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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013415
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240125BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240125BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G03G21/00 386
B41J29/38 202
G03G21/00 396
G03G21/00 388
G06F3/12 308
G06F3/12 310
G06F3/12 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115478
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 邦昭
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ01
2H270KA61
2H270KA62
2H270NC07
2H270NC08
2H270NC20
2H270ND09
2H270ND13
2H270ND14
2H270ND31
2H270QA44
(57)【要約】
【課題】一部のパラメータのみが変更された場合でも、適切なパラメータセットにより画像形成を行えるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、一つのパラメータセットを適用して、媒体上に画像を形成する画像形成ユニット122等と、その複数のパラメータにおける少なくとも一つのパラメータの変更を受け付ける入力部128と、変更されたパラメータを含む別のパラメータセットである候補パラメータセットの属性を示す属性情報を外部装置から取得する制御部131と、その属性情報を表示する表示部121とを備え、入力部128が、属性情報に対応する候補パラメータセットを使用する入力を受け付けた場合に、制御部131は、外部装置から候補パラメータセットを取得して、その候補パラメータセットを画像形成ユニット122等に適用させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパラメータを含む一つのパラメータセットを適用して、媒体上に画像を形成する画像形成装置本体と、
前記複数のパラメータにおける少なくとも一つのパラメータの変更を受け付ける入力部と、
前記変更されたパラメータを含み、前記複数のパラメータの内、前記少なくとも一つのパラメータ以外の一又は複数のパラメータが前記一つのパラメータセットとは異なっている別のパラメータセットである候補パラメータセットの属性を示す属性情報を外部装置から取得する制御部と、
前記属性情報を表示する表示部と、を備え、
前記入力部が、前記属性情報に対応する前記候補パラメータセットを使用する入力を受け付けた場合に、前記制御部は、前記外部装置から前記候補パラメータセットを取得して、前記候補パラメータセットを前記画像形成装置本体に適用させること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変更されたパラメータを含み、前記複数のパラメータの内、前記少なくとも一つのパラメータ以外の一又は複数のパラメータが前記一つのパラメータセットとは異なっている複数の候補パラメータセットがある場合には、前記制御部は、前記複数の候補パラメータセットの属性をそれぞれが示す複数の属性情報を取得し、
前記表示部は、前記複数の属性情報を表示し、
前記入力部は、前記複数の属性情報から一つの属性情報の選択を受け付け、
前記制御部は、前記一つの属性情報に対応する一つの候補パラメータセットを取得すること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記属性情報は、前記候補パラメータセットの特徴を示す情報であること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の属性情報の各々は、前記候補パラメータセットの特徴を示す情報であること
を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ネットワークを介して通信を行う通信部をさらに備え、
前記外部装置は、前記ネットワークに接続された管理サーバであること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外部装置を着脱可能に接続することのできる接続部をさらに備え、
前記外部装置は、外部記憶装置であること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数のパラメータをそれぞれが含む複数のパラメータセット、及び、前記複数のパラメータセットのそれぞれの属性を示す複数の属性情報をそれぞれが対応付ける複数のパラメータファイルを記憶する記憶部と、
複数のパラメータを含む一つのパラメータセットを適用して、媒体上に画像を形成する画像形成装置本体と、
前記複数のパラメータセットとは異なる一つのパラメータセットである対象パラメータセットに含まれている複数のパラメータにおける少なくとも一つのパラメータの変更を受け付ける入力部と、
前記複数のパラメータセットの内の、前記変更された少なくとも一つのパラメータを含むパラメータセットである候補パラメータセットの属性を示す属性情報を前記記憶部から取得する制御部と、
前記属性情報を表示する表示部と、を備え、
前記入力部が、前記属性情報に対応する前記候補パラメータセットを使用する入力を受けた場合に、前記制御部は、前記記憶部から前記候補パラメータセットを取得して、前記候補パラメータセットを前記画像形成装置本体に適用させること
を特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置が画像の形成に使用するパラメータセットである印刷パラメータセットは、定着温度、媒体搬送速度、転写電圧又はLED(Light-Emitting Diode)光量等の多数のパラメータから構成されている。それらのパラメータは、使用する媒体の厚さ、紙質若しくは表面加工等の特性、又は、温度又は湿度等の環境条件に応じて適切な値に調整する必要がある。
【0003】
一般に画像形成装置内には各種媒体用に調整された印刷パラメータの集合である印刷パラメータセットが予め複数格納され、オペレータは、使用する媒体に適した印刷パラメータセットを選択して印刷を実行させる。
【0004】
画像形成装置内に格納されている印刷パラメータセットでは印刷品質に問題がある場合の対策として、特許文献1には、オペレータに、独自に各種印刷パラメータを調整するメニューを提供し、そのメニューにおいて印刷パラメータを変更することによって影響を受ける印刷品質項目をオペレータに理解しやすい形式で提示する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-139457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、オペレータが、印刷パラメータセットを構成している多数のパラメータの全ての効果を理解して、調整メニューを介して、変更又は調整することは困難である。このため、多くの場合、オペレータが調整メニューで変更するのは、印刷パラメータセットの一部のパラメータに限定される。
【0007】
一部のパラメータのみの変更が行われると、未変更のパラメータとのミスマッチが生じ、ジャムの発生率が悪化する、又は、環境温度若しくは湿度の変化によって印刷品質が悪化する等の副作用による悪影響が生じる可能性が高まる。
【0008】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、一部のパラメータのみが変更された場合でも、適切なパラメータセットにより画像形成を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る画像形成装置は、複数のパラメータを含む一つのパラメータセットを適用して、媒体上に画像を形成する画像形成装置本体と、前記複数のパラメータにおける少なくとも一つのパラメータの変更を受け付ける入力部と、前記変更されたパラメータを含み、前記複数のパラメータの内、前記少なくとも一つのパラメータ以外の一又は複数のパラメータが前記一つのパラメータセットとは異なっている別のパラメータセットである候補パラメータセットの属性を示す属性情報を外部装置から取得する制御部と、前記属性情報を表示する表示部と、を備え、前記入力部が、前記属性情報に対応する前記候補パラメータセットを使用する入力を受け付けた場合に、前記制御部は、前記外部装置から前記候補パラメータセットを取得して、前記候補パラメータセットを前記画像形成装置本体に適用させることを特徴とする。
【0010】
本開示の一態様に係る画像形成システムは、複数のパラメータをそれぞれが含む複数のパラメータセット、及び、前記複数のパラメータセットのそれぞれの属性を示す複数の属性情報をそれぞれが対応付ける複数のパラメータファイルを記憶する記憶部と、複数のパラメータを含む一つのパラメータセットを適用して、媒体上に画像を形成する画像形成装置本体と、前記複数のパラメータセットとは異なる一つのパラメータセットである対象パラメータセットに含まれている複数のパラメータにおける少なくとも一つのパラメータの変更を受け付ける入力部と、前記複数のパラメータセットの内の、前記変更された少なくとも一つのパラメータを含むパラメータセットである候補パラメータセットの属性を示す属性情報を前記記憶部から取得する制御部と、前記属性情報を表示する表示部と、を備え、前記入力部が、前記属性情報に対応する前記候補パラメータセットを使用する入力を受けた場合に、前記制御部は、前記記憶部から前記候補パラメータセットを取得して、前記候補パラメータセットを前記画像形成装置本体に適用させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一又は複数の態様によれば、一部のパラメータのみが変更された場合でも、適切なパラメータセットにより画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る画像形成システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】実施の形態1における画像形成装置の概略的な構成を示す縦断面図である。
図3】画像形成ユニットの概略的な構成を示す縦断面図である。
図4】画像形成装置の制御系のうち、実施の形態1に関連する部分を示すブロック図である。
図5】一つの印刷パラメータセットを説明するための概略図である。
図6】定着温度テーブルの一例を示す概略図である。
図7】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
図8】管理サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
図9】実施の形態1における画像形成装置が調整値情報を送信するまでの動作を示すフローチャートである。
図10】定着温度の調整メニュー画面を示す概略図である。
図11】パラメータの変更を適用する例を示す概略図である。
図12】管理サーバの動作を示すフローチャートである。
図13】実施の形態1における画像形成装置が属性情報を受信する際の動作を示すフローチャートである。
図14】表示される属性情報画面の一例を示す概略図である。
図15】実施の形態2に係る画像形成装置の概略的な構成を示す縦断面図である。
図16】画像形成装置の制御系のうち、実施の形態2に関連する部分を示すブロック図である。
図17】外部記憶装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図18】実施の形態2における画像形成装置の動作を示す第1のフローチャートである。
図19】実施の形態2における画像形成装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る画像形成システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
画像形成システム100は、画像形成装置110と、管理サーバ150とを備える。
画像形成装置110と、管理サーバ150とは、インターネット等のネットワーク101に接続されている。
【0014】
図2は、実施の形態1における画像形成装置110の概略的な構成を示す縦断面図である。
画像形成装置110は、媒体収納トレイ111と、ピックアップローラ112と、搬送ローラ対113A~113Eと、媒体集積トレイ114と、転写ベルト115と、ベルト支持ローラ116と、ベルト駆動ローラ117と、トナーカートリッジ118K、118C、118M、118Yと、トナー供給ダクト119K、119C、119M、119Yと、定着器ユニット120と、表示部121と、画像形成ユニット122K、122C、122M、122Yとを備える。
【0015】
媒体収納トレイ111は、用紙等の媒体PAを収納する。
ピックアップローラ112は、媒体収納トレイ111から一つの媒体PAを取り出す。
【0016】
搬送ローラ対113A~113Eは、ピックアップローラ112により取り出された一つの媒体PAを、搬送路ROに沿って搬送し、その一つの媒体PAを媒体集積トレイ114に排出する。
媒体集積トレイ114は、画像が定着された媒体PAを集積する。
【0017】
転写ベルト115は、無端状のベルトで、画像形成ユニット122K、122C、122M、122Yで形成された画像の転写を受ける一つの媒体PAを、その画像形成ユニット122K、122C、122M、122Yから画像が転写される部分に搬送する。転写ベルト115は、ベルト支持ローラ116及びベルト駆動ローラ117に架け渡されている。
【0018】
ベルト支持ローラ116は、転写ベルト115を支持して、ベルト駆動ローラ117により動かされる転写ベルト115に追従して回転する。
ベルト駆動ローラ117は、転写ベルト115を駆動する。
【0019】
トナーカートリッジ118K、118C、118M、118Yは、現像剤としてのトナーを収容する現像剤収納部である。なお、図2において、大文字のKは、ブラックを、大文字のCは、シアンを、大文字のMは、マゼンタを、大文字のYは、イエローを示す。例えば、トナーカートリッジ118Kは、ブラックのトナーを収容するトナーカートリッジである。以下の説明において、特に色を特定する必要がない場合には、これらの大文字K、C、M、Yを省略する。
【0020】
トナー供給ダクト119は、トナーカートリッジ118に収容されているトナーを、画像形成ユニット122に供給する現像剤供給部である。
【0021】
定着器ユニット120は、画像形成ユニット122により形成された画像であるトナー像が転写された一つの媒体PAに、そのトナー像を定着させる。例えば、定着器ユニット120は、熱と、圧力とを利用して、トナー像を媒体PAに定着させる。ここで、トナー像は、現像剤で形成される画像であり、現像剤像ともいう。
【0022】
表示部121は、各種画面を表示する。例えば、表示部121は、画像を形成して定着するための画像形成パラメータである印刷パラメータを調整するための調整メニュー画面、又は、印刷パラメータセットの属性情報を示すための属性情報画面を表示する。また、表示部121は、オペレータに対してメニュー操作のインタフェースを提供する。なお、以下では、印刷パラメータを単にパラメータともいい、複数の印刷パラメータからなる印刷パラメータセットを、単にパラメータセットともいう。
画像形成ユニット122は、色毎にトナー像を形成する。
【0023】
図2に示されているように、媒体PAを搬送して、画像を形成し、形成された画像を媒体PAに転写して、その画像を媒体PAに定着させる構成要素の集合を、画像形成装置本体という。言い換えると、画像形成装置本体は、複数のパラメータを含む一つのパラメータセットを適用して、媒体上に画像を形成する。
【0024】
図3は、画像形成ユニット122の概略的な構成を示す縦断面図である。
画像形成ユニット122は、感光ドラム123と、LEDヘッド124と、転写ローラ125と、クリーニングブレード126とを備える。
【0025】
感光ドラム123は、像が形成される像担持体である。
LEDヘッド124は、感光ドラム123に静電潜像を形成する露光部である。
転写ローラ125は、感光ドラム123上に形成されたトナー像を、搬送路ROに沿って搬送されてきた媒体PAに転写させる。
クリーニングブレード126は、感光ドラム123上のトナー等のゴミを除去する。
【0026】
図4は、画像形成装置110の制御系のうち、実施の形態1に関連する部分を示すブロック図である。
画像形成装置110の全体的な動作は、装置制御部130により制御される。
装置制御部130は、制御部131と、記憶部134と、通信部135とを備える。
なお、入力部128は、オペレータからの指示の入力を受け付ける装置である。
【0027】
制御部131は、画像形成装置110での動作を制御する。
制御部131は、印刷制御部132と、メニュー制御部133とを備える。
【0028】
印刷制御部132は、画像形成装置110における画像形成動作である印刷動作を制御する。例えば、印刷制御部132は、トナー供給ダクト119、定着器ユニット120、画像形成ユニット122及びモータ制御部127を制御し、印刷動作を実行する機能を持つ。このとき、印刷制御部132は、記憶部134から取得した印刷パラメータセット140に含まれている印刷パラメータを、画像形成ユニット122等の構成要素に適用させることで、所定の画像形成条件で印刷動作が実行されるように制御する。
なお、モータ制御部127は、ベルト駆動ローラ117、定着器ユニット120及び画像形成ユニット122等に動力を供給するモータ(図示せず)を制御する。
【0029】
メニュー制御部133は、表示部121に調整メニュー画面を表示させ、オペレータの操作によって設定された変更値を、印刷制御部132に画像形成条件として適用させる。
また、メニュー制御部133は、通信部135が受信した属性情報を示す属性情報画面を表示部121に表示させ、入力部128を介して、印刷パラメータセットの選択を受け付ける。
【0030】
記憶部134は、複数の印刷パラメータセット140を記憶する。複数の印刷パラメータセット140は、プリセットされているものと、後述するように、管理サーバ150から取得されるものとを含む。
【0031】
図5は、一つの印刷パラメータセット140を説明するための概略図である。
一つの印刷パラメータセット140は、セット名141と、複数の印刷パラメータ142、143、144、145、・・・とを含む。
【0032】
セット名141は、印刷パラメータセット140を識別するための印刷パラメータセット識別情報である。例えば、セット名141は、「厚紙」のように、印刷パラメータセット140が適用される対象となる媒体の種類である媒体種を示す文字列、又は、印刷パラメータセット140を識別するための符号を少なくとも含む。実施の形態1では、セット名141は、「厚紙」のような、媒体種を示す文字列が使用されるものとして説明する。
【0033】
符号142で示される「定着温度テーブル」は、定着器ユニット120で使用されるパラメータ群、符号143で示される「LED光量」は、LEDヘッド124で使用されるパラメータ群、符号144で示される「転写電圧テーブル」は、感光ドラム123及び転写ローラ125で使用されるパラメータ群、符号145で示される「モータ速度パラメータ」は、モータ制御部127等のようにモータを駆動する部分又はモータで駆動される部分で使用されるパラメータ群である。
【0034】
図6は、定着温度テーブル142の一例を示す概略図である。
定着温度テーブル142は、定着器ユニット120の環境温度及び湿度の範囲毎に、図1に示されているアッパーローラ120a及びローワーローラ120bの目標温度を、カラー印刷及びモノクロ印刷の各々に対して定めている。
【0035】
図4に戻り、通信部135は、ネットワーク101を介した通信を行う。例えば、通信部135は、ネットワーク101を介して、管理サーバ150と通信を行う。
【0036】
以上に記載された制御部131の一部又は全部は、例えば、図7(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0037】
また、制御部131の一部又は全部は、例えば、図7(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部131は、処理回路網で構成することができる。
【0038】
なお、記憶部134は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリにより実現することができる。
また、通信部135は、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェースにより実現することができる。
さらに、表示部121は、ディスプレイにより実現することができ、入力部128は、入力ボタンなどの入力インタフェースにより実現することができる。
なお、表示部121及び入力部128が、タッチパネルにより実現されていてもよい。
【0039】
図8は、管理サーバ150の構成を概略的に示すブロック図である。
管理サーバ150は、通信部151と、記憶部152と、制御部153とを備える。
【0040】
通信部151は、ネットワーク101を介した通信を行う。例えば、通信部151は、ネットワーク101と介して、画像形成装置110と通信を行う。
【0041】
記憶部152は、管理サーバ150での処理に必要なデータ及びプログラムを記憶する。例えば、記憶部152は、複数の印刷パラメータファイル160を記憶する。
一つの印刷パラメータファイル160は、印刷パラメータセット161と、属性情報162とを備える。なお、以下では、印刷パラメータファイルを、単に、パラメータファイルともいう。
【0042】
印刷パラメータセット161は、図5に示されている印刷パラメータセット140と同様の構成を有するデータセットである。但し、複数の印刷パラメータセット161の少なくとも一つは、印刷パラメータセット140とは異なるパラメータを有するものとする。
【0043】
属性情報162は、同じ印刷パラメータファイル160に含まれている、言い換えると、対応付けられている印刷パラメータセット161の属性を示す。例えば、属性情報162は、印刷パラメータセット161が適用されて画像が形成される媒体の性質に関する情報を少なくとも含む。具体的には、属性情報162は、印刷パラメータセット161が適用される媒体種を特定するための媒体名称若しくは製造ベンダ名等の情報、連量若しくは表面加工種等の媒体の特性を示す情報、印刷パラメータセット161のベースとなった印刷パラメータセット140の名称、又は、印刷パラメータセット161の用途若しくは特徴を解説する文字情報等である。言い換えると、属性情報162は、印刷パラメータセットの特徴を示す情報である。
【0044】
制御部153は、管理サーバ150での処理を制御する。
例えば、制御部153は、記憶部152を検索することで、候補となる印刷パラメータファイル160を読み出す検索部として機能する。
【0045】
以上に記載された制御部153の一部又は全部も、例えば、図7(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。言い換えると、管理サーバ150は、いわゆるコンピュータにより実現することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0046】
また、制御部153の一部又は全部は、例えば、図7(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部153は、処理回路網で構成することができる。
【0047】
なお、記憶部152は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置により実現することができる。
また、通信部151は、NIC等の通信インタフェースにより実現することができる。
【0048】
図9は、実施の形態1における画像形成装置110が調整値情報を送信するまでの動作を示すフローチャートである。
まず、オペレータがある媒体を媒体収納トレイ111にセットして、印刷ジョブを投入すると、印刷制御部132は、その印刷ジョブの投入を検出する(S10)。例えば、通信部135が、ネットワーク101に接続されている情報処理装置(図示せず)からの印刷ジョブを受信した場合に、印刷制御部132は、印刷ジョブの投入を検出する。
【0049】
印刷制御部132は、その時点で指定されている印刷パラメータセットを、記憶部134から取得する(S11)。ここでは、取得される印刷パラメータセットのセット名が「厚紙」であるものとする。なお、ここで取得される印刷パラメータセットを対象パラメータセットともいう。言い換えると、対象パラメータセットは、パラメータの変更対象となるパラメータセットである。
そして、印刷制御部132は、取得されたパラメータセットに含まれているパラメータ群に従って、画像形成ユニット122、定着器ユニット120、モータ制御部127及びトナー供給ダクト119を制御して、印刷動作を実行させる(S12)。
【0050】
次に、メニュー制御部133は、オペレータがパラメータを変更するか否かを判断する(S13)。例えば、印刷結果を取得したオペレータは、印刷品質に問題があると判断した場合には、入力部128に調整メニューの表示を指示する。そのような指示は、入力部128からメニュー制御部133に通知されるため、メニュー制御部133は、そのような指示が入力されるか否かにより、以上のような判断を行うことができる。オペレータがパラメータを変更する場合(S13でYes)には、処理はステップS14に進み、オペレータがパラメータを変更しない場合(S13でNo)には、処理は終了する。
【0051】
ステップS14では、メニュー制御部133は、表示部121に調整メニュー画面を表示させる。
図10は、定着温度の調整メニュー画面IM1を示す概略図である。
オペレータは、調整メニュー画面IM1において、操作欄IM11に表示されている矢印を、入力部128で指定して、その実行指示を入力することで、定着温度の調整値欄IM12に表示されている調整値をアップ(+)又はダウン(-)させることができる。そして、オペレータは、調整値が決まった場合には、決定指示入力領域である決定ボタンIM13を指定して、その実行指示を入力することで、パラメータとしての定着温度を変更することができる。一方、オペレータは、キャンセルボタンIM14を指定して、その実行指示を入力することで、パラメータの変更をキャンセルすることができる。
【0052】
図9に戻り、メニュー制御部133は、調整メニュー画面を介して、調整値を取得することで、パラメータの変更を受け付ける(S15)。
【0053】
そして、オペレータが印刷ジョブを投入すると、印刷制御部132は、その印刷ジョブの投入を検出する(S16)。
【0054】
印刷制御部132は、その時点で指定されている印刷パラメータセットを、記憶部134から取得する(S17)。
そして、印刷制御部132は、取得されたパラメータセットに含まれているパラメータ群の中の対応するパラメータに対して、ステップS14で受け付けた変更を適用する(S18)。
【0055】
図11は、パラメータの変更を適用する例を示す概略図である。
ここでは、図6に示されている定着温度テーブル142に変更を適用する例を説明する。図11に示されている定着温度テーブル142#では、図6に示されている定着温度テーブル142に格納されている値に、調整値である「-3」を加算することで、パラメータが変更されている。
【0056】
図9に戻り、印刷制御部132は、修正されたパラメータセットに従って、画像形成ユニット122、定着器ユニット120、モータ制御部127及びトナー供給ダクト119を制御して、印刷動作を実行させる(S19)。
【0057】
次に、メニュー制御部133は、オペレータがパラメータを変更するか否かを判断する(S20)。オペレータがパラメータを変更する場合(S20でYes)には、処理はステップS14に戻り、オペレータがパラメータを変更しない場合(S20でNo)には、処理はステップS21に進む。
【0058】
ステップS14からステップS19までの処理は、オペレータが印刷品質に問題があると判断している間、複数回繰り返される場合がある。オペレータは印刷品質を確認しながら、適宜、調整値の変更を行い、印刷品質の改善を試みる。
【0059】
ステップS21では、メニュー制御部133は、例えば、入力部128を介して、オペレータよりパラメータの変更の決定指示の入力を受け付ける。
パラメータの変更の決定指示の入力を受け付けると、メニュー制御部133は、調整値情報を生成し、その調整値情報を、通信部135に、管理サーバ150へ送信させる(S22)。ここで、調整値情報には、パラメータが変更された印刷パラメータセットを識別することのできる情報、ここでは、セット名、及び、変更された印刷パラメータが含まれる。ここでは、印刷パラメータセットのセット名である「厚紙」及び図11に示されている定着温度テーブル142#が調整値情報に含まれる。
【0060】
図12は、管理サーバ150の動作を示すフローチャートである。
まず、管理サーバ150の通信部151が調整値情報を受信する(S30)と、制御部153は、調整値情報に含まれているセット名及び変更された印刷パラメータに対応する印刷パラメータセットを有する印刷パラメータファイルを記憶部152においての検索する(S31)。ここでは、例えば、セット名が「厚紙」及び図11に示されている定着温度テーブル142#と一致する印刷パラメータを含む印刷パラメータセットを有する印刷パラメータファイルが検索される。なお、調整値情報に含まれているセット名及び変更された印刷パラメータに対応する複数の印刷パラメータファイルが見つかる場合もある。
【0061】
そして、制御部153は、そのような印刷パラメータファイルがあるか否かを判断する(S32)。そのような印刷パラメータファイルがない場合(S32でNo)には、処理はステップS33に進み、そのような印刷パラメータファイルがある場合(S32でYes)には、処理はステップS34に進む。
【0062】
ステップS33では、制御部153は、対応する印刷パラメータファイルがないことを示す情報を、通信部151を介して、画像形成装置110に送る。これにより、制御部153は、対応する印刷パラメータファイルがないことを画像形成装置110に通知する。
【0063】
一方、ステップS34では、制御部153は、対応する印刷パラメータファイルから属性情報を取得する。ここでは、ステップS32において、対応する三つの印刷パラメータファイルが見つかった場合について、説明する。例えば、その三つの印刷パラメータファイルに含まれている印刷パラメータセットでは、定着温度テーブルは、図11に示されている定着温度テーブル142#に合致するが、他の少なくとも一つのパラメータが異なっているものとする。
【0064】
そして、制御部153は、取得された属性情報を、通信部151を介して、画像形成装置110に送信する(S35)。
【0065】
次に、制御部153は、通信部151が画像形成装置110からの選択ファイル情報を受信したか否かを判断する(S36)。そして、通信部151が画像形成装置110からの選択ファイル情報を受信した場合(S36でYes)には、処理はステップS37に進む。一方、通信部151が画像形成装置110からの非選択ファイル情報を受信した場合(S36でNo)には、処理は終了する。
【0066】
ステップS37では、制御部153は、通信部151から選択ファイル情報を受け取り、その選択ファイル情報で示されている属性情報を含む印刷パラメータファイルから印刷パラメータセットを取得する(S37)。
【0067】
そして、制御部153は、取得された印刷パラメータセットを、通信部151に画像形成装置110へ送信させる(S38)。
【0068】
図13は、実施の形態1における画像形成装置110が属性情報を受信する際の動作を示すフローチャートである。
まず、通信部135は、管理サーバ150からの属性情報を受信する(S40)。受信された属性情報は、メニュー制御部133に与えられる。
【0069】
メニュー制御部133は、受信された属性情報を示す属性情報画面を表示部121に表示させて(S41)、ユーザからの選択の指示の入力を受け付ける(S42)。
図14は、表示される属性情報画面の一例を示す概略図である。
ここでは、管理サーバ150から三つの属性情報が受信されたものとして説明する。
図14に示されている属性情報画面IM2には、三つの属性情報で示される内容をリスト形式で表示して、対応する印刷パラメータセットを取得する選択を入力する表示入力領域IM21が設けられている。
そして、オペレータは、入力部128を用いて、表示入力領域IM21に表示されているリストから一つの属性情報を選択して、取得指示入力領域としてのダウンロードボタンIM22を選択した実行指示を入力することで、選択された属性情報に対応する印刷パラメータセットを取得させることができる。なお、キャンセル指示入力領域としてのキャンセルボタンIM23を選択した実行指示が入力されると、印刷パラメータセットの取得がキャンセルされる。
【0070】
ここで、変更されたパラメータが一致していても、他のパラメータが、実際に使用される媒体に適したものであるか否かは不明である。このため、オペレータは、印刷パラメータセットの特徴を示す属性情報を確認することで、実際に使用される媒体に適する印刷パラメータセットを選択することができる。このため、属性情報は、そのような選択が可能となるように、特に媒体の性質に関する情報が含まれていることが望ましい。
【0071】
そして、メニュー制御部133は、属性情報が選択されたか否かを判断する(S43)。ここでは、ダウンロードボタンIM22を選択した実行指示が入力されたか否かにより、その判断が行われる。属性情報が選択された場合(S43でYes)には、処理はステップS44に進み、キャンセルされた場合(S43でNo)には、処理はステップS47に進む。
【0072】
ステップS44では、メニュー制御部133は、選択された属性情報を示す選択ファイル情報を生成し、その選択ファイル情報を、通信部135に、管理サーバ150へ送信させる。
【0073】
そして、メニュー制御部133は、通信部135を介して、印刷パラメータセットを取得する(S45)。
そして、メニュー制御部133は、取得された印刷パラメータセットを記憶部134に記憶させる(S46)。記憶された印刷パラメータセットは、次回の印刷動作において、適用される。
【0074】
一方、ステップS43で、キャンセルされた場合には、処理はステップS47に進み、メニュー制御部133は、属性情報が選択されなかったことを示す非選択ファイル情報を生成し、その非選択ファイル情報を、通信部135に、管理サーバ150へ送信させる。
【0075】
以上のように、実施の形態1では、セット名と、変更されたパラメータとに対応する別のパラメータセットが管理サーバ150で検索されているが、実施の形態1は、このような例に限定されない。例えば、セット名は使用されなくてもよい。言い換えると、制御部131は、入力部128により、画像形成装置本体に適用させる一つのパラメータセットに含まれている複数のパラメータにおける少なくとも一つのパラメータの変更を受け付けて、その変更されたパラメータを含み、その複数のパラメータの内、その少なくとも一つのパラメータ以外の一又は複数のパラメータがその一つのパラメータセットとは異なっている別のパラメータセットである候補パラメータセットの属性を示す属性情報を外部装置である管理サーバ150から取得する。そして、制御部131は、入力部128が、その属性情報に対応する候補パラメータセットを使用する入力を受け付けた場合に、管理サーバ150からその候補パラメータセットを取得して、その候補パラメータセットを画像形成装置本体に適用させる。
【0076】
なお、対応する複数の候補パラメータセットがある場合には、制御部131は、複数の候補パラメータセットの属性をそれぞれが示す複数の属性情報を取得する。そして、表示部121は、その複数の属性情報を表示して、入力部128は、その複数の属性情報から一つの属性情報の選択を受け付ける。制御部131は、選択された一つの属性情報に対応する一つの候補パラメータセットを取得して記憶させる。
【0077】
以上のように、実施の形態1によれば、オペレータが調整メニューで設定した調整値により変更されたパラメータを持つ印刷パラメータセットを管理サーバ150から取得して、画像形成装置110で追加適用することができる。このとき、オペレータが実際に使用する媒体の種別を特定する情報を持っていなくとも、印刷パラメータが合致する適切な印刷パラメータセットを取得することができる。また、使用される媒体の印刷パラメータセットが管理サーバ150に登録されていなくとも、調整メニュー値から検索を行うので、その媒体用に作成されたものに限らず、適切な印刷パラメータセットを選択することができる。
【0078】
実施の形態2.
図15は、実施の形態2に係る画像形成装置210の概略的な構成を示す縦断面図である。
画像形成装置210は、媒体収納トレイ111と、ピックアップローラ112と、搬送ローラ対113A~113Eと、媒体集積トレイ114と、転写ベルト115と、ベルト支持ローラ116と、ベルト駆動ローラ117と、トナーカートリッジ118K、118C、118M、118Yと、トナー供給ダクト119K、119C、119M、119Yと、定着器ユニット120と、表示部121と、画像形成ユニット122K、122C、122M、122Yと、外部接続インタフェース(以下、外部接続I/Fという)229とを備える。
【0079】
実施の形態2における画像形成装置210の媒体収納トレイ111、ピックアップローラ112、搬送ローラ対113A~113E、媒体集積トレイ114、転写ベルト115、ベルト支持ローラ116、ベルト駆動ローラ117、トナーカートリッジ118K、118C、118M、118Y、トナー供給ダクト119K、119C、119M、119Y、定着器ユニット120、表示部121及び画像形成ユニット122K、122C、122M、122Yは、実施の形態1における画像形成装置110の媒体収納トレイ111、ピックアップローラ112、搬送ローラ対113A~113E、媒体集積トレイ114、転写ベルト115、ベルト支持ローラ116、ベルト駆動ローラ117、トナーカートリッジ118K、118C、118M、118Y、トナー供給ダクト119K、119C、119M、119Y、定着器ユニット120、表示部121及び画像形成ユニット122K、122C、122M、122Yと同様である。
【0080】
外部接続I/F229は、外部装置である外部記憶装置270を着脱自在に接続することのできる接続部である。例えば、外部接続I/F229は、USB(Universal Serial Bus)等の予め定められた規格に従った接続用I/Fにより実現することができる。
【0081】
図16は、画像形成装置210の制御系のうち、実施の形態2に関連する部分を示すブロック図である。
画像形成装置210の全体的な動作は、装置制御部230により制御される。
装置制御部230は、制御部231と、記憶部134と、通信部135とを備える。
実施の形態2における画像形成装置210の記憶部134及び通信部135は、実施の形態1における画像形成装置110の記憶部134及び通信部135と同様である。
但し、実施の形態2では、画像形成装置210は、ネットワーク101を介して、管理サーバ150と通信する必要はない。
【0082】
制御部231は、画像形成装置210での動作を制御する。
制御部231は、印刷制御部132と、メニュー制御部233と、外部接続制御部237とを備える。
実施の形態2における制御部231の印刷制御部132は、実施の形態1における制御部131の印刷制御部132と同様である。
【0083】
外部接続制御部237は、外部接続I/F229を制御して、外部接続I/F229に接続される他の装置との入出力を行う。実施の形態2では、外部接続制御部237は、外部接続I/F229を介して、外部記憶装置270との間でデータの入出力を行う。
【0084】
メニュー制御部233は、表示部121に調整メニュー画面を表示させ、オペレータの操作によって設定された変更値を、印刷制御部132に画像形成条件として適用させる。
また、メニュー制御部233は、外部接続制御部237及び外部接続I/F229を介して、外部記憶装置270から属性情報を読み出し、その属性情報示す属性情報画面を表示部121に表示させ、入力部128を介して、印刷パラメータセットの選択を受け付ける。
【0085】
図17は、外部記憶装置270の構成を概略的に示すブロック図である。
外部記憶装置270は、接続インタフェース(以下、接続I/Fという)271と、記憶部272とを備える。
【0086】
接続I/F271は、画像形成装置210の外部接続I/F229に対して着脱自在にされており、その外部接続I/F229を介して、画像形成装置210との間でデータの入出力を行う。例えば、接続I/F271は、USB等の予め定められた規格に従った接続用I/Fにより実現することができる。
【0087】
記憶部272は、複数の印刷パラメータファイル160を記憶する。
印刷パラメータファイル160は、実施の形態1と同様に、印刷パラメータセット161と、属性情報162とを備える。
【0088】
外部記憶装置270は、例えば、USBメモリ、SDカード又はDVD(Digital Versatile Disc)等の可搬性記憶媒体により実現することができる。
【0089】
図18及び図19は、実施の形態2における画像形成装置210の動作を示すフローチャートである。
なお、図18に示されているフローチャートにおいて、図9に示されているフローチャートのステップと同様の処理を行うステップについては、図9と同じ符号を付す。
【0090】
図18に示されているフローチャートのステップS10~S21の処理については、図9に示されているフローチャートのステップS10~S21の処理と同様である。
但し、図18においては、ステップS21の処理の後は、処理は、図19のステップS50に進む。
【0091】
図19のステップS50では、外部接続制御部237は、外部接続I/F229を介して、変更された印刷パラメータセット及びそのセット名に対応する印刷パラメータファイルを、外部記憶装置270の記憶部272において検索する。ここでは、例えば、セット名が「厚紙」及び図11に示されている定着温度テーブル142#と一致する印刷パラメータセットを有する印刷パラメータファイルが検索される。なお、そのようなセット名及び印刷パラメータセットに対応する複数の印刷パラメータファイルが見つかる場合もある。
【0092】
そして、外部接続制御部237は、そのような印刷パラメータファイルがあるか否かを判断する(S51)。そのような印刷パラメータファイルがない場合(S51でNo)には、処理はステップS52に進み、そのような印刷パラメータファイルがある場合(S51でYes)には、処理はステップS53に進む。
【0093】
ステップS52では、外部接続制御部237は、対応する印刷パラメータファイルがないことをメニュー制御部233に通知し、メニュー制御部233は、表示部121に、対応する印刷パラメータファイルがないことを示す画面であるファイルなし画面を表示させる。
【0094】
一方、ステップS53では、外部接続制御部237は、対応する印刷パラメータファイルから属性情報を取得する。ここでは、ステップS51において、対応する三つの印刷パラメータファイルが見つかった場合について、説明する。例えば、その三つの印刷パラメータファイルに含まれている印刷パラメータセットでは、定着温度テーブルは、図11に示されている定着温度テーブル142#に合致するが、他の少なくとも一つのパラメータが異なっているものとする。ここで取得された属性情報は、メニュー制御部233に与えられる。
【0095】
次に、メニュー制御部233は、外部接続制御部237から与えられた属性情報を示す属性情報画面を表示部121に表示させて(S54)、ユーザからの選択の指示の入力を受け付ける(S55)。
【0096】
そして、メニュー制御部233は、属性情報が選択されたか否かを判断する(S56)。属性情報が選択された場合(S56でYes)には、処理はステップS57に進み、キャンセルされた場合(S56でNo)には、処理は終了する。
なお、図19のステップS55~S57での処理は、図13のステップS41~S43での処理と同様である。
【0097】
そして、メニュー制御部233は、選択された属性情報を外部接続制御部237に通知し、外部接続制御部237は、外部接続I/F229を介して、外部記憶装置270に接続して、その属性情報を含む印刷パラメータファイルから印刷パラメータセットを取得する(S57)。取得された印刷パラメータセットは、メニュー制御部233に与えられる。
【0098】
そして、メニュー制御部233は、与えられた印刷パラメータセットを記憶部134に記憶させる(S58)。記憶された印刷パラメータセットは、次回の印刷動作において、適用される。
【0099】
以上のように、実施の形態2によれば、管理サーバ150との接続ができない環境であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、外部記憶装置270は着脱自在であるため、別の外部記憶装置に交換することによって、異なる印刷パラメータファイルから適切な印刷パラメータセットを検索することもできる。
【0100】
なお、実施の形態1では、印刷パラメータファイルを記憶する記憶部152と、印刷パラメータファイルを検索する機能を備える制御部153とが、1つの管理サーバ150内に含まれているが、実施の形態1は、このような例に限定されない。例えば、記憶部152は、管理サーバ150とは別のサーバ等の別の装置が有していてもよい。このような場合、その別の装置は、ネットワーク101に接続されていれば、管理サーバ150からその記憶部152にアクセスすることができる。また、記憶部152が、実施の形態2のように、外部記憶装置270により構成され、管理サーバ150が、外部接続I/F229を備えていてもよい。
【0101】
実施の形態1では、一つの管理サーバ150が示されているが、二以上の管理サーバ150が画像形成システム100に備えられていてもよい。また、二以上の画像形成装置110が画像形成システム100に備えられていてもよい。
【0102】
また、実施の形態2では、外部記憶装置270として、USBメモリ、SDカード又はDVD等の可搬記憶媒体が想定されているが、実施の形態2は、このような例に限定されない。例えば、PC(Personal Computer)又は携帯端末等により外部記憶装置270が構成されていてもよい。このような場合には、ファイル共有機能を利用することで、画像形成装置210は、必要なデータを取得することができる。
また、画像形成装置210と、外部記憶装置270との接続は、USBインタフェースのような有線接続の他、Bluetooth(登録商標)又はNFC(Near Field Communication)のような無線接続であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
100 画像形成システム、 110 画像形成装置、 128 入力部、 229 外部接続I/F、 130 装置制御部、 131,231 制御部、 134 記憶部、 135 通信部、 237 外部接続制御部、 150 管理サーバ、 151 通信部、 152 記憶部、 153 制御部、 270 外部記憶装置、 271 接続I/F、 272 記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19