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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134104
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240926BHJP
   G11C 5/04 20060101ALI20240926BHJP
   G11C 11/404 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H10B12/00 671A
G11C5/04 220
G11C11/404
H10B12/00 621C
H10B12/00 621B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044215
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】角 礼子
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 貴士
(72)【発明者】
【氏名】稲場 恒夫
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 隆行
【テーマコード(参考)】
5F083
5M024
【Fターム(参考)】
5F083AD03
5F083AD06
5F083AD21
5F083AD56
5F083AD57
5F083GA06
5F083GA27
5F083JA60
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5M024BB02
5M024BB13
5M024CC54
5M024LL11
5M024PP05
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上する。
【解決手段】実施形態によれば、メモリデバイスは、第1乃至第4サブアレイ111を含むメモリセルアレイ110と、第1サブアレイ及び第2サブアレイに接続された第1ビット線BL0と、第1ビット線と第1方向に並んで配置され、第3サブアレイ及び第4サブアレイに接続された第2ビット線 ̄BL0と、第2方向において、第1ビット線と異なる位置に配置され、少なくとも第2サブアレイ及び第3サブアレイに接続された第3ビット線BL2と、第3ビット線と第1方向に並んで配置され、第4サブアレイに接続された第4ビット線 ̄BL2と、第1ビット線及び第2ビット線に電気的に接続される第1回路SA0と、第3ビット線及び第4ビット線に電気的に接続される第2回路SA2とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1メモリセルを含む第1サブアレイ、複数の第2メモリセルを含む第2サブアレイ、複数の第3メモリセルを含む第3サブアレイ、及び複数の第4メモリセルを含む第4サブアレイを含むメモリセルアレイと、
前記第1サブアレイ及び前記第2サブアレイに接続され、第1方向に延伸する第1ビット線と、
前記第1ビット線と第1方向に並んで配置され、前記第3サブアレイ及び前記第4サブアレイに接続された第2ビット線と、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1ビット線と異なる位置に配置され、少なくとも前記第2サブアレイ及び前記第3サブアレイに接続された第3ビット線と、
前記第3ビット線と前記第1方向に並んで配置され、前記第4サブアレイに接続された第4ビット線と、
前記第1ビット線及び前記第2ビット線に電気的に接続される第1回路と、
前記第3ビット線及び前記第4ビット線に電気的に接続される第2回路と
を備えるメモリデバイス。
【請求項2】
前記第1回路は、前記第1方向において、前記第2サブアレイと前記第3サブアレイとの間に配置され、
前記第2回路は、前記第1方向において、前記第3サブアレイと前記第4サブアレイとの間に配置される、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記メモリセルアレイを含む第1チップと、
前記第1チップと貼り合わされ、前記第1回路及び前記第2回路を含む第2チップと
を更に備え、
前記第1ビット線は、前記第1チップと前記第2チップとの貼合面に設けられた第1パッドを介して前記第1回路に電気的に接続され、
前記第2ビット線は、前記貼合面に設けられた第2パッドを介して前記第1回路に電気的に接続され、
前記第1パッドと前記第1回路とを接続する第1電流経路の長さは、前記第2パッドと前記第1回路とを接続する第2電流経路の長さと等しい、
請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第2サブアレイと、前記第1回路と、前記第3サブアレイと、前記第2回路と、前記第4サブアレイとは、基板上に前記第1方向に並んで配置され、
前記第1ビット線と前記第1回路とを接続する第3電流経路の長さは、前記第2ビット線と前記第1回路とを接続する第4電流経路の長さと等しい、
請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1回路及び前記第2回路は、基板上に設けられ、
前記第1サブアレイ、前記第2サブアレイ、前記第3サブアレイ、及び前記第4サブアレイは、前記第1方向及び前記第2方向と交差し前記基板に垂直な第3方向において、前記第1回路及び前記第2回路の上方に設けられ
前記第1ビット線と前記第1回路とを接続する第5電流経路の長さは、前記第2ビット線と前記第1回路とを接続する第6電流経路の長さと等しい、
請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記第1サブアレイ及び前記第2サブアレイに接続され、前記第2方向において、前記第1ビット線と異なる位置に配置された第5ビット線と、
前記第5ビット線と前記第1方向に並んで配置され、前記第3サブアレイ及び前記第4サブアレイに接続された第6ビット線と、
前記第1方向において、前記第2サブアレイと前記第3サブアレイとの間に配置され、前記第5ビット線及び前記第6ビット線に電気的に接続される第3回路と、
を更に備え、
前記第5ビット線は、前記第2方向に延伸する第1配線と、前記貼合面に設けられ、前記第2方向において前記第5ビット線と異なる位置に配置された第3パッドとを介して前記第3回路に電気的に接続され、
前記第6ビット線は、前記第2方向に延伸する第2配線と、前記貼合面に設けられ、前記第2方向において前記第6ビット線と異なる位置に配置された第4パッドとを介して前記第3回路に電気的に接続される、
請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記第3ビット線は、前記貼合面に設けられた第3パッドを介して前記第2回路に電気的に接続され、
前記第4ビット線は、前記貼合面に設けられた第4パッドを介して前記第2回路に電気的に接続され、
前記第1パッドと、前記第2パッドと、前記第1回路と、前記第2回路と、前記第3パッドと、前記第4パッドとは、前記第1方向に並んで配置される、
請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
複数の第1メモリセルを含む第1サブアレイ及び複数の第2メモリセルを含む第2サブアレイを含むメモリセルアレイと、
前記第1サブアレイに接続され、第1方向に延伸する第1ビット線と、
前記第1ビット線と第1方向に並んで配置され、前記第2サブアレイに接続された第2ビット線と、
を含む第1チップと、
前記第1ビット線及び前記第2ビット線が電気的に接続される第1回路を含む第2チップと
を備え、
前記第1ビット線は、前記第1チップと前記第2チップとの貼合面に設けられた第1パッドを介して前記第1回路に電気的に接続され、
前記第2ビット線は、前記貼合面に設けられた第2パッドを介して前記第1回路に電気的に接続され、
前記第1回路は、前記第1方向において、前記第1パッドと前記第2パッドとの間に配置される、
メモリデバイス。
【請求項9】
前記第1パッドと前記第1回路とを接続する第1電流経路の長さは、前記第2パッドと前記第1回路とを接続する第2電流経路の長さと等しい、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記第1パッド、前記第1回路、及び前記第2パッドは、前記第1サブアレイの上方において、前記第1方向に並んで配置される、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記第1チップは、
前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1ビット線と並んで配置された第3ビット線と、
前記第2方向において、前記第2ビット線と並んで配置された第4ビット線と、
前記第3ビット線及び前記第4ビット線が電気的に接続される第2回路と
を更に含み、
前記第3ビット線は、前記貼合面に設けられた第3パッドを介して前記第2回路に電気的に接続され、
前記第4ビット線は、前記貼合面に設けられた第4パッドを介して前記第2回路に電気的に接続され、
前記第3パッド、前記第2回路、及び前記第4パッドは、前記第2サブアレイの上方において、前記第1方向に並んで配置される、
請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記第1チップは、前記第1サブアレイに接続された第j番目(jは0以上の整数)のビット線、第j+1番目のビット線BL、及び第j+2番目のビット線を更に含み、
前記第j番目のビット線は、前記貼合面において第j番目のパッドに接続され、
前記第j+1番目のビット線は、前記貼合面において第j+1番目のパッドに接続され、
前記第j+2番目のビット線は、前記貼合面において第j+2番目のパッドに接続され、
前記第j番目のパッドと前記第j+2番目のパッドとは前記第1方向に隣り合って配置されない、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記第j番目のビット線及び前記j+2番目のビット線は、書き込み動作において、一括して選択される、
請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
複数の第1メモリセルを含む第1サブアレイを含むメモリセルアレイと、
前記第1サブアレイに接続され、第1方向に延伸する第1ビット線と、
前記第1ビット線と第1方向と交差する第2方向に並んで配置された第2ビット線と、
前記第2ビット線と前記第2方向に並んで配置された第3ビット線と、
前記第3ビット線と前記第2方向に並んで配置された第4ビット線と、
を含む第1チップと、
前記第1ビット線及び前記第2ビット線が電気的に接続される第1回路と、
前記第3ビット線及び前記第4ビット線が電気的に接続される第2回路と
を含む第2チップと
を備え、
前記第1ビット線は、前記第1チップと前記第2チップとの貼合面に設けられた第1パッドを介して前記第1回路に電気的に接続され、
前記第2ビット線は、前記貼合面に設けられた第2パッドを介して前記第1回路に電気的に接続され、
前記第3ビット線は、前記貼合面に設けられた第3パッドを介して前記第2回路に電気的に接続され、
前記第4ビット線は、前記貼合面に設けられた第4パッドを介して前記第2回路に電気的に接続され、
前記第1パッド、前記第1回路、及び前記第2パッドは、前記第1方向に並んで配置され、
前記第3パッド、前記第2回路、及び前記第4パッドは、前記第1方向に並んで配置され、
前記第2パッドと前記第3パッドとは、前記第1方向に隣り合って配置されない、
メモリデバイス。
【請求項15】
前記第1パッドと前記第1回路とを接続する第1電流経路の長さは、前記第2パッドと前記第1回路とを接続する第2電流経路の長さと等しい、
請求項14に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
前記複数の第1メモリセルの各々は、
一端がビット線に接続され、チャネルが形成される半導体層と、ワード線に接続されたゲート電極とを含むトランジスタと、
一方の電極が前記半導体層の他端に接続され、他方の電極がプレート線に接続されたキャパシタと
を含む、請求項1、8、及び14のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリデバイスとして、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が知られている。DRAMのメモリセルは、キャパシタとトランジスタとを含む。また、DRAMのメモリセルに縦型トランジスタを用いたメモリデバイスが知られている。縦型トランジスタは、チャネルとして、半導体基板の主面に対して交差する方向に延びる半導体ピラーを備える。そして、縦型トランジスタでは、半導体ピラーの周囲を覆うゲート電極が、基板主面に沿う方向に延びる配線にて形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11282568号明細書
【特許文献2】米国特許第11024385号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2022/0020736号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態では、信頼性を向上できるメモリデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るメモリデバイスは、複数の第1メモリセルを含む第1サブアレイ、複数の第2メモリセルを含む第2サブアレイ、複数の第3メモリセルを含む第3サブアレイ、及び複数の第4メモリセルを含む第4サブアレイを含むメモリセルアレイと、第1サブアレイ及び第2サブアレイに接続され、第1方向に延伸する第1ビット線と、第1ビット線と第1方向に並んで配置され、第3サブアレイ及び第4サブアレイに接続された第2ビット線と、第1方向と交差する第2方向において、第1ビット線と異なる位置に配置され、少なくとも第2サブアレイ及び第3サブアレイに接続された第3ビット線と、第3ビット線と第1方向に並んで配置され、第4サブアレイに接続された第4ビット線と、第1ビット線及び第2ビット線に電気的に接続される第1回路と、第3ビット線及び第4ビット線に電気的に接続される第2回路とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリデバイスの構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態に係るメモリデバイスのチップの構成の一例を示す断面図。
図3】第1実施形態に係るメモリデバイスの備えるメモリセルアレイの回路図。
図4】第1実施形態に係るメモリデバイスの備えるメモリセルの構造の一例を示す斜視図。
図5】第1実施形態に係るメモリデバイスの備えるメモリセルアレイとセンス回路との接続の一例を示す概略図。
図6】第1実施形態に係るメモリデバイスの備えるセンス回路の回路図。
図7】第1実施形態に係るメモリデバイスの備えるメモリセルアレイにおけるビット線のレイアウトを示す図。
図8図7の領域EV1の拡大図。
図9図8のA1-A2線に沿ったメモリデバイスの断面図。
図10】第1実施形態の第1変形例に係るメモリデバイスの備えるサブアレイ及びセンスアンプの配置の一例を示す斜視図。
図11】第1実施形態の第1変形例に係るメモリデバイスの備えるサブアレイ及びセンスアンプの配置の一例を示す断面図。
図12】第1実施形態の第2変形例に係るメモリデバイスの備えるサブアレイ及びセンスアンプの配置の一例を示す断面図。
図13】第1実施形態の第2変形例に係るメモリデバイスの備えるサブアレイ及びセンスアンプの配置の一例を示す斜視図。
図14】第1実施形態の第2変形例に係るメモリデバイスの備えるサブアレイ及びセンスアンプの配置の一例を示す断面図。
図15】第1実施形態の第2変形例に係るメモリデバイスの断面図。
図16】第2実施形態の第1例に係るメモリデバイスにおける半導体基板側から見たセンス回路、パッド、及びビット線のレイアウトを示す図。
図17】第2実施形態の第1例に係るメモリデバイスの備えるビット線及びパッドを示す斜視図。
図18】第2実施形態の第2例に係るメモリデバイスにおける半導体基板側から見たセンス回路、パッド、及びビット線のレイアウトを示す図。
図19】第2実施形態の第2例に係るメモリデバイスの断面図。
図20】第2実施形態の第3例に係るメモリデバイスにおける半導体基板側から見たセンス回路、パッド、及びビット線のレイアウトを示す図。
図21】第3実施形態に係るメモリデバイスのチップの構成の一例を示す断面図。
図22】第3実施形態に係るメモリデバイスの備えるメモリセルアレイにおけるビット線のレイアウトを示す図。
図23図22の領域EV2の拡大図。
図24】第4実施形態の第1例に係るメモリデバイスにおける半導体基板側から見たセンス回路、パッド、及びビット線のレイアウトを示す図。
図25】第4実施形態の第2例に係るメモリデバイスの備えるパッド及びビット線のレイアウトを示す図。
図26】第4実施形態の第3例に係るメモリデバイスの備えるパッド及びビット線のレイアウトを示す図。
図27】第5実施形態に係るメモリデバイスの備えるメモリセルアレイとセンス回路との接続の一例を示す概略図。
図28】第5実施形態に係るメモリデバイスにおける半導体基板側から見たセンス回路、パッド、及びビット線のレイアウトを示す図。
図29】第5実施形態に係るメモリデバイスの備えるビット線とセンス回路との接続を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に実施形態が図面を参照して記述される。或る実施形態又は相違する実施形態での略同一の機能及び構成を有する複数の構成要素は、互いに区別されるために、参照符号の末尾にさらなる数字又は文字が付加される場合がある。或る記述済みの実施形態に後続する実施形態では、記述済みの実施形態と異なる点が主に記述される。或る実施形態についての記述は全て、明示的に又は自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。
【0008】
本明細書及び特許請求の範囲において、或る第1要素が別の第2要素に「接続されている」とは、第1要素が直接的又は常時或いは選択的に導電性となる要素を介して第2要素に接続されていることを含む。
【0009】
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。
【0010】
1.1 半導体記憶装置の全体構成
まず、図1を参照して、メモリデバイス100の全体構成の一例について説明する。図1は、メモリデバイス100の全体構成の一例を示すブロック図である。なお、図1では、各構成要素の接続の一部を矢印線により示しているが、構成要素間の接続はこれらに限定されない。以下では、メモリデバイス100が、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である場合について説明する。
【0011】
図1に示すように、メモリデバイス100は、外部のメモリコントローラ200に電気的に接続される。メモリデバイス100は、メモリコントローラ200の命令に基づいてデータを読み出し及び書き込み可能に構成される。メモリデバイス100は、例えば、アドレスADR、コマンドCMD、データDT、及び制御信号CNTを、メモリコントローラ200から受け取る。また、メモリデバイス100は、制御信号CNT及びデータDTを、メモリコントローラ200に送る。メモリデバイス100は、例えば、メモリセルアレイ110、ロウ制御回路120、カラム制御回路130、読み出し/書き込み回路140、入出力回路150、及び制御回路160を含む。
【0012】
メモリセルアレイ110は、データの記憶に利用される回路である。メモリセルアレイ110は、複数のサブアレイ111を含む。図1の例では、メモリセルアレイ110は、n+1個(nは、1以上の整数)のサブアレイ111_0~111_nを含む。各サブアレイ111は、複数のメモリセルMCと、複数のワード線WLと、複数のビット線BLとを含む。各メモリセルMCは、1ビット以上のデータを記憶し得る。各メモリセルMCは、1つのワード線WLと1つのビット線BLとに接続される。メモリセルMCは、ビット線BLとプレート線(図示せず)との間に接続されている。各ワード線WLには、ロウアドレスが割り当てられる。各ビット線BLには、カラムアドレスが割り当てられる。各メモリセルMCは、ロウアドレス及びカラムアドレスによって特定され得る。
【0013】
ロウ制御回路120は、メモリセルアレイ110においてロウ方向に割り当てられた配線(例えば、ワード線WL)を制御する。ロウ制御回路120は、アドレスADRに応じて、ワード線WLを選択(活性化)する。以下、選択されたワード線WLを「選択ワード線WL」とも表記する。また、ロウ制御回路120は、非選択のワード線WLを、非選択状態に設定する(非活性化)。そして、ロウ制御回路120は、選択ワード線WLと非選択ワード線WLとのそれぞれに、所定の電圧を供給する。ロウ制御回路120は、例えば、ドライバ回路121、及びアドレスデコーダ122を含む。ドライバ回路121は、ワード線WLに印可する電圧を生成する。アドレスデコーダ122は、アドレスADRをデコードする。ロウ制御回路120は、アドレスデコーダ122のデコード結果に基づいてワード線WLを選択する。なお、ロウ制御回路120は、ロウデコーダと呼ばれてもよい。
【0014】
カラム制御回路130は、メモリセルアレイ110においてカラム方向に割り当てられた配線(例えば、ビット線BL)を制御する。カラム制御回路130は、例えば、アドレスデコーダ131、カラム選択回路132、複数のセンスアンプ133を含む。アドレスデコーダ131は、アドレスADRをデコードする。センスアンプ133は、ビット線BLに接続される。センスアンプ133は、接続されるビット線BLに対応して、複数の位置に分割して配置される。
【0015】
センスアンプ133は、接続されるサブアレイ111の動作に応じて、以下の動作を行う。ロウ制御回路120によっていずれかのサブアレイ111のワード線WLの一つが活性化(選択)されると、選択ワード線WLに接続されるメモリセルMC(以下、「選択メモリセルMC」とも表記する)中に格納されたデータ(電荷)によって、ビット線BLの電位が変化する。センスアンプ133は、そのビット線BLの電位の変化を、読み出し回路が読み出し可能な電位に増幅する。また、センスアンプ133は、ビット線BLに読み出されることによってデータ(電荷)が消失するメモリセルMCに、増幅された電位によって元のデータを再格納(リストア)する。このように、センスアンプ133は、ロウ制御回路120によってワード線WLが活性化されるサブアレイ111に含まれるビット線BLに対して動作する。カラム選択回路132は、ワード線WL及びセンスアンプ133の動作において活性化されるビット線BLのうち、カラムアドレスによって指定されるビット線BLと読み出し/書き込み回路140との間のデータのやり取りを制御する。カラム選択回路132は、読み出し動作において、センスアンプ133によって増幅されたビット線BLのうち、指定されたビット線BLのデータを読み出し回路に出力する。カラム選択回路132は、書き込み動作において、指定されたビット線BLの電位を書き込みデータに応じたものに変化させ、メモリセルMCに新しいデータを格納する。なお、カラム制御回路130は、カラムデコーダと呼ばれてもよい。
【0016】
センスアンプ133は、ビット線BLの本数に応じた、複数のセンス回路を含む。センス回路には、異なるメモリセルMCに接続された2つのビット線BLが接続される。例えば、読み出し動作では、センス回路に接続される一方のビット線BLは、選択メモリセルMCに接続される。そして、他方のビット線BLは、選択メモリセルMCに接続されない。このような場合、他方のビット線BLは、参照電位(又は基準電位)を有するノードとして機能する。参照電位は、データ読出し対象のメモリセルMCに記憶されているデータの決定のために使用される。以下、選択メモリセルMCに接続されているビット線BLを限定する場合、選択ビット線BLとも表記する。また、参照電位を有するノードとして機能するビット線BLを、相補ビット線 ̄BLとも表記する。
【0017】
読み出し/書き込み回路140は、メモリセルアレイ110へのデータの書き込みと、メモリセルアレイ110からのデータの読み出しとを実行可能な回路である。データの書き込み時において、読み出し/書き込み回路140は、メモリセルアレイ110への書き込みが要求されたデータに応じた信号(電圧又は電流)を、カラム制御回路130を介してメモリセルアレイ110に送る。データの読み出し時において、メモリセルアレイ110から読み出されたデータに応じた信号(電圧又は電流)を、カラム制御回路130を介してメモリセルアレイ110から受け取る。なお、メモリデバイス100は、データの書き込みのための回路とデータの読み出しのための回路とを独立に備えていてもよい。
【0018】
入出力回路150は、メモリデバイス100とメモリコントローラ200との間の通信を司るインターフェイス回路である。入出力回路150は、メモリコントローラ200から、コマンドCMD、アドレスADR、データDT(例えば、メモリセルアレイ110への書き込みが要求されたデータ)、及び複数の制御信号CNTなどを受け取る。入出力回路150は、制御信号CNT及びデータDT(例えば、メモリセルアレイ110から読み出されたデータ)を、メモリコントローラ200へ送る。
【0019】
制御回路160は、コマンドCMD及び制御信号CNTに基づいてロウ制御回路120、カラム制御回路130、読み出し/書き込み回路140などを制御し、メモリデバイス100が実行すべき動作を実行する。メモリデバイス100がDRAMである場合、制御回路160は、データの書き込み及びデータの読み出しに加えて、メモリセルアレイ110内のデータのリフレッシュ動作を実行する。リフレッシュ動作は、ワード線WLを活性化させることで各メモリセルMCが記憶しているデータをビット線BLに読み出し、センスアンプ133によって読み出したデータをメモリセルMCに書き戻す動作である。また、制御回路160は、クロック信号CLKに同期したタイミングで、ロウ制御回路120、カラム制御回路130、読み出し/書き込み回路140などを制御する。すなわち、メモリデバイス100では、データの書き込み及びデータの読み出しが、クロック信号CLKに同期したタイミングで実行される。クロック信号CLKは、メモリデバイス100の内部で生成されてもよいし、外部から供給されてもよい。なお、制御回路160は、シーケンサ、内部コントローラなどと呼ばれてもよい。
【0020】
なお、メモリデバイス100は、以上で説明された構成に限定されない。例えば、メモリデバイス100は、リフレッシュ動作を制御する制御回路や、クロック生成回路や、内部電圧生成回路などを含んでもよい。
【0021】
1.2 チップの構成
次に、図2を参照して、チップの構成の一例について説明する。図2は、メモリデバイス100のチップの構成の一例を示す断面図である。なお、図2の例では、説明を簡略化するため、メモリセルアレイ110及びセンスアンプ133が示されており、他の回路は省略されている。
【0022】
以下、メモリセルアレイ110においてワード線WLが延伸する方向をX方向と表記する。X方向と交差し、ビット線BLが延伸する方向をY方向と表記する。X方向及びY方向と交差する方向をZ方向と表記する。また、Z方向を限定する場合、回路チップ2000(半導体基板SUB)からアレイチップ1000(メモリセルアレイ110)に向かう方向をZ1方向と表記し、Z1方向に対向する方向をZ2方向と表記する。更に、以下の説明において、長さ又は大きさ等を「概略同じ」または「実質的に同じ」と表記する場合は、メモリデバイス100の設計において、比較対象が同じになるように設計された状態を示している。このため、「概略同じ」または「実質的に同じ」と表記する場合は、製造によるばらつき誤差を含み得る。
【0023】
図2に示すように、メモリデバイス100は、アレイチップ1000と、回路チップ2000とを含む。アレイチップ1000は、メモリセルアレイ110を含む。回路チップ2000は、アレイチップ1000を制御する回路を含む。より具体的には、回路チップ2000は、ロウ制御回路120、カラム制御回路130、読み出し/書き込み回路140、入出力回路150、及び制御回路160を含む。
【0024】
本実施形態のメモリデバイス100は、アレイチップ1000と、回路チップ2000とを貼り合わせた構造(以下、「貼合構造」とも表記する)を有する。なお、メモリデバイス100は、Z方向に積層された複数のアレイチップ1000を含んでいてもよい。また、メモリデバイス100は、貼合構造を有していなくてもよい。
【0025】
Z1方向において、回路チップ2000の上にアレイチップ1000が貼り合わされている。以下、回路チップ2000とアレイチップ1000とが貼り合わされている面を貼合面と表記する。
【0026】
アレイチップ1000は、貼合面に設けられた複数の貼合パッドBPmを含む。同様に、回路チップ2000は、貼合面に設けられた複数の貼合パッドBPcを含む。貼合構造では、アレイチップ1000の貼合パッドBPmと、回路チップ2000の貼合パッドBPcとが貼り合わされて、1つの貼合パッドBPが形成される。パッドBPは、アレイチップ1000と回路チップ2000とを電気的に接続する電流経路の一部として機能する。
【0027】
アレイチップ1000は、メモリセルアレイ110を含む。メモリセルアレイ110は、複数のサブアレイ111を含む。以下、複数のサブアレイ111のいずれかを示す場合、サブアレイ111は、変数i(iは、0~nの整数)を用いて、サブアレイ111_iと表記され得る。図2の例では、メモリセルアレイ110は、Y方向に並んで配置された4つのサブアレイ111_i-1、111_i、111_i+1、及び111_i+2を含む。
【0028】
ビット線BLは、複数のサブアレイ111に接続される。すなわち、複数のサブアレイ111は、ビット線BLを共有する。例えば、ビット線BLは、Y方向に延伸する。図2の例では、サブアレイ111_i-1及び111_iに接続された選択ビット線BLと、サブアレイ111_i+1及び111_i+2に接続された相補ビット線 ̄BLとが示されている。選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLの長さは、概略同じである。例えば、図2に示す選択ビット線BLの長さをLaとし、相補ビット線 ̄BLの長さをLbとすると、La=Lbの関係にある。
【0029】
回路チップ2000の半導体基板SUBの上には、複数のセンスアンプ133が分散して配置されている。各センスアンプ133は、複数のセンス回路SAを含む。本実施形態では、Z方向から見た場合に、センスアンプ133は、Y方向において、隣り合う2つのサブアレイ111の間(以下、「サブアレイ111の間の領域」とも表記する)に配置される。すなわち、サブアレイ111とセンスアンプ133とがY方向に交互に配置される。なお、貼合構造の場合、サブアレイ111及びセンスアンプ133のZ方向の位置は異なる。このため、Y方向において、サブアレイ111の領域の一部と、センスアンプ133の領域の一部とが重なっていてもよい。各センスアンプ133は、X方向に一列に並んで配置された複数のセンス回路SAを含む。
【0030】
例えば、選択ビット線BLは、パッドBPを介して、センス回路SAに接続される。また、相補ビット線 ̄BLは、パッド ̄BPを介して、センス回路SAに接続される。センス回路SAは、Y方向において、選択ビット線BLが接続されたサブアレイ111と、相補ビット線 ̄BLが接続されたサブアレイ111との間に配置される。換言すれば、センス回路SAは、Y方向において、パッドBPとパッド ̄BPとの間(中間)に配置される。このため、パッドBPからセンス回路SAまでの距離と、パッド ̄BPからセンス回路SAまでの距離とは、概略同じである。
【0031】
パッドBP及び ̄BPの各々とセンス回路SAとは、複数の配線及びコンタクトプラグを介して電気的に接続される。選択ビット線BLが接続されたパッドBPからセンス回路SAまでの電流経路(複数の配線及びコンタクトプラグを含む)の長さをL1とする。また、相補ビット線 ̄BLが接続されたパッド ̄BPからセンス回路SAまでの電流経路の長さをL2とする。電流経路の長さL1と長さL2とは概略同じである。すなわち、電流経路の長さL1と長さL2とは、L1=L2の関係にある。
【0032】
1.3 メモリセルアレイの回路構成
次に、図3を参照して、メモリセルアレイ110の回路構成の一例について説明する。図3は、メモリセルアレイ110の回路図である。
【0033】
図3に示すように、複数のメモリセルMCは、X方向とY方向からなる平面(XY平面)においてマトリクス状(千鳥状)に配置される。また、メモリセルアレイ110は、プレート線PLを更に含む。
【0034】
プレート線PLには、プレート電位、例えば、接地電位が印加される。プレート線PLには、複数のメモリセルMCのそれぞれの一端が接続される。複数のメモリセルMCのそれぞれの他端は、関連付けられたビット線BLに接続される。プレート線PLは、プレート電極と呼ばれてもよい。プレート線PLは、サブアレイ111の制御単位に応じて分割されてもよい。
【0035】
各メモリセルMCは、セルトランジスタCT、及びセルキャパシタCCを含む。各メモリセルMCのセルトランジスタCT及びセルキャパシタCCは、関連付けられたビット線BLと、プレート線PLとの間に直列に接続される。具体的には、各メモリセルMCにおいて、セルトランジスタCTの一端は、関連付けられたビット線BLに接続され、セルトランジスタCTの他端は、ノードNDに接続される。各メモリセルMCにおいて、セルキャパシタCCの一方電極は、ノードNDに接続され、セルキャパシタCCの他方電極は、プレート線PLに接続される。セルトランジスタCTは、電界効果トランジスタである。セルキャパシタCCは、容量素子である。セルトランジスタCTは、単に“トランジスタ”と呼ばれてもよい。セルキャパシタCCは、単に“キャパシタ”と呼ばれてもよい。
【0036】
メモリセルアレイ110に含まれる複数のワード線WLは、それぞれがX方向に延伸して設けられ、Y方向に並んでいる。各ワード線WLは、X方向に沿って並んだ複数のメモリセルMCのそれぞれのセルトランジスタCTのゲート端に接続される。言い換えると、各ワード線WLは、同じロウアドレスが割り当てられた複数のメモリセルMCのそれぞれのセルトランジスタCTのゲート端に接続される。なお、セルトランジスタCTのゲート端は、“メモリセルMCの制御端”と呼ばれてもよい。
【0037】
メモリセルアレイ110に含まれる複数のビット線BLは、それぞれがY方向に延伸して設けられ、X方向に並んでいる。各ビット線BLは、Y方向に沿って並んだ複数のメモリセルMCのそれぞれのセルトランジスタCTの一端に接続される。言い換えると、各ビット線BLは、同じカラムアドレスが割り当てられた複数のメモリセルMCのそれぞれのセルトランジスタCTの一端に接続される。
【0038】
セルトランジスタCTは、メモリセルMCとビット線BLとの間を電気的に接続された状態、又は電気的に絶縁された状態に切り替え可能に構成されたスイッチである。セルトランジスタCTは、メモリセルMCの選択素子として機能する。セルトランジスタCTの一端は、トランジスタのソース端及びドレイン端の一方として機能し、セルトランジスタCTの他端は、トランジスタのソース端及びドレイン端の他方として機能する。セルキャパシタCCは、1ビット以上のデータに関連付けられた量の電荷を保持する。セルキャパシタCCは、メモリセルMCのメモリ素子として機能する。
【0039】
1.4 メモリセルの構造
次に、図4を参照して、メモリセルMCの構造の一例について説明する。図4は、メモリセルMCの構造の一例を示す斜視図である。図4は、メモリセルアレイ110においてメモリセルMCの構造に関連する構成を1つのメモリセルMCに注目して示している。
【0040】
図4に示すように、プレート線PLは、XY平面に沿って延伸して設けられた部分を有するプレート状の配線である。プレート線PL上に、メモリセルMCが設けられる。メモリセルMC上に、コンタクトプラグVCが設けられる。コンタクトプラグVC上に、ビット線BLが設けられる。
【0041】
セルトランジスタCTは、Z方向に沿って延伸したチャネル領域を有する縦型トランジスタである。セルトランジスタCTは、半導体層10、ゲート絶縁層11、及びゲート電極12を含む。半導体層10は、Z方向に延伸して設けられている。言い換えると、半導体層10は、Z方向に延伸した柱状の構造を有する。ゲート電極12は、ゲート絶縁層11を介して、半導体層10の側面に対向する。ゲート絶縁層11は、半導体層10の側面とゲート電極12との間に設けられている。セルトランジスタCTのチャネル領域は、半導体層10内に設けられる。半導体層10は、半導体ピラー、又はチャネルピラーと呼ばれてもよい。セルトランジスタCTのソース領域及びドレイン領域は、半導体層10内に設けられる。ソース領域及びドレイン領域のうち一方は、半導体層10の上側に設けられ、ソース領域及びドレイン領域のうち他方は、半導体層10の下側に設けられる。セルトランジスタCTの上側のソース領域又はドレイン領域は、例えば、コンタクトプラグVCを介してビット線BLに接続される。セルトランジスタCTの下側のソース領域又はドレイン領域は、セルキャパシタCCに接続される。
【0042】
セルトランジスタCTの半導体層10(チャネル材料)としては、例えば、酸化物半導体が使用される。半導体層10が酸化物半導体で有る場合、半導体層10は、例えば、酸化インジウム、酸化ガリウム、及び酸化亜鉛を含む。このように、酸化インジウム、酸化ガリウム、及び酸化亜鉛を含む酸化物半導体は、例えばIGZO(In-Ga-Zn oxide)と称される。また、酸化物半導体としては、インジウム、亜鉛、スズのうち少なくとも1つを含む酸化物(例えば、InO、InZnO、InSnO、SnO、ZnO、ZnSnO)が使用されてもよい。
【0043】
また、セルトランジスタCTは、GAA(Gate All Around)構造のゲート構造を有する。GAA構造のセルトランジスタCTに関して、ゲート電極12は、半導体層10内のチャネル領域の側面全体にオーバーラップする。ゲート電極12は、ゲート絶縁層11を介して、チャネル領域の側面(Z方向に沿う面)を円環状に覆う。これにより、セルトランジスタCTは、高いゲート静電制御力を有する。なお、ゲート電極12には、X方向に延伸して設けられた導電体層19が接続されている。本例では、ゲート電極12と導電体層19との組が、ワード線WLに対応している。ゲート電極12と導電体層19との間は、境界を有していてもよいし、連続的に設けられていてもよい。
【0044】
セルキャパシタCCは、2つの導電体層22及び23と、絶縁体層24とを含む。絶縁体層24は、2つの導電体層22及び23の間に設けられる。言い換えると、導電体層22は、Z方向に延伸して設けられている。導電体層22の上部には、半導体層10が接続される。すなわち、導電体層22の上部は、セルトランジスタCTのソース領域又はドレイン領域に接続される。導電体層22の側面及び下部は、絶縁体層24によって覆われている。絶縁体層24の側面及び下部は、導電体層23によって覆われている。導電体層23の底部は、プレート線PLに接続される。つまり、導電体層22の底部とプレート線PLとの間には、絶縁体層24と導電体層23とが設けられている。このため、導電体層22は、プレート線PLから離れている。2つの導電体層22及び23は、キャパシタ電極、又は電極と呼ばれてもよい。絶縁体層24は、キャパシタ絶縁層と呼ばれてもよい。なお、絶縁体層24の下部に導電体層23が設けられず、絶縁体層24がプレート線PLに接している構造でも良い。
【0045】
以上で説明されたように、メモリデバイス100は、3次元構造を有するメモリセルアレイ110を有する。そして、メモリセルMCが、セルトランジスタCTとして、縦型トランジスタを備えている。縦型トランジスタの電流経路は、Z方向に沿っている。すなわち、セルトランジスタCTは、Z方向に電流を流すことができる。また、メモリセルMCは、セルトランジスタCTとセルキャパシタCCとの積層体を含む。これにより、メモリデバイス100の構造は、メモリセルMCの集積度を向上させ、メモリセルアレイ110の記憶密度を向上させることができる。例えば、メモリデバイス100では、メモリセルMCが4F2程度のサイズで構成され得る。
【0046】
1.5 メモリセルアレイ110とセンス回路との接続
次に、図5を参照して、メモリセルアレイ110とセンス回路との接続の一例について説明する。図5は、メモリセルアレイ110とセンス回路SAとの接続の一例を示す概略図である。図5の例は、サブアレイ111_i及び111_i+1並びにセンスアンプ133を示している。
【0047】
図5に示すように、例えば、サブアレイ111_i及び111_i+1の各々は、2つのビット線BL0及びBL1、8つのワード線WL0~WL8、並びにこれらの配線に関連付けられた複数のメモリセルMCを含む。ビット線BLとワード線WLとの間に、1つのメモリセルMCが接続される。
【0048】
例えば、センスアンプ133は、センス回路SA0を含む。センス回路SA0は、サブアレイ111_iのビット線BL0と、サブアレイ111_i+1のビット線BL0とに接続される。例えば、サブアレイ111_iのワード線WL3が選択(活性化)されている場合、サブアレイ111_iのビット線BL0は、選択ビット線BL0として機能する。サブアレイ111_i+1のビット線BL0は、相補ビット線 ̄BL0として機能する。センス回路SA0は、非選択のサブアレイ111_i+1に接続されたビット線BL0を相補ビット線 ̄BLとして使用することによって、選択サブアレイ111_iに接続されたビット線BL0に基づく電圧又は電流を増幅することができる。以下、このような方式をOpen-BL方式と表記する。
【0049】
1.6 センス回路の回路構成
次に、図6を参照して、センス回路SAの回路構成の一例について説明する。図6は、センス回路SAの回路図である。
【0050】
図6に示すように、センス回路SAは、1つのビット線BLと相補ビット線 ̄BLとに接続される。
【0051】
センス回路SAは、p型のMOSFET TP1及びTP2、及びn型のMOSFET TN1~TN6を含む。
【0052】
トランジスタTP1は、ノードSAPとノードSAtとの間に接続されている。ノードSAPは、例えば、電圧生成回路から電圧を印加される。ノードSAPは、電源電圧Vddsa及び電圧Vddsa/2を含む複数の電圧のうちの動的に切り替わる1つを印加される。電源電圧Vddsaは、メモリデバイス100で使用される電源電圧Vddと同じ大きさを有していてもよいし、電源電圧Vddと異なる大きさを有していてもよい。トランジスタTP1は、ゲートにおいて、ノードSAcと接続されている。トランジスタTP1は、オンしている間、或る大きさのオン抵抗を有する。トランジスタのオン抵抗は、トランジスタがオンしている間の抵抗である。
【0053】
トランジスタTN1は、ノードSAtとノードSANとの間に接続されている。ノードSANは、例えば、電圧生成回路から電圧を印加される。ノードSANは、電源電圧Vddsa/2及び接地電圧(共通電圧)Vssを含む複数の電圧のうちの動的に切り替わる1つを印加される。接地電圧Vssは、例えば0Vであり、以下の記述は、この例に基づく。トランジスタTN1は、ゲートにおいて、1つのビット線BLと接続されている。トランジスタTN1は、或る大きさのオン抵抗を有する。
【0054】
トランジスタTP2は、ノードSAPとノードSAcとの間に接続されている。トランジスタTP2は、ゲートにおいて、ノードSAtと接続されている。トランジスタTP2は、トランジスタTP1のオン抵抗と実質的に同じ大きさのオン抵抗を有する。
【0055】
トランジスタTN2は、ノードSAcとノードSANとの間に接続されている。トランジスタTN2は、ゲートにおいて、相補ビット線 ̄BLと接続されている。トランジスタTN2は、トランジスタTN1のオン抵抗と実質的に同じ大きさのオン抵抗を有する。
【0056】
トランジスタTN3は、ノードSAtと、トランジスタTN1のゲートとの間に接続されている。トランジスタTN3は、ゲートにおいて、信号OCを受け取る。信号OCは、例えば、読み出し/書き込み回路140から供給される。
【0057】
トランジスタTN4は、ノードSAcと、トランジスタTN2のゲートとの間に接続されている。トランジスタTN4は、ゲートにおいて、信号OCを受け取る。
【0058】
トランジスタTN5は、ノードSAtと相補ビット線 ̄BLとの間に接続されている。トランジスタTN5は、ゲートにおいて信号ISOを受け取る。信号ISOは、例えば、読み出し/書き込み回路140から供給される。トランジスタTN5は、例えば、トランジスタTN3の寸法と実質的に同じ寸法を有する。この例の場合、トランジスタTN5のソース及びドレインの一方とゲートの寄生容量は、トランジスタTN3のソース及びドレインの一方とゲートの寄生容量と実質的に同じである。
【0059】
トランジスタTN6は、ノードSAcとビット線BLとの間に接続されている。トランジスタTN6は、ゲートにおいて信号ISOを受け取る。トランジスタTN6は、例えば、トランジスタTN4の寸法と実質的に同じ寸法を有する。この例の場合、トランジスタTN6のソース及びドレインの一方とゲートの寄生容量は、トランジスタTN4のソース及びドレインの一方とゲートの寄生容量と実質的に同じである。
【0060】
トランジスタTP1及びTN1はインバータ回路IV1を構成し、トランジスタTP2及びTN2はインバータ回路IV2を構成する。トランジスタTN5及びTN6がオンしている間は、インバータ回路IV1とインバータ回路IV2とは、いわゆるクロス接続されている。すなわち、インバータ回路IV1の入力ノード及び出力ノードは、インバータ回路IV2の出力ノード及び入力ノードとそれぞれ接続されている。
【0061】
1.7 メモリセルアレイにおけるビット線のレイアウト
次に、図7及び図8を参照して、メモリセルアレイ110におけるビット線BLのレイアウトの一例について説明する。図7は、ビット線BLのレイアウトを示す図である。図8は、図7の領域EV1の拡大図である。図7の例は、半導体基板SUB側から見たビット線BLのレイアウトを示している。図8の例は、半導体基板SUB側から見たセンス回路SA、パッドBP、及びビット線BLのレイアウトを示している。なお、以下の説明では、平面図には、ハッチングが適宜付加されている。平面図に付加されたハッチングは、ハッチングが付加された構成要素の素材や特性とは必ずしも関連していない。各図面では、構成の図示が適宜省略されている。また、以下の説明において、複数の対象物が「Y方向に並んで配置されている」等、1つの方向における配置を説明する場合、複数の対象物の他の方向(X方向及びZ方向)における配置は限定しない。複数の対象物は、X方向及びZ方向に並んで配置されていなくてもよい。
【0062】
図7に示すように、複数のサブアレイ111がY方向に並んで配置されている。図7の例では、図7の紙面上側から順に、サブアレイ111_i、111_i+1、111_i+2、111_i+3、111_i+4、及び111_i+5が並んで配置されている。
【0063】
複数のビット線BLがX方向に並んで配置されている。各ビット線BLは、Y方向に延伸する。各ビット線BLは、Y方向において、複数に分割される。以下、Y方向に分割されたビット線BLの1つを「分割ビット線BL」とも表記する。分割ビット線BLの長さは、概略同じである。本実施形態では、Y方向において、各ビット線BLの分割位置は、それぞれ異なる。隣り合うサブアレイ111の間の領域に、少なくとも1つのビット線BLの分割位置が設けられる。Y方向に分割されたビット線BLの各々は、異なるサブアレイ111に接続される。図7の例では、複数のビット線BLは、2本毎に分割位置が異なる。そして、Y方向に分割されたビット線BLの各々は、4つのサブアレイ111に共通に接続される。なお、分割位置が同じであるビット線BLの本数は、1本毎であってもよいし、3本以上毎であってもよい。
【0064】
より具体的には、ビット線BL0及びBL1は、サブアレイ111_iと111_i+1との間及びサブアレイ111_i+4と111_i+5との間で分割されている。例えば、分割ビット線BL0の1つ及び分割ビット線BL1の1つは、4つのサブアレイ111_i+1、111_i+2、111_i+3、及び111_i+4に接続される。ビット線BL2及びBL3は、サブアレイ111_i+1と111_i+2との間で分割されている。例えば、分割ビット線BL2の1つ及び分割ビット線BL3の1つは、4つのサブアレイ111_i+2、111_i+3、111_i+4、及び111_i+5に接続される。同様に、ビット線BL4及びBL5は、サブアレイ111_i+2と111_i+3との間で分割されている。ビット線BL6及びBL7は、サブアレイ111_i+3と111_i+4との間で分割されている。ビット線BL8以降は、ビット線BL0~BL7のパターンの繰り返しである。
【0065】
本実施形態では、Y方向に隣り合う2つの分割ビット線BLが、1つのセンス回路SAに接続される。図7の例では、サブアレイ111_iのワード線WLが選択されている。この場合、サブアレイ111_iが選択サブアレイ111_iである。例えば、選択サブアレイ111_iに接続された選択ビット線BL0と、非選択サブアレイ111_i+1~111_i+4に接続された相補ビット線 ̄BL0とが、1つのセンス回路SAに接続される。各分割ビット線BLの上には、コンタクトプラグCP1が設けられる。分割ビット線BLは、コンタクトプラグCP1を介して、センス回路SAに電気的に接続される。1つのセンス回路SAに電気的に接続される2つのコンタクトプラグCP1は、Y方向に向かい合う2つの分割ビット線BLの端部近傍にそれぞれ配置される。
【0066】
例えば、分割位置が同じであり且つX方向に隣り合う2つのビット線BLのコンタクトプラグCP1との接続位置は、Y方向において互いに異なる。より具体的には、例えば、サブアレイ111_i+1~111_i+4の分割ビット線BL0は、サブアレイ111_i+1において、コンタクトプラグCP1に接続される。また、サブアレイ111_i+1~111_i+4の分割ビット線BL1は、サブアレイ111_i+4において、コンタクトプラグCP1に接続される。
【0067】
次に、ビット線BLの分割位置と、各ビット線BLに接続されるパッドBPと、センス回路SAとの配置に注目して説明する。
【0068】
図8に示すように、パッドBP及び ̄BPは、Y方向に向かい合う選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLの端部近傍にそれぞれ配置される。すなわち、コンタクトプラグCP1の上方に、パッドBP(またはパッド ̄BP)が配置される。センス回路SAは、Y方向において、ビット線BLの分割位置に配置される。換言すれば、センス回路SAは、Y方向において、関連付けられた2つのビット線BL及び ̄BLにそれぞれ接続された2つのパッドBP及び ̄BPの間に配置される。
【0069】
より具体的には、選択サブアレイ111_iに接続されたビット線BL0は、サブアレイ111_iのサブアレイ111_i+1を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッドBP0に電気的に接続される。他方で、非選択サブアレイ111(111_i+1~111_i+4を含む)に接続されたビット線BL0(相補ビット線 ̄BL0)は、サブアレイ111_i+1のサブアレイ111_iを向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッド ̄BP0に接続される。Y方向において、パッドBP0とパッド ̄BP0との間(中間)にセンス回路SA0が配置される。パッドBP0及び ̄BP0は、センス回路SA0にそれぞれ接続される。図8の例では、ビット線BLのピッチに対して、パッドBP及びセンス回路SAのサイズが十分に大きい。このため、例えば、X方向において、パッドBP0及び ̄BP0、並びにセンス回路SA0の隣にビット線BL8に接続されたパッドBP8及び ̄BP8、並びにセンス回路SA8がそれぞれ配置されている。なお、X方向に隣り合う、パッドBP及びセンス回路SAの配置は任意である。ビット線BL8、パッドBP8及び ̄BP8、並びにセンス回路SA8の配置は、ビット線BL0、パッドBP0及び ̄BP0、並びにセンス回路SA0と同様である。サブアレイ111_iとサブアレイ111_i+1との間の領域に、センス回路SA0とセンス回路SA8とが、X方向に並んで配置される。なお、Y方向において、パッドBPの一部の領域と、センス回路SAの一部の領域とが重なっていてもよい。
【0070】
選択サブアレイ111_iに接続されたビット線BL2は、サブアレイ111_i+1のサブアレイ111_i+2を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッドBP2に電気的に接続される。他方で、非選択サブアレイ111(111_i+2及び111_i+3を含む)に接続されたビット線BL2(相補ビット線 ̄BL2)は、サブアレイ111_i+2のサブアレイ111_i+1を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッド ̄BP2に接続される。Y方向において、パッドBP2とパッド ̄BP2との間にセンス回路SA2が配置される。パッドBP2及び ̄BP2は、センス回路SA2にそれぞれ接続される。ビット線BL10、パッドBP10及び ̄BP10、並びにセンス回路SA10の配置も同様である。サブアレイ111_i+1とサブアレイ111_i+2との間の領域に、センス回路SA2とセンス回路SA10とが、X方向に並んで配置される。
【0071】
選択サブアレイ111_iに接続されたビット線BL4は、サブアレイ111_i+2のサブアレイ111_i+3を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッドBP4に電気的に接続される。他方で、非選択サブアレイ111(111_i+3を含む)に接続されたビット線BL4(相補ビット線 ̄BL4)は、サブアレイ111_i+3のサブアレイ111_i+2を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッド ̄BP4に接続される。Y方向において、パッドBP4とパッド ̄BP4との間にセンス回路SA4が配置される。パッドBP4及び ̄BP4は、センス回路SA4にそれぞれ接続される。ビット線BL12、パッドBP12及び ̄BP12、並びにセンス回路SA12の配置も同様である。サブアレイ111_i+2とサブアレイ111_i+3との間の領域に、センス回路SA4とセンス回路SA12とが、X方向に並んで配置される。
【0072】
1.8 メモリセルアレイの断面構成
次に、図9を参照して、メモリセルアレイ110の断面構造の一例について説明する。図9は、図8のA1-A2線に沿ったメモリデバイス100の断面図である。図9の例は、サブアレイ111_i及び111_i+1、並びにセンス回路SA0のトランジスタTN5及びTN6を示している。
【0073】
まず、回路チップ2000について説明する。
【0074】
図9に示すように、回路チップ2000は、センス回路SA0のトランジスタTN5及びTN6、複数のコンタクトプラグCPA及びCPB、複数の配線M0、並びに複数のパッドBPcを含む。
【0075】
トランジスタTN5及びTN6は、半導体基板SUBに形成されたアクティブ領域AA1及びAA2にそれぞれ対応して設けられる。アクティブ領域AA1及びAA2のそれぞれは、STI(Shallow Trench Isolation)によって囲まれている。アクティブ領域AA1及びAA2のそれぞれは、半導体基板SUBに設けられたウェル領域30を備えている。
【0076】
また、トランジスタTN5及びTN6の各々は、ゲート電極31、ゲート絶縁層32、及び2つのソース/ドレイン領域33A及び33Bを含む。ゲート電極31は、Z1方向においてウェル領域30の上方に設けられる。ゲート絶縁層32は、ウェル領域30の上面とゲート電極31との間に設けられる。2つのソース/ドレイン領域33A及び33Bは、ウェル領域30内に設けられる。2つのソース/ドレイン領域33A及び33Bのうち一方がトランジスタTNのソースとして機能し、2つのソース/ドレイン領域33A及び33Bのうち他方がトランジスタTNのドレインとして機能する。ウェル領域30内における2つのソース/ドレイン領域33A及び33Bの間の部分が、トランジスタTNのチャネル領域となる。チャネル領域は、ゲート絶縁層32を介してゲート電極31の下方に配置されている。各トランジスタTNは、半導体基板SUB上の層間絶縁層40に覆われている。
【0077】
各コンタクトプラグCPAは、半導体基板SUB上に設けられ、トランジスタTNなどに接続される柱状の導電体である。各配線M0は、関連付けられたコンタクトプラグCPA上に設けられた導電体であり、例えば金属である。各コンタクトプラグCPBは、関連付けられた配線M0上に設けられた柱状の導電体である。各パッドBPcは、関連付けられたコンタクトプラグCPB上に設けられた導電体であり、例えば金属である。パッドBPcは、その表面が貼合面に露出するように設けられている。
【0078】
次に、アレイチップ1000の構成について説明する。アレイチップ1000は、メモリセルアレイ110のサブアレイ111_i及び111_i+1、複数のコンタクトプラグCP1、並びに複数のパッドBPmを含む。
【0079】
各サブアレイ111は、層間絶縁層41に覆われている。サブアレイ111は、プレート線PL、複数のメモリセルMC、複数のワード線WL、及び複数のビット線BLを含む。
【0080】
プレート線PLは、プレート状の導電体であり、例えば金属である。プレート線PLは、プレート電極、又はプレート層と呼ばれてもよい。プレート線PLのZ2方向を向いた面上に複数のメモリセルMCが配置されている。メモリセルMCは、Z2方向に向かって延伸している。プレート線PLからZ2方向に向かって、キャパシタCC及びセルトランジスタCT(縦型トランジスタ)が順に設けられている。セルトランジスタCTの半導体層10は、関連付けられたワード線WLを貫通している。ワード線WLは、X方向に延伸する。ワード線WLは、プレート線PLが設けられた層と、コンタクトプラグVCが設けられた層との間の層に設けられる。Z2方向において、セルトランジスタCT上には、コンタクトプラグVCが設けられている。Z2方向において、コンタクトプラグVC上には、ビット線BLが設けられている。コンタクトプラグVCは、セルトランジスタCT、すなわちメモリセルMCとビット線BLとを接続する。
【0081】
Z2方向において、ビット線BL上には、コンタクトプラグCP1が設けられている。コンタクトプラグCP1は、関連付けられたビット線BL上に設けられた柱状の導電体である。各パッドBPmは、Z2方向において、関連付けられたコンタクトプラグCP1上に設けられた導電体であり、例えば金属である。パッドBPmは、その表面が貼合面に露出し、パッドBPcと向かい合うように設けられている。パッドBPmとBPcとの組により、パッドBPが形成される。
【0082】
例えば、サブアレイ111_iのビット線BL0が接続されたパッドBP0から、センス回路SA0のトランジスタTN6までの電流経路の長さをL1とする。すなわち、コンタクトプラグCPB、配線M0、及びコンタクトプラグCPAを介して、パッドBP0とトランジスタTN6のソース/ドレイン領域33Aとを接続する電流経路の長さをL1とする。また、サブアレイ111_i+1のビット線 ̄BL0が接続されたパッド ̄BP0から、センス回路SA0のトランジスタTN5までの電流経路の長さをL2とする。すなわち、コンタクトプラグCPB、配線M0、及びコンタクトプラグCPAを介して、パッド ̄BP0とトランジスタTN5のソース/ドレイン領域33Bとを接続する電流経路の長さをL2とする。電流経路の長さL1とL2とは、L1=L2の関係にある。
【0083】
1.9 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、信頼性を向上できるメモリデバイスを提供できる。本効果につき、詳述する。
【0084】
例えば、メモリデバイスの読み出し動作では、センス回路SAは、選択ビット線BLと相補ビット線 ̄BLとの電圧差を増幅する。このとき、選択ビット線BLからセンス回路SAまでの電流経路の長さと、相補ビット線 ̄BLからセンス回路SAまでの電流経路の長さとが異なると、電流経路の抵抗値及び配線寄生容量がそれぞれ異なる。すなわち、CR時定数が異なる。CR時定数が異なることにより、センス回路SAが選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLから受信する信号(電圧又は電流)の伝達速度(遅延量)に差が生じる。このため、センス回路SAにおいて信号受信のタイミングのずれによる誤動作(誤読み出し)の可能性が高くなる。書き込み動作の場合も同様である。
【0085】
これに対し、本実施形態に係る構成であれば、貼合構造を有するメモリデバイス100において、選択ビット線BLの長さLaと相補ビット線 ̄BLの長さLbとを概略同じにできる。更に、選択ビット線BLに接続されたパッドBPからセンス回路SAまでの電流経路の長さL1と、相補ビット線 ̄BLに接続されたパッド ̄BPからセンス回路SAまでの電流経路の長さL2とを概略同じにできる。これにより、センス回路SAにおいて、CR時定数の違いによる信号受信のタイミングのずれを抑制できる。このため、読み出し動作及び書き込み動作における誤動作を抑制できる。よって、メモリデバイス100の信頼性を向上できる。
【0086】
より具体的には、本実施形態に係る構成であれば、メモリデバイス100において、複数のサブアレイ111をY方向に並べて配置できる。Y方向において、隣り合う2つのサブアレイ111の間に、センスアンプ133を配置できる。更に、Y方向において、センス回路SAに接続される2つパッドBP及び ̄BPの間に、センス回路SAを配置できる。すなわち、センス回路SAから一方のパッドBPまでの距離と、センス回路SAから他方のパッド ̄BPまでの距離とを概略同じにできる。これにより、電流経路の長さL1と長さL2とを概略同じにできる。
【0087】
更に、本実施形態に係る構成であれば、Y方向に延伸するビット線BLを、ビット線BL毎に異なる位置に分割できる。分割位置を分散させることにより、パッドBPとセンス回路SAの配置を分散させることができる。そして、サブアレイ111間の領域の1つに配置されるセンス回路SAの個数を低減できる。これにより、複数のセンス回路SAをX方向に一列に並べて配置できる。このため、パッドBP及び ̄BPの中間の位置にセンス回路SAを配置できる。よって、電流経路の長さL1と長さL2とを概略同じにできる。
【0088】
更に、本実施形態に係る構成であれば、パッドBPとセンス回路SAとパッド ̄BPとをY方向に並べて配置できる。これにより、電流経路の長さL1及び長さL2をそれぞれ最短にできる。このため、CR時定数の増加を抑制し、信号遅延を抑制できる。よって、メモリデバイス100の処理能力を向上できる。
【0089】
1.10 第1実施形態の変形例
次に、第1実施形態の変形例として、貼合構造とは異なるメモリデバイス100の構造について2つの例を示す。
【0090】
1.10.1 第1変形例
まず、第1実施形態の第1変形例として、半導体基板SUB上にメモリセルアレイ110及びセンスアンプ133が並んで配置されている場合について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0091】
1.10.1.1 サブアレイ及びセンスアンプの配置
まず、図10及び図11を参照して、サブアレイ111及びセンスアンプ133の配置の一例について説明する。図10は、サブアレイ111及びセンスアンプ133の配置の一例を示すメモリデバイス100の斜視図である。図11は、サブアレイ111及びセンスアンプ133の配置の一例を示すメモリデバイス100の断面図である。図10及び図11の例では、説明を簡略化するため、半導体基板SUB、サブアレイ111、及びセンスアンプ133が示されており、他の構成要素は省略されている。
【0092】
図10及び図11に示すように、本例のメモリデバイス100は、半導体基板SUB上に設けられた複数のサブアレイ111及び複数のセンスアンプ133を含む。図10及び図11の例では、4つのサブアレイ111_i-1、111_i、111_i+1、及び111_i+2が示されている。サブアレイ111及びセンスアンプ133は、Y方向に1個ずつ交互に配置される。すなわち、センスアンプ133は、Y方向において、隣り合う2つのサブアレイ111の間に配置される。各センスアンプ133は、X方向に並んで配置された複数のセンス回路SAを含む。
【0093】
第1実施形態と同様に、ビット線BLは、複数のサブアレイ111に接続される。例えば、ビット線BLは、Y方向に延伸する。図10及び図11の例では、サブアレイ111_i-1及び111_iに接続された選択ビット線BLと、サブアレイ111_i+1及び111_i+2に接続された相補ビット線 ̄BLとが示されている。選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLの長さは、概略同じである。
【0094】
例えば、選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLの各々は、コンタクトプラグCP1を介して、サブアレイ111_iとサブアレイ111_i+1との間に配置されたセンス回路SAに接続される。すなわち、選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLは、選択ビット線BLが接続されたサブアレイ111と、相補ビット線 ̄BLが接続されたサブアレイ111との間に配置されたセンス回路SAに接続される。
【0095】
図11に示すように、本例のメモリデバイス100において、選択ビット線BLからセンス回路SAまでの電流経路(複数の配線及びコンタクトプラグを含む)の長さをL3とする。また、相補ビット線 ̄BLからセンス回路SAまでの電流経路の長さをL4とする。電流経路の長さL3と長さL4とは概略同じである。
【0096】
1.10.1.2 メモリセルアレイにおけるビット線のレイアウト
次に、図12を参照して、メモリセルアレイ110におけるビット線BLのレイアウトの一例について説明する。図12は、ビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0097】
図12に示すように、複数のサブアレイ111とセンスアンプ133がY方向に並んで、交互に配置されている。センスアンプ133内において、複数のセンス回路SAがX方向に一列に並んで配置されている。図12の例では、図12の紙面上側から順に、サブアレイ111_i-1、111_i、111_i+1、111_i+2、111_i+3、111_i+4、及び111_i+5が並んで配置されている。それぞれのサブアレイ111の間に、X方向に並んで配置された3つのセンス回路SAが設けられている。
【0098】
複数のビット線BLがX方向に並んで配置されている。各ビット線BLは、Y方向に延伸する。各ビット線BLは、Y方向において、概略同じ長さに分割される。図12の例では、Y方向に分割されたビット線BLは、2つのサブアレイ111に共通に接続される。ビット線BLの分割位置は、1本毎に異なる。従って、X方向に隣り合うビット線BLは、Y方向において、異なるサブアレイ111の間の領域に配置された異なるセンスアンプ133のセンス回路SAにそれぞれ接続される。このため、X方向に隣り合うビット線BLの電流経路(コンタクトプラグCP1及び配線)は、サブアレイ111を介して、互いに比較的離れた位置にあるため、電流経路におけるCR時定数の増加を抑制できる。
【0099】
1.10.1.3 第1変形例に係る効果
第1変形例に係る構成であれば、第1実施形態と同様に信頼性を向上できるメモリデバイスを提供できる。より具体的には、第1実施形態と同様に、選択ビット線BLの長さと相補ビット線 ̄BLの長さとを概略同じできる。更に、選択ビット線BLからセンス回路SAまでの電流経路の長さL3と、相補ビット線 ̄BLからセンス回路SAまでの電流経路の長さL4とを概略同じにできる。このため、センス回路SAにおいて、CR時定数の違いによる信号受信のタイミングのずれを抑制できる。これにより、読み出し動作及び書き込み動作における誤動作を抑制できる。よって、メモリデバイス100の信頼性を向上できる。
【0100】
より具体的には、第1変形例に係る構成であれば、メモリデバイス100において、複数のサブアレイ111とセンスアンプ133(センス回路SA)とをY方向に交互に並べて配置できる。更に、Y方向において、センス回路SAに接続された一方のビット線BLを含むサブアレイ111と、センス回路SAに接続された他方のビット線BLを含むサブアレイ111との間に、当該センス回路SAを配置できる。更に、2つのサブアレイ111の間に、複数のセンス回路SAを、X方向に並べて配置できる。これにより、電流経路の長さL3と長さL4とを概略同じにできる。
【0101】
例えば、サブアレイ111の間の領域の1つに、X方向に隣り合う2つのビット線BLにそれぞれ対応する2つのセンス回路SAが配置される場合、隣り合うビット線BLにそれぞれ接続されるコンタクトプラグCP1の間の距離が比較的近くなる。このため、コンタクトプラグCP1の間の寄生容量の影響により、CR時定数が増加し、信号の伝達速度が低下する。例えば、コンタクトプラグCP1の間の寄生容量を低減させるため、すなわち、コンタクトプラグCP1の間の距離を拡げるため、サブアレイ111とセンス回路SA(センスアンプ133)との間に、比較的大きな面積のコンタクトプラグCP1の形成領域が設けられる場合がある。
【0102】
これに対し、第1変形例に係る構成であれば、X方向に並んで配置されたビット線BLを、Y方向において、異なるサブアレイ111の間の領域に配置された異なるセンスアンプ133のセンス回路SAにそれぞれ接続できる。このため、隣り合うビット線BLにそれぞれ接続されるコンタクトプラグCP1の間の距離は、サブアレイ111を介して、比較的離れた位置に配置できる。これにより、コンタクトプラグCP1の間の寄生容量を低減できる。すなわち、CR時定数増加による信号遅延を低減できる。よって、メモリデバイス100の処理能力の低下を抑制できる。更に、サブアレイ111とセンス回路SA(センスアンプ133)との間に設けられるコンタクトプラグCP1の形成領域の面積増加を抑制できる。よって、メモリデバイス100のチップ面積の増加を抑制できる。
【0103】
1.10.2 第2変形例
次に、第1実施形態の第2変形例として、半導体基板SUBの上方にセンスアンプ133とメモリセルアレイ110とが積層されている場合について説明する。以下、第1実施形態及び第1実施形態の第1変形例と異なる点を中心に説明する。
【0104】
1.10.2.1 サブアレイ及びセンスアンプの配置
まず、図13及び図14を参照して、サブアレイ111及びセンスアンプ133の配置の一例について説明する。図13は、サブアレイ111及びセンスアンプ133の配置の一例を示すメモリデバイス100の斜視図である。図14は、サブアレイ111及びセンスアンプ133の配置の一例を示すメモリデバイス100の断面図である。図13及び図14の例では、説明を簡略化するため、半導体基板SUB、サブアレイ111、及びセンスアンプ133が示されており、他の構成要素は省略されている。
【0105】
図13及び図14に示すように、本例のメモリデバイス100は、半導体基板SUB上に設けられた複数のセンスアンプ133とセンスアンプ133の上方に設けられた複数のサブアレイ111を含む。図13及び図14の例には、4つのサブアレイ111_i-1、111_i、111_i+1、及び111_i+2が示されている。複数のサブアレイ111及び複数のセンスアンプ133は、Y方向において、1個ずつ交互に配置される。すなわち、センスアンプ133は、Y方向において、2つのサブアレイ111の間に配置される。なお、本構造においても、第1実施形態と同様に、Z方向において、サブアレイ111及びセンスアンプ133の位置は異なる。このため、Y方向において、サブアレイ111の領域の一部と、センスアンプ133の領域の一部とが重なっていてもよい。
【0106】
第1実施形態と同様に、ビット線BLは、複数のサブアレイ111に接続される。例えば、ビット線BLは、Y方向に延伸する。図13及び図14の例では、サブアレイ111_i-1及び111_iに接続された選択ビット線BLと、サブアレイ111_i+1及び111_i+2に接続された相補ビット線 ̄BLとが示されている。選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLの長さは、概略同じである。
【0107】
各センスアンプ133は、X方向に並んで配置された複数のセンス回路SAを含む。
【0108】
例えば、選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLの各々は、Y方向においてサブアレイ111_iとサブアレイ111_i+1との間に配置されたセンス回路SAに接続される。換言すれば、選択ビット線BL及び相補ビット線 ̄BLは、選択ビット線BLが接続されたサブアレイ111と、相補ビット線 ̄BLが接続されたサブアレイ111との間に配置されたセンス回路SAに接続される。
【0109】
図14に示すように、本例のメモリデバイス100において、選択ビット線BLからセンス回路SAまでの電流経路(複数の配線及びコンタクトプラグを含む)の長さをL5とする。また、相補ビット線 ̄BLからセンス回路SAまでの電流経路の長さをL6とする。電流経路の長さL5と長さL6とは概略同じである。
【0110】
1.10.2.2 メモリセルアレイの断面構成
次に、図15を参照して、メモリセルアレイ110の断面構造の一例について説明する。図15は、メモリデバイス100の断面図である。図15の例は、サブアレイ111_i及び111_i+1、並びにセンス回路SA0のトランジスタTN5及びTN6を示している。
【0111】
図15に示すように、メモリデバイス100は、センス回路SA0のトランジスタTN5及びTN6、複数のコンタクトプラグCPA及びCPB、複数の配線M0及びM1、メモリセルアレイ110のサブアレイ111_i及び111_i+1、並びに複数のコンタクトプラグCP1を含む。
【0112】
トランジスタTN5及びTN6、コンタクトプラグCPA及びCPB、並びに配線M0の構成は、第1実施形態の図9と同様である。配線M1は、関連付けられたコンタクトプラグCPB上に設けられた導電体であり、例えば金属である。
【0113】
本実施形態の各サブアレイ111は、半導体基板SUBの上方に、プレート線PLが設けられている。プレート線PLのZ1方向を向いた面上に複数のメモリセルMCが配置されている。メモリセルMCは、Z方向に向かって延伸している。プレート線PLからZ1方向に向かって、キャパシタCC及びセルトランジスタCT(縦型トランジスタ)が順に設けられている。セルトランジスタCTの半導体層10は、関連付けられたワード線WLを貫通している。ワード線WLは、X方向に延伸する。ワード線WLは、プレート線PLが設けられた層と、ビット線BLが設けられた層との間の層に設けられる。
【0114】
配線M1の上には、コンタクトプラグCP1が、Y方向においてセルトランジスタCTと並んで、設けられている。コンタクトプラグCP1は、配線M1とビット線BLとを接続する。
【0115】
例えば、サブアレイ111_iのビット線BL0から、センス回路SA0のトランジスタTN6までの電流経路の長さをL5とする。すなわち、コンタクトプラグCP1、配線M1、コンタクトプラグCPB、配線M0、及びコンタクトプラグCPAを介して、ビット線BL0とトランジスタTN6のソース/ドレイン領域33Aとを接続する電流経路の長さをL5とする。また、サブアレイ111_i+1のビット線 ̄BL0から、センス回路SA0のトランジスタTN5までの電流経路の長さをL6とする。すなわち、コンタクトプラグCP1、配線M1、コンタクトプラグCPB、配線M0、及びコンタクトプラグCPAを介して、相補ビット線 ̄BL0とトランジスタTN5のソース/ドレイン領域33Bとを接続する電流経路の長さをL6とする。電流経路の長さL5とL6とは、L5=L6の関係にある。
【0116】
1.10.2.3 第2変形例に係る効果
第2変形例に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0117】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なるパッドBP及びセンス回路SAの配置について、3つの例を示す。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0118】
2.1 第1例
まず、第2実施形態の第1例について説明する。本例では、パッドBP及びセンス回路SAの配置を関連付けられたビット線BLの上方からX方向にシフトさせた場合について説明する。
【0119】
2.1.1 ビット線、パッドBP、及びセンス回路のレイアウト
図16を参照して、ビット線BL、パッドBP、及びセンス回路SAのレイアウトの一例について説明する。図16は、半導体基板SUB側から見たセンス回路SA、パッドBP、及びビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0120】
図16に示すように、本例では、X方向に並んで配置された複数のビット線BLの分割位置は、4本毎に異なる。例えば、ビット線BL0~BL3は、サブアレイ111_iとサブアレイ111_i+1との間で分割されている。ビット線BL4~BL7は、サブアレイ111_i+1とサブアレイ111_i+2との間で分割されている。ビット線BL8~BL11は、サブアレイ111_i+2とサブアレイ111_i+3との間で分割されている。
【0121】
例えば、センス回路SA0とセンス回路SA2とを同じサブアレイ111の間の領域(サブアレイ111_iとサブアレイ111_i+1との間)に配置する場合、パッドBP2及び ̄BP2並びセンス回路SA2をビット線BL2の上方に配置しようとすると、パッドBP2及び ̄BP2並びセンス回路SA2と、パッドBP0及び ̄BP0並びセンス回路SA0とが重なってしまう。このため、パッドBP2及び ̄BP2並びセンス回路SA2は、ビット線BL2の上方に配置できない。このような場合、例えば、パッドBP2及び ̄BP2並びセンス回路SA2をX方向にシフトさせる。すなわち、パッドBP2及び ̄BP2並びセンス回路SA2を、ビット線BLの長手方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)にシフトさせる。そして、ビット線BLとパッドBPとを接続する電流経路をビット線BLの長手方向と垂直な方向に引き出す。より具体的には、選択ビット線BL2と、パッドBP2とは、X方向に延伸する配線M1を介して、電気的に接続される。同様に、相補ビット線 ̄BL2と、パッド ̄BP2とは、X方向に延伸する配線M1を介して、電気的に接続される。センス回路SA2は、センス回路SA0と同様に、Y方向において、パッドBP2とパッド ̄BP2との間(中間)に配置される。センス回路SA0とセンス回路SA2とは、X方向に並んで配置される。これにより、例えば、パッドBP2からセンス回路SA2までの電流経路の長さと、パッド ̄BP2からセンス回路SA2までの電流経路の長さは、概略同じにできる。なお、図16の例では、パッドBP2及び ̄BP2並びにセンス回路SA2をX方向にシフトさせているが、X方向にシフトさせるパッドBP及び ̄BP並びにセンス回路SAの組は、任意に設計可能である。例えば、パッドBP0及び ̄BP0並びにセンス回路SA0をX方向にシフトさせてもよい。また、パッドBP0及び ̄BP0並びにセンス回路SA0の組とパッドBP2及び ̄BP2並びにセンス回路SA2の組の両方をX方向にシフトさせてもよい。この場合、ビット線BL0に接続される配線M1の長さと、ビット線BL2に接続される配線M1の長さとが概略同じであってもよい。また、ビット線 ̄BL0に接続される配線M1の長さと、ビット線 ̄BL2に接続される配線M1の長さとが概略同じであってもよい。
【0122】
同様に、例えば、センス回路SA4とセンス回路SA6とを同じサブアレイ111の間の領域(サブアレイ111_i+1とサブアレイ111_i+2との間)に配置する場合、パッドBP6及び ̄BP6並びセンス回路SA6をX方向にシフトさせる。選択ビット線BL6と、パッドBP6とは、X方向に延伸する配線M1を介して、電気的に接続される。同様に、相補ビット線 ̄BL6と、パッド ̄BP6とは、X方向に延伸する配線M1を介して、電気的に接続される。
【0123】
例えば、センス回路SA8とセンス回路SA10とを同じサブアレイ111の間の領域(サブアレイ111_i+2とサブアレイ111_i+3との間)に配置する場合、パッドBP10及び ̄BP10並びセンス回路SA10をX方向にシフトさせる。選択ビット線BL10と、パッドBP10とは、X方向に延伸する配線M1を介して、電気的に接続される。同様に、相補ビット線 ̄BL10と、パッド ̄BP10とは、X方向に延伸する配線M1を介して、電気的に接続される。
【0124】
2.1.2 ビット線とパッドBPの接続
次に、図17を参照して、ビット線BLとパッドBPとの接続の一例について説明する。図17は、ビット線BL及びパッドBPを示す斜視図である。図17の例は、ビット線BL0~BL2、複数のコンタクトプラグCP1、複数の配線M1、複数のコンタクトプラグCP2、並びにパッドBP0、 ̄BP0、BP2、及び ̄BP2を示す。
【0125】
図17に示すように、パッドBP0及び ̄BP0は、それぞれ対応するビット線BL0の上方に配置される。より具体的には、Z2方向において、ビット線BL0の上にコンタクトプラグCP1が設けられている。コンタクトプラグCP1の上には、配線M1が設けられている。そして、配線M1の上には、コンタクトプラグCP2が設けられている。コンタクトプラグCP1及びCP2は、配線M1を介して、Z方向に沿って配置される。コンタクトプラグCP2の上には、ビット線BL0の上方に配置されたパッドBP0またはパッド ̄BP0が設けられている。
【0126】
これに対し、パッドBP2及び ̄BP2は、それぞれ対応するビット線BL2の上方からX方向にシフトした位置に配置される。より具体的には、Z2方向において、ビット線BL2の上にコンタクトプラグCP1が設けられている。コンタクトプラグCP1の上には、配線M1が設けられている。ビット線BL2に接続される配線M1は、X方向に延伸する。配線M1のX方向における一方の端部にコンタクトプラグCP1が接続され、他方の端部にコンタクトプラグCP2が接続される。すなわち、コンタクトプラグCP1、配線M1、及びコンタクトプラグCP2によりクランク形状が構成される。コンタクトプラグCP2の上には、パッドBP2またはパッド ̄BP2が設けられる。これにより、パッドBP2及び ̄BP2は、X方向に引き出された状態で、ビット線BL2に接続される。
【0127】
例えば、コンタクトプラグCP1、配線M1、及びコンタクトプラグCP2を介して、選択ビット線BL0とパッドBP0とを接続する電流経路の長さをLc0とする。相補ビット線 ̄BL0とパッド ̄BP0とを接続する電流経路の長さをLd0とする。電流経路の長さLc0及びLd0は、Lc0=Ld0の関係にある。同様に、選択ビット線BL2とパッドBP2とを接続する電流経路の長さをLc2とする。相補ビット線 ̄BL2とパッド ̄BP2とを接続する電流経路の長さをLd2とする。電流経路の長さLc2及びLd2は、Lc2=Ld2の関係にある。但し、選択ビット線BL0からパッドBP0までの電流経路の長さLc0は、選択ビット線BL2からパッドBP2までの電流経路の長さLc2よりも短い。
【0128】
2.2 第2例
次に、第2実施形態の第2例について説明する。本例では、複数のセンス回路SAをX方向に複数列並列に配置する場合について説明する。本例では、センス回路SAは、関連付けれた2つのパッドBPの中間に配置されていない。すなわち、センス回路SAは、サブアレイ111の間の領域に配置されていない。
【0129】
2.2.1 ビット線、パッドBP、及びセンス回路のレイアウト
図18を参照して、ビット線BL、パッドBP、及びセンス回路SAのレイアウトの一例について説明する。図18は、半導体基板SUB側から見たセンス回路SA、パッドBP、及びビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0130】
図18に示すように、ビット線BLの分割位置及びパッドBPの配置は、第1実施形態の図8と同様である。この状態において、例えば、センス回路SA0、SA2、SA8、及びSA10は、X方向に二列に並んで配置される。この中で、センス回路SA0及びSA8は、X方向に一列に並んで配置される。センス回路SA2及びSA10は、X方向に一列に並んで配置される。より具体的には、センス回路SA0、SA2、SA8、及びSA10は、サブアレイ111_i+1の上方に配置される。すなわち、センス回路SAは、Y方向においてサブアレイ111の間の領域に配置されていない。各センス回路SAは、関連付けられた2つのパッドBP及び ̄BPのいずれか一方側に、Y方向にシフトされている。例えば、センス回路SA0は、パッドBP0とパッド ̄BP0との間からパッド ̄BP0側にシフトして配置されている。センス回路SA8も同様である。センス回路SA2は、パッドBP2とパッド ̄BP2との間からパッドBP2側にシフトして配置されている。センス回路SA10も同様である。
【0131】
同様に、センス回路SA4、SA6、SA12、及びSA14は、X方向に二列に並んで配置される。この中で、センス回路SA4及びSA12は、X方向に一列並んで配置される。センス回路SA6及びSA14は、X方向に一列に並んで配置される。センス回路SA4、SA6、SA12、及びSA14は、サブアレイ111_i+3の上方に配置される。例えば、センス回路SA4は、パッドBP4とパッド ̄BP4との間からパッド ̄BP4側にシフトして配置されている。センス回路SA12も同様である。
【0132】
2.2.2 メモリセルアレイの断面構成
次に、図19を参照して、メモリセルアレイ110の断面構造の一例について説明する。図19は、メモリデバイス100の断面図である。図19の例は、サブアレイ111_i及び111_i+1、並びにセンス回路SA0のトランジスタTN5及びTN6を示している。以下では、パッドBP0及び ̄BP0とセンス回路SA0との接続に注目して説明する。
【0133】
図19に示すように、センス回路SA0は、サブアレイ111_i+1の下方に配置されている。この場合、パッドBP0及び ̄BP0の各々とセンス回路SA0とを電流経路の長さが最短となるように接続すると、パッドBP0とセンス回路SA0とを接続する電流経路の長さL1が、パッド ̄BP0とセンス回路SA0とを接続する電流経路の長さL2よりも長くなる。従って、本例では、電流経路の迂回路を形成し、長さL1と長さL2とが概略同じになるように設計する。
【0134】
例えば、センス回路SAは、コンタクトプラグCPA、配線M0、コンタクトプラグCPB、配線M1、及びコンタクトプラグCPCを介してパッドBPに接続される。パッドBP0は、電流経路の長さL1が最短となるように、センス回路SA0に接続される。例えば、センス回路SA0のトランジスタTN6の上にコンタクトプラグCPAが設けられる。コンタクトプラグCPAの上には、配線M0が設けられる。配線M0は、サブアレイ111_iに向かうY方向に延伸する。配線M0の一方の端部には、コンタクトプラグCPAが接続される。配線M0の他方(サブアレイ111_i側)の端部の上には、コンタクトプラグCPBが設けられる。コンタクトプラグCPBの上には、配線M1が設けられる。配線M1の上には、コンタクトプラグCPCが設けられる。コンタクトプラグCPB及びCPCは、Z方向に沿って配置される。コンタクトプラグCPCの上には、パッドBP0が設けられる。
【0135】
また、パッド ̄BP0は、センス回路SA0に迂回して接続される。例えば、センス回路SA0のトランジスタTN5の上にコンタクトプラグCPAが設けられる。コンタクトプラグCPAの上には、配線M0が設けられる。配線M0は、サブアレイ111_iから離れるY方向に延伸する。配線M0の一方の端部には、コンタクトプラグCPAが接続される。配線M0の他方(サブアレイ111_iから遠い側)の端部の上には、コンタクトプラグCPBが設けられる。コンタクトプラグCPBの上には、配線M1が設けられる。配線M1は、サブアレイ111_iに向かうY方向に延伸する。配線M1の一方の端部には、コンタクトプラグCPBが接続される。配線M1の他方(サブアレイ111_iに近い側)の端部の上には、コンタクトプラグCPCが設けられる。コンタクトプラグCPCの上には、パッド ̄BP0が設けられる。
【0136】
2.3 第3例
次に、第3例について説明する。第3例では、ビット線BLの分割位置の配置が、第1実施形態と異なる場合について説明する。
【0137】
図20を参照して、ビット線BL、パッドBP、及びセンス回路SAのレイアウトの一例について説明する。図20は、半導体基板SUB側から見たセンス回路SA、パッドBP、及びビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0138】
以下、複数のビット線BLのいずれかを示す場合、ビット線BLは、変数j(jは、0以上の整数)を用いて、ビット線BLjと表記される。更に、ビット線BLjに接続されるパッドBPをBPjと表記する。
【0139】
図20に示すように、本例では、X方向に並んで配置された複数のビット線BLの分割位置は、2本毎に異なる。本例におけるビット線BLの分割位置の配置は、第1実施形態の図8と異なる。本例では、パッドBPj及びBP(j+2)がY方向に隣り合わないように配置される。例えば、ビット線BL0及びBL1は、サブアレイ111_iとサブアレイ111_i+1との間で分割されている。ビット線BL2及びBL3は、サブアレイ111_i+2とサブアレイ111_i+3との間で分割されている。ビット線BL4及びBL5は、サブアレイ111_i+1とサブアレイ111_i+2との間で分割されている。すなわち、本例では、第1実施形態の図8に対して、ビット線BL2及びBL3の分割位置と、ビット線BL4及びBL5の分割位置とが入れ替わっている。
【0140】
より具体的には、選択サブアレイ111_iに接続されたビット線BL0は、サブアレイ111_iのサブアレイ111_i+1を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッドBP0に電気的に接続される。他方で、非選択サブアレイ111(111_i+1~111_i+3を含む)に接続されたビット線BL0(相補ビット線 ̄BL0)は、サブアレイ111_i+1のサブアレイ111_iを向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッド ̄BP0に接続される。Y方向において、パッドBP0とパッド ̄BP0との間(中間)にセンス回路SA0が配置される。パッドBP0及び ̄BP0は、センス回路SA0にそれぞれ接続される。第1実施形態の図8と同様に、X方向において、パッドBP0及び ̄BP0、並びにセンス回路SA0の隣に、ビット線BL8に接続されたパッドBP8及び ̄BP8、並びにセンス回路SA8がそれぞれ配置されている。
【0141】
選択サブアレイ111_iに接続されたビット線BL4は、サブアレイ111_i+1のサブアレイ111_i+2を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッドBP4に電気的に接続される。他方で、非選択サブアレイ111(111_i+2及び111_i+3を含む)に接続されたビット線BL4(相補ビット線 ̄BL4)は、サブアレイ111_i+2のサブアレイ111_i+1を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッド ̄BP4に接続される。Y方向において、パッドBP4とパッド ̄BP4との間にセンス回路SA4が配置される。パッドBP4及び ̄BP4は、センス回路SA4にそれぞれ接続される。ビット線BL12、パッドBP12及び ̄BP12、並びにセンス回路SA12の配置も同様である。サブアレイ111_i+1とサブアレイ111_i+2との間に、センス回路SA4とセンス回路SA12とが、X方向に並んで配置される。
【0142】
選択サブアレイ111_iに接続されたビット線BL2は、サブアレイ111_i+2のサブアレイ111_i+3を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッドBP2に電気的に接続される。他方で、非選択サブアレイ111(111_i+3を含む)に接続されたビット線BL2(相補ビット線 ̄BL2)は、サブアレイ111_i+3のサブアレイ111_i+2を向いた端部上方において、コンタクトプラグCP1を介して、パッド ̄BP2に接続される。Y方向において、パッドBP2とパッド ̄BP2との間にセンス回路SA2が配置される。パッドBP2及び ̄BP2は、センス回路SA2にそれぞれ接続される。ビット線BL10、パッドBP10及び ̄BP10、並びにセンス回路SA10の配置も同様である。サブアレイ111_i+2とサブアレイ111_i+3との間に、センス回路SA2とセンス回路SA10とが、X方向に並んで配置される。
【0143】
2.4 本実施形態に係る効果
本実施形態の第1例乃至第3例に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0144】
本実施形態の第1例に係る構成であれば、パッドBP及びセンス回路SA2の配置を関連付けられたビット線BLの長手方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)にシフトさせることができる。ビット線BLとセンス回路SAとを接続する電流経路をビット線BLの長手方向と垂直な方向に引き出すことができる。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0145】
更に、本実施形態の第1例に係る構成であれば、複数のビット線BLの分割位置が、例えば3本以上の複数本毎に異なる場合においても、第1実施形態と同様に、関連付けられた2つのパッドBPの間にセンス回路SAを配置できる。
【0146】
なお、第1例は、第1実施形態の第1変形例及び第2変形例にも適用できる。この場合、センス回路SAの配置を関連付けられたビット線BLの長手方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)にシフトさせることができる。更に、ビット線BLとセンス回路SAとを接続する電流経路をビット線BLの長手方向と垂直な方向に引き出すことができる。
【0147】
本実施形態の第2例に係る構成であれば、複数のセンス回路SAをX方向に複数列並列に配置できる。センス回路SAが関連付けられた2つのパッドBP間に配置されていない場合においても、パッドBPとセンス回路SAとの電流経路に迂回路を形成できる。これにより、パッドBPとセンス回路SAとを接続する電流経路の長さL1及びL2を概略同じにできる。よって、第1実施形態の第1変形例及び第2変形例と同様の効果が得られる。
【0148】
なお、第2例は、第1実施形態の第2変形例にも適用できる。この場合、ビット線BLとセンス回路SAとを接続する電流経路に迂回路を形成できる。これにより、ビット線BLとセンス回路SAとを接続する電流経路の長さL5及びL6を概略同じにできる。よって、第1実施形態の第2変形例と同様の効果が得られる。
【0149】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、各ビット線BLの分割位置が同じである場合について説明する。以下、第1及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0150】
3.1 チップの構成
まず、図21を参照して、チップの構成の一例について説明する。図21は、メモリデバイス100のチップの構成の一例を示す断面図である。なお、図21の例では、説明を簡略化するため、メモリセルアレイ110及びセンスアンプ133が示されており、他の回路は省略されている。
【0151】
図21に示すように、メモリセルアレイ110は、サブアレイ111_i及び111_i+1を含む。ビット線BLは、1つのサブアレイ111に接続される。すなわち、複数のサブアレイ111は、ビット線BLを共有しない。図21の例では、サブアレイ111_iに接続された選択ビット線BLと、サブアレイ111_i+1に接続された相補ビット線 ̄BLとが示されている。選択ビット線BLと相補ビット線 ̄BLとの長さは、概略同じである。例えば、図21に示す選択ビット線BLの長さをLaとし、相補ビット線 ̄BLの長さをLbとすると、La=Lbの関係にある。
【0152】
回路チップ2000の半導体基板SUBの上には、複数のセンスアンプ133が分散して配置されている。各センスアンプ133は、X方向に並んで配置された複数のセンス回路SAを含む。本実施形態では、センス回路SAは、サブアレイ111の間に配置されていなくてもよい。センス回路SAは、Y方向において、選択ビット線BLが接続されたパッドBPと、相補ビット線 ̄BLが接続されたパッド ̄BPの中間に配置される。
【0153】
第1実施形態と同様に、選択ビット線BLが接続されたパッドBPからセンス回路SAまでの電流経路(複数の配線及びコンタクトプラグを含む)の長さをL1とする。また、相補ビット線 ̄BLが接続されたパッドBPからセンス回路SAまでの電流経路の長さをL2とする。電流経路の長さL1と長さL2とは概略同じである。
【0154】
3.2 メモリセルアレイにおけるビット線のレイアウト
次に、図22及び図23を参照して、メモリセルアレイ110におけるビット線BLのレイアウトの一例について説明する。図22は、ビット線BLのレイアウトを示す図である。図23は、図22の領域EV2の拡大図である。図22の例は、半導体基板SUB側から見たビット線BLのレイアウトを示している。図23の例は、半導体基板SUB側から見たセンス回路SA、パッドBP、及びビット線BLのレイアウトを示している。
【0155】
図22に示すように、複数のサブアレイ111がY方向に並んで配置されている。図22の例では、図22の紙面上側から順に、サブアレイ111_i及び111_i+1が並んで配置されている。
【0156】
複数のビット線BLがX方向に並んで配置されている。各ビット線BLは、Y方向に延伸する。各ビット線BLは、Y方向において、概略同じ長さに分割される。本実施形態では、Y方向における各ビット線BLの分割位置は、同じである。分割ビット線BLは、1つのサブアレイ111に接続される。
【0157】
本実施形態では、Y方向に隣り合う2つの分割ビット線BLが、1つのセンス回路SAに接続される。図22の例では、サブアレイ111_iのワード線WLが選択されている。従って、サブアレイ111_iの分割ビット線BLが選択ビット線BLである。サブアレイ111_i+1(または図示せぬサブアレイ111_i-1)の分割ビット線BLが相補ビット線 ̄BLである。
【0158】
例えば、1つのセンス回路SAに接続される2つのコンタクトプラグCP1は、対応するビット線BLの端部からビット線BLとコンタクトプラグCP1との接続位置までの距離が異なる。図22の例では、サブアレイ111_iのビット線BL0の端部からビット線BL0とコンタクトプラグCP1との接続位置までの距離は、サブアレイ111_i+1のビット線BL0の端部からビット線BL0とコンタクトプラグCP1との接続位置までの距離よりも長い。また、例えば、サブアレイ111_iのビット線BL6の端部からビット線BL6とコンタクトプラグCP1との接続位置までの距離は、サブアレイ111_i+1のビット線BL6の端部からビット線BL6とコンタクトプラグCP1との接続位置までの距離よりも短い。
【0159】
また、Y方向におけるビット線BLとコンタクトプラグCP1との接続位置は、ビット線BL毎に異なる。例えば、サブアレイ111_iのビット線BL0、BL2、BL4、及びBL6を注目すると、各々のビット線BLとコンタクトプラグCP1との接続位置は、Y方向において異なる位置に設けられている。但し、1つのセンス回路SAに接続される2つのコンタクトプラグCP1の距離は、各ビット線BLにおいて、概略同じである。
【0160】
次に、ビット線BLの分割位置と、各ビット線BLに接続されるパッドBPと、センス回路SAとの配置に注目して説明する。
【0161】
図23に示すように、サブアレイ111内の各ビット線BLに接続されるパッドBPは、関連付けられたビット線BLの上方に配置される。すなわち、パッドBPは、対応するサブアレイ111の上方に配置される。例えば、サブアレイ111_iのビット線BL0、BL2、BL4、及びBL6にそれぞれ接続されるパッドBP0、BP2、BP4、及びBP6は、ビット線BLの配置に合わせてX方向に位置をずらしながら、Y方向に並んで配置される。また、サブアレイ111_iのビット線BL8、BL10、BL12、及びBL14にそれぞれ接続されるパッドBP8、BP10、BP12、及びBP14は、X方向において、パッドBP0、BP2、BP4、及びBP6とそれぞれ並んで配置される。例えば、ビット線BL0の端部からパッドBP0までの距離と、ビット線BL2の端部からパッドBP2までの距離と、ビット線BL4の端部からパッドBP4までの距離と、ビット線BL6の端部からパッドBP6までの距離とは、それぞれ異なる。パッドBP8、BP10、BP12、及びBP14についても同様である。
【0162】
サブアレイ111_i+1と関連付けれたパッドBPの配置についても同様である。例えば、非選択サブアレイ111_i+1の相補ビット線 ̄BL0及び ̄BL2にそれぞれ接続されるパッド ̄BP0及び ̄BP2は、ビット線BLの配置に合わせてX方向に位置をずらしながら、Y方向に並んで配置される。サブアレイ111_i+1の相補ビット線 ̄BL8及び ̄BL10にそれぞれ接続されるパッド ̄BP8及び ̄BP10は、X方向において、パッド ̄BP0及び ̄BP2とそれぞれ並んで配置される。例えば、ビット線 ̄BL0の端部からパッド ̄BP0までの距離と、ビット線 ̄BL2の端部からパッド ̄BP2までの距離とは、異なる。パッド ̄BP8及び ̄BP10についても同様である。
【0163】
1つのセンス回路SAに接続される2つのパッドBPの間の距離は、ビット線BLによらず概略同じである。より具体的には、例えば、センス回路SA0に接続されるパッドBP0とパッド ̄BP0との間の距離は、センス回路SA2に接続されるパッドBP2とパッド ̄BP2との間の距離と概略同じである。
【0164】
センス回路SAは、Y方向において、接続される2つのパッドBPの中間に配置される。より具体的には、例えば、Y方向において、パッドBP0とパッド ̄BP0との中間にセンス回路SA0が配置される。また、Y方向において、パッドBP2とパッド ̄BP2との中間にセンス回路SA2が配置される。他のセンス回路SAも同様である。例えば、Y方向において、パッドBP8とパッド ̄BP8との中間にセンス回路SA8が配置される。センス回路SA8は、センス回路SA0とX方向に並んで配置される。例えば、Y方向において、パッドBP10とパッド ̄BP10との中間にセンス回路SA10が配置される。センス回路SA10は、センス回路SA2とX方向に並んで配置される。
【0165】
3.3 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、センス回路SAに接続される2つのパッドBPの中間にセンス回路SAを配置できる。すなわち、センス回路SAから一方のパッドBPまでの距離と、センス回路SAから他方のパッドBPまでの距離とを概略同じにできる。これにより、一方のパッドBPとセンス回路SAとを接続する電流経路の長さL1と、他方のパッドBPとセンス回路SAとを接続する電流経路の長さL2とを概略同じにできる。よって、第1実施形態と同様の効果が得らえる。
【0166】
4 第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第3実施形態と異なるパッドBP及びセンス回路SAの配置について、3つの例を示す。以下、第1乃至第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0167】
4.1 第1例
まず、第4実施形態の第1例について説明する。本例では、1つのサブアレイ111の上方において、パッドBP、センス回路SA、及びパッド ̄BPがY方向に並んで配置される場合について説明する。図24は、半導体基板SUB側から見たセンス回路SA、パッドBP、及びビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0168】
図24に示すように、ビット線BLの配置は、第3実施形態の図22及び図23と同様である。センス回路SAと当該センス回路SAに接続されるパッドBP及び ̄BPは、1つのサブアレイの上方において、パッドBP、センス回路SA、及びパッド ̄BPの順にY方向に並んで配置される。すなわち、センス回路SAは、Y方向において、関連付けられたパッドBP及び ̄BPの間に配置される。なお、本例では、選択ビット線BLとパッドBPとの間の電流経路の長さと、相補ビット線 ̄BLとパッド ̄BPとの間の電流経路の長さとが概略同じとなるように、電流経路の迂回路が形成され得る。
【0169】
図24に示すパッドBP及び ̄BP並びにセンス回路SAの配置は、第2実施形態の第3例の図20と同様である。すなわち、パッドBPjとパッドBP(j+2)とは、Y方向に隣り合わないように配置される。更に、パッドBPjとパッドBP(j+2)とは、異なるサブアレイ111の上方に設けられる。より具体的には、サブアレイ111_iの上方において、選択サブアレイ111_iのビット線BL0に接続されるパッドBP0と、非選択サブアレイ111_i+1の相補ビット線 ̄BL0に接続されるパッド ̄BP0とがY方向に並んで配置される。そして、パッドBP0とパッド ̄BP0との間に、センス回路SA0が配置される。X方向において、パッドBP0及び ̄BP0、並びにセンス回路SA0の隣にパッドBP8及び ̄BP8、並びにセンス回路SA8がそれぞれ配置されている。
【0170】
サブアレイ111_iの上方において、選択サブアレイ111_iのビット線BL4に接続されるパッドBP4と、非選択サブアレイ111_i+1の相補ビット線 ̄BL4に接続されるパッド ̄BP4とがY方向に並んで配置される。そして、パッドBP4とパッド ̄BP4との間に、センス回路SA4が配置される。X方向において、パッドBP4及び ̄BP4、並びにセンス回路SA4の隣にパッドBP12及び ̄BP12、並びにセンス回路SA12がそれぞれ配置されている。
【0171】
サブアレイ111_i+1の上方において、選択サブアレイ111_iのビット線BL2に接続されるパッドBP2と、非選択サブアレイ111_i+1の相補ビット線 ̄BL2に接続されるパッド ̄BP2とがY方向に並んで配置される。そして、パッドBP2とパッド ̄BP2との間に、センス回路SA2が配置される。X方向において、パッドBP2及び ̄BP2、並びにセンス回路SA2の隣にパッドBP10及び ̄BP10、並びにセンス回路SA10がそれぞれ配置されている。
【0172】
なお、本例におけるパッドBP及び ̄BP並びにセンス回路SAの配置は、第1実施形態の図8と同様であってもよい。
【0173】
4.2 第2例
次に、第4実施形態の第2例について説明する。本例では、書き込み動作において、一括して選択される複数のビット線BLの各々に接続されるパッドBPがY方向に隣り合って配置されてない場合について説明する。図25は、パッドBP及びビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0174】
例えば、書き込み動作では、8ビット単位でデータの書き込み動作が実行される。この場合、書き込み動作において、選択サブアレイ111の選択ワード線WLに接続され且つ8本の選択ビット線BLの各々に接続された複数のメモリセルMCが一括して選択される。換言すれば、8本の選択ビット線BLの各々に対応する8本のパッドBPが一括して選択される。
【0175】
図25に示すように、本例では、一括して選択される複数のパッドBPがY方向に隣り合わないように配置される。例えば、選択ビット線BL0~BL7が一括して選択される場合、パッドBP0~BP7がY方向に隣り合わないように配置される。より具体的には、例えば、選択サブアレイ111_iに対応するパッドBP0、BP8、BP2、BP10、BP4、BP12、BP6、BP14が、Y方向に並んで配置される。すなわち、パッドBP0、BP2、BP4、及びBP6が、Y方向に隣り合わないように配置されている。
【0176】
4,3 第3例
次に、第4実施形態の第3例について説明する。本例では、近傍に配置された複数のビット線BLの各々に接続されるパッドBPがY方向に隣り合って配置されてない場合について説明する。図26は、パッドBP及びビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0177】
図26に示すように、本例では、パッドBPj、パッドBP(j+2)、及びパッドBP(j+4)がY方向に隣り合わないように配置される。そして、パッドBPjには、パッドBP(j+6)が、Y方向に隣り合うに配置される。より具体的には、例えば、選択サブアレイ111_iに対応するパッドBP0、BP6、BP12、BP18、BP24、及びBP30が、ビット線BLの配置に合わせてX方向に位置をずらしながら、Y方向に並んで配置される。同様に、BP2、BP8、BP14、BP20、及びBP26が、ビット線BLの配置に合わせてX方向に位置をずらしながら、Y方向に並んで配置される。BP4及びBP10が、ビット線BLの配置に合わせてX方向に位置をずらしながら、Y方向に並んで配置される。BP16、BP22、及びBP28が、ビット線BLの配置に合わせてX方向に位置をずらしながら、Y方向に並んで配置される。
【0178】
4.4 本実施形態に係る効果
本実施形態の第1例乃至第3例に係る構成であれば、第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0179】
更に、本実施形態の第1例であれば、パッドBPj及びBP(j+2)は、Y方向に隣り合わないように配置できる。更に、パッドBPjとパッドBP(j+2)とは、異なるサブアレイ111の上方に設けることができる。これにより、例えば、ビット線BL(j+2)は、ビット線BLjのシールドとして機能させることができる。これにより、近傍に配置されたビット線BLとのカップリングに起因した信号のノイズを低減でき、センス回路SAの読み出しマージンを拡大できる。
【0180】
更に、本実施形態の第2例であれば、書き込み動作において、一括して選択される複数のパッドBPがY方向に隣り合わないように配置できる。これにより、選択されたパッドBP間の寄生容量を低減できる。
【0181】
更に、本実施形態の第3例であれば、パッドBPj、パッドBP(j+2)、及びパッドBP(j+4)がY方向に隣り合わないように配置できる。これにより、パッドBPjに対して、パッドBP(j+2)、パッドBP(j+4)の寄生容量の影響を低減できる。
【0182】
なお、第2例及び第3例のパッドBPの配置は、第1実施形態、第1実施形態の第1変形例、及び第1実施形態の第2変形例にも適用できる。
【0183】
5 第5実施形態
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、Open-BL方式とは異なるセンス回路の方式について説明する。以下、第1乃至第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0184】
5.1 メモリセルアレイ110とセンス回路との接続
まず、図27を参照して、メモリセルアレイ110とセンス回路との接続の一例について説明する。図27は、メモリセルアレイ110とセンス回路SAとの接続の一例を示す概略図である。図27の例は、サブアレイ111_i及び111_i+1並びにセンスアンプ133を示している。
【0185】
図27に示すように、例えば、サブアレイ111_i及び111_i+1の各々は、偶数番のビット線BL0と、偶数番のワード線WL0、WL2、WL4、及びWL6とに関連付けられた複数のメモリセルMCと、奇数番のビット線BL1と、奇数番のワード線WL1、WL3、WL5、及びWL7とに関連付けられた複数のメモリセルMCとを含む。本実施形態では、同一サブアレイ111の隣り合う偶数番のビット線BLと奇数番のビット線BLとが1つのセンス回路に接続される。図27の例では、サブアレイ111_iのビット線BL0とビット線BL1とがセンス回路SA0_1に接続される。例えば、サブアレイ111_iのワード線WL2が選択されている場合、ビット線BL0が選択ビット線BL0であり、ビット線BL1が相補ビット線 ̄BL1である。
【0186】
本実施形態のセンス回路SAは、関連付けられたサブアレイ111において接続された2本のビット線BLの一方を参照ビット線BLとして使用することによって、他方のビット線BLに接続され且つ選択されたメモリセルMCから読み出されたデータに基づく電圧又は電流を増幅することができる。以下、このような方式をFolded-BL方式と表記する。
【0187】
5.2 ビット線、パッドBP、及びセンス回路のレイアウト
次に、図28を参照して、ビット線BL、パッドBP、及びセンス回路SAのレイアウトの一例について説明する。図28は、半導体基板SUB側から見たセンス回路SA、パッドBP、及びビット線BLのレイアウトを示す図である。
【0188】
図28に示すように、第3実施形態と同様に、Y方向における各ビット線BLの分割位置は、同じである。1つのサブアレイ111が分割された各ビット線BLに対応する。
【0189】
本実施形態では、X方向に隣り合って配置された偶数番のビット線BLと奇数番のビット線BLとが1つのセンス回路に接続される。図28の例では、ビット線BL0及びビット線BL1がセンス回路SA0_1に接続される。ビット線BL2及びビット線BL3がセンス回路SA2_3に接続される。ビット線BL12及びビット線BL13がセンス回路SA12_13に接続される。ビット線BL14及びビット線BL15がセンス回路SA14_15に接続される。
【0190】
各ビット線BLに接続されるパッドBPは、関連付けられたビット線BLの上方に配置される。パッドBPは、別のセンス回路SAに接続された隣り合うビット線BLのパッドBPと、Y方向に隣り合って配置されないように、レイアウトされる。図28の例では、ビット線BL0~BL3に着目すると、図28の紙面上側から、パッドBP1、BP0、BP2、及びBP3の順にY方向に並んで配置される。パッドBP0とBP1の順序を入れ替えて、異なるセンス回路に接続されるパッドBP1とBP2とがY方向に並ばないように配置されている。ビット線BL12~15に接続されるパッドBP12~BP15も同様である。
【0191】
センス回路SAは、関連付けられた2つのパッドBPの間に配置される。図28の例では、図28の紙面上側から下側に向かって、パッドBP1とセンス回路SA0_1とパッドBP0とがY方向に並んで配置される。パッドBP2とセンス回路SA2_3とパッドBP3とがY方向に並んで配置される。パッドBP13とセンス回路SA12_13とパッドBP12との配置は、パッドBP1とセンス回路SA0_1とパッドBP0との配置と同様である。センス回路SA0_1とセンス回路SA12_13とが、X方向に並んで配置される。パッドBP14とセンス回路SA14_15とパッドBP15との配置は、パッドBP2とセンス回路SA2_3とパッドBP3との配置と同様である。センス回路SA2_3とセンス回路SA14_15とが、X方向に並んで配置される。
【0192】
5.3 ビット線BLとセンス回路との接続
次に、図29を参照して、ビット線BLとセンス回路SAとの接続について説明する。図29は、ビット線BLとセンス回路SAとの接続を示す概念図である。図29の例は、1つのサブアレイ111のビット線BL(j-2)~BL(j+3)、ビット線BL(j-2)~BL(j+3)にそれぞれ接続されるパッドBP(j-2)~BP(j+3)、及びこれらのビット線BLに対応する3つのセンス回路SAを示している。
【0193】
図29に示すように、本実施形態では、パッドBPは、別のセンス回路SAに接続された隣り合うビット線BLのパッドBPと、隣り合って配置されないように、レイアウトされる。例えば、パッドBPjに着目すると、パッドBPjは、パッドBP(j-1)とは隣り合わないように、パッドBP(j+1)と配置が入れ替えられている。これにより、例えば、回路チップ2000において、パッドBPjとセンス回路SAとを接続する配線(電流経路)は、パッドBP(j+2)と異なるセンス回路SAとを接続する配線(電流経路)と隣り合う。同様に、パッドBP(j+1)とセンス回路SAとを接続する配線(電流経路)は、パッドBP(j-1)とセンス回路SAとを接続する配線(電流経路)と隣り合う。
【0194】
5.4 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第3実施形態と同様の効果が得らえる。
【0195】
更に、本実施形態に係る構成であれば、1つのビット線BLに接続されたパッドBPは、異なるセンス回路SAに接続された隣り合うビット線BLのパッドBPと、Y方向に隣り合って配置されないように、レイアウトできる。すなわち、これにより、異なるセンス回路SAに接続されたパッドBP間の寄生容量を低減できる。
【0196】
また、本実施形態に係る構成であれば、パッドBPjとセンス回路SAとを接続する配線(電流経路)は、パッドBP(j+2)と異なるセンス回路SAとを接続する配線(電流経路)と隣り合うように配置できる。これにより、パッドBPとセンス回路SAとを接続する配線において、隣接する配線とのカップリングに起因したノイズの対称性を向上させることができる。この結果、隣り合うビット線BLからのノイズの非対称性を低減でき、読み出しマージンを向上させることができる。
【0197】
6.その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0198】
10…半導体層、11…ゲート絶縁層、12、31…ゲート電極、19、22、23…導電体層、24…絶縁体層、30…ウェル領域、32…ゲート絶縁層、33A、33B…ソース/ドレイン領域、40、41…層間絶縁層、100…メモリデバイス、110…メモリセルアレイ、111…サブアレイ、120…ロウ制御回路、121…ドライバ回路、122…アドレスデコーダ、130…カラム制御回路、131…アドレスデコーダ、132…カラム選択回路、133…センスアンプ、140…読み出し/書き込み回路、150…入出力回路、160…制御回路、200…メモリコントローラ、1000…アレイチップ、2000…回路チップ、AA1、AA2…アクティブ領域、BL…ビット線、BP…パッド、CC…セルキャパシタ、CP1、CP2、CPA、CPB、CPC、VC…コンタクトプラグ、CT…セルトランジスタ、IV1、IV2…インバータ回路、M0、M1…配線、MC…メモリセル、PL…プレート線、SA…センス回路、TN1~TN6、TP1、TP2…トランジスタ、WL…ワード線
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