▶ 杉山重工株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134114
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】スプリットコーンバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 1/12 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
F16K1/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044228
(22)【出願日】2023-03-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】591173855
【氏名又は名称】杉山重工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】杉山 大介
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA03
3H052BA35
3H052CA02
3H052CB22
3H052EA06
(57)【要約】
【課題】移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブを提供する。
【解決手段】本発明のスプリットコーンバルブ1は、投入側バルブ3と排出側バルブ5は、投入側バルブ3の上部バルブ3Aが排出側バルブ5に被覆されると共に、投入側バルブ3の第1連結機構6と排出側バルブ5の第2連結機構7により連結された状態で、接合された投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4から昇降部(駆動シャフト)8によって上昇離脱されることでバルブ開口するように構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、
前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、
前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、
前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されバルブ開口するように構成されていることを特徴とするスプリットコーンバルブ。
【請求項2】
前記投入側バルブの前記上部バルブは円錐体部を有し、前記投入側バルブの前記下部バルブは逆円錐体部を有しており、前記排出側バルブは中空の円錐体部を有している請求項1に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項3】
前記昇降部は、前記排出側バルブに設けられた駆動シャフトを有し、該駆動シャフトは、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により前記投入側バルブと前記排出側バルブとを連結するために回転可能に構成されている請求項1または2に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項4】
前記投入側バルブの表面には、前記投入側バルブと前記排出側バルブが連結した際に形成される前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙における気密性を保持するための気密用パッキンが設けられ、
前記排出側バルブの前記駆動シャフトは中空に構成され、
当該駆動シャフトを介して前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙内を真空排気可能またはガス置換可能に構成されている請求項3に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項5】
前記投入側バルブは、前記上部バルブと前記下部バルブの間に投入側バルブ直胴部を有し、該投入側バルブ直胴部において前記投入側シール用フランジを介して前記投入口に配され、前記排出側バルブは、下端に排出側バルブ直胴部を有し、該排出側バルブ直胴部において前記排出側シール用フランジを介して前記排出口に配されている請求項1に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項6】
前記気密用パッキンは、前記投入側バルブの前記上部バルブの表面に設けられた第1環状体と、前記投入側バルブの前記投入側バルブ直胴部に設けられた第2環状体にて構成されている請求項4に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項7】
前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブを配置するためのタンクステーションを有し、該タンクステーションは、前記投入側バルブを位置決めするための固定フィンを有している請求項1に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項8】
前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブと前記排出側バルブを連結する際に、前記投入側バルブが前記排出側バルブと共回りすることを防止するための投入側バルブ共回り防止機構を有している請求項1に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項9】
前記投入側バルブ共回り防止機構は、前記投入側バルブの前記下部バルブに設けられた凹部と、該凹部に侵入して前記投入側バルブの共回りを係止する係止部を有している請求項8に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項10】
前記排出側バルブは、前記駆動シャフト内に前記第2連結機構を備えたロックシャフトを有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記ロックシャフトの降下および回転により、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記ロックシャフトの前記第2連結機構によって連結するように構成されている請求項3に記載のスプリットコーンバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粉体を原料缶やカプセルからタンクやホッパーへ移送する際に使用して好適なスプリットコーンバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
粉体を原料缶やカプセルからタンクやホッパーへ移送する場合、供給側の缶と受入れ側のタンクの接続部には、バタフライ弁(例えば特開2021-116889号公報等)、ボール弁(例えば特開2021-162027号公報等)またはスライドシャッターを設置し、バルブの開閉動作によって粉体を移送している。
【0003】
しかし、バルブの構造上、弁体部やボール部に粉体(移送物)が残留付着して機器周辺への粉飛散や汚染の原因となっている。具体的には、バタフライ弁では、
図15(a)に示した閉時の円形弁体100が、開時には
図15(b)に示すように90°回転し、この円形弁体100の側面100aに粉体が接触しながら通過するため、円形弁体100やケーシング101の内面101aに残留付着した粉体がタンク分離後に暴露状態となるものであった。また、ボール弁でも同様に、
図17(a)に示した閉時のボール弁体102が、開時には
図17(b)に示すように90°回転し、ボール弁体102とケーシング103の隙間に粉塵が侵入して、ボール弁体102の表面102aやケーシング103の内面103aに残留付着した粉体がタンク分離後に暴露状態となるものであった。
【0004】
ところで、Liイオン電池、固体電解質または触媒材料など近年開発が進んでいる高機能材料の分野では、毒性のある特定化学物質指定の材料を用いたり、大気中の酸素や湿度と反応し有毒ガスを発生させる材料を扱うケースが増加しており、これら粉体の移送においていかに移送系の外部へ粉体を放出させないかが懸案となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-116889号公報
【特許文献2】特開2021-162027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するものは、 投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されることでバルブ開口するように構成されていることを特徴とするスプリットコーンバルブである(請求項1)。
【0008】
前記投入側バルブの前記上部バルブは円錐体部を有し、前記投入側バルブの前記下部バルブは逆円錐体部を有しており、前記排出側バルブは中空の円錐体部を有していることが好ましい(請求項2)。前記昇降部は、前記排出側バルブに設けられた駆動シャフトを有し、該駆動シャフトは、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により前記投入側バルブと前記排出側バルブとを連結するために回転可能に構成されていることが好ましい(請求項3)。前記投入側バルブの表面には、前記投入側バルブと前記排出側バルブが連結した際に形成される前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙における気密性を保持するための気密用パッキンが設けられ、前記排出側バルブの前記駆動シャフトは中空に構成され、当該駆動シャフトを介して前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙内を真空排気可能またはガス置換可能に構成されていることが好ましい(請求項4)。前記投入側バルブは、前記上部バルブと前記下部バルブの間に投入側バルブ直胴部を有し、該投入側バルブ直胴部において前記投入側シール用フランジを介して前記投入口に配され、前記排出側バルブは、下端に排出側バルブ直胴部を有し、該排出側バルブ直胴部において前記排出側シール用フランジを介して前記排出口に配されていることが好ましい(請求項5)。前記気密用パッキンは、前記投入側バルブの前記上部バルブの表面に設けられた第1環状体と、前記投入側バルブの前記投入側バルブ直胴部に設けられた第2環状体にて構成されていることが好ましい(請求項6)。前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブを配置するためのタンクステーションを有し、該タンクステーションは、前記投入側バルブを位置決めするための固定フィンを有していることが好ましい(請求項7)。前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブと前記排出側バルブを連結する際に、前記投入側バルブが前記排出側バルブと共回りすることを防止するための投入側バルブ共回り防止機構を有していることが好ましい(請求項8)。前記投入側バルブ共回り防止機構は、前記投入側バルブの前記下部バルブに設けられた凹部と、該凹部に侵入して前記投入側バルブの共回りを係止する係止部を有していることが好ましい(請求項9)。前記排出側バルブは、前記駆動シャフト内に前記第2連結機構を備えたロックシャフトを有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記ロックシャフトの降下および回転により、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記ロックシャフトの前記第2連結機構によって連結するように構成されていることが好ましい(請求項10)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載したスプリットコーンバルブによれば、投入側バルブと排出側バルブが連結されることで、移送物の移送後に双方が分離しても、投入側バルブの上面と排出側バルブの内面に移送物が付着していないため、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することがない。
請求項2に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、移送物が排出側バルブの傾斜面に沿って円周方向に均等に分散されると共に、投入側バルブの下部バルブが逆円錐体部であるため、排出口に対して十分な開口領域を構成することができ、これらの構造により移送物の偏析を防止することができる。
請求項3に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの連結をより確実かつ容易に行うことができる。
請求項4に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの間隙に空気や置換ガスが残存して移送物に混入することを防止できると共に、バルブ開口時に移送物が混入することを防止することができる。
請求項5に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、より気密性を保持した状態で投入口に投入側バルブを配し、排出口に排出側バルブを配することができる。
請求項6に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの間隙内の気密性をより確実に保持することができる。
請求項7に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブを位置決めされた定位置に配することができる。
請求項8に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブを連結する際に、投入側バルブが排出側バルブと共回りすることを防止することができる。
請求項9に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブ共回り防止機構を簡素な構造で構成できる。
請求項10に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの連結をより確実かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のスプリットコーンバルブの一実施例の一連の作用を示した説明図である。
【
図2】
図1に示したスプリットコーンバルブの投入側バルブの拡大斜視図である。
【
図3】
図1に示したスプリットコーンバルブの排出側バルブの拡大斜視図である。
【
図4】
図1に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための説明図である。
【
図5】
図1に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための説明図である。
【
図6】
図1に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための説明図である。
【
図7】
図1に示したスプリットコーンバルブの効果を説明するための説明図である。
【
図8】
図1に示したスプリットコーンバルブの効果を説明するための説明図である。
【
図9】
図1に示したスプリットコーンバルブの他の効果を説明するための説明図である。
【
図10】
図1に示したスプリットコーンバルブの他の効果を説明するための説明図である。
【
図11】
図1に示したスプリットコーンバルブの投入側バルブ付帯機構を説明するための拡大斜視図である。
【
図12】本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例を説明するための拡大斜視図である。
【
図13】本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例を説明するための拡大斜視図である。
【
図14】
図13に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための拡大斜視図である。
【
図15】従来のバルブ(バタフライバルブ)およびその作用を説明するための説明図である。
【
図16】従来のバルブ(バタフライバルブ)の他の作用を説明するための説明図である。
【
図17】従来のバルブ(ボールバルブ)およびその作用を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明では、投入側バルブ3が上部バルブ3Aと下部バルブ3Bを有すると共に、排出側バルブ5と連結するための第1連結機構6を有し、排出側バルブ5が投入側バルブ3の上部バルブ3Aを被覆可能な中空体にて構成されると共に、投入側バルブ3の第1連結機構6と連結するための第2連結機構7を有し、投入側バルブ3と排出側バルブ5は、投入側バルブ3の上部バルブ3Aが排出側バルブ5に被覆されると共に、投入側バルブ3と排出側バルブ5が連結された状態で、接合された投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4から昇降部(駆動シャフト)8によって上昇離脱されてバルブ開口するように構成されていることで、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1を実現した。
【実施例0012】
本発明のスプリットコーンバルブを
図1ないし
図11に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のスプリットコーンバルブ1は、投入側移送体Tの投入口Sに投入側シール用フランジ2を介して配される投入側バルブ3と、排出側移送体Cの排出口Lに排出側シール用フランジ4を介して配される排出側バルブ5を有したスプリットコーンバルブ1であって、投入側バルブ3は、上部バルブ3Aと上部バルブ3Aの下方に設けられた下部バルブ3Bとを有すると共に、排出側バルブ5と連結するための第1連結機構6を有し、排出側バルブ5は、投入側バルブ3の上部バルブ3Aを被覆可能な中空体にて構成されると共に、投入側バルブ3の第1連結機構6と連結するための第2連結機構7と当該排出側バルブ5を昇降するための昇降部(駆動シャフト)8を有し、投入側バルブ3と排出側バルブ5は、投入側バルブ3の上部バルブ3Aが排出側バルブ5に被覆されると共に、投入側バルブ3の第1連結機構6と排出側バルブ5の第2連結機構7により連結された状態で、接合された投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4から昇降部(駆動シャフト)8によって上昇離脱されることでバルブ開口するように構成されている。以下、各構成について順次詳述する。
【0013】
本発明のスプリットコーンバルブ1は、
図4(a)に示すように、投入側移送体Tの投入口Sに投入側シール用フランジ2を介して配される投入側バルブ3と、排出側移送体Cの排出口Lに排出側シール用フランジ4を介して配される排出側バルブ5を有している。
【0014】
この実施例のスプリットコーンバルブ1において、投入側移送体Tはタンクであるため、投入側バルブ3はタンクバルブである。また、排出側移送体Cはカプセルであるため、排出側バルブ5はカプセルバルブである。ただし、本発明における投入側移送体Tはタンクに限定されるものではなく、投入側移送体を広く包含する概念であり、例えばホッパーなども含まれる。また、本発明における排出側移送体Cはカプセルに限定されるものではなく、排出側移送体を広く包含する概念であり、例えば原料缶なども含まれる。
【0015】
投入側バルブ(タンクバルブ)3は、上部バルブ3Aと上部バルブ3Aの下方に設けられた下部バルブ3Bとを有しており、
図4(a)または
図4(b)に示すように、上部バルブ3Aは、投入側移送体(タンク)Tの投入口Sの上方に延出するように配され、下部バルブ3Bは、投入側移送体(タンク)Tの投入口Sより下方に延出して投入側移送体(タンク)T内に位置するように配される。
【0016】
投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aは円錐体部3aを有し、投入側バルブの下部バルブ3Bは逆円錐体部3bを有し、投入側バルブ(タンクバルブ)3は全体として双円錐形(両錐形)に形成されている。他方、排出側バルブ(カプセルバルブ)5は中空の円錐体部5aを有し、排出側移送体(カプセル)Cの排出口Lより上方に延出して排出側移送体(カプセル)C内に位置するように配される。
【0017】
上記のような状態で、投入側バルブ(タンクバルブ)3または排出側バルブ(カプセルバルブ)5が、環状体に形成された投入側シール用フランジ2または排出側シール用フランジ4を介して、投入口Sまたは排出口Lにそれぞれ配されることにより、投入側移送体(タンク)Tの投入口Sまたは排出側移送体(カプセル)Cの排出口L付近の気密性が保持されている。
【0018】
また、排出側バルブ(カプセルバルブ)5が中空の円錐体部を有していることにより、移送物が排出側バルブ(カプセルバルブ)5の傾斜面に沿って円周方向に均等に分散されると共に、投入側バルブ投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bが逆円錐体部にされることにより、排出口Lに対して十分な開口領域を構成することができ、これらの構造により、移送物による特定部の集中摩耗や移送物の偏析を防止することができる。この効果の詳細については後述する。
【0019】
投入側バルブ(タンクバルブ)3は、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と連結するための第1連結機構6を有している。具体的には、この実施例の投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6は、
図2に示すように、上部バルブ3Aの表面3aに離隔して設けられた複数(この実施例では3個)の円筒部にて構成されている。ただし、投入側バルブ(タンクバルブ)の第1連結機構は、これらに限定されるものではなく、排出側バルブ(カプセルバルブ)の第2連結機構と係合して投入側バルブ(タンクバルブ)と排出側バルブ(カプセルバルブ)を連結するものであればどのようなものでもよく、例えばドグ、スパイラル、スクリュー、クランク機構などでもよい。
【0020】
排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aを被覆する中空体にて構成されている。具体的には、この実施例の排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、
図3に示すように、中空の円錐体部5aを有し、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aより大きく形成されて、投入側バルブ(タンクバルブ)3の円錐体部3aに被せて被覆可能に構成されている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結し、移送物を移送した後、分離しても、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の内面5bと、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3aには、移送物が付着せず、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1が構成される。
【0021】
また、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4は接合されているため、投入側シール用フランジ2と排出側シール用フランジ4との間隙に移送物が侵入して付着することがなく、移送物を移送した後、分離しても、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面に移送物が付着しておらず、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1が構成される。具体的には、この実施例のスプリットコーンバルブ1では、
図7または
図8に示すように、投入側シール用フランジ2または排出側シール用フランジ4の内周部には環状の気密パッキン2aと環状の気密パッキン4aがそれぞれ設けられており、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4が接合(当接)すると、気密パッキン2aと気密パッキン4a同士で気密性が保持されるため、投入側シール用フランジ2と排出側シール用フランジ4との間隙に移送物が侵入することがなく、移送物を移送した後、分離しても、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面に移送物が付着しておらず、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1が構成される。なお、これらの効果の詳細については後述する。
【0022】
また、本発明において、「投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4が接合する」とは、この実施例のように、投入側シール用フランジ2または排出側シール用フランジ4の内周部に環状の気密パッキン2aと環状の気密パッキン4aがそれぞれ設けられている構造の他、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面とが面当接している構造など、投入側シール用フランジ2と排出側シール用フランジ4との間隙に移送物が侵入することがなく、移送物を移送した後、分離しても、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面に移送物が付着しない状態を保持できる構造を広く包含する概念である。さらに、この実施例の移送物は粉体であるが、本発明における移送物は粉体に限定されず、粒状体や液体なども包含される。
【0023】
排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と連結するための第2連結機構7を有している。具体的には、この実施例の排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7は、
図3に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の円錐体部5aの内面5bに離隔して設けられた複数(この実施例では3本)の突起または連結フィンにて構成されている。ただし、排出側バルブ(カプセルバルブ)の第2連結機構は、投入側バルブ(タンクバルブ)の第1連結機構と係合して投入側バルブ(タンクバルブ)と排出側バルブ(カプセルバルブ)を連結するものであればどのようなものでもよく、例えばドグ、スパイラル、スクリュー、クランク機構などでもよい。
【0024】
排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、当該排出側バルブ5を昇降するための昇降部(駆動シャフト)8を円錐体部5aの頂部に有している。具体的には、この実施例の昇降部(駆動シャフト)8は、上端側が例えばシリンダーなどの昇降装置(図示しない)に接続され、
図3中矢印Rのように昇降可能に構成されている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7により連結した投入側バルブ(タンクバルブ)3および排出側バルブ(カプセルバルブ)5を適宜昇降可能に構成されている。ただし、本発明における昇降部は、この実施例のように排出側バルブ(カプセルバルブ)5の頂部に設けられた駆動シャフト8に限定されるものではなく、投入側バルブ(タンクバルブ)3側に設けられていてもよく、例えば投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bの下端部に駆動シャフトが設けられ、その下端側が例えばシリンダーなどの昇降装置に接続され投入側バルブ(タンクバルブ)3が昇降可能に構成されたもの(後述するタンクステーション10側から昇降を駆動制御するもの)なども本発明の範疇に包含される。
【0025】
また、駆動シャフト8は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7によって投入側バルブ3と排出側バルブ5を連結するために回転可能に構成されている。具体的には、この実施例の駆動シャフト8は、上端側が例えばサーボモーターなどの回転駆動装置(図示しない)に接続されて、
図3の矢印Qのように円周方向に正逆回転可能に構成されている。そして、正方向に回転すると、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7が係合して、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結し、他方、逆方向に回転すると、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7が係合解除されて、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結解除されるように構成されている。
【0026】
投入側バルブ(タンクバルブ)3の表面3a,3Cには、
図2に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結した際に形成される投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙Pの気密性を保持するための気密用パッキン9a,9bが設けられている。これらにより、バルブ開口時(移送時)に移送物がこの間隙P内に侵入することを防止することができる。
【0027】
また、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8は、中空(管状体)に構成されて排出側バルブ(カプセルバルブ)5の内面5b側と連通している。
【0028】
そして、当該駆動シャフト8を介して投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙P内を真空排気可能またはガス置換可能に構成されている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙Pに空気が残存して移送物内に混入することを防止できる。具体的には、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙P内を真空排気可能またはガス置換可能とするために、駆動シャフト8は上端側が例えば真空ポンプ(図示しない)や窒素等のガス置換装置(図示しない)に接続されている。また、間隙Pは気密用パッキン9aで区分されているが、投入側バルブ(タンクバルブ)3の表面3aおよび投入側バルブ直胴部3Cの表面に連通孔を設け、投入側バルブ(タンクバルブ)3側より完全排気やガス置換をすることも可能である。
【0029】
この実施例の投入側バルブ(タンクバルブ)3は、
図2に示すように、上部バルブ3Aと下部バルブ3Bとの間に投入側バルブ直胴部3Cを有し、投入側バルブ直胴部3Cにおいて投入側シール用フランジ2を介して投入口Sに配され、排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、
図3に示すように、下端側に排出側バルブ直胴部5cを有し、排出側バルブ直胴部5cにおいて排出側シール用フランジ4を介して排出口Lに配されている。これらによって、より気密性を保持した状態で投入口Sに投入側バルブ(タンクバルブ)3を配し、排出口Lに排出側バルブ(カプセルバルブ)5を配することができる。
【0030】
この実施例の気密用パッキン9a,9bは、
図2に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面に設けられた第1環状体9aと、投入側バルブ(タンクバルブ)3の投入側バルブ直胴部3Cに設けられた第2環状体9bにて構成されている。これらにより、投入側バルブと排出側バルブとの間隙P内の気密性をより確実に保持することができる。
【0031】
この実施例のスプリットコーンバルブ1は、
図11に示すように、投入側バルブ付帯機構を備えている。具体的には、スプリットコーンバルブ1は、投入側バルブ(タンクバルブ)3を配置するためのタンクステーション10を有し、このタンクステーション10は、投入側バルブ(タンクバルブ)3を位置決めするための固定フィン11,12をしている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3を位置決めされた定位置に確実に配することができる。
【0032】
具体的には、この実施例の固定フィン11は下部バルブ3Bの表面3bに設けられ、垂直方向に沿って離隔して配された2枚の板材にて構成されている。他方、固定フィン12は脱落防止リング部13に取り付けられた板材にて構成されている。そして、2枚の板材(固定フィン11)の間に固定フィン12が侵入して位置決めされるように構成されている。
【0033】
スプリットコーンバルブ1は、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結する際に、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の回転に伴って、投入側バルブ(タンクバルブ)3が共回りすることを防止するための投入側バルブ共回り防止機構14を有している。
【0034】
この実施例の投入側バルブ共回り防止機構14は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bに設けられた凹部15と、凹部15に侵入して投入側バルブ(タンクバルブ)3の共回りを係止する係止部16を有している。これにより、投入側バルブ共回り防止機構を簡素な構造で構成できる。
【0035】
具体的には、この実施例の投入側バルブ共回り防止機構14は、凹部15内に側方より係止部16(テーパヘッド)をシリンダーなどの往復駆動機構(図示しない)にて侵入させて押し付けることで共回りを防止できると共に、気密パッキン9bと投入側シール用フランジ2を密着させることができるように構成されている。
【0036】
なお、この実施例のタンクステーション10では、前述した固定フィン11,12も第2の投入側バルブ共回り防止機構17として機能する。また、タンクステーション10は、本体部として投入側バルブ脱落防止シュート18を有している。
【0037】
つぎに、この実施例のスプリットコーンバルブ1の作用効果について、
図1、
図4ないし
図10を用いて説明図である。まず、
図1にこの実施例のスプリットコーンバルブ1の一連の作用が示されており概略を説明する。
排出側バルブ(カプセルバルブ)5から投入側バルブ(タンクバルブ)3へ移送物を移送する場合は、
図1中左から右への矢印の通りであり、まず、
図1(a)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5とが正確に連結されるように、タンクステーション10の上方に排出側バルブ(カプセルバルブ)5を配置する(排出側バルブ配置工程)。つぎに、
図1(b)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5を投入側バルブ(タンクバルブ)3の投入口Sに向かって下降させる(排出側バルブ下降工程)。さらに、
図1(c)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の降下が完了して投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5とを接続させる(排出側バルブ接続工程)。さらに、
図1(d)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結した後、上昇させバルブ開口する(バルブ開口工程)。このバブル開口工程により排出側バルブ(カプセルバルブ)5から投入側バルブ(タンクバルブ)3へ移送物が移送される。
【0038】
移送物の移送が完了した後は、
図1中右から左への矢印の通りであり、
図1(d)に示すように、連結した投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が上昇しバルブ開口した状態から、
図1(c)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を降下させてバルブ閉塞する(バルブ閉塞工程)。つぎに、
図1(b)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5を上昇させて、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3を分離する(排出側バルブ分離工程)。さらに、
図1(a)に示したタンクステーション10の上方位置から排出側バルブ(カプセルバルブ)5を初期位置へ移動させる(排出側バルブ初期位置移動工程)。
【0039】
具体的には、排出側バルブ配置工程または排出側バルブ下降工程では、
図4(a)または
図4(b)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3の側面に投入側シール用フランジ2が密着して投入口Sの気密性を保持し、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の側面に排出側シール用フランジ4が密着して排出口Lの気密性を保持している。
【0040】
排出側バルブ接続工程では、
図5(c)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8の回転によって、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3が連結される。この排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との連結によりこの排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との間に間隙Pが発生するが、この間隙Pは投入側バルブ(タンクバルブ)の表面に設けられた気密パッキン9a,9bにより密閉状態となる。そして、この間隙Pに残存する空気は、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8を介して排気またはガス置換される。
【0041】
バルブ開口工程では、
図5(d)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結した状態で両者を投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4から離脱させ、排出側バルブ(カプセルバルブ)5内に上昇させバルブを開口する。このバブル開口工程により排出側バルブ(カプセルバルブ)5から投入側バルブ(タンクバルブ)3へ移送物が移送される。この状態においても、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との間隙Pは気密パッキン9a,9bにより密閉されているため、外部から移送物がこの間隙P内に侵入することが防止される。間隙Pは気密用パッキン9aで区分されているが、投入側バルブ(タンクバルブ)3の表面3aおよび投入側バルブ直胴部3Cの表面に連通孔を設け、投入側バルブ(タンクバルブ)3側より完全排気やガス置換をすることも可能である。
【0042】
ここで、この実施例のスプリットコーンバルブ1における、移送物による集中摩耗防止効果および偏析防止効果について説明する。
図9に示すように、例えば排出側バルブ(カプセルバルブ)5や投入側バルブ(タンクバルブ)3のような容器内へ原料を投入する場合、堆積山が形成され、粗い粒子は斜面を転がり壁面側に集中し易く、微粒子は容器中央に集中する傾向がある。従って、
図16に示すように、従来のバタフライバルブのような円板弁体100(特定部)が開口部に存在し移送物の上流側に向く構造では円板弁体100(特定部)に集中摩耗が発生した。また、バルブ開口により移送物が投入されると、容器中央からそのままストレートに投入されるため、優先的に微粒子が先行して投入され、その後、壁面の粗粒子が投入されて、投入側移送体(タンク)T内で移送物の偏析(微粒子・粗粒子の偏り)が発生していた。
【0043】
この点、この実施例のスプリットコーンバルブ1では、
図10に示すように、バルブ開口部には何も存在しないため、特定部の集中摩耗が発生することはなく、投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bが十分な逆円錐体部に形成されることで十分な開口領域が形成されて、よりスムースな投入側バルブ(タンクバルブ)3内への投入が可能となる。また、円錐体部の排出側バルブ(カプセルバルブ)5の上昇により排出側移送体(カプセル)Cの容器内壁円周部から粗粒子の移送が行われると共に、微粒子は円錐体部の排出側バルブ(カプセルバルブ)5の傾斜面に沿って円周方向に分散移送されるため、排出側移送体(カプセル)Cの円周部付近で壁面に沿う粗粒子と中央部からの微粒子が合流して投入側バルブ(タンクバルブ)3内に投入され、投入側バルブ(タンクバルブ)3内の微粒子・粗粒子は均一状態となり偏析が防止される。さらに、連結した排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3の上昇位置によって容器内壁円周部の開口面積を調整することが可能となり、原料の流動性によって容器開口面積を変化させ流量調整を行うことができる。
【0044】
また、バルブ開口工程における移送物によるスプリットコーンバルブ1の暴露部分は
図7に示したW部分となる。このため、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面5bと投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3aは、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結され、上部バルブ3Aの表面3aが排出側バルブ(カプセルバルブ)5に被覆されているため暴露状態に置かれていない。また、投入側バルブ直胴部3Cの表面も排出側バルブ直胴部5cに被覆されているため暴露状態に置かれていない。さらに、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面も接合しているため暴露状態に置かれていない。
【0045】
つぎに、バルブ閉塞工程では、
図6(e)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を降下させて、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4に装着させると共にバルブ閉塞する。
【0046】
排出側バルブ分離工程では、
図6(f)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8を連結時とは逆方向に回転させて、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との連結を解除する。その後、駆動シャフト8を上昇させて排出側バルブ(カプセルバルブ)5のみを上昇させ、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3を分離させる。
【0047】
上記分離後のスプリットコーンバルブ1の暴露部分が、
図8に示したW部分である。このように、外気に晒される部位(排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面5b、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3a、投入側バルブ直胴部3Cの表面、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4のそれぞれの接合面)にはW部分は存在しない。このため、本発明のスプリットコーンバルブ1によれば、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結されることで、排出側バルブ(カプセルバルブ)5が投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面を被覆するため、移送物の移送後に双方(排出側バルブ(カプセルバルブ)5が投入側バルブ(タンクバルブ)3)が分離しても、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上面と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の内面に移送物が付着していないため、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することが防止される。
【0048】
さらに、排出側バルブ初期位置移動工程では、タンクステーション10の上方位置から排出側バルブ(カプセルバルブ)5を初期位置へ移動させて一連の動作が終了する。
【0049】
さらに、
図12に示した本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例について説明する。
この実施例のスプリットコーンバルブ20と前述したスプリットコーンバルブ1との相違は、スプリットコーンバルブ20の排出側バルブ(カプセルバルブ)50が、駆動シャフト8内にロックシャフト21を有し、ロックシャフト21の降下および回転により、投入側バルブ(タンクバルブ)30と排出側バルブ(カプセルバルブ)50が、投入側バルブ(タンクバルブ)30の第1連結機構31とロックシャフト21の第2連結機構22により連結するように構成されている点であり他は同様である。スプリットコーンバルブ1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0050】
具体的には、この実施例のスプリットコーンバルブ20は、ロックシャフト21の上端側が例えばサーボモーターなどの回転駆動装置(図示しない)に接続されて円周方向に正逆回転可能に構成されている。また、ロックシャフト21の上端側は例えばシリンダーなどの昇降装置(図示しない)に接続されて昇降可能に構成されている。そして、駆動シャフト8内でロックシャフト21が、降下して第2連結機構(水平バー)が投入側バルブ(タンクバルブ)30の第1連結機構(スリット)内に侵入した後、回転することにより投入側バルブ(タンクバルブ)30と排出側バルブ(カプセルバルブ)50が連結するように構成されている。連結解除する場合は、ロックシャフト21を円周方向逆方向に回転させ後、上昇させることで、投入側バルブ(タンクバルブ)30の第1連結機構31とロックシャフト21の第2連結機構22の係合が解除され、投入側バルブ(タンクバルブ)30と排出側バルブ(カプセルバルブ)50の連結も解除されるよう構成されている。これにより、投入側バルブと排出側バルブとの連結をより確実かつ容易に行うことができる。
【0051】
このように、本発明のスプリットコーンバルブの範疇には、駆動シャフト8内にロックシャフト21が設けられ、駆動シャフト8が回転するのではなく、ロックシャフト21が回転して連結する構造を備えたスプリットコーンバルブ20も広く包含される。
【0052】
さらに、
図13および
図14に示した本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例について説明する。
この実施例のスプリットコーンバルブ60と前述したスプリットコーンバルブ1との相違は、投入側シール用フランジ61と排出側シール用フランジ62の構造のみであり他は同様である。スプリットコーンバルブ1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0053】
具体的には、この実施例のスプリットコーンバルブ60の投入側シール用フランジ61は、
図13に示すように、内周部に気密パッキンを有しておらず、内周部にテーパ加工を施した環状のテーパ部61aを有している。また、排出側シール用フランジ62は2段に設けられた上部フランジ62aと下部フランジ62bを有し、下部フランジ62bの内周部のみに環状の気密パッキン62cが設けられている。
【0054】
そして、投入側シール用フランジ61のテーパ部61aが投入側バルブ直胴部3Cに設けられた気密パッキン9bに面当接すると共に、投入側バルブ直胴部3Cに設けられた気密パッキン9bと排出側シール用フランジ62の下部フランジ62bの気密パッキン62cにより、排出側バルブ直胴部5cの下端部が内外から挟圧されることで、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の気密性が保持されてバルブ開口部が閉塞され、投入側シール用フランジ61および排出側シール用フランジ62も接合されるように構成されている。
【0055】
他方、排出側バルブ(カプセルバルブ)5が上昇して投入側バルブ(タンクバルブ)3と分離すると、
図14に示すように、スプリットコーンバルブ60の暴露部分はW部分となる。この時、外気に晒される部位(排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面5b、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3a、投入側バルブ直胴部3Cの表面、投入側シール用フランジ61および排出側シール用フランジの下部フランジ62bのそれぞれの接合面)にはW部分は存在しない。このため、本発明のスプリットコーンバルブ60においても、移送物の移送後に双方(排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3)が分離した後に、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上面と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面、投入側シール用フランジ61の上面と排出側シール用フランジ62の下面等に移送物が付着していないことで、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することが防止される。
【0056】
このように、本発明のスプリットコーンバルブにおいては、投入側シール用フランジや排出側シール用フランジが気密パッキンを内周部に有しないものであっても、例えばスプリットコーンバルブ60のように他の部位に設けられた気密パッキン9b等との関係で気密性を保持できるようシール用に用いられるフランジ(シール用フランジ)を有するものも広く本発明の範疇に包含される。
【符号の説明】
【0057】
1 スプリットコーンバルブ
2 投入側シール用フランジ
3 投入側バルブ(タンクバルブ)
3A 上部バルブ
3B 下部バルブ
3C 投入側バルブ直胴部
4 排出側シール用フランジ
5 排出側バルブ(カプセルバルブ)
5c 排出側バルブ直胴部
6 第1連結機構
7 第2連結機構
8 昇降部(駆動シャフト)
9a,9b 気密パッキン
10 タンクステーション
11,12 固定フィン
13 脱落防止リング部
14 投入側バルブ共回り防止機構
15 凹部
16 係止部
17 第2の投入側バルブ共回り防止機構
18 投入側バルブ脱落防止シュート
T 投入側移送体(タンク)
S 投入口(タンク投入口)
C 排出側移送体(カプセル)
L 排出口(カプセル投入口)
【手続補正書】
【提出日】2024-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、
前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、
前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、
前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されバルブ開口するように構成され、
前記投入側バルブの前記上部バルブは円錐体部を有し、前記投入側バルブの前記下部バルブは逆円錐体部を有しており、前記排出側バルブは中空の円錐体部を有していることを特徴とするスプリットコーンバルブ。
【請求項2】
前記昇降部は、前記排出側バルブに設けられた駆動シャフトを有し、該駆動シャフトは、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により前記投入側バルブと前記排出側バルブとを連結するために回転可能に構成されている請求項1に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項3】
前記投入側バルブの表面には、前記投入側バルブと前記排出側バルブが連結した際に形成される前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙における気密性を保持するための気密用パッキンが設けられ、
前記排出側バルブの前記駆動シャフトは中空に構成され、当該駆動シャフトを介して前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙内を真空排気可能またはガス置換可能に構成されている請求項2に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項4】
前記投入側バルブは、前記上部バルブと前記下部バルブの間に投入側バルブ直胴部を有し、該投入側バルブ直胴部において前記投入側シール用フランジを介して前記投入口に配され、前記排出側バルブは、下端に排出側バルブ直胴部を有し、該排出側バルブ直胴部において前記排出側シール用フランジを介して前記排出口に配されている請求項3に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項5】
前記気密用パッキンは、前記投入側バルブの前記上部バルブの表面に設けられた第1環状体と、前記投入側バルブの前記投入側バルブ直胴部に設けられた第2環状体にて構成されている請求項4に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項6】
投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、
前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、
前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、
前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されバルブ開口するように構成され、
前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブを配置するためのタンクステーションを有し、該タンクステーションは、前記投入側バルブを位置決めするための固定フィンを有していることを特徴とするスプリットコーンバルブ。
【請求項7】
投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、
前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、
前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、
前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されバルブ開口するように構成され、
前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブと前記排出側バルブを連結する際に、前記投入側バルブが前記排出側バルブと共回りすることを防止するための投入側バルブ共回り防止機構を有していることを特徴とするスプリットコーンバルブ。
【請求項8】
前記投入側バルブ共回り防止機構は、前記投入側バルブの前記下部バルブに設けられた凹部と、該凹部に侵入して前記投入側バルブの共回りを係止する係止部を有している請求項7に記載のスプリットコーンバルブ。
【請求項9】
前記排出側バルブは、前記駆動シャフト内に前記第2連結機構を備えたロックシャフトを有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記ロックシャフトの降下および回転により、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記ロックシャフトの前記第2連結機構によって連結するように構成されている請求項2に記載のスプリットコーンバルブ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粉体を原料缶やカプセルからタンクやホッパーへ移送する際に使用して好適なスプリットコーンバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
粉体を原料缶やカプセルからタンクやホッパーへ移送する場合、供給側の缶と受入れ側のタンクの接続部には、バタフライ弁(例えば特開2021-116889号公報等)、ボール弁(例えば特開2021-162027号公報等)またはスライドシャッターを設置し、バルブの開閉動作によって粉体を移送している。
【0003】
しかし、バルブの構造上、弁体部やボール部に粉体(移送物)が残留付着して機器周辺への粉飛散や汚染の原因となっている。具体的には、バタフライ弁では、
図15(a)に示した閉時の円形弁体100が、開時には
図15(b)に示すように90°回転し、この円形弁体100の側面100aに粉体が接触しながら通過するため、円形弁体100やケーシング101の内面101aに残留付着した粉体がタンク分離後に暴露状態となるものであった。また、ボール弁でも同様に、
図17(a)に示した閉時のボール弁体102が、開時には
図17(b)に示すように90°回転し、ボール弁体102とケーシング10
3の隙間に粉塵が侵入して、ボール弁体102の表面102aやケーシング103の内面103aに残留付着した粉体がタンク分離後に暴露状態となるものであった。
【0004】
ところで、Liイオン電池、固体電解質または触媒材料など近年開発が進んでいる高機能材料の分野では、毒性のある特定化学物質指定の材料を用いたり、大気中の酸素や湿度と反応し有毒ガスを発生させる材料を扱うケースが増加しており、これら粉体の移送においていかに移送系の外部へ粉体を放出させないかが懸案となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-116889号公報
【特許文献2】特開2021-162027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するものは、投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されることでバルブ開口するように構成され、前記投入側バルブの前記上部バルブは円錐体部を有し、前記投入側バルブの前記下部バルブは逆円錐体部を有しており、前記排出側バルブは中空の円錐体部を有していることを特徴とするスプリットコーンバルブである(請求項1)。
【0008】
前記昇降部は、前記排出側バルブに設けられた駆動シャフトを有し、該駆動シャフトは、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により前記投入側バルブと前記排出側バルブとを連結するために回転可能に構成されていることが好ましい(請求項2)。前記投入側バルブの表面には、前記投入側バルブと前記排出側バルブが連結した際に形成される前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙における気密性を保持するための気密用パッキンが設けられ、前記排出側バルブの前記駆動シャフトは中空に構成され、当該駆動シャフトを介して前記投入側バルブと前記排出側バルブとの間隙内を真空排気可能またはガス置換可能に構成されていることが好ましい(請求項3)。前記投入側バルブは、前記上部バルブと前記下部バルブの間に投入側バルブ直胴部を有し、該投入側バルブ直胴部において前記投入側シール用フランジを介して前記投入口に配され、前記排出側バルブは、下端に排出側バルブ直胴部を有し、該排出側バルブ直胴部において前記排出側シール用フランジを介して前記排出口に配されていることが好ましい(請求項4)。前記気密用パッキンは、前記投入側バルブの前記上部バルブの表面に設けられた第1環状体と、前記投入側バルブの前記投入側バルブ直胴部に設けられた第2環状体にて構成されていることが好ましい(請求項5)。
【0009】
また、上記課題を解決するものは、投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されることでバルブ開口するように構成され、前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブを配置するためのタンクステーションを有し、該タンクステーションは、前記投入側バルブを位置決めするための固定フィンを有していることを特徴とするスプリットコーンバルブである(請求項6)。
【0010】
さらに、上記課題を解決するものは、投入側移送体の投入口に投入側シール用フランジを介して配される投入側バルブと、排出側移送体の排出口に排出側シール用フランジを介して配される排出側バルブを有したスプリットコーンバルブであって、前記投入側バルブは、上部バルブと該上部バルブの下方に設けられた下部バルブとを有すると共に、前記排出側バルブと連結するための第1連結機構を有し、前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブを被覆可能な中空体にて構成されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と連結するための第2連結機構を有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記投入側バルブの前記上部バルブが前記排出側バルブに被覆されると共に、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記排出側バルブの前記第2連結機構により連結された状態で、接合された前記投入側シール用フランジおよび前記排出側シール用フランジから昇降部によって上昇離脱されることでバルブ開口するように構成され、前記スプリットコーンバルブは、前記投入側バルブと前記排出側バルブを連結する際に、前記投入側バルブが前記排出側バルブと共回りすることを防止するための投入側バルブ共回り防止機構を有していることを特徴とするスプリットコーンバルブである(請求項7)。
【0011】
前記投入側バルブ共回り防止機構は、前記投入側バルブの前記下部バルブに設けられた凹部と、該凹部に侵入して前記投入側バルブの共回りを係止する係止部を有していることが好ましい(請求項8)。前記排出側バルブは、前記駆動シャフト内に前記第2連結機構を備えたロックシャフトを有し、前記投入側バルブと前記排出側バルブは、前記ロックシャフトの降下および回転により、前記投入側バルブの前記第1連結機構と前記ロックシャフトの前記第2連結機構によって連結するように構成されていることが好ましい(請求項9)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載したスプリットコーンバルブによれば、投入側バルブと排出側バルブが連結されることで、移送物の移送後に双方が分離しても、投入側バルブの上面と排出側バルブの内面に移送物が付着していないため、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することがない。また、移送物が排出側バルブの傾斜面に沿って円周方向に均等に分散されると共に、投入側バルブの下部バルブが逆円錐体部であるため、排出口に対して十分な開口領域を構成することができ、これらの構造により移送物の偏析を防止することができる。
請求項2に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの連結をより確実かつ容易に行うことができる。
請求項3に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの間隙に空気や置換ガスが残存して移送物に混入することを防止できると共に、バルブ開口時に移送物が混入することを防止することができる。
請求項4に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、より気密性を保持した状態で投入口に投入側バルブを配し、排出口に排出側バルブを配することができる。
請求項5に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの間隙内の気密性をより確実に保持することができる。
請求項6に記載したスプリットコーンバルブによれば、投入側バルブと排出側バルブが連結されることで、移送物の移送後に双方が分離しても、投入側バルブの上面と排出側バルブの内面に移送物が付着していないため、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することがない。また、投入側バルブを位置決めされた定位置に配することができる。
請求項7に記載したスプリットコーンバルブによれば、投入側バルブと排出側バルブが連結されることで、移送物の移送後に双方が分離しても、投入側バルブの上面と排出側バルブの内面に移送物が付着していないため、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することがない。また、投入側バルブと排出側バルブを連結する際に、投入側バルブが排出側バルブと共回りすることを防止することができる。
請求項8に記載したスプリットコーンバルブによれば、投入側バルブ共回り防止機構を簡素な構造で構成できる。
請求項9に記載したスプリットコーンバルブによれば、上記請求項1の効果に加え、投入側バルブと排出側バルブとの連結をより確実かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のスプリットコーンバルブの一実施例の一連の作用を示した説明図である。
【
図2】
図1に示したスプリットコーンバルブの投入側バルブの拡大斜視図である。
【
図3】
図1に示したスプリットコーンバルブの排出側バルブの拡大斜視図である。
【
図4】
図1に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための説明図である。
【
図5】
図1に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための説明図である。
【
図6】
図1に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための説明図である。
【
図7】
図1に示したスプリットコーンバルブの効果を説明するための説明図である。
【
図8】
図1に示したスプリットコーンバルブの効果を説明するための説明図である。
【
図9】
図1に示したスプリットコーンバルブの他の効果を説明するための説明図である。
【
図10】
図1に示したスプリットコーンバルブの他の効果を説明するための説明図である。
【
図11】
図1に示したスプリットコーンバルブの投入側バルブ付帯機構を説明するための拡大斜視図である。
【
図12】本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例を説明するための拡大斜視図である。
【
図13】本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例を説明するための拡大斜視図である。
【
図14】
図13に示したスプリットコーンバルブの作用を説明するための拡大斜視図である。
【
図15】従来のバルブ(バタフライバルブ)およびその作用を説明するための説明図である。
【
図16】従来のバルブ(バタフライバルブ)の他の作用を説明するための説明図である。
【
図17】従来のバルブ(ボールバルブ)およびその作用を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明では、投入側バルブ3が上部バルブ3Aと下部バルブ3Bを有すると共に、排出側バルブ5と連結するための第1連結機構6を有し、排出側バルブ5が投入側バルブ3の上部バルブ3Aを被覆可能な中空体にて構成されると共に、投入側バルブ3の第1連結機構6と連結するための第2連結機構7を有し、投入側バルブ3と排出側バルブ5は、投入側バルブ3の上部バルブ3Aが排出側バルブ5に被覆されると共に、投入側バルブ3と排出側バルブ5が連結された状態で、接合された投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4から昇降部(駆動シャフト)8によって上昇離脱されてバルブ開口する
ように構成されていることで、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1を実現した。
【実施例0015】
本発明のスプリットコーンバルブを
図1ないし
図11に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のスプリットコーンバルブ1は、投入側移送体Tの投入口Sに投入側シール用フランジ2を介して配される投入側バルブ3と、排出側移送体Cの排出口Lに排出側シール用フランジ4を介して配される排出側バルブ5を有したスプリットコーンバルブ1であって、投入側バルブ3は、上部バルブ3Aと上部バルブ3Aの下方に設けられた下部バルブ3Bとを有すると共に、排出側バルブ5と連結するための第1連結機構6を有し、排出側バルブ5は、投入側バルブ3の上部バルブ3Aを被覆可能な中空体にて構成されると共に、投入側バルブ3の第1連結機構6と連結するための第2連結機構7と当該排出側バルブ5を昇降するための昇降部(駆動シャフト)8を有し、投入側バルブ3と排出側バルブ5は、投入側バルブ3の上部バルブ3Aが排出側バルブ5に被覆されると共に、投入側バルブ3の第1連結機構6と排出側バルブ5の第2連結機構7により連結された状態で、接合された投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4から昇降部(駆動シャフト)8によって上昇離脱されることでバルブ開口するように構成されている。以下、各構成について順次詳述する。
【0016】
本発明のスプリットコーンバルブ1は、
図4(a)に示すように、投入側移送体Tの投入口Sに投入側シール用フランジ2を介して配される投入側バルブ3と、排出側移送体Cの排出口Lに排出側シール用フランジ4を介して配される排出側バルブ5を有している。
【0017】
この実施例のスプリットコーンバルブ1において、投入側移送体Tはタンクであるため、投入側バルブ3はタンクバルブである。また、排出側移送体Cはカプセルであるため、排出側バルブ5はカプセルバルブである。ただし、本発明における投入側移送体Tはタンクに限定されるものではなく、投入側移送体を広く包含する概念であり、例えばホッパーなども含まれる。また、本発明における排出側移送体Cはカプセルに限定されるものではなく、排出側移送体を広く包含する概念であり、例えば原料缶なども含まれる。
【0018】
投入側バルブ(タンクバルブ)3は、上部バルブ3Aと上部バルブ3Aの下方に設けられた下部バルブ3Bとを有しており、
図4(a)または
図4(b)に示すように、上部バルブ3Aは、投入側移送体(タンク)Tの投入口Sの上方に延出するように配され、下部バルブ3Bは、投入側移送体(タンク)Tの投入口Sより下方に延出して投入側移送体(タンク)T内に位置するように配される。
【0019】
投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aは円錐体部3aを有し、投入側バルブの下部バルブ3Bは逆円錐体部3bを有し、投入側バルブ(タンクバルブ)3は全体として双円錐形(両錐形)に形成されている。他方、排出側バルブ(カプセルバルブ)5は中空の円錐体部5aを有し、排出側移送体(カプセル)Cの排出口Lより上方に延出して排出側移送体(カプセル)C内に位置するように配される。
【0020】
上記のような状態で、投入側バルブ(タンクバルブ)3または排出側バルブ(カプセルバルブ)5が、環状体に形成された投入側シール用フランジ2または排出側シール用フランジ4を介して、投入口Sまたは排出口Lにそれぞれ配されることにより、投入側移送体(タンク)Tの投入口Sまたは排出側移送体(カプセル)Cの排出口L付近の気密性が保持されている。
【0021】
また、排出側バルブ(カプセルバルブ)5が中空の円錐体部を有していることにより、移送物が排出側バルブ(カプセルバルブ)5の傾斜面に沿って円周方向に均等に分散されると共に、投入側バルブ投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bが逆円錐体部にされることにより、排出口Lに対して十分な開口領域を構成することができ、これらの構造により、移送物による特定部の集中摩耗や移送物の偏析を防止することができる。この効果の詳細については後述する。
【0022】
投入側バルブ(タンクバルブ)3は、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と連結するための第1連結機構6を有している。具体的には、この実施例の投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6は、
図2に示すように、上部バルブ3Aの表面3aに離隔して設けられた複数(この実施例では3個)の円筒部にて構成されている。ただし、投入側バルブ(タンクバルブ)の第1連結機構は、これらに限定されるものではなく、排出側バルブ(カプセルバルブ)の第2連結機構と係合して投入側バルブ(タンクバルブ)と排出側バルブ(カプセルバルブ)を連結するものであればどのようなものでもよく、例えばドグ、スパイラル、スクリュー、クランク機構などでもよい。
【0023】
排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aを被覆する中空体にて構成されている。具体的には、この実施例の排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、
図3に示すように、中空の円錐体部5aを有し、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aより大きく形成されて、投入側バルブ(タンクバルブ)3の円錐体部3aに被せて被覆可能に構成されている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結し、移送物を移送した後、分離しても、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の内面5bと、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3aには、移送物が付着せず、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1が構成される。
【0024】
また、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4は接合されているため、投入側シール用フランジ2と排出側シール用フランジ4との間隙に移送物が侵入して付着することがなく、移送物を移送した後、分離しても、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面に移送物が付着しておらず、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1が構成される。具体的には、この実施例のスプリットコーンバルブ1では、
図7または
図8に示すように、投入側シール用フランジ2または排出側シール用フランジ4の内周部には環状の気密パッキン2a
と環状の気密パッキン4aがそれぞれ設けられており、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4が接合(当接)すると、気密パッキン2aと気密パッキン4a同士で気密性が保持されるため、投入側シール用フランジ2と排出側シール用フランジ4との間隙に移送物が侵入することがなく、移送物を移送した後、分離しても、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面に移送物が付着しておらず、移送物を移送系の外部へ放出させて汚染させることがないスプリットコーンバルブ1が構成される。なお、これらの効果の詳細については後述する。
【0025】
また、本発明において、「投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4が接合する」とは、この実施例のように、投入側シール用フランジ2または排出側シール用フランジ4の内周部に環状の気密パッキン2aと環状の気密パッキン4aがそれぞれ設けられている構造の他、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面とが面当接している構造など、投入側シール用フランジ2と排出側シール用フランジ4との間隙に移送物が侵入することがなく、移送物を移送した後、分離しても、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面に移送物が付着しない状態を保持できる構造を広く包含する概念である。さらに、この実施例の移送物は粉体であるが、本発明における移送物は粉体に限定されず、粒状体や液体なども包含される。
【0026】
排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と連結するための第2連結機構7を有している。具体的には、この実施例の排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7は、
図3に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の円錐体部5aの内面5bに離隔して設けられた複数(この実施例では3本)の突起または連結フィンにて構成されている。ただし、排出側バルブ(カプセルバルブ)の第2連結機構は、投入側バルブ(タンクバルブ)の第1連結機構と係合して投入側バルブ(タンクバルブ)と排出側バルブ(カプセルバルブ)を連結するものであればどのようなものでもよく、例えばドグ、スパイラル、スクリュー、クランク機構などでもよい。
【0027】
排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、当該排出側バルブ5を昇降するための昇降部(駆動シャフト)8を円錐体部5aの頂部に有している。具体的には、この実施例の昇降部(駆動シャフト)8は、上端側が例えばシリンダーなどの昇降装置(図示しない)に接続され、
図3中矢印Rのように昇降可能に構成されている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7により連結した投入側バルブ(タンクバルブ)3および排出側バルブ(カプセルバルブ)5を適宜昇降可能に構成されている。ただし、本発明における昇降部は、この実施例のように排出側バルブ(カプセルバルブ)5の頂部に設けられた駆動シャフト8に限定されるものではなく、投入側バルブ(タンクバルブ)3側に設けられていてもよく、例えば投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bの下端部に駆動シャフトが設けられ、その下端側が例えばシリンダーなどの昇降装置に接続され投入側バルブ(タンクバルブ)3が昇降可能に構成されたもの(後述するタンクステーション10側から昇降を駆動制御するもの)なども本発明の範疇に包含される。
【0028】
また、駆動シャフト8は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7によって投入側バルブ3と排出側バルブ5を連結するために回転可能に構成されている。具体的には、この実施例の駆動シャフト8は、上端側が例えばサーボモーターなどの回転駆動装置(図示しない)に接続されて、
図3の矢印Qのように円周方向に正逆回転可能に構成されている。そして、正方向に回転すると、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7が係合して、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結し、他方、逆方向に回転すると、投入側バルブ(タンクバルブ)3の第1連結機構6と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の第2連結機構7が係合解除されて、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結解除されるように構成されている。
【0029】
投入側バルブ(タンクバルブ)3の表面3a,3Cには、
図2に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結した際に形成される投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙Pの気密性を保持するための気密用パッキン9a,9bが設けられている。これらにより、バルブ開口時(移送時)に移送物がこの間隙P内に侵入することを防止することができる。
【0030】
また、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8は、中空(管状体)に構成されて排出側バルブ(カプセルバルブ)5の内面5b側と連通している。
【0031】
そして、当該駆動シャフト8を介して投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙P内を真空排気可能またはガス置換可能に構成されている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙Pに空気が残存して移送物内に混入することを防止できる。具体的には、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5との間隙P内を真空排気可能またはガス置換可能とするために、駆動シャフト8は上端側が例えば真空ポンプ(図示しない)や窒素等のガス置換装置(図示しない)に接続されている。また、間隙Pは気密用パッキン9aで区分されているが、投入側バルブ(タンクバルブ)3の表面3aおよび投入側バルブ直胴部3Cの表面に連通孔を設け、投入側バルブ(タンクバルブ)3側より完全排気やガス置換をすることも可能である。
【0032】
この実施例の投入側バルブ(タンクバルブ)3は、
図2に示すように、上部バルブ3Aと下部バルブ3Bとの間に投入側バルブ直胴部3Cを有し、投入側バルブ直胴部3Cにおいて投入側シール用フランジ2を介して投入口Sに配され、排出側バルブ(カプセルバルブ)5は、
図3に示すように、下端側に排出側バルブ直胴部5cを有し、排出側バルブ直胴部5cにおいて排出側シール用フランジ4を介して排出口Lに配されている。これらによって、より気密性を保持した状態で投入口Sに投入側バルブ(タンクバルブ)3を配し、排出口Lに排出側バルブ(カプセルバルブ)5を配することができる。
【0033】
この実施例の気密用パッキン9a,9bは、
図2に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面に設けられた第1環状体9aと、投入側バルブ(タンクバルブ)3の投入側バルブ直胴部3Cに設けられた第2環状体9bにて構成されている。これらにより、投入側バルブと排出側バルブとの間隙P内の気密性をより確実に保持することができる。
【0034】
この実施例のスプリットコーンバルブ1は、
図11に示すように、投入側バルブ付帯機構を備えている。具体的には、スプリットコーンバルブ1は、投入側バルブ(タンクバルブ)3を配置するためのタンクステーション10を有し、このタンクステーション10は、投入側バルブ(タンクバルブ)3を位置決めするための固定フィン11,12をしている。これにより、投入側バルブ(タンクバルブ)3を位置決めされた定位置に確実に配することができる。
【0035】
具体的には、この実施例の固定フィン11は下部バルブ3Bの表面3bに設けられ、垂直方向に沿って離隔して配された2枚の板材にて構成されている。他方、固定フィン12は脱落防止リング部13に取り付けられた板材にて構成されている。そして、2枚の板材(固定フィン11)の間に固定フィン12が侵入して位置決めされるように構成されている。
【0036】
スプリットコーンバルブ1は、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結する際に、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の回転に伴って、投入側バルブ(タンクバルブ)3が共回りすることを防止するための投入側バルブ共回り防止機構14を有している。
【0037】
この実施例の投入側バルブ共回り防止機構14は、投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bに設けられた凹部15と、凹部15に侵入して投入側バルブ(タンクバルブ)3の共回りを係止する係止部16を有している。これにより、投入側バルブ共回り防止機構を簡素な構造で構成できる。
【0038】
具体的には、この実施例の投入側バルブ共回り防止機構14は、凹部15内に側方より係止部16(テーパヘッド)をシリンダーなどの往復駆動機構(図示しない)にて侵入させて押し付けることで共回りを防止できると共に、気密パッキン9bと投入側シール用フランジ2を密着させることができるように構成されている。
【0039】
なお、この実施例のタンクステーション10では、前述した固定フィン11,12も第2の投入側バルブ共回り防止機構17として機能する。また、タンクステーション10は、本体部として投入側バルブ脱落防止シュート18を有している。
【0040】
つぎに、この実施例のスプリットコーンバルブ1の作用効果について、
図1、
図4ないし
図10を用いて説明図である。まず、
図1にこの実施例のスプリットコーンバルブ1の一連の作用が示されており概略を説明する。
排出側バルブ(カプセルバルブ)5から投入側バルブ(タンクバルブ)3へ移送物を移送する場合は、
図1中左から右への矢印の通りであり、まず、
図1(a)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5とが正確に連結されるように、タンクステーション10の上方に排出側バルブ(カプセルバルブ)5を配置する(排出側バルブ配置工程)。つぎに、
図1(b)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5を投入側バルブ(タンクバルブ)3の投入口Sに向かって下降させる(排出側バルブ下降工程)。さらに、
図1(c)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の降下が完了して投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5とを接続させる(排出側バルブ接続工程)。さらに、
図1(d)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結した後、上昇させバルブ開口する(バルブ開口工程)。このバブル開口工程により排出側バルブ(カプセルバルブ)5から投入側バルブ(タンクバルブ)3へ移送物が移送される。
【0041】
移送物の移送が完了した後は、
図1中右から左への矢印の通りであり、
図1(d)に示すように、連結した投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が上昇しバルブ開口した状態から、
図1(c)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を降下させてバルブ閉塞する(バルブ閉塞工程)。つぎに、
図1(b)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5を上昇させて、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3を分離する(排出側バルブ分離工程)。さらに、
図1(a)に示したタンクステーション10の上方位置から排出側バルブ(カプセルバルブ)5を初期位置へ移動させる(排出側バルブ初期位置移動工程)。
【0042】
具体的には、排出側バルブ配置工程または排出側バルブ下降工程では、
図4(a)または
図4(b)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3の側面に投入側シール用フランジ2が密着して投入口Sの気密性を保持し、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の側面に排出側シール用フランジ4が密着して排出口Lの気密性を保持している。
【0043】
排出側バルブ接続工程では、
図5(c)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8の回転によって、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3が連結される。この排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との連結によりこの排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との間に間隙Pが発生するが、この間隙Pは投入側バルブ(タンクバルブ)の表面に設けられた気密パッキン9a,9bにより密閉状態となる。そして、この間隙Pに残存する空気は、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8を介して排気またはガス置換される。
【0044】
バルブ開口工程では、
図5(d)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を連結した状態で両者を投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4から離脱させ、排出側バルブ(カプセルバルブ)5内に上昇させバルブを開口する。このバブル開口工程により排出側バルブ(カプセルバルブ)5から投入側バルブ(タンクバルブ)3へ移送物が移送される。この状態においても、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との間隙Pは気密パッキン9a,9bにより密閉されているため、外部から移送物がこの間隙P内に侵入することが防止される。間隙Pは気密用パッキン9aで区分されているが、投入側バルブ(タンクバルブ)3の表面3aおよび投入側バルブ直胴部3Cの表面に連通孔を設け、投入側バルブ(タンクバルブ)3側より完全排気やガス置換をすることも可能である。
【0045】
ここで、この実施例のスプリットコーンバルブ1における、移送物による集中摩耗防止効果および偏析防止効果について説明する。
図9に示すように、例えば排出側バルブ(カプセルバルブ)5や投入側バルブ(タンクバルブ)3のような容器内へ原料を投入する場合、堆積山が形成され、粗い粒子は斜面を転がり壁面側に集中し易く、微粒子は容器中央に集中する傾向がある。従って、
図16に示すように、従来のバタフライバルブのような円板弁体100(特定部)が開口部に存在し移送物の上流側に向く構造では円板弁体100(特定部)に集中摩耗が発生した。また、バルブ開口により移送物が投入されると、容器中央からそのままストレートに投入されるため、優先的に微粒子が先行して投入され、その後、壁面の粗粒子が投入されて、投入側移送体(タンク)T内で移送物の偏析(微粒子・粗粒子の偏り)が発生していた。
【0046】
この点、この実施例のスプリットコーンバルブ1では、
図10に示すように、バルブ開口部には何も存在しないため、特定部の集中摩耗が発生することはなく、投入側バルブ(タンクバルブ)3の下部バルブ3Bが十分な逆円錐体部に形成されることで十分な開口領域が形成されて、よりスムースな投入側バルブ(タンクバルブ)3内への投入が可能となる。また、円錐体部の排出側バルブ(カプセルバルブ)5の上昇により排出側移送体(カプセル)Cの容器内壁円周部から粗粒子の移送が行われると共に、微粒子は円錐体部の排出側バルブ(カプセルバルブ)5の傾斜面に沿って円周方向に分散移送されるため、排出側移送体(カプセル)Cの円周部付近で壁面に沿う粗粒子と中央部からの微粒子が合流して投入側バルブ(タンクバルブ)3内に投入され、投入側バルブ(タンクバルブ)3内の微粒子・粗粒子は均一状態となり偏析が防止される。さらに、連結した排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3の上昇位置によって容器内壁円周部の開口面積を調整することが可能となり、原料の流動性によって容器開口面積を変化させ流量調整を行うことができる。
【0047】
また、バルブ開口工程における移送物によるスプリットコーンバルブ1の暴露部分は
図7に示したW部分となる。このため、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面5bと投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3aは、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結され、上部バルブ3Aの表面3aが排出側バルブ(カプセルバルブ)5に被覆されているため暴露状態に置かれていない。また、投入側バルブ直胴部3Cの表面も排出側バルブ直胴部5cに被覆されているため暴露状態に置かれていない。さらに、投入側シール用フランジ2の上面と排出側シール用フランジ4の下面も接合しているため暴露状態に置かれていない。
【0048】
つぎに、バルブ閉塞工程では、
図6(e)に示すように、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5を降下させて、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4に装着させると共にバルブ閉塞する。
【0049】
排出側バルブ分離工程では、
図6(f)に示すように、排出側バルブ(カプセルバルブ)5の駆動シャフト8を連結時とは逆方向に回転させて、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3との連結を解除する。その後、駆動シャフト8を上昇させて排出側バルブ(カプセルバルブ)5のみを上昇させ、排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3を分離させる。
【0050】
上記分離後のスプリットコーンバルブ1の暴露部分が、
図8に示したW部分である。このように、外気に晒される部位(排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面5b、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3a、投入側バルブ直胴部3Cの表面、投入側シール用フランジ2および排出側シール用フランジ4のそれぞれの接合面)にはW部分は存在しない。このため、本発明のスプリットコーンバルブ1によれば、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5が連結されることで、排出側バルブ(カプセルバルブ)5が投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面を被覆するため、移送物の移送後に双方(排出側バルブ(カプセルバルブ)5が投入側バルブ(タンクバルブ)3)が分離しても、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上面と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の内面に移送物が付着していないため、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することが防止される。
【0051】
さらに、排出側バルブ初期位置移動工程では、タンクステーション10の上方位置から排出側バルブ(カプセルバルブ)5を初期位置へ移動させて一連の動作が終了する。
【0052】
さらに、
図12に示した本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例について説明する。
この実施例のスプリットコーンバルブ20と前述したスプリットコーンバルブ1との相違は、スプリットコーンバルブ20の排出側バルブ(カプセルバルブ)50が、駆動シャフト8内にロックシャフト21を有し、ロックシャフト21の降下および回転により、投入側バルブ(タンクバルブ)30と排出側バルブ(カプセルバルブ)50が、投入側バルブ(タンクバルブ)30の第1連結機構31とロックシャフト21の第2連結機構22により連結するように構成されている点であり他は同様である。スプリットコーンバルブ1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0053】
具体的には、この実施例のスプリットコーンバルブ20は、ロックシャフト21の上端側が例えばサーボモーターなどの回転駆動装置(図示しない)に接続されて円周方向に正逆回転可能に構成されている。また、ロックシャフト21の上端側は例えばシリンダーなどの昇降装置(図示しない)に接続されて昇降可能に構成されている。そして、駆動シャフト8内でロックシャフト21が、降下して第2連結機構(水平バー)が投入側バルブ(タンクバルブ)30の第1連結機構(スリット)内に侵入した後、回転することにより投入側バルブ(タンクバルブ)30と排出側バルブ(カプセルバルブ)50が連結するように構成されている。連結解除する場合は、ロックシャフト21を円周方向逆方向に回転させ後、上昇させることで、投入側バルブ(タンクバルブ)30の第1連結機構31とロックシャフト21の第2連結機構22の係合が解除され、投入側バルブ(タンクバルブ)30と排出側バルブ(カプセルバルブ)50の連結も解除されるよう構成されている。これにより、投入側バルブと排出側バルブとの連結をより確実かつ容易に行うことができる。
【0054】
このように、本発明のスプリットコーンバルブの範疇には、駆動シャフト8内にロックシャフト21が設けられ、駆動シャフト8が回転するのではなく、ロックシャフト21が回転して連結する構造を備えたスプリットコーンバルブ20も広く包含される。
【0055】
さらに、
図13および
図14に示した本発明のスプリットコーンバルブの他の実施例について説明する。
この実施例のスプリットコーンバルブ60と前述したスプリットコーンバルブ1との相違は、投入側シール用フランジ61と排出側シール用フランジ62の構造のみであり他は同様である。スプリットコーンバルブ1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0056】
具体的には、この実施例のスプリットコーンバルブ60の投入側シール用フランジ61は、
図13に示すように、内周部に気密パッキンを有しておらず、内周部にテーパ加工を施した環状のテーパ部61aを有している。また、排出側シール用フランジ62は2段に設けられた上部フランジ62aと下部フランジ62bを有し、下部フランジ62bの内周部のみに環状の気密パッキン62cが設けられている。
【0057】
そして、投入側シール用フランジ61のテーパ部61aが投入側バルブ直胴部3Cに設けられた気密パッキン9bに面当接すると共に、投入側バルブ直胴部3Cに設けられた気密パッキン9bと排出側シール用フランジ62の下部フランジ62bの気密パッキン62cにより、排出側バルブ直胴部5cの下端部が内外から挟圧されることで、投入側バルブ(タンクバルブ)3と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の気密性が保持されてバルブ開口部が閉塞され、投入側シール用フランジ61および排出側シール用フランジ62も接合されるように構成されている。
【0058】
他方、排出側バルブ(カプセルバルブ)5が上昇して投入側バルブ(タンクバルブ)3と分離すると、
図14に示すように、スプリットコーンバルブ60の暴露部分はW部分となる。この時、外気に晒される部位(排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面5b、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上部バルブ3Aの表面3a、投入側バルブ直胴部3Cの表面、投入側シール用フランジ61および排出側シール用フランジの下部フランジ62bのそれぞれの接合面)にはW部分は存在しない。このため、本発明のスプリットコーンバルブ60においても、移送物の移送後に双方(排出側バルブ(カプセルバルブ)5と投入側バルブ(タンクバルブ)3)が分離した後に、投入側バルブ(タンクバルブ)3の上面と排出側バルブ(カプセルバルブ)5の裏面、投入側シール用フランジ61の上面と排出側シール用フランジ62の下面等に移送物が付着していないことで、移送物が外部へ放出されて周辺を汚染することが防止される。
【0059】
このように、本発明のスプリットコーンバルブにおいては、投入側シール用フランジや排出側シール用フランジが気密パッキンを内周部に有しないものであっても、例えばスプリットコーンバルブ60のように他の部位に設けられた気密パッキン9b等との関係で気密性を保持できるようシール用に用いられるフランジ(シール用フランジ)を有するものも広く本発明の範疇に包含される。