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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134242
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】誤り率測定装置及び誤り率測定方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20240926BHJP
   H04L 25/03 20060101ALI20240926BHJP
   H04L 25/49 20060101ALI20240926BHJP
   H04L 43/0823 20220101ALI20240926BHJP
【FI】
H04L1/00 C
H04L25/03
H04L25/49 L
H04L43/0823
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044444
(22)【出願日】2023-03-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大沼 弘季
(72)【発明者】
【氏名】保坂 恭男
【テーマコード(参考)】
5K014
5K029
【Fターム(参考)】
5K014BA01
5K014GA03
5K029AA01
5K029CC01
5K029KK27
(57)【要約】
【課題】リンクトレーニングの開始前に、誤り率を目視で確認しながら、任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を手動で調整することを可能にする誤り率測定装置及び誤り率測定方法を提供する。
【解決手段】誤り率測定装置1は、リンクトレーニングの開始前に、DUT200をコンプライアンスモードに遷移させるための遷移制御信号と、規格で定義された1以上のプリセットのそれぞれに対応するコンプライアンスパターンをDUT200から出力させるためのプリセット選択信号を出力する信号出力部10と、規格で定義された複数のプリセットのうちの1つのプリセットのコンプライアンスパターンを入力信号とする手動調整モードにおいて、1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整画面を表示する表示部32と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンク状態管理機構を搭載した被測定物(200)からの入力信号の周波数特性を調整するイコライザ(21)と、
前記イコライザにより調整された前記入力信号のシンボル値を取得するシンボル値取得部(23)と、
前記シンボル値取得部により取得された前記シンボル値の誤り率を算出する誤り率算出部(27)と、
前記誤り率算出部により算出された誤り率を表示する表示部(32)と、を備える誤り率測定装置(1)であって、
前記リンク状態管理機構によって管理される複数のステートのうちのループバックに前記被測定物を遷移させるリンクトレーニングの開始前に、前記複数のステートのうちのコンプライアンスモードに前記被測定物を遷移させるための遷移制御信号を出力する遷移制御信号出力部(10)と、
規格で定義された複数のプリセットのそれぞれに対応するコンプライアンスパターンを、前記コンプライアンスモードに遷移した前記被測定物から出力させるためのプリセット選択信号を出力するプリセット選択信号出力部(10)と、
前記シンボル値取得部により前記シンボル値を取得するための複数のパラメータの校正値を記憶するデータ記憶部(30)と、を備え、
前記表示部は、
前記複数のプリセットの中から任意の1つのプリセットを選択するプリセット選択部(60d)と、
前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記プリセット選択信号を前記プリセット選択信号出力部から出力させるプリセット選択信号出力指示部(61i)と、
前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記コンプライアンスパターンを前記入力信号とする手動調整モードにおいて、前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整部(61a~61h)と、を更に表示し、
前記コンプライアンスパターンは、4値の前記シンボル値を持つPAM4(Pulse Amplitude Modulation 4)信号であり、
前記複数のパラメータは、前記コンプライアンスパターンの基準タイミングからの遅延量であるDelayと、前記コンプライアンスパターンの電圧軸方向の閾値であるUpper Vth、Middle Vth、及びLower Vthと、前記イコライザのゲインとを含むことを特徴とする誤り率測定装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記データ記憶部に記憶された前記複数のプリセットの前記複数のパラメータの校正値をリスト形式で表示する校正値表示領域(60h)を更に表示し、
前記校正値表示領域は、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値が、前記手動調整部により調整される前の前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値と異なっている場合に、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を強調表示することを特徴とする請求項1に記載の誤り率測定装置。
【請求項3】
リンク状態管理機構によって管理される複数のステートのうちのループバックに前記リンク状態管理機構を搭載した被測定物(200)を遷移させるリンクトレーニングの開始前に、前記複数のステートのうちのコンプライアンスモードに前記被測定物を遷移させるための遷移制御信号を出力する遷移制御信号出力ステップ(S49)と、
規格で定義された複数のプリセットのそれぞれに対応するコンプライアンスパターンを、前記コンプライアンスモードに遷移した前記被測定物から出力させるためのプリセット選択信号を出力するプリセット選択信号出力ステップ(S50)と、
前記被測定物からの入力信号の周波数特性をイコライザ(21)により調整するイコライザステップ(S51)と、
前記イコライザステップにより調整された前記入力信号のシンボル値を取得するシンボル値取得ステップ(S52)と、
前記シンボル値取得ステップにより取得された前記シンボル値の誤り率を算出する誤り率算出ステップ(S53)と、
前記誤り率算出ステップにより算出された誤り率を表示部(32)に表示するステップ(S54)と、
前記シンボル値取得ステップにより前記シンボル値を取得するための複数のパラメータの校正値をデータ記憶部(30)に記憶するデータ記憶ステップ(S55)と、
編集画面(60)を表示するステップ(S43)と、
手動調整画面(61)を表示するステップ(S47)と、を含み、
前記編集画面は、前記複数のプリセットの中から任意の1つのプリセットを選択するプリセット選択部(60d)を含み、
前記手動調整画面は、
前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記プリセット選択信号をプリセット選択信号出力部(10)から出力させるプリセット選択信号出力指示部(61i)と、
前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記コンプライアンスパターンを前記入力信号とする手動調整モードにおいて、前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整部(61a~61h)と、を含み、
前記コンプライアンスパターンは、4値の前記シンボル値を持つPAM4信号であり、
前記複数のパラメータは、前記コンプライアンスパターンの基準タイミングからの遅延量であるDelayと、前記コンプライアンスパターンの電圧軸方向の閾値であるUpper Vth、Middle Vth、及びLower Vthと、前記イコライザのゲインとを含むことを特徴とする誤り率測定方法。
【請求項4】
前記編集画面は、前記データ記憶部に記憶された前記複数のプリセットの前記複数のパラメータの校正値をリスト形式で表示する校正値表示領域(60h)を更に含み、
前記校正値表示領域は、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値が、前記手動調整部により調整される前の前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値と異なっている場合に、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を強調表示することを特徴とする請求項3に記載の誤り率測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤り率測定装置及び誤り率測定方法に関し、特に、被測定物から入力されるPAM4(Pulse Amplitude Modulation 4)信号の誤り率を測定する誤り率測定装置及び誤り率測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IoTやクラウドコンピューティングの普及により通信システムは膨大なデータを扱うようになり、通信システムを構成する各種の通信機器のインタフェースは高速化とシリアル伝送化が進んでいる。このような通信機器で採用されているUSB(登録商標)(Universal Serial Bus)やPCI Express(登録商標)(Peripheral Component Interconnect Express、以下、「PCIe」とも呼ぶ)などのハイスピードシリアルバス(High Speed Serial Bus)規格では、リンク状態管理機構(Link Training and Status State Machine:LTSSM)と呼ばれるステートマシンにより、デバイス間の通信の初期化やリンク速度の調整などが管理されている。
【0003】
例えば、PCIeでは、LTSSMのステート遷移図は図11に示すようなものであり、ステートとして、L0、L0s、L1、L2、Detect、Polling(ポーリング)、Configuration、Disabled、Hot Reset、Loopback(ループバック)、Recoveryが定義されている。さらに、図12に示すように、Pollingには、Polling.Active、Polling.Configuration、Polling.Complianceの3つのサブステートが定義されている。Polling.Complianceは、被測定物(Device Under Test:DUT)からPCIe規格で定義されたコンプライアンスパターン(Compliance Pattern又はModified Compliance Pattern)を出力させるサブステートであり、コンプライアンスモードとも呼ばれる。
【0004】
ハイスピードシリアルバス規格でよく使われる信号変調方式としてNRZ(Non Return to Zero)がある。NRZ信号のビット誤り率(Bit Error Rate:BER)を誤り率測定装置(例えば、特許文献1参照)で解析するにあたり、適切なVthとDelayの校正値を設定する必要がある。図13(a)に示すように、Vthは、NRZ信号のハイレベルとローレベルを判別するための閾値電圧であり、ほとんどの場合は振幅の中央値である0Vに固定される。Delayは、NRZ信号を打ち抜くクロック信号の立ち上がりと、NRZ信号のアイ開口の中心との時間差を表すパラメータであり、ボーレート(Baud rate)に依存することが知られている。
【0005】
PCIeでは、PCIe Gen1~5までは信号変調方式としてNRZが採用されている。誤り率測定装置でBER測定等を実施するに当たっては、PCIe Gen1~5の互いに異なるボーレートごとにDelayの校正値を切り替えながらリンクトレーニングを実施して、DUTをLoopbackに持ち込む必要がある。
【0006】
PCIe Gen6では、信号変調方式としてPAM4が初めて採用され、リンクトレーニング中にPAM4信号をトレーニングパターンとして用いることとなった。PAM4信号は、0(00),1(01),2(10),3(11)からなる4値の論理レベルのシンボルで構成される。誤り率測定装置でPAM4信号のBER測定等をNRZ信号と同様に実施するためには、PAM4信号の論理レベルを解析した上でリンクトレーニングを実施して、DUTをLoopbackに持ち込む必要がある。
【0007】
PAM4信号を解析するためには、NRZ信号におけるVthに相当するMiddle Vthに加えて、適切なUpper/Lower Vthを閾値電圧の校正値として誤り率測定装置に設定する必要がある。なお、Middle VthはNRZ信号におけるVthと同様に中央値であり、通常0Vに設定される。Upper VthとLower Vthは、図13(b)に示すように、Middle Vthから±δV離れた位置に設定される。δは、DUT自体のロスと、DUTが装着されるCBB(Compliance Base Board)などのテストフィクスチャで模擬される信号経路のロスとの組合せロス量に依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-43738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の誤り率測定装置は、適切な校正値が設定されていない場合、PCIe Gen6でのリンクトレーニングが失敗し、PCIe規格で定義されるBase Spec及びCEM Specといった試験項目の評価ができなくなってしまう。このため、適切な校正値を誤り率測定装置に設定することが必要であるが、従来の誤り率測定装置は、PCIe Gen6の64GT/sステートでは数msecでタイムアウトしてしまうため、リンクトレーニング中にこれらの校正値の最適値を探索できないという問題があった。
【0010】
また、従来の誤り率測定装置は、規格で定義されたプリセットごとに事前調整された校正結果に対し、ある1つのプリセットについてのみ校正値の再調整が必要になった場合に、適切な校正値を手動で調整するための手掛かりを提供できないという問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、リンクトレーニングの開始前に、誤り率を目視で確認しながら、任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を手動で調整することを可能にする誤り率測定装置及び誤り率測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る誤り率測定装置は、リンク状態管理機構を搭載した被測定物からの入力信号の周波数特性を調整するイコライザと、前記イコライザにより調整された前記入力信号のシンボル値を取得するシンボル値取得部と、前記シンボル値取得部により取得された前記シンボル値の誤り率を算出する誤り率算出部と、前記誤り率算出部により算出された誤り率を表示する表示部と、を備える誤り率測定装置であって、前記リンク状態管理機構によって管理される複数のステートのうちのループバックに前記被測定物を遷移させるリンクトレーニングの開始前に、前記複数のステートのうちのコンプライアンスモードに前記被測定物を遷移させるための遷移制御信号を出力する遷移制御信号出力部と、規格で定義された複数のプリセットのそれぞれに対応するコンプライアンスパターンを、前記コンプライアンスモードに遷移した前記被測定物から出力させるためのプリセット選択信号を出力するプリセット選択信号出力部と、前記シンボル値取得部により前記シンボル値を取得するための複数のパラメータの校正値を記憶するデータ記憶部と、を備え、前記表示部は、前記複数のプリセットの中から任意の1つのプリセットを選択するプリセット選択部と、前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記プリセット選択信号を前記プリセット選択信号出力部から出力させるプリセット選択信号出力指示部と、前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記コンプライアンスパターンを前記入力信号とする手動調整モードにおいて、前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整部と、を更に表示し、前記コンプライアンスパターンは、4値の前記シンボル値を持つPAM4信号であり、前記複数のパラメータは、前記コンプライアンスパターンの基準タイミングからの遅延量であるDelayと、前記コンプライアンスパターンの電圧軸方向の閾値であるUpper Vth、Middle Vth、及びLower Vthと、前記イコライザのゲインとを含む構成である。
【0013】
この構成により、本発明に係る誤り率測定装置は、リンクトレーニングの開始前に、複数のステートのうちのPolling.Complianceに被測定物を遷移させて、被測定物から任意の1つのプリセットに対応するコンプライアンスパターンを出力させるようになっている。さらに、本発明に係る誤り率測定装置は、任意の1つのプリセットのコンプライアンスパターンの解析に必要な複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整画面を表示し、手動調整画面により調整された複数のパラメータの校正値に応じた誤り率を表示するようになっている。
【0014】
これにより、本発明に係る誤り率測定装置は、リンクトレーニングの開始前に、誤り率を目視で確認しながら、任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を手動で調整することを可能にする。また、本発明に係る誤り率測定装置は、規格で定義されたプリセットごとに事前調整された校正結果に対し、ある1つのプリセットについてのみ校正値の再調整が必要になった場合に、全てのプリセットについて再校正を行う必要がないため、再校正時のユーザビリティが優れている。
【0015】
また、本発明に係る誤り率測定装置は、前記表示部が、前記データ記憶部に記憶された前記複数のプリセットの前記複数のパラメータの校正値をリスト形式で表示する校正値表示領域を更に表示し、前記校正値表示領域は、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値が、前記手動調整部により調整される前の前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値と異なっている場合に、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を強調表示する構成であってもよい。
【0016】
この構成により、本発明に係る誤り率測定装置は、複数のパラメータの校正値と誤り率をプリセットごとにリスト形式で表示する校正値表示領域において、手動調整部により変更された任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を強調表示するようになっている。これにより、本発明に係る誤り率測定装置は、任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値が更新されたことをユーザに目視で確認させることができる。
【0017】
また、本発明に係る誤り率測定方法は、リンク状態管理機構によって管理される複数のステートのうちのループバックに前記リンク状態管理機構を搭載した被測定物を遷移させるリンクトレーニングの開始前に、前記複数のステートのうちのコンプライアンスモードに前記被測定物を遷移させるための遷移制御信号を出力する遷移制御信号出力ステップと、規格で定義された複数のプリセットのそれぞれに対応するコンプライアンスパターンを、前記コンプライアンスモードに遷移した前記被測定物から出力させるためのプリセット選択信号を出力するプリセット選択信号出力ステップと、前記被測定物からの入力信号の周波数特性をイコライザにより調整するイコライザステップと、前記イコライザステップにより調整された前記入力信号のシンボル値を取得するシンボル値取得ステップと、前記シンボル値取得ステップにより取得された前記シンボル値の誤り率を算出する誤り率算出ステップと、前記誤り率算出ステップにより算出された誤り率を表示部に表示するステップと、前記シンボル値取得ステップにより前記シンボル値を取得するための複数のパラメータの校正値を記憶するデータ記憶ステップと、編集画面を表示するステップと、手動調整画面を表示するステップと、を含み、前記編集画面は、前記複数のプリセットの中から任意の1つのプリセットを選択するプリセット選択部を含み、前記手動調整画面は、前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記プリセット選択信号をプリセット選択信号出力部から出力させるプリセット選択信号出力指示部と、前記プリセット選択部により選択された前記1つのプリセットの前記コンプライアンスパターンを前記入力信号とする手動調整モードにおいて、前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整部と、を含み、前記コンプライアンスパターンは、4値の前記シンボル値を持つPAM4信号であり、前記複数のパラメータは、前記コンプライアンスパターンの基準タイミングからの遅延量であるDelayと、前記コンプライアンスパターンの電圧軸方向の閾値であるUpper Vth、Middle Vth、及びLower Vthと、前記イコライザのゲインとを含む構成である。
【0018】
また、本発明に係る誤り率測定方法は、前記編集画面が、前記データ記憶部に記憶された前記複数のプリセットの前記複数のパラメータの校正値をリスト形式で表示する校正値表示領域を更に含み、前記校正値表示領域は、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値が、前記手動調整部により調整される前の前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値と異なっている場合に、前記手動調整部により調整された前記1つのプリセットの前記複数のパラメータの校正値を強調表示する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、リンクトレーニングの開始前に、誤り率を目視で確認しながら、任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を手動で調整することを可能にする誤り率測定装置及び誤り率測定方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置の構成を示すブロック図である。
図2】PAM4信号の概略説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置のリンクトレーニング設定画面の一例である。
図4】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置の機器接続画面の一例である。
図5】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置の校正方法設定画面の一例である。
図6】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置の編集画面の一例である(その1)。
図7】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置の手動調整画面と誤り率測定画面の一例である。
図8】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置の編集画面の一例である(その2)。
図9】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置のダイアログボックスの一例である。
図10】本発明の実施形態に係る誤り率測定装置を用いる誤り率測定方法の処理を示すフローチャートである。
図11】PCIeのLTSSMのステート遷移図である。
図12】Pollingの遷移図である。
図13】(a)はNRZ信号の2値の論理レベルを判別するための閾値電圧を示す図であり、(b)はPAM4信号の4値の論理レベルを判別するための閾値電圧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る誤り率測定装置及び誤り率測定方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0022】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る誤り率測定装置1は、LTSSMを搭載したDUT200からの入力信号の誤り率を測定するものであり、信号出力部10と、信号入力部20と、データ記憶部30と、操作部31と、表示部32と、制御部40と、を備える。DUT200が対応するハイスピードシリアルバス規格の例としては、PCIeやUSBなどが挙げられる。
【0023】
データ記憶部30は、RAM(Random Access Memory)などのメモリによって構成される。データ記憶部30は、後述するパルスパターン発生器13に出力する既知パターンのデータとして、例えば、DUT200に入力するPAM4信号のシンボル列(0、1、2、3のシンボル値からなるシンボルの列)を記憶している。また、データ記憶部30は、DUT200に入力するPAM4信号のMSB(Most Significant Bit)及びLSB(Least Significant Bit)のビット列を記憶していてもよい。データ記憶部30に記憶されているPAM4信号のシンボル列、並びにMSB及びLSBのビット列は、後述する誤り率算出部27がDUT200からの入力信号と比較するための基準データにもなっている。
【0024】
また、データ記憶部30は、DUT200の種類と、DUT200が装着されるCBBなどのテストフィクスチャで模擬される信号経路の所望のロス値の組合せごとに、後述する複数のパラメータの校正値をファイル単位で記憶するようになっている。例えば、DUT200がSynopsys社製のAIC(Add-in Card)であり、信号経路のロス値が6dBである場合の複数のパラメータの校正値は、「Synopsys_6dBLossBoard」というファイル名のファイルに記録される。なお、ファイル名の付け方は上記に限定されず、ユーザにとってDUT200の種類とロス値の組合せが分かりやすい任意の名称であってもよい。
【0025】
制御部40は、誤り率測定装置1の動作モードを校正モードと測定モードのいずれかに切り替えるための動作モード切替部41を含む。校正モードは、DUT200のLTSSMによって管理される複数のステートのうちのLoopbackにDUT200を遷移させるリンクトレーニングの開始前に、DUT200からの入力信号のシンボル値を取得するための複数のパラメータの校正値を取得するモードである。測定モードは、校正モードで取得された複数のパラメータの校正値を用いて、DUT200からの入力信号の誤り率の測定を行うモードである。
【0026】
信号出力部10は、測定モードにおいて、DUT200のLTSSMによって管理される複数のステート間のステート遷移を制御するトレーニングパターンをDUT200に出力するようになっている。また、信号出力部10は、測定モードにおいて、DUT200からの入力信号の誤り率測定を行うための既知パターンのテスト信号を出力するようになっている。
【0027】
また、信号出力部10は、校正モードにおいて、複数のステートのうちのコンプライアンスモードにDUT200をダイレクト遷移させるための遷移制御信号をDUT200に出力する遷移制御信号出力部を構成する。ここで、ダイレクト遷移とは、PCIe Gen1の2.5GT/sからPCIe Gen6の64GT/sへ直接遷移することを意味している。
【0028】
さらに、信号出力部10は、校正モードにおいて、PCIe Gen6規格で定義された複数のプリセットのそれぞれに対応するコンプライアンスパターンを、コンプライアンスモードに遷移したDUT200から出力させるためのプリセット選択信号を出力するプリセット選択信号出力部を構成する。
【0029】
信号出力部10は、例えば、シンセサイザ11と、ジッタ変調源12と、パルスパターン発生器13と、ノイズ発生源14と、を備える。
【0030】
ジッタ変調源12は、シンセサイザ11が生成するクロックに所望のジッタを付加したてジッタクロック、又は、シンセサイザ11により生成されたクロックそのものを、パルスパターン発生器13とDUT200に出力するようになっている。
【0031】
パルスパターン発生器13は、パルスパターン信号を発生させてノイズ発生源14に出力するようになっている。このパルスパターン信号は、後段のDUT200や誤り検出器22などでの差動増幅のために、Data信号と、Data信号を反転したXData信号とからなる差動信号となっている。例えば、パルスパターン発生器13は、ジッタ変調源12から入力されたジッタクロックを用いて、データ記憶部30から入力される既知パターンのデータからなるパルスパターン信号を発生させる。パルスパターン発生器13が発生させるパルスパターン信号は、例えばPAM4信号、NRZ信号、又はRZ信号である。パルスパターン発生器13が発生させるパルスパターン信号の他の例としては、NRZ-PSK信号、NRZ-DPSK信号、NRZ-DQPSK信号、RZ-DPSK信号、RZ-DQPSK信号、PAM8信号、PAM16信号などが挙げられる。
【0032】
ノイズ発生源14は、パルスパターン発生器13から出力されたパルスパターン信号にジッタや電圧ノイズを加えたストレス信号、又は、パルスパターン発生器13から出力されたパルスパターン信号そのものをDUT200に出力するようになっている。
【0033】
ノイズ発生源14から出力されるストレス信号は、主に測定モードにおけるテスト信号として用いられる。なお、パルスパターン発生器13から出力されたパルスパターン信号が、DUT200をPolling.Complianceに遷移させるための遷移制御信号、プリセット選択信号、又はトレーニングパターンである場合には、シンセサイザ11により生成されたクロックがジッタ変調源12からそのまま出力されるとともに、パルスパターン発生器13から出力された遷移制御信号、プリセット選択信号、又はトレーニングパターンがそのままDUT200に出力されることが望ましい。
【0034】
信号入力部20は、DUT200から出力された差動信号である入力信号を入力するものであり、イコライザ21と、誤り検出器22と、を備える。
【0035】
DUT200からの入力信号は、例えば、PCIe Gen6規格で定義されたコンプライアンスパターンである。コンプライアンスパターンは、校正モードにおいて、複数のステートのうちのPolling.ComplianceにDUT200を遷移させるための遷移制御信号が信号出力部10から出力されたことによってDUT200から出力される4値のシンボル値を持つPAM4信号である。あるいは、DUT200からの入力信号は、測定モードにおいて、信号出力部10から出力されたPAM4信号などのテスト信号が、Loopbackに遷移したDUT200から折り返されたものである。以下では、主に、DUT200からの入力信号がPCIe Gen6のコンプライアンスパターンである校正モードでの構成及び動作について説明する。
【0036】
図2に示すように、DUT200から出力されるPAM4信号は、Upper信号(高レベル信号)、Middle信号(中レベル信号)、及びLower信号(低レベル信号)からなる。
【0037】
Lower信号は、シンボル値0に対応する振幅レベルL0からシンボル値1に対応する振幅レベルL1までの低電圧範囲H1の信号である。Middle信号は、シンボル値1に対応する振幅レベルL1からシンボル値2に対応する振幅レベルL2までの中電圧範囲H2の信号である。Upper信号は、シンボル値2に対応する振幅レベルL2からシンボル値3に対応する振幅レベルL3までの高電圧範囲H3の信号である。すなわち、PAM4信号は、ベースラインである振幅レベルL0に対して、振幅レベルの低い方から低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3に分けられ、ベースラインに対する振幅レベルの大きさが異なるUpper信号、Middle信号、Lower信号による3つのアイ開口が連続した振幅範囲の信号である。
【0038】
イコライザ21は、データ記憶部30に保存されているファイルに記録されたゲインの校正値、又は、後述する手動調整画面61により手動調整されたゲインの校正値のいずれかが設定されることにより、DUT200からの入力信号の周波数特性を調整するようになっている。イコライザ21は、例えば、CTLE(Continuous Time Linear Equalizer)、LFE(Low Frequency Equalizer)、DFE(Decision Feedback Equalizer)などで構成される。PCIe Gen6などのコンプライアンステストでは規定されたロスの大きい信号経路にて試験が実施される。このため、ゲインの校正値は、イコライザ21が、主に中域から高域周波数にかけての信号経路によるロスを補償して、DUT200からの入力信号のアイ開口を再度開かせることができる値となっている。
【0039】
誤り検出器22は、シンボル値取得部23と、誤り率算出部27と、オートサーチ部28と、を含む。さらに、シンボル値取得部23は、クロック再生部24と、遅延部25と、シンボル値検出部26と、を含む。
【0040】
シンボル値取得部23は、データ記憶部30に保存されているファイルに記録された複数のパラメータの校正値、オートサーチ部28により探索された複数のパラメータの校正値、又は、後述する手動調整画面61により手動調整された複数のパラメータの校正値のいずれかを用いて、イコライザ21により調整されたDUT200からの入力信号のシンボル値、又はMSB及びLSBを取得するようになっている。これらの複数のパラメータは、入力信号の電圧軸方向の閾値であるUpper Vth、Middle Vth、及びLower Vthと、入力信号の時間軸方向の情報であるDelayと、イコライザ21のゲインと、を含んでおり、それらの校正値は、データ記憶部30に記憶されるようになっている。
【0041】
シンボル値検出部26は、イコライザ21により調整された入力信号を、後述する遅延部25から出力されたクロック信号の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングで打ち抜くことにより、DUT200から出力された入力信号のシンボル値、又はMSB及びLSBを検出するようになっている。
【0042】
図2に示すように、DUT200からの入力信号がPAM4信号である場合、シンボル値検出部26は、Upper信号の振幅レベルがUpper Vth以上であるとき、シンボル値3(MSB=1、LSB=1)を検出する。
【0043】
シンボル値検出部26は、Middle信号の振幅レベルがMiddle Vth以上であり、Upper信号の振幅レベルがUpper Vth未満であるとき、シンボル値2(MSB=1、LSB=0)を検出する。
【0044】
シンボル値検出部26は、Lower信号の振幅レベルがLower Vth以上であり、Upper信号の振幅レベルがUpper Vth未満であり、Middle信号の振幅レベルがMiddle Vth未満であるとき、シンボル値1(MSB=0、LSB=1)を検出する。
【0045】
シンボル値検出部26は、Lower信号がLower Vth未満であれば、シンボル値0(MSB=0、LSB=0)を検出する。
【0046】
クロック再生部24は、イコライザ21により調整された入力信号から再生クロック信号を生成するようになっている。
【0047】
Delayは、クロック再生部24により生成された再生クロック信号の立ち上がり又は立ち下がりと、例えばUpper信号のアイ開口の中心との時間差を表すパラメータである。あるいは、Delayは、規格のボーレートに応じた外部クロック信号の立ち上がり又は立ち下がりと、Upper信号のアイ開口の中心との時間差を表すパラメータであってもよい。すなわち、Delayは、DUT200からの入力信号の基準タイミングからの遅延量であると言える。本明細書では、再生クロック信号と外部クロック信号をまとめて、単に「クロック信号」とも呼ぶ。
【0048】
遅延部25は、Delayにより示される上記の時間差を打ち消すように、入力信号を打ち抜くクロック信号を遅延させるようになっている。あるいは、遅延部25は、Delayにより示される上記の時間差を打ち消すように、入力信号を遅延させるものであってもよい。すなわち、遅延部25は、クロック信号が入力信号のアイ開口の中心を打ち抜けるように、クロック信号及び入力信号のいずれか又は両方を遅延させるものである。
【0049】
誤り率算出部27は、シンボル値取得部23により取得されたシンボル値と、データ記憶部30に記憶されている基準データのシンボル値を順次比較することにより、シンボル値取得部23により取得されたDUT200からの入力信号のシンボル値の誤り率(Symbol error ratio:SER)を算出するようになっている。
【0050】
あるいは、誤り率算出部27は、シンボル値取得部23により取得されたMSB及びLSBと、データ記憶部30に記憶されている基準データのMSB及びLSBとの比較に基づいて、DUT200からの入力信号のMSBのBER、LSBのBER、及び、MSB+LSBのBERをそれぞれ算出するものであってもよい。なお、本明細書では、BERとSERをまとめて、単に「誤り率」とも呼ぶ。
【0051】
オートサーチ部28は、例えば特許第6235631号や特許第6672375号などに開示された周知のオートサーチ処理を行うものである。オートサーチ部28は、DUT200からの入力信号が、Polling.Complianceに遷移したDUT200から出力されるコンプライアンスパターンであるときに、DUT200の種類と所望のロス値の組合せごとに誤り率算出部27により算出された誤り率が最小又は所定値以下になるように、シンボル値取得部23によりシンボル値を取得するための複数のパラメータの校正値を探索するようになっている。すなわち、オートサーチ部28は、図2に示すような、DUT200から出力されたコンプライアンスパターンのUpper信号、Middle信号、及びLower信号の各信号について、上記の複数のパラメータの最適値を探索する。ただし、Upper EyeのBERは悪化する傾向があるため、複数のパラメータのうちのDelayに関しては、オートサーチ部28は、コンプライアンスパターンの3つのアイ開口のうち、最も振幅レベルの高いアイ開口を有するUpper信号のDelayを探索することが望ましい。
【0052】
操作部31は、ユーザによる操作入力を受け付けるためのものであり、図1に示す誤り率測定装置1が備える、例えば操作ノブ、各種キー、スイッチ、ボタンや、表示部32の表示画面上のソフトキーなどのユーザインタフェースで構成される。また、操作部31は、誤り率測定装置1の校正モードと測定モードの実行に関わる各種設定を行う。
【0053】
表示部32は、図1に示す誤り率測定装置1が備える、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などの表示機器などで構成され、制御部40からの表示制御信号に基づいて、誤り率測定装置1の校正モードと測定モードの実行に関わる設定画面や測定結果などを表示する。なお、表示部32は、表示画面上のソフトキーなどの操作部31の操作機能を有していてもよい。
【0054】
制御部40は、信号出力部10、信号入力部20、データ記憶部30、操作部31、及び表示部32を統括制御している。また、制御部40は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ROM(Read Only Memory)、RAM、HDD(Hard Disk Drive)などを含むコンピュータなどの制御装置で構成される。また、制御部40は、CPU又はGPUによる所定のプログラムの実行により、動作モード切替部41の少なくとも一部をソフトウェア的に構成することが可能である。
【0055】
図3に示すように、表示部32は、例えばPCIe Gen6のリンクトレーニングにおける各種条件を設定するためのリンクトレーニング設定画面50を表示するようになっている。
【0056】
リンクトレーニング設定画面50は、校正モードに関する機能を実行するための表示領域51(図中の「Calibration for PAM4」)を含む。表示領域51は、複数のパラメータの校正値が記録されたファイルを指定するための「File Name」のテキストボックス51aと、「File Name」のテキストボックス51aに入力されたファイルを開くための「Open」のソフトキー51bと、複数のパラメータの校正値の取得を開始するための「Cal Start」のソフトキー51cと、を含む。
【0057】
リンクトレーニング設定画面50における「Cal Start」のソフトキー51cがユーザにより押下されると、表示部32は、例えば図4の表示形式の機器接続画面56を表示する。
【0058】
機器接続画面56は、「Connection Diagram」の表示領域56aと、「Instruction」の表示領域56bと、「Next >」のソフトキー56cと、「Cancel」のソフトキー56dと、を含む。
【0059】
「Connection Diagram」の表示領域56aは、誤り率測定装置1を構成する各モジュールと、テストフィクスチャの一例であるCBBとの間の配線方法を矢印で示す表示領域である。また、「Instruction」の表示領域56bは、「Connection Diagram」の表示領域56aにおいて矢印で示された配線方法を言語で説明する表示領域である。
【0060】
「Connection Diagram」の表示領域56aに表示されている「Synthesizer」、「Jitter Modulation Source」、「Equalizer」、「ED」、「PPG」、及び「Noise Generator」の各モジュールは、シンセサイザ11、ジッタ変調源12、イコライザ21、誤り検出器22、パルスパターン発生器13、及びノイズ発生源14のそれぞれに相当するものである。
【0061】
「Next >」のソフトキー56cがユーザにより押下されると、表示部32は、例えば図5の表示形式の校正方法設定画面59を表示する。
【0062】
校正方法設定画面59は、「Calibration Method」のプルダウンメニュー59aと、「< Back」のソフトキー59bと、「Next >」のソフトキー59cと、「Close」のソフトキー59dと、を含む。
【0063】
「Calibration Method」のプルダウンメニュー59aは、校正方法を「Auto」と「Manual」の間で選択するためのものである。
【0064】
「Auto」は、図示しないプリセット選択画面において、PCIe Gen6規格で定義された複数のプリセットの中からユーザにより選択された1以上のプリセットのコンプライアンスパターンをDUT200から順次出力させて、1以上のプリセットの複数のパラメータの校正値をオートサーチ部28により自動的に探索する校正方法である。すなわち、「Auto」は、複数のパラメータの校正値の自動調整を行うモードである。
【0065】
「Manual」は、後述する編集画面60において、複数のプリセットの中からユーザにより選択された1つのプリセットのコンプライアンスパターンをDUT200から出力させて、1つのプリセットの複数のパラメータの校正値をユーザが手動で調整する校正方法である。すなわち、「Manual」は、複数のパラメータの校正値の手動調整を行うモードである。以下では、主に、「Calibration Method」のプルダウンメニュー59aにおいて、「Manual」が選択された場合の手動調整モードの動作について説明する。
【0066】
「< Back」のソフトキー59bがユーザにより押下されると、表示部32は、校正方法設定画面59を終了して、機器接続画面56を再び表示する。「Close」のソフトキー59dがユーザにより押下されると、校正方法設定画面59の表示が終了する。
【0067】
「Next >」のソフトキー59cがユーザにより押下されると、表示部32は、例えば図6の表示形式の編集画面60を表示する。
【0068】
編集画面60は、「File Name」のテキストボックス60aと、「Open」のソフトキー60bと、「Save」のソフトキー60cと、「Preset」のプルダウンメニュー60dと、「Start Calibration」のソフトキー60eと、「Optimum BER/Preset」のテキストボックス60f,60gと、校正値表示領域60hと、「< Back」のソフトキー60iと、「Close」のソフトキー60jと、を含む。
【0069】
「File Name」のテキストボックス60aは、DUT200の種類とロス値の組合せに応じたファイルを指定するためのものである。例えば、「File Name」のテキストボックス60aには、校正方法として「Auto」が選択された際に得られた各プリセットの複数のパラメータの校正値を記録したファイルのファイル名がユーザによって入力されることになる。
【0070】
「Open」のソフトキー60bがユーザにより押下されると、制御部40は、「File Name」のテキストボックス60aにおいて指定されたファイルから、複数のプリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を読み込んで、それらの値を表示部32の校正値表示領域60hにリスト形式で表示させる。
【0071】
「Preset」のプルダウンメニュー60dは、PCIe Gen6規格で定義された複数のプリセットQ0~Q10の中から、編集対象の任意の1つのプリセット(以下、「編集対象プリセット」とも呼ぶ)を選択するプリセット選択部を構成する。
【0072】
「Start Calibration」のソフトキー60eがユーザにより押下されると、表示部32は、例えば図7の表示形式の手動調整画面61を表示する。
【0073】
図7に示す手動調整画面61は、「CTLE」のスピンボックス61aと、「LFE」のスピンボックス61bと、「DFE」のスピンボックス61cと、「Vth Upper」のスピンボックス61dと、「Middle」のスピンボックス61e,61fと、「Lower」のスピンボックス61gと、「Phase(Delay)」のスピンボックス61hと、「OK」のソフトキー61iと、「Cancel」のソフトキー61jと、を含む。
【0074】
スピンボックス61a~61hは、編集画面60における「Preset」のプルダウンメニュー60dにより選択された1つの編集対象プリセットのコンプライアンスパターンをDUT200からの入力信号とする手動調整モードにおいて、この1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整部を構成する。
【0075】
スピンボックス61a~61hは、編集画面60における「Preset」のプルダウンメニュー60dにより選択された1つの編集対象プリセットについて、編集画面60における「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録されている複数のパラメータの校正値を変更可能に表示するものである。ユーザは、各スピンボックス61a~61hが有するスピンボタンを押下したり、各スピンボックス61a~61hが有するテキストボックスに値を入力したりすることにより、各スピンボックス61a~61hが有するテキストボックスに表示されているパラメータの校正値を調整することができる。
【0076】
すなわち、「CTLE」のスピンボックス61aは、イコライザ21のうちのCTLEのゲインの校正値を変更可能に表示する。「LFE」のスピンボックス61bは、イコライザ21のうちのLFEのゲインの校正値を変更可能に表示する。「DFE」のスピンボックス61cは、イコライザ21のうちのDFEのゲインの校正値を変更可能に表示する。
【0077】
また、「Vth Upper」のスピンボックス61dは、Data信号のUpper Vthの校正値を変更可能に表示する。「Middle」のスピンボックス61eは、Data信号のMiddle Vthの校正値を変更可能に表示する。「Middle」のスピンボックス61fは、XData信号のMiddle Vthの校正値を変更可能に表示する。「Lower」のスピンボックス61gは、Data信号のLower Vthの校正値を変更可能に表示する。「Phase(Delay)」のスピンボックス61hは、Delayの校正値を変更可能に表示する。
【0078】
「OK」のソフトキー61iがユーザにより押下されると、制御部40は、スピンボックス61a~61hに表示されている各パラメータの校正値を信号入力部20の各部に設定するとともに、これらの校正値を校正値設定一時ファイルに記録する。
【0079】
また、「OK」のソフトキー61iは、「Preset」のプルダウンメニュー60dにより選択された1つの編集対象プリセットのプリセット選択信号を信号出力部10から出力させるプリセット選択信号出力指示部を構成する。「OK」のソフトキー61iがユーザにより押下されると、信号出力部10は、遷移制御信号をDUT200に出力するとともに、「Preset」のプルダウンメニュー60dにより選択された1つの編集対象プリセットに対応するコンプライアンスパターンをDUT200から出力させるためのプリセット選択信号をDUT200に出力する。
【0080】
そして、制御部40は、編集画面60における「Preset」のプルダウンメニュー60dにより選択された1つの編集対象プリセットに対応するコンプライアンスパターンをデータ記憶部30から読み出して、誤り率算出部27に設定する。これにより、誤り率算出部27が、プリセット選択信号によって指定されるプリセットに対応するコンプライアンスパターンを、シンボル値取得部23により取得されたシンボル値と比較するための基準データとして使用することができるようになる。
【0081】
そして、誤り率算出部27は、DUT200から出力されたコンプライアンスパターンの誤り率を算出する。制御部40は、誤り率算出部27により算出された誤り率を、データ記憶部30に記憶されている校正値設定一時ファイルに上書きする。
【0082】
また、制御部40は、誤り率測定画面62の誤り率表示領域62a(図7参照)と、編集画面60の校正値表示領域60h(図8参照)に、校正値設定一時ファイルに記録されている編集対象プリセットの誤り率を表示させる。さらに、制御部40は、編集画面60の校正値表示領域60h(図8参照)に、校正値設定一時ファイルに記録されている編集対象プリセットの複数のパラメータの校正値を表示させる。
【0083】
誤り率表示領域62aにおいて、「ER」は誤り率、「EC」は誤りビットの数、「%EFI」はエラー・フリー・インターバル、「EI」はエラー・インターバルを示している。図7には、SERが1.025×10-8、バーストエラーを考慮しないMSB+LSBのBER(「First Bit」の誤り率)が1.750×10-8、バーストエラーを考慮したMSB+LSBのBERが1.025×10-7である例が示されている。
【0084】
すなわち、ユーザが手動調整画面61のスピンボックス61a~61hで各パラメータを調整した後に「OK」のソフトキー61iを押下するたびに、誤り率測定画面62の誤り率表示領域62aと編集画面60の校正値表示領域60hに表示される編集対象プリセットの誤り率が更新されることになる。これにより、ユーザは、誤り率表示領域62a又は校正値表示領域60hに表示される誤り率を目視で確認しながら、手動調整画面61のスピンボックス61a~61hで編集対象プリセットの各パラメータを調整することができる。
【0085】
一方、「Cancel」のソフトキー61jがユーザにより押下された場合には、制御部40は、手動調整画面61に現在表示されている複数のパラメータの校正値を校正値設定一時ファイルに記録せずに、手動調整画面61の表示を終了する。
【0086】
図6及び図8に示すように、編集画面60における「Optimum BER/Preset」のテキストボックス60gは、複数のプリセットのうち、誤り率算出部27により算出された誤り率が最小であるプリセットを表示するものである。
【0087】
「Optimum BER/Preset」のテキストボックス60fは、複数のプリセットのうち、誤り率算出部27により算出された誤り率が最小であるプリセットの誤り率を表示するものである。
【0088】
校正値表示領域60hは、データ記憶部30に記憶された複数のパラメータの校正値と誤り率をプリセットごとにリスト形式で表示する表示領域である。ここで、Middle Vthについては、Data信号とXData信号のそれぞれの値が示されている。イコライザ21のゲインについては、全てのプリセットQ0~Q10で共通の値となる。
【0089】
「< Back」のソフトキー60iがユーザにより押下されると、表示部32は、編集画面60を終了して、校正方法設定画面59を再び表示する。「Close」のソフトキー60jがユーザにより押下されると、編集画面60の表示が終了する。
【0090】
図8に示すように、校正値表示領域60hは、「Preset」のプルダウンメニュー60dにより選択された1つの編集対象プリセットについて、「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録されている複数のパラメータの校正値が、校正値設定一時ファイルに記録されている複数のパラメータの校正値と異なっている場合に、その1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を強調表示する。すなわち、校正値表示領域60hは、手動調整画面61により調整された1つのプリセットの複数のパラメータの校正値が、手動調整画面61により調整される前の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値と異なっている場合に、手動調整画面61により調整された1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を校正値表示領域60hで強調表示する。図8は、「Preset」のプルダウンメニュー60dで選択されたプリセットQ3の複数のパラメータの校正値と誤り率が強調表示された例を示している。
【0091】
校正値表示領域60hにおける強調表示は、例えば、該当する編集対象プリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を、赤色などの色で表示したり、太字や斜体で表示したりすることによって行われる。さらに、図8に示すように、編集対象プリセットの複数のパラメータの校正値の更新があった場合には、表示部32は、編集画面60の先頭に「Update」などの文字を表示させる強調表示を行ってもよい。これらの強調表示は、「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録されている複数のパラメータの校正値と、校正値表示領域60hに表示されている複数のパラメータの校正値とが一致していないことをユーザに示すためのものである。
【0092】
「Save」のソフトキー60cがユーザにより押下されると、制御部40は、校正値表示領域60hに表示されている各プリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を、「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録する。このとき、表示部32は、校正値表示領域60hにおける強調表示と、編集画面60の先頭における「Update」の表示を終了する。これは、「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録されている複数のパラメータの校正値と、校正値表示領域60hに表示されている複数のパラメータの校正値とが一致したためである。
【0093】
「Save」のソフトキー60cがユーザにより押下される前に、「Close」のソフトキー60jがユーザにより押下された場合には、図9に示すように、制御部40は、現在、校正値表示領域60hに表示されている複数のパラメータの校正値が、「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録されていない旨を示すダイアログボックス63を表示部32に表示させる。
【0094】
ダイアログボックス63は、例えば、「Save」のソフトキー63aと、「Don't Save」のソフトキー63bと、「Cancel」のソフトキー63cと、を含む。
【0095】
「Save」のソフトキー63aがユーザにより押下されると、制御部40は、現在、校正値表示領域60hに表示されている各プリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を、「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録して、当該ファイルをデータ記憶部30に保存する。また、制御部40は、ダイアログボックス63の表示を終了させる。
【0096】
「Don't Save」のソフトキー63bがユーザにより押下されると、制御部40は、現在、校正値表示領域60hに表示されている各プリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を、「File Name」のテキストボックス60aで指定されたファイルに記録せずに、ダイアログボックス63と編集画面60の表示を終了させる。
【0097】
「Cancel」のソフトキー63cがユーザにより押下されると、制御部40は、ダイアログボックス63の表示を終了させて、再び編集画面60にフォーカスを戻す。
【0098】
すなわち、ダイアログボックス63は、現在、校正値表示領域60hに表示されている複数のパラメータの校正値をデータ記憶部30に「保存」するか、「保存しない」か、又は「キャンセル」するかをユーザに選択させて、「Preset」のプルダウンメニュー60dで選択された編集対象プリセットの最新の校正値の保存漏れが出ないようにユーザに注意喚起するためのものである。
【0099】
以下、本実施形態の誤り率測定装置1を用いる誤り率測定方法について、図10のフローチャートを参照しながら、校正モードにおける処理の一例を説明する。なお、上述の誤り率測定装置1の構成の説明と重複する説明は適宜省略する。
【0100】
まず、リンクトレーニング設定画面50における「Cal Start」のソフトキー51cがユーザにより押下されることにより、表示部32は、機器接続画面56を表示する(ステップS41)。
【0101】
次に、機器接続画面56における「Next >」のソフトキー56cがユーザにより押下されることにより、表示部32は、校正方法設定画面59を表示する(ステップS42)。
【0102】
次に、校正方法設定画面59の「Calibration Method」のプルダウンメニュー59aにおいて「Manual」が選択された状態で、「Next >」のソフトキー59cがユーザにより押下されると、表示部32は、編集画面60を表示する(ステップS43)。
【0103】
次に、編集画面60において、LTSSMを搭載したDUT200の種類とロス値の組合せに応じたファイルがテキストボックス60aにおいてユーザにより指定される(ステップS44)。
【0104】
次に、編集画面60において、「Open」のソフトキー60bがユーザにより押下されると、制御部40は、テキストボックス60aにおいて指定されたファイルから、各プリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を読み込んで、それらの値を表示部32の校正値表示領域60hにリスト形式で表示させる(ステップS45)。
【0105】
次に、制御部40は、編集画面60の「Preset」のプルダウンメニュー60dで1つの編集対象プリセットが選択された状態で、「Start Calibration」のソフトキー60eがユーザにより押下されたか否かを判断する(ステップS46)。「Start Calibration」のソフトキー60eがユーザにより押下された場合(ステップS46:YES)、制御部40はステップS47以降の処理を実行する。「Start Calibration」のソフトキー60eではなく、「Save」のソフトキー60cがユーザにより押下された場合(ステップS46:NO)、制御部40はステップS55の処理を実行する。
【0106】
ステップS47において表示部32は、手動調整画面61を表示する(ステップS47)。
【0107】
ユーザにより、手動調整画面61のスピンボックス61a~61hにおいて各パラメータの校正値が適宜調整された後に、「OK」のソフトキー61iが押下されると、制御部40は、手動調整画面61のスピンボックス61a~61hに表示されている各パラメータの校正値を信号入力部20の各部に設定する(ステップS48)。
【0108】
次に、信号出力部10は、複数のステートのうちのPolling.ComplianceにDUT200を遷移させるための遷移制御信号をDUT200に出力する(遷移制御信号出力ステップS49)。
【0109】
次に、信号出力部10は、編集画面60の「Preset」のプルダウンメニュー60dで選択された1つの編集対象プリセットに対応するコンプライアンスパターンをDUT200から出力させるためのプリセット選択信号をDUT200に出力する(プリセット選択信号出力ステップS50)。
【0110】
次に、イコライザ21は、DUT200から入力されるコンプライアンスパターンの周波数特性を調整する(イコライザステップS51)。
【0111】
次に、シンボル値取得部23は、イコライザステップS51により調整されたコンプライアンスパターンのシンボル値を取得する(シンボル値取得ステップS52)。
【0112】
次に、誤り率算出部27は、シンボル値取得ステップS52により取得されたシンボル値の誤り率を算出する(誤り率算出ステップS53)。
【0113】
次に、制御部40は、現在、信号入力部20の各部に設定されている複数のパラメータの校正値と、誤り率算出部27により算出された編集対象プリセットの誤り率を、データ記憶部30に記憶されている校正値設定一時ファイルに上書きする。また、制御部40は、誤り率測定画面62の誤り率表示領域62aと、編集画面60の校正値表示領域60hに、校正値設定一時ファイルに記録されている編集対象プリセットの誤り率を表示させる。さらに、制御部40は、編集画面60の校正値表示領域60hに、校正値設定一時ファイルに記録されている編集対象プリセットの複数のパラメータの校正値を表示させる(ステップS54)。
【0114】
次に、制御部40は、再びステップS46の処理を実行する。
【0115】
ステップS55において制御部40は、編集画面60における「Save」のソフトキー60cがユーザにより押下されたことにより、現在、編集画面60の校正値表示領域60hに表示されている各プリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を、テキストボックス60aにおいて指定されたファイルに記録して、データ記憶部30に記憶する(データ記憶ステップS55)。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、リンクトレーニングの開始前に、複数のステートのうちのPolling.ComplianceにDUT200を遷移させて、DUT200から任意の1つのプリセットに対応するコンプライアンスパターンを出力させるようになっている。さらに、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、任意の1つのプリセットのコンプライアンスパターンの解析に必要な複数のパラメータの校正値を手動で調整する手動調整画面61を表示し、手動調整画面61により調整された複数のパラメータの校正値に応じた誤り率を表示するようになっている。
【0117】
これにより、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、リンクトレーニングの開始前に、誤り率を目視で確認しながら、任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値を手動で調整することを可能にする。また、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、規格で定義されたプリセットごとに事前調整された校正結果に対し、ある1つのプリセットについてのみ校正値の再調整が必要になった場合に、全てのプリセットについて再校正を行う必要がないため、再校正時のユーザビリティが優れている。
【0118】
また、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、複数のパラメータの校正値と誤り率をプリセットごとにリスト形式で表示する校正値表示領域60hにおいて、手動調整画面61により変更された任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値と誤り率を強調表示するようになっている。これにより、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、任意の1つのプリセットの複数のパラメータの校正値が更新されたことをユーザに目視で確認させることができる。
【符号の説明】
【0119】
1 誤り率測定装置
10 信号出力部
11 シンセサイザ
12 ジッタ変調源
13 パルスパターン発生器
14 ノイズ発生源
20 信号入力部
21 イコライザ
22 誤り検出器
23 シンボル値取得部
24 クロック再生部
25 遅延部
26 シンボル値検出部
27 誤り率算出部
28 オートサーチ部
30 データ記憶部
31 操作部
32 表示部
40 制御部
50 リンクトレーニング設定画面
56 機器接続画面
60 編集画面
60d プルダウンメニュー(プリセット選択部)
60h 校正値表示領域
61 手動調整画面
61a~61h スピンボックス(手動調整部)
61i ソフトキー(プリセット選択信号出力指示部)
62 誤り率測定画面
62a 誤り率表示領域
200 DUT
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