(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134149
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】積層フィルム、包装材、包装袋、及び積層フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 15/085 20060101AFI20240926BHJP
B32B 15/20 20060101ALI20240926BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20240926BHJP
B32B 7/12 20060101ALI20240926BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B32B15/085 A
B32B15/20
B32B27/32 E
B32B7/12
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044290
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】523102092
【氏名又は名称】出光リテール販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 臣弘
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AA01
3E086AB01
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA15
3E086BB41
3E086BB51
3E086BB84
3E086BB85
3E086CA01
3E086CA11
3E086CA28
3E086CA31
4F100AB10B
4F100AK07A
4F100AK07C
4F100AK07D
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10D
4F100CB00E
4F100EH66B
4F100EJ37A
4F100EJ37C
4F100GB16
4F100GB23
4F100JK06D
4F100JL11E
4F100JL12D
4F100YY00A
4F100YY00C
4F100YY00D
(57)【要約】
【課題】実用に耐え得る強度を有し、かつリサイクル性を向上できる積層フィルムを提供すること。
【解決手段】第1フィルム12と、第1面14A及び第1面14Aとは反対側の第2面14Bを有するアルミ蒸着樹脂フィルム14と、第2フィルム16と、をこの順に含み、アルミ蒸着樹脂フィルム14は、第1面14Aにアルミ蒸着層141を有し、第1面14Aの側に第1フィルム12が積層され、第2面14Bの側に第2フィルム16が積層され、第1フィルム12、アルミ蒸着樹脂フィルム14及び第2フィルム16は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む、積層フィルム10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フィルムと、
第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有するアルミ蒸着樹脂フィルムと、
第2フィルムと、をこの順に含み、
前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記第1面にアルミ蒸着層を有し、
前記第1面の側に前記第1フィルムが積層され、
前記第2面の側に前記第2フィルムが積層され、
前記第1フィルム、前記アルミ蒸着樹脂フィルム及び前記第2フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む、
積層フィルム。
【請求項2】
請求項1に記載の積層フィルムにおいて、
前記第1フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第1フィルム全体に対して70質量%以上含有し、
前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記アルミ蒸着樹脂フィルム全体に対して70質量%以上含有し、
前記第2フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第2フィルム全体に対して70質量%以上含有する、
積層フィルム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の積層フィルムにおいて、
前記第1フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第1フィルム全体に対して90質量%以上含有し、
前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記アルミ蒸着樹脂フィルム全体に対して90質量%以上含有し、
前記第2フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第2フィルム全体に対して90質量%以上含有する、
積層フィルム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、
前記第1フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第1フィルム全体に対して95質量%以上含有し、
前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記アルミ蒸着樹脂フィルム全体に対して95質量%以上含有し、
前記第2フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第2フィルム全体に対して95質量%以上含有する、
積層フィルム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、
前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記第1面を有するアルミ蒸着層と、前記第2面を有する蒸着基材フィルムとで構成され、
前記第1フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、
前記蒸着基材フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、
前記第2フィルムは、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムである、
積層フィルム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、
前記第1フィルムと、前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間に第1接着層を有し、
前記第2フィルムと、前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間に第2接着層を有する、
積層フィルム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、
前記積層フィルムの前記第2フィルム同士を対向させ、熱溶着することで得られる試験片を用いて、剥離試験を行ったときのヒートシール強度が、15.0N/15mm以上である、
積層フィルム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、
前記第1フィルムと前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度が、0.6N/15mm以上である、
積層フィルム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、
前記第2フィルムと前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度が、0.8N/15mm以上である、
積層フィルム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、
前記第2フィルムは、ジッパー部を有する、
積層フィルム。
【請求項11】
請求項10に記載の積層フィルムにおいて、
前記ジッパー部は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む、
積層フィルム。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載の積層フィルムにおいて、
前記第2フィルムにジッパーを取り付けることで得られるジッパー付き積層フィルムを用いて、剥離試験を行ったときの、前記ジッパー付き積層フィルムのヒートシール強度が、15N/15mm以上である、
積層フィルム。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の積層フィルムを用いてなる包装材。
【請求項14】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の積層フィルムを製袋してなる包装袋。
【請求項15】
請求項14に記載の包装袋において、
自立性包装袋である、包装袋。
【請求項16】
第1フィルムと、第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有するアルミ蒸着樹脂フィルムと、第2フィルムと、をこの順に含む積層フィルムの製造方法において、
前記第1面にアルミ蒸着層を有する前記アルミ蒸着樹脂フィルムを準備する工程と、
前記アルミ蒸着樹脂フィルムの前記第1面の側を、前記第1フィルムと貼り合わせ、前記アルミ蒸着樹脂フィルムの前記第2面の側を、前記第2フィルムと貼り合わせる工程と、を有し、
前記第1フィルム、前記アルミ蒸着樹脂フィルム及び前記第2フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む、
積層フィルムの製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の積層フィルムの製造方法において、
前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記第1面を有するアルミ蒸着層と、前記第2面を有する蒸着基材フィルムとで構成され、
前記第1フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、
前記蒸着基材フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、
前記第2フィルムは、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムである、
積層フィルムの製造方法。
【請求項18】
請求項16または請求項17に記載の積層フィルムの製造方法において、
前記第2フィルムに、ジッパー部を貼り付ける工程をさらに有する、
積層フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルム、包装材、包装袋、及び積層フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、飲料品、医薬品、化粧品、工業部材及び電子部品等の製品を保護又は輸送することを目的として、積層フィルム、並びに当該積層フィルムから作製した包装材及び包装袋が使用されている。
積層フィルムを構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂が広く使用されている。
例えば、特許文献1には、酸化物蒸着膜のバリア層を有したポリエチレンテレフタレートフィルムから成る基材層と、前記基材層の内面側に積層したポリエチレンテレフタレートフィルムから成る第1中間層と、前記第1中間層の内面側に積層したポリエチレンテレフタレートフィルムから成る第2中間層と、前記第2中間層の内面側に積層したポリオレフィンフィルムから成る熱接着性樹脂層とを有した積層フィルムにより形成され、前記第1中間層または前記第2中間層が少なくとも開封箇所に直進引裂性を有することを特徴とする電子レンジ加熱用包装袋が開示されている。
また、特許文献2には、未延伸ポリオレフィン樹脂フィルムと、前記未延伸ポリオレフィン樹脂フィルム上に設けられたガスバリア性塗布膜と、前記ガスバリア性塗布膜上に設けられたアルミ蒸着層と、を備え、前記ガスバリア性塗布膜が、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコールコポリマー、および少なくとも1種以上のアルコキシドの加水分解物またはアルコキシドの加水分解縮合物を含んでなることを特徴とする、バリア性積層フィルムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-134599号公報
【特許文献2】特開2017-052282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年における環境保全の観点から、包装材及び包装袋をリサイクルすることが求められている。しかしながら、包装材及び包装は、通常、異種の樹脂フィルムが貼り合わされた積層フィルムで構成されることから、モノマテリアル包材としてリサイクルすることは困難であるという課題がある。
本発明の目的は、実用に耐え得る強度を有し、かつリサイクル性を向上できる積層フィルム、当該積層フィルムを用いてなる包装材、当該積層フィルムを製袋してなる包装袋、並びに当該積層フィルムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]第1フィルムと、第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有するアルミ蒸着樹脂フィルムと、第2フィルムと、をこの順に含み、前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記第1面にアルミ蒸着層を有し、前記第1面の側に前記第1フィルムが積層され、前記第2面の側に前記第2フィルムが積層され、前記第1フィルム、前記アルミ蒸着樹脂フィルム及び前記第2フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む、積層フィルム。
【0006】
[2]前記[1]に記載の積層フィルムにおいて、前記第1フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第1フィルム全体に対して70質量%以上含有し、前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記アルミ蒸着樹脂フィルム全体に対して70質量%以上含有し、前記第2フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第2フィルム全体に対して70質量%以上含有する、積層フィルム。
【0007】
[3]前記[1]または[2]に記載の積層フィルムにおいて、前記第1フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第1フィルム全体に対して90質量%以上含有し、前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記アルミ蒸着樹脂フィルム全体に対して90質量%以上含有し、前記第2フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第2フィルム全体に対して90質量%以上含有する、積層フィルム。
【0008】
[4]前記[1]から[3]のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、前記第1フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第1フィルム全体に対して95質量%以上含有し、前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記アルミ蒸着樹脂フィルム全体に対して95質量%以上含有し、前記第2フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂を、前記第2フィルム全体に対して95質量%以上含有する、積層フィルム。
【0009】
[5]前記[1]から[4]のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記第1面を有するアルミ蒸着層と、前記第2面を有する蒸着基材フィルムとで構成され、前記第1フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、前記蒸着基材フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、前記第2フィルムは、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムである、積層フィルム。
【0010】
[6]前記[1]から[5]のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、前記第1フィルムと、前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間に第1接着層を有し、前記第2フィルムと、前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間に第2接着層を有する、積層フィルム。
[7]前記[1]から[6]のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、前記積層フィルムの前記第2フィルム同士を対向させ、熱溶着することで得られる試験片を用いて、剥離試験を行ったときのヒートシール強度が、15.0N/15mm以上である、積層フィルム。
[8]前記[1]から[7]のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、前記第1フィルムと前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度が、0.6N/15mm以上である、積層フィルム。
[9]前記[1]から[8]のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、前記第2フィルムと前記アルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度が、0.8N/15mm以上である、積層フィルム。
[10]前記[1]から[9]のいずれか一項に記載の積層フィルムにおいて、前記第2フィルムは、ジッパー部を有する、
積層フィルム。
[11]前記[10]に記載の積層フィルムにおいて、前記ジッパー部は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む、積層フィルム。
[12]前記[10]または[11]に記載の積層フィルムにおいて、前記第2フィルムにジッパーを取り付けることで得られるジッパー付き積層フィルムを用いて、剥離試験を行ったときの、前記ジッパー付き積層フィルムのヒートシール強度が、15N/15mm以上である、積層フィルム。
【0011】
[13]前記[1]から[12]のいずれか一項に記載の積層フィルムを用いてなる包装材。
[14]前記[1]から[12]のいずれか一項に記載の積層フィルムを製袋してなる包装袋。
[15]前記[14]に記載の包装袋において、自立性包装袋である、包装袋。
【0012】
[16]第1フィルムと、第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有するアルミ蒸着樹脂フィルムと、第2フィルムと、をこの順に含む積層フィルムの製造方法において、前記第1面にアルミ蒸着層を有する前記アルミ蒸着樹脂フィルムを準備する工程と、前記アルミ蒸着樹脂フィルムの前記第1面の側を、前記第1フィルムと貼り合わせ、前記アルミ蒸着樹脂フィルムの前記第2面の側を、前記第2フィルムと貼り合わせる工程と、を有し、前記第1フィルム、前記アルミ蒸着樹脂フィルム及び前記第2フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む、積層フィルムの製造方法。
[17]前記[16]に記載の積層フィルムの製造方法において、前記アルミ蒸着樹脂フィルムは、前記第1面を有するアルミ蒸着層と、前記第2面を有する蒸着基材フィルムとで構成され、前記第1フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、前記蒸着基材フィルムは、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、前記第2フィルムは、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムである、積層フィルムの製造方法。
[18]前記[16]または[17]に記載の積層フィルムの製造方法において、前記第2フィルムに、ジッパー部を貼り付ける工程をさらに有する、積層フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、実用に耐え得る強度を有し、かつリサイクル性を向上できる積層フィルム、当該積層フィルムを用いてなる包装材、当該積層フィルムを製袋してなる包装袋、並びに当該積層フィルムの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第一実施形態に係る積層フィルムの断面概略図である。
【
図2】第二実施形態に係る積層フィルムの断面概略図である。
【
図3】第三実施形態に係る積層フィルムの断面概略図である。
【
図5A】第六実施形態に係る包装袋の概略図である。
【
図6】第七実施形態に係る積層フィルムの製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第一実施形態〕
〔積層フィルム〕
図1は、第一実施形態に係る積層フィルムの断面概略図である。
第1実施形態に係る積層フィルム10は、第1フィルム12と、第1面14A及び第1面14Aとは反対側の第2面14Bを有するアルミ蒸着樹脂フィルム14と、第2フィルム16と、をこの順に含む。
アルミ蒸着樹脂フィルム14は、第1面14Aにアルミ蒸着層141を有し、第1面14Aの側に第1フィルム12が積層され、第2面14Bの側に第2フィルム16が積層されている。
第1フィルム12、アルミ蒸着樹脂フィルム14及び第2フィルム16は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む。
アルミ蒸着樹脂フィルム14は、第1面14Aを有するアルミ蒸着層141と、第2面14Bを有する蒸着基材フィルム142とで構成される。第1面14Aは、アルミ蒸着層141の表面(第1フィルム12の側)に相当し、第2面14Bは、蒸着基材フィルム142の表面(第2フィルム16の側)に相当する。
なお、積層フィルム10は、包装材、包装袋及び容器を構成するのに適した厚さ、具体的には例えば0.2mm以上、1.4mm以下の厚さで形成されるが、この例には限定されない。
【0016】
本明細書において、「ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む」とは、各フィルムを形成する成分の50質量%以上がポリプロピレン系樹脂であることを意味する。
ポリプロピレン系樹脂については後述する。
【0017】
通常、表層フィルムとシール層フィルムとが積層された積層フィルムにおいては、シール層フィルムが熱溶融し易く、表面フィルムが熱溶融しにくい(つまり耐熱性に優れた)材料を用いることで、積層フィルムを製袋する際に、シール層フィルム同士の熱溶着を容易にしてヒートシール強度を向上させている。
本発明者らは、近年のリサイクル性の高まりから、積層フィルムを構成する各フィルムを同種で構成し、つまり各フィルムの熱溶融性を同程度とした場合においても、ヒートシール強度を確保でき、さらに各フィルム間のラミネート強度を確保できる積層フィルムを見出した。
具体的には、第1フィルム12と、アルミ蒸着樹脂フィルム14と、第2フィルムに16とをこの順に有し、これら全てのフィルムがポリプロピレン系樹脂を主成分として含む積層フィルム10を見出した。
ここで、ヒートシール強度及び各フィルム間のラミネート強度を確保できるとは、積層フィルム10を包装材として用いた時、及び積層フィルム10を製袋して包装袋とした時に、実用に耐え得る強度を有することを意味する。よって、本実施形態に係る積層フィルム10を製袋して包装袋とした時には、自立性のある包装袋が得られ易くなる(
図4及び
図5A参照)。
また、本実施形態に係る積層フィルム10は、第1フィルム12、アルミ蒸着樹脂フィルム14及び第2フィルム16の全てがポリプロピレン系樹脂を主成分として含むので、モノマテリアル包材としてリサイクルに適した積層フィルムとなる。
以上より、本実施形態に係る積層フィルム10によれば、実用に耐え得る強度を有し、かつリサイクル性を向上できる。
【0018】
本実施形態に係る積層フィルム10は、アルミ蒸着樹脂フィルム14の第2面14Bにコロナ処理が施されていることが好ましい。
アルミ蒸着樹脂フィルム14の第2面14Bにコロナ処理が施されると、カルボニル基及びカルボキシル基等の官能基が第2面14Bに増加するため、アルミ蒸着樹脂フィルム14と第2フィルム16との間のラミネート強度がより確保される。
【0019】
(積層フィルム10の特性)
本実施形態に係る積層フィルム10のヒートシール強度及びラミネート強度は、以下の範囲であることが好ましい。ラミネート強度は、剥離強度又は層間剥離強度とも称される。
【0020】
(ヒートシール強度)
本実施形態において、積層フィルムの第2フィルム同士を対向させ熱溶着することで得られる試験片を用いて、剥離試験を行ったときのヒートシール強度が、15N/15mm以上であることが好ましく、17N/15mm以上であることがより好ましく、19N/15mm以上であることがさらに好ましい。
前記ヒートシール強度が「15N/15mm以上」とは、JIS Z0238(1998)の使用目的において「一般包装用袋などで、内容物の質量が大きく、やや強いヒートシール強さを要す」の要件を満たす。つまり、前記ヒートシール強度が「15N/15mm以上」とは、実用に十分耐え得るシール強度であると言える。
【0021】
前記ヒートシール強度は、JIS K7127(1999)に準じて以下の方法で測定される。測定環境は、23℃、50%相対湿度とする。
まず、2枚の積層フィルムを準備する。第2フィルム同士が対向するように積層フィルムを重ね合わせ、170℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1.0秒でヒートシールする。24時間静置後、重ね合わせた積層フィルムから短冊状の試験片(幅15mm×長さ50mm)を切り出す。
試験片を引張試験機(株式会社島津製作所製、品番:EZ-L)に設置し、第2フィルム面(ヒートシール面)同士が180°の角度を為すように、剥離速度300mm/minで、試験片(重ね合わせた2枚の積層フィルム)から、1枚の積層フィルムを剥離する。このときの剥離強度を「積層フィルムのヒートシール強度」とする。
【0022】
(ジッパー付きヒートシール強度)
本実施形態において、第2フィルムにジッパーを取り付けることで得られるジッパー付き積層フィルムを用いて、剥離試験を行ったときの、ジッパー付き積層フィルムのヒートシール強度が、15N/15mm以上であることが好ましく、17N/15mm以上であることがより好ましく、19N/15mm以上であることがさらに好ましい。
【0023】
ジッパー付き積層フィルムのヒートシール強度は、以下の方法で測定される。
ジッパーとしては、ポリプロピレン製の一対の雄型部材及び雌型部材からなるジッパーを用いる。
まず、2枚の積層フィルム(それぞれ幅15mm×長さ150mm)を準備する。一方の積層フィルムの第2フィルム面に、170℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1.0秒で雄型部材を熱溶着する。同様の条件で他方の積層フィルムの第2フィルム面に雌型部材を熱溶着する。それぞれの積層フィルムを24時間静置した後、雄型部材と雌型部材とを係合させて2枚の積層フィルムを重ね合わせ、これを試験片とする。
試験片を引張試験機(株式会社島津製作所製、品番:EZ-L)にて剥離強度を測定し、これを「ジッパー付きヒートシール強度」とする。
【0024】
(各フィルム間のラミネート強度(剥離強度))
本実施形態において、第1フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度は、0.6N/15mm以上であることが好ましく、1.5N/15mm以上であることがより好ましく、2.0N/15mm以上であることがさらに好ましい。
本実施形態において、第2フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度は、0.8N/15mm以上であることが好ましく、1.5N/15mm以上であることがより好ましい。
第1フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度、並びに第2フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度が上記範囲であると、実用に耐え得る包装材及び包装袋(好適には自立性のある包装袋)が得られ易くなる。
【0025】
前記剥離強度は、JIS K7127(1999)に準じて以下の方法で測定される。測定環境は、23℃、50%相対湿度とする。
まず、積層フィルムから、短冊状の試験片(幅15mm×長さ50mm)を切り出す。
試験片を引張試験機(株式会社島津製作所製、品番:EZ-L)に設置し、積層フィルム中の第1フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムのラミネート面同士が180°の角度を為すように、剥離速度300mm/minで、積層フィルムから第1フィルムを剥離する。このときの剥離強度を「第1フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間のラミネート強度」とする。
前述と同様の方法で、積層フィルムから、短冊状の試験片(幅15mm×長さ50mm)を切り出す。試験片を前記引張試験機に設置し、積層フィルム中の第2フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムのラミネート面同士が180°の角度を為すように、剥離速度300mm/minで、積層フィルムから第2フィルムを剥離する。このときの剥離強度を「第2フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間のラミネート強度」とする。
【0026】
本実施形態に係る積層フィルム10は、下記(1)~(4)の少なくともいずれかの構成により、前述のヒートシール強度、ジッパー付きヒートシール強度、及び各フィルム間のラミネート強度がより得られ易くなる。
(1)第1フィルム12が延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、アルミ蒸着樹脂フィルム14の蒸着基材フィルム142が延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、かつ第2フィルム16が無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムである。
(2)第1フィルム12は、ポリプロピレン系樹脂を、第1フィルム12全体に対して70質量%以上(より好ましくは90質量%、さらに好ましくは95質量%以上)含有し、アルミ蒸着樹脂フィルム14は、ポリプロピレン系樹脂を、アルミ蒸着樹脂フィルム全体に対して70質量%以上(より好ましくは90質量%、さらに好ましくは95質量%以上)含有し、かつ第2フィルム16は、ポリプロピレン系樹脂を、第2フィルム全体に対して70質量%以上(より好ましくは90質量%、さらに好ましくは95質量%以上)含有する。
(3)第1フィルム12とアルミ蒸着樹脂フィルム14との間に第1接着層を有し、第2フィルム16とアルミ蒸着樹脂フィルム14との間に第2接着層を有する(第2実施形態)。
(4)アルミ蒸着樹脂フィルム14の第2面14Bにコロナ処理が施されている。
【0027】
次に、第1フィルム12、アルミ蒸着樹脂フィルム14及び第2フィルム16がそれぞれ含有するポリプロピレン系樹脂について説明する。以下の説明では、第1フィルム12、アルミ蒸着樹脂フィルム14及び第2フィルム16を総称して「各ポリプロピレン系フィルム」と称することがある。
【0028】
(ポリプロピレン系樹脂)
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)、およびブロックポリプロピレン等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂は、その一部がバイオプラスチック(バイオポリプロピレン)であってもよい。バイオポリプロピレンは、例えば、非可食植物であるソルゴーの糖蜜を微生物で発酵させて中間素材を生成し、脱水することにより得られる。
各ポリプロピレン系フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を1種単独で含有してもよく、2種以上のポリプロピレン系樹脂を含有してもよい。
剛性向上の観点から、各ポリプロピレン系フィルムが含有するポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレンおよびブロックポリプロピレンの少なくともいずれかであることが好ましく、ホモポリプロピレンであることがより好ましい。
【0029】
各ポリプロピレン系フィルムが含有するポリプロピレン系樹脂は、アイソタクチック・ペンタッド分率が90モル%以上であることが好ましく、92モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましい。当該アイソタクチック・ペンタッド分率が90モル%以上であれば、各ポリプロピレン系フィルムの剛性が向上する。
各ポリプロピレン系フィルムが含有するポリプロピレン系樹脂のアイソタクチック・ペンタッド分率の上限値は、特に限定はないが、通常99.9モル%である。
なお、アイソタクチック・ペンタッド分率とは、樹脂組成の分子鎖中のペンタッド単位(プロピレンモノマーが5個連続してアイソタクチック結合した単位)でのアイソタクチック・ペンタッド分率である。この分率の測定法は、例えば、マクロモレキュールズ(Macromolecules)第8巻(1975年)第687頁に記載されており、13C-NMRにより測定できる。
【0030】
各ポリプロピレン系フィルムが含有するポリプロピレン系樹脂は、成形性向上の観点から、メルトフローレートが5g/10min以下であることが好ましい。当該ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートの上限は、4g/10min以下であることが好ましく、3g/10min以下であることがより好ましく、1g/10min以下であることがさらに好ましい。当該ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートの下限は、0.1g/10min以上であることがより好ましく、0.3g/10min以上であることがさらに好ましく、0.4g/10min以上であることがさらにより好ましい。
なお、本明細書におけるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは、ASTM D1238-89に準拠して、測定温度230℃、荷重2.16kgで測定できる。
【0031】
本実施形態に係る積層フィルム10の構成について詳細に説明する。
【0032】
(第1フィルム12)
第1フィルム12は、積層フィルム10の表層フィルムとして機能する。
第1フィルム12は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む。第1フィルム12は、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであることが好ましい。
延伸としては、一軸延伸、及び二軸延伸等が挙げられる。
【0033】
リサイクル性をより向上させる観点から、第1フィルム12は、ポリプロピレン系樹脂を、第1フィルム12全体に対して、60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。
第1フィルム12におけるポリプロピレン系樹脂の含有量の上限は、100質量%である。
【0034】
第1フィルム12の厚さT1は、10μm以上80μm以下であることが好ましく、15μm以上60μm以下であることがより好ましく、20μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。第1フィルム12は、単層であっても複数層であってもよい。
【0035】
(アルミ蒸着樹脂フィルム14)
アルミ蒸着樹脂フィルム14は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む。
アルミ蒸着樹脂フィルム14は、第1面14Aを有するアルミ蒸着層141と、第2面14Bを有する蒸着基材フィルム142とで構成され、蒸着基材フィルム142は、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであることが好ましい。
【0036】
リサイクル性をより向上させる観点から、アルミ蒸着樹脂フィルム14は、ポリプロピレン系樹脂を、アルミ蒸着樹脂フィルム14全体に対して、60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。
アルミ蒸着樹脂フィルム14におけるポリプロピレン系樹脂の含有量の上限は、98質量%以下であることが好ましい。
【0037】
アルミ蒸着樹脂フィルム14は、第2フィルム16とのラミネート強度をより確保する観点から、第2面14Bにコロナ処理が施されていることが好ましい。
【0038】
アルミ蒸着層141の厚さTA2は、25nm以上80nm以下であることが好ましい。アルミ蒸着層141は、単層であっても複数層であってもよい。
【0039】
アルミ蒸着樹脂フィルム14の厚さTA1は、10μm以上80μm以下であることが好ましく、15μm以上60μm以下であることがより好ましく、20μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
【0040】
(第2フィルム16)
第2フィルム16は、ヒートシール性を有するフィルムである。例えば、積層フィルム10を製袋した際に、包装袋の内側の表面を形成する。
第2フィルム16は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む。
第2フィルム16は、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであることが好ましい。
無延伸とは、フィルムの製造過程において、延伸を伴わない方法で製造されることを意味する。ただし、通常採用される条件下の押出工程を採用した場合に押出方向に若干の配向が生じることは許容される。
【0041】
リサイクル性をより向上させる観点から、第2フィルム16は、ポリプロピレン系樹脂を、第2フィルム16全体に対して、60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。
第2フィルム16におけるポリプロピレン系樹脂の含有量の上限は、100質量%である。
【0042】
第2フィルム16の厚さT2は、10μm以上60μm以下であることが好ましく、18μm以上50μm以下であることがより好ましく、20μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
第2フィルム16の厚さT2は、第1フィルム12の厚さT1よりも厚いことが好ましい。第2フィルム16は、単層であっても複数層であってもよい。
【0043】
本実施形態に係る積層フィルム10において、第1フィルム12は、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、アルミ蒸着樹脂フィルム14の蒸着基材フィルム142は、延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、第2フィルム16は、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであることが好ましい。
【0044】
本実施形態に係る積層フィルム10において、第1フィルム12と、蒸着基材フィルム142(アルミ蒸着層141が形成される前のフィルム)と、第2フィルム16とは、互いに同じで組成であってもよく、異なっていてもよい。
換言すれば、第1フィルム12が含有するポリプロピレン系樹脂およびその含有量と、蒸着基材フィルム142が含有するポリプロピレン系樹脂およびその含有量と、第2フィルム16が含有するポリプロピレン系樹脂およびその含有量は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
例えば、ポリプロピレン系樹脂について、第1フィルム12がホモポリプロピレンを80質量%含有する場合、第2フィルム16は、ホモポリプロピレンを80質量%またはそれ以外の量で含有してもよく、ホモポリプロピレン以外のポリプロピレン系樹脂を80質量%またはそれ以外の量で含有してもよい。蒸着基材フィルム142についても同様である。
【0045】
(その他の成分)
本実施形態に係る積層フィルム10において、各ポリプロピレン系フィルムは、ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂および公知の添加剤等を、本実施形態の効果を損なわない範囲で含有してもよい。添加剤としては、例えば、造核剤、安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、および着色剤等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂としては、例えば、石油樹脂及びポリエチレン等が挙げられる。
【0046】
〔第二実施形態〕
第二実施形態に係る積層フィルム10Aは、第一実施形態の積層フィルム10に対し、第1フィルム12とアルミ蒸着樹脂フィルム14との間にさらに第1接着層18Aを有し、第2フィルム16とアルミ蒸着樹脂フィルム14との間に第2接着層18Bをさらに有する。この点以外、第一実施形態と同様の構成である。そのため、以下の説明では、第一実施形態の構成と重複する説明は省略する。
図2は、第二実施形態に係る積層フィルム10Aの断面概略図である。
第二実施形態に係る積層フィルム10Aは、第1フィルム12と、第1接着層18Aと、アルミ蒸着樹脂フィルム14と、第2接着層18Bと、第2フィルム16と、をこの順に含む。第1フィルム12とアルミ蒸着樹脂フィルム14とは、第1接着層18Aを介して接着されている。第2フィルム16とアルミ蒸着樹脂フィルム14とは、第2接着層18Bを介して接着されている。
【0047】
第1接着層18A及び第2接着層18Bの形成に用いる接着剤としては特に限定されないが、例えば、エステル系接着剤、又はエーテル系接着剤が好適に使用される。
第1接着層18Aと第2接着層18Bとは、同じで組成であってもよく、異なっていてもよい。
第1接着層18Aの厚さTS1及び第2接着層18Bの厚さTS2は、それぞれ独立に、0.5μm以上3.0μm以下であることが好ましい。
【0048】
第二実施形態に係る積層フィルム10Aにおいては、アルミ蒸着樹脂フィルム14と第2フィルム16との間のラミネート強度をより確保する観点から、アルミ蒸着樹脂フィルム14の第2面14Bには、コロナ処理が施されていることが好ましい。
【0049】
(第二実施形態の効果)
第一実施形態の効果に加えて以下の効果が奏される。
第二実施形態に係る積層フィルム10Aにおいては、アルミ蒸着樹脂フィルム14の第1面14Aに第1接着層が配置され、かつアルミ蒸着樹脂フィルム14の第2面14Bに第2接着層が配置されるので、各フィルム間のラミネート強度がより確保される。よって、例えば、第二実施形態に係る積層フィルム10Aをスタンド袋(自立性包装袋)に製袋した場合に、包装袋の自立性がより確保され易くなる。
【0050】
〔第三実施形態〕
第三実施形態に係る積層フィルムは、第二実施形態の積層フィルム10Aに対し、第2フィルム16が、ジッパー部を有する。この点以外、第二実施形態と同様の構成である。そのため、以下の説明では、第二実施形態の構成と重複する説明は省略する。
図3は、第三実施形態に係る積層フィルム10Bの断面概略図である。
図3に示す積層フィルム10Bにおいては、第2フィルム16にジッパー部19が貼り付けられている。
ジッパー部19は、ヒートシール性を有する第2フィルム16に形成されることが好ましい。ジッパー部19は、通常、第2フィルム16の第2接着層18Bとは反対側の表面に形成される。
ジッパーとは、例えば係合する一対の雄型部材と雌型部材との組み合わせで構成される。また、ジッパーは係合部を有するものでなくてもよく、例えば、面ファスナー等でもよい。なお、ジッパーは、チャックと称されることがある。
ジッパー部19の材質は特に限定されないが、リサイクル性をより向上させる観点から、ジッパー部19は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含むことが好ましい。ジッパー部19は、ポリプロピレン系樹脂を、ジッパー部全体に対して、70質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。ジッパー部におけるポリプロピレン系樹脂の含有量の上限は、100質量%である。
ジッパー部19としては、通常、予め成形されたジッパー部を用いる。ジッパー部19の一態様は、雄型部材又は雌型部材である。
ジッパー部19の大きさ、形状及び貼り付け位置は特に限定されず、包装袋の大きさ及び用途に応じて適宜選択される。
【0051】
(第三実施形態の効果)
第二実施形態の効果に加えて以下の効果が奏される。
第三実施形態に係る積層フィルム10Bは、第2フィルム16にジッパー部が貼り付けられているため、ジッパー付き包装袋に容易に製袋できる。
積層フィルム10Bをジッパー付き包装袋に製袋する方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、
図3中のジッパー部19が雄型部材である場合、雌型部材を、第2フィルム16の任意の箇所に貼り付けた後、雄型部材及び雌型部材が係合するように積層フィルム10Bを製袋することでジッパー付き包装袋が得られる。
【0052】
また、第三実施形態に係る積層フィルム10Bにおいて、ジッパー部19がポリプロピレン系樹脂を主成分として含む場合、モノマテリアル包材としてリサイクルにより適した積層フィルムとなる。
【0053】
〔第四実施形態〕
(包装材)
第四実施形態に係る包装材は、前述の実施形態のいずれかに係る積層フィルムを用いてなる包装材である。
包装材は、例えば、食料品、調味料、食品原料、医薬品、化粧料、洗剤、栄養剤、化学品、接着剤、粘着剤、塗料、農薬及び肥料等を包装するために使用される。
【0054】
(第四実施形態の効果)
第四実施形態によれば、前述の実施形態のいずれかに係る積層フィルムを用いて形成されるため、実用に耐え得る強度を有し、かつリサイクル性を向上できる包装材が実現される。
【0055】
〔第五実施形態〕
(包装袋)
第五実施形態に係る包装袋は、前述の実施形態のいずれかに係る積層フィルムを製袋することで得られる。
第五実施形態に係る包装袋は、自立性包装袋であることが好ましい。
第五実施形態においては、第二実施形態に係る積層フィルム10Aを製袋してなる包装袋について説明する。
【0056】
図4は、第五実施形態に係る包装袋20の概略図である。
包装袋20は、その内部に、例えば、食料品、調味料、食品原料、飲料、医薬品、血液、化粧料、洗剤、栄養剤、化学品、接着剤、粘着剤、塗料、農薬及び肥料等を充填するために使用される。後述する包装袋30も同様である。
図4に示す包装袋20は、自立性包装袋である。包装袋20においては、積層フィルム10Aの第1フィルム12が、包装袋30の外面(内容物とは反対側)に配置され、第2フィルム16が、包装袋20の内面の内容物が接触する面(例えば、最内面)に配置されている。包装袋20は、積層フィルム10Aの所定の箇所を熱溶着することで得られる。包装袋20は、袋本体22を有し、袋本体22は、両側シール部26、上部シール部27及び底面部24を有する。袋本体22には、切込み口28が形成されている。切込み口28から袋本体22を切り裂くことで、内容物を包装袋20から取り出すことができる。
【0057】
(第五実施形態の効果)
第五実施形態に係る包装袋20によれば、前述の実施形態のいずれかに係る積層フィルムを製袋することで得られるため、実用に耐え得る強度を有し、かつリサイクル性を向上できる包装袋(好ましくは自立性包装袋)が実現される。
【0058】
〔第六実施形態〕
(ジッパー付き包装袋)
第六実施形態に係る包装袋は、ジッパー部を有する。すなわち、第六実施形態に係る包装袋は、ジッパー付き包装袋である。
第六実施形態に係る包装袋は、前述の実施形態のいずれかに係る積層フィルムを製袋することで得られる。
第六実施形態に係る包装袋は、自立性包装袋であることが好ましい。
第六実施形態においては、第三実施形態に係る積層フィルム10Bを製袋してなる包装袋について説明する。
【0059】
図5Aは、第六実施形態に係る包装袋30の概略図である。
図5Bは、
図5Aに示す包装袋30を底部側から見た概略図である。
包装袋30は、自立性包装袋である。
積層フィルム10Bから製袋された包装袋30においては、第1フィルム12が、包装袋30の外面(内容物とは反対側)に配置され、第2フィルム16が、包装袋30の内面の内容物が接触する面(例えば、最内面)に配置される。
図3中のジッパー部19が雄型部材である場合、当該雄型部材と、雌型部材(例えば第2フィルム16の任意の箇所に貼り付けられた雌型部材)とは、ジッパー39の係合部39Aで互いに対向するように包装袋30の上部に配置される。
【0060】
ジッパー39は、雄型部材及び雌型部材が係合される係合部39A及び当該係合部39Aに連結する基部39Bからなる。ジッパー39は、両側シール部36により固定されている。
包装袋30は、積層フィルム10Bの所定の箇所を熱溶着することで得られる。包装袋30は、袋本体32を有し、袋本体32は、当該袋本体32と下部で連結する第1底面部31を有する。第1底面部31は略中央において内側(ジッパー39の側)に向けて山折りされた状態でヒートシールされる。
また、袋本体32は、両側シール部36、下部シール部35、吊り下げ部37Aを有する上部シール部37、及び第2底面部34を有する。
下部シール部35は、第2底面部34が船底形状になるように熱溶着される。下部シール部35は、包装袋30の自立を補助する。
袋本体32には、切込み口38が形成されている。切込み口38から開封部33を切り裂き、さらにジッパー39の係合部39Aを開口することで、内容物を包装袋30から取り出すことができる。
【0061】
(第六実施形態の効果)
第五実施形態の効果に加えて以下の効果が奏される。
第六実施形態に係る包装袋30において、ジッパー39を構成する雄型部材及び雌型部材がポリプロピレン系樹脂を主成分として含む場合、リサイクル性をより向上できる包装袋(好ましくは自立性包装袋)が実現される。
【0062】
〔第七実施形態〕
第七実施形態に係る積層フィルムの製造方法は、前述の実施形態のいずれかに係る積層フィルムを製造する方法である。
【0063】
(積層フィルムの製造方法)
第七実施形態に係る積層フィルムの製造方法(以下、第七実施形態の製造方法とも称する)は、前述の実施形態のいずれかに係る積層フィルムの製造方法である。
第七実施形態の製造方法は、前記第1面にアルミ蒸着層を有するアルミ蒸着樹脂フィルムを準備する工程(以下、アルミ蒸着樹脂フィルム準備工程とも称する)と、アルミ蒸着樹脂フィルムの第1面の側を、第1フィルムと貼り合わせ、アルミ蒸着樹脂フィルムの第2面の側を、第2フィルムと貼り合わせる工程と、を有する。
第1フィルム、アルミ蒸着樹脂フィルム及び第2フィルムは、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む。
第1フィルム、アルミ蒸着樹脂フィルム及び第2フィルムの構成は、第一実施形態と同様であり、好ましい範囲も同様である。
【0064】
(アルミ蒸着樹脂フィルム準備工程)
アルミ蒸着樹脂フィルム準備工程は、便宜上の工程であり、第1面(第1フィルムが積層される側の面)にアルミ蒸着層を有するアルミ蒸着樹脂フィルムを準備する工程である。
アルミ蒸着樹脂フィルム準備工程は、予め製造されたアルミ蒸着樹脂フィルムを単に準備するだけの工程であってもよいし、アルミ蒸着樹脂フィルムを製造する工程であってもよい。
アルミ蒸着層の形成方法としては特に限定されないが、例えば、物理蒸着法(PVD)及び化学蒸着法(CVD)等の気相成膜法が挙げられる。物理蒸着法(PVD)としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法等が挙げられる。化学蒸着法としては、例えば、熱CVD法及びプラズマCVD法等が挙げられる。
成膜条件としては、一般的な条件を適用できる。成膜時間は、所望の厚さになるように適宜選択される。アルミ蒸着層の厚さTA2の好ましい範囲は第一実施形態に記載の通りである。
【0065】
アルミ蒸着樹脂フィルムは、さらにアルミ蒸着樹脂フィルムの第2面にコロナ処理が施されていてもよい。
すなわち、アルミ蒸着樹脂フィルム準備工程は、第1面にアルミ蒸着層を有し、かつ第2面にコロナ処理が施されているアルミ蒸着樹脂フィルムを準備する工程であってもよい。
コロナ処理条件としては、一般的な条件を適用できる。
コロナ処理における照射エネルギーは、例えば、6kW・min/m2以上150kW・min/m2以下である。
【0066】
(貼り合わせる工程)
貼り合わせる工程は、アルミ蒸着樹脂フィルムの第1面の側を、第1フィルムと貼り合わせ、アルミ蒸着樹脂フィルムの第2面の側を、第2フィルムと貼り合わせる工程である。
【0067】
第1フィルム12としては、予め製造された第1フィルム12を用いてもよいし、製造した第1フィルム12を用いてもよい。
第1フィルム12の製造方法は特に限定されない。第1フィルム12の製造方法としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂と、所望によりその他の樹脂または樹脂組成物、および添加剤等とを含む組成物(第1フィルム形成用組成物)を調製し、この第1フィルム形成用組成物を押出成形する方法またはインフレーション成形する方法が挙げられる。
また、第1フィルム形成用組成物を適当な溶媒に溶解または分散させてコーティング液を調製し、このコーティング液を用いて第1フィルム12を形成してもよい。
第2フィルム16の製造方法も同様である。
【0068】
貼り合わせる方法としては特に限定されないが、例えば、第一実施形態に係る積層フィルム10を製造する場合には、アルミ蒸着樹脂フィルムの第1面の側と、第1フィルム12とが対向し、かつアルミ蒸着樹脂フィルムの第2面の側と、第2フィルム16とが対向するように、第1フィルム12、アルミ蒸着樹脂フィルム14及び第2フィルム16をラミネートする方法が挙げられる。ラミネートの順番は特に限定されない。
【0069】
(ジッパー部を貼り付ける工程)
第七実施形態の製造方法は、第2フィルム16に、ジッパー部を貼り付ける工程をさらに有することが好ましい。
ジッパー部19の貼り付け方法としては特に限定されず、例えば、第2フィルム16にジッパー部を熱溶着する方法、及び公知の接着剤を用いて第2フィルム16にジッパー部を接着する方法等が挙げられる。ジッパー部19を貼り付けるタイミングは特に限定されない。
【0070】
ジッパー部がポリプロピレン系樹脂を主成分として含む場合、製袋時において、第2フィルムに対するジッパー部の密着性を向上させるために超音波シールにて補強することが好ましい。
【0071】
図6は、第七実施形態の製造方法を説明するための図であり、積層フィルムの製造装置の一例の概略図を示している。
図6を用いて、第二実施形態に係る積層フィルム10Aを製造する方法の一例について説明する。
アルミ蒸着樹脂フィルム14は予め製造されたフィルムを用いる(アルミ蒸着樹脂フィルム準備工程)。第1フィルム12及び第2フィルム16も同様に予め製造されたフィルムを用いる。
製造装置50は、第1フィルム12が巻回された第1ロールR1と、アルミ蒸着樹脂フィルム14が巻回された第2ロールR2と、第3ロールR3と、複数のガイドロールGRとを備える。
また、製造装置50は、第1フィルム12上に第1接着剤を塗布する接着剤塗布手段52と、第1接着剤を乾燥させる乾燥手段54と、ラミネート手段56と、を備える。接着剤塗布手段52は、第1塗布ロール52Bと、第1塗布ロール52Bに対向して配置された対向ロール52Aとを備える。ラミネート手段56は、一対の押圧ロール56A,56Bを備える。
第1ロールR1から繰り出された第1フィルム12は、第1接着剤を塗布する第1塗布ロール52B及び対向ロール52Aの間を通過する際に、一方の表面に第1接着剤が塗布される。第1接着剤が塗布された第1フィルム12が乾燥手段54を通過することで、第1フィルム12上に第1接着層(第1接着層付き第1フィルム)が形成される。
第2ロールR2から繰り出されたアルミ蒸着樹脂フィルム14は、ラミネート手段56において、アルミ蒸着樹脂フィルム14の第1面14Aと、第1接着層付き第1フィルムの第1接着層18Aとが対向するように、一対の押圧ロール56A,56Bを通過することで、第1接着層付き第1フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルム14とが貼り合わされた積層体が製造される(貼り合わせる工程)。当該積層体100は第3ロールR3で巻き取られる。
上記に準じる方法で、第2フィルム16の一方の表面に第2接着剤を塗布して乾燥させ、第2フィルム16上に第2接着層(第2接着層付き第2フィルム)を形成する。前記積層体100のアルミ蒸着樹脂フィルム14の第2面14Bと、第2接着層付き第2フィルムとを貼り合わせることで、第二実施形態の積層フィルム10Aが得られる(貼り合わせる工程)。
【0072】
(第七実施形態の効果)
第七実施形態の製造方法によれば、実用に耐え得る強度を有し、かつリサイクル性を向上できる積層フィルムが製造される。
【実施例0073】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
【0074】
<積層フィルムの製造>
〔実施例1〕
第1フィルムとして、延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ20μm)を準備した。
第2フィルムとして、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ40μm)を準備した。
アルミ蒸着樹脂フィルムとして、一方の面(第1面)にアルミ蒸着層を有し、他方の面(第2面)にコロナ処理が施されているアルミ蒸着樹脂フィルム(厚さ25μm)を準備した。なお、アルミ蒸着樹脂フィルムの基材(蒸着基材フィルム)は、延伸ポリプロピレンフィルムで構成されている。
まず、第1フィルムの一方の面にエーテル系接着剤を塗布して乾燥させ、第1フィルム上に第1接着剤層を形成した。同様に、第2フィルムの一方の面にエーテル系接着剤を塗布して乾燥させ、第2フィルム上に第2接着剤層を形成した。
アルミ蒸着樹脂フィルムの第1面と、第1フィルムの第1接着剤層とを貼り合わせた後、アルミ蒸着樹脂フィルムの第2面と、第2フィルムの第2接着剤層とを貼り合わせた。
以上のようにして、実施例1の積層フィルムを得た。
【0075】
〔参考例1〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)と、一方の面にアルミ蒸着層を有するアルミ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)と、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(厚さ40μm)とが押出ラミネートにより貼り合わされた積層フィルムを準備した。
PETフィルムとアルミ蒸着PETフィルムとの間、並びにLLDPEフィルムとアルミ蒸着PETフィルムとの間は、溶融されたポリエチレン樹脂(接着層)で接着されている。参考例1の積層フィルムの構成は以下の通りである。
PETフィルム/接着層/アルミ蒸着PETフィルム/接着層/LLDPEフィルム
なお、アルミ蒸着PETフィルムのアルミ蒸着層の側がPETフィルムの側に配置されている。
【0076】
〔評価〕
以下の測定を行った。結果を表1に示す。
【0077】
(ラミネート強度)
既述の方法で、実施例1の積層フィルムから試験片を作製し、「第1フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度」及び「第2フィルムとアルミ蒸着樹脂フィルムとの間の剥離強度」を測定した。剥離強度は、MD(Machine Direction)方向の剥離強度である。単位は、[N/15mm]である。
参考例1の積層フィルムも同様の方法で、試験片を作製し、「PETフィルムとアルミ蒸着PETフィルムとの間の剥離強度」及び「LLPEフィルムとアルミ蒸着PETフィルムとの間の剥離強度」を測定した。
【0078】
(ヒートシール強度)
実施例1の積層フィルムを2枚準備した。第2フィルム同士が対向するように積層フィルムを重ね合わせ、底と両サイドを、170℃、シール圧力0.2MPa、及びシール時間1.0秒の条件でヒートシールし、縦10cm×横10cmの包装袋を得た。24時間静置後、包装袋の底及びサイドから、底部の測定用試験片(幅15mm×長さ50mm)及びサイド部の測定用試験片(幅15mm×長さ50mm)をそれぞれ切り出し、既述の方法でヒートシール強度をそれぞれ測定した。単位は、[N/15mm]である。
参考例1の積層フィルムも同様の方法で、包装袋、底部の測定用試験片及びサイド部の測定用試験片を作製し、ヒートシール強度をそれぞれ測定した。
【0079】
(ジッパー付き積層フィルム)
既述の方法で、実施例1の積層フィルムから試験片を作製し、ジッパー付き積層フィルムのヒートシール強度を測定した。単位は、[N/15mm]である。
【0080】
【0081】
表1に示す通り、実施例1の積層フィルムは、各フィルム間のラミネート強度、ヒートシール強度、及びジッパー付きヒートシール強度が実用に耐える強度を有していた。
中でも、ヒートシール強度については、「15N/15mm以上」であり、JIS Z0238(1998)の「一般包装用袋などで、内容物の質量が大きく、やや強いヒートシール強さを要する」の要件を満たしていることが確認された。
10,10A,10B…積層フィルム、12…第1フィルム、14…アルミ蒸着樹脂フィルム、14A…第1面、14B…第2面、16…第2フィルム、18A…第1接着層、18B…第2接着層、19…ジッパー部、20,30…包装袋、22,32…袋本体、24…底面部、26,36…両側シール部、27…上部シール部、28,38…切込み口、31…第1底面部、33…開封部、34…第2底面部、35…下部シール部、37…上部シール部、37A…吊り下げ部、39…ジッパー、39A…係合部、39B…基部、50…製造装置、52…接着剤塗布手段、52A…対向ロール、54…乾燥手段、56…ラミネート手段、56A,56B…押圧ロール、141…アルミ蒸着層、142…蒸着基材フィルム。