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特開2024-133973情報処理システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133973
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20240101AFI20240926BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240926BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q50/10
G06F16/9035
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044019
(22)【出願日】2023-03-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】507009009
【氏名又は名称】株式会社博報堂DYホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】道本 龍
(72)【発明者】
【氏名】西村 啓太
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175HA01
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】複数のデジタルプラットフォームを横断した消費者の割当に役立つ技術を提供する。
【解決手段】複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備えるデータセットが取得される。複数の消費者のそれぞれの特徴データから判別されるデジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、デジタルプラットフォーム毎に、複数の消費者のうちの一以上の消費者が、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられる(S240)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得するように構成される取得部と、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成される割当部と、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成するように構成されるリスト生成部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得するように構成される取得部と、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成される割当部と、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信するように構成される送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項3】
前記割当部は、前記複数の消費者のそれぞれを、前記複数のデジタルプラットフォームのうち、前記対応する消費者による利用度の高いプラットフォームに優先的に割り当てるように、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てる請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記割当部は、前記消費者毎に、前記対応する消費者の前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれに対するスコアを、前記対応する消費者による前記対応するデジタルプラットフォームの利用度に基づき算出し、前記スコアに基づいて、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てる請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記割当部は、前記スコアを、前記対応する消費者のデモグラフィック属性に基づき重み付けするように算出する請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記割当部は、前記デモグラフィック属性に関する指定された消費者分布に対応するウェイトで、前記スコアを重み付けするように算出する請求項5記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記複数のデジタルプラットフォームのうちの少なくとも一部の利用度に関する情報を備えない複数の第一の消費者に関する第一のデータセットと、前記複数のデジタルプラットフォームのうちの少なくとも一部の利用度に関する情報を備える複数の第二の消費者に関する第二のデータセットとに基づき、前記複数の第一の消費者による前記複数のデジタルプラットフォームの前記少なくとも一部の利用度を推定し、推定した前記利用度に関する情報を前記第一のデータセットに追加することにより、前記複数の消費者に関するデータセットを生成するデータセット生成部
を備え、
前記取得部は、前記データセット生成部により生成された前記複数の消費者に関するデータセットを取得する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記リスト生成部は、消費者の一群に関するデータベースであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備えるデータベースを参照して、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者を、特徴が少なくとも類似する二以上の消費者に拡張し、前記消費者リストとして、前記二以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを生成する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記送信部は、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、広告配信対象の消費者の識別コードとして記述した入稿データを、前記対応するデジタルプラットフォームの前記事業者システムに送信する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれは、複数のユーザのそれぞれの特徴を、対応するユーザの識別コードと関連付けて記述するデータベースを保有し、保有する前記データベースに基づいて、前記広告配信対象を、前記入稿データに前記識別コードが記述される前記一以上の消費者から、前記複数のユーザのうちの前記特徴が前記広告配信対象の消費者に関係するユーザの一群に拡張して、前記ユーザの一群に広告配信を行うように構成され、
前記送信部は、前記入稿データを送信する際、拡張後の前記広告配信対象のユーザ数の上限を指定する請求項9記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記送信部は、前記取得部により取得される前記複数の消費者に関するデータセットから判別される前記複数の消費者に関するデモグラフィック属性の分布に基づき、前記デモグラフィック属性の各区分における広告配信対象のユーザ数の上限を指定する請求項10記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記送信部は、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、前記一以上の消費者の特徴データと共に、前記対応するデジタルプラットフォームの前記事業者システムに送信する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項13】
請求項1、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、及び請求項8のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記取得部、前記割当部、及び前記リスト生成部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項2、請求項9、請求項10、請求項11、及び請求項12のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記取得部、前記割当部、及び前記送信部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得することと、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てることと、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成することと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得することと、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てることと、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信することと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上では、複数のデジタルプラットフォーム事業者から、デジタルサービスをユーザに提供する場としてのデジタルデジタルプラットフォームが提供されている。例えば、検索サービス、コンテンツ配信サービス、オンラインショッピングモール、及びソーシャルネットワークサービス等のデジタルサービスが複数のデジタルプラットフォームを通じてユーザに提供されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ユーザは、情報端末を通じてデジタルプラットフォームにアクセスし、デジタルプラットフォームにおいて提供されるサービスを利用することができる。デジタルプラットフォーム側では、ユーザによるデジタルプラットフォームの利用を通じてユーザに関する情報が蓄積される。
【0004】
蓄積情報を活用した広告配信サービス又は情報提供サービスを提供するデジタルプラットフォーム事業者も知られている。例えば広告配信サービスでは、蓄積情報から特定されるユーザの特徴に基づいて、広告効果が高いと推定されるユーザに広告配信が行われる。情報提供サービスでは、指定されたユーザの特徴に関して、デジタルプラットフォームで蓄積された情報が、例えば統計情報として要求元に提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-153536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数のデジタルプラットフォームの広告配信サービスを通じて消費者に広告配信する場合、サービスの利用企業は、顕在顧客及び潜在顧客に効率的に広告が配信されるように、複数のデジタルプラットフォームの一つ又は複数に対して広告配信をリクエストすることが考えられる。
【0007】
あるいは、複数のデジタルプラットフォームの情報提供サービスを通じて顧客の情報を収集する場合、サービスの利用企業は、複数のデジタルプラットフォームの一つ又は複数に対して顧客の情報提供をリクエストすることが考えられる。このようなリクエストの場面では、デジタルプラットフォームを選択する必要が生じ得る。
【0008】
そこで、本開示の一側面によれば、複数のデジタルプラットフォームが提供する広告配信サービスや情報提供サービス等を利用する場面において、複数のデジタルプラットフォームに対する消費者の割当に役立つ新規技術を提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一側面によれば、情報処理システムが提供される。情報処理システムは、取得部と、割当部と、リスト生成部とを備える。取得部は、複数の消費者に関するデータセットを取得するように構成される。
【0010】
データセットは、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備える。対応する消費者の特徴データは、複数のデジタルプラットフォームに関して、対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含む。
【0011】
割当部は、複数の消費者のそれぞれの特徴データから判別されるデジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、デジタルプラットフォーム毎に、複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成される。
【0012】
リスト生成部は、デジタルプラットフォーム毎に、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを、対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成する構成にされる。
【0013】
本開示の一側面によれば、情報処理システムは、リスト生成部に代えて又は加えて、送信部を備え得る。送信部は、デジタルプラットフォーム毎に、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者の識別コードを、対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信するように構成され得る。
【0014】
各デジタルプラットフォームでは、消費者の利用度が高いほど、その消費者に関する情報が多く蓄積される。従って、上述した手法で消費者を割り当てることによれば、複数のデジタルプラットフォームのうち、消費者に関してよりリッチな情報を有するデジタルプラットフォームを通じて、蓄積情報を活用した良質な広告配信等のサービスをデジタルプラットフォーム事業者から受けることができる。従って、本開示の一側面によれば、複数のデジタルプラットフォームに対する消費者の割当に役立つ新規技術を提供できる。
【0015】
本開示の一側面によれば、割当部は、複数の消費者のそれぞれを、複数のデジタルプラットフォームのうち、対応する消費者による利用度の高いプラットフォームに優先的に割り当てるように、デジタルプラットフォーム毎に、一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成され得る。
【0016】
本開示の一側面によれば、割当部は、消費者毎に、対応する消費者の複数のデジタルプラットフォームのそれぞれに対するスコアを、対応する消費者による、対応するデジタルプラットフォームの利用度に基づき算出するように構成され得る。割当部は、当該スコアに基づいて、デジタルプラットフォーム毎に、一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成され得る。
【0017】
本開示の一側面によれば、割当部は、スコアを、対応する消費者のデモグラフィック属性に基づき重み付けするように算出する構成にされてもよい。本開示の一側面によれば、割当部は、デモグラフィック属性に関する指定された消費者分布に対応するウェイトで、スコアを重み付けするように算出する構成にされてもよい。
【0018】
例えばデジタルプラットフォームを通じた広告配信を考えた場合、広告配信対象における望ましいデモグラフィック属性の分布に応じて、スコアを重み付けすることによれば、望ましい分布に応じたボリュームで各デジタルプラットフォームに消費者を割り当てることができ、効果的な広告配信を実現することができる。
【0019】
本開示の一側面によれば、情報処理システムは、複数の消費者に関するデータセットを生成するデータセット生成部を備えてもよい。取得部は、データセット生成部により生成された複数の消費者に関するデータセットを取得するように構成されてもよい。
【0020】
本開示の一側面によれば、データセット生成部は、複数の第一の消費者に関する第一のデータセットと、複数の第二の消費者に関する第二のデータセットとに基づき、複数の消費者に関するデータセットを生成するように構成されてもよい。
【0021】
第一のデータセットは、複数のデジタルプラットフォームのうちの少なくとも一部の利用度に関する情報を備えないデータセットであり得る。第二のデータセットは、複数のデジタルプラットフォームのうちの少なくとも一部の利用度に関する情報を備えるデータセットであり得る。
【0022】
データセット生成部は、複数の第一の消費者による複数のデジタルプラットフォームの少なくとも一部の利用度を推定し、推定した利用度に関する情報を第一のデータセットに追加することにより、複数の消費者に関するデータセットを生成するように構成され得る。
【0023】
このようにデータセットを生成及び取得すれば、利用度に関する情報の欠けた消費者の集合を含めて、適切に複数のデジタルプラットフォームに対する割当を決定することが可能である。
【0024】
本開示の一側面によれば、リスト生成部は、消費者の一群に関するデータベースであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備えるデータベースを参照して、デジタルプラットフォーム毎に、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者を、特徴が少なくとも類似する二以上の消費者に拡張するように構成されてもよい。リスト生成部は、拡張した二以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを生成するように構成され得る。
【0025】
本開示の一側面によれば、送信部は、デジタルプラットフォーム毎に、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者の識別コードを、広告配信対象の消費者の識別コードとして記述した入稿データを、対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信するように構成されてもよい。
【0026】
本開示の一側面によれば、複数のデジタルプラットフォームのそれぞれは、複数のユーザのそれぞれの特徴を、対応するユーザの識別コードと関連付けて記述するデータベースを保有し、保有するデータベースに基づいて、広告配信対象を、入稿データに識別コードが記述される一以上の消費者から、複数のユーザのうちの特徴が広告配信対象の消費者に関係するユーザの一群に拡張して、ユーザの一群に広告配信を行うように構成され得る。
【0027】
本開示の一側面によれば、送信部は、入稿データを送信する際、拡張後の広告配信対象のユーザ数の上限を指定するように構成されてもよい。このように上限を指定することによれば、拡張配信を、広告配信の要求元によって適切にコントロールすることができる。
【0028】
本開示の一側面によれば、送信部は、取得部により取得される複数の消費者に関するデータセットから判別される複数の消費者に関するデモグラフィック属性の分布に基づき、デモグラフィック属性の各区分における広告配信対象のユーザ数の上限を指定するように構成されてもよい。
【0029】
デモグラフィック属性の分布に基づいて、拡張の上限を区分毎に指定することによれば、拡張後の広告配信対象におけるデモグラフィック属性の分布を、目標とする分布に制御することができて、例えば、母集団の分布に近づけるように広告配信対象におけるデモグラフィック属性の分布を制御することができる。
【0030】
本開示の一側面によれば、送信部は、デジタルプラットフォーム毎に、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者の識別コードを、一以上の消費者の特徴データと共に、対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信するように構成されてもよい。
【0031】
デジタルプラットフォームでは、受信した特徴データを、自己が保有するユーザの特徴データによって拡張して、広告配信サービスや情報提供サービス等に利用することが可能である。
【0032】
本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムにおける取得部、割当部、及びリスト生成部の少なくとも一部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムにおける取得部、割当部、及び送信部の少なくとも一部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な一時的でない記録媒体に記録されてもよい。
【0033】
本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムに対応する情報処理方法が提供されてもよい。情報処理方法はコンピュータにより実行される情報処理方法であり得る。
【0034】
本開示の一側面によれば、情報処理方法は、複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、対応する消費者の特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得することを含み得る。
【0035】
情報処理方法は、複数の消費者のそれぞれの特徴データから判別されるデジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、デジタルプラットフォーム毎に、複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てることを含み得る。
【0036】
情報処理方法は、デジタルプラットフォーム毎に、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを、対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成することを含み得る。
【0037】
情報処理方法は、上記生成することに代えて又は加えて、デジタルプラットフォーム毎に、対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者の識別コードを、対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】情報処理システムの構成を表すブロック図である。
図2】プロセッサが実行するデータ生成処理を表すフローチャートである。
図3】データセットの構成を説明する図である。
図4】プロセッサが実行する選択送信処理を表すフローチャート(その1)である。
図5】プロセッサが実行する選択送信処理を表すフローチャート(その2)である。
図6】事業者システムで実行される配信関連処理を表すフローチャートである。
図7】事業者システムで実行されるデータ拡張処理を表すフローチャートである。
図8】変形例の選択送信処理の一部を表すフローチャートである。
図9】消費者データベースに基づいて消費者を拡張する例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の情報処理システム1は、汎用コンピュータに専用のコンピュータプログラムPrがインストールされることによって構成される。情報処理システム1は、図1に示すように、プロセッサ11と、メモリ13と、ストレージ15と、ユーザインタフェース17と、通信インタフェース19とを備える。
【0040】
プロセッサ11は、ストレージ15に格納されたコンピュータプログラムPrに従う処理を実行する。メモリ13は、RAMを備える一次記憶装置であり、プロセッサ11による処理の実行時に作業エリアとして使用される。
【0041】
ストレージ15は、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブを備える二次記憶装置であり、コンピュータプログラムPrの他、コンピュータプログラムPrに従う処理の実行時に供される各種データを記憶する。
【0042】
ユーザインタフェース17は、情報処理システム1を操作するオペレータからの操作信号をプロセッサ11に入力するための入力デバイスと、オペレータに対して各種情報を表示するためのディスプレイと、を備える。入力デバイスの例には、キーボード及びポインティングデバイスが含まれる。
【0043】
通信インタフェース19は、LAN(ローカルエリアネットワーク)インタフェース及びUSB(ユニバーサル・シリアル・シリアル)インタフェースを含む。情報処理システム1は、通信インタフェース19を通じて、複数のデジタルプラットフォームの事業者システム5と通信可能に構成される。
【0044】
広域ネットワークの例としてのインターネット上では、複数のデジタルプラットフォーム事業者から、デジタルサービスをユーザに提供する場として、複数のデジタルプラットフォームが提供されている。
【0045】
例えば、検索サービス、コンテンツ配信サービス、オンラインショッピングモール、及びソーシャルネットワークサービス等のデジタルサービスが複数のデジタルプラットフォームを通じてユーザに提供されている。
【0046】
ユーザは、情報端末を通じてデジタルプラットフォームにアクセスし、デジタルプラットフォームで提供されるサービスを利用することができる。デジタルプラットフォームでは、ユーザによるデジタルプラットフォームの利用を通じてユーザに関する情報が蓄積される。
【0047】
以下では、デジタルプラットフォームのことを、単にプラットフォームと表現し、デジタルプラットフォーム事業者のことを、PF事業者と表現する。ここでいうPFは、プラットフォームの略である。ここでいうPF事業者は、デジタルプラットフォームを運営する事業者のことである。
【0048】
プロセッサ11は、コンピュータプログラムPrに従う処理の実行により、第一のデータセット15Aを、第二のデータセット15Bを用いて拡張した拡張データセット15Cを生成する。
【0049】
プロセッサ11は、拡張データセット15Cに基づき、プラットフォーム毎に、一以上の消費者を選択し、選択した一以上の消費者を説明する説明データを、対応するプラットフォームの事業者システム5に送信する。ここでいう事業者システム5は、対応するプラットフォームを運営する事業者のコンピュータシステムを意味する。事業者システム5の例には、対応するプラットフォームのデータクリーンルームが含まれ得る。
【0050】
具体的に、プロセッサ11は、拡張データセット15Cの生成のために、ユーザインタフェース17を通じて入力されるオペレータからの指示に基づいて、図2に示すデータ生成処理を実行することができる。
【0051】
データ生成処理を開始すると、プロセッサ11は、第一のデータセット15Aを取得する(S110)。プロセッサ11は、予めストレージ15に格納された第一のデータセット15Aをストレージ15から読み出すことができる。あるいは、プロセッサ11は、通信インタフェース19を通じて第一の外部システムから、第一のデータセット15Aを取得することができる。
【0052】
第一のデータセット15Aは、例えばパネル調査により収集されたパネルデータである。第一のデータセット15Aは、パネルに対応する第一の消費者集合に関して、消費者毎に、対応する消費者の識別データに関連付けて、対応する消費者の第一の特徴データを備える。
【0053】
第一のデータセット15Aが備える各消費者の識別データは、対応する消費者の識別コードとして複数のIDを記述する。複数のIDは、消費者が使用するメールアドレスのハッシュ値、消費者が使用する情報端末の広告ID、及び、消費者が使用する情報端末のクッキー(Cookie)IDを含む。第一のデータセットAは、各消費者の第一の特徴データとして、対応する消費者の性別、年齢層、職業等のデモグラフィック属性を説明するデータを有することができる。
【0054】
続くS120において、プロセッサ11は、第二のデータセット15Bを取得する。プロセッサ11は、予めストレージ15に格納された第二のデータセット15Bをストレージ15から読み出すことができる。あるいは、プロセッサ11は、通信インタフェース19を通じて第二の外部システムから、第二のデータセット15Bを取得することができる。
【0055】
第二のデータセット15Bは、第二の消費者集合に関して、消費者毎に、対応する消費者の識別データに関連付けて、対応する消費者の第二の特徴データを備える。第二のデータセット15Bにおける各消費者の識別データもまた、第一のデータセット15Aと同様に、消費者の識別コードとして、対応する消費者の上述した複数のIDを有することができる。
【0056】
第二のデータセット15Bに含まれる各消費者の第二の特徴データは、対応する消費者のPF利用実績データ、メディア接触データ、及び購買データを含む。PF利用実績データは、複数のプラットフォームに関して、プラットフォーム毎に、対応する消費者の、対応するプラットフォームの利用実績を説明する。
【0057】
メディア接触データは、複数のメディアに関して、メディア毎に、対応する消費者の対応するメディアへの接触有無を説明する。購買データは、複数の商品に関して、商品毎に、対応する消費者の対応する商品の購入有無又は購買量を説明する。
【0058】
続くS130においてプロセッサ11は、取得した第一のデータセット15Aと第二のデータセット15Bとを、データフュージョン技術を用いて結合し、拡張データセット15Cを生成する。
【0059】
例えば、プロセッサ11は、第一のデータセット15A及び第二のデータセット15Bに含まれる消費者の識別コードに基づき、同じ識別コードに関連付けられた第一の特徴データと第二の特徴データとを判別することができる。プロセッサ11は、各第一の特徴データに同じ識別コードに関連付けられた第二の特徴データを結合することにより、第一のデータセット15Aと第二のデータセット15Bとを結合することができる。
【0060】
拡張データセット15Cは、パネルに対応する第一の消費者集合に関して、消費者毎に、基本データとしての第一の特徴データと、拡張データとしてのPF利用実績データと、メディア接触データと、購買データとが結合した特徴データを備える。
【0061】
但し、第一の消費者集合には、第二の消費者集合に属する消費者も存在すれば、第二の消費者集合に属さない消費者も存在する。すなわち、拡張データセット15Cには、PF利用実績データが欠損する消費者が存在する。
【0062】
このため、S140において、プロセッサ11は、上記の欠損を補完する処理を実行する。例えば、プロセッサ11は、PF利用実績データの各パラメータを統計処理により推定することができる。別例によれば、プロセッサ11は、PF利用実績データが欠損していない消費者集合についての特徴データを教師データとして用いて、基本データの各パラメータから、PF利用実績データの各パラメータを推定するための推定モデルを、機械学習アルゴリズムを利用して、学習することができる。
【0063】
プロセッサ11は、学習した推定モデルに、PF利用実績データが欠損する消費者の基本データの各パラメータの値を入力することにより、推定モデルの出力として、対応する消費者のPF利用実績データに関する各パラメータの推定値を得ることができる。プロセッサ11は、これらの推定値を記述したPF利用実績データを拡張データセット15Cに追加することにより、拡張データセット15CにおけるPF利用実績データの欠損を補完することができる。
【0064】
プロセッサ11は、このようにして、欠損補完された拡張データセット15Cをストレージ15に保存する。以下では、欠損補完された拡張データセット15Cのことを、単にデータセット15Cと表現する。
【0065】
図3には、データセット15Cの構成が例示される。図示すように、データセット15Cは、消費者毎に、消費者の識別データに関連付けて、対応する消費者の基本データと、PF利用実績データと、メディア接触データと、購買データと、を備える。消費者の識別データは、第一のデータセット15Aと同様に、消費者の識別コードとして、複数のIDを記述する。
【0066】
データセット15Cにおける基本データは、上述した通り、第一のデータセット15Aが有する特徴データに対応し、対応する消費者のデモグラフィック属性を表す。PF利用実績データ、メディア接触データ、及び購買データは、第二のデータセット15Bにおける対応する消費者の第二の特徴データ、又は、欠損補完されたデータである。
【0067】
PF利用実績データは、プラットフォーム毎のPF実績データを備える。各PF実績データは、対応する消費者(すなわち上記識別コードから特定される消費者)による、対応するプラットフォームの利用実績を表し、具体的には、利用実績の高さに関する数値である利用度を表す。
【0068】
図3に示される第1PF実績データは、対応する消費者による第1のプラットフォームの利用実績を表すデータであり、第2PF実績データは、対応する消費者による第2のプラットフォームの利用実績を表すデータであり、第3PF実績データは、対応する消費者による第3のプラットフォームの利用実績を表すデータである。
【0069】
PF実績データは、対応する消費者による、対応するプラットフォームの利用度を表す数値として、PF利用率F1、PF主利用率F2、PFログイン利用率F3、及び、PF利用頻度F4の各パラメータの値を記述する。
【0070】
PF利用率F1は、対応する消費者による対応するプラットフォームの利用有無を確率で表すパラメータである。PF利用率F1は、このプラットフォームを、対応する消費者が利用した経験がある場合、値1を示し、それ以外の場合には、値0を示し得る。
【0071】
PF主利用率F2は、対応する消費者が、対応するプラットフォームを主に利用しているか否かを確率で表すパラメータである。PF主利用率F2は、対応する消費者が、対応するプラットフォームを主に利用している場合、値1を示し、それ例外の場合には、値0を示し得る。ここで主に利用しているか否かは、消費者がプラットフォームの主要サービスを利用しているか否かによって判別されてもよいし、直近の所定期間におけるプラットフォームの利用有無によって判別されてもよいし、他のプラットフォームに対する相対的な利用頻度の大きさによって判別されてもよい。
【0072】
PFログイン利用率F3は、対応する消費者が、対応するプラットフォームをログインして利用する消費者であるか否かを確率で表す。PFログイン利用率F3は、対応する消費者が、対応するプラットフォームをログインして利用した経験のある消費者である場合、値1を示し、それ以外の場合には、値0を示し得る。例えば、消費者が、プラットフォームをログインせずに利用する消費者である場合には、対応するPFログイン利用率F3は値0である。
【0073】
PF利用頻度F4は、対応する消費者による、対応するプラットフォームの利用頻度を、予め定められた尺度で、利用頻度が高いほど大きな正の数値で表すパラメータである。PF利用頻度F4は、例えば値0から値1の範囲で、利用頻度に応じた値を採り得る。利用頻度は、例えば、一定期間におけるプラットフォームの利用時間やアクセス回数で評価され得る。
【0074】
プロセッサ11は、ユーザインタフェース17を通じてオペレータから選択送信処理の実行指示が入力されると、図4及び図5に示す選択送信処理を実行する。この選択送信処理において、プロセッサ11は、プラットフォーム毎に、データセット15Cに特徴データが登録される第一の消費者集合の中から、対応するプラットフォームの事業者システム5に情報を送信すべき消費者集合を送出対象として抽出する。
【0075】
プロセッサ11は、抽出した送出対象の消費者集合を説明する説明データとして、各消費者の識別コード及び特徴を記述した説明データを、対応するプラットフォームの事業者システム5に送信する。
【0076】
図4及び図5に示す選択送信処理を開始すると、プロセッサ11は、送出対象として指定されたグループに属する複数の消費者を、データセット15Cを参照して、第一の消費者集合の中から抽出する(S210)。
【0077】
指定されるグループは、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性、行動特性、又は、これらの組合せによって分類される消費者グループである。デモグラフィック属性の例には、性別、年齢層、及び職業が含まれる。サイコグラフィック属性の例には、趣味、関心、及び嗜好に関する属性が含まれる。行動特性の例には、購買及びメディア接触に関する行動特性が含まれる。
【0078】
プロセッサ11は、送出対象グループとして男性が指定されるとき、第一の消費者集合の中から、男性に該当する消費者の集合を送出対象として抽出する。プロセッサ11は、送出対象グループとしてSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)関心層が指定されるとき、第一の消費者集合の中から、SUVに関心を有する消費者の集合を抽出する。プロセッサ11は、送出対象グループのサイズとして、抽出人数がオペレータから指定されるとき、該当する送出対象グループとの適合度の高い消費者を優先的に抽出するようにして、第一の消費者集合の中から、指定された人数の消費者を抽出することができる。
【0079】
続くS220において、プロセッサ11は、S210で抽出した複数の消費者の中から、処理対象の消費者を一人選択する。以下では、選択された処理対象の消費者のことを対象者とも言う。
【0080】
続くS230において、プロセッサ11は、データセット15Cにおける対象者の特徴データ、特にはPF利用実績データを参照して、対象者に関するプラットフォーム毎の利用実績に関するスコアScrを算出する。
【0081】
例えば、プロセッサ11は、各プラットフォームのスコアScrを、対象者の利用頻度が高いほど大きな値として算出する。例えば、プロセッサ11は、プラットフォーム毎に、対象者のPF利用率F1、PF主利用率F2、PFログイン利用率F3、及び、PF利用頻度F4と、予め定められた係数k1,k3,k4とを用いて、次式に従うスコアScrを算出することができる。
Scr=k1・F1・F2・(1+k3・F3)・(1+k4・F4)
【0082】
上式における係数k1,k3,k4は、プラットフォーム毎に定められる。係数k1,k3,k4は、対応するプラットフォームのユーザ数や、ログインユーザ数などから定義され得る。例えば、係数k1,k3,k4は、スコアScrのプラットフォーム間における統計的なばらつきを抑えるように定められ得る。但し、係数k1,k3,k4は、複数のプラットフォーム共通の値として定義されてもよい。
【0083】
上式では、PF利用率F1、PF主利用率F2、PFログイン利用率F3、及びPF利用頻度F4として、データセット15Cに記述される対象者の、対応するプラットフォームのPF実績データから特定される値が用いられる。
【0084】
上式によれば、PF利用率F1及びPF主利用率F2のいずれか一方が値0であるとき、スコアScrとして、値0が算出される。PF利用率F1及びPF主利用率F2の両方が1であれば、スコアScrとして、PFログイン利用率F3、及び、PF利用頻度F4に応じたゼロより大きい値が算出される。
【0085】
PFログイン利用率F3が値1であるプラットフォーム間では、相対的に利用頻度が高いプラットフォームに対して高いスコアScrが算出される。PF利用頻度F4が同じプラットフォーム間では、ログイン利用の無いプラットフォームよりもログイン利用のあるプラットフォームに対して高いスコアScrが算出される。
【0086】
続くS240において、プロセッサ11は、プラットフォーム毎のスコアScrに基づき、所定条件を満足する一以上のプラットフォームに、対象者を割り当てる。第一例によれば、プロセッサ11は、複数のプラットフォームのうち、スコアScrが最大のプラットフォームに、対象者を割り当てる。
【0087】
第二例によれば、プロセッサ11は、複数のプラットフォームのうち、スコアScrが基準以上の一以上のプラットフォームに、対象者を割り当てる。このようにしてプロセッサ11は、利用度の高いプラットフォームに優先的に対象者を割り当てる。
【0088】
第二例によれば、対象者がいずれのプラットフォームにも割り当てられない場合もあり得る。第二例の変形例として、スコアScrが基準以上のプラットフォームが存在しない場合には、スコアScrが最大のプラットフォームに対象者を割り当てる例が考えられる。
【0089】
その後、プロセッサ11は、S210にて抽出された消費者全員を、対象者に選択したか否かを判断する(S250)。選択していないと判断すると(S250でNo)、プロセッサ11は、S210で抽出された複数の消費者の中から対象者として未選択の消費者を、新たに対象者に選択する(S220)。その後、プロセッサ11は、当該新たな対象者に関して、S230以降の処理を実行し、対象者に対するプラットフォームの割当を行う。
【0090】
全員に対する選択が完了したと判断すると(S250でYes)、プロセッサ11は、続くS260において、データ送信対象のプラットフォームを複数のプラットフォームの中から一つ選択する。
【0091】
続くS270において、プロセッサ11は、選択したプラットフォームに対する送信用データとして、選択したプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者を説明する説明データを生成する。この説明データは、消費者リストに対応する。
【0092】
説明データは、割り当てられた一以上の消費者に関して、消費者毎に、消費者の識別コードと特徴データとを格納したデータである。説明データに格納される消費者の識別コードは、データセット15Cに消費者の識別コードとして記述される複数のIDの一部又は全部であり得る。
【0093】
例えば、説明データには、各消費者の識別コードとして広告IDが記述され得る。説明データには、各消費者の特徴データとして、データセット15Cに含まれる、対応する消費者の特徴データの一部又は全部が格納され得る。
【0094】
例えば、説明データには、対応する消費者の特徴データとして、データセット15Cに含まれる基本データのみが、識別コードに関連付けて格納され得る。説明データには更に、PF利用実績データ、メディア接触データ、及び購買データの一つ以上が格納されてもよい。説明データには、対応する消費者の特徴データを格納せずに、消費者の識別コード(例えば広告ID)のみが格納されてもよい。
【0095】
一例によれば、説明データには、一以上の消費者が、対応するプラットフォーム事業者が提供する広告配信サービスでの広告配信対象として説明される。この場合、説明データは、対応するプラットフォーム事業者に対する入稿データに対応し得る。一例によれば、説明データには、一以上の消費者が、対応するプラットフォーム事業者が提供するデータクリーンルームでの分析対象として説明される。
【0096】
続くS280において、プロセッサ11は、S270で生成した説明データを、選択したプラットフォームの事業者システム5に送信する。例えば、プロセッサ11は、説明データを、入稿データとして、プラットフォームの事業者システム5に送信することができる。別例によれば、プロセッサ11は、説明データを、選択したプラットフォームのデータクリーンルームに送信することができる。
【0097】
続くS290において、プロセッサ11は、全てのプラットフォームをデータ送信対象に選択したかを判断する。選択していない場合(S290でNo)、プロセッサ11は、S260に移行して、データ送信対象として未選択のプラットフォームを新たに選択し、上述の説明データを生成し(S270)、選択したプラットフォームの事業者システム5に送信する(S280)。
【0098】
プロセッサ11は、全てのプラットフォームについて選択したと判断すると(S290でYes)、選択送信処理を終了する。
【0099】
各プラットフォームの事業者システム5は、情報処理システム1からの上記説明データに基づいて、図6の処理を実行することができる。図6は、入稿データとして情報処理システム1から上述の説明データが送信される場合に事業者システム5が実行する配信関連処理のフローチャートである。
【0100】
配信関連処理において、事業者システム5は、情報処理システム1からの入稿データを受信し(S310)、入稿データで説明される広告配信対象を、事業者システム5が保有するデータベースに基づいて拡張する(S320)。
【0101】
事業者システム5が保有するデータベースは、対応するプラットフォームのユーザに関して、ユーザ毎の特徴データを、対応するユーザの識別コード(例えば広告ID)と関連付けて有し得る。以下では、事業者システム5が有する特徴データのことを、入稿データに含まれる特徴データとの区別のために、保有特徴データと表現する。
【0102】
S320において、事業者システム5は、入稿データで説明される広告配信対象の各消費者に関して、消費者の識別コード(例えば広告ID)に基づき、任意には更に、消費者の特徴データに基づき、保有するデータベース内で、同一人物と推定されるユーザの保有特徴データを検索することができる。
【0103】
事業者システム5は、保有するデータベースにおいて、同一人物と推定されるユーザの保有特徴データと特徴が類似する保有特徴データを有する一以上のユーザを、広告配信対象に加えることにより、広告配信対象を拡張することができる。
【0104】
入稿データには、広告配信対象の拡張後人数の上限が記述されてもよい。上限の記述は、情報処理システム1のプロセッサ11が実行するS270の処理で実現することができる。
【0105】
上限は、セグメント毎に記述され得る。ここでいうセグメントは、デモグラフィック属性、特には性年齢層で区別される消費者セグメントであり得る。つまり、セグメント毎に、広告配信対象の拡張後人数の上限が、入稿データに記述され得る。
【0106】
パネルとしての第一の消費者集合は、母集団からの標本である。第一の消費者集合の人口構成比は、母集団の人口構成比とは異なり得る。拡張後の広告配信対象の人口構成比もまた、上限を設けない場合には、母集団の人口構成比とは乖離する可能性がある。
【0107】
従って、拡張後の広告配信対象の消費者集合における人口構成比が、母集団の人口構成比に適合するように、各セグメントに対して拡張後人数の上限を定めることができる。例えば、第一の消費者集合における、あるセグメントの消費者のそれぞれが母集団におけるN人を代表する場合、当該セグメントにおける消費者一人当たりの拡張後人数の上限を値Nに比例した値に定めることができる。人口構成比に関する情報は、予めストレージ15に保存され得る。
【0108】
S330において、事業者システム5は、拡張後の広告配信対象に該当する各ユーザに対して広告配信する。配信する広告コンテンツは、予め情報処理システム1から事業者システム5に提供され得る。
【0109】
一方、分析対象の消費者を説明する説明データとして、上述した説明データが情報処理システム1から各プラットフォームの事業者システム5に提供される場合、事業者システム5は、図7に示すデータ拡張処理を実行することができる。
【0110】
例えば、事業者システム5は、説明データを受信すると(S410)、説明データで説明される分析対象の各消費者に関して、対応する消費者の特徴データをプラットフォームが保有するデータベースに基づいて拡張する(S420)。
【0111】
事業者システム5は、説明データに含まれる各消費者の特徴データを、保有するデータベースに含まれる、対応するユーザの特徴データに基づいて拡張することができる。事業者システム5は、拡張した各消費者の特徴データを、情報処理システム1に送信する、あるいはデータクリーンルーム内に出力することができる(S430)。拡張された特徴データは、例えば消費者の行動分析のために使用される。
【0112】
以上に説明した本実施形態の情報処理システム1は、広告配信のために、広告配信対象の消費者を説明する説明データを、複数のプラットフォームの事業者システム5に送信するケースにおいて、対応する消費者の情報をリッチに保有するプラットフォーム事業者に、対応する消費者の情報に基づく広告配信を依頼することができる。
【0113】
上述したように情報処理システム1は、広告配信対象の消費者集合に関して、消費者毎に、対応する消費者の利用実績の高いプラットフォーム事業者に広告配信を依頼することができる。利用実績の高いプラットフォームは、対応する消費者の情報をリッチに保有する可能性が高い。消費者によるログイン利用実績があるプラットフォームは、対応する消費者の情報を更にリッチに保有している可能性が高い。
【0114】
従って、上述した手法で、消費者毎に、複数のプラットフォームそれぞれの利用実績に関するスコアScrを算出し、スコアScrの高いプラットフォームの事業者システム5に、対応する消費者の情報(すなわち、識別コード及び特徴データ)を送出することによれば、データセット15Cから選出した消費者から、広告配信対象を適切に拡張して、効果的な広告配信を実現することができる。
【0115】
[その他の実施形態]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0116】
例えば、選択送信処理は、図8に示すように変形されてもよい。すなわち、プロセッサ11は、S230において算出した対象者のプラットフォーム毎のスコアScrを、対象者のデモグラフィック属性に基づき重み付けするように補正してもよい。
【0117】
変形例の選択送信処理は、図4及び図5に示す選択送信処理におけるS240の処理に代えて図8に示すS241,S245の処理を含む点を除いて、図4及び図5に示す選択送信処理と同じである。従って、図8には、S241,S245を含む選択送信処理の一部ステップのみを選択的に示す。変形例の選択送信処理に関して、S241,S245の処理以外のステップの説明を適宜省略する。
【0118】
広告主からは、広告配信対象におけるデモグラフィック属性の望ましい分布を指定されることが考えられる。例えば、性別と年齢層との組合せによって定義される性年齢区分に関して、広告配信対象の望ましい区分別構成比を、広告主から指定されることが考えられる。例えば、SUV関心層に関して、購買意欲の高い年齢層(例えば20,30,40代)の男性に重み付けした構成比で、広告主が、広告配信を望むことが考えられ得る。
【0119】
従って、望ましいデモグラフィック属性の構成比に応じたウェイトWをスコアScrに掛けることにより、スコアScrを、W・Scrに重み付けしてもよい。例えば、望ましい男女比が男:女=3:1であるときには、男性のスコアScrを、W=3/4で重み付けし、女性のスコアScrをW=1/4で重み付けすることが考えられる。
【0120】
あるいは、広告主からデモグラフィック属性の望ましい分布に関して、属性区分θ別の度数を示すヒストグラムの提供を受け、ヒストグラムから特定される度数が高い属性区分θほど、その属性区分のウェイトW=Wθが高くなるように、デモグラフィック属性の各区分θに対して、ウェイトW=Wθを設定してもよい。属性区分θ別のウェイトWθは、情報処理システム1のオペレータが広告主からの要望に基づき予め設定することができる。
【0121】
図8に示す変形例によれば、プロセッサ11は、S230に続くS241の処理として、対象者のプラットフォーム毎のスコアScrを、対象者の属性区分θに応じたウェイトW=Wθで重み付けして、スコアScrの重み付け値Sc=W・Scrを算出する。
【0122】
続くS245において、プロセッサ11は、対象者のプラットフォーム毎の重み付け値Scに基づき、重み付け値Scが基準以上の一以上のプラットフォームに、対象者を割り当てることができる。その後、プロセッサ11は、S250の処理(図4参照)を実行する。
【0123】
このような重み付けによれば、広告配信対象として各プラットフォームに割り当てられる消費者の集合を、望ましい分布に近づけることができ、広告主の望みに応じた分布での広告配信を実現することができる。
【0124】
この他、プロセッサ11は、S270において、説明データを生成する際、対応するプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者を、少なくとも類似する二以上の消費者に拡張してもよい。
【0125】
拡張のために、ストレージ15には、図9に示す消費者データベース16を設けることができる。消費者データベース16は、第三の消費者集合に関して、消費者毎に、対応する消費者の識別データに関連付けて、対応する消費者の第三の特徴データを備えることができる。第三の消費者集合は、第一の消費者集合よりも大きな消費者集合であり得る。第三の消費者集合には、第一の消費者集合に属する消費者が少なくとも部分的に含まれ得る。
【0126】
消費者データベース16における各消費者の識別データもまた、データセット15Cと同様に、消費者の識別コードとして、対応する消費者の上述した複数のIDを有することができる。
【0127】
第三の特徴データは、対応する消費者の特徴を表すデータである。第三の特徴データは、部分的に、データセット15Cと同じ種類の特徴を表すデータであり得る。例えば、第三の特徴データは、対応する消費者のデモグラフィック属性に関する情報を含み得る。但し、第三の特徴データは、PF実績データを備えなくてよい。
【0128】
プロセッサ11は、S270において、データセット15Cと、消費者データベース16とを比較し、第三の消費者集合に含まれる、対応するプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者に少なくとも特徴が類似する一以上の消費者を抽出し、抽出した一以上の消費者を、対応するプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者に加えることによって、対応するプラットフォームに割り当てられた一以上の消費者を二以上の消費者に拡張する。「少なくとも特徴が類似する」ことは、特徴が類似すること、及び、特徴が一致することを含む。
【0129】
プロセッサ11は、S270において、拡張した二以上の消費者に関して、これら二以上の消費者を説明する説明データを生成することができる。プロセッサ11は、この説明データに、データセット15C及び消費者データベース16から抽出可能な情報を含む各消費者の特徴データを格納することができる。
【0130】
S240の処理で割り当てられた一以上の消費者を、対応するプラットフォームに送信する説明データの生成時に二以上の消費者に拡張することによれば、例えば、プラットフォーム事業者が提供する広告配信サービスでの広告配信対象を広げることができる。
【0131】
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0132】
[本明細書が開示する技術思想]
本明細書には、次の技術思想が開示されていると理解することができる。
[項目1]
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得するように構成される取得部と、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成される割当部と、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成するように構成されるリスト生成部と、
を備える情報処理システム。
[項目2]
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得するように構成される取得部と、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成される割当部と、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信するように構成される送信部と、
を備える情報処理システム。
[項目3]
前記割当部は、前記複数の消費者のそれぞれを、前記複数のデジタルプラットフォームのうち、前記対応する消費者による利用度の高いプラットフォームに優先的に割り当てるように、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てる項目1又は項目2記載の情報処理システム。
[項目4]
前記割当部は、前記消費者毎に、前記対応する消費者の前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれに対するスコアを、前記対応する消費者による前記対応するデジタルプラットフォームの利用度に基づき算出し、前記スコアに基づいて、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てる項目1~項目3のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目5]
前記割当部は、前記スコアを、前記対応する消費者のデモグラフィック属性に基づき重み付けするように算出する項目4記載の情報処理システム。
[項目6]
前記割当部は、前記デモグラフィック属性に関する指定された消費者分布に対応するウェイトで、前記スコアを重み付けするように算出する項目5記載の情報処理システム。
[項目7]
前記複数のデジタルプラットフォームのうちの少なくとも一部の利用度に関する情報を備えない複数の第一の消費者に関する第一のデータセットと、前記複数のデジタルプラットフォームのうちの少なくとも一部の利用度に関する情報を備える複数の第二の消費者に関する第二のデータセットとに基づき、前記複数の第一の消費者による前記複数のデジタルプラットフォームの前記少なくとも一部の利用度を推定し、推定した前記利用度に関する情報を前記第一のデータセットに追加することにより、前記複数の消費者に関するデータセットを生成するデータセット生成部
を備え、
前記取得部は、前記データセット生成部により生成された前記複数の消費者に関するデータセットを取得する項目1~項目6のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目8]
前記リスト生成部は、消費者の一群に関するデータベースであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備えるデータベースを参照して、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者を、特徴が少なくとも類似する二以上の消費者に拡張し、前記消費者リストとして、前記二以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを生成する項目1、又は、項目1を直接若しくは間接的に引用する項目3~項目7のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目9]
前記送信部は、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、広告配信対象の消費者の識別コードとして記述した入稿データを、前記対応するデジタルプラットフォームの前記事業者システムに送信する項目2、又は、項目2を直接若しくは間接的に引用する項目3~項目7のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目10]
前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれは、複数のユーザのそれぞれの特徴を、対応するユーザの識別コードと関連付けて記述するデータベースを保有し、保有する前記データベースに基づいて、前記広告配信対象を、前記入稿データに前記識別コードが記述される前記一以上の消費者から、前記複数のユーザのうちの前記特徴が前記広告配信対象の消費者に関係するユーザの一群に拡張して、前記ユーザの一群に広告配信を行うように構成され、
前記送信部は、前記入稿データを送信する際、拡張後の前記広告配信対象のユーザ数の上限を指定する項目9記載の情報処理システム。
[項目11]
前記送信部は、前記取得部により取得される前記複数の消費者に関するデータセットから判別される前記複数の消費者に関するデモグラフィック属性の分布に基づき、前記デモグラフィック属性の各区分における広告配信対象のユーザ数の上限を指定する項目10記載の情報処理システム。
[項目12]
前記送信部は、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、前記一以上の消費者の特徴データと共に、前記対応するデジタルプラットフォームの前記事業者システムに送信する項目2、又は、項目2を直接若しくは間接的に引用する項目3~項目7及び項目9~項目11のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目13]
項目1、又は、項目1を直接若しくは間接的に引用する項目3~項目8のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記取得部、前記割当部、及び前記リスト生成部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
[項目14]
項目2、又は、項目2を直接若しくは間接的に引用する項目3~項目7及び項目9~項目12のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記取得部、前記割当部、及び前記送信部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
[項目15]
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得することと、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てることと、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを記述した消費者リストを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成することと、
を含む情報処理方法。
[項目16]
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得することと、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てることと、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の識別コードを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信することと、
を含む情報処理方法。
【符号の説明】
【0133】
1…情報処理システム、5…事業者システム、11…プロセッサ、13…メモリ、15…ストレージ、15A,15B,15C…データセット、16…消費者データベース、17…ユーザインタフェース、19…通信インタフェース、Pr…コンピュータプログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得するように構成される取得部と、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の前記利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成される割当部と、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の前記識別コードを記述した消費者リストを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成するように構成されるリスト生成部と、
を備え
前記割当部は、前記消費者毎に、前記対応する消費者の前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれに対するスコアを、前記対応する消費者による前記対応するデジタルプラットフォームの前記利用度に基づき算出し、前記対応する消費者を、前記複数のデジタルプラットフォームのうち前記スコアが基準以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、かつ、前記対応する消費者に関して前記スコアが前記基準以上のデジタルプラットフォームが二以上存在する場合には、前記対応する消費者を、前記スコアが前記基準以上の二以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当て、前記スコアの算出に際しては、前記対応する消費者のデモグラフィック属性に基づき、前記デモグラフィック属性に関する指定された消費者分布に対応するウェイトで、前記スコアを重み付けする情報処理システム。
【請求項2】
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得するように構成される取得部と、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の前記利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てるように構成される割当部と、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の前記識別コードを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信するように構成される送信部と、
を備え
前記割当部は、前記消費者毎に、前記対応する消費者の前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれに対するスコアを、前記対応する消費者による前記対応するデジタルプラットフォームの前記利用度に基づき算出し、前記対応する消費者を、前記複数のデジタルプラットフォームのうち前記スコアが基準以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、かつ、前記対応する消費者に関して前記スコアが前記基準以上のデジタルプラットフォームが二以上存在する場合には、前記対応する消費者を、前記スコアが前記基準以上の二以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当て、前記スコアの算出に際しては、前記対応する消費者のデモグラフィック属性に基づき、前記デモグラフィック属性に関する指定された消費者分布に対応するウェイトで、前記スコアを重み付けする情報処理システム。
【請求項3】
前記複数のデジタルプラットフォームのうちの少なくとも一部の前記利用度に関する情報を備えない複数の第一の消費者に関する第一のデータセットと、前記複数のデジタルプラットフォームのうちの前記少なくとも一部の前記利用度に関する情報を備える複数の第二の消費者に関する第二のデータセットとに基づき、前記複数の第一の消費者による前記複数のデジタルプラットフォームの前記少なくとも一部の前記利用度を推定し、推定した前記利用度に関する情報を前記第一のデータセットに追加することにより、前記複数の消費者に関するデータセットを生成するデータセット生成部
を備え、
前記取得部は、前記データセット生成部により生成された前記複数の消費者に関するデータセットを取得する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記リスト生成部は、消費者の一群に関するデータベースであって、消費者毎に、対応する消費者の前記識別コード及び特徴データを備えるデータベースを参照して、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者を、特徴が少なくとも類似する二以上の消費者に拡張し、前記消費者リストとして、前記二以上の消費者の前記識別コードを記述した消費者リストを生成する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記送信部は、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の前記識別コードを、広告配信対象の消費者の識別コードとして記述した入稿データを、前記対応するデジタルプラットフォームの前記事業者システムに送信する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれは、複数のユーザのそれぞれの特徴を、対応するユーザの前記識別コードと関連付けて記述するデータベースを保有し、保有する前記データベースに基づいて、前記広告配信対象を、前記入稿データに前記識別コードが記述される前記一以上の消費者から、前記複数のユーザのうちの前記特徴が前記広告配信対象の消費者に関係するユーザの一群に拡張して、前記ユーザの一群に広告配信を行うように構成され、
前記送信部は、前記入稿データを送信する際、拡張後の前記広告配信対象のユーザ数の上限を指定する請求項記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記送信部は、前記取得部により取得される前記複数の消費者に関するデータセットから判別される前記複数の消費者に関する前記デモグラフィック属性の分布に基づき、前記デモグラフィック属性の各区分における前記広告配信対象のユーザ数の上限を指定する請求項記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記送信部は、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の前記識別コードを、前記一以上の消費者の前記特徴データと共に、前記対応するデジタルプラットフォームの前記事業者システムに送信する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項9】
請求項1、請求項、及び請求項のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記取得部、前記割当部、及び前記リスト生成部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項2、請求項、請求項、請求項、及び請求項のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記取得部、前記割当部、及び前記送信部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得することと、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の前記利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てることと、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の前記識別コードを記述した消費者リストを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに対するデータ送信用に生成することと、
を含み、
前記割り当てることは、前記消費者毎に、前記対応する消費者の前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれに対するスコアを、前記対応する消費者による前記対応するデジタルプラットフォームの前記利用度に基づき算出し、前記対応する消費者を、前記複数のデジタルプラットフォームのうち前記スコアが基準以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、かつ、前記対応する消費者に関して前記スコアが前記基準以上のデジタルプラットフォームが二以上存在する場合には、前記対応する消費者を、前記スコアが前記基準以上の二以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当て、前記スコアの算出に際しては、前記対応する消費者のデモグラフィック属性に基づき、前記デモグラフィック属性に関する指定された消費者分布に対応するウェイトで、前記スコアを重み付けすることを含む情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の消費者に関するデータセットであって、消費者毎に、対応する消費者の識別コード及び特徴データを備え、前記対応する消費者の前記特徴データが、複数のデジタルプラットフォームに関して、前記対応する消費者によるデジタルプラットフォーム毎の利用度に関する情報を含むデータセットを取得することと、
前記複数の消費者のそれぞれの前記特徴データから判別される前記デジタルプラットフォーム毎の前記利用度に基づき、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記複数の消費者のうちの一以上の消費者を、対応するデジタルプラットフォームに割り当てることと、
前記デジタルプラットフォーム毎に、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当てられた前記一以上の消費者の前記識別コードを、前記対応するデジタルプラットフォームの事業者システムに送信することと、
を含み、
前記割り当てることは、前記消費者毎に、前記対応する消費者の前記複数のデジタルプラットフォームのそれぞれに対するスコアを、前記対応する消費者による前記対応するデジタルプラットフォームの前記利用度に基づき算出し、前記対応する消費者を、前記複数のデジタルプラットフォームのうち前記スコアが基準以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、かつ、前記対応する消費者に関して前記スコアが前記基準以上のデジタルプラットフォームが二以上存在する場合には、前記対応する消費者を、前記スコアが前記基準以上の二以上のデジタルプラットフォームに割り当てるように、前記デジタルプラットフォーム毎に、前記一以上の消費者を、前記対応するデジタルプラットフォームに割り当て、前記スコアの算出に際しては、前記対応する消費者のデモグラフィック属性に基づき、前記デモグラフィック属性に関する指定された消費者分布に対応するウェイトで、前記スコアを重み付けすることを含む情報処理方法。