(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133983
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20240926BHJP
【FI】
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044033
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩間 遥
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175HA02
(57)【要約】
【課題】顧客への情報提供が同じようなパターンに固定化されることを防ぐこと。
【解決手段】本願に係る情報処理装置10は、判定部12aと、決定部12bと、変更部12cと、提供部12dとを有する。判定部12aは、顧客を分類する類型において、類型に関する他の顧客の行動と、類型について、当該顧客による類型を表す要素軸の変更の許容度の設定とに基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定する。決定部12bは、判定部12aにより類型の要素軸を追加すると判定された場合に、他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する。変更部12cは、決定部12bにより決定された値に基づき、類型に要素軸を追加する。提供部12dは、変更部12cにより追加された類型が有する要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客を分類する類型において、前記類型に関する他の顧客の行動と、前記類型について、当該顧客による前記類型を表す要素軸の変更の許容度の設定とに基づき、前記類型に前記要素軸の追加を行うか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記類型の前記要素軸を追加すると判定された場合に、前記他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する決定部と、
前記決定部により決定された値に基づき、前記類型に前記要素軸を追加する変更部と、
前記変更部により追加された前記類型が有する前記要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する提供部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記他の顧客の行動として、前記類型に初期に設定された前記要素軸である初期軸に存在しない前記要素軸を設定している他の顧客の割合に基づき、前記類型に前記要素軸の追加を行うか否かを判定し、
前記決定部は、前記他の顧客が設定した、追加する要素軸についての値に応じて、前記要素軸について設定される値を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記他の顧客の行動として、前記他の顧客による、前記類型に初期に設定された前記要素軸である初期軸に存在しない前記要素軸に対応する行動の実施割合に基づき、前記類型に前記要素軸の追加を行うか否かを判定し、
前記決定部は、前記行動について予め設定された所定の値に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記他の顧客の行動として、前記他の顧客による、前記類型に初期に設定された前記要素軸である初期軸に存在する前記要素軸に対応する行動の実施割合が予め設定された閾値以下となった場合に、前記要素軸の削除を行うと判定し、
前記変更部は、前記初期軸における前記要素軸の削除を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記許容度の設定として、前記類型に初期に設定された前記要素軸である初期軸に存在しない要素軸を追加するか否かの許容度の設定、および、前記類型の前記要素軸についての前記値を変更するか否かの許容度の設定のうち、いずれかまたは両方に基づき、前記類型に前記要素軸の追加もしくは前記値の変更を行うか否かを判定し、
前記変更部は、前記判定部により、前記要素軸の追加を行うと判定された場合には、前期類型に前記要素軸を追加し、前記値の変更を行うと判定された場合には、前記値の変更を行い、
前記提供部は、前記変更部により追加された前記類型が有する前記要素軸、または、前記変更部により前記値が変更された前記要素軸に基づいて、当該顧客に情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
顧客を分類する類型において、前記類型に関する他の顧客の行動と、前記類型について、当該顧客による前記類型を表す要素軸の変更の許容度の設定とに基づき、前記類型に前記要素軸の追加を行うか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記類型の前記要素軸を追加すると判定された場合に、前記他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する決定工程と、
前記決定工程により決定された値に基づき、前記類型に前記要素軸を追加する変更工程と、
前記変更工程により追加された前記類型が有する前記要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する提供工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
顧客を分類する類型において、前記類型に関する他の顧客の行動と、前記類型について、当該顧客による前記類型を表す要素軸の変更の許容度の設定とに基づき、前記類型に前記要素軸の追加を行うか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記類型の前記要素軸を追加すると判定された場合に、前記他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する決定手順と、
前記決定手順により決定された値に基づき、前記類型に前記要素軸を追加する変更手順と、
前記変更手順により追加された前記類型が有する前記要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客に関する様々な情報に基づいて、顧客を所定の類型(以下、ペルソナと呼称)に分類し、その分類結果に応じて、顧客へ提供する情報を選択するというマーケティング手法が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、顧客への情報提供が同じようなパターンに固定化される場合があるという課題があった。例えば、一度設定された顧客のペルソナは変更されないことが多いため、設定されたペルソナに対応する情報のみを提供してしまい、顧客がフィルターバブルにとらわれてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、顧客を分類する類型において、類型に関する他の顧客の行動と、類型について、当該顧客による類型を表す要素軸の変更の許容度の設定とに基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定する判定部と、判定部により類型の要素軸を追加すると判定された場合に、他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する決定部と、決定部により決定された値に基づき、類型に要素軸を追加する変更部と、変更部により追加された類型が有する要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、顧客への情報提供が同じようなパターンに固定化されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るペルソナとその要素軸との設定について説明する図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るペルソナ情報記憶部に記憶される情報の具体例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0009】
(実施形態)
〔1.はじめに〕
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置10と、複数の顧客端末20-1~20-nとを有する。また、情報処理装置10と顧客端末20-1~20-nとはそれぞれネットワークNを介して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0010】
情報処理装置10は、実施形態に係る顧客を分類するペルソナに関する情報や、顧客に提供する情報、顧客の行動情報等について記憶する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。また、情報処理装置10は、複数の顧客端末20と連携して、それぞれの顧客に関する情報について管理し、顧客が設定したペルソナへの要素軸の追加や、ペルソナの要素軸に対応して顧客に情報の提供を行う。
【0011】
顧客端末20-1~20-nは、実施形態に係るサービスの顧客により使用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して相互に通信を行うことができる携帯端末装置である。
【0012】
また、顧客端末20-1~20-nは、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。なお、
図1の例では、顧客端末20-1~20-nがスマートフォンである場合を示す。
【0013】
ここで、
図2を参照し、実施形態に係るペルソナとそのペルソナの要素を表す要素軸とについて説明する。
図2は、実施形態に係るペルソナとその要素軸との設定について説明する図である。例えば、
図2では、ペルソナの例として「情熱」ペルソナが示されている。また、「情熱」ペルソナを表す要素軸として、「情緒軸:2」と「精神軸:1」とが予めシステムにより設定されている。
【0014】
そして、顧客は、システムにより設定された「情熱」ペルソナについて設定を希望する場合に、「情熱」ペルソナを構成する要素軸について自身の経験等を基に値を決定する。
図2の例では、「情熱」ペルソナに対して、「Aさん」は「情緒軸:3、精神軸:2」を設定している一方で、「Bさん」は「情緒軸:1、身体軸:4」を設定している。
【0015】
このように、それぞれの顧客は、「情熱」ペルソナの要素軸について予めシステムで設定された「情緒軸:2」と「精神軸:1」とにとらわれることなく、自身の経験等から様々な要素軸とそれに設定される値とを選択することができる。
【0016】
しかし、前述の様に顧客によって設定されたペルソナについての要素軸は、はじめに設定された初期軸から変更を行う機会が少ないため、ペルソナについての要素軸は初期軸の要素で固定されることが多かった。そのため、ペルソナの要素軸に応じて、顧客にキャンペーンやアクティビティ等のレコメンドを行う場合には、同じようなレコメンドのパターンに固定化される場合があった。
【0017】
本実施形態に係る情報処理装置10は、前述の場合であっても、当該顧客の設定したペルソナについて、他の顧客の設定した要素軸に対応して当該顧客の要素軸を追加等することにより、要素軸に対応するレコメンドパターンの固定化を防ぐことができるという効果を奏する。
【0018】
情報処理装置10は、顧客を分類するペルソナにおいて、ペルソナに関する他の顧客の行動と、ペルソナについて、当該顧客によるペルソナを表す要素軸の追加の許容度の設定とに基づき、ペルソナの要素軸の追加を行うか否かを判定し、要素軸を追加すると判定された場合に、他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する。そして、情報処理装置10は、決定された値に基づき、ペルソナに要素軸を追加し、追加されたペルソナが有する要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する。
【0019】
情報処理装置10は、まず、顧客を分類するペルソナにおいて、ペルソナに関する他の顧客の行動と、ペルソナについて、当該顧客によるペルソナを表す要素軸の追加の許容度の設定とに基づき、ペルソナの要素軸の追加を行うか否かを判定する。
【0020】
例えば、情報処理装置10は、当該顧客が設定したペルソナの初期軸に存在しない要素軸を設定している他の顧客の割合が一定以上の割合となった場合であって、かつ、当該顧客が要素軸の追加を許容している場合に、当該顧客のペルソナに要素軸の追加を行うと判定する。
【0021】
そして、情報処理装置10は、要素軸を追加すると判定された場合に、他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する。例えば、情報処理装置10は、要素軸を追加すると判定した場合に、追加する要素軸を設定している複数の他の顧客の中で、任意に選択された特徴ユーザーが設定した要素軸の値を参照して、追加する要素軸について設定される値を決定する。
【0022】
その後、情報処理装置10は、決定された値に基づき、ペルソナの要素軸を追加し、追加されたペルソナが有する要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する。例えば、情報処理装置10は、決定された値が設定された要素軸を、当該顧客が設定したペルソナに追加し、追加後のペルソナが有する要素軸のそれぞれと対応した行動を提案するレコメンド情報を当該顧客に提供する。
【0023】
〔2.情報処理装置10の構成〕
次に、
図3を参照し、
図1に示した情報処理装置10の構成を説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3に示すように、実施形態に係る情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。また、情報処理装置10とネットワークNとは有線又は無線により互いに通信可能に接続される。
【0024】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、複数の顧客端末20と情報の送受信を行う。
【0025】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、制御部12による各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、ペルソナ情報記憶部13aと、顧客情報記憶部13bと、提供情報記憶部13cとを有する。
【0026】
ペルソナ情報記憶部13aは、顧客を分類するペルソナについての情報を記憶する。例えば、ペルソナ情報記憶部13aは、それぞれの顧客によって設定されたペルソナと、そのペルソナが有する要素軸の値とについて、それぞれの顧客ごとに記憶する。また、ペルソナ情報記憶部13aは、顧客により設定された、ペルソナが有する要素軸の追加の許容度、および、要素軸の数値の変更の許容度についてそれぞれの顧客ごとに記憶する。さらに、ペルソナ情報記憶部13aは、顧客の行動に対応する要素軸とその値との集計から導き出される値とについて、それぞれのペルソナごとに記憶する。
【0027】
ここで、
図4を参照し、ペルソナ情報記憶部13aに記憶される情報について説明する。
図4は、実施形態に係るペルソナ情報記憶部に記憶される情報の具体例を示す図である。
図4(1)は、顧客IDと、顧客IDと対応するペルソナと、顧客IDと対応する要素軸の変更の許容度とが紐づけられ記憶されることを示している。なお、顧客IDは、顧客端末20ごとに設定された、顧客を一意に識別することができる情報である。
【0028】
例えば、ペルソナ情報記憶部13aは、「顧客B」について、ペルソナが「情熱(情緒軸:1、身体軸:4)」と「博愛(精神軸:3、保守軸:1)」と設定され、許容度が「軸拡張:可」と「値変更:不可」と設定されていることを記憶する。
【0029】
次に、
図4(2)は、ペルソナと、そのペルソナを設定している顧客全体において、設定されている要素軸の種類と、要素軸の種類ごとの割合と、要素軸の種類ごとの値の平均値とが紐づけられ記憶されることを示している。
【0030】
例えば、ペルソナ情報記憶部13aは、「情熱」ペルソナを設定している全顧客において、「情熱」ペルソナに対して設定された要素軸、または、提供された情報による行動に対応する要素軸が、「情緒軸、精神軸、身体軸」の3つであった場合に、「情熱」ペルソナに「情緒軸、精神軸、身体軸」を紐づけて記憶する。
【0031】
そして、ペルソナ情報記憶部13aは、それぞれの要素軸の全体における割合である「情緒軸60%、精神軸20%、身体軸20%」と、前述の3つの要素軸それぞれに設定された値の集計から導き出された、それぞれの要素軸の値の平均値である「情緒軸3.6、精神軸1.1、身体軸3.1」とを「情熱」ペルソナに紐づけて記憶する。
【0032】
顧客情報記憶部13bは、それぞれの顧客が所持する顧客端末20に入力された顧客に関する情報を記憶する。例えば、顧客情報記憶部13bは、それぞれの顧客端末20に入力された顧客のアカウント情報や、レコメンドに対する商品の購入履歴やWebサイトのアクセス履歴、利用しているサービスの情報等について記憶する。
【0033】
提供情報記憶部13cは、顧客にレコメンドされる情報について記憶する。例えば、提供情報記憶部13cは、顧客に運動や読書等の行動をレコメンドする情報と、その情報と対応するとして設定された要素軸の種類と数値とを記憶する。ここで、提供情報記憶部13cが記憶する情報は、例えば、製品やWebサービス等の勧誘情報や、イベントやイベントの優待券であってもよいし、「本を読みませんか?」や、「散歩に行きませんか?」等の文章であってもよく、その他、顧客に行動を促すような情報であればよい。
【0034】
また、提供する情報には、それぞれに対応する要素軸の種類と数値とが設定されているものとし、例えば、「散歩に行きませんか?」という提供情報に対して、「身体軸:1」が予め設定され、「散歩に行きませんか?」と「身体軸:1」とが対応付けられ提供情報記憶部13cに記憶されるものとする。
【0035】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。制御部12は、判定部12aと、決定部12bと、変更部12cと、提供部12dとを有する。
【0036】
判定部12aは、顧客を分類する類型において、類型に関する他の顧客の行動と、類型について、当該顧客による類型を表す要素軸の変更の許容度の設定とに基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定する。
【0037】
例えば、判定部12aは、当該顧客が設定した特定のペルソナにおいて、当該ペルソナを設定した他の顧客による要素軸の設定や提供された情報に対する行動と、当該顧客が設定した要素軸の追加の許容度とによって、当該ペルソナに要素軸を追加するか否かを判定する。そして、判定部12aは、要素軸を追加すると判定した場合に、判定結果を決定部12bに通知する。
【0038】
また、判定部12aは、他の顧客の行動として、類型に初期に設定された要素軸である初期軸に存在しない要素軸を設定している他の顧客の割合に基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定してもよい。
【0039】
例えば、判定部12aは、ペルソナ情報記憶部13aに記憶された当該顧客の設定したペルソナを設定している他の顧客のペルソナに関する情報を参照し、当該顧客によって設定されたペルソナの初期軸に存在しない要素軸を設定している他の顧客の割合が一定以上となった場合に、当該顧客のペルソナに、初期軸に存在しない要素軸を追加するか否かを判定する。そして、判定部12aは、要素軸を追加すると判定した場合に、判定結果を決定部12bに通知する。
【0040】
ここで、前述した判定部12aについて、他の顧客による要素軸の設定に対する処理内容を、具体例を挙げて説明する。例えば、当該顧客によって「情熱」ペルソナの初期軸が「情緒軸:2、精神軸:1」と設定される。その後、「情熱」ペルソナを設定している他の顧客の中で、「情熱」ペルソナの要素軸として、当該顧客が設定した初期軸に存在しない「身体軸」を設定している割合が一定以上となった場合に、判定部12aは、当該顧客の「情熱」ペルソナに「身体軸」を追加すると判定する。なお、当該顧客により、「身体軸」の追加を許容する設定がされているものとする。
【0041】
さらに、判定部12aは、他の顧客の行動として、他の顧客による、類型に初期に設定された要素軸である初期軸に存在しない要素軸に対応する行動の実施割合に基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定してもよい。
【0042】
例えば、判定部12aは、ペルソナ情報記憶部13aに記憶された当該顧客の設定したペルソナを設定している他の顧客の行動に関する集計情報を参照し、提供した情報に対する全行動に対して、当該顧客によって設定されたペルソナの初期軸に存在しない要素軸に対応する行動の割合が一定以上となった場合に、当該顧客のペルソナに初期軸に存在しない要素軸を追加するか否かを判定する。そして、判定部12aは、要素軸を追加すると判定した場合に、判定結果を決定部12bに通知する。
【0043】
ここで、提供した情報と、それに対応する顧客の行動との関係について具体例を挙げて説明する。例えば、顧客に「○○マラソン来週日曜(身体軸:3)」という情報が提供される。その後、例えば、顧客が「○○マラソン」の出場受付を顧客端末20で行った場合に、顧客の「○○マラソン」についての入力履歴が顧客情報記憶部13bに記憶される。これにより、顧客が「身体軸:3」に対応する行動を行ったと判断される。
【0044】
また、前述した判定部12aについて、提供した情報による行動に対する処理内容を、具体例を挙げて説明する。例えば、当該顧客によって「情熱」ペルソナの初期軸が「情緒軸:2、精神軸:1」と設定される。その後、「情熱」ペルソナを設定している他の顧客において、提供した情報に対する全行動に対して、「情熱」ペルソナの要素軸として、当該顧客が設定した初期軸に存在しない「身体軸」に対応する行動の割合が一定以上となった場合に、判定部12aは、当該顧客の「情熱」ペルソナに「身体軸」を追加すると判定する。なお、当該顧客により、「身体軸」の追加を許容する設定がされているものとする。
【0045】
また、判定部12aは、他の顧客の行動として、他の顧客による、類型に初期に設定された要素軸である初期軸に存在する要素軸に対応する行動の実施割合が予め設定された閾値以下となった場合に、要素軸の削除を行うと判定してもよい。
【0046】
例えば、判定部12aは、ペルソナ情報記憶部13aに記憶された当該顧客の設定したペルソナを設定している他の顧客の行動に関する集計情報を参照し、提供した情報に対する全行動に対して、当該顧客によって設定されたペルソナの初期軸に存在する要素軸に対応する行動の割合が一定以下となった場合に、当該顧客のペルソナの初期軸の一部を削除するか否かを判定する。なお、判定部12aは、要素軸の削除後に対象ペルソナの要素軸が1つ以上残る場合にのみ、要素軸の削除を判定するものとする。
【0047】
さらに、判定部12aは、許容度の設定として、類型に初期に設定された要素軸である初期軸に存在しない要素軸を追加するか否かの許容度の設定、および、類型の要素軸についての値を変更するか否かの許容度の設定のうち、いずれかまたは両方に基づき、類型に要素軸の追加もしくは値の変更を行うか否かを判定してもよい。
【0048】
例えば、判定部12aは、ペルソナ情報記憶部13aに記憶された情報を参照し、当該顧客により設定されたペルソナについての要素軸の追加に関して、追加を許容する要素軸の種類や状況についての設定、および、初期軸に存在する要素軸の値の変更を許容するか否かの設定により、顧客により要素軸の追加もしくは値の変更が許容されている場合にのみ、要素軸の追加もしくは値の変更を行うと判定する。
【0049】
ここで、前述の追加を許容する要素軸の種類や状況は、例えば、要素軸の種類ごとに予め設定された位置関係や、ペルソナが有する要素軸の数の制限により決定される。また、要素軸の種類の位置関係は、例えば、相反する要素軸である「情緒軸」と「論理軸」とはお互いに遠い距離にあると定められる一方で、種類が似ている要素軸である「情緒軸」と「精神軸」とはお互いに近い距離にあると定められる。
【0050】
そして、顧客により、初期軸との距離が一定値以下の要素軸の追加を許容すると設定された場合には、判定部12aは、当該設定を参照し、距離が一定値以下の要素軸のみを初期軸に追加すると判定する。つまり、顧客の設定により、距離が遠いとされる要素軸のみが追加されたり、反対に、距離が近いとされる要素軸のみが追加されたりする場合がある。
【0051】
なお、判定部12aは、例えば、ペルソナに要素軸を追加する以外にも、ペルソナに設定された初期軸の値を変更するか否かを判定してもよい。例えば、判定部12aは、当該ペルソナを設定した他の顧客による、要素軸の値の設定や提供された情報に対する行動と、当該顧客が設定した要素軸の変更の許容度とによって、当該ペルソナに設定された初期軸の値を変更するか否かを判定してもよい。
【0052】
決定部12bは、判定部12aにより類型の要素軸を追加すると判定された場合に、他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する。また、決定部12bは、他の顧客が設定した、追加する要素軸についての値に応じて、要素軸について設定される値を決定してもよい。
【0053】
例えば、決定部12bは、前述の判定部12aにより当該顧客のペルソナに要素軸を追加すると通知された場合に、ペルソナ情報記憶部13aに記憶された、他の顧客が追加する要素軸に設定した値を参照し、追加される要素軸の値を決定する。ここで、決定部12bは、例えば、要素軸の値の決定について、追加する要素軸を設定した全ての他の顧客に対して、他の顧客が追加する要素軸について設定した値の平均値や最大値、最小値等を採用することで決定してもよい。
【0054】
また、決定部12bは、例えば、要素軸の値の決定について、追加する要素軸を設定した他の顧客の中から、特徴ユーザーを選択し、特徴ユーザーが設定した値を採用することにより、追加する要素軸の値を決定してもよい。なお、特徴ユーザーは、当該実施例に係るサービスを頻繁に利用するアクティブユーザーがシステムにより選択されてもよく、当該顧客が特定の他の顧客を指定することにより選択されてもよい。
【0055】
さらに、決定部12bは、行動について予め設定された所定の値に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定してもよい。例えば、決定部12bは、提供した情報に対する全行動に対して、当該顧客によって設定されたペルソナの初期軸に存在しない要素軸に対応する行動の割合が一定以上となったことにより、判定部12aから要素軸を追加すると通知があった場合に、ペルソナ情報記憶部13aに記憶された情報を参照し、当該行動について予め設定された値により、追加される要素軸の値を決定する。
【0056】
ここで、決定部12bは、例えば、要素軸の値の決定について、追加する要素軸と対応する全行動について、各行動について設定された値の平均値や最大値、最小値等を採用することで決定してもよい。
【0057】
また、決定部12bは、例えば、要素軸の値の決定について、追加する要素軸と対応する行動の中から、特徴行動を選択し、特徴行動に設定された値を採用することにより、追加する要素軸の値を決定してもよい。なお、特徴行動は、特定の行動がシステムにより選択されてもよく、当該顧客が特定の行動を指定することにより選択されてもよい。
【0058】
変更部12cは、決定部12bにより決定された値に基づき、類型の要素軸を追加する。例えば、変更部12cは、当該顧客のペルソナに、前述の決定部12bにより通知された値を設定した要素軸を追加する。そして、変更部12cは要素軸を追加した後のペルソナについて、ペルソナ情報記憶部13aに格納する。
【0059】
また、変更部12cは、初期軸における要素軸の削除を行ってもよい。例えば、変更部12cは、判定部12aにより、要素軸の削除を行うと通知された場合に、当該顧客のペルソナから、削除対象として通知された要素軸の削除を行う。そして、変更部12cは要素軸を削除した後のペルソナについて、ペルソナ情報記憶部13aに格納する。
【0060】
さらに、変更部12cは、判定部12aにより要素軸の追加を行うと判定された場合には、類型に要素軸を追加し、値の変更を行うと判定された場合には、値の変更を行ってもよい。例えば、変更部12cは、前述の要素軸の追加処理に加え、判定部12aにより要素軸の値の変更を行うと通知があった場合には、当該顧客のペルソナの初期軸について設定された値の変更を行う。そして、変更部12cは値の変更を行った後のペルソナについて、ペルソナ情報記憶部13aに格納する。なお、変更される値は、前述の決定部12bにより決定される値を使用してもよい。
【0061】
提供部12dは、変更部12cにより追加された類型が有する要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する。例えば、提供部12dは、ペルソナ情報記憶部13aと、提供情報記憶部13cとに記憶された情報を参照し、変更部12cによる要素軸の追加処理後のペルソナが有する要素軸に対応するレコメンド情報を、当該顧客に提供する。
【0062】
また、提供部12dは、変更部12cにより追加された類型が有する要素軸、または、変更部12cにより値が変更された要素軸に基づいて、当該顧客に情報を提供してもよい。例えば、提供部12dは、ペルソナ情報記憶部13aと、提供情報記憶部13cとに記憶された情報を参照し、前述の要素軸の追加処理後のペルソナが有する要素軸、または、初期軸の値の変更処理後のペルソナが有する初期軸の値に対応するレコメンド情報を、当該顧客に提供する。
【0063】
〔3.情報処理の具体例〕
ここで、
図5および
図6を参照し、他の顧客の要素軸の設定による要素軸の追加処理と、それに伴うレコメンド情報の変化について説明する。
図5および
図6は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【0064】
まず、
図5は、他の顧客による要素軸の設定により、当該顧客のペルソナに要素軸が追加される例が示されている。
図5の例では、当該顧客が有する「顧客端末A」と、他の顧客が有する「顧客端末B」および「顧客端末C」が、情報処理装置10と接続される。
【0065】
まず、「顧客端末A」に「情熱ペルソナ(情緒軸:2、精神軸:1)」が設定され、また、当該顧客により軸追加を許容することが設定される。その後、「顧客端末B」に「情熱ペルソナ(情緒軸:1、身体軸:4)」が設定され、「顧客端末C」に「情熱ペルソナ(情緒軸:2、身体軸:2)が設定される。
【0066】
ここで、判定部12aは、「情熱ペルソナ」について、他の顧客の「顧客端末B」と「顧客端末C」に、「顧客端末A」の初期軸に設定されていない「身体軸」が設定されたことと、「顧客端末A」に「軸追加:許容」が設定されていることから、「顧客端末A」の「情熱ペルソナ」に「身体軸」を追加すると判定する。
【0067】
そして、決定部12bは、「顧客端末B」の「身体軸:4」と、「顧客端末C」の「身体軸:2」とから、両値の平均である「身体軸:3」を決定する。その後、変更部12cは、「顧客端末A」に「身体軸を追加しますか?」等の確認を行う表示を行い、追加する旨の入力があった場合に、「顧客端末A」の「情熱ペルソナ」に「身体軸:3」を追加する。
【0068】
次に、
図6は、前述した要素軸の拡張により、提供する情報が変化する例が示されている。
図6の例では、「顧客端末A」の「情熱ペルソナ」に「身体軸:3」が追加される前の提供情報と、追加後の提供情報とが示されている。まず、追加前の「情熱ペルソナ」には、「情緒軸:2、精神軸:1」が設定されているため、提供部12dは、「情緒軸:2」に対応する「正しいマインドフルネスのやり方」や、「今月のおすすめ本」といった情報を提供する。
【0069】
これに対し、追加後の「情熱ペルソナ」には、「情緒軸:2、精神軸:1、身体軸:3」が設定されているため、提供部12dは、前述の提供情報に加え、「身体軸:3」に対応する「○○マラソン来週日曜」といった情報を新たに提供する。これにより、情報処理装置10は、他の顧客の行動により新たに要素軸を追加することで、顧客への提供情報が固定化されることを防ぐことができる。
【0070】
〔4.情報処理装置による処理手順〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置10による処理手順の一例について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0071】
判定部12aは、当該顧客の設定したペルソナの初期軸に存在しない要素軸を設定する他の顧客の割合が一定以上となったか否かを判定する(ステップS101)。初期軸に存在しない要素軸を設定する他の顧客の割合が一定以上となった場合に(ステップS101;Yes)、判定部12aは、当該顧客により初期軸の変更を許容するという設定がされているか否かを判定する(ステップS102)。一方、初期軸に存在しない要素軸を設定する他の顧客の割合が一定以上となっていない場合(ステップS101;No)、判定部12aは、初期軸に存在しない要素軸を設定する他の顧客の割合が一定以上となるまで待機する。
【0072】
そして、初期軸の変更を許容するという設定がされている場合に(ステップS102;Yes)、決定部12bは、追加する要素軸の値を決定する(ステップS103)。一方、初期軸の変更を許容するという設定がされていない場合には(ステップS102;No)、情報処理装置10は工程を終了する。
【0073】
そして、S103の処理の後、変更部12cは、決定された値に基づき、要素軸を追加(変更)する(ステップS104)。その後、提供部12dは、要素軸が追加(変更)されたペルソナが有する要素軸に基づき、レコメンド情報を提供し(ステップS105)、情報処理装置10は工程を終了する。
【0074】
〔5.効果〕
前述してきた通り、実施形態に係る情報処理装置10は、判定部12aと、決定部12bと、変更部12cと、提供部12dとを有する。判定部12aは、顧客を分類する類型において、類型に関する他の顧客の行動と、類型について、当該顧客による類型を表す要素軸の変更の許容度の設定とに基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定する。決定部12bは、判定部12aにより類型の要素軸を追加すると判定された場合に、他の顧客の行動に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する。
【0075】
変更部12cは、決定部12bにより決定された値に基づき、類型に要素軸を追加する。提供部12dは、変更部12cにより追加された類型が有する要素軸に基づき、当該顧客に情報を提供する。
【0076】
これにより、情報処理装置10は、当該顧客が設定したペルソナと同一のペルソナを設定している他の顧客の行動により、当該顧客のペルソナに新たな要素軸を追加するため、要素軸に応じて行われる顧客への情報提供が同じようなパターンに固定化されることを防ぐことができるという効果を奏する。
【0077】
また、情報処理装置10の判定部12aは、他の顧客の行動として、類型に初期に設定された要素軸である初期軸に存在しない要素軸を設定している他の顧客の割合に基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定し、決定部12bは、他の顧客が設定した、追加する要素軸についての値に応じて、要素軸について設定される値を決定する。
【0078】
これにより、情報処理装置10は、ペルソナへの要素軸の追加において、他の顧客が設定している割合が比較的多い要素軸を、当該ペルソナが有する要素軸として適していると判断し、当該顧客のペルソナに追加することができるため、当該顧客のペルソナに適切な要素軸を追加することができるという効果を奏する。
【0079】
さらに、情報処理装置10の判定部12aは、他の顧客の行動として、他の顧客による、類型について設定された初期軸に存在しない要素軸に対応する行動の実施割合に基づき、類型に要素軸の追加を行うか否かを判定し、決定部12bは、行動について予め設定された所定の値に応じて、追加する要素軸について設定される値を決定する。
【0080】
これにより、情報処理装置10は、ペルソナへの要素軸の追加において、他の顧客が行った行動の中で、その割合が比較的多い行動に対応する要素軸を、当該ペルソナが有する要素軸として適していると判断し、当該顧客のペルソナに追加することができるため、当該顧客のペルソナに適切な要素軸を追加することができるという効果を奏する。
【0081】
また、情報処理装置10の判定部12aは、他の顧客の行動として、他の顧客による、類型について設定された初期軸に存在する要素軸に対応する行動の実施割合が予め設定された閾値以下となった場合に、要素軸の削除を行うと判定し、変更部12cは、初期軸における要素軸の削除を行う。
【0082】
これにより、情報処理装置10は、当該顧客のペルソナに設定された初期軸において、他の顧客が行った行動の中で、その割合が比較的少ない行動に対応する要素軸を、当該ペルソナが有する要素軸として適していないと判断し、当該顧客のペルソナから削除することができるため、当該顧客のペルソナが有する要素軸を適切なものとすることができるという効果を奏する。
【0083】
さらに、情報処理装置10の判定部12aは、許容度の設定として、類型についての初期軸に存在しない要素軸を追加するか否かの許容度の設定、および、類型の要素軸についての値を変更するか否かの許容度の設定のうち、いずれかまたは両方に基づき、類型の要素軸の追加もしくは値の変更を行うか否かを判定する。変更部12cは、判定部12aにより、要素軸の追加を行うと判定された場合には、類型に要素軸を追加し、値の変更を行うと判定された場合には、値の変更を行う。提供部12dは、変更部12cにより追加された類型が有する要素軸、または、変更部12cにより値が変更された要素軸に基づいて、当該顧客に情報を提供する。
【0084】
これにより、情報処理装置10は、当該顧客の許容度の設定により、当該顧客のペルソナに要素軸の追加、または、初期軸の値の変更を判定するため、当該顧客の希望に応じて、ペルソナの要素軸についての変更を行うことができるという効果を奏する。
【0085】
〔6.ハードウェア構成〕
また、前述してきた実施形態に係る情報処理装置10は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。以下、実施形態に係る情報処理装置10を例に挙げて説明する。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0086】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0087】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0088】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0089】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0090】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部12の機能を実現することとなる。
【0091】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。
【0092】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0093】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0094】
10 情報処理装置
11 通信部
12 制御部
12a 判定部
12b 決定部
12c 変更部
12d 提供部
13 記憶部
13a ペルソナ情報記憶部
13b 顧客情報記憶部
13c 提供情報記憶部
20、20-1~20-n 顧客端末