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特開2024-133967除菌装置、空気調和機、及び除菌方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133967
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】除菌装置、空気調和機、及び除菌方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/16 20060101AFI20240926BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20240926BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20240926BHJP
   A61L 9/18 20060101ALI20240926BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20240926BHJP
   B03C 3/08 20060101ALI20240926BHJP
   B03C 3/02 20060101ALI20240926BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
A61L9/16 Z
F24F8/192
F24F8/22
A61L9/18
A61L9/00 C
B03C3/08
B03C3/02 A
B03C3/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044011
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200148
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100139538
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 航介
(74)【代理人】
【識別番号】100200115
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 元勇
(74)【代理人】
【識別番号】100200137
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 良介
(72)【発明者】
【氏名】岡 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】宇井 明生
(72)【発明者】
【氏名】岡野 英明
(72)【発明者】
【氏名】大野 博司
(72)【発明者】
【氏名】加納 宏弥
(72)【発明者】
【氏名】デバシス ビスワス
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光章
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 理
【テーマコード(参考)】
4C180
4D054
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CC03
4C180DD03
4C180DD04
4C180DD12
4C180EA34X
4C180EA40X
4C180HH02
4C180HH03
4C180HH05
4C180LL04
4D054AA13
4D054BA01
4D054BB03
4D054EA07
4D054EA11
4D054EA30
(57)【要約】
【課題】空気中に浮遊するウイルスや細菌、及び微粒子を電気集塵により捕集し、除菌可能である除菌装置、除菌方法、及び空気調和機を提供することである。
【解決手段】実施形態の除菌装置は、第1電極と、第2電極と、導光部と、を備える。第1電極は放電可能な突起部を有する。第2電極は突起部からの放電を受けることが可能である導体を有する。導光部は、光源から入射された光を導光可能である。導光部を通過した光の少なくとも一部は、導体に向けて照射される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電可能な突起部を有する第1電極と、
前記突起部からの放電を受けることが可能な導体を有する第2電極と、
光源から入射された光を導光可能な導光部と、
を備え、
前記導光部を通過した前記光の少なくとも一部は、前記導体に向けて照射される、
除菌装置。
【請求項2】
前記突起部からの放電により、前記第1電極と前記第2電極との間の領域に存在する微粒子を帯電させることが可能であり、
前記導体は、帯電した前記微粒子を捕集可能である、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
前記第2電極は、前記導体の間を通過する気流と熱交換可能である、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項4】
前記導光部は、
前記第1電極と前記第2電極との間にあり、
前記第1電極に沿って配置される、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項5】
前記導光部は、
前記第1電極と前記第2電極との間にあり、
前記導体の第1電極に対向する領域に沿って配置される、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項6】
前記導光部の形状は、前記第1電極から見てサーペンタイン状である、
請求項5に記載の除菌装置。
【請求項7】
前記導光部は、
第1方向において、前記導体の第1電極に対向する領域に沿う第1導光領域と、
前記第1導光領域と接する第2導光領域と、
を有し、
前記第1方向は、前記第2導光領域の延びる方向である第2方向と交差する、
請求項5に記載の除菌装置。
【請求項8】
前記導体は、
第1導体領域と、
前記第1導体領域と第1電極との間に位置する第2導体領域と、
を含み、
前記導光部は、
前記第1電極と前記第2電極との間にあり、
前記第1導体領域と前記第2導体領域との間に位置する構造物に沿って配置される、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項9】
前記導体は、
第1導体領域と、
前記第1導体領域と第1電極との間に位置する第2導体領域と、
を含み、
前記導光部は、
前記第1導体領域と前記第2導体領域との間に位置する、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項10】
前記導光部は、前記第1電極に沿って配置される、
請求項9に記載の除菌装置。
【請求項11】
前記導光部は、一つ以上の前記導体に沿って配置される、
請求項9に記載の除菌装置。
【請求項12】
前記導光部の形状は、前記第1電極から見てサーペンタイン状である、
請求項11に記載の除菌装置。
【請求項13】
前記導光部は、
第1方向において、前記導体に沿う第1導光領域と、
前記第1導光領域と接する第2導光領域と、
を有し、
前記第1方向は、前記第2導光領域の延びる方向である第2方向と交差する、
請求項11に記載の除菌装置。
【請求項14】
前記導体は、
第1導体領域と、
前記第1導体領域と第1電極との間に位置する第2導体領域と、
を含み、
前記導光部は、
前記第1導体領域と前記第2導体領域との間に位置する構造物に沿って配置される、
請求項9に記載の除菌装置。
【請求項15】
前記導光部は、前記第1電極を支持可能な、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項16】
前記導光部は、前記導体のうち前記気流の下流側の領域に沿って配置される、
請求項3に記載の除菌装置。
【請求項17】
前記導光部は、前記第1電極から前記第2電極に向かう方向に傾斜している、
請求項16に記載の除菌装置。
【請求項18】
前記導光部は、
前記導光部の延びる方向に垂直な断面が円系、楕円形、多角形、または直線及び曲線を組み合わせた形状である、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項19】
前記導光部は、前記光の一部を前記導光部の外部へ散乱可能な散乱部を含む、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項20】
前記導体は、光触媒を担持する、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項21】
前記光源は、光の強度を経時変化させることが可能な、
請求項1に記載の除菌装置。
【請求項22】
請求項1乃至21のいずれか1項に記載の除菌装置と、
前記第1電極から前記第2電極へ向かう方向に気流を形成可能な気流形成部と、
前記導光部に紫外線を入射可能な光源と、
を備える、
空気調和機。
【請求項23】
気流形成部が形成した気流が、前記第1電極から前記第2電極へ向かう方向に微粒子を移動させるステップと、
第1電極に含まれる突起部からの放電が、前記微粒子を帯電させるステップと、
第2電極に含まれる導体に、帯電した前記微粒子が捕集されるステップと、
光源から入射された光が導光部を通過して前記導体に向けて照射されるステップと、
を含む、除菌方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、除菌装置、空気調和機、及び除菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中に浮遊するウイルスや細菌、及び微粒子による健康への影響に関する懸念が増大し、空気清浄化の重要性は年々高まっている。そこで、空気中に浮遊するウイルスや細菌、及びこれらを含んだ塵埃などの微粒子を捕集する機構を搭載したエアコンや空気清浄機等の空気調和機への需要が高まっている。例えば、エアコンに搭載された電気集塵機としては、熱交換フィンに微粒子を集塵する方式が知られている。電気集塵機による集塵方式は、フィルターによる集塵方式よりも気流の圧損が少ないというメリットがあるものの、捕集したウイルスや細菌、及び微粒子がフィンから再浮遊したり、ドレン水に含まれた状態で外部に流れ出したりすると、再びウイルスや細菌が空気中に放出されることが懸念されるデメリットがある。また、ウイルスや細菌、及び微粒子が捕集されずにフィンを通り抜けて再度空気中に放出される可能性もあるため、一度フィンを通過した、あるいはフィン上に捕集されたウイルスや細菌、及び微粒子の除菌効率を高めることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018―155466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、空気中に浮遊するウイルスや細菌、及び微粒子を電気集塵により捕集し、除菌可能である除菌装置、空気調和機、及び除菌方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の除菌装置は、第1電極と、第2電極と、導光部と、を備える。第1電極は放電可能な突起部を有する。第2電極は突起部からの放電を受けることが可能である導体を有する。導光部は、光源から入射された光を導光可能である。導光部を通過した光の少なくとも一部は、導体に向けて照射される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】空気調和機の概略図(第1の実施形態)。
図2】除菌装置の概略図(第1の実施形態)。
図3】y方向から見た除菌装置の概略図。
図4】導光部を光が通過する様子。
図5】x方向から見た除菌装置の断面図(第1の実施形態 第1変形例)。
図6】x方向から見た除菌装置の断面図(第1の実施形態 第1変形例)。
図7】x方向から見た除菌装置断面図(第1の実施形態 第2変形例)。
図8】x方向から見た除菌装置断面図(第1の実施形態 第3変形例)。
図9】除菌装置の概略図(第1の実施形態 第5変形例)。
図10】除菌装置の概略図(第2の実施形態)。
図11】除菌装置の概略図(第2の実施形態)。
図12】除菌装置の概略図(第2の実施形態 第1変形例)。
図13】除菌装置の概略図(第2の実施形態 第1変形例)。
図14】除菌装置の概略図(第2の実施形態 第2変形例)。
図15】y方向から見た除菌装置の断面図(第2の実施形態 第2変形例)。
図16】除菌装置の概略図(第3の実施形態)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して発明を実施するための実施形態について説明する。尚、実施形態は、本発明を限定するものではない。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すx軸、y軸、及びz軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。x軸、y軸、z軸は、相互に直交し、それぞれx方向、y方向、z方向を表す。また、z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
また、本明細書中では、PM2.5やそれ以外の浮遊微小粒子、飛沫、ウイルス、細菌、ウイルス等が付着した浮遊微小粒子や飛沫等の微粒子及び塵埃、その他これらに類似するものをまとめて「微粒子」と説明することがある。
【0010】
(第1の実施形態)
図1に、第1の実施形態における空気調和機1の概略図を示す。空気調和機1は除菌装置2と、気流形成部3と、光源4とを有する。除菌装置2は、放電可能な突起部11を有する放電電極10(第1電極)と、突起部11からの放電を受けることが可能な導体21を有する対向電極(第2電極)と、光源4から入射された光を導光可能な導光部30と、を備える。導光部30は、導光部30を通過した光の少なくとも一部が導体21に向けて照射される位置にある。
【0011】
放電電極10には、銅、ステンレス、アルミ、ニッケル、銀、クロム、チタン、白金などの金属材料、あるいは合金が用いられる。放電電極の形状は、ワイヤ状、板状、箔状、棒状等である。放電電極10の板厚は、好ましくは、0.1mm以上、2mm以下、より好ましくは、0.2mm以上、0.5mm以下(例えば、0.3mm程度)である。板厚をこの範囲にすることにより、製造時の加工のしやすさと、耐久性を両立することができる。放電電極10は、対向電極20よりも上側に位置する。放電電極10は、複数の突起部11を有する。この突起部11は、例えば、略二等辺三角形状の板状体である。突起部11は対向電極20上に露出され、かつy方向に延在している。放電電極10は気流Fの流れ方向(矢印F方向)と交差する方向、例えば直交する方向に延在している。放電電極10は電源と電気的に接続されている。
【0012】
対向電極20は、複数の導体21を含む。導体21は接地されていても良い。導体21には、一般的に、銅、ステンレス、アルミ等の金属材料、あるいは耐食性、導電性、及び熱伝導性を有する合金材料等により構成されている。放電電極10をコロナ放電用の第1電極とすると、放電電極10と対向するように配置された導体21は、コロナ放電を受ける第2電極として機能するものである。対向電極20は、図1に示すように、平板状の導体21が板厚方向(x方向)に並んだフィン形状でも良いし、ハニカム構造等のより複雑な形状でも良い。また、対向電極20に含まれる導体21は、図1に示すように、平らであっても良いし、表面が波打っているなど、より複雑な形状でも良い。隣接する導体21は、一般に、0.1mm以上、5.0mm以下、より好ましくは、0.5mm以上、2mm以下(例えば、1.0mm)の間隔を有して配置される。ここでは、導体21の間隔に対して、導体21の厚さは無視できるとしている。導体21の間隔を小さくするほど、空気調和機1は微粒子を効率良く捕集することができる。また、エアコンの様に空気調和機1が熱交換性能を有する場合、導体21の間隔を小さくするほど、空気調和機1の熱交換性能が高まる。しかし、導体21の間隔を小さくしすぎると、対向電極20を通り抜ける気流Fの圧力損失が大きくなる。そこで、間隔を先述の値に設定することで、微粒子の捕集の効率、熱交換器としての性能、及び圧力損失の低減を両立することができる。また、本明細書において、導体21の端部とは、導体21のうち、放電電極10や気流Fに対向する領域のことを示す。また、導体21の主面のうち、第1電極から遠い領域を第1導体領域211とし、第1電極に近く、第1導体領域と第1電極との間に位置する領域を第2導体領域212として説明することがある。
【0013】
気流形成部3は、例えば、送風機、排風機であり、ここではファン等を用いて、放電電極10から対向電極20へ向かうz軸下向き方向の気流Fを形成している。気流Fは、気流形成部3等の送風手段によって発生した強制流、自然の風、温度差等によって発生した非強制流の何れであっても良い。したがって、z軸方向と気流Fの方向は必ずしも厳密に一致する必要はない。また、図1において、気流形成部3は対向電極20よりもz軸方向上側に位置しているが、必ずしもこの位置でなくともよい。例えば、気流形成部3が対向電極20よりもz軸方向下側に位置し、気流形成部3が周囲の空気を吸い込むことにより気流Fを発生させても良い。
【0014】
導光部30は、紫外線を透過する光ファイバー等の部材である。導光部30は一般に、アクリルやガラスなどの透明な物質を材料とする。導光部30は導電性を有しないため、放電電極10との間で意図しない放電が起こるおそれが無い。そのため、図1に示すように、放電電極10の近くに配置する等、導光部30の位置を自由に設定することができる。図2に、除菌装置2の概略図を示す。図2では、導光部30は、放電電極10と対向電極20との間にあり、放電電極10に沿って配置される。ただし、図2の様に放電電極10と対向電極20との間に導光部30を設置する以外にも、適宜導光部30の位置を調整し、より対向電極20の奥部まで紫外線が届くようにしても良い。例えば、図2において導体21の左側に導光部30を設置しても良い。また、導光部30及び放電電極10は一つずつとは限らず、除菌装置2は導光部30及び放電電極10をそれぞれ複数備えていても良い。本明細書において、例えば導光部30等のある部材が、他の部材から近い距離をおおよそ保って離れずに配置されている様子を、「沿う」と表現することがある。「沿う」と表現した場合、導光部30等のある部材と他の部材とが必ずしも接していなくとも良い。また、「沿う」と表現した場合、ある部材と他の部材との距離が、位置によって多少異なっていても良い。
【0015】
光源4は、導光部30に向けて紫外線等の光を入射する。本実施形態では、フィンが捕集したウイルスや細菌の除菌を目的とするため、特にウイルスや細菌に対する除菌効果が知られている240~280nm付近の波長の紫外線を用いることが好ましい。
【0016】
電源は、放電電極10と対向電極20に電気的に接続されており、放電電極10(第1電極)と対向電極20(第2電極)との間に電圧を印加可能である。印加する電圧の波形としては、直流波形、交流波形、パルス波形、あるいはこれらの波形の組み合わせが使用される。交流の周波数としては、数Hzから数GHzまで使用することができる。交流の周波数は数kHzから数MHzが典型的であり、GHzオーダーのマイクロ波を使用することも可能である。商用電源周波数(50又は60Hz)も使用可能である。パルス波形としては、数ナノ秒から数100マイクロ秒の立ち上がり時間をもつ波形を使用することができる。
【0017】
光源用電源は、光源4に電気的に接続されており、光源4に電力を供給可能である。第1、第2電極間に電圧を印加する電源と同様に、光源用電源にも商用電源を使用可能である。
【0018】
図3に、y方向から見た除菌装置2の概略図を示す。突起部11からの放電により、放電電極10と対向電極20との間の領域に存在する微粒子を帯電させることが可能であり、導体21は、帯電した微粒子を捕集可能である。
【0019】
放電電極10に電源から高電圧を印加すると、放電電極10の突起部11にコロナ放電が起こり、図3に示すように、そこで生成された電子やイオン等は周囲に広がりながら複数の導体21の上方に帯電領域CR(Charged Range)を形成する。帯電領域CRを通過する気流F中に含まれるPM2.5やそれ以外の浮遊微小粒子、飛沫、ウイルス、細菌、ウイルス等が付着した浮遊微小粒子や飛沫等の微粒子及び塵埃に、帯電領域CRに形成された電子やイオン等が付着して負に帯電する。帯電した微粒子は、気流Fに乗って放電電極10から対向電極20へ向かう方向に流れると同時に、放電電極10に印加された負電圧からの力を受けてx方向に移動し、導体21表面に衝突し、捕集される。印加する電圧は、負電圧であっても正電圧であっても良い。負電圧を印加した場合には、微粒子は負に、正電圧を印加した場合には、微粒子は正に帯電する。
【0020】
放電電極10により生じさせるコロナ放電等により形成される帯電領域CRは、微粒子等を帯電させることを目的とするため、例えば微粒子に付着したウイルスや細菌等をするほど強力なエネルギーを持たなくても良い。
【0021】
対向電極20は、CRにおいて帯電した微粒子及び塵埃を捕集する。微粒子及び塵埃は、気流Fに乗って放電電極10から対向電極20へ向かう方向に流れると同時に、放電電極10に印加された負電圧からの力を受けてx方向に移動しながら対向電極20に向かってくるため、導体21のうち比較的放電電極10に近い領域に捕集されることが多い。従って、第1導体領域211よりも第2導体領域212の方が単位面積当たり多くの粒子を捕集可能である。
【0022】
図4に、導光部30を光が通過する様子を示す。導光部30は、その端部から臨界角度θ以下の角度で入射した光を内部で反射させることにより、導光可能である。導光部30の側面が平滑である場合、導光された光のほとんどは導光部30側面から外部へ漏れない。そこで、導光部30の側面の一部または全部を凹凸加工することで、光を導光部30の外部へ散乱可能な散乱部35を設けてもよい。図4において、光源4から導光部30に向かって照射され、反射を繰り返して導光部30内部を伝った光は、散乱部35を経て導光部30の外部へ漏れ、導体21の間から対向電極20の奥部へと照射される。導光された紫外線は、微粒子や塵埃と共に、あるいは単独で導体21表面に付着したウイルスや細菌等を除菌する。ゆえに、本実施形態において、導光部30は複数の導体21間を流れる気流Fの上流側、即ち導体21のうち比較的放電電極10に近い領域付近に配置されていることが好ましい。例えば、導光部30は、放電電極10と対向電極20との間に配置される、あるいは、第1導体領域211と第2導体領域212との間に配置されることが好ましい。本明細書において、除菌とは、単独で存在、あるいは飛沫や塵埃に含まれるウイルスや細菌、病原菌を不活化させ、ウイルスや細菌、病原菌の数を減少させることを指し、消毒、抗菌、殺菌、滅菌、減菌等の意味合いを広義に含む。
【0023】
従来の技術の様に、単に除菌装置に紫外線光源を搭載したとしても、複雑なフィン形状の対向電極20の内部まで満遍なく紫外線を照射することが難しい。また、ウイルス等の微粒子は主に対向電極20の気流上流側に集塵されるが、この部分を重点的に除菌するために紫外線LED機器を放電電極10と対向電極20との間に設置すると、意図しない放電が生じてしまい、集塵機能および除菌機能の両方に悪影響を及ぼしてしまうことがある。しかし、導光部30を用いると、放電電極10と対向電極20との間に配置しても、意図しない放電が生じることがない。さらに、本実施形態に示すように、導光部30を放電電極10に沿って配置し、放電電極10の直下かつ放電電極10と対向電極20との間に配置すると、対向電極20の導体21表面に捕集されたウイルスなどを含む微粒子が再浮遊する前に高効率で除菌することが可能である。
【0024】
(第1変形例)
図5は、第1の実施形態第1変形例における、x方向から見た除菌装置2の断面図である。図5では、放電電極10および導光部30が二つ備えられた場合を例に除菌装置2を図示している。本変形例では、図2に示した第1の実施形態と同様に、導光部30が放電電極10の直下に配置されている。しかし、本変形例によれば、対向電極20を貫くように、第1導体領域211と第2導体領域212との間に、支柱や配管などの構造物40が存在する。特にエアコンなどに用いる場合、対向電極20が導体21の間を通過する気流と熱交換可能な熱交換フィンとして用いられ、冷媒が通る配管が熱交換フィンを貫くように配置されることがある。構造物40はこの配管などに相当する。このとき、導光部30は、放電電極10と対向電極20との間にあり、第1導体領域211と第2導体領域212との間に位置する構造物40に沿って配置される。このように配置することにより、放電電極10から対向電極20へ向かう方向に流れる気流Fを乱しにくくなる。これにより、熱交換フィンとしての役割を担う対向電極20の熱交換性能の低下を防ぐことができる。
【0025】
なお、本変形例において、導光部30は必ずしも放電電極10と対向電極20との間に存在しなくともよい。例えば、図6に示すように、導光部30は、第1導体領域211と第2導体領域212との間に位置する構造物に沿って配置され、さらに、導光部30自身も第1導体領域211と第2導体領域212との間に位置していても良い。
【0026】
(第2変形例)
図7は、第1の実施形態第2変形例における、x方向から見た除菌装置2の断面図である。図2に示した第1の実施形態と同様に、導光部30が放電電極10の直下に配置されている。しかし、本変形例によれば、第1の実施形態と異なり、導光部30は、第1導体領域211と第2導体領域212との間に位置しており、導光部30が対向電極20を導体21の板厚方向に貫くような構造になっている。本変形例においても、第1の実施形態と同様に、導光部30は放電電極10に沿って配置されるため、気流形成部3が形成した気流Fを乱しにくい。また、導光部30が導体21の端部近傍に配置されており、捕集された微粒子が捕集されやすい領域(第2導体領域212)に紫外線を照射可能であるため、紫外線による除菌効率を高めることができる。第1の実施形態による除菌装置2は、本変形例と比較して導体21の製造が容易でありコストを抑えることができるという利点がある。一方、本変形例による除菌装置2は、第1の実施形態と比較して、対向電極20のより奥深くまで紫外線を届けることが可能であるという利点がある。この効果は、フィンの構造が複雑になり、対向電極20の上部に設置した導光部30からの光が奥部に届きにくい場合に顕著になる。なお、第1の実施形態及び本変形例における導光部30の配置例を併用し、放電電極10と対向電極20との間に配置する導光部30に加えて、対向電極20を貫く導光部30が配置されても良い。また、本変形例において、図示された導光部30の直下に、同様に対向電極20を貫く導光部30が1本以上配置されても良い。
【0027】
(第3変形例)
また、導光部30の断面の形状は、円柱状でなくとも良い。図8にx方向から見た除菌装置2の断面図を示す。このように、導光部30の延びる方向に垂直な断面が円系、楕円形、多角形、または直線及び曲線を組み合わせた形状で、気流Fの抵抗を抑制可能であっても良い。気流Fの抵抗を抑制可能な形状にすることで、気流の剥離に伴う圧力損失・騒音・振動の低減や、気流の整流効果を追加することもできる。
【0028】
(第4変形例)
第1の実施形態では、側面の一部が散乱部35となった導光部30を示した。しかし、側面の一部だけでなく、導光部30のすべての側面が凹凸加工されて散乱部35となっていても良い。例えば、気流Fの下流に向けてのみ導光された光が漏れ出るように対向電極20に向かう面のみが凹凸加工されていても良いし、導体21の間隙に合わせて凹凸加工され、散乱部35が設けられていても良い。導体21の間隙に合わせて散乱部35が設けられることにより、導体21に影が生じにくくなる。
【0029】
(第5変形例)
図9に本変形例における除菌装置2の概略図を示す。導光部30は放電電極10を支持している。
【0030】
導光部30は一般的にガラスやアクリルなどの絶縁体であり、高電圧を印加する放電電極10の近傍に設置しても意図せぬ放電などの電気的な問題は発生しない。導光部30を放電電極10に接触させて配置することにより、導光部30と放電電極10とを離して設置したときよりもさらに気流Fの抵抗を低減することが可能である。また、本変形例によれば、導光部30が放電電極10の支持材を兼ねることができるため、除菌装置2及び空気調和機1の省スペースも期待できる。
【0031】
(第6変形例)
第1の実施形態には、導光部30へ向けて紫外線を照射する光源4を示した。光源4は、出力する紫外線等の光の強度を経時変化させても良い。単独で存在するウイルスやウイルスを含んだ微粒子等の濃度等の条件にも依るが、例えば、紫外線照度が1mW/cmである紫外線を用いると、大腸菌は5.4秒、サルモネラ菌は16.2秒、インフルエンザウィルスは3.4秒で99.9%殺菌されることが知られている。従って、適当な時間間隔で断続的に紫外線を照射することでも、充分な除菌効果が得られる。適当な時間、断続的に紫外線を照射することにより、紫外線を常に照射した場合と比較して、殺菌効果を維持しながら、消費電力を抑えることも可能である。照射時間やタイミングは、予め設定されていても良いし、ユーザーが設定しても良い。
【0032】
(第7変形例)
導体21は、酸化チタンやリン酸銀などの光触媒を担持していても良い。これにより、導光部30を伝って導体21表面に光が届くと、触媒作用により、さらに捕集したウイルスや細菌の除菌効果を高めることができる。第1の実施形態では、光触媒の有無にかかわらず、紫外線による除菌効果について説明したため、光源4が発する光を240~280nm付近の波長の紫外線と説明したが、本変形例において、光源4が発する光の波長はこれに限定されない。例えば、酸化チタンを光触媒として利用する場合、351~380nm付近の紫外線が最も効率的に触媒効果をもたらし、リン酸銀を光触媒として利用する場合、400nm以上の可視光でも光触媒効果をもたらすことが知られている。従って、本変形例では、光源4の波長は、除菌作用を有する240~280nm、又は光触媒作用をもたらす、光触媒に適した波長範囲であればよい。
【0033】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0034】
図10および図11は、第2の実施形態における除菌装置2の概略図である。本実施形態によれば、第1の実施例に示した構成と異なり、導光部30は、放電電極10と対向電極20との間にあり、導体21の放電電極10に対向する領域に沿って配置されている。ここで、導体21の放電電極10に対向する領域とは、導体21の端部に相当する。図10に示す導光部30の形状は、放電電極10から見てサーペンタイン状である。このとき、導光部30が折り返す構造となる部分は、図のように円弧状となっていることが好ましいが、導光部30が光源4から入射された光を導光可能であれば、必ずしも図の通りでなくともよい。導体21の直上に導光部30が配置されることにより、第2の実施形態よりもさらに圧力損失を低減することができる。導光部30は、気流Fの阻害を抑制するため、例えば光ファイバーなどの様に厚みが薄いものを用いることが好ましい。本実施例においても、導光部30の一部はたは全部が凹凸加工され、散乱部35が設けられている。このように、導体21に沿ってサーペンタイン状に導光部30が配置されることにより、紫外線による除菌効果を維持したまま、第1の実施形態よりもさらに気流Fの抵抗を低減することが可能である。
【0035】
導光部30が導体21の端部に沿うとき、導光部30の形状は必ずしもサーペンタイン状でなくともよい。例えば、図11に示す導光部30は、第1方向において、導体21の放電電極10に対向する領域に沿う第1導光領域31と、第1導光領域31と接する第2導光領域32とを有し、第1方向は、第2導光領域32の延びる方向である第2方向と交差している。図11に示す例では、一つの第1導光領域31と複数の第2導光領域32が接しており、それぞれの第2導光領域が導体21の端部に沿っている。本実施形態において、第1方向はy軸方向に相当し、第2方向はx軸方向に相当するとして説明するが、実際の第1方向および第2方向はこれに限定されない。第1方向と第2方向は交差していればよく、必ずしも直交する必要はない。本明細書中では、図11に示す導光部30のような形を櫛形として説明することがある。一本の部材から成るサーペンタイン状の導光部30は、櫛形の導光部30よりも材料が少なくコスト削減や軽量化が期待できるものの、途中で破損してしまうとそれより先に導光されないという欠点がある。一方、櫛形の導光部30は、ある対向電極20の端部に接する導光部30が破損しても、他の対向電極20の端部に接する導光部30には紫外線が導光されるという利点がある。
【0036】
(第1変形例)
図12および図13は、本変形例における除菌装置2の概略図である。本変形例によれば、導光部30は、一つ以上の導体に沿って配置され、第1導体領域211と第2導体領域212との間に位置している。第2導体領域212は、第1導体領域211よりも放電電極10の近くに位置するため、単位面積当たりより多くの微粒子を捕集することが想定される。導光部30を第2導体領域212の近傍に位置させることにより、捕集された微粒子に効率よく紫外線を照射することが可能となる。また、多くの微粒子を捕集することが予想される第1導体領域よりも下方に導光部30を配置することにより、微粒子が導光部30上に堆積し、導光部30の殺菌効果が失われるのを防ぐことができる。本変形例においても、導光部30の側面全てが凹凸加工され散乱部35されていても、任意の形状、間隔で散乱部35が設けられていても良い。
【0037】
図12に示す導光部30の形状は、放電電極10から見てサーペンタイン状である。本実施形態において、気流Fの抵抗をより低減するために、導光部30は導体21に接していることが好ましいが、接していなくとも良い。第1導体領域211と第2導体領域212との間に位置する導光部30が導体21の端部に沿うとき、導光部30の形状は必ずしもサーペンタイン状でなくともよい。例えば、図13に示す導光部30は、第1方向において、導体21の放電電極10に対向する領域に沿う第1導光領域31と、第1導光領域31と接する第2導光領域32とを有し、第1方向は、第2導光領域32の延びる方向である第2方向と交差している。図13に示す例では、一つの第2導光領域32と複数の第1導光領域31が接しており、それぞれの第1導光領域31が導体21に沿っている。本実施形態において、第1方向はy軸方向に相当し、第2方向はx軸方向に相当するとして説明するが、実際の第1方向および第2方向はこれに限定されない。第1方向と第2方向は交差していればよく、必ずしも直交する必要はない。
【0038】
(第2変形例)
第1導体領域211と第2導体領域212とは接していても良いし、接していなくともよい。図14は、本変形例におけるy方向から見た除菌装置2の断面図である。第1導体領域と第2導体領域とが接している場合、図示しない支柱等を介して接していても良いし、図14のように、導光部30を避けるように導体21が屈曲し、第1導体領域及び第2導体領域が1枚の屈曲した導体のような形状をしていても良い。
【0039】
図15は、本変形例における除菌装置の概略図である。図15において、第1導体領域211と第2導体構成部212は接しない。第1導体領域211と第2導体構成部212が接しない場合、第1導体領域211の直上かつ第2導体構成部212の直下に導光部30が配置されても良い。
【0040】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、エアコンの様に温度調整機能を有する空気調和機1や、加湿機能及び除湿機能を有する空気調和機1に搭載される除菌装置2を例に説明する。本実施形態では、第1および第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
【0041】
図16は、第3の実施形態における除菌装置2の概略図である。空気調和機1が温度調整機能、加湿機能、及び除湿機能を有する場合、導体21表面に結露等による水滴が生じやすい。故に、本実施例に示す空気調和機1は、第1の実施例に示した空気調和機1の構成に加えて、生じた水滴を受け止めるドレンパン50を備える。対向電極20は、導体21の間を通過する気流と熱交換可能であり、導光部30は、導体21のうち気流の下流側の領域に沿って配置されている。
【0042】
図16において、導光部30は、第2の実施形態と同様に、導体21に沿って配置されている。しかし、第1及び第2の実施形態と比較して、導光部30は、放電電極10から対向電極20に向かう方向(z方向)に傾斜している。本実施形態における導光部30の材料は、およそ1.5以上2.0未満の屈折率を有するアクリルやガラスである。
【0043】
ドレンパン50は、塩化ビニル等の、軽くて丈夫で、耐食性に優れた材料でできていることが望ましい。ドレンパン50の材料には、光触媒や銀イオン等の金属イオンが担持されていても良く、ドレンパン50の表面に光触媒や金属イオンを含むコート層が形成されていて良い。
【0044】
除菌装置2をエアコンや加湿器、除湿器等の空気調和機に搭載する場合、対向電極20は気流との熱交換を行う熱交換フィンとしての役割も果たす。加湿運転時や、取り込んだ空気を熱交換フィンにおいて冷却する過程を含む冷房および除湿運転時には、熱交換フィン上に結露が生じる。結露によって発生した水滴(ドレン水)には、ウイルスや菌が含まれている可能性があるため、外部へ排出する前に除菌を行う必要がある。
【0045】
本実施形態によれば、導光部30は下方に配置されているため、ドレン水は伝って流れることができる。また、導光部30が傾斜を有することにより、ドレン水の流れを誘導することができるため、ドレンパン50の寸法を小さくし、空気調和機1の小型化にも寄与する。導光部30の屈折率が水の屈折率と同程度であることにより、本実施形態における導光部30に散乱部35が設けられていなくとも、導光された紫外線はドレン水を伝って、導光部30の外へ移動することが可能である。これにより、水滴内のウイルスや菌を除菌することができる。
【0046】
ドレンパン50は、導体21表面に生じた水滴を受け止める。ドレンパン50によって受け止められた水滴は、排水として外部に排出される。本実施形態によれば、ドレン水は導光部30を伝う間に導光された紫外線により除菌されているため、ドレン水が排水として外部に排出されても問題ない。
【0047】
このように、導光部30を導体21の下方に設け、さらに傾斜をつけて配置することにより、導体21表面に生じる水滴が導光部30を伝って流れ落ちる。その過程で水滴内の細菌等が殺菌される。また、導光部30が水滴の流れを制御することにより、ドレンパン50及び空気調和機1の小型化に寄与する。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0049】
更に、本開示は、以下の付記による例を含む。
【0050】
[付記1]
放電可能な突起部を有する第1電極と、
前記突起部からの放電を受けることが可能な導体を有する第2電極と、
光源から入射された光を導光可能な導光部と、
を備え、
前記導光部を通過した前記光の少なくとも一部は、前記導体に向けて照射される、
除菌装置。
【0051】
[付記2]
前記突起部からの放電により、前記第1電極と前記第2電極との間の領域に存在する微粒子を帯電させることが可能であり、
前記導体は、帯電した前記微粒子を捕集可能である、
付記1に記載の除菌装置。
【0052】
[付記3]
前記第2電極は、前記導体の間を通過する気流と熱交換可能である、
付記1又は2に記載の除菌装置。
【0053】
[付記4]
前記導光部は、
前記第1電極と前記第2電極との間にあり、
前記第1電極に沿って配置される、
付記1乃至3のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0054】
[付記5]
前記導光部は、
前記第1電極と前記第2電極との間にあり、
前記導体の第1電極に対向する領域に沿って配置される、
付記1乃至3のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0055】
[付記6]
前記導光部の形状は、前記第1電極から見てサーペンタイン状である、
付記1、2、3、5のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0056】
[付記7]
前記導光部は、
第1方向において、前記導体の第1電極に対向する領域に沿う第1導光領域と、
前記第1導光領域と接する第2導光領域と、
を有し、
前記第1方向は、前記第2導光領域の延びる方向である第2方向と交差する、
付記1、2、3、5のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0057】
[付記8]
前記導体は、
第1導体領域と、
前記第1導体領域と第1電極との間に位置する第2導体領域と、
を含み、
前記導光部は、
前記第1電極と前記第2電極との間にあり、
前記第1導体領域と前記第2導体領域との間に位置する構造物に沿って配置される、
付記1乃至7のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0058】
[付記9]
前記導体は、
第1導体領域と、
前記第1導体領域と第1電極との間に位置する第2導体領域と、
を含み、
前記導光部は、
前記第1導体領域と前記第2導体領域との間に位置する、
付記1乃至3のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0059】
[付記10]
前記導光部は、前記第1電極に沿って配置される、
付記1、2、3、9のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0060】
[付記11]
前記導光部は、一つ以上の前記導体に沿って配置される、
付記1、2、3、9のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0061】
[付記12]
前記導光部の形状は、前記第1電極から見てサーペンタイン状である、
付記1、2、3、9、11のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0062】
[付記13]
前記導光部は、
第1方向において、前記導体に沿う第1導光領域と、
前記第1導光領域と接する第2導光領域と、
を有し、
前記第1方向は、前記第2導光領域の延びる方向である第2方向と交差する、
付記1、2、3、9、11のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0063】
[付記14]
前記導体は、
第1導体領域と、
前記第1導体領域と第1電極との間に位置する第2導体領域と、
を含み、
前記導光部は、
前記第1導体領域と前記第2導体領域との間に位置する構造物に沿って配置される、
付記1、2、3、9、10、11、12、13のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0064】
[付記15]
前記導光部は、前記第1電極を支持可能な、
付記1乃至8のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0065】
[付記16]
前記導光部は、前記導体のうち前記気流の下流側の領域に沿って配置される、
付記1、2、3、9、10、11、12、13、14、15のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0066】
[付記17]
前記導光部は、前記第1電極から前記第2電極に向かう方向に傾斜している、
付記1乃至16のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0067】
[付記18]
前記導光部は、
前記導光部の延びる方向に垂直な断面が円系、楕円形、多角形、または直線及び曲線を組み合わせた形状である、
付記1乃至17のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0068】
[付記19]
前記導光部は、前記光の一部を前記導光部の外部へ散乱可能な散乱部を含む、
付記1乃至18のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0069】
[付記20]
前記導体は、光触媒を担持する、
付記1乃至19のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0070】
[付記21]
前記光源は、光の強度を経時変化させることが可能な、
付記1乃至20のいずれか一つに記載の除菌装置。
【0071】
[付記22]
付記1乃至21のいずれか1つに記載の除菌装置と、
前記第1電極から前記第2電極へ向かう方向に気流を形成可能な気流形成部と、
前記導光部に紫外線を入射可能な光源と、
を備える、
空気調和機。
【0072】
[付記23]
気流形成部が形成した気流が、前記第1電極から前記第2電極へ向かう方向に 微粒子を移動させるステップと、
第1電極に含まれる突起部からの放電が、前記微粒子を帯電させるステップと、
第2電極に含まれる導体に、帯電した前記微粒子が捕集されるステップと、
光源から入射された光が導光部を通過して前記導体に向けて照射されるステップと、
を含む、除菌方法。
【符号の説明】
【0073】
1…空気調和機、2…除菌装置、3…気流形成部、4…光源、10…放電電極(第1電極)、11…突起部、20…対向電極(第2電極)、21…導体、30…導光部、31…第1導光領域、32…第2導光領域、35…散乱部、40…支柱や配管などの構造物、50…ドレンパン、211…第1導体領域、212…第2導体領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16