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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024133999
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ソースドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240926BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G09G3/20 623B
G09G3/36
G09G3/20 623E
G09G3/20 623R
G09G3/20 642A
G09G3/20 611J
G09G3/20 612F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044058
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 祐輝
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
5C006AA16
5C006AC26
5C006AF50
5C006AF52
5C006AF82
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC11
5C006BC16
5C006BF04
5C006BF14
5C006BF25
5C006FA22
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD05
5C080EE29
5C080FF11
5C080GG11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
(57)【要約】
【目的】表示パネルのチャネル方向における表示ムラの発生を抑えることが可能なソースドライバを提供する。
【構成】階調配線と、階調配線に並行して並置され、映像データ信号及び階調配線を介して供給された階調電圧に基づいて画素駆動電圧を生成して出力する複数の出力アンプと、ドライバICの中央部付近に位置するセンター領域に設けられ、階調電圧を生成して階調配線に出力する階調電圧生成部と、センター領域に設けられ、複数の出力アンプにバイアス電流を供給するバイアス電流供給部と、複数の出力アンプのうち、センター領域を挟んで対向する位置に配された第1の出力アンプ及び第2の出力アンプの各々から出力された画素駆動電圧を比較する比較部と、比較結果に基づいて、第1の出力アンプ及び第2の出力アンプの各々に供給されるバイアス電流のうちの少なくとも一方を調整するバイアス電流調整部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のソースラインと、前記複数本のソースラインに接続された複数の画素部と、を有する表示パネルに接続され、複数の画素データ片の系列を含む映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記複数の画素部に印加する画素駆動電圧を出力するソースドライバであって、
第1の方向に延伸する階調配線と、
前記階調配線に並行して前記第1の方向に沿って並置され、前記階調配線を介して階調電圧の供給を受け、前記映像データ信号及び前記階調電圧に基づいて前記画素駆動電圧を生成し、前記複数本のソースラインに出力する複数の出力アンプと、
前記ソースドライバを構成するドライバICの中央部付近に位置するセンター領域に設けられ、前記階調電圧を生成して前記階調配線に出力する階調電圧生成部と、
前記センター領域に設けられ、前記複数の出力アンプにバイアス電流を供給するバイアス電流供給部と、
前記複数の出力アンプのうち、前記センター領域を挟んで対向する位置に配された第1の出力アンプ及び第2の出力アンプの各々から出力された前記画素駆動電圧を比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づいて、前記第1の出力アンプに供給される前記バイアス電流及び前記第2の出力アンプに供給される前記バイアス電流のうちの少なくとも一方を調整するバイアス電流調整部と、
を有することを特徴とするソースドライバ。
【請求項2】
前記比較部は、前記複数の出力アンプが前記画素駆動電圧の出力を開始した後の所定のタイミングにおける、前記第1の出力アンプから出力された前記画素駆動電圧の電圧値と前記第2の出力アンプから出力された前記画素駆動電圧の電圧値と、を比較することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
前記比較部は、前記第1の出力アンプから出力された前記画素駆動電圧の電圧値が基準電圧値を超えたタイミングと、前記第2の出力アンプから出力された前記画素駆動電圧が前記基準電圧値を超えたタイミングと、を比較することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項4】
前記第1の出力アンプ及び前記第2の出力アンプは、第1極性の前記画素駆動電圧を出力する出力アンプであって、且つ前記複数本のソースラインのうち前記第1極性の前記画素駆動電圧の供給を受けるp本(pは、2以上の整数)のソースラインのうちの隣り合う位置に配されたソースラインにそれぞれ前記画素駆動電圧を供給する出力アンプであることを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項5】
複数本のソースライン及び複数本のゲートラインと、前記複数本のソースラインと前記複数本のゲートラインとの交差部の各々にマトリクス状に設けられた複数個の画素部と、を有する表示パネルと、
複数の画素データ片の系列を含む映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記複数個の画素部に印加する画素騒動電圧を出力するソースドライバと、
を有し、
前記ソースドライバは、
第1の方向に延伸する階調配線と、
前記階調配線に並行して前記第1の方向に沿って並置され、前記階調配線を介して階調電圧の供給を受け、前記映像データ信号及び前記階調電圧に基づいて前記画素駆動電圧を生成し、前記複数本のソースラインに出力する複数の出力アンプと、
前記ソースドライバを構成するドライバICの中央部付近に位置するセンター領域に設けられ、前記階調電圧を生成して前記階調配線に出力する階調電圧生成部と、
前記センター領域に設けられ、前記複数の出力アンプにバイアス電流を供給するバイアス電流供給部と、
前記複数の出力アンプのうち、前記センター領域を挟んで対向する位置に配された第1の出力アンプ及び第2の出力アンプの各々から出力された前記画素駆動電圧を比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づいて、前記第1の出力アンプに供給される前記バイアス電流及び前記第2の出力アンプに供給される前記バイアス電流のうちの少なくとも一方を調整するバイアス電流調整部と、
を有することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースドライバ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶や有機EL(OLED)等の表示デバイスからなる表示装置の駆動方式として、アクティブマトリクス駆動方式が採用されている。アクティブマトリクス駆動方式の表示装置では、表示パネルは画素部及び画素スイッチをマトリクス状に配置した半導体基板で構成されている。ゲート信号により画素スイッチのオンオフを制御し、画素スイッチがオンになるときに映像データ信号に対応した階調電圧信号を画素部に供給して、各画素部の輝度を制御することにより、表示が行われる。
【0003】
画素部への階調電圧信号の供給は、ソースドライバによりデータ線を介して行われる。ソースドライバを構成するドライバIC(Integrated Circuit)には、画素駆動電圧を出力する複数の出力アンプと、画素駆動電圧のもととなる階調電圧を生成して複数の出力アンプの各々に供給する階調電圧生成回路と、が設けられている。階調電圧生成回路は、例えばドライバICの中央部付近に位置するセンター部分の領域に設けられ、階調配線を介して各出力アンプに階調電圧を供給する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-89402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような階調電圧生成回路は、ドライバICのセンター部分の領域に設けられてはいるものの、階調配線との関係では必ずしもちょうど真ん中の位置に設けられているとは限らない。このため、ドライバICのセンター部分の領域を挟んで左右に位置する出力アンプと階調電圧生成回路とを結ぶ階調配線の長さは左右で異なっている場合がある。この場合、階調配線の抵抗差及び容量差により、各出力アンプからの画素駆動電圧の出力に時間差(出力遅延差)が生じる。この出力遅延差により、画素駆動電圧が画素部に印加される際の到達電位にチャネル間で差異が生じ、表示ムラが発生してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、表示パネルのチャネル方向における表示ムラの発生を抑えることが可能なソースドライバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るソースドライバは、複数本のソースラインと、前記複数本のソースラインに接続された複数の画素部と、を有する表示パネルに接続され、複数の画素データ片の系列を含む映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記複数の画素部に印加する画素駆動電圧を出力するソースドライバであって、第1の方向に延伸する階調配線と、前記階調配線に並行して前記第1の方向に沿って並置され、前記階調配線を介して階調電圧の供給を受け、前記映像データ信号及び前記階調電圧に基づいて前記画素駆動電圧を生成し、前記複数本のソースラインに出力する複数の出力アンプと、前記ソースドライバを構成するドライバICの中央部付近に位置するセンター領域に設けられ、前記階調電圧を生成して前記階調配線に出力する階調電圧生成部と、前記センター領域に設けられ、前記複数の出力アンプにバイアス電流を供給するバイアス電流供給部と、前記複数の出力アンプのうち、前記センター領域を挟んで対向する位置に配された第1の出力アンプ及び第2の出力アンプの各々から出力された前記画素駆動電圧を比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて、前記第1の出力アンプに供給される前記バイアス電流及び前記第2の出力アンプに供給される前記バイアス電流のうちの少なくとも一方を調整するバイアス電流調整部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る表示装置は、複数本のソースライン及び複数本のゲートラインと、前記複数本のソースラインと前記複数本のゲートラインとの交差部の各々にマトリクス状に設けられた複数個の画素部と、を有する表示パネルと、複数の画素データ片の系列を含む映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記複数個の画素部に印加する画素騒動電圧を出力するソースドライバと、を有し、前記ソースドライバは、第1の方向に延伸する階調配線と、前記階調配線に並行して前記第1の方向に沿って並置され、前記階調配線を介して階調電圧の供給を受け、前記映像データ信号及び前記階調電圧に基づいて前記画素駆動電圧を生成し、前記複数本のソースラインに出力する複数の出力アンプと、前記ソースドライバを構成するドライバICの中央部付近に位置するセンター領域に設けられ、前記階調電圧を生成して前記階調配線に出力する階調電圧生成部と、前記センター領域に設けられ、前記複数の出力アンプにバイアス電流を供給するバイアス電流供給部と、前記複数の出力アンプのうち、前記センター領域を挟んで対向する位置に配された第1の出力アンプ及び第2の出力アンプの各々から出力された前記画素駆動電圧を比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて、前記第1の出力アンプに供給される前記バイアス電流及び前記第2の出力アンプに供給される前記バイアス電流のうちの少なくとも一方を調整するバイアス電流調整部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るソースドライバによれば、表示パネルのチャネル方向における表示ムラの発生を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】ソースドライバの構成を示す回路図である。
図3】実施例1の比較部及び隣接する出力アンプの構成を示す回路図である。
図4】実施例1の出力電圧の動作波形を示す図である。
図5】実施例2の比較部及び隣接する出力アンプの構成を示す回路図である。
図6】実施例2の出力電圧の動作波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0012】
図1、本発明の実施例1に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置100は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。表示装置100は、表示パネル11、タイミングコントローラ12、ゲートドライバ13及びソースドライバ14-1~14-kを含む。
【0013】
表示パネル11は、複数の画素部P11~Pnm及び画素スイッチM11~Mnm(n,m:2以上の自然数)がマトリクス状に配置された半導体基板から構成されている。表示パネル11は、各々が水平方向に延伸する走査線であるn本のゲート線GL1~GLnと、これに交差するように配されたデータ線であるm本のソース線SL1~SLmと、を有する。画素部P11~Pnm及び画素スイッチM11~Mnmは、ゲート線GL1~GLn及びソース線SL1~SLmの交差部に設けられている。
【0014】
画素スイッチM11~Mnmは、ゲートドライバ13から供給されるゲート信号Vg1~Vgnに応じてオン又はオフに制御される。
【0015】
画素部P11~Pnmは、ソースドライバ14-1~14-kから映像データに対応した階調電圧(駆動電圧)の供給を受ける。具体的には、ソースドライバ14-1~14-kから画素駆動電圧信号Vd1~Vdmがソース線SL1~SLmに出力され、画素スイッチM11~Mnmがそれぞれオンのときに、画素駆動電圧信号Vd1~Vdmが画素部P11~Pnmに印加される。これにより、画素部P11~Pnmの各々の画素電極が充電され、輝度が制御される。
【0016】
画素部P11~Pnmの各々は、画素スイッチM11~Mnmを介してソース線SL1~SLmに接続される透明電極と、半導体基板に対向して設けられ且つ面全体に1つの透明な電極が形成された対向基板との間に封入された液晶と、を含む。表示装置内部のバックライトに対して、画素部P11~Pnmに印加された階調電圧(駆動電圧)と対向基板電圧との電位差に応じて液晶の透過率が変化することにより、表示が行われる。
【0017】
タイミングコントローラ12は、映像データVSに基づき各画素の輝度レベルを例えば8ビットの256段階の輝度階調で表す画素データ片PDの系列(シリアル信号)を生成する。また、タイミングコントローラ12は、同期信号SSに基づいて、一定のクロック周期を有する埋め込みクロック方式のクロック信号CLK を生成する。タイミングコントローラ12は、画素データ片PDの系列とクロック信号CLKとを一体化したシリアル信号である映像データ信号VDSを生成し、ソースドライバ14-1~14-kに供給して映像データの表示制御を行う。映像データ信号VDSは、所定数のソース線毎に伝送路の数に応じてシリアル化された映像データ信号として構成されている。
【0018】
本実施例では、各々がm個の画素データ片PDからなるn個の画素データ片群がシリアルに連続することにより、1フレーム分の映像データ信号VDSが構成されている。n個の画素データ片群の各々は、それぞれ1水平走査ライン(すなわち、ゲート線GL1~GLnの各々)上の画素を供給対象とする階調電圧に対応する画素データ片からなる画素データ片群である。ソースドライバ14-1~14-kの動作により、m×n個の画素データ片PDに基づいて、n×m個の画素部(すなわち、画素部P11~Pnm)を供給対象とする画素駆動電圧信号Vd1~Vdmがソース線を介して印加される。
【0019】
また、タイミングコントローラ12は、同期信号SSに基づいて、映像データ信号VDSの1フレーム毎のタイミングを示すフレーム同期信号FSを生成し、ソースドライバ14に供給する。タイミングコントローラ12は、ゲートドライバ13の動作を制御するゲート制御信号GSを生成し、ゲートドライバ13に供給する。
【0020】
ゲートドライバ13は、タイミングコントローラ12からゲート制御信号GSの供給を受けて動作し、ゲート制御信号GSに含まれるクロックタイミングに基づいて、ゲート信号Vg1~Vgnを順次ゲート線GL1~GLnに供給する。ゲート信号Vg1~Vgnの供給により、画素行毎に画素部P11~Pnmが選択される。そして、選択された画素部に対して、ソースドライバ14-1~14-kから画素駆動電圧信号Vd1~Vdmが印加されることにより、画素電極への階調電圧の書き込みが行われる。
【0021】
換言すると、ゲートドライバ13の動作により、ゲート線の伸長方向に沿って(すなわち、横一列に)配置されたm個の画素部が、画素駆動電圧信号Vd1~Vdmの供給対象として選択される。ソースドライバ14-1~14-kは、選択された横一列の画素部に対して画素駆動電圧信号Vd1~Vdmを印加し、電圧に応じた色を表示させる。画素駆動電圧信号Vd1~Vdmの供給対象として選択される横一列分の画素部を選択的に切り替えながら、ソース線の伸長方向(すなわち、縦方向)に繰り返すことにより、1フレーム分の画面表示が行われる。
【0022】
なお、画素駆動電圧信号Vd1~Vdmはソースドライバ14-1~14-kから出力されるデータ信号であるため、以下の説明ではこれらをデータ信号Vd1~Vdmとも称する。
【0023】
ソースドライバ14-1~14-kは、ソース線SL1~SLmを分割した所定数のデータ線毎に設けられている。ソースドライバ14-1~14-kは、別々の半導体IC(Integrated Circuit)チップに形成されている。例えば、ソースドライバ1個あたり960出力を有し、表示パネルが1画素列あたりデータ線1本を備えている場合、4Kパネルは12個、8Kパネルは24個のソースドライバでソース線が駆動される。ソースドライバ14-1~14-kは、タイミングコントローラ12から、それぞれ別々の伝送路で、制御信号CS、クロック信号CLK及び映像データ信号VDSが一体化されたシリアル信号の供給を受ける。タイミングコントローラ12と各データドライバ間の伝送路が1ペア(2本)の場合、1データ期間に、ソースドライバの出力数分の映像データVD及び制御信号CSがシリアル化された差動信号として供給される。
【0024】
図2は、ソースドライバ14-1の内部構成を示すブロック図である。なお、他のソースドライバ14-2~14-kも同様の構成を有している。
【0025】
ソース線SL1~SLpは、ソースドライバ14-1が階調電圧の供給を担うソース線のうち、同極性(例えば、正極性)で駆動されるソース線のみを抜き出して示したものである。したがって、ソース線SL1~SLpの隣接するソース線間には、実際には反対極性(例えば、負極性)で駆動される図示せぬソース線が設けられている。したがって、図2においてソース線SLi及びソース線SLjは互いに隣接するソース線として示されているが、実際にはその間に反対極性で駆動されるソース線が設けられているため、j=(i+2)となる。
【0026】
ソースドライバ14-1は、データラッチ部21、DA変換部22A及び22B、サブバイアス部23A及び23B、出力アンプ部24A及び24B、及びセンター部25を含む。
【0027】
データラッチ部21は、タイミングコントローラ12から供給された映像データ信号VDSに含まれる画素データ片PDの系列を順次取り込む。データラッチ部21は、1水平走査ライン分の画素データ片PDのうちソースドライバ14-1が供給対象とする階調電圧信号に対応する個数(m個)の画素データ片PDが取り込まれる度に、取り込んだ画素データ片PDをDA変換部22A及び22Bのデコーダ30-1~30-pに夫々供給する。
【0028】
DA変換部22A及び22Bは、各々が出力アンプ部24A及び24Bに階調電圧を供給する複数のデコーダを含む。本実施例では、DA変換部22Aは、デコーダ30-1~30-iを有する。デコーダ30-1~30-iは、ソース線SL1~SLiに対応するデコーダである。また、DA変換部22Bは、デコーダ30-j~30-pを有する。デコーダ30-j~30-pは、ソース線SLj~SLpに対応するデコーダである。
【0029】
デコーダ30-1~30-pは、データラッチ部21から画素データ片PDの供給を受けるとともに、センター部25から階調配線GWを介して階調電圧の供給を受ける。デコーダ30-1~30-pの各々は、階調配線GWを介して供給された階調電圧の中から、自身が受けた画素データ片PDにて示される輝度に対応した少なくとも1つの階調電圧を選択し、当該階調電圧を出力アンプ部24A及び24Bに供給する。
【0030】
サブバイアス部23A及び23Bは、出力アンプ部24A及び24B内の各出力アンプを動作させるべく当該出力アンプ内に流すバイアス電流の電流量を調整するバイアス電流調整部である。かかるバイアス電流の調整は、出力アンプ部24A及び24Bを構成する出力アンプの駆動能力を調整するために行われる。
【0031】
サブバイアス部23A及び23Bは、センター部25を挟んで対向する位置(本実施例では、センター部25を挟んで左側及び右側)に設けられている。サブバイアス部23Aは、センター部25よりも左側に位置する出力アンプ、すなわち出力アンプ部24Aの出力アンプ40-1~40-iのバイアス電流を調整する。これにより、出力アンプ40-1~40-iの駆動能力が調整され、出力遅延(スルーレート)が補正される。サブバイアス部23Bは、センター部25よりも右側に位置する出力アンプ、すなわち出力アンプ部24Bの出力アンプ40-j~40-pのバイアス電流を調整する。これにより、出力アンプ40-j~40-pの駆動能力が調整され、出力遅延(スルーレート)が補正される。
【0032】
出力アンプ部24Aは、ソース線SL1~SLiに対応して設けられた出力アンプ40-1~40-iを有する。また、出力アンプ部24Bは、ソース線SLj~SLpに対応して設けられた出力アンプ40-j~40-pを有する。出力アンプ40-1~40-iの出力端子T1~Tiは、ソース線SL1~SLiにそれぞれ接続されている。出力アンプ40-j~40-pの出力端子Tj~Tpは、ソース線SLj~SLpにそれぞれ接続されている。
【0033】
出力アンプ40-1~40-i及び40-j~40-p(以下、出力アンプ40-1~20-pと称する)の各々は、例えば自身の出力端子が自身の反転入力端子(-)と接続されている、いわゆるオペアンプからなるボルテージフォロワ回路である。出力アンプ40-1~40-pは、デコーダ30-1~30-pから出力された各階調電圧を夫々の非反転入力端子(+)で受け、夫々が受けた階調電圧に応じた電圧を出力端子に増幅出力することで、各階調電圧に対応したデータ信号Vd1~Vdpを生成する。データ信号Vd1~Vdpは、画素駆動信号として表示パネル11のソース線SL1~SLkに供給される。本実施例では、出力アンプ40-1~40-pの各々は、図示せぬデータ処理部によりフレーム同期信号FSに基づいて生成された出力開始信号LOADの信号レベルが変化したタイミングで、データ信号Vd1~Vdpの出力を行う。
【0034】
センター部25は、ソースドライバ14-1を構成するドライバICの中央部付近の領域に設けられている。DA変換部22Aと22B、サブバイアス部23Aと23B、出力アンプ部24Aと24Bは、それぞれセンター部25を挟んで対向する位置(本実施例では、左側と右側)に設けられている。センター部25は、比較部26、バイアス部27及び階調電圧生成部28を含む。
【0035】
比較部26は、出力アンプ部24Aを構成する出力アンプのうちセンター部25に最も近い位置に配された出力アンプ40-iから出力されたデータ信号Vdiと、出力アンプ部24Bを構成する出力アンプのうちセンター部25に最も近い位置に配された出力アンプ40-jから出力されたデータ信号Vdjと、に関する比較を行う。本実施例では、データ信号Vdi及びデータ信号Vdjの各々の信号レベル(電圧値)を比較し、比較結果に基づいてサブバイアス部23A及び23Bの制御を行う。
【0036】
バイアス部27は、出力アンプ40-1~20-pに供給するバイアス電流を生成する。バイアス部27により生成されたバイアス電流は、サブバイアス部23A及び23Bによる調整を経て、出力アンプ40-1~40-pに供給される。
【0037】
階調電圧生成部28は、表示パネル11で表示可能な輝度レベルを256階調で表す階調電圧を生成し、階調配線GWを介してデコーダ30-1~30-pの各々に供給する。
【0038】
階調配線GWは、出力アンプ40-1~40-pが並置された方向(第1の方向)に沿って延伸している。また、階調配線GWに階調電圧を出力する階調電圧生成部28は、第1の方向の中央部に位置する領域であるセンター部25に設けられている。したがって、センター部25を介して対向する位置にある出力アンプ40-i及び40-jは、理想的には階調電圧生成部28から等しい距離に位置することになる。しかし、実際には階調電圧生成部28は必ずしも出力アンプ40-i及び40-jから等距離の位置には配置されておらず、階調電圧生成部28から各出力アンプまでの階調配線GWの長さが異なる。このため、当該長さの違いに基づく配線抵抗の抵抗差及び容量差により、出力アンプ40-iから出力されるデータ信号Vdiと及び出力アンプ40-jから出力されるデータ信号Vdjとの間には、信号レベルの差異が生じる。このため、各データ信号の信号レベルがターゲット電圧に到達するまでの時間に時間差が生じ、表示パネル11における表示ムラの原因となる。本実施例のサブバイアス部23A及び23Bは、かかる出力アンプの出力の差異を調整するために、バイアス電流の調整を行う。
【0039】
図3は、比較部26及びその周辺の構成を示す回路図である。ここでは、センター部25から最も近い位置にあり且つセンター部25を挟んで対向する位置に配された出力アンプである、出力アンプ40-i及び40-jを示している。なお、上記の通り、出力アンプ40-i及び40-jの間には反対極性でソース線の駆動を行う図示せぬ出力アンプが設けられており、本実施例ではj=(i+2)となる。
【0040】
比較部26は、比較回路51A及び51Bと、制御回路52A及び52Bと、を有する。
【0041】
比較回路51Aは、出力アンプ40-iから出力されたデータ信号Vdiと、出力アンプ40-jから出力されたデータ信号Vdjと、各々の信号レベル(電圧値)を比較する。比較回路51Aは、比較結果を制御回路52Aに供給する。
【0042】
比較回路51Bは、出力アンプ40-jから出力されたデータ信号Vdjと、出力アンプ40-iから出力されたデータ信号Vdiと、各々の信号レベル(電圧値)を比較する。比較回路51Bは、比較結果を制御回路52Bに供給する。
【0043】
制御回路52Aは、比較回路51Aの比較結果を取り込むラッチ回路53Aを有する。制御回路52Aは、ラッチ回路53Aが取り込んだ比較結果に基づいて、サブバイアス部23Aを制御する。
【0044】
制御回路52Bは、比較回路51Bの比較結果を取り込むラッチ回路53Bを有する。制御回路52Bは、ラッチ回路53Bが取り込んだ比較結果に基づいて、サブバイアス部23Bを制御する。
【0045】
制御回路52A及び52Bは、比較回路51A及び51Bによる比較結果に応じて、いずれか一方のみがサブバイアス部(23A又は23B)を制御してバイアス電流の調整を実行させ、他方はサブバイアス部(23A又は23B)の動作を停止させるように予め設定されている。例えば、本実施例では、制御回路52A及び52Bは、データ信号Vdの電圧値が相対的に低い方の出力アンプに対応するサブバイアス部にバイアス電流の調整動作を実行させ、当該電圧値が相対的に高い方の出力アンプに対応するサブバイアス部については動作を停止するように、サブバイアス部23A及び23Bの制御を行う。これにより、データ信号Vdの電圧値が相対的に低い出力アンプについて、駆動能力を上昇させる方向にバイアス電流が調整され、データ信号Vdが所定のターゲット電位に淘汰するまでの時間差、すなわち出力遅延が補正される。
【0046】
図4は、出力アンプ40-i及び40-jの入力信号及び出力信号の出力遅延の補正前及び補正後のそれぞれの状態における動作波形を示す図である。ここでは、デコーダ30-i及び30-jから出力アンプ40-i及び40-jに供給される階調電圧を、それぞれ入力信号をIN(i)及びIN(j)として示している。
【0047】
比較回路51A及び51Bは、出力開始信号LOADの立下りの時点における出力アンプ40-iの出力信号(Vdi)と出力アンプ40-jの出力信号(Vdj)とを比較する。図4の上段に示すように、出力開始信号LOADの立下りの時点において、データ信号Vdjの電圧値はデータ信号Vdiの電圧値よりも低い。また、データ信号Vdjの立ち上りがデータ信号Vdiの立ち上りよりも緩やかであるため、ターゲット電圧に到達する時間にも差異が生じている。
【0048】
出力開始信号LOADの立下りの時点において、データ信号Vdjの電圧値はデータ信号Vdiの電圧値よりも低いため、制御回路52Bは、サブバイアス部23Bを制御して、バイアス電流の調整を実行させる。
【0049】
かかるバイアス電流の調整により、図4の下段に示すように、出力アンプ40-jの出力信号であるデータ信号Vdjの信号波形が出力アンプ40-iの出力信号であるデータ信号Vdiの信号波形と近くなるように、出力アンプ40-jの駆動能力が調整される。その結果、出力アンプ40-jの出力遅延(スルーレート)が補正され、ターゲット電圧に到達するまでの時間差が小さくなる。
【0050】
なお、図2に示すように、サブバイアス部23Bは、出力アンプ部24Bに含まれる出力アンプ40-j~40-pの各々についてバイアス電流の調整を行うことが可能に構成されている。出力アンプ40-j~40-pの各々の配置間隔は既知(例えば、等距離)であり、サブバイアス部23Bは、データ信号Vdjについてのバイアス電流の調整値に基づいて、出力アンプ40-j~40-pのうちの出力アンプ40-j以外の出力アンプについてもバイアス電流の調整を行うことができる。
【0051】
一方、図4に示す例とは異なり、仮に出力開始信号LOADの立下りの時点において、データ信号Vdiの電圧値がデータ信号Vdjの電圧値よりも低かった場合、制御回路52Aは、サブバイアス部23Aを制御して、バイアス電流の調整を実行させる。また、サブバイアス部23Aは、当該バイアス電流の調整値に基づいて、出力アンプ40-1~40-iのうちの出力アンプ40-i以外の出力アンプについてもバイアス電流の調整を行う。
【0052】
以上のように、本実施例のソースドライバによれば、チャネル毎の出力アンプの出力を調整し、各出力アンプから出力されたデータ信号がターゲット電圧に到達するまでの時間差を補正することにより、表示パネルのチャネル方向における表示ムラの発生を抑えることが可能となる。
【実施例0053】
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例のソースドライバは、比較部の構成及び動作において実施例1のソースドライバ14-1と異なる。
【0054】
図5は、実施例2の比較部26X及びその周辺の構成を示す回路図である。ここでは、実施例1と同様に、センター部25から最も近い位置にあり且つセンター部25を挟んで対向する位置に配された出力アンプである、出力アンプ40-i及び40-jを示している。
【0055】
比較部26Xは、比較回路61A及び61Bと、制御回路62A及び62Bと、を有する。
【0056】
比較回路61Aは、出力アンプ40-iから出力されたデータ信号Vdiと所定の基準電圧値VREFとを比較する。例えば、比較回路61Aは、データ信号Vdiの信号レベル(電圧値)が基準電圧値VREFを超えたタイミングで論理レベル0から論理レベル1に変化する検出信号P(i)を出力し、制御回路62Aに供給する。
【0057】
比較回路61Bは、出力アンプ40-jから出力されたデータ信号Vdjと基準電圧値VREFとを比較する。例えば、比較回路61Bは、データ信号Vdjの信号レベル(電圧値)が基準電圧値VREFを超えたタイミングで論理レベル0から論理レベル1に変化する検出信号P(j)を出力し、制御回路62Bに供給する。
【0058】
制御回路62Aは、クロック信号CLKのクロックタイミングに応じてカウントを行うカウンタ63Aを含む。制御回路62Aは、比較回路61Aから供給された検出信号P(i)及びカウンタ63Aのカウント値に基づいて、サブバイアス部23Aを制御する。具体的には、制御回路62Aは、検出信号P(i)の信号変化のタイミングにおけるカウント値が予め定められた基準カウント値よりも早いか遅いかに応じてサブバイアス部23Aを制御し、バイアス電流の調整を実行させる。
【0059】
制御回路62Bは、クロック信号CLKのクロックタイミングに応じてカウントを行うカウンタ63Bを含む。制御回路62Bは、比較回路61Bから供給された検出信号P(j)及びカウンタ63Bのカウント値に基づいて、サブバイアス部23Bを制御する。具体的には、制御回路62Bは、検出信号P(j)の信号変化のタイミングにおけるカウント値が予め定められた基準カウント値よりも早いか遅いかに応じてサブバイアス部23Bを制御し、バイアス電流の調整を実行させる。
【0060】
図6は、出力アンプ40-i及び40-jの入力信号及び出力信号の出力遅延の補正前及び補正後のそれぞれの状態における動作波形を示す図である。ここでは、デコーダ30-i及び30-jから出力アンプ40-i及び40-jに供給される階調電圧を、それぞれ入力信号をIN(i)及びIN(j)として示している。
【0061】
カウンタ63A及び63Bは、出力開始信号LOADの立上りのタイミングに応じてカウントを開始する。比較回路61Aは、出力アンプ40-iの出力信号であるデータ信号Vdiと基準電圧値VREFとを比較し、データ信号Vdiが基準電圧値VREFを超えたタイミングで論理レベル0から論理レベル1に変化する検出信号P(i)を出力する。ここでは、カウント値“3”の段階でデータ信号Vdiが基準電圧値VREFを超えるため、検出信号P(i)は、カウント値“3”のタイミングで論理レベル0から論理レベル1に変化する信号となる。
【0062】
同様に、比較回路61Bは、出力アンプ40-jの出力信号であるデータ信号Vdjと基準電圧値VREFとを比較し、データ信号Vdjが基準電圧値VREFを超えたタイミングで論理レベル0から論理レベル1に変化する検出信号P(j)を出力する。ここでは、カウント値“4”の段階でデータ信号Vdjが基準電圧値VREFを超えるため、検出信号P(j)は、カウント値“4”のタイミングで論理レベル0から論理レベル1に変化する信号となる。
【0063】
制御回路62A及び62Bは、出力アンプ40-i及び40-jのうちの一方の出力アンプの駆動能力を他方の出力アンプの駆動能力に合わせるべく、サブバイアス部23A及び23Bを制御して、バイアス電流の調整を実行させる。例えば、図6に示す例ではデータ信号Vdjが基準電圧値VREFを超えるタイミングが相対的に遅いため、制御回路62Bは、サブバイアス部23Bを制御して出力アンプ40-jの駆動能力を上げる方向にバイアス電流の調整を行う。
【0064】
かかるバイアス電流の調整により、図6の下段に示すように、出力アンプ40-jの出力信号であるデータ信号Vdjの信号波形が出力アンプ40-iの出力信号であるデータ信号Vdiの信号波形と近くなるように、出力アンプ40-jの駆動能力が調整される。その結果、出力アンプ40-jの出力遅延(スルーレート)が補正され、ターゲット電圧に到達するまでの時間差が小さくなる。
【0065】
なお、これとは逆に、制御回路62Aがサブバイアス部23Aを制御して、出力アンプ40-iの駆動能力を下げる方向にバイアス電流の調整を行ってもよい。
【0066】
以上のように、本実施例のソースドライバ14-1では、出力アンプ40-iから出力されたデータ信号Vdi及び出力アンプ40-jから出力されたデータ信号Vdjがそれぞれ基準電圧値VREFを超えたタイミングを検知し、その検知結果に基づいて各出力アンプのバイアス電流の制御を行う。換言すると、実施例1では比較部26がデータ信号Vdi及びVdjの電圧値同士を直接比較していたのに対し、本実施例では比較部26Xがデータ信号Vdi及びVdjの各々が基準電圧値VREFを超えたタイミングを比較している。したがって、出力アンプ40-i及び40-jのうちのいずれか一方についてバイアス電流を調整するのではなく、出力アンプ40-i及び40-jの双方についてバイアス電流の調整を行うことができるため、出力遅延(スルーレート)の調整をより詳細に行うことができる。
【0067】
本実施例のソースドライバによれば、チャネル毎の出力アンプの出力を詳細に調整することにより、各出力アンプから出力されたデータ信号がターゲット電圧に到達するまでの時間差を補正し、表示パネルのチャネル方向における表示ムラの発生を抑えることが可能となる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記各実施例では、表示装置100がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合を例として説明した。しかし、表示装置100は有機EL(OLED)の表示装置であってもよい。この場合、上記各実施例における“i”及び“j”の関係はj=(i+1)となり、出力アンプ40-i及び40-jは、互いに隣り合うソース線SLi及びソース線SLjに対応する出力アンプとなる。
【0069】
また、上記各実施例では、比較部26がセンター部25に最も近い位置に配された出力アンプ40-i及び40-jの各々から出力されたデータ信号Vdについて比較を行う場合を例として説明した。しかし、比較対象は必ずしもセンター部25に最も近い位置の出力アンプに限られず、センター部25を介して対向する位置に配置された出力アンプの出力データを比較対象とするものであればよい。階調電圧生成部28から各出力アンプまでの階調配線GWの長さが同じであることが想定される一対の出力アンプ(すなわち、理想的には階調配線の抵抗値が同じであることが想定される一対の出力アンプ)から出力されたデータ信号について比較を行い、比較結果に基づいて各出力アンプのバイアス電流を調整することにより、出力遅延を補正することが可能となる。
【0070】
また、上記各実施例では、出力アンプ部24Aに対応してサブバイアス部23A、出力アンプ部24Bに対応してサブバイアス部23Bがそれぞれ設けられ、サブバイアス部23Aが出力アンプ部24Aの出力アンプ40-1~40-iのバイアス電流の調整を担い、サブバイアス部23Bが出力アンプ部24Bの出力アンプ40-j~40-pのバイアス電流の調整を担う場合を例として説明した。しかし、サブバイアス部の数はこれに限られず、出力アンプ部24A及び24Bのそれぞれに対応したサブバイアス部を複数ずつ設け、出力アンプ40-1~40-i及び出力アンプ40-j~40-pを複数に区分けしたグループに、各サブバイアス部がバイアス電流の調整を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
100 表示装置
11 表示パネル
12 タイミングコントローラ
13 ゲートドライバ
14-1~14-k ソースドライバ
21 データラッチ部
22A,22B DA変換部
23A,23B サブバイアス部
24A,24B 出力アンプ部
25 センター部
26,26X 比較部
27 バイアス部
28 階調電圧生成部
30-1~30-p デコーダ
40-1~40-p 出力アンプ
51A,51B 比較回路
52A,52B 制御回路
53A,53B ラッチ
61A,61B 比較回路
62A,62B 制御回路
63A,63B カウンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6