(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134192
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】気化ガス供給装置
(51)【国際特許分類】
B63H 21/38 20060101AFI20240926BHJP
B01J 7/00 20060101ALI20240926BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B63H21/38 C
B01J7/00 Z
B01J4/00 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044377
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山野 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】貝川 貴紀
【テーマコード(参考)】
4G068
【Fターム(参考)】
4G068AA01
4G068AB02
4G068AC16
4G068AD16
4G068DA03
4G068DB02
4G068DC02
4G068DD11
(57)【要約】
【課題】望まれる温度および流量の気化ガスの供給を可能とする気化ガス供給装置を提供する。
【解決手段】この気化ガス供給装置1は、極低温液化ガスLN2を送り出す複数の極低温液化ガス供給ライン10L1他と、極低温液化ガスLN2が気化された気化ガスGN2を送り出す第1気化ガス供給ライン20L1と、複数の極低温液化ガス供給ライン10L1他および第1気化ガス供給ライン20L1が連結される導入器30と、導入器30に送り込まれた極低温液化ガスLN2および気化ガスGN2が噴出される導入管40aと、その内部において所望の温度および流量の気化ガスにされた後に、施設に送り出す送出管40bとを有する混合器40とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温液化ガスと前記極低温液化ガスが気化した気化ガスとを混合させて、所望の温度および流量の気化ガスを外部の施設に供給する気化ガス供給装置であって、
前記極低温液化ガスを送り出す複数の極低温液化ガス供給ラインと、
前記極低温液化ガスが気化された前記気化ガスを送り出す第1気化ガス供給ラインと、
複数の前記極低温液化ガス供給ラインおよび前記第1気化ガス供給ラインが連結される導入器と、
前記導入器に送り込まれた前記極低温液化ガスおよび前記気化ガスが噴出される導入管と、その内部において所望の温度および流量の気化ガスにされた後に、前記施設に送り出す送出管とを有する混合器と、
を備える、気化ガス供給装置。
【請求項2】
前記導入器は、内側円筒と外側円筒とを有する2重構造を有し、前記内側円筒と前記外側円筒とによって規定される空間は、一端が閉鎖され他端が前記混合器の内部に向けて開放するように設けられ、
複数の前記極低温液化ガス供給ラインは、前記混合器の内部に向けて前記極低温液化ガスを噴出するように前記内側円筒内を延設して配設され、
前記第1気化ガス供給ラインは、前記気化ガスを前記内側円筒と前記外側円筒とによって規定される前記空間に送り出されるように前記導入器の前記外側円筒に連結されている、
請求項1に記載の気化ガス供給装置。
【請求項3】
前記極低温液化ガスが気化された前記気化ガスを送り出す第2気化ガス供給ラインをさらに有し、
前記第2気化ガス供給ラインは、複数の前記極低温液化ガス供給ラインに取り囲まれ、前記混合器の内部に向けて前記気化ガスを噴出するように前記内側円筒内を延設するように配設されている、
請求項2に記載の気化ガス供給装置。
【請求項4】
前記内側円筒の前記混合器側の外周面には、複数の羽根がスクリュー状に配置されている、
請求項2に記載の気化ガス供給装置。
【請求項5】
前記混合器の内部には、前記導入管から前記送出管の間には、その内部を塞ぐ隔離板が複数枚配置され、
前記隔離板には、上下方向において交互に前記導入管と前記送出管とを連通するための開口領域が設けられ、
上方向に前記開口領域が設けられた前記隔離板の下方には、貫通孔が設けられている、
請求項1に記載の気化ガス供給装置。
【請求項6】
前記極低温液化ガスは、液体窒素であり、前記気化ガスは、前記液体窒素が気化した気化ガスである、請求項1に記載の気化ガス供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、極低温液化ガスとこの極低温液化ガスが気化した気化ガスとを混合させて、所望の温度および流量の気化ガスを外部の施設に供給する気化ガス供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脱炭素推進の流れで、これまで重油駆動が主流であった船舶も、急激に液化天然ガス(以下、「LNG」と称します。)駆動の船舶が増加している。LNG駆動の船舶(以下、「LNG駆動船舶」と称します。)としては、たとえば、特開2010-23776号公報(特許文献1)に開示される船舶が挙げられる。
【0003】
造船後のLNG駆動船舶の燃料タンクは常温であり、燃料タンクにLNG(沸点:約-162℃)を充填する場合には、初めに、ドライングならびに燃料タンクの金属脆性に対応させるため、徐々に燃料タンクに対してクールダウンを行う必要がある。
【0004】
その際に、燃料のLNGを使う方法もあるが、コストおよびオフガスの処理の面から、窒素ガス(沸点:約-196℃)を用い、-180℃~40℃の窒素ガスを用いて燃料タンクを冷却する方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまで、LNG運搬船のLNGタンクでも類似の需要があった。しかし、昨今需要が急増しているLNG駆動船舶のLNGタンクはLNG運搬船のLNGタンクよりも小さいため、今後、温度および流量がより精密に制御された窒素ガスの供給が望まれることが予測される。
【0007】
この発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、望まれる温度および流量の気化ガスの供給を可能とする気化ガス供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本開示に基づく気化ガス供給装置は、極低温液化ガスと上記極低温液化ガスが気化した気化ガスとを混合させて、所望の温度および流量の気化ガスを外部の施設に供給する気化ガス供給装置であって、上記極低温液化ガスを送り出す複数の極低温液化ガス供給ラインと、上記極低温液化ガスが気化された上記気化ガスを送り出す第1気化ガス供給ラインと、複数の上記極低温液化ガス供給ラインおよび上記第1気化ガス供給ラインが連結される導入器と、上記導入器に送り込まれた上記極低温液化ガスおよび上記気化ガスが噴出される導入管と、その内部において所望の温度および流量の気化ガスにされた後に、上記施設に送り出す送出管とを有する混合器と、を備える。
【0009】
[2]:[1]に記載の気化ガス供給装置であって、上記導入器は、内側円筒と外側円筒とを有する2重構造を有し、上記内側円筒と上記外側円筒とによって規定される空間は、一端が閉鎖され他端が上記混合器の内部に向けて開放するように設けられ、複数の上記極低温液化ガス供給ラインは、上記混合器の内部に向けて上記極低温液化ガスを噴出するように上記内側円筒内を延設して配設され、上記第1気化ガス供給ラインは、上記気化ガスを上記内側円筒と上記外側円筒とによって規定される上記空間に送り出されるように上記導入器の上記外側円筒に連結されている。
【0010】
[3]:[2]に記載の気化ガス供給装置であって、上記極低温液化ガスが気化された上記気化ガスを送り出す第2気化ガス供給ラインをさらに有し、上記第2気化ガス供給ラインは、複数の上記極低温液化ガス供給ラインに取り囲まれ、上記混合器の内部に向けて上記気化ガスを噴出するように上記内側円筒内を延設するように配設されている。
【0011】
[4]:[2]または[3]に記載の気化ガス供給装置であって、上記内側円筒の上記混合器側の外周面には、複数の羽根がスクリュー状に配置されている。
【0012】
[5]:[1]から[4]のいずれかに記載の気化ガス供給装置であって、上記混合器の内部には、上記導入管から上記送出管の間には、その内部を塞ぐ隔離板が複数枚配置され、上記隔離板には、上下方向において交互に上記導入管と上記送出管とを連通するための開口領域が設けられ、上方向に上記開口領域が設けられた上記隔離板の下方には、貫通孔が設けられている。
【0013】
[6]:[1]から[5]のいずれかに記載の気化ガス供給装置であって、上記極低温液化ガスは、液体窒素であり、上記気化ガスは、上記液体窒素が気化した気化ガスである。
【発明の効果】
【0014】
この開示によれば、望まれる温度および流量の気化ガスの供給を可能とする気化ガス供給装置の提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態1の気化ガス供給装置の概要を示す装置ブロック図である。
【
図2】実施の形態1の気化ガス供給装置の詳細構造を示す縦断面図である。
【
図3】
図2中のIII-III線矢視断面図である。
【
図6】実施の形態2の気化ガス供給装置の詳細構造を示す縦断面図である。
【
図7】
図6中のVII-VII線矢視断面図である。
【
図8】
図6中のVIII-VIII線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に基づいた各実施の形態の気化ガス供給装置について、以下、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0017】
本開示において、極低温液化ガスとは、-160℃を下回る温度で液体状態にあるガスのことである。たとえば、液化酸素、液化窒素、液化アルゴン、液化水素、液化ヘリウム、液化メタン、LNGなどが挙げられる。以下の説明では、極低温液化ガスの一例として、液体窒素を用いた場合について説明する。したがって、極低温液化ガスである液体窒素が気化した気化ガスは、窒素ガスとなる。
【0018】
(実施の形態1:気化ガス供給装置1)
図1を参照して、本実施の形態の気化ガス供給装置1の概略構成について説明する。
図1は、気化ガス供給装置1の概要を示す装置ブロック図である。
【0019】
気化ガス供給装置1は、液体窒素LN2とこの液体窒素LN2が気化した窒素ガスGN2とを混合させて、所望の温度および流量の窒素ガスGN2を外部の施設70に供給する窒素ガス供給装置である。施設70としては、LNG駆動船舶のLNGタンクが挙げられ、LNGタンクに対するクールダウンを想定している。
【0020】
気化ガス供給装置1は、液体窒素LN2を送り出す極低温液化ガスライン10Lと、液体窒素LN2が気化された窒素ガスGN2を送り出す気化ガス供給ライン20Lと、極低温液化ガスライン10Lおよび気化ガス供給ライン20Lが連結される導入器30と、導入器30に送り込まれた液体窒素LN2および窒素ガスGN2が噴出される導入管40aと、その内部において所望の温度および流量の窒素ガスGN2にされた後に、施設70に送り出す送出管40bとを有する混合器40とを備える。
【0021】
極低温液化ガスライン10Lおよび気化ガス供給ライン20Lは、外部の液体窒素供給施設60に連結されており、この液体窒素供給施設60から液体窒素が供給される。液体窒素供給施設60としては、たとえば、液体窒素ローリーが挙げられる。
【0022】
気化ガス供給ライン20Lには、気化器21が介在されている。気化器21としては、温水蒸発器などが用いられる。気化器21により、液体窒素LN2が窒素ガスGN2に気化される。
【0023】
図2から
図5を参照して、気化ガス供給装置1のより詳細な構成について説明する。
図2は、気化ガス供給装置1の詳細構造を示す縦断面図、
図3は、
図2中のIII-III線矢視断面図、
図4は、
図2中のIV-IV線矢視断面図、
図5は、
図2中のV-V線矢視断面図である。
【0024】
図2および
図3を参照して、導入器30は、内側円筒31と外側円筒32とを有する2重構造を有し、内側円筒31と外側円筒32とによって規定される空間V1は、一端(図示の左側)が隔壁31pにより閉鎖され、他端(図示の右側)が混合器40の内部に向けて開放するように設けられている。導入器30の開放側は、導入管40aに連結している。
【0025】
極低温液化ガスライン10Lは、第1極低温液化ガスライン10L1、第2極低温液化ガスライン10L2、および、第3極低温液化ガスライン10L3を含む。第1極低温液化ガスライン10L1、第2極低温液化ガスライン10L2、および、第3極低温液化ガスライン10L3は、隔壁31pを貫通し、混合器40の内部に向けて液体窒素LN2を噴出するように内側円筒31に延設して配設されている。
【0026】
第1極低温液化ガスライン10L1の混合器40の内部に対向する先端部分には、第1噴出スプレーノズルN1が装着されている。同様に、第2極低温液化ガスライン10L2の先端部分には、第2噴出スプレーノズルN2が装着され、第3極低温液化ガスライン10L3の先端部分には、第3噴出スプレーノズルN3が装着されている。
【0027】
気化ガス供給ライン20Lは、第1気化ガス供給ライン20L1を含む。第1気化ガス供給ライン20L1は、窒素ガスGN2を内側円筒31と外側円筒32とによって規定される空間V1に送り出されるように導入器30の外側円筒32に連結されている。
【0028】
内側円筒31の混合器40側の外周面には、複数の羽根H1がスクリュー状に配置されている。この羽根H1により、気化ガス供給ライン20Lから空間V1に送り出された窒素ガスGN2は、旋回流として混合器40の内部に向けて送出される。これにより、旋回流の窒素ガスGN2と各スプレーノズルから噴出される液体窒素LN2とが混合器40の内部において良好に混合される。
【0029】
図2、
図4および
図5を参照して、混合器40の内部には、導入管40aから送出管40bの間に、その内部を塞ぐ隔離板41が複数枚配置されている。隔離板41には、上下方向において交互に導入管40aと送出管40bとを連通するための開口領域41aが設けられている。その結果、窒素ガスGN2と液体窒素LN2とは、ジグザグ状に混合器40内を導入管40aから送出管40b側に向かって送られることとなる。この構成により、十分に窒素ガスGN2と液体窒素LN2とを混合することが可能となる。
【0030】
以上の気化ガス供給装置1の構成によれば、混合器40の送出管40b付近においては、望まれる温度および流量の窒素ガスGN2が得られ、施設70への供給を可能とする。
【0031】
(実施の形態2:気化ガス供給装置1A)
図6から
図8を参照して、本実施の形態の気化ガス供給装置1Aの概略構成について説明する。
図6は、気化ガス供給装置1Aの詳細構造を示す縦断面図、
図7は、
図6中のVII-VII線矢視断面図、
図8は、
図6中のVIII-VIII線矢視断面図である。
【0032】
本実施の形態における気化ガス供給装置1Aは、上記気化ガス供給装置1に対して、より詳細に、温度および流量の窒素ガスGN2の制御を可能にした構成を備えている。基本的な構成は、気化ガス供給装置1と同じであり、相違点について以下説明する。
【0033】
図6および
図7を参照して、この気化ガス供給装置1Aは、極低温液化ガスライン10Lとして、第1極低温液化ガスライン10L1、第2極低温液化ガスライン10L2、第3極低温液化ガスライン10L3、第4極低温液化ガスライン10L4、第5極低温液化ガスライン10L5、および、第6極低温液化ガスライン10L6を含む。
【0034】
第1極低温液化ガスライン10L1、第2極低温液化ガスライン10L2、第3極低温液化ガスライン10L3、第4極低温液化ガスライン10L4、第5極低温液化ガスライン10L5、および、第6極低温液化ガスライン10L6は、隔壁31pを貫通し、混合器40の内部に向けて液体窒素LN2を噴出するように内側円筒31に延設して配設されている。
【0035】
第1極低温液化ガスライン10L1、第2極低温液化ガスライン10L2、第3極低温液化ガスライン10L3、第4極低温液化ガスライン10L4、第5極低温液化ガスライン10L5、および、第6極低温液化ガスライン10L6は、環状に配置されている。
【0036】
第1極低温液化ガスライン10L1の混合器40の内部に対向する先端部分には、第1噴出スプレーノズルN1が装着されている。同様に、第2極低温液化ガスライン10L2の先端部分には、第2噴出スプレーノズルN2が装着され、第3極低温液化ガスライン10L3の先端部分には、第3噴出スプレーノズルN3が装着され、第4極低温液化ガスライン10L4の先端部分には、第4噴出スプレーノズルN4が装着され、第5極低温液化ガスライン10L5の先端部分には、第5噴出スプレーノズルN5が装着され、および、第6極低温液化ガスライン10L6の先端部分には、第6噴出スプレーノズルN6が装着されている。
【0037】
気化ガス供給ライン20Lは、第1気化ガス供給ライン20L1に加え、第2気化ガス供給ライン20L2をさらに有する。この第2気化ガス供給ライン20L2は、環状に配置された第1極低温液化ガスライン10L1、第2極低温液化ガスライン10L2、第3極低温液化ガスライン10L3、第4極低温液化ガスライン10L4、第5極低温液化ガスライン10L5、および、第6極低温液化ガスライン10L6に取り囲まれ、混合器40の内部に向けて窒素ガスGN2を噴出するように内側円筒31内を延設するように配設されている。
【0038】
さらに、上記した第1噴出スプレーノズルN1から第6噴出スプレーノズルN6においては、同じ型のスプレーノズルではなく、噴霧形状、噴霧量、粒子径、最大飛距離等のノズル仕様が異なるスプレーノズルを設けるようにしてもよい。
【0039】
図6および
図8を参照して、気化ガス供給装置1と同様に導入管40aから送出管40bの間に、その内部を塞ぐ隔離板41が複数枚配置されている。気化ガス供給装置1Aでは、上方向に開口領域41aが設けられた隔離板41の下方には、貫通孔41hが設けられている。貫通孔41hを設けることで、混合器40のタンクの底部への液の滞留を防止することができる。
【0040】
さらに、混合器40のタンクの底部には、排液ドレン弁S1,S2が配置されている。排液ドレン弁S1,S2を開放することで、液の排出がなく液とガスの混合状態が良好であることが確認できる。
【0041】
以上、本実施の形態における気化ガス供給装置1Aでは、6本の極低温液化ガスラインを採用し、環状に配置した極低温液化ガスラインの中央に気化ガス供給ラインを配置し、各ラインから吐出される液体窒素および窒素ガスの量および温度を細かく制御することで、混合器40の送出管40b付近において、より高精度に望まれる温度および流量の窒素ガスGN2を得ることが可能となる。
【0042】
たとえば、混合部への液体窒素LN2と窒素ガスGN2の導入割合を制御することで、所望の温度(-180℃~+40℃)、流量(0.3~3t/h、250~2,500Nm3/hr)の窒素ガスを導出できるようになった。なお、LNG駆動船舶の燃料タンクの冷却は、一気には冷やさず、例えば、-10℃→-30℃→-50℃→→→→-150℃→目標冷却温度というように、徐々に冷却する。LNG駆動船舶の容量にもよるが、数日間といったようにかなりの時間をかけて冷却する。船内LNGタンクの容量にもよるが、数日間といったようにかなりの時間をかけて冷却する。
【0043】
このように、気化ガス供給装置1Aによれば、より高精度に望まれる温度および流量の窒素ガスGN2を得ることが可能となることから、LNG駆動船舶のLNGタンクだけでなく、LNG運搬船のLNGタンク等、広流量範囲のタンク冷却用の気化ガス供給装置として用いることができる。
【0044】
本発明は、これまで主流であった重油駆動船舶を、CO2排出削減を進めることができるLNG駆動船舶への転換、普及に寄与することが可能なため、結果的に地球温暖化ガスを削減することができ、持続可能な開発目標(SDGs)の一部活動に貢献することができる。
【0045】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1,1A 気化ガス供給装置、10L1 第1極低温液化ガスライン、10L2 第2極低温液化ガスライン、10L3 第3極低温液化ガスライン、10L 極低温液化ガスライン、10L4 第4極低温液化ガスライン、10L5 第5極低温液化ガスライン、10L6 第6極低温液化ガスライン、20L1 第1気化ガス供給ライン、20L2 第2気化ガス供給ライン、20L 気化ガス供給ライン、21 気化器、30 導入器、31 内側円筒、32 外側円筒、40 混合器、40a 導入管、40b 送出管、41 隔離板、41a 開口領域、41h 貫通孔、60 液体窒素供給施設、70 施設、H1 羽根、N1 第1噴出スプレーノズル、N2 第2噴出スプレーノズル、N3 第3噴出スプレーノズル、N4 第4噴出スプレーノズル、N5 第5噴出スプレーノズル、N6 第6噴出スプレーノズル、S1,S2 排液ドレン弁、V1 空間、31p 隔壁。