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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134043
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】バルブ装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/00 20060101AFI20240926BHJP
   F16K 15/18 20060101ALN20240926BHJP
   F04B 53/10 20060101ALN20240926BHJP
【FI】
F16K1/00 Q
F16K15/18 A
F04B53/10 G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044128
(22)【出願日】2023-03-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北本 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】本田 拓
【テーマコード(参考)】
3H052
3H058
3H071
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA26
3H052BA35
3H052CA04
3H052CB02
3H052EA16
3H058AA02
3H058BB04
3H058BB29
3H058CA03
3H058CA05
3H058CB04
3H058CC05
3H058EE03
3H058EE14
3H071AA03
3H071BB01
3H071CC31
3H071CC33
3H071DD12
3H071DD13
3H071DD14
3H071DD32
3H071DD35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】加工が容易であり、かつ、弁体部の投影面積が増大することを抑制することが可能なバルブ装置を提供する。
【解決手段】バルブ装置は、底壁101と、底壁から所定方向に立ち上がる側壁102とを有し、底壁および側壁の何れかに流体が通過するための孔102Aが形成される弁座部100と、流体の流路を開放する開放位置と、流路を閉塞する閉塞位置との間を移動可能な弁体部110と、を備え、弁体部は、底壁との間で流体の第1流路を構成し、弁体部が閉塞位置に位置する場合、第1流路を閉塞する第1壁111と、第1壁から底壁とは反対側に延び、側壁との間で流体の第2流路を構成する第2壁112と、第2壁の端部から側壁側に延び、弁体部が閉塞位置に位置する場合、第2流路を閉塞する第3壁113と、を有する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、前記底壁から所定方向に立ち上がる側壁とを有し、前記底壁および前記側壁の何れかに流体が通過するための孔が形成される弁座部と、
前記流体の流路を開放する開放位置と、前記流路を閉塞する閉塞位置との間を移動可能な弁体部と、
を備え、
前記弁体部は、
前記底壁との間で前記流体の第1流路を構成し、前記弁体部が前記閉塞位置に位置する場合、前記第1流路を閉塞する第1壁と、
前記第1壁から前記底壁とは反対側に延び、前記側壁との間で前記流体の第2流路を構成する第2壁と、
前記第2壁の端部から前記側壁側に延び、前記弁体部が前記閉塞位置に位置する場合、前記第2流路を閉塞する第3壁と、
を有する、
バルブ装置。
【請求項2】
前記第1壁は、前記弁体部が前記閉塞位置に位置する場合、前記底壁と接触することで前記第1流路を閉塞し、
前記第3壁は、前記弁体部が前記閉塞位置に位置する場合、前記側壁の先端部と接触することで前記第2流路を閉塞する、
請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記側壁は、筒状に構成されており、
前記第2壁は、前記側壁に沿った形状である、
請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項4】
前記第1壁は、前記第1流路を流れる流体が通過可能な孔を有する、
請求項1に記載のバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁座部と弁体部とを接触/離間することで、弁座部に形成された流体の流路を開放/閉塞可能なバルブ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、バルブ装置には、図1に示すように、弁座部200に形成された溝201部分に流体が通過するための孔202が設けられたものが知られている。この構成における弁体部210は、溝201の開口部分を閉塞する位置(2点鎖線位置)と、当該位置から離間した位置(実線位置)との間を移動可能に構成されている。溝201は流体の流路となるため、弁体部210が溝201の開口部分を閉塞することで、当該流路が閉塞され、弁体部210が開口部分から離間すると、当該流路が開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4190020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図1に示す構成では、溝201部分における流体の流量を増やす場合、弁座部200の孔202の径を大きくすると、溝を深く掘る必要があり、加工が困難になるという問題があった。
【0006】
また、溝201内の流体の流量が増えると、流路抵抗が大きくなる。その結果、流体の流量を増やすために溝201の幅を拡大した場合、弁体部210の移動方向の投影面積が増え、弁体部210の移動時に粘性抵抗の影響を受け、ひいては高速動作の妨げになるおそれがある。
【0007】
本開示の目的は、加工が容易であり、かつ、弁体部の投影面積が増大することを抑制することが可能なバルブ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るバルブ装置は、
底壁と、前記底壁から所定方向に立ち上がる側壁とを有し、前記底壁および前記側壁の何れかに流体が通過するための孔が形成される弁座部と、
前記流体の流路を開放する開放位置と、前記流路を閉塞する閉塞位置との間を移動可能な弁体部と、
を備え、
前記弁体部は、
前記底壁との間で前記流体の第1流路を構成し、前記弁体部が前記閉塞位置に位置する場合、前記第1流路を閉塞する第1壁と、
前記第1壁から前記底壁とは反対側に延び、前記側壁との間で前記流体の第2流路を構成する第2壁と、
前記第2壁の端部から前記側壁側に延び、前記弁体部が前記閉塞位置に位置する場合、前記第2流路を閉塞する第3壁と、
を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、加工が容易であり、かつ、弁体部の投影面積が増大することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の構成の一例を示す図である。
図2】本開示の実施の形態に係るバルブ装置を備えた流体機械を示す図である。
図3A】非通電状態にあるソレノイドの一例を概略的に示す説明図である。
図3B】通電状態にあるソレノイドの一例を概略的に示す説明図である。
図4A】流体の流路が開放された場合のバルブ装置を示す図である。
図4B】流体の流路が閉塞された場合のバルブ装置を示す図である。
図5A】弁座部をZ方向から見た図である。
図5B】弁体部をZ方向から見た図である。
図6】変形例に係るバルブ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2は、本開示の実施の形態に係るバルブ装置を備えた流体機械1を示す図である。
【0012】
図2に示すように、流体機械1は、機械と流体との間でエネルギー変換をする装置である。ここで、「流体」とは、流体機械1の中で動力を伝達する媒体である。ここでは、流体の一例として作動油を挙げて説明する。流体機械1は、電子制御式可変容量型ポンプモータ2、高圧バルブ3、低圧バルブ4、高圧ポート5、低圧ポート6、電磁ソレノイド7(図3A参照)、クランクシャフト8、および、制御部10を備える。本開示の「バルブ装置」は、高圧バルブ3または低圧バルブ4と、電磁ソレノイド7とを有する。
【0013】
電子制御式可変容量型ポンプモータ2は、複数(図2では、4個)のピストンシリンダ21を有している。複数のピストンシリンダ21は、クランクシャフト8の軸周上に所定の間隔で配置される。クランクシャフト8はカム部8Aを有している。
【0014】
複数のピストンシリンダ21のそれぞれは、ピストン22と、シリンダ23とを有する。ピストン22は、クランクシャフト8の回転運動に連動して並進運動をする。シリンダ23は、ピストン22の並進運動によって容積が変化する作動室(チャンバ)を構成する。
【0015】
高圧バルブ3は、複数のピストンシリンダ21のそれぞれに対応して配置され、作動室と高圧ポート5との間の流体の流路を開放/閉塞する。
【0016】
低圧バルブ4は、複数のピストンシリンダ21のそれぞれに対応して配置され、作動室と低圧ポート6との間の流体の流路を開放/閉塞する。
【0017】
高圧ポート5は、高圧ラインを介して例えば高圧タンク(不図示)や、油圧アクチュエータ(不図示)に接続されている。
【0018】
低圧ポート6は、低圧ラインを介して例えば作動油を貯留する油タンク(不図示)に接続されている。なお、油タンクは大気圧下に置かれる。
【0019】
図3Aおよび図3Bは、電磁ソレノイド7の一例を概略的に示す図である。図3Aは、非通電状態にある電磁ソレノイド7の一例を概略的に示す図である。図3Bは、通電状態にある電磁ソレノイド7の一例を概略的に示す図である。
【0020】
高圧バルブ3は、電磁ソレノイド7が非通電状態である場合、作動室と高圧ポート5との間の流路を閉塞し、電磁ソレノイド7が通電状態である場合、作動室と高圧ポート5との間の流路を開放する。上記の流路の閉塞状態では、作動室と高圧ポート5とが連通しない非通電状態となる。上記の流路の開放状態では、作動室と高圧ポート5とが連通する通電状態となる。
【0021】
低圧バルブ4は、電磁ソレノイド7が非通電状態である場合、作動室と低圧ポート6との間の流路を開放し、電磁ソレノイド7が通電状態である場合、作動室と低圧ポート6との間の流路を閉塞する。上記の流路の開放状態では、作動室と低圧ポート6とが連通する通電状態となる。上記の流路の閉塞状態では、作動室と低圧ポート6とが連通しない非通電状態となる。
【0022】
制御部10は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、等からなるマイクロコンピュータと入出力装置とを備えるECU(Electronic Control Unit)である。ECUの入力回路には、クランクシャフト8の回転位相を検出するための検出部(不図示)が接続されている。制御部10は、クランクシャフト8の回転位相に応じて電磁ソレノイド7への通電を制御する。
【0023】
制御部10は、低圧バルブ4および高圧バルブ3のそれぞれを駆動するように、電磁ソレノイド7への通電を制御する。これにより、作動室のそれぞれにおける流体が吸入・吐出されることで、シャフトの回転周期上に配置される複数のシリンダのそれぞれがポンピングまたはモータリングを行うように制御され得る。また、作動室のそれぞれにおける流体が吸入・吐出されることで、ポンピングおよびモータリングのいずれも行わないようにも制御され得る。
【0024】
ここで、「ポンピング」は、作動室の膨張時に低圧ポート6から流体(作動油)を吸入し、作動室の圧縮時に高圧ポート5に流体を流出することである。作動室の膨張時には、作動室と高圧ポート5とが連通せず、作動室と低圧ポート6とが連通する。作動室の圧縮時には、作動室と低圧ポート6とが連通せず、作動室と高圧ポート5とが連通する。
【0025】
また、「モータリング」は、作動室の圧縮時に低圧ポート6に流体を吐出し、作動室の膨張時に高圧ポート5から流体を吸入することである。作動室の圧縮時には、作動室と高圧ポート5とが連通せず、作動室と低圧ポート6とが連通する。作動室の膨張時には、作動室と低圧ポート6とが連通せず、作動室と高圧ポート5とが連通する。
【0026】
次に、バルブ装置の詳細について説明する。
【0027】
なお、本実施の形態のバルブ装置に関する構造を説明するにあたり、直交座標系(X,Y,Z)を使用する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。X方向およびY方向は、例えば、バルブ装置の水平方向を示し、Z方向はバルブ装置の垂直方向を示す。
【0028】
高圧バルブ3または低圧バルブ4は、図4Aおよび図4Bに示すように、弁座部100と、弁体部110とを有する。電磁ソレノイド7を通電することにより、弁座部100に対して弁体部110が移動することで、作動室と高圧ポート5または低圧ポート6との間の流体の流路が開放または閉塞され得る。図4Aは、流体の流路が開放された場合のバルブ装置を示す図である。図4Bは、流体の流路が閉塞された場合のバルブ装置を示す図である。
【0029】
流体の流路は、作動室のポートと、高圧ポート5または低圧ポート6とを連通させるためのバルブ装置内における空間であり、弁座部100の一部と、弁体部110の一部とで構成される。なお、流体の流路は、バルブ装置が高圧バルブ3である場合、作動室のポートと高圧ポート5との間の流路となり、バルブ装置が低圧バルブ4である場合、作動室のポートと低圧ポート6との間の流路となる。
【0030】
弁座部100は、底壁101と、側壁102とを有する。底壁101は、弁座部100の底部分であり、円形の板状に構成されている(図5A参照)。
【0031】
側壁102は、底壁101の縁からZ方向に立ち上がるように設けられており、円筒状に構成されている。側壁102には、高圧ポート5または低圧ポート6と連通する孔102Aが設けられている。孔102Aは、複数設けられており、隣り合う孔102Aの間隔が均等になるように並んで配置されている。本実施の形態では、孔102Aの数は、8個である例が示されているが、孔102Aの数は、何個でも良い。
【0032】
弁体部110は、一部が側壁102で囲われた空間に位置するように配置されており、第1壁111と、第2壁112と、第3壁113とを有する。弁体部110のZ方向の+側の空間は、作動室のポートと連通している。
【0033】
第1壁111は、側壁102内の空間において底壁101と平行に配置される壁であり、底壁101よりも径が小さい円形の板状に構成されている。第1壁111には、Z方向に貫通する孔111Aが4つ設けられている(図5B参照)。
【0034】
図4Aに示すように、第1壁111が底壁101と離間した位置に配置された場合、第1壁111と底壁101との間の空間は、流体の流路(第1流路)を構成する。作動室のポートから流出された流体は、第1壁111の孔111Aを介して、第1流路に入り込み、側壁102の孔102Aを介して高圧ポート5または低圧ポート6に流入する。また、高圧ポート5または低圧ポート6から流出された流体は、側壁102の孔102Aを介して、第1流路に入り込み、第1壁111の孔102Aを介して高圧ポート5または低圧ポート6に流入する。
【0035】
第2壁112は、第1壁111の縁からZ方向に立ち上がるように設けられている。第2壁112は、側壁102に沿った形状、つまり、円筒状に構成されている。第2壁112は、側壁102と平行に配置されており、側壁102と略同じ長さである。
【0036】
第2壁112と側壁102との間の空間は、流体の流路(第2流路)を構成する。作動室のポートから流出された流体は、第2壁112のZ方向の端部と側壁102のZ方向の端部との隙間を介して、第2流路に入り込み、側壁102の孔102Aを介して高圧ポート5または低圧ポート6に流入する。また、高圧ポート5または低圧ポート6から流出された流体は、側壁102の孔102Aを介して、第2流路に入り込み、第2壁112のZ方向の端部と側壁102のZ方向の端部との隙間を介して高圧ポート5または低圧ポート6に流入する。
【0037】
第3壁113は、第2壁112のZ方向の端部から、側壁102側に延びる壁である。側壁102側とは、第2壁112が対向する側壁102側であり、第2壁112で囲まれた空間とは反対側に位置する側壁102側である。
【0038】
第3壁113は、側壁102のZ方向の端部よりもZ方向の+側に位置するように配置される。第3壁113の長さは、Z方向から見て側壁102と重なる範囲に位置する程度の長さである。
【0039】
図4Bに示すように、弁体部110は、図示しないバネによりZ方向の-側に付勢されており、第1壁111が底壁101と接触し、かつ、第3壁113が側壁102の先端部と接触する位置に配置されている。第1壁111が底壁101と接触する場合、第1流路が閉塞され、第3壁113が側壁102の先端部と接触する場合、第2流路が閉塞された状態となる。つまり、弁体部110は、上述の電磁ソレノイド7が通電されていない場合、流体の流路を閉塞する閉塞位置に位置する。
【0040】
電磁ソレノイド7が通電される場合、弁体部110は、弁座部100から離間する。具体的には、図4Aに示すように、弁体部110が弁座部100から離間した場合、第1壁111と底壁101との接触が解除されるので、第1流路が開放され、かつ、第3壁113と側壁102との接触が解除されるので、第2流路が開放される。つまり、弁体部110は、上述の電磁ソレノイド7が通電された場合、流体の流路を開放する開放位置に位置する。
【0041】
このように、電磁ソレノイド7の通電状態の制御により、弁体部110は、開放位置(図4Aの位置)と閉塞位置(図4Bの位置)との間を移動する。
【0042】
以上のように構成された本実施の形態では、弁座部100が、底壁101と、底壁101から立ち上がる側壁102とを有し、弁体部110が、第1壁111、第2壁112および第3壁113を有する。
【0043】
例えば、図1に示す従来の構成では、円柱形状の弁座部に溝を掘る必要があるので、流体の流量を増大させるために、孔を大きくする場合、孔の大きさに合わせて溝をさらに深くする必要が生じるので、加工が困難になる。
【0044】
それに対し、本実施の形態では、弁座部100が底壁101および側壁102を有する構成であるので、従来の構成のように、円柱形状の弁座部に溝を掘る構成ではなく、円柱形状の孔をあける構成である。その結果、従来の構成のように、弁体部の位置に合わせて溝を構成する必要がないので、従来の構成と比較して、弁座部100を製造する際の加工を容易にすることができる。
【0045】
また、本実施の形態では、弁座部100と弁体部110とにより、第1流路と第2流路との2つの流路を有する構成であるので、流体の流れを第1流路と第2流路とに分割することができる。
【0046】
例えば、図1に示す従来の構成では、流路が溝の部分のみであるので、流体の流量を増大させる場合、溝の幅を拡大する必要が生じるとともに、弁体部の閉塞部分の範囲も拡大することになる。その結果、弁体部の移動方向の投影面積が増え、弁体部の移動時に粘性抵抗の影響を受け、ひいては高速動作の妨げになるおそれがある。
【0047】
それに対し、本実施の形態では、流体の流れが第1流路と第2流路とで分割されるので、流体の流量を増大させる場合、第2壁112と側壁102との間隔(第2流路の間隔)を広げなくても、第1流路と合わせて流路全体の断面積を従来の構成よりも大きくすることができる。
【0048】
その結果、第2流路における流体の流量を抑制した構成とすることができるので、弁体部110の移動方向の投影面積の増大を抑制することができる。
【0049】
なお、弁体部110の材質は、弾性変形可能なもの(例えば、バネ鋼等)であっても良い。弁体部110は、閉塞位置に位置する場合、第1壁111と、第3壁113とで弁座部100に接触することになるが、製造ばらつきの影響を受けると、第1壁111および第3壁113の何れかと、弁座部100との接触部分に隙間が生じる可能性がある。
【0050】
そのため、第1壁111および第3壁113の何れかと、弁座部100との接触部分に隙間を吸収できる程度に、弁体部110が弾性変形するようにすることで、弁体部110が閉塞位置に位置した際の弁体部110と弁座部100との密着性を高めることができる。
【0051】
また、上記実施の形態では、弁体部110が閉塞位置に位置した際、第1壁111全体が底壁101に接触する構成であったが、本開示はこれに限定されず、図6に示すように、第1壁111にZ方向の-側に突出する凸部111Bが設けられていても良い。
【0052】
また、上記実施の形態では、側壁102が円筒状であったが、本開示はこれに限定されず、多角形状の筒形状であっても良い。
【0053】
また、上記実施の形態では、第2壁112は、円筒状であったが、本開示はこれに限定されず、側壁102に沿った形状である限り、どのような形状であっても良い。
【0054】
また、上記実施の形態では、第1壁111、第2壁112および第3壁113が一体に構成されていたが、本開示はこれに限定されず、各壁の間に隙間が形成されない限り、第1壁、第2壁および第3壁が別体で構成されていても良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、側壁102に孔102Aが形成されていたが、本開示はこれに限定されず、例えば、底壁に高圧ポートまたは低圧ポートと連通する孔が形成されていても良い。
【0056】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本開示のバルブ装置は、加工が容易であり、かつ、弁体部の投影面積が増大することを抑制することが可能なバルブ装置として有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 流体機械
2 電子制御式可変容量型ポンプモータ
3 高圧バルブ
4 低圧バルブ
5 高圧ポート
6 低圧ポート
7 電磁ソレノイド
8 クランクシャフト
8A カム部
10 制御部
21 ピストンシリンダ
22 ピストン
23 シリンダ
100 弁座部
101 底壁
102 側壁
102A 孔
110 弁体部
111 第1壁
111A 孔
112 第2壁
113 第3壁
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6