(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134322
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】車両用充電インレットのブラケット構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/08 20060101AFI20240926BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20240926BHJP
【FI】
B62D25/08 B
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044559
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】岩石 遼太
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA14
3D203AA31
3D203BB35
3D203BB38
3D203BC09
3D203CA53
3D203CB12
3D203CB19
3D203DA22
3D203DA23
3D203DA38
3D203DB05
3D235AA01
3D235CC12
3D235CC14
3D235FF36
(57)【要約】
【課題】車両前部の限られた空間内での組付作業時の作業性を向上させることができる車両用充電インレットのブラケット構造を提供する。
【解決手段】充電インレット31,32が固定されるインレットブラケット7は、車両前部1に設けられたフロントバンパ部2と、該フロントバンパ部2の車両後方に配置されたダッシュパネル4とを繋ぐように配置されている。インレットブラケット7は、充電インレット31,32の固定位置よりも車両上側に位置する部分をダッシュパネル4に仮保持する上側仮保持部100と、充電インレット31,32の固定位置よりも車両下側に位置する部分をフロントバンパ部2に仮保持する下側仮保持部200と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用充電インレットが固定されるブラケットであって、車両前部に設けられたフロントバンパ部と、該フロントバンパ部の車両後方に配置されたダッシュパネルとを繋ぐように配置されている前記ブラケットの構造において、
前記ブラケットにおける前記充電インレットの固定位置よりも車両上側に位置する部分を前記ダッシュパネルに仮保持する上側仮保持部と、
前記ブラケットにおける前記充電インレットの固定位置よりも車両下側に位置する部分を前記フロントバンパ部に仮保持する下側仮保持部と、
を備えることを特徴とする車両用充電インレットのブラケット構造。
【請求項2】
前記上側仮保持部および前記下側仮保持部は、車幅方向に間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用充電インレットのブラケット構造。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記充電インレットが固定され車両上下方向に延びる固定面部を備え、
前記下側仮保持部は、前記固定面部の車両後側面に接合される補強材を備え、
前記補強材は、前記固定面部の車両後側面に沿って延びるブラケット接合部と、該ブラケット接合部の下端側部分から車両後方に延びた後に屈曲して車両下方に延びる段差形状部と、該段差形状部の下端から車両後側に突出するガイド形状部と、を有し、
前記下側仮保持部は、前記ブラケットの下端部および前記補強材の前記段差形状部により形成される空隙部に前記フロントバンパ部の一部分が挿入されることで前記ブラケットを仮保持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用充電インレットのブラケット構造。
【請求項4】
前記空隙部に挿入される前記フロントバンパ部の一部分は、フロントバンパバランサの上端部の一部分と、前記フロントバンパバランサおよびフロントホイールハウスに接合されているリンフォースメントの外縁部の一部分とから形成され、
前記フロントバンパバランサの上端部の一部分および前記リンフォースメントの外縁部の一部分は、車両前後方向に離間していることを特徴とする請求項3に記載の車両用充電インレットのブラケット構造。
【請求項5】
前記ブラケットは、その上部に前記ダッシュパネルに沿って延びる結合部を備え、
前記上側仮保持部は、前記ブラケットの前記結合部から前記ダッシュパネルに向かって延びるT字形状の係止部と、該係止部を挿入可能な孔部を有し前記ダッシュパネルに接合されるサポートブラケットと、を備え、前記係止部が前記孔部に挿入および係止されることで前記ブラケットを仮保持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用充電インレットのブラケット構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用充電インレットのブラケット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両の駆動源として電気モータを使用する場合、該車両には、電気モータに電力を供給するバッテリを充電するための充電インレットが設けられる。従来の充電インレットとして、例えば、特許文献1には、車体の前部に形成された上方開放の車体開口に臨む位置に、充電ポート(以下、「充電インレット」とする)を有するポート装置が設けられ、車体開口を覆うフロントフードのポート装置に対応する位置にポート用開口が形成されるようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように充電インレットが車体前部の空間に配置される車両について、フロントフードが車両前後方向に長い、すなわち、車両前端部に位置するフロントバンパから車体前部の空間と車室内の空間とを仕切るダッシュパネルまでの距離がある程度確保されている車両デザインの場合、車体前部の空間に余裕があるので充電インレットを比較的自由に配置することができる。一方、フロントフードが車両前後方向に短い、すなわち、フロントバンパからダッシュパネルまでの距離があまり確保されていない車両の場合、充電インレットを配置できる空間が限られる。この場合、上記従来の構成のように上方開放の車体開口に臨む位置に充電インレットを配置することが難しくなり、フロントフードに代えてフロントバンパに充電用開口を形成して、車両前方を臨む位置に充電インレットを配置することが必要になる場合がある。このような充電インレットの配置では、生産時の作業性が悪いことが1つの課題となる。
【0005】
すなわち、充電インレットを車両前部に組み付ける際には、通常、充電インレットがインレットブラケットに固定された後に、該インレットブラケットが車体の所定位置に取り付けられる。充電インレットは、普通充電用および/または急速充電用のハーネスを有しており、該ハーネスは、太くて硬いものが多く弾性力が高いので、圧縮されたり引き伸ばされたりしたときに元の状態に戻ろうとする力が強い。このため、充電インレットが事前に固定されたインレットブラケットを車体に取り付けるときに、該インレットブラケットがハーネスの弾性力を受けることで、車体に対するインレットブラケットの位置決めが難しくなってしまう。この点を考慮して、車体にインレットブラケットを取り付けた後に、該インレットブラケットに充電インレットを固定するようにしたとしても、インレットブラケットの裏側の狭いスペースからインレットブラケットに充電インレットを差し込むことになるため、作業性が低下してしまう。
【0006】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、車両前部の限られた空間内での組付作業時の作業性を向上させることができる車両用充電インレットのブラケット構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明の一態様は、車両用充電インレットが固定されるブラケットであって、車両前部に設けられたフロントバンパ部と、該フロントバンパ部の車両後方に配置されたダッシュパネルとを繋ぐように配置されている前記ブラケットの構造を提供する。この車両用充電インレットのブラケット構造は、前記ブラケットにおける前記充電インレットの固定位置よりも車両上側に位置する部分を前記ダッシュパネルに仮保持する上側仮保持部と、前記ブラケットにおける前記充電インレットの固定位置よりも車両下側に位置する部分を前記フロントバンパ部に仮保持する下側仮保持部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車両用充電インレットのブラケット構造によれば、ブラケットの車体への組付時に、ダッシュパネルおよびフロントバンパ部に対して、充電インレットが事前に固定されたブラケットを上側仮保持部および下側仮保持部により容易に位置決めすることが可能になるため、車両前部の限られた空間内での組付作業時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る構造が適用されたブラケットを用いて充電インレットが車両前部に設けられた車両の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1の車両前部からフロントバンパ、フロントフード等を取り除いた状態を車両前方の左上側から見た斜視図である。
【
図3】
図2の車両前部からダッシュパネル等を取り除いた状態を車両後方の左上側から見た斜視図である。
【
図4】上記実施形態におけるインレットブラケットの具体的な構造を示す斜視図である。
【
図5】
図4のインレットブラケットの後面図である。
【
図6】
図5のインレットブラケットに接合されている補強材を車両前方の左上側から見た斜視図である。
【
図8】
図2における上側仮保持部の周辺を拡大して示す斜視図である。
【
図9】上記実施形態におけるサポートブラケットの具体的な構造を示す斜視図である。
【
図10】上記実施形態におけるインレットブラケットの車体への組付作業の初期状態を示す斜視図である。
【
図11】上記実施形態においてインレットブラケットの係止部がサポートブラケットの孔部に挿入された状態を拡大して示す斜視図である。
【
図12】上記実施形態においてインレットブラケットの係止部がサポートブラケットの孔部に係止された状態を拡大して示す斜視図である。
【
図13】
図3のA-A線に沿って下側仮保持部の周辺を切断した断面図である。
【
図14】
図3のB-B線に沿って下側仮保持部の周辺を切断した断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る構造が適用されたブラケットを用いて充電インレットが車両前部に設けられた車両を車両上方の左前側から見た斜視図である。なお、以下で説明する各図面において、矢印Fr方向は車両前後方向で前方を示し、矢印U方向は上下方向で上方を示し、矢印R方向および矢印L方向は、車室内から車両前方を見たときの右方および左方を示している。本実施形態の説明における「左右」は、車室内から車両前方を見たときの左右に対応している。
【0011】
図1に示すように車両前部1には、フロントバンパ部2の一部を構成するフロントバンパ21が車両前面の下側部分を覆うように配置されている。フロントバンパ21の上部右寄りには、充電インレット部3にアクセスするための充電口21Aが形成されており、該充電口21Aには開閉可能なリッド(図示せず)が設けられている。
【0012】
本実施形態における充電インレット部3は、例えば、急速充電(DC)用の第1充電インレット31と、普通充電(AC)用の第2充電インレット32とを含んでいる。充電口21Aの内側で第1および第2充電インレット31,32の周辺には、充電口カバー21Bが取り付けられている。充電口カバー21Bは、充電口21Aのリッドが開放された状態で、第1および第2充電インレット31,32を固定するための後述するインレットブラケット7等の部品が外部に露出しないように、該部品を覆い隠している。
【0013】
フロントバンパ21の下部中央には、フロントバンパ21の車両後方に配置されているラジエーターやコンデンサー等(図示せず)に走行風を導入するためのフロントグリル21Cが設けられている。ラジエーターやコンデンサー等の更に車両後方には、車両前部1の空間と車室内の空間とを仕切るダッシュパネル4が配置されている。つまり、車両前部1の空間は、車両前後方向で、フロントバンパ21とダッシュパネル4との間に形成されている。車両前部1の空間は、車両上方に開口しており、該開口を覆うようにフロントフード5が設けられている。
【0014】
フロントフード5は、フロントバンパ21の上端部外側から車両上方に延びて車両前面の上側部分を覆っている前面部5Aと、前面部5Aの上端部分から車両後方にフロントウィンドウガラス(図示せず)の下端部付近まで延びる上面部5Bとを有している。換言すると、フロントフード5は、車幅方向に延びる横断面略L字形に形成されている。フロントフード5の前面部5Aにおける車幅方向両側には、左右のヘッドライト6の上部が隣接して配置されている。左右のヘッドライト6の下部は、フロントバンパ21の上部の車幅方向両側に隣接している。
【0015】
図2は、
図1の車両前部1からフロントバンパ21、充電口カバー21B、フロントフード5およびヘッドライト6を取り除いた状態を示す斜視図である。また、
図3は、
図2の車両前部1から第1および第2充電インレット31,32、並びにダッシュパネル4等を取り除いた状態を車両後方の左上側から見た斜視図である。
【0016】
図2に示すように、第1および第2充電インレット31,32は、インレットブラケット7を使用して車両前部1の空間内の所定位置に取り付けられている。本実施形態では、インレットブラケット7が本発明の「ブラケット」に相当する。インレットブラケット7は、フロントバンパ部2とダッシュパネル4とを繋ぐように配置されている。フロントバンパ部2は、上述したフロントバンパ21および充電口カバー21Bの他に、フロントバンパバランサ22と、フロントバンパバランサブラケット23とを備えている。
【0017】
フロントバンパバランサ22は、
図2および
図3に示すように、車体骨格部材である剛性の高いサイドメンバ8に結合されている。サイドメンバ8は、車体の車幅方向側部に配置され、車両前後方向に延びている(
図2)。サイドメンバ8の車幅方向外側(右側)には、フロントホイールハウス9およびストラットタワー10が接合されている(
図3)。フロントバンパバランサ22は、車両右側のサイドメンバ8の前端部から車両上下方向に延びている。フロントバンパバランサ22の後面部には、フロントホイールハウス9から延長されたホイールハウスエクステンションリンフォースメント11が接合されている。フロントバンパバランサ22の上部には、フロントバンパバランサブラケット23を介してフロントバンパ21が取り付けられる(
図1および
図2)。本実施形態では、フロントバンパバランサ22の上端部にインレットブラケット7が結合される(
図2および
図3)。
【0018】
したがって、インレットブラケット7は、充電口カバー21Bを介してフロントバンパ21に接続するとともに、フロントバンパバランサ22およびフロントバンパバランサブラケット23を介してフロントバンパ21に接続している。このようにフロントバンパ部2に繋がれたインレットブラケット7は、フロントバンパ21の車両後側で車幅方向の中央右寄りに配置される。このインレットブラケット7の配置に対応させて、フロントバンパ21の充電口21Aの位置が決められている。
【0019】
ダッシュパネル4は、
図2に示すように、フロントバンパ部2の車両後方に配置され車幅方向に延びるダッシュクロスメンバ12に結合されている。ダッシュクロスメンバ12は、車体骨格部材であり高い剛性を有している。ダッシュクロスメンバ12は、横断面形状が車両後方に開口したハット型に形成されており、車両後側のフランジ部分がダッシュパネル4の前面部に溶接等で接合されている。本実施形態では、ダッシュパネル4の前面部におけるダッシュクロスメンバ12よりも車両上側で車幅方向の中央右寄りの部分に、後述するサポートブラケット41およびヘッドランプ-バンパブラケット42を介して、インレットブラケット7が結合される。
【0020】
ここで、本実施形態によるインレットブラケット7の詳細な構造について、
図4および
図5も参照しながら説明する。
図4は、インレットブラケット7の具体的な構造を示す斜視図である。また、
図5は、
図4のインレットブラケット7の後面図である。
【0021】
インレットブラケット7は、
図2~
図5に示すように、第1および第2充電インレット31,32が間隔を空けて固定される固定面部71を備えている。固定面部71は、インレットブラケット7がフロントバンパバランサ22およびダッシュパネル4に取り付けられた状態(以下、「ブラケット取付状態」とする)において、概ね車両上下方向に延びている。固定面部71の上端部分には、車両後方に延出する延出部73が一体で形成されている。
【0022】
具体的に、インレットブラケット7の固定面部71は、第1充電インレット31が固定される第1固定面71Aと、第2充電インレット32が固定される第2固定面71Bと、を有している。本実施形態では、第1および第2固定面71A,71Bが車幅方向に並べて配置されており、ブラケット取付状態において、固定面部71の左側部分に第1固定面71Aが形成され、右側部分に第2固定面71Bが形成されている。
【0023】
第1固定面71Aは、固定面部71の左側部分で車両上下方向に延びている。第1固定面71Aは、ブラケット取付状態において、車両前方を臨む概ね垂直な面を形成している(
図2および
図3)。第1固定面71Aにおける車両上下方向の中央上寄りの部分には、車両前後方向に貫通する第1インレット差込口71Cが設けられている(
図3~
図5)。第1インレット差込口71Cは、第1充電インレット31の外形に対応した略円形に形成されている。
【0024】
第2固定面71Bは、固定面部71の右下側部分から車両上方に向かうに従って車両後方に傾斜して延びている。第2固定面71Bは、ブラケット取付状態において、車両前方斜め上側を臨む傾斜面を形成している(
図2~
図4)。第2固定面71Bの上下方向中央部分には、車両前後方向に貫通する第2インレット差込口71Dが設けられている(
図3~
図5)。第2インレット差込口71Dは、第2充電インレット32の外形に対応した略円形で、右側の円弧部分が固定面部71の右端側に切欠かれた形状に形成されている。
【0025】
固定面部71における第2固定面71Bの上端部から先の部分は、車両上方に向かうに従って車両前方に傾斜して固定面部71の右上側部分まで延びている。つまり、固定面部71における右側部分は、車両側面視において、車両上下方向の中央付近が屈曲し車両前側に開いたV字状の形状を有しており、車両下側に位置し前方斜め上側を臨む第2固定面71Bに、第2充電インレット32用の第2インレット差込口71Dが形成されている。第2固定面71Bの車両後側面には、下側仮保持部200の一部を構成する補強材(パッチ)13が溶接等により接合されている(
図4および
図5)。補強材13により、第2固定面71Bの面剛性が高められている。
【0026】
また、固定面部71は、第1固定面71Aの車両下方に配置され車両後側に凹んだ凹形状部分71Eを有している(
図2~
図7)。凹形状部分71Eは、固定面部71における左側下端部分に形成されており、第1固定面71Aよりも車両後側に位置する底壁には、ボルト孔が形成されている。この凹形状部分71Eのボルト孔に加えて、固定面部71における第2固定面71Bの車両下方に位置する平坦部分71Fにもボルト孔が形成されている。これらのボルト孔にそれぞれ挿通されるボルト等により、固定面部71の下端部分(凹形状部分71Eおよび平坦部分71F)とフロントバンパバランサ22の上端部とが結合される。補強材13の下部は平坦部分71Fの車両後側まで延びている(
図5)。
【0027】
図6は、
図5のインレットブラケット7に接合されている補強材13を車両前方の左上側から見た斜視図である。また、
図7は、
図6の補強材13の右側面図である。
図6および
図7に示すように、補強材13は、インレットブラケット7の固定面部71における右下側部分の車両後側面に概ね沿うように板材を加工して形成されている。本実施形態における補強材13は、ブラケット接合部13A、段差形状部13Bおよびガイド形状部13Cを有している。
【0028】
ブラケット接合部13Aは、インレットブラケット7の固定面部71における第2固定面71Bおよび平坦部分71Fの車両後側面に接合される。ブラケット接合部13Aの上下方向中央部分は、第2固定面71Bの傾斜に合わせて車両上方に向かうに従って車両後方に傾斜して延びている。ブラケット接合部13Aの上端側部分は、固定面部71の右側部分における上下方向中央付近の形状に合わせて屈曲した形状になっている。ブラケット接合部13Aの下端側部分は、固定面部71の平坦部分71Fに合わせて車両上下方向および車幅方向に広がっている。
【0029】
また、ブラケット接合部13Aには、第2固定面71Bに形成されている第2インレット差込口71Dの位置および形状に合わせてインレット差込口13Dが形成されている(
図6)。ブラケット接合部13Aにおけるインレット差込口13Dの周囲には、第2充電インレット32を第2固定面71Bにボルト等で固定するときに使用される複数のナット13Eが溶接等で接合されている(
図5および
図7)。さらに、ブラケット接合部13Aの右端上部には、車両後側に突出するフランジ部分13Fが形成されている(
図7)。
【0030】
段差形状部13Bは、ブラケット接合部13Aの下端左側部分から車両後方に延びた後に屈曲して車両下方に延びている。つまり、段差形状部13Bは、車両側方視で、略水平方向に延びる横壁と、該横壁の後端に接続し略垂直方向に延びる縦壁からなるL字状の形状を有している(
図7)。なお、段差形状部13Bは、ブラケット接合部13Aの下端右側部分には形成されていない。ガイド形状部13Cは、段差形状部13Bの下端から車両後側に突出している。段差形状部13Bおよびガイド形状部13Cは、車幅方向に所要の幅を有するように形成されている(
図3および
図5)。
【0031】
つまり、補強材13がインレットブラケット7の車両後側面に接合された状態において、補強材13の下端左側に形成されている、段差形状部13Bの縦壁およびガイド形状部13Cは、インレットブラケット7の平坦部分71Fに対して車両後方に間隔を空けて配置されている。これにより、インレットブラケット7の平坦部分71Fおよび補強材13の段差形状部13Bにより空隙部G1が形成される(
図7)。一方、補強材13がインレットブラケット7の車両後側面に接合された状態において、補強材13の下端右側に形成されている部分(ブラケット接合部13Aの下端右側部分)は、インレットブラケット7の平坦部分71Fに接触している。
【0032】
インレットブラケット7における固定面部71の上端部分から車両後方に延出する延出部73は、
図2~
図5に示すように、車幅方向で2つの部分に分かれている。延出部73における左側の後端部分には、車両上側に突出した左側フランジ73Aが形成され、右側の後端部分には、車両上側に突出した右側フランジ73Bが形成されている。固定面部71の上端部分から左側フランジ73Aまでの長さ(延出部73における左側部分の車両前後方向の長さ)は、固定面部71の上端部分から右側フランジ73Bまでの長さ(延出部73における右側部分の車両前後方向の長さ)よりも長い(
図4)。延出部73の左側部分には、車両前後方向に延びるビード等が形成されており、前後方向の荷重に対して当該部分が折れ曲がり難くなるように上記ビード等により剛性が高められている。
【0033】
延出部73の左側フランジ73Aおよび右側フランジ73Bには、ボルト孔がそれぞれ形成されている(
図4および
図5)。左側フランジ73Aは、ダッシュパネル4に沿った結合面を有しており、サポートブラケット41を介してダッシュパネル4にボルト等で結合される(
図2および
図3)。また、右側フランジ73Bは、ダッシュパネル4に接合されたヘッドランプ-バンパブラケット42にボルト等で結合される(
図2)。本実施形態では、左側フランジ73Aが本発明の「結合部」に相当する。
【0034】
左側フランジ73Aの上端部にはダッシュパネル4に向かって延びるT字形状の係止部73Cが形成されている(
図4および
図5)。係止部73Cは、左側フランジ73Aの上端部左寄りの部分から車両上方に僅かに突出した後に車両後方に延出する基端部分と、該基端部分の後端から車幅方向(右方および左方)に延びる先端部分とから形成されている。係止部73Cの先端部分は、車幅方向に所定幅を有している。係止部73Cは、インレットブラケット7を車体に取り付ける際に、ダッシュパネル4に接合されたサポートブラケット41の孔部41Aに挿入される(
図2)。これにより、インレットブラケット7の上側部分がダッシュパネル4に仮保持されるようになる。前述した補強材13の段差形状部13Bとインレットブラケット7の係止部73Cとは、正面視で、車幅方向にずらして設けられている(
図5)。つまり、上側仮保持部100および下側仮保持部200は、車幅方向に間隔を空けて配置されている。
【0035】
図8は、
図2における上側仮保持部100の周辺を拡大して示す斜視図である。また、
図9は、本実施形態におけるサポートブラケット41の具体的な構造を示す斜視図である。
図8および
図9に示すように、サポートブラケット41は、ダッシュパネル4におけるインレットブラケット7の左側フランジ73Aが取り付けられる部分およびその周辺の形状に合わせて板材を加工して形成されている。
【0036】
本実施形態におけるサポートブラケット41は、車両上下方向に延びており、車幅方向の幅が車両上方に向かうに従って広がっている。サポートブラケット41の下部41Bおよび上下方向の中間部41Cは、概ね垂直方向に延びている。サポートブラケット41の下部41Bは、ダッシュパネル4の車両前側面に接合されている。
【0037】
サポートブラケット41の上部41Dは、車両上方に向かうに従って車両後方に傾斜して延びている。サポートブラケット41の上部41Dにおける車幅方向の一端部分(右端部分)には、車両後方斜め下側に延びた後に右方に屈曲した固定部41Eが設けられている。固定部41Eの右端部分は、ダッシュパネル4の車両前側面に接合される。これにより、サポートブラケット41の中間部41Cおよび上部41Dとダッシュパネル4の車両前側面との間には隙間が形成されている。
【0038】
サポートブラケット41の中間部41Cと上部41Dの境界部分付近における車幅方向の中央部分には、インレットブラケット7の係止部73Cが挿入可能な大きさを有する孔部41Aが形成されている。孔部41Aの上側部分は、サポートブラケット41の上記境界部分から上部41Dの傾斜面にかけて設けられており、当該部分の車幅方向の幅が、係止部73Cにおける先端部分の車幅方向の幅よりも広くなるように設定されている。孔部41Aの下側部分は、サポートブラケット41の中間部41Cの略垂直面に設けられており、当該部分の車幅方向の幅が、係止部73Cにおける先端部分の車幅方向の幅よりも狭く、かつ、係止部73Cにおける基端部分の車幅方向の幅よりも広くなるように設定されている。孔部41Aは、車両正面視でT字状の形状を有している。
【0039】
次に、本実施形態によるインレットブラケット7の車体への組付動作について説明する。
上記のような構造を持つインレットブラケット7を車両前部1の所定位置に組み付ける際には、まず、第1および第2充電インレット31,32が、インレットブラケット7の固定面部71における第1および第2インレット差込口71C,71Dに差し込まれて第1および第2固定面71A,71Bにそれぞれ固定される。
【0040】
このとき、インレットブラケット7の第1固定面71Aに固定された第1充電インレット31には、急速充電(DC)用のハーネス33の一端が接続されている(
図2)。また、インレットブラケット7の第2固定面71Bに固定された第2充電インレット32には、普通充電(AC)用のハーネス34の一端が接続されている。なお、各ハーネス33,34の他端には、当該車両の駆動源となる電気モータに電力を供給するバッテリ(図示せず)が接続されている。
【0041】
これらのハーネス33,34は、太くて硬く弾性力が高いので、圧縮されたり引き伸ばされたりしたときに元の状態に戻ろうとする力が強い。このため、第1および第2充電インレット31,32が事前に固定されたインレットブラケット7を車体に取り付けるときに、該インレットブラケット7が各ハーネス33,34の弾性力を受けることで、車体に対するインレットブラケット7の位置決めが難しくなる。
【0042】
そこで、本実施形態によるインレットブラケット7では、延出部73の左側フランジ73Aに形成したT字形状の係止部73Cとダッシュパネル4に接合されたサポートブラケット41の孔部41Aとを利用して、インレットブラケット7の上側部分がダッシュパネル4に仮保持されるようにするとともに、固定面部71における右下側部分の車両後側面に接合されている補強材13の段差形状部13Bを利用して、インレットブラケット7の下側部分がフロントバンパ部2のフロントバンパバランサ22に仮保持されるようにして、車体に対するインレットブラケット7の位置決めが行われる。
【0043】
具体的に、インレットブラケット7の車体への取付作業は、
図10に示すように、ダッシュパネル4の車両前方かつフロントバンパバランサ22の車両上方にインレットブラケット7を持ち上げた状態で開始される。なお、
図10では、図の複雑化を避けるために、第1および第2充電インレット31,32およびハーネス33,34の図示が省略されている。そして、まず最初に、インレットブラケット7の係止部73Cが、サポートブラケット41の孔部41Aにおける上側部分に挿入される。
図11は、インレットブラケット7の係止部73Cがサポートブラケット41の孔部41Aに挿入された直後の状態を拡大して示している。
【0044】
続けて、インレットブラケット7が自重により車両下方へ移動することで、
図12に示すように、インレットブラケット7の係止部73Cにおける先端部分がサポートブラケット41の孔部41Aにおける下側部分に係止されて、インレットブラケット7の上側部分がダッシュパネル4の所定位置に仮保持(仮置き)される。これと同時に、インレットブラケット7の固定面部71における右下側部分(平坦部分71F)と補強材13の段差形状部13Bとの間に形成されている空隙部G1に、フロントバンパバランサ22およびホイールハウスエクステンションリンフォースメント11が、補強材13のガイド形状部13Cに案内されながら挿入されて、インレットブラケット7の下端側部分がフロントバンパ部2の所定位置に仮保持(仮置き)される。
【0045】
このように本実施形態では、インレットブラケット7の延出部73に形成されたT字形状の係止部73Cと、ダッシュパネル4に接合されたサポートブラケット41との組み合わせによって、上側仮保持部100としての機能が実現されている。また、インレットブラケット7の固定面部71における右下側部分(平坦部分71F)と、補強材13の段差形状部13Bとの組み合わせによって、下側仮保持部200としての機能が実現されている。なお、上側仮保持部100および下側仮保持部200の各機能は、インレットブラケット7の車体への取付時にのみに有効となり、取付後の状態(完成車状態)では無効、すなわち、保持機能は働かない。
【0046】
ここで、本実施形態における下側仮保持部200の構造について
図13および
図14も参照しながら詳細に説明する。
図13は、
図3のA-A線に沿って下側仮保持部200の周辺(インレットブラケット7、補強材13、フロントバンパバランサ22およびホイールハウスエクステンションリンフォースメント11)を切断した断面図である。また、
図14は、
図3のB-B線に沿って下側仮保持部200の周辺(フロントバンパバランサ22、ダッシュパネル4、フロントホイールハウス9、ホイールハウスエクステンションリンフォースメント11およびハーネス33,34)を切断した断面斜視図である。
【0047】
本実施形態における下側仮保持部200では、
図3および
図13に示すように、インレットブラケット7の固定面部71における平坦部分71Fと補強材13の段差形状部13Bとの間に車幅方向に延びる空隙部G1が形成されており、その空隙部G1がフロントバンパバランサ22の上端部の一部分に覆い被さるように、インレットブラケット7の下側部分が位置決めされる。インレットブラケット7の空隙部G1内に挿入されるフロントバンパバランサ22の上端部は、
図3および
図14に示すように、ホイールハウスエクステンションリンフォースメント11の外縁部が近接して配置されている箇所P(
図14の点線)になっている。
【0048】
フロントバンパバランサ22の上端部における空隙部G1への挿入箇所Pでは、
図13に示すように、フロントバンパバランサ22の上端部とホイールハウスエクステンションリンフォースメント11の外縁部とが車両前後方向に離間するように形成されている。具体的には、
図13の断面図において、車両上下方向に延びているホイールハウスエクステンションリンフォースメント11の上部が車両後側に僅かに屈曲するように形成されており、フロントバンパバランサ22との間に隙間G2が設けられている。このような隙間G2をフロントバンパバランサ22の上端部における空隙部G1への挿入箇所Pに設けておくことで、仮置きされたインレットブラケット7が自重により車両前側または車両後側に傾いた場合でも、フロントバンパバランサ22が折れ曲がり難くなる。
【0049】
また、フロントバンパバランサ22は、剛性の高いサイドメンバ8およびフロントホイールハウス9に接合されており、更に、フロントホイールハウス9から延長されたホイールハウスエクステンションリンフォースメント11にも接合されている(
図14)。これにより、フロントバンパバランサ22、フロントホイールハウス9およびホイールハウスエクステンションリンフォースメント11によって閉断面構造Sが構成されており、フロントバンパバランサ22自体も高い剛性を有している。
【0050】
上記のようにしてインレットブラケット7の上側部分および下側部分がダッシュパネル4およびフロントバンパバランサ22の所定位置に仮保持された状態になると、インレットブラケット7の延出部73における左側フランジ73Aが、サポートブラケット41を間に挟んでダッシュパネル4にボルト等で固定されるとともに、右側フランジ73Bが、ダッシュパネル4に接合されているヘッドランプ-バンパブラケット42にボルト等で固定される。このとき、インレットブラケット7の係止部73Cとサポートブラケット41の孔部41Aとは、接触することなく離間した状態となる(
図8)。これにより、車体の微振動時に起こるラトル音(部品同士の接触音)を回避することができる。
【0051】
また、インレットブラケット7の固定面部71における凹形状部分71Eおよび平坦部分71Fが、フロントバンパバランサ22にボルト等でそれぞれ固定される。このとき、補強材13の段差形状部13Bおよび該段差形状部13Bに対向するインレットブラケット7の平坦部分71Fと、フロントバンパバランサ22およびホイールハウスエクステンションリンフォースメント11とについても、接触することなく離間した状態となっており(
図13)、車体の微振動時に起こるラトル音を回避することができる。
【0052】
次に、本実施形態によるインレットブラケット7の効果について説明する。
上述したように本実施形態のインレットブラケット7は、第1および第2充電インレット31,32の固定位置よりも車両上側に位置する部分をダッシュパネル4に仮保持する上側仮保持部100と、上記固定位置よりも車両下側に位置する部分をフロントバンパ部2に仮保持する下側仮保持部200とを備えている。これにより、インレットブラケット7の車体への組付時に、ダッシュパネル4およびフロントバンパ部2に対して、第1および第2充電インレット31,32が事前に固定されたインレットブラケット7を容易に位置決めすることが可能になるため、車両前部1の限られた空間内での組付作業時の作業性を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態のインレットブラケット7では、上側仮保持部100および下側仮保持部200が車幅方向に間隔を空けて配置されている。このような配置とすることにより、仮保持(仮置き)されたインレットブラケット7が回転し難くなる。すなわち、上側仮保持部100および下側仮保持部200が車幅方向で重なるように配置されている場合、仮置きされたインレットブラケット7が上側仮保持部100および下側仮保持部200を繋ぐ軸を中心に回転しやすくなるが、上側仮保持部100および下側仮保持部200を車幅方向に間隔を空けて配置することにより、そのような回転を抑えることが可能になる。これにより、組付作業時の作業性をより向上させることができる。
【0054】
さらに、本実施形態のインレットブラケット7では、下側仮保持部200が、固定面部71の車両後側面に接合される補強材13を備え、固定面部71の下端部(平坦部分71F)および補強材13の段差形状部13Bにより形成される空隙部G1にフロントバンパ部2の一部分(フロントバンパバランサ22の上端部)が挿入されることで、インレットブラケット7を仮保持するように構成されている。このような構成によれば、固定面部71の平坦部分71Fと補強材13の段差形状部13Bとによりフロントバンパバランサ22の上端部を挟むことで、インレットブラケット7が仮置きされるようになる。これにより、仮置き状態のインレットブラケット7が自重により車両前方または車両後方に傾いた場合でも、剛性の高いフロントバンパバランサ22でインレットブラケット7を支持して当該傾きを狭い範囲で止めることができる。
【0055】
加えて、本実施形態のインレットブラケット7では、下側仮保持部200における空隙部G1に挿入されるフロントバンパ部2の一部分が、フロントバンパバランサ22の上端部とホイールハウスエクステンションリンフォースメント11の外縁部の一部分とから形成され、それらが車両前後方向に離間している。これにより、フロントバンパバランサ22の剛性を更に高めることが可能になり、仮置き状態のインレットブラケット7に対するフロントバンパバランサ22による支持力を向上させることができる。また、フロントバンパバランサ22とホイールハウスエクステンションリンフォースメント11との間の隙間G2によって、インレットブラケット7の前傾または後傾によりフロントバンパバランサ22が折れ曲がるのを抑止することも可能になる。
【0056】
さらに、本実施形態のインレットブラケット7では、上側仮保持部100が、T字形状の係止部73Cとダッシュパネル4に接合されるサポートブラケット41とを備え、サポートブラケット41の孔部41Aに係止部73Cが挿入および係止されることで、インレットブラケット7を仮保持するように構成されている。このような構成によれば、仮置き状態のインレットブラケット7における車幅方向の移動を一定の範囲内に規制できるようになるため、インレットブラケット7の位置決めが更に容易になる。また、仮置き状態のインレットブラケット7の位置を孔部41Aの大きさに合わせて上下左右に微調整することができる。これにより、各部品に製造時の寸法バラツキが発生している場合であっても、インレットブラケット7をボルト等で固定する際のボルト孔の位置補正を容易に行うことができる。したがって、組付作業時の作業性を一層向上させることが可能になる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、急速充電用および普通充電用の2種類の充電インレット31,32がインレットブラケット7の固定面部71に固定される一例を説明したが、インレットブラケット7の固定面部71に単一の充電インレットを固定する、或いは、3種類以上の充電インレットを固定するような場合にも本発明は有効である。
【0058】
また、上述した実施形態では、インレットブラケット7における固定面部71の車両後側面に補強材13を接合し、該補強材13の段差形状部13Bと固定面部71の平坦部分71Fとにより空隙部G1を形成する一例を説明したが、段差形状部13Bに相当する構造をインレットブラケット7に一体で形成することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…車両前部
2…フロントバンパ部
21…フロントバンパ
21A…充電口
21B…充電口カバー
22…フロントバンパバランサ
23…フロントバンパバランサブラケット
3…充電インレット部
31…第1充電インレット
32…第2充電インレット
33,34…ハーネス
4…ダッシュパネル
41…サポートブラケット
41A…孔部
42…ヘッドランプ-バンパブラケット
5…フロントフード
6…ヘッドライト
7…インレットブラケット(ブラケット)
71…固定面部
71A…第1固定面
71B…第2固定面
71C…第1インレット差込口
71D…第2インレット差込口
71E…凹形状部分
71F…平坦部分
73…延出部
73A…左側フランジ(結合部)
73B…右側フランジ
73C…係止部
8…サイドメンバ
9…フロントホイールハウス
10…ストラットタワー
11…ホイールハウスエクステンションリンフォースメント(リンフォースメント)
12…ダッシュクロスメンバ
13…補強材
13A…ブラケット接合部
13B…段差形状部
13C…ガイド形状部
100…上側仮保持部
200…下側仮保持部
G1…空隙部
G2…隙間
P…挿入箇所
S…閉断面構造