(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134276
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/904 20190101AFI20240926BHJP
【FI】
G06F16/904
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044498
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 岳
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175JA02
(57)【要約】
【課題】利用者がより適切な金融商品を見つけることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、取得部と、グラフ生成部と、提案生成部と、提供部とを備える。取得部は、利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する。グラフ生成部は、状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する。提案生成部は、複数の評価軸毎に予め定められた条件と、利用者に対応する金融商品とに基づいて、金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する。提供部は、グラフコンテンツと、提案コンテンツとを利用者へ提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する取得部と、
前記状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに前記金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成するグラフ生成部と、
前記複数の評価軸毎に予め定められた条件と、前記利用者に対応する前記金融商品とに基づいて、前記金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する提案生成部と、
前記グラフコンテンツと、前記提案コンテンツとを前記利用者へ提供する提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記グラフ生成部は、
縦軸および横軸の2軸グラフにおいて、3軸目をプロット位置におけるバブルの大きさで表現した前記グラフコンテンツを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記グラフ生成部は、
4軸目以上の前記評価軸を、バブルの表示態様で表現した前記グラフコンテンツを生成する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記グラフ生成部は、
前記利用者に対応する金融商品と、前記利用者に対応しない金融商品とをプロットした前記グラフコンテンツを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記グラフ生成部は、
前記利用者に対応する金融商品と、前記利用者に対応しない金融商品とが同じ種類の金融商品である前記グラフコンテンツを生成する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記グラフ生成部は、
前記利用者に対応する金融商品と、前記利用者に対応しない金融商品とが異なる種類の金融商品である前記グラフコンテンツを生成する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提案生成部は、
前記利用者に対応する金融商品と、前記利用者に対応しない金融商品とについて特定の評価値が類似する前記グラフコンテンツを生成する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提案生成部は、
前記利用者に対応する金融商品の状況を変更する場合、変更内容と変更理由とを示す前記提案コンテンツを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する取得工程と、
前記状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに前記金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成するグラフ生成工程と、
前記複数の評価軸毎に予め定められた条件と、前記利用者に対応する前記金融商品とに基づいて、前記金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する提案生成工程と、
前記グラフコンテンツと、前記提案コンテンツとを前記利用者へ提供する提供工程と
を含む情報処理方法。
【請求項10】
利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する取得手順と、
前記状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに前記金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成するグラフ生成手順と、
前記複数の評価軸毎に予め定められた条件と、前記利用者に対応する前記金融商品とに基づいて、前記金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する提案生成手順と、
前記グラフコンテンツと、前記提案コンテンツとを前記利用者へ提供する提供手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用して株式等の金融商品を手軽に売買可能な技術が普及しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、数多く存在する金融商品の中から、利用者がより良い金融商品を探し出すことは容易ではない。例えば、商品内容が似たような金融商品が複数存在する場合であっても、信託報酬や総資産等がそれぞれの金融商品で異なることが多いが、利用者がそれぞれを比較して最適な金融商品を見つけるには多大な労力が必要となる。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者がより適切な金融商品を見つけることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、グラフ生成部と、提案生成部と、提供部とを備える。前記取得部は、利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する。前記グラフ生成部は、前記状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに前記金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する。前記提案生成部は、前記複数の評価軸毎に予め定められた条件と、前記利用者に対応する前記金融商品とに基づいて、前記金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する。前記提供部は、前記グラフコンテンツと、前記提案コンテンツとを前記利用者へ提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者がより適切な金融商品を見つけることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、金融商品情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、
図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、利用者端末100とを含む。利用者端末100は、インターネットを介して金融商品を売買する利用者が所持する端末装置である。
【0012】
図1において、実施形態に係る情報処理システムSは、利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する。また、情報処理装置1は、複数の評価軸毎に予め定められた条件を満たす条件状況と、状況情報に基づく金融商品の状況との比較結果に基づいて、金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成し、生成したグラフコンテンツと、提案コンテンツとを利用者へ提供する。
【0013】
金融商品は、例えば、株式、ETF(Exchange Traded Funds)、投資信託、債券、REIT(Real Estate Investment Trust)、コモディティ、FX(Foreign Exchange)、仮想通貨等がある。
【0014】
具体的には、まず、情報処理装置1は、利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する(ステップS1)。状況情報は、例えば、利用者が保有している銘柄、保有数、保有期間等の情報を含む。なお、状況情報は、利用者端末100から取得される以外にも、例えば、利用者が口座を開設している証券会社から取得されてもよい。なお、状況情報は、1つの金融商品に限定されるものではなく、複数の金融商品に関する状況であってもよい。また、状況情報は、例えば、利用者の複数の金融商品に関するポートフォリオであってもよい。また、状況情報は、利用者が保有している金融商品に限らず、利用者が未保有の金融商品であって、利用者が任意に指定した金融商品(つまり、購入を検討している金融商品)であってもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、利用者端末100を介して、利用者から金融商品に関する複数の評価軸の指定を受け付ける(ステップS2)。評価軸は、金融商品の評価に関する指標の軸であり、例えば、レーティング、売買手数料、報酬費用(信託報酬等)、利回り、資産額(総資産、時価総額、資金流入額)、基準価額、償還期限年数、最低買付価格、平均出来高、発行株式数、評価指数(PER、PBR、EPS、BPS、信用倍率等)、財務指標(粗利率、営業利率、成長率、資本回転率、ROE、流動比率等)等を含む。
【0016】
なお、情報処理装置1は、評価軸の指定を受け付けてもよく、利用者毎に自動で評価軸を選定してもよい。例えば、情報処理装置1は、利用者が過去に選択した評価軸を学習し、学習結果に基づいて評価軸を自動で選定する。あるいは、情報処理装置1は、利用者が保有している金融商品の種類に基づいて、当該種類において重要視されている評価軸を自動で選定してもよい。
【0017】
また、
図1では、評価軸として、レーティング、信託報酬、総資産の3つの評価軸が指定された例を示している。なお、指定(選択)する評価軸の数は、3つに限らず、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、取得した状況情報に基づいて、指定された複数の評価軸が設定されたグラフに、利用者が保有している金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する(ステップS3)。
図1に示す例では、レーティング、信託報酬および総資産の3軸が設定されたグラフを示している。具体的には、縦軸に信託報酬、横軸にレーティング、バブルの大きさに総資産を設定したグラフを示している。また、
図1では、利用者が保有している金融商品Aと、利用者が保有していない金融商品B~Fとを示している。金融商品B~Fは、金融商品Aと種類が同じ種類の金融商品であり、例えば、金融商品Aが投資信託である場合には、金融商品B~Fも投資信託となる。なお、金融商品B~Fは、金融商品Aと種類が同じ金融商品すべてを設定してもよく、あるいは、利回り等が類似している金融商品のみを設定してもよい。また、情報処理装置1は、種類の異なる金融商品の要素の表示態様(バブルやマークの色や形状等)を変えたグラフを生成してもよい。
【0019】
また、情報処理装置1は、例えば、投資成績が優秀(利益率が所定率以上)または劣等(利益率が所定率未満)の他の利用者が保有している金融商品(1または複数の金融商品)をグラフにプロットしてもよい。また、情報処理装置1は、例えば、利用者が指定した他の利用者(例えば、著名な投資家等)が保有している金融商品(1または複数の金融商品)をグラフにプロットしてもよい。この場合、後段の提案コンテンツは、利用者と他の利用者との比較結果を示すコンテンツが生成される。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、複数の評価軸毎に予め定められた条件と、利用者に対応する金融商品とに基づいて、金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する(ステップS4)。例えば、情報処理装置1は、利用者が保有している金融商品よりも評価軸における評価が良好な金融商品が存在する場合に、かかる金融商品への変更を提案する。
図1に示す例では、情報処理装置1は、「保有中の金融商品Aを金融商品Bに変更することをご提案致します」といった変更内容と、「金融商品Bは、金融商品Aと同等のレーティングで、信託報酬が安く、総資産が多いです。」といった変更理由とを示すテキスト情報を提案コンテンツとして生成する。つまり、評価軸毎に予め定められた条件とは、評価軸における評価値が高い程良いまたは悪いを示す条件であり、
図1の場合、信託報酬は低い(安い)程良く、レーティングは高い程良く、総資産は多い程良いという条件が設定される。また、評価軸毎に予め定められた条件は、評価軸における評価値が所定の範囲内であれば良い、あるいは、所定値に近ければ良いといった条件であってもよい。すなわち、評価軸毎に予め定められた条件とは、評価軸毎にどのような評価値の数値範囲が良い(悪い)かが定められた条件である。また、情報処理装置1は、評価軸に予め定められた条件を満たす金融商品を保有している場合、すなわち、評価値が高く良好な金融商品を保有している場合には、当該金融商品の買い増しを提案する提案コンテンツを生成してもよい。
【0021】
そして、情報処理装置1は、生成したグラフコンテンツおよび提案コンテンツを利用者端末100を介して利用者へ提供する(ステップS5)。なお、情報処理装置1は、生成したグラフコンテンツおよび提案コンテンツを証券会社へ提供してもよい。
【0022】
このように、実施形態に係る情報処理装置1によれば、評価軸に関するグラフコンテンツおよび提案コンテンツを生成して利用者へ提供することで、利用者は現在保有している金融商品よりもより適切な金融商品の存在を把握して更新することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、利用者がより適切な金融商品を見つけることができる。
【0023】
なお、
図1では、利用者が保有していない金融商品B~Fをグラフにプロットした例を示したが、例えば、金融商品B~Fの評価軸における平均値を示す領域をグラフに示してもよい。かかる場合、情報処理装置1は、現在保有している金融商品Aが他の金融商品に比べて評価軸における評価値が良い(悪い)を提案する提案コンテンツを提供する。
【0024】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数の利用者端末100と、複数のストア端末200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0025】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、利用者が保有している金融商品の状況を示す状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する。また、情報処理装置1は、複数の評価軸毎に予め定められた条件を満たす条件状況と、状況情報に基づく金融商品の状況との比較結果に基づいて、金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成し、生成したグラフコンテンツと、提案コンテンツとを利用者へ提供する。
【0026】
また、情報処理装置1は、複数の利用者端末100と連携し、複数の利用者端末100に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0027】
また、情報処理装置1は、複数の利用者端末100に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0028】
利用者端末100は、利用者が所持する端末装置である。利用者端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。利用者端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0029】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0030】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、グラフ生成部32と、提案生成部33と、提供部34とを備える。記憶部4は、利用者情報41と、金融商品情報42とを記憶する。
【0031】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0032】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0033】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0034】
利用者情報41は、利用者に関する情報である。
図4は、利用者情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、利用者情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「状況情報」等の項目を含む。
【0035】
「ユーザID」は、利用者を識別する識別情報である。「属性情報」は、利用者の属性に関する情報である。属性情報は、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「状況情報」は、利用者が現在保有している金融商品の状況を示す情報である。
【0036】
金融商品情報42は、金融商品に関する情報である。
図5は、金融商品情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、金融商品情報42は、「商品ID」、「金融情報」等の項目を含む。
【0037】
「商品ID」は、金融商品を識別する識別情報である。「金融情報」は、金融商品に関する情報であり、例えば、上記した評価軸に対応する評価値や、取り扱い証券会社等の情報を含む。
【0038】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、グラフ生成部32、提案生成部33および提供部34)について説明する。
【0039】
取得部31は、各種情報を取得する。取得部31は、利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する。状況情報は、例えば、利用者が保有している銘柄、保有数、保有期間等の情報を含む。なお、状況情報は、利用者端末100から取得される以外にも、例えば、利用者が口座を開設している証券会社から取得されてもよい。なお、状況情報は、1つの金融商品に限定されるものではなく、複数の金融商品に関する状況であってもよい。また、状況情報は、例えば、利用者の複数の金融商品に関するポートフォリオであってもよい。また、状況情報は、利用者が保有している金融商品に限らず、利用者が未保有の金融商品であって、利用者が任意に指定した金融商品(つまり、購入を検討している金融商品)であってもよい。
【0040】
また、取得部31は、利用者端末100を介して、利用者から金融商品に関する複数の評価軸の指定を受け付ける。評価軸は、金融商品の評価に関する指標の軸であり、例えば、レーティング、売買手数料、報酬費用(信託報酬等)、利回り、資産額(総資産、時価総額、資金流入額)、基準価額、償還期限年数、最低買付価格、平均出来高、発行株式数、評価指数(PER、PBR、EPS、BPS、信用倍率等)、財務指標(粗利率、営業利率、成長率、資本回転率、ROE、流動比率等)等を含む。
【0041】
なお、取得部31は、評価軸の指定を受け付けてもよく、利用者毎に自動で評価軸を選定してもよい。例えば、取得部31は、利用者が過去に選択した評価軸を学習し、学習結果に基づいて評価軸を自動で選定する。あるいは、取得部31は、は、利用者が保有している金融商品の種類に基づいて、当該種類において重要視されている評価軸を自動で選定してもよい。
【0042】
グラフ生成部32は、取得した状況情報に基づいて、指定された複数の評価軸が設定されたグラフに、利用者が保有している金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する。例えば、
図1に示したように、グラフ生成部32は、縦軸に信託報酬、横軸にレーティング、バブルの大きさに総資産を設定したグラフを示している。つまり、グラフ生成部32は、2軸グラフにおいて、3軸目をバブルの大きさで表現したグラフコンテンツを生成する。また、グラフ生成部32は、グラフにおいて、利用者が保有している金融商品と、利用者が保有していない金融商品とをプロットする。利用者が保有していない金融商品は、利用者が保有している金融商品と種類が同じ金融商品であり、例えば、利用者が保有している金融商品が投資信託である場合には、利用者が保有していない金融商品も投資信託となる。なお、利用者が保有していない金融商品は、利用者が保有している金融商品と種類が同じ金融商品すべてを設定してもよく、あるいは、利回り等の特定の評価値が類似している金融商品のみを設定してもよい。上記した特定の評価値は、利用者によって指定されてもよく、自動で選定されてもよい。
【0043】
また、
図1では、3軸のグラフの例を示したが、4軸や5軸のグラフも生成可能である。例えば、4軸のグラフの場合、
図1で示した3軸のグラフにおいて、バブルの色を4軸目とし、バブルの形状(丸、三角、四角等)を5軸目としてもよい。例えば、バブルの色は、金融商品の対象地域(インデックス投資における対象地域等)とし、バブルの形状は、金融商品の取り扱いタイプ(一般NISA、NISA、積立等)とする。つまり、上記した4軸および5軸は、評価値が数値ではなく種類である評価軸を採用することが好適である。あるいは、4軸以上の多次元グラフとしてもよい。
【0044】
また、グラフ生成部32は、提供したグラフにおいて、利用者が特定の領域を選択した場合に、グラフにおける当該特定の領域を拡大したグラフを生成してもよい。これにより、例えば、グラフにプロットされた金融商品が多くて密集する場合であっても、特定の領域における各金融商品の表示の視認性を高めることができる。
【0045】
また、グラフ生成部32は、グラフに表示されるバブルの大きさについて、利用者が任意に定めた閾値もしくは自動調整された数値を上限(下限)とし、それを超過する場合はバブルの外枠を破線で表したり、バブルの透過性を高めたりする等して表示態様を変えるようにしてもよい。また、グラフ生成部32は、バブルの大きさを利用者が任意に調整できる表示部品をグラフに表示してもよい。表示部品は、例えば、スライダー(目盛り等が付いたバーで操作できる表示部品)や、プルダウン式で「%」や「大きさ」を選ぶ表示部品、ラジオボタン式の表示部品等がある。
【0046】
また、グラフ生成部32は、金融商品の種類をバブルやマークの色や形状を変えて表示することで、異なる種類の金融商品が同一のグラフに表示されるようにしてもよい。
【0047】
提案生成部33は、複数の評価軸毎に予め定められた条件と、利用者に対応する金融商品とに基づいて、金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する。例えば、提案生成部33は、は、利用者が保有している金融商品よりも評価軸における評価が良好な金融商品が存在する場合に、かかる金融商品への変更を提案する。具体的には、
図1で示したように、提案生成部33は、は、「保有中の金融商品Aを金融商品Bに変更することをご提案致します」といった変更内容と、「金融商品Bは、金融商品Aと同等のレーティングで、信託報酬が訳す、総資産が多いです。」といった変更理由とを示すテキスト情報を提案コンテンツとして生成する。つまり、評価軸毎に予め定められた条件とは、評価軸における評価値が高い程良いまたは悪いを示す条件であり、
図1の場合、信託報酬は低い(安い)程良く、レーティングは高い程良く、総資産は多い程良いという条件が設定される。また、評価軸毎に予め定められた条件は、評価軸における評価値が所定の範囲内であれば良い、あるいは、所定値に近ければ良いといった条件であってもよい。すなわち、評価軸毎に予め定められた条件とは、評価軸毎にどのような評価値の数値範囲が良い(悪い)かが定められた条件である。
【0048】
提供部34は、生成したグラフコンテンツおよび提案コンテンツを利用者端末100を介して利用者へ提供する。なお、提供部34は、生成したグラフコンテンツおよび提案コンテンツを証券会社へ提供してもよい。
【0049】
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
図6に示すように、制御部3は、まず、利用者端末100から利用者が保有している金融商品の状況を示し状況情報を取得する(ステップS101)。
【0051】
つづいて、制御部3は、利用者端末100から複数の評価軸の指定を受け付ける(ステップS102)。
【0052】
つづいて、制御部3は、状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する(ステップS103)。
【0053】
つづいて、制御部3は、複数の評価軸毎に予め定められた条件と、利用者が保有している金融商品とに基づいて、金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する(ステップS104)。
【0054】
つづいて、制御部3は、生成したグラフコンテンツおよび提案コンテンツを利用者へ提供し(ステップS105)、処理を終了する。
【0055】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0056】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0057】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0058】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0059】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0060】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0061】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0062】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0063】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0064】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0065】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、取得部31と、グラフ生成部32と、提案生成部33と、提供部34とを備える。取得部31は、利用者に対応する金融商品の状況を示す状況情報を取得する。グラフ生成部32は、状況情報に基づいて、複数の評価軸が設定されたグラフに金融商品をプロットしたグラフコンテンツを生成する。提案生成部33は、複数の評価軸毎に予め定められた条件と、利用者に対応する金融商品とに基づいて、金融商品の状況の更新に関する提案コンテンツを生成する。提供部34は、グラフコンテンツと、提案コンテンツとを利用者へ提供する。このような構成により、利用者がより適切な金融商品を見つけることができる。
【0066】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0067】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0068】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0069】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0070】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 グラフ生成部
33 提案生成部
34 提供部
41 利用者情報
42 金融商品情報
100 利用者端末
S 情報処理システム