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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134120
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/08 20060101AFI20240926BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20240926BHJP
   G11C 16/10 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G11C16/08 130
G11C16/04 170
G11C16/10 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044238
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 英紀
(72)【発明者】
【氏名】泉 貴也
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225CA16
5B225DB22
5B225EA05
5B225EB10
5B225FA01
(57)【要約】
【課題】メモリセルトランジスタの劣化を抑制する
【解決手段】実施形態の記憶装置は、第1及び第2ストリング、第1及び第2配線、及び制御回路を含む。第1及び第2ストリングは、それぞれ第1及び第2メモリセルトランジスタを含む。第1及び第2配線は、それぞれ第1及び第2ストリングの一端に接続される。制御回路は、第1及び第2メモリセルトランジスタに書き込み動作を実行する。書き込み動作は、第1及び第2動作を含む。第1動作は、第1及び第2ストリングの一端から他端へと電流を流す。第2動作は、第1動作の後に、第1及び第2メモリセルトランジスタのゲートに第1電圧を供給する。第1動作において第1ストリングには電流が流れ、第2ストリングには電流が流れなかった場合、第2動作の間、第1配線に、第1電圧よりも低い第2電圧が印加され、第2配線に、第2電圧よりも高く第1電圧よりも低い第3電圧が印加される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された第1メモリセルトランジスタを含んだ第1ストリングと
直列に接続された第2メモリセルトランジスタを含んだ第2ストリングと、
前記第1ストリングの一端に接続された第1配線と、
前記第2ストリングの一端に接続された第2配線と、
前記第1ストリングの他端及び前記第2ストリングの他端に接続された第3配線と、
前記第1メモリセルトランジスタ及び前記第2メモリセルトランジスタに書き込み動作を実行する制御回路と、を備え、
前記書き込み動作は、
前記第1ストリング及び前記第2ストリングの一端から他端へと電流を流す制御を含んだ第1動作と、
前記第1動作の後に、前記第1メモリセルトランジスタ及び前記第2メモリセルトランジスタのゲートに第1電圧を印加する制御を含んだ第2動作と、を含み、
前記第1動作において前記第1ストリングには電流が流れるとともに前記第2ストリングには電流が流れない場合、前記第2動作の間、前記第1配線に、前記第1電圧より低い第2電圧が印加され、前記第2配線に、前記第2電圧よりも高く前記第1電圧よりも低い第3電圧が印加される、
記憶装置。
【請求項2】
前記第2動作が実行されると、
前記第1メモリセルトランジスタには、データの書き込みが行われ、
前記第2メモリセルトランジスタには、データの書き込みが行われない、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
前記第1電圧は、前記第1メモリセルトランジスタ及び前記第2メモリセルトランジスタの閾値電圧を上昇させる大きさの電圧である、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項4】
前記第2電圧は、接地電圧である、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項5】
前記第1動作の間、
前記第1メモリセルトランジスタ及び前記第2メモリセルトランジスタのゲート電極には前記第1電圧よりも低い第4電圧が印加され、
前記第1配線及び前記第2配線には第5電圧が印加され、
前記第3配線には前記第2電圧が印加され、
前記第4電圧は、前記第1メモリセルトランジスタ及び前記第2メモリセルトランジスタをオンさせる大きさの電圧であり、
前記第5電圧は、前記第2電圧よりも高い、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項6】
前記第1ストリングは、
前記直列に接続された第1メモリセルトランジスタの一端と、前記第1配線との間に接続された第1トランジスタと、
前記直列に接続された第1メモリセルトランジスタの一端と、前記第3配線との間に接続された第2トランジスタと、
を更に含み、
前記第2ストリングは、
前記直列に接続された第2メモリセルトランジスタの一端と、前記第2配線との間に接続された第3トランジスタと、
前記直列に接続された第2メモリセルトランジスタの一端と、前記第3配線との間に接続された第4トランジスタと、
を更に含み、
前記第2動作の間、
前記第1トランジスタ及び前記第3トランジスタのゲート電極には第6電圧が印加され、
前記第2トランジスタ及び前記第4トランジスタのゲート電極には前記第2電圧が印加され、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項7】
前記第1動作の間、
前記第1メモリセルトランジスタ及び前記第2メモリセルトランジスタのゲート電極には前記第1電圧よりも低い第4電圧が印加され、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタのゲート電極には第7電圧が印加され、
前記第1配線及び前記第2配線には第5電圧が印加され、
前記第3配線には前記第2電圧が印加され、
前記第4電圧は、前記第1メモリセルトランジスタ及び前記第2メモリセルトランジスタをオンさせる大きさの電圧であり、
前記第5電圧は、前記第2電圧よりも高い、
前記第7電圧は、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、及び前記第4トランジスタをオンさせる大きさの電圧である、
請求項6に記載の記憶装置。
【請求項8】
前記第1配線に接続された第1ラッチ回路と、
前記第2配線に接続された第2ラッチ回路と、
を更に備え、
前記第1ラッチ回路は、前記第1動作の結果に基づいて、第1情報を保持し、
前記第2ラッチ回路は、前記第1動作の結果に基づいて、第2情報を保持する、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項9】
前記第1動作において前記第1ストリングに電流が流れるとともに前記第2ストリングに電流が流れない場合、
前記第1ラッチ回路は、第1値を有する前記第1情報を保持し、
前記第2ラッチ回路は、前記第1値と異なる第2値を有する前記第2情報を保持する、
請求項8に記載の記憶装置。
【請求項10】
前記第2動作の間、
前記第1情報に基づいて、前記第1配線に、前記第2電圧が印加され、
前記第2情報に基づいて、前記第2配線に、前記第3電圧が印加される、
請求項9に記載の記憶装置。
【請求項11】
前記第1動作において前記第2ストリングに電流が流れない場合、前記第2メモリセルトランジスタに書き込まれるデータに関わらず、前記第2動作の間、前記第2配線に前記第3電圧が印加される、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項12】
前記第1動作において前記第1ストリングに電流が流れるとともに前記第2ストリングに電流が流れない場合、前記第2動作の間、
前記第1配線に前記第2電圧及び前記第3電圧のうちの前記第1メモリセルトランジスタに書き込まれるデータに基づく一方が印加され、
前記第2メモリセルトランジスタに書き込まれるデータに関わらず、前記第2配線に前記第3電圧が印加される、
請求項1に記載の記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶装置として、NAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10768222号明細書
【特許文献2】米国特許第11422736号明細書
【特許文献3】米国特許第10978160号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリセルトランジスタの劣化を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る記憶装置は、第1ストリング、第2ストリング、第1配線、第2配線、第3配線、及び制御回路を含む。第1ストリングは、直列に接続された第1メモリセルトランジスタを含む。第2ストリングは、直列に接続された第2メモリセルトランジスタを含む。第1配線は、第1ストリングの一端に接続される。第2配線は、第2ストリングの一端に接続される。第3配線は、第1ストリングの他端及び第2ストリングの他端に接続される。制御回路は、第1メモリセルトランジスタ及び第2メモリセルトランジスタに書込み動作を実行する。書込み動作は、第1動作及び第2動作を含む。第1動作は、第1ストリング及び第2ストリングの一端から他端へと電流を流す制御を含む。第2動作は、第1動作の後に、第1メモリセルトランジスタ及び第2メモリセルトランジスタのゲートに第1電圧を印加する制御を含む。第1動作において第1ストリングには電流が流れるととおに第2ストリングには電流が流れない場合、第2動作の間、第1配線に、第1電圧より低い第2電圧が印加され、第2配線に、第2電圧よりも高く第1電圧よりも低い第3電圧が印加される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る記憶装置を含むメモリシステムの構成要素及び構成要素の接続、並びに関連する要素の例を示す。
図2図2は、第1実施形態に係る記憶装置のブロックの構成要素及び構成要素の接続の例を示す。
図3図3は、第1実施形態に係る記憶装置のセンスアンプの構成要素及び構成要素の接続の例を示す。
図4図4は、第1実施形態に係る記憶装置のメモリセルアレイの一部の構造の例を示す。
図5図5は、第1実施形態に係る記憶装置のメモリセルトランジスタの閾値電圧の分布とデータのマッピングの例を示す。
図6図6は、第1実施形態に係る記憶装置のストリングの状態の種類の例を示す。
図7図7は、第1実施形態に係る記憶装置の書込み動作の例のフローを示す。
図8図8は、第1実施形態に係る記憶装置の一部の状態及び内部データの例を示す。
図9図9は、第1実施形態に係る記憶装置においてMHオープンリードの間に配線に印加される電圧及び内部データの例を示す。
図10図10は、第1実施形態に係る記憶装置によるインヒビット処理の間の内部データを示す。
図11図11は、第1実施形態に係る記憶装置によるプログラム動作の間に配線に印加される電圧及び内部データの例を示す。
図12図12は、第1実施形態に係る記憶装置によるベリファイ動作の間に配線に印加される電圧及び内部データの例を示す。
図13図13は、第1実施形態に係る記憶装置によるインヒビット指定データ更新の間の内部データを示す。
図14図14は、第1実施形態に係る記憶装置による読出し動作の間に配線に印加される電圧、及び関連するデータの例を示す。
図15図15は、第2実施形態に係る記憶装置が受け取る信号の例を示す。
図16図16は、第2実施形態に係る記憶装置の書込み動作の例のフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に実施形態が図面を参照して記述される。以下の記述において、略同一の機能及び構成を有する構成要素は同一の参照符号を付される。略同一の機能及び構成を有する複数の構成要素が相互に区別されるために、参照符号の末尾にさらなる数字又は文字が付される場合がある。
【0008】
或る実施形態についての記述は全て、明示的に又は自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において「実質的に同じ」「略同じ」「略均一」は、同じであることを意図されているものの、製造技術及び(又は)測定技術の限界に起因して完全に同一ではないとともに誤差を許容することを指す。
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲において、或る第1要素が別の第2要素に「接続されている」とは、第1要素が直接的又は常時或いは選択的に導電性となる要素を介して第2要素に接続されていることを含む。「電気的に接続されている」とは、電気的に接続されたものと同様に動作することが可能であれば、絶縁体を介していてもよい。
【0011】
以下では、x軸、y軸、z軸からなる直交座標系が使用される。以下の記述において、「下」との記述及びその派生語並びに関連語は、z軸上のより小さい座標の位置を指し、「上」との記述及びその派生語並びに関連語は、z軸上のより大きい座標の位置を指す。
【0012】
1.第1実施形態
1.1.構成(構造)
図1は、第1実施形態に係る記憶装置を含むメモリシステムの構成要素及び構成要素の接続、並びに関連する要素の例を示す。図1に示されるように、メモリシステム5は、ホスト装置3により制御され、記憶装置1及びメモリコントローラ2を含む。メモリシステム5は、例えば、SSD(solid state drive)又はSDTMカード等であることが可能である。
【0013】
記憶装置1は、メモリコントローラ2により制御される。メモリコントローラ2は、ホスト装置3から命令を受け取り、受け取られた命令に基づい記憶装置1を制御する。
【0014】
1.1.1.メモリコントローラ
メモリコントローラ2は、ホストインターフェイス21、CPU(central processing unit)22、RAM(random access memory)23、ROM(read only memory)24、メモリインターフェイス25、ECC(error correction code)回路26を含む。ROM24に格納されていてRAM23上にロードされたファームウェア(プログラム)がCPU22によって実行されることによって、メモリコントローラ2は種々の動作、及びホストインターフェイス21並びにメモリインターフェイス25の機能の一部を実行する。RAM23は、さらに、データを一時的に保持し、バッファメモリ及びキャッシュメモリとして機能する。
【0015】
ホストインターフェイス21は、バスを介してホスト装置3と接続され、メモリコントローラ2とホスト装置3との通信を司る。メモリインターフェイス25は、記憶装置1と接続され、メモリコントローラ2と記憶装置1との通信を司る。
【0016】
ECC回路26は、記憶装置1に書き込まれるデータ及び記憶装置1からリードされたデータに対して、誤りの検出及び訂正に必要な処理を行う。具体的には、ECC回路26は、記憶装置1に書き込まれるデータに対して誤り訂正符号化処理を行う。誤り訂正符号化後の冗長データを含んだデータは、書込みデータとして記憶装置1に書き込まれる。また、ECC回路26は、記憶装置1からリードされたデータの中の誤りを検出し、誤りがある場合に誤りの訂正を試みる。
【0017】
1.1.2.記憶装置
記憶装置1は、NANDバスを介してメモリコントローラ2と接続されている。NANDバスは、複数の制御信号及び8ビットの幅の入出力信号DQを伝送する。制御信号は、信号 ̄CE、CLE、ALE、 ̄WE、 ̄RE、 ̄WP、データストローブ信号DQS及び ̄DQS、並びにレディー・ビジー信号RBを含む。符号「 ̄」は、反転論理を示す。記憶装置1は、入出力信号DQを受け取り、入出力信号DQを送信する。入出力信号DQは、コマンド(CMD)、書込みデータ又は読出しデータ(DAT)、アドレス情報(ADD)、及びステータス(STA)を含む。
【0018】
信号 ̄CEは記憶装置1をイネーブルにする。信号CLEは、入出力信号DQによるコマンドの送信を記憶装置1に通知する。信号ALEは、入出力信号DQによるアドレス信号の送信を記憶装置1に通知する。信号 ̄WEは、入出力信号DQの取り込みを記憶装置1に指示する。信号 ̄REは、入出力信号DQの出力を記憶装置1に指示する。レディー・ビジー信号RBは、記憶装置1がレディー状態であるか、ビジー状態であるかを示し、ローレベルによってビジー状態を示す。記憶装置1は、レディー状態にあると、コマンドを受け付け、ビジー状態にあると、コマンドを受け付けない。
【0019】
記憶装置1は、メモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバ14、ロウデコーダ15、及びセンスアンプ16等の要素を含む。
【0020】
メモリセルアレイ10は複数のメモリブロック(ブロック)BLK(BLK0、BLK1、…)を含む。各ブロックBLKは複数のストリングユニットSU(SU0、SU1、…)の集合である。各ストリングユニットSUは複数のNANDストリング(ストリング)NS(図示せず)の集合である。各ストリングNSは、複数のメモリセルトランジスタMTを含む。
【0021】
コマンドレジスタ11は、メモリコントローラ2によって受け取られたコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、シーケンサ13にデータ読出し、データ書込み、及びデータ消去を含む種々の動作を指示する。
【0022】
アドレスレジスタ12は、メモリコントローラ2によって受け取られたアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdを含む。ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdは、それぞれブロックBLK、ワード線WL、及びビット線BLの選択に使用される。
【0023】
シーケンサ13は、記憶装置1全体の動作を制御する。シーケンサ13は、コマンドレジスタ11から受け取られたコマンドCMDに基づいてドライバ14、ロウデコーダ15、及びセンスアンプ16を制御して、データ読出し、データ書込み、データ消去等を含む種々の動作を実行する。
【0024】
ドライバ14は、記憶装置1の動作に必要な種々の電圧を生成し、複数の電圧のうちの選択されたものをロウデコーダ15に供給する。
【0025】
ロウデコーダ15は、アドレスレジスタ12から受け取られたブロックアドレスBAdに基づいて選択された1つのブロックBLKにドライバ14から供給される電位を転送する。
【0026】
センスアンプ16は、メモリセルトランジスタMTの状態をセンスし、センスされた状態に基づいて読出しデータを生成し、又は、書込みデータをメモリセルトランジスタMTに転送する。
【0027】
1.1.3.メモリセルアレイの回路構成
図2は、第1実施形態に係る記憶装置が備える1つのブロックの構成要素及び構成要素の接続の例を示す。複数のブロックBLK、例えば全てのブロックBLKは、図2に示される構成要素及び接続を含む。
【0028】
1つのブロックBLKは、複数のストリングユニットSUを含む。記憶装置1が備えるブロックBLKの数及び1つのブロックBLK内のストリングユニットSUの数は、任意の数に設定出来る。以下の記述は、1つのブロックBLKが5つのストリングユニットSU0~SU4を含む例に基づく。
【0029】
m本のビット線BL0~BLm-1の各々は、各ブロックBLKにおいて、ストリングユニットSU0~SU4の各々からの1つのNANDストリングNSと接続されている。mは正の整数である。
【0030】
各NANDストリングNSは、1つの選択ゲートトランジスタST、複数のメモリセルトランジスタMT、及び1つの選択ゲートトランジスタDT(DT0、DT1、DT2、DT3、又はDT4)を含む。図2は、各NANDストリングNSが8個のメモリセルトランジスタMT0~MT7を含む例に基づく。
【0031】
メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート電極、及び周囲から絶縁された電荷蓄積膜を含み、電荷蓄積膜中の電荷の量に基づいてデータを不揮発に記憶する素子である。選択ゲートトランジスタST及びDTのそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0032】
選択ゲートトランジスタST、メモリセルトランジスタMT、及び選択ゲートトランジスタDTは、この順で、ソース線SLと1つのビット線BLとの間に直列に接続されている。
【0033】
相違する複数のビット線BLとそれぞれ接続された複数のNANDストリングNSは1つのストリングユニットSUを構成する。各ストリングユニットSUにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲート電極は、ワード線WL0~WL7とそれぞれ接続されている。1つのストリングユニットSU中でワード線WLを共有するメモリセルトランジスタMTの組は、セルユニットCUと称される。
【0034】
選択ゲートトランジスタDT0~DT4はストリングユニットSU_0~SU_4にそれぞれ属する。図2において、選択ゲートトランジスタDT2~DT4は図示されていない。ストリングユニットSU_0の複数のNANDストリングNSの各々の選択ゲートトランジスタDT0のゲートは選択ゲート線SGDL0に接続されている。同様に、ストリングユニットSU_1、SU_2、SU_3、及びSU_4のそれぞれの複数のNANDストリングNSの各々の選択ゲートトランジスタDT1、DT2、DT3、及びDT4のゲートは選択ゲート線SGDL1、SGDL2、SGDL3、及びSGDL4に接続されている。
【0035】
選択ゲートトランジスタSTのゲートは選択ゲート線SGSLに接続されている。
【0036】
なお、第1実施形態に係る記憶装置1が備えるブロックBLKの構成要素及び構成要素の接続は、以上で説明した例に限定されない。例えば、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択ゲートトランジスタST及びDTの個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。
【0037】
1.1.4.センスアンプの構成
図3は、第1実施形態に係る記憶装置のセンスアンプの構成要素及び構成要素の接続の例を示す。
【0038】
図3に示されるように、センスアンプ16は、複数のセンスアンプユニットSAU及び複数のラッチ回路XDLを含む。センスアンプユニットSAUは、ビット線BL毎に設けられる。ラッチ回路XDLは、例えばセンスアンプユニットSAU毎に設けられる。ラッチ回路XDLは、読み出しデータ及び書込みデータを一時的に記憶する。ラッチ回路XDLは、センスアンプユニットSAUと記憶装置1内の入出力回路との間のデータの入出力に用いられる。各ラッチ回路XDLは、バスDBUSを介して、センスアンプユニットSAUに接続されている。なお、1つのラッチ回路XDLに、複数のセンスアンプユニットSAUが接続されていてもよい。
【0039】
センスアンプユニットSAUは、例えば、センス回路SA、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、DDL、及びTDLを含む。センス回路SA、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、DDL、及びTDLは、バスLBUSに共通に接続されている。言い換えると、ラッチ回路XDL、センス回路SA、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、DDL、及びTDLは、互いにデータを送受信可能なように接続されている。
【0040】
センス回路SAは、読出し動作時には、接続されたビット線BLに読み出されたデータをセンスし、読み出しデータが“0”データであるか“1”データであるかを判定する。また、センス回路SAは、書込み動作時には、ラッチ回路SDLに記憶されたデータに基づいてビット線BLに電圧を印加する。
【0041】
ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、DDL、及びTDLは、読み出しデータ及び書込みデータを一時的に記憶する。例えば、読出し動作時には、センス回路SAからラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、DDL、及びTDLのいずれかにデータが転送され得る。また、書込み動作時には、ラッチ回路XDLからラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、DDL、及びTDLのいずれかにデータが転送され得る。
【0042】
各センスアンプユニットSAUは、このセンスアンプユニットSAUが接続された1つのビット線BLを介して、複数のストリングSTRと接続されている。以下、或るラッチ回路SDLとビット線BLを介して接続されているストリングSTRは、このラッチ回路SDLに「対応する」ストリングSTRと称される場合がある。同様に、或るストリングSTRと接続されているラッチ回路SDLは、ストリングSTRに「対応する」ラッチ回路SDLと称される場合がある。他のラッチ回路BDL、CDL、DDL、TDLについても同じである。
【0043】
1.1.5.メモリセルアレイの構造
各ブロックBLKは、図2及び図3に示される回路が実現される限り、どのような構造を有していてもよい。例として、各ブロックBLKは、図4に示される構造を有することができる。図4は、第1実施形態に係る記憶装置のメモリセルアレイの一部の構造の例を概略的に示す。
【0044】
図4に示されるように、基板subの上面上に絶縁体INSが設けられている。絶縁体INSの上面上に、導電体CCが設けられている。導電体CCは、ソース線SLの一部として機能する。
【0045】
導電体CCの上方に、1つの導電体CS、複数(例えば8つ)の導電体CW、及び導電体CDが設けられている。導電体CS、CW、及びCDは、この順で間隔を有してz軸に沿って並び、y軸に沿って延びる。導電体CS、CW、及びCDは、それぞれ、各NANDストリングNSの選択ゲート線SGSL、ワード線WL0~WL7、及び選択ゲート線SGDLとして機能する。
【0046】
導電体CCの上方に、メモリピラーMPが設けられている。メモリピラーMPは、導電体CS、CW、及びCDを貫く。メモリピラーMPの下面は、導電体CC中に位置する。メモリピラーMPは、絶縁体IC、半導体(層)SF、トンネル絶縁体(層)IT、電荷蓄積層IA、ブロック絶縁体(層)IB、及び導電体(層)CTを含む。
【0047】
絶縁体ICは、z軸に沿って延びる柱状の形状を有し、メモリピラーMPの中央に位置する。半導体SFは、絶縁体ICの側面を覆う。半導体SFは、下面の一部において導電体CCと接する。半導体SFは、メモリセルトランジスタMT及び選択ゲートトランジスタDT並びにSTのチャネル領域並びにボディとして機能する。チャネル領域は、チャネルが形成される領域である。
【0048】
トンネル絶縁体ITは、半導体SFの側面を覆う。電荷蓄積層IAは、絶縁体又は導電体であり、トンネル絶縁体ITの側面を覆う。ブロック絶縁体IBは、トンネル絶縁体ITの側面を覆う。
【0049】
導電体CTは、絶縁体ICの上面及び半導体SFの上面を覆う。
【0050】
いくつかの導電体CTの上面は、導電性のプラグCPを介して導電体CBと接続されている。導電体CBはx軸に沿って延び、y軸に沿って並ぶ。導電体CBは、ビット線BLとして機能する。
【0051】
各メモリピラーMPのうちの導電体CS、CW、及びCDと交わる部分は、それぞれ選択ゲートトランジスタST、メモリセルトランジスタMT、及び選択ゲートトランジスタDTとして機能する。
【0052】
1.1.6.メモリセルトランジスタによるデータの記憶
記憶装置1は、1つのメモリセルトランジスタMTにおいて2ビット以上のデータを保持することができる。図5は、例として、第1実施形態のメモリシステムの1メモリセルトランジスタMTあたり1ビットのデータを保持するメモリセルトランジスタMTの閾値電圧の分布とデータのマッピングを示す。各メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は、保持されるデータに応じた値を有する。メモリセルトランジスタMTあたり1ビットの記憶の場合、各メモリセルトランジスタMTは、2個の状態のうちの閾値電圧に応じた1つの状態にあることが可能である。2個の状態は、“1”ステート及び“0”ステートと称される。“0”ステートにあるメモリセルトランジスタMTは、“1”ステートにあるメモリセルトランジスタMTより高い閾値電圧を有する。“1”ステートは消去状態に相当する。
【0053】
データ書込みによって、書込み対象のメモリセルトランジスタMTは、書き込まれるデータに基づいて、“1”ステートに維持されるか、または“0”ステートに移される。
【0054】
各ステートに1ビットのデータが任意の形で割り当てられることが可能である。各ステートは、例えば、以下の1ビットデータを有しているものとして扱われる。
“1”ステート :“1”データ
“0”ステート :“0”データ
ある同じ1ビットデータを保持する複数のメモリセルトランジスタMTであっても、メモリセルトランジスタMTの特性のばらつき等に起因して、互いに相違する閾値電圧を有し得る。
【0055】
データ読出し対象のメモリセルトランジスタMTによって保持されているデータの割り出しのために、データ読出し対象のメモリセルトランジスタMTのステートが判断される。データ読出し対象のメモリセルトランジスタMTの閾値電圧がどの範囲にあるかが、このデータ読出し対象のメモリセルトランジスタMTのステートの割り出しに用いられる。データ読出し対象のメモリセルトランジスタMTの閾値電圧の範囲の割り出しのために、読出し電圧VCGRが用いられる。また、読出しパス電圧VREADは、閾値電圧が高いステート“0”のいずれのメモリセルトランジスタMTの閾値電圧より高い。読出しパス電圧VREADをゲートにおいて受けるメモリセルトランジスタMTは、記憶するデータに依らずにオン状態になる。
【0056】
データ消去によって、消去対象のセルトランジスタの閾値電圧を下げて、“1”ステートへと移される。
【0057】
1.1.7.ストリング
図6は、第1実施形態に係る記憶装置のストリングの状態の種類を示す。図6は、例として、8つのストリングSTR0~STR7を示す。
【0058】
ストリングSTRは、断線や異物の介在などによって、一端から他端まで電流を流すことができない状態となっている場合がある。以下、ストリングSTRが一端から他端まで電流を流すことができない状態は、オープン状態と称される場合がある。図6は、例として、ストリングSTR2及びSTR3がオープン状態となっている。一方、ストリングSTR0、STR1、STR4~STR7は、一端から他端まで電流を流すことができる状態となっている。ストリングSTR中のうち、断線や異物などによってストリングSTRをオープン状態としている箇所は、以下、オープン部分OPと称される場合がある。オープン部分OPは、ストリングSTRのいずれの場所にも位置し得る。
【0059】
1.2.動作
1.2.1.書込み動作
図7は、第1実施形態に係る記憶装置の書込み動作の例のフローを示す。図7のフローは、或るセルユニットCUに対するデータ書込みのコマンドと書き込まれるデータ(書込みデータ)が記憶装置1によって受け取られると開始する。データ書込み対象のセルユニットCUは、選択セルユニットCUと称される場合がある。
【0060】
以下、オープン状態にあるストリングSTRとして、図6を参照して上記されているように、ストリングSTR3及びSTR4が代表として用いられる。また、選択セルユニットCUがワード線WL5と接続されているセルユニットCUである例に基づく。よって、ワード線LW5が、選択されているワード線(選択ワード線)である。選択セルユニットCU中のメモリセルトランジスタMTは、選択メモリセルトランジスタMTと称される場合がある。
【0061】
例として、図8に示されているように、書込みデータは、ストリングSTR0~STR7の選択メモリセルトランジスタMTに書き込まれるビットにおいて、それぞれ、“1”データ、“1”データ、“0”データ、“1”データ、“0”データ、“1”データ、“1”データ、及び“0”データを含んでいる。すなわち、書込みデータは、ストリングSTR0~STR7の選択メモリセルトランジスタMTに書き込まれる部分のビットにおいて、ストリングSTR0の側から順に11010110を有する。記憶装置1によって受け取られた書込みデータの各ビットの値は、センスアンプ16内のラッチ回路SDLの組、ラッチ回路ADLの組、ラッチ回路BDLの組、ラッチ回路CDLの組、ラッチ回路DDLの組、及びラッチ回路TDLの組のいずれかの組に記憶される。
【0062】
書込みデータは、現時点のインヒビット指定データとして使用される。インヒビット指定データは、後述のプログラム動作の間に、各ストリングSTRをインヒビット状態にするか否かを指定する情報を含む。インヒビット状態は、後続のプログラム動作の間に、閾値電圧が維持されるメモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRを、このメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させない電圧バイアスが印加されている維持している状態である。インヒビット指定データは、各ビットにおいて、1つのストリングSTRに対応しており、すなわち、対応しているストリングSTRについてインヒビットを指定する。インヒビット指定データは、ストリングSTR0~STR7について示すビットにおいて、ストリングSTR0の側から順に11010110を有する。インヒビット指定データは、ラッチ回路SDLの組、ラッチ回路ADLの組、ラッチ回路BDLの組、ラッチ回路CDLの組、ラッチ回路DDLの組、及びラッチ回路TDLの組のいずれかに記憶される。シーケンサ13は、後続のプログラムの間、インヒビット指定データに基づいて、指定されているストリングSTRをインヒビット状態に維持する。例えば、インヒビット指定データは、“1”データによってインヒビット状態を指定し、“0”データによって、プログラム可能状態を指定する。
【0063】
以上より、ストリングSTR0~STR7は、以下の記述において、以下に示される種類のストリングSTRの代表として機能する。
【0064】
ストリングSTR0、STR1、STR5、及びSTR6は、オープン状態になく、かつ“1”データを書き込まれる選択メモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRを代表する。
【0065】
ストリングSTR4及びSTR7は、オープン状態になく、かつ“0”データを書き込まれる選択メモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRを代表する。
【0066】
ストリングSTR2は、オープン状態にあり、かつ“0”データを書き込まれる選択メモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRを代表する。
【0067】
ストリングSTR3は、オープン状態にあり、かつ“1”データを書き込まれる選択メモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRを代表する。
【0068】
図7に戻る。シーケンサ13は、MHオープンリードを行う(ST10)。MHオープリンリードは、選択メモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRのうち、オープン状態のストリングSTRを特定するためのリードを指す。MHオープンリードは、ストリングSTRに電圧を印加して、ストリングSTRを電流が流れるか否かに基づいて、オープン状態のストリングSTRを特定する。具体的には、以下の通りである。
【0069】
図9は、第1実施形態に係る記憶装置においてMHオープンリードの間に配線に印加される電圧及び内部データの例を示す。シーケンサ13は、ドライバ14、及びロウデコーダ15を制御して、以下に記述される電圧を配線に印加する。
【0070】
図9に示されるように、ソース線SLは、接地電圧VSSを受け、選択ゲート線SGDL及びSGSLは、電圧VSGを受ける。電圧VSGは、選択ゲートトランジスタDT及びSTをオンに維持する大きさを有する。ビット線BLは、電圧VBLを受ける。電圧VBLは、接地電圧VSSより高い。ワード線WL0~WL7は、読出しパス電圧VREADを受ける。
【0071】
上記のような電圧の印加により、メモリセルトランジスタMT並びに選択ゲートトランジスタDT及びSTはオン状態となる。このため、オープン状態にないストリングSTR0、STR1、及びSTR4~STR7を、電流が流れる。一方、オープン状態のストリングSTR2及びSTR3を、電流が流れない。電流が流れるか否かに基づくデータは、ストリングSTRごとに、このストリングSTRと接続された、ラッチ回路SDLの組、ラッチ回路ADLの組、ラッチ回路BDLの組、ラッチ回路CDLの組、ラッチ回路DDLの組、及びラッチ回路TDLの組のいずれかに記憶される。例えば、電流が流れるか否かに基づくデータは、ラッチ回路SDLの組と異なるラッチ回路の組に記憶され、例えば、ラッチ回路ADLの組に記憶される。電流が流れるか否かに基づくデータは、MHオープンリードの結果を示すデータ(MHオープンリード結果データ)として機能する。各ラッチ回路ADLのデータは、このラッチ回路ADLに対応するストリングSTRについてのMHオープンリードの結果を記憶する。例えば、MHオープンリードの結果は、“0”データである場合、対応するストリングSTRがオープン状態にあることを表し、“1”データである場合、オープン状態にないことを表す。
【0072】
ステップST10の結果、MHオープンリード結果データは、ストリングSTR0~STR7について示すビットにおいて、ストリングSTR0の側から順に11001111を有する。すなわち、ストリングSTR2及びSTR3に対応するラッチ回路ADLは、“0”データを記憶し、ストリングSTR0、STR1、及びSTR4~STR7に対応するラッチ回路ADLは、“1”データを記憶する。
【0073】
図7に戻る。シーケンサ13は、インヒビット処理を行う(ST11)。インヒビット処理は、MHオープンリード結果データに基づいて、特定のストリングSTRをインヒビット状態にすることを指す。具体的には、以下の通りである。
【0074】
図10は、第1実施形態に係る記憶装置によるインヒビット処理の間の内部データを示す。図10に示されるように、MHオープンリード結果データにおいて“0”データのビットは、インヒビット指定データのビットにおいて、書込みデータの値によらずに“1”データとされる。すなわち、インヒビット指定データのうちのストリングSTR2に対応するビットは、“1”データに変わる。また、インヒビット指定データのうちのストリングSTR3に対応するビットは、もともと“1”データであったため、“1”データが維持される。インヒビット指定データのうち、MHオープンリード結果データの中で“1”データを有するビットは、値を維持する。これにより、インヒビット指定データは、現時点において、“1”データを書き込まれるビット及びオープン状態のストリングSTRについて示すビットにおいて、“0”データを有する。以上のようなデータの操作の結果、インヒビット指定データは、ストリングSTR0~STR7について示すビットにおいて、ストリングSTR0の側から順に11110110を有する。
【0075】
図7に戻る。シーケンサ13は、プログラム動作を行う(ST12)。プログラム動作は、特定の選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させるとともに、別の選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を維持するように配線に電圧を印加することを指す。プログラム動作は、インヒビット指定データに基づく。具体的には、以下の通りである。
【0076】
図11は、第1実施形態に係る記憶装置によるプログラム動作の間に配線に印加される電圧及び内部データの例を示す。図11に示されるように、選択ゲート線SGDLは、電圧VSGDを受ける。電圧VSGDは、選択ゲートトランジスタDTをオンさせる大きさを有し、接地電圧VSSより高い。選択ゲート線SGSLは、接地電圧VSSを受ける。ソース線SLは、電圧VDDSAを受ける。
【0077】
また、インヒビット指定データにおいて“1”データを有するビットが示すストリングSTRと接続されているビット線BLは、電圧VDDSAを受ける。すなわち、ビット線BL0、BL1、BL2、BL3、BL5、及びBL6は、電圧VDDSAを受ける。電圧VDDSAは、接地電圧VSSより高い。電圧VDDSAを受けるビット線BLと接続されたストリングSTR0、STR1、STR2、STR3、ST5、及びSTR6は、インヒビット状態にある。すなわち、ストリングSTR0、STR1、STR2、STR3、ST5、及びSTR6中の選択メモリセルトランジスタMTは、後述のプログラム電圧VPGMの印加によっても、閾値電圧をほとんど上昇させないか、維持する状態にある。
【0078】
一方、インヒビット指定データにおいて、“0”データを有するビットが示すストリングSTRと接続されているビット線BLは、電圧VSSを受ける。すなわち、ビット線BL4及びBL7は、接地電圧SSを受ける。電圧VSSを受けるビット線BLと接続されたストリングSTR4及びSTR7は、プログラム可能状態にある。すなわち、ストリングSTR4及びSTR7中の選択メモリセルトランジスタMTは、後述のプログラム電圧VPGMの印加によって、閾値電圧を上昇させる状態にある。
【0079】
ここまで記述されているような電圧が印加されている状態で、選択ワード線WLは、プログラム電圧VPGMを受けるとともに、選択ワード線WL以外のワード線WLはプログラムパス電圧VPASSを受ける。プログラム電圧VPGMは、読出しパス電圧VREAD及び電圧VDDSAより高い。プログラムパス電圧VPASSは、接地電圧VSSより高く、プログラム電圧VPGMより低い。
【0080】
ワード線WLへの電圧の印加により、プログラム可能状態にあるストリングSTR4及びSTR7においては、選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は上昇する。一方、インヒビット状態にあるストリングSTR0、STR1、STR2、STR3、ST5、及びSTR6においては、選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧はほとんど又は全く上昇しない。
【0081】
図7に戻る。シーケンサ13は、ベリファイ動作を行う(ST13)。ベリファイ動作は、選択メモリセルトランジスタMTが書込みデータに基づく大きさの閾値電圧を有するかを確認する動作を指す。ベリファイ動作は、選択ワード線WLに印加される電圧の相違を除いて読出し動作と同じである。すなわち、ベリファイ動作では、ベリファイ電圧を用いた読出し動作が行われ、プログラム可能状態にあるストリングSTRの選択メモリセルトランジスタMTがベリファイ電圧を超える閾値電圧を有するかが確認される。
【0082】
図12は、第1実施形態に係る記憶装置によるベリファイ動作の間に配線に印加される電圧及び内部データの例を示す。図12に示されるように、選択ゲート線SGDLは、電圧VSGを受ける。選択ゲート線SGSLは、接地電圧VSSを受ける。選択ワード線WLは、ベリファイ電圧VPVを受けるとともに、選択ワード線WL以外のワード線WLは読出しパス電圧VREADを受ける。これにより、ストリングSTRを電流が流れ得る状態が形成される。選択ゲート線SGDL及びSGSL、並びにワード線WLへの電圧の印加によって、或る選択メモリセルトランジスタMTがベリファイ電圧VPV以下の閾値電圧を有している場合、この選択メモリセルトランジスタMTは、オン状態にある。よって、このオン状態にある選択メモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRを電流が流れる。一方、或る選択メモリセルトランジスタMTがベリファイ電圧VPVを超える閾値電圧を有している場合、この選択メモリセルトランジスタMTは、オフ状態にある。よって、このオフ状態にある選択メモリセルトランジスタMTを含んだストリングSTRを電流が流れない。
【0083】
各センスアンプユニットSAUは、センス回路SAにおいて、電流が流れるか否かに基いて、このセンスアンプユニットSAUと接続された選択メモリセルトランジスタMTが有する判断されるデータを保持する。例えば、センスアンプユニットSAUは、電流が流れる場合に、このセンスアンプユニットSAUと接続された選択メモリセルトランジスタMTが“1”データを有すると決定し、内部において“1”データを保持する。一方、センスアンプユニットSAUは、電流が流れない場合に、このセンスアンプユニットSAUと接続された選択メモリセルトランジスタMTが“0”データを有すると決定し、内部において“0”データを保持する。電流は、ストリングSTR0、STR1、及びSTR4~STR6を流れ、ストリングSTR7を流れない。このため、内部読出しデータは、ストリングSTR0、STR1、及びSTR4~STR6について示すビットにおいて“1”データを有し、ストリングSTR7について示すビットにおいて“0”データを有する。ストリングSTR2及びSTR3はオープン状態にあるため、ストリングSTR2及びSTR3の選択メモリセルトランジスタMTの状態によらず、電流が流れない。よって、内部読出しデータは、ストリングSTR2及びSTR3について示すビットにおいて、“0”データを有する。内部読出しデータは、ラッチ回路SDLの組、ラッチ回路ADLの組、ラッチ回路BDLの組、ラッチ回路CDLの組、ラッチ回路DDLの組、及びラッチ回路TDLの組のいずれかに記憶される。内部読出しデータは、インヒビット指定データ及びMHオープンリード結果データを記憶しているラッチ回路の組とは別のラッチ回路の組に記憶され、例えば、ラッチ回路BDLの組に記憶される。
【0084】
次いで、センスアンプユニットSAUは、内部読出しデータと、書込みデータに基づいて、ベリファイの結果を得る。書込みデータは、インヒビット指定データに反映されており、よって、内部読出しデータとインヒビット指定データが比較される。すなわち、図13に示されるように、センスアンプユニットSAUは、各ビットについて、内部読出しデータと書込みデータが一致している場合、ベリファイ動作の結果として、“1”データを保持する。一方、センスアンプユニットSAUは、内部読出しデータデータと書込みデータが一致していない場合、ベリファイ動作の結果として、“0”データを保持する。ベリファイ結果データは、ラッチ回路SDLの組、ラッチ回路ADLの組、ラッチ回路BDLの組、ラッチ回路CDLの組、ラッチ回路DDLの組、及びラッチ回路TDLの組のいずれかに記憶される。
【0085】
図13は、例として、ストリングSTR7の選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がベリファイ電圧VPVを超えている状態を示す。一方、ストリングSTR4の選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は、まだ、ベリファイ電圧VPVを超えていない。内部読出しデータは、ストリングSTR0、STR1、及びSTR5~STR7について示すビットにおいて“1”データを有する。よって、ストリングSTR0、STR1、及びSTR5~STR7について示すビットは、インヒビット指定データと内部読出しデータとの間で同じデータを有する。このため、ストリングSTR0、STR1、及びSTR5~STR7については書込みは完了したと判断され、ベリファイ結果データは、ストリングSTR0、STR1、及びSTR5~STR7について示すビットにおいて“1”データを有する。一方、ストリングSTR4について示すビットは、インヒビット指定データと内部読出しデータとの間で異なるデータを有する。このため、ストリングSTR4については書込みは完了していないと判断され、ベリファイ結果データは、ストリングSTR4について示すビットにおいて、“0”データを有する。
【0086】
ストリングSTR2及びSTR3は、オープン状態にあるため、電流が流れない。よって、内部読出しデータは、ストリングSTR2及びSTR3について示すビットにおいて、“0”データを有する。この値は、インヒビット指定データのストリングSTR2及びSTR3について示すビットの値と異なる。このため、ベリファイ結果データは、ストリングSTR2及びSTR3について示すビットにおいて、“0”データを有する。このように、オープン状態にあるストリングSTRについては、ベリファイ結果データ中で“0”データになる。
【0087】
以上より、ベリファイ結果データは、ストリングSTR0~STR7について示すビットにおいて、ストリングSTR0の側から順に11000111を有する。この場合、各ビットについて、インヒビット指定データと、内部読みだしデータとが一致していれば“1”データであり、一致していなければ“0”データとなる。
【0088】
図7に戻る。シーケンサ13は、選択セルユニットCUに対する書込み動作のベリファイがパスするかを判断する(ST14)。例えば、ベリファイ結果データ中の“1”データのビットの数が、全選択メモリセルトランジスタMTのうちの或る割合の数を超えていると判断される場合にパスと判断される。図13に示されるように、インヒビット指定データはストリングSTR0の側から順に11110110であり、ベリファイ結果データはストリングSTR0の側から順に11001110である。ベリファイ結果データは、STR2、STR3、及びSTR4について示すビットにおいて、“0”データである。しかし、選択セルユニットCUは数百の選択メモリセルトランジスタMTを含み、選択セルユニットCUに書き込まれたデータが書込みデータと十分に整合しているならばベリファイはパスになる。図7に示されるように、ベリファイにパスする場合(ST14_Yes)、図7に示される書込み動作は終了する。
【0089】
一方、ベリファイにフェイルする場合(ST14_No)、シーケンサ13は、インヒビット指定データを更新する(ST15)。シーケンサ13は、図13に示されるように、ベリファイ結果データによってインヒビット指定データを更新する。
【0090】
この結果、インヒビット指定データは、ストリングSTR0~STR7について示すビットにおいて、ストリングSTR0の側から順に11000111を有する。
【0091】
インヒビット指定データの更新は、MHオープリード結果データにも基づく。MHオープンリード結果データは、オープン状態にあるストリングSTR2及びSTR3について示すビットにおいて“0”データを有する。すなわち、MHオープンリード結果データは、ストリングSTR0の側から順に、11001111を有する。このことに基づいて、インヒビット指定データは、MHオープンリード結果データにおいて“0”データを有するビット、すなわちストリングSTR2及びSTR3について示すビットにおいて、“1”データに更新される。以上より、更新されたインヒビット指定データは、ストリングSTR0の側から順に11110111となる。
【0092】
図7に戻る。ステップST15は、ステップST12に継続する。ステップST12では、ステップST15において更新されたインヒビット指定データに基づいて、ストリングSTRがインヒビット状態又はプログラム可能状態とされる。よって、オープン状態のストリングSTR2及びSTR3は、書込みデータによらずに、書込み動作の終了まで、インヒビット状態に維持される。
【0093】
1.2.2.読出し動作
図14は、第1実施形態に係る記憶装置による読出し動作の間に配線に印加される電圧、及び関連するデータの例を示す。図14は、図7図13を参照して上記されている書込み動作が行われたセルユニットCUに対する読出し動作に関する。
【0094】
図14に示されるように、ソース線SLは、接地電圧VSSを受け、選択ゲート線SGDL及びSGSLは、電圧VSGを受ける。ビット線BLは、電圧VBLを受ける。選択ワード線WL5は、読出し電圧VCGRを受ける。選択ワード線WL5以外のワード線WLは、読出しパス電圧VREADを受ける。このような読出しのための電圧の印加により、各センスアンプユニットSAUに、このセンスアンプユニットSAUと接続された選択メモリセルトランジスタMTのステートに基づくデータが保持される。
【0095】
オープン状態にないストリングSTR0、STR1、及びSTR4~STR7の選択メモリセルトランジスタMTは、それぞれ、“1”データ、“1”データ、“0”データ、“1”データ、“1”データ、及び“0”データを書き込まれており、書込み動作の結果、それぞれ、正しく、“1”ステート、“1”ステート、“0”ステート、“1”ステート、“1”ステート、及び“0”ステートに移された。このため、読出しのための電圧の印加により、ストリングSTR0、STR1、STR5、及びSTR6を電流が流れ、ストリングSTR4及びSTR7を電流が流れない。このことに基づいて、ストリングSTR0、STR1、及びSTR4~STR7のセンスアンプユニットSAUは、それぞれ、読出しデータとして、“1”データ、“1”データ、“0”データ、“1”データ、“1”データ、“0”データを有する。
【0096】
一方、読出しのための電圧の印加によっても、オープン状態にあるストリングSTR2及びSTR3を電流が流れない。よって、ストリングSTR2及びSTR3と接続されたセンスアンプユニットSAUは、いずれも、読出しデータとして“0”データを有する。
【0097】
以上より、読出しデータは、ストリングSTR0~STR7について示すビットにおいて、ストリングSTR0の側から順に11000110を有する。元の書き込みデータは図8よりストリングSTR0の側から順に11010110である。しかしながら、このビット列は、書込みデータにおけるビット列と異なり、ストリングSTR3について示すビットにおいて異なる。これは、読み出し動作においてストリングSTR3を電流が流れず、ビットが“0”と判断されたことに起因する。よって、読出しデータは、ストリングSTR3の選択メモリセルトランジスタMTについて示すビットにおいて誤りを含む。しかしながら、オープン状態が生じる確率は低く、よって、1つのセルユニットCUから読み出されたデータのうちで、オープン状態の発生に起因する誤りビットの数は少ない。よって、オープン状態の発生による誤りビットは、メモリコントローラ2の誤り訂正回路26によって訂正されることが可能である。
【0098】
ストリングSTR2もオープン状態にあることに起因して電流が流れないため、読出しデータは、ストリングSTR2の選択メモリセルトランジスタMTについて示すビットにおいて、“0”データを有する。これは、書込みデータのストリングSTR2の選択メモリセルトランジスタMTについて示すビットと同じである。このように、ストリングSTRが、オープン状態にあっても、その選択メモリセルトランジスタMTへの書込みデータが“0”データであれば、書込みデータと読出しデータの不一致は生じない。そして、オープン状態の発生に起因して読出しデータが誤りビットを含むのは、書込みデータが“1”の場合に限られる。よって、このことからも、オープン状態の発生によって読出しデータ中で誤りビットが生じてもその割合はわずかであり誤り訂正回路26によって訂正される。
【0099】
1.3.利点(効果)
第1実施形態によれば、以下に記述されるように、メモリセルトランジスタMTの劣化が抑制される記憶装置が提供されることができる。
【0100】
図6を参照して上記されているように、ストリングSTRは、オープン状態になり得る。オープン状態のストリングSTR中の選択メモリセルトランジスタMTに“0”データが書き込まれる場合、オープン部分状態にないストリングSTRに対する電圧と同じ電圧がオープン状態のストリングSTRに印加されると、オープン状態のストリングSTR中で、以下の現象が生じ得る。すなわち、バイアス電圧の印加により、“0”データを書き込まれる(すなわち、閾値電圧を上昇させられる)選択メモリセルトランジスタMTは、ワード線WLとチャネル領域に亘って高電圧を受ける。このような高電圧が、オープン状態のストリングSTRに繰り返し印加されると、オープン部分OPの近傍において絶縁体の劣化が進行し、半導体SFとワード線WLとの間にリーク電流の経路が意図せずに形成され得る。このような電流経路が形成されると、電流経路と接続されているワード線WLがいくら電圧を受けても、電荷が電流経路を介して流出する。このため、ワード線WLの電位が上がらない。これは、記憶装置が正常に動作できないことを意味する。
【0101】
第1実施形態によれば、プログラム動作の前に、オープン状態のストリングSTRが特定され、特定されたストリングSTRは、プログラム動作の間、書き込まれるデータによらずにインヒビット状態に維持される。このため、オープン状態のストリングSTRの選択メモリセルトランジスタMTに高電圧が繰り返し印加されることが回避される。よって、オープン部分OPの近傍の絶縁体の劣化に起因して記憶装置1が正常に動作できない状態に至ることが抑制される。
【0102】
2.第2実施形態
第2実施形態に係る記憶装置1b及びメモリコントローラ2bは、それぞれ、第1実施形態に係る記憶装置1及びメモリコントローラ2と同じ構成要素を含む。一方、第2実施形態に係る記憶装置1b及びメモリコントローラ2bは、以下に記述される動作を行えるように構成されている。メモリコントローラ2bは、以下に記述される動作をCPU22に行わせるプログラムをROM24において含む。記憶装置1bのシーケンサ13bは、以下に記述される動作を行えるように構成されている。
【0103】
図15に示されるように、メモリコントローラ2bは、2つのタイプの書込みコマンドを発行できる。第1タイプの書込みコマンドは、第1タイプ書込みコマンドを受け取った記憶装置1bに第1実施形態において上記されている書込み動作を実行することを指示する。第1実施形態において上記されている書込み動作は、以下、第1タイプ書込み動作と称される場合がある。
【0104】
第2タイプの書込みコマンドは、第2タイプ書込み動作を実行することを、第2タイプ書込みコマンドを受け取った記憶装置1bに指示する。第2タイプ書込みコマンドは、書込み対象の選択セルユニットCUについてのMHオープンリード結果データの送信を伴う。すなわち、メモリコントローラ2bは、選択セルユニットCUへの書込みの指示を、選択セルユニットCUについてのMHオープンリード結果データとともに、記憶装置1bに送信する。
【0105】
メモリコントローラ2bは、第1タイプ書込みコマンドの送信後に、第1タイプ書込みコマンドの対象である選択セルユニットCUについてMHオープンリード結果データを記憶装置1bから受け取る。MHオープンリード結果データの送信は、例えば、専用のコマンドによって、記憶装置1bに指示される。メモリコントローラ2bは、受け取られたMHオープンリード結果データを、例えば、RAM23において記憶する。
【0106】
図16は、第2実施形態に係る記憶装置の書込み動作の例のフローを示し、第2タイプ書込み動作のフローを示す。図16のフローは、第2タイプ書込みコマンド及びMHオープンリード結果データが記憶装置1bによって受け取られると開始する。MHオープンリード結果データは、ラッチ回路SDLの組、ラッチ回路ADLの組、ラッチ回路BDLの組、ラッチ回路CDLの組、ラッチ回路DDLの組、及びラッチ回路TDLの組のいずれかの組に記憶される。
【0107】
図16に示されるように、フローが開始すると、記憶装置1bは、インヒビット処理を行う(ST21)。第2実施形態のインヒビット処理は、第1実施形態のインヒビット処理(ST10)と同じく、MHオープンリード結果データに基づいて、特定のストリングSTRをインヒビット状態にすることを指す。一方、第2実施形態のインヒビット処理は、メモリコントローラ2bから受け取られたMHオープンリード結果データを使用する。
【0108】
ステップST21は、ステップST12に継続する。ステップST12及びこれ以降の動作については、第1実施形態でのフロー(図7を参照)と同じである。
【0109】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同じく、オープン状態のストリングSTRは、プログラム動作の間、書き込まれるデータによらずにインヒビット状態に維持される。よって、第1実施形態と同じ利点を得られる。
【0110】
2.その他の実施形態
メモリセルトランジスタMTあたり複数ビットを記憶できる場合にも上記実施形態は適用できる。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0112】
1,1b…記憶装置、2…メモリコントローラ、3…ホスト装置、5…メモリシステム、10…メモリセルアレイ、11…コマンドレジスタ、12…アドレスレジスタ、13…シーケンサ、14…ドライバ、15…ロウデコーダ、16…センスアンプ、21…ホストインターフェイス、22…CPU、23…RAM、24…ROM、25…メモリインターフェイス、26…ECC回路、MP…メモリピラー、IC…絶縁体、SF…半導体、IT…トンネル絶縁体、IA…電荷蓄積層、IB…ブロック絶縁体、CT…導電体BL0~BLm-1…ビット線、DT0~DT4,ST…選択ゲートトランジスタ、MT0~MT7…メモリセルトランジスタ、SGDL0~SGDL4,SGSL…選択ゲート線、SU0~SU4…ストリングユニット、WL0~WL7…ワード線
図1
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