は、第1端面63aと第2端面63bとを有する。第1端面63aから第2端面63bに向かう方向は、第1受容部61に受容された状態の第1操作棒3の延在方向と一致する。以下、第1端面63aから第2端面63bに向かう方向に沿って見ることを「端面視」と呼ぶ。
【0087】
図12に記載の例では、第1受容部61は、端面視で、全体として、略C字形状を有する。第1受容部61は、端面視で、略C字状の第1内面62を有していてもよく、端面視で、略C字状の第1外面63cを有していてもよい。
【0088】
図12に記載の例では、第1受容部61は、第1側部開口OP1を規定する2つのリップ部64(より具体的には、第1リップ部64aおよび第2リップ部64b)を有する。第1リップ部64aおよび第2リップ部64bは、互いに離れる方向に弾性変形可能である。当該弾性変形により、第1操作棒3が、第1側部開口OP1を通過して、第1受容部61の内側に進入することが可能となる。また、第1リップ部64aおよび第2リップ部64bが元の形状に戻ることにより、第1操作棒3が、意図せずして、第1受容部61から外れることが防止される。
【0089】
第2受容部66は、第1端面68aと第2端面68bとを有する。第1端面68aから第2端面68bに向かう方向は、第2受容部66に受容された状態の第2操作棒4の延在方向と略一致する。
【0090】
図12に記載の例では、第2受容部66は、端面視で、全体として、第1受容部61から第2受容部66に向かう方向に沿って延伸された略C字形状を有する。第2受容部66は、端面視で、第1受容部61から第2受容部66に向かう方向に沿って延伸された略C字状の第2内面67を有していてもよく、端面視で、第1受容部61から第2受容部66に向かう方向に沿って延伸された略C字状の第2外面68cを有していてもよい。
【0091】
図12に記載の例では、第2受容部66は、第2側部開口OP2を規定する2つのリップ部69(より具体的には、第3リップ部69aおよび第4リップ部69b)を有する。第3リップ部69aおよび第4リップ部69bは、互いに離れる方向に弾性変形可能である。当該弾性変形により、第2操作棒4が、第2側部開口OP2を通過して、第2受容部66の内側に進入することが可能となる。また、第3リップ部69aおよび第4リップ部69bが元の形状に戻ることにより、第2操作棒4が、意図せずして、第2受容部66から外れることが防止される。
【0092】
図12に記載の例では、端面視で、第1側部開口OP1と第2側部開口OP2とが、同じ方向に開口している。より具体的には、端面視で、第1受容部61の中心と第2受容部66の中心とを結ぶ線に対して、第1側部開口OP1と第2側部開口OP2とが、同じ側に配置されている。代替的に、図13(a)に例示されるように、端面視で、第1側部開口OP1と第2側部開口OP2とが、互いに反対方向に開口していてもよい。より具体的には、端面視で、第1受容部61の中心と第2受容部66の中心とを結ぶ線に対して、第2側部開口OP2が、第1側部開口OP1が配置される側とは反対側に配置されていてもよい。
【0093】
また、図13(b)に例示されるように、第1側部開口OP1が、第1受容部61のうちの第1連結部75から最も遠い部分に配置されていてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第2側部開口OP2が、第2受容部66のうちの第1連結部75から最も遠い部分に配置されていてもよい。
【0094】
(第1連結部75)
図12に記載の例では、第1連結部75は、第1受容部61と第2受容部66との間の相対回転が禁止されるように第1受容部61と第2受容部66とを連結する。また、図12に記載の例では、第1連結部75は、第1受容部61と第2受容部66との間の距離を変更不能なように第1受容部61と第2受容部66とを連結する。この場合、第1連結部75の構造をシンプルにすることができる。
【0095】
第1連結部75の変形例について説明する。図14(a)には、第3変形例における連結具6Dが示されている。図14(a)に記載の例では、第1連結部75は、第1受容部61と第2受容部66との間の相対回転が許容されるように第1受容部61と第2受容部66とを連結する。当該相対回転が許容される場合、第1操作棒3および第2操作棒4の不規則な変形(例えば、ねじれ変形)に対して、連結具6Dを柔軟に追従させることができる。
【0096】
図14(a)に記載の例では、第1連結部75は、第1受容部61に連結された第1部分76aと、第2受容部66に連結された第2部分76bと、回転継手77と、を有する。回転継手77は、第2部分76bが、第1部分76aに対して、第1受容部61から第2受容部66に向かう方向に沿って延在する回転軸ATまわりに相対回転可能なように、第1部分76aと第2部分76bとを接続する。なお、第1受容部61と第2受容部66とを相対回転可能なように連結する第1連結部75の具体的構成が、図14(a)に記載の例に限定されないことは言うまでもない。
【0097】
図14(b)には、第4変形例における連結具6Eが示されている。図14(b)に記載の例では、第1連結部75は、第1受容部61と第2受容部66との間の距離を変更可能なように第1受容部61と第2受容部66とを連結する。この場合、図1に例示されるように、第1操作棒3と第2操作棒4との間の間隔が第1操作棒3の長手方向に沿って変化する場合において、連結具6Eを、第1操作棒3および第2操作棒4の所望の位置に柔軟に取り付けることができる。
【0098】
図14(b)に記載の例では、第1連結部75は、第1受容部61と第2受容部66との間の距離を調整するネジ棒78を有する。ネジ棒78は、第1受容部61から第2受容部66に向かう方向に平行な軸ATに沿って延在することが好ましい。第1連結部75は、第1受容部61に連結された第1ネジ棒78aと、第2受容部66に連結された第2ネジ棒78bと、第1ネジ棒78aおよび第2ネジ棒78bを移動させるネジ棒操作部79とを有していてもよい。図14(b)に記載の例では、第1ネジ棒78aおよび第2ネジ棒78bのうちの一方は順ネジ棒であり、他方が逆ネジ棒である。また、ネジ棒操作部79は、第1ネジ棒78aおよび第2ネジ棒78bのそれぞれに螺合している。
【0099】
図14(b)に記載の例において、ネジ棒操作部79が操作されると、ネジ棒78(より具体的には、第1ネジ棒78aおよび第2ネジ棒78b)が軸ATに沿って移動する。その結果、第1受容部61と第2受容部66との間の距離が調整される。
【0100】
図14(b)に記載の例では、第1連結部75は、第1受容部61と第2受容部66との間の距離を変更可能、かつ、第1受容部61と第2受容部66との間の相対回転(より具体的には、軸ATまわりの相対回転)が許容されるように、第1受容部61と第2受容部66とを連結する。
【0101】
なお、第1受容部61と第2受容部66との間の距離を変更可能なように第1受容部61と第2受容部66とを連結する第1連結部75の具体的構成が、図14(b)に記載の例に限定されないことは言うまでもない。また、図14(b)に記載の例では、第1受容部61と第2受容部66との間の距離を変更可能なように第1受容部61と第2受容部66とが剛的に連結されているが、代替的に、第1受容部61と第2受容部66との間の距離を変更可能なように第1受容部61と第2受容部66とが弾性的に連結されていてもよい。換言すれば、第1受容部61と第2受容部66とを連結する第1連結部75は、伸縮可能な連結部であってもよい。
【0102】
(第4の実施形態)
図1乃至図16を参照して、第4の実施形態における連結具6と第2連結具8とを含むキットKについて説明する。図15は、第4の実施形態における連結具6と第2連結具8とを含むキットKの一例を模式的に示す図である。図16は、第4の実施形態における連結具6と第2連結具8とを含むキットKの他の一例を模式的に示す図である。
【0103】
第4の実施形態では、第1の実施形態乃至第3の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第4の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第4の実施形態において、第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。特に、第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態において「連結具(6A、6B、6C、6D、6E)」、「第2連結具8A」について説明された事項は、第4の実施形態における「連結具6」、「第2連結具8」において採用可能である。また、以下において説明される連結具6および第2連結具8は、上述の第1の実施形態または第2の実施形態において第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する連結具および第2連結具として採用可能である。
【0104】
第4の実施形態におけるキットKは、連結具6と第2連結具8とを含む。キットKは、連結具6および第2連結具8に加えて、第3連結具を含んでいてもよい。連結具6としては、第1の実施形態または第2の実施形態において説明された連結具6Aが採用されてもよく、第3の実施形態において説明された連結具(6A、6B、6C、6D、6E)が採用されてもよい。連結具6については、第1の実施形態乃至第3の実施形態において説明済みであるため、連結具6についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0105】
第2連結具8は、遠隔操作器具1(例えば、図1を参照。)の第1操作棒3と遠隔操作器具1の第2操作棒4とを連結することにより第1操作棒3および第2操作棒4の撓みを抑制するための連結具である。第2連結具8としては、第1の実施形態または第2の実施形態において説明された第2連結具8Aが採用されてもよく、その他の第2連結具が採用されてもよい。
【0106】
図10(a)に例示されるように、第2連結具8は、(1)第1操作棒3を保持可能な第3内面82を有し、第1操作棒3の一部を受容する第3領域AR3を規定する第3受容部81と、(2)第2操作棒4に接触可能な第4内面87を有し、第2操作棒4の一部を受容する第4領域AR4を規定し、第4領域AR4において第2操作棒4が第4内面87に対して横方向DTに相対移動することを許容する第4受容部86と、(3)第3受容部81と第4受容部86とを連結する第2連結部95と、を備える。
【0107】
図15に記載の例では、連結具6の第1連結部75の長さL1と、第2連結具8の第2連結部95の長さL2とが互いに異なる。長さL1と長さL2とが互いに異なることにより、連結具6が配置される領域における第1操作棒3と第2操作棒4との間隔G1(図9を参照。)と、第2連結具8が配置される領域における第1操作棒3と第2操作棒4との間隔G2(図9を参照。)との違いに柔軟に対応させることができる。
【0108】
代替的に、あるいは、付加的に、第1連結部75の長さL1および第2連結部95の長さL2のうちの少なくとも一方を調整可能であってもよい。
【0109】
図16に記載の例では、連結具6の第1連結部75の長さを調整可能である。連結具6としては、第3の実施形態において説明された連結具6Eが採用されてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第2連結具8の第2連結部95の長さを調整可能であってもよい。第2連結部95の長さを調整する機構としては、例えば、連結具6の第1連結部75の長さを調整する機構と同様の機構を採用することができる。図16に記載の例では、第2連結具8Eの第2連結部95は、第3受容部81と第4受容部86との間の距離を調整するネジ棒98(より具体的には、第1ネジ棒98aおよび第2ネジ棒98b)と、ネジ棒98(より具体的には、第1ネジ棒98aおよび第2ネジ棒98b)を移動させるネジ棒操作部99とを備える。
【0110】
図16に記載の例では、第1連結部75の長さ、および、第2連結部の長さL2のうちの少なくとも一方を調整可能であることにより、連結具6が配置される領域における第1操作棒3と第2操作棒4との間隔G1(図9を参照。)と、第2連結具8が配置される領域における第1操作棒3と第2操作棒4との間隔G2(図9を参照。)との違いに柔軟に対応させることができる。
【0111】
(遠隔操作器具1の使用方法)
図1乃至図17を参照して、実施形態における遠隔操作器具1の使用方法について説明する。図17は、実施形態における遠隔操作器具1の使用方法の一例を示すフローチャートである。
【0112】
実施形態における遠隔操作器具1の使用方法において使用される遠隔操作器具は、第1の実施形態における遠隔操作器具1Aであってもよいし、第2の実施形態における遠隔操作器具1Bであってもよいし、その他の遠隔操作器具であってもよい。また、当該遠隔操作器具1が有する連結具6は、第1の実施形態または第2の実施形態において説明された連結具6Aであってもよいし、第3の実施形態において説明された連結具(6A、6B、6C、6D、6E)であってもよいし、その他の連結具であってもよい。さらに、当該遠隔操作器具1が第2連結具8を備える場合には、当該第2連結具8は、第1の実施形態または第2の実施形態において説明された第2連結具8Aであってもよいし、第4の実施形態において説明された第2連結具8Eであってもよいし、その他の第2連結具であってもよい。
【0113】
図1図2図5等に例示されるように、遠隔操作器具1は、(1)第1作用部材21と、第2作用部材22とを有し、第1作用部材21および第2作用部材22によって対象物Tを把持可能または切断可能な工具2と、(2)第1作用部材21に連結される第1操作棒3と、(3)第2作用部材22に連結される第2操作棒4と、(4)第1操作棒3および第2操作棒4のそれぞれに連結され、第2操作棒4を第1操作棒3に対して相対移動させることにより、第1作用部材21および第2作用部材22のうちの少なくとも一方を遠隔操作する操作部材5と、(5)工具2と操作部材5との間の領域において、第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する連結具6と、を具備する。また、図4等に例示されるように、連結具6は、(6)第1操作棒3を保持する第1内面62を有し、第1操作棒3の一部を受容する第1領域AR1を規定する第1受容部61と、(7)第2操作棒4に接触可能な第2内面67を有し、第2操作棒4の一部を受容する第2領域AR2を規定する第2受容部66と、(8)第1受容部61と第2受容部66とを連結する第1連結部75と、を備える。
【0114】
第1ステップST1において、連結具6が、第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられる。第1ステップST1は、第1取り付け工程である。
【0115】
連結具6の第1受容部61が第1側部開口OP1を有する場合には、第1取り付け工程は、第1側部開口OP1を介して、第1受容部61に第1操作棒3を挿入する第1挿入工程を含む(図8を参照。)。第1側部開口OP1が、第1リップ部64aおよび第2リップ部64bによって規定されている場合には、第1挿入工程は、第1操作棒3を第1リップ部64aおよび第2リップ部64bに押し付けることにより、第1リップ部64aおよび第2リップ部64bを互いに離れる方向に弾性変形させることを含んでいてもよい。
【0116】
連結具6の第2受容部66が第2側部開口OP2を有する場合には、第1取り付け工程は、第2側部開口OP2を介して、第2受容部66に第2操作棒4を挿入する第2挿入工程を含む(図8を参照。)。第2側部開口OP2が、第3リップ部69aおよび第4リップ部69bによって規定されている場合には、第2挿入工程は、第2操作棒4を第3リップ部69aおよび第4リップ部69bに押し付けることにより、第3リップ部69aおよび第4リップ部69bを互いに離れる方向に弾性変形させることを含んでいてもよい。
【0117】
なお、連結具6が、既に、第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられている場合には、第1ステップST1は省略される。
【0118】
付加的に、遠隔操作器具1の使用方法は、第2連結具8を第1操作棒3および第2操作棒4に取り付ける工程(以下、「第2取り付け工程」という。)を備えていてもよい(図10(a)および図10(b)を参照。)。第2連結具8の第3受容部81が第3側部開口OP3を有する場合には、第2取り付け工程は、第3側部開口OP3を介して、第3受容部81に第1操作棒3を挿入する第3挿入工程を含んでいてもよい。また、第2連結具8の第4受容部86が第4側部開口OP4を有する場合には、第2取り付け工程は、第4側部開口OP4を介して、第4受容部86に第2操作棒4を挿入する第4挿入工程を含んでいてもよい。
【0119】
なお、第2連結具8が、既に、第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられている場合、あるいは、遠隔操作器具1が第2連結具8を有さない場合には、第2取り付け工程は省略される。
【0120】
第2ステップST2において、第1操作棒3の長手方向に沿う方向における連結具6の位置が調整される(図6(a)における矢印F2、あるいは、図6(b)における矢印F1を参照。)。第2ステップST2は、位置調整工程である。位置調整工程は、例えば、連結具6が第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられた状態で、連結具6を、第1操作棒3の長手方向に沿ってスライド移動させることを含む。
【0121】
図6(b)に例示されるように、連結具6が、第1操作棒3に沿って、第1操作棒3の先端部3aに向けてスライド移動される場合、第1横方向DT1側の第1当接面67aの位置を、第2操作棒4からより離れた位置にすることができる。他方、図6(a)に例示されるように、連結具6が、第1操作棒3に沿って、第1操作棒3の基端部3bに向けてスライド移動される場合、第1横方向DT1側の第1当接面67aの位置を、第2操作棒4により近い位置にすることができる。
【0122】
付加的に、遠隔操作器具1が第2連結具8を備える場合には、第1操作棒3の長手方向に沿う方向における第2連結具8の位置が調整されてもよい。第2連結具8の位置の調整は、例えば、第2連結具8が第1操作棒3および第2操作棒4に取り付けられた状態で、第2連結具8を、第1操作棒3の長手方向に沿ってスライド移動させることを含む。
【0123】
なお、第1操作棒3および第2操作棒4に対する連結具6(あるいは、連結具6および第2連結具8)の位置調整を行う必要がない場合には、第2ステップST2は、省略される。
【0124】
第3ステップST3において、操作部材5が操作される。第3ステップST3は、操作工程である。操作工程では、第1操作棒3に対して第2操作棒4が相対移動するように操作部材5が操作される。当該操作は、例えば、操作ハンドル50を第1操作方向MR1に操作することを含む(図11を参照。)。
【0125】
第4ステップST4において、第1作用部材21および第2作用部材22から対象物Tに把持力または切断力が付与される。第4ステップST4は、力付与工程である。力付与工程では、第1操作棒3に対する第2操作棒4の相対移動によって、第1作用部材21および第2作用部材22から対象物Tに把持力または切断力が付与される。第4ステップST4の実行により、対象物Tが、第1作用部材21および第2作用部材22によって把持または切断される(図2(b)または図5(b)を参照。)。
【0126】
図2(a)および図2(b)、あるいは、図5(a)および図5(b)に記載の例では、力付与工程は、第1操作棒3に対する第2操作棒4の相対移動によって、第1作用部材21の第1作用部212と第2作用部材22の第2作用部222との間の距離を減少させることを含む。
【0127】
第5ステップST5において、第2受容部66によって規定される第2領域AR2において第2操作棒4が横方向DTに移動される。第5ステップST5は、横移動工程である。横移動工程では、第1操作棒3に対する第2操作棒4の相対移動に伴って、第2受容部66によって規定される第2領域AR2において第2操作棒4が第2内面67に対して横方向DTに相対移動される(図4(b)および図4(c)を参照。)。
【0128】
第5ステップST5は、第3ステップST3あるいは第4ステップST4の実行に付随して実行される。より具体的には、図2(b)または図5(b)に記載の例では、操作部材5が操作されること(第3ステップST3)により、第2操作棒4が第1操作棒3から離れる方向に移動し、その結果、第2受容部66によって規定される第2領域AR2において第2操作棒4が横方向DTに移動する。また、図2(b)または図5(b)に記載の例では、対象物Tに把持力または切断力が付与されること(第4ステップST4)により、第1操作棒3および第2操作棒4のうちの少なくとも一方に撓みが生じ、その結果、第2受容部66によって規定される第2領域AR2において第2操作棒4が横方向DTに移動する。
【0129】
図4(b)および図4(c)に例示されるように、横移動工程(第5ステップST5)は、第2操作棒4と第2内面67との間の接触状態を、第2内面67のうちの第1横方向DT1側の第1当接面67aから第2操作棒4が離間した第1状態(図4(b)を参照。)から、当該第1当接面67aに第2操作棒4が接触した第2状態(図4(c)を参照。)に切り替えることを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、横移動工程(第5ステップST5)は、第2操作棒4と第2内面67との間の接触状態を、第2内面67のうちの第2横方向DT2側の第2当接面67bから第2操作棒4が離間した第3状態(図4(b)を参照。)から、当該第2当接面67bに第2操作棒4が接触した第4状態(図7(b)を参照。)に切り替えることを含んでいてもよい。
【0130】
また、図9に例示されるように、遠隔操作器具1が第2連結具8を有する場合には、横移動工程(第5ステップST5)は、第2連結具8の第4受容部86によって規定される第4領域AR4において第2操作棒4が第4内面87に対して横方向DTに相対移動されることを含んでいてもよい。
【0131】
以上のとおり、実施形態における遠隔操作器具1の使用方法において、遠隔操作器具1が第1操作棒3と第2操作棒4とを連結する連結具6を備え、当該連結具6は、第2操作棒4が第2領域AR2において横方向DTに移動することを許容する。よって、実施形態における遠隔操作器具1の使用方法では、連結具6により、第1操作棒3および第2操作棒4の撓みが抑制され、かつ、第2領域AR2によって、第1操作棒3に対する第2操作棒4の円滑な相対移動が許容される。
【0132】
また、横移動工程(第5ステップST5)が、第2操作棒4と第2内面67との間の接触状態が、第1当接面67aから第2操作棒4が離間した第1状態から、当該第1当接面67aに第2操作棒4が接触した第2状態に切り替えられることを含む場合を想定する。この場合には、第1当接面67aから第2操作棒4が離間した第1状態において、第1操作棒3および第2操作棒4が適度に外向き撓み方向に撓むことが許容され、第1当接面67aに第2操作棒4が接触した第2状態において、第1操作棒3および第2操作棒4が過度に外向き撓み方向に撓むことが防止される。
【0133】
また、横移動工程(第5ステップST5)が、第2操作棒4と第2内面67との間の接触状態が、第2当接面67bから第2操作棒4が離間した第3状態から、当該第2当接面67bに第2操作棒4が接触した第4状態に切り替えられることを含む場合を想定する。この場合には、第2当接面67bから第2操作棒4が離間した第3状態において、第1操作棒3および第2操作棒4が適度に内向き撓み方向に撓むことが許容され、第2当接面67bに第2操作棒4が接触した第4状態において、第1操作棒3および第2操作棒4が過度に内向き撓み方向に撓むことが防止される。
【0134】
第3ステップST3乃至第5ステップST5の実行後、操作部材5の操作ハンドル50の位置がロック部材56によって固定されてもよい。操作ハンドル50の位置が固定されることにより、例えば、工具2によって対象物Tが把持された状態を維持することができる。
【0135】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形または変更され得ることが明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる任意の構成要素を、他の実施形態または他の変形例に組み合わせることが可能であり、また、各実施形態または各変形例において任意の構成要素を省略することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明の遠隔操作器具、連結具、連結具と第2連結具とを含むキット、および、遠隔操作器具の使用方法を用いると、第1操作棒および第2操作棒の撓みが抑制され、かつ、第1操作棒に対する第2操作棒の円滑な相対移動が許容される。よって、対象物に作用する把持力または切断力の低下が抑制され、また、第1操作棒および第2操作棒の劣化が抑制される。したがって、遠隔操作器具を用いて作業を行う業者、および、遠隔操作器具または連結具を製造する製造業者にとって有用である。
【符号の説明】
【0137】
1、1A、1B…遠隔操作器具、2…工具、2A…把持工具、2B…切断工具、3…第1操作棒、3a…先端部、3b…基端部、4…第2操作棒、4a…先端部、4b…基端部、5…操作部材、6、6A、6B,6C、6D、6E…連結具、8、8E…第2連結具、11…安全領域規定鍔、12…雨除け鍔、21…第1作用部材、21a…第1把持部材、21b…第1切断部材、22…第2作用部材、22a…第2把持部材、22b…第2切断部材、50…操作ハンドル、51…第1接続部材、52…第2接続部材、53…解除操作部、55…第2接続部材、55a…アーム、56…ロック部材、57…ロック部材操作部、61…第1受容部、62…第1内面、63a…第1端面、63b…第2端面、63c…第1外面、64…リップ部、64a…第1リップ部、64b…第2リップ部、66…第2受容部、67…第2内面、67a…第1当接面、67b…第2当接面、68a…第1端面、68b…第2端面、68c…第2外面、69…リップ部、69a…第3リップ部、69b…第4リップ部、75…第1連結部、76a…第1部分、76b…第2部分、77…回転継手、78…ネジ棒、78a…第1ネジ棒、78b…第2ネジ棒、79…ネジ棒操作部、81…第3受容部、82…第3内面、86…第4受容部、87…第4内面、87a…第3当接面、87b…第4当接面、95…第2連結部、98…ネジ棒、98a…第1ネジ棒、98b…第2ネジ棒、99…ネジ棒操作部、212…第1作用部、212a…第1把持部、212b…第1切断刃、214…基端部、222…第2作用部、222a…第2把持部、222b…第2切断刃、224…基端部、AR1…第1領域、AR2…第2領域、AR3…第3領域、AR4…第4領域、K…キット、OP1…第1側部開口、OP2…第2側部開口、OP3…第3側部開口、OP4…第4側部開口、P1…第1部分、P2…第2部分、P3…第3部分、P4…第4部分、T…対象物
図1
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