(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133986
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/169 20200101AFI20240926BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240926BHJP
【FI】
G06F40/169
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044040
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 透
【テーマコード(参考)】
5B109
5E555
【Fターム(参考)】
5B109RB21
5B109RB26
5B109SA14
5B109VC03
5E555AA25
5E555BA62
5E555BA64
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC18
5E555CB44
5E555CC05
5E555DB42
5E555DC09
5E555DC26
5E555DC60
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】文書を開くことなく当該文書に対するコメントを入力する場合において、当該コメント内で明示的に対応箇所に言及することなく、当該対応箇所にコメントを表示することができる情報処理システム及び情報処理プログラムを得る。
【解決手段】端末装置30は、文書ファイルを開いていない状態で、当該文書ファイルが示す文書に対するコメントの入力を受け付けるコメント入力領域を表示するように制御する第1表示制御部31Aと、コメント入力領域に対して入力された情報により、文書ファイルを表す画像に対する上記コメントの表示位置の指定を受け付ける受付部31Bと、文書ファイルを表す画像の指定された上記表示位置に上記コメントを表示するように制御する第2表示制御部31Cと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書ファイルを開いていない状態で、当該文書ファイルが示す文書に対するコメントの入力を受け付けるコメント入力領域を表示するように制御し、
前記コメント入力領域に対して入力された情報により、前記文書ファイルを表す画像に対する前記コメントの表示位置の指定を受け付け、
前記文書ファイルを表す画像の指定された前記表示位置に前記コメントを表示するように制御する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記入力された情報は、前記表示位置を指定するための特定の文字情報である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記文書ファイルを表す画像は、サムネール画像である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記サムネール画像が選択指定された場合に前記文書を拡大表示するように制御すると共に、当該文書の前記表示位置に前記コメントを表示するように制御する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記サムネール画像に対しては、前記表示位置における縦方向の位置のみに従って前記コメントを表示するように制御し、
前記拡大表示した文書に対しては、前記表示位置における縦方向及び横方向の双方の位置に従って前記コメントを表示するように制御する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記コメントの表示態様の指定を更に受け付け、
前記コメントの表示を、受け付けた前記表示態様で行うように制御する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記コメント入力領域を複数表示するように制御し、
前記コメントが入力された前記コメント入力領域が表示されている位置に対応する位置を前記表示位置として受け付ける、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記コメント入力領域に予め定められた文字列が入力された場合に、前記文書の前記文字列に対応する領域に対する、前記表示位置の指定を受け付ける位置指定画面を表示するように更に制御し、
前記位置指定画面を介して前記表示位置の指定を受け付ける、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記位置指定画面において文字列の入力を受け付け、
前記文書ファイルに前記文字列が含まれる場合、入力を受け付けた前記文字列の位置を前記表示位置として受け付ける、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
文書ファイルを開いていない状態で、当該文書ファイルが示す文書に対するコメントの入力を受け付けるコメント入力領域を表示するように制御し、
前記コメント入力領域に対して入力された情報により、前記文書ファイルを表す画像に対する前記コメントの表示位置の指定を受け付け、
前記文書ファイルを表す画像の指定された前記表示位置に前記コメントを表示するように制御する、
処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書に対してコメントを付与することに関する技術として以下の技術があった。
【0003】
特許文献1には、共働者と連絡を取り、作業成果物(ファイル、メディア、文書、コンテンツアイテムなど)を生成して、ソフトウェアアプリケーションにアクセスするための単一のユーザインタフェースを提供することを目的とした方法が開示されている。
【0004】
この方法は、オンラインコンテンツ管理システムが、共有フォルダにおけるコンテンツアイテムを操作するため及び前記共有フォルダの認可されたユーザと通信するための集約環境を提供する前記共有フォルダに裏付けられたワークスペースを生成することと、前記オンラインコンテンツ管理システムが、コンテンツアイテムに対する内容及び当該コンテンツアイテムに関するコメントであって前記コンテンツアイテム内のコメントを含んだ前記コンテンツアイテムを取得することと、前記コンテンツ管理システムによって管理されるオンライン共有フォルダに前記コンテンツアイテムを格納することと、前記コンテンツ管理システムが、前記共有フォルダに裏付けられたワークスペースを表すワークスペースグラフィカルユーザインタフェースにおけるメッセージストリームに前記コメントを提示させることと、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、文書を開くことなくコメントを入力する場合、文書のどの箇所に対するコメントかをコメントの閲覧者に認識させるためには、コメント内で当該箇所を明示して言及する必要があった。あるいは、当該言及を行わなくても、文書の特定の箇所に対するコメントであることが理解できる場合もあるが、この場合、コメントの閲覧者が、その文書に記載された内容をある程度把握しているなどの前提知識が必要であることが多かった。例えば、「金額の件、修正お願いします」とのコメントがあった場合、前記前提知識がないと、どの箇所に言及しているのかは分からなかった。
【0007】
本開示は、文書を開くことなく当該文書に対するコメントを入力する場合において、当該コメント内で明示的に対応箇所に言及することなく、当該対応箇所にコメントを表示することができる情報処理システム及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理システムは、1又は複数のプロセッサを備え、前記プロセッサは、文書ファイルを開いていない状態で、当該文書ファイルが示す文書に対するコメントの入力を受け付けるコメント入力領域を表示するように制御し、前記コメント入力領域に対して入力された情報により、前記文書ファイルを表す画像に対する前記コメントの表示位置の指定を受け付け、前記文書ファイルを表す画像の指定された前記表示位置に前記コメントを表示するように制御する。
【0009】
また、第2態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記入力された情報が、前記表示位置を指定するための特定の文字情報であるものである。
【0010】
また、第3態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記文書ファイルを表す画像が、サムネール画像であるものである。
【0011】
また、第4態様に係る情報処理システムは、第3態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記サムネール画像が選択指定された場合に前記文書を拡大表示するように制御すると共に、当該文書の前記表示位置に前記コメントを表示するように制御するものである。
【0012】
また、第5態様に係る情報処理システムは、第4態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記サムネール画像に対しては、前記表示位置における縦方向の位置のみに従って前記コメントを表示するように制御し、前記拡大表示した文書に対しては、前記表示位置における縦方向及び横方向の双方の位置に従って前記コメントを表示するように制御するものである。
【0013】
また、第6態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記コメントの表示態様の指定を更に受け付け、前記コメントの表示を、受け付けた前記表示態様で行うように制御するものである。
【0014】
また、第7態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記コメント入力領域を複数表示するように制御し、前記コメントが入力された前記コメント入力領域が表示されている位置に対応する位置を前記表示位置として受け付けるものである。
【0015】
また、第8態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記コメント入力領域に予め定められた文字列が入力された場合に、前記文書の前記文字列に対応する領域に対する、前記表示位置の指定を受け付ける位置指定画面を表示するように更に制御し、前記位置指定画面を介して前記表示位置の指定を受け付けるものである。
【0016】
また、第9態様に係る情報処理システムは、第8態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記位置指定画面において文字列の入力を受け付け、前記文書ファイルに前記文字列が含まれる場合、入力を受け付けた前記文字列の位置を前記表示位置として受け付けるものである。
【0017】
更に、上記目的を達成するために、第10態様に係る情報処理プログラムは、文書ファイルを開いていない状態で、当該文書ファイルが示す文書に対するコメントの入力を受け付けるコメント入力領域を表示するように制御し、前記コメント入力領域に対して入力された情報により、前記文書ファイルを表す画像に対する前記コメントの表示位置の指定を受け付け、前記文書ファイルを表す画像の指定された前記表示位置に前記コメントを表示するように制御する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
第1態様及び第10態様によれば、文書を開くことなく当該文書に対するコメントを入力する場合において、当該コメント内で明示的に対応箇所に言及することなく、当該対応箇所にコメントを表示することができる。
【0019】
第2態様によれば、特定の文字情報を入力することで、当該文字情報が示す位置にコメントを表示することができる。
【0020】
第3態様によれば、文書そのものを表示することなく、コメントを指定された位置に表示することができる。
【0021】
第4態様によれば、拡大表示された文書に対して、コメントを指定した位置に表示することができる。
【0022】
第5態様によれば、表示されている画像の大きさに応じて、表示位置の厳密さを切り替えることができる。
【0023】
第6態様によれば、コメントの表示態様を指定することができる。
【0024】
第7態様によれば、コメントを入力する位置により、当該コメントの表示位置を指定することができる。
【0025】
第8態様によれば、予め定められた文字列により、対応するコメントの表示位置を指定することができる。
【0026】
第9態様によれば、入力した文字列により、対応するコメントの表示位置を指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る端末装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る申し送り情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る履歴情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る第1情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の実施形態に係る申し送りコメントの入力時におけるワークスペース表示画面の一例を示す正面図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る申し送りコメントの入力時におけるワークスペース表示画面の一例を示す正面図である。
【
図10】本開示の実施形態に係る申し送りコメントの入力時におけるワークスペース表示画面の一例を示す正面図である。
【
図11】本開示の実施形態に係る申し送りコメントの入力時におけるワークスペース表示画面の一例を示す正面図である。
【
図12】本開示の実施形態に係る申し送りコメントの入力時におけるワークスペース表示画面の一例を示す正面図である。
【
図13】本開示の実施形態に係る第2情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本開示の実施形態に係る申し送りコメントの表示時におけるワークスペース表示画面の一例を示す正面図である。
【
図15】本開示の実施形態に係る申し送りコメントの表示時におけるワークスペース表示画面の一例を示す正面図である。
【
図16】本開示の実施形態に係る文書ファイルのサムネール画像の生成方法の一例を示す模式図である。
【
図17】本開示の実施形態に係るカスタム属性の一例を示す模式図である。
【
図18】本開示の実施形態に係るメタデータの一例を示す模式図である。
【
図19】本開示の実施形態に係る文書に付箋アノテーションを追加した状態の一例を示す模式図である。
【
図20】本開示の実施形態に係る申し送り情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】本開示の実施形態に係る情報処理システムの利用状態の一例を示す模式図である。
【
図22】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【
図23】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【
図24】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【
図25】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【
図26】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【
図27】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【
図28】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【
図29】本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本開示の技術を、複数のユーザの間で、クラウドを介して相互に申し送りコメントを伝達可能なワークスペースを提供する情報処理システムに適用した場合について説明する。
【0029】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、クラウド上に設けられたサーバ10と、複数の端末装置30A、30B、・・・と、を含む。なお、以下では、端末装置30A、30B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「端末装置30」と総称する。
【0031】
本実施形態に係るサーバ10は、上記ワークスペースを提供するうえで中心的な役割を有するものであり、本実施形態に係る端末装置30は、上述した複数のユーザが各々用いるものである。サーバ10及び端末装置30の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。
【0032】
サーバ10及び端末装置30は、ネットワークNを介して接続されており、サーバ10は、端末装置30とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。
【0033】
なお、本実施形態では、ネットワークNとして、インターネット、電話回線網等の公共の通信回線と、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線とを組み合わせたものを適用しているが、この形態に限定されるものではない。例えば、ネットワークNとして、上記公共の通信回線、及び企業内の通信回線の何れか一方のみを適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線及び無線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線及び有線の通信回線の何れか一方のみを適用する形態としてもよい。
【0034】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るサーバ10の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、本実施形態に係るサーバ10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボード及びマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16、及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16、及び通信I/F部18はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0036】
本実施形態に係る記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、申し送り情報送信処理プログラム13Aが記憶されている。申し送り情報送信処理プログラム13Aは、当該プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16に接続され、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの当該プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶(インストール)される。CPU11は、申し送り情報送信処理プログラム13Aを記憶部13から適宜読み出してメモリ12に展開し、当該プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0037】
また、記憶部13には、申し送り情報データベース13B及び履歴情報データベース13Cが記憶されている。なお、これらのデータベースについては、詳細を後述する。
【0038】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
図3は、本実施形態に係る端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図3に示すように、本実施形態に係る端末装置30は、プロセッサとしてのCPU31、一時記憶領域としてのメモリ32、不揮発性の記憶部33、キーボード及びマウス等の入力部34、液晶ディスプレイ等の表示部35、媒体読み書き装置(R/W)36、及び通信I/F部38を備えている。CPU31、メモリ32、記憶部33、入力部34、表示部35、媒体読み書き装置36、及び通信I/F部38はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置36は、記録媒体37に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体37への情報の書き込みを行う。
【0040】
本実施形態に係る記憶部33はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部33には、第1情報処理プログラム33A及び第2情報処理プログラム33Bが記憶されている。第1情報処理プログラム33A及び第2情報処理プログラム33Bの各プログラムは、当該各プログラムが書き込まれた記録媒体37が媒体読み書き装置36に接続され、媒体読み書き装置36が記録媒体37からの当該各プログラムの読み出しを行うことで、記憶部33へ記憶(インストール)される。CPU31は、第1情報処理プログラム33A及び第2情報処理プログラム33Bの各プログラムを記憶部33から適宜読み出してメモリ32に展開し、当該各プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0041】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る端末装置30の機能的な構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る端末装置30の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、本実施形態に係る端末装置30は、第1表示制御部31A、受付部31B、及び第2表示制御部31Cを含む。端末装置30のCPU31が、第1情報処理プログラム33A及び第2情報処理プログラム33Bを実行することで、第1表示制御部31A、受付部31B、及び第2表示制御部31Cとして機能する。
【0043】
本実施形態に係る第1表示制御部31Aは、文書ファイルを開いていない状態で、当該文書ファイルが示す文書に対するコメント(以下、「申し送りコメント」という。)の入力を受け付けるコメント入力領域を表示するように表示部35を制御する。また、本実施形態に係る受付部31Bは、コメント入力領域に対してユーザにより入力部34を介して入力された情報により、上記文書ファイルを表す画像に対する申し送りコメントの表示位置の指定を受け付ける。そして、本実施形態に係る第2表示制御部31Cは、上記文書ファイルを表す画像の指定された表示位置に申し送りコメントを表示するように表示部35を制御する。ここで、申し送りコメントは、文書の内容に直接変更を加えるものではなく、文書を閲覧するユーザに対し、注意を促すこと等を目的として文書に付加されるものであり、文書の内容の変更を伴う編集等の操作とは異なるものである。例えば、文書を完成させた後に別の者に当該文書を閲覧させる場合に、文書の内容を維持したまま、注意して閲覧すべき箇所について言及したり、文書の作成途中に文書の編集内容を提案したりする場合に、申し送りコメントが入力される。ただし、申し送りコメントの用途はこのような場合に限るものではない。
【0044】
なお、通常、第1表示制御部31Aが表示対象としている表示部35と、第2表示制御部31Cが表示対象としている表示部35とは、異なる端末装置30の表示部35とされる。第1表示制御部31Aが表示するコメント入力領域は、あるユーザから他のユーザに対する申し送りコメントの入力を受け付けるものであり、第2表示制御部31Cが表示対象としている申し送りコメントは、当該他のユーザが参照するものであるためである。
【0045】
但し、この形態に限るものではなく、申し送りコメントを入力したユーザ自身が当該申し送りコメントを参照する場合等には、第1表示制御部31Aが表示対象としている表示部35と、第2表示制御部31Cが表示対象としている表示部35とが共通の端末装置30の表示部35とされる。
【0046】
また、本実施形態では、上記文書ファイルを表す画像としてサムネール(Thumbnail)画像を適用している。但し、この形態に限るものではなく、例えば、上記文書ファイルそのものが示す未縮小の画像を、上記文書ファイルを表す画像として適用する形態としてもよい。
【0047】
また、本実施形態に係る第2表示制御部31Cは、表示したサムネール画像が選択指定された場合に上記文書を拡大表示するように表示部35を制御すると共に、当該文書の上記表示位置に申し送りコメントを表示するように表示部35を制御する。
【0048】
特に、本実施形態に係る第2表示制御部31Cは、サムネール画像に対しては、上記表示位置における縦方向の位置のみに従って申し送りコメントを表示するように表示部35を制御する。また、本実施形態に係る第2表示制御部31Cは、拡大表示した文書に対しては、上記表示位置における縦方向及び横方向の双方の位置に従って申し送りコメントを表示するように表示部35を制御する。
【0049】
更に、本実施形態に係る受付部31Bは、申し送りコメントの表示態様の指定を、入力部34を介して更に受け付け、本実施形態に係る第2表示制御部31Cは、申し送りコメントの表示を、受け付けた表示態様で行うように表示部35を制御する。
【0050】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る申し送り情報データベース13Bについて説明する。
図5は、本実施形態に係る申し送り情報データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0051】
本実施形態に係る申し送り情報データベース13Bは、上述した申し送りコメントに関する情報が登録されるデータベースである。本実施形態に係る申し送り情報データベース13Bは、一例として
図5に示すように、識別ID(Identification)、文書ファイル、及び申し送り情報の各情報が関連付けられて記憶される。
【0052】
上記識別IDは、情報処理システム1が管理している文書ファイルを個別に識別するために、文書ファイルの各々別に異なるものとして予め割り振られた情報であり、上記文書ファイルは、当該文書ファイルそのものを示す情報である。このように、本実施形態では、申し送り情報データベース13Bに登録する文書ファイルを示す情報として、当該文書ファイルそのものを登録しているが、これに限るものではない。例えば、上記文書ファイルの格納先を示すURL(Uniform Resource Locator)を、上記文書ファイルを示す情報として適用する形態としてもよい。
【0053】
また、上記申し送り情報は、対応する文書ファイルが示す文書に対して付与された申し送りコメントに関する情報であり、
図5に示すように、登録日時、表示位置、コメント、及び表示パターンが含まれる。ここで、上記登録日時は、対応する申し送りコメントが申し送り情報データベース13Bに登録された日時を示す情報である。また、上記表示位置は、上述した表示位置を示す情報であり、上記コメントは、申し送りコメントそのものを示す情報であり、上記表示パターンは、上述した表示態様に対応するものであって、対応する申し送りコメントの表示形態を示す情報である。
【0054】
図5に示す例では、識別IDが「F001」である文書ファイルは、当該文書ファイルが示す文書画像の2行目に「書式に注意!」との申し送りコメントが吹き出し(1)の形態で表示されることが2023年3月10日の11時に登録された旨が登録されている。
【0055】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る履歴情報データベース13Cについて説明する。
図6は、本実施形態に係る履歴情報データベース13Cの構成の一例を示す模式図である。
【0056】
本実施形態に係る履歴情報データベース13Cは、本実施形態に係る情報処理システム1が管理対象としている文書ファイルの各々の端末装置30への送信状況の履歴を示す情報が登録されるデータベースである。本実施形態に係る履歴情報データベース13Cは、一例として
図6に示すように、識別ID、送信先、及び送信日時の各情報が関連付けられて記憶される。
【0057】
上記識別IDは、申し送り情報データベース13Bの識別IDと同一の情報であり、上記送信先は、対応する文書ファイルの送信先を示す情報であり、上記送信日時は、対応する文書ファイルが、対応する送信先に送信された日時を示す情報である。
【0058】
図6に示す例では、識別IDとして「F001」が割り振られた文書ファイルは、管理者に対して、2023年3月12日の13時18分に送信されたことが登録されている。
【0059】
次に、
図7~
図21を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の作用を説明する。まず、
図7~
図12を参照して、第1情報処理を実行する場合の端末装置30の作用を説明する。
図7は、本実施形態に係る第1情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
本実施形態では、処理対象とする文書(以下、「対象文書」という。)を管理する管理者が対象文書に対して申し送りコメントを入力するべく、当該管理者が端末装置30(以下、「管理者端末」という。)に第1情報処理の実行を指示する指示入力を行った場合に、管理者端末のCPU31が第1情報処理プログラム33Aを実行することで、
図7に示す第1情報処理が実行される。なお、錯綜を回避するため、ここでは、対象文書が管理者によって予め指定されている場合について説明する。
【0061】
図7のステップ100で、CPU31は、予め定められた構成とされた管理者用のワークスペース表示画面を表示するように表示部35を制御し、ステップ102で、CPU31は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図8には、本実施形態に係る申し送りコメントの入力時におけるワークスペース表示画面の一例が示されている。
【0062】
図8に示すように、この時点のワークスペース表示画面では、対象文書35Bが表示された状態でワークスペース表示領域35Aが表示される。なお、このとき対象文書35Bはワークスペース表示領域35Aに表示されているが、これは文書がワークスペースに存在することを示すために表示されているだけであって、対象文書35Bが開かれている状態ではない。ワークスペース表示画面が表示部35に表示されると、管理者は、一例として
図8に示すように、マウスポインタ35Cによって対象文書35Bを指定する操作を行う。この操作に応じて、ステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。
【0063】
ステップ104で、CPU31は、ワークスペース表示領域35Aに対して、対象文書に対して申し送りコメントを入力するためのコメント入力領域35Dを表示するように表示部35を制御し、ステップ106で、CPU31は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図9には、この時点以降におけるワークスペース表示画面の一例が示されている。なお、この時点では、種別指定領域35D1、選択候補表示領域35D2、及び注記内容入力領域35D3は表示されていない。
【0064】
一例として
図9に示すコメント入力領域35Dが表示されると、管理者は、入力したい申し送りコメントの内容を示す情報(
図9に示す例では、「先ほどの文書の入力欄に注意事項があります。」との情報)を入力する。そして、管理者は、当該申し送りコメントとは別に、表示位置等を指定した詳細な申し送りコメントを入力したい場合は、その入力を開始するための文字列(本実施形態では、「@msg」との文字列であり、以下、「指定文字列」という。)を入力する。
【0065】
管理者によって指定文字列が入力されると、CPU31は、一例として
図9に示すように、コメント入力領域35Dに対して種別指定領域35D1及び注記内容入力領域35D3を表示するように表示部35を制御する。
図9に示すように、本実施形態に係る種別指定領域35D1では、「位置」、「ブロック」、及び「文字範囲」の3種類の種別のうちの何れかが指定可能とされている。「位置」、「ブロック」、及び「文字範囲」の3種類の種別は、申し送りコメントの表示位置を指定するための情報である。
【0066】
そこで、種別指定領域35D1が表示されると、管理者は、種別指定領域35D1における所望の種別を指定する。管理者により、種別指定領域35D1における「位置」が指定されると、CPU31は、一例として
図9に示す選択候補表示領域35D2を表示するように表示部35を制御する。
図9に示すように、本実施形態に係る選択候補表示領域35D2では、対象文書に記載されている文が行単位で表示される。例えば、
図9では、対象文書の2行目に記載された「申請書」や3行目に記載された「No.999-123」が表示されている。
【0067】
そこで、管理者は、注記内容入力領域35D3に、申し送りコメントを入力すると共に、選択候補表示領域35D2における、当該申し送りコメントの表示位置に対応する行を指定する。
【0068】
管理者によって以上の操作が行われると、CPU31は、一例として
図12に示す表示パターン指定領域35D6を表示するように表示部35を制御する。そこで、管理者は、自身が入力した、申し送りコメントを、自身が指定した表示位置に表示する形態として所望のパターンを表示パターン指定領域35D6において指定する。管理者によって表示パターン指定領域35D6における何れかの表示パターンが指定されるとステップ106が肯定判定となってステップ108に移行する。
【0069】
なお、
図10には、管理者により、種別指定領域35D1における「ブロック」が指定された場合において、選択候補表示領域35D2に代えて表示されるブロック指定領域35D4の一例が示されている。また、
図11には、管理者により、種別指定領域35D1における「文字範囲」が指定された場合において、選択候補表示領域35D2に代えて表示される文字範囲指定領域35D5の一例が示されている。これらいずれの方法においても、ユーザにより指定された位置に対応付けて申し送りコメントが表示されることとなる。例えば、
図10では「ブロック」が指定された場合において、ブロック指定領域35D4にて、「様式A・・・確認の上」が略矩形によって囲まれることにより指定されている。よってこの場合、「様式A・・・確認の上」の位置が、申し送りコメントが表示される表示位置となる。また、
図11では「文字範囲」が指定された場合において、文字範囲指定領域35D5に「社員番号:123450」が指定されている。よってこの場合、「社員番号:123450」の位置が、申し送りコメントが表示される表示位置となる。
【0070】
管理者は、種別指定領域35D1における何れかの種別を指定することで、以上の選択候補表示領域35D2、ブロック指定領域35D4、及び文字範囲指定領域35D5の何れかによる表示位置の指定方法を利用することができる。
【0071】
ステップ108で、CPU31は、以上の管理者による操作によって得られた申し送りコメント、表示位置、及び表示パターンの各情報を、この時点の日時と共に、申し送り情報データベース13Bの対象文書に対応する記憶領域に、申し送り情報として記憶(登録)する。
【0072】
ところで、管理者は、対象文書に対する全ての申し送りコメントの入力が終了すると、ワークスペース表示画面に表示されている終了ボタン35Xを、入力部34を用いて指定する。
【0073】
そこで、ステップ110で、CPU31は、終了ボタン35Xが指定されたか否かを判定することで管理者による申し送りコメントの入力が終了したか否かを判定する。そして、CPU31は、この判定において否定判定となった場合はステップ102に戻る一方、肯定判定となった場合は本第1情報処理を終了する。以上の第1情報処理により、一例として
図5に示す申し送り情報データベース13Bが構築されることになる。
【0074】
なお、以上の第1情報処理では、申し送り情報を容易に入力することを可能とするために、具体的なコメントの内容を除く情報については選択指定することで入力する形態としているが、表示位置を指定できるものであれば、特にこれに限るものではない。例えば、従来既知のテキスト記述形式を用いて申し送り情報を入力する形態としてもよい。
【0075】
次に、
図13~
図19を参照して、第2情報処理を実行する場合の端末装置30の作用を説明する。
図13は、本実施形態に係る第2情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0076】
本実施形態では、対象文書に対して、対応する申し送りコメントによる指示に応じた処理を行うユーザが当該処理を実行するべく、当該ユーザ(以下、単に「ユーザ」という。)が端末装置30(以下、「ユーザ端末」という。)に第2情報処理の実行を指示する指示入力を行った場合に、ユーザ端末のCPU31が第2情報処理プログラム33Bを実行することで、
図13に示す第2情報処理が実行される。なお、錯綜を回避するため、ここでは、対象文書がユーザによって予め指定されている場合について説明する。また、ここでは、対象文書に対応する申し送り情報が申し送り情報データベース13Bに登録済みである場合について説明する。
【0077】
図13のステップ200で、CPU31は、対象文書の文書ファイル(以下、単に「文書ファイル」という。)を、当該文書ファイルの識別IDと共に申し送り情報データベース13Bからダウンロードすることで取得する。ステップ202で、CPU31は、対象文書の識別IDに対応する送信先及び送信日時の各情報として、各々、ユーザ自身を特定することのできる情報(本実施形態では、ユーザのアカウント)、及びこの時点の日時を示す情報を履歴情報データベース13Cに記憶(登録)する。
【0078】
ステップ204で、CPU31は、対象文書の識別IDに関連付けられた申し送り情報を申し送り情報データベース13Bからダウンロードすることで取得する。
【0079】
ステップ206で、CPU31は、取得した申し送り情報及び文書ファイルを用いて、対象文書を示し、かつ、比較的小さなサイズとして予め定められた基準サイズとされたサムネール画像を示す画像データ(以下、「サムネール画像データ」という。)を生成する。この際、CPU31は、サムネール画像データのメタデータとして、取得した申し送り情報を示す情報を記憶する。また、この際、CPU31は、取得した申し送り情報における表示位置を示す情報については、生成するサムネール画像データが示すサムネール画像のサイズに対応する位置を示す情報に調整する。
【0080】
ステップ208で、CPU31は、生成したサムネール画像データを用いて、予め定められた構成とされたワークスペース表示画面を表示するように表示部35を制御する。
図14には、本実施形態に係る申し送りコメントの表示時におけるワークスペース表示画面の一例が示されている。
【0081】
図14に示すように、この時点のワークスペース表示画面では、ワークスペース表示領域35Aに対して、生成したサムネール画像データが示す対象文書のサムネール画像35Eが表示される。また、このワークスペース表示画面では、サムネール画像35Eに付随して、申し送りコメント35E1、35E2、・・・が表示される。この際、CPU31は、サムネール画像データのメタデータを用いて、取得した申し送り情報が示す表示位置に、当該申し送り情報が示す表示パターンで、申し送りコメント35E1、35E2、・・・を表示するように制御する。但し、この場合、上記基準サイズは比較的小さなサイズであるため、CPU31は、申し送りコメント35E1、35E2、・・・の表示位置として、縦方向のみを申し送り情報が示す表示位置から適用する。
【0082】
ワークスペース表示画面が表示部35に表示されると、ユーザは、表示されているサムネール画像35Eの拡大画像を一時的に表示する瞬間拡大表示を行いたい場合、一例として
図14に示すように、マウスポインタ35Cによってサムネール画像35Eを指定する操作を行う。
【0083】
そこで、ステップ210で、CPU31は、ユーザによってサムネール画像35Eが指定されたか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ214に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ212に移行する。
【0084】
ステップ212で、CPU31は、ステップ206と略同様の処理により、上記基準サイズより大きなものとして予め定められたサイズとされた対象文書を示す画像データ(以下、「拡大画像データ」という。)を生成する。そして、CPU31は、生成した拡大画像データを用いて、一例として
図15に示すように、サムネール画像35Eよりも拡大された対象文書を示す画像である拡大文書画像35Fを予め定められた期間(本実施形態では、5秒間)だけワークスペース表示領域35Aに表示するように制御する。
【0085】
図15に示すように、本実施形態に係る拡大文書画像35Fでは、申し送りコメント35G1、35G2、・・・の表示位置として、縦方向のみならず、横方向も、申し送り情報が示す表示位置から適用する。従って、ユーザは、拡大文書画像35Fを参照することで、申し送りコメントに対応する箇所を、より詳細に把握することができる。
【0086】
ステップ214で、CPU31は、ユーザが実行する、表示された申し送りコメントに応じた処理に対応する処理を実行し、その後に本第2情報処理を終了する。
【0087】
なお、以上の第2情報処理の説明では言及しなかったが、上述したサムネール画像データの生成方法の一例について、
図16~
図18を参照して説明する。ここでは、対象文書がマイクロソフトWord(登録商標)による文書である場合について説明する。
【0088】
この場合、一例として
図16に示すように、対象文書の文書ファイルを一旦PDF(Portable Document Format)データに変換した後にサムネール画像データを生成する方法がある。この場合、PDFデータではカスタム属性を記録することができるため、一例として
図17に示すように、PDFデータのカスタム属性に申し送り情報が示す情報を一旦記録する。そして、この場合、PDFデータのカスタム属性を用いて、一例として
図18に示すように、生成するサムネール画像データのメタデータに申し送り情報が示す情報を記録する。
【0089】
また、一例として
図19に示すように、上述した第2情報処理において、表示した申し送りコメントを付箋アノテーション42A、42B、・・・となるように、対応する文書ファイルに対して反映させる形態としてもよい。
【0090】
ところで、本実施形態に係る情報処理システム1では、管理者により、申し送り情報データベース13Bに登録されている申し送り情報が更新可能とされており、当該更新が行われた場合に対処するために申し送り情報送信処理がサーバ10において実行される。
【0091】
次に、
図20を参照して、申し送り情報送信処理を実行する場合のサーバ10の作用を説明する。
図20は、本実施形態に係る申し送り情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0092】
本実施形態では、予め定められたタイミング(本実施形態では、10分毎のタイミング)で、サーバ10のCPU11が申し送り情報送信処理プログラム13Aを実行することで、
図20に示す申し送り情報送信処理が実行される。
【0093】
図20のステップ300で、CPU11は、申し送り情報データベース13Bから全ての情報を読み出す。そして、CPU11は、読み出した情報における登録日時が、本申し送り情報送信処理を前回実行した時点より後の日時となっている情報があるか否かを判定することで、更新された申し送り情報(以下、「更新申し送り情報」という。)があるか否かを判定する。そして、CPU11は、この判定が否定判定となった場合は本申し送り情報送信処理を終了する一方、肯定判定となった場合はステップ302に移行する。
【0094】
ステップ302で、CPU11は、更新申し送り情報の識別IDに対応する送信先を示す情報(以下、「送信先情報」という。)を履歴情報データベース13Cから読み出す。ステップ304で、CPU11は、読み出した送信先情報が示す送信先に対応する端末装置30に、対応する申し送り情報、及び対応する識別IDを送信し、その後に本申し送り情報送信処理を終了する。
【0095】
なお、申し送り情報及び識別IDを受信した端末装置30では、当該申し送り情報を、当該識別IDが示す文書に対して反映させる処理を実行する。これにより、この文書をワークスペース表示画面において表示する際には、更新された申し送りコメントを表示することができる。この申し送り情報送信処理により、従来の文書ファイルのダウンロード後に申し送り情報が変更となった場合における、当該変更の見落としを回避することができる。
【0096】
以上の情報処理システム1によれば、一例として
図21に示すように、サーバ10に登録された文書ファイルをマスター文書として、管理者が申し送り情報を登録する。このため、他のユーザがマスター文書をダウンロードした際には、登録した申し送り情報が示す申し送りコメントを、登録した表示位置に表示することができる。
【0097】
但し、この形態に限るものではなく、例えば、申し送り情報は、管理者のみならず、他のユーザが登録したり、更新したりする形態としてもよいし、マスター文書をサーバ10に登録するのではなく、管理者が用いる端末装置30や、他のユーザの端末装置30に登録する形態としてもよい。
【0098】
更に、以下、
図22~
図29を参照して、他の変形例について説明する。
図22~
図29は、本開示の実施形態の変形例の説明に供する模式図である。
【0099】
従来、一例として
図22に示すように申し送りコメント62Aを入力した場合、一例として
図23に示すように、文書60の瞬間拡大表示等を行った際に申し送りコメント66Aが、文書64における各文の表示位置とは無関係に表示される。なお、コメント66A中の「@Aさん」や「@Bさん」は、コメント66Aに記載された内容がAさんやBさんといった特定の人物に向けられたものであることを意味している。
図22の例では、「誤字の確認をお願いします。」がAさんに向けられたものであり、「タイトルの修正をお願いします。」がBさんに向けられたものであることを表している。
【0100】
これに対して、本開示の技術では、一例として
図24に示すように、申し送りコメント62Bに、表示位置を示す文字列を含める形態としてもよい。なお、
図24に示す例では、文書60の縦方向における中央部を示す文字列として「@mid of Doc」を適用し、文書60の縦方向における最上部を示す文字列として「@top of Doc」を適用した場合が例示されている。
【0101】
このため、この形態によれば、一例として
図25に示すように、文書60を瞬間拡大表示した場合等に、文書64における、表示位置を示す文字列に対応する表示位置に、対応する申し送りコメント66B、66Cを表示することができる。例えば、
図25に示すように、「@mid of Doc」が適用されたコメント内容「誤字の確認をお願いします。」は、文書64の中間付近に表示されることになる。また「@top of Doc」が適用されたコメント内容「タイトルの修正をお願いします。」は、文書64の上部付近に表示されることになる。
【0102】
また、本開示の技術では、一例として
図26に示すように、コメント入力領域68A、68B、・・・を複数表示するように制御し、申し送りコメントが入力されたコメント入力領域が表示されている位置に対応する位置を、申し送りコメントの表示位置として受け付ける形態としてもよい。なお、
図26に示す例では、文書60の文面の縦×横を2×2に分割する。そして、コメント入力領域68Aが文書60の左上の分割領域に対応し、同様に、コメント入力領域68B、コメント入力領域68C、及びコメント入力領域68Dが、各々、右上の分割領域、左下の分割領域、及び右下の分割領域に対応するものとしている。
【0103】
また、本開示の技術では、一例として
図27に示すように、予め定められた文字列(
図27に示す例では、「@mid」)が入力された場合に、文書の当該文字列に対応する領域に対する、上記表示位置の指定を受け付ける位置指定画面70Aを表示する形態としてもよい。この形態では、当該位置指定画面70Aを介して上記表示位置の指定を受け付ける。
【0104】
図27に示す例では、「@mid・・・」が入力されると、文書60の中間付近が位置指定画面70Aに拡大表示され、ユーザがマウスポインタ70Bで位置を選択した後に申し送りコメントを入力すると、当該申し送りコメントの表示時に、対応する文書の選択した位置に表示される。
【0105】
また、本開示の技術では、一例として
図28に示すように、文書ファイルを構成する文字列の一部領域(
図28に示す例では、「あいう」との文字列の領域)を受け付け、申し送りコメントを表示する際に、指定を受け付けた文字列の位置に対応付けて当該申し送りコメントを表示する形態としてもよい。
【0106】
図28に示す例では、「@あいう・・・」が入力されると、文書60に含まれる文字列「あいう」が検索され、文字列「あいう」の位置70Cに申し送りコメントである「誤字の確認をお願いします」が挿入される。
【0107】
また、以上の各種形態において、一例として
図29に示すように、瞬間拡大表示した場合における、申し送りコメント66B、66Cの表示及び非表示を設定可能とする形態としてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、表示された文書画像に対して常に申し送りコメントを表示する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示位置に対応する画像領域がマウスポインタ等によって指定された場合のみに、ツールチップ形式で申し送りコメントを表示する形態としてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、本開示の技術を、サーバ10を含むシステムに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、互いにネットワークによって接続された複数の端末装置30のみを用いたシステムに、本開示の技術を適用する形態としてもよい。この場合、上記実施形態における端末装置30とサーバ10との各種情報のやり取りが不要になる。また、この場合、申し送り情報送信処理は、何れかの端末装置30で実行する。
【0110】
また、上記実施形態では、各種データベース13B~13Cをサーバ10に登録した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、何れかの端末装置30や、端末装置30からアクセス可能な他の装置に、これらのデータベースを登録する形態としてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では言及しなかったが、サムネール画像データのメタデータとして記憶した申し送り情報を示す情報そのものをワークスペース表示画面において表示する形態としてもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、申し送り情報を申し送り情報データベース13Bに登録しておき、当該申し送り情報を用いて、ダウンロード先の文書に対して申し送りコメントを表示する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、マスター文書の文書ファイルのメタデータに申し送り情報を登録しておき、当該申し送りコメントを用いてダウンロード先の文書に対して申し送りコメントを表示する形態としてもよい。この場合、申し送り情報データベース13Bは不要となる。
【0113】
また、上記実施形態では、サムネール画像や瞬間拡大画像に対して申し送りコメントを表示する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、文書ファイルが示す文書そのものに申し送りコメントを表示する形態としてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、文書ファイルとして1頁のみの文書を有するものを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の頁を有するものを文書ファイルとして適用する形態としてもよい。この場合、申し送り情報の表示位置を示す情報として、対応する頁番号も含めるものとする。
【0115】
以上、実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0116】
また、上記実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0117】
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0118】
更に、上記実施形態では、各種処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各種処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0119】
その他、上記実施形態で説明したサーバ10及び端末装置30の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0120】
また、上記実施形態で説明した各種処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0121】
(付記)
(((1)))
1又は複数のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書ファイルを開いていない状態で、当該文書ファイルが示す文書に対するコメントの入力を受け付けるコメント入力領域を表示するように制御し、
前記コメント入力領域に対して入力された情報により、前記文書ファイルを表す画像に対する前記コメントの表示位置の指定を受け付け、
前記文書ファイルを表す画像の指定された前記表示位置に前記コメントを表示するように制御する、
情報処理システム。
(((2)))
前記入力された情報は、前記表示位置を指定するための特定の文字情報である、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記文書ファイルを表す画像は、サムネール画像である、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記サムネール画像が選択指定された場合に前記文書を拡大表示するように制御すると共に、当該文書の前記表示位置に前記コメントを表示するように制御する、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記サムネール画像に対しては、前記表示位置における縦方向の位置のみに従って前記コメントを表示するように制御し、
前記拡大表示した文書に対しては、前記表示位置における縦方向及び横方向の双方の位置に従って前記コメントを表示するように制御する、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記コメントの表示態様の指定を更に受け付け、
前記コメントの表示を、受け付けた前記表示態様で行うように制御する、
(((1)))から(((5)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記プロセッサは、
前記コメント入力領域を複数表示するように制御し、
前記コメントが入力された前記コメント入力領域が表示されている位置に対応する位置を前記表示位置として受け付ける、
(((1)))から(((6)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記プロセッサは、
前記コメント入力領域に予め定められた文字列が入力された場合に、前記文書の前記文字列に対応する領域に対する、前記表示位置の指定を受け付ける位置指定画面を表示するように更に制御し、
前記位置指定画面を介して前記表示位置の指定を受け付ける、
(((1)))から(((7)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記プロセッサは、
前記位置指定画面において文字列の入力を受け付け、
前記文書ファイルに前記文字列が含まれる場合、入力を受け付けた前記文字列の位置を前記表示位置として受け付ける、
(((8)))に記載の情報処理システム。
【0122】
(((1)))に係る情報処理システムによれば、文書を開くことなく当該文書に対するコメントを入力する場合において、当該コメント内で明示的に対応箇所に言及することなく、当該対応箇所にコメントを表示することができる。
(((2)))に係る情報処理システムによれば、特定の文字情報を入力することで、当該文字情報が示す位置にコメントを表示することができる。
(((3)))に係る情報処理システムによれば、文書そのものを表示することなく、コメントを指定された位置に表示することができる。
(((4)))に係る情報処理システムによれば、拡大表示された文書に対して、コメントを指定した位置に表示することができる。
(((5)))に係る情報処理システムによれば、表示されている画像の大きさに応じて、表示位置の厳密さを切り替えることができる。
(((6)))に係る情報処理システムによれば、コメントの表示態様を指定することができる。
(((7)))に係る情報処理システムによれば、コメントを入力する位置により、当該コメントの表示位置を指定することができる。
(((8)))に係る情報処理システムによれば、予め定められた文字列により、対応するコメントの表示位置を指定することができる。
(((9)))に係る情報処理システムによれば、指定した文字列により、対応するコメントの表示位置を指定することができる。
【符号の説明】
【0123】
1 情報処理システム
10 サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶部
13A 申し送り情報送信処理プログラム
13B 申し送り情報データベース
13C 履歴情報データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
30 端末装置
31 CPU
31A 第1表示制御部
31B 受付部
31C 第2表示制御部
32 メモリ
33 記憶部
33A 第1情報処理プログラム
33B 第2情報処理プログラム
34 入力部
35 表示部
35A ワークスペース表示領域
35B 対象文書
35C マウスポインタ
35D コメント入力領域
35D1 種別指定領域
35D2 選択候補表示領域
35D3 注記内容入力領域
35D4 ブロック指定領域
35D5 文字範囲指定領域
35D6 表示パターン指定領域
35E サムネール画像
35E1、35E2、・・・ 申し送りコメント
35F 拡大文書画像
35G1、35G2、・・・ 申し送りコメント
35X 終了ボタン
36 媒体読み書き装置
37 記録媒体
38 通信I/F部
42A、42B、・・・ 付箋アノテーション
60 文書
62A、62B 申し送りコメント
64 文書
66A~66C 申し送りコメント
68A~68D コメント入力領域
70A 位置指定画面
70B マウスポインタ
70C 位置
N ネットワーク