(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134173
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】炉心監視システム及び炉心監視プログラム
(51)【国際特許分類】
G21C 17/00 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
G21C17/00 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044322
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹中 黎
(72)【発明者】
【氏名】小田川 直人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 正之
【テーマコード(参考)】
2G075
【Fターム(参考)】
2G075AA01
2G075BA03
2G075CA08
2G075FD01
2G075FD04
2G075GA34
(57)【要約】
【課題】可搬型端末のような小さい画面でも俯瞰性と操作性に優れる画面表示機能を備えた炉心監視技術を提供する。
【解決手段】炉心監視システム10Aは、炉心20の水平断面を表す座標系で定義した位置座標11を登録する第1登録部15aと、炉心20の内部状態を表す特性値14を位置座標11に紐づけて収集する収集部16と、ユーザ操作に基づいて位置座標11を選択する選択部17と、選択した位置座標11の表示形式を定義する表示タイプ12を登録する第2登録部15bと、ユーザ操作に基づいて表示タイプ12を指定する指定部18と、指定された表示タイプ12に基づいて位置座標11における特性値14を階調表示したブロック画像23を生成する第1生成部21と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉心の水平断面を表す座標系で定義した位置座標を登録する第1登録部と、
前記炉心の内部状態を表す特性値を前記位置座標に紐づけて収集する収集部と、
ユーザ操作に基づいて前記位置座標を選択する選択部と、
選択した前記位置座標の表示形式を定義する表示タイプを登録する第2登録部と、
ユーザ操作に基づいて前記表示タイプを指定する指定部と、
指定された前記表示タイプに基づいて前記位置座標における前記特性値を階調表示したブロック画像を生成する第1生成部と、を備える炉心監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の炉心監視システムにおいて、
前記表示タイプは、前記選択した前記位置座標がm×n領域拡張するように前記表示形式を定義する炉心監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の炉心監視システムにおいて、
前記表示タイプは、それぞれ離間させて選択した複数の前記位置座標により前記ブロック画像が構成されるように前記表示形式を定義する炉心監視システム。
【請求項4】
請求項3に記載の炉心監視システムにおいて、
前記表示タイプは、前記ブロック画像の中から選定された一つの前記位置座標をさらにM×N領域拡張するように前記表示形式を定義する炉心監視システム。
【請求項5】
請求項1に記載の炉心監視システムにおいて、
前記表示タイプは、前記座標系を分割した一群の前記位置座標により前記表示形式を定義する炉心監視システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炉心監視システムにおいて、
前記座標系における前記炉心の水平断面の全体画像を生成する第2生成部を備える炉心監視システム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炉心監視システムにおいて、
収集した前記特性値に基づき、前記ブロック画像を生成するための前記位置座標及び前記表示タイプを決定する設定条件を登録する第3登録部を備える炉心監視システム。
【請求項8】
コンピュータに、
炉心の水平断面を表す座標系で定義した位置座標を登録するステップ、
前記炉心の内部状態を表す特性値を前記位置座標に紐づけて収集するステップ、
ユーザ操作に基づいて前記位置座標を選択するステップ、
選択した前記位置座標の表示形式を定義する表示タイプを登録するステップ、
ユーザ操作に基づいて前記表示タイプを指定するステップ、
指定された前記表示タイプに基づいて前記位置座標における前記特性値を階調表示したブロック画像を生成するステップ、を実行させる炉心監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、可搬型端末による運用に適した炉心監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所では、出力分布計算による物理解析を介して炉内構造物の核特性値等を収集し、炉心状態を監視している。この炉心状態の監視は、炉内構造物の配置を表す座標系に核特性値も合わせて画面表示することで実施されている。
【0003】
110万kWの原子力発電所の炉心は764体の燃料集合体で構成されており、それぞれの核特性値を画面表示することで炉心監視が行われている。具体的には、764体の描像を、大画面モニタを用いて炉心全体を表示するか、もしくはいくつかに分割し複数のモニタに表示するかして、文字情報等も含めて充分に視認できるようにしている。
【0004】
従来の炉心監視システムでは、中央制御室又は計算機室に、上述した大画面モニタ又は複数モニタ並びに設置位置の固定された操作端末が導入されている。その一方において、燃料パターンの調整や起動時等の現場作業等では、タブレットやスマートフォンといった可搬型端末が運用されている。そして、これら可搬型端末は、任意の場所での端末操作だけでなく、炉心状態の監視としての利用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の炉心監視システムにおける大画面モニタによる全炉心表示又は複数モニタによる分割表示では、表示される情報量が多かった。しかし、可搬型端末は、画面サイズが小さいため、注目する箇所が細かく表示され、選択した箇所が正しいか否か一目で認識できない等、画面表示機能において俯瞰性と操作性に欠ける課題があった。
【0007】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、可搬型端末のような小さい画面でも俯瞰性と操作性に優れる画面表示機能を備えた炉心監視技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る炉心監視システムにおいて、炉心の水平断面を表す座標系で定義した位置座標を登録する第1登録部と、前記炉心の内部状態を表す特性値を前記位置座標に紐づけて収集する収集部と、ユーザ操作に基づいて前記位置座標を選択する選択部と、選択した前記位置座標の表示形式を定義する表示タイプを登録する第2登録部と、ユーザ操作に基づいて前記表示タイプを指定する指定部と、指定された前記表示タイプに基づいて前記位置座標における前記特性値を階調表示したブロック画像を生成する第1生成部と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態により、可搬型端末のような小さい画面でも俯瞰性と操作性に優れる画面表示機能を備えた炉心監視技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る炉心監視システムを示すブロック図。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る炉心監視システムを示すブロック図。
【
図3】(A)炉心の水平断面の全体画像、(B)選択した位置座標がm×n領域拡張するよう表示形式を定義したブロック画像。
【
図4】(A)炉心の水平断面の全体画像、(B)それぞれ離間させて選択した複数の位置座標により表示形式を定義したブロック画像、(C)ブロック画像(
図4(B))の中から選定された一つの位置座標をさらにM×N領域拡張するように表示形式を定義したブロック画像。
【
図5】(A)分割した炉心の水平断面の全体画像、(B)分割した一群の位置座標により表示形式を定義したブロック画像。
【
図6】本発明の実施形態に係る炉心監視プログラムのアルゴリズムを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る炉心監視システム10A(10)を示すブロック図である。このような炉心監視システム10A(10)が可搬型端末に構築される場合、操作部25や表示部26も可搬型端末の機能の一部として実現される。
【0012】
このように炉心監視システム10Aは、炉心20の水平断面を表す座標系で定義した位置座標11を登録する第1登録部15aと、炉心20の内部状態を表す特性値14を位置座標11に紐づけて収集する収集部16と、ユーザ操作に基づいて位置座標11を選択する選択部17と、選択した位置座標11の表示形式を定義する表示タイプ12を登録する第2登録部15bと、ユーザ操作に基づいて表示タイプ12を指定する指定部18と、指定された表示タイプ12に基づいて位置座標11における特性値14を階調表示したブロック画像23を生成する第1生成部21と、を備えている。
【0013】
座標系は、炉心20に配置された燃料バンドル、燃料棒又は中性子モニタの位置座標11で定義したものが挙げられるが、これらに限定されることなく、その他の炉内構造物が配置された位置座標11で定義することもできる。また、燃料バンドルの位置座標11で定義した座標系において、燃料棒のように四方を囲む位置座標11で炉内構造物の位置を定義する場合もある。また第1登録部15aは、炉心20の軸方向に間隔を隔てて定義した複数の水平断面の座標系で位置座標11を登録できる。これにより、炉心20の内部について二次元だけでなく三次元的な座標系で定義した位置座標11を登録できる。
【0014】
特性値14は、主に燃料の出力分布や熱的制限値分布等、炉心20に配置された検出器(図示略)の出力値やこれらを演算処理したものが挙げられる。具体的には、燃料バンドルの線出力密度、挿入された制御棒の周囲4体の燃料バンドルのボイド率、燃料バンドルの余剰反応度等が挙げられる。そのような特性値14は、炉心20な内部において二次元的又は三次元的な分布を有している。さらに特性値14は、燃料バンドル、燃料棒又は中性子モニタといった炉内構造物の属性や状態を示す場合もある。具体的に、燃料バンドルであれば使用済み核燃料を再生したMOX燃料である等の属性を示すものであったり、燃料棒であれば挿入量等の状態を示すものであったりする。
【0015】
収集部16は、稼働中の炉心20から時系列に配信される特性値14であれば、炉心20の位置座標11だけでなく時間情報にも紐づけて収集する。このように、時間情報とともに収集された特性値14は、格納部(図示略)に格納される。その一方で時系列な変化を伴わない特性値14(属性情報等)であれば、予めユーザにより収集・格納させておくことができる。
【0016】
炉心20の水平断面の座標系において、位置座標11は、単位グリッド27(
図3(A))で離散化して表すことができる。表示タイプ12は、座標系の部分領域からブロック画像23を抽出するため、単位グリッド27の切り出し方を設定したものである。炉心20の水平断面から抽出されるブロック画像23の形状やその大きさによって、複数パターンの表示タイプ12が、第2登録部15bに登録されている。ブロック画像23の表示タイプ12のパターンについては、
図3(B)、
図4(B)(C)、
図5(B)で後述するが、このパターンの種類はこれらに限定されない。
【0017】
選択部17は、可搬型端末の操作部25におけるユーザ操作に基づいて、炉心20の水平断面の座標系のなかから位置座標11を1つ又は二つ以上選択する。さらに操作部25は、指定部18に対し、第2登録部15bから表示タイプ12を指定し、選択した位置座標11におけるブロック画像23の表示形式を決定する。さらに指定部18において、ブロック画像23の領域サイズも指定される。
【0018】
具体的には、選択された位置座標11の単位グリッド27を中心に、その周辺の複数の単位グリッド27を併せて、ブロック画像23の表示形式が決定される。もしくは操作部25のユーザ操作により、ブロック画像23は、既存の表示形式にとらわれず、新規の表示タイプ12で作成して指定することができる。
【0019】
第1生成部21は、ブロック画像23を構成する単位グリッド27に対し、それぞれの位置座標11に対応する特性値14を階調表示させる。このようにして生成したブロック画像23は、可搬型端末の表示部26に表示される。
【0020】
このように、監視対象の炉内構造物に着目して、炉心20の水平断面の座標系の位置座標11及び領域サイズを設定し、ブロック画像23が生成される。これにより、炉心20の水平断面において、比較検討をすべき部分領域のみを抽出し、特性値14を容易に確認することができ、炉心監視の品質の向上が実現する。
【0021】
(第2実施形態)
次に
図2を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図2は本発明の第2実施形態に係る炉心監視システム10B(10)を示すブロック図である。
図3(A)は炉心20の水平断面の全体画像24である。この全体画像24の座標系は、30×30の燃料バンドルの位置座標11(単位グリッド27)で定義されている。なお、
図2において
図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0022】
第2実施形態の炉心監視システム10Bは、第1実施形態の炉心監視システム10Aの構成に加え、さらに第2生成部22を備えている。この第2生成部22は、座標系における炉心20の水平断面の全体画像24を生成し表示部26に表示させるものである。このように全体画像24を生成することで、可搬型端末のような小さい画面サイズであっても、炉心20の全体像の俯瞰性を維持することができ、ブロック画像23に切り替えることで注目する監視領域の画面を拡大表示できる。
【0023】
第2実施形態の炉心監視システム10Bは、第1実施形態の炉心監視システム10Aの構成に加え、さらに第3登録部15cを備えている。この第3登録部15cは、収集した特性値14に基づき、ブロック画像23を生成するための位置座標11及び表示タイプ12を決定する設定条件13を登録するものである。このような設定条件13は、可搬型端末の操作部25におけるユーザ操作に基づいて設定することができる。
【0024】
そのような設定条件13は、具体的に、線出力密度(特性値14)が高い上位10体の燃料バンドル(炉内構造物)の位置座標11及び表示タイプ12を決定したり、挿入された制御棒(炉内構造物)の周囲4体の燃料バンドルの位置座標11におけるボイド率(特性値14)を表示する表示タイプ12を決定したり、LPRM警報制限値を超えた燃料バンドルの位置座標11における余剰反応度(特性値14)を表示する表示タイプ12を決定したりする等が挙げられる。
【0025】
また、これら設定条件13は、炉心20の軸方向の高さが共通の水平断面の座標系で設定される場合の他に、この軸方向の間隔を隔てた複数の水平断面の座標系で設定される場合もある。また設定条件13として、座標系の単位グリッド27に炉内構造物を関連付けたり、そのような単位グリッド27の複数に挟まれるか囲まれるかする炉内構造物を関連付けたりすることができる。そして、単位グリッド27のような離散的な位置座標11を適用する座標系を用いる場合の他に、連続的な位置座標11を適用する座標系を用いる場合もある。
【0026】
次に、各種の表示タイプ12を例示して説明を続ける。
図3(B)で適用した表示タイプ12によると、ブロック画像23a(23)は、選択した位置座標11を、m×n領域拡張(m=n=3)する表示形式で定義している。
【0027】
具体的には、炉心20の中心に位置する燃料バンドルの位置座標11が(15,15)であるとする。そしてブロック画像23aの領域サイズが3×3であるとして、(15±1,15±1)の(14,14)、(15,14)、(16,14)、(14,15)、(15,15)、(16,15)、(14,16)、(15,16)(16,16)の9点の単位グリッド27を指定する。指定した9点の単位グリッド27を一つのブロック画像23aとして表示部26に表示する。
【0028】
図3に示すブロック画像23aは、単位グリッド27において特性値14を階調表示することで全体画像24において特性値14の分布を把握することができる。さらに、全体画像24からブロック画像23aが抽出されることで、ユーザが確認したい領域の特性値14を、確実かつ直感的に把握できる。さらに、炉心20の全体の俯瞰図から位置座標11を選択することで、ブロック画像23aを抽出できることにより、炉心20の位置の誤認識や操作ミスを低減する。
【0029】
図4(A)は炉心20の水平断面の全体画像24である。
図4(B)で適用した表示タイプ12によると、それぞれ離間させて選択した複数の位置座標11(11a,11b,11c,11d,11e)により表示形式が定義されたブロック画像23bになる。ここでは、制御棒の周辺に位置する燃料バンドルの特性値14を階調表示している。
【0030】
図4(C)で適用した表示タイプ12によると、
図4(B)のブロック画像23bの中から選定された一つの位置座標11eをさらにM×N領域拡張するように表示形式を定義したブロック画像23cになる。
【0031】
このように可搬型端末の操作部25におけるユーザ操作に基づいて、
図4(B)のブロック画像23bの一部の領域サイズを拡張して表示部26に表示することができる。なお拡張した領域サイズをさらに拡張したり縮小したりすることもできる。
【0032】
図4(B)で適用した表示タイプ12により、注目すべき部分領域をブロック画像23bとして任意に抽出して、より直感的に炉心20を監視できるようになった。しかし、抽出されたブロック画像23bの範囲外は、表示されないため炉心監視に支障をきたす場合がある。そこで、
図4(B)から
図4(C)に示すように、ブロック画像23bのなかから選択された位置座標11eを含む画面拡大したブロック画像23cを要求することで、炉心監視の機能性を確保することができる。さらに、ユーザが確認する座標の直感的な理解の助けとなり、炉心20の俯瞰性を維持したまま、シンプルな画面操作性が得られる。
【0033】
図5(A)は分割した炉心20の水平断面の全体画像24である(図示は5×5に分割)。
図5(B)は分割した一群の位置座標11(単位グリッド27)により表示形式を定義したブロック画像23dである。選択部17(
図1)では、炉心20の水平断面の座標系を格子状のブロック画像23に分割する。そして、分割したブロック画像23のそれぞれに、特性値14の代表値を表示する。表示される代表値は、それぞれのブロック画像23を構成する複数の位置座標11における特性値14の最大値、最小値、平均値等が挙げられるが、特に限定はない。
図5(B)は、分割したもののうち特性値14の代表値が最も大きいブロック画像23dを選択的に表示している。
【0034】
図5で適用した表示タイプ12によれば、選択部17は、単位グリッド27を選択するのではなく、全体画像24を格子状に分割する。これにより、ピンポイントでなく網羅的に炉心20を監視することができる。以上において種々の表示タイプ12を例示したが、本発明に適用される表示タイプ12はこれらに限定されるものではなく、また画面サイズが小さい可搬型端末による運用を例示しているが、画面サイズの大きいモニタでも運用することができる。
【0035】
図6のフローチャートに基づいて本発明の実施形態に係る炉心監視プログラムのアルゴリズムを説明する(適宜、
図2参照)。まず、炉心20の水平断面を表す座標系で定義した位置座標11を登録する(S11)。そして、炉心20の内部状態を表す特性値14を位置座標11に紐づけて収集する(S12)。さらに、選択した位置座標11の表示形式を定義する表示タイプ12を登録する(S13)。
【0036】
次に、ユーザ操作に基づいて座標系から位置座標11を選択する(S14)。さらに、ユーザ操作に基づいて表示タイプ12を指定する(S15)。そして指定された表示タイプ12に基づいて位置座標11における特性値14を階調表示したブロック画像23を生成し(S16)、表示部26に表示する(S17、END)。
【0037】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の炉心監視システムによれば、特性値で階調表示される炉心の水平断面から指定の表示タイプでブロック画像を生成することにより、可搬型端末のような小さい画面でも俯瞰性と操作性に優れる画面表示機能を備えた炉心監視技術の提供が可能となる。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0039】
以上説明した炉心監視システムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置と、通信I/Fとを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。このため炉心監視システムの構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、炉心監視プログラムにより動作させることが可能である
【0040】
また炉心監視プログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態に係る炉心監視プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。また、炉心監視システムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0042】
10(10A,10B)…炉心監視システム、11(11a,11b,11c,11d)…位置座標、12…表示タイプ、13…設定条件、14…特性値、15(15a,15b,15c)…登録部、16…収集部、17…選択部、18…指定部、20…炉心、21…第1生成部、22…第2生成部、23(23a,23b,23c,23d)…ブロック画像、24…全体画像、25…操作部、26…表示部、27…単位グリッド。