(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134190
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
H01F 27/28 20060101AFI20240926BHJP
H01F 27/32 20060101ALI20240926BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01F27/28 K
H01F27/32 150
H01F30/10 C
H01F30/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044373
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄 基浩
(72)【発明者】
【氏名】堀川 俊之
【テーマコード(参考)】
5E043
5E044
【Fターム(参考)】
5E043BA01
5E043BA02
5E044BA04
5E044BA05
5E044BB05
5E044BB07
(57)【要約】
【課題】ワイヤの引き回しがシンプルであり、電気的特性に優れたコイル装置を提供すること。
【解決手段】コイル装置1は、連続した1本の第1ワイヤ3と連続した1本の第2ワイヤ4とが複数のボビンに巻回されたコイル装置である。複数のボビンには、第1ボビン2aと、第2ボビン2bと、第3ボビン2cとが含まれている。第1ボビン2aには、第1ワイヤ3が巻回されて、第1コイル31が形成されている。第2ボビン2bには、第2ワイヤ4が巻回されて、第2コイル42が形成されている。第3ボビン2cには、第1ワイヤ3が巻回されて、第3一次側コイル33が形成されているとともに、第2ワイヤ4が巻回されて、第3二次側コイル43が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した1本の第1ワイヤと連続した1本の第2ワイヤとが複数のボビンに巻回されたコイル装置であって、
複数の前記ボビンには、第1ボビンと、第2ボビンと、第3ボビンとが含まれており、
前記第1ボビンには、前記第1ワイヤが巻回されて、第1コイルが形成されており、
前記第2ボビンには、前記第2ワイヤが巻回されて、第2コイルが形成されており、
前記第3ボビンには、前記第1ワイヤが巻回されて、第3一次側コイルが形成されているとともに、前記第2ワイヤが巻回されて、第3二次側コイルが形成されているコイル装置。
【請求項2】
前記第3ボビンは、前記第1ボビンと前記第2ボビンとの間に配置されており、
前記第1ワイヤは、前記第1ボビンから前記第3ボビンにかけて、連続的に巻回されており、
前記第2ワイヤは、前記第2ボビンから前記第3ボビンにかけて、連続的に巻回されている請求項1に記載のコイル装置。
【請求項3】
前記第3一次側コイルおよび前記第3二次側コイルの一方は、他方の上に積層されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項4】
前記第3ボビンの軸方向に沿って、前記第3一次側コイルと前記第3二次側コイルとは隣接して配置されている請求項1または2に記載のコイル装置。
【請求項5】
複数の前記ボビンには、第4ボビンがさらに含まれており、
前記第4ボビンには、前記第1ワイヤが巻回されて、第4一次側コイルが形成されているとともに、前記第2ワイヤが巻回されて、第4二次側コイルが形成されている請求項1に記載のコイル装置。
【請求項6】
前記第3ボビンおよび前記第4ボビンは、前記第1ボビンと前記第2ボビンとの間に配置されており、
前記第1ワイヤは、前記第1ボビン、前記第3ボビンおよび前記第4ボビンに、この順で連続的に巻回されており、
前記第2ワイヤは、前記第2ボビン、前記第4ボビンおよび前記第3ボビンに、この順で連続的に巻回されている請求項5に記載のコイル装置。
【請求項7】
前記第3ボビンにおいて前記第3二次側コイルが前記第3一次側コイルの上に積層されているとき、前記第4ボビンにおいて前記第4二次側コイルは前記第4一次側コイルの上に積層されており、
前記第3ボビンにおいて前記第3一次側コイルが前記第3二次側コイルの上に積層されているとき、前記第4ボビンにおいて前記第4一次側コイルは前記第4二次側コイルの上に積層されている請求項5または6に記載のコイル装置。
【請求項8】
前記第3ボビンでは前記第3二次側コイルが前記第3一次側コイルの上に積層されており、前記第4ボビンでは前記第4一次側コイルが前記第4二次側コイルの上に積層されている請求項5または6に記載のコイル装置。
【請求項9】
前記第3ボビンの軸方向に沿って、前記第3一次側コイルと前記第3二次側コイルとは隣接して配置されており、
前記第4ボビンの軸方向に沿って、前記第4一次側コイルと前記第4二次側コイルとは隣接して配置されている請求項5または6に記載のコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のコイル装置を相互に接続することにより、複数のコイルを有する電気回路を構成する技術が知られている。また、1つのコイル装置に複数のコイルを具備させ、複数のコイルを相互に接続することにより、複数のコイルを有する電気回路を構成する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、上述したいずれの技術においても、複数のコイル装置間、あるいは複数のコイル間において、ワイヤの引き回しが煩雑になるという問題がある。また、複数のコイル装置間、あるいは複数のコイル間を接続するために、端子等を用いる必要があり、端子等の接続抵抗により、各コイルにおいて電気的特性(銅損等)が悪化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、ワイヤの引き回しがシンプルであり、電気的特性に優れたコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るコイル装置は、
連続した1本の第1ワイヤと連続した1本の第2ワイヤとが複数のボビンに巻回されたコイル装置であって、
複数の前記ボビンには、第1ボビンと、第2ボビンと、第3ボビンとが含まれており、
前記第1ボビンには、前記第1ワイヤが巻回されて、第1コイルが形成されており、
前記第2ボビンには、前記第2ワイヤが巻回されて、第2コイルが形成されており、
前記第3ボビンには、前記第1ワイヤが巻回されて、第3一次側コイルが形成されているとともに、前記第2ワイヤが巻回されて、第3二次側コイルが形成されている。
【0007】
本発明に係るコイル装置では、第1ワイヤおよび第2ワイヤのいずれも、連続した1本のワイヤである。そのため、第1ボビンおよび第3ボビンに第1ワイヤを巻回し、それぞれに第1コイルおよび第3一次側コイルを形成すると、第1コイルと第3一次側コイルとが連続し、第1コイルと第3一次側コイルとの間に、端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、第1コイルと第3一次側コイルとの間において、第1ワイヤの引き回しがシンプルになり、コイル装置の信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第1コイルあるいは第3一次側コイルの電気的特性(銅損等)が悪化することがない。
【0008】
同様に、第2ボビンおよび第3ボビンに第2ワイヤを巻回し、それぞれに第2コイルおよび第3二次側コイルを形成すると、第2コイルと第3二次側コイルとが連続し、第2コイルと第3二次側コイルとの間に、端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、第2コイルと第3二次側コイルとの間において、第2ワイヤの引き回しがシンプルになり、コイル装置の信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第2コイルあるいは第3二次側コイルの電気的特性(銅損等)が悪化することがない。
【0009】
また、第1ボビンに形成された第1コイルによって、第1のインダクタ部を形成するとともに、第2ボビンに形成された第2コイルによって、第2のインダクタ部を形成することができる。さらに、第3ボビンに形成された第3一次側コイルと第3二次側コイルとによって、トランス部を形成することができる。したがって、例えば、2つのインダクタ部と1つのトランス部とを有する電気回路を2本の連続するワイヤで構成することができる。
【0010】
前記第3ボビンは、前記第1ボビンと前記第2ボビンとの間に配置されており、前記第1ワイヤは、前記第1ボビンから前記第3ボビンにかけて、連続的に巻回されており、前記第2ワイヤは、前記第2ボビンから前記第3ボビンにかけて、連続的に巻回されていてもよい。第3ボビンを第1ボビンと第2ボビンとの間に配置することにより、第1ボビンから第3ボビンにかけて第1ワイヤを巻回しやすくなり、第3ボビンに第3一次側コイルを容易に形成することができる。また、第2ボビンから第3ボビンにかけて第2ワイヤを巻回しやすくなり、第3ボビンに第3二次側コイルを容易に形成することができる。これにより、第3ボビンにトランス部を容易に形成することができる。
【0011】
前記第3一次側コイルおよび前記第3二次側コイルの一方は、他方の上に積層されていてもよい。あるいは、前記第3ボビンの軸方向に沿って、前記第3一次側コイルと前記第3二次側コイルとは隣接して配置されていてもよい。この場合、第3一次側コイルと第3二次側コイルとの間の結合を調整しやすくなり、コイル装置の磁気特性を最適化しやすくなる。
【0012】
複数の前記ボビンには、第4ボビンがさらに含まれており、前記第4ボビンには、前記第1ワイヤが巻回されて、第4一次側コイルが形成されているとともに、前記第2ワイヤが巻回されて、第4二次側コイルが形成されていてもよい。この場合、第4ボビンに形成された第4一次側コイルと第4二次側コイルとによって、トランス部を形成することができる。そのため、例えば、2つのインダクタ部と2つのトランス部とを有する電気回路(共振回路等)を2本の連続するワイヤで構成することができる。
【0013】
また、第1ボビンと第3ボビンと第4ボビンとに第1ワイヤを巻回し、それぞれに第1コイルと第3一次側コイルと第4一次側コイルとを形成すると、これらのコイルが連続し、各コイルの間に端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、各コイルの間において、第1ワイヤの引き回しがシンプルになり、コイル装置の信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第1コイル、第3一次側コイルあるいは第4一次側コイルの電気的特性(銅損等)が悪化することがない。
【0014】
また、第2ボビンと第4ボビンと第3ボビンとに第2ワイヤを巻回し、それぞれに第2コイルと第4二次側コイルと第3二次側コイルとを形成すると、これらのコイルが連続し、各コイルの間に端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、各コイルの間において、第2ワイヤの引き回しがシンプルになり、コイル装置の信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第2コイル、第4二次側コイルあるいは第3二次側コイルの電気的特性(銅損等)が悪化することがない。
【0015】
前記第3ボビンおよび前記第4ボビンは、前記第1ボビンと前記第2ボビンとの間に配置されており、前記第1ワイヤは、前記第1ボビン、前記第3ボビンおよび前記第4ボビンに、この順で連続的に巻回されており、前記第2ワイヤは、前記第2ボビン、前記第4ボビンおよび前記第3ボビンに、この順で連続的に巻回されていてもよい。第3ボビンおよび第4ボビンを第1ボビンと第2ボビンとの間に配置することにより、第1ボビン、第3ボビンおよび第4ボビンに、この順に第1ワイヤを巻回しやすくなる。また、第2ボビン、第4ボビンおよび第3ボビンに、この順に第2ワイヤを巻回しやすくなる。そのため、第3ボビンに第3一次側コイルを容易に形成することができるとともに、第4ボビンに第4一次側コイルを容易に形成することができる。また、第3ボビンに第3二次側コイルを容易に形成することができるとともに、第4ボビンに第4二次側コイルを容易に形成することができる。これにより、第3ボビンおよび第4ボビンの各々にトランス部を容易に形成することができる。
【0016】
(1)前記第3ボビンにおいて前記第3二次側コイルが前記第3一次側コイルの上に積層されているとき、前記第4ボビンにおいて前記第4二次側コイルは前記第4一次側コイルの上に積層されており、(2)前記第3ボビンにおいて前記第3一次側コイルが前記第3二次側コイルの上に積層されているとき、前記第4ボビンにおいて前記第4一次側コイルは前記第4二次側コイルの上に積層されていてもよい。(1)の態様では、最初に、第1ボビン、第3ボビンおよび第4ボビンに、この順に第1ワイヤを連続的に巻回し、次に、第2ボビン、第4ボビンおよび第3ボビンに、この順に第2ワイヤを連続的に巻回することができる。そのため、第1ワイヤおよび第2ワイヤの巻回作業が容易である。(2)の態様では、最初に、第2ボビン、第4ボビンおよび第3ボビンに、この順に第2ワイヤを連続的に巻回し、次に、第1ボビン、第3ボビンおよび第4ボビンに、この順に第1ワイヤを連続的に巻回することができる。そのため、第1ワイヤおよび第2ワイヤの巻回作業が容易である。
【0017】
前記第3ボビンでは前記第3二次側コイルが前記第3一次側コイルの上に積層されており、前記第4ボビンでは前記第4一次側コイルが前記第4二次側コイルの上に積層されていてもよい。このような構成は、例えば、以下のような態様で、第1ワイヤおよび第2ワイヤの巻回を行うことにより形成される。すなわち、最初に、第1ボビンおよび第3ボビンに、この順で第1ワイヤを巻回し、それぞれに第1コイルおよび第3一次側コイルを形成する。また、第2ボビンおよび第4ボビンに、この順で第2ワイヤを巻回し、それぞれに第2コイルおよび第4二次側コイルを形成する。次に、第4ボビンに、第4二次側コイルの上から、第1ワイヤを巻回し、第4一次側コイルを形成する。また、第3ボビンに、第3一次側コイルの上から、第2ワイヤを巻回し、第3二次側コイルを形成する。このような態様で、第1ワイヤおよび第2ワイヤの巻回を行うことにより、第1ワイヤおよび第2ワイヤの同時巻きを行うことが可能となり、第1ワイヤおよび第2ワイヤの巻回作業の高速化を図ることができる。
【0018】
前記第3ボビンの軸方向に沿って、前記第3一次側コイルと前記第3二次側コイルとは隣接して配置されており、前記第4ボビンの軸方向に沿って、前記第4一次側コイルと前記第4二次側コイルとは隣接して配置されていてもよい。この場合、第3一次側コイルと第3二次側コイルとの間の結合、さらには第4一次側コイルと第4二次側コイルとの間の結合を調整しやすくなり、コイル装置の磁気特性を最適化しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明の第1実施形態に係るコイル装置の斜視図である。
【
図2】
図2は
図1に示すコイル装置の複数のボビンの斜視図である。
【
図3】
図3は
図1に示すコイル装置からコアを省略したときの斜視図である。
【
図6】
図6は
図3に示す第1ワイヤおよび第2ワイヤの斜視図である。
【
図7】
図7は第1実施形態のコイル装置の製造方法を説明するための斜視図である。
【
図8】
図8は本発明の第2実施形態に係るコイル装置の斜視図である。
【
図9】
図9は
図8に示す第1ワイヤおよび第2ワイヤの斜視図である。
【
図11】
図11は本発明の第3実施形態に係るコイル装置の斜視図である。
【
図14】
図14は本発明の第4実施形態に係るコイル装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図示する内容は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0021】
(第1実施形態)
図1に示す本発明の第1実施形態に係るコイル装置1は、例えばリーケージトランスとして機能し、車載用充電器や各種電気機器の電源回路等に用いられる。コイル装置1は、第1ワイヤ3と、第2ワイヤ4と、第1ボビン2aと、第2ボビン2bと、第3ボビン2cとを有する。コイル装置1は、連続した1本の第1ワイヤ3と連続した1本の第2ワイヤ4とが、これら複数のボビンに巻回されたコイル装置である。コイル装置1は、上述した各構成に加えて、一例として、コア5a1~5a4と、コア5b1~5b4と、コア5c1~5c4とを有する。
【0022】
図1等において、X軸は、コア5a1を平面視したときに、コア5a1の短手方向に対応する軸である。Y軸は、コア5a1を平面視したときに、コア5a1の長手方向に対応する軸である。Z軸は、X軸およびY軸に垂直な軸である。以下の説明では、X軸、Y軸およびZ軸の各々について、コイル装置1の中心に向かう方向を内側とし、コイル装置1の中心から離れる方向を外側とする。また、Z軸について、その正方向側を上方とし、その負方向側を下方とする。
【0023】
図2に示すように、第1ボビン2aおよび第2ボビン2bは、同一形状を有し、それぞれ、筒部20と、鍔部21~26と、コア固定部27a~27dと、引出固定部28とを有する。第3ボビン2cは、第1ボビン2aおよび第2ボビン2bと同様に、筒部20と、鍔部21~26と、コア固定部27a~27dと、引出固定部28とを有する。第3ボビン2cは、これらの構成に加えて、ワイヤ挿通部29をさらに有する。第3ボビン2cは、Y軸に沿って、第1ボビン2aと第2ボビン2bとの間に配置されている。第1ボビン2a~第3ボビン2cは、例えばPPS、PET、PBT、LCP等のプラスチックあるいはその他の絶縁部材(例えば、耐熱性を有する材料)で構成されている。
【0024】
筒部20は、無底筒状の筒体であり、貫通孔200と、突起201とを有する。第1ボビン2aの貫通孔200には、
図5に示すコア5a1~5a4の各々の一部(中脚部51)が挿入される。第2ボビン2bの貫通孔200には、
図5に示すコア5b1~5b4の各々の一部(中脚部51)が挿入される。第3ボビン2cの貫通孔200には、
図5に示すコア5c1~5c4の各々の一部(中脚部51)が挿入される。X軸に沿って隣接する一方のコアの中脚部51と他方のコアの中脚部51とは、突起201を介して配置される。筒部20の外周面には、第1ワイヤ3または第2ワイヤ4が巻回される。筒部20の横断面形状は、楕円形であるが、円形等でもよい。
【0025】
鍔部21は、筒部20のZ軸方向の一端に形成されており、鍔部26は、筒部20のZ軸方向の他端に形成されている。鍔部22~25は、鍔部21と鍔部26との間に位置し、Z軸に沿って等間隔で配置されている。鍔部21~26は、筒部20の外周面から、その径方向の外側に向かって突出している。鍔部21~26の径方向の外側への突出長は、特に限定されないが、第1ワイヤ3または第2ワイヤ4の線径と同等以上である。
【0026】
鍔部22の長軸方向(X軸方向)の一端には、切り欠き部220が形成されている。同様に、鍔部23の長軸方向の一端には、切り欠き部230が形成されている。同様に、鍔部24の長軸方向の一端には、切り欠き部240が形成されている。同様に、鍔部25の長軸方向には、切り欠き部250が形成されている。
【0027】
例えば、第1ボビン2aでは、切り欠き部220を介して、鍔部21と鍔部22との間の区域に巻回された第1ワイヤ3を、鍔部22と鍔部23との間の区域に移行することができる。また、切り欠き部230を介して、鍔部22と鍔部23との間の区域に巻回された第1ワイヤ3を、鍔部23と鍔部24との間の区域に移行することができる。また、切り欠き部240を介して、鍔部23と鍔部24との間の区域に巻回された第1ワイヤ3を、鍔部24と鍔部25との間の区域に移行することができる。また、切り欠き部250を介して、鍔部24と鍔部25との間の区域に巻回された第1ワイヤ3を、鍔部25と鍔部26との間の区域に移行することができる。
【0028】
コア固定部27aおよび27bは、鍔部21に形成されており、鍔部21の一方の主面(上面)からZ軸に沿って突出している。コア固定部27aとコア固定部27bとは、X軸に沿って、相互に反対側に位置する。コア固定部27aは、鍔部21のX軸方向の一端に位置し、コア固定部27bは、鍔部21のX軸方向の他端に位置する。
【0029】
コア固定部27cおよび27dは、鍔部26に形成されており、鍔部26の他方の主面(下面)から、コア固定部27aおよび27bとは反対方向に向かってZ軸に沿って突出している。コア固定部27cとコア固定部27dとは、X軸に沿って、相互に反対側に位置する。コア固定部27cは、鍔部26のX軸方向の一端に位置し、コア固定部27dは、鍔部26のX軸方向の他端に位置する。
【0030】
図1に示すように、例えば、第1ボビン2aにおいて、コア固定部27aとコア固定部27bとの間には、コア5a1および5a2が配置される。これにより、コア5a1および5a2は、X軸方向に関して、コア固定部27aおよび27bによって位置決めされる。詳細な図示は省略するが、第1ボビン2aにおいて、
図2に示すコア固定部27cとコア固定部27dとの間には、
図5に示すコア5a3および5a4が配置される。これにより、コア5a3および5a4は、X軸方向に関して、コア固定部27cおよび27dによって位置決めされる。
【0031】
図2に示すように、引出固定部28は、突出部280aおよび280bと、壁部281および281bと、溝部282aおよび282bと、引出通路283aおよび283bと、隙間284とを有する。
図4に示すように、突出部280aおよび280bは、X軸に沿って、鍔部21の一端から、外側に向かって突出している。突出部280aおよび280bは、それぞれ、Z軸に沿って所定の厚みを有する直方体形状の板体である。突出部280aおよび280bの各々の形状は、平面視において矩形である。
図2に示すように、突出部280aおよび280bの各々の上面の位置は、鍔部21の上面の位置よりも高い位置に位置する。突出部280aと突出部280bとは、Y軸に沿って対向しており、突出部280aと突出部280bとの間には隙間284が形成されている。
【0032】
壁部281aは、突出部280aのX軸方向の外端部に形成されている。壁部281aは、突出部280aに対して直交するように、Z軸に沿ってコア固定部27aと同方向に突出している。壁部281bは、突出部280bのX軸方向の外端部に形成されている。壁部281bは、突出部280bに対して直交するように、Z軸に沿ってコア固定部27aと同方向に突出している。壁部281aと壁部281bとは、Y軸に沿って対向しており、壁部281aと壁部281bとの間には隙間が形成されている。
【0033】
溝部282aは、壁部281aに形成されており、壁部281aのZ軸方向の一端から他端に向かって延在している。溝部282bは、壁部281bに形成されており、壁部281bのZ軸方向の一端から他端に向かって延在している。溝部282aおよび282bの各々の深さは、特に限定されないが、第1ワイヤ3または第2ワイヤ4の線径と同等以上である。
【0034】
引出通路283aは、突出部280aと壁部281aとコア固定部27aとで画定された通路であり、Y軸に沿って延在している。引出通路283aは、X軸方向に関して、壁部281aとコア固定部27aとで挟まれている。引出通路283bは、突出部280bと壁部281bとコア固定部27aとで画定された通路であり、Y軸に沿って延在している。引出通路283bは、X軸方向に関して、壁部281bとコア固定部27aとで挟まれている。引出通路283aおよび283bには、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の少なくとも一方を通過させることが可能となっている。
【0035】
上述したように、突出部280aおよび280bの各々の上面の位置は、鍔部21の上面の位置よりも高い位置に位置する。そのため、引出通路283aおよび283bは、鍔部21の上面の位置よりも高い位置に位置する。それゆえ、引出通路283aまたは283bを通過する第1ワイヤ3は、鍔部21の上面よりも上方を通過する。また、引出通路283aまたは283bを通過する第2ワイヤ4は、鍔部21の上面よりも上方を通過する。ただし、引出通路283aおよび283bにおける第1ワイヤ3および/または第2ワイヤ4の通過位置は、特に限定されない。
【0036】
図4に示すように、隙間284は、X軸方向に関して、コア固定部27aと壁部281aおよび281bとの間に形成されている。また、隙間284は、Y軸方向に関して、突出部280aと突出部280bとの間に形成されている。隙間284は、コア固定部27aと、壁部281aおよび281bと、突出部280aおよび280bとで、部分的に囲まれた空間である。隙間284は、引出固定部28をZ軸に沿って貫通するように延在している。隙間284は、第1ワイヤ3または第2ワイヤ4を、鍔部21と鍔部22との間の区域へ案内する。
【0037】
図2に示すように、ワイヤ挿通部29は、突出部290aおよび290bと、壁部291aおよび291bと、引出通路292aおよび292bと、隙間293とを有する。突出部290aおよび290bは、それぞれ突出部280aおよび280bに対して、Z軸に沿って対向するように配置されている。突出部290aおよび290bは、X軸に沿って、鍔部26の一端から、外側に向かって突出している。突出部290aおよび290bは、それぞれ、Z軸に沿って所定の厚みを有する直方体形状の板体である。突出部290aおよび290bの各々の形状は、平面視において矩形である。突出部290aおよび290bの各々の下面の位置は、鍔部26の下面の位置よりも低い位置に位置する。突出部290aと突出部290bとは、Y軸に沿って対向しており、突出部290aと突出部290bとの間には隙間293が形成されている。
【0038】
壁部291aは、突出部290aのX軸方向の外端部に形成されている。壁部291aは、突出部290aに対して直交するように、Z軸に沿ってコア固定部27cと同方向に突出している。壁部291bは、突出部290bのX軸方向の外端部に形成されている。壁部291bは、突出部290bに対して直交するように、Z軸に沿ってコア固定部27cと同方向に突出している。壁部291aと壁部291bとは、Y軸に沿って対向しており、壁部291aと壁部291bとの間には隙間が形成されている。
【0039】
引出通路292aは、突出部290aと壁部291aとコア固定部27cとで画定された通路であり、Y軸に沿って延在している。引出通路292aは、X軸方向に関して、壁部291aとコア固定部27cとで挟まれている。引出通路292bは、突出部290bと壁部291bとコア固定部27cとで画定された通路であり、Y軸に沿って延在している。引出通路292bは、X軸方向に関して、壁部291bとコア固定部27cとで挟まれている。引出通路292aおよび292bには、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の少なくとも一方を通過させることが可能となっている。
【0040】
上述したように、突出部290aおよび290bの各々の下面の位置は、鍔部26の下面の位置よりも低い位置に位置する。そのため、引出通路292aおよび292bは、鍔部26の下面の位置よりも低い位置に位置する。それゆえ、引出通路292aまたは292bを通過する第1ワイヤ3は、鍔部26の下面よりも下方を通過する。また、引出通路292aまたは292bを通過する第2ワイヤ4は、鍔部26の下面よりも下方を通過する。ただし、引出通路292aおよび292bにおける第1ワイヤ3および/または第2ワイヤ4の通過位置は、特に限定されない。
【0041】
図5に示すように、コア5a1~5a4と、コア5b1~5b4と、コア5c1~5c4とは、同一の形状を有する。コア5a1~5a4は、第1ボビン2a(
図2)に取り付けられる。コア5b1~5b4は、第2ボビン2b(
図2)に取り付けられる。コア5c1~5c4は、第3ボビン2c(
図2)に取り付けられる。以下、コア5a1を例に挙げて、上記各コアの構成について説明する。コア5a1は、E型コアであり、ベース部50と、中脚部51と、一対の外脚部52とを有する。コア5a1の材質は、例えば金属あるいはフェライト等の磁性材料である。
【0042】
ベース部50は、平面視において長方形状を有する扁平な板体(直方体)である。一対の外脚部52は、ベース部50の一方の主面から、Z軸に沿って突出している。一方の外脚部52は、ベース部50のY軸方向の一端に形成されており、他方の外脚部52は、ベース部50のY軸方向の他端に形成されている。外脚部52の内側面(中脚部51の外周面と対向する面)は、中脚部51の外周面に沿って延在(湾曲)している。
【0043】
中脚部51は、一対の外脚部52の間に位置する。中脚部51は、ベース部50の一方の主面から、Z軸に沿って外脚部52と同方向に突出している。中脚部51の横断面形状(中脚部51の軸方向に垂直な断面形状)は、半楕円形であるが、半円形あるいは多角形等でもよい。中脚部51は、
図2に示す第1ボビン2a(第2ボビン2bまたは第3ボビン2c)の貫通孔200の内部に挿入される。
【0044】
コア5a1とコア5a2とは、X軸に沿って、対向するように隣接して配置される。コア5a1とコア5a2との間には、X軸に沿って、ギャップが形成されている(
図1参照)。コア5a3とコア5a4とは、X軸に沿って、対向するように隣接して配置される。コア5a3とコア5a4との間には、X軸に沿って、ギャップが形成されている(
図1参照)。
【0045】
コア5a1とコア5a3とは、Z軸に沿って、対向するように隣接して配置される。例えば、コア5a1の中脚部51(あるいは、外脚部52)とコア5a3の中脚部51(あるいは、外脚部52)との間には、Z軸に沿って、ギャップが形成されていてもよい。コア5a2とコア5a4とは、Z軸に沿って、対向するように隣接して配置される。例えば、コア5a2の中脚部51(あるいは、外脚部52)とコア5a4の中脚部51(あるいは、外脚部52)との間には、Z軸に沿って、ギャップが形成されていてもよい。
【0046】
図6に示すように、第1ワイヤ3は、第1コイル31と、第3一次側コイル33と、接続部35と、第1引出部38aおよび38bとを有する。第2ワイヤ4は、第2コイル42と、第3二次側コイル43と、接続部45と、第2引出部48aおよび48bとを有する。
【0047】
第1ワイヤ3および第2ワイヤ4は、それぞれ連続した1本のワイヤである。第1ワイヤ3および第2ワイヤ4は、それぞれ、例えば銅などで構成される丸線、平角線、撚り線、リッツ線、編組線などの導電性芯線である。第1ワイヤ3および第2ワイヤ4は、これらの導電性芯線を絶縁性の被膜で被覆した絶縁被覆ワイヤでもよい。第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の各々の線径(直径)は、例えば1.0~3.0mmである。第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の線径は、それぞれ等しくてもよく、あるいは異なっていてもよい。たとえば、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4のうち、より多くの電流が流れる一方のワイヤの線径を他方のワイヤの線径よりも太くしてもよい。
【0048】
図7に示すように、第1ボビン2aには、第1ワイヤ3が巻回されて、第1コイル31が形成されている。第1コイル31は、特に限定されないが、その巻軸方向に沿って、5層で形成されている。また、第1コイル31は、特に限定されないが、その径方向に沿って2層で形成されている(
図6参照)。第1コイル31は、コイル装置1のインダクタ部として機能する。
【0049】
第3ボビン2cには、第1ワイヤ3が巻回されて、第3一次側コイル33が形成されている。第3一次側コイル33は、特に限定されないが、その巻軸方向に沿って、5層で形成されている。また、第3一次側コイル33は、特に限定されないが、その径方向に沿って1層で形成されている(
図6参照)。第3一次側コイル33は、第3ボビン2cに形成されるトランスの一次側コイルを構成し、コイル装置1のトランス部として機能する。
【0050】
第1ワイヤ3は、第1ボビン2aにおいて、第1ボビン2aの上端部、すなわち鍔部21と鍔部22との間の区域から巻き始められる。そして、第1ワイヤ3は、第1ボビン2aの上端部から下端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。さらに、第1ワイヤ3は、第1ボビン2aの下端部から上端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。これにより、第1ボビン2aには、その径方向に沿って2層からなる第1コイル31が形成される(
図6参照)。
【0051】
また、第1ワイヤ3は、第3ボビン2cにおいて、第3ボビン2cの上端部、すなわち鍔部21と鍔部22との間の区域から巻き始められる。そして、第1ワイヤ3は、第3ボビン2cの上端部から下端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。これにより、第3ボビン2cには、その径方向に沿って1層からなる第3一次側コイル33が形成される(
図6参照)。
【0052】
このように、第1ワイヤ3は、第1ボビン2aから第3ボビン2cにかけて、連続的に巻回されている。そのため、第1コイル31と第3一次側コイル33との間には、不連続部が存在しない。上述したように、第3ボビン2cは第1ボビン2aと第2ボビン2bとの間に配置されているため、第1ボビン2aから第3ボビン2cにかけて第1ワイヤ3を巻回しやすく、第3ボビン2cに第3一次側コイル33を容易に形成することができる。
【0053】
接続部35は、第1コイル31の軸方向の一端(上端)と第3一次側コイル33の軸方向の一端(上端)とを連続的に接続している。
図4に示すように、接続部35は、第1ボビン2aにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、鍔部21と鍔部22との間に位置する第1コイル31の上端部(最上層ターン)の外周面から立ち上げられる。すなわち、接続部35は、第1コイル31の上端部(最上層ターン)から、これよりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)まで引き出される。
【0054】
また、接続部35は、第1ボビン2aの引出通路283bをY軸に沿って通過するとともに、第3ボビン2cの引出通路283aをY軸に沿って通過している。すなわち、接続部35は、第1コイル31の上端部(最上層ターン)および第3一次側コイル33の上端部(最上層ターン)よりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)をY軸に沿って通過する。接続部35は、第1ボビン2aの引出通路283bと第3ボビン2cの引出通路283aとの間において、Y軸に沿って、直線的に引き出されているが、途中で屈曲あるいは湾曲していてもよい。
【0055】
また、接続部35は、第3ボビン2cにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、鍔部21と鍔部22との間に位置する第3一次側コイル33の上端部(最上層ターン)の外周面に向かって下降する。すなわち、接続部35は、第3一次側コイル33の上端部(最上層ターン)よりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)から、第3一次側コイル33の上端部(最上層ターン)に向けて下降する。
【0056】
第1引出部38aは、第1ワイヤ3の一端と第1コイル31の外周面との間の部分である。第1引出部38bは、第1ワイヤ3の他端と第3一次側コイル33との間の部分である。第1引出部38aは、第1ボビン2aにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、第1コイル31の外周面から立ち上げられている。また、第1引出部38aは、引出固定部28の溝部282aを通過しつつ、引出固定部28からX軸に沿って外側に引き出されている。
【0057】
第1引出部38bは、第3ボビン2cにおいて、ワイヤ挿通部29の隙間293を通過しつつ、鍔部25と鍔部26との間に位置する第3一次側コイル33の下端部(最下層ターン)の外周面から、下降するように引き出される。すなわち、第1引出部38bは、第3一次側コイル33の下端部(最下層ターン)から、これよりも低い位置(あるいは、鍔部26の下面よりも低い位置)まで引き出される。
【0058】
また、第1引出部38bは、第3ボビン2cと第1ボビン2aとの間において、第3ボビン2cの引出通路292aをY軸に沿って通過するとともに、第3ボビン2cの引出通路292aから第1ボビン2aの引出通路283bに向かって立ち上げられ、第1ボビン2aの引出通路283bをY軸に沿って通過している。すなわち、第1引出部38bは、第3一次側コイル33の下端部(最下層ターン)よりも低い位置(あるいは、鍔部26の下面よりも低い位置)をY軸に沿って通過するとともに、第1コイル31の上端部(最上層ターン)よりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)をY軸に沿って通過する。
【0059】
また、第1引出部38bは、第1ボビン2aの引出通路283bにおいて屈曲し、引出固定部28の溝部282bを通過しつつ、引出固定部28から、X軸に沿って、第1引出部38aと同方向に引き出されている。
【0060】
図3に示すように、第2ボビン2bには、第2ワイヤ4が巻回されて、第2コイル42が形成されている。第2コイル42は、特に限定されないが、その巻軸方向に沿って、5層で形成されている。また、第2コイル42は、特に限定されないが、その径方向に沿って2層で形成されている(
図6参照)。第2コイル42は、コイル装置1のインダクタ部として機能する。
【0061】
第3ボビン2cには、第2ワイヤ4が巻回されて、第3一次側コイル33(
図7)の上から、第3二次側コイル43が形成されている。第3二次側コイル43は、特に限定されないが、その巻軸方向に沿って、5層で形成されている。また、第3二次側コイル43は、特に限定されないが、その径方向に沿って1層で形成されている(
図6参照)。第3二次側コイル43は、第3ボビン2cに形成されるトランスの二次側コイルを構成し、コイル装置1のトランス部として機能する。第3一次側コイル33と第3二次側コイル43の巻数比は、1:1である。
【0062】
第2ワイヤ4は、第2ボビン2bにおいて、第2ボビン2bの上端部、すなわち鍔部21と鍔部22との間の区域から巻き始められる。そして、第2ワイヤ4は、第2ボビン2bの上端部から下端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。さらに、第2ワイヤ4は、第2ボビン2bの下端部から上端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。これにより、第2ボビン2bには、その径方向に沿って2層からなる第2コイル42が形成される(
図6参照)。
【0063】
また、第2ワイヤ4は、第3ボビン2cにおいて、第3ボビン2cの上端部、すなわち鍔部21と鍔部22との間の区域から巻き始められる。そして、第2ワイヤ4は、第3ボビン2cの上端部から下端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。これにより、第3ボビン2cには、その径方向に沿って1層からなる第3二次側コイル43が、第3一次側コイル33の上に形成される(
図6参照)。
【0064】
このように、第2ワイヤ4は、第2ボビン2bから第3ボビン2cにかけて、連続的に巻回されている。そのため、第2コイル42と第3二次側コイル43との間には、不連続部が存在しない。上述したように、第3ボビン2cは第1ボビン2aと第2ボビン2bとの間に配置されているため、第2ボビン2bから第3ボビン2cにかけて第2ワイヤ4を巻回しやすく、第3ボビン2cに第3二次側コイル43を容易に形成することができる。これにより、第3一次側コイル33および第3二次側コイル43からなるトランスを第3ボビン2cに容易に形成することができる。
【0065】
接続部45は、第2コイル42の軸方向の一端(上端)と第3二次側コイル43の軸方向の一端(上端)とを連続的に接続している。
図4に示すように、接続部45は、第2ボビン2bにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、鍔部21と鍔部22との間に位置する第2コイル42の上端部(最上層ターン)の外周面から立ち上げられる。すなわち、接続部45は、第2コイル42の上端部(最上層ターン)から、これよりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)まで引き出される。
【0066】
また、接続部45は、第2コイル42と第3二次側コイル43との間において、第2ボビン2bの引出通路283aをY軸に沿って通過するとともに、第3ボビン2cの引出通路283bをY軸に沿って通過している。すなわち、接続部45は、第2コイル42の上端部(最上層ターン)および第3二次側コイル43の上端部(最上層ターン)よりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)をY軸に沿って通過する。接続部45は、第2ボビン2bの引出通路283aと第3ボビン2cの引出通路283bとの間において、Y軸に沿って、直線的に引き出されているが、途中で屈曲あるいは湾曲していてもよい。
【0067】
また、接続部45は、第3ボビン2cにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、鍔部21と鍔部22との間に位置する第3二次側コイル43の上端部(最上層ターン)の外周面に向かって下降する。すなわち、接続部45は、第3二次側コイル43の上端部(最上層ターン)よりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)から、第3二次側コイル43の上端部(最上層ターン)に向けて下降する。
【0068】
第2引出部48aは、第2ワイヤ4の一端と第2コイル42の外周面との間の部分である。第2引出部48bは、第2ワイヤ4の他端と第3二次側コイル43との間の部分である。第2引出部48aは、第2ボビン2bにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、第2コイル42の外周面から立ち上げられている。そして、第2引出部48aは、引出固定部28の溝部282bを通過しつつ、引出固定部28からX軸に沿って外側に引き出されている。
【0069】
第2引出部48bは、第3ボビン2cにおいて、ワイヤ挿通部29の隙間293を通過しつつ、鍔部25と鍔部26との間に位置する第3二次側コイル43の下端部(最下層ターン)の外周面から、下降するように引き出される。すなわち、第2引出部48bは、第3二次側コイル43の下端部(最下層ターン)から、これよりも低い位置(あるいは、鍔部26の下面よりも低い位置)まで引き出される。
【0070】
また、第2引出部48bは、第3ボビン2cの引出通路292bをY軸に沿って通過するとともに、第3ボビン2cの引出通路292bから第2ボビン2bの引出通路283aに向かって立ち上げられ、第2ボビン2bの引出通路283aをY軸に沿って通過している。すなわち、第2引出部48bは、第3二次側コイル43の下端部(最下層ターン)よりも低い位置(あるいは、鍔部26の下面よりも低い位置)をY軸に沿って通過するとともに、第2コイル42の上端部(最上層ターン)よりも高い位置(あるいは、鍔部21の上面よりも高い位置)をY軸に沿って通過する。
【0071】
また、第2引出部48bは、第2ボビン2bの引出通路283aにおいて屈曲し、引出固定部28の溝部282aを通過しつつ、引出固定部28から、X軸に沿って、第2引出部48aと同方向に引き出されている。
【0072】
図1に示すように、第1引出部38aの先端部には端子6aが取り付けられており、第1引出部38bの先端部には端子6bが取り付けられている。また、第2引出部48aの先端部には端子6cが取り付けられており、第2引出部48bの先端部には端子6dが取り付けられている。
【0073】
次に、コイル装置1の製造方法について説明する。まず、
図1に示す各部材を準備する。次に、
図7に示すように、第1ボビン2aに第1ワイヤ3を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第1ボビン2aに第1コイル31が形成される。また、第1ボビン2aの溝部282aを介して、引出固定部28からX軸方向の外側に向けて第1ワイヤ3(第1引出部38a)を引き出す。
【0074】
次に、1ボビン2aから第3ボビン2cへ第1ワイヤ3(接続部35)を移行し、第3ボビン2cに第1ワイヤ3を上方から下方に向かって巻回する。これにより、第3ボビン2cに第3一次側コイル33が形成される。次に、第3ボビン2cから第1ボビン2aへ第1ワイヤ3(第1引出部38b)を引き出し、さらに、第1ボビン2aの溝部282bを介して、引出固定部28からX軸方向の外側に向けて第1ワイヤ3(第1引出部38b)を引き出す。
【0075】
次に、
図3に示すように、第2ボビン2bに第2ワイヤ4を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第2ボビン2bに第2コイル42が形成される。また、第2ボビン2bの溝部282bを介して、引出固定部28からX軸方向の外側に向けて第2ワイヤ4(第2引出部48a)を引き出す。
【0076】
次に、第2ボビン2bから第3ボビン2cへ第2ワイヤ4(接続部45)を移行し、第3ボビン2cに第2ワイヤ4を上方から下方に向かって巻回する。これにより、第3ボビン2cに、第3一次側コイル33(
図7)の上から第3二次側コイル43が形成される。次に、第3ボビン2cから第2ボビン2bへ第2ワイヤ4(第2引出部48b)を引き出し、さらに、第2ボビン2bの溝部282aを介して、引出固定部28からX軸方向の外側に向けて第2ワイヤ4(第2引出部48b)を引き出す。
【0077】
次に、ボビン2a~2cに、
図5に示すコア5a1~5a4と、コア5b1~5b4と、コア5c1~5c4とを取り付ける。また、
図1に示すように、第1引出部38aおよび38bにそれぞれ端子6aおよび6bを取り付けるとともに、第2引出部48aおよび48bにそれぞれ端子6cおよび6dを取り付ける。以上のようにして、コイル装置1を製造することができる。
【0078】
なお、
図6に示すように、本実施形態では、第1コイル31は時計回りに巻回され、第3一次側コイル33は時計回りに巻回されている。また、第2コイル42は反時計回りに巻回され、第3二次側コイル43は時計回りに巻回されている。ただし、これらのコイルの巻回方向は、
図6に示す巻回方向に限定されない。
【0079】
以上で説明したように、本実施形態では、
図3および
図6に示すように、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4のいずれも、連続した1本のワイヤである。そのため、第1ボビン2aおよび第3ボビン2cに第1ワイヤ3を巻回し、それぞれに第1コイル31および第3一次側コイル33を形成すると、第1コイル31と第3一次側コイル33とが連続し、第1コイル31と第3一次側コイル33との間に、端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、第1コイル31と第3一次側コイル33との間において、第1ワイヤ3の引き回しがシンプルになり、コイル装置1の信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第1コイル31あるいは第3一次側コイル33の電気的特性(銅損等)が悪化することがない。さらに、端子などがコア5a1等に接触することがなく、絶縁を良好に図ることができる。
【0080】
同様に、第2ボビン2bおよび第3ボビン2cに第2ワイヤ4を巻回し、それぞれに第2コイル42および第3二次側コイル43を形成すると、第2コイル42と第3二次側コイル43とが連続し、第2コイル42と第3二次側コイル43との間に、端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、第2コイル42と第3二次側コイル43との間において、第2ワイヤ4の引き回しがシンプルになり、コイル装置1の信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第2コイル42あるいは第3二次側コイル43の電気的特性(銅損等)が悪化することがない。
【0081】
また、第1ボビン2aに形成された第1コイル31によって、第1のインダクタ部を形成するとともに、第2ボビン2bに形成された第2コイル42によって、第2のインダクタ部を形成することができる。さらに、第3ボビン2cに形成された第3一次側コイル33と第3二次側コイル43とによって、トランス部を形成することができる。したがって、例えば、2つのインダクタ部と1つのトランス部とを有する電気回路を2本の連続するワイヤで構成することができる。
【0082】
また、第3二次側コイル43は、第3一次側コイル33の上に配置(積層)されているため、第3一次側コイル33と第3二次側コイル43との間の結合を調整しやすくなり、コイル装置1の磁気特性を最適化しやすくなる。
【0083】
(第2実施形態)
図8に示す第2実施形態のコイル装置1Aは、以下に示す点を除いて、第1実施形態のコイル装置1と同様の構成を有する。第1実施形態のコイル装置1と重複する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0084】
コイル装置1Aは、第1ボビン2a、第2ボビン2b、第3ボビン2cに加えて、第4ボビン2dを有する。また、コイル装置1Aは、
図5に示すコア5a1~5a4と、コア5b1~5b4と、コア5c1~5c4とに加えて、第4ボビン2dに取り付けられる複数のコアとを有する。
図8には、第4ボビン2dに取り付けられる複数のコアとして、コア5d1~5d3のみが図示されている。
【0085】
第3ボビン2cおよび第4ボビン2dは、第1ボビン2aと第2ボビン2bとの間に配置されている。より詳細には、第3ボビン2cは、第1ボビン2aと第4ボビン2dとの間に配置されており、第4ボビン2dは、第3ボビン2cと第2ボビン2bとの間に配置されている。第4ボビン2dに取り付けられる複数のコアは、コア5a1等と同様の構成を有し、第4ボビン2dに対して、その軸方向の一方側および他方側から取り付けられる。
【0086】
図8および
図9に示すように、第4ボビン2dには、第1ワイヤ3が巻回されて、第4一次側コイル34が形成されているとともに、第2ワイヤ4が巻回されて、第4二次側コイル44が形成されている。第4二次側コイル44は、第4一次側コイル34の上に配置(積層)されている。
【0087】
第3ボビン2cにおいて第3二次側コイル43が第3一次側コイル33の上に積層されているとき、第4ボビン2dにおいて第4二次側コイル44は第4一次側コイル34の上に積層される。反対に、第3ボビン2cにおいて第3一次側コイル33が第3二次側コイル43の上に積層されているとき、第4ボビン2dにおいて第4一次側コイル34が第4二次側コイル44の上に積層される。
【0088】
第4一次側コイル34および第4二次側コイル44は、特に限定されないが、それぞれ、その巻軸方向に沿って、5層で形成されている。また、第4一次側コイル34および第4二次側コイル44は、特に限定されないが、それぞれ、その径方向に沿って1層で形成されている。第4一次側コイル34は、第4ボビン2dに形成されるトランスの一次側コイルを構成し、コイル装置1Aのトランス部として機能する。第4二次側コイル44は、第4ボビン2dに形成されるトランスの二次側コイルを構成し、コイル装置1Aのトランス部として機能する。第4一次側コイル34と第4二次側コイル44の巻数比は、1:1である。
【0089】
図10に示すように、第1ワイヤ3は、第1ボビン2a、第3ボビン2cおよび第4ボビン2dに、この順で連続的に巻回されている。本実施形態における第1ボビン2aから第3ボビン2cにかけての第1ワイヤ3の巻回態様は、第1実施形態における第1ボビン2aから第3ボビン2cにかけての第1ワイヤ3の巻回態様と同様である。したがって、以下では、第1ボビン2aおよび第3ボビン2cへの第1ワイヤ3の巻回後における、第4ボビン2dに対する第1ワイヤ3の巻回態様について説明する。
【0090】
第4ボビン2dにおいて、第1ワイヤ3は、第4ボビン2dの下端部、すなわち鍔部25と鍔部26との間の区域から巻き始められる。そして、第1ワイヤ3は、第4ボビン2dの下端部から上端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。これにより、第4ボビン2dには、その径方向に沿って1層からなる第4一次側コイル34が形成される。
【0091】
図8に示すように、第2ワイヤ4は、第2ボビン2b、第4ボビン2dおよび第3ボビン2cに、この順で連続的に巻回されている。本実施形態における第2ボビン2bから第4ボビン2dにかけての第2ワイヤ4の巻回態様は、第1実施形態における第2ボビン2bから第3ボビン2cにかけての第2ワイヤ4の巻回態様と同様である。したがって、以下では、第2ボビン2bおよび第4ボビン2dへの第2ワイヤ4の巻回後における、第3ボビン2cに対する第2ワイヤ4の巻回態様について説明する。
【0092】
第3ボビン2cにおいて、第2ワイヤ4は、第3ボビン2cの下端部、すなわち鍔部25と鍔部26との間の区域から巻き始められる。そして、第2ワイヤ4は、第3ボビン2cの下端部から上端部に向けて、筒部20の外周面に巻回されていく。これにより、第3ボビン2cには、その径方向に沿って1層からなる第3二次側コイル43が、第3一次側コイル33(
図10)の上から形成される。
【0093】
本実施形態における接続部35の引出態様は、第1実施形態における接続部35の引出態様と同様である。また、本実施形態における接続部45の引出態様は、第1実施形態における接続部45の引出態様と同様である。したがって、以下では、接続部36および46の引出態様について説明する。
【0094】
図10に示すように、接続部36は、第3一次側コイル33の軸方向の一端(下端)と第4一次側コイル34の軸方向の一端(下端)とを連続的に接続している。接続部36は、第3ボビン2cにおいて、ワイヤ挿通部29の隙間293を通過しつつ、鍔部25と鍔部26との間に位置する第3一次側コイル33の下端部(最下層ターン)の外周面から下降している。
【0095】
また、接続部36は、第3ボビン2cの引出通路292bをY軸に沿って通過するとともに、第4ボビン2dの引出通路292aをY軸に沿って通過している。接続部36は、第3ボビン2cの引出通路292bと第4ボビン2dの引出通路292aとの間において、Y軸に沿って、直線的に引き出されているが、途中で屈曲あるいは湾曲していてもよい。
【0096】
また、接続部36は、第4ボビン2dにおいて、ワイヤ挿通部29の隙間293を通過しつつ、鍔部25と鍔部26との間に位置する第4一次側コイル34の下端部(最下層ターン)の外周面に向かって立ち上げられている。
【0097】
図8に示すように、接続部46は、第4二次側コイル44の軸方向の他端(下端)と第3二次側コイル43の軸方向の他端(下端)とを連続的に接続している。接続部46は、第4ボビン2dにおいて、ワイヤ挿通部29の隙間293を通過しつつ、鍔部25と鍔部26との間に位置する第4二次側コイル44の下端部(最下層ターン)の外周面から下降している。
【0098】
また、接続部46は、第4ボビン2dの引出通路292aをY軸に沿って通過するとともに、第3ボビン2cの引出通路292bをY軸に沿って通過している。接続部46は、第4ボビン2dの引出通路292aと第3ボビン2cの引出通路292bとの間において、Y軸に沿って、直線的に引き出されているが、途中で屈曲あるいは湾曲していてもよい。
【0099】
また、接続部46は、第3ボビン2cにおいて、ワイヤ挿通部29の隙間293を通過しつつ、鍔部25と鍔部26との間に位置する第3二次側コイル43の下端部(最下層ターン)の外周面に向かって立ち上げられている。
【0100】
本実施形態における第1引出部38aの引出態様は、第1実施形態における第1引出部38aの引出態様と同様である。
図10に示すように、第1引出部38bは、第4ボビン2dにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、第4一次側コイル34の外周面から立ち上げられている。第1引出部38bは、第4ボビン2dの引出通路283aをY軸に沿って通過するとともに、第3ボビン2cの引出通路283bをY軸に沿って通過している。また、第1引出部38bは、第3ボビン2cにおいて、引出固定部28の溝部282aを通過しつつ、引出固定部28からX軸に沿って外側に引き出されている。
【0101】
図8に示すように、本実施形態における第2引出部48aの引出態様は、第1実施形態における第2引出部48aの引出態様と同様である。第2引出部48bは、第3ボビン2cにおいて、引出固定部28の隙間284を通過しつつ、第3二次側コイル43の外周面から立ち上げられている。第2引出部48bは、第3ボビン2cの引出通路283bをY軸に沿って通過するとともに、第4ボビン2dの引出通路283aをY軸に沿って通過している。また、第2引出部48bは、第4ボビン2dにおいて、引出固定部28の溝部282bを通過しつつ、引出固定部28からX軸に沿って外側に引き出されている。
【0102】
なお、
図9に示すように、本実施形態では、第1コイル31は時計回りに巻回され、第3一次側コイル33は時計回りに巻回され、第4一次側コイル34は反時計回りに巻回されている。また、第2コイル42は時計回りに巻回され、第4二次側コイル44は反時計回りに巻回され、第3二次側コイル43は時計回りに巻回されている。ただし、これらのコイルの巻回方向は、
図9に示す巻回方向に限定されない。
【0103】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、
図8および
図10に示すように、第4ボビン2dに、第1ワイヤ3が巻回されて、第4一次側コイル34が形成されているとともに、第2ワイヤ4が巻回されて、第4二次側コイル44が形成されている。そのため、第4ボビン2dに形成された第4一次側コイル34と第4二次側コイル44とによって、トランス部を形成することが可能となり、2つのインダクタ部と2つのトランス部とを有する電気回路(共振回路等)を2本の連続するワイヤで構成することができる。
【0104】
また、第1ボビン2aと第3ボビン2cと第4ボビン2dとに第1ワイヤ3を巻回し、それぞれに第1コイル31と第3一次側コイル33と第4一次側コイル34とを形成すると、これらのコイルが連続し、各コイルの間に端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、各コイルの間において、第1ワイヤ3の引き回しがシンプルになり、コイル装置1Aの信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第1コイル31、第3一次側コイル33あるいは第4一次側コイル34の電気的特性(銅損等)が悪化することがない。
【0105】
また、第2ボビン2bと第4ボビン2dと第3ボビン2cとに第2ワイヤ4を巻回し、それぞれに第2コイル42と第4二次側コイル44と第3二次側コイル43とを形成すると、これらのコイルが連続し、各コイルの間に端子などによる不連続部が形成されることがない。そのため、各コイルの間において、第2ワイヤ4の引き回しがシンプルになり、コイル装置1Aの信頼性が向上する。また、端子などの不連続部に起因して、第2コイル42、第4二次側コイル44あるいは第3二次側コイル43の電気的特性(銅損等)が悪化することがない。
【0106】
また、第1ワイヤ3は、第1ボビン2a、第3ボビン2cおよび第4ボビン2dに、この順で連続的に巻回されており、第2ワイヤ4は、第2ボビン2b、第4ボビン2dおよび第3ボビン2cに、この順で連続的に巻回されている。第3ボビン2cおよび第4ボビン2dを第1ボビン2aと第2ボビン2bとの間に配置することにより、第1ボビン2a、第3ボビン2cおよび第4ボビン2dに、この順に第1ワイヤ3を巻回しやすくなる。また、第2ボビン2b、第4ボビン2dおよび第3ボビン2cに、この順に第2ワイヤ4を巻回しやすくなる。そのため、第3ボビン2cに第3一次側コイル33を容易に形成することができるとともに、第4ボビン2dに第4一次側コイル34を容易に形成することができる。また、第3ボビン2cに第3二次側コイル43を容易に形成することができるとともに、第4ボビン2dに第4二次側コイル44を容易に形成することができる。これにより、第3ボビン2cおよび第4ボビン2dの各々にトランス部を容易に形成することができる。
【0107】
また、第3二次側コイル43は第3一次側コイル33の上に積層されており、第4二次側コイル44は第4一次側コイル34の上に積層されている。そのため、最初に、第1ボビン2a、第3ボビン2cおよび第4ボビン2dに、この順に第1ワイヤ3を連続的に巻回し、次に、第2ボビン2b、第4ボビン2dおよび第3ボビン2cに、この順に第2ワイヤ4を連続的に巻回することができる。そのため、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回作業が容易である。
【0108】
(第3実施形態)
図11に示す第3実施形態のコイル装置1Bは、以下に示す点を除いて、第2実施形態のコイル装置1Aと同様の構成を有する。第2実施形態のコイル装置1Aと重複する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0109】
図11および
図12に示すように、第3ボビン2cにおいて、第3二次側コイル43は、第3一次側コイル33の上に積層されている。また、第4ボビン2dにおいて、第4一次側コイル34は、第4二次側コイル44の上に積層されている。本実施形態における第1引出部38aおよび38bの引出態様は、第2実施形態における第1引出部38aおよび38bの引出態様と同様である。また、本実施形態における第2引出部48aおよび48bの引出態様は、第2実施形態における第2引出部48aおよび48bの引出態様と同様である。
【0110】
また、本実施形態における接続部35および36の引出態様は、第2実施形態における接続部35および36の引出態様と同様である。また、本実施形態における接続部45および46の引出態様は、第2実施形態における接続部45および46の引出態様と同様である。本実施形態における接続部36と接続部46の位置関係は、第2実施形態におけるこれらの位置関係に対して、X軸方向に関して入れ替わっている。ただし、これらの位置関係は、第2実施形態と同様でもよい。
【0111】
図11に示す第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回態様は、以下のようにして得ることができる。以下では、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4を、巻線機等により、同時巻きする方法について説明する。ただし、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回作業は、異なるタイミングで行われてもよい。
【0112】
図13に示すように、まず、第1ボビン2aに第1ワイヤ3を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第1ボビン2aに第1コイル31が形成される。続けて、第1ボビン2aから第3ボビン2cへ第1ワイヤ3(接続部35)を移行し、第3ボビン2cに第1ワイヤ3を上方から下方に向かって巻回する。これにより、第3ボビン2cに第3一次側コイル33が形成される。
【0113】
これと同時に、第2ボビン2bに第2ワイヤ4を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第2ボビン2bに第2コイル42が形成される。続けて、第2ボビン2bから第4ボビン2dへ第2ワイヤ4(接続部45)を移行し、第4ボビン2dに第2ワイヤ4を上方から下方に向かって巻回する。これにより、第4ボビン2dに、第4二次側コイル44が形成される。
【0114】
次に、
図11に示すように、第3ボビン2cから第4ボビン2dへ第1ワイヤ3(接続部36)を移行し、第4ボビン2dに第1ワイヤ3を下方から上方に向かって巻回する。これにより、第4ボビン2dに、第4二次側コイル44(
図13)の上から第4一次側コイル34が形成される。これと同時に、第4ボビン2dから第3ボビン2cへ第2ワイヤ4(接続部46)を移行し、第3ボビン2cに第2ワイヤ4を下方から上方に向かって巻回する。これにより、第3ボビン2cに、第3一次側コイル33(
図13)の上から第3二次側コイル43が形成される。
【0115】
次に、第4ボビン2dから第3ボビン2cへ第1ワイヤ3(第1引出部38b)を引き出し、さらに、第3ボビン2cの溝部282aを介して、引出固定部28からX軸方向の外側に向けて第1ワイヤ3(第1引出部38b)を引き出す。これと同時に、第3ボビン2cから第4ボビン2dへ第2ワイヤ4(第2引出部48b)を引き出し、さらに、第4ボビン2dの溝部282bを介して、引出固定部28からX軸方向の外側に向けて第2ワイヤ4(第2引出部48b)を引き出す。以上のようにして、
図11に示す第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回態様を得ることができる。
【0116】
なお、
図12に示すように、本実施形態では、第1コイル31は時計回りに巻回され、第3一次側コイル33は時計回りに巻回され、第4一次側コイル34は反時計回りに巻回されている。また、第2コイル42は時計回りに巻回され、第4二次側コイル44は反時計回りに巻回され、第3二次側コイル43は反時計回りに巻回されている。ただし、これらのコイルの巻回方向は、
図12に示す巻回方向に限定されない。
【0117】
本実施形態においても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、
図11および
図12に示すように、本実施形態では、第3ボビン2cにおいて、第3二次側コイル43が第3一次側コイル33の上に積層されており、第4ボビン2dでは第4一次側コイル34が第4二次側コイル44の上に積層されている。そのため、最初に、第1ボビン2aおよび第3ボビン2cに、この順で第1ワイヤ3を巻回し、それぞれに第1コイル31および第3一次側コイル33を形成することができる。これと同時に、第2ボビン2bおよび第4ボビン2dに、この順で第2ワイヤ4を巻回し、それぞれに第2コイル42および第4二次側コイル44を形成することができる。次に、第4ボビン2dに、第4二次側コイル44の上から、第1ワイヤ3を巻回し、第4一次側コイル34を形成することができる。また、第3ボビン2cに、第3一次側コイル33の上から、第2ワイヤ4を巻回し、第3二次側コイル43を形成することができる。このように、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の同時巻きを行うことが可能であり、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回作業の高速化を図ることができる。
【0118】
(第4実施形態)
図14に示す第4実施形態のコイル装置1Cは、以下に示す点を除いて、第2実施形態のコイル装置1Aと同様の構成を有する。第2実施形態のコイル装置1Aと重複する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0119】
コイル装置1Cは、第3ボビン2cCと第4ボビン2dCとを有する。
図16に示すように、第3ボビン2cCにおいて、筒部20の外周面には鍔部21と鍔部26との間に1つの鍔部27が形成されている。また、第4ボビン2dCにおいて、筒部20の外周面には鍔部21と鍔部26との間に1つの鍔部27が形成されている。
【0120】
図14に示すように、第3ボビン2cCにおいて、第3一次側コイル33Cと第3二次側コイル43Cとは、第3ボビン2cCの軸方向に沿って、隣接して配置されている。また、第4ボビン2dCにおいて、第4一次側コイル34Cと第4二次側コイル44Cとは、第4ボビン2dCの軸方向に沿って、隣接して配置されている。
【0121】
図15および
図16に示すように、第3一次側コイル33Cは、特に限定されないが、第3ボビン2cCの鍔部26と鍔部27との間の区域において、その巻軸方向に沿って、3層で形成されている。また、第3一次側コイル33Cは、特に限定されないが、その径方向に沿って2層で形成されている。また、第3二次側コイル43Cは、特に限定されないが、第3ボビン2cCの鍔部21と鍔部27との間の区域において、その巻軸方向に沿って、3層で形成されている。また、第3二次側コイル43Cは、特に限定されないが、その径方向に沿って2層で形成されている。第3一次側コイル33Cおよび第3二次側コイル43Cは、コイル装置1Cのトランス部として機能する。
【0122】
また、第4一次側コイル34Cは、特に限定されないが、その巻軸方向に沿って、第3ボビン2dCの鍔部26と鍔部27との間の区域において、3層で形成されている。また、第4一次側コイル34Cは、特に限定されないが、その径方向に沿って2層で形成されている。また、第4二次側コイル44Cは、特に限定されないが、その巻軸方向に沿って、第3ボビン2dCの鍔部21と鍔部27との間の区域において、3層で形成されている。また、第4二次側コイル44Cは、特に限定されないが、その径方向に沿って2層で形成されている。第4一次側コイル34Cおよび第4二次側コイル44Cは、コイル装置1Cのトランス部として機能する。
【0123】
第3ボビン2cCにおいて、第3一次側コイル33Cは第3二次側コイル43Cよりも下方に配置されているが、第3一次側コイル33Cは第3二次側コイル43Cよりも上方に配置されていてもよい。また、第4ボビン2dCにおいて、第4一次側コイル34Cは第4二次側コイル44Cよりも下方に配置されているが、第4一次側コイル34Cは第4二次側コイル44Cよりも上方に配置されていてもよい。
【0124】
あるいは、第3ボビン2cCにおいて、第3二次側コイル43Cが第3一次側コイル33Cよりも下方に配置され、かつ、第4ボビン2dCにおいて、第4二次側コイル44Cが第4一次側コイル34Cよりも上方に配置されていてもよい。あるいは、第3ボビン2cCにおいて、第3二次側コイル43Cが第3一次側コイル33Cよりも上方に配置され、かつ、第4ボビン2dCにおいて、第4二次側コイル44Cが第4一次側コイル34Cよりも下方に配置されていてもよい。
【0125】
図14に示す第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回態様は、以下のようにして得ることができる。以下では、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4を、巻線機等により、同時巻きする方法について説明する。ただし、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回作業は、異なるタイミングで行われてもよい。
【0126】
図14に示すように、まず、第1ボビン2aに第1ワイヤ3を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第1ボビン2aに第1コイル31が形成される。また、第2ボビン2bに第2ワイヤ4を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第2ボビン2bに第2コイル42が形成される。
【0127】
続いて、第1ボビン2aから第3ボビン2cCへ、第1ワイヤ3(接続部35)を移行する。より詳細には、第1ボビン2aの引出通路283bから第3ボビン2cCの引出通路292aまで第1ワイヤ3を挿通させる。そして、第3ボビン2cCの鍔部26と鍔部27との間の区域(
図16参照)に、第1ワイヤ3を下方から上方に向かって、さらには上方から下方に向かって往復するように巻回する。これにより、第3ボビン2cCに第3一次側コイル33Cが形成される。
【0128】
また、第2ボビン2bから第4ボビン2dCへ、第2ワイヤ4(接続部45)を移行する。より詳細には、第2ボビン2bの引出通路283aから第4ボビン2dCの引出通路283bまで第2ワイヤ4を挿通させる。そして、第4ボビン2dCの鍔部21と鍔部27との間の区域(
図16参照)に、第2ワイヤ4を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第4ボビン2dCに、第4二次側コイル44Cが形成される。
【0129】
続いて、第3ボビン2cCから第4ボビン2dCへ、第1ワイヤ3(接続部36)を移行する。より詳細には、第3ボビン2cCの引出通路292bから第4ボビン2dCの引出通路292aまで第1ワイヤ3を挿通させる。そして、第4ボビン2dCの鍔部26と鍔部27との間の区域(
図16参照)に、第1ワイヤ3を下方から上方に向かって、さらには上方から下方に向かって往復するように巻回する。これにより、第4ボビン2dCに第4一次側コイル34Cが形成される。
【0130】
また、第4ボビン2dCから第3ボビン2cCへ、第2ワイヤ4(接続部46)を移行する。より詳細には、第4ボビン2dCの引出通路283aから第3ボビン2cCの引出通路283bまで第2ワイヤ4を挿通させる。そして、第3ボビン2cCの鍔部21と鍔部27との間の区域(
図16参照)に、第2ワイヤ4を上方から下方に向かって、さらには下方から上方に向かって往復するように巻回する。これにより、第3ボビン2cCに、第3二次側コイル43Cが形成される。
【0131】
次に、第4一次側コイル34Cの外周面から、第4ボビン2dCの隙間293と、第4ボビン2dCの引出通路292aと、第3ボビン2cCの引出通路292bと、第3ボビン2cCの引出通路292aと、第3ボビン2cCの引出通路283aと、第3ボビン2cCの溝部282aとを、この順に通過するように、第1ワイヤ3(第1引出部38b)を引き出す。なお、第3ボビン2cCの引出通路292aと引出通路283aとの間の区域においては、第1ワイヤ3を立ち上げるように引き出す。また、第3ボビン2cCの引出通路283aには、第1ワイヤ3をY軸に沿って外側から内側に向けて引き出す。
【0132】
また、第3二次側コイル43Cの外周面から、第3ボビン2cCの隙間284と、第4ボビン2dCの引出通路283bと、第4ボビン2dCの溝部282bとを、この順に通過するように、第2ワイヤ4(第2引出部48b)を引き出す。以上のようにして、
図14に示す第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回態様を得ることができる。
【0133】
なお、
図15に示すように、本実施形態では、第1コイル31は時計回りに巻回され、第3一次側コイル33Cは時計回りに巻回され、第4一次側コイル34Cは時計回りに巻回されている。また、第2コイル42は反時計回りに巻回され、第4二次側コイル44Cは時計回りに巻回され、第3二次側コイル43Cは時計回りに巻回されている。ただし、これらのコイルの巻回方向は、
図15に示す巻回方向に限定されない。
【0134】
本実施形態においても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、第3ボビン2cCの軸方向に沿って、第3一次側コイル33Cと第3二次側コイル43Cとが隣接して配置されており、第4ボビン2dCの軸方向に沿って、第4一次側コイル34Cと第4二次側コイル44Cとが隣接して配置されている。そのため、第3一次側コイル33Cと第3二次側コイル43Cとの間の結合、さらには第4一次側コイル34Cと第4二次側コイル44Cとの間の結合を調整しやすくなり、コイル装置1Cの磁気特性を最適化しやすくなる。
【0135】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。例えば、
図6に示すように、上記第1実施形態では第3二次側コイル43が、第3一次側コイル33の上に積層されていた。しかしながら、第3一次側コイル33が、第3二次側コイル43の上に積層されていてもよい。
【0136】
また、上記第1実施形態において、第3ボビン2cの軸方向に沿って、第3一次側コイル33と第3二次側コイル43とが隣接して配置されていてもよい。この場合も、第3一次側コイル33と第3二次側コイル43との間の結合を調整しやすく、コイル装置1の磁気特性を最適化しやすくなる。
【0137】
また、
図8および
図9に示すように、上記第2実施形態では、第3ボビン2cにおいて、第3二次側コイル43が第3一次側コイル33の上に積層されており、第4ボビン2dにおいて、第4二次側コイル44が第4一次側コイル34の上に積層されていた。しかしながら、第3ボビン2cにおいて、第3一次側コイル33が第3二次側コイル43の上に積層されており、第4ボビン2dにおいて、第4一次側コイル34が第4二次側コイル44の上に積層されていてもよい。この場合、最初に、第2ボビン2b、第4ボビン2dおよび第3ボビン2cに、この順に第2ワイヤ4を連続的に巻回し、次に、第1ボビン2a、第3ボビン2cおよび第4ボビン2dに、この順に第1ワイヤ3を連続的に巻回することができる。そのため、この場合も、第1ワイヤ3および第2ワイヤ4の巻回作業が容易である。
【0138】
上記各実施形態において、
図5に示すように、コア5a1~5a4は、それぞれ分割コアで構成されていたが、例えば、コア5a1とコア5a2とは一体となっていてもよい。また、コア5a3とコア5a4とは一体となっていてもよい。また、上記各実施形態において、E型コアとI型コアを組み合わせてもよい。
【0139】
上記各実施形態において、
図5に示すコア5a1および5a2には、L字状の放熱板が取り付けられていてもよい。コア5b1および5b2についても同様であり、コア5c1および5c2についても同様であり、コア5d1および5d2(
図8)についても同様である。
【0140】
上記各実施形態において、第1ボビン2a~第4ボビン2dは、複数のコアとともに、アルミ等の冷却性に優れた金属で構成されたケースにまとめて収容されていてもよい。また、ケースの内部には、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等で構成された放熱性樹脂が充填されていてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1,1A,1B,1C…コイル装置
2a,2b,2c,2d,2cC,2dC…ボビン
20…筒部
200…貫通孔
201…突起
21~27…鍔部
220,230,240,250…切り欠き部
27a,27b,27c,27d…コア固定部
28…引出固定部
280a,280b…突出部
281a,281b…壁部
282a,282b…溝部
283a,283b…引出通路
284…隙間
29…ワイヤ挿通部
290a,290b…突出部
291a,291b…先端壁部
292a,292b…引出通路
293…隙間
3…第1ワイヤ
31…第1コイル
33,33C…第3一次側コイル
34,34C…第4一次側コイル
35,36…接続部
38a,38b…第1引出部
4…第2ワイヤ
42…第2コイル
43,43C…第3二次側コイル
44,44C…第4二次側コイル
45,46…接続部
48a,48b…第2引出部
5a1~5a4,5b1~5b4,5c1~5c4,5d1~5d3…コア
50…ベース部
51…中脚部
52…外脚部
6a~6d…端子