(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134138
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】共通基盤システムおよび共通基盤プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044268
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 勇一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが目的地に到着する推定時刻をサービス事業者に通知し、サービス事業者の業務を最適化すること。
【解決手段】実施形態に係る共通基盤システムあって、交通業務機器から、サービス事業者によりサービスの提供を受ける予定のあるユーザのユーザ端末から読み取られたデジタル乗車券を受信する受信部と、デジタル乗車券に紐付けされたチケット情報を記憶する記憶部と、デジタル乗車券を受信した日時およびチケット情報に含まれるユーザの目的駅に基づいて、目的駅に到着する時刻を推定し、推定された時刻に基づいて通知が必要であるかどうかを判定する判定部と、判定結果に応じてユーザが目的駅に到着する推定時刻をサービス事業者に通知する送信制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通業務機器から、サービス事業者によりサービスの提供を受ける予定のあるユーザのユーザ端末から読み取られたデジタル乗車券を受信する受信部と、
デジタル乗車券に紐付けされたチケット情報を記憶する記憶部と、
前記デジタル乗車券を受信した日時およびチケット情報に含まれる前記ユーザの目的駅に基づいて、前記目的駅に到着する時刻を推定し、前記推定された時刻に基づいて通知が必要であるかどうかを判定する判定部と、
前記判定結果に応じて前記ユーザが前記目的駅に到着する推定時刻を前記サービス事業者に通知する送信制御部と、
を備える、共通基盤システム。
【請求項2】
前記判定部は、デジタル乗車券を受信した駅が所定の駅でない場合、通知が必要ないと判定する、請求項1に記載の共通基盤システム。
【請求項3】
前記判定部は、推定された時刻が所定の時間帯である場合、通知が必要であると判定し、所定の時間帯でない場合、通知が不要であると判定する、請求項1に記載の共通基盤システム。
【請求項4】
前記通知は、サービス事業者サーバで業務最適化のために用いられる、請求項1に記載の共通基盤システム。
【請求項5】
前記受信部は、前記ユーザがデジタル乗車券を購入するとき、サービス事業者サーバから、通知が必要かどうか判断するために必要な所定の時間帯および所定の駅を受信する、請求項1に記載の共通基盤システム。
【請求項6】
前記デジタル乗車券は、乗車券IDを含み、
前記判定部は、前記チケット情報に基づいて前記ユーザの通行の可否をさらに判定し、
前記送信制御部は、前記判定結果を前記交通業務機器に送信する、請求項1に記載の共通基盤システム。
【請求項7】
デジタル乗車券システムのプロセッサによって実行させるための命令を備える共通基盤プログラムであって、前記命令は、
交通業務機器から、サービス事業者によりサービスの提供を受ける予定のあるユーザのユーザ端末から読み取られたデジタル乗車券を受信することと、
デジタル乗車券に紐付けされたチケット情報を記憶することと、
前記デジタル乗車券を受信した日時およびチケット情報に含まれる前記ユーザの目的駅に基づいて、前記目的駅に到着する時刻を推定することと
前記推定された時刻に基づいて通知が必要であるかどうかを判定することと、
前記判定結果に応じて前記ユーザが前記目的駅に到着する推定時刻を前記サービス事業者に通知することと、
を備える、共通基盤プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、共通基盤システムおよび共通基盤プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの交通機関におけるデジタル乗車券システムでは、デジタル乗車券をユーザのユーザ端末に送信し、このユーザ端末に記憶されたデジタル乗車券情報に基づいて自動改札機の通行の可否を決定することができるシステムである。
【0003】
例えば、特許文献1では、ユーザがデジタル乗車券を記憶したユーザ機器を用いて、目的地でのタクシーまたはホテル等を含むサービス事業者に対してサービスの予約(例えば、利用予約、宿泊予約等)をする際、予約情報と共にデジタル乗車券をサービス事業者に送信する。これにより、サービス事業者は、デジタル乗車券に示された、ユーザが目的地に到着する時刻に基づいてサービス提供を行う技術が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献2では、ユーザがデジタル乗車券を用いて駅などに入場した際、サーバが目的地に到着する時刻を予測し、予測した時刻に基づいて、目的地で利用可能なサービスをユーザに知らせる技術が開示されている。
【0005】
例えば、特許文献3では、商業施設等を運営するサービス事業者が交通機関を利用した集客キャンペーンにおいて、ユーザに対して所業施設の最寄り駅までのデジタル乗車券をユーザ端末に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-322960号公報
【特許文献2】特開2021-043702号公報
【特許文献3】特開2021-131718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ホテルまたはレストラン等を運営するサービス事業者は、ユーザからの予約情報に基づき、お迎えの準備、料理の提供等を含むサービス提供のタイミングを計画している。しかしながら、ユーザの都合、または交通機関の状況等により、ユーザの到着時刻が予定通りにならないことがある。
【0008】
このような場合、ユーザの実際の到着時刻に合わせたサービスの提供が間に合わない、或いは、ユーザの到着まで待つ必要が生じることになり、業務生産性の悪化が発生するという問題がある。
【0009】
さらに、サービス事業者は、きめ細やかなサービスを提供するために、ユーザの目的地のある最寄り駅への到着時刻を正確に把握したいという要望もある。
【0010】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ユーザが所定の駅に入場したことを受信すると、交通機関のサーバは、サービス事業者に最寄り駅への到着時刻を知らせることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係る、共通基盤システムは、交通業務機器から、サービス事業者によりサービスの提供を受ける予定のあるユーザのユーザ端末から読み取られたデジタル乗車券を受信する受信部と、デジタル乗車券に紐付けされたチケット情報を記憶する記憶部と、前記デジタル乗車券を受信した日時およびチケット情報に含まれる前記ユーザの目的駅に基づいて、前記目的駅に到着する時刻を推定し、前記推定された時刻に基づいて通知が必要であるかどうかを判定する判定部と、前記判定結果に応じて前記ユーザが前記目的駅に到着する推定時刻を前記サービス事業者に通知する送信制御部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係るサービス提供システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態における共通基盤システムのソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態における交通業務機器のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態におけるサービス事業者サーバのソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図5】
図5は、ユーザが、サービス事業者の提供するサービスに加えてデジタル乗車券を購入する際の一連の動作の一例を示すシーケンスである。
【
図6】
図6は、ユーザが列車を利用した際、サービス事業者の業務を最適化するための最適化情報を表示するまでの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら共通基盤システムおよび共通基盤プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0014】
(構成)
図1は、実施形態に係るサービス提供システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、実施形態に係るサービス提供システムは、共通基盤システム1と、交通業務機器2と、サービス事業者サーバ3と、ユーザ4とを備える。
【0015】
共通基盤システム1は、鉄道またはバス等の交通機関における業務に関する情報のデータ処理を実行するとともに、交通機関以外のサービス事業者がユーザにサービスを提供することを支援する処理を実行するシステムである。すなわち、共通基盤システム1は、交通機関における業務に加えて、サービス事業者がユーザにサービス提供するのを支援するためのシステムである。
【0016】
共通基盤システム1は、交通機関における改札業務などの業務に関する情報を管理する共通プラットフォームとして機能するシステムである。共通基盤システム1を使用する交通事業者は、複数であって良い。
【0017】
共通基盤システム1を使用する交通事業者は、交通業務機器2を用いて駅務を実施する鉄道事業者および券処理機を用いてバスの乗降を処理するバス事業者等である。また、以下の実施形態では、交通事業者は、主として鉄道事業者であることを想定して説明するものとする。
【0018】
共通基盤システム1を使用するサービス事業者は、交通事業者と連携してサービスを提供することが可能な事業を運営する事業者である。例えば、サービス事業者は、飲食店、宿泊施設、観光施設、博物館、美術館、スポーツジム、遊戯施設、アミューズメント施設等を運営する事業者である。そのため、共通基盤システム1を利用するサービス事業者は、複数であって良い。すなわち、サービス事業者は、交通事業者と連携してサービスを提供することが可能な事業者であれば上記の例に限られない。
【0019】
例えば、サービス事業者は、サービス事業者自身が提供するサービスと組み合わせてデジタル乗車券を販売することが可能であるとする。例えば、サービス事業者が宿泊施設を運営する事業者である場合、サービス事業者は、ユーザ4が宿泊施設を予約する際、最寄り駅までのデジタル乗車券を販売することが可能である。
【0020】
ここで、デジタル乗車券とは、2次元コード(QRコード(登録商標))等を含むデジタル形式で表示される乗車券である。本実施形態の例では、デジタル乗車券は、ユーザ4が所持する携帯端末等に2次元コードの形式で表示可能な乗車券であって良い。
【0021】
交通業務機器2は、交通事業者が管理する駅の改札口などに配置される改札機であって良い。改札機である交通業務機器2は、ユーザ4を含む利用者に対する駅構内への入場または駅構外への出場などを制御する改札業務を実施する駅務機器である。また、交通業務機器2は、バスの乗降口などに配置される券処理機であっても良い。券処理機である交通業務機器2は、バスを乗降するユーザ4を含む利用者に対して乗車券のチェックまたは乗車料金の精算業務などを実施することが可能である。
【0022】
例えば、交通業務機器2は、ユーザ4が提示する2次元コードからデジタル乗車券を読み取る。交通業務機器2は、読み取ったデジタル乗車を共通基盤システム1に送信しに応じて受信した情報に基づいて、利用者の通行を制御する。そのため、交通業務機器2は、ユーザ4が提示するデジタル乗車券を読み取ることが可能なリーダを備える。例えば、デジタル乗車券が2次元コードである場合、リーダは、2次元コードからチケット情報を読み取ることが可能な一般的なリーダで良い。なお、交通業務機器2は、その他のチケット、例えば、ICカード、磁気券等からチケット情報を読み取ることが可能なリーダも備えても良い。
【0023】
サービス事業者サーバ3は、共通基盤システム1と連携が可能なサーバである。例えば、サービス事業者サーバ3は、ユーザ4がサービス事業者から提供されるサービスと共にデジタル乗車券を購入する際に利用する。また、サービス事業者サーバ3は、共通基盤システム1から、ユーザ4が所定の駅から乗車し、目的の駅に到着する時刻についての情報を受信可能なサーバである。なお、共通基盤システム1から受信する情報は、メール等であっても良い。なお、メールを受信するのは、サービス事業者サーバ3である必要はなく、サービス事業者が所有する携帯端末等であっても良い。例えば、以下の説明において、サービス事業者に通知するとは、サービス事業者サーバ3に情報を通知すること、および/またはサービス事業者が所有する携帯端末に情報を通知することを含んで良い。
【0024】
次に、
図1を参照して、共通基盤システム1のハードウェア構成の詳細について説明する。
共通基盤システム1は、1台または複数台のコンピュータであり、制御部11、プログラム記憶部12、データ記憶部13、通信インタフェース14、入出力インタフェース15、入力装置16、および出力装置17を備える。
【0025】
制御部11は、共通基盤システム1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部11は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0026】
プログラム記憶部12は、制御部11が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。記憶媒体として、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。例えば、制御部11は、プログラム記憶部12に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0027】
データ記憶部13は、制御部11がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部13は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0028】
通信インタフェース14は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース14は、交通業務機器2およびサービス事業者サーバ3等と有線または無線接続する通信モジュールを含む。すなわち、通信インタフェース14は、制御部11の制御の下、交通業務機器2およびサービス事業者サーバ3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0029】
入出力インタフェース15は、入力装置16および出力装置17等と接続される。入出力インタフェース15は、入力装置16および出力装置17との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース15は、通信インタフェース14と一体であってもよい。例えば、入力装置16または出力装置17の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行しても良い。
【0030】
入力装置16は、例えば、共通基盤システム1を管理する管理者が共通基盤システム1に対して各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置16は、プログラム記憶部12またはデータ記憶部13に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0031】
出力装置17は、共通基盤システム1から管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0032】
次に、
図1を参照して、交通業務機器2のハードウェア構成の詳細について説明する。
【0033】
交通業務機器2は、1台または複数台のコンピュータであり、制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、通信インタフェース24、入出力インタフェース25、入力装置26、および出力装置27を備える。
【0034】
制御部21は、交通業務機器2を制御する。制御部21は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部21は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0035】
プログラム記憶部22は、制御部21が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。例えば、制御部21は、プログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0036】
データ記憶部23は、制御部21がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部23は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0037】
通信インタフェース24は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース24は、共通基盤システム1等と有線または無線接続する通信モジュールを含む。すなわち、通信インタフェース24は、制御部21の制御の下、共通基盤システム1との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0038】
入出力インタフェース25は、入力装置26および出力装置27等と接続される。入出力インタフェース25は、入力装置26および出力装置27との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース25は、通信インタフェース24と一体であってもよい。例えば、入力装置26または出力装置27の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行しても良い。
【0039】
入力装置26は、例えば、ユーザ4が所持するデジタル乗車券を読み込むためのリーダを含む。また入力装置26に含まれるリーダは、磁気券、ICカード等から乗車券情報を読み取るためのリーダを含んで良い。また、入力装置26は、ICカード等に各種情報を書き込むためのライタを含んでも良い。また、交通業務機器2を管理する管理者が交通業務機器2に対して各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。さらに入力装置26は、デジタル乗車券を購入することを望むユーザ4が各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等をさらに含んでも良い。また、入力装置26は、プログラム記憶部22またはデータ記憶部23に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0040】
出力装置27は、ユーザ4にデジタル乗車券、磁気券、ICカード等から読み込んだ情報に対応する情報を表示するためのディスプレイを含む。また、出力装置27は、交通業務機器2が利用可能であるかどうかを示す表示器等を含んでも良い。
【0041】
最後に、
図1を参照して、サービス事業者サーバ3のハードウェア構成の詳細について説明する。
【0042】
サービス事業者サーバ3は、1台または複数台のコンピュータであり、制御部31、プログラム記憶部32、データ記憶部33、通信インタフェース34、入出力インタフェース35、入力装置36、および出力装置37を備える。
【0043】
制御部31は、サービス事業者サーバ3を制御する。制御部31は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部31は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0044】
プログラム記憶部32は、制御部31が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。例えば、制御部31は、プログラム記憶部32に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0045】
データ記憶部33は、制御部31がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部33は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0046】
通信インタフェース34は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース34は、共通基盤システム1等と有線または無線接続する通信モジュールを含む。すなわち、通信インタフェース34は、制御部31の制御の下、共通基盤システム1との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0047】
入出力インタフェース35は、入力装置36および出力装置37等と接続される。入出力インタフェース35は、入力装置36および出力装置37との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース35は、通信インタフェース34と一体であってもよい。例えば、入力装置36または出力装置37の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行しても良い。
【0048】
入力装置36は、例えば、サービス事業者サーバ3を管理するサービス事業者がサービス事業者サーバ3に対して各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置36は、プログラム記憶部32またはデータ記憶部33に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0049】
出力装置37は、サービス事業者サーバ3からサービス事業者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0050】
図2は、実施形態における共通基盤システム1のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
制御部11は、受信制御部111と、発券可能判定部112と、送信制御部113と、デジタル乗車券発券制御部114と、判定部115と、を備える。
【0051】
受信制御部111は、サービス事業者サーバ3からデジタル乗車券の購入を希望するユーザ4(ユーザ端末)からデジタル乗車券購入希望情報を受信し、受信したデジタル乗車券購入希望情報を発券可能判定部112に出力する。さらに、受信制御部111は、サービス事業者から、デジタル乗車券の発券を要求するデジタル乗車券発券要求を受信し、受信したデジタル乗車券発券要求をデジタル乗車券発券制御部114に出力する。また、受信制御部111は、デジタル乗車券情報を受信し、受信したデジタル乗車券情報を判定部115に出力する。ここで、デジタル乗車券情報は、デジタル乗車券を含み、デジタル乗車券は、乗車券IDである。
【0052】
発券可能判定部112は、デジタル乗車券購入希望情報で希望したデジタル乗車券が発券可能かを判定する。発券が可能であると判定した場合、発券可能判定部112は、デジタル乗車券購入可能情報を送信制御部113に出力する。
【0053】
送信制御部113は、デジタル乗車券購入可能情報をサービス事業者サーバ3に送信する。さらに、送信制御部113は、ユーザ4が所持するユーザ端末にデジタル乗車券を含む2次元コード情報を送信する。送信制御部113は、後述する判定部115により判定された判定結果を交通業務機器2に送信する。
【0054】
デジタル乗車券発券制御部114は、デジタル乗車券発券要求に従ってデジタル乗車券を発券する。また、デジタル乗車券発券制御部114は、デジタル乗車券に紐付けてユーザ4の乗車区間、乗車日時等の情報を登録情報記憶部131に記憶させる。この際、デジタル乗車券発券制御部114は、サービス事業者に通知が必要な所定の駅(バス停)、通知が必要と判定するための所定の時間帯等の情報も登録情報記憶部131に記憶させて良い。なお、所定の時間帯についての詳細は、後述する。
【0055】
判定部115は、デジタル乗車券に紐付けされたチケット情報を登録情報記憶部131から取得する。そして、ユーザ4が交通業務機器2の通行が可能かどうか判定する。そして、通行が可能であると判定した場合、判定部115は、通行許可通知を送信制御部113に出力する。さらに、判定部115は、サービス事業者に対して通知を行う必要があるかどうか判定する。例えば、登録情報記憶部131に記憶されたチケット情報から目的駅(目的のバス停)についての情報および入場した駅(バスに乗車した際のバス停)および入場時刻(乗車時刻)に基づいて、目的駅に到着する時刻を推定する。
【0056】
また、データ記憶部13は、登録情報記憶部131を備える。登録情報記憶部131は、デジタル乗車券に紐付けされたチケット情報、所定の時間帯、通知の必要な駅等の情報を記憶するために用いられる。また、データ記憶部13は、デジタル乗車券に紐付けされた上記以外の各種情報を記憶するために用いられてよい。
【0057】
図3は、実施形態における交通業務機器2のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
制御部21は、乗車券読み取り制御部211と、送信制御部212と、を備える。
【0058】
乗車券読み取り制御部211は、入力装置26に含まれるリーダにより読み取られたデジタル乗車券を受信する。例えば、入力装置26に含まれるリーダがユーザ端末に表示された2次元コードからデジタル乗車券を読み取り、読み取ったデジタル乗車券を乗車券読み取り制御部211に出力する。乗車券読み取り制御部211は、受信したデジタル乗車券、受信した日時等を含むデジタル乗車券情報を後述する読み取りデータ記憶部231に記憶させる。
【0059】
送信制御部212は、共通基盤システム1にデジタル乗車券情報を送信する。
【0060】
データ記憶部23は、読み取りデータ記憶部231を備える。読み取りデータ記憶部231は、デジタル乗車券、デジタル乗車券を読み取った日時、その他、ユーザ4が交通業務機器2を通行する際に取得可能な各種情報を記憶するために用いられる。
【0061】
図4は、実施形態におけるサービス事業者サーバ3のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
制御部31は、受信制御部311と、送信制御部312と、決済制御部313と、業務最適化部314と、出力制御部315と、を備える。
【0062】
受信制御部311は、サービス情報を受信する。サービス情報は、サービス事業者が行うサービスを受けたいとするユーザ4がサービス事業者に対して予約を希望する情報である。サービス事業者が宿泊施設を運営する事業者である場合、サービス情報は、宿泊情報であって良い。ここで、宿泊情報は、例えば、ユーザ4の個人情報、宿泊日、宿泊人数等の情報を含む。さらに、個人情報は、ユーザ4の氏名、性別、年齢、生年月日、住所、連絡先(メールアドレス、電話番号等)、等の情報を含む。
【0063】
さらに、受信制御部311は、デジタル乗車券購入希望情報を受信する。例えば、発券可能なデジタル乗車券の中からユーザ4が購入を希望するデジタル乗車券についての入力を受信する。デジタル乗車券購入希望情報は、発駅、目的駅、利用日時等の情報を含む。
【0064】
送信制御部312は、通信インタフェース34を通じて、デジタル乗車券購入希望情報を共通基盤システム1に送信する。
【0065】
決済制御部313は、決済情報を受信すると決済を行う制御部である。例えば、ユーザ4がサービス事業者に対するサービスおよびデジタル乗車券の予約をした際、宿泊代金およびデジタル乗車券の運賃を合わせた代金を決済するために使用する。決済の方法は、一般的な方法で良いため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0066】
業務最適化部314は、後述する人員情報記憶部332に記憶された現在の人員情報と人員配置情報を取得する。業務最適化部314は、通知情報、人員情報、人員配置情報に基づいて、サービス事業者の従業員の業務を最適化する。最適化の方法は、一般的な手法を用いて良いため、ここでの詳細な説明を省略する。ここで、人員情報および人員配置情報は後述する。
【0067】
出力制御部315は、出力装置37のディスプレイに通知情報を表示させるように制御する。通知情報は、ユーザ4が目的の駅(バス停)に到着する予定の時刻、ユーザ4が乗車した駅(バス停)、乗車時刻、等の情報を含む。さらに、出力制御部315は、業務最適化部314により最適化された人員の配置等を含む最適化情報を出力装置37のディスプレイに表示させるように制御する。
【0068】
データ記憶部33は、受信データ記憶部331と、人員情報記憶部332と、を備える。受信データ記憶部331は、受信制御部311で受信した各種情報を記憶するために用いられる。各種情報は、例えば、サービス情報(宿泊情報)、デジタル乗車券購入可能情報、通知情報等を含んで良い。人員情報記憶部332は、人員情報および人員配置情報を記憶するために用いられる。ここで、人員情報は、サービス事業者の業務に携わっている人員の数等を含み、人員配置情報は、各人員がどの業務に配置されたかを示す。これらは、サービス事業者が予め人員情報記憶部332に記憶させておく情報であり、例えば、1週間に1度、毎日これらの情報は更新されて良い。
【0069】
(動作)
以下の動作において、サービス事業者は、宿泊施設を運営する事業者であり、交通事業者は、鉄道事業者を運営する事業者であるとする。
【0070】
最初に、ユーザ4に対して、サービス事業者が運営する宿泊施設の販売に加えてデジタル乗車券を販売する際の動作について説明する。
【0071】
図5は、ユーザ4が、サービス事業者の提供するサービスに加えてデジタル乗車券を購入する際の一連の動作の一例を示すシーケンスである。
このシーケンスは、共通基盤システム1の制御部11およびサービス事業者サーバ3の制御部31それぞれがプログラム記憶部12およびプログラム記憶部32に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0072】
例えば、ユーザ4は、サービス事業者が運営する宿泊施設を予約しようとするユーザ4である。そして、ユーザ4は、宿泊施設に行くために鉄道事業者が提供する列車に乗り、宿泊施設の最寄りの駅まで行く予定である。そこで、ユーザ4は、サービス事業者サーバ3が提供するウェブページ上などで宿泊予約を開始することにより、このシーケンスの動作が開始される。
【0073】
ステップST101で、サービス事業者サーバ3の受信制御部311は、宿泊情報を受信する。ユーザ4がサービス事業者の宿泊を希望し、宿泊を予約するために宿泊情報を入力する。宿泊情報は、例えば、ユーザ4の個人情報、宿泊日、宿泊人数等の情報を含む。また、宿泊情報は、ユーザ4が宿泊地まで行く際に予定する移動手段等を含んでも良い。
【0074】
制御部31は、宿泊情報を受信すると、宿泊情報に含まれる宿泊日に販売可能な乗車券についての情報を共通基盤システム1から受信し、出力装置37のディスプレイ等に発券可能なデジタル乗車券についての情報をユーザ4に対して表示する。
【0075】
ステップST102で、受信制御部311は、デジタル乗車券購入希望情報を受信する。例えば、発券可能なデジタル乗車券の中からユーザ4が購入を希望するデジタル乗車券についての入力を受信する。また、デジタル乗車券購入希望情報は、発駅、目的駅、利用日時等に加えて、特急列車についての情報を含んでも良い。受信制御部311は、デジタル乗車券購入希望情報を送信制御部に出力する。
【0076】
ステップST103で、送信制御部312は、通信インタフェース34を通じて、デジタル乗車券購入希望情報を共通基盤システム1に送信する。
【0077】
ステップST104で、制御部11の発券可能判定部112は、デジタル乗車券が発券可能かどうかを判定する。受信制御部111は、サービス事業者サーバ3からデジタル乗車券購入希望情報を受信し、受信したデジタル乗車券購入希望情報を発券可能判定部112に出力する。そして、発券可能判定部112は、デジタル乗車券購入希望情報で希望したデジタル乗車券が発券可能かを判定する。発券が可能であると判定した場合、発券可能判定部112は、デジタル乗車券購入可能情報を送信制御部113に出力する。一方、発券ができないと判定した場合、デジタル乗車券購入不可情報を送信制御部113に出力する。なお、
図5の例では、発券が可能であると判定した場合について示している。
【0078】
ステップST105で、送信制御部113は、通信インタフェース14を通じて、デジタル乗車券購入可能情報をサービス事業者サーバ3に送信する。同様に送信制御部113は、デジタル乗車券購入不可情報を送信しても良い。当該情報を受信した場合、サービス事業者サーバ3は、ユーザ4に対して再度デジタル乗車券の選び直しを行う情報を表示することになる。すなわち、ステップST102に戻る。
【0079】
ステップST106で、決済制御部313は、決済情報を受信する。デジタル乗車券購入可能情報を受信すると、制御部31は、宿泊代およびデジタル乗車券の乗車券を含めた決済をユーザ4に行うように促す。ユーザ4は、ユーザ端末等を用いて、例えばクレジットカードの番号等の情報を含む決済情報をサービス事業者サーバ3に送信する。決済制御部313は、一般的な決済方法を用いて決済を行う。決済が終了すると、決済制御部313は、決済が終了したことを示す信号を送信制御部312に出力する。
【0080】
ステップST107で、送信制御部312は、通信インタフェース34を通じて、宿泊確認情報をユーザ4の所持するユーザ端末に送信する。宿泊確認情報は、例えば、宿泊情報で予約が確認した旨の情報等を含む。また、制御部31は、宿泊情報およびデジタル乗車の情報に基づいて、共通基盤システム1に対して、ユーザ3が目的の駅に到着する推定時刻の通知に必要な、所定の駅、所定の時間帯を決定する。所定の駅は、ユーザ3が宿泊施設に向かう際に乗車予定の駅と、宿泊施設の最寄りの駅またはユーザ3が迎えを希望する駅と、を含む。また、所定の時間帯は、最寄りの駅または希望する駅に到着する時間帯を示し、例えば、チャックイン可能な時間帯以降の任意の時間帯であって良い。
【0081】
ステップST108で、通信インタフェース34を通じて、送信制御部312は、デジタル乗車券発券要求を共通基盤システム1に送信する。ステップST106で決済が終了したことを示す信号を受信すると、送信制御部312は、発券すべきデジタル乗車券についての情報、通知のために必要な情報(駅の情報、所定の時間帯)を含むデジタル乗車券発券要求を共通基盤システム1に送信する。
【0082】
ステップST109で、送信制御部113は、デジタル乗車券をユーザ4が所持するユーザ端末に送信する。受信制御部111は、デジタル乗車券発券要求をデジタル乗車券発券制御部114に出力する。デジタル乗車券発券制御部114は、デジタル乗車券発券要求に従ってデジタル乗車券を発券する。デジタル乗車券は、当該券を識別する乗車券IDを含む。また、デジタル乗車券発券制御部114は、デジタル乗車券に紐付けてユーザ4の乗車区間、乗車日時等の情報を登録情報記憶部131に記憶させる。さらに、デジタル乗車券発券制御部114は、デジタル乗車券発券要求に含まれる、サービス事業者に通知が必要な所定の駅および所定の時間帯も登録情報記憶部131に記憶させて良い。なお、本実施形態では、所定の駅および所定の時間帯は、サービス事業者サーバ3が決定する例を示しているが、例えば、ユーザ4が設定した駅および時間帯であっても良いし、サービス事業者が設定した駅および時間帯であっても良い。
【0083】
共通基盤システム1は、登録情報記憶部131に記憶されたデジタル乗車券(乗車券ID)に紐付けされた各種情報に基づいてユーザ4の乗降を制御することができる。デジタル乗車券発券制御部114は、デジタル乗車券を送信制御部113に出力する。そして、送信制御部113は、デジタル乗車券発券要求に含まれるメールアドレス等に基づいて、ユーザ4のユーザ端末にデジタル乗車券を含む2次元コード情報を送信する。
【0084】
ユーザ4は、このデジタル乗車券を含む2次元コードをユーザ端末等で表示させることにより改札を通過することになる。
【0085】
図6は、ユーザ4が列車を利用した際、サービス事業者の業務を最適化するための最適化情報を表示するまでの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
このシーケンスは、共通基盤システム1の制御部11、交通業務機器2の制御部21、およびサービス事業者サーバ3の制御部31それぞれがプログラム記憶部12、プログラム記憶部22、およびプログラム記憶部32に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0086】
このシーケンスは、ユーザ4が宿泊当日になり、交通事業者である鉄道事業者の出発駅に到着し、改札機である交通業務機器2の入力装置26に含まれるリーダにデジタル乗車券を含む2次元コードを翳すことにより開始する。
【0087】
ステップST201で、交通業務機器2の乗車券読み取り制御部211は、リーダにより読み取られたデジタル乗車券を受信する。例えば、入力装置26に含まれるリーダがユーザ端末に表示された2次元コードからデジタル乗車券を読み取り、読み取ったデジタル乗車券を乗車券読み取り制御部211に出力する。デジタル乗車券読み取り制御部211は、受信したデジタル乗車券、デジタル乗車券が読み取られた日時等を含むデジタル乗車券情報を読み取りデータ記憶部231に記憶させる。
【0088】
ステップST202で、送信制御部212は、通信インタフェース24を通じて、共通基盤システム1にデジタル乗車券情報を送信する。送信制御部212は、読み取りデータ記憶部231に記憶されたデジタル乗車券情報を読み出し、共通基盤システム1に送信する。
【0089】
ステップST203で、送信制御部113は、通行許可通知を交通業務機器2に送信する。受信制御部111は、受信したデジタル乗車券を判定部115に出力する。判定部115は、デジタル乗車券に紐付けされたチケット情報を登録情報記憶部131から取得する。そして、ユーザ4が交通業務機器2の通行が可能かどうか判定する。そして、通行が可能だと判定した場合、判定部115は、通行許可通知を送信制御部113に出力する。送信制御部113は、通行許可通知を交通業務機器2に送信する。交通業務機器2は、通行許可通知に応じて、ユーザ4の通行を許可することになる。
【0090】
ステップST204で、判定部115は、通知判定を行う。判定部115は、サービス事業者に対して通知を行う必要があるかどうか判定する。例えば、登録情報記憶部131に記憶されたチケット情報から目的駅についての情報、入場した駅、および入場時刻に基づいて、目的駅に到着する時刻を推定する。例えば、入場した駅が所定の駅でない場合、判定部115は、通知が必要ないと判定する。一方、入場した駅が所定の駅である場合、判定部115は、通知が必要であると判定しても良い。また、推定された時刻が所定の時間帯であれば、判定部115は、通知が必要であると判定する。一方、推定された時刻が所定の時間帯ではない場合、判定部115は、通知が必要でないと判定する。例えば、所定の駅から入場し、所定の時間帯である場合、判定部115は、通知が必要であると判定して良い。逆に、所定の駅ではないまたは推定到着時刻が所定の時間帯ではない場合、判定部115は、ユーザ4がサービス事業者の宿泊地に最初に行くのではなく、観光等他のことを行うと推定し、現段階では通知をしないと判定する。なお、
図6の例では通知が必要であると判定した場合を示している。
【0091】
ステップST205で、送信制御部113は、通信インタフェース24を通じて、サービス事業者サーバ3に通知情報を送信する。通知が必要であると判定した判定部115は、ユーザ4が入場した駅名、入場時刻、目的駅への推定到着時刻、等を含む通知情報を生成し、生成した通知情報を送信制御部113に出力する。送信制御部113は、通知情報をサービス事業者に送信する。
【0092】
ステップST205で、出力制御部315は、出力装置37のディスプレイに通知情報を表示させるように制御する。受信制御部311は、受信した通知情報を受信データ記憶部331に記憶させる。出力制御部315は、記憶された通知情報を取得し、出力装置37のディスプレイに通知情報を表示させるように制御する。これにより、サービス事業者は、ユーザ4が目的駅に何時に到着するのかを知ることができる。
【0093】
ステップST206で、業務最適化部314は、業務最適化を行う。出力制御部315は、業務最適化部314に通知情報を出力する。業務最適化部314は、人員情報記憶部332に記憶された現在の人員情報と人員配置情報を取得する。業務最適化部314は、通知情報、人員情報、人員配置情報に基づいて、サービス事業者の従業員の業務を最適化する。
【0094】
ステップST207で、出力制御部315は、最適化情報を出力装置37のディスプレイに表示させるように制御する。業務最適化部314は、最適化された人員配置および与える業務についての情報を含む最適化情報を生成し、生成した最適化情報を出力制御部315に出力する。
【0095】
出力制御部315は、最適化情報を出力装置37のディスプレイに表示させるように制御する。これにより、ユーザ4にサービスを行う際、無駄なリソースを掛けずにきめ細やかなサービスを実施することができるようになる。
【0096】
(実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、共通基盤システム1は、ユーザ4が交通業務機器2を通行した情報に基づいてユーザ4が目的駅に到着する時刻を推定し、推定された時刻に応じてサービス事業者サーバ3に通知する。これにより、サービス事業者サーバ3を管理するサービス事業者は、ユーザ4が目的駅に何時に到着するのかを知ることができ、きめ細やかなサービスを行うことが可能になる。
【0097】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ステップST206およびステップST207は、通知を受信する毎に実施しなくても良い。例えば、所定の人数の通知を受信した後、実行しても良いし、サービス事業者が指定した場合にのみ実行しても良い。
【0098】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0099】
1…共通基盤システム
2…交通業務機器
3…サービス事業者サーバ
4…ユーザ
11…制御部
111…受信制御部
112…発券可能判定部
113…送信制御部
114…デジタル乗車券発券制御部
115…判定部
12…プログラム記憶部
13…データ記憶部
131…登録情報記憶部
14…通信インタフェース
15…入出力インタフェース
16…入力装置
17…出力装置
21…制御部
211…乗車券読み取り制御部
212…送信制御部
22…プログラム記憶部
23…データ記憶部
231…読み取りデータ記憶部
24…通信インタフェース
25…入出力インタフェース
26…入力装置
27…出力装置
31…制御部
311…受信制御部
312…送信制御部
313…決済制御部
314…業務最適化部
315…出力制御部
32…プログラム記憶部
33…データ記憶部
331…受信データ記憶部
332…人員情報記憶部
34…通信インタフェース
35…入出力インタフェース
36…入力装置
37…出力装置