(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134187
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】電気錠認証管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240926BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044369
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000130433
【氏名又は名称】株式会社ゴール
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】水野 翔太
【テーマコード(参考)】
5L020
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA73
5L049CC11
5L050CC11
5L055AA73
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気錠における情報媒体の更新や登録における認証情報の管理を容易にする電気錠認証管理システムを提供する。
【解決手段】電気錠認証管理システム1は、認証情報5を記憶する情報媒体4、認証情報取得部15、電気錠10の施解錠に必要な認証情報5の認証情報登録部32、認証情報5の認証情報照合部34、及び制御部20を備える。認証情報5は、対象物2に対して付与された対象物情報52、及び利用者7の個人識別情報50を含み、認証情報登録部32は、認証情報5と共に個人識別情報50更新のための個人更新識別情報50Aを記憶でき、認証情報照合部34は、取得された認証情報5のうちの個人識別情報50が、登録された個人更新識別情報50Aと一致することを条件として、認証情報登録部32において、予め登録されている個人識別情報50が無効化されると共に、個人更新識別情報50Aが個人識別情報50として登録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、
前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、
前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、
予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報が登録された認証情報登録部と、
取得された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、
前記認証情報取得部、前記認証情報登録部及び前記認証情報照合部を制御すると共に、前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、
を備え、
前記認証情報は、
予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、
予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、
を含み、
前記認証情報登録部は、前記認証情報と共に、前記個人識別情報を更新するために前記個人識別情報に対応して付与された個人更新識別情報を記憶できるものであり、
前記認証情報照合部は、取得された前記認証情報のうちの前記個人識別情報が、前記認証情報登録部に登録された前記個人更新識別情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め登録されている前記個人識別情報が無効化されると共に、記憶された前記個人更新識別情報が新たな個人識別情報として登録されること、
を特徴とする電気錠認証管理システム。
【請求項2】
前記対象物が、複数の部屋を有しており、
前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び前記部屋に係る部屋番号情報を含むものであり、
前記情報媒体が、対象物内に配置された前記部屋毎にそれぞれ少なくとも1つ設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の電気錠認証管理システム。
【請求項3】
前記認証情報登録部には、前記認証情報と共に、前記部屋番号情報を更新するための部屋番号更新情報が記憶されており、
前記認証情報照合部は、取得された前記認証情報に前記部屋番号更新情報が含まれていることを条件として、認証情報登録部において、予め発行されている全ての前記情報媒体に記憶された前記認証情報が無効化されると共に、記憶された前記部屋番号更新情報が、新たな部屋番号情報として記憶され有効化されること、
を特徴とする請求項2に記載の電気錠認証管理システム。
【請求項4】
前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び部屋番号情報を含むものであり、
新たに設定すべき対象物設定情報が記憶された対象物設定用情報媒体と、
新たに設定すべき対象物設定情報を含む前記認証情報が記憶された少なくとも1つの追加用情報媒体と、
を備え、
前記認証情報取得部は、前記対象物設定用情報媒体に記憶された前記対象物設定情報を前記対象物情報として取得可能であり、
前記認証情報照合部において、前記対象物設定用情報媒体から取得された前記認証情報に前記対象物設定情報が含まれていることを条件として、前記認証情報登録部において、前記対象物設定情報が新たな前記対象物情報として登録されると共に、前記追加用情報媒体から取得された前記対象物情報と、前記認証情報登録部に登録された前記対象物情報とが一致することを条件として、前記追加用情報媒体が有効化されること、を特徴とする請求項1又は2に記載の電気錠認証管理システム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電気錠認証管理システムは、前記対象物の外部にネットワークを介して前記電気錠に接続された情報処理部を有しており、
前記認証情報照合部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
前記認証情報登録部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
前記制御部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
前記情報処理部及び前記電気錠のいずれか一方又は双方は、前記制御部を通じて、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、前記認証情報登録部、及び前記電気錠の施解錠を制御すること、を特徴とする電気錠認証管理システム。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電気錠認証管理システムは、前記対象物の外部にネットワークを介して前記電気錠に接続された情報処理部を有しており、
前記対象物が、複数設けられており、
前記対象物毎に、前記電気錠及び前記認証情報取得部が設けられており、
前記認証情報照合部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
前記認証情報登録部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
複数の前記電気錠の施開錠に必要なそれぞれの前記認証情報が、少なくとも1つの前記情報媒体にそれぞれ区別可能に記憶されており、
前記認証情報登録部には、前記電気錠毎に対応するそれぞれの前記認証情報が、それぞれ区別可能に登録されており、
前記認証情報照合部は、前記認証情報取得部毎に取得されたそれぞれの前記認証情報と、取得された前記認証情報に対応する登録された前記認証情報と、を照合するものであり、
前記情報処理部及び前記電気錠のいずれか一方又は双方は、前記制御部を通じて、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、前記認証情報登録部、及び複数の前記電気錠の施開錠と、を制御すること、を特徴とする電気錠認証管理システム。
【請求項7】
対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、
前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、
前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、
予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報が登録された認証情報登録部と、
取得された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、
前記認証情報取得部、前記認証情報登録部及び前記認証情報照合部を制御すると共に、前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、
を備え、
前記認証情報は、
予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、
予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、
を含み、
前記情報媒体には、前記認証情報として、前記対象物に係る対象物情報と、予め前記対象物を利用する利用者毎に割り当てられた新規の前記個人識別情報と、が記憶されており、
前記認証情報登録部には、前記対象物情報と、前記利用者毎の少なくとも1つの前記個人識別情報と、が登録されており、
前記認証情報照合部において、前記認証情報取得部で取得された前記対象物情報が、登録された前記対象物情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、前記情報媒体における新規の前記個人識別情報が有効化されること、を特徴とする電気錠認証管理システム。
【請求項8】
前記情報処理部は、前記認証情報が記憶された前記情報媒体を発行する情報媒体発行部を有すること、を特徴とする請求項5に記載の電気錠認証管理システム。
【請求項9】
対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、
前記対象物の外部に設けられ、ネットワークを介して前記電気錠と接続された情報処理部と、
前記情報処理部に設けられ、予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報を記憶させた情報媒体を発行する情報媒体発行部と、
前記情報媒体発行部によって発行されると共に、前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、
前記対象物に設けられ、前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、
前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報が登録された認証情報登録部と、
前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、取得された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、
前記対象物及び前記情報処理部のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、及び前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、
前記対象物に設けられ、前記認証情報取得部によって取得された前記認証情報を前記認証情報照合部に送信する認証情報送信部と、
前記情報処理部に設けられ、前記制御部に前記電気錠の施解錠を実行させるための施解錠データを送信する施解錠データ送信部と、
を備え、
前記認証情報照合部において、前記認証情報取得部で取得された前記認証情報と、登録された前記認証情報とが一致することを条件として、前記施解錠データが、前記施解錠データ送信部から前記制御部に送信されること、を特徴とする電気錠認証管理システム。
【請求項10】
対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、
前記対象物が複数設けられており、
前記電気錠が前記対象物毎に設けられており、
複数の前記対象物の外部に設けられ、ネットワークを介してそれぞれの前記電気錠と接続された情報処理部と、
前記情報処理部に設けられ、予めそれぞれの前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報を記憶させた情報媒体を発行する情報媒体発行部と、
前記情報媒体発行部によって発行されると共に、複数の前記認証情報を対象物毎にそれぞれ区別して読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、
前記対象物毎に設けられ、前記情報媒体からいずれかの前記対象物に対応する前記認証情報を取得する複数の認証情報取得部と、
前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、前記電気錠毎に対応するそれぞれの前記認証情報が、それぞれ区別可能に記憶された認証情報登録部と、
前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報取得部毎に取得されたそれぞれの前記認証情報と、取得された前記認証情報に対応して記憶された前記認証情報と、を照合する認証情報照合部と、
前記対象物及び前記情報処理部のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、及び前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、
前記対象物毎に設けられ、前記認証情報取得部によって取得された前記認証情報を前記認証情報照合部に送信する認証情報送信部と、
前記情報処理部に設けられ、前記制御部に前記電気錠の施解錠を実行させるための施解錠データを送信する施解錠データ送信部と、
を備え、
前記認証情報照合部において、前記認証情報取得部で取得された前記認証情報と、登録された前記認証情報と、が一致することを条件として、前記施解錠データが、前記施解錠データ送信部から前記制御部に送信されること、を特徴とする電気錠認証管理システム。
【請求項11】
前記認証情報は、
予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、
予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、
を含み、
前記認証情報登録部は、前記認証情報と共に、前記個人識別情報を更新するために前記個人識別情報に対応して付与された個人更新識別情報を記憶できるものであり、
前記認証情報照合部において、取得された前記認証情報のうちの前記個人識別情報が、前記認証情報登録部に記憶された前記個人更新識別情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め登録されている前記個人識別情報が無効化されると共に、記憶された前記個人更新識別情報が新たな個人識別情報として有効化されること、を特徴とする請求項9又は10に記載の電気錠認証管理システム。
【請求項12】
対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、
前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、
前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、
予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報を登録するための認証情報登録部と、
前記認証情報の入力を受け付けると共に、入力された前記認証情報に基づいて前記認証情報登録部に登録された前記認証情報を書き換えできる認証情報入力部と、
入力された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、
前記認証情報取得部、前記認証情報入力部、及び前記認証情報照合部を制御すると共に、前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、
を備え、
前記認証情報は、
予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、
予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、
を含み、
前記認証情報入力部は、前記認証情報と共に、前記個人識別情報を更新するために前記個人識別情報に対応して付与された個人更新識別情報を入力できるものであり、
前記認証情報登録部は、前記認証情報と共に、前記個人更新識別情報を記憶できるものであり、
前記認証情報照合部において、入力された前記個人更新識別情報が、前記認証情報登録部に登録された前記個人更新識別情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め登録されている前記個人識別情報が無効化されると共に、入力された前記個人更新識別情報が新たな個人識別情報として記憶され有効化されること、
を特徴とする電気錠認証管理システム。
【請求項13】
前記対象物が、複数の部屋を有しており、
前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び前記部屋に係る部屋番号情報を含むものであり、
前記情報媒体が、対象物内に配置された前記部屋毎にそれぞれ少なくとも1つ設けられており、
前記認証情報入力部は、前記認証情報と共に、前記部屋番号情報を更新するために前記部屋番号情報に対応して付与された部屋番号更新情報を入力できるものであり、
前記認証情報登録部には、前記認証情報と共に、前記部屋番号更新情報が記憶されており、
前記認証情報照合部は、入力された前記部屋番号更新情報が、前記認証情報登録部に登録された前記部屋番号更新情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め発行されている全ての前記部屋番号情報が無効化されると共に、前記部屋番号更新情報が新たな部屋番号情報として記憶され有効化されること、
を特徴とする請求項12に記載の電気錠認証管理システム。
【請求項14】
前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び部屋番号情報を含むものであり、
前記認証情報入力部は、新たに設定すべき対象物設定情報の入力を受け付けると共に、入力された前記対象物設定情報に基づいて、前記情報媒体に記憶された前記対象物情報及び前記認証情報登録部に記憶された前記対象物情報を書き換えできるものであり、
前記認証情報照合部は、前記認証情報入力部によって入力された前記対象物情報が、前記認証情報登録部に登録された前記対象物設定情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、前記認証情報入力部で入力された前記認証情報が、新たな前記認証情報として記憶され有効化されること、を特徴とする請求項12又は13に記載の電気錠認証管理システム。
【請求項15】
請求項12又は13に記載の電気錠認証管理システムは、前記対象物の外部にネットワークを介して前記電気錠に接続された情報処理部を有しており、
前記認証情報照合部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
前記認証情報登録部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
前記制御部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、
前記情報処理部及び前記電気錠のいずれか一方又は双方は、前記制御部を通じて、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、前記認証情報登録部、及び前記電気錠の施解錠を制御すること、を特徴とする電気錠認証管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や置きボックス等に設けられた電気錠における認証情報を管理する電気錠認証管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マンション等の建物のエントランス(入口)には、特定の人物(ユーザー)が出入り可能なように電気錠が設けられている(例えば、特許文献1)。上述した特許文献1に記載の電気錠は、施解錠を行う制御装置に、特定のユーザーが施解錠可能なように当該人物の個人情報(ID)が記録されている。また、前記ユーザーには、前記電気錠の解錠に必要な個人情報が記録されたカードキーが付与されている。ここで、ユーザーがカードキーを電気錠のカードリーダーに読み取らせ、電子キーの個人情報と、予め制御装置に登録された個人情報と、が一致した場合に、前記電気錠が解錠されるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に記載のような電気錠は、例えば、ユーザーがカードキーを紛失した場合、電気錠の管理会社に紛失したカードキーの無効化を要請すると共に、新規にカードキーを発行してもらう必要がある。これに伴い、管理会社は、電気錠に登録されたユーザーの登録情報を抹消する手続と、ユーザーを特定するための新たな個人識別情報を登録する手続と、を行うと共に、新たな個人識別情報が登録されたカードキーを発行する必要がある。そのため、上述した特許文献1に記載のような電気錠では、カードキーの更新や電気錠における登録情報の変更、あるいはカードキーの追加(新規発行を含む)が煩雑となる懸念があった。また、ユーザーが引っ越し等することにより、電気錠の登録を抹消する場合や電気錠を交換する場合も、上述と同様にカードキーの更新や電気錠における登録情報の変更、あるいはカードキーの追加(新規発行を含む)が煩雑となる懸念がある。
【0005】
また、最近では、建物のエントランスや部屋のドアだけではなく、宅配業者等によって設けられた置きボックス等にも電気錠が設けられている。そのため、ユーザーは、それぞれの電気錠に対応した電子キー(カードキーに相当)を所持する必要がある。また、電気錠毎に異なる施解錠システムが用いられていることもある。したがって、ユーザーにおける電子キーの管理が複雑となることに加え、上述した電子キーの更新や追加の手続も煩雑となる懸念がある。また、複数種類の電気錠の施解錠に係る認証を1つの電子キーで行うことも困難である。
【0006】
そこで、本発明は、電気錠におけるキー(情報媒体)の更新や登録における認証情報の管理を容易にすることが可能な電気錠認証管理システムを提供することを目的とする。また、本発明は、複数の電気錠におけるキー(情報媒体)の更新や登録を統括して管理することが可能な電気錠認証管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気錠認証管理システムは、対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報が登録された認証情報登録部と、取得された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、前記認証情報取得部、前記認証情報登録部及び前記認証情報照合部を制御すると共に、前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、を備え、前記認証情報は、予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、を含み、前記認証情報登録部は、前記認証情報と共に、前記個人識別情報を更新するために前記個人識別情報に対応して付与された個人更新識別情報を記憶できるものであり、前記認証情報照合部は、取得された前記認証情報のうちの前記個人識別情報が、前記認証情報登録部に登録された前記個人更新識別情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め登録されている前記個人識別情報が無効化されると共に、記憶された前記個人更新識別情報が新たな個人識別情報として登録されること、を特徴とするものである。
【0008】
上述した電気錠認証管理システムは、認証情報登録部に、電気錠を施開錠するための認証情報が記憶されており、当該認証情報には、対象物に対して付与された対象物情報と、予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、が含まれている。また、認証情報登録部には、上記に加えて、個人識別情報を更新するための個人更新識別情報が記憶されている。一方、上述した電気錠認証管理システムは、少なくとも1つの情報媒体に、個人識別情報を含む認証情報が記憶されており、認証情報取得部により、当該情報媒体に記憶された認証情報を取得(読み取り)することができる。
【0009】
ここで、認証情報照合部において、情報媒体から取得された認証情報のうちの個人識別情報が、認証情報登録部に登録された個人更新識別情報と一致することを条件として、認証情報登録部において、予め登録されている個人識別情報が無効化されると共に、登録された個人更新識別情報が新たな個人識別情報として認証情報登録部に登録されるものとされている。言い換えると、認証情報取得部により情報媒体からの個人識別情報の取得が行われることにより、更新前の個人識別情報が無効化され、新たな個人更新識別情報に基づいて、認証情報登録部において個人識別情報が更新される。これにより、情報媒体における個人識別情報(個人更新識別情報に相当)が有効化され、次回以降、当該情報媒体を用いて、電気錠の施解錠を行うことができる。
【0010】
ここで、上述した電気錠認証管理システムにおける対象物は、例えば、建物、置きボックス、貸金庫、ワークスペースボックス、及びポストなどの各種のもので構成することができる。また、上述した情報媒体は、例えば、カードキー、電子キー、バーコード記録媒体、及び携帯端末のいずれかとして構成することができる。これにより、上述した電気錠認証管理システムは、ユーザーが容易に情報媒体を携帯することができる。ここで、カードキーや電子キー(以下、両者を電子キー等とも称する)は、例えば、近距離無線通信が可能なものや直接的に電子キー等の認証情報を読み取るものなどが利用できる。また、近距離無線通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFCタグなど、各種の近距離無線通信手段が利用できる。また、バーコード記録媒体は、例えば、紙や樹脂等で形成されたシートにバーコード(「QRコード(登録商標)」を含む)を印刷することによって形成されたものが利用できる。また、携帯端末は、上述した近距離無線通信によるものの他、例えば、画面上にバーコードやQRコード(登録商標)等を表示させるものとしてもよい。
【0011】
このように、上述した電気錠認証管理システムによれば、更新に係る新たな情報媒体を認証情報取得部により読み取らせることで、電気錠における認証情報の更新を自動的に行うことができる。すなわち、電気錠又は電気錠が設置された対象物側(両者を含めローカル側とも称する)において、認証情報の更新が自動的に行われる。なお、認証情報登録部における個人更新識別情報の記憶は、予めシステム管理者が行えばよい。また、情報媒体の発行は、対象物を管理する事業者が、システム管理者に申請することにより行えばよい。
【0012】
(2)上述した本発明の電気錠認証管理システムは、前記対象物が、複数の部屋を有しており、前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び前記部屋に係る部屋番号情報を含むものであり、前記情報媒体が、対象物内に配置された前記部屋毎にそれぞれ少なくとも1つ設けられていること、を特徴とするとよい。
【0013】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、マンションやアパート等の集合住宅のような複数の部屋を有する建物において、建物と部屋とを関連づけて情報媒体における認証情報の更新や追加を一括して管理できる。
【0014】
(3)上述した本発明の電気錠認証管理システムにおいて、前記認証情報登録部には、前記認証情報と共に、前記部屋番号情報を更新するための部屋番号更新情報が記憶されており、 前記認証情報照合部は、取得された前記認証情報に前記部屋番号更新情報が含まれていることを条件として、認証情報登録部において、予め発行されている全ての前記情報媒体に記憶された前記認証情報が無効化されると共に、記憶された前記部屋番号更新情報が、新たな部屋番号情報として記憶され有効化されること、を特徴とするとよい。
【0015】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、抹消が必要になった認証情報(旧認証情報とも称する)を容易に無効化できると共に、旧認証情報を新たに発行する部屋番号情報(部屋番号更新情報とも称する)に容易に自動更新(登録)できる。すなわち、上述した電気錠認証管理システムは、部屋番号更新情報が記録された情報媒体を用いて(情報媒体をトリガーとして)、認証情報登録部に登録された旧認証情報を、部屋番号更新情報を含む新たな認証情報に容易に置き換えできる。そのため、上述した電気錠認証管理システムは、集合住宅等で住人が引っ越し等した場合に、部屋番号更新情報が含まれた情報媒体を読み取ることによって、住人に対して予め発行された全ての情報媒体に記憶された認証情報を容易に無効化できる。また、部屋番号更新情報が新たな部屋番号として認証情報登録部に登録されるので、当該情報媒体における個人識別情報を、新たに入居する住人の個人更新識別情報に更新(新規登録を含む)することで、前記情報媒体の再利用が可能となる。
【0016】
(4)上述した本発明の電気錠認証管理システムは、前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び部屋番号情報を含むものであり、新たに設定すべき対象物設定情報が記憶された対象物設定用情報媒体と、新たに設定すべき対象物設定情報を含む前記認証情報が記憶された少なくとも1つの追加用情報媒体と、を備え、前記認証情報取得部は、前記対象物設定用情報媒体に記憶された前記対象物設定情報を前記対象物情報として取得可能であり、前記認証情報照合部において、前記対象物設定用情報媒体から取得された前記認証情報に前記対象物設定情報が含まれていることを条件として、前記認証情報登録部において、前記対象物設定情報が新たな前記対象物情報として登録されると共に、前記追加用情報媒体から取得された前記対象物情報と、前記認証情報登録部に登録された前記対象物情報とが一致することを条件として、前記追加用情報媒体が有効化されること、を特徴とするとよい。
【0017】
上述した電気錠認証管理システムは、対象物設定用情報媒体を用いて、対象物に係る対象物情報を予め設定した上で、少なくとも1つの追加用情報媒体(情報媒体)を追加できる。これにより、上述した電気錠認証管理システムは、管理する対象物を順次追加できると共に、追加された対象物に対して、情報媒体を新たに追加することができる。また、錠認証管理システムは、対象物毎に一括で情報媒体の追加の管理を行うことができる。
【0018】
(5)上述した本発明の電気錠認証管理システムは、前記対象物の外部にネットワークを介して前記電気錠に接続された情報処理部を有しており、前記認証情報照合部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、前記認証情報登録部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、前記制御部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、前記情報処理部及び前記電気錠のいずれか一方又は双方は、前記制御部を通じて、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、前記認証情報登録部、及び前記電気錠の施解錠を制御すること、を特徴とするとよい。
【0019】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、情報処理部を通じて、複数の情報媒体の一括追加や一括更新をすることができる。したがって、上述した電気錠認証管理システムは、情報媒体を紛失した際にシステム管理者や事業者等による更新作業を不要とできる。これにより、上述した電気錠認証管理システムは、例えば、システムの管理者側に情報処理部を設けることにより、対象物の管理者(例えば、マンション等の管理者や置きボックス等の管理者)における管理負担が軽減できる。
【0020】
ここで、前記情報処理部は、例えば、クラウドサーバーなどの各種のサーバーとして構成されているとよい。上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、サーバーとして情報媒体の追加や更新を一括して管理できる。これにより、システム管理者による電気錠認証管理システムの管理が容易となる。また、上述した電気錠認証管理システムによれば、電気錠認証管理システムを利用する事業者や電気錠を利用するユーザーが、円滑に電気錠認証管理システムを利用できる。ここで、情報処理部は、システム管理者が直接的に管理するものの他、システム管理者以外の第三者が管理するものであってもよい。ここでいう第三者は、システム管理者から委託等された事業者等が例示される。さらに具体的には、例えば、システム管理者が、電気錠認証管理システムを提供する鍵等の製造事業者であり、事業者が、前記システム管理者から当該電気錠認証管理システムの販売を委託された販売事業者である場合が例示される。
【0021】
また、上述した電気錠認証管理システムは、情報処理部側(サーバー側)だけではなく、対象物側(ローカル側又は電気錠側とも称する)に認証情報登録部及び認証情報照合部を設ける構成とすることにより、情報処理部側だけではなく、対象物側で認証情報の更新や登録を行うことができる。言い換えれば、上述した電気錠認証管理システムは、情報処理部側(サーバー側)及び対象物側(ローカル側)の双方を併用したハイブリッドでの電気錠に係る認証情報の更新や登録、あるいは電気錠の施解錠制御を行うことができる。そのため、ネットワーク管理(オンライン管理)ができないような電気錠(情報処理部を設けない構成)においても、本発明の電気錠認証管理システムを利用して、電気錠に係る認証情報の自動更新や自動登録を実行できるという効果が期待できる。すなわち、電気錠の有する施解錠システムをそのまま利用して、本発明に係る電気錠認証管理システムを利用できるという効果が期待できる。
【0022】
(6)上述した本発明の電気錠認証管理システムは、前記対象物の外部にネットワークを介して前記電気錠に接続された情報処理部を有しており、前記対象物が、複数設けられており、前記対象物毎に、前記電気錠及び前記認証情報取得部が設けられており、前記認証情報照合部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、前記認証情報登録部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、複数の前記電気錠の施開錠に必要なそれぞれの前記認証情報が、少なくとも1つの前記情報媒体にそれぞれ区別可能に記憶されており、前記認証情報登録部には、前記電気錠毎に対応するそれぞれの前記認証情報が、それぞれ区別可能に登録されており、前記認証情報照合部は、前記認証情報取得部毎に取得されたそれぞれの前記認証情報と、取得された前記認証情報に対応する登録された前記認証情報と、を照合するものであり、前記情報処理部及び前記電気錠のいずれか一方又は双方は、前記制御部を通じて、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、前記認証情報登録部、及び複数の前記電気錠の施開錠と、を制御すること、を特徴とするとよい。
【0023】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、例えば、集合住宅及び置きボックスのそれぞれに電気錠が設けられているような場合であっても、それぞれの電気錠に対応する情報媒体の認証情報を少なくとも1つの情報媒体に集約させることができる。また、上述した電気錠認証管理システムは、複数種類の電気錠の認証情報が少なくとも1つの情報媒体に集約されているので、ネットワークを介して接続された情報処理部を通じて、一つの情報媒体を用いて、複数種類の電気錠に係る認証情報の更新、登録、及び施解錠を行うことができる。そのため、上述した電気錠認証管理システムは、利用者(ユーザー)の利便性を高めることができる。
【0024】
(7)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気錠認証管理システムは、対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報が登録された認証情報登録部と、取得された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、前記認証情報取得部、前記認証情報登録部及び前記認証情報照合部を制御すると共に、前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、を備え、前記認証情報は、予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、を含み、前記情報媒体には、前記認証情報として、前記対象物に係る対象物情報と、予め前記対象物を利用する利用者毎に割り当てられた新規の前記個人識別情報と、が記憶されており、前記認証情報登録部には、前記対象物情報と、前記利用者毎の少なくとも1つの前記個人識別情報と、が登録されており、 前記認証情報照合部において、前記認証情報取得部で取得された前記対象物情報が、登録された前記対象物情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、前記情報媒体における新規の前記個人識別情報が有効化されること、を特徴とするものである。
【0025】
上述した電気錠認証管理システムは、認証情報取得部によって、情報媒体に認証情報として記憶された対象物情報と、新規の個人識別情報と、を取得するものとされている。また、上述した電気錠認証管理システムにおける認証情報登録部には、対象物情報と、利用者毎の少なくとも1つの個人識別情報とが、登録されている。
【0026】
また、認証情報照合部において、認証情報取得部で取得された対象物情報が、登録された対象物情報と一致することを条件として、認証情報登録部において、情報媒体における新規の個人識別情報が有効化されるものとされている。すなわち、上述した電気錠認証管理システムは、新規で追加する情報媒体(新情報媒体とも称する)に、認証情報として記憶された対象物情報及び新規の個人識別情報(新個人識別情報とも称する)を取得し、取得された対象物情報及び新個人識別情報が、認証情報登録部に登録されている対象物情報及び個人識別情報と一致することを条件として、当該新情報媒体の使用を開始させることができる。言い換えれば、上述した電気錠認証管理システムは、新情報媒体から、新個人識別情報を含む認証情報を認証情報取得部で取得する(読み取らせる)ことで、容易に新情報媒体を追加できる。これにより、対象物の利用者や対象物を管理する事業者等の利便性向上が期待できる。
【0027】
(8)上述した本発明の電気錠認証管理システムにおいて、前記情報処理部は、前記認証情報が記憶された前記情報媒体を発行する情報媒体発行部を有すること、を特徴とするとよい。
【0028】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、容易に情報媒体を発行できるので、情報媒体の更新や追加を迅速に行うことができる。
【0029】
(9)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気錠認証管理システムは、対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、前記対象物の外部に設けられ、ネットワークを介して前記電気錠と接続された情報処理部と、前記情報処理部に設けられ、予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報を記憶させた情報媒体を発行する情報媒体発行部と、前記情報媒体発行部によって発行されると共に、前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、前記対象物に設けられ、前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報が登録された認証情報登録部と、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、取得された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、前記対象物及び前記情報処理部のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、及び前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、前記対象物に設けられ、前記認証情報取得部によって取得された前記認証情報を前記認証情報照合部に送信する認証情報送信部と、前記情報処理部に設けられ、前記制御部に前記電気錠の施解錠を実行させるための施解錠データを送信する施解錠データ送信部と、を備え、前記認証情報照合部において、前記認証情報取得部で取得された前記認証情報と、登録された前記認証情報とが一致することを条件として、前記施解錠データが、前記施解錠データ送信部から前記制御部に送信されること、を特徴とするものである。
【0030】
上述した電気錠認証管理システムによれば、認証情報照合部において、取得された前記認証情報と、登録された前記認証情報とが一致することを条件として、前記施解錠データが、前記施解錠データ送信部から前記制御部に送信される。すなわち、上述した電気錠認証管理システムは、情報媒体に記憶された認証情報を、ネットワーク接続された情報処理部における認証情報照合部によって容易に照合できると共に、対象物の外部から電気錠の施解錠に係る制御を行うことができる。これにより、上述した電気錠認証管理システムは、電気錠における情報媒体(キー)の管理や認証情報の管理を容易にすることができる。
【0031】
(10)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気錠認証管理システムは、対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、前記対象物が複数設けられており、前記電気錠が前記対象物毎に設けられており、複数の前記対象物の外部に設けられ、ネットワークを介してそれぞれの前記電気錠と接続された情報処理部と、前記情報処理部に設けられ、予めそれぞれの前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報を記憶させた情報媒体を発行する情報媒体発行部と、前記情報媒体発行部によって発行されると共に、複数の前記認証情報を対象物毎にそれぞれ区別して読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、前記対象物毎に設けられ、前記情報媒体からいずれかの前記対象物に対応する前記認証情報を取得する複数の認証情報取得部と、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、前記電気錠毎に対応するそれぞれの前記認証情報が、それぞれ区別可能に記憶された認証情報登録部と、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報取得部毎に取得されたそれぞれの前記認証情報と、取得された前記認証情報に対応して記憶された前記認証情報と、を照合する認証情報照合部と、前記対象物及び前記情報処理部のいずれか一方又は双方に設けられ、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、及び前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、前記対象物毎に設けられ、前記認証情報取得部によって取得された前記認証情報を前記認証情報照合部に送信する認証情報送信部と、前記情報処理部に設けられ、前記制御部に前記電気錠の施解錠を実行させるための施解錠データを送信する施解錠データ送信部と、を備え、前記認証情報照合部において、前記認証情報取得部で取得された前記認証情報と、登録された前記認証情報と、が一致することを条件として、前記施解錠データが、前記施解錠データ送信部から前記制御部に送信されること、を特徴とするものである。
【0032】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、少なくとも1つの情報媒体に、複数種類の電気錠毎の認証情報を、それぞれ区別可能なように集約して記憶することができる。したがって、上述した電気錠認証管理システムは、例えば、集合住宅及び置きボックスのそれぞれに電気錠が設けられているような場合であっても、それぞれの電気錠に対応する情報媒体の認証情報を少なくとも1つの情報媒体に集約させることができる。これにより、上述した電気錠認証管理システムは、それぞれの情報媒体における認証情報の更新(追加を含む)制御に係るアルゴリズムを共有することなく、少なくとも1つの情報媒体を用いて、複数種類の電気錠の施解錠に係る制御を行うことができる。すなわち、上述した電気錠認証管理システムは、ネットワークを介して接続された情報処理部を通じて、1つの情報媒体を用いて、複数種類の電気錠の施解錠を行うことができる。そのため、上述した電気錠認証管理システムは、利用者(ユーザー)の利便性を高めることができる。
【0033】
(11)上述した本発明の電気錠認証管理システムにおいて、前記認証情報は、予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、を含み、前記認証情報登録部は、前記認証情報と共に、前記個人識別情報を更新するために前記個人識別情報に対応して付与された個人更新識別情報を記憶できるものであり、前記認証情報照合部において、取得された前記認証情報のうちの前記個人識別情報が、前記認証情報登録部に記憶された前記個人更新識別情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め登録されている前記個人識別情報が無効化されると共に、記憶された前記個人更新識別情報が新たな個人識別情報として有効化されること、を特徴とするとよい。
【0034】
上述した電気錠認証管理システムは、情報媒体からの個人識別情報の取得が行われることにより、更新前の旧個人識別情報が無効化され、新たな個人更新識別情報に基づいて、認証情報登録部において個人識別情報が更新される。これにより、情報媒体における個人識別情報(個人更新識別情報に相当)が有効化され、次回以降、当該情報媒体を用いて、電気錠の施解錠を行うことができる。このように、上述した電気錠認証管理システムによれば、更新に係る新たな情報媒体を認証情報取得部により読み取らせることにより、電気錠における認証情報の更新を自動的に行うことができる。なお、認証情報登録部における個人更新識別情報の記憶は、予めシステム管理者が行えばよい。ここで、情報処理部に登録された認証情報がシステム管理者によって管理されている場合における情報媒体の発行は、対象物を管理する事業者からの申請に基づいて、システム管理者が、情報処理部における認証情報を更新した後に行われるとよい。これにより、旧情報媒体の無効化が迅速に行える。これに対し、情報処理部に登録された認証情報がシステム管理者によって管理されていない場合における情報媒体の発行は、対象物を管理する事業者からの申請に基づいて、システム管理者が行えばよい。また、新規発行された情報媒体から取得される認証情報に基づいて、情報処理部における認証情報の更新が行われるようにするとよい。これにより、システム管理者側の作業負担(情報処理部における認証情報の更新作業)が軽減できる。
【0035】
(12)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気錠認証管理システムは、対象物に設けられた電気錠を施解錠するための認証情報の管理を行う電気錠認証管理システムであって、前記認証情報を読み書き可能に記憶する少なくとも1つの情報媒体と、前記情報媒体に記憶された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、予め前記電気錠の施解錠に必要な前記認証情報を登録するための認証情報登録部と、前記認証情報の入力を受け付けると共に、入力された前記認証情報に基づいて前記認証情報登録部に登録された前記認証情報を書き換えできる認証情報入力部と、入力された前記認証情報及び登録された前記認証情報を照合する認証情報照合部と、前記認証情報取得部、前記認証情報入力部、及び前記認証情報照合部を制御すると共に、前記電気錠の施解錠を制御する制御部と、を備え、前記認証情報は、予め前記対象物に対して付与された対象物情報と、予め前記対象物の利用者に対して付与された個人識別情報と、を含み、前記認証情報入力部は、前記認証情報と共に、前記個人識別情報を更新するために前記個人識別情報に対応して付与された個人更新識別情報を入力できるものであり、前記認証情報登録部は、前記認証情報と共に、前記個人更新識別情報を記憶できるものであり、前記認証情報照合部において、入力された前記個人更新識別情報が、前記認証情報登録部に登録された前記個人更新識別情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め登録されている前記個人識別情報が無効化されると共に、入力された前記個人更新識別情報が新たな個人識別情報として記憶され有効化されること、を特徴とするものである。
【0036】
上述した電気錠認証管理システムにおいて、認証情報照合部は、認証情報入力部で入力された個人更新識別情報が、認証情報登録部に登録された個人更新識別情報と一致することを条件として、認証情報登録部において、予め登録されている個人識別情報が無効化されると共に、入力された個人更新識別情報が新たな個人識別情報として記憶され有効化されるものとされている。言い換えると、個人更新識別情報が入力されることにより、更新前の旧個人識別情報が無効化され、新たな個人更新識別情報に基づいて、認証情報登録部において個人識別情報が更新される。これにより、情報媒体における個人識別情報(個人更新識別情報に相当)が有効化され、次回以降、当該情報媒体を用いて、電気錠の施解錠を行うことができる。ここで、上述した電気錠認証管理システムにおける対象物は、建物、置きボックス、貸金庫、ワークスペースボックス、及びポストなどの各種のもので構成することができる。
【0037】
このように、上述した電気錠認証管理システムによれば、更新に係る新たな個人更新識別情報を認証情報入力部により入力することで、電気錠における認証情報の更新を手動で容易に行うことができる。
【0038】
(13)上述した本発明の電気錠認証管理システムは、前記対象物が、複数の部屋を有しており、前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び前記部屋に係る部屋番号情報を含むものであり、前記情報媒体が、対象物内に配置された前記部屋毎にそれぞれ少なくとも1つ設けられており、前記認証情報入力部は、前記認証情報と共に、前記部屋番号情報を更新するために前記部屋番号情報に対応して付与された部屋番号更新情報を入力できるものであり、前記認証情報登録部には、前記認証情報と共に、前記部屋番号更新情報が記憶されており、前記認証情報照合部は、入力された前記部屋番号更新情報が、前記認証情報登録部に記憶された前記部屋番号更新情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、予め発行されている全ての前記部屋番号情報が無効化されると共に、前記部屋番号更新情報が新たな部屋番号情報として記憶され有効化されること、を特徴とするとよい。
【0039】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、抹消が必要になった認証情報(旧認証情報とも称する)を容易に無効化できると共に、旧認証情報を新たに発行する部屋番号更新情報に容易に更新(登録)できる。すなわち、上述した電気錠認証管理システムは、入力された部屋番号更新情報に基づいて、認証情報登録部に登録された旧認証情報を、部屋番号更新情報を含む新たな認証情報に容易に置き換えできる。そのため、上述した電気錠認証管理システムは、集合住宅等で住人が引っ越し等した場合に、住人に対して予め発行された全ての情報媒体に記憶された認証情報を容易に無効化できる。また、部屋番号更新情報が新たな部屋番号情報として認証情報登録部に登録されるので、一旦無効化された情報媒体に対して、新たに入居する住人の個人識別情報を記憶すれば、前記情報媒体の再利用が可能となる。
【0040】
(14)上述した本発明の電気錠認証管理システムにおいて、前記認証情報が、前記対象物に係る対象物情報及び部屋番号情報を含むものであり、前記認証情報入力部は、新たに設定すべき対象物設定情報の入力を受け付けると共に、入力された前記対象物設定情報に基づいて、前記情報媒体に記憶された前記対象物情報及び前記認証情報登録部に記憶された前記対象物情報を書き換えできるものであり、前記認証情報照合部は、前記認証情報入力部によって入力された前記対象物情報が、前記認証情報登録部に登録された前記対象物設定情報と一致することを条件として、前記認証情報登録部において、前記認証情報入力部で入力された前記認証情報が、新たな前記認証情報として記憶され有効化されること、を特徴とするとよい。
【0041】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、認証情報入力部を介して新たに入力された対象物設定情報に基づいて、認証情報登録部に記憶された対象物情報を書き換えできる。また、上述した電気錠認証管理システムは、認証情報入力部で入力された対象物設定情報に基づいて、管理する対象物を追加することができる。
【0042】
(15)上述した本発明の電気錠認証管理システムは、前記対象物の外部にネットワークを介して前記電気錠に接続された情報処理部を有しており、前記認証情報照合部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、前記認証情報登録部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、前記制御部が、前記情報処理部及び前記対象物のいずれか一方又は双方に配置されており、前記情報処理部及び前記電気錠のいずれか一方又は双方は、前記制御部を通じて、前記認証情報取得部、前記認証情報照合部、前記認証情報登録部、及び前記電気錠の施解錠を制御すること、を特徴とするとよい。
【0043】
上述した電気錠認証管理システムは、かかる構成とすることにより、情報処理部を通じて、複数の情報媒体の一括追加や一括更新をすることができる。また、上述した電気錠認証管理システムは、情報処理部を対象物の外部に設けることができるので、情報処理部を電気錠から離れる遠隔地に設けた場合であっても、例えば、遠隔操作により電気錠の施解錠を行うことができる。これにより、上述した電気錠認証管理システムは、例えば、システムの管理者側に情報処理部を設けることにより、対象物の管理者(例えば、マンション等の管理者や置きボックス等の管理者)における管理負担が軽減できる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、電気錠におけるキー(情報媒体)の更新や登録における認証情報の管理を容易にすることが可能な電気錠認証管理システムを提供することができる。また、本発明によれば、複数の電気錠におけるキー(情報媒体)の更新や登録を統括して管理することが可能な電気錠認証管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムのブロック図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムの概略説明図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムの運用開始及び情報媒体の発行に係る概略説明図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムを構成する認証情報の概略説明図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムにおける個人識別情報の更新手続きの説明図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムにおける部屋番号情報の更新手続きの説明図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムにおける対象物の追加及び対象物に係る追加用情報媒体の登録に係る手続きの説明図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムにおける情報媒体の新規追加に係る手続きの説明図である。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムにおける個人識別情報の更新に係るフロー図である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムにおける部屋番号情報の更新手続きに係るフロー図である。
【
図11】本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システムにおける対象物の追加手続き及び情報媒体の追加手続きに係るフロー図である。
【
図13】本発明の第一変形例に係る電気錠認証管理システムにおける個人識別情報の更新に係るフロー図である。
【
図14】本発明の第一変形例に係る電気錠認証管理システムにおける個人識別情報の更新に係るフロー図である。
【
図15】本発明の第二変形例に係る電気錠認証管理システムにおける情報媒体の説明図である。
【
図16】本発明の第二実施形態に係る電気錠認証管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る電気錠認証管理システム1の詳細を説明する。なお、これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付していることに留意されたい。
【0047】
また、本実施形態では、電気錠10が設けられた対象物2が宅配便における置きボックス(宅配ボックスとも称する)である場合(以下、対象物2を置きボックス2とも称する)を例として説明する。また、置きボックス2が、内部に収容室としての複数の部屋R(部屋番号情報54)を有する場合を例として説明する。また、置きボックス2が、事業者6によって管理されており、電気錠認証管理システム1がシステム管理者3によって管理されている場合を例として説明する。
【0048】
電気錠認証管理システム1は、大別すると
図1に示すように、情報媒体4及び認証情報登録部32における認証情報5を自動で更新する第一実施形態と、
図13に示すように、情報媒体4及び認証情報登録部32における認証情報5を手動での入力により更新する第二実施形態と、に分けられる。そのため、以下では、まず、第一実施形態に係る電気錠認証管理システム1についての詳細を説明し、その後、第二実施形態に係る電気錠認証管理システム100についての詳細を説明する。
【0049】
≪第一実施形態≫
図2に示すように、電気錠認証管理システム1は、置きボックス2と、置きボックス2の内部に形成された収容室としての複数の部屋Rと、を有している、また、各部屋Rには、それぞれ部屋番号情報54(例えば、R1~Rn)が付与されている。なお、
図1では、簡略化するため、置きボックス2における部屋Rは省略している。また、電気錠認証管理システム1は、各部屋Rに電気錠10が設けられている。電気錠認証管理システム1は、置きボックス2に設けられた電気錠10を施解錠するための認証情報5(
図4参照)の管理を行うものとされている。
【0050】
また、第一実施形態における電気錠認証管理システム1は、
図1に示すように、電気錠10の本体に関する部分と、置きボックス2の外部に設けられる情報処理部30と、に大別されている。なお、電気錠認証管理システム1は、情報処理部30を設けなくとも、電気錠10(対象物2を含む)側での動作が可能であるが、第一実施形態においては、情報処理部30を設けて、情報処理部30を通じた制御を行うものについて説明する。
【0051】
電気錠認証管理システム1は、電気錠10を施解錠するための少なくとも1つの情報媒体4を備えている。また、電気錠認証管理システム1は、置きボックス2(対象物2)側に、認証情報取得部15、認証情報登録部32、認証情報照合部34、制御部20、及び認証情報送信部25等を備えている。なお、ここでいう置きボックス2側は、例えば、置きボックス2を管理する管理施設等の建物を含むものとされている。また、電気錠認証管理システム1は、情報処理部30側に、認証情報登録部32、認証情報照合部34、施解錠データ送信部38、情報媒体発行部40、及びデータベース部42等を備えている。なお、第一次実施形態においては、認証情報登録部32及び認証情報照合部34が、電気錠10(対象物2)及び情報処理部30の双方に設けられている場合について説明する。
【0052】
電気錠10には、電気錠10を施解錠するための各種の施解錠手段が設けられている。電気錠10は、情報媒体4に記憶された認証情報5の照合結果に基づき、施解錠手段が操作されることで、施解錠が行われるものとされている。
【0053】
情報媒体4は、
図4に示すように、本実施形態では、例えば、ICチップが搭載されたカードキー(電子キーとも称する)が用いられている。情報媒体4には、認証情報5が読み書き可能に記憶されている。情報媒体4は、後述する情報媒体発行部40により、発行されるものとされている。また、情報媒体4は、例えば、置きボックス2(対象物2)内に配置された部屋R毎にそれぞれ少なくとも1つ設けられている。詳細は後述するが、対象物2を新たに追加する場合や新たに情報媒体4を追加する場合は、対象物設定情報52Aが記憶された対象物設定用情報媒体4Aや追加用情報媒体4B(
図7参照)が用いられる。
【0054】
ここで、認証情報5は、
図4に示すように、情報媒体4に記憶されている。認証情報5は、本実施形態では、予め置きボックス2(対象物2)に対して付与された対象物情報52と、予め置きボックス2の利用者7に対して付与された個人識別情報50と、を含むものとされている。また、認証情報5は、置きボックス2の部屋R毎に付与された部屋番号情報54を含むものとされている。
【0055】
認証情報5は、
図3の下段に記載のように、置きボックス2を管理する事業者6が、電気錠認証管理システム1を管理するシステム管理者3に対して情報媒体4を注文する際に、付与(発行)されるものとされている。認証情報5は、情報媒体4に記憶される他、認証情報登録部32及びデータベース部42にも記憶(登録)されている。
【0056】
ここで、システム管理者3によって付与される認証情報5について説明する。システム管理者3は、例えば、電気錠10のメーカーや電気錠認証管理システム1の販売者等とされている。
図3の上段に示すように、システム管理者3は、事業者6からの依頼に応じて、事業者6が管理する置きボックス2に関する対象物情報52及び各部屋Rに対応する部屋番号情報54を付与する。また、システム管理者3は、事業者6からの注文に応じて、置きボックス2を利用するそれぞれの利用者7を特定する個人識別情報50を付与する。
【0057】
対象物情報52は、
図4に示すように、置きボックス2を特定するために必要な固有の識別情報とされている。対象物情報52は、具体的には、例えば、置きボックス2が、設置されている場所や建物の住所などが挙げられる。
【0058】
個人識別情報50は、置きボックス2を利用する利用者7に固有の識別情報とされている。個人識別情報50は、例えば、利用者7に係る固有情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス等)に基づいて、後述する情報処理部30によって利用者7毎に付与される。なお、本実施形態では、対象物情報52及び個人識別情報50を含む認証情報5が暗号化処理されて、情報媒体4、認証情報登録部32、及びデータベース部42に記憶されている。
【0059】
部屋番号情報54は、置きボックス2の部屋R毎に付与されるものとされている。部屋番号情報54は、利用者7の個人識別情報50を利用者7が利用する少なくとも1つの部屋Rに関連付けするように付与される。
【0060】
新たに個人識別情報50を付与(発行)する場合や更新する場合には、個人識別情報50に相当する新たな個人更新識別情報50Aが付与される。また、新たに部屋番号情報54を付与する場合や更新する場合には、部屋番号情報54に相当する新たな部屋番号更新情報54Aが付与される。ここで、新たに個人識別情報50を付与する場合や更新する場合とは、例えば、置きボックス2の利用者7が置きボックス2の利用をやめ、新しい利用者7に代わる場合や、利用者7が情報媒体4を紛失した場合が例示される。
【0061】
個人更新識別情報50A及び部屋番号更新情報54Aは、事業者6や利用者7から、例えば、システム管理者3に注文することにより付与される。個人識別情報50、対象物情報52、及び部屋番号情報54は、認証情報5として、情報媒体4に記憶される。また、認証情報5と共に、個人更新識別情報50A及び部屋番号更新情報54Aが情報媒体4に記憶される。認証情報5等が記憶された情報媒体4は、後述する情報媒体発行部40によって発行することができる。
【0062】
図1及び
図2に示すように、認証情報取得部15は、例えば、近距離通信が可能なカードリーダーが用いられている。ここで、近距離無線通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFCタグなど、各種の近距離無線通信手段が利用できる。認証情報取得部15は、情報媒体4に記憶された認証情報5を取得することができる。認証情報取得部15による認証情報5の取得は、情報媒体4との直接的な接触によるものや、近距離通信を用いた非接触によるものなど、各種の態様で行うことができる。認証情報取得部15は、認証情報5に含まれる個人更新識別情報50Aや部屋番号更新情報54Aなど、情報媒体4に記憶された各種の認証情報5を取得できる。認証情報取得部15は、後述する対象物設定用情報媒体4A(
図7参照)に記憶された対象物設定情報52Aを対象物情報52として取得することができる。
【0063】
認証情報登録部32は、例えば、ハードディスクやメモリ(SSD等を含む)などの各種の記憶媒体により構成されている。認証情報登録部32には、予め電気錠10の施解錠に必要な認証情報5が登録(記憶)されている。認証情報登録部32は、認証情報5を書き換え可能に記憶することができる。ここで、認証情報5には、
図4に示すように、個人識別情報50、対象物情報52、及び部屋番号情報54が含まれており、これらが認証情報登録部32に認証情報5として登録される。
【0064】
また、認証情報登録部32は、認証情報5と共に、個人識別情報50を更新(新規登録を含む)するために個人識別情報50に対応して付与された個人更新識別情報50Aを記憶することができる。また、認証情報5と共に、認証情報登録部32は、部屋番号情報を更新(新規登録を含む)するための部屋番号更新情報54Aを記憶することができる。本実施形態では、認証情報5(個人更新識別情報50A及び部屋番号更新情報54Aを含む)が認証情報登録部32に暗号化処理されて記憶されている。認証情報登録部32は、本実施形態では、後述する情報処理部30側の認証情報登録部32とネットワークを通じて同期されている。
【0065】
図1に示すように、認証情報照合部34は、例えば、CPUなどの演算装置で構成されている。認証情報照合部34は、認証情報取得部15で取得された認証情報5と、認証情報登録部32に登録された認証情報5と、を照合するものとされている。すなわち、認証情報照合部34は、利用者7や事業者6が保持する情報媒体4から読み取った(取得した)認証情報5と、認証情報登録部32に登録された認証情報5と、を照合することができる。認証情報照合部34は、本実施形態では、後述する情報処理部30側の認証情報照合部34とネットワークを通じて同期されている。
【0066】
制御部20は、コンピュータ等で構成されており、電気錠10の施解錠手段(図示せず)における施解錠操作を制御することができる。制御部20は、後述する施解錠データ送信部38からの施解錠データを受信して電気錠10の施解錠操作を制御することができる。また、制御部20は、情報処理部30における施解錠データ送信部38とは独立して、電気錠10の施解錠操作を直接的に行うこともできる。かかる場合は、認証情報照合部34において、取得された認証情報5と、登録された認証情報5とが一致することを条件として、制御部20による電気錠10の施解錠操作が行われる。また、制御部20は、前記の他、電気錠10に接続された認証情報取得部15、認証情報登録部32及び認証情報照合部34など、電気錠認証管理システム1を構成する各種の機器を総合的に制御することができる。なお、制御部20は、単一のものだけではなく、機器毎に複数設けられていてもよい。また、制御部20は、置きボックス2(電気錠10)側に設けられるものだけではなく、情報処理部30側に設けられるものや、置きボックス2及び情報処理部30の双方に設けられるものなど各種の位置に配置できる。また、制御部20は、電気錠10本体に内蔵されるものだけではなく、例えば、集合住宅等における管理人室等、電気錠10と比較的近接した場所に配置してもよい。
【0067】
図1に示すように、認証情報送信部25は、通信機器で構成されており、認証情報取得部15で取得された認証情報5を後述する認証情報照合部34に送信することができる。認証情報送信部25は、無線LANや有線LANなど各種の通信手段により認証情報5を送信することができる。本実施形態では、認証情報送信部25により、認証情報5が暗号化処理された状態で送信される。なお、情報処理部30を設けずに、電気錠10側のみで電気錠認証管理システム1を構成する場合は、認証情報送信部25を排してもよい。
【0068】
情報処理部30は、本実施形態では、置きボックス2(対象物2)の外部(例えば、遠隔地)に配置されている。情報処理部30は、例えば、CPUや記憶装置等を備えるコンピュータとして構成されている。本実施形態では、情報処理部30は、システム管理者3に設けられており、サーバーとして機能するものとされている。また、情報処理部30は、制御部20を介して、遠隔で置きボックス2における部屋Rの施解錠を行うことができる。なお、情報処理部30は、システム管理者3の外部に外部サーバー(例えば、クラウドサーバー)として設けられていてもよい。かかる場合は、システム管理者3側に情報処理部30とネットワーク接続された端末装置等を設けるようにするとよい。また、情報処理部30は、システム管理者3が直接的に管理するものの他、システム管理者3以外の第三者が管理するものであってもよい。ここでいう第三者は、システム管理者3から委託等された事業者等が例示される。さらに具体的には、例えば、システム管理者3が、電気錠認証管理システム1を提供する鍵等の製造事業者であり、事業者が、システム管理者3から当該電気錠認証管理システム1の販売を委託された販売事業者である場合が例示される。
【0069】
情報処理部30は、ネットワークに有線又は無線により接続されており、ネットワークを介してインターネット8に接続されている。また、情報処理部30は、上述したように認証情報登録部32、認証情報照合部34、施解錠データ送信部38、情報媒体発行部40、及びデータベース部42等を備えている。なお、認証情報登録部32及び認証情報照合部34の構成は、上述した電気錠10における認証情報登録部32及び認証情報照合部34と同様であるので、説明を省略する。
【0070】
施解錠データ送信部38は、通信機器で構成されており、施開錠に関する施解錠データを制御部20に送信することができる。施解錠データ送信部38は、無線LANや有線LANなど各種の通信手段により施解錠データを送信することができる。施解錠データ送信部38は、認証情報照合部34において、取得された認証情報5と、登録された認証情報5とが一致することを条件として、施解錠データを、施解錠データ送信部38から制御部20に送信することができる。また、本実施形態では、施解錠データ送信部38により、施解錠データが暗号化処理された状態で制御部20に送信される。制御部20は、施解錠データのうち解錠データを受信すると、電気錠10の解錠動作を実行する。これにより、置きボックス2における利用者7に割り付けられた部屋Rの解錠が行われる。また、制御部20は、施解錠データのうち施錠データを受信すると、電気錠10の施錠動作を実行する。なお、部屋Rの施錠は、部屋Rの扉が閉じられた際に自動的に行われるようにすることもできる。
【0071】
ここで、情報処理部30側(サーバー側)における認証情報照合部34において、取得された認証情報5と、登録された認証情報5とが一致することを条件として、施解錠データが、施解錠データ送信部38から制御部20に送信される。これにより、電気錠10が解錠される。このように、上述した電気錠認証管理システム1は、情報媒体4に記憶された認証情報5を、ネットワーク接続された情報処理部30における認証情報照合部34によって容易に照合できると共に、対象物2の外部から電気錠10の施解錠に係る制御を行うことができる。これにより、上述した電気錠認証管理システム1は、電気錠10における情報媒体4(キー)の管理や認証情報5の管理を容易にすることができる。
【0072】
情報媒体発行部40は、システム管理者3により依頼された認証情報5(必要に応じ個人更新識別情報50A及び部屋番号更新情報54Aを含む)を記憶させた情報媒体4を発行できる。情報媒体発行部40は、情報媒体4を直接形成して発行するものの他、システム管理者3が予め準備した新規又は更新用の情報媒体4に認証情報5を記憶させることにより発行できる。情報媒体4が、例えば、利用者7のモバイル端末である場合は、アプリ等を介して、認証情報5に関するバーコードやQRコード(登録商標)等をモバイル端末の画面に表示させたり、認証情報5を近距離通信などで送信したりすればよい。
【0073】
上述したように第一実施形態に係る電気錠認証管理システム1では、情報処理部30に情報媒体発行部40が設けられており、情報媒体発行部40は、認証情報5が記憶された情報媒体4を発行するものとされている。情報媒体4の発行は、認証情報5が記憶されていない新規の情報媒体4に認証情報5を記憶させることで発行するものと、既存の情報媒体4に対して新たに更新用の認証情報5を記憶させることで発行するものとがある。このように、上述した電気錠認証管理システム1は、容易に情報媒体4を発行できるので、情報媒体4の更新や追加を迅速に行うことができる。
【0074】
データベース部42は、ハードディスクやメモリ(SSDを含む)など記憶媒体で構成されている。データベース部42は、情報媒体4に記憶された認証情報5、及び認証情報登録部32に登録された認証情報5を記憶することができる。すなわち、データベース部42は、対象物2毎の対象物情報52、個人識別情報50、及び部屋番号情報54等を、データベース化したものを記憶することができる。データベース部42は、単独で設けられるものの他、認証情報登録部32や認証情報照合部34等と併設あるいは、内蔵されていてもよい。
【0075】
このように、上述した電気錠認証管理システム1は、データベース部42を設ける構成とすることにより、認証情報5を正確に管理することができる。また、上述した電気錠認証管理システム1は、複数の認証情報5を統括して管理できる。したがって、上述した電気錠認証管理システム1は、例えば、集合住宅等において複数の部屋Rがある場合に、各部屋Rの利用者7への割り当てを円滑に行うことができる。なお、データベース部42は、必要に応じて設ければよく、データベース部42が設けられない構成とすることもできる。
【0076】
ここで、第一実施形態に係る電気錠認証管理システム1は、対象物2の外部に情報処理部30を有しており、認証情報照合部34が、情報処理部30に設けられている。また、情報処理部30は、制御部20を通じて、認証情報取得部15、認証情報照合部34、認証情報登録部32、及び電気錠10の施解錠を制御するものとされている。
【0077】
したがって、上述した電気錠認証管理システム1は、情報処理部30を通じて、情報媒体4の追加や更新を一括して管理できる。また、上述した電気錠認証管理システム1は、情報処理部30を対象物2の外部に設けることができるので、情報処理部30を電気錠10から離れる遠隔地に設けた場合であっても、例えば、遠隔操作により電気錠10の施解錠を行うことができる。これにより、上述した電気錠認証管理システム1は、例えば、システム管理者3側に情報処理部30を設けることにより、対象物2の管理者(例えば、マンション等の管理者や置きボックス等の管理者)における管理負担が軽減できる。なお、電気錠10の施解錠は、対象物2の外部から遠隔操作で行われるものだけではなく、対象物2側から行うようにしてもよい。
【0078】
ここで、情報処理部30は、例えば、クラウドサーバーなどの各種のサーバーとして構成されている。上述した電気錠認証管理システム1は、かかる構成とすることにより、サーバーとして情報媒体4の追加や更新を一括して管理できる。これにより、システム管理者3による電気錠認証管理システム1の管理が容易となる。また、上述した電気錠認証管理システム1によれば、電気錠認証管理システム1を利用する事業者6や電気錠10を利用する利用者7が、円滑に電気錠認証管理システム1を利用できる。
【0079】
以上が、本発明の第一実施形態に係る電気錠認証管理システム1の構成であり、次に電気錠認証管理システム1の動作についての詳細を説明する。電気錠認証管理システム1の動作は、個人識別情報50の更新、部屋番号情報の更新、対象物2の追加、及び情報媒体4の追加に大別される。さらに、電気錠認証管理システム1における個人識別情報50の更新、部屋番号情報の更新、対象物2の追加、及び情報媒体4の追加は、情報処理部30(例えば、クラウドサーバー)における認証情報5の管理が、システム管理者3によって行われる場合と、情報処理部30における認証情報5の管理が、システム管理者3によって管理されていない場合(第一変形例)と、に大別される。そのため、以下では、まず、情報処理部30に登録された認証情報5が、システム管理者3によって管理されている場合について説明し、その後、第一変形例として、情報処理部30に登録された認証情報5が、システム管理者3によって管理されていない場合について説明する。
【0080】
≪情報処理部における認証情報がシステム管理者によって管理されている場合≫
個人識別情報50の更新(新規登録を含む)手続きについて、
図9のフロー図を参照しつつ説明する。ステップS10の実行により個人識別情報50の更新が開始される。個人識別情報50の更新では、予め以下のステップS11~ステップS13により、個人更新識別情報50Aの登録や個人更新識別情報50Aが記憶された情報媒体4の発行が行われる。
【0081】
個人識別情報50の更新に先立って、事業者6によりシステム管理者3に依頼された個人識別情報50(個人更新識別情報50Aとも称する)が、予めシステム管理者3により情報処理部30における認証情報登録部32に記憶(登録)される(ステップS11)。なお、このとき、ネットワークを介して、個人更新識別情報50Aが、電気錠10側の認証情報登録部32に記憶(登録)される。
【0082】
認証情報登録部32に個人更新識別情報50Aが登録されると、予め情報処理部30側及び電気錠10側の認証情報登録部32に登録されている個人識別情報50が無効化され、個人更新識別情報50Aが、新たな個人識別情報50として有効化される(ステップS12)。言い換えると、ステップS22においては、既発行の旧情報媒体4の無効化が行われ、新たな情報媒体4の更新のための準備が行われる。
【0083】
続いて、情報媒体発行部40により、新たな個人識別情報50(個人更新識別情報50Aとも称する)を含む認証情報5が記憶された情報媒体4が発行される(ステップS13)。
【0084】
利用者7が、発行された情報媒体4を認証情報取得部15にかざしたり、接触させたりすることにより、認証情報5が取得される(ステップS14)。
【0085】
認証情報5が取得されると、認証情報照合部34において、取得された個人識別情報50と、認証情報登録部32に登録された個人更新識別情報50Aと、が照合され、取得された個人識別情報50と、登録された個人更新識別情報50Aと、が一致するか否かの判定が行われる(ステップS15)。
【0086】
ステップS15において、取得された個人識別情報50と、登録された個人更新識別情報50Aと、が不一致の場合は、処理が終了する。このとき、取得された個人識別情報50を含む認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が更新すべき情報媒体4ではなかったものと判定される。
【0087】
ステップS15において、取得された個人識別情報50と、登録された個人更新識別情報50Aと、が一致した場合は、電気錠10の施解錠(解錠)が行われると共に、情報媒体4が有効化される(ステップS16)。言い換えると、ステップS16では、情報媒体4における個人更新識別情報50Aが、新たな個人識別情報50として有効化され、情報媒体4のその後の利用が許可される。
【0088】
なお、電気錠10の施解錠(解錠)を情報処理部30側(サーバー側)で集中管理する場合は、施解錠データ送信部38からの施解錠データの送信を通じて施解錠動作を制御すればよい。一方、電気錠10の施解錠(解錠)をサーバー側で集中管理せずに、電気錠10側で行う場合は、その後の情報媒体4に係る認証情報5の認証を電気錠10側の認証情報照合部34を通じて行うことにより、施解錠動作を制御するとよい。
【0089】
ステップS16の処理が完了すると、一連の個人識別情報50の更新処理が終了する。更新すべき情報媒体4が複数ある場合は、ステップS14の認証情報取得に戻って、順次情報媒体4を更新すればよい。また、新規に別の個人更新識別情報50Aによる更新を行う場合は、ステップS10からの処理を繰り返し実行すればよい。
【0090】
以上が、情報処理部30における認証情報5がシステム管理者3によって管理されている場合における個人識別情報50の更新に係る電気錠認証管理システム1の動作であり、次に個人識別情報50の更新に係る電気錠認証管理システム1の作用効果について説明する。
【0091】
上述した電気錠認証管理システム1は、システム管理者3が、情報処理部30における認証情報登録部32に、電気錠10を施解錠するための認証情報5を記憶(登録)することにより、既に発行されている情報媒体4(旧情報媒体4とも称する)を一括で無効化できる。これにより、迅速に旧情報媒体4を無効化できるので、旧情報媒体4の不正利用が抑制できる。
【0092】
ここで、認証情報照合部34において、情報媒体4から取得された認証情報5のうちの個人識別情報50が、認証情報登録部32に登録された個人更新識別情報50Aと一致することを条件として、情報媒体4による施解錠が可能になると共に当該情報媒体4が有効化され、その後の利用が許可される。
【0093】
このように、上述した電気錠認証管理システム1によれば、更新に係る新たな情報媒体4を認証情報取得部15により読み取らせることで、電気錠10における認証情報5の更新を自動的に行うことができる。なお、情報媒体4の発行は、対象物2を管理する事業者6が、システム管理者3に申請することにより行えばよい(
図3参照)。
【0094】
以上が、個人識別情報50の更新に係る電気錠認証管理システム1の作用効果であり、次に電気錠認証管理システム1における対象物2の追加に係る動作についての詳細を説明する。
【0095】
対象物2の追加(新規登録を含む)について、
図10のフロー図を参照しつつ説明する。ステップS20の実行により部屋番号情報54の更新が開始される。部屋番号情報54の更新では、予め以下のステップS21~ステップS23により、部屋番号更新情報54Aの登録や部屋番号更新情報54Aを含む認証情報5が記憶された情報媒体4の発行が行われる。
【0096】
部屋番号情報54の更新に先立って、事業者6によりシステム管理者3に依頼された部屋番号情報54が、予めシステム管理者3により情報処理部30における認証情報登録部32に記憶(登録)される(ステップS21)。なお、このとき、ネットワークを介して、部屋番号情報54が、電気錠10側の認証情報登録部32に記憶(登録)される。
【0097】
認証情報登録部32に部屋番号更新情報54Aが登録されると、予め情報処理部30側及び電気錠10側の認証情報登録部32に登録されている部屋番号更新情報54Aが無効化され、部屋番号更新情報54Aが、新たな部屋番号情報54として有効化される(ステップS22)。言い換えると、ステップS22においては、既発行の旧情報媒体4の無効化が行われ、新たな情報媒体4の更新受け付けのための準備が行われる。
【0098】
続いて、情報媒体発行部40により、新たな部屋番号情報54(部屋番号更新情報54Aとも称する)を含む認証情報5が記憶された情報媒体4が発行される(ステップS23)。
【0099】
利用者7が、発行された情報媒体4を認証情報取得部15にかざしたり、接触させたりすることにより、認証情報5が取得される(ステップS24)。
【0100】
認証情報5が取得されると、認証情報照合部34において、取得された認証情報5における個人識別情報50と、認証情報登録部32において、登録された個人識別情報50と、が一致するか否かの判定が行われる(ステップS25)。
【0101】
ステップS25において、取得された個人識別情報50と、登録された個人識別情報50と、が不一致の場合は、処理が終了する。このとき、取得された個人識別情報50を含む認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が更新すべき情報媒体4ではなかったものと判定される。
【0102】
ステップS25において、取得された個人識別情報50と、登録された個人識別情報50と、が一致した場合は、取得された認証情報5に部屋番号更新情報54Aが含まれているか否かの判定が行われる(ステップS26)。
【0103】
ステップS26において、取得された認証情報5に部屋番号更新情報54Aが含まれていない場合は、処理が終了する。このとき、処理を終了させずに、ステップS24における認証情報取得の処理に復帰させることもできる。また、取得された部屋番号情報54を含む認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が更新すべき情報媒体4ではなかったものと判定される。
【0104】
ステップS26において、取得された認証情報5に部屋番号更新情報54Aが含まれている場合は、電気錠10の施解錠(解錠)が行われると共に、情報媒体4が有効化される(ステップS27)。言い換えると、ステップS27では、情報媒体4における部屋番号更新情報54Aが新たな部屋番号情報54として有効化され、情報媒体4のその後の利用が許可される。すなわち、更新するための新たな部屋番号情報54が含まれた情報媒体4を認証情報取得部15に読み取らせることにより、認証情報登録部32における部屋番号情報54の更新が行われる。なお、電気錠10の施解錠(解錠)に係る制御は、上述した個人識別情報50の更新の際と同様に、情報処理部30側又は電気錠10側のいずれかにより行えばよい。
【0105】
ステップS27の処理が完了すると、一連の部屋番号情報54の更新処理が終了する。更新すべき情報媒体4が複数ある場合は、ステップS24の認証情報取得に戻って、順次情報媒体4を更新すればよい。また、新規に別の部屋番号更新情報54Aによる更新を行う場合は、ステップS20からの処理を繰り返し実行すればよい。
【0106】
以上が、部屋番号情報54の更新に係る電気錠認証管理システム1の動作であり、次に部屋番号情報54の更新に係る電気錠認証管理システム1の作用効果について説明する。
【0107】
上述した電気錠認証管理システム1は、部屋番号情報54の更新を行うことができるので、抹消が必要になった認証情報5(旧認証情報5とも称する)を容易に無効化できると共に、旧認証情報5を新たに発行する部屋番号情報54(部屋番号更新情報54Aとも称する)に容易に自動更新(登録)できる。すなわち、上述した電気錠認証管理システム1は、部屋番号更新情報54Aが記録された情報媒体4を認証させることにより、当該情報媒体4のその後の利用が許容される。
【0108】
このように、上述した電気錠認証管理システム1は、システム管理者3が、情報処理部30における認証情報登録部32に、電気錠10を施開錠するための認証情報5を記憶(登録)することにより、既に発行されている情報媒体4(旧情報媒体4とも称する)を一括で無効化できる。これにより、上述した電気錠認証管理システム1は、集合住宅等で住人が引っ越し等した場合に、旧情報媒体4を迅速に無効化できるので、旧情報媒体4の不正利用を抑制できる。
【0109】
ここで、認証情報照合部34において、個人識別情報50の認証が取れた上で、情報媒体4が、認証情報登録部に登録された部屋番号更新情報54Aを含むことを条件として、情報媒体4による施解錠が可能になると共に当該情報媒体4が有効化され、その後の利用が許可される。
【0110】
このように、上述した電気錠認証管理システム1によれば、更新に係る新たな情報媒体4を認証情報取得部15により読み取らせることで、電気錠10における部屋番号情報54の更新を自動的に行うことができる。なお、情報媒体4の発行は、対象物2を管理する事業者6が、システム管理者3に申請することにより行えばよい(
図3参照)。
【0111】
以上が、部屋番号情報54の更新に係る電気錠認証管理システム1の作用効果であり、次に電気錠認証管理システム1における対象物2の追加手続の詳細を説明する。
【0112】
対象物2の追加手続き(新規登録を含む)、及び追加する対象物2に対応する追加用情報媒体4Bの追加手続きについて、
図11及び
図12のフロー図を参照しつつ説明する。ステップS30の実行により対象物情報52の追加が開始される。対象物情報52の追加では、予め以下のステップS31~ステップS32により、対象物設定情報52Aの登録、並びに対象物設定情報52Aが記憶された対象物設定用情報媒体4A(対象物登録用キー4Aとも称する)、及び認証情報5を記憶させた追加用情報媒体4Bの発行が行われる。
【0113】
図11に示すように、対象物2の追加に先立って、事業者6によりシステム管理者3に依頼された対象物設定情報52Aが、予めシステム管理者3により認証情報登録部32に記憶(登録)される(ステップS31)。なお、このとき、ネットワークを介して、対象物設定情報52Aが、電気錠10側の認証情報登録部32に記憶(登録)される。
【0114】
続いて、情報媒体発行部40により、新たな対象物情報52(対象物設定情報52Aとも称する)を含む認証情報5が記憶された対象物設定用情報媒体4Aが発行される(ステップS32)。
【0115】
続いて、情報媒体発行部40により、認証情報5が記憶された少なくとも1つの追加用情報媒体4B(情報媒体4に相当)が発行される(ステップS33)。
【0116】
事業者6が、発行された対象物設定用情報媒体4Aを認証情報取得部15にかざしたり、接触させたりすることにより、対象物設定情報52Aが取得される(ステップS34)。
【0117】
続いて、取得された認証情報5に対象物設定情報52Aが含まれているか否かの判定が行われる(ステップS35)。
【0118】
ステップS35において、取得された認証情報5に対象物設定情報52Aが含まれていない場合は、処理が終了する(
図12参照)。このとき、取得された対象物設定情報52Aを含む認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が対象物2の設定用のものではなかったものと判定される。
【0119】
ステップS35において、取得された認証情報5に対象物設定情報52Aが含まれている場合は、情報処理部30側及び電気錠10側の認証情報登録部32において、対象物設定情報52Aが、対象物情報52として登録される(ステップS36、
図7上段参照)。すなわち、対象物2を設定するための対象物設定情報52Aが含まれた対象物設定用情報媒体4Aを認証情報取得部15に読み取らせることにより、認証情報登録部32における対象物情報52が追加(新規登録含む)される。なお、対象物設定情報52Aに、例えば、対象物2に係る対象物更新情報を記憶させておくことにより、対象物情報52の更新も可能である。
【0120】
ステップS35において対象物2の追加が行われると、追加された対象物2に対しての情報媒体4(追加用情報媒体4Bとも称する)の追加が可能となる。そのため、追加用情報媒体4Bを発行する場合は、ステップS40に係るサブルーチン処理が実行される。
【0121】
図12に示すように、新たに設定すべき対象物設定情報52Aを含む認証情報5が記憶された少なくとも1つの追加用情報媒体4Bが発行される(ステップS41)。
【0122】
事業者6や利用者7が、発行された追加用情報媒体4Bを認証情報取得部15にかざしたり、接触させたりすることにより、追加用情報媒体4Bから認証情報5が取得される(ステップS42)。
【0123】
ステップS42が実行されると、取得された認証情報5に含まれる対象物情報52が、認証情報登録部32に登録された対象物情報52(対象物設定情報52Aに相当)と一致するか否かの判定が行われる(ステップS43)。
【0124】
ステップS43において、取得された対象物情報52が、登録された対象物情報52と一致しない場合は、処理が終了する。このとき、処理を終了させずに、ステップS42における認証情報取得の処理に復帰させることもできる。また、取得された認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が追加すべき情報媒体4ではなかったものと判定される。
【0125】
ステップS43において、取得された対象物情報52が、登録された対象物情報52と一致する場合は、追加用情報媒体4Bが有効化される(ステップS44、
図7下段参照)。すなわち、追加用情報媒体4Bの使用が許可される。
【0126】
ステップS44の処理が完了すると、一連の対象物2の追加及び追加用情報媒体4Bの追加処理が終了する。追加すべき情報媒体4が複数ある場合は、ステップS42の認証情報取得に戻って、順次追加用情報媒体4Bを追加すればよい。また、新規に別の追加用情報媒体4Bを発行する場合は、ステップS40からの処理を繰り返し実行すればよい。
【0127】
以上が、対象物2の追加及び追加用情報媒体4Bの追加に係る電気錠認証管理システム1の動作であり、次に対象物2の追加及び追加用情報媒体4Bの追加に係る電気錠認証管理システム1の作用効果について説明する。
【0128】
上述した電気錠認証管理システム1は、対象物設定用情報媒体4Aを用いて、対象物2に係る対象物情報52を予め設定した上で、少なくとも1つの追加用情報媒体4B(情報媒体4)を追加できる。これにより、上述した電気錠認証管理システム1は、管理する対象物2を順次追加できると共に、追加された対象物2に対して、情報媒体4を新たに追加することができる。また、電気錠認証管理システム1は、対象物2毎に一括で情報媒体4の追加の管理を行うことができる。
【0129】
以上が、対象物2の追加、及び追加用情報媒体4Bの追加に係る電気錠認証管理システム1の作用効果であり、次に電気錠認証管理システム1における情報媒体4の追加についての運用の詳細を説明する。
【0130】
図3(b)及び
図4に示すように、まず、追加するための少なくとも1つの情報媒体4が発行される。
図7下段に示すように、情報媒体4には、認証情報5として、対象物2に係る対象物情報52と、予め対象物2を利用する利用者7毎に割り当てられた新規の個人識別情報50と、が記憶されている。また、認証情報登録部32には、対象物情報52と、利用者7毎の少なくとも1つの個人識別情報50と、が登録されている。また、本実施形態では、前記の他、認証情報登録部32に部屋番号情報54が記憶されている。
【0131】
ここで、認証情報取得部15は、追加するための情報媒体4から認証情報5を取得する。認証情報5が取得されると、認証情報照合部34において、取得された認証情報5に含まれる対象物情報52が、登録された対象物情報52と一致することを条件として、認証情報登録部32において、情報媒体4における新規の個人識別情報50を含む認証情報5が有効化される。言い換えると、追加の情報媒体4に記憶されている新規の認証情報5が認証されると、認証情報登録部32に登録されている新規の認証情報5が有効化され、情報媒体4のその後の使用が許可される。
【0132】
以上が、新規の情報媒体4の追加手続きに係る動作であり、次に新規の情報媒体4の追加手続きに係る電気錠認証管理システム1の作用効果について以下に説明する。
【0133】
上述した電気錠認証管理システム1は、認証情報取得部15によって、情報媒体4に認証情報5として記憶された対象物情報52と、新規の個人識別情報50と、を取得するものとされている。また、上述した電気錠認証管理システム1における認証情報登録部32には、対象物情報52と、利用者7毎の少なくとも1つの個人識別情報50とが、登録されている。
【0134】
また、認証情報照合部34において、認証情報取得部15で取得された対象物情報52が、登録された対象物情報52と一致することを条件として、認証情報登録部32において、情報媒体4における新規の個人識別情報50が有効化されるものとされている。すなわち、上述した電気錠認証管理システム1は、新規で追加する情報媒体4(新情報媒体4とも称する)に、認証情報5として記憶された対象物情報52及び新規の個人識別情報50(新個人識別情報50とも称する)を取得し、取得された対象物情報52及び新個人識別情報50が、認証情報登録部32に登録されている対象物情報52及び個人識別情報50と一致することを条件として、当該新情報媒体4の使用を開始させることができる。言い換えれば、上述した電気錠認証管理システム1は、新情報媒体4から、新個人識別情報50を含む認証情報5を認証情報取得部15で取得する(読み取らせる)ことで、容易に新情報媒体4を追加できる。これにより、対象物2の利用者7や対象物2を管理する事業者6等の利便性向上が期待できる。
【0135】
以上が、新規情報媒体4の追加に係る電気錠認証管理システム1の動作及び作用効果であり、次に本発明の第一変形例に係る電気錠認証管理システム1の動作について以下に説明する。第一変形例に係る電気錠認証管理システム1は、情報処理部30における認証情報5がシステム管理者3によって管理されていない場合の動作を例示するものである。
【0136】
≪第一変形例:情報処理部における認証情報がシステム管理者によって管理されていない場合≫
個人識別情報50の更新(新規登録を含む)手続きについて、
図13のフロー図を参照しつつ説明する。ステップS50の実行により個人識別情報50の更新が開始される。
【0137】
まず、事業者6等からの依頼に基づき、システム管理者3によって、新たな個人識別情報50(個人更新識別情報50Aとも称する)を含む認証情報5が記憶された情報媒体4が発行される(ステップS51)。なお、情報媒体4の発行は、情報処理部30における情報媒体発行部40、又は、システム管理者3の端末装置などにより行えばよい。
【0138】
利用者7が、発行された情報媒体4を認証情報取得部15にかざしたり、接触させたりすることにより、認証情報5が取得される(ステップS52)。
【0139】
認証情報5が取得されると、認証情報照合部34において、取得された個人識別情報50と、認証情報登録部32に登録された個人更新識別情報50Aと、が照合され、取得された個人識別情報50と、登録された個人更新識別情報50Aと、が一致するか否かの判定が行われる(ステップS53)。
【0140】
ステップS53において、取得された個人識別情報50と、登録された個人更新識別情報50Aと、が不一致の場合は、処理が終了する。このとき、取得された個人識別情報50を含む認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が更新すべき情報媒体4ではなかったものと判定される。
【0141】
ステップS53において、取得された個人識別情報50と、登録された個人更新識別情報50Aと、が一致した場合は、
図5に示すように、予め認証情報登録部32に登録されている個人識別情報50(旧個人識別情報50とも称する)を無効化する処理を行うと共に、記憶された個人更新識別情報50Aを新たな個人識別情報50(新個人識別情報50とも称する)として登録(有効化)する制御が行われる(ステップS54、
図5参照)。言い換えると、情報媒体4に記憶された個人識別情報50が、新規に更新するための個人更新識別情報50Aである場合に、認証情報登録部32における旧個人識別情報50が無効化されると共に、新個人識別情報50が有効化される。すなわち、更新するための新個人識別情報50が含まれた情報媒体4を認証情報取得部15に読み取らせることにより、認証情報登録部32における個人識別情報50の更新が行われる。
【0142】
ステップS54の処理が完了すると、
図9に示すように、一連の個人識別情報50の更新処理が終了する。更新すべき情報媒体4が複数ある場合は、ステップS52の認証情報取得に戻って、順次情報媒体4を更新すればよい。また、新規に別の個人更新識別情報50Aによる更新を行う場合は、ステップS50からの処理を繰り返し実行すればよい。
【0143】
以上が、第一変形例における個人識別情報50の更新に係る電気錠認証管理システム1の動作であり、次に個人識別情報50の更新に係る電気錠認証管理システム1の作用効果について説明する。
【0144】
このように、上述した第一変形例に係る電気錠認証管理システム1は、認証情報登録部32に、電気錠10を施開錠するための認証情報5が記憶されており、当該認証情報5には、対象物2に対して付与された対象物情報52と、予め対象物2の利用者7に対して付与された個人識別情報50と、が含まれている。また、認証情報登録部32には、上記に加えて、個人識別情報50を更新するための個人更新識別情報50Aが記憶されている。一方、上述した電気錠認証管理システム1は、少なくとも1つの情報媒体4に、個人識別情報50を含む認証情報5が記憶されており、認証情報取得部15により、当該情報媒体4に記憶された認証情報5を取得(読み取り)することができる。
【0145】
ここで、認証情報照合部34において、情報媒体4から取得された認証情報5のうちの個人識別情報50が、認証情報登録部32に登録された個人更新識別情報50Aと一致することを条件として、認証情報登録部32において、予め登録されている個人識別情報50が無効化されると共に、登録された個人更新識別情報50Aが新たな個人識別情報50として認証情報登録部32に登録されるものとされている。言い換えると、認証情報取得部15により情報媒体4からの個人識別情報50の取得が行われることにより、更新前の旧個人識別情報50が無効化され、新たな個人更新識別情報50Aに基づいて、認証情報登録部32において個人識別情報50が更新される。これにより、情報媒体4における個人識別情報50(個人更新識別情報50Aに相当)が有効化され、次回以降、当該情報媒体4を用いて、電気錠10の施解錠を行うことができる。
【0146】
このように、上述した第一変形例に係る電気錠認証管理システム1によれば、更新に係る新たな情報媒体4を認証情報取得部15により読み取らせることで、電気錠10における認証情報5の更新を自動的に行うことができる。そのため、システム管理者3による認証情報登録部32への個人更新識別情報50Aの登録に係る負担が軽減できる。また、情報媒体4の発行は、対象物2を管理する事業者6が、システム管理者3に申請することにより行えばよい(
図3参照)。
【0147】
対象物2の追加(新規登録を含む)について、
図14のフロー図を参照しつつ説明する。ステップS60の実行により部屋番号情報54の更新が開始される。
【0148】
まず、情報媒体発行部40により、新たな部屋番号情報54(部屋番号更新情報54Aとも称する)を含む認証情報5が記憶された情報媒体4が発行される(ステップS61)。
【0149】
利用者7が、発行された情報媒体4を認証情報取得部15にかざしたり、接触させたりすることにより、認証情報5が取得される(ステップS62)。
【0150】
認証情報5が取得されると、認証情報照合部34において、取得された認証情報5における個人識別情報50と、認証情報登録部32において、登録された個人識別情報50と、が一致するか否かの判定が行われる(ステップS63)。
【0151】
ステップS63において、取得された個人識別情報50と、登録された個人識別情報50と、が不一致の場合は、処理が終了する。このとき、取得された個人識別情報50を含む認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が更新すべき情報媒体4ではなかったものと判定される。
【0152】
ステップS63において、取得された個人識別情報50と、登録された個人識別情報50と、が一致した場合は、取得された認証情報5に部屋番号更新情報54Aが含まれているか否かの判定が行われる(ステップS64)。
【0153】
ステップS64において、取得された認証情報5に部屋番号更新情報54Aが含まれていない場合は、処理が終了する。このとき、処理を終了させずに、ステップS62における認証情報取得の処理に復帰させることもできる。また、取得された部屋番号情報54を含む認証情報5は、破棄される。すなわち、情報媒体4が更新すべき情報媒体4ではなかったものと判定される。
【0154】
ステップS64において、取得された認証情報5に部屋番号更新情報54Aが含まれている場合は、認証情報登録部32において、予め発行されている全ての情報媒体4に記憶された認証情報5が無効化されると共に、部屋番号更新情報54Aが、新たな部屋番号情報54として登録(有効化)される(ステップS65、
図6参照)。すなわち、更新するための新たな部屋番号情報54が含まれた情報媒体4を認証情報取得部15に読み取らせることにより、認証情報登録部32における部屋番号情報54の更新が行われる。
【0155】
ステップS65の処理が完了すると、一連の部屋番号情報54の更新処理が終了する。更新すべき情報媒体4が複数ある場合は、ステップS62の認証情報取得に戻って、順次情報媒体4を更新すればよい。また、新規に別の部屋番号更新情報54Aによる更新を行う場合は、ステップS60からの処理を繰り返し実行すればよい。
【0156】
以上が、本発明の第一変形例における部屋番号情報54の更新に係る電気錠認証管理システム1の動作であり、次に部屋番号情報54の更新に係る電気錠認証管理システム1の作用効果について説明する。
【0157】
上述した電気錠認証管理システム1は、部屋番号情報54の更新を行うことができるので、抹消が必要になった認証情報5(旧認証情報5とも称する)を容易に無効化できると共に、旧認証情報5を新たに発行する部屋番号情報54(部屋番号更新情報54Aとも称する)に容易に自動更新(登録)できる。すなわち、上述した電気錠認証管理システム1は、部屋番号更新情報54Aが記録された情報媒体4を用いて、認証情報登録部32に登録された旧認証情報5を、部屋番号更新情報54Aを含む新たな認証情報5に容易に置き換えできる。そのため、上述した電気錠認証管理システム1は、集合住宅等で住人が引っ越し等した場合に、部屋番号更新情報54Aが含まれた情報媒体4を読み取ることによって、住人に対して予め発行された全ての情報媒体4に記憶された認証情報5を容易に無効化できる。また、部屋番号更新情報54Aが新たな部屋番号情報54として認証情報登録部32に登録(有効化)されるので、当該情報媒体4における個人識別情報50を、新たに入居する住人の個人更新識別情報50Aに更新(新規登録を含む)することにより、情報媒体4の再利用が可能となる。
【0158】
また、上述した電気錠認証管理システム1は、対象物2が、複数の部屋Rを有しており、認証情報5が、対象物2に係る対象物情報52及び部屋Rに係る部屋番号情報54を含むものとされている。また、情報媒体4が、対象物2内に配置された部屋R毎にそれぞれ少なくとも1つ設けられている。したがって、上述した電気錠認証管理システム1は、マンションやアパート等の集合住宅のような複数の部屋Rを有する建物(対象物2に相当)において、建物と部屋Rとを関連づけて情報媒体4における認証情報5の更新や追加を一括して管理できる。
【0159】
以上が、本発明の第一変形例における部屋番号情報54の更新に係る電気錠認証管理システム1の作用効果である。なお、本発明の第一変形例に係る電気錠認証管理システム1においても、第一実施形態に係る電気錠認証管理システム1と同様に、対象物2の追加や追加用情報媒体4Bの追加を行うことができる。
【0160】
以上が、第一実施形態及び第一変形例に係る電気錠認証管理システム1の各種の態様における構成及び作用効果であり、次に、複数の情報媒体4を一括管理する第二変形例に係る電気錠認証管理システム1について、以下に説明する。なお、第二変形例に係る電気錠認証管理システム1を構成する部材は、上述した第一実施形態に係る電気錠認証管理システム1におけるものと同様であるので、同様の構成については説明を省略する。
【0161】
≪第二変形例≫
図15に示すように、第二変形例に係る電気錠認証管理システム1は、対象物2の外部にネットワークを介して電気錠10に接続された情報処理部30を有しており、対象物2が、複数設けられており、対象物2毎に、電気錠10及び認証情報取得部15が設けられており、認証情報照合部34が、情報処理部30及び対象物2(電気錠10)に配置されており、認証情報登録部32が、情報処理部30及び対象物2(電気錠10)に配置されており、複数の電気錠10の施開錠に必要なそれぞれの認証情報5が、少なくとも1つの情報媒体4にそれぞれ区別可能に記憶されており、認証情報登録部32には、電気錠10毎に対応するそれぞれの認証情報5が、それぞれ区別可能に登録されており、認証情報照合部34は、認証情報取得部15毎に取得されたそれぞれの認証情報5と、取得された認証情報5に対応する登録された認証情報5と、を照合するものであり、情報処理部30は、制御部20を通じて、認証情報取得部15、認証情報照合部34、認証情報登録部32、及び複数の電気錠10の施開錠と、を制御するものとされている。
【0162】
上述した電気錠認証管理システム1は、かかる構成とすることにより、例えば、集合住宅及び置きボックス2のそれぞれに電気錠10が設けられているような場合であっても、それぞれの電気錠10に対応する情報媒体4の認証情報5を、それぞれ区別可能なように少なくとも1つ(例えば、単一)の情報媒体4に集約させることができる。これにより、上述した電気錠認証管理システム1は、それぞれの情報媒体4における認証情報5の更新(追加を含む)制御に係るアルゴリズムを共有することなく、少なくとも1つの情報媒体4を用いて、複数種類の電気錠10の施解錠に係る制御を行うことができる。また、上述した電気錠認証管理システム1は、複数種類の電気錠10の認証情報が少なくとも1つの情報媒体に集約されているので、ネットワークを介して接続された情報処理部30を通じて、一つの情報媒体4を用いて、複数種類の電気錠10に係る認証情報5の更新、登録、及び施解錠を行うことができる。そのため、上述した電気錠認証管理システム1は、利用者7(ユーザー)の利便性を高めることができる。なお、第二変形例においても、上述した第一実施形態及び第一変形例と同様に電気錠10側の認証情報登録部32及び認証情報照合部34を利用して、認証情報5の更新や登録、あるいは、電気錠10の施解錠制御を行うことができる。
【0163】
以上が、本発明の第二変形例に係る電気錠認証管理システム1の構成及び作用効果であり、次に情報媒体4を手動で更新したり、追加したりする場合の第二実施形態に係る電気錠認証管理システム100についての詳細を説明する。電気錠認証管理システム100は、認証情報入力部60を有する以外の構成は、第一実施形態に係る電気錠認証管理システム1とほぼ同様であるので、同様の部材については、詳細な説明を省略する。また、電気錠認証管理システム1と同様の部材については同一の符号を付している。
【0164】
≪第二実施形態≫
図16に示すように、電気錠認証管理システム100は、少なくとも1つの情報媒体4、認証情報取得部15、認証情報登録部32、認証情報入力部60、認証情報照合部34、及び制御部20を備えている。また、電気錠認証管理システム100は、第一実施形態と同様に、対象物2の外部にネットワークを介して電気錠10に接続された情報処理部30が設けられている。
【0165】
認証情報入力部60は、認証情報5の入力を受け付けると共に、入力された認証情報5に基づいて、認証情報登録部32に登録された認証情報5を書き換えできる。また、認証情報入力部60は、認証情報5と共に、個人識別情報50を更新するために個人識別情報50に対応して付与された個人更新識別情報50Aを入力できる。
【0166】
制御部20は、認証情報取得部15、認証情報入力部60、及び認証情報照合部34を制御することができる。また、制御部20は、電気錠10の施解錠を制御することができる。
【0167】
ここで、電気錠認証管理システム100において、認証情報照合部34は、入力された個人更新識別情報50Aが、認証情報登録部32に登録された個人更新識別情報50Aと一致することを条件として、認証情報登録部32において、予め登録されている個人識別情報50が無効化されると共に、認証情報登録部32において、認証情報入力部60で入力された個人更新識別情報50Aが新たな個人識別情報50として記憶され有効化される構成とされている。
【0168】
すなわち、個人更新識別情報50Aが入力されることにより、更新前の旧個人識別情報50が無効化され、新たな個人更新識別情報50Aに基づいて、認証情報登録部32において個人識別情報50が更新される。これにより、情報媒体4における個人識別情報50(個人更新識別情報50Aに相当)が有効化され、次回以降、当該情報媒体4を用いて、電気錠10の施解錠を行うことができる。ここで、上述した電気錠認証管理システム1における対象物2は、建物、置きボックス、貸金庫、ワークスペースボックス、及びポストなどの各種のもので構成することができる。
【0169】
このように、上述した電気錠認証管理システム100によれば、更新に係る新たな個人更新識別情報50Aを認証情報入力部60から手動で入力することにより、電気錠10における認証情報5の更新を容易に行うことができる。次に、上述した電気錠認証管理システム100において、部屋番号情報54の更新を行う場合の構成について説明する。
【0170】
図示を省略するが、電気錠認証管理システム100は、認証情報入力部60において、認証情報5と共に、部屋番号情報54を更新するために部屋番号情報に対応して付与された部屋番号更新情報54Aを入力できるものとされている。また、上述した第一実施形態と同様に認証情報登録部32には、認証情報5と共に、部屋番号更新情報54Aが記憶されている。
【0171】
ここで、電気錠認証管理システム100において、認証情報照合部34は、入力された部屋番号更新情報54Aが、認証情報登録部32に登録された部屋番号更新情報54Aと一致することを条件として、認証情報登録部32において、予め発行されている全ての部屋番号情報54が無効化されると共に、部屋番号更新情報54Aが新たな部屋番号情報54として記憶され有効化される構成とされている。
【0172】
したがって、上述した電気錠認証管理システム100は、抹消が必要になった認証情報5(旧認証情報5とも称する)を容易に無効化できると共に、旧認証情報5を新たに発行する部屋番号更新情報54Aに容易に更新(登録)できる。すなわち、上述した電気錠認証管理システム100は、入力された部屋番号更新情報54Aに基づいて、認証情報登録部32に登録された旧認証情報5を、部屋番号更新情報54Aを含む新たな認証情報5に容易に置き換えできる。そのため、上述した電気錠認証管理システム100は、集合住宅等で住人が引っ越し等した場合に、住人に対して予め発行された全ての情報媒体4に記憶された認証情報5を容易に無効化できる。また、部屋番号更新情報54Aが新たな部屋番号情報54として認証情報登録部32に登録されるので、一旦無効化された情報媒体4に対して、新たに入居する住人の個人識別情報50を記憶すれば、情報媒体4の再利用が可能となる。
【0173】
以上が、手動で部屋番号更新を行う場合の電気錠認証管理システム100の構成及び作用効果であり、次に、手動で対象物2を追加する場合の電気錠認証管理システム100の構成及び作用効果について説明する。
【0174】
電気錠認証管理システム100は、認証情報5が、対象物2に係る対象物情報52及び部屋番号情報54を含むものとされている。また、認証情報入力部60は、新たに設定すべき対象物設定情報52Aの入力を受け付けると共に、入力された対象物設定情報52Aに基づいて、認証情報登録部32に記憶された対象物情報52を書き換えできるものとされている。
【0175】
ここで、電気錠認証管理システム100において、認証情報照合部34は、認証情報入力部60によって入力された対象物情報52が、認証情報登録部32に登録された対象物設定情報52Aと一致することを条件として、認証情報登録部32において、認証情報入力部60で入力された認証情報5が、新たな認証情報5として記憶され有効化される構成とされている。
【0176】
したがって、上述した電気錠認証管理システム100は、認証情報入力部60を介して新たに入力された対象物設定情報52Aに基づいて、認証情報登録部32に記憶された対象物情報52を書き換えできる。また、上述した電気錠認証管理システム100は、認証情報入力部60で入力された対象物設定情報52Aに基づいて、管理する対象物2を追加することができる。
【0177】
なお、上述した第一実施形態及び第二実施形態に係る電気錠認証管理システム1では、情報処理部30側の認証情報照合部34での認証情報5の照合に基づいて、認証情報5の更新や登録を行うことを前提として記載しているが、電気錠10側の認証情報登録部32及び認証情報照合部34を用いて電気錠10側で認証情報5の更新や登録を行うこともできる。言い換えれば、上述した電気錠認証管理システム1は、情報処理部30側(サーバー側)及び対象物2側(ローカル側)の双方を併用したハイブリッドでの電気錠10に係る認証情報5の更新や登録、あるいは電気錠10の施解錠制御を行うことができる。そのため、ネットワーク管理(オンライン管理)ができないような電気錠10(情報処理部30を設けない構成)においても、本発明の電気錠認証管理システム1を利用して、電気錠10に係る認証情報5の自動更新や自動登録を実行できる。すなわち、電気錠10の有する施解錠システムをそのまま利用して、本発明に係る電気錠認証管理システム1が利用できる。
【0178】
以上が、第二実施形態に係る電気錠認証管理システム100の構成及び作用効果であるが、本発明の電気錠認証管理システム1及び電気錠認証管理システム100は、上述した実施形態に限定されず各種の変形を行うことができる。
【0179】
上述した実施形態では、対象物2として宅配等で利用される置きボックス2を例示したが、本発明は、これには限定されず各種の対象物に利用できる。例えば、対象物2は、建物、貸金庫、ワークスペースボックス、及びポストなどの各種のもので構成することができる。また、対象物2が、例えばマンションなどの集合住宅である場合は、エントランスにおける電気錠10と、複数の部屋R毎の電気錠10との両方の電気錠10を一括で管理できるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、置きボックス2に複数の部屋Rが設けられているが、これには限定されず、対象物2が単一の部屋Rを有するものであっても利用できる。
【0180】
また、上述した実施形態では、電気錠認証管理システム1,100が新規に設けられている場合を例示したが、既に異なる電気錠システムが搭載されている場合であっても、新たに電気錠認証管理システム1,100を併設するか、既にある電気錠システムと交換して電気錠認証管理システム1,100を設けることもできる。かかる場合は、既にある電気錠システムの電子キー(情報媒体4に相当)における認証情報5を電気錠認証管理システム1,100で利用可能とすることで、既にある電気錠10をそのまま利用することができる。これにより、事業者6や利用者7の負担が軽減できる。また、上述した実施形態では、認証情報登録部32及び認証情報照合部34が情報処理部30及び電気錠10(対象物2)の双方に設けられているものを例示したが、認証情報登録部32及び認証情報照合部34は、情報処理部30にのみ設けられているものや、電気錠10側にのみ設けられているものなど、電気錠10の使用態様等に応じて、各種の位置に配置することができる。
【0181】
また、上述した情報媒体4は、例えば、カードキー、電子キー、バーコード記録媒体、及び携帯端末等の各種のものが利用できる。これにより、上述した電気錠認証管理システム1,100は、利用者7が容易に情報媒体4を携帯することができる。ここで、カードキーや電子キー(以下、両者を電子キー等とも称する)は、例えば、近距離無線通信が可能なものや直接的に電子キー等の認証情報5を読み取るものなどが利用できる。また、近距離無線通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)、NFCタグなど、各種の近距離無線通信手段が利用できる。また、バーコード記録媒体は、例えば、紙や樹脂等で形成されたシートにバーコード(「QRコード(登録商標)」を含む)を印刷することによって形成されたものなどが利用できる。また、携帯端末は、上述した近距離無線通信によるものの他、例えば、画面上にバーコードやQRコード(登録商標)等を表示させるものとしてもよい。
【0182】
また、上述した実施形態では、認証情報5が、暗号化処理されているものを例示したが、暗号化処理は、必要に応じて施せばよい。なお、認証情報5を暗号化処理する構成とすることにより、上述した電気錠認証管理システム1,100におけるセキュリティが向上する。認証情報5の暗号化処理には、各種の暗号化手段が利用できる。
【0183】
また、情報媒体4や認証情報登録部32に記憶する認証情報5は、上述した個人識別情報50、対象物情報52、及び部屋番号情報54に限定されず、電気錠10で利用される各種の情報を記憶させることができる。また、上述した実施形態では、個人更新識別情報50A、対象物設定情報52A、及び部屋番号更新情報54Aが個人識別情報50、対象物情報52、及び部屋番号情報54とは別に情報媒体4や認証情報登録部32に記憶可能なものとしているが、本発明は、これには限定されない。例えば、個人更新識別情報50A、対象物設定情報52A、及び部屋番号更新情報54Aが個人識別情報50、対象物情報52、及び部屋番号情報54に上書きで記憶されるようにしてもよい。
【0184】
また、上述した実施形態では、認証情報取得部15が、認証情報5を読み取って取得するものとされているが、認証情報取得部15が書き込みの機能を有していてもよい。例えば、認証情報取得部15は、認証情報5を情報媒体4(追加用情報媒体4Bを含む)に書き込みできる(記憶させる)ように形成されていてもよい。
【0185】
また、上述した実施形態では、施解錠データ送信部38が、電気錠10の施解錠に必要な施解錠データを制御部20に送信し、制御部20が施解錠データに基づいて電気錠10を施開錠するものとされているが、これには限定されない。例えば、顔認証により、電気錠10を解錠する場合は、施解錠データ送信部38から、顔認証を起動するための顔認証起動データを制御部20に送るようにするとよい。上述した電気錠認証管理システム1は、かかる構成とすることにより、顔認証や指紋認証などのトリガー的な役割を果たすことができる。そのため、上述した電気錠認証管理システム1は、直接的に電気錠10を解錠するものだけではなく、他の認証方法をそのまま利用できる。これにより、上述した電気錠認証管理システム1は、既に別のシステムにより電気錠10の認証管理が行われている場合でも、新たに導入することができる。
【0186】
また、上述した実施形態では、情報処理部30が、サーバーとして構成されている場合を例示したが、情報処理部30は、様々な態様で設けることができる。例えば、情報処理部30が端末装置として設けられていてもよい。また、情報処理部30は、システム管理者3側に配置されるものだけではなく、各所に設置することができる。例えば、情報処理部30がクラウドサーバーとして配置され、システム管理者3や事業者6に配置された端末装置(PC等)が情報処理部30に通信可能に接続されていてもよい。また、システム管理者3に対しての事業者6からの認証情報5の設定依頼や情報媒体4の発注は、紙媒体や電話等によるものの他、例えば、上述した情報処理部30を介して電子データで行なうものとすることもできる。かかる場合は、電気錠認証管理システム1,100と連携して、情報媒体発行部40により自動的に情報媒体4を発行することができる。また、上述した実施形態では、情報処理部30が設けられているが、情報処理部30は必要に応じて設ければよく、情報処理部30を設けずに、対象物2側に認証情報照合部34や認証情報登録部32を設けてもよい。かかる場合は、対象物2側(電気錠10側)で認証情報5の照合や登録を行えばよい。
【0187】
以上が、本発明に係る電気錠認証管理システムの各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本発明の電気錠認証管理システムは、各種の対象物(建物、置きボックス、ワークスペース、スマートロック等)における各種の電気錠の認証管理に利用できる。
【符号の説明】
【0189】
1 :電気錠認証管理システム
2 :置きボックス(対象物)
4 :情報媒体
4A:対象物設定用情報媒体
4B:追加用情報媒体
5 :認証情報
10 :電気錠
15 :認証情報取得部
20 :制御部
25 :認証情報送信部
30 :情報処理部
32 :認証情報登録部
34 :認証情報照合部
38 :施解錠データ送信部
40 :情報媒体発行部
42 :データベース部
50 :個人識別情報
50A:個人更新識別情報
52 :対象物情報
52A:対象物設定情報
54 :部屋番号情報
54A:部屋番号更新情報
60 :認証情報入力部