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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134227
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】クッション体
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
A47G9/10 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044426
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】和田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢悟
(72)【発明者】
【氏名】池田 奨
(72)【発明者】
【氏名】山口 智也
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102AA09
3B102AB07
3B102AC01
(57)【要約】
【課題】使用者が着座している状態、及び寝ころんだ状態の双方において使用者の姿勢を良い状態に保つことが可能なクッション体を提供する。
【解決手段】クッション体1は、第1部分2と、第1部分2と一体成形されており、第1部分2の第1方向D1の端部から第3方向D3に延在する第2部分3と、を備え、第1部分2及び第2部分3は、柔軟性素材によって構成されており、第1部分2は、使用者の臀部を支持する臀部支持部5、及び、使用者の背中を支持する第1背中支持部4が形成された天面2aと、天面2aの反対側に位置する底面2bと、を有し、第2部分3は、底面2bの第1方向D1の端部から第3方向D3に延在する後面3aと、後面3aの反対側に位置する前面3bと、を有し、前面3bには、使用者の背中を支持する第2背中支持部7、及び使用者の頭部を支持する頭部支持部8が形成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、前記第1方向及び前記第2方向の双方に交差する第3方向に厚みを有する第1部分と、
前記第1部分と一体成形されており、前記第1部分の前記第1方向の端部から前記第3方向に延在する第2部分と、
を備え、
前記第1部分及び前記第2部分は、柔軟性素材によって構成されており、
前記第1部分は、
使用者の臀部を支持する臀部支持部、及び、使用者の背中を支持する第1背中支持部が形成された天面と、
前記天面の反対側に位置する底面と、
を有し、
前記第2部分は、
前記底面の前記第1方向の端部から前記第3方向に延在する後面と、
前記後面の反対側に位置する前面と、
を有し、
前記前面には、使用者の背中を支持する第2背中支持部、及び使用者の頭部を支持する頭部支持部が形成されている、
クッション体。
【請求項2】
前記第1背中支持部は、前記底面に対して傾いており、
前記底面に対する前記第1背中支持部の頂部を通る接線の傾斜角度が20°以上且つ40°以下である、請求項1に記載のクッション体。
【請求項3】
前記第1部分は、横向き寝をした使用者の上腕骨を支持する上腕骨支持部を前記天面に有し、
前記上腕骨支持部は、
前記天面における前記第2方向の中央に位置する肩支持部と、
前記肩支持部から前記天面において前記第2方向の端部に向かって延在する腕支持部と、を有する、請求項1又は請求項2に記載のクッション体。
【請求項4】
前記第1部分は、前記第2方向に沿って並ぶ一対の前記腕支持部を有する、請求項3に記載のクッション体。
【請求項5】
前記臀部支持部は、前記天面から前記底面に向かって窪むと共に、前記第2方向に沿って並ぶ一対の座骨支持部を有する、請求項1又は請求項2に記載のクッション体。
【請求項6】
前記第2背中支持部は、前記第2部分の前記第1方向の長さが小さくなるように窪む第1くびれ部を有する、請求項1又は請求項2に記載のクッション体。
【請求項7】
前記後面は、前記第2部分の前記第1方向の長さが小さくなるように窪む第2くびれ部を有する、請求項1又は請求項2に記載のクッション体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クッション体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平面視で四角形状を有する枕本体と、枕本体の中央上面に設けられ、前後に亘り膨出した副枕部とを備える枕が記載されている。枕本体及び副枕部の詰め物には、流動性の高い微小な発泡スチロールビーズが用いられる。使用者が睡眠時に当該枕を使用する場合には、使用者が仰向けの状態、横向きの状態、及びうつ伏せの状態で頭を支持させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-092844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に家の中でくつろいでいるとき等のオフタイムに、人の姿勢が悪くなりやすいことが知られている。オフタイムに人が過ごすことが多い場所としては、例えば、ソファ、床又はベッドが挙げられる。オフタイムに人がとりやすい姿勢としては、例えば、仰向け寝の状態、横向き寝の状態、うつ伏せ寝の状態、又は着座した状態が挙げられる。このように種々の姿勢を人がとった場合において、人の姿勢を良い状態に保つことが望まれている。
【0005】
本開示は、使用者が着座している状態、及び寝ころんだ状態の双方において使用者の姿勢を良い状態に保つことが可能なクッション体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るクッション体は、(1)第1方向、及び第1方向と交差する第2方向の双方に延在し、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向に厚みを有する第1部分と、第1部分と一体成形されており、第1部分の第1方向の端部から第3方向に延在する第2部分と、を備える。第1部分及び第2部分は、柔軟性素材によって構成されている。第1部分は、使用者の臀部を支持する臀部支持部、及び、使用者の背中を支持する第1背中支持部が形成された天面と、天面の反対側に位置する底面と、を有する。第2部分は、底面の第1方向の端部から第3方向に延在する後面と、後面の反対側に位置する前面と、を有する。前面には、使用者の背中を支持する第2背中支持部、及び使用者の頭部を支持する頭部支持部が形成されている。
【0007】
このクッション体では、使用者が着座している状態において、臀部支持部によって使用者の臀部が支持されると共に、第2背中支持部によって使用者の背中が支持される。使用者が仰向け寝をした状態において、第1背中支持部によって使用者の背中が支持されると共に、頭部支持部によって使用者の頭部が支持される。また、第1部分及び第2部分は柔軟性素材によって構成されているので、使用者の姿勢に適応するように形状が変化する。そして、第2部分は第1部分と一体成形されているので、第1部分に対する第2部分の位置は大きく変化し難い。よって、着座のときには、第1部分に形成された臀部支持部によって臀部を支えると共に、第2部分に形成された第2背中支持部によって背中を支えることができるので、着座時における姿勢を良い状態に保つことができる。また、使用者が身体を横たわらせるときには、第1部分に形成された第1背中支持部によって背中を支えると共に、第2部分に形成された頭部支持部によって頭部を支えることができるので、横たわったときにおける姿勢を良い状態に保つことができる。したがって、使用者が着座している状態及び寝ころんだ状態の双方において使用者の姿勢を良い状態に保つことができる。
【0008】
(2)上記(1)において、第1背中支持部は、底面に対して傾いていてもよく、底面に対する第1背中支持部の頂部を通る接線の傾斜角度が20°以上且つ40°以下であってもよい。底面に対する第1背中支持部の頂部を通る接線の傾斜角度が20°以上且つ40°以下であるので、第1背中支持部は第2部分に近づくにつれ隆起するように底面に対して傾斜している。当該傾斜角度が20°以上であることにより、クッション体に横たわったときにおける身体の角度を適度に傾けることができる。当該傾斜角度が40°以下であることにより身体が傾きすぎないようにすることができる。当該傾斜角度が20°以上且つ40°以下である場合、第1背中支持部に背中を載置した使用者の上半身は、底面に対して適切な角度で傾く。これにより、使用者の頭部は、頭部支持部に配置されやすくなり、寝ているときにおける使用者の身体の傾きを適切な角度に近づけることができるので、使用者の姿勢を良い状態に保つことができる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)において、第1部分は、横向き寝をした使用者の上腕骨を支持する上腕骨支持部を天面に有してもよく、上腕骨支持部は、天面における第2方向の中央に位置する肩支持部と、肩支持部から天面において第2方向の端部に向かって延在する腕支持部と、を有してもよい。肩支持部は、天面における第2方向の中央に位置するので、横向き寝をした使用者の肩を肩支持部に載せやすくすることができ、肩支持部において肩をより効果的に支持できる。腕支持部は、天面において肩支持部から第2方向の端部に向かって延在しているので、肩支持部に肩が支持された状態で使用者の腕が腕支持部に配置されやすく、腕支持部において腕をより効果的に支持できる。これにより、横向き寝をした使用者の肩を肩支持部で支持できると共に腕を腕支持部で支持できるので、横向き寝時における使用者の姿勢を良い状態に保つことができる。
【0010】
(4)上記(3)において、第1部分は、第2方向に沿って並ぶ一対の腕支持部を有してもよい。この場合、使用者が使用者の右肩及び左肩のいずれを肩支持部に載せた場合でも、肩支持部に接触した肩から延びる腕を左右に延びる一対の腕支持部のいずれかで支持することができる。
【0011】
(5)上記(1)~(4)のいずれかにおいて、臀部支持部は、天面から底面に向かって窪むと共に、第2方向に沿って並ぶ一対の座骨支持部を有してもよい。使用者が臀部支持部に着座した状態において、使用者の座骨は、座骨支持部によって支持される。よって、使用者の座骨にかかる負担を軽減することができる。
【0012】
(6)上記(1)~(5)のいずれかにおいて、第2背中支持部は、第2部分の第1方向の長さが小さくなるように窪む第1くびれ部を有してもよい。第2部分に第3方向の荷重が加わったときに、第1くびれ部を介して第2部分が折れ曲がりやすくなる。よって、使用者が第2部分に第3方向の荷重を加えたときに、第2部分を適度に変形させることができる。第2部分が適度に変形することによって、使用者は柔らかさを感じることができる。
【0013】
(7)上記(1)~(6)のいずれかにおいて、後面は、第2部分の第1方向の長さが小さくなるように窪む第2くびれ部を有してもよい。第2部分に第3方向の荷重が加わったときに、第2くびれ部を介して第2部分が折れ曲がりやすくなる。よって、使用者が第2部分に第3方向の荷重を加えたときに、第2部分を適度に変形させることができる。第2部分が適度に変形することによって、使用者は柔らかさを感じることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、使用者が着座している状態、及び寝ころんだ状態の双方において使用者の姿勢を良い状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態に係るクッション体を示す斜視図である。
図2図2は、クッション体の平面図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、図3の部分拡大図である。
図5図5は、クッション体の側面図である。
図6図6は、クッション体の正面図である。
図7図7は、クッション体の背面図である。
図8図8は、クッション体の上で仰向け寝をした使用者及びクッション体の側面図である。
図9図9は、クッション体の上で横向き寝をした使用者及びクッション体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照しながら本開示に係るクッション体の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0017】
図1は、本実施形態に係るクッション体1を示す斜視図である。クッション体1は、着座するとき、及び身体を横たわらせるときの双方において用いることができる。クッション体1は、人間工学、睡眠科学に基づいて、使用者の骨を適切に支持することによって、使用者の姿勢を良い状態に保つことが可能なクッション体である。クッション体1は、例えばオフタイムに使用される。しかしながら、クッション体1は、オフタイム以外においても使用することができる。クッション体1は、例えば、4通りの用途で用いることができる。4通りの用途とは、クッション体1に着座すること、仰向け寝をすること、横向き寝をすること、及びうつ伏せ寝をすることである。クッション体1は、例えば、室内の床、又はソファの上に配置される。
【0018】
例えば、クッション体1は、側地に収容された状態で使用される。この場合、クッション体1は、クッションの芯材として用いられる。上記の側地は、一例として、布帛によって構成されている。図1に示されるように、クッション体1は、水平方向に延びる第1部分2と、第1部分2から上方に延びる第2部分3とを備える。
【0019】
例えば、第1部分2は、着座する人の臀部が載せられる部分であって、且つ身体を横たわらせる人の背中が載せられる部分である。例えば、第2部分3は、着座する人の上半身が載せられる部分であって、且つ身体を横たわらせる人の頭部が載せられる部分である。第1部分2及び第2部分3は、柔軟性素材によって構成されている。柔軟性素材は、人の身体からの荷重がかかった場合であっても適度に形状が保たれると共に、使用者の身体のラインに沿うように変形する素材である。クッション体1は、例えば、高反発のウレタンフォームによって構成されている。クッション体1は、EVA(Ethylen Vinyl Acetate (エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂))又はゴムによって構成されていてもよい。クッション体1は、高耐久の素材によって構成されていてもよい。
【0020】
一例として、クッション体1は、ウレタンモールド成型によって形成される。クッション体1がウレタンフォームによって構成され、ウレタンモールド成型によって形成されている場合、柔軟性素材によって構成されたクッション体1を容易に製造することができる。
【0021】
以下では、第1部分2に着座した使用者から見たときの前方向を「前」、「前側」又は「前方」と称することがあり、当該前方向の逆方向を「後」、「後側」又は「後方」と称することがあり、当該使用者から見たときの上方向を「上」、「上側」又は「上方」と称することがある。しかしながら、これらの方向は、説明の便宜のためのものであり、各部の位置又は向き等を限定するものではない。
【0022】
第1部分2は、平面視で矩形状を呈する。第1部分2は、第1方向D1、及び第1方向D1に交差する第2方向D2に延在する。第1方向D1は第1部分2に着座する使用者から見たときの前後方向であり、第2方向D2は第1部分2に着座する使用者から見たときの左右方向である。第1部分2は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する第3方向D3に厚みを有する。例えば、第3方向D3は鉛直方向である。
【0023】
例えば、クッション体1の第1方向D1(前後方向)の長さは、クッション体1の第2方向D2(左右方向)の長さよりも長く、且つクッション体1の第3方向D3(鉛直方向)の長さよりも長い。クッション体1の第2方向D2の長さは、クッション体1の第3方向D3(鉛直方向)の長さよりも長い。クッション体1の第1方向D1の長さは、例えば、500mm以上且つ800mm以下(一例として630mm)である。クッション体1の第2方向D2の長さは、例えば、400mm以上且つ600mm以下(一例として510mm)である。クッション体1の第3方向D3の長さは、例えば、200mm以上且つ500mm以下(例えば335mm)である。
【0024】
図2は、クッション体1の平面図である。図1及び図2に示されるように、第1部分2は、上方に向けられる天面2aと、天面2aの反対を向く底面2bと、第1方向D1の端部のうち第2部分3からより遠い前端部2cと、前端部2cの反対側に位置する後端部2dとを有する。天面2aは、第2方向D2の端部である一対の側端部2eを有する。
【0025】
第1部分2は、天面2aにおける第2方向D2の両側のそれぞれに傾斜部2fを有する。第1部分2は、第2方向D2に沿って並ぶ一対の傾斜部2fを有する。傾斜部2fは、天面2aの第2方向D2の中央に向かうに従って第2部分3に接近するように第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して斜めに延在している。
【0026】
天面2aには、仰向け寝をした使用者の背中を支持する第1背中支持部4と、着座した使用者の臀部を支持する臀部支持部5と、横向き寝をした使用者の上腕骨を支持する上腕骨支持部6とが形成されている。第1背中支持部4及び臀部支持部5は、第1方向D1に沿って並ぶように配置されている。例えば、第1背中支持部4は、臀部支持部5よりも第2部分3から離れた位置に形成されている。第1背中支持部4は、天面2aにおいて前端部2cを含む領域に形成されている。例えば、第1背中支持部4は平滑面を有し、当該平滑面によって、仰向け寝をした使用者の背中が支持され、横向き寝をした使用者の脇腹が支持される。「平滑面」とは、身体を載せた使用者が違和感を感じる程度の凹凸を有しない滑らかな面を示している。「平滑面」は、平坦面及び湾曲面を含む。
【0027】
平面視(第3方向D3に沿って見た場合)において、例えば、第1背中支持部4は、五角形状を呈する。第1背中支持部4の第1方向D1の長さは、第1部分2の第2方向D2の中央に向かうに従って長くなっている。本実施形態において、第1背中支持部4は、前端部2cと、一対の側端部2eと、一対の腕支持部62とによって画定されている。前端部2cは、外側に湾曲している。より具体的には、前端部2cは、第2方向D2の中央に近づくほど第2部分3から遠ざかるように湾曲している。一対の腕支持部62は、曲線部63を介して互いに接続されている。曲線部63は、第2方向D2の中央に近づくほど第2部分3に向かって延びるように突出している。
【0028】
図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。図3に示されるように、第1背中支持部4は、底面2bに対して傾いている。より具体的には、第1背中支持部4は、前端部2cから遠ざかるほど底面2bから遠ざかるように盛り上がっている。すなわち、第1背中支持部4は、第2部分3に接近するほど第1部分2の厚さが厚くなるように底面2bに対して斜めに延在している。前端部2cから遠ざかるほど、第1背中支持部4の盛り上がり方は緩やかになる。
【0029】
図4は、図3の部分拡大図である。第1背中支持部4は、前端部2cと隣り合う第1背中支持部4の領域である頂部4aを有する。図4に示されるように、頂部4aを通る接線Lの底面2bに対する角度θは、例えば30°である。接線Lの底面2bに対する角度θは、例えば20°以上且つ40°以下であってもよい。
【0030】
図1及び図2に示されるように、臀部支持部5は、クッション体1の第2方向D2の中央に位置している。臀部支持部5は、第2方向D2において、第1部分2が有する一対の傾斜部2fに挟まれている。臀部支持部5は、傾斜部2fに対して窪んでいる。例えば、臀部支持部5の第2方向D2の長さは、第2部分3から遠ざかるほど長い。臀部支持部5の形状は、使用者の臀部に沿った形状とされている。臀部支持部5は、使用者の臀部が入り込む窪みを有する。臀部支持部5が有する窪みに、着座した使用者の臀部が収まることによって、使用者の臀部は臀部支持部5に支持される。
【0031】
臀部支持部5は、第1部分2に着座した使用者の座骨を支持する一対の座骨支持部51を有する。一対の座骨支持部51は、第2方向D2に沿って並んでいる。座骨支持部51は、天面2aから底面2bに向かって窪んでいる。座骨支持部51は、天面2aから底面2bに向かって第1部分2を貫通する貫通孔51bを有していてもよい。座骨支持部51は、平面視において長円形状(一例として楕円形状)を呈する。一対の座骨支持部51のそれぞれが呈する長円形の長軸は、第2部分3に近づくほど互いに遠ざかっている。例えば、平面視において第2部分3が上方を向くようにクッション体1を見たときに、一対の座骨支持部51は逆ハの字状を呈する。
【0032】
平面視における座骨支持部51の長軸の長さは、例えば、5cm以上且つ10cm以下である。一例として、当該長軸の長さは7cmである。平面視における座骨支持部51の短軸の長さは、例えば、3cm以上且つ9cm以下である。一例として、当該短軸の長さは5cmである。各長さが上記の値の範囲内である場合、一対の座骨支持部51のそれぞれに使用者の座骨をより好適にフィットさせることができる。
【0033】
前述したように、座骨支持部51は、臀部支持部5の上面から窪む凹状とされている。例えば、座骨支持部51は、貫通孔51bと、平面視において貫通孔51bを囲むように形成されている傾斜面51cとを有する。一例として、座骨支持部51は複数の傾斜面51cを有する。複数の傾斜面51cは、平面視において貫通孔51bを囲むように形成された環状の第1傾斜面51dと、平面視において第1傾斜面51dを囲むように形成された環状の第2傾斜面51fとを含む。
【0034】
以上、貫通孔51b及び傾斜面51cを有する座骨支持部51について説明した。しかしながら、座骨支持部は、貫通孔51b及び傾斜面51cの少なくともいずれかを有しなくてもよい。座骨支持部は、凹状とされた非貫通穴であってもよい。また、座骨支持部は、凹状の非貫通穴と、当該非貫通穴に充填された柔軟性素材とを有していてもよい。この場合も、座骨支持部において使用者の座骨をやさしく支えることができる。
【0035】
上記では、平面視において長円形状(楕円形状)を呈する座骨支持部51について説明した。しかしながら、平面視における座骨支持部の形状は、長円形状又は楕円形状でなくてもよく、長方形状、隅丸長方形状、菱形状、又は隅丸菱形状であってもよい。このように座骨支持部の形状は適宜変更可能である。
【0036】
上腕骨支持部6は、平面視で上腕骨支持部6の一部が臀部支持部5に重なるように形成されている。上腕骨支持部6は、横向き寝をした使用者の肩を支持する肩支持部61と、横向き寝をした使用者の上腕を支持する一対の腕支持部62とを有する。例えば、肩支持部61は、第2部分3と第1背中支持部4との間に配置されている。肩支持部61は、第2部分3と臀部支持部5との間に配置されていてもよい。
【0037】
肩支持部61は、天面2aにおける第2方向D2の中央に位置している。肩支持部61は、天面2aから底面2bに向かって窪んでいる。肩支持部61の大きさは、使用者の肩が肩支持部61に収まる程度の大きさとされている。例えば、肩支持部61の形状は、使用者の肩を収容しやすい形状とされている。本実施形態においては、肩支持部61の輪郭は、臀部支持部5の輪郭と滑らかに接続されている。肩支持部61は、平面視で第2部分3の一部と重なっていてもよい。肩支持部61は、使用者が横向き寝で第2部分3に頭部を載置しているときに、使用者の肩が配置されやすい箇所に位置する。肩支持部61は、平面視で頭部支持部8の一部と重なっていてもよい。
【0038】
腕支持部62は、肩支持部61から天面2aの一対の側端部2eのそれぞれに向かって延在している。腕支持部62は、天面2aに設けられた溝である。本実施形態においては、腕支持部62の一部は平面視で臀部支持部5と重なっている。腕支持部62は、臀部支持部5を介して肩支持部61に接続されている。腕支持部62は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に対して斜めに延在している。一対の腕支持部62は、V字を形成するように配置されている。一対の腕支持部62は、第2部分3から遠ざかるほど互いに遠ざかるように延在している。本実施形態においては、腕支持部62の輪郭は、臀部支持部5の輪郭と滑らかに接続されている。
【0039】
第1部分2には、横向き寝をした使用者の手が載置される載置部2gが設けられている。載置部2gは、第2方向D2において第2部分3を挟むように、配置されている。例えば、第1部分2は、一対の載置部2gを有する。一対の載置部2gは第2方向D2に沿って並ぶように配置されている。第1部分2が載置部2gを有することにより、横向き寝をした使用者Uの手をやさしく支えることができる(図9参照)。
【0040】
図2に示されるように、平面視において、一対の載置部2gは、第2部分3を挟むように配置されている。載置部2gは、第2部分3から見て第2方向D2の一方側及び他方側のそれぞれに配置されているので、使用者Uが右を向いて横向き寝をしたとき、及び使用者Uが左を向いて横向き寝をしたときのいずれの場合であっても載置部2gに手を載せることができる。例えば、載置部2gは、平坦状を呈する。傾斜部2fと載置部2gとの間には傾斜部2fに沿って延びる突部が形成されており、載置部2gが当該突部から第1部分2の後端部2dにまで延在している。
【0041】
続いて、図5図6及び図7を参照しながら、第2部分3を詳細に説明していく。図5は、クッション体1の側面図である。図6は、クッション体1の正面図である。図7は、クッション体1の背面図である。第2部分3は、第1部分2の第1方向D1の後端部2dから第3方向D3に沿って延在している。例えば、第2部分3は、第1部分2における第2方向D2の中央に位置する。第2部分3は、底面2bの後端部2hから上方に延在する後面3aと、後面3aの反対側に位置する前面3bとを有する。
【0042】
前面3bには、着座した使用者の背中を支持する第2背中支持部7と、仰向け寝又は横向き寝をした使用者の頭部を支持する頭部支持部8とが形成されている。例えば、第2背中支持部7は、頭部支持部8の斜め下方に位置する。頭部支持部8は、着座した使用者から見て第2背中支持部7の斜め上方且つ斜め後方に位置する。また、第2背中支持部7及び頭部支持部8は、第3方向D3に沿って並ぶように配置されていてもよい。より具体的には、第2背中支持部7は第1部分2に連結されており、頭部支持部8は第2背中支持部7における第1部分2とは反対側の部分に連結されている。
【0043】
第2背中支持部7は、第2背中支持部7の第2方向D2の中央に位置する中央部71と、中央部71を第2方向D2に沿って挟むように配置された一対の側方部72とを有する。中央部71は、側方部72よりも第2部分3の内側に向かって凹んでいる。例えば、中央部71の形状は、使用者の背中の形状に沿った形状とされている。中央部71は、着座した使用者の背中の中央部を支持する。側方部72は、着座した使用者の背中の側方を支持する。側方部72は、その下方に位置する傾斜部2fと滑らかに接続されている。
【0044】
第2背中支持部7は、第2部分3の第1方向D1の長さが小さくなるように(第2部分3が薄くなるように)窪む第1くびれ部73を有する。第1くびれ部73は、第2部分3の内側に向かって湾曲している。第1くびれ部73は、第2部分3における第2方向D2の全域に亘って形成されていてもよい。
【0045】
頭部支持部8は、例えば、第2部分3における第2方向D2の全域に亘って形成されている。頭部支持部8は、第2方向D2から見て第2部分3の内側に向かって湾曲している。頭部支持部8の形状は、例えば、仰向け寝又は横向き寝をした使用者の頭部の形状に沿った形状とされている。頭部支持部8は、下方に窪む凹状を呈する。頭部支持部8と中央部71とは滑らかに接続されていて、頭部支持部8は、中央部71に対して傾斜している。よって、仰向け寝をした使用者が頭部支持部8に頭部を載置した状態において、使用者の頸椎は中央部71に支持される。
【0046】
後面3aには、第2部分3の第1方向D1の長さが大きくなるように膨らんだ中腹部31と、第2部分3の第1方向D1の長さが小さくなるように窪む第2くびれ部32と、底面2bと第2くびれ部32とを互いに接続する直線部33とを有する。中腹部31、第2くびれ部32及び直線部33は、第3方向D3に沿って並ぶように配置されている。中腹部31は第2くびれ部32の上方に位置し、第2くびれ部32は直線部33の上方に位置する。
【0047】
第2くびれ部32は、第2部分3の内側に向かって湾曲している。すなわち、第2くびれ部32において、第2部分3は第1方向D1(前方)に窪んでいる。第2くびれ部32は、第1くびれ部73よりも第1部分2に近い位置(下方)に配置されている。図7に示されるように、第2くびれ部32は、第2部分3における第2方向D2の全域に亘って形成されている。直線部33は、底面2bから遠ざかるほど第2部分3から遠ざかるように傾斜している。
【0048】
続いて、クッション体1から得られる作用効果について説明する。クッション体1では、使用者Uが着座している状態において、臀部支持部5によって使用者Uの臀部が支持されると共に、第2背中支持部7によって使用者Uの背中が支持される。そして、クッション体1では、使用者Uがクッション体1に横たわる場合にも使用者Uの身体をやさしく支持することが可能である。
【0049】
図8及び図9を参照しながら、使用者Uがクッション体1に横たわる場合における作用効果を説明する。図8は、クッション体1の上で仰向け寝をした使用者U及びクッション体1の側面図である。図9は、クッション体1の上で横向き寝をした使用者U及びクッション体1の側面図である。
【0050】
図8に示されるように、使用者Uが仰向け寝をした状態において、第1背中支持部4によって使用者Uの背中が支持されると共に、頭部支持部8によって使用者Uの後頭部が支持される。従って、仰向け寝をする使用者Uの背中及び頭部のそれぞれを第1背中支持部4及び頭部支持部8のそれぞれにおいてやさしく支持することができるので、仰向け時における姿勢を良好に維持できる。
【0051】
図9に示されるように、使用者Uが横向き寝をした状態において、第1背中支持部4によって使用者Uの腰及び脇腹が支持されると共に、頭部支持部8によって使用者Uの側頭部が支持される。従って、横向き寝をする使用者Uの腰、脇腹及び頭部のそれぞれを第1背中支持部4及び頭部支持部8のそれぞれにおいてやさしく支持することができるので、横向き寝時における姿勢を良好に維持できる。
【0052】
また、第1部分2及び第2部分3は柔軟性素材によって構成されている。当該柔軟性素材は、荷重がかかった場合であっても適度に形状が保たれるとともに、使用者の身体のラインに沿うように変形するような素材である。したがって、使用者Uの姿勢に適応するように形状が変化する。具体的には、使用者Uの背中が第1背中支持部4に載置されることによって、第1背中支持部4は使用者Uの背中の形状に沿うように適度に変形する。また、使用者Uの頭部が頭部支持部8に載置されることによって、頭部支持部8は使用者Uの頭部の形状に沿うように適度に変形する。そして、第2部分3は第1部分2と一体成形されているので、第1部分2に対する第2部分3の位置は大きく変化し難い。よって、着座のときには、第1部分2に形成された臀部支持部5によって臀部を支えると共に、第2部分3に形成された第2背中支持部7によって背中を支えることができるので、着座時における姿勢を良い状態に保つことができる。
【0053】
また、前述したように、使用者Uが身体を横たわらせるときには、第1部分2に形成された第1背中支持部4によって背中、腰又は脇腹を支えると共に、第2部分3に形成された頭部支持部8によって頭部を支えることができるので、横たわったときにおける姿勢を良い状態に保つことができる。更に、うつ伏せのときには、例えば、第1背中支持部4に腹部を載せて頭部支持部8に顎を載せることにより、使用者Uの姿勢を良好に維持できる。したがって、使用者Uが着座している状態及び寝ころんだ状態の双方において使用者Uの姿勢を良い状態に保つことができ、4通りの用途のうちどの用途でクッション体1が用いられた場合でも使用者Uの姿勢を良好に維持できる。
【0054】
図4に示されるように、第1背中支持部4は、底面2bに対して傾いていて、底面2bに対する第1背中支持部4の頂部4aを通る接線Lの傾斜角度である角度θが20°以上且つ40°以下である。このように角度θが20°以上且つ40°以下であるので、第1背中支持部4は第2部分3に近づくにつれ隆起するように底面に対して傾斜している。
【0055】
角度θが20°以上であることにより、クッション体に横たわったときにおける身体の角度を適度に傾けることができる。角度θが40°以下であることにより身体が傾きすぎないようにすることができる。角度θが20°以上且つ40°以下である場合、図8及び図9に示されるように、使用者Uの上半身は、底面2bに対して頭部に向かって斜め上に延びるように傾く。角度θが20°以上且つ40°以下であることによって、使用者Uの上半身は、底面2bに対して30°程度傾く。これにより、使用者Uの頭部は、頭部支持部8に配置されやすくなり、寝ているときにおける使用者Uの身体の傾きを適切な角度に近づけることができるので、使用者Uの姿勢を良い状態に保つことができる。
【0056】
また、使用者Uの上半身が底面2bに対して傾くことによって、使用者Uの食道は、胃腸よりも高い位置に配置されるので、逆流性食道炎を抑制することができる。
【0057】
図6に示されるように、第1部分2は、上腕骨支持部6を有し、上腕骨支持部6は、肩支持部61と、腕支持部62とを有する。肩支持部61は、天面2aにおける第2方向D2の中央に位置するので、横向き寝をした使用者Uの肩を肩支持部61に載せやすくすることができ、肩支持部61において肩をより効果的に支持できる。腕支持部62は、天面2aにおいて第2方向D2の端部に向かって延在しているので、肩支持部61に肩が支持された状態で使用者Uの腕が腕支持部62に配置されやすく、腕支持部62において腕をより効果的に支持できる。これにより、横向き寝をした使用者Uの肩を肩支持部61で支持できると共に腕を腕支持部62で支持できるので、横向き寝時における使用者の姿勢を良い状態に保つことができる。
【0058】
第1部分2は、第2方向D2に沿って並ぶ一対の腕支持部62を有する。この場合、使用者Uが使用者Uの右肩及び左肩のいずれを肩支持部61に載せた場合でも、肩支持部61に接触した肩から延びる腕を左右に延びる一対の腕支持部62のいずれかで支持することができる。
【0059】
臀部支持部5は、一対の座骨支持部51を有している。使用者が臀部支持部5に着座した状態において、使用者の座骨は、座骨支持部51によって支持される。よって、使用者の座骨にかかる負担を軽減することができる。
【0060】
図5に示されるように、第2背中支持部7は、第1くびれ部73を有している。例えば、仰向け寝又は横向き寝をした使用者Uが頭部支持部8に頭部を載置したときに、第2部分3には第3方向D3の荷重が加わる。図8に示されるように、当該荷重が加わったときに第1くびれ部73を介して第2部分3は折れ曲がりやすくなる。よって、使用者Uが第2部分3に第3方向D3の荷重を加えたときに、第2部分3を適度に変形させることができる。第2部分3が適度に変形することによって、使用者Uは柔らかさを感じることができる。また、本実施形態のように、頭部支持部8が第1くびれ部73よりも上方に位置することによって、第1くびれ部73が折れ曲がったときに、使用者Uが心地良さを感じる程度に頭部支持部8の位置は使用者Uの頭部の高さに適応する。
【0061】
後面3aは、第2部分3の第1方向D1の長さが小さくなるように窪む第2くびれ部32を有している。例えば、着座した使用者の背中の荷重が第2背中支持部7に加わったとき、又は仰向け寝若しくは横向き寝をした使用者Uの頭部の荷重が頭部支持部8に加わったときに、第2部分3には第3方向D3の荷重が加わる。図8及び図9に示されるように、当該荷重が加わったときに第2くびれ部32を介して第2部分3が折れ曲がりやすくなる。よって、使用者Uが第2部分3に第3方向D3の荷重を加えたときに、第2部分3を適度に変形させることができる。第2部分3が適度に変形することによって、使用者Uは柔らかさを感じることができる。
【0062】
また、本実施形態のように、頭部支持部8が第2くびれ部32よりも上方に位置することによって、第2くびれ部32が折れ曲がったときに、使用者Uが心地良さを感じる程度に頭部支持部8の位置は使用者Uの頭部の高さに適応する。また、本実施形態のように、第2背中支持部7が第2くびれ部32よりも上方に位置することによって、第2くびれ部32が折れ曲がったときに、使用者Uが心地良さを感じる程度に第2背中支持部7の傾きは使用者Uの背中の傾きに適応する。
【0063】
以上、本開示に係るクッション体の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本開示に係るクッション体の各部の形状、大きさ、材料、数及び配置態様は、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲において種々の変形が可能である。
【0064】
第1部分2は、上腕骨支持部6を有しなくてもよい。この場合、第1部分2は、窪んでいる部分として臀部支持部5のみを有する。第1部分2は、上腕骨支持部6を有さず、臀部支持部5は窪んでいなくてもよい。この場合、第1部分2は、窪んでいる部分を有さず、第2部分3に向かって滑らかに盛り上がっていく。
【0065】
臀部支持部5は、座骨支持部51を有しなくてもよい。この場合、臀部支持部5には、凹部及び貫通孔が設けられず、臀部支持部5は、滑らかな曲面によって構成される。
【0066】
上腕骨支持部6は、一方の腕支持部62を有し、他方の腕支持部62を有さなくてもよい。また、上腕骨支持部6は、第2方向D2において並んだ一対の肩支持部61を有してもよく、一対の肩支持部61のそれぞれから天面2aの第2方向D2における端部に向かって延在する腕支持部62を有してもよい。この場合、一つの肩支持部61及び一つの腕支持部62から構成される一組の上腕骨支持部6が二組形成される。二組の上腕骨支持部6は、互いに離隔していてもよい。
【0067】
第1くびれ部73及び第2くびれ部32の少なくとも一方は設けられなくてもよい。
【0068】
前述の実施形態では、クッション体1を収容する側地が布帛によって構成されている例について説明した。しかしながら、側地は、例えば、冷感素材又はポリエステルによって構成されてもよく、側地の材料は特に限定されない。更に、クッション体1と側地との間には、内部空間が形成されていてもよく、当該内部空間にはビーズ又はポリエステルわたが収容されていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…クッション体、2…第1部分、2a…天面、2b…底面、2c…前端部、2d…後端部、2e…側端部、2f…傾斜部、2g…載置部、2h…後端部、3…第2部分、3a…後面、3b…前面、4…第1背中支持部、4a…頂部、5…臀部支持部、6…上腕骨支持部、7…第2背中支持部、8…頭部支持部、31…中腹部、32…第2くびれ部、33…直線部、51…座骨支持部、51b…貫通孔、51c…傾斜面、51d…第1傾斜面、51f…第2傾斜面、61…肩支持部、62…腕支持部、63…曲線部、71…中央部、72…側方部、73…第1くびれ部、L…接線、U…使用者、θ…角度。
図1
図2
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図7
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図9