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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134252
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】照明灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20240926BHJP
   F21V 21/116 20060101ALI20240926BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20240926BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20240926BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240926BHJP
【FI】
F21S8/08 300
F21S8/08 112
F21S8/08 200
F21V21/116
F21V21/00 110
F21V21/00 130
F21V21/30 310
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044458
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 政宏
(72)【発明者】
【氏名】細谷 浩二
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発光部を収容する筐体の姿勢の変更を容易に行うことができる照明灯を提供する。
【解決手段】照明灯は、発光部50と、発光部50を収容する筐体20と、支持部材100と、制限部材200と、を備える。支持部材100は、支柱が挿入される筒体150を有し、かつ、筐体20を、Y軸方向に延びる揺動軸P周りに揺動可能に支持する。制限部材200は、筐体20に保持され、かつ、筐体20の支持部材100に対する揺動を制限する。支持部材100は、第一係合部110を有し、制限部材200は、第二係合部を有する。第一係合部110と第二係合部とは、Y軸方向で対向して配置され、かつ、互いに係合する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
前記発光部を収容する筐体と、
支柱が挿入される筒体を有し、かつ、前記筐体を、第一方向に延びる軸周りに揺動可能に支持する支持部材と、
前記筐体に保持され、かつ、前記筐体の前記支持部材に対する揺動を制限する制限部材と、を備え、
前記支持部材は、第一係合部を有し、
前記制限部材は、第二係合部を有し、
前記第一係合部と前記第二係合部とは、前記第一方向で対向して配置され、かつ、互いに係合する、
照明灯。
【請求項2】
前記第一係合部及び前記第二係合部の一方は、他方に向けて突出する凸部を有し、
前記第一係合部及び前記第二係合部の前記他方は、前記凸部が挿入可能な複数の凹部を有する、
請求項1記載の照明灯。
【請求項3】
さらに、ボルトを備え、
前記筐体は、第一壁部を有し、
前記第一壁部は、前記ボルトが、前記第一方向と直交する第二方向に貫通する第一貫通孔を有し、
前記制限部材は、前記第一貫通孔を貫通して配置された前記ボルトがねじ入れられるネジ穴を有する、
請求項1または2記載の照明灯。
【請求項4】
前記支持部材は、前記筒体から前記第一方向に突出する突出部であって、前記第一壁部と前記制限部材との間に配置される突出部を有する、
請求項3記載の照明灯。
【請求項5】
前記突出部は、前記第一貫通孔を貫通して配置された前記ボルトが貫通する第二貫通孔であって、前記筐体の前記支持部材に対する揺動方向に沿って延びる第二貫通孔を有する、
請求項4記載の照明灯。
【請求項6】
さらに、前記ボルトの頭部と、前記第一壁部における前記第一貫通孔の周縁部との間に配置され、かつ、前記頭部を前記周縁部から離れる方向に付勢する付勢部材を備える、
請求項3記載の照明灯。
【請求項7】
前記筐体は、前記第一方向で前記制限部材と対向する第二壁部を有し、
前記制限部材は、前記第一方向で、前記第二壁部と前記第一係合部との間に位置する、
請求項1または2記載の照明灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、支柱の先端部に取り付けられる支持部材と、支持部材に支持される器具本体と、を有し、支持部材を器具本体に収めた照明器具が開示されている。この照明器具において、支持部材は、器具本体の内面に固定される固定片を備え、器具本体の内の後部には、固定片がスライド移動する係合面が設けられる。固定片、及び係合面が共に器具本体の外側に凸形状の円弧状である。固定片の凸状の面には、クランプ側凹凸部が設けられ、係合面の凹状の面には、クランプ側凹凸部が歯合する本体側凹凸部が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-137045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の照明器具では、クランプ側凹凸部及び本体側凹凸部は互いに歯合する。そしてクランプ側凹凸部と本体側凹凸部との歯合位置を変更することで、器具本体の取付角度が調整される。このように構成された照明器具では、クランプ側凹凸部の上に本体側凹凸部が重ねられる。従って、クランプ側凹凸部と本体側凹凸部との歯合状態に器具本体の質量が大きく関与する。このことは、器具本体の取付角度の調整を困難にする要因となる。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、発光部を収容する筐体の姿勢の変更を容易に行うことができる照明灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明灯は、発光部と、前記発光部を収容する筐体と、支柱が挿入される筒体を有し、かつ、前記筐体を、第一方向に延びる軸周りに揺動可能に支持する支持部材と、前記筐体に保持され、かつ、前記筐体の前記支持部材に対する揺動を制限する制限部材と、を備え、前記支持部材は、第一係合部を有し、前記制限部材は、第二係合部を有し、前記第一係合部と前記第二係合部とは、前記第一方向で対向して配置され、かつ、互いに係合する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明灯によれば、発光部を収容する筐体の姿勢の変更を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る照明灯を備える照明柱の外観を示す概念図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明灯を斜め下から見た場合の斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る照明灯の内部構成を示す第1の斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る照明灯の第1の分解斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係る照明灯の断面図である。
図6図6は、実施の形態に係る支持部材及びその周辺の構成を示す平面図である。
図7A図7Aは、実施の形態に係る支持部材に対する制限部材の位置の一例を示す斜視図である。
図7B図7Bは、図7Aに対応する筐体の姿勢を示す側面図である。
図8A】実施の形態に係る支持部材に対する制限部材の位置の他の一例を示す斜視図である。
図8B図8Bは、図8Aに対応する筐体の姿勢を示す側面図である。
図9図9は、実施の形態に係る照明灯とアーム型の支柱とを備える照明柱の外観を示す概念図である。
図10図10は、実施の形態に係る照明灯の内部構成を示す第2の斜視図である。
図11図11は、実施の形態に係る照明灯の第2の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本発明の一態様に係る照明灯は、発光部と、前記発光部を収容する筐体と、支柱が挿入される筒体を有し、かつ、前記筐体を、第一方向に延びる軸周りに揺動可能に支持する支持部材と、前記筐体に保持され、かつ、前記筐体の前記支持部材に対する揺動を制限する制限部材と、を備え、前記支持部材は、第一係合部を有し、前記制限部材は、第二係合部を有し、前記第一係合部と前記第二係合部とは、前記第一方向で対向して配置され、かつ、互いに係合する。
【0010】
この構成によれば、支持部材の第一係合部と制限部材の第二係合部とが第一方向(支持部材に対する筐体の揺動の中心軸(揺動軸)が延びる方向)で対向して配置され、かつ、第一係合部と第二係合部とは互いに係合する。これにより、筐体の揺動が制限され、その結果、支持部材に対する筐体の姿勢が安定的に維持される。従って、第一係合部と第二係合部との係合状態に、発光部を収容している筐体の質量の影響を与え難い。その結果、例えば、照明灯が支柱に取り付けられた状態で、筐体の姿勢の変更のための作業(第一係合部と第二係合部との係合の解除等)を行うことが容易になる。このように、本態様の照明灯は、発光部を収容する筐体の姿勢の変更が容易である。なお、「筐体の姿勢の変更」は、「筐体の姿勢の調整」と言い換えることもできる。
【0011】
(2)上記(1)に記載の照明灯において、前記第一係合部及び前記第二係合部の一方は、他方に向けて突出する凸部を有し、前記第一係合部及び前記第二係合部の前記他方は、前記凸部が挿入可能な複数の凹部を有する、としてもよい。
【0012】
この構成によれば、第一係合部及び第二係合部の一方に少なくとも1つの凸部を持たせ、他方に複数の凹部を持たせる、という簡易な構成で、筐体の姿勢の変更が実現される。
【0013】
(3)上記(1)または(2)に記載の照明灯は、さらに、ボルトを備え、前記筐体は、第一壁部を有し、前記第一壁部は、前記ボルトが、前記第一方向と直交する第二方向に貫通する第一貫通孔を有し、前記制限部材は、前記第一貫通孔を貫通して配置された前記ボルトがねじ入れられるネジ穴を有する、としてもよい。
【0014】
この構成によれば、筐体の外側から、制限部材の固定及びその固定の解除のための作業である、ボルトを締めること及び緩めることができる。これにより、筐体の姿勢の変更がさらに容易化される。
【0015】
(4)上記(3)に記載の照明灯において、前記支持部材は、前記筒体から前記第一方向に突出する突出部であって、前記第一壁部と前記制限部材との間に配置される突出部を有する、としてもよい。
【0016】
この構成によれば、ボルトを締めることで制限部材を筐体に固定でき、かつ、制限部材と第一壁部との間に、支持部材の突出部を挟み込むことができる。つまり、制限部材は、支持部材の姿勢を安定的に維持することができ、かつ、支持部材及び筐体の一方に対する他方の固定の役割を担うことができる。
【0017】
(5)上記(4)に記載の照明灯において、前記突出部は、前記第一貫通孔を貫通して配置された前記ボルトが貫通する第二貫通孔であって、前記筐体の前記支持部材に対する揺動方向に沿って延びる第二貫通孔を有する、としてもよい。
【0018】
この構成によれば、筐体の姿勢の変更の際に筐体を支持部材に対して揺動させる場合、ボルトが挿入された第二貫通孔によってガイドされながら支持部材を揺動させることができる。これにより筐体の姿勢の変更をより効率よく行うことができる。
【0019】
(6)上記(3)~(5)のいずれかひとつに記載の照明灯は、さらに、前記ボルトの頭部と、前記第一壁部における前記第一貫通孔の周縁部との間に配置され、かつ、前記頭部を前記周縁部から離れる方向に付勢する付勢部材を備える、としてもよい。
【0020】
この構成によれば、ボルトを緩めただけでは第一係合部と第二係合部との係合が解除されず、頭部を筐体に向けて押すことで当該係合が解除される。このことは、筐体の姿勢の変更のさらなる容易化に寄与する。
【0021】
(7)上記(1)~(6)のいずれかひとつに記載の照明灯において、前記筐体は、前記第一方向で前記制限部材と対向する第二壁部を有し、前記制限部材は、前記第一方向で、前記第二壁部と前記第一係合部との間に位置する、としてもよい。
【0022】
この構成によれば、ボルトを締める若しくは緩める際、または、照明灯の使用時において、制限部材のボルトを中心とする回転が抑制される。これにより、第一係合部と第二係合部との係合が良好に維持される。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る照明灯について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0024】
以下の説明及び図面中において、照明灯の前後方向をX軸方向と定義する。照明灯の左右方向をY軸方向と定義する。照明灯の上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0025】
以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。単に「X軸方向」という場合は、X軸に平行な双方向またはいずれか一方の方向を意味する。Y軸及びZ軸に関する用語についても同様である。
【0026】
さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0027】
(実施の形態)
[1.照明柱1について]
図1は、実施の形態に係る照明灯10を備える照明柱1の外観を示す概念図である。図1に示すように、照明柱1は、地面等から立設する支柱4と、支柱4の最上部に設けられ、かつ、照明のための光を発する照明灯10と、を備えている。支柱4は、地面等から上方に延びる支柱本体2と、支柱本体2及び照明灯10を接続する接続部3とを備える。
【0028】
本実施の形態では、照明灯10は、光源にLED(Light Emitting Diode)を用いて道路を照らすLED照明灯であり、支柱4によって支持されている。商用電源等の電力系統に電気的に接続された電線が、支柱4内に通されて、照明灯10に電気的に接続されることで、照明灯10に電力が供給される。照明灯10は、支柱4を介して地面に据え付けられるのではなく、構造物に取り付けられるように構成されていてもよい。また、照明灯10の設置場所は、道路(歩道及び車道)脇には限定されず、例えば、公園等の広場内、工場の敷地内、またはガソリンスタンドのサービスステーション内等、どのような場所にでも設置可能である。
【0029】
[2.照明灯10について]
図2は、実施の形態に係る照明灯10を斜め下から見た場合の斜視図である。図2では、筐体20の本体部30から透光性カバー60を取り外された状態が図示されている。図3は、実施の形態に係る照明灯10の内部構成を示す第1の斜視図である。図3では、筐体20のカバー部40が開けられた状態が図示されている。図3では、支柱4における接続部3の一部のみが図示されており、支柱4の他の部分の図示は省略されている。このことは、後述する図4図5図7A、及び図8Aについても同じである。図4は、実施の形態に係る照明灯10の第1の分解斜視図である。図5は、実施の形態に係る照明灯10の断面図である。図5では、図2のV-V線を通るXZ平面における照明灯10の断面が図示されている。図6は、実施の形態に係る支持部材100及びその周辺の構成を示す平面図である。図4及び図6では、カバー部40及び端子台90(図3参照)の図示は省略されている。筐体20には、図2図6に示される各部材の他に、カバー部40の開状態を維持するためのストッパー、及び、発光部50に接続される電気回路及び配線類等の、他の部材も収容され得るが、これら他の部材の図示及び説明は省略する。
【0030】
図2図6に示すように、照明灯10は、筐体20と、筐体20に収容された発光部50と、筐体20を揺動可能に支持する支持部材100と、筐体20に保持された制限部材200とを備えている。
【0031】
[2-1.筐体20について]
筐体20は、上方が開放された本体部30と、本体部30の上方に配置されて、本体部30の開放部分を開閉するカバー部40とを備えている。本体部30及びカバー部40のそれぞれは、例えば、アルミニウム合金、鋼板、または、ステンレス鋼板等の金属で形成されている。本体部30及びカバー部40を形成する材料に特に限定はなく、当該材料として樹脂が採用されてもよい。
【0032】
本体部30は、上方が開放した略箱状に形成されており、発光部50及び支持部材100が収容される。具体的には、本体部30の後端部(X軸マイナス方向の部分)に支持部材100が配置され、本体部30の、支持部材100よりも前方(X軸プラス方向)の部分に、発光部50が配置される。本体部30において、支持部材100が配置された空間と、発光部50が配置された空間との間には、これら空間を仕切る仕切壁39が設けられている。
【0033】
本体部30には、発光部50が発する光を外部に放出するための照明用開口部30a(図2参照)が設けられている。照明用開口部30aは、透光性を有する透光性カバー60によって塞がれており、発光部50が発した光は、透光性カバー60を透過して筐体20の外部に放出される。透光性カバー60は、本体部30と別部材でなくてもよい。本体部30の一部に、他の部分よりも光透過性が高い部分である透光部を設けることで、透光部に、透光性カバー60と同じ機能を持たせてもよい。
【0034】
カバー部40は、本体部30に収容された発光部50及び支持部材100を覆う開閉式の蓋体である。カバー部40は、X軸マイナス方向の端部が、ヒンジを介して本体部30に連結されている。これにより、カバー部40は、X軸マイナス方向の端部を中心に、Y軸周りに回動可能である。カバー部40は、下方が開放された箱状に形成されており、閉塞時においてカバー部40の下端周縁が全周にわたって本体部30の上端周縁に対して重なり合う。カバー部40の下端周縁と本体部30の上端周縁との間には、密閉性を高めるべく、全周にわたってガスケットが介在していてもよい。
【0035】
筐体20の本体部30は、支持部材100の筒体150の少なくとも一部を露出させるための開口部31(図4参照)を有している。筐体20に支持部材100が配置された場合、筒体150の、支柱4の挿入用の開口が設けられた端部が、開口部31から露出する。本実施の形態では、支持部材100の、本体部30に対する取り付け角度(すなわち、支持部材100に対する筐体20の姿勢)が変更可能である。そのため、開口部31は、比較的に大きいサイズに形成されている。そこで、本実施の形態では、開口部31における筒体150以外の部分を塞ぐように、例えば金属薄板で形成されたカバーシート80が配置されている(図4及び図5参照)。カバーシート80は、筒体150の当該端部が貫通するシート開口部81を有している。カバーシート80の外側面(X軸マイナス方向の面)には、筐体20の揺動方向に並ぶ目盛り(図示せず)が設けられている。筐体20の一部と当該目盛りとを比較することで、揺動可能に支持された筐体20の、支持部材100に対するおおよその角度が目視可能である。支持部材100の詳細について後述する。
【0036】
[2-2.発光部50について]
図5に示すように、発光部50は、基体51と、基体51に配置された複数の発光素子52と、複数の発光素子52を覆う光源カバー55とを備えている。基体51は、例えば、複数の発光素子52が実装されたプリント基板と、プリント基板の裏面(Z軸プラス方向の面)に配置された金属製の放熱板とを有する。
【0037】
発光素子52は、本実施の形態ではLEDである。発光素子52として採用されるLEDは、SMD(Surface Mount Device)型のLEDであってもよいし、COB(Chip On Board)型のLEDであってもよい。複数の発光素子52を覆う光源カバー55は、複数の発光素子52のそれぞれに対応して設けられたレンズを有している。光源カバー55は、透光性を有する樹脂またはガラス等の材料から形成されており、各発光素子52が発する光を、放射状に拡散するように配光する。
【0038】
このように構成された発光部50は、図示しない電線等によって端子台90(図3参照)と電気的に接続されている。端子台90は、外部から受けた電力を発光部50に供給する。発光部50は、端子台90を介して受け取る電力によって発光する。具体的には、発光部50は、端子台90から供給された交流電力を複数の発光素子52の発光に適した直流電力に変換する電源回路(図示せず)を備えている。電源回路は照明灯10の外部に配置されてもよい。
【0039】
[2-3.支持部材100及び制限部材200について]
支持部材100は、筐体20を揺動可能に支持することができる部材である。支持部材100が支柱4に固定されることで、照明灯10が支柱4に取り付けられる。図3図6に示すように、支持部材100は、支柱4が挿入される筒体150を有している。具体的には、支柱4の接続部3の先端部が筒体150に挿入され、例えば複数のボルトによって当該先端部が筒体150に固定される。
【0040】
図4及び図5に示すように、支持部材100は、筒体150からY軸方向に突出する突出部120を有している。本実施の形態では、筒体150のY軸方向の両側のそれぞれに突出部120が設けられている。突出部120は、図4及び図5に示すように、Y軸方向から見た場合に円弧状の形状を有しており、筐体20は、同じくY軸方向から見た場合に円弧状の第一壁部32を有している。
【0041】
より具体的には、図5に示すように、突出部120の、第一壁部32と対向する面は、おおよそ半径Rの円弧状に形成されており、第一壁部32の突出部120と対向する面は、同じくおおよそ半径Rの円弧状に形成されている。このように構成された突出部120及び第一壁部32において、第一壁部32は、突出部120の円弧状の面に沿いながら当該円弧の周方向に移動可能である。つまり、筐体20は、支柱4に固定された支持部材100に対し、仮想軸である揺動軸P(図4及び図5参照)を中心に揺動可能である。揺動軸Pは、第一方向に延びる軸の一例であり、本実施の形態ではY軸方向に延びる仮想軸である。簡単に言うと、筐体20は、揺動軸Pを中心に揺動することで、筐体20の上下方向の傾きの変更(すなわち筐体20の姿勢の変更)が可能である。また、突出部120が「軸部」であり、第一壁部32が軸部を支持する「軸受」である、とも説明できる。また、突出部120及び第一壁部32のそれぞれは、突出部120及び第一壁部32の一方に対する他方の揺動をガイドする、とも説明できる。図5では、筐体20の揺動方向Sが白抜きの矢印で模式的に表されている。
【0042】
本実施の形態に係る照明灯10は、このように、筐体20の支持部材100に対する姿勢の変更が可能であり、かつ、筐体20の変更後の姿勢を固定するための制限部材200を備えている。本実施の形態では、制限部材200は、支持部材100の筒体150と、本体部30が有する第二壁部38との間に配置されている。より具体的には、図4及び図6に示すように、支持部材100の筒体150のY軸方向の両側であって、かつ、第一係合部110と対向する位置のそれぞれに制限部材200が配置されており、これら2つの制限部材200の構成及び機能は共通する。そのため、以下では、主として、筒体150のY軸マイナス方向に配置された制限部材200及びその周辺の構成について説明する。
【0043】
本実施の形態では、例えば図6に示すように、支持部材100が有する第一係合部110に、制限部材200が有する第二係合部210が係合する。これにより、筐体20の揺動が制限される。より詳細には、第一係合部110と第二係合部210とは、揺動軸Pの延びる方向であるY軸方向で対向して配置されている。
【0044】
図4及び図5に示すように、第二係合部210を有する制限部材200は、ボルト250によって本体部30に固定される。ボルト250は、外周面にネジ山が形成された軸体252と、軸体252よりも外径が大きい頭部251とを有する。筐体20の第一壁部32には、ボルト250が貫通する第一貫通孔35(図5参照)が形成されている。具体的には、ボルト250は、軸体252が、第一貫通孔35を揺動軸Pと直交する方向に貫通した状態で配置される。揺動軸Pと直交する方向は、第一方向と直交する第二方向の一例である。ボルト250の軸体252はさらに、突出部120が有する第二貫通孔125(図4及び図5参照)を貫通し、制限部材200が有するネジ穴205にねじ入れられる。これにより、制限部材200が突出部120を挟みこんだ状態となる。つまり、本実施の形態では、ネジ穴205は、軸体252のネジ山と螺合するネジ溝を内周面に有している。そのため、制限部材200は、ボルト250と螺合するナットとしての機能も有している。このとき、第一係合部110と第二係合部210とは互いに係合した状態である。突出部120が有する第二貫通孔125は、筐体20の揺動方向Sに沿って延びて設けられている。従って、第二貫通孔125に挿入された状態の軸体252は、突出部120に対して揺動方向Sに移動可能である。
【0045】
より具体的には、第一係合部110は、複数の凹部112を有する。制限部材200は、ネジ穴205が形成された制限本体部201と、制限本体部201からY軸方向に突出する凸部211とを有する。本実施の形態では、この凸部211によって、第二係合部210が形成されている。第二係合部210の凸部211は、第一係合部110の凹部112に対し、Y軸方向に挿入される。これにより、第二係合部210を有する制限部材200は、揺動方向Sの移動が制限される。すなわち、制限部材200とボルト250によって連結されている筐体20の揺動が制限され、これにより、筐体20の姿勢が維持される。この状態で、第一係合部110と第二係合部210との係合が解除された場合、ボルト250の軸体252は、揺動方向Sに沿って延びる第二貫通孔125に沿って移動が可能となる。つまり、筐体20の、支持部材100に対する、揺動軸P周りの揺動が可能となる。すなわち、筐体20の姿勢の変更が可能となる。
【0046】
なお、本実施の形態では、図4に示すように、第一係合部110と係合する2つの制限部材200に加えて、第一係合部110と係合しない2つの制限部材200が、支持部材100に対して配置される。具体的には、図5に示すように、筐体20の第一壁部32において、揺動方向Sで離間した位置に2つの第一貫通孔35が設けられている。つまり、本体部30は、合計で4つの第一貫通孔35を有している。これらのうちの、X軸マイナス方向の第一貫通孔35を貫通するボルト250は制限部材200と螺合し、かつ、当該制限部材200とY軸方向で対向する位置には第一係合部110は配置されていない。さらに、図4及び図5に示すように、突出部120は、揺動方向Sで第二貫通孔125と離間した位置に、第三貫通孔126を有している。第三貫通孔126は、第二貫通孔125と同じく、揺動方向Sに延びて設けられている。従って、筐体20の姿勢が変更された場合であっても、第三貫通孔126を貫通して配置されたボルト250の軸体252に制限部材200を螺合させることができる。すなわち、当該ボルト250は、突出部120と筐体20の第一壁部32とをこれらの重なり方向で締結するナットとして機能する。このように、第一係合部110と係合しない2つの制限部材200は、突出部120を、筐体20の第一壁部32に向けて押さえることができる。これにより、当該2つの制限部材200は、筐体20の姿勢をより安定的に維持する部材として機能する。
【0047】
本実施の形態では、ボルト250の頭部251と、第一壁部32における第一貫通孔35の周縁部との間には、頭部251を当該周縁部から離れる方向に付勢する付勢部材290が配置されている(図4及び図5参照)。例えば圧縮コイルバネが、付勢部材290として採用される。このように付勢部材290が配置されていることで、ボルト250を緩めただけでは、第一係合部110と第二係合部210との係合が解除され難くなっている。具体的には、ボルト250を緩めた場合、ボルト250の頭部251は、付勢部材290によって筐体20の外部に向けて付勢される。そのため、軸体252と螺合している制限部材200は、支持部材100の突出部120に沿って配置された状態に維持される。この状態で、例えば筐体20の姿勢の変更を行う作業者が、ボルト250の頭部251を筐体20に向けて押すことにより、制限部材200は、突出部120から離間し、その結果、第一係合部110と第二係合部210との係合が解除され、筐体20の姿勢の変更が可能となる。
【0048】
[2-4.筐体20の姿勢の変更例]
図7Aは、実施の形態に係る支持部材100に対する制限部材200の位置の一例を示す斜視図である。図7Bは、図7Aに対応する筐体20の姿勢を示す側面図である。図8Aは、実施の形態に係る支持部材100に対する制限部材200の位置の他の一例を示す斜視図である。図8Bは、図8Aに対応する筐体20の姿勢を示す側面図である。図7A及び図8Aでは、支持部材100、制限部材200、及びボルト250のみを図示し、他の部材(筐体20等)の図示は省略されている。
【0049】
図6に示す、支持部材100に対する制限部材200の位置を、制限部材200の初期位置であるとした場合を想定する。この場合、制限部材200の第二係合部210(凸部211)は、上方から見た場合に、第一係合部110における前から(Z軸プラス方向から)3つめの凹部112と係合している。この状態において、作業者は、第一係合部110と第二係合部210との係合を解除して、筐体20の前端部(X軸プラス方向の端部)が下がるように筐体20を傾ける。このとき、筐体20は、Y軸マイナス方向から見た場合、揺動軸Pを中心として時計回りに揺動する。従って、筐体20とボルト250によって連結された制限部材200は、図7Aに示すように時計回りに揺動し、その結果、第二係合部210の凸部211は、例えば、第一係合部110の後端部(X軸マイナス方向の端部)の凹部112と係合する位置に配置される。その後、ボルト250が締められることで、第一係合部110と第二係合部210との係合が維持される。つまり、筐体20の姿勢は、図7Bに示す姿勢に安定的に維持される。
【0050】
作業者は、筐体20の姿勢が図7Bに示す姿勢にある状態において、第一係合部110と第二係合部210との係合を解除して、筐体20の前端部(X軸プラス方向の端部)が上がるように筐体20を傾ける。このとき、筐体20は、Y軸マイナス方向から見た場合、揺動軸Pを中心として反時計回りに揺動する。従って、筐体20とボルト250によって連結された制限部材200は、図8Aに示すように反時計回りに揺動し、その結果、第二係合部210の凸部211は、例えば、第一係合部110の前端部(X軸プラス方向の端部)の凹部112と係合する位置に配置される。その後、ボルト250が締められることで、第一係合部110と第二係合部210との係合が維持される。つまり、筐体20の姿勢は、図8Bに示す姿勢に安定的に維持される。
【0051】
このような筐体20の姿勢の変更(調整)行う場合において、第一係合部110と第二係合部210との係合を解除する際に、作業者は、ボルト250を緩めた後に、頭部251を筐体20に向けて押さえなくてもよい。具体的には、本実施の形態において、第一係合部110は、隣り合う2つの凸部111の間に凹部112が形成されており、これら凸部111のそれぞれの先端部分は、Z軸方向から見た場合略三角形状である(図6参照)。従って、ボルト250が緩められた場合、第二係合部210の凸部211は、揺動方向Sの力が与えられることで、凸部111の外面に沿いながら凸部111を越えることができる。つまり、ある凹部112と係合している凸部211は、揺動方向Sの力が与えられることで、1つの凸部111を越えて隣の凹部112と係合できる。さらに、付勢部材290の付勢力によって、第二係合部210の凸部211と当該隣の凹部112との係合は維持される。このように、筐体20を揺動させる際のモーメントを利用して第一係合部110と第二係合部210との係合を解除できる。その結果、作業者は、ボルト250の頭部251を押さえることなく、第二係合部210の凸部211が第一係合部110の凹部112に嵌る感触(または音)を得ながら、筐体20の姿勢を変更することもできる。第一係合部110が有する凸部111は、略三角錐形状であることが好ましい。つまり、凸部111は、Z軸方向から見た場合の形状、及び、Y軸方向から見た場合の形状の両方が、略三角形状であることが好ましい。この場合、第二係合部210の凸部211は、凸部111を越える場合、Y軸方向だけでなく、突出部120から離れる方向にも移動しやすくなる。その結果、筐体20を揺動させる際のモーメントを利用して第一係合部110と第二係合部210との係合及びその解除を行う作業が、より容易になる。
【0052】
[3.照明灯10をアーム型の支柱4aに取り付ける場合について]
図1図8Bでは、照明灯10をストレート形状の支柱4に取り付ける場合について説明した。しかし、照明灯10は、先端部が横向きに延びるアーム型の支柱4aに取り付けることができ、かつ、筐体20の姿勢の変更も可能である。
【0053】
図9は、実施の形態に係る照明灯10とアーム型の支柱4aとを備える照明柱1aの外観を示す概念図である。図10は、実施の形態に係る照明灯10の内部構成を示す第2の斜視図である。図10では、筐体20のカバー部40を開けた状態が図示されている。図11は、実施の形態に係る照明灯10の第2の分解斜視図である。図10及び図11では、支柱4aは、接続部3aの一部のみが図示されており、支柱4aの他の部分の図示は省略されている。
【0054】
図9に示す照明柱1aは、地面等から立設する支柱4aと、支柱4aの先端部に設けられ、かつ、照明用の光を発する照明灯10と、を備えている。照明灯10は、図2図8Bを用いて説明したように、筐体20と、筐体20に収容された発光部50と、筐体20を揺動可能に支持する支持部材100と、筐体20に保持された制限部材200とを備えている。筐体20は、支柱4aに固定された支持部材100に対し、仮想軸である揺動軸Pを中心に揺動可能である。
【0055】
支柱4aは、地面等から上方に延びる支柱本体2aと、支柱本体2a及び照明灯10を接続する接続部3aとを備える。接続部3aは、図1に示す接続部3とは異なり、Z軸方向と交差する方向に向けて曲がった形状を有している。つまり、支柱4aの先端部は横向きの姿勢である。
【0056】
このような支柱4aに照明灯10を取り付ける場合、図10及び図11に示すように、支持部材100の、筐体20に対する姿勢を変更する。具体的には、支持部材100の初期の姿勢が図3及び図4に示される姿勢である場合を想定する。この場合、支持部材100をZ軸周りに約180°回転させ、かつ、支持部材100を、Y軸マイナス方向から見た場合に時計回りに約90°回転させる。さらに、支持部材100の筒体150のX軸マイナス方向の端部が開口部31から露出するように、支持部材100を筐体20に収容する。
【0057】
この場合、支持部材100の第一係合部110及び第二貫通孔125は、図11に示すように、突出部120の、Z軸プラス方向の端部に近い位置に存在する。従って、第一係合部110と係合する制限部材200の位置及び姿勢は、図11に示す位置及び姿勢にする必要がある。そこで、本実施の形態に係る筐体20の第一壁部32は、図11に示す、Y軸方向で第一係合部110と対向する制限部材200に対応する位置にも第一貫通孔35を有している。具体的には、当該第一貫通孔35は、支柱4(図1参照)に照明灯10を取り付ける場合に、第一係合部110と係合しない制限部材200と螺合するボルト250が貫通して配置されていた(図4及び図5参照)。しかし、支柱4a(図9参照)に照明灯10を取り付ける場合、当該第一貫通孔35を貫通して配置されるボルト250は、第一係合部110と係合する制限部材200と螺合する。従って、支持部材100を支柱4aに取り付ける場合であっても、ボルト250によって、第一係合部110と係合する制限部材200を、支持部材100の突出部120とともに筐体20に固定できる。さらに、図6図8Bを用いて説明したように、支持部材100の第一係合部110と制限部材200の第二係合部210との係合の維持及び解除が可能である。従って、筐体20の姿勢の変更が可能である。
【0058】
なお、照明灯10をアーム型の支柱4aに取り付ける場合に、支持部材100の姿勢を変更することは必須ではない。例えば、第一係合部110及び第二貫通孔125の、揺動軸Pを中心とする揺動方向S(図5参照)の長さをより長くする。これにより、支持部材100の姿勢を変更せずに、支柱4(図1参照)及び支柱4aのそれぞれに取り付け可能であり、かつ、筐体20の姿勢の変更が可能な照明灯10が実現されてもよい。
【0059】
本実施の形態では、支持部材100に対して4つの制限部材200が配置されるとした、しかし、照明灯10は、これら4つの制限部材200のうちの、第一係合部110と係合しない2つの制限部材200を備えなくてもよい。この場合であっても、第一係合部110と係合する2つの制限部材200は、ボルト250と螺合するナットとしての機能も有している。すなわち、当該2つの制限部材200によって、筐体20の支持部材100に対する揺動を制限する機能と、筐体20及び支持部材110を、これらの重なり方向で締結する機能とが発揮される。
【0060】
[4.まとめ]
以上説明したように、本実施の形態に係る照明灯10は、発光部50と、発光部50を収容する筐体20と、支持部材100と、制限部材200と、を備える。支持部材100は、支柱4または4aが挿入される筒体150を有し、かつ、筐体20を、第一方向(本実施の形態ではY軸方向)に延びる軸(揺動軸P)周りに揺動可能に支持する。制限部材200は、筐体20に保持され、かつ、筐体20の支持部材100に対する揺動を制限する。支持部材100は、第一係合部110を有し、制限部材200は、第二係合部210を有する。第一係合部110と第二係合部210とは、Y軸方向で対向して配置され、かつ、互いに係合する。
【0061】
この構成によれば、支持部材100の第一係合部110と制限部材200の第二係合部210とがY軸方向(揺動軸Pが延びる方向)で対向して配置され、かつ、第一係合部110と第二係合部210とは互いに係合する。これにより、筐体20の揺動が制限され、その結果、支持部材100に対する筐体20の姿勢が安定的に維持される。従って、第一係合部110と第二係合部210との係合状態に、発光部50を収容している筐体20の質量の影響を与え難い。その結果、例えば、照明灯10が支柱4または4aに取り付けられた状態で、筐体20の姿勢の変更のための作業(第一係合部110と第二係合部210との係合の解除等)を行うことが容易になる。このように、本実施の形態の照明灯10は、発光部50を収容する筐体20の姿勢の変更が容易である。
【0062】
本実施の形態では、揺動軸Pは実体のない軸(仮想軸)であるが、筐体20は、揺動軸Pの位置に実体の軸である軸部材を備えてもよい。この場合であっても、支持部材100は、第一係合部110を有していることで、筐体20の姿勢の変更が可能であり、かつ、第一係合部110と第二係合部210との係合によって、変更後の姿勢を安定的に維持できる。
【0063】
本実施の形態では、第一係合部110及び第二係合部210の一方は、第一係合部110及び第二係合部210の他方の、揺動方向Sにおける複数の位置で、当該他方と係合できる。より具体的には、第一係合部110及び第二係合部210の一方は、他方に向けて突出する凸部211を有し、第一係合部110及び第二係合部210の他方は、凸部211が挿入可能な複数の凹部112を有する。
【0064】
この構成によれば、第一係合部110及び第二係合部210の一方に少なくとも1つの凸部211を持たせ、他方に複数の凹部112を持たせる、という簡易な構成で、筐体20の姿勢の変更が実現される。この場合、例えば、凹部112の数を増加させることで、筐体20の姿勢をより多段階に変更できる。また、例えば、互いに隣り合う凹部112の間隔(ピッチ)を小さくすることで、より細やかに筐体20の姿勢を変更できる。
【0065】
本実施の形態では、第二係合部210が有する凸部211が、第一係合部110が有する複数の凹部112のいずれかに挿入されることで、筐体20の姿勢が安定的に維持される。しかし、第一係合部110が少なくとも1つの凸部を有し、かつ、第二係合部210が複数の凹部を有してもよい。この場合であっても、第一係合部110の凸部が、第二係合部210の複数の凹部のいずれかに挿入されることで、筐体20の姿勢は安定的に維持される。
【0066】
第一係合部110が複数の凹部112を有することは必須ではない。例えば、第一係合部110は凹部112を1つのみ有してもよい。つまり、第一係合部110が有する凸部111の数は2であってもよい。この場合であっても、第二係合部210の凸部211を、第一係合部110の凹部112に挿入された状態にできる。さらに、第二係合部210の凸部211を、第一係合部110の2つの凸部111のうちの一方の外側面(他方の凸部111とは反対側の側面)に当接した状態にもできる。つまり、第一係合部110は、揺動方向Sで離間した2か所で、第二係合部210の揺動方向Sの移動を制限できる。従って、筐体20の姿勢を、少なくとも2つの姿勢の一方から他方に切り替えることができる。
【0067】
本実施の形態では、照明灯10はボルト250を備える。筐体20は、第一壁部32を有する。第一壁部32は、ボルト250が、Y軸方向と直交する方向に貫通する第一貫通孔35を有する。制限部材200は、第一貫通孔35を貫通して配置されたボルト250がねじ入れられるネジ穴205を有する。具体的には、ボルト250は頭部251と軸体252とを有し(図4及び図11参照)、軸体252が第一貫通孔35を貫通し、かつ、制限部材200のネジ穴205にねじ入れられる。
【0068】
この構成によれば、筐体20の外側から、制限部材200の固定及びその固定の解除のための作業である、ボルト250を締めること及び緩めることができる。これにより、筐体20の姿勢の変更がさらに容易化される。
【0069】
本実施の形態では、制限部材200は、ネジ穴205として、制限部材200を貫通する貫通孔(無底穴)を有している。しかし、制限部材200は、ネジ穴205として、制限部材200を貫通しない有底穴によって実現されてもよい。ネジ穴205は、ボルト250が有する軸体252のネジ山と螺合するネジ溝を内周面に有していなくてもよい。つまり、ネジ穴205は、単に軸体252を貫通させる貫通孔であってもよい。この場合、軸体252と螺合するナットを用いて制限部材200を筐体20に固定してもよい。当該ナットは、溶接等によって制限部材200に固定されていてもよい。
【0070】
本実施の形態では、支持部材100は、筒体150からY軸方向に突出する突出部120であって、第一壁部32と制限部材200との間に配置される突出部120を有する。
【0071】
この構成によれば、ボルト250を締めることで制限部材200を筐体20に固定でき、かつ、制限部材200と第一壁部32との間に、支持部材100の突出部120を挟み込むことができる。つまり、制限部材200は、支持部材100の姿勢を安定的に維持することができ、かつ、支持部材100及び筐体20の一方に対する他方の固定の役割を担うことができる。
【0072】
本実施の形態に係る突出部120は、上述のように、Y軸方向から見た場合に円弧状の形状を有しており、支持部材100に対する筐体20の揺動をガイドする機能も有している。ただし、筐体20が揺動軸Pの位置に軸部材を備え、当該軸部材によって筐体20を揺動可能に支持する場合、突出部120は、支持部材100に対する筐体20の揺動をガイドする機能を有する必要はない。つまり、支持部材100が突出部120を有する場合において、突出部120が円弧状の形状(図5及び図7A等参照)であることは必須ではない。
【0073】
本実施の形態では、突出部120は、第一貫通孔35を貫通して配置されたボルト250が貫通する第二貫通孔125であって、筐体20の支持部材100に対する揺動方向Sに沿って延びる第二貫通孔125を有する。
【0074】
この構成によれば、筐体20の姿勢の変更の際に筐体20を支持部材100に対して揺動させる場合、ボルト250が挿入された第二貫通孔125によってガイドされながら支持部材100を揺動させることができる。これにより筐体20の姿勢の変更をより効率よく行うことができる。
【0075】
突出部120は第二貫通孔125を有しなくてもよい。例えば、突出部120の突出方向の端面に対向する位置にボルト250の軸体252が配置されてもよい。つまり、突出部120の側方をボルト250の軸体252が通過するようにボルト250が配置されてもよい。この場合であっても、制限部材200と第一壁部32との間に、支持部材100の突出部120を挟み込むことは可能である。
【0076】
本実施の形態では、照明灯10は、ボルト250の頭部251と、第一壁部32における第一貫通孔35の周縁部との間に配置され、かつ、頭部251を当該周縁部から離れる方向に付勢する付勢部材290を備える、としてもよい。
【0077】
この構成によれば、ボルト250を緩めただけでは第一係合部110と第二係合部210との係合が解除されず、頭部251を筐体20に向けて押すことで当該係合が解除される。このことは、筐体20の姿勢の変更のさらなる容易化に寄与する。また、上述のように、筐体20を揺動させる際のモーメントを利用して第一係合部110と第二係合部210との係合を解除させることも可能である。この場合、筐体20の姿勢の変更の際に、ボルト250の頭部251を押し込むことは不要である。
【0078】
本実施の形態では、例えば図6に示すように、筐体20は、Y軸方向で制限部材200と対向する第二壁部38を有する。制限部材200は、Y軸方向で、第二壁部38と第一係合部110との間に位置する。より具体的には、第二壁部38は、筐体20の内部に配置されており、かつ、第一壁部32から上方(Z軸プラス方向)に向けて立設されている。
【0079】
この構成によれば、ボルト250を締める若しくは緩める際、または、照明灯10の使用時において、制限部材200のボルト250を中心とする回転が抑制される。これにより、第一係合部110と第二係合部210との係合が良好に維持される。また、筐体20に制限部材200を配置する際に、制限部材200のY軸方向の位置決めに第二壁部38を利用できる。
【0080】
より好ましくは、制限部材200は、第二壁部38と接触している。これにより、制限部材200の回転がより確実に抑制される。また、第一係合部110と第二係合部210とがより良好に係合する。
【0081】
(他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態に係る照明灯10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0082】
上記実施の形態では、支持部材100は、2つの第一係合部110を有し、当該2つの第一係合部110のそれぞれにY軸方向で対向する制限部材200が配置されている。つまり、照明灯10は、第一係合部110と制限部材200との組を2つ備えている。しかし、照明灯10は、第一係合部110と制限部材200との組を少なくとも1つ備えていればよい。これにより、筐体20の姿勢の変更が容易になる。
【0083】
制限部材200は、ネジ穴205を貫通するボルト250によって筐体20に保持されている。しかし、制限部材200を筐体20に保持させる手法はこれに限定されない。例えば、制限部材200が、制限本体部201から突出する軸体であって、外周面にネジ山が形成された軸体を有してもよい。この場合、当該軸体を、突出部120の第二貫通孔125、及び、筐体20の第一貫通孔35に挿入し、当該軸体の先端部を、筐体20の外側に配置されたナットにねじ入れてもよい。この場合であっても、ナットを締めることで、制限部材200を筐体20に固定でき、かつ、制限部材200と第一壁部32との間に、支持部材100の突出部120を挟み込むことができる。また、当該ナットを緩めることで、第一係合部110と第二係合部210との係合を解除させることができる。
【0084】
制限部材200のサイズ及び形状は、図4等に示されるサイズ及び形状には限定されない。例えば、制限部材200は、板状の部材ではなく、より厚みの大きなブロック状の部材であってもよい。また、制限部材200の制限本体部201(図7A参照)は、ネジ穴205の貫通方向から見た場合の形状が、矩形以外の多角形状または楕円形状等であってもよい。
【0085】
発光部50は、LEDである発光素子52とは異なる種類の光源を備えてもよい。発光部50は、例えば、有機EL(Electro Luminescence)もしくは半導体レーザーなどの固体発光素子、または、蛍光管などを、照明用の光源として備えてもよい。
【0086】
上記実施の形態及び他の実施の形態に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
4、4a 支柱
10 照明灯
20 筐体
30 本体部
31 開口部
32 第一壁部
35 第一貫通孔
38 第二壁部
50 発光部
100 支持部材
110 第一係合部
111、211 凸部
112 凹部
120 突出部
125 第二貫通孔
126 第三貫通孔
150 筒体
200 制限部材
201 制限本体部
205 ネジ穴
210 第二係合部
250 ボルト
251 頭部
252 軸体
290 付勢部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11