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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133961
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】シールド端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20240926BHJP
   H01R 24/38 20110101ALI20240926BHJP
【FI】
H01R13/11 K
H01R24/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043999
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金村 佳佑
(72)【発明者】
【氏名】康 麗萍
(72)【発明者】
【氏名】橋本 宣仁
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB41
5E223AB59
5E223AB67
5E223AC12
5E223AC21
5E223BA12
5E223BA15
5E223BB12
5E223CA13
5E223CB24
5E223CB26
5E223CB46
5E223CB47
5E223CC07
5E223CC09
5E223EB04
5E223EB12
5E223EB22
5E223GA08
5E223GA19
5E223GA53
(57)【要約】
【課題】すべての接点における接続信頼性を確保可能なシールド端子を提供する。
【解決手段】シールド端子10は、相手側外導体51に嵌合する筒状の外導体20と、前記外導体20の上側に設けられ、前記外導体の径方向に弾性変位可能な可動接点部21と、前記外導体20の下側に設けられ、前記外導体の径方向の位置が固定されている固定接点部22と、を備え、前記固定接点部22は、下方から見たときに、各固定接点部22を結ぶ線分36によって多角形を描くように少なくとも3つ配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側外導体に嵌合する筒状の外導体と、
前記外導体の上側に設けられ、前記外導体の径方向に弾性変位可能な可動接点部と、
前記外導体の下側に設けられ、前記外導体の径方向の位置が固定されている固定接点部と、を備え、
前記固定接点部は、下方から見たときに、各固定接点部を結ぶ線分によって多角形を描くように少なくとも3つ配置されている、シールド端子。
【請求項2】
前記固定接点部は、2つの第1固定接点部と、1つの第2固定接点部と、を有し、
前記第1固定接点部は、前記外導体の前後方向において同じ位置に、前記外導体の周方向に間隔をあけて設けられ、
前記第2固定接点部は、前記外導体の前後方向において前記2つの第1固定接点部とずれた位置、かつ前記外導体の周方向において前記2つの第1固定接点部の間の位置に設けられている、請求項1に記載のシールド端子。
【請求項3】
前記固定接点部は、第1固定接点部と、第2固定接点部と、を有し、
前記外導体の前後方向において、前記第1固定接点部は前記可動接点部よりも一方の側に配置され、前記第2固定接点部は他方の側に配置されている、請求項1または請求項2に記載のシールド端子。
【請求項4】
前記可動接点部は、前記外導体の前後方向において同じ位置に、前記外導体の周方向に間隔をあけて複数設けられている、請求項3に記載のシールド端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シールド端子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1~5には、相手端子金具に接触する複数の接点を有する端子金具が記載されている。そのうち下記特許文献3~5には、相手側外導体に嵌合する筒状の外導体を備えたシールド端子が記載されている。外導体は、相手側外導体に接触する複数の接点を有している。シールド端子は、外導体と相手側外導体との接触箇所を多くすることによって、シールド性能の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-191726号公報
【特許文献2】特開2017-204397号公報
【特許文献3】特開2003-115358号公報
【特許文献4】特開2019-140013号公報
【特許文献5】特開2019-140014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような構成のシールド端子において、例えば相手側外導体と外導体との形状に歪みが生じた場合に、すべての接点を確実に接触させることは難しかった。
【0005】
そこで、本開示は、すべての接点における接続信頼性を確保可能なシールド端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のシールド端子は、相手側外導体に嵌合する筒状の外導体と、前記外導体の上側に設けられ、前記外導体の径方向に弾性変位可能な可動接点部と、前記外導体の下側に設けられ、前記外導体の径方向の位置が固定されている固定接点部と、を備え、前記固定接点部は、下方から見たときに、各固定接点部を結ぶ線分によって多角形を描くように少なくとも3つ配置されているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、すべての接点における接続信頼性を確保可能なシールド端子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態にかかるシールド端子であって、相手側端子金具と接続した状態を示す一部拡大断面図である。
図2図2は、シールド端子を示す正面図である。
図3図3は、シールド端子の前端部を示す平面図である。
図4図4は、シールド端子の前端部を示す底面図である。
図5図5は、シールド端子の前端部を示す側面図である。
図6図6は、シールド端子を示す断面図であって、図1のA-A位置における断面に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示のシールド端子は、相手側外導体に嵌合する筒状の外導体と、前記外導体の上側に設けられ、前記外導体の径方向に弾性変位可能な可動接点部と、前記外導体の下側に設けられ、前記外導体の径方向の位置が固定されている固定接点部と、を備え、前記固定接点部は、下方から見たときに、各固定接点部を結ぶ線分によって多角形を描くように少なくとも3つ配置されている。このような構成によれば、相手側外導体の形状と外導体の形状とが同心円ではない場合であっても、可動接点部は、径方向に弾性変位して相手側外導体に接触することができる。可動接点部と相手側外導体との接触によって生じた弾性力は、相手側外導体の形状に合うように外導体を追従させることができる。これによって、多角形を描くように配置された固定接点部は、相手側外導体に接触した状態になりやすくなる。したがって、すべての接点における接続信頼性を確保できる。
(2)上記(1)に記載されたシールド端子において、前記固定接点部は、2つの第1固定接点部と、1つの第2固定接点部と、を有し、前記第1固定接点部は、前記外導体の前後方向において同じ位置に、前記外導体の周方向に間隔をあけて設けられ、前記第2固定接点部は、前記外導体の前後方向において前記2つの第1固定接点部とずれた位置、かつ前記外導体の周方向において前記2つの第1固定接点部の間の位置に設けられていてもよい。このような構成によれば、固定接点部は、広い間隔をあけてバランスよく配置されているから、固定接点部を相手側外導体に接触させやすくできる。
(3)上記(1)又は(2)に記載されたシールド端子において、前記固定接点部は、第1固定接点部と、第2固定接点部と、を有し、前記外導体の前後方向において、前記第1固定接点部は前記可動接点部よりも一方の側に配置され、前記第2固定接点部は他方の側に配置されていると良い。このような構成によれば、可動接点部の弾性力は、第1固定接点部と第2固定接点部とにバランスよく作用するから、固定接点部を相手側外導体に接触させやすくできる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載されたシールド端子において、前記可動接点部は、前記外導体の前後方向において同じ位置に、前記外導体の周方向に間隔をあけて複数設けられていると良い。このような構成によれば、複数の可動接点部の弾性力は外導体の前後方向に均等に作用しやすい。可動接点部の一方の側に第1固定接点部、他方の側に第2固定接点部が設けられている場合、複数の可動接点部の弾性力は第1固定接点部及び第2固定接点部に均等に作用しやすいから、固定接点部を相手側外導体に接触させやすくできる。
【0010】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のシールド端子の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
シールド端子10は、図1に示すように、内導体11、誘電体12、外導体20、可動接点部21及び固定接点部22を備えている。外導体20は、相手側端子50の外導体(相手側外導体51と称する。)に嵌合可能な筒状をなしている。可動接点部21は、外導体20の径方向における一方の側に設けられている。固定接点部22は、外導体20の径方向における他方の側に設けられている。
【0012】
以下、シールド端子10を構成する各部材において、相手側端子50に対する接続方向を前側、その反対側を後側、可動接点部21が設けられている側を上側、固定接点部22が設けられている側を下側として説明する。各図においてX軸の正方向側は左側、X軸の負方向側は右側、Y軸の正方向側は上側、Y軸の負方向側は下側、Z軸の正方向側は前側、Z軸の負方向側は後側を示す。Z軸は、外導体20の軸線13と平行である。「平行」は、厳密に平行な状態に加えて、概ね平行な状態を含む。上下方向は、重力方向とは無関係である。
【0013】
相手側端子50及びシールド端子10はそれぞれ、シールド電線60の端部に取り付けられている。シールド電線60は、いわゆる同軸線である。シールド電線60は、芯線61、絶縁部62、シールド部63及びシースを有している。シースの図示は省略する。芯線61は導電性を有している。芯線61は、複数の素線を撚り合わせて形成されている。芯線61は高周波信号を伝送する機能を有している。絶縁部62は、芯線61の外周を包囲している。シールド部63は、電磁波をシールドする機能を有している。シールド部63は、例えば素線を網状に編成した導電性の編組線である。シースは、シールド部63の外周を包囲している。シースは、絶縁性を有している。
【0014】
相手側端子50は、相手側内導体52、相手側誘電体53及び相手側外導体51を備えている。相手側内導体52は、金属製である。相手側内導体52は、シールド電線60の芯線61に圧着されている。相手側内導体52は、タブ54を有している。相手側誘電体53は、合成樹脂製である。相手側誘電体53は、相手側内導体52と相手側外導体51との間に配置されている。相手側誘電体53は、相手側内導体52のタブ54を除いた部分を包囲している。タブ54は、相手側外導体51の内側に配置されている。相手側外導体51は、円筒状をなしている。
【0015】
内導体11は、金属製である。内導体11の後端部は、芯線61の端末部に圧着されている。内導体11の前端部には、相手側内導体52のタブ54が挿入される。誘電体12は、合成樹脂製である。誘電体12は、内導体11と外導体20との間に配置されている。外導体20は、金属製である。外導体20は、円筒状をなしている。
【0016】
外導体20は、図1に示すように、第1外導体23及び第2外導体24を備えている。第1外導体23及び第2外導体24はそれぞれ、金属板を曲げ加工等して円筒状に形成されている。第2外導体24は、シールド部63の端末部に圧着されている。第2外導体24の前端部は、第1外導体23の後端部25に嵌め込まれている。第2外導体24の前端部と第1外導体23の後端部25とは、スポット溶接等によって連結されている。
【0017】
第1外導体23は、相手側外導体51との接続部26を有している。接続部26は、相手側外導体51の内側に嵌め込まれる。接続部26は、可動接点部21及び固定接点部22を有している。接続部26の前端部27は、相手側誘電体53の外周側に嵌合する。接続部26の前端部27は、図2に示すように、全周にわたり連続した円筒形状である。
【0018】
第1外導体23は、図2に示すように、合わせ面28を有している。合わせ面28は、円筒状に形成した金属板の接合面である。合わせ面28は、第1外導体23の下面に形成されている。合わせ面28は、図4に示すように、係合部29を有している。係合部29は、切欠き部31と突部32とによって構成されている。突部32と切欠き部31とは嵌め合わされている。
【0019】
可動接点部21は、図2に示すように、第1外導体23の上側の領域に設けられている。可動接点部21は、第1外導体23の径方向における外方に突出して形成されている。可動接点部21は、正面側から見ると、第1外導体23の周方向に間隔をあけて3つ設けられている。3つの可動接点部21のうちの1つは、正面側から見ると、軸線13を中心に合わせ面28と180度反対の位置に配置されている。3つの可動接点部21は、正面側から見ると、軸線13を中心に等角度間隔で配置されている。
【0020】
固定接点部22は、図2に示すように、第1外導体23の下側の領域に設けられている。固定接点部22は、第1外導体23の径方向における外方に突出して形成されている。固定接点部22は、正面側から見ると、第1外導体23の周方向に間隔をあけて3つ設けられている。3つの固定接点部22のうちの1つは、正面側から見ると、合わせ面28の位置に配置されている。3つの固定接点部22は、正面側から見ると、軸線13を中心に等角度間隔で配置されている(60°間隔)。
【0021】
3つの固定接点部22と3つの可動接点部21とは、正面側から見ると、軸線13を中心に等角度間隔で配置されている(60°間隔)。固定接点部22と可動接点部21とは、軸線13を中心に180度反対の位置に1つずつ配置されている。固定接点部22と可動接点部21とは、軸線13を挟んで配置されている。
【0022】
各可動接点部21は、図3に示すように、弾性片部33に設けられている。各弾性片部33は、後端を固定端、前端を自由端とする片持ち状である。各弾性片部33の前後方向の寸法は、周方向の寸法よりも大きい。各弾性片部33は、後端を支点として径方向の内外に弾性変形可能である。
【0023】
3つの弾性片部33は、第1外導体23の周方向に並んで配置されている。各弾性片部33は、後端から前方にある可動接点部21に向かって径方向の外側に傾斜し、可動接点部21から前端に向かって径方向の内側に傾斜している。可動接点部21は、弾性片部33のうち径方向において最も外側の位置に形成されている。可動接点部21は、各弾性片部33において前後方向で前端に近い位置に設けられている。3つの可動接点部21は、第1外導体23の軸線方向において揃った位置に配置されている。
【0024】
隣接する弾性片部33の間には、軸方向のスリット34が形成されている。軸方向のスリット34は、前後方向に細長く延びている。3つの弾性片部33と前端部27との間には、直径方向のスリット35が形成されている。直径方向のスリット35は、第1外導体23の周方向に細長く延びている。
【0025】
固定接点部22は、図24に示すように、第1外導体23の下側の領域の一部を外側に叩き出して形成されている。これによって、固定接点部22の径方向(内外方向)の位置は、固定されている。第1外導体23の下側の領域は上側と違いスリットを有していないから、スリットからの電磁ノイズの漏れを防止できる。
【0026】
固定接点部22は、2つの第1固定接点部22Fと、1つの第2固定接点部22Sとを有している。全ての固定接点部22は、前後方向において係合部29の形成領域に設けられている。
【0027】
2つの第1固定接点部22Fは、第1外導体23の前後方向において揃った位置に配置されている。2つの第1固定接点部22Fは、図4に示すように、下側から見ると、第1外導体23の左右両端に配置されている。
【0028】
第2固定接点部22Sは、一対の第1固定接点部22Fよりも後側にずれた位置に配置されている。第2固定接点部22Sは、第1外導体23の周方向において2つの第1固定接点部22Fの間に位置している。かつ第2固定接点部22Sは、係合部29を除く合わせ面28の延長線上に位置している。
【0029】
3つの固定接点部22は、下側から見たときに、各固定接点部22を結ぶ線分36によって三角形を描くように配置されている。各固定接点部22を結ぶ線分36は、内側に面を形成する。3つの固定接点部22を結ぶ3つの線分36は、第2固定接点部22Sを頂点とした直角二等辺三角形を形成している。
【0030】
第1固定接点部22Fは、図5に示すように、可動接点部21よりも前側に配置されている。第2固定接点部22Sは、可動接点部21よりも後側に配置されている。3つの可動接点部21の頂点の全てを含む仮想の面37と第1固定接点部22Fとの間のZ軸に平行な距離38と、仮想の面37と第2固定接点部22Sとの間のZ軸に平行な距離39とは等しい。
【0031】
次に、シールド端子10と相手側端子50との接続作業の一例について説明する。シールド端子10の外導体20の接続部26を相手側端子50の相手側外導体51に挿入する。3つの可動接点部21は、図6に示すように、相手側外導体51の内面に接触する。各弾性片部33は、径方向の内側に弾性変形する。各弾性片部33の弾性力によって、接続部26の下側の領域は、下方もしくは斜め下方に押される。接続部26は、相手側外導体51の内面に沿うように傾く。3つの固定接点部22は、前後左右に間隔をあけて面を形成するように配置されているから、それぞれ相手側外導体51の内面に当たりやすい。これによって、全ての可動接点部21及び固定接点部22は、相手側外導体51の内面に接触した状態になる。相手側内導体52のタブ54は、内導体11の前端部に挿入された状態になり、相手側端子50とシールド端子10との接続作業が完了する。
【0032】
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。シールド端子10は、外導体20と、可動接点部21と、固定接点部22と、を備えている。外導体20は、相手側外導体51に嵌合する筒状をなしている。可動接点部21は、外導体20の上側に設けられている。可動接点部21は、径方向に弾性変位可能である。固定接点部22は、外導体20の下側に設けられている。固定接点部22の径方向の位置は固定されている。固定接点部22は、下方から見たときに、各固定接点部22を結ぶ線分36によって三角形を描くように3つ配置されている。
【0033】
この構成によれば、相手側外導体51の形状と外導体20の形状とが揃わない場合であっても、可動接点部21は、径方向に弾性変位して相手側外導体51に接触することができる。可動接点部21と相手側外導体51との接触によって生じた弾性力は、相手側外導体51の形状に合うように外導体20を追従させることができる。これによって、面を形成するように配置された固定接点部22は、相手側外導体51に接触した状態になりやすい。したがって、すべての接点における接続信頼性を確保できる。
【0034】
固定接点部22は、2つの第1固定接点部22Fと、1つの第2固定接点部22Sと、を有している。第1固定接点部22Fは、外導体20の前後方向において同じ位置に、外導体20の周方向に間隔をあけて設けられている。第2固定接点部22Sは、外導体20の軸線方向において2つの第1固定接点部22Fに対してずれた位置、かつ外導体20の周方向において一対の第1固定接点部22Fの間の位置に設けられている。この構成によれば、固定接点部22は、広い間隔をあけてバランスよく配置されているから、固定接点部22を相手側外導体51に接触させやすくできる。
【0035】
第1固定接点部22Fは、外導体20の軸線方向において、可動接点部21よりも前側に配置され、第2固定接点部22Sは後側に配置されている。この構成によれば、可動接点部21の弾性力は、第1固定接点部22Fと第2固定接点部22Sとにバランスよく作用するから、固定接点部22を相手側外導体51に接触させやすくできる。
【0036】
可動接点部21は、外導体20の前後方向において揃った位置に、外導体20の周方向に間隔をあけて3つ設けられている。この構成によれば、3つの可動接点部21の弾性力は外導体20の軸線方向に均等に作用しやすいから、固定接点部22を相手側外導体51に接触させやすくできる。
【0037】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態の場合、可動接点部21及び固定接点部22が3つずつ設けられているが、他の実施形態としては、可動接点部及び固定接点部の数は変更しても良い。例えば、可動接点部及び固定接点部は、4つずつ以上設けても良い。また、固定接点部及び可動接点部の数は、同数でなくてもよい。また、可動接点部は1つのみ設けてもよい。
【0038】
上記実施形態の場合、2つの第1固定接点部22Fは前側、1つの第2固定接点部22Sは後側に設けられているが、他の実施形態としては、2つの第1固定接点部を後側、1つの第2固定接点部を前側に設けても良い。
【0039】
上記実施形態の場合、3つの可動接点部21は、第1外導体23の前後方向において揃った位置に配置されているが、他の実施形態としては、3つの可動接点部は、第1外導体の軸線方向においてずれた位置に配置してもよい。
【0040】
上記実施形態の場合、各弾性片部33は片持ち状であるが、他の実施形態としては、各弾性片部は両持ち状であってもよい。具体的には、各弾性片部の前端を、接続部の前端部に繋げてもよい。
【0041】
上記実施形態の場合、可動接点部21及び固定接点部22は、第1外導体23の径方向における外方に突出して形成されているが、他の実施形態としては、可動接点部及び固定接点部は、第1外導体の径方向における内方に突出して形成してもよい。この場合、外導体の接続部は、相手外側導体の外周側に嵌合するものとしてよい。可動接点部及び固定接点部は、相手側外導体の外周面に接触するものとしてよい。
【符号の説明】
【0042】
10…シールド端子
11…内導体
12…誘電体
13…軸線
20…外導体
21…可動接点部
22…固定接点部
22F…第1固定接点部
22S…第2固定接点部
23…第1外導体
24…第2外導体
25…後端部
26…接続部
27…前端部
28…合わせ面
29…係合部
31…切欠き部
32…突部
33…弾性片部
34…縦スリット
35…横スリット
36…線分
37…仮想の面
38…距離
39…距離
50…相手側端子
51…相手側外導体
52…相手側内導体
53…相手側誘電体
54…タブ
60…シールド電線
61…芯線
62…絶縁部
63…シールド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6