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特開2024-13433光学素子ホルダおよび光学素子ホルダアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013433
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】光学素子ホルダおよび光学素子ホルダアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/24 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
G02B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115508
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕也
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AA09
2H052AD33
2H052AD34
(57)【要約】
【課題】光学素子ホルダに装着される光学素子を容易に交換できる。
【解決手段】光学素子ホルダ(100)は、光学素子(Op)を保持する保持部(110)と、光学素子(Op)を押圧する押圧部材(120)とを備える。保持部(110)は、本体部(110a)と、光学素子(Op)の外周部を部分的に覆う第1壁部(110b)と、第1壁部(110b)と対向し、光学素子(Op)の外周部を部分的に覆う第2壁部(110c)と、第1壁部(110b)と第2壁部(110c)との間に位置し、光学素子(Op)が挿入される溝(110g)とを有する。押圧部材(120)は、保持部(110)の溝(110g)に挿入された光学素子(Op)を押圧する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記光学素子を押圧する押圧部材と
を備え、
前記保持部は、
本体部と、
前記本体部から突出し、前記光学素子の外周部を部分的に覆う第1壁部と、
前記本体部から突出して前記第1壁部と対向し、前記光学素子の外周部を部分的に覆う第2壁部と、
前記第1壁部と前記第2壁部との間に位置し、前記光学素子が挿入される溝と
を有し、
前記押圧部材は、前記保持部の前記溝に挿入された前記光学素子を押圧する、光学素子ホルダ。
【請求項2】
前記光学素子は、円盤形状であり、
前記保持部の前記第1壁部および前記第2壁部の少なくとも一方は、前記光学素子の外周部の半周を覆う、請求項1に記載の光学素子ホルダ。
【請求項3】
前記保持部の前記本体部に貫通孔が設けられ、
前記押圧部材は、前記本体部の前記貫通孔に配置される、請求項1または2に記載の光学素子ホルダ。
【請求項4】
前記押圧部材は、ボールプランジャを含む、請求項1または2に記載の光学素子ホルダ。
【請求項5】
前記溝は、
前記光学素子の前記外周部の厚さよりも大きい幅を有する第1部分と、
前記第1部分よりも前記本体部側に位置し、前記光学素子の前記外周部の厚さよりも小さい幅を有する第2部分と
を有する、請求項1または2に記載の光学素子ホルダ。
【請求項6】
前記溝は、
前記光学素子の側部と対向する内側面と、
前記光学素子の第1主面と対向する第1被覆面と、
前記光学素子の第2主面と対向する第2被覆面と、
前記第1被覆面および前記第2被覆面のうちの一方の被覆面と前記内側面との間に設けられ、前記一方の被覆面および前記内側面のそれぞれに対して傾いた傾斜面と
を有し、
前記第1被覆面および前記第2被覆面のうちの他方の被覆面と前記傾斜面との間の距離は、前記光学素子の前記外周部の厚さよりも小さい、請求項5に記載の光学素子ホルダ。
【請求項7】
前記保持部は、
前記本体部および前記第1壁部を有する第1部品と、
前記第2壁部を有する第2部品と
を有する、請求項1または2に記載の光学素子ホルダ。
【請求項8】
それぞれが請求項7に記載された複数の光学素子ホルダと、
前記複数の光学素子ホルダの前記第2部品が連結されたベースプレートと
を備え、
前記複数の光学素子ホルダは、周方向に沿って配置される、光学素子ホルダアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の光学素子ホルダのうちの周方向に隣接する2つの光学素子ホルダにおいて、
一方の光学素子ホルダの前記保持部の前記本体部に貫通孔が設けられ、前記押圧部材は、前記本体部の前記貫通孔に配置され、
他方の光学素子ホルダの前記保持部は、前記押圧部材が前記貫通孔に挿入される経路を避けるように切り欠かれている、請求項8に記載の光学素子ホルダアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子ホルダおよび光学素子ホルダアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光顕微鏡は、生きた状態の細胞またはたんぱく質等の標本を観察するために用いられる。蛍光顕微鏡では、蛍光フィルタを用いて標本を観察する。蛍光顕微鏡において、内蔵された複数の蛍光フィルタを切り替えて用いることが検討されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、励起フィルタ、ダイクロイックミラー、吸収フィルタからなる蛍光フィルタを複数備えたフィルタターレットにおいて蛍光フィルタを切り替え可能な顕微鏡が記載されている。特許文献1の蛍光顕微鏡では、切り替え可能な蛍光フィルタの特性に応じて発光する半導体発光素子を切り替えることにより、蛍光フィルタと半導体発光素子との組み合わせを変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-77839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の顕微鏡では、励起フィルタおよび吸収フィルタはフィルタターレットに内蔵されているため、フィルタターレットに対して励起フィルタおよび吸収フィルタの装着および取出しが煩雑であり、フィルタの交換を容易にできない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学素子を容易に交換可能な光学素子ホルダおよび光学素子ホルダアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、光学素子ホルダは、光学素子を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記光学素子を押圧する押圧部材とを備え、前記保持部は、本体部と、前記本体部から突出し、前記光学素子の外周部を部分的に覆う第1壁部と、前記本体部から突出して前記第1壁部と対向し、前記光学素子の外周部を部分的に覆う第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部との間に位置し、前記光学素子が挿入される溝とを有し、前記押圧部材は、前記保持部の前記溝に挿入された前記光学素子を押圧する。
【0008】
ある実施形態において、前記光学素子は、円盤形状であり、前記保持部の前記第1壁部および前記第2壁部の少なくとも一方は、前記光学素子の外周部の半周を覆う。
【0009】
ある実施形態において、前記保持部の前記本体部に貫通孔が設けられ、前記押圧部材は、前記本体部の前記貫通孔に配置される。
【0010】
ある実施形態において、前記押圧部材は、ボールプランジャを含む。
【0011】
ある実施形態において、前記溝は、前記光学素子の前記外周部の厚さよりも大きい幅を有する第1部分と、前記第1部分よりも前記本体部側に位置し、前記光学素子の前記外周部の厚さよりも小さい幅を有する第2部分とを有する。
【0012】
ある実施形態において、前記溝は、前記光学素子の側部と対向する内側面と、前記光学素子の第1主面と対向する第1被覆面と、前記光学素子の第2主面と対向する第2被覆面と、前記第1被覆面および前記第2被覆面のうちの一方の被覆面と前記内側面との間に設けられ、前記一方の被覆面および前記内側面のそれぞれに対して傾いた傾斜面とを有し、前記第1被覆面および前記第2被覆面のうちの他方の被覆面と前記傾斜面との間の距離は、前記光学素子の前記外周部の厚さよりも小さい。
【0013】
ある実施形態において、前記保持部は、前記本体部および前記第1壁部を有する第1部品と、前記第2壁部を有する第2部品とを有する。
【0014】
本発明の別局面によれば、光学素子ホルダアセンブリは、それぞれが上記に記載された複数の光学素子ホルダと、前記複数の光学素子ホルダの前記第2部品が連結されたベースプレートとを備え、前記複数の光学素子ホルダは、周方向に沿って配置される。
【0015】
ある実施形態では、前記複数の光学素子ホルダのうちの周方向に隣接する2つの光学素子ホルダにおいて、一方の光学素子ホルダの前記保持部の前記本体部に貫通孔が設けられ、前記押圧部材は、前記本体部の前記貫通孔に配置され、他方の光学素子ホルダの前記保持部は、前記押圧部材が前記貫通孔に挿入される経路を避けるように切り欠かれている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光学素子ホルダに装着される光学素子を容易に交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)および(b)本実施形態の光学素子ホルダの模式的な斜視図である。
図2】(a)~(c)は、本実施形態の光学素子ホルダに対する光学素子の装着を説明するための模式的な斜視図である。
図3】(a)は、光学素子が装着される前の本実施形態の光学素子ホルダの模式的な平面図であり、(b)は、光学素子が装着された前の本実施形態の光学素子ホルダの模式的な断面図である。
図4】光学素子が装着された後の本実施形態の光学素子ホルダの模式的な平面図である。
図5】本実施形態の光学素子ホルダの模式的な断面図である。
図6】本実施形態の光学素子ホルダの模式的な分解斜視図である。
図7】本実施形態の光学素子ホルダに装着される光学素子の模式的な分解斜視図である。
図8】(a)~(c)は、本実施形態の光学素子ホルダに対する光学素子の装着を説明するための模式的な断面図である。
図9】本実施形態の光学素子ホルダアセンブリの模式的な斜視図である。
図10】本実施形態の光学素子ホルダアセンブリの模式的な分解斜視図である。
図11】本実施形態の光学素子ホルダアセンブリの模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明による光学素子ホルダおよび光学素子ホルダアセンブリの実施形態を説明する。図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0019】
まず、図1を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を説明する。図1(a)は、光学素子ホルダ100の模式的な斜視図であり、図1(b)は、光学素子Opを保持する光学素子ホルダ100の模式的な斜視図である。
【0020】
図1(a)に示すように、光学素子ホルダ100は、保持部110と、押圧部材120とを備える。保持部110は、光学素子Op(図1(b)参照)を保持する。押圧部材120は、保持部110に取り付けられる。
【0021】
保持部110は、本体部110aと、第1壁部110bと、第2壁部110cと、溝110gとを有する。本体部110aは、光学素子Opの側部を囲む内周面を有する。本体部110aの厚さは、光学素子Opの厚さよりも大きい。第1壁部110b、第2壁部110cおよび溝110gは、本体部110aの側部に設けられる。
【0022】
第1壁部110bは、本体部110aにおいて+Z方向の端部から突起する。第1壁部110bは、中央が-X方向に窪んだ形状を有する。
【0023】
第2壁部110cは、本体部110aにおいて-Z方向の端部から突起する。第2壁部110cは、第1壁部110bと対向する。第2壁部110cは、所定の間隔だけ離れて第1壁部110bと平行に延びる。第2壁部110cは、中央が-X方向に窪んだ形状を有する。
【0024】
溝110gは、第1壁部110bと第2壁部110cとの間に設けられる。溝110gは、第1壁部110bおよび第2壁部110cに対して窪む。
【0025】
ここでは、本体部110aは、第1側部110a1と、中央部110a2と、第2側部110a3とを有する。中央部110a2は、第1側部110a1と第2側部110a3との間に位置する。中央部110a2は、第1側部110a1と第2側部110a3とを接続する。
【0026】
第1側部110a1は、中央部110a2に対して+Y方向側に位置し、中央部110a2から+X方向に延びる。
【0027】
第2側部110a3は、中央部110a2に対して-Y方向側に位置し、中央部110a2から+X方向に延びる。第2側部110a3は、第1側部110a1に対向する。
【0028】
第1壁部110b、第2壁部110cおよび溝110gは、第1側部110a1、中央部110a2および第2側部110a3にまたがって延びる。
【0029】
ここでは、第1壁部110bは、第1側部110a1に対して-Y方向側に位置し、本体部110aに対して+X方向側に位置し、第2側部110a3に対して+Y方向側に位置する。
【0030】
また、第2壁部110cは、第1側部110a1に対して-Y方向側に位置し、本体部110aに対して+X方向側に位置し、第2側部110a3に対して+Y方向側に位置する。
【0031】
同様に、溝110gは、第1側部110a1に対して-Y方向側に位置し、本体部110aに対して+X方向側に位置し、第2側部110a3に対して+Y方向側に位置する。
【0032】
光学素子Opは、保持部110の第1壁部110bと第2壁部110cとの間に位置する溝110gに挿入される。溝110gは、光学素子ホルダ100によって装着される光学素子Opの形状に応じた形状を有する。光学素子Opが本体部110aの溝110gに挿入されると、光学素子Opの外周部は、第1壁部110bおよび第2壁部110cに部分的に覆われる。この状態で、保持部110に取り付けられた押圧部材120が、光学素子Opを押圧することにより、光学素子Opが光学素子ホルダ100に装着される。
【0033】
押圧部材120は、保持部110に保持された光学素子Opを押圧する。押圧部材120は、光学素子Opを押圧する強度を調整できる。また、押圧部材120は、光学素子Opを押圧する強度の有無を調整可能であってもよい。
【0034】
光学素子Opは、光学素子ホルダ100から取り外しできる。押圧部材120が、光学素子Opの押圧の程度を低減または押圧しなくなることにより、光学素子Opを溝110gから抜き出しできる。
【0035】
図1(b)に示すように、保持部110は、光学素子Opを保持する。ここでは、光学素子Opは、円柱形状または円盤形状である。光学素子Opは、薄型である。光学素子Opの厚さは、光学素子Opの径方向の長さよりも小さい。
【0036】
光学素子Opは、透過する光に対して作用する。例えば、光学素子Opは、フィルタであってもよい。フィルタにより、波長に応じた光の透過率を異ならせることができる。例えば、光学素子Opは、特定の波長の光を透過する一方で、別の波長の光の透過を遮断してもよい。一例では、光学素子Opは、蛍光フィルタである。
【0037】
あるいは、光学素子Opは、レンズであってもよい。レンズにより、透過する光の進行方向を制御できる。
【0038】
保持部110は、光学素子Opを着脱可能に保持する。保持部110の溝110gに、光学素子Opが挿入される。例えば、保持部110が光学素子Opを保持した状態において、光学素子Opの少なくとも一部は、保持部110から露出する。典型的には、保持部110は、光学素子Opの外周部を部分的に覆う。
【0039】
押圧部材120は、保持部110に取り付けられる。押圧部材120は、保持部110に保持される光学素子Opを押圧する。これにより、押圧部材120は、保持部110に保持された光学素子Opを対向する側に押圧する。したがって、光学素子Opは、光学素子ホルダ100に固定して装着される。
【0040】
例えば、押圧部材120は、光学素子Opの側面を押圧する。押圧部材120は、光学素子Opと接触して押圧してもよい。あるいは、押圧部材120は、光学素子Opと接触することなく光学素子Opを間接的に押圧してもよい。
【0041】
押圧部材120は、保持部110に着脱可能に取り付けられる。押圧部材120を保持部110から取り外すことにより、保持部110に光学素子Opを容易に挿入できる。
【0042】
例えば、押圧部材120は、ボールプランジャである。この場合、保持部110に対する押圧部材120の位置を調整することにより、光学素子Opを押圧する強度を調整できる。また、押圧部材120がボールプランジャであることにより、光学素子Opに過度な負荷をかけることなく光学素子Opを押圧できる。
【0043】
なお、押圧部材120は、バネであってもよい。あるいは、押圧部材120は、ブロック状の弾性体であってもよい。これにより、押圧部材120は、光学素子Opを適度な強度で保持部110に押圧できる。
【0044】
光学素子ホルダ100において、保持部110は、単独で光学素子Opを保持してもよい。あるいは、保持部110は、押圧部材120と協働して光学素子Opを保持してもよい。
【0045】
次に、図1および図2を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を説明する。図2(a)~図2(c)は、本実施形態の光学素子ホルダ100に対する光学素子Opの装着を説明するための模式的な斜視図である。
【0046】
図2(a)に示すように、押圧部材120は、保持部110から取り外し可能である。ここでは、保持部110には、貫通孔110hが設けられる。貫通孔110hは、保持部110の本体部110aの側部に位置する。一例では、貫通孔110hは、本体部110aの第1側部110a1に位置する。
【0047】
例えば、貫通孔110hおよび押圧部材120のそれぞれにはネジ溝が設けられる。これにより、貫通孔110h内の押圧部材120の位置を固定および調整できる。
【0048】
第1壁部110bは、第1被覆面110tと、第1端面110d1とを有する。第1被覆面110tは、光学素子Opの外周部を部分的に被覆する。第1端面110d1は、第1壁部110bにおいて本体部110aから離れた端部に位置する。
【0049】
第1端面110d1は、中央が-X方向に窪んだ形状を有する。例えば、第1端面110d1は、円弧状である。典型的には、第1端面110d1に対応する円の径は、光学素子Opの径よりも小さい。
【0050】
第2壁部110cは、第2被覆面110uと、第2端面110d2とを有する。第2被覆面110uは、光学素子Opの外周部を部分的に被覆する。第2端面110d2は、第2壁部110cにおいて本体部110aから離れた端部に位置する。
【0051】
第2端面110d2は、中央が-X方向に窪んだ形状を有する。例えば、第2端面110d2は、円弧状である。典型的には、第2端面110d2に対応する円の径は、光学素子Opの径よりも小さい。
【0052】
第1壁部110bと第2壁部110cとの間に、溝110gが設けられる。溝110gは、内側面110sと、第1被覆面110tと、第2被覆面110uとから規定される。内側面110sは、第1被覆面110tおよび第2被覆面110uのそれぞれと接続する。第1被覆面110tおよび第2被覆面110uは、互いに対向する。典型的には、第1被覆面110tおよび第2被覆面110uは、互いに平行に広がる。
【0053】
内側面110sは、第1側部110a1、中央部110a2および第2側部110a3にまたがる面である。内側面110sは、第1側部110a1の-Y方向側の面と、中央部110a2の+X方向側の面と、第2側部110a3の+Y方向側の面とを含む。
【0054】
第1被覆面110tは、第1壁部110bにおける-Z方向側の面である。第1被覆面110tは、第1壁部110bにおいて内側面110s側に位置する。
【0055】
第2被覆面110uは、第2壁部110cにおける+Z方向側の面である。第2被覆面110uは、第2壁部110cにおいて内側面110s側に位置する。
【0056】
図2(b)に示すように、光学素子Opを光学素子ホルダ100に装着する前に、光学素子ホルダ100に対する光学素子Opの位置を調整する。詳細には、光学素子Opを光学素子ホルダ100の溝110gに挿入する前に、光学素子Opは、光学素子ホルダ100における保持部110の第1壁部110bおよび第2壁部110cと平行に向けられる。
【0057】
光学素子Opは、円柱形状である。光学素子Opは、第1主面Opsと、第2主面Optと、側面Opuとを有する。第1主面Opsおよび第2主面Optは、略円形状である。第1主面Opsおよび第2主面OptはXY平面に広がり、第1主面Opsおよび第2主面Optの法線はZ方向に延びる。側面Opuの厚さ(Z方向に沿った長さ)hpは、第1主面Opsおよび第2主面Optのそれぞれの直径または半径よりも小さい。
【0058】
溝110gの幅(溝110gのZ方向の長さ)は、光学素子Opの厚さ(Z方向の長さ)hpと略等しいか、光学素子Opの厚さhpよりも若干大きい。
【0059】
第1壁部110bは、略半円の円弧状に延びる。第1被覆面110tは、第1壁部110bにおける-Z方向側の面である。第1被覆面110tは、光学素子Opの径と同程度の径を有する円弧状に延びる。
【0060】
第2壁部110cは、略半円の円弧状に延びる。第2被覆面110uは、第2壁部110cにおける+Z方向側の面である。第2被覆面110uは、光学素子Opの径と同程度の径を有する円弧状に延びる。
【0061】
保持部110において、溝110gの幅(Z方向の長さ)hgは、光学素子Opの厚さ(Z方向の長さ)hpとほぼ等しいか、若干大きい。ただし、後述するように、保持部110の溝110gの少なくとも一部において、溝110gの幅hgは、光学素子Opの厚さhpよりも小さくてもよい。
【0062】
図2(c)に示すように、光学素子Opを光学素子ホルダ100に装着する。ここでは、押圧部材120が光学素子Opを押圧することで、光学素子Opは保持部110に固定される。
【0063】
まず、光学素子Opを保持部110の溝110gに挿入する。光学素子Opは、手前側(-X方向側)から奥側(+X方向側)に向かう挿入方向に沿って保持部110の溝110gに挿入される。その後、貫通孔110hに位置する押圧部材120の先端を保持部110の内側面110sに突出させることにより、押圧部材120が光学素子Opを押圧する。これにより、光学素子Opは、保持部110に固定される。
【0064】
このとき、保持部110の内側面110sは、光学素子Opの側面Opuと対向する。保持部110の内側面110sは、光学素子Opの側面Opuと接触してもよく、接触しなくてもよい。
【0065】
第1被覆面110tは、光学素子Opの第1主面Opsの外周部の一部と重なる。ここでは、第1被覆面110tは、円周の略半分に相当する円弧状である。保持部110の第1被覆面110tは、光学素子Opの第1主面Opsと接触してもよく、接触しなくてもよい。
【0066】
第2被覆面110uは、光学素子Opの第2主面Optの外周部の一部と重なる。第2被覆面110uは、第1被覆面110tと対向する。ここでは、第2被覆面110uは、円周の略半分に相当する円弧状である。保持部110の第2被覆面110uは、光学素子Opの第2主面Optと接触してもよく、接触しなくてもよい。
【0067】
本実施形態の光学素子ホルダ100によれば、光学素子Opの脱着を容易にできる。光学素子ホルダ100には、光学素子Opが固定して装着されるため、光学素子Opを好適に利用できる。また、光学素子ホルダ100では、光学素子Opに対する押圧部材120の押圧を調整することにより、光学素子ホルダ100から光学素子Opを取り外しできる。したがって、本実施形態の光学素子ホルダ100によれば、光学素子Opを容易に交換できる。
【0068】
次に、図1図3を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を説明する。図3(a)は、光学素子Opが装着される前の本実施形態の光学素子ホルダ100の模式的な平面図である。図3(b)は、光学素子Opが装着される前の本実施形態の光学素子ホルダ100の模式的な断面図である。図3(b)は、図2(b)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
【0069】
図3(a)に示すように、第1壁部110bは、第1側部110a1、中央部110a2および第2側部110a3にまたがって延びる。第1被覆面110tは、第1壁部110bにおける-Z方向側の面である。第1被覆面110tは、第1壁部110bにおいて内側面110s側に位置する。第1被覆面110tは、略円弧状である。
【0070】
第1被覆面110tは、円弧部110taと、延長部110tbとを有する。円弧部110taは、円弧状に延びる。円弧部110taの外周を規定する径は、光学素子Opの径とほぼ等しい。ここで、円弧部110taの外周を規定する円の中心を基準点と呼ぶ場合、円弧部110taは、基準点に対して-X方向側および+Y方向側に位置する端部から基準点に対して-Y方向側に位置する端部まで円弧状に延びる。延長部110tbは、円弧部110taの-Y方向側および+X方向側の端部から+X方向に延びる。
【0071】
第1側部110a1には、貫通孔110hが設けられる。円弧部110taは、貫通孔110hに対応する部分には設けられていない。
【0072】
図3(b)に示すように、第2壁部110cは、第1側部110a1、中央部110a2および第2側部110a3にまたがって延びる。第2被覆面110uは第2壁部110cにおける+Z方向側の面である。第2被覆面110uは、第2壁部110cにおいて内側面110s側に位置する。第2被覆面110uは、略円弧状である。
【0073】
第2被覆面110uは、円弧部110uaと、延長部110ubと、延長部110ucとを有する。円弧部110uaは、円弧状に延びる。円弧部110uaの外周を規定する径は、光学素子Opの径とほぼ等しい。ここで、円弧部110uaの外周を規定する円の中心を基準点と呼ぶ場合、円弧部110uaは、基準点に対して+Y方向側に位置する端部から基準点に対して-Y方向側に位置する端部まで円弧状に延びる。延長部110ubは、円弧部110uaの+Y方向側の端部から+X方向に延びる。延長部110ucは、円弧部110uaの-Y方向側の端部から+X方向に延びる。なお、第2壁部110cの円弧部110uaに対する基準点は、第1壁部110bの円弧部110taに対する基準点と、Z方向上において重なってもよい。
【0074】
第2被覆面110uは、光学素子Opの外周部の半周を覆う。一方で、第1被覆面110tは、光学素子Opの外周部の半周を覆わない。
【0075】
次に、図1図4を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を説明する。図4は、光学素子Opが装着された後の本実施形態の光学素子ホルダ100の模式的な平面図である。
【0076】
図4に示すように、光学素子Opは、保持部110の第1壁部110bと第2壁部110cとの間に位置する溝110gに挿入される。この場合、第1被覆面110tおよび第2被覆面110uは、光学素子Opの外周部を部分的に覆う。詳細には、第1被覆面110tは、光学素子Opの第1主面Opsの外周部を部分的に覆い、第2被覆面110uは、光学素子Opの第2主面Optの外周部を部分的に覆う。
【0077】
図1図4から理解されるように、第1壁部110bおよび第1被覆面110tの形状は、第2壁部110cおよび第2被覆面110uとは異なる。典型的には、本実施形態の光学素子ホルダ100において、第1壁部110bは、鉛直上方に位置し、第2壁部110cは、鉛直下方に位置する。このため、第2壁部110cおよび第2被覆面110uは、第1壁部110bおよび第1被覆面110tよりも広い面積で光学素子Opの外周部を支持する。また、第1壁部110bおよび第1被覆面110tが、第2壁部110cおよび第2被覆面110uよりも、+Y方向側部分において短いことにより、操作者は、押圧部材120の位置および押圧部材120による押圧の程度を容易に確認できる。
【0078】
光学素子Opが光学素子ホルダ100に装着された場合、光学素子Opの中心Ocは、第1壁部110bの円弧部110taに対する基準点とZ方向に重なるとともに、第2壁部110cの円弧部110uaに対する基準点とZ方向に重なる。また、第1壁部110bの幅は、第2壁部110cの幅とほぼ等しい。これにより、第1壁部110bおよび第2壁部110cは、光学素子Opをほぼ均等に被覆する。
【0079】
なお、押圧部材120が配置される貫通孔110hは、内側面110sのうち第1壁部110bに覆われていない部分に位置する。このため、貫通孔110hは、第1壁部110bの円弧部110taの基準点に対して+X方向側および+Y方向側に位置する。
【0080】
このため、光学素子Opが光学素子ホルダ100に装着された場合、押圧部材120は、光学素子Opの中心Ocよりも手前側(+X方向側)に位置し、光学素子Opの中心Ocよりも手前側を押圧する。
【0081】
なお、図1図4に示した光学素子ホルダ100では、第2被覆面110uは、光学素子Opの外周部の半周を覆う一方で、第1被覆面110tは、光学素子Opの外周部の半周を覆わないが、第1被覆面110tおよび第2被覆面110uのそれぞれが、光学素子Opの外周部の半周を覆ってもよい。
【0082】
また、図1図4に示した光学素子ホルダ100では、第1壁部110b、第2壁部110c、内側面110s、第1被覆面110tおよび第2被覆面110uは、それぞれ円弧状であったが、本実施形態はこれに限定されない。第1壁部110b、第2壁部110c、内側面110s、第1被覆面110tおよび第2被覆面110uは、直線状であってもよい。
【0083】
また、図1図4に示した光学素子ホルダ100では、光学素子Opは、1つの押圧部材120に押圧されたが、本実施形態はこれに限定されない。光学素子Opは、2以上の押圧部材120に押圧されてもよい。例えば、光学素子Opに対して対向する位置に配置された2つの押圧部材120が、光学素子Opを互いに押圧してもよい。さらに、2つの押圧部材120は、光学素子Opの中心Ocに対して手前側に配置され、光学素子Opの挿入方向に対して直交する方向に配置されてもよい。
【0084】
なお、上述したように、保持部110において、第1被覆面110tまたは第2被覆面110uは、内側面110sに対して直交する方向に広がる。第1被覆面110tまたは第2被覆面110uは、内側面110sと直接的に接続されてもよい。あるいは、第1被覆面110tまたは第2被覆面110uは、別の面を介して内側面110sと間接的に接続されてもよい。
【0085】
また、光学素子ホルダ100において、保持部110は、押圧部材120を用いることなく光学素子Opを固定可能であってもよい。例えば、保持部110は、押圧部材120を取り付けない状態でも挿入された光学素子Opをある程度保持してもよい。一例では、保持部110において、光学素子Opが挿入される溝110gの空間が奥側で狭くなることにより、溝110gに挿入された光学素子Opが溝110gに固定されてもよい。
【0086】
次に、図1図5を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を説明する。図5は、本実施形態の光学素子ホルダ100の模式的な断面図である。図5は、図3(a)のV-V線に沿った模式的な断面図である。
【0087】
図5に示すように、光学素子ホルダ100は、保持部110と、押圧部材120とを備える。保持部110は、本体部110aと、第1壁部110bと、第2壁部110cと、溝110gとを有する。第1壁部110b、第2壁部110cおよび溝110gは、本体部110aの側部に設けられる。
【0088】
ここでは、溝110gは、内側面110s、第1被覆面110tおよび第2被覆面110uに加えて、傾斜面110vをさらに有する。第1被覆面110tおよび第2被覆面110uは、それぞれ内側面110sに対して直交する。
【0089】
溝110gは、内側面110sと、第1被覆面110tと、第2被覆面110uと、傾斜面110vとから規定される。第1被覆面110tおよび第2被覆面110uは、互いに対向する。内側面110sは、第2被覆面110uと接続する。
【0090】
ここでは、傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tとの間に設けられる。傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tのそれぞれに対して傾く。例えば、傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tのそれぞれに対して45°傾いて位置する。なお、傾斜面110vは、平坦状であってもよく、湾曲面状であってもよい。
【0091】
上述したように、光学素子Opの厚さ(Z方向の長さ)hpは、第1被覆面110tと第2被覆面110uとの間の距離hg1よりも小さい。これにより、光学素子Opは溝110gに挿入できる。
【0092】
一方で、傾斜面110vと第2被覆面110uとの間の距離hg2は、第1被覆面110tと第2被覆面110uとの間の距離hg1よりも短い。この場合、傾斜面110vと第2被覆面110uとの間の距離hg2が、光学素子Opの厚さhpよりも小さいことにより、光学素子Opの溝110gへのさらなる進入が抑制され、光学素子Opを溝110g内の特定の位置で固定できる。
【0093】
傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tを有する本体部110aを作製した後で、内側面110sと第1被覆面110tとの境界を加工することによって作製されてもよい。あるいは、内側面110s、第1被覆面110t、第2被覆面110u、傾斜面110vおよび本体部110aを一体的に作製してもよい。
【0094】
なお、図5に示した光学素子ホルダ100では、傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tとの間に設けられ、傾斜面110vは、内側面110sおよび第1被覆面110tのそれぞれに対して傾いていたが、本実施形態はこれに限定されない。傾斜面110vは、内側面110sと第2被覆面110uとの間に設けられてもよい。あるいは、傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tとの間に設けられるとともに、内側面110sと第2被覆面110uとの間に設けられてもよい。
【0095】
なお、図1図5には、本実施形態の光学素子ホルダ100において一体的に構成された保持部110を示したが、保持部110は、複数の部品から構成されてもよい。
【0096】
次に、図1図6を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を説明する。図6は、本実施形態の光学素子ホルダ100の模式的な分解斜視図である。
【0097】
図6に示すように、光学素子ホルダ100は、保持部110と、押圧部材120とを備える。保持部110は、第1部品112と、第2部品114とから構成される。第1部品112および第2部品114を組み立てることにより、保持部110を構成できる。
【0098】
第1部品112は、本体部112aと、壁部112bとを有する。壁部112bは、本体部112aからXY平面に延びる。
【0099】
本体部112aは、第1側部112a1と、中央部112a2と、第2側部112a3とを有する。中央部112a2は、第1側部112a1と第2側部112a3との間に位置し、第1側部112a1と第2側部112a3とを接続する。
【0100】
第1側部112a1は、中央部112a2に対して+Y方向側に位置し、中央部112a2から+X方向に延びる。
【0101】
第2側部112a3は、中央部112a2に対して-Y方向側に位置し、中央部112a2から+X方向に延びる。第2側部112a3は、第1側部112a1に対向する。
【0102】
壁部112bは、本体部112aにおいて+Z方向の端部から突起する。壁部112bは、第1側部112a1に対して-Y方向側に位置し、本体部112aに対して+X方向側に位置し、第2側部112a3に対して+Y方向側に位置する。第1部品112の壁部112bは、-X方向に窪んだ端面112dを有する。
【0103】
第1部品112は、内側面110sと、第1被覆面110tとを有する。第1被覆面110tは、壁部112bにおける-Z方向側の面である。第1被覆面110tは、壁部112bにおける内側面110s側に位置する。
【0104】
内側面110sは、第1側部112a1、中央部112a2および第2側部112a3にまたがる面である。内側面110sは、第1側部112a1の-Y方向側の面と、中央部112a2の+X方向側の面と、第2側部112a3の+Y方向側の面とを含む。
【0105】
内側面110sのうち第1側部112a1に貫通孔110hが設けられる。貫通孔110hには、押圧部材120が挿入される。
【0106】
第2部品114は、-X方向に窪んだ端面114dを有する平板である。第2部品114において、端面114dは、中央が-X方向に窪んだ形状を有する。端面114dの形状は、第1部品112の壁部112bの端面112dと同様の形状である。
【0107】
第1部品112および第2部品114が組み立てられて光学素子ホルダ100が構成される。第2部品114において端面114dの近傍部分は、光学素子ホルダ100の第2壁部として機能する。このため、第2部品114において第1部品112の第1被覆面110tに対向する部分であって端面114d近傍の部分が第2被覆面となる。
【0108】
なお、図1図6では、光学素子ホルダ100に装着される光学素子Opを略円柱形状または略円盤形状であり、光学素子Opの厚さ(Z方向に沿った長さ)を略一定に示したが、本実施形態はこれに限定されない。光学素子Opの厚さ(Z方向に沿った長さ)は、場所によって異なってもよい。例えば、光学素子Opは、外周部で比較的厚く、中央部で比較的薄くてもよい。
【0109】
次に、図1図7を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100に装着される光学素子Opを説明する。図7は、本実施形態の光学素子ホルダ100に装着される光学素子Opの模式的な分解斜視図である。
【0110】
図7に示すように、光学素子Opは、素子本体Op1と、収納ケースOp2と、留め具Op3とを有する。例えば、素子本体Op1は、フィルタまたはレンズである。素子本体Op1は、円柱形状または円盤形状である。
【0111】
収納ケースOp2は、素子本体Op1を収納する。収納ケースOp2は、略底有円筒形状である。収納ケースOp2において一方の端部は、底面なく開口しており、他方の端部には貫通孔の開いた底面が設けられる。
【0112】
収納ケースOp2は、底部と、側部とを有する。底部には、環状の貫通孔が設けられる。収納ケースOp2の外周面の径方向に沿った長さは、素子本体Op1の径方向に沿った長さよりも大きい。収納ケースOp2の内周面の径方向に沿った長さは、素子本体Op1の径方向に沿った長さとほぼ等しいか、若干大きい。
【0113】
留め具Op3は、収納ケースOp2に収納された素子本体Op1を留める。留め具Op3は、収納ケースOp2内に配置される。留め具Op3は、環状である。留め具Op3の内周面の径方向に沿った長さは、素子本体Op1の径方向に沿った長さよりも小さい。留め具Op3の外周面の径方向に沿った長さは、収納ケースOp2の内周面の径方向に沿った長さとほぼ等しいか、若干小さい。
【0114】
このように、光学素子Opは、素子本体Op1に加えて、収納ケースOp2および留め具Op3を有してもよい。この場合、光学素子Opの厚さは、素子本体Op1の厚さhp1よりも大きくなることがある。例えば、素子本体Op1を収納する収納ケースOp2において、光学素子ホルダ100の第1壁部110bおよび第2壁部110cと重なる外周部の厚さhp2が素子本体Op1の厚さhp1よりも大きい場合、光学素子Opの厚さは、素子本体Op1の厚さhp1よりも大きい収納ケースOp2の厚さhp2となる。
【0115】
次に、図1図8を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を説明する。図8(a)~図8(c)は、本実施形態の光学素子ホルダ100に対する光学素子Opの装着を説明するための模式的な断面図である。
【0116】
図8(a)に示すように、第1部品112および第2部品114を組み立てて保持部110が構成される。第1部品112は、第2部品114に対して+Z方向側に位置する。第1部品112と第2部品114とにより、第1部品112の壁部112bと第2部品114との間に溝110gが形成される。
【0117】
図8(b)に示すように、保持部110の溝110gに光学素子Opを挿入する。光学素子Opは、素子本体Op1と、収納ケースOp2と、留め具Op3とを有する。収納ケースOp2の厚さ(Z方向の長さ)hp2は、素子本体Op1の厚さ(Z方向の長さ)hp1よりも大きい。このため、収納ケースOp2の厚さhp2が、光学素子Opの厚さhpとなる。
【0118】
ここでは、溝110gは、内側面110s、第1被覆面110t、第2被覆面110uおよび傾斜面110vに規定される。傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tとの間に設けられる。傾斜面110vは、内側面110sと第1被覆面110tのそれぞれに対して傾く。
【0119】
上述したように、光学素子Opの厚さ(Z方向の長さ)hpは、第1被覆面110tと第2被覆面110uとの間の距離hg1よりも小さい。このため、光学素子Opは、保持部110の溝110gに挿入される。一方で、傾斜面110vと第2被覆面110uとの間の距離hg2は、光学素子Opの厚さhpよりも小さい。
【0120】
このため、図8(c)に示すように、光学素子Opの溝110gへのさらなる進入が抑制され、光学素子Opを溝110g内の特定の位置で固定できる。
【0121】
なお、図6および図8に示した光学素子ホルダ100では、第1部品112が光学素子ホルダ100の内側面110sのすべてを有し、第1部品112は、平坦状の第2部品114の上に配置されたが、本実施形態はこれに限定されない。第2部品114は、突起を有し、光学素子ホルダ100の内側面110sは、第1部品112および第2部品114のそれぞれによって構成されてもよい。
【0122】
また、図1図8に示した光学素子ホルダ100は、1つの光学素子Opを装着可能であったが、1つの光学素子Opを装着可能な光学素子ホルダ100がまとめて搭載されてもよい。
【0123】
次に、図1図9を参照して、本実施形態の光学素子ホルダ100を複数備えた光学素子ホルダアセンブリ10を説明する。図9は、本実施形態の光学素子ホルダアセンブリ10の模式的な斜視図である。
【0124】
図9に示すように、光学素子ホルダアセンブリ10は、それぞれが第1部品112および第2部品114を有する複数の光学素子ホルダ100と、複数の光学素子ホルダ100の第2部品114が連結されたベースプレート20とを備える。ベースプレート20は、端面114da~端面114dfが設けられた薄型の円盤状である。
【0125】
ここでは、複数の光学素子ホルダ100のそれぞれは、図6および図8に示したように、第1部品112と、第2部品114とから構成される。なお、複数の光学素子ホルダ100の第2部品114は周方向に沿って連結されたベースプレート20を構成する。ベースプレート20は、端面114da~端面114dfが設けられた薄型の円盤状である。また、ベースプレート20の上に、複数の光学素子ホルダ100の第1部品112が配置される。取付部により、光学素子ホルダ100の第1部品112が、ベースプレート20に取り付けられる。
【0126】
ここでは、光学素子ホルダアセンブリ10は、複数の光学素子ホルダ100として、光学素子ホルダ100a~100fを備える。典型的には、光学素子ホルダ100a~100fは、同一形状である。
【0127】
光学素子ホルダ100a~100fは、周方向に沿って等間隔に配置される。光学素子ホルダ100a~100fのそれぞれには、径方向内側に取付部が設けられる。
【0128】
このように、光学素子ホルダ100a~100fは、周方向に沿って配置される。ここで、光学素子ホルダ100a~100fのうち周方向に隣接する光学素子ホルダ100aおよび光学素子ホルダ100bに着目する。光学素子ホルダ100bにおいて、保持部110の本体部110aに貫通孔110hが設けられ、押圧部材120は、本体部110aの貫通孔110hに配置される。一方で、光学素子ホルダ100aにおいて、保持部110は、光学素子ホルダ100bの押圧部材120が貫通孔110hに挿入する経路を避けるように切り欠かれている。このため、光学素子ホルダ100bの押圧部材120は、光学素子ホルダ100aの保持部110に妨害されることなく、貫通孔110hに挿入される。このため、光学素子ホルダアセンブリ10が組み立てられた後であっても、押圧部材120の位置および脱着を容易に調整できる。
【0129】
光学素子ホルダアセンブリ10は、顕微鏡に搭載されてもよい。または、光学素子ホルダアセンブリ10は、撮影機材に搭載されてもよい。
【0130】
本実施形態の光学素子ホルダアセンブリ10では、周方向に光学素子ホルダ100a~100fが配置される。ベースプレート20の中心を回転軸としてベースプレート20が回転することにより、使用される光学素子ホルダ100a~100fを容易に変更できる。
【0131】
次に、図1図10を参照して、本実施形態の光学素子ホルダアセンブリ10を説明する。図10は、本実施形態の光学素子ホルダアセンブリ10の模式的な分解斜視図である。
【0132】
図10に示すように、光学素子ホルダアセンブリ10は、光学素子ホルダ100a~100fの第1部品112と、光学素子ホルダ100a~100fのそれぞれの第2部品114が連結されたベースプレート20とを備える。ベースプレート20には、複数の第2部品114が一体的に連結される。複数の第1部品112がベースプレート20に取り付けられることにより、光学素子ホルダ100a~100fが構成される。
【0133】
また、第1部品112は、貫通孔112pおよび貫通孔112qを有する。ここでは、貫通孔112pおよび貫通孔112qは、本体部112aに設けられる。詳細には、貫通孔112pおよび貫通孔112qは、中央部112a2を厚さ方向(Z方向)に貫通する。
【0134】
また、第2部品114は、貫通孔114pおよび貫通孔114qを有する。貫通孔114pおよび貫通孔114qは、第2部品114を厚さ方向(Z方向)に貫通する。
【0135】
第2部品114の貫通孔114pは、第1部品112の貫通孔112pに対応して設けられ、第2部品114の貫通孔114qは、第1部品112の貫通孔112qに対応して設けられる。第1部品112の貫通孔112pおよび第2部品114の貫通孔114pにボルトを貫通させるとともに、第1部品112の貫通孔112pおよび第2部品114の貫通孔114pにボルトを貫通させ、それぞれをネジで固結することにより、第1部品112および第2部品114を組み合わせできる。
【0136】
次に、図1図11を参照して、本実施形態の光学素子ホルダアセンブリ10を説明する。図11は、本実施形態の光学素子ホルダアセンブリ10の模式的な斜視図である。図11に示した光学素子ホルダアセンブリ10では、光学素子ホルダ100a~100fに光学素子Opa~Opfが装着されている。
【0137】
図11に示すように、光学素子ホルダアセンブリ10は、ベースプレート20に搭載された光学素子ホルダ100a~100fを備える。光学素子ホルダ100a~100fには、光学素子Opa~Opfをそれぞれ装着できる。光学素子ホルダ100a~100fのそれぞれにより、光学素子Opa~Opfの交換を容易にできる。
【0138】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、光学素子の交換が容易な光学素子ホルダおよび光学素子ホルダアセンブリに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0140】
10 光学素子ホルダアセンブリ
100 光学素子ホルダ
110 保持部
110a 本体部
110b 第1壁部
110c 第2壁部
110g 溝
110s 内側面
110t 第1被覆面
110u 第2被覆面
112 第1部品
114 第2部品
120 押圧部材
Op 光学素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11