(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134245
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】駅務機器、業務処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240926BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240926BHJP
G07D 11/235 20190101ALI20240926BHJP
【FI】
G07B15/00 W
G07G1/00 331A
G07D11/235
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044447
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 瞭
(72)【発明者】
【氏名】難波 織人
【テーマコード(参考)】
3E127
3E141
3E142
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA11
3E127CA06
3E127EA02
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA12
3E141DA10
3E141GA07
3E142GA24
(57)【要約】
【課題】 駅務を補助することのできる駅務機器、業務処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 プログラムは、駅務機器のコンピュータに、処理業務の第1情報及び入金の第2情報を取得する第1取得手順と、出金の第3情報を取得する第2取得手順と、上記処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行う第1判断手順と、上記第1判断にて上記処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、プリンタ部に業務中入出金記録帳票を出力させる業務中出力手順と、を実行させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理業務の第1情報の入力が行われる操作部、プリンタ部、及び制御部を有する駅務処理部と、
前記駅務処理部の前記制御部に接続され現金の入金及び出金が行われるつり銭機と、を備え、
前記制御部は、
前記操作部に入力される前記第1情報及び前記つり銭機で行われる入金の第2情報を取得し、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記つり銭機で行われる出金の第3情報を取得し、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行い、
前記第1判断にて前記処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、前記プリンタ部に、前記処理業務のために収受する収受金額と、前記つり銭機で前記処理業務のために行われた入金及び出金の金額と、返金が必要なお釣りの金額と、を含む第4情報が印字された業務中入出金記録帳票を出力させる、
駅務機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したかどうかを判断し、
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したと判断した場合、前記処理業務を正常に行えなかったと判断する、
請求項1に記載の駅務機器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したと判断した場合、前記つり銭機を切り離し、
前記つり銭機を切り離した後に前記つり銭機が復旧したかどうかの第2判断を行い、
前記第2判断にて前記つり銭機が復旧したと判断した場合、復旧した前記つり銭機を接続し直し、
前記つり銭機を接続し直した後に、前記プリンタ部に、前記つり銭機に入っているべき現金の残高金額を含む第5情報が印字された単独入出金記録帳票を出力させる、
請求項2に記載の駅務機器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記つり銭機を接続し直した後に前記つり銭機の残高金額の調整のために前記つり銭機で入金及び出金の少なくとも一方が行われたことを検知した場合、前記つり銭機の残高金額の調整が行われた後に、前記プリンタ部に前記単独入出金記録帳票を出力させる、
請求項3に記載の駅務機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記つり銭機で入金が行われている際に前記つり銭機への入金の中断を示す第6情報を前記操作部から取得した場合、前記処理業務を正常に行えなかったと判断する、
請求項1に記載の駅務機器。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務が成立であったか不成立であったかの第3判断を行い、
前記プリンタ部に前記業務中入出金記録帳票を出力させる際に、前記処理業務が成立であったか不成立であったかを前記第4情報にさらに含める、
請求項1に記載の駅務機器。
【請求項7】
前記駅務処理部は、記憶媒体を処理する媒体処理部をさらに有し、
前記制御部は、
前記第1情報から前記記憶媒体の処理が必要であるのかどうかの第4判断を行い、
前記第4判断にて前記記憶媒体の処理が必要であると判断した場合、前記第3情報を取得した後に前記記憶媒体を処理させるために前記媒体処理部を操作し、前記媒体処理部から前記記憶媒体の処理に関する第7情報を取得し、
前記第1判断を行う際に、さらに前記第7情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかを判断する、
請求項1に記載の駅務機器。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報、及び前記第4情報に基づいて、前記処理業務が成立であったか不成立であったかの第3判断を行い、
前記プリンタ部に前記業務中入出金記録帳票を出力させる際に、前記処理業務が成立であったか不成立であったかを前記第4情報にさらに含める、
請求項7に記載の駅務機器。
【請求項9】
処理業務の第1情報の入力が行われる操作部、プリンタ部、及び制御部を有する駅務処理部と、前記駅務処理部の前記制御部に接続され現金の入金及び出金が行われるつり銭機と、を備える駅務機器に適用される業務処理方法であって、
前記操作部に入力される前記第1情報及び前記つり銭機で行われる入金の第2情報を取得し、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記つり銭機で行われる出金の第3情報を取得し、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行い、
前記第1判断にて前記処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、前記プリンタ部に、前記処理業務のために収受する収受金額と、前記つり銭機で前記処理業務のために行われた入金及び出金の金額と、返金が必要なお釣りの金額と、を含む第4情報が印字された業務中入出金記録帳票を出力させる、
業務処理方法。
【請求項10】
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したかどうかを判断し、
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したと判断した場合、前記処理業務を正常に行えなかったと判断する、
請求項9に記載の業務処理方法。
【請求項11】
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したと判断した場合、前記つり銭機を切り離し、
前記つり銭機を切り離した後に前記つり銭機が復旧したかどうかの第2判断を行い、
前記第2判断にて前記つり銭機が復旧したと判断した場合、復旧した前記つり銭機を接続し直し、
前記つり銭機を接続し直した後に、前記プリンタ部に、前記つり銭機に入っているべき現金の残高金額を含む第5情報が印字された単独入出金記録帳票を出力させる、
請求項10に記載の業務処理方法。
【請求項12】
前記つり銭機を接続し直した後に前記つり銭機の残高金額の調整のために前記つり銭機で入金及び出金の少なくとも一方が行われたことを検知した場合、前記つり銭機の残高金額の調整が行われた後に、前記プリンタ部に前記単独入出金記録帳票を出力させる、
請求項11に記載の業務処理方法。
【請求項13】
前記つり銭機で入金が行われている際に前記つり銭機への入金の中断を示す第6情報を前記操作部から取得した場合、前記処理業務を正常に行えなかったと判断する、
請求項9に記載の業務処理方法。
【請求項14】
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務が成立であったか不成立であったかの第3判断を行い、
前記プリンタ部に前記業務中入出金記録帳票を出力させる際に、前記処理業務が成立であったか不成立であったかを前記第4情報にさらに含める、
請求項9に記載の業務処理方法。
【請求項15】
前記駅務処理部は、記憶媒体を処理する媒体処理部をさらに有する、業務処理方法であって、
前記第1情報から前記記憶媒体の処理が必要であるのかどうかの第4判断を行い、
前記第4判断にて前記記憶媒体の処理が必要であると判断した場合、前記第3情報を取得した後に前記記憶媒体を処理させるために前記媒体処理部を操作し、前記媒体処理部から前記記憶媒体の処理に関する第7情報を取得し、
前記第1判断を行う際に、さらに前記第7情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかを判断する、
請求項9に記載の業務処理方法。
【請求項16】
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報、及び前記第4情報に基づいて、前記処理業務が成立であったか不成立であったかの第3判断を行い、
前記プリンタ部に前記業務中入出金記録帳票を出力させる際に、前記処理業務が成立であったか不成立であったかを前記第4情報にさらに含める、
請求項15に記載の業務処理方法。
【請求項17】
処理業務の第1情報の入力が行われる操作部、プリンタ部、及び制御部を有する駅務処理部と、前記駅務処理部の前記制御部に接続され現金の入金及び出金が行われるつり銭機と、を備える駅務機器のコンピュータに、
前記操作部に入力される前記第1情報及び前記つり銭機で行われる入金の第2情報を取得する第1取得手順と、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記つり銭機で行われる出金の第3情報を取得する第2取得手順と、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行う第1判断手順と、
前記第1判断にて前記処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、前記プリンタ部に、前記処理業務のために収受する収受金額と、前記つり銭機で前記処理業務のために行われた入金及び出金の金額と、返金が必要なお釣りの金額と、を含む第4情報が印字された業務中入出金記録帳票を出力させる業務中出力手順と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したかどうかを判断し、
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したと判断した場合、前記処理業務を正常に行えなかったと判断する、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記コンピュータに、
前記第1判断にて前記つり銭機に異常が発生したと判断した場合、前記つり銭機を切り離す切り離し手順と、
前記つり銭機を切り離した後に前記つり銭機が復旧したかどうかの第2判断を行う第2判断手順と、
前記第2判断にて前記つり銭機が復旧したと判断した場合、復旧した前記つり銭機を接続し直す接続し直し手順と、
前記つり銭機を接続し直した後に、前記プリンタ部に、前記つり銭機に入っているべき現金の残高金額を含む第5情報が印字された単独入出金記録帳票を出力させる、単独出力手順と、
をさらに実行させる、
請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記つり銭機を接続し直した後に前記つり銭機の残高金額の調整のために前記つり銭機で入金及び出金の少なくとも一方が行われたことを検知した場合、前記つり銭機の残高金額の調整が行われた後に、前記プリンタ部に前記単独入出金記録帳票を出力させる、
請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
前記つり銭機で入金が行われている際に前記つり銭機への入金の中断を示す第6情報を前記操作部から取得した場合、前記処理業務を正常に行えなかったと判断する、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項22】
前記コンピュータに、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務が成立であったか不成立であったかの第3判断を行う第3判断手順、
をさらに実行させ、
前記プリンタ部に前記業務中入出金記録帳票を出力させる際に、前記処理業務が成立であったか不成立であったかを前記第4情報にさらに含める、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項23】
前記駅務処理部は、記憶媒体を処理する媒体処理部をさらに有し、
前記コンピュータに、
前記第1情報から前記記憶媒体の処理が必要であるのかどうかの第4判断を行う第4判断手順と、
前記第4判断にて前記記憶媒体の処理が必要であると判断した場合、前記第3情報を取得した後に前記記憶媒体を処理させるために前記媒体処理部を操作し、前記媒体処理部から前記記憶媒体の処理に関する第7情報を取得する第3取得手順と、
をさらに実行させ、
前記第1判断を行う際に、さらに前記第7情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかを判断する、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項24】
前記コンピュータに、
前記第1情報、前記第2情報、前記第3情報、及び前記第4情報に基づいて、前記処理業務が成立であったか不成立であったかの第3判断を行う第3判断手順、
をさらに実行させ、
前記プリンタ部に前記業務中入出金記録帳票を出力させる際に、前記処理業務が成立であったか不成立であったかを前記第4情報にさらに含める、
請求項23に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駅務機器、業務処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各駅の窓口に駅務機器としての窓口処理機が設置されている。窓口処理機は、ICカードの発行、磁気券の発券、払戻等の各種業務を行うために使用されている。窓口処理機は、つり銭機、媒体処理部、操作部等を備えている。媒体としては、磁気カード、ICカードを挙げることができる。つり銭機は、例えば、料金収受を行う際に使用されている。従来の窓口業務では、現金後入れ方式の業務処理が統一されていた。現金後入れ方式の業務処理において、媒体処理を行った後、料金収受の処理を最後に行っている。しかしながら、現金後入れ方式の場合、先に媒体処理を行うことから問題が生じてしまう。例えば、料金の未収受が発生したときに駅係員はその媒体処理の取り消し操作を行う必要がある。さらに、旅客への返金に手間がかかる事態を招く場合が有り得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-203368号公報
【特許文献2】特開平1-237763号公報
【特許文献3】特開平11-25322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、駅務を補助することのできる駅務機器、業務処理方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る駅務機器は、
処理業務の第1情報の入力が行われる操作部、プリンタ部、及び制御部を有する駅務処理部と、前記駅務処理部の前記制御部に接続され現金の入金及び出金が行われるつり銭機と、を備え、前記制御部は、前記操作部に入力される前記第1情報及び前記つり銭機で行われる入金の第2情報を取得し、前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記つり銭機で行われる出金の第3情報を取得し、前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行い、前記第1判断にて前記処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、前記プリンタ部に、前記処理業務のために収受する収受金額と、前記つり銭機で前記処理業務のために行われた入金及び出金の金額と、返金が必要なお釣りの金額と、を含む第4情報が印字された業務中入出金記録帳票を出力させる。
【0006】
また、一実施形態に係る業務処理方法は、
処理業務の第1情報の入力が行われる操作部、プリンタ部、及び制御部を有する駅務処理部と、前記駅務処理部の前記制御部に接続され現金の入金及び出金が行われるつり銭機と、を備える駅務機器に適用される業務処理方法であって、前記操作部に入力される前記第1情報及び前記つり銭機で行われる入金の第2情報を取得し、前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記つり銭機で行われる出金の第3情報を取得し、前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行い、前記第1判断にて前記処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、前記プリンタ部に、前記処理業務のために収受する収受金額と、前記つり銭機で前記処理業務のために行われた入金及び出金の金額と、返金が必要なお釣りの金額と、を含む第4情報が印字された業務中入出金記録帳票を出力させる。
【0007】
また、一実施形態に係るプログラムは、
処理業務の第1情報の入力が行われる操作部、プリンタ部、及び制御部を有する駅務処理部と、前記駅務処理部の前記制御部に接続され現金の入金及び出金が行われるつり銭機と、を備える駅務機器のコンピュータに、前記操作部に入力される前記第1情報及び前記つり銭機で行われる入金の第2情報を取得する第1取得手順と、前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記つり銭機で行われる出金の第3情報を取得する第2取得手順と、前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報に基づいて、前記処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行う第1判断手順と、前記第1判断にて前記処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、前記プリンタ部に、前記処理業務のために収受する収受金額と、前記つり銭機で前記処理業務のために行われた入金及び出金の金額と、返金が必要なお釣りの金額と、を含む第4情報が印字された業務中入出金記録帳票を出力させる業務中出力手順と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る駅務機器を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、上記実施形態に係る業務中入出金記録帳票の印字例を示す図である。
【
図3】
図3は、上記実施形態に係る単独入出金記録帳票の印字例を示す図である。
【
図4】
図4は、上記駅務機器を用いて行われる窓口処理業務の流れの一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、上記実施形態に係る業務処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5に続く、上記業務処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図6に続く、上記業務処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図7に続く、上記業務処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図6に続く、上記業務処理方法を説明するための他のフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図5に続く、上記業務処理方法を説明するための他のフローチャートである。
【
図12】
図12は、
図5に続く、上記業務処理方法を説明するための他のフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図5に続く、上記業務処理方法を説明するための他のフローチャートである。
【
図15】
図15は、
図13に続く、上記業務処理方法を説明するための他のフローチャートである。
【
図17】
図17は、
図13に続く、上記業務処理方法を説明するための他のフローチャートである。
【
図18】
図18は、
図13に続く、上記業務処理方法を説明するための他のフローチャートである。
【
図19】
図19は、上記駅務機器を用いて行われる窓口処理業務にて発生し得るいくつかのパターンを表で示す図である。
【
図20】
図20は、上記駅務機器を用いて行われる窓口処理業務にて発生し得るいくつかのパターンの具体例を表で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。本発明の実施形態においては、駅務を補助することのできる駅務機器、業務処理方法、及びプログラムが得られるものである。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る駅務機器APを示すブロック図である。駅務機器APは、駅窓口に設置されている窓口処理機である。駅務機器APは、現金先入れ方式を採っている。駅務機器APは、駅務処理部1と、つり銭機2と、を備えている。駅務処理部1は、制御部11、表示部12、操作部13、プリンタ部14、磁気カード処理部15、ICカード処理部16、ICカード発行部17、及び磁気券発券部18を備えている。つり銭機2は、紙幣つり銭機21及び硬貨つり銭機22を備えている。
【0011】
表示部12、操作部13、プリンタ部14、磁気カード処理部15、ICカード処理部16、ICカード発行部17、磁気券発券部18、紙幣つり銭機21、及び硬貨つり銭機22は、それぞれ制御部11に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)等を備えるコンピュータとして構成されている。制御部11は、ROMに格納されたプログラムを実行することにより、表示部12、操作部13、プリンタ部14、磁気カード処理部15、ICカード処理部16、ICカード発行部17、磁気券発券部18、紙幣つり銭機21、及び硬貨つり銭機22のそれぞれの動作等、駅務機器APの全体の動作を制御する。上記プログラムは、制御部11(コンピュータ)に複数の手順を実行させることができる。
【0012】
表示部12は、制御部11から画像を表示するための情報を受信可能である。表示部12は、処理業務の内容を表示する。駅係員が行う処理業務の情報(第1情報)の入力は操作部13にて行われる。操作部13は、入力された情報を制御部11に送信可能である。制御部11は、操作部13に入力される第1情報を取得可能である。表示部12及び操作部13は、端末装置のように物理的に一体に形成されてもよく、互いに物理的に独立してもよい。
【0013】
プリンタ部14は、制御部11から各種の帳票等を出力するための情報(コマンド)を受信可能である。制御部11から受信した情報に基づいて、プリンタ部14は、帳票等を出力可能である。各種の帳票としては、業務中入出金記録帳票及び単独入出金記録帳票を挙げることができる。
【0014】
磁気カード処理部15、ICカード処理部16、ICカード発行部17、磁気券発券部18、紙幣つり銭機21、及び硬貨つり銭機22は、それぞれ制御部11との間で情報を送受信可能である。
【0015】
磁気カードを処理する磁気カード処理部15及びICカードを処理するICカード処理部16は、記憶媒体を処理する媒体処理部5を構成している。本実施形態において、記憶媒体としては、磁気カード及びICカードを挙げることができる。
ICカードの発行を行うICカード発行部17及び磁気券の発券を行う磁気券発券部18は、記憶媒体の発行を行う媒体発行部7を構成している。
【0016】
紙幣つり銭機21及び硬貨つり銭機22は、それぞれ駅務処理部1の制御部11に接続されている。紙幣つり銭機21及び硬貨つり銭機22にて、現金の入金及び出金が行われる。例えば、制御部11は、つり銭機2で行われる入金の情報(第2情報)を取得可能である。
【0017】
制御部11は、複数の情報(第1情報及び第2情報)に基づいて、つり銭機2で行われる出金の情報(第3情報)を取得可能である。制御部11は、複数の情報(第1情報、第2情報、及び第3情報)に基づいて、処理業務を正常に行えたかどうかの判断(第1判断)を行うことができる。制御部11は、上記第1判断にて処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、プリンタ部14に情報(第4情報)が印字された業務中入出金記録帳票を出力させる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る業務中入出金記録帳票の印字例を示す図である。業務中入出金記録帳票は、紙の帳票であり、以下、第1帳票P1と称する場合もある。
図2に示すように、第1帳票P1に、第4情報Iaが印字されている。第1帳票P1の第4情報Iaは、情報I1、情報I2、情報I3、及び情報I4を含んでいる。
【0019】
情報I1は、処理業務のために収受する収受金額(現金収受金額)の情報である。情報I2は、つり銭機2で処理業務のために行われた入金及び出金の金額の情報である。言い換えると、情報I2は、預かり金額(入金の金額)の情報I2aと、出金済金額の情報I2bと、を含んでいる。情報I3は、返金が必要なお釣りの金額の情報である。情報I4は、集計結果の情報であり、処理業務が成立であったか不成立であったかを示す情報である。
【0020】
なお、つり銭機2で入金が行われている際につり銭機2への入金の中断を示す情報(第6情報)を操作部13から取得した場合、情報I2aの預かり金額の欄に「中断」と印字される。これにより、制御部11及び駅係員は、処理業務を正常に行えなかったと判断することができる。一方、操作部13に入金の中断を示す第6情報の入力が無い場合、第1帳票P1に「中断」と印字されない。
【0021】
第1帳票P1に情報I4を含めることは任意である。但し、媒体処理部5にて記憶媒体の処理が必要である場合、第1帳票P1に情報I4を含めることは必須である。
駅係員は旅客対応中(業務中)に第1帳票P1をみながら処理業務を確認することができるため、駅務を補助することのできる第1帳票P1を得ることができる。
【0022】
つり銭機2の異常、及び記憶媒体の処理の失敗の少なくとも一方が発生した場合、処理業務が成立であったか不成立であったかが確定したタイミングで、第1帳票P1は出力される。第1帳票P1を参照することで返金額の容易な判断が期待できる。また、第1帳票P1は旅客への返金が必要な場合に必ず出力されるため、駅係員の返金忘れ防止も期待できる。
【0023】
図1に示すように、制御部11は、上記第1判断にてつり銭機2に異常が発生したかどうかを判断可能である。制御部11は、上記第1判断にてつり銭機2に異常が発生したと判断した場合、処理業務を正常に行えなかったと判断することができる。
【0024】
また、制御部11は、第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいて、処理業務が成立であったか不成立であったかの判断(第3判断)を行うことができる。制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる際に、処理業務が成立であったか不成立であったかを第4情報Iaにさらに含めることができる。
【0025】
さらに、制御部11は、第1情報から記憶媒体の処理が必要であるのかどうかの判断(第4判断)を行うことができる。制御部11は、上記第4判断にて記憶媒体の処理が必要であると判断した場合、第3情報を取得した後に記憶媒体を処理させるために媒体処理部5を操作し、媒体処理部5から記憶媒体の処理に関する情報(第7情報)を取得可能である。制御部11は、上記第1判断を行う際に、さらに第7情報に基づいて、処理業務を正常に行えたかどうかを判断することができる。例えば、記憶媒体の処理に失敗した場合、制御部11は、処理業務を正常に行えなかったと判断することができる。
【0026】
ここで、制御部11が第3判断を行う際、さらに第4情報Iaに基づいて、処理業務が成立であったか不成立であったかの判断を行うことができる。その場合も、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる際に、処理業務が成立であったか不成立であったかを第4情報Iaにさらに含めることができる。
【0027】
またさらに、制御部11は、上記第1判断にてつり銭機2に異常が発生したと判断した場合、つり銭機2を切り離すことができる。制御部11は、つり銭機2を切り離した後につり銭機2が復旧したかどうかの判断(第2判断)を行うことができる。制御部11は、上記第2判断にてつり銭機2が復旧したと判断した場合、復旧したつり銭機2を接続し直すことができる。制御部11は、つり銭機2を接続し直した後に、プリンタ部14に、つり銭機2に入っているべき現金の残高金額を含む情報(第5情報)が印字された単独入出金記録帳票を出力させることができる。
【0028】
制御部11は、つり銭機2を接続し直した後につり銭機2の残高金額の調整のためにつり銭機2で入金及び出金の少なくとも一方が行われたことを検知した場合、つり銭機2の残高金額の調整が行われた後に、プリンタ部14に単独入出金記録帳票を出力させることができる。
【0029】
例えば、制御部11とつり銭機2とが接続し直された後に、駅係員は、第1帳票P1の第4情報Iaに基づいて、不足分の現金をつり銭機2から出金し、駅の予備金に返却することができる。又は、駅係員は、第1帳票P1の第4情報Iaに基づいて、不足分の現金を駅の予備金からつり銭機2に入金することができる。
【0030】
図3は、本実施形態に係る単独入出金記録帳票の印字例を示す図である。単独入出金記録帳票は、紙の帳票であり、以下、第2帳票P2と称する場合もある。
図3に示すように、第2帳票P2の第5情報Ibは、入金金額(つり銭機2に入金した金額)、出金金額(つり銭機2から出金した金額)、つり銭機2の残高金額を含んでいる。図に示した例では、第2帳票P2の第5情報Ibは、紙幣及び硬貨の種類毎の、入金枚数及び出金枚数を含んでいる。制御部11は、第2情報及び第3情報に基づいて、第2帳票P2の第5情報Ibを決定することができる。制御部11は、駅係員の判断による入出金操作があったことを検知した場合、プリンタ部14から第2帳票P2を出力させることができる。
【0031】
例えば、駅係員は、第2帳票P2の第5情報Ibに基づいて、つり銭機2の残高金額を確認することができる。又は、駅係員は、第2帳票P2の第5情報Ibに基づいて、入金金額及び出金金額を確認してもよい。駅係員は、第1帳票P1の第4情報Iaに基づいて行った入出金の金額の妥当性及び整合性を確認することができる。
【0032】
図4は、駅務機器APを用いて行われる窓口処理業務の流れの一例を説明するための図である。ここでは、駅務機器APが現金先入れ方式を採り、媒体処理部5にて記憶媒体の処理が必要である場合を例に説明する。
【0033】
図4に示すように、まず、駅係員が旅客から記憶媒体の処理の依頼を受けると、駅係員は、旅客から記憶媒体を受け取り、操作部13を介して処理業務を選択する。続いて、駅係員は、旅客から現金を預かり、預かった現金をつり銭機2に入金する。つり銭機2への入金が終わると、駅係員は、操作部13にて入金完了操作を行う。お釣りが有る場合、つり銭機2はお釣りを出金し、駅係員は、つり銭機2から出金したお釣りを旅客に返金する。
【0034】
その後、駅係員は、操作部13にて媒体処理操作を行い、媒体処理部5に記憶媒体を処理させる。次いで、駅係員は、媒体処理部5にて処理した記憶媒体を旅客に返却する。上述したように、現金先入れ方式の駅務機器APを用いて処理業務を行うことができる。
上述した処理業務において、つり銭機2への入金時、つり銭機2からのお釣りの出金時、及び記憶媒体の処理時に異常が発生する可能性があり、異常が発生すると、処理業務を正常に行えなかったと判断される。
【0035】
次に、駅務機器APに適用される業務処理方法について説明する。
図5乃至
図18は、それぞれ本実施形態に係る業務処理方法を説明するためのフローチャートである。
図5及び
図1に示すように、業務処理方法が開始されると、まず、ステップSa1において、旅客から依頼を受けた駅係員は、操作部13にて処理業務の情報の入力を行い、処理業務を選択する。
【0036】
続いて、ステップSa2において、駅係員(制御部11)は、記憶媒体の処理が必要であるかどうか判断する。記憶媒体の処理が必要である場合(ステップSa2)、ステップSa3に移行し、ステップSa3において、駅係員は、旅客から記憶媒体を受け取る。次いで、ステップSa4において、駅係員は、旅客から現金を預かり、その後、ステップSa5において、駅係員は、旅客から預かった現金をつり銭機2に入金する。
【0037】
次いで、ステップSa6において、制御部11は入金時につり銭機2に異常が発生したかどうか判断する。つり銭機2に異常が発生しなかった場合(ステップSa6)、ステップSa7に移行し、ステップSa7において、制御部11は、預かり金額(つり銭機2への入金額)が処理業務のための収受金額以上であるかどうか判断する。駅係員も、表示部12に表示される画像を参照することでステップSa7の判断を行うことができる。預かり金額が収受金額以上である場合(ステップSa7)、ステップSa8に移行し、ステップSa8において、駅係員は、操作部13にて入金完了操作を行う。
【0038】
図6及び
図1に示すように、続いて、ステップSa9に移行し、ステップSa9において、制御部11は、お釣りがあるかどうか判断する。お釣りがない場合(ステップSa9)、ステップSa13に移行する。一方、お釣りがある場合(ステップSa9)、ステップSa10に移行し、ステップSa10において、制御部11は、預かり金額から収受金額を差し引いた金額のお釣りをつり銭機2から出金する。
【0039】
次いで、ステップSa11において、制御部11は出金時につり銭機2に異常が発生したかどうか判断する。つり銭機2に異常が発生しなかった場合(ステップSa11)、ステップSa12に移行し、ステップSa12において、駅係員は、つり銭機2から出金されたお釣りを旅客に返金する。
【0040】
その後、ステップSa13において、駅係員は、記憶媒体を媒体処理部5に投入し、操作部13にて媒体処理操作を行い、制御部11は媒体処理部5に記憶媒体を処理させる。続いて、ステップSa14において、制御部11は、媒体処理部5による記憶媒体の処理が成功したかどうか判断する。その際、駅係員も、表示部12に表示される画像を参照することでステップSa14の判断を行うことができる。
【0041】
記憶媒体の処理が成功した場合(ステップSa14)、ステップSa15において、制御部11は処理業務が成立と判断し、次いで、ステップSa16において、駅係員は、旅客から受取った記憶媒体を旅客に返却する。これにより、業務処理方法が終了する。
【0042】
図7及び
図1に示すように、一方、記憶媒体の処理が成功しなかった場合(
図6のステップSa14)、ステップSb1に移行し、ステップSb1において、制御部11は、新規に記憶媒体を発行する必要があるかどうか判断する。新規に記憶媒体を発行する必要がある場合(ステップSb1)、ステップSb2に移行し、ステップSb2において、制御部11は媒体発行部7に記憶媒体を発行させる。
【0043】
その後、ステップSb3において、制御部11は、処理業務が成立と判断し、次いで、ステップSb4において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる。なお、ステップSb3に到達するまでの途中の過程で記憶媒体の処理は失敗したが、新規の記憶媒体は発行できている。そのため、業務処理方法は、ステップSb4(第1帳票P1の出力)を省略してもよい。そして、ステップSb5において、駅係員は、新規に発行した記憶媒体を旅客に渡す。その際、駅係員は、旅客から受取った記憶媒体を旅客に返却してもよい。これにより、業務処理方法が終了する。
【0044】
一方、新規に記憶媒体を発行する必要がない場合(ステップSb1)、ステップSb6に移行し、ステップSb6において、制御部11は、処理業務が不成立と判断し、次いで、ステップSb7において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる。
【0045】
続いて、ステップSb8において、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、つり銭機2から収受金額の現金を出金し、収受金額の現金を旅客に返金する。その後、ステップSb9において、制御部11は、出金時につり銭機2に異常が発生したかどうか判断する。
【0046】
つり銭機2に異常が発生しなかった場合(ステップSb9)、ステップSb10に移行し、ステップSb10において、駅係員は、旅客から受取った記憶媒体を旅客に返却し、ステップSb19に移行する。
一方、つり銭機2に異常が発生した場合(ステップSb9)、ステップSb13に移行する。
【0047】
図8及び
図1に示すように、続いて、ステップSb13に移行し、ステップSb13において、制御部11は、つり銭機2を切離す。次いで、ステップSb14において、駅係員は、表示部12に表示される画像を参照しつつ、不足分の現金を駅の予備金から補填し、収受金額の現金を旅客に返金する。そして、ステップSb15において、駅係員は、旅客から受取った記憶媒体を旅客に返却する。
【0048】
その後、ステップSb16において、制御部11はつり銭機2が復旧したかどうか判断する。つり銭機2が復旧していない場合、制御部11はステップSb16を繰り返し実行する。一方、つり銭機2が復旧した場合(ステップSb16)、ステップSb17に移行し、ステップSb17において、制御部11は、つり銭機2を接続し直す。続いて、ステップSb18において、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金(予備金から補填した現金)をつり銭機2から出金し、予備金に返却する。又は、ステップSg18において、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金を予備金からつり銭機2に入金する。
【0049】
次いで、ステップSb19において、駅係員は、操作部13にて現金調整完了操作を行う。続いて、ステップSb20において、制御部11は、プリンタ部14に第2帳票P2を出力させ、ステップSb21において、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する。駅係員がつり銭機2の残高金額に誤りがなかったかことを確認した場合、業務処理方法は終了する。なお、駅係員がつり銭機2の残高金額に誤りがあったことを確認した場合、駅係員がつり銭機2の残高金額の調整を再度行った後、業務処理方法を終了することができる。
【0050】
図9及び
図1に示すように、一方、つり銭機2に異常が発生した場合(
図6のステップSa11)、ステップSc1に移行し、ステップSc1において、制御部11は、つり銭機2を切離す。次いで、ステップSc2において、駅係員は、表示部12に表示される画像を参照しつつ、不足分の現金を駅の予備金から補填し、お釣りを旅客に返金する。そして、ステップSc3において、駅係員は、記憶媒体を媒体処理部5に投入し、操作部13にて媒体処理操作を行い、制御部11は媒体処理部5に記憶媒体を処理させる。
【0051】
続いて、ステップSc4において、制御部11は、媒体処理部5による記憶媒体の処理が成功したかどうか判断する。その際、駅係員も、表示部12に表示される画像を参照することでステップSc4の判断を行うことができる。
【0052】
記憶媒体の処理が成功した場合(ステップSc4)、ステップSc5において、制御部11は処理業務が成立と判断し、次いで、ステップSc6において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させ、ステップSb15に移行する。
【0053】
一方、記憶媒体の処理が成功しなかった場合(ステップSc4)、ステップSc7に移行し、ステップSc7において、制御部11は、新規に記憶媒体を発行する必要があるかどうか判断する。新規に記憶媒体を発行する必要がない場合(ステップSc7)、ステップSc8に移行し、ステップSc8において、制御部11は、処理業務が不成立と判断し、次いで、ステップSc9において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる。そして、ステップSc10において、駅係員は、表示部12に表示される画像を参照しつつ、収受金額の現金を駅の予備金から補填し、収受金額の現金を旅客に返金し、ステップSb15に移行する。
【0054】
一方、新規に記憶媒体を発行する必要がある場合(ステップSc7)、ステップSc11に移行し、ステップSc11において、制御部11は媒体発行部7に記憶媒体を発行させる。続いて、ステップSc12において、制御部11は、処理業務が成立と判断し、ステップSc13において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる。なお、業務処理方法は、ステップSc13(第1帳票P1の出力)を省略してもよい。そして、ステップSc14において、駅係員は、新規に発行した記憶媒体を旅客に渡す。その際、駅係員は、旅客から受取った記憶媒体を旅客に返却してもよい。
【0055】
その後、ステップSc15において、制御部11はつり銭機2が復旧したかどうか判断する。つり銭機2が復旧していない場合、制御部11はステップSc15を繰り返し実行する。一方、つり銭機2が復旧した場合(ステップSc15)、ステップSb17に移行する。
【0056】
図10及び
図1に示すように、一方、つり銭機2に異常が発生した場合(
図5のステップSa6)、ステップSd1に移行し、ステップSd1において、制御部11は、つり銭機2を切離す。次いで、ステップSd2において、制御部11は、預かり金額が処理業務のための収受金額以上であるかどうか判断する。駅係員も、表示部12に表示される画像を参照することでステップSd2の判断を行うことができる。預かり金額が収受金額以上である場合(ステップSd2)、ステップSd5に移行する。
【0057】
一方、預かり金額が収受金額以上ではなかった場合(ステップSd2)、ステップSd3に移行し、ステップSd3において、駅係員は、駅の予備金から現金を補填し、預かり金額の現金を旅客に返金する。その後、ステップSd4において、駅係員は、処理業務のための収受金額以上の現金を旅客から預かる。
【0058】
続いて、ステップSd5において、駅係員は、お釣りがあるかどうか判断する。お釣りがない場合(ステップSd5)、ステップSd7に移行する。一方、お釣りがある場合(ステップSd5)、ステップSd6に移行し、ステップSd6において、駅係員は、預かり金額から収受金額を差し引いた金額のお釣りを駅の予備金から補填し、お釣りを旅客に返金する。
【0059】
次いで、ステップSd7において、駅係員は、手元にある残りの現金を駅の予備金に加える。そして、ステップSd8において、駅係員は、記憶媒体を媒体処理部5に投入し、操作部13にて媒体処理操作を行い、制御部11は媒体処理部5に記憶媒体を処理させる。
【0060】
図11及び
図1に示すように、続いて、ステップSd9において、制御部11は、媒体処理部5による記憶媒体の処理が成功したかどうか判断する。その際、駅係員も、表示部12に表示される画像を参照することでステップSd9の判断を行うことができる。記憶媒体の処理が成功しなかった場合(ステップSd9)、ステップSc7に移行する。
【0061】
一方、記憶媒体の処理が成功した場合(ステップSd9)、ステップSd10に移行し、ステップSd10において、制御部11は処理業務が成立と判断し、次いで、ステップSd11において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させ、ステップSb15に移行する。なお、第1帳票P1は、後でつり銭機2内の現金を調整するのに利用される。
【0062】
図12及び
図1に示すように、一方、預かり金額が収受金額以上ではなかった場合(
図5のステップSa7)、ステップSe1に移行し、ステップSe1において、駅係員は、操作部13にて中断操作を行う。続いて、ステップSe3において、制御部11は処理業務が不成立と判断し、次いで、ステップSe4において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる。
【0063】
その後、ステップSe6において、駅係員は、旅客から受取った記憶媒体を旅客に返却する。続いて、ステップSe7において、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、操作部13にて出金操作を行い、預かり金額の現金をつり銭機2から出金し、預かり金額の現金を旅客に返金し、ステップSb19に移行する。
【0064】
図13及び
図1に示すように、一方、記憶媒体の処理が必要ではない場合(
図5のステップSa2)、ステップSf1に移行し、ステップSf1において、駅係員は、旅客から現金を預かり、その後、ステップSf2において、駅係員は、旅客から預かった現金をつり銭機2に入金する。
【0065】
次いで、ステップSf3において、制御部11は入金時につり銭機2に異常が発生したかどうか判断する。つり銭機2に異常が発生しなかった場合(ステップSf3)、ステップSf4に移行し、ステップSf4において、制御部11は、預かり金額が処理業務のための収受金額以上であるかどうか判断する。駅係員も、表示部12に表示される画像を参照することでステップSf4の判断を行うことができる。預かり金額が収受金額以上である場合(ステップSf4)、ステップSf5に移行し、ステップSf5において、駅係員は、操作部13にて入金完了操作を行う。
【0066】
続いて、ステップSf6に移行し、ステップSf6において、制御部11は、お釣りがあるかどうか判断する。お釣りがない場合(ステップSf6)、ステップSf10に移行する。一方、お釣りがある場合(ステップSf6)、ステップSf7に移行し、ステップSf7において、制御部11は、預かり金額から収受金額を差し引いた金額のお釣りをつり銭機2から出金する。
【0067】
次いで、ステップSf8において、制御部11は出金時につり銭機2に異常が発生したかどうか判断する。つり銭機2に異常が発生しなかった場合(ステップSf8)、ステップSf9に移行し、ステップSf9において、駅係員は、つり銭機2から出金されたお釣りを旅客に返金する。
【0068】
図14及び
図1に示すように、続いて、ステップSf10において、制御部11は、新規に記憶媒体を発行する必要があるかどうか判断する。新規に記憶媒体を発行する必要がない場合(ステップSf10)、ステップSf11に移行し、ステップSf11において、制御部11は、処理業務が成立と判断し、業務処理方法が終了する。
【0069】
一方、新規に記憶媒体を発行する必要がある場合(ステップSf10)、ステップSf13に移行し、ステップSf13において、制御部11は媒体発行部7に記憶媒体を発行させる。その後、ステップSf14において、制御部11は、処理業務が成立と判断し、次いで、ステップSf16において、駅係員は、新規に発行した記憶媒体を旅客に渡す。これにより、業務処理方法が終了する。
【0070】
図15及び
図1に示すように、一方、つり銭機2に異常が発生した場合(
図13のステップSf8)、ステップSg1に移行し、ステップSg1において、制御部11は、つり銭機2を切離す。次いで、ステップSg2において、駅係員は、表示部12に表示される画像を参照しつつ、不足分の現金を駅の予備金から補填し、お釣りを旅客に返金する。
【0071】
続いて、ステップSg3において、制御部11は、新規に記憶媒体を発行する必要があるかどうか判断する。新規に記憶媒体を発行する必要がない場合(ステップSg3)、ステップSg4に移行し、ステップSg4において、制御部11は、処理業務が成立と判断し、次いで、ステップSg5において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させ、ステップSg10に移行する。
【0072】
一方、新規に記憶媒体を発行する必要がある場合(ステップSg3)、ステップSg6に移行し、ステップSg6において、制御部11は媒体発行部7に記憶媒体を発行させる。続いて、ステップSg7において、制御部11は、処理業務が成立と判断し、ステップSg8において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる。そして、ステップSg9において、駅係員は、新規に発行した記憶媒体を旅客に渡し、ステップSg10に移行する。
【0073】
図16及び
図1に示すように、ステップSg10において、制御部11はつり銭機2が復旧したかどうか判断する。つり銭機2が復旧していない場合、制御部11はステップSg10を繰り返し実行する。一方、つり銭機2が復旧した場合(ステップSg10)、ステップSg11に移行し、ステップSg11において、制御部11は、つり銭機2を接続し直す。続いて、ステップSg12において、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金をつり銭機2から出金し、予備金に返却する。又は、ステップSg12において、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金を予備金からつり銭機2に入金する。
【0074】
次いで、ステップSg13において、駅係員は、操作部13にて現金調整完了操作を行い、ステップSg14において、制御部11は、プリンタ部14に第2帳票P2を出力させる。その後、ステップSg15において、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する。駅係員がつり銭機2の残高金額に誤りがなかったかことを確認した場合、業務処理方法は終了する。なお、駅係員がつり銭機2の残高金額に誤りがあったことを確認した場合、駅係員がつり銭機2の残高金額の調整を再度行った後、業務処理方法を終了することができる。
【0075】
図17及び
図1に示すように、一方、つり銭機2に異常が発生した場合(
図13のステップSf3)、ステップSh1に移行し、ステップSh1において、制御部11は、つり銭機2を切離す。
【0076】
次いで、ステップSh2において、制御部11は、預かり金額が処理業務のための収受金額以上であるかどうか判断する。駅係員も、表示部12に表示される画像を参照することでステップSh2の判断を行うことができる。預かり金額が収受金額以上である場合(ステップSh2)、ステップSh5に移行する。
【0077】
一方、預かり金額が収受金額以上ではない場合(ステップSh2)、ステップSh3に移行する。
続いて、ステップSh3において、駅係員は、預かり金額の現金を駅の予備金から補填し、預かり金額の現金を旅客に返金する。次いで、ステップSh4において、駅係員は、収受金額以上の現金を旅客から預かる。その後、ステップSh5において、制御部11は、お釣りがあるかどうか判断する。お釣りがない場合(ステップSh5)、ステップSh7に移行する。一方、お釣りがある場合(ステップSh5)、ステップSh6に移行し、ステップSh6において、制御部11は、預かり金額から収受金額を差し引いた金額のお釣りを駅の予備金から補填し、お釣りを旅客に返金する。次いで、ステップSh7において、駅係員は、手元にある残りの現金を駅の予備金に加え、ステップSg3に移行する。
【0078】
図18及び
図1に示すように、一方、預かり金額が収受金額以上ではなかった場合(
図13のステップSf4)、ステップSi1に移行し、ステップSi1において、駅係員は、操作部13にて中断操作を行う。続いて、ステップSi3において、制御部11は処理業務が不成立と判断し、次いで、ステップSi4において、制御部11は、プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる。その後、ステップSi5において、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、操作部13にて出金操作を行い、預かり金額の現金をつり銭機2から出金し、預かり金額の現金を旅客に返金し、ステップSg13に移行する。
【0079】
次に、駅務機器APを用いて行われる窓口処理業務にて発生し得るいくつかのパターンについて説明する。
図19は、駅務機器APを用いて行われる窓口処理業務にて発生し得るいくつかのパターンを表で示す図である。
【0080】
図19において、「中断」は、処理業務を中止することである。旅客の所持現金が不足していたケースが該当する。
「切離」は、つり銭機2と駅務処理部1の制御部11とを切り離すことである。この場合、処理業務は続行する。つり銭機2への入金時の詰まり又はつり銭機2からの出金時の詰まりでつり銭機2が復旧しないケースが該当する。
「不成立」は、記憶媒体の処理が完了しないことである。つり銭機2の正常/異常は関係ない。媒体処理部5の異常で記憶媒体を処理できないケースが該当する。
「成立」は、記憶媒体の処理が完了したことである。つり銭機2の正常/異常は関係ない。正常に記憶媒体の処理を完了したケースが該当する。
【0081】
図19に示すように、第1-1のパターンPT1-1は、上記業務処理方法において、記憶媒体の処理が必要である(ステップSa2)と判断され、入金時につり銭機2に異常が発生しなかった(ステップSa6)と判断されたが、預かり金額が収受金額以上ではなかった(ステップSa7)と判断された場合に相当している。第1-1のパターンPT1-1では、中断操作が行われ(ステップSe1)、処理業務が不成立と判断され(ステップSe3)、「不成立」と印字された第1帳票P1が出力される(ステップSe4)。
【0082】
その場合、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、つり銭機2から預かり金の現金を出金し、預かり金の現金を旅客に返金する(ステップSe7)。その後、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する(ステップSb21)。その後、業務処理方法が、再度、開始される。
【0083】
第1-2のパターンPT1-2は、上記業務処理方法において、記憶媒体の処理が必要である(ステップSa2)と判断され、入金時につり銭機2に異常が発生した(ステップSa6)と判断され、つり銭機2が切離され(ステップSd1)、預かり金額(つり銭機2に入金した金額)が収受金額以上ではなかった(ステップSd2)と判断された場合に相当している。第1-2のパターンPT1-2では、記憶媒体の処理が失敗であり(ステップSd9)、新規に記憶媒体を発行する必要がない(ステップSc7)ため、処理業務が不成立と判断され(ステップSc8)、「不成立」と印字された第1帳票P1が出力される(ステップSc9)。
【0084】
その場合、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金を駅の予備金からつり銭機2に入金する(ステップSb18)。その後、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する(ステップSb21)。
【0085】
第2のパターンPT2は、上記業務処理方法において、記憶媒体の処理が必要ではない(ステップSa2)と判断され、入金時につり銭機2に異常が発生した(ステップSf3)と判断され、つり銭機2が切離され(ステップSh1)、預かり金額が収受金額以上ではなかった(ステップSh2)と判断され、返金後、収受金額以上の金額を預かり(ステップSh4)、新規に記憶媒体を発行する必要がない(ステップSg3)と判断された場合に相当している。第2のパターンPT2では、処理業務が成立と判断され(ステップSg4)、「成立」と印字された第1帳票P1が出力される(ステップSg5)。
【0086】
その場合、つり銭機2が復旧した後(ステップSg10)、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金を駅の予備金からつり銭機2に入金する(ステップSg12)。その後、第2帳票P2が出力され(ステップSg14)、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する(ステップSg15)。
【0087】
第3のパターンPT3は、上記業務処理方法において、記憶媒体の処理が必要である(ステップSa2)と判断され、入金時につり銭機2に異常が発生しなかった(ステップSa6)と判断され、預かり金額が収受金額以上であった(ステップSa7)と判断され、お釣りがある(ステップSa9)と判断され、出金時につり銭機2に異常が発生した(ステップSa11)と判断され、つり銭機2が切離され(ステップSc1)、記憶媒体の処理が成功しなかった(ステップSc4)と判断され、新規に記憶媒体を発行する必要がない(ステップSc7)と判断された場合に相当している。
【0088】
その場合、お釣りは駅の予備金を用いて旅客に返金される(ステップSc2)。記憶媒体の処理が失敗であり、新規に記憶媒体を発行する必要がないため、処理業務は不成立と判断され(ステップSc8)、「不成立」と印字された第1帳票P1が出力される(ステップSc9)。収受金額の現金は駅の予備金を用いて旅客に返金される(ステップSc10)。
【0089】
つり銭機2が復旧した後(ステップSb16)、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金をつり銭機2から出金し、駅の予備金に返金する(ステップSb18)。その後、第2帳票P2が出力され(ステップSb20)、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する(ステップSb21)。その後、業務処理方法が、再度、開始される。
【0090】
第4のパターンPT4は、上記業務処理方法において、記憶媒体の処理が必要である(ステップSa2)と判断され、入金時につり銭機2に異常が発生しなかった(ステップSa6)と判断され、預かり金額が収受金額以上であった(ステップSa7)と判断され、お釣りがある(ステップSa9)と判断され、出金時につり銭機2に異常が発生した(ステップSa11)と判断され、つり銭機2が切離され(ステップSc1)、記憶媒体の処理が成功した(ステップSc4)と判断された場合に相当している。
【0091】
その場合、お釣りは駅の予備金を用いて旅客に返金される(ステップSc2)。記憶媒体の処理が成功のため、処理業務は成立と判断され(ステップSc5)、「成立」と印字された第1帳票P1が出力される(ステップSc6)。
【0092】
つり銭機2が復旧した後(ステップSb16)、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、不足分の現金をつり銭機2から出金し、駅の予備金に返金する(ステップSb18)。その後、第2帳票P2が出力され(ステップSb20)、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する(ステップSb21)。
【0093】
第5のパターンPT5は、上記業務処理方法において、記憶媒体の処理が必要である(ステップSa2)と判断され、入金時につり銭機2に異常が発生しなかった(ステップSa6)と判断され、預かり金額が収受金額以上であった(ステップSa7)と判断され、お釣りがない(ステップSa9)と判断され、記憶媒体の処理が失敗した(ステップSa14)と判断され、新規に記憶媒体を発行する必要がない(ステップSb1)と判断され、出金時につり銭機2に異常が発生しなかった(ステップSb9)と判断された場合に相当している。
【0094】
その場合、記憶媒体の処理が失敗であり、新規に記憶媒体を発行する必要がないため、処理業務は不成立と判断され(ステップSb6)、「不成立」と印字された第1帳票P1が出力される(ステップSb7)。また、駅係員の判断にて、収受金額の現金をつり銭機2から出金したため、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額を確認する(ステップSb21)。
【0095】
第6のパターンPT6は、上記業務処理方法において、記憶媒体の処理が必要である(ステップSa2)と判断され、入金時につり銭機2に異常が発生しなかった(ステップSa6)と判断され、預かり金額が収受金額以上であった(ステップSa7)と判断され、お釣りがない(ステップSa9)と判断され、記憶媒体の処理が成功した(ステップSa14)と判断された場合に相当している。
【0096】
その場合、中断操作が行われることは無く、つり銭機2が切離されることも無く、記憶媒体の処理が失敗することも無いため、第1帳票P1が出力されることはない。また、駅係員の判断による入出金操作も必要ないため、第2帳票P2が出力されることもない。
【0097】
図20は、駅務機器APを用いて行われる窓口処理業務にて発生し得るいくつかのパターンの具体例を表で示す図である。
図20において、「詳細」は、各業務の操作内容の詳細である。
「現金収受金額」は、記憶媒体を処理するために必要となる金額である。
「預かり金額」は、入金計数できた(つり銭機2に入金できた)合計金額である。
「お釣り」は、つり銭金額である。
「出金済金額」は、つり銭機2から出金計測できた合計金額である。
「集計結果」は、記憶媒体の処理が完了したら成立、そうでないなら不成立とする。但し、記憶媒体の処理が必要ない場合、業務実行操作で成立とする場合もある。
「係員の入出金対応→その後の操作」は、駅係員が旅客に対して行う返金処理内容である。
【0098】
図20に示すように、第1-1のパターンPT1-1において、預かり金額の100円が収受金額の1500円以上ではなく、つり銭機2に異常の発生がなかったため、中断操作が行われ、処理業務が不成立と判断され、預かり金額の100円が旅客に返金される。
【0099】
第1-2のパターンPT1-2において、100円を入金した後につり銭機2に異常が発生している。記憶媒体の処理に失敗したため、処理業務は不成立と判断されている。駅係員は、預かり金額の100円を、予備金から補填し、旅客に返金する。
【0100】
第2のパターンPT2において、預かり金額が収受金額の1500円以上になる前に、入金時につり銭機2に異常が発生している。記憶媒体の処理が必要ではないため、処理業務は成立と判断されている。預かり金額の100円は旅客に返金され、駅係員は、再度、収受金額の1500円を旅客から受け取る。
【0101】
第3のパターンPT3において、預かり金額の2000円が収受金額の1500円以上であるが、出金時に100円を出金済みの状態でつり銭機2に異常が発生している。記憶媒体の処理に失敗したため、処理業務は不成立と判断され、駅係員は、400円を駅の予備金から補填し、お釣りの500円を旅客に返金する。さらに、駅係員は、収受金額の1500円を、予備金から補填し、旅客に返金する。
【0102】
第4のパターンPT4において、預かり金額の2000円が収受金額の1500円以上であるが、出金時に100円を出金済みの状態でつり銭機2に異常が発生している。預かり金額が収受金額以上であるが、記憶媒体の処理に成功したため、処理業務は成立と判断される。駅係員は、400円を駅の予備金から補填し、お釣りの500円を旅客に返金する。
【0103】
第5のパターンPT5において、預かり金額の1500円が収受金額の1500円と同額であるが、記憶媒体の処理に失敗したため、処理業務は不成立と判断される。預かり金額の1500円をつり銭機2から出金し、駅係員は、預かり金額の1500円を旅客に返金する。
第6のパターンPT6において、預かり金額の1500円が収受金額の1500円と同額であり、記憶媒体の処理に成功したため、処理業務は成立と判断される。
【0104】
上記のように構成された一実施形態によれば、駅務機器APは、駅務処理部1と、つり銭機2と、を備えている。上述した現金後入れ方式の業務処理の場合、駅係員が収受金額以上の現金を預かっていればその前段階の業務が必ず成功している。これに対し、現金先入れ方式の業務処理の場合、駅係員が収受金額以上の現金を預かったとしても、処理業務が不成立となり得る場合がある。処理業務が不成立となる場合、駅係員は、預かった現金を一旦旅客に返金し、処理業務を再度開始する必要がある。本実施形態の技術を用いない場合、処理業務が成立したかどうかの判断、旅客に返金する金額の計算等について、駅係員の運用に依存することになってしまう。しかも、駅係員は、複数の情報を統合して判断、計算等を行うため、間違いを引き起こし易くなる。
【0105】
そこで、本実施形態の技術を用いることで、駅務を補助することのできる駅務機器AP、駅務機器APに適用される業務処理方法、及び駅務機器APのコンピュータに実行させるためのプログラムが得られるものである。駅務処理部1は、処理業務の第1情報の入力が行われる操作部13と、プリンタ部14と、制御部11と、を有している。つり銭機2は、駅務処理部1の制御部11に接続され、駅務処理部1において現金の入金及び出金が行われる。
【0106】
プログラムは、第1取得手順と、第2取得手順と、第1判断手順と、業務中出力手順と、をコンピュータに実行させることができる。第1取得手順は、操作部13に入力される第1情報及びつり銭機2で行われる入金の第2情報を取得する手順である。第2取得手順は、第1情報及び第2情報に基づいて、つり銭機2で行われる出金の第3情報を取得する手順である。第1判断手順は、第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいて、処理業務を正常に行えたかどうかの第1判断を行う手順である。業務中出力手順は、第1判断にて処理業務を正常に行えなかったと判断した場合、プリンタ部14に、処理業務のために収受する収受金額(情報I1)と、つり銭機2で処理業務のために行われた入金及び出金の金額(情報I2)と、返金が必要なお釣りの金額(情報I3)と、を含む第4情報Iaが印字された第1帳票P1を出力させる手順である。
【0107】
駅係員は、旅客対応中(業務中)に第1帳票P1をみながら処理業務を確認することができる。第1帳票P1は、駅係員の判断を容易にすることができる。特に、つり銭機2が復旧した後に、駅係員は、第1帳票P1に基づいて、駅の予備金からつり銭機2に入金したり、つり銭機2から出金した現金を駅の予備金に返却したりすることができる。第1帳票P1により駅係員は間違いを引き起こし難くなるため、第1帳票P1はつり銭機の残高金額の調整に寄与することができる。
【0108】
例えば、第1判断にてつり銭機2に異常が発生したと判断した場合、処理業務を正常に行えなかったと判断することができる。
又は、つり銭機2で入金が行われている際につり銭機2への入金の中断を示す第6情報を操作部13から取得した場合、処理業務を正常に行えなかったと判断することができる。
さらに、第4情報Iaが印字された第1帳票P1は、つり銭機2で行った入出金の証拠となるため、不正防止にも寄与することができる。
【0109】
プログラムは、切り離し手順と、第2判断手順と、接続し直し手順と、単独出力手順と、をコンピュータにさらに実行させることができる。切り離し手順は、第1判断にてつり銭機2に異常が発生したと判断した場合、つり銭機2を切り離す手順である。第2判断手順は、つり銭機2を切り離した後につり銭機2が復旧したかどうかの第2判断を行う手順である。接続し直し手順は、第2判断にてつり銭機2が復旧したと判断した場合、復旧したつり銭機2を接続し直す手順である。単独出力手順は、つり銭機2を接続し直した後に、プリンタ部14に、つり銭機2に入っているべき現金の残高金額を含む第5情報Ibが印字された第2帳票P2を出力させる手順である。
【0110】
そのため、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額があっているのかどうかを確認することができる。
例えば、制御部11は、つり銭機2を接続し直した後につり銭機2の残高金額の調整のためにつり銭機2で入金及び出金の少なくとも一方が行われたことを検知した場合、つり銭機2の残高金額の調整が行われた後に、プリンタ部14に第2帳票P2を出力させることができる。これにより、駅係員は、第2帳票P2に基づいて、つり銭機2の残高金額の妥当性及び整合性を確認することができる。
【0111】
プログラムは、第3判断手順をコンピュータにさらに実行させることができる。第3判断手順は、第1情報、第2情報、及び第3情報に基づいて、処理業務が成立であったか不成立であったかの第3判断を行う手順である。プリンタ部14に第1帳票P1を出力させる際に、処理業務が成立であったか不成立であったか(情報I4)を第4情報Iaにさらに含めることができる。これにより、駅係員は、第1帳票P1に基づいて処理業務が成立であったか不成立であったかを確認することができる。
【0112】
駅務処理部1は、記憶媒体を処理する媒体処理部5をさらに有している。プログラムは、第4判断手順と、第3取得手順と、をコンピュータにさらに実行させることができる。第4判断手順は、第1情報から記憶媒体の処理が必要であるのかどうかの第4判断を行う手順である。第3取得手順は、第4判断にて記憶媒体の処理が必要であると判断した場合、第3情報を取得した後に記憶媒体を処理させるために媒体処理部5を操作し、媒体処理部5から記憶媒体の処理に関する第7情報を取得する手順である。第1判断を行う際に、さらに第7情報に基づいて、処理業務を正常に行えたかどうかを判断することができる。例えば、記憶媒体の処理に失敗した場合、処理業務を正常に行えなかったと判断することができる。
【0113】
その場合、第3判断を行う際に、さらに第4情報に基づいて行うことができ、第4情報を考慮して処理業務が成立であったか不成立であったか(情報I4)を第4情報Iaにさらに含めることができる。
【0114】
本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
AP…駅務機器、1…駅務処理部、2…つり銭機、5…媒体処理部、7…媒体発行部、
11…制御部、12…表示部、13…操作部、14…プリンタ部、
15…磁気カード処理部、16…ICカード処理部、17…ICカード発行部、
18…磁気券発券部、21…紙幣つり銭機、22…硬貨つり銭機、P1…第1帳票、
Ia…第4情報、P2…第2帳票、Ib…第5情報。