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特開2024-13407情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013407
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240125BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115467
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 萌子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 沙悠里
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】場面を考慮した多角的な広告を表示する。
【解決手段】ユーザが用いるユーザ装置15に接続可能な管理サーバ11が、履歴取得対象となるユーザを特定し、特定したユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得処理と、ユーザ装置15に、検索窓に提案ワードが表示された画面を出力させる提案処理と、提案ワードが表示された画面において、ユーザが検索窓に対するアクションを行ったことをユーザ装置15が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知をユーザ装置15から取得するアクション検出処理と、検出通知を取得した場合に、提案ワードに対応する広告を画面に表示するための広告情報を取得し、広告情報をユーザ装置15に送信する広告提供処理と、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得部と、
前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザが用いるユーザ装置に送信し、前記ユーザ装置に、検索窓に前記提案ワードが表示された画面を出力させる提案部と、
前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出部と、
前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供部と、を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記閲覧履歴情報は、前記ユーザが前記商品表示画面に表示された前記商品を購入したか否かを識別可能な情報を含み、
前記履歴取得部は、前記ユーザが過去に閲覧した前記商品のうち、購入に至らなかった商品である未購入商品の前記閲覧履歴情報を取得し、
前記提案部は、前記未購入商品の前記閲覧履歴情報に基づいて、当該未購入商品に関連付けられた前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記広告提供部は、前記未購入商品を販売する販売者を特定し、前記広告情報のうち、特定した前記販売者とは異なる販売者が関連付けられた前記広告情報を取得する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記アクション検出部は、前記ユーザ装置が前記提案ワードが表示された前記検索窓に対する操作が行われたことを検出した前記検出通知を取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記提案部は、取得した前記閲覧履歴情報に含まれる前記商品の分類を示す情報に基づいて、当該商品が属する商品分類に関連付けられた前記提案ワードを取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記広告提供部は、前記検出通知を受信した場合に、前記提案ワードを広告配信サーバに送信し、
前記広告配信サーバで前記提案ワードに基づく検索が行われた結果としての前記広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
ユーザが用いるユーザ装置に接続可能な1又は複数のコンピュータが、
履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得処理と、
前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信し、前記ユーザ装置に、検索窓に前記提案ワードが表示された画面を出力させる提案処理と、
前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出処理と、
前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供処理と、を実行する情報処理方法。
【請求項8】
ユーザが用いるユーザ装置に接続可能な1又は複数のコンピュータに、
履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得処理と、
前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信し、前記ユーザ装置に、検索窓に前記提案ワードが表示された画面を出力させる提案処理と、
前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出処理と、
前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供処理と、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
広告のターゲティング技術として、ウェブサイトの閲覧履歴、検索履歴又は購入履歴を利用した行動ターゲティングが用いられている。例えば、特許文献1に記載されたシステムは、広告主が、広告を表示させる対象となるユーザの閲覧履歴を指定して、広告を出稿する。閲覧端末は、広告が表示されるための条件である閲覧履歴と一致する広告を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4482614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザに対して広告を提供する広告枠は限られており、限界がある。一つの画面に表示される広告を単に増やすのではなく、場面を考慮した多角的な広告を表示することは想定されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、上記課題を解決する情報提供システムを提供する。前記情報提供方法は、履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得部と、前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザが用いるユーザ装置に送信し、前記ユーザ装置に、検索窓に前記提案ワードが表示された画面を出力させる提案部と、前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出部と、前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供部と、を備える。
【0006】
一態様では、上記課題を解決する情報処理方法を提供する。前記情報処理方法は、ユーザが用いるユーザ装置に接続可能な1又は複数のコンピュータが、履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得処理と、前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信し、前記ユーザ装置に、検索窓に前記提案ワードが表示された画面を出力させる提案処理と、前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出処理と、前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供処理と、を実行する。
【0007】
一態様では、上記課題を解決するプログラムを提供する。前記プログラムは、ユーザが用いるユーザ装置に接続可能な1又は複数のコンピュータに、履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得処理と、前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信し、前記ユーザ装置に、検索窓に前記提案ワードが表示された画面を出力させる提案処理と、前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出処理と、前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、場面を考慮した多角的な広告を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態の情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】同実施形態の管理サーバの構成を示す図である。
図3】同実施形態の広告配信サーバの構成を示す図である。
図4】同実施形態のユーザ装置の構成を示す図である。
図5】同実施形態のユーザ情報データベースのデータ構造を示す模式図である。
図6】同実施形態の閲覧履歴データベースのデータ構造を示す模式図である。
図7】同実施形態の提案情報データベースのデータ構造を示す模式図である。
図8】同実施形態の店舗情報データベースのデータ構造を示す模式図である。
図9】同実施形態の広告情報データベースのデータ構造を示す模式図である。
図10】同実施形態の管理サーバの物理的構成を示す図である。
図11】同実施形態の管理サーバ及びユーザ装置の間における各種のデータの送受信の手順を示す図である。
図12】同実施形態の管理サーバ及びユーザ装置の間における各種のデータの送受信の手順を示す図である。
図13】同実施形態の管理サーバが実行する処理手順を示す図である。
図14】同実施形態のユーザ装置が実行する処理手順を示す図である。
図15】同実施形態の商品表示画面の例を示す図である。
図16】同実施形態のECサイトのトップ画面の例を示す図である。
図17】同実施形態のECサイトのトップ画面の例を示す図である。
図18】同実施形態のセグメント設定画面の例を示す図である。
図19】同実施形態のセグメント設定画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
情報処理システム、情報処理方法及びプログラムの一実施形態について説明する。
<広告提供システム>
図1に示すように、情報処理システムとしての広告提供システム10は、管理サーバ11、広告配信サーバ12、広告主装置13及びユーザ装置15を備える。管理サーバ11、広告配信サーバ12、広告主装置13及びユーザ装置15は、インターネット等のネットワーク16を介してデータを送受信可能に接続されている。管理サーバ11は、特許請求の範囲のサーバに対応する。
【0011】
管理サーバ11は、広告サービスを提供する提供者が管理する1又は複数の装置である。本実施形態では、管理サーバ11は、複数の店舗が商品を販売するモール型のECサイト(Electronic Commerce Site)を管理するサーバである。広告配信サーバ12は、管理サーバ11の要求に従って広告情報を管理サーバ11に送信する。広告主装置13は、広告主が管理する1又は複数の装置である。本実施形態において、広告主は、ECサイトの店舗で商品を販売する販売者であり且つ上記の広告サービスを利用する。但し広告主と販売者とは必ずしも一致しなくてもよい。ユーザ装置15は、ECサイトの商品を閲覧又は購入するユーザが用いる装置である。
【0012】
図2図4を参照して、管理サーバ11、広告配信サーバ12及びユーザ装置15の構成について説明する。広告主装置13については、ユーザ装置15と同様な構成であるため説明を省略する。
【0013】
(管理サーバ)
図2に示すように、管理サーバ11は、制御部20、通信部21及び記憶部22を備えている。制御部20は、通信部21及び記憶部22との間で各種のデータを取得又は出力する。制御部20は、記憶部22に格納された各種のプログラムを実行することにより、履歴取得部25、提案部26、アクション検出部28及び広告提供部29として機能する。
【0014】
履歴取得部25は、履歴取得対象となるユーザを特定する。また、履歴取得部25は、特定したユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する。商品表示画面は、ECサイトの表示画面である。
【0015】
提案部26は、閲覧履歴情報に応じた提案ワード(サジェストワード)を取得する。また、提案部26は、取得した提案ワードを前記ユーザ装置に出力された画面に含まれる検索窓に表示させる。検索窓は、ECサイトのウェブページを構成する一要素であってECサイトのトップ画面に表示される。検索窓は、検索ワードを入力する入力フォームであって検索ボックスともいう。検索窓には、検索ボタンが隣接する。
【0016】
アクション検出部28は、検索窓に提案ワードが表示された画面において、ユーザが検索窓に対するアクションを行った場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知をユーザ装置15から取得する。なお、以下では検索窓に対する操作を検索アクションという。
【0017】
広告提供部29は、提案ワードに対応する広告を画面に表示するための広告情報をユーザ装置15に送信する。このとき、広告提供部29は、トップ画面や他の画面のウェブデータとともに広告情報をユーザ装置15に送信する。広告情報は、広告バナー等の広告コンテンツを表示するデータ等を含む。広告コンテンツは、ウェブページに表示されるテキスト、画像又は動画等である。また、広告情報は、広告コンテンツの画面内の位置を指定する情報を含んでいてもよい。
【0018】
記憶部22は、ユーザ情報記憶部30、閲覧履歴記憶部31、提案情報記憶部32、店舗情報記憶部33、及びウェブデータ記憶部34を備えている。
ユーザ情報記憶部30は、ECサイトを利用するユーザ毎にユーザ情報を記憶する。閲覧履歴記憶部31は、閲覧履歴情報を記憶する。提案情報記憶部32は、ECサイトの検索窓に表示する提案ワードを記憶する。
【0019】
ウェブデータ記憶部34は、ユーザ装置15にECサイトの各画面を出力するためのウェブデータ、及び広告配信サーバ12から取得した広告情報を記憶している。また、ウェブデータ記憶部34は、商品データベースを記憶している。商品データベースは、ECサイトで販売する商品毎に商品管理情報を記憶している。商品管理情報は、商品名、商品を販売する店舗の識別子、商品の価格、商品が属する商品分類、商品表示画面のURLを含む。
【0020】
ウェブデータは、マークアップ言語で記述されたファイル、そのファイルに埋め込まれる画像データ、JavaScript(登録商標)プログラム等を含む。他にも、ウェブデータは、音声データを含んでいてもよい。マークアップ言語は、要素をタグで囲んだ言語であり、例えば、HTML(HyperText Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)、XHTML(Extensible HyperText Markup Language)又はその他の言語であってもよい。マークアップ言語で記述されたデータは、テキストデータであってもよく、バイナリデータであってもよい。このようなウェブデータには、URL(Uniform Resource Locator)、URI(Uniform Resource Identifier)等のリソースを特定するための識別子が設定されている。
【0021】
管理サーバ11は、少なくともウェブサーバ及びデータベースを管理するデータベースサーバとして機能するが、上述したように管理サーバ11は、複数の装置から構成されていてもよい。つまり管理サーバ11は、ウェブサーバ及びデータベースサーバとして機能する一つの装置から構成されてもよいし、それぞれ別の装置であるウェブサーバとデータベースサーバから構成されていてもよい。
【0022】
<広告配信サーバ>
図3に示すように、広告配信サーバ12は、制御部40、通信部41、広告情報記憶部42を備える。制御部40は、通信部41及び広告情報記憶部42との間で各種のデータを取得又は出力する。制御部40は、提供部43を備える。
【0023】
提供部43は、管理サーバ11からの広告の取得要求を受信する。提供部43は、この広告取得要求とともに、提案ワード及び店舗の販売ジャンルを管理サーバ11から受信する。販売ジャンルは、ユーザが閲覧した商品を販売する店舗の販売ジャンルである。販売ジャンルは、販売する商品の分類である。提供部43は、管理サーバ11から受信した提案ワード及び販売ジャンルに応じた広告情報を広告情報記憶部42から取得する。そして提供部43は、取得した広告情報を管理サーバ11に送信する。
【0024】
広告情報記憶部42は広告情報を記憶する。広告情報は、広告主から依頼された広告依頼毎に生成された情報である。また、広告情報記憶部42は、広告コンテンツを表示するための画像データを記憶する。画像データは、商品表示画面のURLと関連付けられている。
【0025】
<ユーザ装置>
ユーザ装置15は、スマートフォン(多機能電話機器)、タブレット装置、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、又はこれらの装置以外の画像を表示可能な情報処理装置である。
【0026】
図4に示すように、ユーザ装置15は、制御部45、通信部46、記憶部47、入力部48、及び出力部49を備えている。制御部45は、通信部46、記憶部47、入力部48、及び出力部49との間で各種のデータを取得又は出力する。記憶部47には、オペレーティングシステム、及びウェブブラウザプログラム等の各プログラムが記憶されている。入力部48は、タッチパネル、操作ボタン、キーボード、マウス、コントローラ等である。出力部49は、ディスプレイ及びスピーカを含む。ディスプレイは、制御部45の出力指示に応じて、各種画像を出力する。本実施形態では、ユーザ装置15は、ECサイトのウェブページを、ウェブブラウザプログラムを用いて表示する。ユーザ装置15は、管理サーバ11との間でWebSocket等のプロトコルを用いた通信を行うようにしてもよい。
【0027】
制御部45は、記憶部47に記憶されたプログラムを実行することにより、データ取得部50と、出力制御部51として機能する。
データ取得部50は、ユーザの操作に基づいて、ECサイトの各画面を表示するためのウェブデータを管理サーバ11から受信する。
【0028】
また、データ取得部50は、ユーザの検索アクションを検出する。検索アクションは、提案ワードが表示された検索窓にカーソルの位置を合わせて検索窓をマウスでクリックする操作である。又は検索アクションは、タッチパネルを用いてその検索窓をタップする操作、又はその他のコントローラでその検索窓を選択する操作等である。検索アクションは、検索窓にカーソルの位置を合わせる操作(マウスオーバー操作)であってもよい。検索アクションは、ユーザの選択位置(カーソル)をその検索窓に合わせる操作であって、その検索窓に文字列を入力する前に行われる操作である。検索アクションは、提案ワードが表示された検索窓を、文字列を入力可能な状態(アクティブな状態)にする操作ともいうことができる。
【0029】
データ取得部50は、ユーザの検索アクションをイベントとして検出する。一例として、データ取得部50は、マウスクリックイベントを検出する。データ取得部50は、このイベントを検出すると、検索アクションに関連付けられた関数を呼び出す。この関数は、検索アクションを検出したことを示すデータを管理サーバ11に送信するための関数等である。データ取得部50は、検索アクションを検出したことを示す検出通知を管理サーバ11に送信する。
【0030】
出力制御部51は、管理サーバ11から取得したウェブデータを出力部49に出力する。また、出力制御部51は、管理サーバ11から音声を受信した場合に音声データを出力部49に出力するようにしてもよい。
【0031】
<各記憶部に記憶されるデータの構成>
次に、図5図7を参照して、ユーザ情報記憶部30、閲覧履歴記憶部31、提案情報記憶部32及び店舗情報記憶部33にそれぞれ記憶されたデータベースについて説明する。
【0032】
図5は、ユーザ情報データベース55の構造の一例を示す。ユーザ情報データベース55は、ユーザ情報記憶部30に記憶される。ユーザ情報データベース55は、ユーザ毎にユーザ情報55Aを有している。ユーザ情報55Aは、ユーザID(identification)、パスワード、設定情報を含む。ユーザIDは、ECサイトを利用するユーザの識別子である。パスワードは、ユーザが設定したパスワードである。設定情報は、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの居住地、関心分野を含む。関心分野は、ユーザの関心がある分野を示す。関心分野は、管理サーバ11がユーザの閲覧履歴に基づいて推定した分野であってもよい。又は、関心分野は、ユーザが自ら設定してもよい。設定情報は、ユーザが属するグループであるセグメントを特定するために用いられる。
【0033】
図6は、閲覧履歴データベース56の構造の一例を示す。閲覧履歴データベース56は閲覧履歴記憶部31に記憶される。閲覧履歴データベース56は、ユーザ毎に登録された1又は複数の閲覧履歴情報56Aを有する。閲覧履歴情報56Aは、ECサイト内においてユーザが閲覧した商品表示画面の履歴を示す。ユーザが複数の商品表示画面を閲覧した場合には、複数の閲覧履歴情報56Aがこのユーザに関連付けられて閲覧履歴記憶部31に記憶される。つまり、管理サーバ11は、ユーザが商品表示画面を閲覧する度に、そのユーザのユーザIDに関連付けて閲覧履歴情報56Aを記録する。
【0034】
閲覧履歴情報56Aは、閲覧日時、URL、店舗名、商品分類、閲覧回数、購入情報を含む。閲覧日時は、商品表示画面を閲覧した日時を示す。URLは、閲覧した商品表示画面のURLである。店舗名は、商品表示画面に掲載された商品を販売する店舗の名称である。閲覧履歴情報56Aは、店舗名に代えて、店舗の識別子又は販売者の識別子を含んでいてもよい。商品分類は、その商品表示画面に掲載された商品が属する分類である。例えば商品分類は「ドライヤー」、「収納用品」である。
【0035】
購入情報は、ユーザが商品表示画面に表示された商品を購入したか否かを識別可能な情報である。購入情報の初期値は購入していないことを示す情報である。管理サーバ11は、当該商品を購入する操作を行ったこと又は管理サーバ11が決済処理を行ったことを契機として、購入情報を購入したことを示す情報に更新する。ユーザが商品表示画面を閲覧した後、当該商品を購入せずに商品表示画面から離脱した場合、購入情報は購入していないことを示す情報に維持される。
【0036】
管理サーバ11は、上述したように、ユーザ毎に、所定期間の閲覧履歴情報56Aを閲覧履歴記憶部31に記憶する。例えば、管理サーバ11は、閲覧日時から経過期間が3カ月を超えた閲覧履歴情報56Aを消去し、3カ月以内の閲覧履歴情報56Aを記憶する。又は、管理サーバ11は、ユーザ毎の閲覧履歴情報56Aが所定数以下となるように記憶してもよい。例えば、管理サーバ11は、「100」等の所定数を上限とする閲覧履歴情報56Aを閲覧履歴記憶部31に記憶してもよい。閲覧履歴情報56Aが所定数を超える場合は、古い閲覧履歴情報56Aを削除してもよい。
【0037】
図7は、提案情報データベース57のデータ構造の一例を示す。提案情報データベース57は、提案情報記憶部32に記憶される。提案情報データベース57は、商品分類毎に提案情報57Aを有している。管理サーバ11は、提案情報データベース57を用いて、ユーザがECサイトで閲覧したものの購入に至らなかった商品がある場合、提案情報57Aに含まれる複数の提案ワードのうち、その商品に対応する提案ワードを特定する。そして管理サーバ11は特定した提案ワードを、ユーザに提案する。なお、ユーザが閲覧したものの購入に至らなかった商品を、以下において未購入商品という。
【0038】
提案情報57Aは、商品分類、提案ワード、提案期間を含む。商品分類は、未購入商品が属する分類を示す。提案ワードは、ユーザに商品の閲覧を勧めるワードであって未購入商品の商品分類と関連付けられている。提案ワードは、ECサイトのトップ画面等に含まれる検索窓に自動的に表示される。なお、提案情報57Aは、商品分類ではなく、商品名を含んでいてもよい。
【0039】
例えば、「液晶テレビ」及び「プラズマテレビ」といった商品分類に、「テレビ」の提案ワードが関連付けられていてもよい。また、「ドライヤー」の閲覧履歴に「ドライヤー」の提案ワードが関連付けられていてもよい。「炭酸水」及び「ミネラルウォーター」の閲覧履歴には「飲料水」の提案ワードが関連付けられていてもよい。提案ワードは、「テレビ」の例のように、対応する商品分類よりも広い範囲の商品を示す言葉でもよい。又は、提案ワードは、「ドライヤー」の例のように商品分類と同じ言葉であってもよい。又は、「ドライヤー」の商品分類に対して、「ヘアドライヤー」のように商品分類よりも狭い範囲の商品を示す提案ワードが関連付けられていてもよい。また、「粉ミルク」の商品分類に対して、「哺乳瓶」、「哺乳瓶の消毒グッズ」等、「ベビー用品」の広い商品分類に含まれ且つその商品分類に関連する提案ワードが関連付けられていてもよい。
【0040】
提案期間は、管理サーバ11が提案ワードをユーザに提案する期間を示す。例えば、ある提案ワードの提案期間が「30日」であれば、ユーザの閲覧日時から30日以内の期間内に限り、その提案ワードをユーザ装置15に送信することが可能である。ユーザが「テレビ」のような比較的高額の商品の購入を検討している場合、購入の決断をするまでの検討時間が長くなる傾向がある。このため、「テレビ」の提案ワードの提案期間は比較的長く設定されている。一方、ユーザが「飲料水」のような比較的低額な商品又は消費サイクルが短い商品の購入を検討している場合、購入の決断をするまでの検討時間が短い傾向がある。この場合には、一人のユーザに、提案ワードの提案を継続しても、提案の効果が無い可能性が高い。このため、「飲料水」の提案期間は比較的短く設定されている。さらに、提案期間を閲覧日時からの経過時間ではなく、暦上の期間で設定してもよい。暦上の期間は、「10月~2月」等である。例えば、一般的に暖房器具は利用される期間が限られる。この場合には、暖房器具の需要が高い期間のみ、暖房器具の提案ワードを提案するように提案期間を設定してもよい。
【0041】
次に図8を参照して、店舗情報データベース58のデータ構造の一例を説明する。店舗情報データベース58は店舗情報記憶部33に記憶される。店舗情報データベース58は、ECサイトの店舗毎に店舗情報58Aを有する。店舗情報58Aは、店舗名、販売ジャンル及び規模を含む。店舗名は、販売者がECサイトに出店した店舗の名称である。閲覧履歴情報56Aは、店舗名に代えて、店舗の識別子又は販売者の識別子を含んでいてもよい。販売ジャンルは、店舗で販売される商品が属する分類である。一つの店舗に、複数の店舗ジャンルが関連付けられていてもよい。例えば「店舗A」の販売ジャンルに、「インテリア」及び「家電」といった2つのグループが関連付けられていてもよい。店舗の規模は、所定期間における店舗の売上額に応じて決定されている。又は店舗の規模は、所定期間内の商品の売り上げ個数に応じて決定されていてもよい。又は、店舗の規模は、その店舗をよく利用する店舗等として登録しているユーザ数、その店舗の商品表示画面へのユーザのアクセス数等に応じて決定されていてもよい。
【0042】
次に図9を参照して、広告情報データベース59について説明する。広告情報データベース59は広告情報記憶部42に記憶されている。広告情報記憶部42は、広告情報データベース59の他に、広告情報を記憶する。広告情報は、広告コンテンツを表示するための画像データ、画像データに関連付けられた商品表示画面のURL等を含む。広告情報データベース59は、広告の依頼毎に広告設定情報59Aを記憶している。広告設定情報59Aは、識別情報、店舗名、提案ワード、競合設定及び掲載期間を含む。識別情報は、ECサイトの画面に表示される広告毎に割り振られる番号である。店舗名は、広告を掲載する店舗の名称である。店舗名に代えて、店舗の識別子又は販売者の識別子を含んでいてもよい。提案ワードは、提案情報57Aの提案ワードに関連付けられている。
【0043】
競合設定は、広告主が設定する情報である。競合設定は、広告を掲載する店舗にとって競合となる店舗に関する情報である。販売ジャンルは、競合店舗が販売する商品の分類である。規模は、競合店舗の規模を示す。競合設定に含まれる販売ジャンル及び規模は、店舗情報58Aに含まれる販売ジャンル及び規模に対応する。掲載期間は、その広告コンテンツをECサイトに掲載する期間を示す。
【0044】
<管理サーバのハードウェア構成>
図10を参照して、管理サーバ11、広告配信サーバ12、広告主装置13及びユーザ装置15のハードウェア構成(物理的構成)について説明する。なお、これらの装置の構成はほぼ共通しているため、管理サーバ11の構成について説明する。
【0045】
管理サーバ11は、演算装置61、メモリ62(記憶媒体)及びストレージ63を備える。演算装置61は、ストレージ63からオペレーティングシステムや、広告管理用のプログラム等の各種プログラムをメモリ62にロードし、メモリ62から取り出した命令を実行する。演算装置61は、1つ又は複数の回路(circuitry)であり、例えばCPU、GPU(Graphic Processing Unit)等である。
【0046】
通信インターフェース(通信I/F)64は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装されている。通信インターフェース64は、広告配信サーバ12及びユーザ装置15に対して、ネットワーク16を介してデータを送受信する。
【0047】
ストレージ63は、1又は複数の補助記憶装置(記憶媒体)である。ストレージ63は、ユーザ情報記憶部30、閲覧履歴記憶部31、提案情報記憶部32及び店舗情報記憶部33に対応する。なお、管理サーバ11は、サービス提供者等が入力操作を行うための入力部、ディスプレイを備えていてもよい。
【0048】
(管理サーバ及びユーザ装置の間のデータの送受信処理)
次に図11及び図12を参照して、管理サーバ11及びユーザ装置15が行う処理について説明する。以下の例では、ユーザ100がユーザ装置15を用いている。
【0049】
ユーザ装置15は、ユーザ100の操作に基づき管理サーバ11に接続する(ステップS1)。ユーザ装置15は、ECサイトにログインする。管理サーバ11の制御部20は、ユーザが入力したユーザID及びパスワードを取得してもよい。又は制御部20は、ユーザ装置15に記憶され閲覧履歴及びログイン情報の少なくとも一つを含むファイルであるCookieを取得してもよい。管理サーバ11の制御部20は、ユーザID及びパスワードをユーザ装置15から取得して、ユーザ認証を行う。
【0050】
制御部20は、ユーザ装置15から要求されたウェブデータをウェブデータ記憶部34から読み出す。そして、制御部20は読み出したウェブデータをユーザ装置15に送信する(ステップS2)。ユーザ装置15は、受信したウェブデータを用いてECサイトの画面を表示する。ユーザ装置15は、例えばECサイトのトップ画面を表示する。ユーザは、トップ画面に含まれる検索窓に検索ワードを入力して商品を検索する。又は、ユーザは、トップ画面に表示された広告コンテンツを選択して、広告コンテンツに対応する商品表示画面をユーザ装置15に表示する。又は、ユーザは、トップ画面に表示されたアイコンを選択して、自身の閲覧履歴リストをユーザ装置15に表示する。そして、複数の閲覧履歴から一つの閲覧履歴を選ぶことにより、商品表示画面をユーザ装置15に表示してもよい。
【0051】
制御部20は、上記したようなユーザの操作に応じて、商品表示画面のウェブデータをユーザ装置15に送信する。また、制御部20は、そのウェブデータに対応する閲覧履歴情報56Aを閲覧履歴記憶部31に登録する(ステップS3)。例えば、ユーザ装置15が、「ドライヤーA」が掲載された商品表示画面101を出力したとする。この場合、制御部20は、ウェブデータのURLに基づいて、店舗名、商品分類を特定する。さらに制御部20は、特定したユーザ100のユーザIDとともに、閲覧日時、ウェブデータのURL、その「ドライヤーA」を販売する店舗名、商品分類を含む閲覧履歴情報56Aを閲覧履歴記憶部31に記憶する。
【0052】
管理サーバ11は、ユーザ100が過去にも同じ商品表示画面101を所定期間内に表示したことがある場合、過去の閲覧履歴に対応する閲覧履歴情報56Aの閲覧回数を、今回の閲覧も含めた回数に変更するようにしてもよい。例えばユーザ100が、「ドライヤーA」の商品表示画面101を最初に閲覧した時から所定期間内において「ドライヤーA」の画面を再度閲覧した場合、閲覧回数は2回になる。
【0053】
ここで、ユーザ100が、商品102の購入操作を行わずに、「ドライヤーA」の商品表示画面101を閉じる操作を行うか、又は商品表示画面101から他の画面に遷移する操作を行ったとする。上述したように閲覧履歴情報56Aの購入情報は、初期値として購入していないことを示す情報が設定されている。よってこの場合、「ドライヤーA」に対応する閲覧履歴情報56Aに含まれる購入情報は、購入していないことを示す情報のままで維持される。
【0054】
閲覧履歴情報56Aの購入情報の初期値が「Null」等の購入状態が特定できない値である場合、ユーザ装置15は、その商品表示画面101から離脱したことを示す通知を管理サーバ11に送信してもよい。この場合、制御部20は、離脱したことを示す通知をユーザ装置15から受信すると、「ドライヤーA」の閲覧履歴情報56Aに離脱を示す情報を登録する。
【0055】
図12を参照して、ユーザ100が、「ドライヤーA」の商品表示画面101から離脱した後、ECサイトを再度訪問した場合について説明する。
ユーザ装置15は、ユーザ100の操作に基づき、管理サーバ11に接続する(ステップS10)。制御部20は、ステップS1と同様にユーザ認証を行うことで、ユーザ100を特定する。
【0056】
制御部20は、ユーザ100を特定すると、ユーザ100の閲覧履歴情報56Aを検索する(ステップS11)。そして、制御部20は、購入情報が未購入を示す閲覧履歴情報56Aのうち、閲覧日時が最近のものを取得する(ステップS12)。例えば、未購入商品の閲覧履歴情報56Aが複数存在する場合、未購入商品である「ドライヤーA」が掲載された商品表示画面101の閲覧履歴情報56Aが最新のものだったとする。この場合、制御部20は、「ドライヤーA」が掲載された商品表示画面101の閲覧履歴情報56Aを取得する。
【0057】
制御部20は、取得した閲覧履歴情報56Aの商品分類を取得する。例えば、制御部20は、「ドライヤーA」の閲覧履歴情報56Aに含まれる商品分類を取得する。このとき取得された商品分類は例えば「ドライヤー」である。さらに、制御部20は、提案情報記憶部32を検索して、その商品分類に対応する提案ワードを取得する。例えば、制御部20は、「ドライヤー」の商品分類に対応する提案ワードである「ドライヤー」を取得する。
【0058】
制御部20は、取得した提案ワードをユーザ装置15に送信する(ステップS13)。このとき、制御部20は、トップ画面103のウェブデータとともに提案ワードを送信してもよいし、トップ画面103のウェブデータと、提案ワードとを異なるタイミングで送信するようにしてもよい。
【0059】
ユーザ装置15は、受信した提案ワードを、トップ画面103の検索窓104内に表示する。言い換えると、ユーザ装置15は、提案ワードを検索窓104に自動的に入力する。提案ワードが「ドライヤー」である場合、検索窓104には「ドライヤーをお探しですか」といった提案ワードを用いたメッセージが表示される。
【0060】
一方、ユーザ100が検索窓104に対して検索アクションを行ったとする。この場合、ユーザ装置15は、検索アクションを検出したことを通知する検出通知を管理サーバ11に送信する(ステップS14)。
【0061】
制御部20は、ユーザ装置15から検出通知を受信すると、広告取得要求を広告配信サーバ12に送信する(ステップS15)。このとき、制御部20は、ステップS12で取得した閲覧履歴情報56Aに含まれる店舗名を取得する。さらに、制御部20は、店舗情報記憶部33を用いて、取得した店舗名に対応する販売ジャンル及び規模を取得する。例えば、制御部20は、「ドライヤーA」を販売する「店舗A」は、販売ジャンルが「家電製品」であり、店舗の規模は「500万円以下」である。
【0062】
そして制御部20は、広告取得要求とともに、提案ワード、取得した販売ジャンル及び店舗の規模を広告条件として広告配信サーバ12に送信する。なお、以下において、管理サーバ11が指定した店舗の販売ジャンルについての条件を第1の広告条件、管理サーバ11が指定した店舗の規模についての条件を第2の広告条件という。
【0063】
広告配信サーバ12は、広告取得要求と、提案ワード及び各広告条件を受信する。そして、広告配信サーバ12は、提案ワード及び各広告条件に基づいて広告情報記憶部42の広告情報データベース59を検索する。例えば広告配信サーバ12は、「ドライヤー」の提案ワードを含み、且つ「家電製品」の販売ジャンル及び「500万円以下」の規模を競合設定として含む広告情報を検索する。なお、広告配信サーバ12は、広告設定情報59Aの店舗名に基づいて、検索対象から「店舗A」の広告設定情報59Aを除外する。これにより、広告配信サーバ12は「店舗A」以外の店舗の広告設定情報59Aを検出することができる。
【0064】
広告配信サーバ12は、提案ワードに対応し且つ各広告条件を満たす広告設定情報59Aを検出すると、その広告設定情報59Aに対応する広告情報を管理サーバ11に送信する(ステップS16)。
【0065】
制御部20は広告配信サーバ12から広告情報を受信する。例えば、制御部20は、「店舗A」が販売する「ドライヤー」の提案ワードに対応し且つ各広告条件を満たす広告情報として、「店舗B」が販売する「ドライヤーB」の広告情報を取得する。この広告情報は、広告コンテンツ120の画像データを含む。つまり、管理サーバ11は、「店舗A」と競合する「店舗B」の広告情報を取得する。
【0066】
なお、広告配信サーバ12は、各広告条件を満たす広告情報を検出できない場合、第1の広告条件及び第2の広告条件のうちいずれか一方を満たす広告情報を管理サーバ11に送信してもよい。また、広告配信サーバ12は第1の広告条件又は第2の広告条件を満たす広告情報を検出できない場合、予め決められた広告情報を管理サーバ11に送信してもよい。
【0067】
制御部20は、取得した広告情報をユーザ装置15に送信する(ステップS17)。ユーザ装置15は、広告情報を用いて広告コンテンツ120を表示する。広告コンテンツ120は、ユーザが検索窓104に検索ワードを入力する場合、入力している間に表示され続ける。
【0068】
このようにユーザの検索アクションを契機とすることによって、商品の購入を検討している可能性が高いタイミングでユーザに広告コンテンツを表示することができる。このため、ユーザが関心を有すると推定される広告を適切なタイミングで表示することが可能である。また、従来のユーザによる検索行為に応じて広告コンテンツが表示される場合においてはユーザが検索ワードを入力する時間は、広告を表示する機会とみなされていなかった。本実施形態においては、検索ワードを入力する時間を、行動ターゲティングを利用した広告を表示するタイミングとして有効に利用することができる。このためECサイトの限られた画面において広告を表示する機会を増やすことができる。
【0069】
また、管理サーバ11は、検出通知をユーザ装置15から受信する前に、少なくともユーザ100の閲覧履歴情報56Aの取得処理を及び提案ワードの取得処理を実行する。このため、広告情報の取得を効率よく行うことができる。
【0070】
<管理サーバの処理手順>
次に図13を参照して、管理サーバ11が広告情報をユーザ装置15に送信する処理手順について詳細に説明する。管理サーバ11の制御部20は、ECサイトにアクセスしたユーザを特定する(ステップS20)。制御部20は、特定したユーザに関連付けられ且つ未購入商品の閲覧履歴情報56Aを取得する(ステップS21)。
【0071】
そして、制御部20は、取得した閲覧履歴情報56Aと提案情報データベース57とを用いて提案ワードを特定する(ステップS22)。具体的には、制御部20は、閲覧履歴情報56Aに含まれる商品分類及び閲覧日時に応じた提案情報57Aを検索する。制御部20は、取得した閲覧履歴情報56Aが有する商品分類と同じ商品分類又は関連する商品分類を有し、且つ閲覧日時からの経過時間が提案期間内である提案情報57Aを検出する。制御部20は該当する提案情報57Aを検出すると、その提案情報57Aに含まれる提案ワードを取得する。
【0072】
制御部20は、提案ワードを取得すると、その提案ワードをユーザ装置15に送信する(ステップS23)。
そして、制御部20は検索アクションの検出通知をユーザ装置15から受信する(ステップS24)。なお、制御部20は、検出通知を受信しない場合には、以下のステップS25~ステップS28を行わない。
【0073】
さらに制御部20は、各広告条件を特定する(ステップS25)。上述したように第1の広告条件は、広告設定情報59Aの競合設定の販売ジャンルが、取得した閲覧履歴情報56Aに対応する店舗の販売ジャンルを含むことである。第2の広告条件は、広告設定情報59Aの競合設定の店舗の規模が、取得した閲覧履歴情報56Aに対応する店舗の規模に対応することである。例えば、ユーザ100が閲覧した未購入商品である「ドライヤーA」を販売する「店舗A」は、販売ジャンルが「家電製品」であり、規模が「500万円以下」だとする。この場合、第1の広告条件は、広告設定情報59Aの競合設定の販売ジャンルが「ドライヤー」を含むことである。第2の広告条件は、広告設定情報59Aの競合設定の規模が、「500万円以下」であることである。
【0074】
制御部20は、広告取得要求を提案ワード及び各広告条件とともに広告配信サーバ12に送信する(ステップS26)。そして、制御部20は、提案ワードに対応し且つ各広告条件を満たす広告情報を広告配信サーバ12から受信する(ステップS27)。さらに制御部20は、受信した広告情報をユーザ装置15に送信する(ステップS28)。
【0075】
<ユーザ装置の処理手順>
次に図14を参照して、ユーザ装置15が管理サーバ11から受信した広告を表示する手順について説明する。
【0076】
まずユーザ装置15の制御部45は、ECサイトにログインする(ステップS30)。また、制御部45は、ECサイトのウェブデータと、提案ワードとを管理サーバ11から受信する(ステップS31)。制御部45は、ウェブデータを用いてトップ画面103を出力部49であるディスプレイに表示する。また、制御部45は、その提案ワードをトップ画面103に含まれる検索窓104に表示する(ステップS32)。
【0077】
制御部45は、ユーザの検索アクションを検出したか否かを判定する(ステップS33)。制御部45が検索アクションを検出した場合(ステップS33:YES)、検出通知を管理サーバ11に送信する(ステップS34)。また、制御部45は、その検出通知に対して管理サーバ11が送信した広告情報を受信する(ステップS35)。そして、制御部45は、受信した広告情報に応じた広告を画面に表示する(ステップS36)。
【0078】
<ユーザ装置15に表示される各画面>
次に図15図17を参照して、ユーザ装置15に表示される各画面について説明する。
【0079】
図15は、商品表示画面101を示す。商品表示画面101は、商品102の画像を含む。また、商品表示画面101は、商品についての説明及び店舗名等のテキストを含む。また、商品表示画面101は、追加ボタン110及び購入ボタン111を含む。追加ボタン110は、商品表示画面101に表示された商品102を、買い物かごに追加する操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)である。ユーザが追加ボタン110を選択すると、商品102の情報が購入保留リストに追加される。また、ユーザは、購入保留リストを表示する画面において商品102の購入手続きを行うことが可能である。また、購入ボタン111は、商品102の購入手続きを開始するためのGUIである。制御部45は、ユーザによって購入ボタン111が操作されると、購入手続画面のウェブデータの取得要求を管理サーバ11に送信する。
【0080】
図16は、ECサイトのトップ画面103の一例である。図16に示すトップ画面103は、ユーザ100が検索アクションを行う前に表示されるトップ画面103である。トップ画面103は、検索窓104と、検索窓104の隣に位置する検索ボタン105とを含む。
【0081】
ユーザ装置15が提案ワードを管理サーバ11から受信している場合、検索窓104には提案ワード112又は提案ワード112を含むメッセージが表示される。図16では「ドライヤーをお探しですか」といったメッセージが検索窓104に表示されている。
【0082】
また、このトップ画面103は、ブックマークボタン113、閲覧履歴ボタン114、購入履歴ボタン115、クーポンボタン116を含む。ユーザがブックマークボタン113を選択すると、ユーザ装置15は、ユーザが登録した商品の一覧を表示する。ユーザが閲覧履歴ボタン114を選択すると、ユーザ装置15は、管理サーバ11から取得した閲覧履歴情報56Aの一部を表示する。購入履歴ボタン115を選択すると、ユーザ装置15はユーザの商品の購入履歴を表示する。ユーザが、これらのボタン113~116のいずれかを選択した場合は、ユーザ装置15は検索アクションの検出通知を管理サーバ11に送信しない。
【0083】
トップ画面103は、買い物かごのアイコン119を含む。このアイコン119を選択すると、購入保留リストを表示することができる。
トップ画面103は、広告コンテンツ117,118を含む。図16に示すトップ画面103が含む広告コンテンツ117,118は、ユーザ装置15が検索アクションを検出する前に表示される広告である。つまり広告コンテンツ117,118は、提案ワードに関連付けられた広告以外のものである。
【0084】
図17は、ユーザ装置15がユーザの検索アクションを検出した後のトップ画面103の一例である。トップ画面103は、広告コンテンツ120を含む。この広告コンテンツ120は、提案ワード112に対応し且つ各広告条件を満たす広告情報に基づくものである。広告コンテンツ120に表示された商品121を販売する店舗は、未購入商品である商品102を販売する店舗とは異なる。
【0085】
広告コンテンツ120は、検索窓104の直下に位置する広告スペースに表示されている。図17の例では、最初に表示されていた広告コンテンツ117,118は消去されている。若しくは広告コンテンツ117,118は、提案ワードに対応する広告コンテンツ120の下に表示されている。
【0086】
広告コンテンツ120には、商品121の商品表示画面101のリンクが関連付けられている。ユーザが広告コンテンツ120を選択する操作を行うと、ユーザ装置15は広告コンテンツ120に関連付けられた商品表示画面101を出力部49に出力する。
【0087】
また、広告コンテンツ120の下には、他の検索ワードの候補である検索候補123が表示されている。ユーザが検索候補123の一つを選択する操作を行うと、ユーザ装置15は選択された検索候補を用いた商品の検索要求を管理サーバ11に送信する。
【0088】
また、検索窓104の近傍には、キャンセル選択部122が表示されていてもよい。ユーザがこのキャンセル選択部122を選択すると提案ワードを消去することが可能である。
【0089】
<広告主装置13に表示される各画面>
次に図18及び図19を参照して、広告主装置13に表示される画面について説明する。広告主は、広告主装置13を用いて広告設定情報59Aを設定する。
【0090】
図18は、セグメント設定画面130である。セグメント設定画面130は、販売者である広告主が視認することができる。セグメント設定画面130は、広告のターゲットとなるセグメントを設定することができる。また、セグメント設定画面130では、セグメントをユーザの閲覧履歴によって設定することができる。
【0091】
セグメント設定画面130は、第1ジャンル表示部131及び第2ジャンル表示部132を含む。第1ジャンル表示部131及び第2ジャンル表示部132は、販売ジャンルと、販売ジャンルを選択するためのチェックボックス133を含む。第2ジャンル表示部132に表示された販売ジャンルは、第1ジャンル表示部131に表示された販売ジャンルよりも細かい分類である。広告主がセグメント設定画面130で販売ジャンルを決定すると、広告主装置13は選択された販売ジャンルを広告の識別情報とともに管理サーバ11に送信する。管理サーバ11はその販売ジャンルを広告配信サーバ12に送信する。広告配信サーバ12は、その販売ジャンル及び広告の識別情報を受信する。そして、受信した販売ジャンルを、広告の識別情報を含む広告設定情報59Aの競合設定に登録する。なお、広告主装置13は、管理サーバ11を介さず、販売ジャンルを広告配信サーバ12に直接的に送信するようにしてもよい。
【0092】
図19は、競合設定画面140である。競合設定画面140は販売者である広告主が視認することができる。競合設定画面140は、ジャンル選択部141、規模選択部142を含む。図19の例では、ジャンル選択部141及び規模選択部142は、プルダウンメニューによってジャンルと規模とをそれぞれ選択可能に表示する。広告主は、ジャンル選択部141で、自身の店舗と競合する店舗の販売ジャンルを選択する。また、広告主は、規模選択部142で競合店舗の規模を選択する。広告主装置13は、競合店舗の販売ジャンル及び競合店舗の規模を受け付けると、管理サーバ11を介して広告配信サーバ12にそれらの情報を広告の識別情報とともに送信する。広告配信サーバ12は、その販売ジャンル及び広告の識別情報を受信すると、その広告の識別情報を含む広告設定情報59Aの競合設定に登録する。
【0093】
上記実施形態の効果について説明する。
(1)管理サーバ11は、ユーザの閲覧履歴情報56Aに応じた提案ワード112をユーザ装置15に送信する。ユーザ装置15は、画面に含まれる検索窓104に提案ワード112を表示する。また、管理サーバ11は、ユーザの検索アクションを検出したことを示す検出通知をユーザ装置15から受信した場合、提案ワード112に対応する広告情報をユーザ装置15に送信する。このため、ユーザが検索ワードを入力する時間を、閲覧履歴に応じた広告を表示するタイミングとして有効に利用することができる。したがって、場面又は時間的要素を考慮した多角的な広告を表示することができる。ひいては、広告枠の数を増やすことができる。換言すれば、ユーザへの働きかけが十分ではなかった当該時間に相当する広告枠を当該ユーザを狙った広告枠として捻出することができる。
【0094】
(2)管理サーバ11は、未購入商品の閲覧履歴情報56Aに基づいて提案ワード112を取得する。このため、広告主は、商品の購入を検討しているユーザに訴求する広告を表示することができる。また、提案ワード112の取得に、ユーザの検索履歴ではなく閲覧履歴情報56Aを用いるため、検索を行わずに商品表示画面101を閲覧したユーザに対しても、そのユーザの行動に基づいたターゲティング広告を配信することができる。
【0095】
(3)管理サーバ11は、未購入商品を販売する店舗を特定する。また、管理サーバ11は、特定した店舗とは異なる店舗が関連付けられた広告情報を取得する。このため、ユーザが購入を検討している又は購入を検討していた商品分類と同じ商品分類に属し、異なる店舗が販売する商品を提案することができる。よってユーザが購入を検討する商品の範囲を広げることができる。
【0096】
(4)管理サーバ11は、検索アクションの検出通知を受信する。このため、管理サーバ11は、ユーザが検索窓104に検索ワードを入力する直前のタイミングを検出することができる。よって、例えばユーザが検索ワードを検索窓104に入力している間に、ユーザの関心があると推定される広告を表示することが可能である。
【0097】
(5)管理サーバ11は、提案ワード112として、ユーザが閲覧した未購入商品が属する商品分類に関する提案ワード112を取得する。これによれば、ユーザの関心のある商品分類に属する商品の広告をユーザに提示することができる。
【0098】
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
<履歴取得処理>
・上記実施形態では、管理サーバ11は、特定したユーザに対応する閲覧履歴情報56Aを閲覧履歴記憶部31から取得するようにした。これに代えて若しくは加えて、管理サーバ11は、ユーザ装置15から取得したCookieをECサイトの閲覧履歴情報として取得してもよい。このCookieは、ECサイトが発行したものである。ユーザ装置15はECサイトを閲覧したときにCookieを記憶する。このCookieは、閲覧履歴情報56Aとほぼ同じ情報を有する。これによれば、管理サーバ11が閲覧履歴情報56Aを検索する処理を省略することができる。
【0099】
・上記実施形態では、管理サーバ11は、未購入商品の閲覧履歴情報56Aのうち、最近の閲覧履歴情報56Aを取得した。これに代えて若しくは加えて、閲覧回数が多い閲覧履歴情報56Aを取得するようにしてもよい。閲覧回数は、閲覧履歴情報56Aに含まれる。例えば、「ドライヤー」に分類される商品の閲覧回数が「1回」であり、「収納用品」に分類される商品の閲覧回数が「2回」である場合、「収納用品」に分類される商品の閲覧履歴情報56Aを取得するようにしてもよい。
【0100】
・管理サーバ11は、ECサイトの買い物かごに追加された商品の情報を閲覧履歴情報56Aとして取得するとともに、この閲覧履歴情報56Aに対応する提案ワードを取得するようにしてもよい。買い物かごに追加された商品は、購入保留リストに追加される。購入保留リストに含まれる商品は、ユーザが購入を検討中である商品であると推定されるため、ユーザは提案ワードに関心をもつ可能性が高い。また、買い物かごに追加され且つ所定期間内に限り割引又は特典が付与された未購入商品のうち、その期間が経過した商品については、提案ワードを取得する対象としなくてもよい。その理由は、ユーザは、割引のある商品又は特典が付与される商品が提供されるキャンペーン期間中は商品の購買意欲を有するが、キャンペーン期間を経過すると商品の購買意欲が低下することが多いためである。このようにすると、商品の購入意欲が高いタイミングで商品に関連する広告を表示することができる。
【0101】
・上記実施形態では、管理サーバ11は、未購入商品の閲覧履歴情報56Aに対応する提案ワードをユーザ装置15に表示させた。未購入商品は、ユーザがECサイトの買い物かごに入れることで保存した商品のリストに追加されたものであってもよい。管理サーバ11は、買い物かごに追加された未購入商品に対応する提案ワードをユーザ装置15に表示させてもよい。
【0102】
<提案処理>
・上記実施形態では、管理サーバ11は、閲覧履歴情報56Aに含まれる商品分類と同じ商品分類を含む提案情報57Aを検索した。また、管理サーバ11は、その提案情報57Aに含まれる提案ワードを、検索窓104に表示する提案ワードとした。これに加えて、提案ワードを特定する際にユーザ情報55Aに含まれる設定情報を用いてもよい。例えば、管理サーバ11は、商品分類に関連付けられた提案ワードと、設定情報に含まれる年齢、性別又は居住地のセグメントが最も関心があると推定される提案ワードとを組み合わせたメッセージをユーザ装置15に送信するようにしてもよい。例えば、閲覧履歴情報56Aに含まれる商品分類が「スマートフォン」であり、設定情報に含まれる年齢が20代であれば、「スマートフォン」にその年齢層における人気が高い機種やメーカーの提案ワードを組み合わせたメッセージとしてもよい。例えば、このメッセージは「A社のスマートフォンをお探しですか」等である。
【0103】
・上記実施形態では、管理サーバ11は未購入商品の閲覧履歴情報56Aに対応する提案ワードをユーザ装置15に表示させた。これに代えて、管理サーバ11は、ユーザが既に購入した商品の閲覧履歴情報56Aに対応する提案ワードをユーザ装置15に表示させるようにしてもよい。例えば、ユーザが消耗品である商品を購入した場合、管理サーバ11は、購入時から所定期間経過したときに、その商品に対応する提案ワードをユーザ装置15に表示させる。所定期間は、その商品の消耗が予測される期間である。
【0104】
・上記実施形態では、広告設定情報59Aは、競合設定として、販売ジャンル及び規模を有するようにした。この競合設定は、店舗情報データベース58が有していてもよい。また、競合設定は、販売ジャンル及び規模に限定されない。例えば、広告設定情報59Aは競合設定として規模を含まなくてもよい。又は、広告設定情報59Aは競合設定として店舗名を有していてもよい。
【0105】
<アクション検出処理>
・上記実施形態では、検索窓104に対するユーザの操作を検索アクションとしたが、検索に関するユーザのアクションであればよい。これに代えて若しくは加えて検索ボタン105に対するユーザの操作を検索アクションとしてもよい。提案ワードが検索窓104に表示されている状態で、ユーザが検索ボタン105を選択操作すると、ユーザ装置15はその選択操作を受け付けて提案ワードを用いた商品の検索要求を管理サーバ11に送信する。また、管理サーバ11は提案ワードに応じた広告情報を広告配信サーバ12から取得する。
【0106】
或いは、閲覧履歴ボタン114の選択操作を検索アクションとしてもよい。ユーザが閲覧履歴ボタン114を選択するとき、過去に閲覧した商品を購入する可能性があるためである。ユーザ装置15は、閲覧履歴ボタン114の選択操作を受け付けると、検出通知を管理サーバ11に送信する。
【0107】
・上記実施形態では、ユーザが、提案ワードが表示された検索窓104をクリックしたりタップしたりした場合、ユーザ装置15は検索アクションを検出する。これに代えて若しくは加えて、ユーザが音声認識により商品の検索を行う際、ユーザが所定の語句を発言した場合に、ユーザ装置15は検索アクションを検出したと判定するようにしてもよい。要は、検索アクションは、商品の検索に関するアクションであればよい。
【0108】
<広告提供処理>
・上記実施形態では、管理サーバ11は、広告取得要求とともに、提案ワード、取得した販売ジャンル及び店舗の規模を広告条件として広告配信サーバ12に送信するようにした。また、広告配信サーバ12は、提案ワード及び各広告条件に基づいて広告設定情報59Aを検索するようにした。これに代えて若しくは加えて、管理サーバ11は、提案ワードを広告配信サーバ12に送信するとともに、提案ワードに基づいて広告設定情報59Aを検索するように要求してもよい。つまり、広告配信サーバ12は、競合設定を考慮せずに、提案ワードに基づいて広告設定情報59Aを検索する。このようにすると、競合設定に影響されずに広告設定情報59Aを検出することが可能である。
【0109】
・上記実施形態では、管理サーバ11は、取得した閲覧履歴情報56Aに含まれる店舗名の店舗とは異なる店舗の広告情報をユーザ装置15に送信した。これに代えて若しくは加えて、取得した閲覧履歴情報56Aに含まれる店舗名の店舗と同じ店舗の広告情報をユーザ装置15に送信してもよい。これによれば、ユーザに未購入商品の再検討を促すことができる。また、広告情報データベース59に、競合設定を含む広告設定情報59A及び競合設定を含まない広告設定情報59Aを含む場合、広告配信サーバ12は、競合設定を含む広告設定情報59Aを優先して検出するようにしてもよい。
【0110】
<提案ワードの表示態様>
・提案ワードは、その提案ワードが対応する閲覧履歴情報56Aに含まれる閲覧日時から所定の期間が経過した後に、検索窓104に表示されるようにしてもよい。例えば、管理サーバ11は、ユーザが「ドライヤーA」を閲覧した日時から24時間以上経過した場合に、提案ワードをユーザ装置15に送信するようにしてもよい。
【0111】
・上記実施形態では、トップ画面103に検索窓104が表示される例について説明したが、検索窓104はトップ画面103以外に表示されてもよい。検索窓104は商品表示画面101のうち、上端部又は側端部等のような商品102の表示の邪魔にならないような位置に表示されてもよい。また、検索窓104は、ブックマークボタン113を選択した場合に表示される画面、閲覧履歴ボタン114を選択した場合に表示される閲覧履歴画面、購入履歴ボタン115を選択した場合に表示される画面等に表示してもよい。
【0112】
<ユーザ装置の変形例>
・上記各実施形態では、ユーザ装置15は、ウェブブラウザを用いてECサイトの各画面を出力するようにした。これに代えて、ユーザ装置15は、ECサイト専用のプログラムを記憶部22に格納するようにしてもよい。ECサイト専用プログラムは、いわゆるネイティブアプリケーションプログラムである。この態様において、ユーザ装置15は、閲覧履歴情報を記憶部47に記憶していてもよい。また、ユーザ装置15は、提案情報を記憶部47に記憶していてもよい。この態様において、ユーザ装置15は、ECサイト専用プログラムを実行することにより、検索アクションを検出する。また、ユーザ装置15は、閲覧履歴情報及び提案情報を用いて提案ワードを特定する。そして、ユーザ装置15は、特定した提案ワードを、画面に含まれる検索窓104に表示する。
【0113】
又は、ユーザ装置15は、ネイティブ部による処理とウェブアプリケーション部による処理とを実行可能なハイブリッドアプリケーションであってもよい。この場合、ユーザ装置15は、履歴取得部25、提案部26、アクション検出部28及び広告提供部29の少なくとも一つとして機能する。
【0114】
<情報処理システム>
・上記実施形態では、管理サーバ11は、複数の店舗が商品を販売するモール型のECサイトを管理するサーバとしたが、これ以外のウェブサイトを管理するサーバであってもよい。例えば、管理サーバ11は、一つの店舗が商品を販売するECサイトであってもよい。この場合、広告主装置13による他店舗の競合設定を省略する。また、広告主装置13を省略してもよい。
【0115】
例えば、管理サーバ11は、ネットオークションを管理するサーバであってもよい。ネットオークションでは、出品者が商品を出品するとともに、購入希望者が希望の金額を提示して入札する。出品者は、最も高い金額を提示した購入希望者を指定する。この態様において、管理サーバ11は、購入希望者の商品閲覧履歴情報を記録する。また、管理サーバ11は、ネットオークションのトップ画面等に表示された検索窓104をクリックした場合又はタップした場合等に、商品閲覧履歴情報に応じた商品の広告を当該トップ画面に表示する。或いは管理サーバ11は、コンテンツを配信するサーバであってもよい。コンテンツは、例えば動画又は音楽等である。コンテンツは視聴に対価が必要なものであってもよく、無料で視聴可能なものであってもよい。この態様において、管理サーバ11は、視聴ユーザのコンテンツの閲覧履歴である商品閲覧履歴情報を記録し、コンテンツ配信サービスのトップ画面等に表示された検索窓104をクリックした場合又はタップした場合に、商品閲覧履歴情報に応じた商品の広告を当該トップ画面に表示する。
【0116】
・上記実施形態では、管理サーバ11は、ユーザ情報記憶部30、閲覧履歴記憶部31、提案情報記憶部32、店舗情報記憶部33、及びウェブデータ記憶部34を備える。この態様に代えて、これらの記憶部30~34の少なくとも一つは、外部サーバに備えられていてもよい。
【0117】
・管理サーバ11は、広告配信サーバ12の機能を有していてもよい。つまり、管理サーバ11は、広告情報記憶部42を備えていてもよい。
・上記実施形態及び他の実施形態の態様に限られず、履歴取得部25、提案部26、アクション検出部28及び広告提供部29の少なくとも一つは、ユーザ装置15及び広告配信サーバ12のいずれかが具備するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10…広告提供システム、11…管理サーバ、12…広告配信サーバ、15…ユーザ装置。
図1
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図19
【手続補正書】
【提出日】2023-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得部と、
前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザが用いるユーザ装置に送信し、前記ユーザによって検索ワードの少なくとも一部が検索窓に入力される前に、前記検索窓に前記提案ワードが表示された画面を前記ユーザ装置に出力させる提案部と、
前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出部と、
前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供部と、を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記閲覧履歴情報は、前記ユーザが前記商品表示画面に表示された前記商品を購入したか否かを識別可能な情報を含み、
前記履歴取得部は、前記ユーザが過去に閲覧した前記商品のうち、購入に至らなかった商品である未購入商品の前記閲覧履歴情報を取得し、
前記提案部は、前記未購入商品の前記閲覧履歴情報に基づいて、当該未購入商品に関連付けられた前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記広告提供部は、前記未購入商品を販売する販売者を特定し、前記広告情報のうち、特定した前記販売者とは異なる販売者が関連付けられた前記広告情報を取得する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記アクション検出部は、前記ユーザ装置が前記提案ワードが表示された前記検索窓に対する操作が行われたことを検出した前記検出通知を取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記提案部は、取得した前記閲覧履歴情報に含まれる前記商品の分類を示す情報に基づいて、当該商品が属する商品分類に関連付けられた前記提案ワードを取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記広告提供部は、前記検出通知を受信した場合に、前記提案ワードを広告配信サーバに送信し、
前記広告配信サーバで前記提案ワードに基づく検索が行われた結果としての前記広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
ユーザが用いるユーザ装置に接続可能な1又は複数のコンピュータが、
履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得処理と、
前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信し、前記ユーザによって検索ワードの少なくとも一部が検索窓に入力される前に、前記検索窓に前記提案ワードが表示された画面を前記ユーザ装置に出力させる提案処理と、
前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出処理と、
前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供処理と、を実行する情報処理方法。
【請求項8】
ユーザが用いるユーザ装置に接続可能な1又は複数のコンピュータに、
履歴取得対象となるユーザを特定し、特定した前記ユーザについて、商品が表示された商品表示画面の閲覧履歴を含む閲覧履歴情報を取得する履歴取得処理と、
前記閲覧履歴情報に応じた提案ワードを取得し、取得した前記提案ワードを前記ユーザ装置に送信し、前記ユーザによって検索ワードの少なくとも一部が検索窓に入力される前に、前記検索窓に前記提案ワードが表示された画面を前記ユーザ装置に出力させる提案処理と、
前記提案ワードが表示された前記画面において前記ユーザが前記検索窓に対するアクションを行ったことを前記ユーザ装置が検出した場合に、当該アクションを検出したことを示す検出通知を前記ユーザ装置から取得するアクション検出処理と、
前記検出通知を取得した場合に、前記提案ワードに対応する広告を前記画面に表示するための広告情報を取得し、前記広告情報を前記ユーザ装置に送信する広告提供処理と、を実行させるプログラム。