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特開2024-133971情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および決済システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133971
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/02 20120101AFI20240926BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20240926BHJP
【FI】
G06Q20/02
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044015
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶介
【テーマコード(参考)】
5L020
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA01
5L040BB02
5L055AA01
5L055BB02
(57)【要約】
【課題】デジタル通貨を法定通貨として直接出金することを可能とする。
【解決手段】情報処理装置100の受付部131は、所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報124aと、デジタル通貨の送金先の識別情報124bと、デジタル通貨の送金額に関する情報124cとを受け付ける。情報処理装置100の更新部132は、デジタル通貨の送金元の識別情報124aおよびデジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新する。また、情報処理装置100の更新部132は、デジタル通貨の送金先の識別情報124bおよびデジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する。情報処理装置100の出力部133は、更新部132に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報123aを出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報と、デジタル通貨の送金先の識別情報と、デジタル通貨の送金額に関する情報とを受け付ける受付部と、
前記デジタル通貨の送金元の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新し、
前記デジタル通貨の送金先の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する更新部と、
前記更新部に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記更新部は、
売上として分類されたデジタル通貨が入金された場合に、前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて決済、送金または前記法定通貨の出金に用いる第1のデジタル通貨の残高情報を更新し、
売上以外として分類されたデジタル通貨が入金された場合に、前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて決済または送金に用いる第2のデジタル通貨の残高情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記更新部は、
法定通貨が入金された場合に、法定通貨の入金情報を用いて決済または送金に用いる第2のデジタル通貨の残高情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、
前記デジタル通貨の残高情報である第1のデジタル通貨の残高情報を用いて、前記法定通貨の出金情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記更新部は、
前記法定通貨の入金情報を特定の地域で利用可能な地域バリューによる決済機能を備えた地域ウォレットサービスに用いられる所定のデジタル通貨の残高情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報と、デジタル通貨の送金先の識別情報と、デジタル通貨の送金額に関する情報とを受け付ける受付工程と、
前記デジタル通貨の送金元の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新し、
前記デジタル通貨の送金先の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する更新工程と、
前記更新工程に更新された前記デジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報と、デジタル通貨の送金先の識別情報と、デジタル通貨の送金額に関する情報とを受け付ける受付手順と、
前記デジタル通貨の送金元の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新し、
前記デジタル通貨の送金先の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する更新手順と、
前記更新手順に更新された前記デジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する出力手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項8】
情報処理装置と、仲介装置と、認証装置とを有する決済システムであって、
前記仲介装置は、
所定のユーザ間の取引の仲介を行い、
前記認証装置は、
前記情報処理装置および前記仲介装置により送信される所定の情報について、前記認証装置が記憶する情報との認証を行い、
前記情報処理装置は、
前記認証装置による認証結果に基づくデジタル通貨の送金元の識別情報、および前記仲介装置により送信されたデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新し、
前記認証装置による認証結果に基づくデジタル通貨の送金先の識別情報、および前記仲介装置により送信された前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する更新部と、
前記更新部に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて法定通貨の出金情報を出力する出力部とを有する、
ことを特徴とする決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャッシュレス化の流れに伴い、法定通貨を資産として価値あるデジタル資産に変換したデジタル通貨が商取引の決済に用いられる場合がある。そこで、従来技術として、商品販売支援のための営業ツールとして活用可能なサービストークン取引支援プラットフォームに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-008351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、デジタル通貨を法定通貨として直接出金することができない、という課題があった。例えば、従来技術は、デジタル通貨(仮想通貨)としてサービストークンを発行して商取引を支援するプラットフォーム技術であるが、サービストークンは当該プラットフォーム内のみでしか使用することができない。また、このサービストークンは、商品やポイント等の交換等に用いることができるものの、法定通貨への直接交換(換金)することができない、といった課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、上記の課題を解決し目的を達成するために、本願の情報処理装置は、所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報と、デジタル通貨の送金先の識別情報と、デジタル通貨の送金額に関する情報とを受け付ける受付部と、前記デジタル通貨の送金元の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新し、前記デジタル通貨の送金先の識別情報および前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する更新部と、前記更新部に更新された前記デジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、本願の決済システムは、情報処理装置と、仲介装置と、認証装置とを有する決済システムであって、前記仲介装置は、所定のユーザ間の取引の仲介を行い、前記認証装置は、前記情報処理装置および前記仲介装置により送信される所定の情報について、前記認証装置が記憶する情報との認証を行い、前記情報処理装置は、前記認証装置による認証結果に基づくデジタル通貨の送金元の識別情報、および前記仲介装置により送信されたデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新し、前記認証装置による認証結果に基づくデジタル通貨の送金先の識別情報、および前記仲介装置により送信された前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する更新部と、前記更新部に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて法定通貨の出金情報を出力する出力部とを有する、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、デジタル通貨を法定通貨として直接出金することを可能とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る決済システムの概要を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、第2の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る決済システムの装置の構成例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る情報処理方法のフローチャートの一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る情報処理方法のフローチャートの一例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る決済方法のフローチャートの一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態に係る決済システムが提供する効果の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態に係る決済システムを構成する装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および決済システムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0010】
〔1.序説〕
本実施形態に係る決済システム1は、所定の通貨(法定通貨またはデジタル通貨)の入金に関する情報を受け付け、所定の分類(例えば、入金または売上等)ごとにデジタル通貨の残高情報を更新し、法定通貨として出金するための情報を出力する技術を提供する。ここから、序説として、本実施形態に係る決済システムの概要について説明する。
【0011】
〔1-1.本実施形態に係る決済システムの概要〕
まず、本実施形態に係る決済システム1の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る決済システム1の概要を示す図である。
【0012】
決済システム1は、デジタル通貨を用いた決済機能を提供する情報処理装置100と、所定の取引を仲介する仲介装置200と、仲介装置200にて発行される固有の識別情報を認証する認証装置300とで構成される。
【0013】
図1に示す通り、情報処理装置100は、第2の事業者による入金処理を受け付ける(図1の(1))。具体的には、金融機関口座から情報処理装置100に対して送信された法定通貨の入金情報を受け付ける。そして、法定通貨の入金情報を受け付けた情報処理装置100は、デジタル通貨の残高情報を更新する。なお、図1の説明において、入金処理は、第2の事業者により行われる前提で説明するが、実際にはこれに限定されず第1の事業者も入金処理を行うことができる。
【0014】
仲介装置200は、第1の事業者と第2の事業者の所定の取引(例えば、食料品、農産物等の取引等)を仲介する(図1の(2))。次に、仲介装置200は、取引の結果生じた取引情報10に含まれる「提供元の識別情報(第1の事業者を識別する情報)」および「提供先の識別情報(第2の事業者を識別する情報)」を認証装置300に送信する(図1の(3-1))。なお、取引情報10は、提供元の識別情報、提供先の識別情報、仲介された取引に係る取引金額および支払方法に関する情報(金額+売上(支払い))を含む。
【0015】
認証装置300は、仲介装置200により送信された提供元の識別情報を「提供元の認証情報」へ、提供先の識別情報を「提供先の認証情報」へと認証する(図1の(3-2))。そして、認証装置300は、認証情報(提供元の認証情報および提供先の認証情報)を仲介装置200に出力する(図1の(3-3))。なお、本実施形態に係る認証装置300は、例えば、特定地域に係る都市OS(Operating System)等であってよく、当該認証装置300に登録されているユーザに関する情報と他サービスにおける識別情報とを突合(認証)することができる。
【0016】
仲介装置200は、認証装置300により認証された認証情報(提供元の認証情報および提供先の認証情報)に、仲介された取引に係る取引金額および支払方法に関する情報(金額+売上(支払い))を加えた決済情報11を、情報処理装置100に送信する(図1の(4))。
【0017】
情報処理装置100は、仲介装置200から受け付けた決済情報11に含まれる「提供元の認証情報」および「提供先の認証情報」を、認証装置300に送信する(図1の(5-1))。次に、認証装置300は、情報処理装置100により送信された提供元の認証情報を「送金先の事業者を識別する情報」と、提供先の認証情報を「送金元の事業者を識別する情報」といったように認証する(図1の(5-2))。そして、認証装置300は、事業者の識別情報(送金先の事業者を識別する情報および送金元の事業者を識別する情報)を情報処理装置100に出力する(図1の(5-3))。
【0018】
情報処理装置100は、認証装置300により出力された送金先の事業者を識別する情報を「デジタル通貨の送金先の識別情報」として、送金元の事業者を識別する情報を「デジタル通貨の送金元の識別情報」として決定する。続けて、情報処理装置100は、デジタル通貨の送金先の識別情報およびデジタル通貨の送金元の識別情報と、仲介装置200により出力された取引金額および支払方法に関する情報(金額+売上(支払い))とを含む決済情報12を用いて、送金処理を行う(図1の(6))。そして、情報処理装置100は、送金先(第1の事業者)および送金元(第2の事業者)のウォレットに送金処理の結果を反映させる(図1の(7-1)と(7-2))。なお、ここでいう「ウォレット」は、デジタル通貨を保管する領域(例えば、電子財布等)であってよい。
【0019】
情報処理装置100は、第1の事業者による出金処理を実行する(図1の(8))。なお、この出金処理は、第1の事業者により売上に係るデジタル通貨の残高情報を用いて行われる処理で、情報処理装置100から金融機関口座に対して法定通貨の出金情報が送信される。そして、法定通貨の出金情報を送信した情報処理装置100は、デジタル通貨の残高情報を更新する。
【0020】
このようにして、決済システム1は、法定通貨またはデジタル通貨の入金処理、デジタル通貨の送金処理、および法定通貨の出金処理といった決済機能を提供することにより、より効率的な事業者間や個人間の取引を実現する、という効果を提供する。
【0021】
以降の項目で、本実施形態に係る決済システム1が実現する実施形態について説明する。本実施形態に係る決済システム1の実施形態は、「第1の実施形態:決済機能」と、「第2の実施形態:取引仲介に係る決済機能」との2つに分けられることから、以降の項目で実施形態ごとに説明を行う。
【0022】
〔2.第1の実施形態〕
ここから、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、決済システム1の基本機能である決済機能、および当該決済を提供する情報処理装置100に焦点を当てて説明を行う。
【0023】
まず、図2を用いて第1の実施形態に係る情報処理装置100による決済機能の概要について説明する。図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置100の機能ブロック図の一例を示す図である。なお、図2では、各機能部の詳細な機能は後述することとし、本項目では処理の流れのみを説明する。
【0024】
情報処理装置100の受付部131は、入金処理として金融機関等の口座から法定通貨の入金情報を受け付ける(図2の(1-1))。続けて、受付部131は、受け付けた法定通貨の入金情報を入金情報記憶部121に記憶させる(図2の(1-2))。そして、情報処理装置100の更新部132は、入金情報記憶部121により記憶された法定通貨の入金情報を用いて、残高情報記憶部122に記憶されたデジタル通貨の残高情報を更新する(図2の(1-3))。なお、図2の(1-1)から(1-3)の処理は、前述したタイミングに限定されず、ユーザ等により入金が行われた際は都度実施されてよい。
【0025】
情報処理装置100の受付部131は、決済情報13(デジタル通貨の送金元の識別情報、デジタル通貨の送金先の識別情報、デジタル通貨の送金額に関する情報)を受け付ける(図2の(2-1))。続けて、受付部131は、受け付けた決済情報13を決済情報記憶部124に記憶させる(図2の(2-2))。そして、情報処理装置100の更新部132は、決済情報記憶部124により記憶された決済情報13を用いて、残高情報記憶部122に記憶されたデジタル通貨の残高情報を更新する(図2の(2-3))。なお、図2の(2-1)から(2-3)の処理は、前述したタイミングに限定されず、取引等が実施され受付部131が決済情報を受け付けた際は都度実施されてよい。
【0026】
情報処理装置100の出力部133は、出金処理を行う。具体的には、出力部133は、残高情報記憶部122に記憶されたデジタル通貨の残高情報を用いて、金融機関口座に法定通貨の出金情報を出力する(図2の(3-1))。そして、金融機関は、情報処理装置100から法定通貨の出金情報を受け付けた場合、対象ユーザの金融機関口座に法定通貨を入金できる(図2の(3-2))。他方で、出力部133は、法定通貨の入金またはデジタル通貨の送金がされた場合に、ウォレットに対して入金または送金の結果の反映を行う(図2の(4))。
【0027】
〔2-1.情報処理装置の構成〕
ここから、図3を用いて、第1の実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0028】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、所定のネットワークにより有線または無線で接続され、例えば、所定の装置(外部の装置や金融機関の口座情報を管理する装置等)の間で情報の送受信を行う。
【0029】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、図3に示す通り、記憶部120は、入金情報記憶部121と、残高情報記憶部122と、出金情報記憶部123と、決済情報記憶部124とを有する。
【0030】
(入金情報記憶部121)
入金情報記憶部121は、後述の受付部131により受け付けられた法定通貨の入金情報またはデジタル通貨の入金情報を記憶する。具体的には、入金情報記憶部121は、法定通貨の入金情報121aおよびデジタル通貨の入金情報121bを記憶する。
【0031】
(法定通貨の入金情報121a)
法定通貨の入金情報121aは、金融機関の口座から出力された法定通貨の入金に関する情報である。例えば、法定通貨の入金情報121aは、入金された法定通貨の種類、法定通貨の入金金額、入金者の識別情報等を含む情報であってよい。なお、ここでいう「法定通貨の種類」は、現金等(例えば、円、ドル、元、ユーロ等で通貨の種類は限定されない)であって、デジタル通貨(例えば、地域バリュー、仮想通貨、ポイント等で)は含まれない。なお、入金情報記憶部121は、前述した情報に限定されず法定通貨の入金に関する情報の範疇であれば、限定無く法定通貨の入金情報121aとして記憶できる。
【0032】
(デジタル通貨の入金情報121b)
デジタル通貨の入金情報121bは、所定の装置から出力されたデジタル通貨の入金に関する情報である。例えば、デジタル通貨の入金情報121bは、入金されたデジタル通貨の種類、デジタル通貨の入金金額、入金種別(例えば、売上、チャージ等)、入金者の識別情報等を含む情報であってよい。なお、ここでいう「デジタル通貨の種類」は、地域バリュー、仮想通貨、ポイント等であって、法定通貨(例えば、現金等)は含まれない。なお、入金情報記憶部121は、前述した情報に限定されずデジタル通貨の入金に関する情報の範疇であれば、限定無くデジタル通貨の入金情報121bとして記憶できる。
【0033】
(残高情報記憶部122)
残高情報記憶部122は、ユーザごとのデジタル通貨の残高に関する情報を記憶する。具体的には、残高情報記憶部122は、第1のデジタル通貨の残高情報122aおよび第2のデジタル通貨の残高情報122bを記憶する。
【0034】
(第1のデジタル通貨の残高情報122a)
第1のデジタル通貨の残高情報122aは、ユーザごとのデジタル通貨の残高情報であって、入金種別が「売上」に分類されるデジタル通貨の入金情報121bを用いて更新されるデジタル通貨の残高情報である。例えば、第1のデジタル通貨の残高情報122aは、取引を仲介するサービス等における対価が売上として入金されたデジタル通貨の残高に関する情報であってよい。なお、ここでいう「売上」とは、商品やサービスの提供の対価を意味しており、例えば、「売上金」、「売上高」、「売上額(金額)」、「販売額(金額)」、「収入金(金額)」等の同様の意味を有する言葉であってよい。
【0035】
本実施形態において、第1のデジタル通貨の残高情報122aは、デジタル通貨による決済、送金、および「法定通貨として出金」が可能なデジタル通貨の残高であってよい。言い換えると、残高として蓄積されたデジタル通貨を法定通貨として出金する場合、情報処理装置100は、当該第1のデジタル通貨の残高情報122aとして記憶されたデジタル通貨のみを法定通貨として出金可能としてよい。
【0036】
(第2のデジタル通貨の残高情報122b)
第2のデジタル通貨の残高情報122bは、ユーザごとのデジタル通貨の残高情報であって、法定通貨の入金情報121aまたは入金種別が「売上」以外に分類されるデジタル通貨の入金情報121bを用いて更新されるデジタル通貨の残高情報である。例えば、第2のデジタル通貨の残高情報122bは、ユーザによる法定通貨を用いたチャージ、他の種類のデジタル通貨を用いたチャージにより入金されたデジタル通貨の残高に関する情報であってよい。なお、ここでいう「チャージ」とは、ユーザによるデジタル通貨残高の追加を意味する。
【0037】
本実施形態において、第2のデジタル通貨の残高情報122bは、デジタル通貨による決済、送金が可能なデジタル通貨の残高であってよい。言い換えると、情報処理装置100は、第2のデジタル通貨の残高情報122bとして記憶されたデジタル通貨を法定通貨として出金不可としてよい。
【0038】
(出金情報記憶部123)
出金情報記憶部123は、後述の出力部133により出力される法定通貨の出金に関する情報(法定通貨の出金情報123a)を記憶する。例えば、出金情報記憶部123は、法定通貨の出金情報123aとして、出金される法定通貨の種類(例えば、円、ドル、元、ユーロ等で通貨の種類は限定されない)、法定通貨の出金金額、出金者の識別情報等を含む情報であってよい。なお、出金情報記憶部123は、前述した情報に限定されず法定通貨の出金に関する情報の範疇であれば、限定無く法定通貨の出金情報123aとして記憶できる。
【0039】
(決済情報記憶部124)
決済情報記憶部124は、情報処理装置100が送金処理に用いる決済に関する情報を記憶する。具体的には、決済情報記憶部124は、デジタル通貨の送金元の識別情報124aと、デジタル通貨の送金先の識別情報124bと、デジタル通貨の送金額に関する情報124cとを記憶する。
【0040】
(デジタル通貨の送金元の識別情報124a)
デジタル通貨の送金元の識別情報124aは、決済情報に含まれるデジタル通貨の送金元の識別する情報である。例えば、デジタル通貨の送金元の識別情報124aは、情報処理装置100を介して事業者間でデジタル通貨の送金を行う際の送金元の事業者を識別する情報であってよい。
【0041】
他方、デジタル通貨の送金元の識別情報124aは、取引仲介サービス等により仲介された取引において、事業者間で商品やサービスの提供の対価が所定のデジタル通貨で支払われた場合の送金元の事業者を識別する情報を含んでよい。なお、その場合、デジタル通貨の送金元の識別情報124aは、所定の認証装置等により認証された認証情報に基づいて決定された情報であってよい。
【0042】
(デジタル通貨の送金先の識別情報124b)
デジタル通貨の送金先の識別情報124bは、決済情報に含まれるデジタル通貨の送金先の識別する情報である。例えば、デジタル通貨の送金先の識別情報124bは、情報処理装置100を介して事業者間でデジタル通貨の送金を行う際の送金先の事業者を識別する情報であってよい。
【0043】
また、デジタル通貨の送金先の識別情報124bは、取引仲介サービス等により仲介された取引において、事業者間で商品やサービスの提供の対価が所定のデジタル通貨で支払われた場合の送金先の事業者を識別する情報であってよい。なお、その場合、デジタル通貨の送金先の識別情報124bは、所定の認証装置等により認証された認証情報に基づいて決定された情報であってよい。
【0044】
(デジタル通貨の送金額に関する情報124c)
デジタル通貨の送金額に関する情報124cは、取引情報に含まれるデジタル通貨の送金額に関する情報である。なお、デジタル通貨の送金額に関する情報124cは、送金額の他に、送金種別(例えば、送金、売上等)を表す情報が含まれていてよい。
【0045】
例えば、デジタル通貨の送金額に関する情報124cは、情報処理装置100を介して事業者間でデジタル通貨の送金を行う際の送金額であってよい。また、デジタル通貨の送金額に関する情報124cは、取引仲介サービス等により仲介された取引において、事業者間で商品やサービスの提供の対価が所定のデジタル通貨で支払われた場合の取引金額に関する情報であってよい。
【0046】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0047】
図3に示すように、制御部130は、受付部131と、更新部132と、出力部133とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0048】
(受付部131)
受付部131は、所定の通貨の入金に関する情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、法定通貨の入金情報121aまたはデジタル通貨の入金情報121bを所定の通貨の入金に関する情報として受け付ける。そして、受付部131は、受け付けた法定通貨の入金情報121aまたはデジタル通貨の入金情報121bを、入金情報記憶部121に記憶させる。
【0049】
受付部131は、所定の取引に関する情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報124aと、デジタル通貨の送金先の識別情報124bと、デジタル通貨の送金額に関する情報124cとを受け付ける。例えば、受付部131は、デジタル通貨の送金元の識別情報124aとして、「デジタル通貨の送金を行った事業者を識別する情報」を受け付けることができる。また、受付部131は、デジタル通貨の送金先の識別情報124bとして、「デジタル通貨の送金を受け付けた事業者を識別する情報」を受け付けることができる。また、受付部131は、デジタル通貨の送金額に関する情報124cとして、送金額「金額+売上(支払い)」を受け付けることができる。
【0050】
(更新部132)
更新部132は、所定のデジタル通貨の残高情報を更新する。
【0051】
更新部132は、デジタル通貨の送金元の識別情報124aおよびデジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新する。また、更新部132は、デジタル通貨の送金先の識別情報124bおよびデジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する。
【0052】
なお、更新部132は、入金されたデジタル通貨の種別によって更新する残高情報を変更する。具体的には、更新部132は、売上として分類されたデジタル通貨が入金された場合に、デジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて決済、送金または法定通貨の出金に用いる第1のデジタル通貨の残高情報122aを更新する。
【0053】
例えば、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報124cに含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を減算して送金元の第1のデジタル通貨の残高情報122aを更新する。他方で、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報124cに含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を加算して送金先の第1のデジタル通貨の残高情報122aを更新する。
【0054】
また、更新部132は、売上以外として分類されたデジタル通貨が入金された場合に、デジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて決済または送金に用いる第2のデジタル通貨の残高情報122bを更新する。
【0055】
例えば、更新部132は、「〇〇(非売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報124cに含まれる「〇〇(非売上額)」分の残高を減算して送金元の第2のデジタル通貨の残高情報122bを更新する。他方で、更新部132は、「〇〇(非売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報124cに含まれる「〇〇(非売上額)」分の残高を加算して送金先の第2のデジタル通貨の残高情報122bを更新する。
【0056】
更新部132は、所定の通貨として法定通貨が入金された場合に、法定通貨の入金情報121aを用いて決済または送金に用いる第2のデジタル通貨の残高情報122bを更新する。例えば、更新部132は、所定のユーザにより「〇〇(入金額)」の法定通貨が入金された場合、法定通貨の入金情報121aに含まれる「〇〇(入金額)」分の残高を加算して所定のユーザの第2のデジタル通貨の残高情報122bを更新する。
【0057】
なお、本実施形態に係るデジタル通貨は、特定の地域で利用可能な地域バリューであってよい。そのため、更新部132は、法定通貨の入金情報を特定の地域で利用可能な地域バリューによる決済機能を備えた地域ウォレットサービスに用いられる所定のデジタル通貨の残高情報を更新できる。例えば、更新部132は、当該デジタル通貨が特定地域で利用される決済アプリケーションにおける「△△コイン(例えば、△△には特定地域の名称等)」である場合、前述してきた処理に基づいて△△コインの残高情報を更新してよい。
【0058】
(出力部133)
出力部133は、更新部132に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報123aを出力する。具体的には、出力部133は、デジタル通貨の残高情報である第1のデジタル通貨の残高情報122aを用いて、法定通貨の出金情報123aを出力する。
【0059】
前述した通り、本実施形態において、法定通貨として出金が可能なデジタル通貨の残高は、第1のデジタル通貨の残高情報122aである。そのため、出力部133は、デジタル通貨を法定通貨として出金する場合、当該第1のデジタル通貨の残高情報122aに基づいて、法定通貨の出金情報123aを金融機関口座に出力する。例えば、出力部133は、所定のユーザにより「〇〇(出金額)」を法定通貨として出金依頼された場合、第1のデジタル通貨の残高情報122aから「〇〇(出金額)」分の残高を減算して、法定通貨の出金情報123aを出力できる。
【0060】
〔3.第2の実施形態〕
ここから、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、決済システム1の基本機能である決済機能、および仲介装置200と認証装置300を含めた取引仲介に係る決済機能の提供について説明する。
【0061】
まず、図4を用いて第2の実施形態に係る決済システム1による取引仲介に係る決済機能の概要について説明する。図4は、第2の実施形態に係る決済システム1の機能ブロック図の一例を示す図である。なお、図4では、各機能部の詳細な機能は後述することとし、本項目では処理の流れのみを説明する。なお、第2の実施形態にて説明する仲介装置200による取引の仲介処理、および認証装置300による所定の情報の認証処理については、あくまで一例であり記載した内容に限定されない。
【0062】
情報処理装置100の受付部131は、入金処理として金融機関等の口座から法定通貨の入金情報を受け付ける(図4の(1-1))。続けて、受付部131は、受け付けた法定通貨の入金情報を入金情報記憶部121に記憶させる(図4の(1-2))。そして、情報処理装置100の更新部132は、入金情報記憶部121により記憶された法定通貨の入金情報を用いて、残高情報記憶部122に記憶されたデジタル通貨の残高情報を更新する(図4の(1-3))。なお、図4の(1-1)から(1-3)の処理は、前述したタイミングに限定されず、ユーザ等により入金が行われた際は都度実施されてよい。
【0063】
仲介装置200は、取引の仲介を実施する。まず、仲介装置200の受付部231は、仲介した取引情報14(提供元の識別情報、提供先の識別情報、取引金額に関する情報)を受け付ける(図4の(2-1))。続けて、受付部231は、受け付けた取引情報14を仲介装置200の取引情報記憶部221に記憶させる(図4の(2-2))。なお、図4の(2-1)と(2-2)の処理は、前述したタイミングに限定されず、仲介に係る取引が行われた際は都度実施されてよい。そして、仲介装置200の送信部232は、取引情報記憶部221に記憶させた提供元の識別情報および提供先の識別情報(取引情報14a)を認証装置300に送信する(図4の(3))。
【0064】
認証装置300の受付部331は、送信された取引情報14a(提供元の識別情報および提供先の識別情報)を受け付ける。次に、認証装置300の認証部332は、認証装置300に記憶された認証用情報に基づいて、受付部331により受け付けられた取引情報14aを認証する(図4の(4))。そして、認証装置300の出力部333は、認証部332により認証された認証情報15(提供元の認証情報および提供先の認証情報)を仲介装置200に対して出力する(図4の(5))。
【0065】
仲介装置200の認証情報記憶部222は、認証装置300より出力された認証情報15(提供元の認証情報および提供先の認証情報)を記憶する。そして、仲介装置200の出力部233は、認証情報15と取引情報14に含まれる取引金額に関する情報を用いて生成した決済情報16(提供元の認証情報、提供先の認証情報、取引金額に関する情報)を情報処理装置100に出力する(図4の(6))。
【0066】
情報処理装置100の受付部131は、決済情報16(提供元の認証情報、提供先の認証情報、取引金額に関する情報)を受け付ける(図4の(7))。続けて、情報処理装置100の送信部134は、受け付けた決済情報16のうち提供元の認証情報および認証先の識別情報(決済情報16a)を認証装置300に送信する(図4の(8-1))。なお、この時、決済情報記憶部124は、取引金額に関する情報をデジタル通貨の送金額に関する情報として記憶する(図4の(8-2))。
【0067】
認証装置300の受付部331は、送信部134により送信された決済情報16a(提供元の認証情報および提供先の識別情報)を受け付ける。次に、認証装置300の認証部332は、認証装置300に記憶された認証用情報に基づいて、受付部331により受け付けられた決済情報16a(提供元の認証情報および認証先の識別情報)を認証する(図4の(9))。
【0068】
認証装置300の出力部333は、認証部332により認証された事業者の識別情報17(送金元の事業者識別情報および送金先の事業者識別情報)を情報処理装置100に対して出力する(図4の(10))。
【0069】
情報処理装置100の認証情報記憶部125は、認証装置300により出力された事業者の識別情報17(送金元の事業者識別情報および送金先の事業者識別情報)を記憶する。そして、情報処理装置100の決済情報記憶部124は、認証情報記憶部125により記憶された事業者の識別情報17に基づき決定された送金元の事業者識別情報を「デジタル通貨の送金元の識別情報」として記憶する。また、情報処理装置100の決済情報記憶部124は、認証情報記憶部125により記憶された事業者の識別情報17に基づき決定された送金元の事業者識別情報を「デジタル通貨の送金元の識別情報」として記憶する。
【0070】
情報処理装置100の更新部132は、決済情報記憶部124により記憶されたデジタル通貨の送金元の識別情報、デジタル通貨の送金元の識別情報、およびデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、デジタル通貨の残高情報を更新する(図4の(11))。
【0071】
情報処理装置100の出力部133は、残高情報記憶部122により記憶されたデジタル通貨の残高情報を用いて、金融機関口座に法定通貨の出金情報を出力する(図4の(12-1))。そして、金融機関は、情報処理装置100から法定通貨の出金情報を受け付けた場合、対象ユーザの金融機関口座に法定通貨を入金できる(図4の(12-2))。他方で、出力部133は、法定通貨の入金またはデジタル通貨の送金がされた場合に、ウォレットに対して入金または送金の結果の反映を行う(図4の(13))。
【0072】
〔3-1.決済システムの装置の構成〕
次に、図5を用いて、第2の実施形態に係る決済システム1について説明する。図5は、第2の実施形態に係る決済システム1の装置の構成例を示す図である。図5に示すように、第2の実施形態に係る決済システム1は、情報処理装置100と、仲介装置200と、認証装置300とを有する。
【0073】
〔3-2.情報処理装置の構成〕
次に、第2の実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図5に示すように、第2の実施形態に係る決済システム1に含まれる情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、第2の実施形態に係る情報処理装置100は、第1の実施形態と同様の構成で実現可能であることから、本項目では差異の有る機能部について説明し、その他の機能部については適宜説明を省略する。
【0074】
(通信部110)
通信部110は、所定のネットワークにより有線または無線で接続され、例えば、所定の装置(仲介装置200、認証装置300、金融機関の口座情報を管理する装置等)の間で情報の送受信を行う。
【0075】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、図5に示す通り、記憶部120は、入金情報記憶部121と、残高情報記憶部122と、出金情報記憶部123と、決済情報記憶部124と、認証情報記憶部125とを有する。
【0076】
(決済情報記憶部124)
決済情報記憶部124は、情報処理装置100が送金処理に用いる決済に関する情報を記憶する。具体的には、第2の実施形態に係る決済情報記憶部124は、後述の認証情報記憶部125により記憶された事業者の識別情報(送金元の事業者を識別する情報)に基づき決定された送金元の事業者識別情報を、デジタル通貨の送金元の識別情報124aとして記憶する。
【0077】
また、決済情報記憶部124は、後述の認証情報記憶部125により記憶された事業者の識別情報(送金先の事業者を識別する情報)に基づき決定された送金先の事業者識別情報を、デジタル通貨の送金先の識別情報124bとして記憶する。また、決済情報記憶部124は、仲介装置200により送信された取引金額に関する情報をデジタル通貨の送金額に関する情報124cとして記憶する。
【0078】
(認証情報記憶部125)
認証情報記憶部125は、認証装置300により出力された事業者の識別情報を記憶する。具体的には、認証情報記憶部125は、事業者の識別情報として、認証装置300により出力された仲介装置200における送金元の事業者を識別するための送金元の事業者識別情報を記憶する。また、認証情報記憶部125は、事業者の識別情報として、認証装置300により出力された仲介装置200における送金先の事業者を識別するための送金先の事業者識別情報を記憶する。なお、ここでいう「送金元」と「送金先」とは、情報処理装置100内におけるデジタル通貨の送金の送り先および送り元を意味している。そのため、仲介装置200における当該事業者を識別する情報の名称はこれに限定されない。
【0079】
(制御部130)
第2の実施形態に係る情報処理装置100の制御部130は、図5に示すように、受付部131と、更新部132と、出力部133と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0080】
(受付部131)
受付部131は、所定の取引に関する情報を受け付ける。具体的には、第2の実施形態に係る受付部131は、後述の仲介装置200により出力された所定の取引に関する情報(決済情報)を受け付ける。例えば、受付部131は、所定の取引に関する情報(決済情報)として、仲介装置200により出力された提供元の認証情報、提供の認証情報および取引金額に関する情報を受け付ける。なお、ここでいう決済情報の詳細については、本項目での説明は省略する。
【0081】
受付部131は、認証装置300により出力された認証結果に関する情報を受け付けることができる。例えば、受付部131は、認証装置300により出力された仲介装置200における送金元の事業者を識別するための送金元の事業者識別情報を受け付けて、認証情報記憶部125に記憶させることができる。また、認証情報記憶部125は、認証装置300により出力された仲介装置200における送金先の事業者を識別するための送金先の事業者識別情報を受け付けて、認証情報記憶部125に記憶させることができる。
【0082】
(更新部132)
第2の実施形態に係る更新部132は、デジタル通貨の送金元の識別情報124aおよびデジタル通貨の送金先の識別情報124bと、デジタル通貨の送金額に関する情報とを用いて所定のデジタル通貨の残高情報を更新する。具体的には、更新部132は、前述の送金元の事業者識別情報に基づき決定されたデジタル通貨の送金元の識別情報124aと、デジタル通貨の送金額に関する情報124cとを用いて、送金元の第1のデジタル通貨の残高情報122aを更新することができる。
【0083】
更新部132は、認証装置300による認証結果に基づくデジタル通貨の送金元の識別情報124a、および仲介装置200により送信されたデジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新する。例えば、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報124cに含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を減算して送金元の第1のデジタル通貨の残高情報122aを更新する。
【0084】
更新部132は、認証装置300による認証結果に基づくデジタル通貨の送金先の識別情報124b、および仲介装置200により送信されたデジタル通貨の送金額に関する情報124cを用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する。例えば、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報124cに含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を加算して送金先の第1のデジタル通貨の残高情報122aを更新する。
【0085】
(出力部133)
出力部133は、更新部132に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報123aを出力する。具体的には、出力部133は、デジタル通貨の残高情報である第1のデジタル通貨の残高情報122aを用いて、法定通貨の出金情報123aを出力する。
【0086】
なお、前述した通り、本実施形態において、法定通貨として出金が可能なデジタル通貨の残高は、第1のデジタル通貨の残高情報122aである。そのため、出力部133は、ユーザ等の操作によりデジタル通貨を法定通貨として出金する場合、当該第1のデジタル通貨の残高情報122aに基づいて、法定通貨の出金情報123aを金融機関口座に出力する。
【0087】
(送信部134)
送信部134は、所定の認証処理を行うため、受付部131により受け付けられた決済情報のうち提供元の認証情報および提供先の認証情報を認証装置300へと送信する。なお、所定の認証処理については、以降の認証装置300の認証部332の項目にて説明する。
【0088】
〔3-3.仲介装置の構成〕
次に、第2の実施形態に係る仲介装置200について説明する。仲介装置200は、所定のユーザ間の取引の仲介を行う。図5に示すように、第2の実施形態に係る決済システム1に含まれる仲介装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、本実施形態において「仲介」とは、仲介装置200により実現される商取引に係る情報の処理を意味する。例えば、本実施形態において「仲介」は、商品やサービスの情報の提示、当該商品やサービスの購入、といった複数ユーザ間の商取引における情報のやり取りに係る処理を行うという意味を含んでよい。
【0089】
(通信部210)
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、所定のネットワークにより有線または無線で接続され、例えば、所定の装置(情報処理装置100、認証装置300)との間で情報の送受信を行う。
【0090】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、図5に示す通り、記憶部220は、取引情報記憶部221および認証情報記憶部222を有する。
【0091】
(取引情報記憶部221)
取引情報記憶部221は、後述の受付部231により受け付けられた仲介した取引に関する取引情報を記憶する。具体的には、取引情報記憶部221は、提供元の識別情報221aと、提供先の識別情報221bと、取引金額に関する情報221cとを記憶する。
【0092】
(提供元の識別情報221a)
提供元の識別情報221aは、仲介した取引に係る取引主体のうち商品やサービスを提供した事業者等を識別する情報である。例えば、提供元の識別情報221aは、仲介装置200を介して事業者間で商品やサービスの提供が行われた際の商品やサービスの提供元の事業者を識別する情報であってよい。
【0093】
(提供先の識別情報221b)
提供先の識別情報221bは、仲介した取引に係る取引主体のうち商品やサービスの提供を受けた事業者等を識別する情報である。例えば、提供先の識別情報221bは、仲介装置200を介して事業者間で商品やサービスの提供が行われた際の商品やサービスの提供先の事業者を識別する情報であってよい。
【0094】
(取引金額に関する情報221c)
取引金額に関する情報221cは、仲介した取引に係る取引金額に関する情報である。例えば、取引金額に関する情報221cは、仲介装置200を介して事業者間での商品やサービスの提供および対価の支払いに関する取引金額であってよい。なお、取引金額に関する情報221cは、取引金額の他に、金額種別(例えば、売上等)を示す情報が含まれていてよい。
【0095】
(認証情報記憶部222)
認証情報記憶部222は、認証装置300より出力された認証情報を記憶する。具体的には、認証情報記憶部222は、認証装置300より出力された提供元の認証情報を記憶する。また、認証情報記憶部222は提供先の認証情報を記憶する。なお、前述した、提供元の認証情報および提供先の認証情報については、後述の項目にて説明する。
【0096】
(制御部230)
制御部230は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、仲介装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部330は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0097】
図5に示すように、制御部230は、受付部231と、送信部232と、出力部233とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行される。なお、制御部230の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0098】
(受付部231)
受付部231は、仲介した取引に関する情報を受け付ける。具体的には、受付部231は、提供元の識別情報221aと、提供先の識別情報221bと、取引金額に関する情報221cとを受け付ける。例えば、受付部231は、仲介装置200により仲介された取引に関して、提供された商品やサービスに関する情報、商品やサービスの取引主体(提供元および提供元)に関する情報、取引に係る金額に関する情報を受け付けることができる。
【0099】
(送信部232)
送信部232は、所定の認証を行うために、取引情報記憶部221により記憶される提供元の識別情報221aおよび提供先の識別情報221bを認証装置300へと送信する。
【0100】
(出力部233)
出力部233は、認証装置300により出力された認証情報に基づいて生成された決済情報を情報処理装置100に出力する。具体的には、出力部233は、認証装置300により、提供元の識別情報221aに基づき認証された提供元の認証情報および提供先の識別情報221bに基づき認証された提供先の認証情報に、取引金額に関する情報221cを加えた決済情報を情報処理装置100に出力する。
【0101】
〔3-4.認証装置の構成〕
次に、第2の実施形態に係る認証装置300について説明する。認証装置300は、情報処理装置100および仲介装置200により送信される所定の情報について、認証装置300が記憶する情報との認証を行う。図5に示すように、第2の実施形態に係る決済システム1に含まれる認証装置300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを有する。
【0102】
(通信部310)
通信部310は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部310は、所定のネットワークにより有線または無線で接続され、例えば、所定の装置(情報処理装置100、仲介装置200)との間で情報の送受信を行う。
【0103】
(記憶部320)
記憶部320は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、図5に示す通り、記憶部320は、認証用情報記憶部321を有する。
【0104】
(認証用情報記憶部321)
認証用情報記憶部321は、後述の認証部332が所定の認証処理を実施するために用いる認証用情報を記憶する。具体的には、認証用情報記憶部321は、認証用情報として予め認証装置300に登録を行ったユーザについてのユーザの識別情報、ユーザの属性情報、その他ユーザに関する情報を記憶する。なお、認証用情報記憶部321は、後述の認証部332による認証の処理に用いられる認証用情報であれば、前述した情報に限定されずに記憶できる。
【0105】
(制御部330)
制御部330は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、認証装置300内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部330は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0106】
図5に示すように、制御部330は、受付部331と、認証部332と、出力部333とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部330の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0107】
(受付部331)
受付部331は、情報処理装置100から送信された決済情報を受け付ける。具体的には、受付部331は、情報処理装置100から送信された決済情報として、提供元の認証情報および提供先の認証情報を受け付ける。
【0108】
受付部331は、後述の仲介装置200から送信された取引情報を受け付ける。具体的には、受付部331は、仲介装置200から送信された取引情報として、提供元の識別情報221aおよび提供先の識別情報221bを受け付ける。
【0109】
(認証部332)
認証部332は、情報処理装置100から送信された決済情報(提供元の認証情報および提供先の識別情報)に含まれる情報についての認証を行う。具体的には、認証部332は、認証用情報記憶部321に記憶された認証用情報に基づいて、情報処理装置100から送信された提供元の認証情報および提供先の識別情報を認証する。例えば、認証部332は、認証用情報記憶部321に記憶された認証用情報に基づいて、提供元の認証情報を「送金先の事業者識別情報」と認証し、提供先の認証情報を「送金元の事業者識別情報」と認証することができる。
【0110】
認証部332は、仲介装置200から送信された取引情報(提供元の識別情報および提供先の識別情報)に含まれる情報についての認証を行う。具体的には、認証部332は、認証用情報記憶部321に記憶された認証用情報に基づいて、仲介装置200から送信された提供元の識別情報および提供先の識別情報を認証する。例えば、認証部332は、認証用情報記憶部321に記憶された認証用情報に基づいて、提供元の識別情報を「提供元の認証情報」と認証し、提供先の識別情報を「提供先の認証情報」と認証することができる。
【0111】
なお、本実施形態において「認証」とは、認証装置300に予め登録されたユーザ情報と、外部の装置(情報処理装置100または仲介装置200)から送信された情報とを突合し、共通する情報を認証結果に関する情報として出力することを意味する。
【0112】
(出力部333)
出力部333は、前述の認証部332による認証結果に関する情報を出力する。例えば、出力部333は、認証部332により認証された送金先の事業者識別情報および送金元の事業者識別情報を、事業者の識別情報(認証結果に関する情報)として情報処理装置100に送信する。また、出力部333は、認証部332により認証された提供元の認証情報および提供先の認証情報を、仲介装置200が情報処理装置100に送信する認証情報(認証結果に関する情報)として仲介装置200に送信する。
【0113】
〔4.処理手順〕
ここから、本実施形態に係る決済システム1の処理手順について図6から図8を用いて説明する。本実施形態に係る決済システム1の処理手順は、「第1の実施形態に係る入金処理」と、「第1の実施形態に係る送金処理および出金処理」と、「第2の実施形態に係る決済処理」との3つに分けられることから、フローチャートもそれぞれについて説明する。
【0114】
(第1の実施形態に係る入金処理)
まず、第1の実施形態に係る入金処理について図6を用いて説明する。図6は、第1の実施形態に係る情報処理方法のフローチャートの一例を示す図である。なお、各ステップは、入れ替えて実施されてもよいし、実施されないステップが存在してもよい。
【0115】
受付部131は、法定通貨の入金に関する情報を受け付ける(ステップS101)。例えば、受付部131は、法定通貨の入金情報を所定の通貨の入金に関する情報として受け付けることができる。
【0116】
更新部132は、法定通貨の入金情報を用いて、第2のデジタル通貨の残高情報を更新する(ステップS102)。例えば、更新部132は、所定のユーザにより「〇〇(入金額)」の法定通貨が入金された場合、法定通貨の入金情報に含まれる「〇〇(入金額)」分の残高を加算して所定のユーザの第2のデジタル通貨の残高情報を更新できる。そして、情報処理装置100は、処理を終了する。
【0117】
(第1の実施形態に係る送金処理および出金処理)
次に、第1の実施形態に係る送金処理および出金処理について図7を用いて説明する。図7は、第1の実施形態に係る情報処理方法のフローチャートの一例を示す図である。なお、各ステップは、入れ替えて実施されてもよいし、実施されないステップが存在してもよい。
【0118】
受付部131は、所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報と、デジタル通貨の送金先の識別情報と、デジタル通貨の送金額に関する情報とを受け付ける(ステップS201)。例えば、受付部131は、デジタル通貨の送金元の識別情報として、「デジタル通貨の送金を行った事業者を識別する情報」を受け付けることができる。また、受付部131は、デジタル通貨の送金先の識別情報として、「デジタル通貨の送金を受け付けた事業者を識別する情報」を受け付けることができる。また、受付部131は、デジタル通貨の送金額に関する情報として、送金額「〇〇(売上額)」を受け付けることができる。
【0119】
更新部132は、デジタル通貨の送金元の識別情報およびデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新する(ステップS202)。例えば、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報に含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を減算して送金元の第1のデジタル通貨の残高情報を更新する。
【0120】
更新部132は、デジタル通貨の送金先の識別情報およびデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する(ステップS203)。例えば、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報に含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を加算して送金先の第1のデジタル通貨の残高情報を更新する。
【0121】
出力部133は、デジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する(ステップS204)。例えば、出力部133は、第1のデジタル通貨の残高情報に基づいて、デジタル通貨を法定通貨として出金するために法定通貨の出金情報を金融機関口座に出力する。そして、情報処理装置100は、処理を終了する。
【0122】
(第2の実施形態に係る決済処理)
次に、第2の実施形態に係る決済処理理について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態に係る情報処理方法のフローチャートの一例を示す図である。なお、各ステップは、入れ替えて実施されてもよいし、実施されないステップが存在してもよい。
【0123】
まず、仲介装置200は、所定のユーザ間の取引の仲介を実施する(ステップS301)。次に、仲介装置200の送信部232は、提供元の識別情報および提供先の識別情報を認証装置300に送信する(ステップS302)。
【0124】
認証装置300の認証部332は、認証装置300により記憶された認証用情報に基づいて提供元の識別情報および提供先の識別情報の認証を実施する(ステップS303)。具体的には、認証部332は、認証用情報記憶部321に記憶された認証用情報に基づいて、提供元の識別情報を「提供元の認証情報」と認証し、提供先の識別情報を「提供先の認証情報」と認証することができる。そして、認証装置300の出力部333は、認証結果に関する情報として提供元の認証情報および提供先の認証情報を仲介装置200に出力する(ステップS304)。
【0125】
情報処理装置100の送信部134は、仲介装置200から受け付けた提供元の認証情報および提供先の認証情報を認証装置300に送信する(ステップS305)。続いて、認証装置300の認証部332は、認証装置300により記憶された認証用情報に基づいて、提供元の認証情報および提供先の認証情報の認証を実施する(ステップS306)。具体的には、認証部332は、認証用情報記憶部321に記憶された認証用情報に基づいて、提供元の認証情報を「送金先の事業者識別情報」と認証し、提供先の認証情報を「送金元の事業者識別情報」と認証することができる。
【0126】
認証装置300の出力部333は、認証結果に関する情報として提供元の事業者識別情報および提供先の事業者識別情報を情報処理装置100に出力する(ステップS307)。情報処理装置100の決済情報記憶部124は、提供元の事業者識別情報に基づき決定されたデジタル通貨の送金先の識別情報と、提供先の事業者識別情に基づき決定されたデジタル通貨の送金元の識別情報とを記憶する(ステップS308)。
【0127】
更新部132は、デジタル通貨の送金元の識別情報およびデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新する(ステップS309)。例えば、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報に含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を減算して送金元の第1のデジタル通貨の残高情報を更新する。
【0128】
更新部132は、デジタル通貨の送金先の識別情報およびデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先の第1のデジタル通貨の残高情報を更新する(ステップS310)。例えば、更新部132は、「〇〇(売上額)」のデジタル通貨を送金元が送金先に送金した場合、デジタル通貨の送金額に関する情報に含まれる「〇〇(売上額)」分の残高を加算して送金先の第1のデジタル通貨の残高情報を更新する。
【0129】
出力部133は、デジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する(ステップS311)。例えば、出力部133は、第1のデジタル通貨の残高情報に基づいて、デジタル通貨を法定通貨として出金するために法定通貨の出金情報を金融機関口座に出力する。そして、情報処理装置100は、処理を終了する。
【0130】
〔5.効果〕
ここから、本実施形態の情報処理装置100および決済システム1の提供する効果について説明する。本実施形態に係る情報処理装置100の受付部131は、所定の取引に関する情報として、デジタル通貨の送金元の識別情報と、デジタル通貨の送金先の識別情報と、デジタル通貨の送金額に関する情報とを受け付ける。情報処理装置100の更新部132は、デジタル通貨の送金元の識別情報およびデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新する。また、情報処理装置100の更新部132は、デジタル通貨の送金先の識別情報およびデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する。情報処理装置100の出力部133は、更新部132に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する、ことを特徴とする。したがって、商取引で得たデジタル通貨を法定通貨として直接出金することを可能とする、という効果を奏する。
【0131】
具体的には、情報処理装置100の更新部132は、売上として分類されたデジタル通貨が入金された場合に、デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて決済、送金または法定通貨の出金に用いる第1のデジタル通貨の残高情報を更新する。また、更新部132は、売上以外として分類されたデジタル通貨が入金された場合に、前記デジタル通貨の送金額に関する情報を用いて決済または送金に用いる第2のデジタル通貨の残高情報を更新する。また、情報処理装置100の更新部132は、所定の通貨として法定通貨が入金された場合に、法定通貨の入金情報を用いて決済または送金に用いる第2のデジタル通貨の残高情報を更新する。このように、情報処理装置100は、入金された法定通貨またはデジタル通貨について、入金種別に応じて残高情報を分けて管理することを可能とする。
【0132】
また、情報処理装置100の出力部133は、デジタル通貨の残高情報である第1のデジタル通貨の残高情報を用いて、法定通貨の出金情報を出力する。このように、情報処理装置100は、前述した更新部132により管理される入金種別に応じた残高情報に基づいて、「売上」等に分類されるデジタル通貨のみを法定通貨として出金することを可能とする。これにより、情報処理装置100は、デジタル通貨を法定通貨として直接出金することを可能とする。
【0133】
また、情報処理装置100の更新部132は、法定通貨の入金情報を特定の地域で利用可能な地域バリューによる決済機能を備えた地域ウォレットサービスに用いられる所定のデジタル通貨の残高情報を更新する。これにより、情報処理装置100は、特定地域に紐づいたデジタル通貨に係る決済機能を提供することができる。
【0134】
また、前述した情報処理装置100を用いて、決済システム1を実現できる。本実施形態に係る決済システム1は、情報処理装置100と、仲介装置200と、認証装置300とを有する。仲介装置200は、所定のユーザ間の取引の仲介を行う。認証装置300は、情報処理装置100および仲介装置200により送信される所定の情報について、認証装置300が記憶する情報との認証を行う。情報処理装置100の更新部132は、認証装置300による認証結果に基づくデジタル通貨の送金元の識別情報、および仲介装置200により送信されたデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金元のデジタル通貨の残高情報を更新する。また、情報処理装置100の更新部132は、認証装置300による認証結果に基づくデジタル通貨の送金先の識別情報、および仲介装置200により送信されたデジタル通貨の送金額に関する情報を用いて、送金先のデジタル通貨の残高情報を更新する。そして、情報処理装置100の出力部133は、更新部132に更新されたデジタル通貨の残高情報を用いて法定通貨の出金情報を出力する。
【0135】
ここで、図9を用いて本実施形態に係る決済システム1の提供する効果について説明する。図9は、本実施形態に係る決済システム1が提供する効果の一例を示す図である。図9に示す通り、第1の事業者の提供する商品等は、卸業者や物流業者を介して、第2の事業者に届けられる。従来は、第1の事業者自身が提供した商品等の対価を得るために、第2の事業者から支払われた対価が物流業者、卸業者を介して第1の事業者に支払われるという形態が取られる場合があった。この場合、複数の商流を介することになるため、第1の事業者が売上を得るのに時間がかかったり、利益が著しく減少したりする場合があった。
【0136】
これにより、本実施形態に係る決済システム1は、仲介装置200により仲介された取引に関する情報を用いて、情報処理装置100が特定地域に係るデジタル通貨による決済機能を提供することにより、商流に係る各事業者に即時支払、即時出金を可能とする。そして、本実施形態に係る決済システム1は、決済分野のスマートシティ推進のためのキャッシュレスの普及を阻む、店舗事業者の決済手数料負担を取り除く、地域のキャシュレスインフラを整備するという効果を提供できる。また、決済システム1は、特定地域に係る地域通貨の導入を実現し、低い決済手数料モデル(あるいは、決済手数料ゼロモデル)でのキャッシュレス環境を整備するというこうかを提供する。
【0137】
〔6.ハードウェア構成〕
次に、実施形態に係る決済システム1を構成する装置のハードウェア構成例について説明する。図10は、本実施形態に係る決済システム1を構成する装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。なお、本項目では、決済システム1に含まれる情報処理装置100を例に挙げて説明するが、その他の仲介装置200および認証装置300も同様のハードウェア構成で実現可能である。
【0138】
図10を参照すると、情報処理装置100は、コンピュータ1000により実現される。コンピュータ1000は、例えば、プロセッサ801と、ROM802と、RAM803と、ホストバス804と、ブリッジ805と、外部バス806と、インターフェース807と、入力装置808と、出力装置809と、ストレージ810と、ドライブ811と、接続ポート812と、通信装置813と、を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0139】
(プロセッサ801)
プロセッサ801は、例えば、演算処理装置または制御装置として機能し、ROM802、RAM803、ストレージ810、またはリムーバブル記録媒体901に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般またはその一部を制御する。
【0140】
(ROM802、RAM803)
ROM802は、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM803には、例えば、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的または永続的に格納される。
【0141】
(ホストバス804、ブリッジ805、外部バス806、インターフェース807)
プロセッサ801、ROM802、RAM803は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス804を介して相互に接続される。一方、ホストバス804は、例えば、ブリッジ805を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス806に接続される。また、外部バス806は、インターフェース807を介して種々の構成要素と接続される。
【0142】
(入力装置808)
入力装置808には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、およびレバー等が用いられる。さらに、入力装置808としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。また、入力装置808には、マイクロフォン等の音声入力装置が含まれる。
【0143】
(出力装置809)
出力装置809は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、または有機EL等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、またはファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置である。また、本実施形態に係る出力装置809は、触覚刺激を出力することが可能な種々の振動デバイスを含む。また、出力装置809は、AIスピーカやウェアラブルデバイスを含んでもよい。
【0144】
(ストレージ810)
ストレージ810は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ810としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等が用いられる。
【0145】
(ドライブ811)
ドライブ811は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体901に記録された情報を読み出し、またはリムーバブル記録媒体901に情報を書き込む装置である。
【0146】
(接続ポート812)
接続ポート812は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、または光オーディオ端子等のような外部接続機器902を接続するためのポートである。
【0147】
(通信装置813)
通信装置813は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線または無線LAN、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または各種通信用のモデム等である。
【0148】
(リムーバブル記録媒体901)
リムーバブル記録媒体901は、例えば、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体901は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、または電子機器等であってもよい。
【0149】
(外部接続機器902)
外部接続機器902は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、またはICレコーダ等である。
【0150】
なお、実施形態に係る情報処理装置100は、ROM802やRAM803、ストレージ810によって実現される。また、プロセッサ801によって実現される制御部130が、実現する各制御プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)を、ROM802やRAM803等から読み出し実行する。
【0151】
〔7.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0152】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0153】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0154】
1 決済システム
10,14,14a 取引情報
15 認証情報
11,12,13,16,16a 決済情報
17 事業者の識別情報
100 情報処理装置
110,210,310 通信部
120,220,320 記憶部
121 入金情報記憶部
121a 法定通貨の入金情報
121b デジタル通貨の入金情報
122 残高情報記憶部
122a 第1のデジタル通貨の残高情報
122b 第2のデジタル通貨の残高情報
123 出金情報記憶部
123a 法定通貨の出金情報
124 決済情報記憶部
124a デジタル通貨の送金元の識別情報
124b デジタル通貨の送金先の識別情報
124c デジタル通貨の送金額に関する情報
125,222 認証情報記憶部
130,230,330 制御部
131,231,331 受付部
132 更新部
133,233,333 出力部
134,232 送信部
200 仲介装置
221 取引情報記憶部
221a 提供元の識別情報
221b 提供先の識別情報
221c 取引金額に関する情報
300 認証装置
321 認証用情報記憶部
332 認証部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10