(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134177
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240926BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240926BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240926BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240926BHJP
G02B 3/08 20060101ALI20240926BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240926BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 E
F21S2/00 311
G02B3/00 A
G02B3/08
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044352
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】柏木 章宏
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 明
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA45
2K203GA25
2K203GB02
2K203GB20
2K203GB27
2K203HA23
2K203HA54
2K203HA65
2K203HA67
2K203HB22
2K203HB25
2K203MA04
2K203MA06
(57)【要約】
【課題】単板式のプロジェクターにおいて、明るい画像を表示する。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、青色光と緑色光と赤色光とを含む白色光を発光する光源装置と、複数のレンズを有するレンズアレイと、青色光を透過する青色フィルターと、緑色光を透過する緑色フィルターと、赤色光を透過する赤色フィルターと、を含むカラーフィルターと、青色フィルターを透過する青色光を画像情報に応じて変調し、青色の画像光を射出する青色サブ画素電極と、緑色フィルターを透過する緑色光を画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を射出する緑色サブ画素電極と、赤色フィルターを透過する赤色光を画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を射出する赤色サブ画素電極と、を含む画素電極と、青色と緑色と赤色の各画像光を投射する投射光学系と、を備える。第2レンズの面積は、緑色フィルターの面積よりも広く、第1レンズの面積及び第3レンズの面積よりも大きい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色光と緑色光と赤色光とを含む白色光を発光する光源装置と、
前記光源装置から射出される前記白色光の光路上に配置され、複数のレンズを有するレンズアレイと、
前記レンズアレイから射出される前記白色光の光路上に配置され、前記青色光を透過する青色フィルターと、前記緑色光を透過する緑色フィルターと、前記赤色光を透過する赤色フィルターと、を含むカラーフィルターと、
前記カラーフィルターと対向するように配置され、前記青色フィルターを透過する前記青色光を画像情報に応じて変調し、青色の画像光を射出する青色サブ画素電極と、前記緑色フィルターを透過する前記緑色光を画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を射出する緑色サブ画素電極と、前記赤色フィルターを透過する前記赤色光を画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を射出する赤色サブ画素電極と、を含む画素電極と、
前記青色の画像光と前記緑色の画像光と前記赤色の画像光との進路上に配置され、前記青色の画像光と前記緑色の画像光と前記赤色の画像光とを投射する投射光学系と、
を備え、
前記複数のレンズは、前記白色光を前記青色フィルターに向けて射出する第1レンズと、前記白色光を前記緑色フィルターに向けて射出する第2レンズと、前記白色光を前記赤色フィルターに向けて射出する第3レンズと、を含み、
前記第2レンズの面積は、前記緑色フィルターの面積よりも広く、前記第1レンズの面積及び前記第3レンズの面積よりも大きい、
プロジェクター。
【請求項2】
前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズは、前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に交差する面内の第2軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿って配置され、
前記第2軸において、前記第2レンズの幅は前記第1レンズの幅及び前記第3レンズの幅よりも大きい、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記第3軸において、前記第2レンズの幅は前記第1レンズの幅及び前記第3レンズの幅よりも大きい、
請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズは、前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に交差する面内の第2軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿って配置され、
前記第3軸において、前記第2レンズの幅は前記第1レンズの幅及び前記第3レンズの幅よりも大きい、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に沿って見たときに、前記第2レンズの一部は前記青色フィルター及び前記赤色フィルターの少なくとも一方のフィルターと重なっている、
請求項1から4の何れか一項に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に沿って見たときに、前記第2レンズにおいて前記緑色フィルターと重なる部分はパワーを有さず、前記第2レンズにおいて前記緑色フィルターとは重ならない部分は正のパワーを有する、
請求項1から4の何れか一項に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記カラーフィルターは、互いに隣り合う前記赤色フィルター、前記緑色フィルター及び前記青色フィルターの何れかのフィルター同士の間に前記白色光を遮光する遮光領域を有する、
請求項1から4の何れか一項に記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記赤色フィルター、前記緑色フィルター及び前記青色フィルターは、前記カラーフィルターに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に交差する面内の第2軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿って配置され、
前記遮光領域は、前記第2軸で隣り合う前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズの何れかのレンズ同士の間で前記第3軸に平行に延在する領域と、前記第3軸で隣り合う前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズの何れかのレンズ同士の間で前記第2軸に平行に延在する領域と、前記カラーフィルターの周縁部において前記第2軸に平行に延在する領域及び前記第3軸に平行に延在する領域に配置され、
前記第2軸に平行に延在する前記遮光領域の前記第3軸での幅は、前記第3軸に平行に延在する前記遮光領域の前記第2軸での幅よりも大きく、
前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズは前記第3軸においてパワーを有する、
請求項7に記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に沿って見たときに、
前記第1レンズの主点は前記青色フィルターの中央と重なり、
前記第2レンズの主点は前記緑色フィルターの中央と重なり、
前記第3レンズの主点は前記赤色フィルターの中央と重なっている、
請求項1から4の何れか一項に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、色光から当該色の画像光を生成する光変調装置として1枚の液晶パネルを備えるプロジェクター、すなわち単板式のプロジェクターが知られている。例えば、特許文献1には、光源として発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)が用いられた単板式のプロジェクターが開示されている。特許文献1に開示されているプロジェクターにおいて、LED光源から射出される光の光路上には、リフレクターと、反射ミラーと、コリメートレンズと、光変調装置としての液晶ディスプレイと、集光レンズ等が配置されている。
【0003】
また、特許文献2には、光変調装置としての液晶ディスプレイと、2つのマイクロレンズアレイと、を含む単板式のプロジェクターが開示されている。特許文献2に開示されているプロジェクターの液晶ディスプレイは、2枚の透明基板の間に、複数の画素を有する。複数の画素は、透明基板の板面に平行な方向に所定の間隔をあけて配列されている。2つのマイクロレンズアレイは、液晶ディスプレイの入射面及び射出面に配置されている。液晶ディスプレイに入射する光は、平行化されており、液晶ディスプレイの入射面に配置されたマイクロレンズアレイの各マイクロレンズによって各画素に集光される。画素に集光される光は、画像情報に応じて変調され、画像光として画素から射出される。画素から射出される光は、液晶ディスプレイの射出面に配置されたマイクロレンズアレイの各マイクロレンズによって平行化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案第212515320号明細書
【特許文献2】特開平7-191312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に開示されている単板式のプロジェクターでは、液晶ディスプレイによって生成される赤色、緑色、青色の各色の画像光の光量差については特に考慮されていない。特許文献2に開示されているプロジェクターでは、複数の画素に対する複数のマイクロレンズの直径の差についても検討されていない。しかしながら、プロジェクターから投射される画像や映像を観察する観察者である人間は、例えば室内等の明るい所で、555nm付近の波長を有する緑色光を最も強く、明るく感じる。そこで、プロジェクターによって投射される画像や映像の明るさを観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現するための対策が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様のプロジェクターは、青色光と緑色光と赤色光とを含む白色光を発光する光源装置と、光源装置から射出される前記白色光の光路上に配置され、複数のレンズを有するレンズアレイと、レンズアレイから射出される白色光の光路上に配置され、青色光を透過する青色フィルターと、緑色光を透過する緑色フィルターと、赤色光を透過する赤色フィルターと、を含むカラーフィルターと、カラーフィルターと対向するように配置され、青色フィルターを透過する青色光を画像情報に応じて変調し、青色の画像光を射出する青色サブ画素電極と、緑色フィルターを透過する緑色光を画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を射出する緑色サブ画素電極と、赤色フィルターを透過する赤色光を画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を射出する赤色サブ画素電極と、を含む画素電極と、青色の画像光と緑色の画像光と赤色の画像光との進路上に配置され、青色の画像光と緑色の画像光と赤色の画像光とを投射する投射光学系と、を備える。複数のレンズは、白色光を青色フィルターに向けて射出する第1レンズと、白色光を緑色フィルターに向けて射出する第2レンズと、白色光を赤色フィルターに向けて射出する第3レンズと、を含む。第2レンズの面積は、緑色フィルターの面積よりも広く、第1レンズの面積及び第3レンズの面積よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態のプロジェクターの構成を示す概略図である。
【
図2】
図1のプロジェクターのレンズアレイ及び光変調装置のカラーフィルターの概略図である。
【
図3】
図1のプロジェクターのレンズアレイ及び光変調装置の概略図であり、
図2に示すC1-C1線で矢視した場合の断面図である。
【
図4】
図1のプロジェクターのレンズアレイ及び光変調装置の概略図であり、
図2に示すC2-C2線で矢視した場合の断面図である。
【
図5】
図1のプロジェクターのレンズアレイの斜視図である。
【
図6】一実施形態のプロジェクターの第1変形例におけるレンズアレイ及び光変調装置のカラーフィルターの概略図である。
【
図7】一実施形態のプロジェクターの第4変形例におけるレンズアレイ及び光変調装置のカラーフィルターの概略図である。
【
図8】一実施形態のプロジェクターの第5変形例におけるレンズアレイ及び光変調装置のカラーフィルターの概略図である。
【
図9】
図8のプロジェクターのレンズアレイ及び光変調装置の概略図であり、
図2に示すC1-C1線で矢視した場合に対応する断面図である。
【
図10】
図8のプロジェクターのレンズアレイ及び光変調装置の概略図であり、
図2に示すC2-C2線で矢視した場合に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。各図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を変えている場合がある。
【0009】
先ず、本発明の一実施形態について、
図1から
図5を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態のプロジェクター301の構成を示す概略図である。プロジェクター301は、光変調装置として1枚の液晶パネルを備える画像表示装置であり、所謂単板式のプロジェクターである。
図1に示すように、プロジェクター301は、光源装置10と、ピックアップ光学系20と、平行化レンズ25と、入射側偏光板30と、レンズアレイ40と、光変調装置50と、射出側偏光板80と、集光レンズ85と、投射光学系90と、を備える。
【0010】
図1に示すように、光源装置10は、発光素子12と、波長変換素子14と、を有する。発光素子12は、図示略の基板の板面に設けられている。発光素子12は、板状又は層状に形成され、板面12a,12bを有する。板面12a,12bの平面視形状は、例えば矩形である。
【0011】
発光素子12は、板面12a及び一部の側面から青色光BLを射出する。青色光BLのピーク波長は、例えば455nm~465nmの範囲内に含まれる。なお、発光素子12の発光波長帯は、例えば445nm~475nmであるが、前述の波長帯に限定されず、後述する画像光IM1,IM2の青色成分の波長及び波長変換素子14の励起波長を含む波長帯であればよい。発光素子12は、例えば青色発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)である。
【0012】
波長変換素子14は、発光素子12の板面12bに設けられ、発光素子12に積層されている。波長変換素子14は、発光素子12と同様の平面視形状及び大きさを有し、板状又は層状に形成され、板面14a,14bを有する。波長変換素子14の板面14aは、発光素子12の板面12bに接している。
【0013】
発光素子12の板面12bから射出される青色光BLは、板面12bから波長変換素子14に入射する。波長変換素子14は、入射する青色光BLのうちの少なくとも一部の青色光BLによって励起され、板面14bから蛍光として黄色光YLを射出する。黄色光YLのピーク波長は、例えば530nm~570nmの範囲内に含まれる。すなわち、黄色光YLは、青色光BLとは異なる波長を有し、青色光BLとは異なる色の光である。具体的には、黄色光YLは、緑色光及び赤色光を含み、青色光BLとともにフルカラーの画像光IM1,IM2を生成するための色光である。
【0014】
波長変換素子14に入射する青色光BLのうちの残りの少なくとも一部の青色光BLは、波長変換素子14を透過し、板面14bから射出される。波長変換素子14は、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium・Aluminum・Garnet;YAG)系のセラミックス蛍光体によって形成され、例えばセリウム(Ce)が付活されたYAG(YAG:Ce3+)である。なお、波長変換素子14は、1種類の材料で形成されてもよく、2種以上の蛍光材料によって形成されている粒子を混合した材料で形成されてもよい。
【0015】
波長変換素子14の板面14bから射出される青色光BL及び黄色光YLは合成され、白色光WL1が生成される。つまり、波長変換素子14は、板面14bから白色光WL1を射出する。
【0016】
以下の説明及び図面では、波長変換素子14の板面14bから射出される白色光WL1の光軸AXに平行な軸をZ軸と記載する。Z軸の一方の側を+Z側と記載し、Z軸の他方の側を-Z側と記載する。Z軸に直交する一軸をX軸と記載する。X軸の一方の側を+X側と記載し、X軸の他方の側を-X側と記載する。X軸及びZ軸に直交する軸をY軸と記載する。Y軸の一方の側を+Y側と記載し、Y軸の他方の側を-Y側と記載する。Z軸に直交し、X軸及びY軸を含む面を、XY平面と記載する。
【0017】
発光素子12の板面12a,12b及び波長変換素子14の板面14a,14bは、XY平面に対して平行に配置されている。波長変換素子14の板面14bは、光源装置10の射出面10sを構成する。光源装置10の発光面積は、波長変換素子14の板面14bの面積と同等である。
【0018】
光源装置10は、射出面10sから白色光WL1をZ軸に沿って+Z側に射出する。光源装置10から射出される白色光WL1は、波長変換素子14の板面14bからZ軸に沿って+Z側に進むにしたがってXY平面内で拡がる発散光である。白色光WL1は、特定の偏光ではなく、非偏光であり、例えばランダム偏光である。
図1には、白色光WL1に含まれる偏光のうちでX軸に平行な偏光及びY軸に平行な偏光が例示されている。
【0019】
ピックアップ光学系20は、光源装置10から射出される白色光WL1の光路上に配置されている。ピックアップ光学系20は、光源装置10よりも+Z側に配置され、Z軸で光源装置10と間隔をあけて配置されている。光源装置10とピックアップ光学系20との間の白色光WL1は、Z軸に沿って進み、偏向されない。そのため、ピックアップ光学系20は、X軸及びY軸において光源装置10を含む範囲内に配置されている。ピックアップ光学系20は、入射する白色光WL1のXY平面でのビーム径を適度に拡大し、所望のビーム径を有する白色光WL1をZ軸に沿って+Z側に射出する。
【0020】
ピックアップ光学系20は、例えば1つの平凸レンズ22によって構成されている。平凸レンズ22のX軸及びY軸での中心は、白色光WL1の光軸AX上に配置されている。平凸レンズ22の入射面22aは、XY平面に平行な平坦面である。平凸レンズ22の射出面22bは、+Z側に凸をなす曲面である。平凸レンズ22の直径及び射出面22bの形状は、ピックアップ光学系20に入射する白色光WL1の放射特性、拡がり角、発散度等に合わせて適宜設計されている。
【0021】
なお、ピックアップ光学系20は、前述のように所望のビーム径を有する白色光WL1を生成可能な光学素子によって構成され、例えば平凸レンズ22に替えて両凸レンズや非球面レンズによって構成されてもよく、複数の光学レンズを組み合わせた光学系であってもよい。
【0022】
平行化レンズ25は、ピックアップ光学系20から射出される白色光WL1の光路上に配置されている。平行化レンズ25は、ピックアップ光学系20よりも+Z側に配置され、Z軸でピックアップ光学系20と間隔をあけて配置されている。ピックアップ光学系20と平行化レンズ25との間の白色光WL1は、Z軸に沿って進み、偏向されない。そのため、平行化レンズ25は、X軸及びY軸において光源装置10を含む範囲内に配置されている。平行化レンズ25は、入射する白色光WL1を平行化し、平行化された白色光WL1をZ軸に沿って+Z側に射出する。
【0023】
平行化レンズ25は、例えばフレネルレンズ27によって構成されている。フレネルレンズ27のX軸及びY軸での中心は、光軸AX上に配置されている。フレネルレンズ27の入射面27aは、白色光WL1のXY平面でのビーム径、強度分布、及び、光源装置10における白色光WL1の発光位置から入射面27aまでのZ軸での距離に合わせて設計されたレンズ曲面の等位相分が削除されることによって得られる面である。等位相分の厚みは、白色光WL1の中心波長及びフレネルレンズ27の屈折率に依存する。Z軸に沿って見たときに、入射面27aには、XY平面で同心円状に前述のように得られる面が配置されている。フレネルレンズ27において、等位相分の厚みで分割されているレンズ曲面の光軸AXを中心とする内径と外径との差は、光軸AXから径方向に離れるにしたがって小さくなる。フレネルレンズ27の射出面27bは、XY平面に平行な平坦面である。
【0024】
なお、平行化レンズ25は、前述のように白色光WL1を平行化可能な光学素子によって構成され、例えばフレネルレンズ27に替えて平凸レンズや非球面レンズによって構成されてもよい。平行化レンズ25から射出される白色光WL1のビーム領域は、XY平面で後述する光変調装置50の変調領域を含む。変調領域は、光変調装置50の画素電極62の複数の画素64が配置されている領域を意味する。このことをふまえ、平行化レンズ25は、単板式のプロジェクター301が備える光変調装置50の変調領域のX軸及びY軸での寸法と同等若しくは当該寸法よりも大きい直径を有する。平行化レンズ25としてフレネルレンズ27が用いられることによって、平行化レンズ25のZ軸での厚みが適度に抑えられる。
【0025】
入射側偏光板30は、平行化レンズ25から射出される白色光WL1の光路上に配置されている。入射側偏光板30は、平行化レンズ25よりも+Z側に配置され、Z軸で平行化レンズ25と間隔をあけて配置されている。平行化レンズ25と入射側偏光板30との間の白色光WL1は、Z軸に沿って進み、偏向されない。そのため、入射側偏光板30は、X軸及びY軸において平行化レンズ25と同じ範囲内に配置されている。入射側偏光板30は、入射する白色光WL1のうちの所定の偏光である白色光WL2を射出する。所定の偏光は、例えばP偏光又はS偏光である。
【0026】
入射側偏光板30は、例えば可視波長帯に感度を有する吸収型の偏光板32である。偏光板32のX軸及びY軸での中心は、光軸AX上に配置されている。偏光板32の入射面32a及び射出面32bは、XY平面に平行である。
【0027】
レンズアレイ40は、入射側偏光板30から射出される白色光WL2の光路上に配置されている。レンズアレイ40は、入射側偏光板30よりも+Z側に配置され、Z軸で入射側偏光板30と間隔をあけて配置されている。入射側偏光板30とレンズアレイ40との間の白色光WL2は、Z軸に沿って進み、偏向されない。そのため、レンズアレイ40は、X軸及びY軸において入射側偏光板30と同じ範囲内に配置されている。レンズアレイ40は、XY平面で白色光WL2を複数の微小領域に分割し、各々の微小領域で白色光WL2を集光する。
【0028】
レンズアレイ40は、複数の微小領域に設けられた複数のマイクロレンズ42を有する。複数のマイクロレンズ42は、X軸及びY軸に沿って並んでいる。レンズアレイ40の入射面40aは、複数のマイクロレンズ42の入射面によって構成されている。レンズアレイ40の射出面40bは、XY平面に平行な平坦面である。複数のマイクロレンズ42については、後に説明する。なお、
図1では、複数のマイクロレンズ42は省略されている。
【0029】
光変調装置50は、レンズアレイ40から射出される白色光WL2の光路上に配置されている。光変調装置50は、レンズアレイ40よりも+Z側に配置され、Z軸でレンズアレイ40と間隔をあけて配置されている。レンズアレイ40と光変調装置50との間の白色光WL2は、Z軸に沿って進み、偏向されない。そのため、光変調装置50は、X軸及びY軸においてレンズアレイ40と同じ範囲内に配置されている。光変調装置50は、入射する白色光WL2を、プロジェクター301の外部に設けられた不図示の画像出力装置から入力される電気信号に応じて変調し、フルカラーの画像光IM1,IM2を生成する。
【0030】
光変調装置50は、カラーフィルター52と、画素電極62によって構成されている。カラーフィルター52は、板状に形成されている。カラーフィルター52のX軸及びY軸での中心と、画素電極62のX軸及びY軸での中心は、光軸AX上に配置されている。カラーフィルター52の入射面52a及び射出面52bは、XY平面に平行である。カラーフィルター52の入射面52aは、レンズアレイ40の射出面40bと対向している。
【0031】
カラーフィルター52は、複数の青色フィルター54Bと、複数の緑色フィルター54Gと、複数の赤色フィルター54Rと、遮光領域56を含む。青色フィルター54Bは、入射する白色光WL2のうちの青色光を透過する。緑色フィルター54Gは、入射する白色光WL2のうちの緑色光を透過する。緑色光のピーク波長は、例えば520nm~570nmの範囲内に含まれる。赤色フィルター54Rは、入射する白色光WL2のうちの赤色光を透過する。赤色光のピーク波長は、例えば590nm~640nmの範囲内に含まれる。遮光領域56は、入射する白色光WL2を遮光し、青色光、緑色光及び赤色光の何れの色光も透過しない。
【0032】
画素電極62は、カラーフィルター52よりも厚く、概ね板状に形成されている。画素電極62の入射面62a及び射出面62bは、XY平面に平行である。画素電極62の入射面62aは、カラーフィルター52の射出面52bと接している。
【0033】
画素電極62は、複数の画素64を有する。複数の画素64は、X軸及びY軸に沿って並んでいる。画素64は、青色サブ画素電極66Bと、緑色サブ画素電極66Gと、赤色サブ画素電極66Rと、を含む。レンズアレイ40の第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズに対する、カラーフィルター52の青色フィルター54B、緑色フィルター54G、赤色フィルター54R、遮光領域56の相対的な配置、及び画素電極62の複数の画素64の青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G、赤色サブ画素電極66Rの相対的な配置については、後に説明する。
【0034】
画素電極62には、前述した不図示の画像出力装置が電気的に接続されている。画像出力装置は、例えばコンピュータやタブレット端末である。画像出力装置から画素電極62に供給される電気信号は、画素電極62が備える図示略の回路や配線等によって各々の画素64の青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G、及び赤色サブ画素電極66Rのそれぞれで変調される色光の変調量に応じた電気信号に変換され、各色のサブ画素電極に供給される。
【0035】
青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G及び赤色サブ画素電極66Rは、例えばポリシリコン薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)で構成されるスイッチング素子を備える。青色サブ画素電極66Bは、青色フィルター54Bを透過する青色光の偏光方向を、画像出力装置から入力される電気信号に応じたスイッチング素子の動作によって変化させる。このことによって、青色サブ画素電極66Bは、入射する青色光を変調し、青色の画像光を射出する。緑色サブ画素電極66Gは、緑色フィルター54Gを透過する緑色光の偏光方向を、画像出力装置から入力される電気信号に応じたスイッチング素子の動作によって変化させる。このことによって、緑色サブ画素電極66Gは、入射する緑色光を変調し、緑色の画像光を射出する。赤色サブ画素電極66Rは、赤色フィルター54Rを透過する赤色光の偏光方向を、画像出力装置から入力される電気信号に応じたスイッチング素子の動作によって変化させる。このことによって、赤色サブ画素電極66Rは、入射する赤色光を変調し、赤色の画像光を射出する。
【0036】
画素電極62の青色サブ画素電極66Bから射出される青色の画像光と、緑色サブ画素電極66Gから射出される緑色の画像光と、赤色サブ画素電極66Rから射出される赤色の画像光は、画素ごとに合成され、フルカラーの画像光IM1になる。画像光IM1は、
図1では省略されている。画像光IM1については、後に説明する。
【0037】
射出側偏光板80は、光変調装置50から射出されるフルカラーの画像光IM1の光路上に配置されている。射出側偏光板80は、光変調装置50の画素電極62よりも+Z側に配置され、光変調装置50に接している。射出側偏光板80は、X軸及びY軸において光変調装置50と同じ範囲内に配置されている。射出側偏光板80は、光変調装置50から入射するフルカラーの画像光IM1のうちの所定の偏光である画像光IM2を射出する。
【0038】
射出側偏光板80は、例えば可視波長帯に感度を有する吸収型の偏光板82である。偏光板82のX軸及びY軸での中心は、光軸AX上に配置されている。偏光板82の入射面82a及び射出面82bは、XY平面に平行である。偏光板82の入射面82aは、画素電極62の射出面62bに接している。
【0039】
集光レンズ85は、射出側偏光板80から射出される画像光IM2の光路上に配置されている。集光レンズ85は、射出側偏光板80よりも+Z側に配置され、Z軸で射出側偏光板80と間隔をあけて配置されている。射出側偏光板80と集光レンズ85との間の画像光IM2は、Z軸に沿って進み、偏向されない。そのため、集光レンズ85は、X軸及びY軸において射出側偏光板80と同じ範囲内に配置されている。集光レンズ85は、入射する画像光IM2をZ軸に沿って+Z側に射出するとともに、画像光IM2を光軸AX上に集光する。
【0040】
集光レンズ85は、例えばフレネルレンズ87によって構成されている。フレネルレンズ87のX軸及びY軸での中心は、光軸AX上に配置されている。フレネルレンズ87の入射面87aは、XY平面に平行な平坦面である。フレネルレンズ87の射出面87bは、画像光IM2のビーム径、強度分布、及び、射出面87bから投射光学系90における画像光IM2までのZ軸での距離に合わせて設計されたレンズ曲面の等位相分が削除されることによって得られる面である。Z軸に沿って見たときに、射出面87bには、XY平面で同心円状に前述のように得られる面が配置されている。フレネルレンズ87ににおいて、等位相分の厚みで分割されているレンズ曲面の光軸AXを中心とする内径と外径との差は、光軸AXから径方向に離れるにしたがって小さくなる。
【0041】
なお、集光レンズ85は、前述のように画像光IM2を集光可能な光学素子によって構成され、例えばフレネルレンズ87に替えて両凸レンズや非球面レンズによって構成されてもよい。集光レンズ85に入射する画像光IM2のビーム領域は、XY平面で光変調装置50の変調領域を含む。このことをふまえ、集光レンズ85は、光変調装置50の変調領域のX軸及びY軸での寸法と同等若しくは当該寸法よりも大きい直径を有する。集光レンズ85としてフレネルレンズ87が用いられることによって、集光レンズ85のZ軸での厚みが適度に抑えられる。
【0042】
投射光学系90は、集光レンズ85によって光軸AX上で集光する画像光IM2の光路上に配置されている。投射光学系90は、集光レンズ85よりも+Z側に配置され、Z軸で集光レンズ85と間隔をあけて配置されている。投射光学系90は、集光レンズ85によって集光された画像光IM2をZ軸に沿って+Z側に投射し、不図示のスクリーン等に拡大表示する。
【0043】
投射光学系90は、例えば平凸レンズ91と、両凹レンズ92と、両凸レンズ93と、を有する。平凸レンズ91のX軸及びY軸での中心と、両凹レンズ92のX軸及びY軸での中心と、両凸レンズ93のX軸及びY軸での中心は、光軸AX上に配置されている。平凸レンズ91の入射面は、-Z側に凸をなす曲面である。平凸レンズ91の射出面は、XY平面に平行な平坦面である。両凹レンズ92の入射面は、+Z側に凹む曲面である。両凹レンズ92の射出面は、-Z側に凹む曲面である。両凸レンズ93の入射面は、-Z側に凸をなす曲面である。両凸レンズ93の射出面は、+Z側に凸をなす曲面である。平凸レンズ91、両凹レンズ92及び両凸レンズ93の各々の入射面の形状及び射出面の形状は、投射光学系90に入射する画像光IM2の放射特性、拡がり角、発散度、Z軸での投射光学系90とスクリーンの表示面との離間距離、及び、投射光学系90からスクリーンに投射するときの画像光IM2の倍率等に合わせて適宜設計されている。
【0044】
なお、投射光学系90は、前述のように入射する画像光IM2を所定の倍率で拡大して投射可能な光学素子によって構成され、平凸レンズ91と、両凹レンズ92と、両凸レンズ93の少なくとも1つのレンズに替えて別の光学レンズを有してもよい。投射光学系90は、1つの光学レンズによって構成されてもよく、4つ以上の光学レンズによって構成されてもよい。光学レンズには、例えば平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、メニスカスレンズ、非球面レンズ、自由曲面レンズ等が含まれる。
【0045】
次に、上述のプロジェクター301における、レンズアレイ40の第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズに対する、カラーフィルター52の青色フィルター54B、緑色フィルター54G、赤色フィルター54R、遮光領域56の相対的な配置、及び、画素電極62の複数の画素64の青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G、赤色サブ画素電極66Rの相対的な配置について、説明する。
【0046】
図2は、レンズアレイ40と光変調装置50のカラーフィルター52の概略図であり、レンズアレイ40及びカラーフィルター52をZ軸に沿って-Z側から見たときの正面図である。但し、カラーフィルター52の構成をわかりやすく示すために、
図2においてレンズアレイ40のマイクロレンズ42の周縁は二点鎖線で示されている。
【0047】
図2に示すように、カラーフィルター52の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G、及び青色フィルター54Bの各々をZ軸に沿って見たときの形状は、矩形である。赤色フィルター54R、緑色フィルター54G、及び青色フィルター54BのX軸での幅は、互いに等しく、x1である。赤色フィルター54R、緑色フィルター54G、及び青色フィルター54BのY軸での幅は、互いに等しく、y1である。幅y1は、幅x1よりも大きく、例えば幅x1の140%~180%である。なお、本明細書における「X軸での幅」はX軸に平行な軸上での寸法を意味し、「Y軸での幅」はY軸に平行な軸上での寸法を意味する。
【0048】
カラーフィルター52では、複数の赤色フィルター54R、複数の緑色フィルター54G、及び、複数の青色フィルター54Bが所謂ストライプ方式で配置されている。
【0049】
具体的には、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G、及び青色フィルター54Bが一組をなし、X軸に沿って-X側から+X側に複数の組が1つの横列をなすように配置されている。Y軸に沿って、複数の横列が配置されている。各々の横列において、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G、青色フィルター54Bは、X軸で互いに幅x2の間隔をあけて順次配置されている。すなわち、X軸で互いに隣り合うフィルターは、互いに異なる色のフィルターである。各々の横列において、赤色フィルター54RのX軸に平行な+Y側の周端、緑色フィルター54GのX軸に平行な+Y側の周端、及び、青色フィルター54BのX軸に平行な+Y側の周端は、Y軸において互いに同じ位置に揃っている。各々の横列において、赤色フィルター54RのX軸に平行な-Y側の周端、緑色フィルター54GのX軸に平行な-Y側の周端、及び青色フィルター54BのX軸に平行な-Y側の周端は、Y軸において互いに同じ位置に揃っている。
【0050】
一方で、複数の赤色フィルター54R、複数の緑色フィルター54G、複数の青色フィルター54BのそれぞれがY軸に沿って1つの縦列をなすように並び、X軸で複数の縦列をなすように配置されている。各々の縦列において、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G、青色フィルター54Bのうちの何れかの色のフィルターは、Y軸で互いに幅y2の間隔をあけて配置されている。すなわち、Y軸で互いに隣り合うフィルターは、互いに同じ色のフィルターである。幅y2は、幅x2よりも大きく、例えば幅x2の120%~160%である。
【0051】
複数の赤色フィルター54Rが配置されている列において、Y軸で隣り合う赤色フィルター54RのそれぞれのY軸に平行な-X側の周端は、X軸において互いに同じ位置に揃っている。Y軸で隣り合う赤色フィルター54RのそれぞれのY軸に平行な+X側の周端は、X軸において互いに同じ位置に揃っている。複数の緑色フィルター54Gが配置されている列において、Y軸で隣り合う緑色フィルター54GのそれぞれのY軸に平行な-X側の周端は、X軸において互いに同じ位置に揃っている。Y軸で隣り合う緑色フィルター54GのそれぞれのY軸に平行な+X側の周端は、X軸において互いに同じ位置に揃っている。複数の青色フィルター54Bが配置されている列において、Y軸で隣り合う青色フィルター54BのそれぞれのY軸に平行な-X側の周端は、X軸において互いに同じ位置に揃っている。Y軸で隣り合う青色フィルター54BのそれぞれのY軸に平行な+X側の周端は、X軸において互いに同じ位置に揃っている。
【0052】
遮光領域56は、X軸で互いに隣り合う赤色フィルター54Rと緑色フィルター54Gとの間、緑色フィルター54Gと青色フィルター54Bとの間、及び、青色フィルター54Bと赤色フィルター54Rとの間の幅x2の領域に設けられている。遮光領域56は、Y軸で互いに隣り合う赤色フィルター54R同士の間、緑色フィルター54G同士の間、及び、青色フィルター54B同士の間の幅y2の領域に設けられている。遮光領域56は、複数の赤色フィルター54R、複数の緑色フィルター54G及び複数の青色フィルター54BのうちでZ軸に沿って見たときにカラーフィルター52の外周部分に配置されている赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの何れかの色フィルターに隣接する外周側の領域にも設けられている。
【0053】
レンズアレイ40の複数のマイクロレンズ42は、第1レンズ44Bと、第2レンズ44Gと、第3レンズ44Rと、を有する。第1レンズ44Bは、入射する白色光WL2をカラーフィルター52の青色フィルター54Bに向けて射出する。第2レンズ44Gは、入射する白色光WL2をカラーフィルター52の緑色フィルター54Gに向けて射出する。第3レンズ44Rは、入射する白色光WL2をカラーフィルター52の赤色フィルター54Rに向けて射出する。
【0054】
レンズアレイ40では、第3レンズ44R、第2レンズ44G及び第1レンズ44Bが一組をなし、X軸に沿って-X側から+X側に複数の組が1つの横列をなすように配置されている。Y軸に沿って、複数の横列が配置されている。各々の横列において、第3レンズ44R、第2レンズ44G、第1レンズ44Bは、X軸で互いに間隔をあけずに隣接している。複数の第3レンズ44R、複数の第2レンズ44G、複数の第1レンズ44BがY軸に沿って一列をなすように並び、X軸で複数の列をなすように配置されている。各列において、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G、青色フィルター54Bのうちの何れかの色のフィルターは、Y軸に沿って、互いに間隔をあけずに隣接している。
【0055】
第2レンズ44Gは、カラーフィルター52の緑色フィルター54Gに対応して設けられている。レンズアレイ40における第2レンズ44Gの総数は、カラーフィルター52における緑色フィルター54Gの総数と同じであり、画素電極62の複数の画素64に含まれる緑色サブ画素電極66Gの総数と同じである。第2レンズ44Gは、Z軸に沿って見たときに、少なくとも緑色フィルター54Gと重なり、X軸及びY軸において緑色フィルター54Gよりも大きい。以下では、第2レンズ44Gに対応する緑色フィルター54Gとは、カラーフィルター52の複数の緑色フィルター54Gのうちで、Z軸に沿って見たときに少なくとも一部が当該第2レンズ44Gと重なる緑色フィルター54Gを意味する。
【0056】
第2レンズ44GをZ軸に沿って見たときの形状は、矩形である。第2レンズ44GのY軸に平行な-X側の周端は、対応する緑色フィルター54GのY軸に平行な-X側の周端よりも-X側に配置されている。第2レンズ44GのY軸に平行な-X側の周端は、X軸において、対応する緑色フィルター54Gに遮光領域46を挟んで隣り合い、且つ対応する緑色フィルター54Gよりも-X側の赤色フィルター54Rの領域に配置されている。第2レンズ44GのY軸に平行な-X側の周端と、第2レンズ44Gに対応する緑色フィルター54Gに-X側で隣り合う赤色フィルター54RのY軸に平行な+X側の周端とのX軸での距離をd1とする。
【0057】
第2レンズ44GのY軸に平行な+X側の周端は、対応する緑色フィルター54GのY軸に平行な+X側の周端よりも+X側に配置されている。第2レンズ44GのY軸に平行な+X側の周端は、X軸において、対応する緑色フィルター54Gに遮光領域46を挟んで隣り合い、且つ対応する緑色フィルター54Gよりも+X側の青色フィルター54Bの領域に配置されている。第2レンズ44GのY軸に平行な+X側の周端と、第2レンズ44Gに対応する緑色フィルター54Gに+X側で隣り合う青色フィルター54BのY軸に平行な-X側の周端とのX軸での距離は、d1である。
【0058】
第2レンズ44GのX軸に平行な+Y側の周端は、対応する緑色フィルター54GのX軸に平行な+Y側の周端よりも+Y側に配置されている。第2レンズ44GのX軸に平行な+Y側の周端は、Y軸において、対応する緑色フィルター54Gに隣り合い且つ対応する緑色フィルター54Gよりも+Y側の遮光領域56に配置されている。第2レンズ44GのX軸に平行な+Y側の周端と、第2レンズ44Gに対応する緑色フィルター54GのX軸に平行な+Y側の周端とのY軸での距離をd2とする。
【0059】
第2レンズ44GのX軸に平行な-Y側の周端は、対応する緑色フィルター54GのX軸に平行な-Y側の周端よりも-Y側に配置されている。第2レンズ44GのX軸に平行な-Y側の周端は、Y軸において、対応する緑色フィルター54Gに隣り合い且つ対応する緑色フィルター54Gよりも-Y側の遮光領域56に配置されている。第2レンズ44GのX軸に平行な-Y側の周端と、第2レンズ44Gに対応する緑色フィルター54GのX軸に平行な-Y側の周端とのY軸での距離は、d2である。距離d2は、幅y2の50%程度である。
【0060】
第2レンズ44GのX軸での幅XGは、XG=(x1)+2×(x2)+2×(d1)である。第2レンズ44GのY軸での幅YGは、YG=(y1)+2×(d2)=(y1)+2×(y2/2)=(y1)+(y2)である。
【0061】
第2レンズ44Gの入射面44aの面積及び射出面44bの面積は、対応する緑色フィルター54Gの入射面54aの面積及び射出面54bの面積よりも大きく、対応する緑色フィルター54GにX軸で隣接する赤色フィルター54Rや青色フィルター54Bの入射面54aの面積及び射出面54bの面積よりも大きい。
【0062】
第3レンズ44Rは、カラーフィルター52の赤色フィルター54Rに対応して設けられている。レンズアレイ40における第3レンズ44Rの総数は、カラーフィルター52における赤色フィルター54Rの総数と同じであり、画素電極62の複数の画素64に含まれる赤色サブ画素電極66Rの総数と同じである。第3レンズ44Rは、Z軸に沿って見たときに、赤色フィルター54Rの一部と重なり、例えば赤色フィルター54Rの-X側の部分と重なっている。以下では、第3レンズ44Rに対応する赤色フィルター54Rとは、カラーフィルター52の複数の赤色フィルター54Rのうちで、Z軸に沿って見たときに少なくとも一部が当該第3レンズ44Rと重なる赤色フィルター54Rを意味する。
【0063】
第3レンズ44RをZ軸に沿って見たときの形状は、矩形である。第3レンズ44RのY軸に平行な-X側の周端は、対応する赤色フィルター54RのY軸に平行な-X側の周端よりも-X側に配置されている。第3レンズ44RのY軸に平行な-X側の周端は、Z軸に沿って見たときに、X軸において、対応する赤色フィルター54Rに隣り合い、且つ対応する赤色フィルター54Rよりも-X側に配置されている遮光領域56と重なっている。第3レンズ44RのY軸に平行な-X側の周端と、第3レンズ44Rに対応する赤色フィルター54RのY軸に平行な-X側の周端とのX軸での距離をd3とする。距離d3は、幅x2の50%程度である。
【0064】
第3レンズ44RのY軸に平行な+X側の周端は、X軸において、対応する赤色フィルター54RのY軸に平行な-X側の周端と+X側の周端との間に配置され、Z軸に沿って見たときに対応する赤色フィルター54Rと重なっている。第3レンズ44RのY軸に平行な+X側の周端は、Z軸に沿って見たときに、対応する赤色フィルター54RのX軸での中心よりも+X側の遮光領域56と重なっている。第3レンズ44RのY軸に平行な+X側の周端は、X軸において+X側に隣接する第2レンズ44GのY軸に平行な-X側の周端と重なっている。
【0065】
第3レンズ44RのX軸に平行な+Y側の周端は、対応する赤色フィルター54RのX軸に平行な+Y側の周端よりも+Y側に配置されている。第3レンズ44RのX軸に平行な+Y側の周端は、Y軸において、第2レンズ44GのX軸に平行な+Y側の周端と同じ位置に配置されている。第3レンズ44RのX軸に平行な-Y側の周端は、対応する赤色フィルター54RのX軸に平行な-Y側の周端よりも-Y側に配置されている。第3レンズ44RのX軸に平行な-Y側の周端は、Y軸において、第2レンズ44GのX軸に平行な-Y側の周端と同じ位置に配置されている。
【0066】
第3レンズ44RのX軸での幅XRは、XR={(x1)-(d1)}+(d3)={(x1)-(d1)}+(x2/2)であり、第2レンズ44Gの幅XGよりも小さい。第3レンズ44RのY軸での幅YRは、YR=YG=(y1)+2×(d2)=(y1)+2×(y2/2)=(y1)+(y2)であり、第2レンズ44Gの幅YGと同じである。
【0067】
第1レンズ44Bは、カラーフィルター52の青色フィルター54Bに対応して設けられている。レンズアレイ40における第1レンズ44Bの総数は、カラーフィルター52における青色フィルター54Bの総数と同じであり、画素電極62の複数の画素64に含まれる青色サブ画素電極66Bの総数と同じである。第1レンズ44Bは、Z軸に沿って見たときに、青色フィルター54Bの一部と重なり、例えば青色フィルター54Bの-X側の部分と重なっている。以下では、第1レンズ44Bに対応する青色フィルター54Bとは、カラーフィルター52の複数の青色フィルター54Bのうちで、その第1レンズ44Bに対してZ軸に沿って見たときに一部が重なる青色フィルター54Bを意味する。
【0068】
第1レンズ44BをZ軸に沿って見たときの形状は、矩形である。第1レンズ44BのY軸に平行な-X側の周端は、X軸において、対応する青色フィルター54BのY軸に平行な-X側の周端と+X側の周端との間に配置され、Z軸に沿って見たときに対応する青色フィルター54Bと重なっている。第1レンズ44BのY軸に平行な-X側の周端は、Z軸に沿って見たときに、対応する青色フィルター54BのX軸での中心よりも-X側の遮光領域56と重なっている。第1レンズ44BのY軸に平行な-X側の周端は、X軸において-X側に隣接する第2レンズ44GのY軸に平行な+X側の周端と重なっている。
【0069】
第1レンズ44BのY軸に平行な+X側の周端は、対応する青色フィルター54BのY軸に平行な+X側の周端よりも+X側に配置されている。第1レンズ44BのY軸に平行な+X側の周端は、Z軸に沿って見たときに、X軸において、対応する青色フィルター54Bに隣り合い且つ対応する青色フィルター54Bよりも+X側に配置されている遮光領域56と重なっている。第1レンズ44BのY軸に平行な+X側の周端と、第1レンズ44Bに対応する青色フィルター54BのY軸に平行な+X側の周端とのX軸での距離は、d3である。
【0070】
第1レンズ44BのX軸に平行な+Y側の周端は、対応する青色フィルター54BのX軸に平行な+Y側の周端よりも+Y側に配置されている。第1レンズ44BのX軸に平行な+Y側の周端は、Y軸において、第2レンズ44GのX軸に平行な+Y側の周端と同じ位置に配置されている。第1レンズ44BのX軸に平行な-Y側の周端は、対応する青色フィルター54BのX軸に平行な-Y側の周端よりも-Y側に配置されている。第1レンズ44BのX軸に平行な-Y側の周端は、Y軸において、第2レンズ44GのX軸に平行な-Y側の周端と同じ位置に配置されている。
【0071】
第1レンズ44BのX軸での幅XBは、XB={(x1)-(d1)}+(d3)={(x1)-(d1)}+(x2/2)であり、第2レンズ44Gの幅XGよりも小さく、第3レンズ44Rの幅XRと同じである。第1レンズ44BのY軸での幅YBは、YB=YG=(y1)+2×(d2)=(y1)+2×(y2/2)=(y1)+(y2)であり、第2レンズ44Gの幅YG及び第3レンズ44Rの幅YRと同じである。
【0072】
第2レンズ44Gの入射面44aの面積及び射出面44bの面積は、第1レンズ44Bの入射面44aの面積及び射出面44bの面積、及び、第3レンズ44Rの入射面44aの面積及び射出面44bの面積よりも大きい。
【0073】
図3は、レンズアレイ40と光変調装置50のカラーフィルター52及び画素電極62の概略図であり、
図2に示すC1-C1線で矢視した場合の断面図である。
図3に示すように、画素電極62の複数の画素64に含まれる赤色サブ画素電極66Rは、Z軸に沿って見たときに、カラーフィルター52の赤色フィルター54Rと重なっている。複数の赤色サブ画素電極66Rは、XY平面において複数の赤色フィルター54Rと同じ位置に配置されている。赤色サブ画素電極66Rの入射面66a及び射出面66bのZ軸に沿って見たときの形状及び面積は、赤色フィルター54Rの入射面54a及び射出面54bの形状及び面積と同じである。
【0074】
画素電極62の複数の画素64に含まれる緑色サブ画素電極66Gは、Z軸に沿って見たときに、カラーフィルター52の緑色フィルター54Gと重なっている。複数の緑色サブ画素電極66Gは、XY平面において複数の緑色フィルター54Gと同じ位置に配置されている。緑色サブ画素電極66Gの入射面66a及び射出面66bの形状及び面積は、緑色フィルター54Gの入射面54a及び射出面54bのZ軸に沿って見たときの形状及び面積と同じである。
【0075】
画素電極62の複数の画素64に含まれる青色サブ画素電極66Bは、Z軸に沿って見たときに、カラーフィルター52の青色フィルター54Bと重なっている。複数の青色サブ画素電極66Bは、XY平面において複数の青色フィルター54Bと同じ位置に配置されている。青色サブ画素電極66Bの入射面66a及び射出面66bの形状及び面積は、青色フィルター54Bの入射面54a及び射出面54bのZ軸に沿って見たときの形状及び面積と同じである。
【0076】
画素電極62において、X軸及びY軸で赤色サブ画素電極66R、緑色サブ画素電極66G及び青色サブ画素電極66Bの何れかのサブ画素電極同士の間に、配線領域68が設けられている。配線領域68には、赤色サブ画素電極66R、緑色サブ画素電極66G及び青色サブ画素電極66Bの何れかのサブ画素電極を、前述のように不図示の画像出力装置から回路基板等を介して供給される電気信号に合わせて駆動するための配線や回路等が形成されている。配線領域68は、Z軸に沿って見たときに、カラーフィルター52の遮光領域56と重なっている。そのため、白色光WL2は、配線領域68には照射されない。
【0077】
光変調装置50の1つの画素64は、カラーフィルター52においてX軸に沿って並んでいる一組の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bと、X軸で互いに隣り合う赤色フィルター54Rと緑色フィルター54Gとの間の遮光領域56と、緑色フィルター54Gと青色フィルター54Bとの間の遮光領域56と、Z軸に沿って見たときに一組の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54BをX軸及びY軸に沿って囲む遮光領域56を有する。1つの画素64において、一組の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bに+Y側及び-Y側の各々から接してX軸に沿って延在する遮光領域56のY軸での幅は、(y2/2)である。1つの画素64において、赤色フィルター54Rに-X側から接してY軸に沿って延在する遮光領域56のX軸での幅は、(x2/2)である。1つの画素64において、青色フィルター54Bに+X側から接してY軸に沿って延在する遮光領域56のX軸での幅は、(x2/2)である。
【0078】
光変調装置50の1つの画素64は、Z軸に沿って見たときに、カラーフィルター52において1つの画素64を構成する上述の構成要素と重なる領域の画素電極62の構成要素を有する。すなわち、1つの画素64は、X軸に沿って配置された一組の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bに対応する赤色サブ画素電極66R、緑色サブ画素電極66G及び青色サブ画素電極66Bと、Z軸に沿って見たときに画素64の遮光領域56と重なる配線領域68と、を有する。
【0079】
X軸において、レンズアレイ40の第2レンズ44Gの入射面44aすなわちレンズ面は、入射する白色光WL2に含まれる緑色光GLを画素64の緑色サブ画素電極66Gの集光点MGに集光する。集光点MGは、例えば、緑色サブ画素電極66GのX軸、Y軸及びZ軸での中心に設定されている。
【0080】
白色光WL2は、X軸で集光点MGを中心に幅XGの範囲で第2レンズ44Gに入射する。第2レンズ44Gの入射面44aは、例えば、X軸において集光点MGと同じ位置を頂点として-Z側に凸をなす曲面であり、頂点よりも+Z側の主点HGと集光点MGとのZ軸での離間距離PLに応じて設計される曲面である。第2レンズ44Gの主点HGは、第2レンズ44Gの主面上に配置されている。第2レンズ44Gの主面は、Z軸において第2レンズ44Gの入射面44aの頂点と第2レンズ44Gの射出面44bとの間に存在し、XY平面に平行である。主点HGは、X軸において第2レンズ44Gに対応する緑色サブ画素電極66Gの中央と同じ位置に配置されている。
【0081】
離間距離PLは、第2レンズ44Gの幅XGと、緑色フィルター54G及び緑色サブ画素電極66Gの幅x1と、緑色フィルター54G及び緑色サブ画素電極66GのZ軸での厚みを考慮して設計されている。離間距離PLは、第2レンズ44Gによって集光されて緑色フィルター54Gの入射面54aに照射される白色光WL2のX軸でのビーム幅が幅x1よりも小さくなるように、適切に設計されている。
【0082】
入射面54aから緑色フィルター54Gに入射する白色光WL2のうちの緑色光GLのみが緑色フィルター54Gを透過し、緑色フィルター54Gの射出面54bから射出され、入射面66aから緑色サブ画素電極66Gに入射し、集光点MGに集光する。前述のように緑色フィルター54Gの入射面54aでの白色光WL2のX軸でのビーム幅が幅x1よりも小さいことによって、緑色フィルター54Gに入射する白色光WL2の損失、及び緑色サブ画素電極66Gに集光される緑色光GLの損失は、低減される。
【0083】
Z軸に沿って見たとき、第2レンズ44Gの入射面44aの頂点及び緑色サブ画素電極66Gの集光点MGは、第2レンズ44Gの幅XGのX軸での中心に配置されている。そのため、X軸において、第2レンズ44Gに偏心がない。第2レンズ44Gの射出面44bは、第2レンズ44Gの入射面44aよりも+Z側に配置され、XY平面に平行な平坦面である。
【0084】
X軸において、レンズアレイ40の第3レンズ44Rの入射面44aすなわちレンズ面は、入射する白色光WL2に含まれる赤色光RLを画素64の赤色サブ画素電極66Rの集光点MRに集光する。集光点MRは、例えば、赤色サブ画素電極66RのX軸、Y軸及びZ軸での中心に設定されている。
【0085】
白色光WL2は、X軸で幅XRの範囲で第3レンズ44Rに入射する。赤色サブ画素電極66Rの集光点MRは、第3レンズ44Rの幅XRのX軸での中心よりも+X側に配置されている。第3レンズ44Rの入射面44aは、例えば、X軸において集光点MRと同じ位置を頂点として-Z側に凸をなす曲面であり、赤色光の中心波長、及び前述の頂点よりも+Z側の主点HRと集光点MRとのZ軸での離間距離PLに応じて設計される曲面である。第3レンズ44Rの入射面44aは、第3レンズ44Rの幅XRと、赤色フィルター54R及び赤色サブ画素電極66Rの幅x1と、赤色フィルター54R及び赤色サブ画素電極66RのZ軸での厚みと、離間距離PLと、を考慮して設計されている。第3レンズ44Rの主点HRは、第3レンズ44Rの主面上に配置されている。第3レンズ44Rの主面は、Z軸において第3レンズ44Rの入射面44aの頂点と第3レンズ44Rの射出面44bとの間に存在し、XY平面に平行である。主点HRは、X軸において第3レンズ44Rに対応する赤色サブ画素電極66Rの中央と同じ位置に配置されている。
【0086】
第3レンズ44Rによって集光されて赤色フィルター54Rの入射面54aに照射される白色光WL2のX軸でのビーム幅は、幅x1よりも小さい。入射面54aから赤色フィルター54Rに入射する白色光WL2のうちの赤色光RLのみが赤色フィルター54Rを透過し、赤色フィルター54Rの射出面54bから射出され、入射面66aから赤色サブ画素電極66Rに入射し、集光点MRに集光する。前述のように赤色フィルター54Rの入射面54aでの白色光WL2のX軸でのビーム幅が幅x1よりも小さいことによって、赤色フィルター54Rに入射する白色光WL2の損失、及び赤色サブ画素電極66Rに集光される赤色光RLの損失は、低減される。
【0087】
Z軸に沿って見たとき、第3レンズ44Rの入射面44aの頂点及び赤色サブ画素電極66Rの集光点MRは、第3レンズ44Rの幅XRのX軸での中心から+X側にずれている。そのため、X軸において、第3レンズ44Rに偏心がある。第3レンズ44Rの射出面44bは、第3レンズ44Rの入射面44aよりも+Z側に配置され、XY平面に平行な平坦面である。
【0088】
X軸において、レンズアレイ40の第1レンズ44Bの入射面44aすなわちレンズ面は、入射する白色光WL2に含まれる青色光BLを画素64の青色サブ画素電極66Bの集光点MBに集光する。集光点MBは、例えば、青色サブ画素電極66BのX軸、Y軸及びZ軸での中心に設定されている。
【0089】
白色光WL2は、X軸で幅XBの範囲で第1レンズ44Bに入射する。青色サブ画素電極66Bの集光点MBは、第1レンズ44Bの幅XBのX軸での中心よりも-X側に配置されている。第1レンズ44Bの入射面44aは、例えば、X軸において集光点MBと同じ位置を頂点として-Z側に凸をなす曲面であり、青色光の中心波長、及び前述の頂点よりも+Z側の主点HBと集光点MBとのZ軸での離間距離PLに応じて設計される曲面である。第1レンズ44Bの入射面44aは、第1レンズ44Bの幅XBと、青色フィルター54B及び青色サブ画素電極66Bの幅x1と、青色フィルター54B及び青色サブ画素電極66BのZ軸での厚みと、離間距離PLと、を考慮して設計されている。第1レンズ44Bの主点HBは、第1レンズ44Bの主面上に配置されている。第1レンズ44Bの主面は、Z軸において第1レンズ44Bの入射面44aの頂点と第1レンズ44Bの射出面44bとの間に存在し、XY平面に平行である。主点HBは、X軸において第1レンズ44Bに対応する青色サブ画素電極66Bの中央と同じ位置に配置されている。
【0090】
第1レンズ44Bによって集光されて青色フィルター54Bの入射面54aに照射される白色光WL2のX軸でのビーム幅は、幅x1よりも小さい。入射面54aから青色フィルター54Bに入射する白色光WL2のうちの青色光BLのみが青色フィルター54Bを透過し、青色フィルター54Bの射出面54bから射出され、入射面66aから青色サブ画素電極66Bに入射し、集光点MBに集光する。前述のように青色フィルター54Bの入射面54aでの白色光WL2のX軸でのビーム幅が幅x1よりも小さいことによって、青色フィルター54Bに入射する白色光WL2の損失、及び青色サブ画素電極66Bに集光される青色光BLの損失は、低減される。
【0091】
なお、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率は、少なくとも赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率、及び青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率よりも高く、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率、及び青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率と同等である。
【0092】
図4は、レンズアレイ40と光変調装置50のカラーフィルター52及び画素電極62の概略図であり、
図2に示すC2-C2線で矢視した場合の断面図である。
図4に示すように、第2レンズ44Gの入射面44aは、例えば、Y軸において集光点MGと同じ位置を頂点として-Z側に凸をなす曲面であり、緑色光GLの中心波長及び離間距離PLに応じて設定される曲面である。第2レンズ44Gの主点HGは、Y軸において第2レンズ44Gに対応する緑色サブ画素電極66Gの中央と同じ位置に配置されている。
【0093】
第2レンズ44Gによって集光されて緑色フィルター54Gの入射面54aに照射される白色光WL2のY軸でのビームは、幅y1よりも小さい。入射面54aから緑色フィルター54Gに入射する白色光WL2のうちの緑色光GLのみが緑色フィルター54Gを透過し、緑色フィルター54Gの射出面54bから射出され、入射面66aから緑色サブ画素電極66Gに入射し、集光点MGに集光する。前述のように緑色フィルター54Gの入射面54aでの白色光WL2のY軸でのビーム幅が幅y1よりも小さいことによって、緑色フィルター54Gに入射する白色光WL2の損失、及び緑色サブ画素電極66Gに集光される青色光BLの損失は、低減される。
【0094】
Z軸に沿って見たとき、第2レンズ44Gの入射面44aの頂点及び緑色サブ画素電極66Gの集光点MGは、第2レンズ44Gの幅YGのY軸での中心に配置されている。そのため、Y軸においても、第2レンズ44Gに偏心がない。
【0095】
図示されていないが、Y軸において、第3レンズ44Rの入射面44aは、例えば、集光点MRと同じ位置を頂点として-Z側に凸をなし、赤色光RLの中心波長及び離間距離PLに応じて設定される曲面である。第3レンズ44Rの主点HRは、Y軸において第3レンズ44Rに対応する赤色サブ画素電極66Rの中央と同じ位置に配置されている。Y軸においても、入射面54aから赤色フィルター54Rに入射する白色光WL2のうちの赤色光RLのみが赤色フィルター54Rを透過し、赤色サブ画素電極66Rに入射し、集光点MRに集光する。
【0096】
第3レンズ44Rによって集光されて赤色フィルター54Rの入射面54aに照射される白色光WL2のY軸でのビームは、幅y1よりも小さい。Y軸においても、赤色フィルター54Rに入射する白色光WL2の損失、及び赤色サブ画素電極66Rに集光される赤色光RLの損失は、低減される。
【0097】
Z軸に沿って見たとき、第3レンズ44Rの入射面44aの頂点及び赤色サブ画素電極66Rの集光点MRは、第3レンズ44Rの幅YRのY軸での中心に配置されている。そのため、Y軸においては、第3レンズ44Rに偏心がない。
【0098】
また、Y軸において、第1レンズ44Bの入射面44aは、例えば、集光点MBと同じ位置を頂点として-Z側に凸をなし、青色光BLの中心波長及び離間距離PLに応じて設定される曲面である。第1レンズ44Bの主点HBは、Y軸において第1レンズ44Bに対応する青色サブ画素電極66Bの中央と同じ位置に配置されている。Y軸においても、入射面54aから青色フィルター54Bに入射する白色光WL2のうちの青色光BLのみが青色フィルター54Bを透過し、青色サブ画素電極66Bに入射し、集光点MRに集光する。
【0099】
第1レンズ44Bによって集光されて青色フィルター54Bの入射面54aに照射される白色光WL2のY軸でのビームは、幅y1よりも小さい。Y軸においても、赤色フィルター54Rに入射する白色光WL2の損失、及び赤色サブ画素電極66Rに集光される赤色光RLの損失が低減される。
【0100】
Z軸に沿って見たとき、第1レンズ44Bの入射面44aの頂点及び青色サブ画素電極66Bの集光点MBは、第1レンズ44Bの幅YBのY軸での中心に配置されている。そのため、Y軸においては、第1レンズ44Bに偏心がない。
【0101】
図5は、レンズアレイ40の斜視図である。
図5には、カラーフィルター52の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bが二点鎖線で示されている。レンズアレイ40の第2レンズ44Gの入射面44aにおけるX軸に平行な成分は、幅XGを有効口径とし、図示略の第2レンズ44Gの主点HGと緑色サブ画素電極66Gの集光点MGとのZ軸での離間距離PLを焦点距離として設計されている。第2レンズ44Gの入射面44aにおけるY軸に平行な成分は、幅XGよりも大きい幅YGを有効口径とし、主点HGと集光点MGとのZ軸での離間距離PLを焦点距離として設計されている。そのため、Y軸に沿って断面視したときの第2レンズ44Gの入射面44aの開口数(Numerical Aperture;NA)は、X軸に沿って断面視したときの第2レンズ44Gの入射面44aの開口数よりも大きい。
【0102】
レンズアレイ40の第3レンズ44Rの入射面44aにおけるX軸に平行な成分は、第2レンズ44Gの幅XGよりも小さい幅XRを有効口径とし、図示略の第3レンズ44Rの主点HRと赤色サブ画素電極66Rの集光点MRとのZ軸での離間距離PLを焦点距離として設計されている。第3レンズ44Rの入射面44aにおけるY軸に平行な成分は、幅XRよりも大きい幅YRを有効口径とし、主点HRと集光点MRとのZ軸での離間距離PLを焦点距離として設計されている。そのため、X軸に沿って断面視したときの第3レンズ44Rの入射面44aの開口数は、同じくX軸に沿って断面視したときの第2レンズ44Gの入射面44aの開口数よりも小さい。Y軸に沿って断面視したときの第3レンズ44Rの入射面44aの開口数は、X軸に沿って断面視したときの第3レンズ44Rの入射面44aの開口数よりも大きく、Y軸に沿って断面視したときの第2レンズ44Gの入射面44aの開口数と同等である。
【0103】
レンズアレイ40の第1レンズ44Bの入射面44aにおけるX軸に平行な成分は、第2レンズ44Gの幅XGよりも小さい幅XBを有効口径とし、図示略の第1レンズ44Bの主点HBと青色サブ画素電極66Bの集光点MBとのZ軸での離間距離PLを焦点距離として設計されている。第1レンズ44Bの入射面44aにおけるY軸に平行な成分は、幅XBよりも大きい幅YBを有効口径とし、主点HBと集光点MBとのZ軸での離間距離PLを焦点距離として設計されている。そのため、X軸に沿って断面視したときの第1レンズ44Bの入射面44aの開口数は、同じくX軸に沿って断面視したときの第2レンズ44Gの入射面44aの開口数よりも小さい。Y軸に沿って断面視したときの第1レンズ44Bの入射面44aの開口数は、X軸に沿って断面視したときの第1レンズ44Bの入射面44aの開口数よりも大きく、Y軸に沿って断面視したときの第2レンズ44Gの入射面44aの開口数と同等である。
【0104】
レンズアレイ40に入射する白色光WL2は、平行化レンズ25によって平行化されている。XY平面において、単位面積当たりの白色光WL2の光量は、略均一とされている。レンズアレイ40の第2レンズ44Gの幅XGは、第1レンズ44Bの幅XB及び第3レンズ44Rの幅XRよりも大きい。第2レンズ44Gの幅YGは、第1レンズ44Bの幅YB及び第3レンズ44Rの幅YRと同等である。そのため、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量は、第1レンズ44B及び第3レンズ44Rのそれぞれに取り込まれる白色光WL2の光量よりも多い。第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量と第1レンズ44B及び第3レンズ44Rのそれぞれに取り込まれる白色光WL2の光量との光量差は、第2レンズ44GのXY平面での面積と第1レンズ44B及び第3レンズ44RのそれぞれのXY平面での面積との差に依存する。上述の構成では、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量と第1レンズ44B及び第3レンズ44Rのそれぞれに取り込まれる白色光WL2の光量との光量差は、(XG-XB)及び(XG-XR)に依存する。
【0105】
白色光WL2に含まれる緑色光GLの光量は、赤色光RLの光量及び青色光BLの光量と同等である、或いはこれらの色光の光量よりも多い。そのため、第2レンズ44Gに取り込まれて緑色サブ画素電極66Gに集光される緑色光GLの光量は、第3レンズ44Rに取り込まれて赤色サブ画素電極66Rに集光される赤色光RLの光量、及び第1レンズ44Bに取り込まれて青色サブ画素電極66Bに集光される青色光BLの光量よりも多い。したがって、1つの画素64において、緑色サブ画素電極66Gに入射する緑色光GLの光量は、赤色サブ画素電極66Rに入射する赤色光RLの光量及び青色サブ画素電極66Bに入射する青色光BLの光量よりも多い。
【0106】
図3及び
図4に示すように、画素電極62の緑色サブ画素電極66Gに入射する緑色光GLは、既に説明したようにようにスイッチング素子によって緑色の画像光IGに変調される。緑色の画像光IGは、スイッチング素子に供給される緑色光GLに関する電気信号に応じた強度及び光量を有し、緑色サブ画素電極66Gの射出面66bからZ軸に沿って+Z側に射出される。同様に、赤色サブ画素電極66Rに入射する赤色光RLは、スイッチング素子によって赤色の画像光IRに変調される。赤色の画像光IRは、スイッチング素子に供給される赤色光RLに関する電気信号に応じた強度及び光量を有し、赤色サブ画素電極66Rの射出面66bからZ軸に沿って+Z側に射出される。青色サブ画素電極66Bに入射する青色光BLは、スイッチング素子によって青色の画像光IBに変調される。青色の画像光IBは、スイッチング素子に供給される青色光BLに関する電気信号に応じた強度及び光量を有し、青色サブ画素電極66Bの射出面66bからZ軸に沿って+Z側に射出される。
【0107】
図1に示すように、赤色サブ画素電極66R、緑色サブ画素電極66G及び青色サブ画素電極66Bの射出面66b、すなわち画素電極62の射出面62bから射出される画像光IR,IG,IBは、互いに合成され、フルカラーの画像光IM1を形成する。赤色サブ画素電極66Rで赤色光RLが変調される際の電気信号の強度と、緑色サブ画素電極66Gで緑色光GLが変調される際の電気信号の強度と、青色サブ画素電極66Bで青色光BLが変調される際の電気信号の強度が互いに同等であるとき、画像光IM1に含まれる緑色の画像光IGの光量は、画像光IM1に含まれる赤色の画像光IR及び青色の画像光IBの光量よりも多い。
【0108】
画像光IM1は、上述のように射出側偏光板80及び集光レンズ85を通り、画像光IM2として、投射光学系90によって不図示のスクリーンに向けて拡大及び投射され、スクリーンにおいて投射光学系90と光軸AX上で対向する表示面に表示される。スクリーンに表示される画像や映像では、画像光IM2におけるカラーバランスが保持されているため、緑色の光量が赤色や青色の光量よりも相対的に多い。観察者は、視感度に合わせて緑色の光量が多い画像や映像を観察し、全体として明るい画像や映像を視認することができる。
【0109】
次に、カラーフィルター52の赤色フィルター54Rを透過する赤色光RLの透過率と、緑色フィルター54Gを透過する緑色光GLの透過率と、青色フィルター54Bを透過する青色光BLの透過率に対する画像光IM1の明るさ及びホワイトバランスについて、数値計算を行った結果について説明する。
【0110】
表1に、数値計算パターン[1]から数値パターン[7]の数値計算結果を示す。数値計算パターン[1]から数値パターン[7]の各数値パターンでは、赤色光RLのピーク波長を610nmとし、緑色光GLのピーク波長を550nmとし、青色光BLのピーク波長を450nmと設定した。
【0111】
【0112】
数値計算パターン[1]は、本数値計算例の基準となるパターンである。数値計算パターン[1]では、仮に、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率と、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率と、青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率が互いに等しい、と想定した。
【0113】
数値計算パターン[1]の各色フィルターの透過率が実現される参考例としては、例えば、上述説明した本実施形態の構成において、レンズアレイ40の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの各々のZ軸に沿って見たときの形状及び面積が画素電極62において各々のレンズに対応する青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G或いは赤色サブ画素電極66Rと同等である場合が挙げられる。この場合では、Z軸に沿って見たときに、各々のレンズが対応する青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G及び赤色サブ画素電極66Rと重なっている。また、X軸及びY軸において各レンズに偏心がない。
【0114】
数値計算パターン[1]では、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bをそれぞれ透過する色光が合成されたときの画像光IM1の色温度は8831[K]と算出され、画像光IM1の色偏差は-0.014と算出された。
【0115】
表1の「赤色F」、「緑色F」及び「青色F」の各欄の数値は、数値パターン[1]で想定した赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの各々での色光の透過率を100%としたときの各数値パターンにおける赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの各々での色光の透過率を表す。表1の「明るさ」の欄の数値は、数値パターン[1]における画像光IM1の明るさを100%としたときの各数値パターンにおける画像光IM1の明るさを表す。なお、何れの数値パターンについても画像光IM1の明るさを単位;ルーメン[lm]で表し、前述のように数値パターン[1]の明るさに対する比率に換算した。表1の各数値パターンにおける画像光IM1のホワイトバランスの評価値として、「色温度」及び「色偏差」を用いた。表1の「偏差」の各欄の数値は、前述の色偏差を表す。
【0116】
数値計算パターン[2]では、数値計算パターン[1]の想定に対して、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率を90%に低減し、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率を106%に増大させ、青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率を100%に維持した。数値計算パターン[2]の各色フィルターの透過率を実現するためには、例えば、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第2レンズ44GにおいてX軸で第3レンズ44Rに対向する周端を第3レンズ44Rに近づくように移動させることができる。また、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第3レンズ44Rにおいて第2レンズ44Gに対向する周端をX軸で反対側の周端に近づくように移動させることができる。このことによって、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量は、第1レンズ44Bに取り込まれる白色光WL2よりも多くなる。
【0117】
数値計算パターン[2]における画像光IM1の明るさは、数値計算パターン[1]に対して2%上昇した。この結果は、数値計算パターン[2]において青色の画像光IB及び赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量が数値計算パターン[1]よりも高まり、観察時の視認度が向上したためと考えられる。数値計算パターン[2]では、数値計算パターン[1]に比べて、青色の画像光IBに対する緑色の画像光IGの光量差よりも、赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量差の方が大きい。そのため、数値計算パターン[2]での画像光IM1のスペクトルは、人間の視感度からややずれている。
【0118】
数値計算パターン[2]における画像光IM1の色温度は9053[K]と算出され、画像光IM1の色偏差は-0.009と算出された。数値計算パターン[2]での画像光IM1の色温度は数値計算パターン[1]よりも高くなり、数値計算パターン[2]での画像光IM1は数値計算パターン[1]に比べて青みを増したと考えられる。上述のように、数値計算パターン[2]での画像光IM1のスペクトルが人間の視感度に近づいたことに起因し、数値計算パターン[2]での画像光IM1の色偏差は数値計算パターン[1]よりも低減されたと考えられる。
【0119】
数値計算パターン[3]では、数値計算パターン[1]の想定に対して、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率を100%に維持し、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率を111%に増大させ、青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率を90%に低減させた。数値計算パターン[3]の各色フィルターの透過率を実現するためには、例えば、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第2レンズ44GにおいてX軸で第1レンズ44Bに対向する周端を第1レンズ44Bに近づくように移動させることができる。また、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第1レンズ44Bにおいて第2レンズ44Gに対向する周端をX軸で反対側の周端に近づくように移動させることができる。このことによって、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量は、第3レンズ44Rに取り込まれる白色光WL2よりも多くなる。
【0120】
数値計算パターン[3]における画像光IM1の明るさは、数値計算パターン[1]に対して7%上昇した。この結果は、数値計算パターン[3]においても、青色の画像光IB及び赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量が数値計算パターン[1]よりも高まり、観察時の視認度が向上したためと考えられる。数値計算パターン[3]では、数値計算パターン[1]に比べて、赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量差が青色の画像光IBに対する緑色の画像光IGの光量差よりも小さい。そのため、数値計算パターン[3]での画像光IM1のスペクトルは、人間の視感度からややずれており、数値計算パターン[2]での画像光IM1のスペクトルとも異なる。
【0121】
数値計算パターン[3]における画像光IM1の色温度は7372[K]と算出され、画像光IM1の色偏差は-0.006と算出された。数値計算パターン[3]での画像光IM1の色温度は数値計算パターン[1]よりも低くなり、数値計算パターン[3]での画像光IM1は数値計算パターン[1]に比べて赤みを増したと考えられる。上述のように、数値計算パターン[3]での画像光IM1のスペクトルが人間の視感度に近づいたことに起因し、数値計算パターン[3]での画像光IM1の色偏差は数値計算パターン[1]よりも低減されたと考えられる。また、数値計算パターン[3]での画像光IM1の青みが減少し、白色に近づいたことに起因し、数値計算パターン[3]での画像光IM1の色偏差は数値計算パターン[2]よりも低減されたと考えられる。
【0122】
数値計算パターン[4]では、数値計算パターン[1]の想定に対して、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率を117%に増大させ、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率を90%に低減させ、青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率を100%に維持した。数値計算パターン[4]の各色フィルターの透過率を実現すうためには、例えば、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第3レンズ44RにおいてX軸で第2レンズ44Gに対向する周端を第2レンズ44Gに近づくように移動させることができる。また、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第2レンズ44Gにおいて第3レンズ44Rに対向する周端をX軸で反対側の周端に近づくように移動させることができる。このことによって、第3レンズ44Rに取り込まれる白色光WL2の光量は、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2よりも多くなる。
【0123】
数値計算パターン[4]における画像光IM1の明るさは、数値計算パターン[1]に対して4%減少した。この結果は、数値計算パターン[4]において、青色の画像光IB及び赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量が数値計算パターン[1]よりも減じられ、観察時の視認度が低下したためと考えられる。数値計算パターン[4]では、数値計算パターン[1]に比べて、赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量差が青色の画像光IBに対する緑色の画像光IGの光量差よりも大きい。そのため、数値計算パターン[4]での画像光IM1のスペクトルは、人間の視感度からずれている。
【0124】
数値計算パターン[4]における画像光IM1の色温度は8047[K]と算出され、画像光IM1の色偏差は-0.024と算出された。数値計算パターン[4]での画像光IM1の色温度は数値計算パターン[1]よりも低くなり、数値計算パターン[4]での画像光IM1は数値計算パターン[1]に比べて僅かに赤みを増したと考えられる。上述のように、画像光IM1に含まれる緑色の画像光IGの相対的な光量が減少し、数値計算パターン[4]での画像光IM1のスペクトルが人間の視感度から遠ざかったことに起因し、数値計算パターン[4]での画像光IM1の色偏差は数値計算パターン[1]よりも上昇したと考えられる。
【0125】
数値計算パターン[5]では、数値計算パターン[1]の想定に対して、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率を100%に維持し、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率を90%に低減させ、青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率を109%に増大させた。数値計算パターン[5]の各色フィルターの透過率を実現するためには、例えば、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第1レンズ44BにおいてX軸で第2レンズ44Gに対向する周端を第2レンズ44Gに近づくように移動させることができる。また、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第2レンズ44Gにおいて第1レンズ44Bに対向する周端をX軸で反対側の周端に近づくように移動させることができる。このことによって、第1レンズ44Bに取り込まれる白色光WL2の光量は、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2よりも多くなる。
【0126】
数値計算パターン[5]における画像光IM1の明るさは、数値計算パターン[1]に対して6%減少した。この結果は、数値計算パターン[5]において、青色の画像光IB及び赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量が数値計算パターン[1]よりも減じられ、観察時の視認度が低下したためと考えられる。数値計算パターン[5]では、数値計算パターン[1]に比べて、赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量差が青色の画像光IBに対する緑色の画像光IGの光量差よりも小さい。そのため、数値計算パターン[4]での画像光IM1のスペクトルは、人間の視感度からずれており、数値計算パターン[4]での画像光IM1のスペクトルとも異なる。
【0127】
数値計算パターン[5]における画像光IM1の色温度は11463[K]と算出され、画像光IM1の色偏差は-0.022と算出された。数値計算パターン[5]での画像光IM1の色温度は数値計算パターン[1]よりも極めて高くなり、数値計算パターン[5]での画像光IM1は数値計算パターン[1]に比べて青みを強く増したと考えられる。上述のように、画像光IM1に含まれる緑色の画像光IGの相対的な光量が減少し、数値計算パターン[5]での画像光IM1のスペクトルが人間の視感度から遠ざかったことに起因し、数値計算パターン[5]での画像光IM1の色偏差は、数値計算パターン[1]よりも上昇し、数値計算パターン[4]と同程度に達したと考えられる。
【0128】
数値計算パターン[6]では、数値計算パターン[1]の想定に対して、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率を90%に低減させ、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率を100%に維持し、青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率を90%に低減させた。数値計算パターン[6]における各色フィルターにおける各色光の透過率同士の相対関係は、上述説明した本実施形態のプロジェクター301の画素電極62で実現される各色フィルターにおける各色光の透過率同士の相対関係と同様である。数値計算パターン[6]の各色フィルターの透過率を実現するためには、例えば、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第2レンズ44GにおいてX軸で第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの各々に対向する周端を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの各々に近づくように移動させることができる。また、第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの各々においてX軸で第2レンズ44Gに対向する周端を反対側の周端に近づけて第2レンズ44Gから遠ざかるように移動させることができる。このことによって、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rに取り込まれる白色光WL2よりも多くなる。
【0129】
数値計算パターン[6]における画像光IM1の明るさは、数値計算パターン[1]に対して9%上昇した。この結果は、数値計算パターン[6]において、青色の画像光IB及び赤色の画像光IRの各々に対する緑色の画像光IGの光量が数値計算パターン[1]よりも高く、観察時の視認度が良好に高まったためと考えられる。数値計算パターン[6]では、数値計算パターン[1]に比べて、青色の画像光IBに対する緑色の画像光IGの光量差と、赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量差が同等である。そのため、数値計算パターン[6]での画像光IM1のスペクトルは、数値計算パターン[1]から[6]及び次に説明する数値計算パターン[7]のうちで人間の視感度に最も近い。
【0130】
数値計算パターン[6]における画像光IM1の色温度は7595[K]と算出され、画像光IM1の色偏差は-0.001と算出された。数値計算パターン[6]での画像光IM1の色温度は数値計算パターン[1]よりも低くなり、数値計算パターン[6]での画像光IM1は数値計算パターン[1]に比べて青みを強く増したと考えられる。上述のように、画像光IM1に含まれる緑色の画像光IGの相対的な光量が増大し、数値計算パターン[6]での画像光IM1のスペクトルが数値計算パターン[1]よりも人間の視感度に最も近づいたことに起因し、数値計算パターン[6]での画像光IM1の色偏差は、少なくとも数値計算パターン[1]よりも減少し、数値計算パターン[1]から[7]のうちで最小であった。
【0131】
数値計算パターン[7]では、数値計算パターン[1]の想定に対して、赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率を100%に維持し、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率を110%に増大させ、青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率を100%に維持した。数値計算パターン[7]の各色フィルターの透過率を実現するためには、例えば、数値計算パターン[1]の参考例の構成から、第2レンズ44GにおいてX軸に平行な+Y側の周端及び-Y側の少なくとも一方の周端をZ軸に沿って見たときに第2レンズ44Gの外方に移動させて、第2レンズ44GのY軸での寸法を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rよりも大きくすることができる。このことによって、第2レンズ44Gがなければ遮光領域に照射される白色光WL2が第2レンズ44Gによって取り込まれるため、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rに取り込まれる白色光WL2よりも多くなる。
【0132】
数値計算パターン[7]における画像光IM1の明るさは、数値計算パターン[1]に対して3%上昇した。この結果は、数値計算パターン[7]において、青色の画像光IB及び赤色の画像光IRの各々に対する緑色の画像光IGの光量が数値計算パターン[1]よりも高く、観察時の視認度が高まったためと考えられる。数値計算パターン[7]では、数値計算パターン[1]に比べて、青色の画像光IBに対する緑色の画像光IGの光量差と、赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量差が互いに同等である。数値計算パターン[7]での画像光IM1のスペクトルは、数値計算パターン[1]に比べれば、人間の視感度に近い。但し、数値計算パターン[7]における青色の画像光IBに対する緑色の画像光IGの光量差と、赤色の画像光IRに対する緑色の画像光IGの光量差は、数値計算パターン[6]に比べて、小さい。そのため、数値計算パターン[7]における画像光IM1の明るさは、数値計算パターン[1]における画像光IM1の明るさよりも低く、数値計算パターン[2]に近い程度であった。
【0133】
数値計算パターン[7]における画像光IM1の色温度は8288[K]と算出され、画像光IM1の色偏差は-0.009と算出された。数値計算パターン[7]での画像光IM1の色温度は数値計算パターン[1]よりもやや低くなり、数値計算パターン[7]での画像光IM1は数値計算パターン[1]に比べて赤みを僅かに増したと考えられる。上述のように、画像光IM1に含まれる緑色の画像光IGの相対的な光量が増大し、数値計算パターン[7]での画像光IM1のスペクトルが数値計算パターン[1]よりも人間の視感度にやや近づいたことに起因し、数値計算パターン[7]での画像光IM1の色偏差は、数値計算パターン[1]よりも減少した。実際には、数値計算パターン[7]での画像光IM1の色偏差は、数値計算パターン[2]と同等であった。
【0134】
数値計算パターン[1]から[7]の評価から、少なくとも数値計算パターン[2],[3],[6],[7]のように、緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率が赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率、及び青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率よりも高いパターンでは、画像光IM1の明るさが数値計算パターン[1]よりも増大し、画像光IM1の色偏差が数値計算パターン[1]よりも低減された。前述のように、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの3色の色フィルターの単位面積あたりの透過率が互いに同等であると想定し、3色の色フィルターをZ軸に沿って見たときの面積が互いに同等であると想定した。したがって、第2レンズ44GのZ軸に沿って見たときの面積を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの各々の面積よりも大きくすることによって、緑色フィルター54Gを透過する緑色光GLの光量を赤色フィルター54Rを透過する赤色光RLの光量、及び青色フィルター54Bを透過する青色光BLの光量よりも増やすことができる。その結果、画像光IM1に含まれる緑色の画像光IGの光量が青色の画像光IB及び赤色の画像光IRよりも多くなり、フルカラーの画像光IM1,IM2のスペクトルが観察者である人間の視感度に合い、人間の視感度に対応している。そのため、画像光IM1,IM2の明るさが増大し、画像光IM1,IM2のホワイトバランスの色偏差が低減され、観察者に対する画像光IM1,IM2の視認度が高まる。
【0135】
数値計算パターン[2],[3],[6],[7]のうちの数値計算パターン[6]では、画像光IG,IB同士の光量差と画像光IG,IR同士の光量差が互いに同等であり、27%であった。画像光IG,IB同士の光量差と画像光IG,IR同士の光量差が例えば20%以上且つ40%以下であることによって、画像光IM1,IM2のスペクトルが人間の視感度に良好に合うため、画像光IM1,IM2の明るさがさらに高まる。画像光IG,IB同士の光量差、又は画像光IG,IR同士の光量差を変更することによって、画像光IM1,IM2のホワイトバランスの色温度及び色偏差を調整することができる。なお、赤色光RL、緑色光GL及び青色光BLのピーク波長が変更された場合にも、画像光IM1,IM2の色温度及び色偏差が調整される。
【0136】
以上説明した本実施形態のプロジェクター301は、光源装置10と、レンズアレイ40と、カラーフィルター52と、画素電極62と、投射光学系90と、を備える。光源装置10は、青色光BLと緑色光GLと赤色光RLとを含む白色光WL1,WL2を発光する。レンズアレイ40は、光源装置10から射出される白色光WL2の光路上に配置され、複数のマイクロレンズ42を有する。マイクロレンズ42は、「レンズ」に相当する。複数のマイクロレンズ42は、第1レンズ44Bと、第2レンズ44Gと、第3レンズ44Rと、を含む。カラーフィルター52は、レンズアレイ40から射出される白色光WL2の光路上に配置され、青色フィルター54Bと、緑色フィルター54Gと、赤色フィルター54Rと、を含む。青色フィルター54Bは、複数のマイクロレンズ42のうちの第1レンズ44Bから射出される白色光WL2に含まれる青色光BLを透過する。緑色フィルター54Gは、複数のマイクロレンズ42のうちの第2レンズ44Gから射出される白色光WL2に含まれる緑色光GLを透過する。赤色フィルター54Rは、複数のマイクロレンズ42のうちの第3レンズ44Rから射出される白色光WL2に含まれる赤色光RLを透過する。画素電極62は、カラーフィルター52を透過する赤色光RL、緑色光GL及び青色光BLの光路上に配置され、カラーフィルター52と対向するように配置されている。画素電極62は、青色サブ画素電極66Bと、緑色サブ画素電極66Gと、赤色サブ画素電極66Rと、を含む。青色サブ画素電極66Bは、青色フィルター54Bを透過する青色光BLを画像情報に応じて変調し、青色の画像光IBを射出する。緑色サブ画素電極66Gは、緑色フィルター54Gを透過する緑色光GLを画像情報に応じて変調し、緑色の画像光IGを射出する。赤色サブ画素電極66Rは、赤色フィルター54Rを透過する赤色光RLを画像情報に応じて変調し、赤色の画像光IRを射出する。投射光学系90は、青色の画像光IBと緑色の画像光IGと赤色の画像光IRとの光路上に配置され、青色の画像光IBと緑色の画像光IGと赤色の画像光IRとを投射する。すなわち、投射光学系90は、画像光IB,IG,IRが互いに合成されてなる画像光IM2の光路上に配置され、画像光IM2を投射する。
【0137】
本実施形態のプロジェクター301では、レンズアレイ40の複数のマイクロレンズ42は、白色光WL2を青色フィルター54Bに向けて射出する第1レンズ44Bと、白色光WL2を緑色フィルター54Gに向けて射出する第2レンズ44Gと、白色光WL2を赤色フィルター54Rに向けて射出する第3レンズ44Rと、を含む。第2レンズ44Gの入射面44a及び射出面44bの面積は、緑色フィルター54Gの入射面54aの面積よりも広く、第1レンズ44Bの入射面44a及び射出面44bの面積、及び第3レンズ44Rの入射面44a及び射出面44bの面積よりも大きい。
【0138】
本実施形態のプロジェクター301では、緑色光GLに対応する第2レンズ44Gの大きさ、すなわち光軸AX及びZ軸に沿って見たときの面積が青色光BLに対応する第1レンズ44B及び赤色光RLに対応する第3レンズ44Rよりも大きい。本実施形態のプロジェクター301によれば、第2レンズ44Gを用いて緑色サブ画素電極66Gに入射させる緑色光GLの光量を、第1レンズ44Bを用いて青色サブ画素電極66Bに入射させる青色光BLの光量、及び第3レンズ44Rを用いて赤色サブ画素電極66Rに入射させる赤色光RLの光量よりも多くすることができる。すなわち、第2レンズ44G及び緑色フィルター54Gを用いて、より多くの緑色光GLを緑色サブ画素電極66Gに入射させることができる。その結果、本実施形態のプロジェクター301から投射される画像や映像では、人間の視感度が高い緑色の画像光IGの明るさを青色の画像光IB及び赤色の画像光IRよりも容易に高めることができる。本実施形態のプロジェクター301によれば、観察者がスクリーン等に表示される画像や映像を従来のプロジェクターよりも明るく視認することができる。すなわち、本実施形態のプロジェクター301によれば、光源装置10から射出される白色光WL1,WL2に含まれる赤色光RL、緑色光GL及び青色光BLの光量比が互いに同等である場合でも、画像光IM2に含まれる緑色の画像光IGの光量を青色の画像光IB及び赤色の画像光IRの各光量よりも多くすることができる。そのため、本実施形態のプロジェクター301によれば、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の照度比及びスペクトルを、画像や映像を観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0139】
光変調装置50から射出される画像光IM1,IM2のスペクトルを人間の視感度に合わせ、ホワイトバランスを変更する方法として、例えばカラーフィルター52の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの各々の特性を変更する方法、すなわち赤色フィルター54Rにおける赤色光RLの透過率と、緑色フィルター54Gにおける緑色フィルター54Gにおける緑色光GLの透過率と、青色フィルター54Bにおける青色フィルター54Bにおける青色光BLの透過率とを変更する方法が考えられる。画像光IM1,IM2のスペクトルを人間の視感度に合わせて、ホワイトバランスを変更する別の方法として、画素電極62の赤色サブ画素電極66R、緑色サブ画素電極66G及び青色サブ画素電極66BのZ軸に沿って見たときの各々の面積を変更する方法が考えられる。しかしながら、これらの方法では、カラーフィルター52及び画素電極62を含む光変調装置50を実現するべき画像光IM1,IM2のホワイトバランスに応じて個別に設計する必要が生じるため、プロジェクター301のコストの増大につながる。
【0140】
一方、本実施形態のプロジェクター301によれば、光変調装置50における各色フィルターの各色光の透過率、及び各色サブ画素電極の面積等に合わせて、光変調装置50とは別体の構成要素であるレンズアレイ40の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの面積を人間の視感度に合うスペクトルに応じて好適に設定し、第2レンズ44Gの面積を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの各面積よりも大きくすることができる。この方法では、光変調装置50を個別に設計する場合に比べて、プロジェクター301のコストが抑えられる。
【0141】
また、画像光IM1,IM2のスペクトルを人間の視感度に合わせて、ホワイトバランスを変更する別の方法として、画素電極62の赤色サブ画素電極66R,緑色サブ画素電極66G及び青色サブ画素電極66Bの各々における階調を人間の視感度に合うスペクトルに応じて好適に調整する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、画像光IM1,IM2の明るさが低下する。
【0142】
画像光IM1,IM2のスペクトルを人間の視感度に合わせるためには、画像光IM1,IM2に含まれる緑色光GLの光量が赤色光RL及び青色光BLの各々の光量に対して110%以上150%以下であることが好ましく、120%以上140%以下であることがより好ましい。
【0143】
なお、Z軸において、レンズアレイ40は、光変調装置50に接してもよい。レンズアレイ40と光変調装置50が互いに別体の構成要素であれば、例えばレンズアレイ40の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの射出面44bが光変調装置50のカラーフィルター52の入射面52aに接してもよい。この場合では、レンズアレイ40と光変調装置50とのZ軸での離間距離が極めて短くなり、離間距離PLが短縮される。そのため、レンズアレイ40のマイクロレンズ42は高いパワーを有する必要があり、集光点MR,MG,MBの各々での色光のスポット径は小さくなる。その一方で、マイクロレンズ42と対応する色フィルターとの位置合わせが容易であり、マイクロレンズ42と対応する色フィルターとの位置ずれが生じ難いという利点がある。
【0144】
本実施形態のプロジェクター301のように、レンズアレイ40と光変調装置50がZ軸で互いに離間している場合では、上述のように互いに接している場合に比べて離間距離PLが長いため、レンズアレイ40のマイクロレンズ42は低いパワーを有していてもよく、集光点MR,MG,MBの各々での色光のスポット径は大きくなる。マイクロレンズ42の材質や製造時において許容される形状誤差等に対する制約は、緩くなる。その一方で、マイクロレンズ42と対応する色フィルターとの高精度な位置合わせが必要である。
【0145】
本実施形態のプロジェクター301では、レンズアレイ40の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44RがX軸及びY軸に沿って配置されている。なお、Z軸は、レンズアレイ40に入射する白色光WL2の光軸AXに平行な軸であり、「第1軸」に相当する。X軸は、Z軸に直交し、「第2軸」に相当する。Y軸は、Z軸及びX軸に直交し、「第3軸」に相当する。X軸において、第2レンズ44Gの幅XGは、第1レンズ44Bの幅XB及び第3レンズ44Rの幅XRよりも大きい。具体的には、本実施形態のプロジェクター301では、X軸において、光変調装置50のカラーフィルター52の赤色フィルター54Rと、緑色フィルター54Gと、青色フィルター54Bが順次繰り返し配置されている。これらの色フィルターの配置に合わせて、X軸に沿って、光変調装置50の画素電極62の赤色サブ画素電極66Rと、緑色サブ画素電極66Gと、青色サブ画素電極66Bが順次繰り返し配置されている。前述の色フィルター及びサブ画素電極の配置に合わせて、X軸に沿って、レンズアレイ40の第3レンズ44Rと、第2レンズ44Gと、第1レンズ44Bが順次繰り返し配置されている。
【0146】
本実施形態のプロジェクター301によれば、第2レンズ44Gの幅XGが第1レンズ44Bの幅XB及び第3レンズ44Rの幅XRよりも大きいため、X軸において、第2レンズ44Gに取り込まれる白色光WL2の光量を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rのそれぞれに取り込まれる白色光WL2の光量よりも増やすことができる。その結果、画像光IM1,IM2の明るさを高め、観察者が画像や映像を従来のプロジェクターよりも明るく視認することができる。
【0147】
本実施形態のプロジェクター301では、Z軸に沿って見たときに、レンズアレイ40の第2レンズ44Gの-X側の端部は、カラーフィルター52の赤色フィルター54Rと重なっている。Z軸に沿って見たときに、レンズアレイ40の第2レンズ44Gの+X側の端部は、カラーフィルター52の青色フィルター54Bと重なっている。第2レンズ44Gの-X側の端部及び+X側の端部は、「第2レンズの一部」に相当する。
【0148】
本実施形態のプロジェクター301では、第2レンズ44Gの-X側の端部が赤色フィルター54Rと重ならなければ赤色フィルター54Rを通る白色光WL2が第2レンズ44Gによって緑色フィルター54Gに集められ、緑色フィルター54Gを通る。同様に、第2レンズ44Gの+X側の端部が青色フィルター54Bと重ならなければ青色フィルター54Bを通る白色光WL2が第2レンズ44Gによって緑色フィルター54Gに集められ、緑色フィルター54Gを通る。本実施形態のプロジェクター301によれば、第2レンズ44Gの-X側の端部及び+X側の端部によって緑色フィルター54Gに入射する白色光WL2の光量を増やすとともに、赤色フィルター54R及び青色フィルター54Bに入射する白色光WL2の光量を減らすことができる。その結果、緑色フィルター54Gを透過する緑色光GLの光量と赤色フィルター54Rを透過する赤色光RLの光量及び青色フィルター54Bを透過する青色光BLの光量との差が増大する。本実施形態のプロジェクター301によれば、投射する画像光IM2のスペクトルを観察する人間の視感度に容易に合わせることができる。
【0149】
本実施形態のプロジェクター301では、カラーフィルター52は、白色光WL2の光軸AXに直交する面内で、互いに隣り合う赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの何れかのフィルター同士の間に白色光WL2を遮光する遮光領域56を有する。遮光領域56は、X軸において、カラーフィルター52において最も-X側に配置されている赤色フィルター54Rよりも-X側の領域と、赤色フィルター54Rと緑色フィルター54Gとの間の領域と、緑色フィルター54Gと青色フィルター54Bとの間の領域と、青色フィルター54Bと赤色フィルター54Rとの間の領域と、カラーフィルター52において最も+X側に配置されている青色フィルター54Bよりも+X側の領域に設けられている。遮光領域56は、Y軸において、カラーフィルター52において最も+Y側に配置されている赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bのそれぞれよりも+Y側の領域と、互いに隣り合う赤色フィルター54R同士の間の領域と、互いに隣り合う緑色フィルター54G同士の間の領域と、互いに隣り合う青色フィルター54B同士の間の領域と、カラーフィルター52において最も-Y側に配置されている赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bのそれぞれよりも-Y側の領域に設けられている。
【0150】
本実施形態のプロジェクター301では、Z軸に沿って見たときに、第1レンズ44B、第2レンズ44G、及び第3レンズ44Rが遮光領域56に重なっている。そのため、第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rがなければ遮光領域56に照射されて画像光IM1,IM2として活用されない白色光WL2を各レンズを用いて青色フィルター54B、緑色フィルター54G、赤色フィルター54Rに通すことができる。その結果、第1レンズ44B、第2レンズ44G、及び第3レンズ44Rの各々のレンズを通る色光の最大光量は、遮光領域56が設けられていない場合に比べて増大する。本実施形態のプロジェクター301によれば、第1レンズ44B、第2レンズ44G、及び第3レンズ44Rの各々の面積の調整可能範囲を遮光領域56のX軸及びY軸での幅に応じて拡大することができる。このことによって、画像光IM1,IM2におけるスペクトルの調整の自由度を高めることができる。
【0151】
本実施形態のプロジェクター301では、前述のようにカラーフィルター52の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bは、XY平面内でX軸及びY軸に沿って配置されている。XY平面は、「第1軸に交差する面」に相当する。遮光領域56は、X軸で互いに隣り合う赤色フィルター54Rと緑色フィルター54Gとの間でY軸に平行に延在する領域と、X軸で互いに隣り合う緑色フィルター54Gと青色フィルター54Bとの間でY軸に平行に延在する領域と、X軸で互いに隣り合う青色フィルター54Bと赤色フィルター54Rとの間でY軸に平行に延在する領域に配置されている。また、遮光領域56は、Y軸で互いに隣り合う赤色フィルター54R同士の間でX軸に平行に延在する領域と、Y軸で互いに隣り合う緑色フィルター54G同士の間でX軸に平行に延在する領域と、Y軸で互いに隣り合う青色フィルター54B同士の間の領域に配置されている。さらに、遮光領域56は、カラーフィルター52において最も-X側に配置されている赤色フィルター54Rよりも-X側でY軸に平行に延在する領域と、最も+X側に配置されている青色フィルター54Bよりも+X側でY軸に平行に延在する領域に配置されている。つまり、遮光領域56は、Z軸に沿って見たときに、カラーフィルター52において複数の色フィルターが配置されている領域よりも外側の周縁部においてX軸に平行に延在する領域及びY軸に平行に延在する領域に配置されている。本実施形態のプロジェクター301では、X軸に平行に延在する遮光領域56のY軸での幅y2は、Y軸に平行に延在する遮光領域のX軸での幅x2よりも大きい。レンズアレイ40の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rは、Y軸においてパワーを有する。
【0152】
本実施形態のプロジェクター301では、遮光領域56の幅y2が幅x2よりも大きいため、第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの各々のY軸での調整可能幅をX軸での調整可能幅よりも大きく確保することができる。
【0153】
本実施形態のプロジェクター301では、Z軸に沿って見たときに、レンズアレイ40の第1レンズ44Bの主点HBは、カラーフィルター52の青色フィルター54Bの中央及び画素電極62の青色サブ画素電極66Bの中央と重なっている。レンズアレイ40の第2レンズ44Gの主点HGは、カラーフィルター52の緑色フィルター54Gの中央及び画素電極62の緑色サブ画素電極66Gの中央と重なっている。レンズアレイ40の第3レンズ44Rの主点HRは、カラーフィルター52の赤色フィルター54Rの中央及び画素電極62の赤色サブ画素電極66Rの中央と重なっている。
【0154】
本実施形態のプロジェクター301では、Z軸に沿って見たときに、第1レンズ44Bから射出される白色光WL2が青色フィルター54Bの周端によって遮られ難く、青色フィルター54Bを透過する青色光BLが青色サブ画素電極66Bの周端によって遮られ難い。そのため、青色サブ画素電極66Bに青色光BLを効率良く入射させることができる。同じくZ軸に沿って見たときに、第2レンズ44Gから射出される白色光WL2が緑色フィルター54Gの周端によって遮られ難く、緑色フィルター54Gを透過する緑色光GLが緑色サブ画素電極66Gの周端によって遮られ難い。そのため、緑色サブ画素電極66Gに緑色光GLを効率良く入射させることができる。同じくZ軸に沿って見たときに、第3レンズ44Rから射出される白色光WL2が赤色フィルター54Rの周端によって遮られ難く、赤色フィルター54Rを透過する赤色光RLが赤色サブ画素電極66Rの周端によって遮られ難い。そのため、赤色サブ画素電極66Rに赤色光RLを効率良く入射させることができる。
【0155】
次いで、本発明の一実施形態の変形例について、説明する。
なお、各変形例において、上述の実施形態と共通する構成には対応する上述の実施形態の構成と同じ符号を付し、上述の実施形態と重複する説明を省略する。各変形例では、上述の実施形態とは異なる構成や内容について説明する。
【0156】
(第1変形例)
図6は、本発明の一実施形態のプロジェクター301の第1変形例のレンズアレイ40と光変調装置50のカラーフィルター52の概略図であり、レンズアレイ40及びカラーフィルター52をZ軸に沿って-Z側から見たときの正面図である。
図6に示すように、第1変形例では、例えば光変調装置50の画素電極62において、各々の画素64のX軸での赤色サブ画素電極66Rと緑色サブ画素電極66Gとの間の配線領域68、及びX軸での緑色サブ画素電極66Gと青色サブ画素電極66Bとの間の配線領域68が設けられていなくてもよい。このような構成に伴い、光変調装置50のカラーフィルター52において、赤色フィルター54Rと緑色フィルター54Gとの間の遮光領域56、及びX軸での緑色フィルター54Gと青色フィルター54Bとの間の遮光領域56が設けられていなくてもよい。
【0157】
プロジェクター301の第1変形例においても、第2レンズ44Gの面積が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積よりも適切に大きくなるように、第1レンズ44BのX軸での幅XBと、第2レンズ44GのX軸での幅XGと、第3レンズ44RのX軸での幅XRがそれぞれ設定されている。前述の「適切に」とは、投射される画像光IM2の所望の明るさが得られるように、画像光IM1,IM2のスペクトルが人間の視感度に対応する状態を意味する。プロジェクター301の第1変形例では、上述の実施形態のプロジェクター301と同様の作用効果が得られる。プロジェクター301の第1変形例によれば、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の明るさを観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0158】
(第2変形例)
図示していないが、第2変形例では、例えば光変調装置50の画素電極62において、Y軸での赤色サブ画素電極66R同士の間の配線領域68、Y軸での緑色サブ画素電極66G同士の間の配線領域68、及びY軸での青色サブ画素電極66B同士の間の配線領域68が設けられていなくてもよい。
【0159】
第2変形例においても、第2レンズ44Gの面積が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積よりも適切に大きくなるように、第1レンズ44Bの幅XBと、第2レンズ44Gの幅XGと、第3レンズ44Rの幅XRがそれぞれ設定されている。プロジェクター301の第2変形例によれば、上述の実施形態のプロジェクター301と同様の作用効果が得られるため、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の明るさを観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0160】
(第3変形例)
図示していないが、第3変形例では、例えばZ軸に沿って見たときに配線領域68が画素電極62の各々の画素64の領域外に配置されていてもよく、各々の画素64において配線領域68のX軸での幅x2及びY軸での幅y2が無視できる程度に極めて小さくてもよい。画素電極62の配置に合わせて、Z軸に沿って見たときに遮光領域56がカラーフィルター52の一組の赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの領域外に配置されていてもよく、各々の遮光領域56のX軸での幅x2及びY軸での幅y2が無視できる程度に極めて小さくてもよい。このような配置構成では、Z軸に沿って見たときに、レンズアレイ40のマイクロレンズ42の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの何れのレンズも遮光領域56とは重ならない場合がある。
【0161】
第3変形例においても、第2レンズ44Gの面積が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積よりも適切に大きくなるように、第1レンズ44Bの幅XB,YBと、第2レンズ44Gの幅XG,YGと、第3レンズ44Rの幅XR,YRのそれぞれが設定されている。プロジェクター301の第3変形例によれば、上述の実施形態のプロジェクター301と同様の作用効果が得られるため、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の明るさを観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0162】
第1変形例から第3変形例で例示したように、光変調装置50のカラーフィルター52における遮光領域56及び画素電極62の配線領域68のZ軸に沿って見たときの配置及び幅は、上述の実施形態の配置及び幅に限定されず、適宜変更されてもよい。
【0163】
(第4変形例)
図7は、本発明の一実施形態のプロジェクター301の第4変形例のレンズアレイ40と光変調装置50のカラーフィルター52の概略図であり、レンズアレイ40及びカラーフィルター52をZ軸に沿って-Z側から見たときの正面図である。
図7に示すように、第4変形例では、例えばレンズアレイ40の第1レンズ44Bの幅XBと、第2レンズ44Gの幅XGと、第3レンズ44Rの幅XRは、互いに同等である。一方で、第2レンズ44Gの幅YGは、第1レンズ44Bの幅YBと及び第3レンズ44Rの幅YRよりも大きい。
【0164】
第4変形例においても、第2レンズ44Gの面積が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積よりも適切に大きくなるように、第1レンズ44Bの幅YBと、第2レンズ44Gの幅YGと、第3レンズ44Rの幅YRのそれぞれが設定されている。プロジェクター301の第4変形例によれば、上述の実施形態のプロジェクター301と同様の作用効果が得られるため、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の明るさを観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0165】
第4変形例では、レンズアレイ40に入射する白色光WL2の光軸AXに平行なZ軸に沿って見たときに、第2レンズ44Gは青色フィルター54B及び赤色フィルター54Rとは重なっていない。第4変形例の構成は、第2レンズ44Gの面積を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rよりも適切に大きくするために、カラーフィルター52に十分な幅y2の遮光領域56と、画素電極62に十分な幅y2の配線領域68が設けられている場合に好適である。
【0166】
なお、図示していないが、第2レンズ44Gの面積を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rよりも適切に大きくするために、Z軸に沿って見たときに、第2レンズ44Gの一部は青色フィルター54B及び赤色フィルター54Rの何れか一方の色フィルターと重なっていてもよい。一方の色フィルターは、画像光IM1,IM2で実現するホワイトバランスの所望の色温度及び色偏差に応じて選定される。
【0167】
また、図示していないが、第4変形例の構成において、さらにレンズアレイ40の第2レンズ44Gの幅XGが第1レンズ44Bの幅XB及び第3レンズ44Rの幅XRよりも大きくてもよい。この場合、X軸での幅を大きくすることによって、第2レンズ44Gの面積と第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積との差が増大する。第2レンズ44Gの面積を第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積よりも適切に大きくすることによって、上述の作用効果が得られる。
【0168】
(第5変形例)
図8は、本発明の一実施形態のプロジェクター301の第5変形例におけるレンズアレイ40の第2レンズ44Gの斜視図である。
図9は、第5変形例のレンズアレイ40と光変調装置50のカラーフィルター52及び画素電極62の概略図であり、
図2に示すC1-C1線で矢視した場合の断面図に対応する。
図10は、第5変形例のレンズアレイ40と光変調装置50のカラーフィルター52及び画素電極62の概略図であり、
図2に示すC2-C2線で矢視した場合の断面図に対応する。
【0169】
図8から
図10に示すように、レンズアレイ40の第2レンズ44Gの入射面44aは、入射面44pと、入射面44qと、を有する。入射面44pのX軸での幅x3は、カラーフィルター52の緑色フィルター54Gの幅x1と同じである。入射面44pは、XY平面に平行な平坦面である。入射面44pのY軸での幅y3は、緑色フィルター54Gの幅y1と同じである。入射面44pは、Z軸に沿って見たときに、緑色フィルター54G及び画素電極62の緑色サブ画素電極66Gと重なっている。
【0170】
入射面44qは、例えば、X軸及びY軸において集光点MGと同じ位置を頂点として-Z側に凸をなす曲面の一部であり、離間距離PLに応じて設計される曲面の一部である。入射面44qは、前述の曲面のうちでZ軸に沿って見たときに緑色フィルター54G及び緑色サブ画素電極66Gと重なる部分を除いた残りの部分で構成され、Z軸に沿って見たときに主点HGを中心としてX軸で幅x1と幅XGとの間、及びY軸で幅y1と幅YGとの間に配置されている前述の曲面である。
【0171】
第2レンズ44Gは、上述のように入射面44aとして入射面44p,44qを有することによって、Z軸に沿って見たときに、緑色フィルター54Gと重なる部分でパワーを有さず、緑色フィルター54Gとは重ならない部分で正のパワーを有する。そのため、第2レンズ44Gの入射面44aに入射する白色光WL2のうちでZ軸に沿って見たときに緑色フィルター54Gと重なる領域の入射面44pに入射する白色光WL2は、X軸及びY軸で屈折せずにZ軸に沿って直進し、緑色フィルター54Gに入射する。緑色フィルター54Gを透過する緑色光GLは、Z軸に沿って+Z側に射出され、緑色サブ画素電極66Gに入射し、緑色の画像光IGに変換される。
【0172】
第5変形例においても、第2レンズ44Gの面積が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積よりも適切に大きくなるように、第1レンズ44Bの幅XBと、第2レンズ44Gの幅XGと、第3レンズ44Rの幅XRのそれぞれが設定されている。また、第2レンズ44Gの入射面44p,44qに入射する白色光WL2に含まれる緑色光GLは、互いに異なる進路を進むが、結果として同じく緑色サブ画素電極66Gに入射し、緑色の画像光IGに変換される。したがって、プロジェクター301の第5変形例によれば、上述の実施形態のプロジェクター301と同様の作用効果が得られるため、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の明るさを観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0173】
また、第5変形例において、第2レンズ44Gの入射面44aのZ軸に沿って見たときの中央部は、XY平面に平行な平坦面である入射面44pで構成されている。第5変形例の構成では、第2レンズ44Gの入射面44aが1つの曲面で構成され、入射面44aの全体が正のパワーを有する場合に比べて、第2レンズ44GのZ軸での厚みを減らし、第2レンズ44Gの薄型化を図ることができる。
【0174】
また、プロジェクター301の第5変形例によれば、緑色サブ画素電極66Gに入射する緑色光GLの光強度を緑色サブ画素電極66G全体で分散させることができる。そのため、緑色サブ画素電極66Gにおいて局所的に光強度が高い緑色光GLの発生を抑え、仮に局所的に光強度が高い緑色光GLが発生した際に生じる負荷を低減することができる。
【0175】
なお、第5変形例において、
図9及び
図10に示すように、第1レンズ44Bは、青色フィルター54B及び青色サブ画素電極66Bと重なる部分でパワーを有さず、青色フィルター54B及び青色サブ画素電極66Bとは重ならない部分で正のパワーを有していてもよい。第3レンズ44Rは、赤色フィルター54R及び赤色サブ画素電極66Rと重なる部分でパワーを有さず、赤色フィルター54R及び赤色サブ画素電極66Rとは重ならない部分で正のパワーを有していてもよい。すなわち、第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの少なくとも1つのレンズがZ軸に沿って見たときに当該レンズに対応して配置されている色フィルターと重なる部分でパワーを有さず、当該レンズに対応して配置されている色フィルターとは重ならない部分で正のパワーを有していてもよい。
【0176】
また、第5変形例において、第2レンズ44Gの入射面44pのX軸での両端及びY軸での両端からZ軸に凡そ沿って+Z側に射出される白色光WL2の少なくとも一部は、第2レンズ44Gに対応して配置されている緑色フィルター54GにX軸及びY軸で隣接する遮光領域56によって遮光される可能性がある。白色光WL2の損失を抑えるために、第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの少なくとも1つのレンズが入射面44aとして入射面44p,44qを有する場合に、当該レンズの入射面44pの幅x3は幅x1よりも適切に小さく、当該レンズの入射面44pの幅y3は幅y1よりも適切に小さくてもよい。
【0177】
(第6変形例)
図示していないが、第6変形例では、レンズアレイ40に入射する白色光WL2の光軸AXに平行なZ軸に沿って見たときに、レンズアレイ40の第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの少なくとも1つのレンズの主点HR,HBが当該レンズに対応して配置されているカラーフィルター52の色フィルターの中央と重ならずに、当該レンズに対応して配置されている色フィルターの中央とは異なる位置に配置されてもよい。
【0178】
第6変形例では、例えばZ軸に沿って見たときに、第3レンズ44Rの主点HR及び集光点MRが赤色フィルター54RのX軸での中央よりも+X側に配置されてもよい。第1レンズ44Bの主点HB及び集光点MBが青色フィルター54BのX軸での中央よりも-X側に配置されてもよい。この場合、第3レンズ44Rから射出されて集光点MRに集光する白色光WL2の光束が赤色フィルター54RのX軸での中央部分を通り易いため、白色光WL2及び赤色光RLの損失を抑えることができる。同様に、第1レンズ44Bから射出されて集光点MBに集光する白色光WL2の光束が青色フィルター54BのX軸での中央部分を通り易いため、白色光WL2及び青色光BLの損失を抑えることができる。
【0179】
第6変形例においても、第2レンズ44Gの面積が第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの面積よりも適切に大きくなるように、第1レンズ44Bの幅XB,YBと、第2レンズ44Gの幅XG,YGと、第3レンズ44Rの幅XR,YRのそれぞれが設定されている。したがって、プロジェクター301の第6変形例によれば、上述の実施形態のプロジェクター301と同様の作用効果が得られるため、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の明るさを観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0180】
(第7変形例)
図示していないが、第7変形例では、Z軸に沿って見たときに、レンズアレイ40に配置されている複数のマイクロレンズ42のうちで、白色光WL2の光軸AXを中心とする外周部に配置されているマイクロレンズ42の正のパワーは、光軸AXを中心とする中心部に配置されているマイクロレンズ42の正のパワーよりも強くてもよい。例えば、レンズアレイ40の外周部に配置されているマイクロレンズ42の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの集光点MB,MG,MRは、画素電極62の青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G及び赤色サブ画素電極66RのX軸、Y軸及びZ軸での中央に配置されている。このことによって、レンズアレイ40の外周部に配置されているマイクロレンズ42に入射する白色光WL2は、上述の実施形態のプロジェクター301と同様に、マイクロレンズ42に対応して配置されている色フィルターに入射する。各々の色フィルターを透過する赤色光RL、緑色光GL或いは青色光BLは、対応する色のサブ画素電極に効率良く入射する。
【0181】
一方、レンズアレイ40の中央部に配置されているマイクロレンズ42の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの集光点MB,MG,MRは、青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G及び赤色サブ画素電極66RのX軸及びY軸での中央に配置され、Z軸では青色サブ画素電極66B、緑色サブ画素電極66G及び赤色サブ画素電極66Rの射出面66bよりも+Z側の領域内に配置されている。すなわち、X軸及びY軸の各々において、光軸AXを中心としたときレンズアレイ40の中央部の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの入射面44aの曲率半径は、外周部の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの入射面44aの曲率半径よりも大きい。この場合には、レンズアレイ40の中央部に配置されているマイクロレンズ42に入射する白色光WL2の一部は、マイクロレンズ42に対応して配置されている色フィルターにXY平面で隣接する遮光領域56によって遮光され、対応する色のサブ画素電極に入射しない。
【0182】
本実施形態のプロジェクター301は、上述のように単板式のプロジェクターである。単板式のプロジェクターでは、青色光と緑色光と赤色光とを含む白色光は、1つの光変調装置によってフルカラーの画像光に変換される。単板式のプロジェクター以外の構成として、2板式のプロジェクター及び3板式のプロジェクターが知られている。2板式のプロジェクターでは、2つの光変調装置が用いられ、例えば青色光と緑色光及び赤色光のうちの一方の色光が1つの光変調装置によって時系列で画像光に変換され、緑色光及び赤色光のうちの他方の色光がもう1つの光変調装置によって一方の色光と同期して画像光に変換される。3板式のプロジェクターでは、3つの光変調装置が用いられ、青色光、緑色光及び赤色光の各々の色光が各々の光変調装置によって画像光に変換される。本実施形態のプロジェクター301を含む単板式のプロジェクターの部品数は、2板式のプロジェクター及び3板式のプロジェクターよりも少なく抑えられる。一方で、単板式のプロジェクターでは、1つの光変調装置の入射面及び射出面の面積が他の方式よりも大きくなり、光変調装置の入射面において光軸を中心とする中心部での白色光の照度が外周部での白色光の照度よりも高くなり易い。
【0183】
第7変形例では、レンズアレイ40の外周部に配置されているマイクロレンズ42の正のパワーが中心部に配置されているマイクロレンズ42の正のパワーよりも強い。そのため、外周部に配置されているマイクロレンズ42に対応する光変調装置50のカラーフィルター52の色フィルターを透過する色光及び画素電極62のサブ画素電極に入射する色光の照度は、中心部に配置されているマイクロレンズ42に対応する色フィルターを透過する色光及びサブ画素電極に入射する色光の照度よりも相対的に低い。したがって、第7変形例では、レンズアレイ40に対して照射される白色光WL2の光軸AXを中心とする中心部の照度が外周部よりも相対的に高く、中心部と外周部での白色光WL2の照度差が大きい場合には、白色光WL2の照度差が中心部と外周部でのマイクロレンズ42の正のパワーの差によって低減される。したがって、第7変形例では、レンズアレイ40に照射される白色光WL2の中心部の照度が外周部よりも高い場合であっても、光変調装置50から射出される画像光IM1,IM2の光軸AXを中心とするXY平面での照度分布の均一化を図ることができる。
【0184】
なお、第7変形例では、X軸及びY軸の各々において、光軸AXを中心としたときレンズアレイ40の中央部の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの入射面44aの曲率半径は、外周部の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの入射面44aの曲率半径と同等であってもよい。その場合には、レンズアレイ40の中央部の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rの材質の屈折率は、外周部の第1レンズ44B、第2レンズ44G及び第3レンズ44Rのの材質の屈折率よりも高い。このことによって、レンズアレイ40の外周部に配置されているマイクロレンズ42の正のパワーが中心部に配置されているマイクロレンズ42の正のパワーよりも強くなり、光変調装置50から射出される画像光IM1,IM2のXY平面での照度分布の均一化を図ることができる。
【0185】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0186】
例えば、上述の実施形態のプロジェクター301では、光変調装置50のカラーフィルター52において、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54BのZ軸に沿って見たときの形状、幅XR,XG,XB、幅YR,YG,YB及び面積が互いに同等である。また、上述の実施形態のプロジェクター301では、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bは、所謂ストライプ方式で配置されている。しかしながら、カラーフィルター52における赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bの各々の形状、面積、及びこれらの色フィルターの相対配置は、特定の種類に限定されず、適宜変更されてもよい。
【0187】
例えば、光変調装置50のカラーフィルター52において、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bは、例えばモザイク方式や、ペンタイル方式、ダイヤモンドペンタイル方式、或いはこれら以外の任意の方式で配置されていてもよい。赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bが何れの方式で配置されていても、遮光領域の有無を含む配置及び幅が考慮され、レンズアレイ40の第2レンズ44Gの入射面44a及び射出面44bの面積がカラーフィルター52の緑色フィルター54Gの入射面54aの面積よりも大きく、第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの各々の入射面44a及び射出面44bの面積よりも大きければよい。また、赤色フィルター54R、緑色フィルター54G及び青色フィルター54Bと第3レンズ44R、第2レンズ44G及び第1レンズ44Bとの相対的な配置に合わせて、第2レンズ44Gに偏心があってもよく、第1レンズ44B及び第3レンズ44Rの少なくとも一方のレンズに偏心がなくてもよい。
【0188】
また、上述の実施形態のプロジェクター301では、光源装置10から投射光学系90までの間の白色光WL1,WL2及び画像光IM1,IM2の光軸AXがZ軸に平行であり、各構成要素がZ軸に沿って一直線上に配置されている。しかしながら、プロジェクターの設計上の制約や設置環境等に応じて、光軸AXは適宜屈折していてもよい。
【0189】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)青色光と緑色光と赤色光とを含む白色光を発光する光源装置と、前記光源装置から射出される前記白色光の光路上に配置され、複数のレンズを有するレンズアレイと、前記レンズアレイから射出される前記白色光の光路上に配置され、前記青色光を透過する青色フィルターと、前記緑色光を透過する緑色フィルターと、前記赤色光を透過する赤色フィルターと、を含むカラーフィルターと、前記カラーフィルターと対向するように配置され、前記青色フィルターを透過する前記青色光を画像情報に応じて変調し、青色の画像光を射出する青色サブ画素電極と、前記緑色フィルターを透過する前記緑色光を画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を射出する緑色サブ画素電極と、前記赤色フィルターを透過する前記赤色光を画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を射出する赤色サブ画素電極と、を含む画素電極と、前記青色の画像光と前記緑色の画像光と前記赤色の画像光との進路上に配置され、前記青色の画像光と前記緑色の画像光と前記赤色の画像光とを投射する投射光学系と、を備え、前記複数のレンズは、前記白色光を前記青色フィルターに向けて射出する第1レンズと、前記白色光を前記緑色フィルターに向けて射出する第2レンズと、前記白色光を前記赤色フィルターに向けて射出する第3レンズと、を含み、前記第2レンズの面積は、前記緑色フィルターの面積よりも広く、前記第1レンズの面積及び前記第3レンズの面積よりも大きい、プロジェクター。
【0190】
付記1の構成により、光変調装置から射出される画像光に含まれる緑色の画像光の光量を青色の画像光及び赤色の画像光の各光量よりも多くすることができる。付記1の構成によれば、投射する画像や映像における赤色、緑色及び青色の画像光の照度比を、画像や映像を観察する人間の視感度に合わせ、従来のプロジェクターよりも明るく視認される画像や映像を実現することができる。
【0191】
(付記2)前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズは、前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に交差する面内の第2軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿って配置され、前記第2軸において、前記第2レンズの幅は前記第1レンズの幅及び前記第3レンズの幅よりも大きい、付記1のプロジェクター。
【0192】
付記2の構成により、第2軸において、第2レンズに取り込まれる白色光の光量を第1レンズ及び第3レンズのぞれぞれに取り込まれる白色光の光量よりも増やすことができる。
【0193】
(付記3)前記第3軸において、前記第2レンズの幅は前記第1レンズの幅及び前記第3レンズの幅よりも大きい、付記2のプロジェクター。
【0194】
付記3の構成により、第2軸に加えて第3軸においても、第2レンズに取り込まれる白色光の光量を第1レンズ及び第3レンズのぞれぞれに取り込まれる白色光の光量よりも増やすことができる。
【0195】
(付記4)前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズは、前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に交差する面内の第2軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿って配置され、前記第3軸において、前記第2レンズの幅は前記第1レンズの幅及び前記第3レンズの幅よりも大きい、付記1から3の何れか1つのプロジェクター。
【0196】
付記4の構成により、第3軸において、第2レンズに取り込まれる白色光の光量を第1レンズ及び第3レンズのぞれぞれに取り込まれる白色光の光量よりも増やすことができる。
【0197】
(付記5)前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に沿って見たときに、前記第2レンズの一部は前記青色フィルター及び前記赤色フィルターの少なくとも一方のフィルターと重なっている、付記1のプロジェクター。
【0198】
付記5の構成により、第2レンズの一部の面積に応じて緑色フィルターに入射する白色光の光量が増えるとともに、赤色フィルター及び青色フィルターの少なくとも一方に入射する白色光の光量が減る。付記5の構成によれば、緑色フィルターを透過する緑色光の光量と赤色フィルターを透過する赤色光の光量及び青色フィルターを透過する青色光の光量の少なくとも一方との差を容易に調整することができる。
【0199】
(付記6)前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に沿って見たときに、前記第2レンズにおいて前記緑色フィルターと重なる部分はパワーを有さず、前記第2レンズにおいて前記緑色フィルターとは重ならない部分は正のパワーを有する、付記1から5の何れか1つのプロジェクター。
【0200】
付記6の構成では、第2レンズにおいて第1軸に沿って見たときに緑色フィルターと重なる部分に入射する白色光は、第1軸に沿って進み、緑色フィルターに入射する。第2レンズにおいて第1軸に沿って見たときに緑色フィルターと重ならない部分に入射する白色光は、第1軸上で集光しつつ、緑色フィルターに入射する。何れの白色光についても、緑色フィルターを透過する緑色光は、画素電極の緑色サブ画素フィルタに入射する。したがって、付記6の構成により、第2レンズの全体が正のパワーを有する構成と同様に、緑色サブ画素電極に緑色光を効率良く入射させることができる。また、付記6の構成により、第2レンズの全体が正のパワーを有する場合に比べて第2レンズの薄型化を図ることができる。また、付記6の構成により、緑色のサブ画素電極に入射される光強度をサブ画素電極全体で分散させることができるため、サブ画素電極での局所的に高い光強度を有する緑色光による負荷を低減することができる。
【0201】
(付記7)前記カラーフィルターは、互いに隣り合う前記赤色フィルター、前記緑色フィルター及び前記青色フィルターの何れかのフィルター同士の間に前記白色光を遮光する遮光領域を有する、付記1から5の何れか1つのプロジェクター。
【0202】
付記7の構成では、Z軸に沿って見たときに、第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズの各々の幅を、第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズの各々の端部が遮光領域と重なるように設定することができる。このことによって、第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズがなければ遮光領域に照射されて画像光として活用されない白色光を、各レンズを用いて青色フィルター、緑色フィルター、赤色フィルターに通し、青色サブ画素電極、緑色サブ画素電極及び赤色サブ画素電極に入射させ、各サブ画素電極で画像光に変換される色光の光量を増やすることができる。付記7の構成により、光変調装置から射出されて投射される画像光におけるスペクトルの調整の自由度を高めることができる。
【0203】
(付記8)前記赤色フィルター、前記緑色フィルター及び前記青色フィルターは、前記カラーフィルターに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に交差する面内の第2軸及び前記第2軸に直交する第3軸に沿って配置され、前記遮光領域は、前記第2軸で隣り合う前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズの何れかのレンズ同士の間で前記第3軸に平行に延在する領域と、前記第3軸で隣り合う前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズの何れかのレンズ同士の間で前記第2軸に平行に延在する領域と、前記カラーフィルターの周縁部において前記第2軸に平行に延在する領域及び前記第3軸に平行に延在する領域に配置され、前記第2軸に平行に延在する前記遮光領域の前記第3軸に沿う幅は、前記第3軸に平行に延在する前記遮光領域の前記第2軸に沿う幅よりも大きく、前記第1レンズ、前記第2レンズ及び前記第3レンズは前記第3軸においてパワーを有する、付記7のプロジェクター。
【0204】
付記8の構成により、第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズのそれぞれの第3軸での調整可能幅を第2軸での調整可能幅よりも大きく確保することができる。付記8の構成により、第1軸に沿って見たときに、カラーフィルターにおいて第3軸に沿って第2軸に沿う幅よりも広く遮光領域と重なる領域に入射する白色光を、第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズのそれぞれに取り込み、カラーフィルターの青色フィルター、緑色フィルター、赤色フィルター、及び画素電極の青色サブ画素電極、緑色サブ画素電極及び赤色サブ画素電極に集光させることができる。その結果、光変調装置から射出される画像光の明るさが向上する。
【0205】
(付記9)前記レンズアレイに入射する前記白色光の光軸に平行な第1軸に沿って見たときに、前記第1レンズの主点は前記青色フィルターの中央と重なり、前記第2レンズの主点は前記緑色フィルターの中央と重なり、前記第3レンズの主点は前記赤色フィルターの中央と重なっている、付記1から8の何れか1つのプロジェクター。
【0206】
付記9の構成により、第1レンズから射出される白色光に含まれる青色光を青色サブ画素電極に効率良く入射させることができる。第2レンズから射出される白色光に含まれる緑色光を緑色サブ画素電極に効率良く入射させることができる。第3レンズから射出される白色光に含まれる赤色光を赤色サブ画素電極に効率良く入射させることができる。結果として、光変調装置から射出される画像光の明るさが向上する。
【符号の説明】
【0207】
10…光源装置、40…レンズアレイ、42…マイクロレンズ(レンズ)、44B…第1レンズ、44G…第2レンズ、44R…第3レンズ、50…光変調装置、52…カラーフィルター、54B…青色フィルター、54G…緑色フィルター、54R…赤色フィルター、62…画素電極、66B…青色サブ画素電極、66G…緑色サブ画素電極、66R…赤色サブ画素電極、90…投射光学系、301…プロジェクター。