(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134221
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】同期リラクタンスモータの回転子および同期リラクタンスモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/22 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
H02K1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044418
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】松川 慎理
(72)【発明者】
【氏名】篠原 啓記
(72)【発明者】
【氏名】山本 良樹
(72)【発明者】
【氏名】大熊 仁明
【テーマコード(参考)】
5H601
【Fターム(参考)】
5H601AA09
5H601CC01
5H601CC17
5H601DD01
5H601DD11
5H601GA02
5H601GA25
5H601GA34
5H601GC02
5H601GC12
(57)【要約】
【課題】従来よりも材料歩留まり、加工性および取扱性が良い同期リラクタンスモータの回転子を得ること。
【解決手段】同期リラクタンスモータの回転子30は、半径方向に並んだ複数のフラックスバリア32によって磁極が形成される回転子鉄心31と、回転子鉄心31の軸方向の両端部のそれぞれに配置されている端板50とを備える。端板50の外周面は、半径方向外側に突出する円弧形状に形成されて回転子鉄心31の周方向に互いに間隔を空けて配置された複数の円弧形状部51と、隣り合う円弧形状部51の間に配置されて直線状に形成された複数の直線部52とを有している。端板50の半径方向の中心Pを挟んで向かい合う直線部52は、互いに平行である。平行する直線部52の間の距離Lは、回転子鉄心31の外径R1よりも小さい。円弧形状部51の少なくとも一部は、周方向で回転子鉄心31のq軸43に重なる位置に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向に並んだ複数のフラックスバリアによって磁極が形成される回転子鉄心と、
前記回転子鉄心の軸方向の両端部のそれぞれに配置されている端板と、
を備え、
前記端板の外周面は、
前記半径方向外側に突出する円弧形状に形成されて、前記回転子鉄心の周方向に互いに間隔を空けて配置された複数の円弧形状部と、
隣り合う前記円弧形状部の間に配置されて、直線状に形成された複数の直線部と、
を有し、
前記端板の前記半径方向の中心を挟んで向かい合う前記直線部は、互いに平行であり、
平行する前記直線部の間の距離は、前記回転子鉄心の外径よりも小さく、
前記円弧形状部の少なくとも一部は、前記周方向で前記回転子鉄心のq軸に重なる位置に配置されていることを特徴とする同期リラクタンスモータの回転子。
【請求項2】
前記回転子鉄心の外径をR1、前記端板の外径をR2、固定子鉄心の内径をR3としたときに、R1≦R2<R3の関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の同期リラクタンスモータの回転子。
【請求項3】
前記回転子鉄心の外径をR1、前記回転子鉄心の前記軸方向の一方の端部に配置された前記端板の外径をR2a、前記回転子鉄心の前記軸方向の他方の端部に配置された前記端板の外径をR2b、固定子鉄心の内径をR3としたときに、R1≦R2b<R3<R2aの関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の同期リラクタンスモータの回転子。
【請求項4】
前記端板には、前記回転子鉄心に設けられるスキューの形成位置の基準となる目印が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の同期リラクタンスモータの回転子。
【請求項5】
固定子と、
前記固定子の内周に配置される請求項1から3のいずれか1つに記載の同期リラクタンスモータの回転子と、
を備えていることを特徴とする同期リラクタンスモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リラクタンストルクを利用して回転する同期リラクタンスモータの回転子およびこの回転子を備える同期リラクタンスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
同期リラクタンスモータは、固定子のコイルに電流を流すことにより生じる磁束によって、回転子にリラクタンストルクを発生させて回転力を得る。回転子を構成する回転子鉄心は、リラクタンストルクを増大させて電気的性能を向上させるために、突極性を持たせた特徴的な形状をとる。具体的には、回転子鉄心は、q軸の磁束を妨げるように、半径方向に並んだ複数のフラックスバリアを有している。
【0003】
一般的に、同期リラクタンスモータには、回転子鉄心の軸方向の変形を抑制することおよび回転子のバランスを取ることを目的として、回転子鉄心の軸方向の両端部に接触するように端板を配置する構造が用いられている。この端板に漏れ磁束が通ると、トルクが低下したり、渦電流損が増えて同期リラクタンスモータの効率が低下したりする。そこで、トルクの低下や渦電流損による損失を抑制するために、材料の組み合わせや形状を工夫した端板が開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、フラックスバリアである複数のスリットを有する回転子鉄心と、回転子鉄心の軸方向の両端部に配置された端板であるバランスリングとを備える同期リラクタンスモータが記載されている。バランスリングは、磁性材料である第1リングと、非磁性材料である第2リングとの2部品で構成されている。
【0005】
磁性体である第1リングは、回転子鉄心の磁路と重複しない形状である。具体的には、第1リングは、スリット間の磁路を避けるように形成された十文字形状であり、第1リングは、磁路以外の部分で回転子鉄心に接触している。一方、第2リングは、第1リングの外周に配置されるリング形状であり、第2リングの外径は、回転子鉄心の外径と概ね同一で回転子のバランスを取れる厚みを有している。第1リングの外周面は、焼きばめ、接着などにより第2リングの内周面に結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、第2リングの外周形状が円形状、すなわちバランスリングが円板であるため、1枚の非磁性材料から複数のバランスリングを切り抜く際に捨てる部分が多くなり、材料歩留まりが悪いという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示された技術では、バランスリングが円板であるため、端板のバランスを修正する作業を行う際にバランスリングの曲面状の外周面に半径方向外側から穴開け加工を行う必要があり、加工性が悪いという問題がある。
【0009】
また、特許文献1に開示された技術では、バランスリングが円板であるため、同期リラクタンスモータの組立時、保守時などに回転子を作業台などに置いたときに、回転子が転がりやすくなり、取扱性が悪いという問題がある。
【0010】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、従来よりも材料歩留まり、加工性および取扱性が良い同期リラクタンスモータの回転子を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる同期リラクタンスモータの回転子は、半径方向に並んだ複数のフラックスバリアによって磁極が形成される回転子鉄心と、回転子鉄心の軸方向の両端部のそれぞれに配置されている端板と、を備えている。端板の外周面は、半径方向外側に突出する円弧形状に形成されて、回転子鉄心の周方向に互いに間隔を空けて配置された複数の円弧形状部と、隣り合う円弧形状部の間に配置されて、直線状に形成された複数の直線部と、を有している。端板の半径方向の中心を挟んで向かい合う直線部は、互いに平行である。平行する直線部の間の距離は、回転子鉄心の外径よりも小さい。円弧形状部の少なくとも一部は、周方向で回転子鉄心のq軸に重なる位置に配置されている。
【発明の効果】
【0012】
本開示にかかる同期リラクタンスモータの回転子は、従来よりも材料歩留まり、加工性および取扱性が良いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータの構成を示した片側断面模式図
【
図2】実施の形態1にかかる他の同期リラクタンスモータの構成を示した片側断面模式図
【
図3】実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータの固定子および回転子の構成を示した断面図
【
図4】実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータの回転子鉄心の構成を示した図
【
図5】実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータの端板の構成を示した図
【
図6】実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータの回転子鉄心および端板の構成を示した図
【
図7】実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータの他の端板の構成を示した図
【
図8】実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータの構成を示した片側断面模式図
【
図9】比較例にかかる端板の製造方法を説明するための図
【
図10】実施の形態1にかかる端板の製造方法を説明するための図
【
図11】実施の形態1にかかる他の端板の製造方法を説明するための図
【
図12】比較例にかかる端板の穴開け加工を説明するための図
【
図13】実施の形態1にかかる端板の穴開け加工を説明するための図
【
図14】実施の形態2にかかる同期リラクタンスモータの構成を示した片側断面模式図
【
図15】実施の形態3にかかる同期リラクタンスモータの端板の構成を示した図
【
図16】実施の形態3にかかる同期リラクタンスモータの回転子鉄心および端板の構成を示した図
【
図17】実施の形態3にかかる回転子鉄心にスキューを形成する前の状態を模式的に示した斜視図であって、目印を用いたスキューの形成方法の一例を示す図
【
図18】実施の形態3にかかる回転子鉄心にスキューを形成した後の状態を模式的に示した斜視図であって、目印を用いたスキューの形成方法の一例を示す図
【
図19】実施の形態3にかかる回転子鉄心にスキューを形成する前の状態を模式的に示した斜視図であって、目印を用いたスキューの形成方法の他の例を示す図
【
図20】実施の形態3にかかる回転子鉄心にスキューを形成した後の状態を模式的に示した斜視図あって、目印を用いたスキューの形成方法の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、実施の形態にかかる同期リラクタンスモータの回転子および同期リラクタンスモータを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータ10の構成を示した片側断面模式図である。
図1に示すように、同期リラクタンスモータ10は、ハウジング11と、固定子20と、回転子30とを備えている。固定子20の後記する固定子鉄心21、回転子30の後記する回転子鉄心31は、いずれも中心軸Cを有する円筒形状に形成されている。以下、同期リラクタンスモータ10の各構成要素について方向を説明するときには、中心軸Cと平行な方向を軸方向、中心軸Cと直交する方向を半径方向、中心軸Cを中心とする回転方向を周方向とする。本明細書において内周および外周といった場合には、円筒形状の固定子鉄心21、円筒形状の回転子鉄心31における内周および外周を意味する。
【0016】
ハウジング11は、有底円筒形状のフレーム12と、フレーム12の開口部を閉塞するブラケット13とを有している。固定子20は、ハウジング11の内部に配置されている。固定子20は、フレーム12の円筒部に内嵌状態に固着されている。回転子30は、固定子20の内周に配置されている。回転子30には、中心軸Cに沿って延びるシャフト33が設けられている。フレーム12の底部およびブラケット13のそれぞれには、回転子30のシャフト33を回転可能に支持するベアリング14が設けられている。
【0017】
図2は、実施の形態1にかかる他の同期リラクタンスモータ10Aの構成を示した片側断面模式図である。同期リラクタンスモータ10Aは、ハウジング11Aと、固定子20と、回転子30とを備えている。
図2に示すように、同期リラクタンスモータ10Aのハウジング11Aは、円筒形状のフレーム12Aと、フレーム12Aの軸方向の両端部の開口部を閉塞する2つのブラケット13とを有する構造でもよい。
【0018】
図3は、実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータ10の固定子20および回転子30の構成を示した断面図である。
図3は、固定子20および回転子30を軸方向と直交する方向で切った図であるが、
図3では、理解の容易化のため、ハッチングを省略している。固定子20は、固定子鉄心21と、複数の固定子コイル22とを備えている。
【0019】
固定子鉄心21の形状は、円筒形状である。固定子鉄心21は、円環状に並んだ複数のティース21aと、複数のティース21aを各ティース21aの外周部で連結するバックヨーク部21bとを有している。複数のティース21aは、中心軸Cを中心に放射状に配置されている。複数のティース21aは、周方向に等角度で配置されている。固定子鉄心21は、磁性体である。固定子鉄心21の材料は、例えば、ケイ素鋼板である。固定子鉄心21は、例えば、複数のティース21aが内周面に形成された円環状の鋼板を複数枚積層することにより形成されている。各鋼板の外周部を溶接、カシメなどの方法で固定することにより、積層された複数枚の鋼板は積層方向に一体に結合されている。固定子コイル22は、複数のティース21aのそれぞれに巻回されている。固定子コイル22は、図示しない交流電源装置から固定子コイル22に交流電流が供給されることにより、磁界を発生させる。交流電源装置は、例えば、インバータ装置である。
【0020】
図1に示すように、回転子30は、回転子鉄心31と、回転子鉄心31の中心部を貫通するシャフト33と、回転子鉄心31の軸方向の両端部のそれぞれに配置された端板50とを備えている。回転子鉄心31の形状は、円筒形状である。回転子鉄心31は、磁性体である。回転子鉄心31は、円環状の磁性鋼板を複数枚積層することにより形成されている。各磁性鋼板の外周部を溶接、カシメなどの方法で固定することにより、積層された複数枚の磁性鋼板は積層方向に一体に結合されている。
【0021】
図3に示すように、回転子鉄心31は、半径方向に並んだ円弧状の溝である複数のフラックスバリア32を有している。複数のフラックスバリア32は、回転子鉄心31の回転に無効な磁束41、すなわちq軸磁束を妨げ、回転子鉄心31の回転に有効な磁束40、すなわちd軸磁束を通すために、1磁極あたり複数層に間隔をおいて配置されている。すなわち、半径方向に並んだ複数のフラックスバリア32により磁極が形成される。フラックスバリア32のそれぞれは、回転子鉄心31の半径方向内側に凸型をなすように円弧形状に形成されている。回転子鉄心31は、隣り合うフラックスバリア32の間に挟まれた鉄心部32aを有している。
【0022】
回転子鉄心31に設けられた複数のフラックスバリア32により、磁束の流れにくい方向である複数のd軸42と、磁束の流れやすい方向である複数のq軸43とが形成される。複数のd軸42は、周方向に等角度で形成されている。d軸42は、90度間隔で4つ形成されている。複数のq軸43は、周方向に等角度で形成されている。q軸43は、90度間隔で4つ形成されている。d軸42とq軸43とは、周方向に交互に形成されている。d軸42は、中心軸Cから半径方向に延びて、回転子鉄心31の内周部から外周部まで磁性鋼板が連続的に存在する部分の中心を通る線である。q軸43は、中心軸Cから半径方向に延びて、周方向で隣り合うd軸42の中間に位置する線である。
【0023】
前記したように、交流電源装置から固定子コイル22に交流電流が供給されると、固定子20の内周に磁界が発生する。固定子コイル22の内周に発生した磁界の極性により、回転子鉄心31により形成される磁路44を通る磁束が発生する。磁路44を通る磁束は、鉄心部32aと、ティース21aと、バックヨーク部21bとを循環する。
図3に示される磁路44は、同期リラクタンスモータ10の1極分の磁路である。交流電源装置から供給された交流電流により固定子コイル22の内周に発生する磁界の極性は、シャフト33を中心に回転するように変化する。回転子30は、その磁界の極性に磁性体である回転子鉄心31が吸引されることで発生するリラクタンストルクにより、シャフト33を中心に周方向に回転する。
【0024】
図4は、実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータ10の回転子鉄心31の構成を示した図である。
図4は、回転子鉄心31を軸方向に沿って見たときの図である。フラックスバリア32の延伸方向の両端部は、回転子鉄心31の外周部の近くまで達している。回転子鉄心31の外周部には、フラックスバリア32によりブリッジ部34が形成されている。ブリッジ部34は、半径方向および軸方向よりも周方向に長い橋状の構造である。
【0025】
同期リラクタンスモータ10の組立時、保守時などに回転子30を抜き出して、回転子30を作業台に積み重ねる場合などがある。このような場合に、回転子鉄心31の外周部に半径方向内側に向かう荷重が加わることがある。回転子鉄心31のうちd軸42に沿う部分には、回転子鉄心31の外周部から内周部まで連続的に磁性鋼板が連続的に存在する。そのため、回転子鉄心31のうちd軸42に沿う部分は、半径方向外側から内側に向かう荷重に対して強い。一方、回転子鉄心31のうちq軸43に沿う部分には、回転子鉄心31の外周部から内周部までの間に複数のフラックスバリア32が存在し、回転子鉄心31のうちq軸43に沿う部分は、複数のブリッジ部34により両持ち梁状に支えられている構造である。そのため、回転子鉄心31のうちq軸43に沿う部分は、半径方向外側から内側に向かう荷重に対して弱い。したがって、回転子鉄心31のうちq軸43に沿う部分に、半径方向外側から内側に向かう強い荷重が加わると、ブリッジ部34が変形し、回転子鉄心31の外周部が変形するおそれがある。
【0026】
図5は、実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータ10の端板50の構成を示した図である。
図5は、端板50を軸方向に沿って見たときの図である。端板50を軸方向に沿って見たときの端板50の外周形状は、多角形である。端板50を軸方向に沿って見たときの端板50の外周形状は、本実施の形態では、8角形である。詳しくは、端板50を軸方向に沿って見たときの端板50の外周形状は、4角形の4隅のそれぞれを円弧形状に切り落とした形状である。8角形の端板50は、4極同期リラクタンスモータに用いられる。
【0027】
図5に示される中心Pは、端板50の半径方向の中心である。中心Pは、中心軸Cと一致している。
図5に示される仮想円54は、中心Pを中心とした直径Dの円である。端板50の中心Pには、端板50を軸方向に貫通する孔53が形成されている。孔53と仮想円54とは、同心円である。孔53には、シャフト33が挿通される。端板50の外周面は、複数の円弧形状部51と、複数の直線部52とを有している。円弧形状部51の数と直線部52の数は、それぞれ4つである。円弧形状部51と直線部52とは、周方向に交互に配置されている。
【0028】
円弧形状部51は、半径方向外側に突出する円弧形状に形成されて、回転子鉄心31の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。各円弧形状部51は、仮想円54の一部に沿って延びる円弧形状に形成されている。換言すると、仮想円54は、各円弧形状部51を通る円である。円弧形状部51は、同一円周上に等角度で離れて配置されている。
【0029】
直線部52は、隣り合う円弧形状部51の間に配置されて、直線状に形成されている。直線部52は、半径方向に突出しない直線状の部分である。中心Pを挟んで向かい合う2つの直線部52は、互いに平行である。中心Pを挟んで向かい合う2つの直線部52を1組としたときに、本実施の形態では直線部52は2組設けられている。直線部52は、等角度で離れて配置されている。直線部52は、仮想円54の内周に配置されている。平行する2つの直線部52の間の距離Lは、仮想円54の直径Dよりも小さい。
【0030】
図6は、実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータ10の回転子鉄心31および端板50の構成を示した図である。
図6は、回転子鉄心31および端板50を軸方向に沿って見たときの図である。仮想円54の直径Dは、回転子鉄心31の外径R1と同一であるか、または、回転子鉄心31の外径R1よりも大きいことが好ましい。
図6に示されるように、仮想円54の直径Dが回転子鉄心31の外径R1よりも大きい場合には、周方向でq軸43に重なる位置において端板50と回転子鉄心31との間に段差35が生じる。段差35は、半径方向および周方向に延びている。
【0031】
円弧形状部51は、周方向で回転子鉄心31のq軸43に重なる位置に配置されている。円弧形状部51は、q軸43の近くに位置するブリッジ部34の変形を抑制する役割を果たしている。回転子鉄心31の軸方向の端部のうちq軸43に沿う部分は、端板50により覆われている。なお、円弧形状部51の少なくとも一部が周方向で回転子鉄心31のq軸43に重なる位置に配置されていればよい。
【0032】
平行する直線部52の間の距離Lは、回転子鉄心31の外径R1よりも小さい。直線部52は、周方向で回転子鉄心31のd軸42に重なる位置に配置されている。回転子鉄心31および端板50を軸方向に沿って見たときに回転子鉄心31の軸方向の端部の一部は、端板50から露出している。詳しくは、回転子鉄心31の軸方向の端部のd軸42に沿う部分のうち半径方向外側部分は、端板50から露出している。フラックスバリア32の空隙32bのうち半径方向外側部分は、端板50から露出している。
【0033】
図7は、実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータ10の他の端板50Aの構成を示した図である。端板50Aを軸方向に沿って見たときの端板50Aの外周形状は、
図7に示される12角形でもよい。詳しくは、端板50Aを軸方向に沿って見たときの端板50Aの外周形状は、6角形の6つの角部を円弧形状に切り落とした形状である。12角形の端板50Aは、6極同期リラクタンスモータに用いられる。円弧形状部51の数と直線部52の数は、それぞれ6つである。円弧形状部51と直線部52とは、周方向に交互に配置されている。
【0034】
図8は、実施の形態1にかかる同期リラクタンスモータ10の構成を示した片側断面模式図である。回転子鉄心31の外径をR1、端板50の外径をR2、固定子鉄心21の内径をR3としたときに、R1≦R2<R3の関係が成立することが好ましい。端板50の外径R2は、
図5に示される仮想円54の直径Dのことを意味する。固定子鉄心21の内径R3は、
図3に示される各ティース21aの半径方向内側の端部を結ぶ円の直径のことを意味する。なお、外径R1,R2および内径R3は、実際には
図8に示される寸法の2倍の長さになる。
【0035】
次に、本実施の形態にかかる同期リラクタンスモータ10の回転子30の効果について説明する。
【0036】
図9は、比較例にかかる端板50Bの製造方法を説明するための図である。
図10は、実施の形態1にかかる端板50の製造方法を説明するための図である。
図11は、実施の形態1にかかる他の端板50Aの製造方法を説明するための図である。
図9から
図11は、端板50,50A,50Bの製造時に、長尺の非磁性材料55,56,57から端板50,50A,50Bを切り抜く工程を示した模式図である。
図9から
図11のドットハッチング箇所は、非磁性材料55,56,57のうち捨てる部分を示している。比較例にかかる端板50Bの外周形状は、円形である。端板50Bの外径と端板50の外径と端板50Aの外径とは、同一である。端板50の外径と端板50Aの外径とは、仮想円54の直径Dのことを意味する。
【0037】
非磁性材料55の材料幅をW1、非磁性材料56の材料幅をW2、非磁性材料57の材料幅をW3としたときに、W2<W3<W1の関係になっている。つまり、非磁性材料56の材料幅W2および非磁性材料57の材料幅W3は、非磁性材料55の材料幅W1よりも狭い。捨てる部分の量は、端板50<端板50A<端板50Bの関係になっている。つまり、端板50および端板50Aは、端板50Bよりも捨てる部分が少ない。本実施の形態のように端板50,50Aの外周形状が多角形であると、外周形状が円形の端板50Bに比べて、捨てる部分を減らして非磁性材料56,57のうち端板50,50Aとして使える部分を増やせるため、材料歩留まりが良い。
【0038】
図12は、比較例にかかる端板50Bの穴開け加工を説明するための図である。
図13は、実施の形態1にかかる端板50の穴開け加工を説明するための図である。
図12は、端板50Bに半径方向に穴を開けて端板50Bのバランスを修正する作業を示した模式図である。
図13は、端板50に半径方向に穴を開けて端板50のバランスを修正する作業を示した模式図である。端板50,50Bの穴開け加工には、ドリルの刃61やエンドミルの刃62が用いられる。外周形状が円形の端板50Bの場合には、端板50Bの加工面が曲面になる。そのため、ドリルの刃61やエンドミルの刃62が矢印63方向に逃げやすくなり、端板50Bの穴開け加工が困難になる。これに対し、本実施の形態のように端板50の外周形状が多角形であると、端板50の加工面が平面になる。そのため、ドリルの刃61もエンドミルの刃62も逃げることがなく、端板50の穴開け加工が容易になり、加工性が良い。
【0039】
本実施の形態では、端板50の外周形状が多角形であるため、同期リラクタンスモータ10の組立時、保守時などに回転子30を作業台などに置いたときに、外周形状が円形の端板50Bに比べて、回転子30が転がりにくくなり、取扱性が良い。
【0040】
本実施の形態では、
図6に示すように、各円弧形状部51を通る仮想円54の直径Dは、回転子鉄心31の外径R1と同一であるか、または、回転子鉄心31の外径R1よりも大きいとともに、円弧形状部51は、周方向で回転子鉄心31のq軸43に重なる位置に配置されている。この構成により、回転子鉄心31のうちq軸43に沿う部分は、端板50により覆われている。そのため、回転子鉄心31のうちq軸43に沿う部分の変形を抑制することができるとともに、q軸43の近くに位置するブリッジ部34の変形を抑制することができる。
【0041】
本実施の形態では、平行する直線部52の間の距離Lが回転子鉄心31の外径R1よりも小さいことにより、回転子鉄心31および端板50を軸方向に沿って見たときに回転子鉄心31の軸方向の端部の一部が端板50から露出している。そのため、端板50により回転子鉄心31の軸方向の端部の全部を覆う場合に比べて、端板50の面積および体積が小さくなる。これにより、端板50の軽量化を図れて、端板50のイナーシャが小さくなる。
【0042】
本実施の形態では、平行する直線部52の間の距離Lが回転子鉄心31の外径R1よりも小さいことにより、フラックスバリア32の空隙32bの一部が端板50から露出している。これにより、空隙32bを通じて回転子鉄心31のフラックスバリア32の内部に同期リラクタンスモータ10の内気を通気することができるため、回転子鉄心31を冷却する性能を高めることができる。
【0043】
本実施の形態では、
図8に示すように、回転子鉄心31の外径をR1、端板50の外径をR2、固定子鉄心21の内径をR3としたときに、R1≦R2<R3の関係が成立している。このようにすると、固定子20の軸方向の両端部のどちら側からでも回転子30を固定子20の内周に挿入できる。なお、R1<R2の関係が成立すると、
図6に示されるようにq軸43の近くにおいて端板50と回転子鉄心31との間に段差35が生じる。この段差35により、回転子30がより一層転がりにくくなり、取扱性がより一層向上する。
【0044】
本実施の形態では、端板50が単一の部材であるため、従来技術のように端板であるバランスリングを第1リングと第2リングとに分割する構造に比べて、部品点数を低減できる。
【0045】
実施の形態2.
次に、
図14を参照して、実施の形態2にかかる同期リラクタンスモータ10Bについて説明する。
図14は、実施の形態2にかかる同期リラクタンスモータ10Bの構成を示した片側断面模式図である。本実施の形態では、一方の端板50の外径R2aが固定子鉄心21の内径R3よりも大きい点が、前記した実施の形態1と相違する。なお、実施の形態2では、前記した実施の形態1と重複する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
回転子鉄心31の外径をR1、回転子鉄心31の軸方向の両端部のうち一方の端部に配置された端板50の外径をR2a、回転子鉄心31の軸方向の両端部のうち他方の端部に配置された端板50の外径をR2b、固定子鉄心21の内径をR3としたときに、R1≦R2b<R3<R2aの関係が成立している。一方の端板50の外径R2aは、固定子鉄心21の内径R3よりも大きい。なお、外径R1,R2a,R2bおよび内径R3は、実際には
図14に示される寸法の2倍の長さになる。
【0047】
本実施の形態では、一方の端板50の外径R2aが固定子鉄心21の内径R3よりも大きいことにより、固定子20の軸方向の両端部の他方からしか回転子30を固定子20の内周に挿入することができないが、以下の効果を奏することができる。一方の端板50と回転子鉄心31との間に生じる段差35が大きくなり、回転子30がより一層転がりにくくなり、取扱性がより一層向上する。また、一方の端板50により回転子鉄心31のうちq軸43に沿う部分の変形およびブリッジ部34の変形をより一層抑制することができる。また、一方の端板50の加工面の面積が大きくなり、端板50のバランスを修正する作業がより一層容易になる。
【0048】
実施の形態3.
次に、
図15および
図16を参照して、実施の形態3にかかる同期リラクタンスモータ10Cについて説明する。
図15は、実施の形態3にかかる同期リラクタンスモータ10Cの端板50の構成を示した図である。
図16は、実施の形態3にかかる同期リラクタンスモータ10Cの回転子鉄心31および端板50の構成を示した図である。本実施の形態では、端板50に目印58を形成した点が、前記した実施の形態1と相違する。なお、実施の形態3では、前記した実施の形態1と重複する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
図15に示すように、端板50には、回転子鉄心31に設けられる図示しないスキューの形成位置の基準となる目印58が形成されている。目印58は、端板50の外周面または端板50の軸方向の端面に設けられる。目印58は、周方向で円弧形状部51に重なる位置に設けられている。目印58は、2つ1組で設けられる。2つの目印58の距離Nは、スキューさせたい距離と同一である。
【0050】
目印58の構成は、特に制限されない。目印58は、例えば、端板50の外周面に設けられて半径方向外側に突出する凸部58aでもよいし、端板50の外周面に設けられて半径方向内側に凹む凹部58bでもよい。目印58は、例えば、端板50の軸方向の端面に設けられたレーザー跡58cでもよいし、端板50の軸方向の端面に設けられた窪みでもよい。
図15には、説明の便宜上、複数種類の目印58、すなわち目印58として凸部58a、凹部58bおよびレーザー跡58cを図示しているが、少なくとも1種類の目印58を端板50に設けていればよい。なお、
図16には、回転子鉄心31を構成する複数の磁性鋼板のうち2枚分のフラックスバリア32を図示している。紙面手前側に位置する磁性鋼板のフラックスバリア32と紙面奥側に位置する磁性鋼板のフラックスバリア32とを区別するために、紙面奥側に位置する磁性鋼板のフラックスバリア32は破線で表し、紙面手前側に位置する磁性鋼板のフラックスバリア32はドットハッチングで表している。
【0051】
本実施の形態では、端板50には、回転子鉄心31に設けられるスキューの形成位置の基準となる目印58が形成されていることにより、回転子鉄心31にスキューを付ける際のスキューの位置決めが容易になる。すなわち、軸方向の一方の端板50と軸方向の他方の端板50とで2箇所の目印58を周方向で一致させることで適切なスキュー量を与えることができる。
【0052】
ここで、
図17および
図18を参照して、目印58を用いたスキューの形成方法の一例について詳しく説明する。
図17は、実施の形態3にかかる回転子鉄心31にスキューを形成する前の状態を模式的に示した斜視図であって、目印58を用いたスキューの形成方法の一例を示す図である。
図18は、実施の形態3にかかる回転子鉄心31にスキューを形成した後の状態を模式的に示した斜視図であって、目印58を用いたスキューの形成方法の一例を示す図である。
図17および
図18では、目印58を簡略化して軸方向に延びる1本の実線で描いている。
図17および
図18には、コア仮想線Bを図示している。
図17および
図18に示されるスキュー治具64は、回転子鉄心31にスキューを形成するための棒状の治具である。
図17に示すように、回転子鉄心31にスキューを形成する際には、回転子鉄心31と2つの端板50とにスキュー治具64を貫通させる。図示の例では、2本のスキュー治具64を回転子鉄心31と2つの端板50とに貫通させている。回転子鉄心31にスキューを形成する前の状態において、軸方向の一方の端板50の目印58と軸方向の他方の端板50の目印58とは、周方向における位置がずれている。
【0053】
図18に示すように、2本のスキュー治具64を周方向に捻ることで、スキューを回転子鉄心31に形成することができる。
図17に示すようにスキュー治具64を周方向に捻る前のコア仮想線Bは軸方向に平行であるが、
図18に示すようにスキュー治具64を周方向に捻った後のコア仮想線Bは軸方向に対して斜交する。コア仮想線Bが
図17の状態から
図18の状態へと変化するように、2本のスキュー治具64を周方向に捻ることで、積層方向の連続的な位相ずれであるスキューを回転子鉄心31に形成することができる。
図17に示される回転子鉄心31にスキューを形成する前の状態において、軸方向の一方の端板50の目印58と軸方向の他方の端板50の目印58との周方向における距離を、所望のスキュー量と同一にしておくとよい。このようにしておくと、
図18に示すように軸方向の一方の端板50の目印58と軸方向の他方の端板50の目印58との周方向における位置を一致させるだけで、所望のスキュー量を持つスキューを回転子鉄心31に容易に形成することができる。
【0054】
次に、
図19および
図20を参照して、目印58を用いたスキューの形成方法の他の例について説明する。
図19は、実施の形態3にかかる回転子鉄心31にスキューを形成する前の状態を模式的に示した斜視図であって、目印58を用いたスキューの形成方法の他の例を示す図である。
図20は、実施の形態3にかかる回転子鉄心31にスキューを形成した後の状態を模式的に示した斜視図あって、目印58を用いたスキューの形成方法の他の例を示す図である。なお、前記した
図17および
図18に示されるスキューの形成方法と重複する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図20には、
図19に示されるスキュー治具64を周方向に捻る前のコア仮想線Bを破線で図示している。
【0055】
本変形例では、目印58が2つ1組で設けられる。1組の目印58を区別する場合には、第1の目印58A、第2の目印58Bと称する。2つの端板50の第1の目印58Aと第2の目印58Bとの周方向における距離Nは、同じである。
図19および
図20では、各目印58を簡略化して軸方向に延びる1本の実線で描いている。
図19に示すように、回転子鉄心31にスキューを形成する前の状態において、軸方向の一方の端板50の第1の目印58Aと軸方向の他方の端板50の第1の目印58Aとは、周方向における位置が一致している。また、軸方向の一方の端板50の第2の目印58Bと軸方向の他方の端板50の第2の目印58Bとは、周方向における位置が一致している。
【0056】
本変形例では、
図19に示される回転子鉄心31にスキューを形成する前の状態において、各端板50の第1の目印58Aと第2の目印58Bとの周方向における距離Nを、所望のスキュー量と同一にしている。このようにすると、
図20に示すように、軸方向の一方の端板50の第2の目印58Bと軸方向の他方の端板50の第1の目印58Aとの周方向における位置が一致するまで2本のスキュー治具64を周方向に捻ることで、所望のスキュー量を持つスキューを回転子鉄心31に容易に形成することができる。
【0057】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0058】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0059】
(付記1)
半径方向に並んだ複数のフラックスバリアによって磁極が形成される回転子鉄心と、
前記回転子鉄心の軸方向の両端部のそれぞれに配置されている端板と、
を備え、
前記端板の外周面は、
前記半径方向外側に突出する円弧形状に形成されて、前記回転子鉄心の周方向に互いに間隔を空けて配置された複数の円弧形状部と、
隣り合う前記円弧形状部の間に配置されて、直線状に形成された複数の直線部と、
を有し、
前記端板の前記半径方向の中心を挟んで向かい合う前記直線部は、互いに平行であり、
平行する前記直線部の間の距離は、前記回転子鉄心の外径よりも小さく、
前記円弧形状部の少なくとも一部は、前記周方向で前記回転子鉄心のq軸に重なる位置に配置されていることを特徴とする同期リラクタンスモータの回転子。
(付記2)
前記回転子鉄心の外径をR1、前記端板の外径をR2、固定子鉄心の内径をR3としたときに、R1≦R2<R3の関係が成立することを特徴とする付記1に記載の同期リラクタンスモータの回転子。
(付記3)
前記回転子鉄心の外径をR1、前記回転子鉄心の前記軸方向の一方の端部に配置された前記端板の外径をR2a、前記回転子鉄心の前記軸方向の他方の端部に配置された前記端板の外径をR2b、固定子鉄心の内径をR3としたときに、R1≦R2b<R3<R2aの関係が成立することを特徴とする付記1に記載の同期リラクタンスモータの回転子。
(付記4)
前記端板には、前記回転子鉄心に設けられるスキューの形成位置の基準となる目印が形成されていることを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の同期リラクタンスモータの回転子。
(付記5)
固定子と、
前記固定子の内周に配置される付記1から4のいずれか1つに記載の同期リラクタンスモータの回転子と、
を備えていることを特徴とする同期リラクタンスモータ。
【符号の説明】
【0060】
10,10A,10B,10C 同期リラクタンスモータ、11,11A ハウジング、12,12A フレーム、13 ブラケット、14 ベアリング、20 固定子、21 固定子鉄心、21a ティース、21b バックヨーク部、22 固定子コイル、30 回転子、31 回転子鉄心、32 フラックスバリア、32a 鉄心部、32b 空隙、33 シャフト、34 ブリッジ部、35 段差、40,41 磁束、42 d軸、43 q軸、44 磁路、50,50A,50B 端板、51 円弧形状部、52 直線部、53 孔、54 仮想円、55,56,57 非磁性材料、58 目印、58A 第1の目印、58B 第2の目印、58a 凸部、58b 凹部、58c レーザー跡、61 ドリルの刃、62 エンドミルの刃、63 矢印、64 スキュー治具、B コア仮想線、C 中心軸、D 直径、L,N 距離、P 中心、R1,R2,R2a,R2b 外径、R3 内径、W1,W2,W3 材料幅。