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特開2024-134317情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134317
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044553
(22)【出願日】2023-03-20
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術/分野間データ連携基盤技術/分野・組織を超えたデータ活用とサービス提供を実現する基盤の研究」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】光延 秀樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】原本に関連する情報の情報量を削減することを目的とする。
【解決手段】データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記憶部に記録する際に、前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記憶部に記録する際に、
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが複数存在するイベントのイベント情報である場合に、複数の前記直前イベントと対応するデータの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、処理をコンピュータに実行させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記原本識別情報、又は、複数の前記原本識別情報を、1つの変換識別情報と対応付けた変換テーブルを参照し、
前記イベント情報に含める前記原本識別情報、又は、複数の前記原本識別情報を、前記1つの変換識別情報に置き換える、処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1又は2記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
原本識別情報と、ユーザ識別情報とが対応付けられたユーザ登録情報を参照し、
前記記憶部に記録された前記イベント情報と対応する原本識別情報と対応する前記ユーザ識別情報に紐付けられたアプリケーションに対して、前記イベント情報が示すイベントの発生を通知する、処理を前記コンピュータに実行させる、請求項3記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
コンピュータによる情報処理方法であって、前記コンピュータが、
データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記憶部に記録する際に、
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、情報処理方法。
【請求項6】
データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記録する記憶部と、
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて前記記憶部に記録する登録処理部と、を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、データに対する加工や送受信等のイベントを示す情報にデータの原本となる原本データの識別情報を含め、時系列に連結させた来歴情報を記録することで、データを利活用するユーザによる原本データの追跡を可能とする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-3847号公報
【特許文献2】特開2014-170462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、イベントを示す情報の全てに、原本データの識別情報が含まれるため、原本に関する情報の情報量が増大する。
【0005】
1つの側面では、本発明は、原本に関連する情報の情報量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記憶部に記録する際に、前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
原本に関連する情報の情報量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】比較対象としての来歴情報とイベント情報について説明する図である。
図3】本実施形態の来歴情報について説明する第一の図である。
図4】本実施形態の来歴情報について説明する第二の図である。
図5】本実施形態の来歴情報について説明する第三の図である。
図6】変換テーブルの一例を示す図である。
図7】本実施形態の来歴情報について説明する第四の図である。
図8】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図9】サーバ装置の機能構成を説明する図である。
図10】情報処理システムの動作を説明するシーケンス図である。
図11】サーバ装置の処理を説明する第一のフローチャートである。
図12】サーバ装置の処理を説明する第二のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0010】
本実施形態の情報処理システム100は、サーバ装置200と、情報処理装置300-1、300-2、・・・、300-nと、端末装置400-1、400-2、・・・、400-nとを含む。サーバ装置200と情報処理装置300とは、ネットワーク等を介して接続される。また、サーバ装置200と端末装置400とは、ネットワーク等を介して接続される。
【0011】
本実施形態のサーバ装置200は、例えば、複数の組織間を流通するデータの取引の履歴を時系列に記録した来歴情報の管理を行う。来歴情報は、言い換えれば、複数の組織における取引の履歴を記録したトレーサビリティ情報である。
【0012】
さらに、本実施形態のサーバ装置200は、データを利活用するユーザに対し、データの来歴情報を提示する。また、本実施形態のサーバ装置200は、ユーザから指定されたデータの原本となる原本データの追跡を可能とする。
【0013】
本実施形態の情報処理装置300-1、300-2、・・・、300-nは、例えば、複数の組織のそれぞれにおいて管理される情報処理装置である。複数の組織とは、例えば、利活用されるデータの原本となる原本データを生成する組織、原本データに対する加工を行う組織等のように、データの取引を行う組織である。以下の説明において、情報処理装置300-1、300-2、・・・、300-nを区別しない場合には、情報処理装置300と表現する。
【0014】
本実施形態の端末装置400は、主に、データを利活用するユーザにより利用される端末装置である。端末装置400には、ユーザが登録した原本データと関連するイベントが発生したことを示す通知を受け付けて、この通知を表示させるプログラムがインストールされていてよい。また、このプログラムは、ユーザが登録した原本データと対応する来歴情報を表示させる機能を実現するものであってよい。
【0015】
さらに、このプログラムは、例えば、情報処理システム100の管理者等によって配布されるアプリケーションであってもよい。
【0016】
本実施形態のサーバ装置200は、イベントデータベース210、ユーザ登録データベース220、登録処理部230、通知処理部240を有する。
【0017】
本実施形態のイベントデータベース210は、来歴情報が格納される。本実施形態の来歴情報は、データに対する操作が行われる度に生成されるイベント情報を時系列に連結した情報である。来歴情報とイベント情報の詳細は後述する。
【0018】
ユーザ登録データベース220は、データを利活用するユーザを特定する情報と、原本データを特定する識別情報とが対応付けられたユーザ登録情報が格納される。ユーザを特定する情報とは、ユーザ識別情報(ユーザID)であってよく、原本データを特定する情報は、原本識別情報(原本ID)であってよい。
【0019】
登録処理部230は、情報処理装置300にから、取引の対象となるデータに対する操作(イベント)の発生が通知されると、操作の内容を示すイベント情報をイベントデータベース210に格納する。
【0020】
データに対する操作とは、例えば、データの生成、データの送信、データの受信、データの加工等を含む。また、データに対する操作を示すイベント情報とは、言い換えれば、データに対する操作の履歴を示す情報である。
【0021】
また、本実施形態のイベント情報は、少なくとも、イベント情報を特定するためのイベント識別情報と、イベント情報と対応するイベントの直前に行われたイベントを示す直前のイベント情報のイベント識別情報と、イベント(操作)の内容を示す情報の格納先を示すURL(Uniform Resource Locator)とを含む。
【0022】
本実施形態の通知処理部240は、登録処理部230によりイベント情報がイベントデータベース210に格納されると、ユーザ登録データベース220を参照し、イベント情報と関連する原本IDが、ユーザIDと対応付けられているか否かを判定する。そして、通知処理部240は、原本IDとユーザIDとが対応付けられている場合に、原本IDにユーザIDが対応付けられたユーザの端末装置400に対し、イベントの発生を通知する。
【0023】
なお、図1の例では、サーバ装置200を1台の情報処理装置として記載したが、これに限定されない。サーバ装置200は、複数台設けられていてもよい。また、複数台のサーバ装置200は、ブロックチェーンシステムに含まれる分散台帳ノードであり、それぞれがP2P(Peer to Peer)方式で接続されていてもよい。
【0024】
ここで、図2を参照して、比較対象としての来歴情報とイベント情報について説明する。図2は、比較対象としての来歴情報とイベント情報について説明する図である。
【0025】
図2の例では、企業Aにおいて生成されたデータと、企業Gにおいて生成されたデータと、が流通した場合を示している。以下の説明では、企業Aにおいて生成されたデータを、原本Xと呼び、企業Gにおいて生成されたデータを原本Yと呼ぶ。
【0026】
なお、原本X、Yのそれぞれは、例えば、撮像装置によって撮像された画像データや、自動車を含む移動体から取得された運転履歴データ等であってよい。
【0027】
図2では、企業Aが企業Bに原本Xを送信(販売)し、企業Bが原本Xを受信(購入)し、原本Xを加工して企業Cに送信(販売)し、企業Cが企業Bで加工されたデータを受信(購入)し、受信したデータを加工して企業Dに送信(販売)して場合を示す。
【0028】
また、図2では、企業Dが企業Cで加工されたデータを受信(購入)し、受信したデータを加工して企業Eに送信(販売)し、企業Eが企業Dで加工されたデータを受信し、受信したデータを加工した場合を示している。
【0029】
また、図2では、企業Gが企業Hに原本Yを送信(販売)し、企業Hが原本Yを受信(購入)し、原本Yを加工したデータを企業Iに送信(販売)し、企業Iが企業Hで加工されたデータを受信(購入)し、受信したデータを加工して企業Jに送信(販売)し、企業Jが企業Iで加工されたデータを受信(購入)し、受信したデータを加工して企業Eに送信(販売)した場合を示している。企業Aから企業Jは、流通するデータの取引を行う組織の一例である。
【0030】
また、図2では、情報処理装置300-1は、企業Aにおいて管理される情報処理装置であり、情報処理装置300-2は、企業Bにおいて管理される情報処理装置であり、情報処理装置300-3は、企業Cにおいて管理される情報処理装置である。また。情報処理装置300-4は、企業Dにおいて管理される情報処理装置であり、情報処理装置300-5は、企業Eにおいて管理される情報処理装置である。
【0031】
さらに、図2では、情報処理装置300-7は、企業Gにおいて管理される情報処理装置であり、情報処理装置300-8は、企業Hにおいて管理される情報処理装置であり、情報処理装置300-9は、企業Iにおいて管理される情報処理装置であり、情報処理装置300-10は、企業Jにおいて管理される情報処理装置である。
【0032】
ここで、例えば、情報処理装置300-1は、原本Xが生成されると、原本Xを生成する操作を示すイベント情報20の登録要求をサーバ装置200に送信する。
【0033】
イベント情報20は、「企業Aが原本Xを生成する操作」を示す情報であり、原本Xを特定するための原本IDを含む。また、イベント情報20は、イベント情報20を特定するためのイベント識別情報であるイベントIDと、イベントの内容を示す情報の格納場所を示すURLと、を含んでよい。
【0034】
さらに、イベント情報は、直前のイベント情報のイベントIDが含まれてよい。直前のイベント情報とは、イベント情報が示す操作が行われる直前に行われた操作を示すイベント情報である。なお、イベント情報20は、最初の操作を示すイベント情報であるため、直前のイベント情報のイベントIDは、含まれなくてよい。
【0035】
サーバ装置200は、情報処理装置300-1からイベント情報20の登録要求を受信すると、イベント情報20をデータベースに格納する。
【0036】
また、情報処理装置300-1は、原本Xを、企業Bで管理される情報処理装置300-2に送信すると、原本Xを情報処理装置300-2に送信する操作を示すイベント情報21を生成する。イベント情報21には、原本Xの原本IDと、イベント情報21のイベントIDと、イベント情報21の直前のイベント情報であるイベント情報20のイベントIDと、を含む。
【0037】
サーバ装置200は、情報処理装置300-1からイベント情報21の登録要求を受信すると、これをデータベースに格納して管理する。
【0038】
情報処理装置300-2は、原本Xを加工して送信する操作を受け付けると、この操作を示すイベント情報23を生成し、サーバ装置200に送信する。イベント情報23は、原本Xの原本IDと、イベント情報23のイベントIDと、イベント情報23の直前のイベント情報であるイベント情報22のイベントIDと、を含む。イベント情報24、25、26、27、28もそれぞれ同様に、原本Xの原本ID、自身のイベントID、直前のイベント情報のイベントIDを含む。
【0039】
また、例えば、情報処理装置300-7は、イベント情報30を生成し、イベント情報30の登録要求をサーバ装置200に送信する。
【0040】
イベント情報30は、「企業Gが原本Yを生成する操作」と対応する情報であり、原本Yを特定するための原本IDを含む。また、イベント情報30は、イベント情報30を特定するための識別情報であるイベントIDと、イベントの内容を示す情報の格納場所を示すURLと、を含んでよい。
【0041】
サーバ装置200は、情報処理装置300-7からイベント情報30の登録要求を受信すると、これをデータベースに格納して管理する。
【0042】
また、情報処理装置300-7は、原本Yを、企業Hで管理される情報処理装置300-8に送信すると、原本Yを情報処理装置300-8に送信する操作を示すイベント情報31を生成する。イベント情報31には、原本Yの原本IDと、イベント情報31のイベントIDと、イベント情報31の直前のイベント情報であるイベント情報30のイベントIDと、を含む。イベント情報32、33、34、35、36、38のそれぞれも同様に、原本Yの原本ID、自身のイベントID、直前のイベント情報のイベントIDを含む。
【0043】
また、図2の例では、情報処理装置300-5において、情報処理装置300-4から受信したデータと、情報処理装置300-10から受信したデータとを加工する操作が行われた場合を示している。この場合、情報処理装置300-5は、この操作を示すイベント情報29を生成する。
【0044】
このとき、イベント情報29には、原本Xの原本IDと原本Yの原本IDとが含まれる。また、イベント情報29の直前に行われたイベントを示すイベント情報は、イベント情報28とイベント情報38の2つである。したがって、情報処理装置300-5は、イベント情報28のイベントIDと原本Xの原本ID、イベント情報38のイベントIDと原本Yの原本IDとを含むイベント情報29を生成する。
【0045】
比較例の来歴情報は、例えば、イベント情報20~29、イベント情報30~38を時系列に連結させた情報である。このため、比較例の来歴情報に含まれるイベント情報では、全てのイベント情報に、原本データの原本IDが含まれる。
【0046】
次に、図3乃至図5を参照して、本実施形態の来歴情報について説明する。図3は、本実施形態の来歴情報について説明する第一の図である。
【0047】
図3(A)は、本実施形態の来歴情報に含まれるイベント情報について説明する第一の図であり、図3(B)は、本実施形態の来歴情報に含まれるイベント情報について説明する第二の図である。
【0048】
まず、図3(A)について説明する。本実施形態では、来歴情報において連結されているイベント情報を遡ったときに、連結されたイベント情報が分岐していない部分を1つのノードとして扱う。言い換えれば、本実施形態では、直前のイベント情報のイベントIDが1つであるイベント情報同士が連結している部分を、1つのノードとして扱う。
【0049】
具体的には、本実施形態では、連結されるイベント情報が分岐していない場合には、N回目にイベントデータベース210に格納するイベント情報にのみ、原本IDを含め、それ以外のイベント情報には原本IDを含めない。
【0050】
言い換えれば、本実施形態のサーバ装置200は、直前のイベント情報のイベントIDが1つであるイベント情報をN回受信すると、N回目に受信したイベント情報にのみ、原本IDを含めてイベントデータベース210に格納する。そして、本実施形態では、N回目以外のイベント情報は、原本IDを除外してイベントデータベース210に格納する。Nの値は、所定の値であり、予め設定されている。
【0051】
図3(A)では、N=3回として場合を示している。ここでは、サーバ装置200は、情報処理装置300-1からイベント情報21を受信したとする(図2参照)。
【0052】
この場合、イベント情報21に含まれる直前のイベント情報のイベントIDは、イベント情報20のイベントIDのみである。
【0053】
したがって、本実施形態のサーバ装置200は、イベント情報21に含まれる原本Xの原本IDを含めないイベント情報21aを、イベントデータベース210に格納する。言い換えれば、サーバ装置200は、イベント情報21から原本IDを除外したイベント情報21aをイベントデータベース210に格納する。
【0054】
また、サーバ装置200は、情報処理装置300-1から、イベント情報22を受信したとする。この場合、イベント情報22の直前のイベント情報のイベントIDは、イベント情報21のイベントIDのみである。したがって、サーバ装置200は、イベント情報20に含まれる原本Xの原本IDを含めないイベント情報22aをイベントデータベース210に格納する。言い換えれば、サーバ装置200は、イベント情報22から原本IDを除外したイベント情報22aをイベントデータベース210に格納する。
【0055】
次に、サーバ装置200は、情報処理装置300-2から、イベント情報23を受信したとする。この場合、イベント情報23の直前のイベント情報のイベントIDは、イベント情報22のイベントIDのみである。
【0056】
しかし、ここでは、直前のイベント情報のイベントIDが1つであるイベント情報を3回受信したため、サーバ装置200は、原本Xの原本IDを含むイベント情報23をそのままイベントデータベース210に格納する。そして、サーバ装置200は、N回のカウントをゼロに戻す。
【0057】
次に、サーバ装置200が、情報処理装置300-3からイベント情報24を受信したとする。この場合、サーバ装置200は、イベント情報24の直前のイベント情報のイベントIDは、イベント情報23のイベントIDのみであるため、原本IDを含まないイベント情報24aをイベントデータベース210に格納し、N回のカウントを1とする。
【0058】
同様に、イベント情報25は、原本IDを含まないイベント情報25aとしてイベントデータベース210に格納され、N回のカウントが2となる。
【0059】
イベント情報26は、直前のイベント情報のイベントIDはイベント情報25aのイベントIDのみであるが、N回のカウントが3となるため、原本IDを含んだイベント情報として、イベントデータベース210に格納される。
【0060】
本実施形態では、このように、直前のイベント情報のイベントIDが1つであるイベント情報が連結されている場合には、N回おきにイベント情報に原本IDを含めてイベントデータベース210に格納する。このため、本実施形態では、イベントデータベース210に格納される原本に関連する情報の情報量を削減できる。
【0061】
また、本実施形態のサーバ装置200は、イベント情報から、イベントと対応するデータの原本データの原本IDを特定する場合に、最も多くても、このイベント情報からN回イベント情報を遡ることで、原本IDを特定できる。
【0062】
具体的には、例えば、イベント情報25aが示すイベントと対応するデータの原本データの原本IDを特定する場合、サーバ装置200は、イベント情報25aに含まれる、直前のイベント情報のイベントIDから、イベント情報24aを特定する。イベント情報24aは、原本IDを含まない。
【0063】
したがって、サーバ装置200は、次に、イベント情報24aに含まれる、直前のイベント情報のイベントIDから、イベント情報23を特定する。イベント情報23は、原本IDを含むため、サーバ装置200は、イベント情報25aが示すイベントと対応するデータの原本データの原本IDを特定することができる。
【0064】
なお、以下の説明では、イベント情報が示すイベントと対応するデータの原本データの原本IDを、イベント情報と関連する原本ID、又は、イベントと関連する原本IDと表現する場合がある。
【0065】
次に、図3(B)について説明する。本実施形態では、来歴情報において連結されているイベント情報を遡ったときに、連結されたイベント情報が分岐する場合に、分岐点となるイベント情報に、直前のイベント情報と関連する原本IDの全てが含まれるようにする。
【0066】
言い換えれば、本実施形態では、直前のイベント情報のイベントIDが複数含まれるイベント情報には、直前のイベント情報のそれぞれと関連する原本IDの全てをイベント情報に含めて、イベントデータベース210に格納する。
【0067】
図3(B)に示すように、イベント情報29は、直前のイベント情報のイベントIDとして、イベント情報28aのイベントIDと、イベント情報38aのイベントIDとを含む。
【0068】
したがって、イベント情報29は、来歴情報において、連結されたイベント情報を分岐させるイベント情報と言える。言い換えれば、イベント情報29は、来歴情報においてイベント情報を遡ったときの分岐点となるイベント情報と言える。
【0069】
この場合、サーバ装置200は、イベント情報29に、直前のイベント情報であるイベント情報28aと関連する原本IDと、イベント情報38aと関連する原本IDとを含める。
【0070】
イベント情報28aと関連する原本IDは、原本Xの原本IDであり、イベント情報38aと関連する原本IDは、原本Yの原本IDである。したがって、サーバ装置200は、イベント情報29に、原本Xの原本IDと、原本Yの原本IDとを含める。
【0071】
本実施形態では、このようにイベント情報を管理することで、連結されたイベント情報が分岐している場合であっても、あるイベント情報と関連する原本IDを特定する際に、イベント情報を遡る回数が増大することを防止できる。
【0072】
このように、本実施形態のサーバ装置200は、情報処理装置300-1、・・・、300-nからイベント情報を受信した際に、下記の2つの方法で、原本IDをイベントデータベース210に格納する。
【0073】
・直前のイベントが1つであるイベントは、N回毎にイベント情報にイベントと関連する原本IDを含めて記録する。
【0074】
・直前のイベントが複数であるイベントは、複数の直前のイベントと関連する全ての原本IDをイベント情報に含めて記録する。
【0075】
なお、以下の説明では、直前のイベントを直前イベントと表現する場合がある。
【0076】
上述した方法で原本IDをイベントデータベース210に格納した場合を、図4に示す。
【0077】
図4は、本実施形態の来歴情報について説明する第二の図である。図4では、原本Xの原本IDが含まれるイベント情報は、イベント情報20、23、26、28、29であり、原本Yの原本IDが含まれるイベント情報は、イベント情報30、33、36、38である。このことから、本実施形態を適用することで、図2に示す来歴情報と比較して、原本に関連する情報の情報量を削減できる。
【0078】
さらに、本実施形態では、あるイベント情報と関連する原本IDを特定する場合には、最大でN回イベント情報を遡ればよく、短時間で指定されたイベント情報と関連する原本IDを特定することができる。
【0079】
次に、図5図6を参照して、直前のイベント情報のイベントIDが複数であるイベント情報について説明する。図5は、本実施形態の来歴情報について説明する第三の図である。
【0080】
図5では、直前イベントが複数存在するイベントのイベント情報における、原本IDの格納の仕方を示している。
【0081】
図5において、イベント情報51には、直前イベントのイベント情報と関連する原本IDとして、原本Xの原本ID、原本Yの原本ID、原本Zの原本ID、原本Sの原本IDが含まれる。
また、イベント情報52には、直前イベントと関連する原本IDとして、原本Zの原本ID、原本Sの原本ID、原本Tの原本ID、原本Uの原本IDが含まれる。
【0082】
また、図5に示すイベント情報53と対応するイベントの直前イベントは、イベント情報51と対応するイベントと、イベント情報52と対応するイベントである。
【0083】
したがって、イベント情報53には、直前イベントのイベントIDとして、イベント情報52のイベントIDと、イベント情報53のイベントIDとが含まれる。つまり、イベント情報53には、直前イベントのイベントIDが複数含まれる。
【0084】
このため、イベント情報53には、直前イベントのイベント情報と関連する全ての原本IDとして、原本Xの原本ID、原本Yの原本ID、原本Zの原本ID、原本Sの原本ID、原本Tの原本ID、原本Uの原本IDが含まれることなる。
【0085】
このように、本実施形態では、1つのイベント情報に、多数の原本IDが含まれる可能性がある。
【0086】
そこで、本実施形態では、複数の原本IDの組み合わせを、変換識別情報(変換ID)と対応付けた変換テーブルを保持し、複数の原本IDの組み合わせを、1つの変換識別情報に置き換えて、イベントデータベース210に格納する。
【0087】
以下に、図6を参照して、本実施形態の変換テーブル237(後述する図9参照)について説明する。図6は、変換テーブルの一例を示す図である。
【0088】
本実施形態の変換テーブル237は、情報の項目として、変換IDと原本とを有し、両者は対応付けられている。
【0089】
図6の例では、変換ID「id0」と原本Xの原本IDが対応付けられており、変換ID「id1」と原本Yの原本IDが対応付けられており、変換ID「id2」と原本Zの原本IDが対応付けられている。
【0090】
また、図6の例では、変換ID「id3」と、原本Xの原本IDと原本Yの原本IDとの組み合わせが対応付けられており、変換ID「id4」と、原本Xの原本IDと原本Yの原本IDと原本Zの原本IDの組み合わせが対応付けられている。
【0091】
本実施形態の項目「変換ID」の値は、例えば、整数値等で示される値であり、原本IDよりも情報量が少ない値である。
【0092】
本実施形態では、このように、原本IDを情報量の少ない変換IDに置き換え、置き換えた変換IDをイベント情報に含めて、イベントデータベース210に格納する。したがって、本実施形態によれば、イベントデータベース210における原本に関連する情報量を削減することができる。
【0093】
以下に、図7を参照して、図4に示すイベント情報に含まれる原本IDを、変換IDに置き換えた場合について説明する。図7は、本実施形態の来歴情報について説明する第四の図である。
【0094】
図7において、イベント情報23a、26a、28a、29aでは、原本Xの原本IDの代わりに、原本Xの原本IDと置き換えられた変換ID「id0」が含まれる。
【0095】
また、図7において、イベント情報33a、36a、38aには、原本Yの原本IDの代わりに、原本Yの原本IDと置き換えられた変換ID「id1」が含まれる。
【0096】
さらに、図7では、イベント情報29aにおいて、原本Xの原本IDと、原本Yの原本IDとの組み合わせを示す変換ID「id3」が含まれる。
【0097】
このように、本実施形態では、原本IDを、原本IDよりも情報量の少ない変換IDに置き換えることで、イベントデータベース210に格納される原本に関連する情報の情報量を削減できる。
【0098】
また、本実施形態では、複数の原本IDを、1つの変換IDに置き換えることで、イベントデータベース210に格納される原本に関連する情報の情報量を削減できる。
【0099】
以下に、図8図9を参照して、本実施形態のサーバ装置200について説明する。図8は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0100】
本実施形態のサーバ装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置201、出力装置202、ドライブ装置203、補助記憶装置204、メモリ装置205、演算処理装置206及びインターフェース装置207を含むコンピュータである。
【0101】
入力装置201は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置202は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置207は、LANカード等を含み、ネットワークに接続するために用いられる。
【0102】
サーバ装置200が有する登録処理部230と通知処理部240を実現させる情報処理プログラムは、サーバ装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。情報処理プログラムは、例えば、記録媒体208の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。情報処理プログラムを記録した記録媒体208は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0103】
記録媒体208に記録された情報処理プログラムは、情報処理プログラムを記録した記録媒体208がドライブ装置203にセットされると、記録媒体208からドライブ装置203を介して補助記憶装置204にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた情報処理プログラムは、インターフェース装置207を介して補助記憶装置204にインストールされる。
【0104】
補助記憶装置204は、サーバ装置200の有するイベントデータベース210、ユーザ登録データベース220等を実現するものであり、サーバ装置200にインストールされた情報処理プログラムを格納すると共に、サーバ装置200による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置205は、サーバ装置200の起動時に補助記憶装置204から情報処理プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置206はメモリ装置205に格納された情報処理プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0105】
なお、本実施形態の情報処理装置300と端末装置400も、演算処理装置と記憶装置とを有するコンピュータであり、その基本的なハードウェア構成は、サーバ装置200と同様であるから、説明を省略する。
【0106】
次に、図9を参照して、本実施形態のサーバ装置200の機能構成について説明する。図9は、サーバ装置の機能構成を説明する図である。
【0107】
本実施形態のサーバ装置200は、イベントデータベース210、ユーザ登録データベース220、登録処理部230、通知処理部240を有する。
【0108】
登録処理部230は、入力受付部231、情報保持部232、原本有無判定部233、原本記録判定部234、テーブル更新部235、記録部236を有する。
【0109】
入力受付部231は、サーバ装置200に対する各種の情報の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部231は、情報処理装置300から、イベント情報の登録要求を受け付ける。
【0110】
情報保持部232は、登録処理部230の処理の際に参照される情報が保持される。具体的には、情報保持部232は、変換テーブル237、連結数情報238を保持する。
【0111】
変換テーブル237は、図6において説明したため、ここでの説明を省略する。連結数情報238は、予め設定された所定回数Nの値を示す。言い換えれば、連結数情報238は、予め設定された値Nを示す。
【0112】
原本有無判定部233は、イベント情報が入力された場合に、イベントデータベース210を参照し、入力されたイベント情報の直前イベントのイベント情報に、原本IDが含まれているか否かを判定する。
【0113】
原本記録判定部234は、入力されたイベント情報をイベントデータベース210に格納する際に、原本IDを含めるか否かを判定する。
【0114】
具体的には、原本記録判定部234は、入力されたイベント情報に含まれる直前イベントのイベントIDが複数であった場合には、入力されたイベント情報に、直前イベントと関連する原本IDを全て含めると判定する。
【0115】
また、原本記録判定部234は、入力されたイベント情報に含まれる直前イベントのイベントIDが一つである場合、連結数情報238が示すN回目に受信したイベント情報であるか否かを判定する。そして、原本記録判定部234は、N回目の受信であった場合に、入力されたイベント情報に、イベント情報と関連する原本IDを含めると判定する。
【0116】
テーブル更新部235は、変換テーブル237を更新する。具体的には、テーブル更新部235は、変換テーブル237に格納されていない原本IDや、原本IDの組み合わせが登場した場合に、変換テーブル237を更新する。
【0117】
記録部236は、入力受付部231が受け付けたイベント情報と、原本記録判定部234による判定結果と、に基づき、イベントデータベース210にイベント情報を格納する。言い換えれば、記録部236は、イベント情報を記憶部に記録する。
【0118】
通知処理部240は、原本検索部241、通知出力部242を有する。原本検索部241は、入力受付部231がイベント情報の入力を受け付けると、入力されたイベント情報と関連する原本IDを特定し、特定した原本IDでユーザ登録データベース220を検索し、特定された原本IDと一致する原本IDを抽出する。
【0119】
通知出力部242は、ユーザ登録データベース220を参照し、原本検索部241により抽出された原本IDと対応するユーザIDを特定し、特定されたユーザIDと対応付けられた端末装置400に対し、イベントの発生を通知する。
【0120】
なお、本実施形態のユーザ登録データベース220では、予め、ユーザIDと原本IDとが対応付けられたユーザ登録情報が格納されている。ユーザIDは、データを利活用するユーザを特定する情報であり、ユーザIDと対応付けられた原本IDは、ユーザによって指定された原本データを示す。
【0121】
次に、図10を参照して、本実施形態の情報処理システム100の動作について説明する。図10は、情報処理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0122】
本実施形態の情報処理システム100において、情報処理装置300は、取引対象となるデータに対する操作が行われると、この操作を示すイベント情報の登録要求と共に、イベント情報をサーバ装置200に送信する(ステップS1001)。
【0123】
サーバ装置200は、イベント情報の入力を受け付けると、登録処理部230により、イベント情報をイベントデータベース210に格納(記録)する(ステップS1002)。
【0124】
続いて、サーバ装置200は、通知処理部240により、イベントの発生を通知する通知先を検索し(ステップS1003)、検索された通知先へイベントの発生を通知する(ステップS1004)。
【0125】
なお、図10の例では、登録処理部230によるステップS1002の処理と、通知処理部240によるステップS1003、ステップS1004の処理と、が連続して実行されるものとしたが、これに限定されない。登録処理部230の処理と、通知処理部240の処理とは、それぞれが独立したタイミングで実行されてよい。
【0126】
次に、図11図12を参照して、登録処理部230と通知処理部240の処理について説明する。
【0127】
図11は、サーバ装置の処理を説明する第一のフローチャートである。図11では、図10におけるステップS1002の処理の詳細を示す。言い換えれば、図11は、登録処理部230の処理の詳細を示す。
【0128】
本実施形態の登録処理部230は、原本記録判定部234により、入力されたイベント情報の直前イベントが1つであるか否かを判定する(ステップS1101)。具体的には、原本記録判定部234は、入力されたイベント情報に含まれる直前イベントのイベントIDが1つであるか否かを判定する。
【0129】
ステップS1101において、直前イベントの数が複数である場合、登録処理部230は、後述するステップS1108へ進む。
【0130】
ステップS1101において、直前イベントが1つである場合、原本記録判定部234は、直前イベントのイベント情報を辿る(ステップS1102)。言い換えれば、原本記録判定部234は、イベントデータベース210に格納されたイベント情報のうち、入力されたイベント情報に含まれる直前イベントのイベントIDと対応するイベント情報を参照する。
【0131】
続いて、登録処理部230は、原本有無判定部233により、直前イベントのイベント情報に、原本IDが含まれるか否かを判定する(ステップS1103)。ステップS1103において、直前イベントのイベント情報に原本IDが含まれない場合、登録処理部230は、ステップS1102に戻る。
【0132】
ステップS1103において、直前イベントのイベント情報に原本IDが含まれる場合、登録処理部230は、原本記録判定部234により、連結数情報238が示すN回、イベント情報を遡ったか否かを判定する(ステップS1104)。
【0133】
ステップS1104において、N回遡っていない場合、原本記録判定部234は、イベントデータベース210に格納するイベント情報に原本IDを含めないと判定し、入力されたイベント情報と関連する原本IDを、入力されたイベント情報から除外する(ステップS1105)。
【0134】
続いて、登録処理部230は、原本IDを含まないイベント情報をイベントデータベース210に格納する(ステップS1106)。言い換えれば、登録処理部230は、原本IDが除外されたイベント情報をイベントデータベース210に格納する。
【0135】
ステップS1104において、N回遡った場合、原本記録判定部234は、イベントデータベース210に格納するイベント情報に原本IDを含めると判定し、入力されたイベント情報と関連する原本IDを保持し(ステップS1107)、後述するステップS1113へ進む。
【0136】
ステップS1101において、入力されたイベント情報に含まれる直前イベントのイベントIDが複数である場合、登録処理部230は、原本有無判定部233により、イベントデータベース210から、直前イベントのイベントIDを1つ抽出し(ステップS1108)、ステップS1109へ進む。
【0137】
ステップS1109とステップS1110の処理は、ステップS1102とステップS1103の処理と同様であるから、説明を省略する。
【0138】
ステップS1110において、直前イベントのイベント情報に原本IDが含まれない場合、登録処理部230は、ステップS1109に戻る。
【0139】
ステップS1110において、直前イベントのイベント情報に原本IDが含まれる場合、登録処理部230は、原本記録判定部234により、この原本IDを保持する(ステップS1111)。
【0140】
続いて、登録処理部230は、入力されたイベント情報に含まれる全ての直前イベントのイベントIDについて、ステップS1108からステップS1111までの処理を行ったか否かを判定する(ステップS1112)。ステップS1112において、全ての直前イベントのイベントIDに対して処理を行っていない場合、登録処理部230は、ステップS1108へ戻る。
【0141】
ステップS1112において、全ての直前イベントのイベントIDに対して処理を行った場合、登録処理部230は、記録部236により、変換テーブル237を参照し、保持している原本ID又は保持している原本IDの組み合わせと対応する変換IDが存在するか否かを判定する(ステップS1114)。
【0142】
ステップS1114において、該当する変換IDが存在しない場合、テーブル更新部235は、変換テーブル237を更新し(ステップS1115)、後述するステップS1116へ進む。具体的には、テーブル更新部235は、保持している原本ID又は保持している原本IDの組み合わせに、新たに変換IDを対応付けて、変換テーブル237に格納する。
【0143】
ステップS1114において、変換テーブル237に該当する変換IDが存在する場合、登録処理部230は、記録部236により、保持している原本ID又は保持している原本IDの組み合わせを、保持している原本ID又は保持している原本IDの組み合わせと対応付けられた変換IDに置き換え(ステップS1116)、ステップS1106へ進む。
【0144】
つまり、記録部236は、入力されたイベント情報に複数の直前イベントのイベントIDが含まれる場合に、複数の直前イベントと関連する全ての原本IDを、1つの変換IDに置き換える。
【0145】
本実施形態では、このようにして、イベント情報をイベントデータベース210に格納することで、全てのイベント情報に原本IDが含まれることがなくなる。また、本実施形態では、複数の原本IDの組み合わせが1つの変換IDに置き換えられる。したがって、本実施形態によれば、原本データを検索するために必要となる情報の情報量を削減することができる。
【0146】
さらに、本実施形態では、新たに追加されたイベントの直前イベントが1つのみの場合は、N回過去のイベント情報を遡るだけで、原本IDを特定することができる。さらに、本実施形態では、新たに追加されたイベントの直前イベントが複数ある場合は、新たに追加されたイベントと関連する全ての原本IDを記録するため、過去のイベント情報を遡る回数が増大することを防止できる。
【0147】
ここで、イベントデータベース210に格納されるイベント情報のうち、80%が、直前イベントが1つであるイベントのイベント情報であり、20%が、直前イベントが3つ存在するイベントのイベント情報と仮定した場合について説明する。
【0148】
この場合、直前イベントが1つであるイベントについては、原本IDがイベントデータベース210に格納(記録)される回数が、本実施形態を適用しない場合と比較して、約1/3回となることがわかった。
【0149】
このように、本実施形態では、原本に関連する情報の情報量を削減することができる。
【0150】
次に、図12を参照して、本実施形態のサーバ装置200の有する通知処理部240の処理について説明する。図12は、サーバ装置の処理を説明する第二のフローチャートである。図12では、図10におけるステップS1003、ステップS1004の処理の詳細を示す。言い換えれば、図12は、通知処理部240の処理の詳細を示す。
【0151】
本実施形態の通知処理部240は、イベント情報がイベントデータベース210に格納されると、原本検索部241により、格納されたイベント情報と関連する原本IDが、ユーザ登録データベース220に格納されたユーザ登録情報に含まれる原本IDと一致するか否かを検索する(ステップS1201)。
【0152】
ここで、原本検索部241の処理の詳細を説明する。
【0153】
登録処理部230によりイベントデータベース210に格納されたイベント情報では、原本IDは変換IDに置き換えられている。
【0154】
このため、原本検索部241は、イベントデータベース210に新たに格納されたイベント情報に変換IDが含まれる場合は、変換テーブル237を参照し、変換IDと対応する原本IDを取得し、取得した原本IDを検索キーとして、ユーザ登録データベース220を検索する。
【0155】
また、原本検索部241は、イベントデータベース210に新たに格納されたイベント情報に変換IDが含まれない場合には、直前イベントのイベント情報を辿り、変換IDを取得する。そして、原本検索部241は、変換テーブル237において、取得した変換IDと対応する原本IDを取得し、この原本IDを検索キーとして、ユーザ登録データベース220を検索する。
【0156】
続いて、通知処理部240は、原本検索部241による検索の結果、一致する原本IDが存在するか否か判定し(ステップS1202)。ステップS1202において一致する原本IDが存在しない、後述するステップS1204へ進む。
【0157】
ステップS1202において、一致する原本IDが存在する場合、通知処理部240は、通知出力部242により、ユーザ登録データベース220において、この原本IDと対応付けられたユーザIDと紐付くプログラムに対し、イベントの発生を通知する(ステップS1203)。
【0158】
具体的には、通知出力部242は、原本IDと対応するユーザIDと紐付けられたプログラムがインストールされた端末装置400に対して、イベントが発生したことを示す通知を送信する。
【0159】
続いて、通知処理部240は、ユーザ登録データベース220に格納された全てのユーザ登録情報が、検索キーとなる原本IDと比較されたか否かを判定する(ステップS1204)。ステップS1204において、全てのユーザ登録情報との比較が行われていない場合、通知処理部240は、ステップS1201へ戻る。
【0160】
ステップS1204において、全てのユーザ登録情報との比較が行われた場合、通知処理部240は処理を終了する。
【0161】
以上のように、本実施形態では、新たなイベントが発生した場合に、イベントと関連する原本IDと対応するユーザに対し、イベントの発生を通知することができ、ユーザが指定した原本IDの来歴をユーザに把握させることができる。
【0162】
なお、本実施形態では、データに対して行われる操作をイベントとして説明したが、これに限定されない。本実施形態では、原本が存在し、原本に対する取引の記録を来歴情報として管理する必要がある場合であれば、どのような分野にも適用することができる。
【0163】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記憶部に記録する際に、
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
(付記2)
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが複数存在するイベントのイベント情報である場合に、複数の前記直前イベントと対応するデータの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、処理をコンピュータに実行させる、付記1記載の情報処理プログラム。
(付記3)
前記原本識別情報、又は、複数の前記原本識別情報を、1つの変換識別情報と対応付けた変換テーブルを参照し、
前記イベント情報に含める前記原本識別情報、又は、複数の前記原本識別情報を、前記1つの変換識別情報に置き換える、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1又は2記載の情報処理プログラム。
(付記4)
原本識別情報と、ユーザ識別情報とが対応付けられたユーザ登録情報を参照し、
前記記憶部に記録された前記イベント情報と対応する原本識別情報と対応する前記ユーザ識別情報に紐付けられたアプリケーションに対して、前記イベント情報が示すイベントの発生を通知する、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1乃至3の何れか一項に記載の情報処理プログラム。
(付記5)
前記記憶部に記録された前記イベント情報に基づく変換識別情報を取得し、
前記変換テーブルを参照して前記変換識別情報と対応する原本識別情報を特定し、
特定された原本識別情報と対応する前記アプリケーションに対して、前記イベントの発生を通知する、処理を前記コンピュータに実行させる、付記4記載の情報処理プログラム。
(付記6)
コンピュータによる情報処理方法であって、前記コンピュータが、
データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記憶部に記録する際に、
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて記録する、情報処理方法。
(付記7)
データに対するイベントを示すイベント情報を時系列に記録する記憶部と、
前記イベント情報が、直前に行われた直前イベントが1つであるイベントのイベント情報である場合に、所定回数おきに、前記データの原本を特定する原本識別情報を前記イベント情報に含めて前記記憶部に記録する登録処理部と、を有する情報処理装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0164】
100 情報処理システム
200 サーバ装置
210 イベントデータベース
220 ユーザ登録データベース
230 登録処理部
231 入力受付部
232 情報保持部
233 原本有無判定部
234 原本記録判定部
235 テーブル更新部
236 記録部
240 通知処理部
241 原本検索部
242 通知出力部
300 情報処理装置
400 端末装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12