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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134254
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】枠体
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/30 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
E06B3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044460
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】角本 理紗子
(72)【発明者】
【氏名】菊野 亘
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA02
2E014BB06
2E014BD08
(57)【要約】
【課題】意匠性の低下を抑制できる枠体を提供すること。
【解決手段】枠体は、上框42、中桟44、外側縦框45および連結框46を備え、外側縦框45は、縦框本体451と、上縦框カバー51Aと、を備え、縦框本体451は、枠体の内側に位置する見込み面の長手方向の全体にわたって形成された縦框溝452を備え、上縦框カバー51Aは、縦框溝452における上框42と中桟44の間の部分を塞ぐように取り付けられ、縦框溝452には、上縦框カバー51Aの下方への移動を規制する移動規制部品60が設けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦枠および一対の横枠と、を備える枠体であって、
前記一対の縦枠のうち少なくとも一方の縦枠は、縦枠本体と、縦枠カバーと、を備え、
前記縦枠本体は、前記枠体の内側に位置する見込み面の長手方向の全体にわたって形成された縦枠溝を備え、
前記縦枠カバーは、前記縦枠溝における前記一対の横枠の間の部分を塞ぐように取り付けられ、
前記縦枠溝には、前記縦枠カバーの下方への移動を規制する移動規制部品が設けられている枠体。
【請求項2】
請求項1に記載の枠体において、
前記移動規制部品は、前記縦枠カバーの下端に当接する上面を有し、当該上面が下側の前記横枠の上面と同一面上に位置するように設けられている枠体。
【請求項3】
請求項1に記載の枠体において、
前記縦枠溝の底面部には、縦枠ねじ挿通孔が設けられ、
下側の前記横枠には、雌ねじ部が設けられ、
前記移動規制部品には、ねじ案内用挿通孔が設けられ、
前記縦枠本体と前記下側の横枠は、前記縦枠ねじ挿通孔および前記ねじ案内用挿通孔に挿通されて、前記雌ねじ部に螺合されるねじにより固定されている枠体。
【請求項4】
請求項3に記載の枠体において、
前記移動規制部品における前記縦枠溝の前記底面部に対向する部分には、嵌合突部が設けられ、
前記縦枠溝の前記底面部には、前記嵌合突部が嵌合する被嵌合部が形成されている枠体。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の枠体において、
前記移動規制部品は、前記縦枠溝の開口部に当接し、前記移動規制部品の回転を規制する回転規制当接部を備えている枠体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内空間を仕切る間仕切り装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の構成において、間仕切り装置は、床面から天井面にかけて配置された複数本の支柱を備えている。互いに隣り合う支柱には、床面に沿う下部横フレームと、上下方向中央よりも天井面側の位置において水平に延在する中間横フレームと、が設けられている。互いに隣り合う支柱、下部横フレームおよび中間横フレームにより形成される矩形枠には、パネルが嵌め込まれている。
支柱における両側面には、一対の間仕切りパネル取付凹溝が設けられている。各間仕切りパネル取付凹溝における下部横フレームと中間横フレームとの間に位置する部分には、パネルの左右縁部を挟むパネル保持具および嵌込桟部材が装着されている。
【0003】
一対の間仕切りパネル取付凹溝を有する支柱の上端部は、支柱固定具により天井面に固定されている。支柱固定具は、一対の間仕切りパネル取付凹溝の底部をまたぐように組み付けられる差し込み片を備えている。差し込み片は、セルフタッピングねじにより間仕切りパネル取付凹溝の底部に固定されている。
各間仕切りパネル取付凹溝における中間横フレームよりも上側の部分には、カバー部材が取り付けられており、各間仕切りパネル取付凹溝が外部から見えないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-106587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のような構成では、カバー部材が嵌め込みにより取り付けられているため、カバー部材が下方にずれてしまい、天井面とカバー部材との間に隙間が形成されてしまい、意匠性が低下するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、意匠性の低下を抑制できる枠体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の枠体は、一対の縦枠および一対の横枠と、を備える枠体であって、前記一対の縦枠のうち少なくとも一方の縦枠は、縦枠本体と、縦枠カバーと、を備え、前記縦枠本体は、前記枠体の内側に位置する見込み面の長手方向の全体にわたって形成された縦枠溝を備え、前記縦枠カバーは、前記縦枠溝における前記一対の横枠の間の部分を塞ぐように取り付けられ、前記縦枠溝には、前記縦枠カバーの下方への移動を規制する移動規制部品が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、意匠性の低下を抑制できる枠体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における室内窓の縦断面図である。
図2】実施形態における室内窓の横断面図である。
図3】実施形態における外側縦框を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
図4】実施形態における移動規制部品を示す図であり、(A)は前側かつ上側から見たときの斜視図であり、(B)は後側かつ下側から見たときの斜視図である。
図5】実施形態における上框、中桟および下框と外側縦框との固定構造を示す側面図である。
図6】実施形態における上框、中桟および下框と外側縦框との固定構造を示す正面図である。
図7】実施形態における上框、中桟および下框と外側縦框との固定構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
〔室内窓の構成〕
以下、本発明の実施形態の建具である室内窓について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の室内窓の縦断面図である。図2は、室内窓の横断面図である。図3は、外側縦框を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。図4は、移動規制部品を示す図であり、(A)は前側かつ上側から見たときの斜視図であり、(B)は後側かつ下側から見たときの斜視図である。
図1および図2に示す室内窓1は、建物の室内空間を第1室内空間と第2室内空間に仕切る躯体である壁Fの開口部としての壁開口部F1に設置される。本実施形態では、1枚の壁Fの壁開口部F1を塞ぐ腰高窓状に設置された室内窓1を例示するが、室内窓1は、左右方向の片側が開放されるように設置される構成(片側オープン納まり型)、下端が床に接触するように設置される構成(床設置型)、片側オープン納まり型と床設置型を組み合わせた構成、または、コーナー方立を介して互い直交するように設置される構成であっても良い。また、室内窓1と同じ構成を、屋外と屋内とを仕切る窓に適用しても良い。
【0011】
室内窓1は、壁開口部F1の上面F2に固定される上枠2と、上枠2に連結されるとともに壁開口部F1の下面F3に固定される障子ユニット3と、を備えている。障子ユニット3は、見付け方向に連結された一対の障子4を備えている。一対の障子4は、上段に位置する上段FIX窓40Aと、下段に位置する下段FIX窓40Bと、をそれぞれ備えている。なお、一対の障子4は、3段以上のFIX窓を備えていても良い。
なお、壁Fの壁面に沿った水平方向をX軸方向、壁面に沿った上下方向をY軸方向、壁面に直交する方向をZ軸方向とする。そして、X軸方向において、室内窓1を第1空間から見て左側の方向をX1方向、右側の方向をX2方向とし、Y軸方向において、上方向をY1方向、下方向をY2方向とし、Z軸方向において第2空間から第1空間に向かう方向をZ1方向、第1空間から第2空間に向かう方向をZ2方向とする。
【0012】
上枠2のX軸方向(見付け方向)の長さは、上面F2の見付け方向の長さよりも若干短い。図1に示すように、上枠2は、上面F2にねじ止めされる長方形板状の上枠本体21と、上枠本体21のZ軸方向(見込み方向)両側縁から下方に延びる障子対向部22と、を備えている。
上枠2の上枠本体21には、連結部材23が固定されている。連結部材23は、上枠本体21にねじ止めされる四角板状の連結部材本体231と、連結部材本体231のZ1方向側の端縁から下方に延びる連結垂下片232と、を備えている。連結垂下片232の下端側の部位には、障子4を上枠2に固定するための上框固定ねじ24が螺合される雌ねじ部232Aが設けられている。
【0013】
図1および図2に示すように、障子ユニット3を構成する一対の障子4は、上下に並ぶ四角板状の2枚の面材41と、上側の面材41の上側に位置する上框42と、下側の面材41の下側に位置する下框43と、2枚の面材41の間に位置する中桟44と、をそれぞれ備えている。X1方向側の障子4(以下、左障子4Aと言う場合がある)は、上框42、下框43および中桟44のX1方向側の端部に固定された外側縦框45と、X2方向側の端部に固定された連結框46(以下、左連結框46Aと言う場合がある。)と、をさらに備えている。X2方向側の障子4(以下、右障子4Bと言う場合がある)は、上框42、中桟44および下框43のX2方向側の端部に固定された外側縦框45と、X1方向側の端部に固定された連結框46(以下、右連結框46Bと言う場合がある。)と、をさらに備えている。
各障子4において、上側の面材41と、当該上側の面材41の四周を囲む上框42(上側の横枠)、中桟44(下側の横枠)、外側縦框45の上側の部位(縦枠)および連結框46の上側の部位(縦枠)で構成される框体(枠体)とにより、上段FIX窓40Aが構成され、下側の面材41と、当該下側の面材41の四周を囲む中桟44、下框43、外側縦框45の下側の部位および連結框46の下側の部位とにより、下段FIX窓40Bが構成されている。
左障子4Aの左連結框46Aは、右障子4Bの右連結框46Bに連結されている。
【0014】
面材41は、例えばガラスパネルであるが、樹脂パネルであっても良い。
上框42、下框43、中桟44、外側縦框45および連結框46は、例えばアルミ押出形材である。
各框42,43,44,45,46(上框42、下框43、中桟44、外側縦框45および連結框46)は、面材41の外周部が挿入される面材挿入用溝48をそれぞれ有する。各面材挿入用溝48は、各框42,43,44,45,46におけるZ軸方向中央において、同じ形状に形成されている。
各面材挿入用溝48の内部には、面材41の外周部を保持するガスケット49と、当該ガスケット49と面材挿入用溝48の溝底面との間に配置されたセッティングブロック50と、が収納されている。
【0015】
図1に示すように、各障子4の上框42は、上面部421、下面部422、連結対向部としての第1見付け面部423、第2見付け面部424および仕切面部425をそれぞれ備えている。第1見付け面部423は、上面部421と下面部422のZ1方向側の端縁を接続する。第2見付け面部424は、上面部421と下面部422のZ2方向側の端縁を接続する。仕切面部425は、上面部421と下面部422のZ軸方向の中央を接続する。
上面部421には、上枠2の連結垂下片232が差し込まれる差込孔421Aが形成されている。
下面部422には、上述した面材挿入用溝48が設けられている。
第1見付け面部423には、上框固定ねじ24が挿通されるねじ挿通長孔423Aが設けられている。ねじ挿通長孔423Aは、上框固定ねじ24の挿通位置を上下方向に調整できるように、縦長孔状に形成されている。上框42は、ワッシャ241およびねじ挿通長孔423Aに挿通された上框固定ねじ24が、連結部材23の雌ねじ部232Aに螺合されることにより、上枠2に固定されている。
第1見付け面部423の上縁および下縁には、Z1方向に延びる上框カバー取付片部426がそれぞれ設けられている。一対の上框カバー取付片部426の間の空間は、上框固定ねじ24を第1見付け面部423および連結垂下片232に固定するための固定具取付用開口部427を構成している。一対の上框カバー取付片部426の先端側には、固定具取付用開口部427全体を塞ぐ上框カバー428が着脱可能に取り付けられている。
【0016】
各障子4の下框43は、面材挿入用溝48を有する下框本体431を備える。下框本体431における面材挿入用溝48に対するZ1方向側には、下框43の長手方向全体にわたる下框溝432が設けられている。下框溝432は、下框本体431の上側に開口部432Aが位置するように形成されている。開口部432Aは、下框本体431の下框本体上面431Aよりも下側に形成された下框カバー取付片部433の先端により形成されている。
下框本体431は、下框溝432の底面を形成する底面部434を貫通するねじ470により、他の部材としての壁Fにおける壁開口部F1の下面F3に固定されている。
下框43は、開口部432A全体を塞ぐように取り付けられる下框カバー435をさらに備える。下框カバー435は、ねじ470を隠す機能を有し、当該下框カバー435の上面435Aが下框本体上面431Aと同一面上に位置するように構成されている。
【0017】
図2に示すように、左右の外側縦框45は、面材挿入用溝48を有する縦枠本体としての縦框本体451を備える。縦框本体451における面材挿入用溝48に対するZ1方向側には、縦框本体451の長手方向全体にわたる縦枠溝としての縦框溝452がそれぞれ設けられている。縦框溝452は、連結框46側に開口部452Aを有するように構成されている。
図1および図2に示すように、縦框溝452における各框42,43,44に対応する高さ位置には、移動規制部品60がそれぞれ設けられている。左右の縦框本体451には、当該縦框本体451および移動規制部品60を貫通する固定具としてのねじ471Aが、各框42,43,44におけるZ1方向側に設けられた雌ねじ部としてのビスホール472Aに螺合されるとともに、当該縦框本体451を貫通するねじ471Bが、各框42,43,44におけるZ2方向側に設けられたビスホール472Bに螺合されることにより、各框42,43,44が固定されている。
上框42および中桟44では、ビスホール472Aとビスホール472Bとが同じ高さ位置に設けられている一方で、下框43では、底面部434の下側に位置するビスホール472Aがビスホール472Bよりも下側に設けられている。
下框43に対応する高さ位置に設けられた移動規制部品60の上には、略立方体の嵩増しブロック62が貼り付けられている。嵩増しブロック62は、そのブロック上面621が下框本体431の下框本体上面431Aおよび下框カバー435の上面435Aと同一面上に位置するように形成されている。
【0018】
図2に示すように、左障子4Aの縦框本体451は、中桟44の上側および下側において、縦框溝452の底面部を形成する外側見込み面部453を貫通する障子固定具としてのねじ473Aにより、壁開口部F1のX1方向側の第1側面F4に固定されている。右障子4Bの縦框本体451は、中桟44の上側および下側において、左障子4Aの縦框本体451と同様の方法で、障子固定具としてのねじ473Bにより、壁開口部F1のX2方向側の第2側面F5に固定されている。
【0019】
左右の外側縦框45は、縦框溝452の開口部452Aにおける上框42(上側の横框)と中桟44(下側の横框)との間から露出する部分全体を塞ぐように取り付けられる縦枠カバーとしての縦框上カバー51Aと、開口部452Aにおける中桟44と下框43との間から露出する部分全体を塞ぐように取り付けられる縦框下カバー51Bと、をさらに備える。縦框上カバー51Aは、中桟44の上側に固定されたねじ473A,473Bを隠す機能を有し、縦框下カバー51Bは、中桟44の下側に固定されたねじ473A,473Bを隠す機能を有する。
なお、以下において、縦框上カバー51Aおよび縦框下カバー51Bをまとめて縦框カバー51と言う場合がある。
【0020】
左連結框46Aは、Z1方向側から取り付けられる第1連結框固定ねじ31と、Z2方向側から取り付けられる第2連結框固定ねじ32とにより、右連結框46Bに連結されている。左連結框46Aと右連結框46BのZ1方向側の連結部位は、右連結框46Bに着脱可能に取り付けられた第1連結部カバー33により隠されている。左連結框46Aと右連結框46BのZ2方向側の連結部位は、左連結框46Aに着脱可能に取り付けられた第2連結部カバー34により隠されている。
【0021】
次に、外側縦框45および縦框カバー51の詳細な構成について説明する。なお、外側縦框45が左障子4Aを構成する場合の方向を基準にして、外側縦框45および縦框カバー51の構成を説明する。
図3(A)に示すように、縦框カバー51は、長方形板状のカバー本体511と、カバー本体511のZ軸方向両端側からX1方向に延びる一対の被係止部512と、を備えている。
縦框上カバー51Aのカバー本体511は、Y軸方向の長さが上框42と中桟44との間の長さと同じになるように形成されている。縦框下カバー51Bのカバー本体511は、Y軸方向の長さが中桟44と下框43との間の長さと同じになるように形成されている。
一対の被係止部512は、弾性変形可能に構成されている。一対の被係止部512の先端側の部位には、互いに離れる方向に突出する爪部513が、Y軸方向の全体にわたってそれぞれ設けられている。
【0022】
縦框本体451における面材挿入用溝48に対するZ2方向側には、当該縦框本体451のZ2方向側の見込み面を有する内側見込み面部454が設けられている。
縦框本体451における面材挿入用溝48に対するZ1方向側には、縦框溝452が設けられている。縦框溝452は、縦框本体451のZ1方向側の見付け面を有する第1見付け面部455と、当該第1見付け面部455に対向し、面材挿入用溝48のZ1方向側の側面を有する第2見付け面部456と、第1見付け面部455および第2見付け面部456における連結框46とは反対側の端部同志を接続する外側見込み面部453と、第1見付け面部455における連結框46側の端部から第2見付け面部456側に片状に突出する内側見込み片部457と、により形成されている。
【0023】
外側見込み面部453は、傾斜面部453Aと、傾斜面部453Aに対してZ1方向側に対する第1非傾斜面部453Bと、傾斜面部453Aに対してZ2方向側に位置する第2非傾斜面部453Cと、を備える。
傾斜面部453Aは、X軸に対して傾斜するように形成されている。傾斜面部453Aは、Z1方向側の端部がZ2方向側の端部よりもX1方向側に位置するように傾斜している。第1非傾斜面部453Bおよび第2非傾斜面部453Cは、X軸に対して直交するように形成されている。第1非傾斜面部453Bは、第2非傾斜面部453CよりもX1方向側に位置している。第1非傾斜面部453Bは、当該第1非傾斜面部453Bから内側見込み片部457のX2方向側の面までのX軸方向の長さ、つまり縦框溝452の深さがDとなるように形成されている。
【0024】
第2見付け面部456の先端側には、内側見込み片部457側に突出する第1係止突部456AがY軸方向の全体にわたって形成されている。内側見込み片部457の先端には、当該内側見込み片部457よりもX1方向側の第1係止突部456Aに対向する位置から、第1係止突部456A側に突出する第2係止突部457AがY軸方向の全体にわたって形成されている。
第1係止突部456Aおよび第2係止突部457Aは、縦框カバー51が取り付けられる上框カバー取付部458を構成する。
開口部452Aは、第1係止突部456Aおよび第2係止突部457Aのそれぞれの先端により形成されている。開口部452Aは、Z軸方向の長さがWとなるように形成されている。
【0025】
第2見付け面部456および内側見込み片部457は、第2見付け面部456の先端から内側見込み片部457の先端までのZ軸方向の長さが、縦框カバー51のカバー本体511のZ軸方向の長さ(幅)と同じになるように形成されている。第1係止突部456Aは、当該第1係止突部456AのX2方向側の面から第2見付け面部456の先端までのX軸方向の長さが、縦框カバー51のカバー本体511のX軸方向の長さ(厚さ)と同じ長さになるように形成されている。第2係止突部457Aは、当該第2係止突部457AのX2方向側の面から内側見込み片部457のX2方向側の面までのX軸方向の長さが、縦框カバー51のカバー本体511の厚さと同じ長さになるように形成されている。
このような構成により、縦框カバー51の一方の爪部513が上框カバー取付部458の第1係止突部456Aに係止され、他方の爪部513が上框カバー取付部458の第2係止突部457Aに係止されると、カバー本体511のX2方向側の縦框カバー表面511Aが、縦框本体451のX2方向側の縦框見込み面451A(内側見込み面部454、第2見付け面部456および内側見込み片部457のX2方向側の見込み面)と同一面上に位置するように、縦框カバー51が縦框本体451に取り付けられる。
【0026】
図3(A)および図3(B)に示すように、内側見込み面部454における各框42,43,44に対応する高さ位置には、ねじ471Bが挿通される真円状のねじ挿通孔454Aが形成されている。
また、外側見込み面部453の傾斜面部453Aにおける各框42,43,44に対応する高さ位置には、移動規制部品60が嵌合するとともに、ねじ471Aが挿通される上下に長い長孔状の縦枠ねじ挿通孔としての部品支持長孔453Dが形成されている。
このように、部品支持長孔453Dを長孔状に形成して、移動規制部品60が嵌合する機能と、ねじ471Aが挿通される機能とを持たせることにより、これらの機能を別々に有する複数の孔を設ける構成と比べて、これらの機能を有する孔の形成工程を容易に行うことができる。
3つの部品支持長孔453Dのうち、上框42および中桟44に対応する高さ位置の部品支持長孔453Dは、ねじ挿通孔454Aと同じ高さ位置に形成され、下框43に対応する高さ位置の部品支持長孔453Dは、ねじ挿通孔454Aよりも下側に形成されている。
【0027】
次に、移動規制部品60の詳細な構成について説明する。なお、移動規制部品60が左障子4Aの外側縦框45に設けられた場合の方向を基準にして、移動規制部品60の構成を説明する。
図4(A)および図4(B)に示すように、移動規制部品60は、X軸方向に伸びる略直方体状の部品本体部601と、部品本体部601のZ1方向側の端部におけるY1方向側およびY2方向側の端部からZ1方向に板状に伸びる一対の側方水平板部602と、を備える。
部品本体部601には、X軸方向に貫通するねじ案内用挿通孔603が形成されている。ねじ案内用挿通孔603には、ねじ471Aが挿通される。
【0028】
部品本体部601およびY1方向側に位置する側方水平板部602のY1方向側の面は、移動規制部品60の平面状の上面604を構成する。部品本体部601およびY2方向側に位置する側方水平板部602のY2方向側の面は、移動規制部品60の平面状の下面605を構成する。上面604および下面605は、互いに平行になるように形成されている。
部品本体部601および一対の側方水平板部602のX2方向側の面は、移動規制部品60の平面状の後面606を構成する。後面606は、ねじ案内用挿通孔603の中心軸、上面604および下面605に対して直交するように形成されている。部品本体部601および一対の側方水平板部602のX1方向側(左障子4Aの外側縦框45への取り付け方向側)の面は、移動規制部品60の前面607を構成する。前面607は、上面604および下面605に対して直交するように形成されている。
【0029】
前面607は、移動規制部品60が縦框溝452に取り付けられた際に、縦框溝452の外側見込み面部453に面接触するように構成されている。前面607は、第1前面部607Aと、第1前面部607Aに対してZ1方向側に対する第2前面部607Bと、第1前面部607Aに対してZ2方向側に位置する第3前面部607Cと、により構成されている。
第1前面部607Aは、前面607におけるねじ案内用挿通孔603の開口を含む部分により構成され、ねじ案内用挿通孔603の中心軸(X軸)に対して傾斜するように形成されている。第1前面部607Aは、Z1方向側の端部がZ2方向側の端部よりもX1方向側に位置し、縦框本体451の傾斜面部453Aに面接触するように傾斜している。
第2前面部607Bおよび第3前面部607Cは、ねじ案内用挿通孔603の中心軸に対して直交するように形成されている。第2前面部607Bは、第3前面部607CよりもX1方向側に位置し、縦框本体451の第1非傾斜面部453Bおよび第2非傾斜面部453Cにそれぞれ面接触するように形成されている。第2前面部607Bは、当該第2前面部607Bから後面606までのX軸方向の長さ、つまり移動規制部品60の奥行寸法D1が縦框溝452の深さDと同じになるように形成されている。
このような構成により、移動規制部品60が縦框溝452に取り付けられた際、後面606を縦框カバー51および縦框本体451のX2方向側の見込み面と同一面上に位置させることができる。
【0030】
第1前面部607Aにおけるねじ案内用挿通孔603の開口縁のY1方向側およびY2方向側には、ねじ案内用挿通孔603の中心軸と平行な方向に突出する一対の嵌合突部608が設けられている。一対の嵌合突部608は、ねじ案内用挿通孔603の中心軸を含むXZ平面にして面対称になるように形成されている。
Y1方向側の嵌合突部608(以下、「上側嵌合突部608A」と言う場合がある)およびY2方向側の嵌合突部608(以下、「下側嵌合突部608B」と言う場合がある)は、上側嵌合突部608AのY1方向側の面(上面)から下側嵌合突部608BのY2方向側の面(下面)までの長さが、縦框本体451の部品支持長孔453DのY軸方向の長さと同じになるように形成されており、移動規制部品60が縦框溝452に取り付けられる際に、被嵌合部としても機能する部品支持長孔453Dに嵌合するように構成されている。
上側嵌合突部608Aの突出先端におけるY1方向側の部分には、ねじ案内用挿通孔603の中心軸に対して傾斜する上側嵌合傾斜面608A1が設けられている。上側嵌合傾斜面608A1は、Y2方向側(下側)の端部がY1方向側(上側)の端部よりもX1方向側(取り付け方向側)に位置するように形成されている。下側嵌合突部608Bの突出先端におけるY2方向側の部分には、Y1方向側(上側)の端部がY2方向側(下側)の端部よりもX1方向側に位置するように傾斜する下側嵌合傾斜面608B1が形成されている。
【0031】
一対の側方水平板部602のZ1方向側の面は、移動規制部品60の右側面609を構成する。右側面609は、上面604および下面605に対して直交するように形成されている。右側面609は、第1右側面部609Aと、第1右側面部609Aに対してX1方向側に対する第2右側面部609Bと、第1右側面部609Aに対してX2方向側に位置する第3右側面部609Cと、により構成されている。
第1右側面部609Aは、右側面609におけるX軸方向中央よりもX2方向側において、後面606に対して傾斜するように形成されている。第1右側面部609Aは、X1方向側の端部がX2方向側の端部よりもZ2方向側に位置するように傾斜している。
第2右側面部609Bおよび第3右側面部609Cは、後面606に対して直交するように形成されている。第2右側面部609Bは、第3右側面部609CよりもZ2方向側に位置している。
【0032】
部品本体部601のZ2方向側の面は、移動規制部品60の左側面610を構成する。左側面610は、上面604および下面605に対して直交するように形成されている。左側面610は、第1左側面部610Aと、第1左側面部610Aに対してX1方向側に対する第2左側面部610Bと、第1左側面部610Aに対してX2方向側に位置する第3左側面部610Cと、により構成されている。
第1左側面部610Aは、左側面610におけるX軸方向中央よりもX2方向側において、後面606に対して傾斜するように形成されている。第1左側面部610Aは、X1方向側の端部がX2方向側の端部よりもZ2方向側に位置するように傾斜している。
第2左側面部610Bおよび第3左側面部610Cは、後面606に対して直交するように形成されている。第2左側面部610Bは、第3左側面部610CよりもZ2方向側に位置している。
【0033】
移動規制部品60は、第2右側面部609Bから第2左側面部610BまでのZ軸方向の長さW1が、開口部452AのZ軸方向の長さWよりも短くなるように形成されている。つまり、移動規制部品60は、前面607側の端部(以下、「移動規制部品60の前端部」と言う場合がある)の幅W1が、開口部452Aの幅Wよりも短くなるように形成されている。
また、移動規制部品60は、第3右側面部609Cから第3左側面部610Cまでの長さW2が、開口部452Aの幅Wと同じになるように形成されている。つまり、移動規制部品60は、後面606側の端部(以下、「移動規制部品60の後端部」と言う場合がある)の幅W2が、開口部452Aの幅Wと同じに形成されている。
【0034】
〔室内窓の施工方法〕
次に、室内窓1の施工方法について説明する。
図5は、上框、中桟および下框と外側縦框との固定構造を示す側面図である。図6は、上框、中桟および下框と外側縦框との固定構造を示す正面図である。図7は、上框、中桟および下框と外側縦框との固定構造を示す平面図である。
まず、作業者は、各框42,43,44,45,46の面材挿入用溝48に、セッティングブロック50とガスケット49を取り付ける。
【0035】
次に、作業者は、縦框本体451における各框42,43,44の固定位置に、それぞれ移動規制部品60を取り付ける。
具体的に、作業者は、前面607を取り付け方向の前方に位置させた状態で、移動規制部品60を縦框溝452に挿入する。この際、移動規制部品60の前端部の幅W1が開口部452Aの幅Wよりも短いので、開口部452Aを介して移動規制部品60を縦框溝452にスムーズに挿入することができる。
そして、作業者は、図5に示すように、嵌合突部608を部品支持長孔453Dに嵌合させて、図6および図7に示すように、前面607全体を縦框本体451の外側見込み面部453に接触させる。
このように、嵌合突部608を部品支持長孔453Dに嵌合させることにより、作業者が移動規制部品60から手を離しても移動規制部品60が落下することがなくなるため、障子4の施工性を向上させることができる。
また、作業者は、嵌合突部608を部品支持長孔453Dに嵌合させる作業を、上側嵌合傾斜面608A1または下側嵌合傾斜面608B1を部品支持長孔453Dの開口縁に当接させつつ行うことにより、部品支持長孔453Dに対する移動規制部品60のY軸方向の位置を正確に把握していなくても、容易に嵌合させることができる。
このように、移動規制部品60が縦框本体451の縦框溝452に取り付けられると、移動規制部品60の後端部の幅W2が開口部452Aの幅Wと同じであるため、回転規制当接部としての第3右側面部609Cおよび第3左側面部610Cが、開口部452Aを形成する第2係止突部457Aおよび第1係止突部456Aにそれぞれ線接触して、移動規制部品60が取り付け方向に平行な仮想線を中心に回転することが抑制され、上面604および下面605が水平面に平行になる。また、後面606が縦框本体451の縦框見込み面451Aと同一面上に位置する。
この後、作業者は、下框本体431に対応する位置の移動規制部品60の上面604に嵩増しブロック62を貼り付ける。
【0036】
また、作業者は、各框42,43,44の間に面材41を取り付けた組立体を準備する。
そして、作業者は、組立体に縦框本体451を固定する。
具体的に、作業者は、縦框本体451のガスケット49内に各面材41の一方の端部を挿入して、各框42,43,44の一方の端面に縦框本体451の縦框見込み面451Aを当接させる。この後、作業者は、部品支持長孔453Dに嵌合された移動規制部品60のねじ案内用挿通孔603にねじ471Aを挿通させて、各框42,43,44のビスホール472Aに螺合させるとともに、ねじ挿通孔454Aにねじ471Bを挿通させて各框42,43,44のビスホール472Bに螺合させる。
このように、ねじ471Aをねじ案内用挿通孔603に挿通させることによりビスホール472Aに案内することができ、ねじ471Aをビスホール472Aに容易に螺合することができる。
組立体に縦框本体451が固定されると、中桟44に対応する位置の移動規制部品60の上面604が中桟44の中桟上面44Aと同一面上に位置し、嵩増しブロック62のブロック上面621が下框本体431の下框本体上面431Aと同一面上に位置する。
また、作業者は、連結框46のガスケット49内に各面材41の他方の端部を挿入して、各框42,43,44の他方の端面に連結框46を当接させ、連結框46を各框42,43,44にねじ止めする。
【0037】
この後、作業者は、障子4を第1空間からけんどん式で壁開口部F1に建て込む。次に、作業者は、下框溝432を形成する底面部434に、ねじ470を貫通させる。そして、作業者は、図示しない工具としてのドライバーを用いてねじ470を操作して、下框本体431を下面F3に固定する。また、作業者は、ドライバーを用いて上框固定ねじ24を操作して、障子4を連結部材23に連結する。さらに、作業者は、縦框溝452を形成する外側見込み面部453における中桟44よりも上側および下側の部分に、ねじ473Aを貫通させる。そして、作業者はドライバーを用いてねじ473Aを操作して、縦框本体451を壁Fの第1側面F4に固定する。
【0038】
最後に、作業者は、上框カバー428、縦框カバー51および下框カバー435を、上框42の上框カバー取付片部426、縦框本体451の上框カバー取付部458および下框本体431の下框カバー取付片部433に取り付けて、固定具取付用開口部427、開口部452Aおよび開口部432Aを塞ぐ。
このように、固定具取付用開口部427、開口部452Aおよび開口部432Aを上框カバー428、縦框カバー51および下框カバー435により塞ぐことにより、障子4の意匠性が低下することを抑制できる。
また、中桟44(下側の横框)に対応する位置の移動規制部品60の上面604と縦框上カバー51Aの下端とが接触することにより、縦框上カバー51Aが下側に位置ずれすることを抑制でき、上框42(上側の横框)の下面と縦框上カバー51Aの上端との間に隙間が形成されることを抑制することができる。
また、中桟44に対応する位置の移動規制部品60の上面604と中桟44の中桟上面44Aとが同一面上に位置しているため、中桟上面44Aと縦框上カバー51Aとの間から移動規制部品60が露出することを抑制でき、障子4の意匠性が低下することをより抑制できる。
また、嵩増しブロック62のブロック上面621と縦框下カバー51Bの下端とが接触することにより、縦框下カバー51Bが下側に位置ずれすることを抑制でき、中桟44の下面と縦框下カバー51Bの上端との間に隙間が形成されることを抑制することができる。
また、嵩増しブロック62のブロック上面621と下框本体431の下框本体上面431Aおよび下框カバー435の上面435Aとが同一面上に位置しているため、下框本体431の下框本体上面431Aおよび下框カバー435の上面435Aと縦框下カバー51Bとの間から嵩増しブロック62が露出することを抑制でき、障子4の意匠性が低下することをより抑制できる。
また、第3右側面部609Cおよび第3左側面部610Cと開口部452Aとの線接触により、中桟44および下框43に対応する位置の移動規制部品60の回転が抑制されているため、縦框上カバー51Aおよび縦框下カバー51Bを縦框本体451に容易に取り付けることができる。
【0039】
[変形例]
一対の障子4の連結框46の代わりに外側縦框45と同様の縦框を連結框として適用し、それぞれの連結框の縦框溝452に移動規制部品60を設けるとともに、部品支持長孔453Dおよびねじ案内用挿通孔603に挿通された障子固定具により一対の障子4を固定して、開口部452Aにおける上框42と中桟44との間の部分を塞ぐように縦框上カバー51Aを取り付けても良い。つまり、縦框溝452の底面部を貫通する障子固定具により障子4が固定される対象は、壁Fに限らず、他の障子4であっても良く、この場合、障子固定具は、ねじであっても良いし、リベットであっても良い。
嵩増しブロック62を縦框溝452に設けずに、下框43に対応する高さ位置の移動規制部品60を上面604が嵩増しブロック62のブロック上面621と同じ高さ位置に位置するように設け、当該移動規制部品60により縦框下カバー51Bの移動を規制するようにしても良い。この場合、中桟44が本発明の上側の横框に該当し、下框が本発明の下側の横框に該当する。
また、1段のFIX窓に、本発明の障子の構成を適用しても良い。
【0040】
上面604が中桟44の中桟上面44Aと同一面上に位置するように移動規制部品60を構成したが、上面604が中桟上面44Aよりも上方に位置するように移動規制部品60を構成しても良い。
また、上面604から突出する突出部を設け、当該突出部を縦框上カバー51Aの下端に当接させる構成としても良い。
【0041】
移動規制部品60のねじ案内用挿通孔603および縦框本体451の部品支持長孔453Dを設けずに、中桟44のビスホール472Aを移動規制部品60よりも下側に位置するように設け、かつ、縦框本体451におけるビスホール472Aに対応する高さ位置にねじ471Aが挿通する縦枠ねじ挿通孔を設け、ねじ471Aをビスホール472Aに螺合させても良い。
【0042】
移動規制部品60に上側嵌合突部608Aまたは下側嵌合突部608Bを設けなくても良いし、上側嵌合突部608Aおよび下側嵌合突部608Bの両方を設けなくても良い。
上側嵌合突部608Aおよび下側嵌合突部608Bのうち少なくとも一方の嵌合突部をねじ案内用挿通孔603の開口縁から離れた位置に設けても良く、この場合、当該少なくとも一方の嵌合突部が嵌合する被嵌合部は、縦框本体451におけるねじ471A挿通用の孔の一部により構成されても良いし、ねじ471A挿通用の孔とは別の位置に形成されても良い。
【0043】
第3右側面部609Cおよび第3左側面部610Cが開口部452Aに接触しないように移動規制部品60を構成し、移動規制部品60が回転するようにしても良い。
また、第3右側面部609Cから第3左側面部610Cまでの幅を小さくするとともに、第3右側面部609Cおよび第3左側面部610Cから突出して開口部452Aに接触する回転規制当接部を移動規制部品60に設けても良い。
本発明の枠体は、上框42(上側の横枠)、中桟44(下側の横枠)、外側縦框45の上側の部位(縦枠)および連結框46の上側の部位(縦枠)で構成される上段FIX窓40Aの框体に限らず、例えば、面材と当該面材の四周を囲む框体とにより構成された開閉式あるいはすべり出し式の可動障子が取り付けられる枠体であっても良い。
本発明の縦枠カバーにより塞がれる縦枠溝は、縦枠溝(縦框溝452)の底面部を貫通する障子固定具(ねじ473A)により縦枠本体(縦框本体451)を他の部材(壁F)に固定するために設けられたものに限らず、枠体を移動させる際に作業者の手を引っ掛けるために設けられたものであっても良い。
【0044】
[本発明のまとめ]
本発明の枠体は、一対の縦枠および一対の横枠と、を備える枠体であって、前記一対の縦枠のうち少なくとも一方の縦枠は、縦枠本体と、縦枠カバーと、を備え、前記縦枠本体は、前記枠体の内側に位置する見込み面の長手方向の全体にわたって形成された縦枠溝を備え、前記縦枠カバーは、前記縦枠溝における前記一対の横枠の間の部分を塞ぐように取り付けられ、前記縦枠溝には、前記縦枠カバーの下方への移動を規制する移動規制部品が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、縦枠溝に設けられた移動規制部品により、当該縦枠溝を塞ぐ縦枠カバーの下方への移動を規制しているため、上側の横枠と縦枠カバーの上端との間に隙間が形成されることを抑制でき、枠体の意匠性が低下することを抑制することができる。
【0045】
本発明の枠体において、前記移動規制部品は、前記縦枠カバーの下端に当接する上面を有し、当該上面が下側の前記横枠の上面と同一面上に位置するように設けられていることが好ましい。
本発明によれば、下側の横枠と縦枠カバーとの間から移動規制部品が露出することを抑制でき、枠体の意匠性が低下することをより抑制できる。
【0046】
本発明の枠体において、前記縦枠溝の底面部には、縦枠ねじ挿通孔が設けられ、下側の前記横枠には、雌ねじ部が設けられ、前記移動規制部品には、ねじ案内用挿通孔が設けられ、前記縦枠本体と前記下側の横枠は、前記縦枠ねじ挿通孔および前記ねじ案内用挿通孔に挿通されて、前記雌ねじ部に螺合されるねじにより固定されていることが好ましい。
本発明によれば、ねじを移動規制部品のねじ案内用挿通孔に挿通させることにより雌ねじ部に案内することができ、ねじを雌ねじ部に容易に螺合することができる。
【0047】
本発明の枠体において、前記移動規制部品における前記縦枠溝の前記底面部に対向する部分には、嵌合突部が設けられ、前記縦枠溝の前記底面部には、前記嵌合突部が嵌合する被嵌合部が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、移動規制部品の嵌合突部を縦枠本体の被嵌合部に嵌合させることにより、作業者が移動規制部品から手を離しても移動規制部品が落下することがなくなるため、枠体の施工性を向上させることができる。
【0048】
本発明の枠体において、前記移動規制部品は、前記縦枠溝の開口部に当接し、前記移動規制部品の回転を規制する回転規制当接部を備えていることが好ましい。
本発明によれば、回転規制当接部と縦枠溝の開口部との当接により、移動規制部品の回転が抑制されるため、縦枠カバーを縦枠に容易に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0049】
1…室内窓(建具)4…障子、41…面材、42…上框(上側の横枠)、43…下框、44…中桟(下側の横枠)、44A…中桟上面、45…外側縦框(縦枠)、46…連結框(縦枠)、51A…縦框上カバー(縦枠カバー)、60…移動規制部品、451…縦框本体(縦枠本体)、452…縦框溝(縦枠溝)、452A…開口部、453…外側見込み面部(底面部)、453D…部品支持長孔(縦枠ねじ挿通孔、被嵌合部)、471A…ねじ、472A…ビスホール(雌ねじ部)、473A,473B…ねじ(障子固定具)、603…ねじ案内用挿通孔、604…上面、608…嵌合突部、608A…上側嵌合突部、608B…下側嵌合突部、609C…第3右側面部(回転規制当接部)、610C…第3左側面部(回転規制当接部)、F…壁(他の部材)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7