(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134135
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ウォーターサーバ
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20230101AFI20240926BHJP
B01D 63/02 20060101ALI20240926BHJP
B01D 69/08 20060101ALI20240926BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20240926BHJP
C02F 1/50 20230101ALI20240926BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20240926BHJP
【FI】
C02F1/68 520V
B01D63/02
B01D69/08
C02F1/44 B
C02F1/68 520K
C02F1/68 520M
C02F1/68 520U
C02F1/68 530E
C02F1/68 540A
C02F1/68 540D
C02F1/68 540G
C02F1/50 510A
C02F1/50 520B
C02F1/50 531E
C02F1/50 540C
C02F1/50 550B
C02F1/50 550H
C02F1/50 550L
C02F1/50 560B
C02F1/50 560E
C02F1/50 560Z
C02F1/28 D
C02F1/28 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044262
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】513189959
【氏名又は名称】竹原 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】竹原 隆
【テーマコード(参考)】
4D006
4D624
【Fターム(参考)】
4D006GA06
4D006HA19
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4D006JA53Z
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4D624AA02
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4D624DB05
4D624DB26
4D624DB27
4D624DB30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】常水の不純物や有害物質を除去する浄水機能と、浄水された常水をユーザの趣味性や健康増進目的に応じて水素その他の物質を含有する高機能水に変換し得る高機能水生成機能と、を同時に備えたウォーターサーバを提供する。
【解決手段】外部から常水を注水可能な貯水容器と、貯水容器内の常水を浄水に変換する浄水フィルタ器と、内蔵するポンプ部により該貯水容器内の常水を汲み上げ浄水フィルタ器を通過させて浄水を再び流入させる浄水流路を有する浄水装置と、浄水を流入させる内部タンクの底部に載置して貯水された浄水を高機能水に変換する高機能水生成器と、タンク内の高機能水を外部に放出可能な放出部とを有するサーバ装置とを備え、浄水装置はサーバ装置内のタンク内の浄水の水位が所定高さより下がるとポンプ部が作動して駆動して貯留容器内の常水を浄水フィルタ器に通過させ、水位が所定高さに到達するとポンプ部の作動が停止する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から常水を注水可能な貯水容器と、
該貯水容器内の常水を通過させることで浄水に変換する浄水フィルタ器と、
内蔵するポンプ部により該貯水容器内の常水を汲み上げて、前記浄水フィルタ器を通過させて浄水を再び流入させる浄水流路を有する浄水装置と、
該浄水装置の下流に設けて浄水流路内の浄水を流入させて内部のタンクで貯水し、該タンク内の底部に載置してタンク内に貯水された浄水を高機能水に変換する高機能水生成器と、該タンク内の高機能水を外部に放出可能な放出部とを有するサーバ装置とを備える、
ことを特徴とするウォーターサーバ。
【請求項2】
前記浄水装置は、前記サーバ装置内のタンク内の浄水の水位が所定高さより下がると前記ポンプ部が作動して駆動して前記貯留容器内の常水を前記浄水フィルタ器に通過させ、前記サーバ装置内のタンク内の浄水の水位が所定高さに到達すると前記ポンプ部の作動が停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載のウォーターサーバ。
【請求項3】
前記浄水フィルタ器は、下方を閉鎖した筒状部材であって、前記浄水流路内に繋がって上方から常水を内部に流入させることで常水を浄水に変換させ、流入分の溢れる水量の浄水を上方の浄水流路内に流出させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のウォーターサーバ。
【請求項4】
前記浄水装置は、
前記貯水容器の下方に設けられた該貯水容器内の常水を流入させる常水流入出部と、
該常水流入出部に流入した常水を前記ポンプ部の作動により浄水流路を汲み上げられて浄水フィルタ器を通過して再び浄水流路に流入した浄水を流入させる浄水流入出部と、
前記サーバ装置内のタンク内の水位により上昇又は下降する浮部と、該浮部の上昇又は下降に従って上昇又は下降するスイッチ部と、を有する栓部材と、を備えており、
前記栓部材は、
前記サーバ装置内にタンクの水位が満水時の水位より低下すると、前記浮部も該水位に従って下降することで前記浄水流入出部の前記サーバ装置内のタンクへの連通を開放し、且つ前記スイッチ部が下降することで前記ポンプ部が作動し、
前記サーバ装置内にタンクの水位が満水時の水位に到達すると、前記浮部も該水位に従って上昇することで前記浄水流入出部の前記サーバ装置内のタンクへの連通を閉鎖し、且つ前記スイッチ部が上昇することで前記ポンプ部の作動を停止する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のウォーターサーバ。
【請求項5】
前記浄水フィルタ部は前記浄水流路の上流から順に、
活性炭フィルタが径方向に複数層になって構成されたカーボンフィルタが内部に設置され、上方から下方に流入した水が該カーボンフィルタを通過して上方から流出する第一浄水フィルタ器と、
中空糸で形成され、前記カーボンフィルタより微小物質をろ過可能なろ過膜を有する棒状フィルタが略中心軸線方向に設置され、上方から下方に流入した水が該棒状フィルタを通過して上方から流出する第二浄水フィルタ器と、
内壁面を銀コーティングし、上方から水を内部に貯留させて溢れる量を上方から流出させる三浄水フィルタ器と、
が互いに流体的に前記浄水流路と直列連結されて前記貯水容器内の常水を浄水に変換する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のウォーターサーバ。
【請求項6】
前記高機能水生成器は、前記サーバ装置内のタンクに上方から挿入して該タンクの底部から所定高さ隙間を空けて担持され、所定の等角度で分割された高機能水生成ディスク部が互いに周方向に嵌合連結されて一体の円盤状又は環状の部材を形成し、
それぞれの前記高機能水生成ディスク部は、上方に開放して内部に浄水が流入すると高機能水を生成する物質を収容する収容空間を有する本体部と、該本体部の上部を閉鎖する蓋部と、該本体部の底部から下方に延びて前記タンクの底部から所定高さの隙間を空けて担持させる脚部と、を備え、
前記本体部の底面及び前記蓋部には、上下方向の貫通孔を複数有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のウォーターサーバ。
【請求項7】
前記本体部の底面及び前記蓋部が有する複数の貫通孔は、前記本体部の底面及び前記蓋部それぞれに径の大きい複数の大径孔と径の小さい複数の小径孔(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の大径孔31d、31h、小径孔31e、32i)で構成されており、
前記本体部の底面及び前記蓋部の大径孔及び小径孔は、それぞれ上下方向から見て互いにズレた位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載のウォーターサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水等の常用水(以下、「常水」と称する)を浄水する浄水装置と、同時に浄水された常水をユーザの趣味性や健康増進目的に応じて水素その他の物質により高機能水に変換し得る高機能水生成装置と、を同時に備えたウォーターサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水素の有効性が注目されており、種々の研究が盛んに行われている。水素は、種々の疾患等を引き起こす原因となっている悪玉活性酸素(=ヒドロキシルラジカル)のみを体内から除去する効用があるとされ、体の組織や細胞に悪影響を及ぼさないことから、治療目的での静脈投与や、健康増進目的での水溶液の経口投与、気体吸入等、体内へ取込む手法は幅広い。特に出願人及び発明者は、日常的な水素摂取な水素吸引摂取による心身への効果に注目し、沿革的に、(i)水素含有水(水素を溶存する水)を常飲する習慣の社会提供を企図してウォーターサーバを提供し(特許文献1)、その後、(ii)さらに効果的な水素摂取が可能な高濃度水素含有気体の吸引装置及びこれを活用した種々の治験を提供してきた(特許文献2~3等参照)。
【0003】
出願人及び発明者は、水素の体内摂取方法として提供してきた上記(i)水素含有水の飲用摂取と、(ii)高濃度水素含有気体の吸引摂取とを比べて、常に水素を迅速かつ大量に体内に取り込むという点では、(ii)水素を直接肺動脈に取り込んで体内に循環させる高濃度水素含有気体の吸引摂取の方が、(i)水素が抜けやすい水素含有水を介して胃腸から水素を取り込む水素含有水の飲用摂取よりも生理的効果が大きいことがわかってきた。
【0004】
しかしながら、(ii)高濃度水素含有気体を吸引摂取する場合、水素吸引装置を用いて所定時間吸引作業をする必要があり、仮に特許文献2~3に示すような小型で携帯性の高い水素吸引装置を用いたとしても日常活動の間に吸引専用の時間を設ける必要がある。その一方、(i)水素含有水を飲用摂取する場合、水を摂取するという日常の必須活動の中に水素含有水を取り入れることができれば、1回の飲水の生理的効果は小さくても長期間継続的かつ高頻度に水素摂取行為に行うことができる点では有利である。
【0005】
したがって、継続的に水素摂取することで健康促進をするには(i)水素含有水の飲用摂取に対するニーズも大きく、さらに日常活動に組み入れていく観点から単なる水素含有水の摂取を超えた健康促進効果の提供や、味や使用感の向上をさせていくことが改良開発の課題となっていた。
【0006】
また、一般的にウォーターサーバは、不純物や有害物質が「除去」された浄水の提供が必要条件であり、水素含有水を常飲させるウォーターサーバとしては、浄水機能と水素等の高機能物質を溶存させる機能とをそれぞれ十分に達成しつつ、従来の特許文献1のウォーターサーバをさらに向上させる改良を行った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開公報WO2013/018810
【特許文献2】国際公開公報WO2018/047889
【特許文献3】国際公開公報WO2018/151107
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような事情にも鑑みて本発明は創作されたものであり、水道水等の常水を浄水する浄水装置と、同時に浄水された常水をユーザの健康増進目的に応じて水素その他の物質を含有する高機能水に変換し得る高機能水生成装置と、を同時に備え、ユーザの要望に応じた健康増進が可能なウォーターサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決すべく創作された本発明は、
外部から常水を注水可能な貯水容器と、
該貯水容器内の常水を通過させることで浄水に変換する浄水フィルタ器(例えば実施形態における浄水フィルタ19)と、
内蔵するポンプ部により該貯水容器内の常水を汲み上げて、前記浄水フィルタ器を通過させて浄水を再び流入させる浄水流路を有する浄水装置と、
該浄水装置の下流に設けて浄水装置内の浄水を流入させて内部のタンクで貯水し、タンク内の底部に載置してタンク内に貯水された浄水を高機能水に変換する高機能水生成器と、該タンク内の高機能水を外部に放出可能な放出部とを有するサーバ装置とを備える、
ことを特徴とするウォーターサーバを提供する。
【0010】
また、前記浄水装置は、前記サーバ装置内のタンク内の浄水の水位が所定高さより下がると前記ポンプ部が作動して駆動して前記貯留容器内の常水を前記浄水フィルタ器に通過させ、前記サーバ装置内のタンク内の浄水の水位が所定高さに到達すると前記ポンプ部の作動が停止させている。
【0011】
本発明は、水道水等の常水の不純物質の除去及び抗菌する浄水化と、その浄水を貯水しながら水素や所望成分を含有する高機能水化とを同時に達成するウォーターサーバ装置を提供している。とりわけ本ウォーターサーバでは、上流で常水を浄水化し、その浄水を下流で高機能水化することを達成しながら同時にユーザが飲水する頻度・飲量に影響しない程度に浄水化及び高機能水化した水をサーバ装置内に貯水しておくことできる構成を提供している点が有利である。これにより、最初からミネラル水等の浄水を使用しなくても飲料時に待機させたりすることなく、しっかりと浄水化及び高機能水化した水をユーザに供給することができる。
【0012】
具体的には、まず上流の浄水化工程では、サーバ装置内のタンクの水位が下がったら満タン(満水)時の水位に戻るまで浄水装置が作動させ、飲量分の水道水等の常水を貯水容器からポンプで浄水フィルタ器に供給している。これにより補充が必要な分だけ浄水することとなり、上流に浄水フィルタ器を配置しても必要十分な量を迅速かつ確実に浄水してサーバ装置内のタンクに流入させて、タンク内を常に満タンになるように貯水しておくことができる。さらに、高機能水化工程は、最下流のサーバ装置のタンク内の底部に載置した高機能水生成器で常に浄水の満タンを維持したタンクで長時間高機能水化することができるので比較的時間を要する高機能水化も十分に達成し得ることとなる。
【0013】
前記浄水フィルタ器は、下方を閉鎖した筒状部材であって、前記浄水流路内に繋がって上方から常水を内部に流入させることで常水を浄水に変換させ、流入分の溢れる水量の浄水を上方の浄水流路内に流出させる、ことが好ましい。
【0014】
すなわち、本ウォーターサーバ例では、上流の水路(浄水装置で構成)に配設された浄水フィルタ器を上方を開放して注水する筒状部材(いわゆる水筒形状)にして常水を上から注いで浄水化し、上方から溢れた浄水分を水路に戻して、下流で高機能水化するサーバ装置に送る構成を採用している。このため本ウォーターサーバでは、上述したようにサーバ装置のタンク内の補充が必要な量だけ常水を浄水フィルタ器を通過させることに加えて、浄水フィルタ器内の溢れた分だけサーバ装置のタンクに送ってそれ以外は、浄水フィルタ器内に残して浄水化することができるため、さらに十分な浄水効果を得ることができる。
【0015】
また好ましくは、前記浄水装置は、
前記貯水容器の下方に設けられた該貯水容器内の常水を流入させる常水流入出部と、
該常水流入出部に流入した常水を前記ポンプ部の作動により浄水流路を汲み上げられて浄水フィルタ器を通過して再び浄水流路に流入した浄水を流入させる浄水流入出部と、
前記サーバ装置内のタンク内の水位により上昇又は下降する浮部と、該浮部の上昇又は下降に従って上昇又は下降するスイッチ部(例えば、本実施形態における接触部23c及び浄水流入出部20bのスイッチ)と、を有する栓部材と、を備えており、
前記栓部材は、
前記サーバ装置内にタンクの水位が満水時の水位より低下すると、前記浮部も該水位に従って下降することで前記浄水流入出部の前記サーバ装置内のタンクへの連通を開放し、且つ前記スイッチ部が下降することで前記ポンプ部が作動し、
前記サーバ装置内にタンクの水位が満水時の水位に到達すると、前記浮部も該水位に従って上昇することで前記浄水流入出部の前記サーバ装置内のタンクへの連通を閉鎖し、且つ前記スイッチ部が上昇することで前記ポンプ部の作動を停止する。
【0016】
本ウォーターサーバの浄水装置では、サーバ装置のタンク内の水位に応じて浄水工程の開始・終了と、タンク内への浄水補充工程とが同時になされ、ユーザが飲水した分だけ浄水及び貯水量を補充する構成を採用している。具体的には、タンク内の水位で上昇・下降する浮部を有する栓部材がサーバ装置のタンクと浄水装置との連通又は閉鎖機能を有することで、タンク内の水位が下がると浄水装置から浄水が流入補充されて常にサーバ装置のタンク内の満水を維持することとなり、同時に水位が下がったときに浮部に連結して上昇・下降するスイッチ部がポンプ部のON/PFF機能を有してタンク内の水位が下がるとポンプ部がONとなって浄水フィルタ器まで貯水容器内の常水を汲み上げて浄水工程を実行している。
【0017】
また、前記浄水フィルタ部は前記浄水流路の上流から順に、
活性炭フィルタが径方向に複数層になって構成されたカーボンフィルタが内部に設置され、上方から下方に流入した水が該カーボンフィルタを通過して上方から流出する第一浄水フィルタ器(例えば、本実施形態では第一浄水フィルタ19a)と、
中空糸で形成され、前記カーボンフィルタより微小物質をろ過可能なろ過膜を有する棒状フィルタ(例えば、本実施形態ではUFメンブレンフィルタ19-2)が略中心軸線方向に設置され、上方から下方に流入した水が該棒状フィルタを通過して上方から流出する第二浄水フィルタ器(例えば、本実施形態では第二浄水フィルタ19b)と、
内壁面を銀コーティングし、上方から水を内部に貯留させて溢れる量を上方から流出させる三浄水フィルタ器(例えば、本実施形態では第三浄水フィルタ19c)と、
が互いに流体的に前記浄水流路と直列連結されて前記貯水容器内の常水を浄水に変換する、
ことができる。
【0018】
上述する本ウォーターサーバの浄水フィルタ部は、それぞれ貯水容器内の水道水等の常水を上流から下流に流れる過程で順に浄水目的に合わせた第一浄水フィルタ器~第三浄水フィルタ器内を通過させて浄水を行っている。まず、第一浄水フィルタでは、その内部に活性炭フィルタが複数層になって構成されたカーボンフィルタを設置し、注入された水道水等の常水をカーボンフィルタ(DSカーボンフィルタ)を通過する際に、活性炭により水中の塩素などの有機物を吸着及びろ過することで塩素や臭い、ゴミ等の不純物を除去する。この第一浄水フィルタ器内に設置されるカーボンフィルタは、例えば、焼結活性炭(シンタードカーボン)を使用しており、水中の塩素や臭いの吸着に加えて、農薬やクロロホルム・リンデンという揮発性有機化合物(VOC)の除去も可能である。
【0019】
次に、第一浄水フィルタ器で不純物が除去された水は、さらに微小物質を除去して浄水すべく、例えばUFメンブレンフィルタ等の限外ろ過膜で構成された棒状フィルタを内部の略中心軸線方向に設置して第二浄水フィルタ器内に注水され、注水された水が内壁側から中心軸側にある棒状フィルタを通過する際に、第一浄水フィルタ器で除去しきれなかった微細な物質や微生物を中空糸によりろ過し、より高いレベルの浄水化を実行することが可能である。
【0020】
第二浄水フィルタ器で微細な物質や微生物が除去された水は、最後に内壁を銀コーティングした第三浄水フィルタ器で十分な銀接触面時間を確保して細菌やウィルス死滅させて十分に抗菌(除菌)レベルの浄水を行っている。
【0021】
また、前記高機能水生成器は、前記サーバ装置内のタンクに上方から挿入して該タンクの底部から所定高さ隙間を空けて担持され、所定の等角度で分割された高機能水生成ディスク部(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31~第四高機能水生成ディスク部34)が互いに周方向に嵌合連結されて一体の円盤状又は環状の部材を形成し、
それぞれの前記高機能水生成ディスク部は、上方に開放して内部に浄水が流入すると高機能水を生成する物質を収容する収容空間(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の収容空間31j)を有する本体部(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の本体部31a)と、該本体部の上部を閉鎖する蓋部(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の蓋部31b)と、該本体部の底部から下方に延びて前記タンクの底部から所定高さの隙間を空けて担持させる脚部(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の脚部31c)と、を備え、
前記本体部の底面(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の底板31t)及び前記蓋部には、上下方向の貫通孔(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の大径孔31d、31h、小径孔31e、32i)を複数有する、
ことが好ましい。
【0022】
上記本ウォーターサーバのサーバ装置のタンク内底部に載置される高機能水生成器は、中心に対して略等角度に分割された略扇型の高機能水生成部が互いに周方向に連結されて一つの円盤状又は環状の高機能水生成器(の本体部)を形成しており、それぞれの高機能水生成ディスク部内の収容空間に高機能水生成物質を収容(載置)することで貫通孔から収容空間内に流入した浄水と反応させて外部(タンク内)に流出させ、浄水を水素やミネラル等の高機能水に変換させている。また、各高機能水生成部に脚を設けてタンクの底面に対して浄水が流入可能な隙間を空けている。このような分割連結式の高機能水生成器にすることで各高機能水生成ディスク部ごとに所望の高機能水生成物質を収容することができ、ユーザのニーズに応じて容易かつ確実に種々の高機能水を生成することができる。
【0023】
さらに、前記本体部の底面及び前記蓋部が有する複数の貫通孔は、前記本体部の底面及び前記蓋部それぞれに径の大きい複数の大径孔と径の小さい複数の小径孔(例えば、本実施形態の第一高機能水生成ディスク部31の大径孔31d、31h、小径孔31e、32i)で構成されており、
前記本体部の底面及び前記蓋部の大径孔及び小径孔は、それぞれ上下方向から見て互いにズレた位置に設けられる、
ことが好ましい。
【0024】
高機能水生成器を分割した各高機能水生成部の本体部の底面及び蓋部に設けられる貫通孔は、大径孔と小径孔とで構成されており、それぞれ上下方向に位置をズラして互いに覗かないようにしている。これにより、各高機能水生成部の収容空間内に流入した浄水が内部の高機能水生成物質の種々の位置にしっかり当たって高機能水化して外に放出され、水素等の放出気体も散乱してタンク内の浄水に十分溶け込ますことを促している。
【発明の効果】
【0025】
本発明のウォーターサーバによれば、上流で常水を浄水化し、その浄水を下流で高機能水化することを達成しながら同時にユーザが飲水する頻度・飲量に影響しない程度に浄水化及び高機能水化した水をサーバ装置内に貯水しておくことできる構成を提供し、最初からミネラル水等の浄水を使用しなくても飲料時に待機させたりすることなく、しっかりと浄水化及び高機能水化した水をユーザに供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明のウォーターサーバの実施形態の正面写真図が示されている。
【
図2】本発明のウォーターサーバの実施形態の浄水装置を開放して注水している様子を示す写真図である。
【
図3】(a)には
図1及び
図2に示すウォーターサーバの浄水装置の斜視写真図、(b)には浄水装置から貯水容器を取り外した状態の内部構造を示す斜視写真図、(c)には浄水装置の内部構造をスケルトン状に示す正面写真図、を示している。
【
図4】浄水フィルタを装着する様子を示す斜視図である。
【
図5】浄水フィルタにより水道水等が含有する不純物や所定物質を除去し、抗菌する様子を示す略断面斜視図と略流路図を示している。
【
図6】一部のパーツを取り外した状態を示す高機能水生成ディスク(高機能水生成器)の組立分解斜視図を示している。
【
図7】(a)は、
図6に示す高機能水生成ディスクの4つの同パーツの1つである第一高機能水生成部を斜め上方から見た斜視図、(b)は、第一高機能水生成部を斜め底部側から見た斜視図を示している。
【
図8】(a)は、蓋部を取り外した状態の第一高機能水生成部を斜め上方から見た斜視図、(b)は、蓋部を斜め底部側から見た斜視図を示している。
【
図9】(a)は、第一高機能水生成部を上方から見た平面図、(b)は、(a)のラインA-Aに沿った第一高機能水生成部の断面図を示している。
【
図10】本発明のウォーターサーバで実際に生成された浄水兼高機能水の実際の成分評価(家庭用浄水器試験方法(韓国規格))が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のウォーターサーバ10の実施形態について例示説明する。
図1は、ウォーターサーバ10の正面写真図が示されている。
図2は、ウォーターサーバ10の浄水装置12を開放して注水している様子を示す写真図が示されている。
図3(a)はウォーターサーバ10の浄水装置12の斜視写真図、
図3(b)は浄水装置12から貯水容器18を取り外した状態の内部構造を示す斜視写真図、
図3(c)は浄水装置12の内部構造をスケルトン状に示す正面写真図、を示している。
【0028】
図4は、浄水フィルタ19を装着する様子を示す斜視図である。
図5は、浄水フィルタ19により水道水等が含有する不純物や所定物質を除去し、抗菌する様子を示す略図を示している。また、
図5は各浄水フィルタ19それぞれの断面斜視図と互いの流路を略示している。
【0029】
ウォーターサーバ10は、床等に据え付けられる設置台11の上方に、浄水装置12及びその下方で連結されたサーバ装置13が装着されている。設置台11は、図示しないがその底部が床等の地面に設置された状態で起立して上部にサーバ装置13を担持している。
【0030】
サーバ装置13は、浄水装置12で浄水した水道水等を貯水して水素含有等の高機能水化し、その高機能水を温/冷分離して左右一対の放出部14から放出するものであり、詳細な構造は省略する。
【0031】
浄水装置12は、その下部がサーバ装置13の上部に挿入・連結されている。浄水装置12は、上方に開口する貯水容器18が取り外し可能に設置されており、
図2に示されるように蓋部材17を開けた状態でピッチャ15等により水道水等の常水を注水し、内部に貯水することができる。貯水容器18の底部は下方に突出して外部と連通する孔を有しており、内部に貯水された水道水等が浄水装置12の下部を構成する汲上部20内の常水流入出部20aに滴下、流入する。
【0032】
汲上部20は、上方に開口しており、貯水容器18の底部が汲上部20に嵌合受容されることで浄水装置12が組み立てられる。汲上部20の内部には、貯水容器18と連通する常水流入出部20aと、後述する栓部材23を介してサーバ装置13内と連通し、浄水フィルタ19で浄化された浄水を流入させサーバ装置13内に放出する浄水流入出部20bと、を有している。
【0033】
栓部材23は、下からサーバ装置13内の水面で浮んで大径の浮部23aと、浮部23aから上方に延びて小径の軸部23bと、軸部23bの上端で上下動により常水流入出部20aのスイッチ(図示せず)をON/OFFする接触部23cと、で構成されている。この栓部材23の浮部23aは、サーバ装置13内の水面で浮んで水面が変化にしたがって上下動するものであり、水面が高いときは浮部23の上端を形成する栓部23dが浄水流入出部20bと外部との封止しており、水面が低くなると栓部23dによる封止が開放され、浄水流入出部20b内の浄水がサーバ装置13内に放出される。
【0034】
また、接触部23cは軸部23bを介して浮部23aの上下動に従って汲上部20内で上下動するものであり、サーバ装置13内の水面が下がったときは浄水流入出部20b下方のポンプ動作スイッチ(図示せず)から離れ、ポンプ部21がONとなって浄化フィルタ19まで貯水容器18からの常水を汲み上げ、水位が低くなるとポンプ動作スイッチに接触し、ポンプ部21がOFFとなって浄化フィルタ19への常水を汲み上げを停止するというスイッチ部材として機能を有する(浄化フィルタ19については後述)。
【0035】
したがって、栓部材23等によってサーパ装置13内の浄水は、水位が下がると貯留容器18内の水道水等を浄化しながら適宜補充されることとなる。なお、貯留容器18内の水道水汲上部20内に貯留する水道水等は、常水流入出部20aに流入した後、浄水装置12の背部24に設けられた水路(図示せず)内を背部24上方に配設されたポンプ部21で汲み上げられ、浄水フィルタ19を通過して、再び背部24内の水路を下降して汲上部20の浄水流入出部20bに流入され、そのままサーバ装置13に放出される。
【0036】
次に浄水フィルタ19について説明する。
浄水フィルタ19は、ぞれぞれ機能の異なる三種類の第一浄水フィルタ19a、第二浄水フィルタ19b、第三浄水フィルタ19cで構成される。浄水装置12の背部24は、背側に凹となる浄水フィルタ設置部24aとその下部から前方に突出する台座部24bとを有しており、縦方向に並列して第一浄水フィルタ19a~第三浄水フィルタ19cを設置可能となっている。また、浄水フィルタ設置部24の上部には、各浄水フィルタ19a~19cそれぞれの上部を差し込んで連結することで上述した汲上部20内に貯留する水道水等を汲み上げて再び汲上部20に戻す水路に接続する各連結キャップ26(第一連結キャップ26a、第二連結キャップ26b、第三連結キャップ26c)を備えている。
【0037】
各浄水フィルタ19は、その上部が内部と流体的に接続するノズル27を形成しており、下方に開放して上部で上記水道水等の水路に接続する各連結キャップ26に挿入可能であり、各浄水フィルタ19を軸回転させることで各連結キャップ26ひいては水道水等の水路に接続される。また、各連結キャップ26が、上部を枢結点として前後に揺動可能であり、連結キャップ26aを前方に揺動させて各浄水フィルタ19を連結し又は取り外し、連結状態で連結キャップ26aを後方に揺動させることで収納する。
【0038】
具体的には、
図4に示す第一連結キャップ26aのように前方に揺動させて第一浄水フィルタ19aの上部のノズル27を差し込んで矢印A方向に軸回転させて連結し、
図4に示す第二連結キャップ26b及び第三連結キャップ26cのように第二浄水フィルタ19b及び第三浄水フィルタ19cが連結した状態で後方に揺動させることで第二浄水フィルタ19b及び第三浄水フィルタ19cを浄水フィルタ設置部24aに収納している。台座部24bは各浄水フィルタ19の使用時に抜け落ちないようにその底部を担持するためのものである。
【0039】
次に、各連結キャップ26と連結して浄水フィルタ設置部24aに収納された各浄水フィルタ19相互間の水路について説明する。
図5に示すように、各浄水フィルタ19a~19cそれぞれのノズル27を外した状態の略断面写真図と、それぞれの浄水フィルタ19a~19c間の流路を矢印w1~w6で示している。汲上部20内から汲み上げられて浄水フィルタ設置部24a内の上部の水路に至る水道水等は、まず第一段階の浄水として、第一連結キャップ26aを通過して第一浄水フィルタ19a内に注入される(矢印w1参照)。
【0040】
第一浄水フィルタ19aの内部には活性炭フィルタが複数層になって構成されたカーボンフィルタ19-1が設置されており、注入された水道水等はカーボンフィルタ(DSカーボンフィルタ)19-1を通過する際に、活性炭により水中の塩素など有機物を吸着及びろ過することで塩素や臭い、ゴミ等の不純物を除去する。不純物が除去された水は、第一浄水フィルタ19a内から放出され(矢印w2参照)、第一連結キャップ26aを通過して再び浄水フィルタ設置部24a内の上部の水路に流入する。なお、第一浄水フィルタ19a内に設置されるカーボンフィルタ19-1は、焼結活性炭(シンタードカーボン)を使用しており、水中の塩素や臭いの吸着に加えて、農薬やクロロホルム・リンデンという揮発性有機化合物(VOC)の除去も可能である。
【0041】
不純物が除去されて第一浄水フィルタ19aから放出された水は、再び浄水フィルタ設置部24a内の上部の水路で隣り側に流れ、第二段階の浄水として第二連結キャップ26bを通過して第二浄水フィルタ19b内に注入される(矢印w3参照)。第二浄水フィルタ19bの内部には、棒状のUFメンブレンフィルタ19-2が略中心軸線方向に設置されており、第二浄水フィルタ19bの内壁側に注入された水が径方向内側に向かってUFメンブレンフィルタ19-2内を通過し(矢印w7参照)、第二浄水フィルタ19bの上部から放出されて(矢印w4参照)、第二連結キャップ26bを通過して再び浄水フィルタ設置部24a内の上部の水路に流入する。
【0042】
ここでUFメンブレンとは、ろ過膜の一種としての限外ろ過膜のことであり、第一浄水フィルタ19aで除去しきれなかった微細な物質や微生物を0.15μmの中空糸によりろ過してさらに浄水することが可能である。一般にこの第二浄水フィルタ19bに設置するUFメンブレンフィルタ19-2によるろ過は、除菌レベルのろ過が可能であると言われている。
【0043】
微細な物質や微生物が除去されて第二浄水フィルタ19bから放出された水は、再び浄水フィルタ設置部24a内の上部の水路で隣り側に流れ、第三段階の浄水として第三連結キャップ26cを通過して第三浄水フィルタ19c内に注入される(矢印w5参照)。第三浄水フィルタ19cの内壁には、銀コーディングがなされており、第三浄水フィルタ19c内に貯留されて溢れる分の水が上部から放出されて(矢印w6参照)、第三連結キャップ26cを通過して再び浄水フィルタ設置部24a内の上部の水路に流入し、再び背部24内の水路を下降して汲上部20に放出される。
【0044】
銀は、所定時間(少なくとも24時間)接触させると大腸菌や黄色球菌等の細菌がほぼ死滅するという非常に高い除菌効果があることが実証されており、近年、ウィルスの死滅にも効果的であることが実証されている。特に本ウォーターサーバ10のようにピッチャ15等から水道水等を補充した量のみ浄水して、第三浄化フィルタ19cの上方から溢れた残りは内部で抗菌し続けるため、抗菌効果が高い。特に、第三浄水フィルタ19cのような筒状部材として内壁全体に銀コーティングする構成を採用すれば、より銀接触面時間を十分に確保できて細菌やウィルス死滅の効果が非常に高い。
【0045】
第一浄水フィルタ19a~第三浄水フィルタ19cで浄水されて背部24内の水路を下降して汲上部20に戻ってきて浄水流入出部20bに流入する。そして、浄水流入出部20に流入された浄水は、下がった栓部23dを介して流出してサーバ装置13内に供給される。したがって、本ウォーターサーバ10では、サーバ装置13が満タンになる水面まで上昇している間は、栓部材23の接触部23cがポンプ部21を作動して浄水流出入部20bに浄水を供給し続け、同時に栓部23dが浄水流出入部20bからサーバ装置13への連通を確保して浄水をサーバ装置13内に供給(放出)し続けることとなる。
【0046】
次に、サーバ装置13内に流入した浄水は、内部には配設された筒状のタンク(図示せず)に貯留されて、タンク内で脱着可能に設置された高機能水生成ディスク(高機能水生成器)30により水素等を含有する高機能水に変換される。以下、高機能水生成ディスク(高機能水生成器)30について説明する。
【0047】
図6は、一部のパーツを取り外した状態を示す高機能水生成ディスク(高機能水生成器)30の組立分解斜視図を示している。また、
図7(a)は、
図6に示す高機能水生成ディスク30の4つの同パーツ31~34の1つである第一高機能水生成部31を斜め上方から見た斜視図、
図7(b)は、第一高機能水生成部31を斜め底部側から見た斜視図を示している。また、
図8(a)は、蓋部31bを取り外した状態の第一高機能水生成部31を斜め上方から見た斜視図、
図8(b)は、蓋部31bを斜め底部側から見た斜視図を示している。
図9(a)は、第一高機能水生成部31を上方から見た平面図、
図9(b)は、
図9(a)のラインA-Aに沿った第一高機能水生成部31の断面図を示している。
【0048】
高機能水生成ディスク30は、サーバ装置13内のタンクに設置される環状部材であり、浄水フィルタ19から汲上部20の浄水流入出部20bからサーバ装置13に供給され、貯留されている浄水を高機能水に変換生成する。この高機能水生成ディスク30は、
図6及び
図7に示すように4つの第一高機能水生成ディスク部(第一高機能水生成部)31~第四高機能水生成ディスク部(第四高機能水生成部)34を組み合わせた組立体であり、径中心に中央穴36と下方に突出する脚部(例えば脚部31c)とを設けた環状の略円盤部材を形成している。
【0049】
高機能水生成ディスク30は、その外径がサーバ装置13のタンクの内径よりも小さく、上方から挿入した際にタンクの内壁に外周壁(例えば外周壁31q)と小さい隙間で対向して挿入され、脚部31cによりタンクの底部に設置される。そしてタンクの底部に設置された状態で高機能水生成ディスク30の外径と略同一の円板部材(図示せず)を上方に設置して、円板部材を挟んだ状態でネジ部材等を中央穴36に挿入して締結することで高機能水生成ディスク30をタンク内の底部に固定する。
【0050】
ここで高機能水生成ディスク30を構成するそれぞれの第一高機能水生成ディスク部31~第四高機能水生成ディスク部34について、第一高機能水生成ディスク部31を例示して説明する。第一高機能水生成ディスク部31は、環状部材を等角度で分割した形状を有しており、上方に開放する本体部31aとこれを上方から閉鎖する蓋部材31bと本体部31aから下方に突出する脚部31cとで構成されている。
【0051】
図8(a)に示すように本体部31aは、底板31tと底板31tの外縁から上方に起立する枠部31mとにより、上方から高機能水生成用の物質(後述)を載置する収容空間31jを形成する。本体部31aの底板31tには、下方から収容空間31j内に貫通する複数の大径孔31hと小径孔31iとが設けられている。また、
図7(b)及び
図9に示すように側壁31sには、それぞれ底板31tに連続して周方向外側に突出する一対の嵌合突部31fと、これと嵌合するように周方向内側に凹む一対の嵌合凹部31gとが設けられ、隣り合う高機能水生成ディスク部31~34の嵌合突部(31fに相当)と嵌合凹部(31gに相当)が嵌合することで各高機能水生成ディスク部31~34が連結されて全体として環状の高機能水生成ディスク30が形成される。本体部31aの底板31fからは同じ高さの脚部31cが下方に突出している。脚部31cは、高機能水生成ディスク30全体として同心円状に同じ角度ピッチ45°で8つ設けられる。
【0052】
また、本体部31aはその上方に収容空間31jを閉鎖する蓋部31bが装着される。蓋部31bは、
図8(b)や
図9(a)等に示すように第一高機能水生成ディスク部31の上面となる天板31uと天板31uの外縁部近傍で該外縁部全域にわたって所定高さ下方に起立する枠部31nを設けられる。また、本体部31aの収容空間31j側に設けられた掛止部31kに引っ掛けるため爪部31pが設けられ、蓋部31cを上方から本体部31aに被せたときに本体部31aの枠部31mの内側に蓋部31bの枠部nが位置決めされ、爪部31pが掛止部31にスナップ止めされることにより蓋部31bが収容空間31jを閉鎖して本体部31aに装着される。
【0053】
また、蓋部31bは、天板31uを貫通して外部と収容空間31jとを連通する複数の大径孔31dと小径孔31eとが設けられ、本体部31aの底板31tには底板31sを貫通して外部と収容空間31jとを連通する複数の大径孔31hと小径孔31iとが設けられている。主として天板31t及び底板31uの大径孔31d、31hからはタンク内の浄水が収容空間31j内に流出入してその浄水を高機能水生成用の物質(後述)と反応させて、高機能水をタンク内に放出させたり、反応して生成された水素等の気体が天板31tの小径孔31iからタンク内に放出させたりすることでタンク内の浄水を高機能水化させる。なお、天板31t及び底板31uの大径孔31d、31hは、上下方向から見て互いにズレた位置に設けられている。同様に、小径孔31e、32iも上下方向から見て互いにズレた位置に設けられている。大径孔31d、31hのズレにより収容空間31j内に流入した浄水が収容空間31j内に載置された物質の種々の位置にしっかり当たって高機能水化して外に放出され、また、小径孔31e、32iのズレにより水素等の放出気体も散乱し、タンク内の浄水に十分溶け込ますことを促している。
【0054】
具体的には、第一高機能水生成ディスク部31~第四高機能水生成ディスク部34それぞれ別の高機能水生成用の物質が収容されている。これによりサーバ装置13のタンク内の水の成分や、各高機能水生成ディスク部31~34の交換時期などによりユーザの要求に応じて自由に高機能水をカスタマイズすることとしている。一例として、第一高機能水生成ディスク部31は、水素生成ユニットであり、高機能水生成物質として収容空間内に水素発生特殊セラミックが載置され、水素の溶存水を生成している。
【0055】
第三高機能水生成ディスク部33及び第四高機能水生成ディスク部34の収容空間には、ともに高機能水のミネラル成分のベースとなる同一の高機能水生成物質が載置されている。例えば、活性炭・遠赤外線セラミック・マイナスイオンセラミック・テラヘルツ鉱石・ホタテカルシウムシェル を調合してタンク内の浄水にミネラル成分を溶存させ、高機能水の味を調えている。
【0056】
第二高機能水生成ディスク部32の収容空間には、特にユーザが所望する高機能水生成物質が載置されている。例えば、植物系シリカセラミックスやバナジウムセラミック等がが載置され、シリカやバナジウム等が含有する高機能水を生成している。
【0057】
以上、本発明のウォーターサーバ10の実施形態について説明したが、
図10に本ウォーターサーバ10で実際に生成された浄水兼高機能水の実際の成分評価(家庭用浄水器試験方法(韓国規格))が示されている。本ウォーターサーバ10で生成された浄水兼高機能水は、家おn庭用品質表示法で定められた対象13物質を含む16物質である全項目を基準クリアし、有利残留塩素やカビ臭、総トリハロメタン、鉛などを除去していることがわかる。
【0058】
以上、本発明のウォーターサーバの実施形態を例示説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書等の記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例や改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
【符号の説明】
【0059】
10 ウォーターサーバ
11 設置台
12 浄水装置
13 サーバ装置
14 放出部
15 ピッチャ
17 蓋部材
18 貯水容器
19 浄水フィルタ(浄水フィルタ器)
19a 第一浄水フィルタ(第一浄水フィルタ器)
19b 第二浄水フィルタ(第二浄水フィルタ器)
19c 第三浄水フィルタ(第三浄水フィルタ器)
19-1 カーボンフィルタ(DSカーボンフィルタ)
19-2 UFメンブレンフィルタ
19-3 フィルタ
20 汲上部
20a 常水流入出部
20b 浄水流入出部
21 ポンプ部
22 フィルタ受容部
23 栓部材
23a 浮部
23b 軸部
23c 接触部
23d 栓部
24 背部
24a 浄水フィルタ設置部
24b 台座部
26 連結キャップ
26a 第一連結キャップ
26b 第二連結キャップ
26c 第三連結キャップ
27 ノズル
30 高機能水生成ディスク(高機能水生成器)
31 第一高機能水生成ディスク部(第一高機能水生成部)
31a 本体部
31b 蓋部
31c 脚部
31d、31h 大径孔
31e、31i 小径孔
31f 嵌合突部
31g 嵌合凹部
31j 収容空間
31k 掛止部
31m、31n 枠部
31p 爪部
31q 外周壁
31r 内周壁
31s 側壁
31t 底板(底部)
31u 天板
32 第二高機能水生成ディスク部(第二高機能水生成部)
33 第三高機能水生成ディスク部(第三高機能水生成部)
34 第四高機能水生成ディスク部(第四高機能水生成部)
36 中央穴