(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134333
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】商品販売システム、販売処理装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240926BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044576
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 元宏
(72)【発明者】
【氏名】河原 高行
(72)【発明者】
【氏名】平松 直剛
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA42
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】代金の支払いに関する操作を購買者に行わせることで人件費の削減を図る。
【解決手段】販売処理装置は、入力手段を介して入力された購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理するとともに、購買商品に係る情報を支払い機に送信する。販売処理装置は、入力終了指示を受け付けた時点で代金支払い方法の選択入力を受け付けていない場合に、購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける。販売処理装置は、入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、入力終了指示を支払い機に送信する。販売処理装置は、入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、代金支払い方法に従い、第1処理手段で処理した販売データの取引を決済する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置と、販売処理装置と、支払い機とを含み、
前記入力装置は、
購買者が買い入れる購買商品に係る情報を入力する入力手段と、
前記購買商品に係る情報の入力終了指示を受け付ける終了受付手段と、
代金支払い方法の選択入力を受け付ける第1の支払い受付手段と、
を具備し、
前記販売処理装置は、
前記入力手段を介して入力された前記購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する第1処理手段と、
前記入力手段を介して入力された前記購買商品に係る情報を前記支払い機に送信する情報送信手段と、
前記終了受付手段が前記入力終了指示を受け付けた時点で前記第1の支払い受付手段が代金支払い方法の選択入力を受け付けていない場合に、前記購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける第2の支払い受付手段と、
前記終了受付手段が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、前記入力終了指示を前記支払い機に送信する指示送信手段と、
前記終了受付手段が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、前記第1の支払い受付手段又は前記第2の支払い受付手段で受け付けた代金支払い方法に従い、前記第1処理手段で処理した販売データの取引を決済する第1決済手段と、
を具備し、
前記支払い機は、
前記購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける第3の支払い受付手段と、
前記販売処理装置から受信した前記購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する第2処理手段と、
前記販売処理装置から前記入力終了指示を受信したことに応じて、前記第1の支払い受付手段又は前記第3の支払い受付手段で受け付けた代金支払い方法に従い、前記第2処理手段で処理した販売データの取引を決済する第2決済手段と、
を具備する、商品販売システム。
【請求項2】
前記販売処理装置は、
前記終了受付手段が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、前記支払い機に対して販売データの削除を指示する削除指示手段、
をさらに具備し、
前記支払い機は、
前記販売処理装置から前記削除の指示を受けたことに応じて、前記第2処理手段で処理した販売データを削除する削除手段、
をさらに具備する請求項1記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記販売処理装置は、
前記第1決済手段による決済が実行中であることを示す第1識別情報及び前記第2決済手段による決済が実行中であることを示す第2識別情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が前記第1識別情報を記憶しかつ前記第2識別情報を記憶していない状態で前記終了受付手段により前記入力終了指示を受け付けた場合に、前記支払い機での代金の支払いを案内する案内手段と、
をさらに具備する請求項1記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記販売処理装置は、
前記記憶手段が前記第1識別情報と前記第2識別情報とを記憶している間は、前記終了受付手段による前記入力終了指示の受付を無効にする無効手段、
をさらに具備する請求項3記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記販売処理装置は、
前記終了受付手段が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、前記第1の支払い受付手段で受け付けた代金支払い方法が店員の確認を必要とする支払い方法であるか否かを確認する確認手段、
をさらに具備し、
前記確認手段が、前記店員の確認を必要としない支払い方法であると確認した場合には、前記指示送信手段により、前記入力終了指示を前記支払い機に送信し、
前記確認手段が、前記店員の確認を必要とする支払い方法であると確認した場合には、取引の決済が可能となるのを待って、前記第1決済手段により、前記店員の確認を必要とする支払い方法に従い、前記第1処理手段で処理した販売データの取引を決済する、請求項1記載の商品販売システム。
【請求項6】
入力装置及び支払い機とともに商品販売システムを構成する販売処理装置であって、
前記入力装置を介して入力された購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する処理手段と、
前記入力装置を介して入力された前記購買商品に係る情報を前記支払い機に送信する情報送信手段と、
前記入力装置が入力終了指示を受け付けた時点で当該入力装置が代金支払い方法の選択入力を受け付けていない場合に、前記購買商品の購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける支払い受付手段と、
前記入力装置が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、前記入力終了指示を前記支払い機に送信する指示送信手段と、
前記入力装置が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、前記入力装置が受け付けた代金支払い方法又は前記支払い受付手段で受け付けた代金支払い方法に従い、前記処理手段で処理した販売データの取引を決済する決済手段と、
を具備する販売処理装置。
【請求項7】
入力装置及び支払い機とともに商品販売システムを構成する販売処理装置のコンピュータを、
前記入力装置を介して入力された購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する処理手段、
前記入力装置を介して入力された前記購買商品に係る情報を前記支払い機に送信する情報送信手段、
前記入力装置が入力終了指示を受け付けた時点で当該入力装置が代金支払い方法の選択入力を受け付けていない場合に、前記購買商品の購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける支払い受付手段、
前記入力装置が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、前記入力終了指示を前記支払い機に送信する指示送信手段、及び、
前記入力装置が前記入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、前記入力装置が受け付けた代金支払い方法又は前記支払い受付手段で受け付けた代金支払い方法に従い、前記処理手段で処理した販売データの取引を決済する決済手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売システム及びこのシステムに用いられる販売処理装置とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、ホームセンター等の大型小売店向けの商品販売システムとして、二人制のシステムがある。二人制の商品販売システムは、チェッカと称される店員が操作者となる入力装置と、キャッシャと呼ばれる店員が操作者となる販売処理装置とを備える。入力装置は、商品に付されたバーコード等の購買商品に係る情報を入力するための機器である。販売処理装置は、入力装置を介して入力された情報を基に購買商品の販売データを処理して購買者との取引を決済するための機器である。入力装置と販売処理装置とは伝送ケーブルによって接続されている。プロセッサを主体とするコンピュータは、販売処理装置が搭載している。すなわち入力装置は、販売処理装置に外付けさせる周辺機器デバイスという位置づけである。
【0003】
近年、人件費の削減、感染症対策等の観点から、代金の支払いに関する操作を購買者に行わせたいという要望がある。二人制の商品販売システムにおいても、販売処理装置に対して行われる代金の支払いに関する操作を購買者に行わせることで、キャッシャを担当する店員が不要となり人件費を削減できる。また、現金、キャッシュカード等に店員が触れないので、感染症対策にもなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、代金の支払いに関する操作を購買者に行わせることで人件費の削減を図り、感染症対策の面でも優れた効果を奏し得る商品販売システム、及びこのシステムの販売処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、商品販売システムは、入力装置と、販売処理装置と、支払い機とを含む。
入力装置は、入力手段と、終了受付手段と、第1の支払い受付手段とを備える。入力手段は、購買者が買い入れる購買商品に係る情報を入力する。終了受付手段は、購買商品に係る情報の入力終了指示を受け付ける。第1の支払い受付手段は、代金支払い方法の選択入力を受け付ける。
販売処理装置は、第1処理手段と、情報送信手段と、第2の支払い受付手段と、指示送信手段と、第1決済手段とを備える。第1処理手段は、入力手段を介して入力された購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する。情報送信手段は、入力手段を介して入力された購買商品に係る情報を支払い機に送信する。第2の支払い受付手段は、終了受付手段が入力終了指示を受け付けた時点で第1の支払い受付手段が代金支払い方法の選択入力を受け付けていない場合に、購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける。指示送信手段は、終了受付手段が入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、入力終了指示を支払い機に送信する。第1決済手段は、終了受付手段が入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、第1の支払い受付手段又は第2の支払い受付手段で受け付けた代金支払い方法に従い、第1処理手段で処理した販売データの取引を決済する。
支払い機は、第3の支払い受付手段と、第2処理手段と、第2決済手段とを備える。第3の支払い受付手段は、購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける。第2処理手段は、販売処理装置から受信した購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する。第2決済手段は、販売処理装置から入力終了指示を受信したことに応じて、第1の支払い受付手段又は第3の支払い受付手段で受け付けた代金支払い方法に従い、第2処理手段で処理した販売データの取引を決済する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る商品販売システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、販売処理装置における装置本体の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、販売処理装置のメインメモリに形成される主要な記憶領域を示す模式図である。
【
図4】
図4は、支払い機の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、入力装置と販売処理装置と支払い機とが有する主要な機能構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図7】
図7は、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図8】
図8は、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図9】
図9は、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図10】
図10は、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図11】
図11は、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第3の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図12】
図12は、支払い機のプロセッサが第2の業務プログラムに従って実行する第4の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図13】
図13は、支払い機のプロセッサが第2の業務プログラムに従って実行する第4の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図14】
図14は、入力装置のタッチパネルに表示される登録画面の一例である。
【
図15】
図15は、入力装置のディスプレイに表示される登録画面の一例である。
【
図16】
図16は、入力装置のタッチパネルに表示される小計画面の一例である。
【
図17】
図17は、入力装置のディスプレイに表示される小計画面の一例である。
【
図18】
図18は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図19】
図19は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い画面の一例である。
【
図20】
図20は、入力装置のタッチパネルにおいて支払い画面に表示される代金支払い待機時のポップアップの一例である。
【
図21】
図21は、入力装置のディスプレイにおいて小計画面に表示される代金支払い待機時のテキストの一例である。
【
図22】
図22は、入力装置のタッチパネルにおいて支払い画面に表示される販売処理装置での代金支払い可能時のポップアップの一例である。
【
図23】
図23は、入力装置のディスプレイにおいて小計画面に表示される販売処理装置での代金支払い可能時のテキストの一例である。
【
図24】
図24は、入力装置のタッチパネルにおいて支払い画面に表示される支払い機での代金支払い可能時のポップアップの一例である。
【
図25】
図25は、入力装置のディスプレイにおいて小計画面に表示される支払い機での代金支払い可能時のテキストの一例である。
【
図26】
図26は、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される支払い開始画面の一例である。
【
図27】
図27は、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図28】
図28は、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される現金支払い通知画面の一例である。
【
図29】
図29は、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示される現金支払い通知画面の一例である。
【
図30】
図30は、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される現金支払い中画面の一例である。
【
図31】
図31は、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示される現金支払い中画面の一例である。
【
図32】
図32は、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される現金支払い完了画面の一例である。
【
図33】
図33は、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示される現金支払い完了画面の一例である。
【
図34】
図34は、支払い機のタッチパネルに表示される明細確認画面の一例である。
【
図35】
図35は、支払い機のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図36】
図36は、支払い機のタッチパネルに表示される現金支払い通知画面の一例である。
【
図37】
図37は、支払い機のタッチパネルに表示される現金支払い中画面の一例である。
【
図38】
図38は、支払い機のタッチパネルに表示される現金支払い完了画面の一例である。
【
図39】
図39は、第2の実施形態において、入力装置と販売処理装置と支払い機とが有する主要な機能構成を示す模式図である。
【
図40】
図40は、第2の実施形態において、入力装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図41】
図41は、第2の実施形態において、販売処理装置のディスプレイに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図42】
図42は、第2の実施形態において、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第5の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図43】
図43は、第2の実施形態において、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第5の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図44】
図44は、第2の実施形態において、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される金券支払い通知画面の一例である。
【
図45】
図45は、第2の実施形態において、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示される金券支払い通知画面の一例である。
【
図46】
図46は、第2の実施形態において、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される金券支払い中画面の一例である。
【
図47】
図47は、第2の実施形態において、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示される金券支払い中画面の一例である。
【
図48】
図48は、第2の実施形態において、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される金券支払い完了画面の一例である。
【
図49】
図49は、第3の実施形態において、販売処理装置の第1のタッチパネルに表示される金券選択画面の一例である。
【
図50】
図50は、第4の実施形態において、入力装置と販売処理装置と支払い機とが有する主要な機能構成を示す模式図である。
【
図51】
図51は、第4の実施形態において、入力装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図52】
図52は、第4の実施形態において、販売処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第6の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図53】
図53は、第4の実施形態において、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示されるポイント支払い通知画面の一例である。
【
図54】
図54は、第4の実施形態において、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示されるポイント支払い中画面の一例である。
【
図55】
図55は、第4の実施形態において、販売処理装置の第2のタッチパネルに表示されるポイント支払い完了画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、代金の支払いに関する操作を購買者に行わせるようにした商品販売システムの一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
[商品販売システムの構成説明]
図1は、一実施形態に係る商品販売システム1の概略構成図である。商品販売システム1は、入力装置2と、販売処理装置3と、支払い機4とを含む。販売処理装置3に入力装置2と支払い機4がそれぞれ接続されて、商品販売システム1を構成する。入力装置2と販売処理装置3とは、伝送ケーブル53(
図2を参照)により1対1で接続される。販売処理装置3と支払い機4とは、LAN(Local Area Network)54(
図2を参照)により1対n(nは1以上の整数)で接続される。入力装置2と販売処理装置3とは、近距離無線通信により接続されてもよい。販売処理装置3と支払い機4とは、無線LANで接続されてもよい。なお、本実施形態では、販売処理装置3に接続される支払い機4の台数nを1台とする。
【0010】
入力装置2は、チェックアウトカウンタ51に取り付けられている。チェックアウトカウンタ51は、買物客である購買者が図示矢印の方向に歩いて移動する通路PAに沿って配置されている。チェックアウトカウンタ51は、天面のほぼ中央に入力装置2を取り付け、該入力装置2よりも通路PAの上流側を登録前の購買商品を載せるためのスペースとし、下流側を登録後の購買商品を載せるためのスペースとしている。
【0011】
入力装置2は、入出力デバイスとして、定置式スキャナ21と、ハンディスキャナ22と、タッチパネル23と、キーボード24と、ディスプレイ25とを備える。入力装置2は、チェックアウトカウンタ51の天面から上方に突出するように定置式スキャナ21を配置し、この定置式スキャナ21の周囲にハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25を配置している。
【0012】
詳しくは、入力装置2は、チェックアウトカウンタ51の天面に定置式スキャナ21を固定している。定置式スキャナ21は縦型であり、バーコードの読取窓が通路PAとは反対側の面に位置するように固定されている。入力装置2は、ハンディスキャナ22を、定置式スキャナ21の一側部に係止している。またタッチパネル23を、その操作パネル面が定置式スキャナ21の読取窓と同一方向を向くように定置式スキャナ21の上部に取り付けている。またキーボード24を、そのキー面がタッチパネル23の操作パネル面と同一方向を向くようにタッチパネル23の一側部に取り付けている。さらにディスプレイ25を、その表示画面が通路PAの側を向くように定置式スキャナ21の一側部に取り付けている。なお、ディスプレイ25は、タッチパネルであってもよい。
【0013】
このような入出力デバイスの配置により、チェックアウトカウンタ51を挟んで通路PAとは反対側のスペースSPに立つ店員は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23又はキーボード24を操作して、購買者が買い入れる購買商品に係る情報、例えば商品コード、購買数量、値引額等を入力することができる。このとき店員は、タッチパネル23に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。購買者は、ディスプレイ25に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。
【0014】
販売処理装置3は、POS(Point Of Sales)システムの端末として機能するコンピュータ機器である。販売処理装置3は、装置本体30と一体になったデバイスとしてキーボード31と第1のタッチパネル32を備え、装置本体30に対して外付けされるデバイスとしてハンディスキャナ33、第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36、キャッシュレス決済端末37等を備える。販売処理装置3は、チェックアウトカウンタ51における下流側端部近傍の通路PAとは反対側に設置されたレジカウンタ52の天面に載置されている。
【0015】
詳しくは、販売処理装置3は、キーボード31のキー面と第1のタッチパネル32の操作パネル面とが店員の立つスペースSPの側を向くように装置本体30をレジカウンタ52に載置している。そしてこの装置本体30の周囲に、ハンディスキャナ33、第2のタッチパネル34、プリンタ35、自動釣銭機36及びキャッシュレス決済端末37を配置している。ハンディスキャナ33は、スペースSPに立つ店員が操作可能な位置に配置されている。第2のタッチパネル34は、その表示画面を通路PAに立つ購買者が目視可能な位置に配置されている。プリンタ35は、通路PAに立つ購買者がレシートを受け取りやすい位置に配置されている。自動釣銭機36は、通路PAに立つ購買者が現金を投入し、払い出された釣銭を取り出しやすい位置に配置されている。キャッシュレス決済端末37は、通路PAに立つ購買者がクレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済等のキャッシュレス決済を行う際に操作しやすい位置に配置されている。
【0016】
このようなデバイスの配置により、通路PAに立つ購買者は、第2のタッチパネル34に表示される情報、例えば代金の支払いに係る情報をその場で確認することができる。購買者は、プリンタ35から発行されるレシートをその場で受け取ることができる。現金で代金を支払う購買者は、通路PAに立ったまま自動釣銭機36に現金を投入し、払い出された釣銭を回収することができる。キャッシュレス決済により代金を支払う購買者は、通路PAに立ったままキャッシュレス決済端末37を操作して、キャッシュレスで代金を支払うことができる。このように販売処理装置3は、代金の支払いに関する操作を購買者が自ら行うようにしたセルフタイプの支払い機として機能する。
【0017】
支払い機4もまた、代金の支払いに関する操作を購買者が自ら行うようにしたセルフタイプの支払い機である。支払い機4は、販売処理装置3が使用中のために販売処理装置3では代金の支払いができない購買者が使用する。そのため支払い機4は、図示矢印で示される購買者の移動方向に対し、販売処理装置3よりも下流側に設置されている。支払い機4は、通路PAを挟んで販売処理装置3の反対側に設置されていてもよい。
【0018】
支払い機4は、箱型をなす筐体40の一面を購買者が対峙する面とする。以下では、購買者と対峙する面を正面とする。支払い機4は、正面側から見て右側の側面に籠置台41を取り付けている。籠置台41は、支払い機4を使用して代金の支払いを行う購買者が購買商品を入れた買物籠等を置くためのスペースである。
【0019】
支払い機4は、購買者とのマンマシンインターフェースとしてタッチパネル42を備える。タッチパネル42は、オペレータである購買者が操作しやすい位置に取り付けられている。本実施形態では、タッチパネル42は、表示画面を正面側に向けて、筐体40の頂部に取り付けられている。支払い機4は、筐体40にレシート印刷用のプリンタ87(
図4を参照)を内蔵し、該プリンタ87によって印刷されたレシートを発行するためのレシート発行口43を筐体40の正面に形成している。また支払い機4は、自動釣銭機88(
図4を参照)を内蔵し、硬貨投入口44、硬貨投出口45及び紙幣入出口46を筐体40の正面に形成している。このような配置により、代金を現金で支払う購買者は、紙幣入出口46に紙幣を投入し、また硬貨投入口44に硬貨を投入する。そして、紙幣入出口46から排出された釣銭としての紙幣又は硬貨投出口45に投出された釣銭としての硬貨を回収するとともにレシート発行口43から発行されたレシートを受け取る。また、
図1では図示しないが、支払い機4は、キャッシュレス決済端末89(
図4を参照)を備えており、キャッシュレス決済にも対応できるようになっている。
【0020】
支払い機4は、筐体40の頂部にパトランプ47を取り付けている。パトランプ47は、支払い機4の動作状態をスペースSPに居る店員に報知するためのランプである。パトランプ47によって報知される支払い機4の動作状態には、決済中と待機中とがある。決済中は、購買者が代金の支払いを開始してから終了するまでの期間内である。それ以外の期間が待機中となる。
【0021】
かかる構成の商品販売システム1は、スーパーマーケット、ホームセンター等の大型小売店においては、商品が陳列される売場とは区分けされた会計場(レジ)に複数並列に設置するのが一般的である。一方、専門店等の小型小売店においては、店舗内に1つだけ商品販売システム1を設置する場合もあり得る。
【0022】
図2は、販売処理装置3における装置本体30の要部回路構成を示すブロック図である。図示するように装置本体30は、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、時計64、通信インターフェース65、スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69、決済端末インターフェース70、入力装置インターフェース71及びシステム伝送路72等を備える。システム伝送路72は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路72は、プロセッサ61と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0023】
装置本体30は、プロセッサ61と、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、時計64、通信インターフェース65、スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69、決済端末インターフェース70及び入力装置インターフェース71とを、システム伝送路72で接続することにより、コンピュータを構成する。そして装置本体30は、そのコンピュータに、システム伝送路72を介してキーボード31及び第1のタッチパネル32を接続する。
【0024】
プロセッサ61は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ61は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、販売処理装置3としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ61は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ61は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサである。
【0025】
メインメモリ62は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ62は、プロセッサ61が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ62は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ61によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0026】
補助記憶デバイス63は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス63となり得る。補助記憶デバイス63は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ61での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス63は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0027】
時計64は、日付と時刻を計時する。プロセッサ61は、時計64によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0028】
通信インターフェース65は、LAN54に接続された支払い機4との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。また通信インターフェース65は、同じくLAN54に接続されたPOSサーバ55との間でデータ通信を行うためのインターフェースでもある。POSサーバ55は、店舗で販売される各商品の商品名、単価等の商品データを記憶した商品マスタを備え、販売処理装置3で処理された商品の販売データを収集し集計して、販売時点の売上、在庫等を管理するためのコンピュータである。
【0029】
スキャナインターフェース66、タッチパネルインターフェース67、プリンタインターフェース68、釣銭機インターフェース69及び決済端末インターフェース70は、いずれも装置本体30に外付けされたデバイスとデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわちスキャナインターフェース66は、ハンディスキャナ33との間でデータ通信を行う。タッチパネルインターフェース67は、第2のタッチパネル34との間でデータ通信を行う。プリンタインターフェース68、プリンタ35との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース69は、自動釣銭機36との間でデータ通信を行う。決済端末インターフェース70は、キャッシュレス決済端末37との間でデータ通信を行う。
【0030】
入力装置インターフェース71は、伝送ケーブル53で接続された入力装置2との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわち入力装置インターフェース71は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25との間でそれぞれデータ通信を行う。
【0031】
図3は、メインメモリ62に形成される主要な記憶領域を示す模式図である。販売処理装置3は、メインメモリ62における揮発性記憶領域の一部を第1取引ファイル621、第2取引ファイル622、ステータスメモリ623及びフラグメモリ624の領域としている。第1取引ファイル621及び第2取引ファイル622は、いずれも一取引として処理する購買商品の販売データを記憶するための領域である。販売データは、購買商品の商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等の項目を含む。販売金額は、単価に購買数量を乗算した金額である。ステータスメモリ623は、支払いステータスSTを記憶するための領域である。フラグメモリ624は、第1の支払い中フラグFa及び第2の支払い中フラグFbを記憶するための領域である。
【0032】
支払いステータスSTは、支払いに関する状態を表す識別情報である。支払いに関する状態には、入力装置2で代金支払い方法を指定しなかった第1状態と、入力装置2で代金支払い方法を指定した第2状態とがある。本実施形態では、第1状態を表す支払いステータスSTを“10”とし、第2状態を表す支払いステータスSTを“20”とする。
【0033】
第1の支払い中フラグFaは、販売処理装置3において代金の支払い中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、代金の支払い中であることを示す第1の支払い中フラグFaを“1”とし、代金の支払い中でないことを示す第1の支払い中フラグFaを“0”とする。
【0034】
第2の支払い中フラグFbは、支払い機4において代金の支払い中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、代金の支払い中であることを示す第2の支払い中フラグFbを“1”とし、代金の支払い中でないことを示す第2の支払い中フラグFbを“0”とする。
【0035】
図4は、支払い機4の要部回路構成を示すブロック図である。図示するように支払い機4は、プロセッサ81、メインメモリ82、補助記憶デバイス83、時計84、通信インターフェース85及びシステム伝送路86等を備える。システム伝送路86は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路86は、プロセッサ81と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0036】
支払い機4は、プロセッサ81と、メインメモリ82、補助記憶デバイス83、時計84及び通信インターフェース85とを、システム伝送路86で接続することにより、コンピュータを構成する。そして支払い機4は、そのコンピュータに、システム伝送路86を介してタッチパネル42、パトランプ47、プリンタ87、自動釣銭機88及びキャッシュレス決済端末89を接続する。
【0037】
プロセッサ81は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ81は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、支払い機4としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ81は、例えばCPUである。
【0038】
メインメモリ82は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ82は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ82は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ82は、プロセッサ81が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ82は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ81によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0039】
補助記憶デバイス83は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス83となり得る。補助記憶デバイス83は、プロセッサ81が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ81での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス83は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0040】
時計84は、日付と時刻を計時する。プロセッサ81は、時計84によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0041】
通信インターフェース85は、LAN54に接続された販売処理装置3との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。また通信インターフェース85は、同じくLAN54に接続されたPOSサーバ55との間でデータ通信を行うためのインターフェースでもある。
【0042】
かかる構成の支払い機4は、メインメモリ82における揮発性メモリ領域の一部を第3取引ファイル821の領域としている。第3取引ファイル821は、第1取引ファイル621及び第2取引ファイル622と同様に、一取引として処理する購買商品の販売データを記憶するための領域である。
【0043】
図5は、入力装置2と販売処理装置3と支払い機4とが有する主要な機能構成を示す模式図である。入力装置2は、入力手段201、終了受付手段202及び第1の支払い受付手段203としての機能を有する。販売処理装置3は、第1通信手段301、第1処理手段302、第2の支払い受付手段303、第1決済手段304、記憶手段305、案内手段306、無効手段307、第2通信手段308、情報送信手段309、指示送信手段310及び削除指示手段311としての機能を有する。支払い機4は、第3の支払い受付手段401、第2処理手段402、第2決済手段403及び削除手段404としての機能を有する。
【0044】
入力手段201は、購買者が買い入れる購買商品に係る情報を入力する機能である。入力手段201は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24等の入力デバイスを介して商品コード、購買数量等の購買商品に係る情報を入力する。例えば入力手段201は、定置式スキャナ21又はハンディスキャナ22によって読み取られたバーコードから、購買商品の商品コードを入力する。例えば入力手段201は、タッチパネル23又はキーボード24に対するテンキー操作によって入力された数値から、購買商品の購買数量を入力する。
【0045】
終了受付手段202は、購買商品に係る情報の入力終了指示を受け付ける機能である。終了受付手段202は、タッチパネル23、キーボード24等の入力デバイスを介して購買商品に係る情報の入力終了指示を受け付ける。例えば終了受付手段202は、タッチパネル23又はキーボード24に対する所定のキー操作を購買商品に係る情報の入力終了指示として受け付ける。
【0046】
第1の支払い受付手段203は、代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。代金支払い方法には、現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済等がある。第1の支払い受付手段203は、タッチパネル23、キーボード24等の入力デバイスを介していずれか1つの代金支払い方法が選択入力されるのを受け付ける。
【0047】
第1通信手段301は、販売処理装置3が入力装置インターフェース71を介して入力装置2と通信を行う機能である。第1通信手段301は、入力手段201で入力した購買商品に係る情報を入力装置2から受信する。第1通信手段301は、終了受付手段202で受け付けた入力終了指示の信号を入力装置2から受信する。第1通信手段301は、第1の支払い受付手段203で受け付けた代金支払い方法の情報を入力装置2から受信する。
【0048】
第1処理手段302は、入力手段201を介して入力された購買商品に係る情報を基に購買商品の販売データを処理する機能である。第1処理手段302は、購買商品の商品コードに基づいて商品マスタから商品名、単価等の商品データを取得し、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等の項目からなる購買商品の販売データを生成して、第1取引ファイル621に書き込む。
【0049】
第2の支払い受付手段303は、終了受付手段202が入力終了指示を受け付けた時点で第1の支払い受付手段203が代金支払い方法の選択入力を受け付けていない場合に、購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。購買者が操作者となるデバイスは、例えば第2のタッチパネル34である。デバイスの種類は特に限定されない。購買者が操作者となるデバイスは、ディスプレイに表示されるポインタを動かすポインティングデバイスであってもよい。代金支払い方法は、現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済等である。入力終了指示を受け付けた時点で代金支払い方法の選択入力を受け付けているか否かは、支払いステータスSTによって識別可能である。第2の支払い受付手段303は、支払いステータスSTが“10”、すなわち入力装置2で代金支払い方法を指定しなかった第1状態であるとき、第2のタッチパネル34を介していずれか1つの代金支払い方法が選択入力されるのを受け付ける。
【0050】
第1決済手段304は、終了受付手段202が入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、第1の支払い受付手段203又は第2の支払い受付手段303で受け付けた代金支払い方法に従い、購買者との取引を決済する機能である。第1決済手段304は、フラグメモリ624によって記憶される第1の支払い中フラグFaが“0”のとき、すなわち、販売処理装置3において別の購買者が代金を支払っていないとき、取引の決済が可能であると認定する。第1決済手段304は、例えば代金支払い方法として現金を受け付けた場合には、自動釣銭機36と協働して購買者との取引を決済する。第1決済手段304は、例えば代金支払い方法としてキャッシュレス決済を受け付けた場合には、キャッシュレス決済端末37と協働して購買者との取引を決済する。
【0051】
記憶手段305は、第1決済手段304による決済が実行中であることを示す第1識別情報及び第2決済手段403による決済が実行中であることを示す第2識別情報を記憶する機能である。フラグメモリ624によって記憶される第1の支払い中フラグFaは、第1識別情報として機能する。フラグメモリ624によって記憶される第2の支払い中フラグFbは、第2識別情報として機能する。すなわちフラグメモリ624は、記憶手段305の一例である。
【0052】
案内手段306は、記憶手段305が第1識別情報を記憶しかつ第2識別情報を記憶していない状態で終了受付手段202により入力終了指示を受け付けた場合に、支払い機4での代金の支払いを案内する機能である。案内手段306は、支払い機4での支払いを案内する画像を第2のタッチパネル34に表示して、購買者に案内する。案内手段306は、支払い機4での支払いを案内する画像を第1のタッチパネル32に表示して、店員に案内してもよい。この場合、店員は、購買者に口頭で代金の支払いを支払い機4で行うことを案内する。案内手段306は、支払い機4での支払いを案内する画像を第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34に表示して、店員と購買者の双方に案内してもよい。
【0053】
無効手段307は、記憶手段305が第1識別情報と第2識別情報とを記憶している間は、終了受付手段202による入力終了指示の受付を無効にする機能である。すなわち無効手段307は、フラグメモリ624に記憶される第1の支払い中フラグFa及び第2の支払い中フラグFbがいずれも“1”であるとき、購買商品に係る情報の入力終了指示を無効とし、受け付けない。
【0054】
第2通信手段308は、販売処理装置3が通信インターフェース65を介して支払い機4と通信を行う機能である。第2通信手段308は、後述する情報送信手段309、指示送信手段310及び削除指示手段311と連動して、支払い機4と通信を行う。
【0055】
情報送信手段309は、入力手段201を介して入力された購買商品に係る情報を支払い機4に送信する機能である。情報送信手段309は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24等の入力デバイスを介して入力された商品コード、購買数量等の購買商品に係る情報を、通信インターフェース65を介して支払い機4に送信する。情報送信手段309は、購買商品に係る情報を入力する毎に、その情報を支払い機4に送信する。
【0056】
指示送信手段310は、終了受付手段202が入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、入力終了指示を支払い機4に送信する機能である。指示送信手段310は、フラグメモリ624によって記憶される第1の支払い中フラグFaが“1”のとき、すなわち、販売処理装置3において別の購買者が代金を支払っているとき、取引の決済が不可能であると認定する。指示送信手段310は、終了受付手段202が受け付けた入力終了指示を支払い機4に送信する。
【0057】
削除指示手段311は、終了受付手段202が入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、支払い機4に対して販売データの削除を指示する機能である。販売処理装置3は、情報送信手段309としての機能により、購買商品に係る情報を入力する毎にその情報を支払い機4に送信する。支払い機4においては、第2処理手段402としての機能により、購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する。しかし、この販売データは、販売処理装置3において取引の決済が可能である場合には不要となる。そこで削除指示手段311は、終了受付手段202が入力終了指示を受け付けた時点でフラグメモリ624に記憶される第1の支払い中フラグFaが“0”であるとき、通信インターフェース65を介して支払い機4に販売データの削除を指示する信号を出力する。
【0058】
第3の支払い受付手段401は、購買者が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。購買者が操作者となるデバイスは、例えばタッチパネル42である。デバイスの種類は特に限定されない。購買者が操作者となるデバイスは、ディスプレイに表示されるポインタを動かすポインティングデバイスであってもよい。代金支払い方法は、現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済等である。第3の支払い受付手段401は、タッチパネル42等の入力デバイスを介していずれか1つの代金支払い方法が選択入力されるのを受け付ける。
【0059】
第2処理手段402は、販売処理装置3から受信した購買商品に係る情報を基に当該購買商品の販売データを処理する機能である。第2処理手段402は、通信インターフェース85を介して販売処理装置3から受信した購買商品の商品コードに基づいて商品マスタから商品名、単価等の商品データを取得し、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等の項目からなる購買商品の販売データを生成して、第3取引ファイル821に書き込む。
【0060】
第2決済手段403は、販売処理装置3から入力終了指示を受信したことに応じて、第1の支払い受付手段203又は第3の支払い受付手段401で受け付けた代金支払い方法に従い、第2処理手段402で処理した販売データの取引を決済する機能である。入力終了指示は、販売処理装置3において取引の決済が不可能である場合に、指示送信手段310としての機能により販売処理装置3から支払い機4へと送信される。第2決済手段403は、入力終了指示を受信すると、第1の支払い受付手段203又は第3の支払い受付手段401で受け付けた代金支払い方法に従い、第2処理手段402で処理した販売データの取引を決済する。第2決済手段403は、例えば代金支払い方法として現金を受け付けた場合には、自動釣銭機88と協働して購買者との取引を決済する。第2決済手段403は、例えば代金支払い方法としてキャッシュレス決済を受け付けた場合には、キャッシュレス決済端末89と協働して購買者との取引を決済する。
【0061】
削除手段404は、販売処理装置3から削除の指示を受けたことに応じて、第2処理手段402で処理した販売データを削除する機能である。削除手段404は、通信インターフェース85を介して販売処理装置3から販売データの削除を指示する信号を受信すると、第3取引ファイル821に記憶したデータを削除する。
【0062】
入力装置2の入力手段201、終了受付手段202及び第1の支払い受付手段203としての機能、及び、販売処理装置3の第1通信手段301、第1処理手段302、第2の支払い受付手段303、第1決済手段304、記憶手段305、案内手段306、無効手段307、第2通信手段308、情報送信手段309、指示送信手段310及び削除指示手段311としての機能は、いずれもプロセッサ61が第1の業務プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0063】
第1の業務プログラムは、メインメモリ62又は補助記憶デバイス63に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。第1の業務プログラムをメインメモリ62又は補助記憶デバイス63にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に第1の業務プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により第1の業務プログラムを配信して、メインメモリ62又は補助記憶デバイス63にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0064】
一方、支払い機4の第3の支払い受付手段401、第2処理手段402、第2決済手段403及び削除手段404としての機能は、プロセッサ81が第2の業務プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0065】
第2の業務プログラムは、メインメモリ82又は補助記憶デバイス83に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。第2の業務プログラムをメインメモリ82又は補助記憶デバイス83にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に第2の業務プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により第2の業務プログラムを配信して、メインメモリ82又は補助記憶デバイス83にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0066】
[商品販売システムの動作説明]
次に、
図6乃至
図13の流れ図、及び、
図14乃至
図38の画面例を用いて、商品販売システム1の主要な動作を説明する。なお、流れ図を用いて説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0067】
図6乃至
図9は、販売処理装置3のプロセッサ61が第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。売場を回って購買商品を集めた購買者は、会計場へと移動する。そして購買者は、空いている通路PAのチェックアウトカウンタ51に購買商品を置く。スペースSPに立つ店員は、購買者が会計場に来ると、登録開始を指令する。例えば店員は、タッチパネル23に表示されたスタートボタンにタッチする。この操作が、登録開始の指令となる。この指令を受けて、プロセッサ61は、第1の情報処理を開始する。プロセッサ61は、ACT101として入力装置2におけるタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面とする。
【0068】
図14は、タッチパネル23に表示される登録画面SAaの一例である。登録画面SAaは、カレントエリアAAaと、明細エリアAAbと、合計エリアAAcとに区分される。カレントエリアAAaは、最新の購買商品の商品名、購買数量及び販売金額を表示するためのエリアである。明細エリアAAbは、一連の番号順に、一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額をリスト形式で表示するエリアである。合計エリアAAcは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示するエリアである。登録画面SAaは、小計ボタンBAaを含む。小計ボタンBAaは、ソフトウェアキーである。小計ボタンBAaは、一取引として登録した購買商品の小計出力を指令するための操作子である。
【0069】
図15は、ディスプレイ25に表示される登録画面SBaの一例である。登録画面SBaは、画面を複数の行(
図15の例では7つの行)に区分し、1行目から最終行の1つの前までの行を明細エリアABaの行とし、最終行を合計エリアABbの行とする。そして、明細エリアABaの行では、1行ずつ購買商品の商品名、単価、購買数量及び販売金額を表示する。合計エリアABbでは、1行に購買数量の合計と販売金額の合計とを表示する。
【0070】
登録画面SAaを確認した店員は、チェックアウトカウンタ51に置かれた購買商品の登録を行う。すなわち店員は、購買商品に付されているバーコードを入力装置2の定置式スキャナ21又はハンディスキャナ22でスキャニングする。バーコードをスキャニングすることにより、入力装置インターフェース71を介して購買商品の商品コードが販売処理装置3に入力される。なお、購買商品にバーコードが付されていない場合には、店員は、入力装置2のタッチパネル23にバーコード無商品のリストを表示させる。そして店員は、そのリストの中から購買商品を選択する。このような操作により、バーコードのない購買商品の商品コードが入力装置インターフェース71を介して販売処理装置3に入力される。
【0071】
タッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面SAa及び登録画面SBaとしたプロセッサ61は、ACT102へと進む。プロセッサ61は、ACT102として購買商品の登録を待ち受ける。入力装置インターフェース71を介して入力装置2から商品コードが入力されると、プロセッサ61は、購買商品の登録有りと判断する。プロセッサ61は、ACT102からACT103へと進む。プロセッサ61は、ACT103として通信インターフェース65を介して支払い機4に入力イベントを送信する。入力イベントは、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23から入力された商品コードを含む。
【0072】
入力イベントを送信したプロセッサ61は、ACT104へと進む。プロセッサ61は、ACT104として商品販売データ処理を実行する。この処理は、入力された商品コードで特定される商品の商品名、単価等を商品マスタから読込み、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等を含む購買商品の販売データを生成して、第1取引ファイル621に書き込む処理である。
【0073】
商品販売データ処理を終えたプロセッサ61は、ACT105へと進む。プロセッサ61は、ACT105として登録画面SAa及び登録画面SBaを更新する。
登録画面SAaに関しては、プロセッサ61は、第1取引ファイル621に書き込んだ販売データの商品名、購買数量及び販売金額をカレントエリアAAaに表示する。このとき、1つ前に登録された購買商品の販売データがカレントエリアAAaに表示されていた場合には、プロセッサ61は、その販売データの商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額を明細エリアAAbに表示する。またプロセッサ61は、第1取引ファイル621に記憶した全ての販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアAAcに表示する。
【0074】
登録画面SBaに関しては、プロセッサ61は、第1取引ファイル621に書き込んだ販売データの商品名、単価、購買数量及び販売金額を明細エリアABaの1行目に表示する。このとき、明細エリアABaの1行目に販売データが表示されていた場合には、プロセッサ61は、1行目以降のデータを2行目以降に順次シフトしてから、第1取引ファイル621に書き込んだ販売データを1行目に表示する。またプロセッサ61は、第1取引ファイル621に記憶した全ての販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアABbに表示する。
【0075】
登録画面SAa及び登録画面SBaを更新したプロセッサ61は、ACT106へと進む。プロセッサ61は、ACT106として次の購買商品が登録されたか否かを確認する。次の購買商品が登録されていない場合には、プロセッサ61は、ACT107として小計ボタンBAaが入力されたか否かを確認する。小計ボタンBAaが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT106へと戻る。このようにプロセッサ61は、ACT106及びACT107として次の購買商品が登録されるか小計ボタンBAaが入力されるのを待ち受ける。
【0076】
ACT106及びACT107の待ち受け状態において、購買商品が登録されると、プロセッサ61は、ACT103へと戻る。そしてプロセッサ61は、ACT103乃至ACT105の処理を前述したのと同様に実行する。かくして、店員が入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、チェックアウトカウンタ51に置かれた購買商品を1品ずつ登録する毎に、プロセッサ61は、その購買商品に係る情報、すなわち商品コードを含む入力イベントを支払い機4に送信する。またプロセッサ61は、その商品コードを基に購買商品の販売データを生成して、第1取引ファイル621に書き込む。こうして、購買商品の登録を終えると、店員は、小計ボタンBAaにタッチする。
【0077】
ACT106及びACT107の待ち受け状態において、小計ボタンBAaがタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT108へと進む。プロセッサ61は、ACT108として入力装置2におけるタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を小計画面とする。
【0078】
図16は、タッチパネル23に表示される小計画面SAbの一例である。小計画面SAbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアAAdを含む。また小計画面SAbは、小計値引ボタンBAb、小計割引ボタンBAc、支払い方法選択ボタンBAd、支払いボタンBAe及び戻るボタンBAfを含む。各ボタンBAb,BAc,BAe,BAfはソフトウェアキーである。小計値引ボタンBAbは、合計金額の値引を指令するための操作子である。小計割引ボタンBAcは、合計金額の割引を指令するための操作子である。因みに、小計値引ボタンBAbを入力するとともにキーボード24のテンキーで値引額を入力することにより、合計金額が値引される。同様に、小計割引ボタンBAcを入力するとともにキーボード24のテンキーで割引率を入力することにより、合計金額が割引される。
【0079】
支払い方法選択ボタンBAdは、支払い方法の選択を指令するための操作子である。支払いボタンBAeは、購買商品の登録を終えて代金支払いへの移行を指令するための操作子である。戻るボタンBAfは、購買商品の登録に戻ることを指令するための操作子である。
【0080】
図17は、ディスプレイ25に表示される小計画面SBbの一例である。小計画面SBbは、代金の支払いに関する情報が表示されるエリアABcを含む。エリアABcには、購買商品の合計数量及び合計金額と、預り金額と、残額が表示される。この時点では、預かり金額が発生していないので、預かり金額は0円であり、残額は、合計金額から預り金額を減じた金額となる。
【0081】
小計画面SAbを確認した店員は、未登録の購買商品がチェックアウトカウンタ51に残っているか否かを確認する。未登録の購買商品がある場合、店員は戻るボタンBAfにタッチする。未登録の購買商品がない場合には、店員は購買者に支払い方法を確認するか否かを決める。例えば、店舗が混雑している時間帯は購買者に支払い方法を確認し、空いている時間帯は購買者に支払い方法を確認しない。購買者に支払い方法を確認する場合には、店員は支払い方法選択ボタンBAdにタッチする。購買者に支払い方法を確認しない場合には、店員は支払いボタンBAeにタッチする。
【0082】
タッチパネル23の画面を小計画面SAbとし、またディスプレイ25の画面を小計画面SBbとしたプロセッサ61は、ACT109へと進む。プロセッサ61は、ACT109として戻るボタンBAfが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBAfが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT110へと進む。プロセッサ61は、ACT110として支払い方法選択ボタンBAdが入力されたか否かを確認する。支払い方法選択ボタンBAdが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT111へと進む。プロセッサ61は、ACT111として支払いボタンBAeが入力されたか否かを確認する。支払いボタンBAeが入力されていない場合には、プロセッサ61は、ACT109へと戻る。このように、小計画面SAbを表示したプロセッサ61は、ACT109乃至ACT111において戻るボタンBAfが入力されるか、支払い方法選択ボタンBAdが入力されるか、支払いボタンBAeが入力されるのを待ち受ける。
【0083】
ACT109乃至ACT111の待ち受け状態において、戻るボタンBAfがタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT109からACT112へと進む。プロセッサ61は、ACT112としてタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を直前の登録画面SAa及び登録画面SBaに戻す。そしてプロセッサ61は、ACT106及びACT107の待ち受け状態となる。かくして店員は、入力装置2の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、未登録であった購買商品の登録を行うことができる。
【0084】
ACT109乃至ACT111の待ち受け状態において、支払い方法選択ボタンBAdがタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT101から
図7のACT121へと進む。プロセッサ61は、ACT121としてタッチパネル23の画面を支払い方法選択画面SAc(
図18を参照)とする。ディスプレイ25の画面は、小計画面SBbのままである。
【0085】
図18は、タッチパネルに表示される支払い方法選択画面SAcの一例である。支払い方法選択画面SAcは、小計画面SAbと同様の合計エリアAAdを含む。また支払い方法選択画面SAcは、支払い方法別の選択ボタン群BAgを含む。選択ボタン群BAgには、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン及びコード決済ボタンが含まれる。
【0086】
現金ボタンは、現金支払いを指令するためのボタンである。クレジットボタンは、クレジットカード支払いを指令するためのボタンである。電子マネーボタンは、電子マネー支払いを指令するためのボタンである。コード決済ボタンは、コード決済支払いを指令するためのボタンである。現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン及びコード決済ボタンは、いずれもソフトウェアキーである。
【0087】
支払い方法選択画面SAcを確認した店員は、購買者に支払い方法を確認する。そして店員は、購買者が選択した支払い方法のボタンにタッチする。例えば購買者が現金で支払うことを希望した場合には、店員は、選択ボタン群BAgの現金ボタンにタッチする。例えば購買者がクレジットカードで支払うことを希望した場合には、店員は、選択ボタン群BAgのクレジットボタンにタッチする。同様に、購買者が電子マネー又はコード決済で支払うことを希望した場合にも、店員は、選択ボタン群BAgの該当するボタンにタッチする。
【0088】
タッチパネル23の画面を支払い方法選択画面SAcとしたプロセッサ61は、ACT122へと進む。プロセッサ61は、ACT122として支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BAgに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ61は、ACT123へと進む。プロセッサ61は、ACT123として選択された支払い方法の支払いコードを取得する。本実施形態では、現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い、コード決済支払い等の支払い方法別に予め固有の支払いコードが設定されている。例えば現金ボタンがタッチされた場合には、プロセッサ61は、現金支払いに対応する支払いコード、例えば“111”を取得する。例えばクレジットボタンがタッチされた場合には、プロセッサ61は、クレジットカード支払いに対応する支払いコード、例えば“222”を取得する。他の電子マネーボタン及びコード決済ボタンがタッチされた場合も同様である。
【0089】
支払いコードを取得したプロセッサ61は、ACT124へと進む。プロセッサ61は、ACT124として通信インターフェース65を介して支払い機4に選択イベントを送信する。選択イベントは、支払い方法選択画面SAcで選択された支払い方法の支払いコードを含む。
【0090】
選択イベントを送信したプロセッサ61は、ACT125へと進む。プロセッサ61は、ACT125としてタッチパネル23の画面を支払い画面SAd(
図19を参照)とする。ディスプレイ25の画面は、小計画面SBbのままである。
【0091】
図19は、支払い方法として現金支払いが選択された際の支払い画面SAdの一例である。支払い画面SAdは、小計画面SAb及び支払い方法選択画面SAcと同様の合計エリアAAdを含む。また支払い画面SAdは、支払いボタンBAhを含む。支払いボタンBAhは、ソフトウェアキーである。支払い画面SAdを確認した店員は、支払いボタンBAhにタッチする。
【0092】
タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとしたプロセッサ61は、ACT126へと進む。プロセッサ61は、ACT126として支払いボタンBAhが入力されるのを待ち受ける。支払いボタンBAhがタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT127へと進む。
【0093】
一方、
図6におけるACT109乃至ACT111の待ち受け状態において、支払いボタンBAeがタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT111から
図7のACT127へと進む。このように、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ61は、ACT127へと進む。
【0094】
プロセッサ61は、ACT127として第1の支払い中フラグFaを調べる。販売処理装置3において代金の支払いが行われていない状態では、第1の支払い中フラグFaは“0”である。第1の支払い中フラグFaが“0”であるとき、プロセッサ61は、ACT127から
図8のACT131へと進む。ACT131以降の処理については後述する。
【0095】
ACT127において第1の支払い中フラグFaが“1”、すなわち販売処理装置3において代金の支払いが行われている状態では、プロセッサ61は、ACT128へと進む。プロセッサ61は、ACT128として第2の支払い中フラグFbを調べる。支払い機4において代金の支払いが行われていない状態では、第2の支払い中フラグFbは“0”である。第2の支払い中フラグFbが“0”であるとき、プロセッサ61は、ACT128から
図9のACT141へと進む。ACT141以降の処理についても後述する。
【0096】
ACT128において第2の支払い中フラグFbが“1”、すなわち支払い機4において代金の支払いが行われている状態では、プロセッサ61は、ACT129へと進む。プロセッサ61は、ACT129としてタッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに代金の支払いが不可能であることを報知するポップアップPUa(
図20を参照)を表示する。またプロセッサ61は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、代金の支払いが不可能であるため待機することを指示するためのテキストTXa(
図21を参照)を表示する。
【0097】
図20は、タッチパネル23の支払い画面SAdに表示されるポップアップPUaの一例である。ポップアップPUaを確認した店員は、前の購買者が代金の支払いを終えるまで待機することとなる。
【0098】
図21は、ディスプレイ25の小計画面SBbに表示されるテキストTXaの一例である。テキストTXaを確認した購買者は、代金の支払いが可能となるまで待機することとなる。
【0099】
タッチパネル23及びディスプレイ25を用いて代金の支払いが不可能であることを報知したプロセッサ61は、ACT126へと戻る。プロセッサ61は、支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhが入力されるのを待ち受ける。支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ61は、ACT127へと進む。そしてプロセッサ61は、ACT127以降の処理を前述したのと同様に実行する。したがって、第1の支払い中フラグFaが“0”に書き換えられていた場合には、プロセッサ61は、
図8のACT131へと進む。第1の支払い中フラグFaは“1”のままだが第2の支払い中フラグFbが“0”に書き換えられていた場合には、プロセッサ61は、
図9のACT141へと進む。
【0100】
これに対し、第1の支払い中フラグFa及び第2の支払い中フラグFbが依然として“1”のままであった場合には、プロセッサ61は、ACT129へと進む。したがって、タッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdにはポップアップPUaが継続して表示され、ディスプレイ25の小計画面SBbにはテキストTXaが継続して表示される。
【0101】
第1の支払い中フラグFaが“0”のときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ61は、
図8のACT131へと進む。プロセッサ61は、ACT131として通信インターフェース65を介して支払い機4に削除イベントを送信する。
【0102】
削除イベントを送信したプロセッサ61は、ACT132へと進む。プロセッサ61は、ACT132としてタッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに代金の支払いが可能であることを報知するポップアップPUb(
図22を参照)を表示する。またプロセッサ61は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、代金の支払いが可能であることを指示するためのテキストTXb(
図23を参照)を表示する。
【0103】
図22は、タッチパネル23の支払い画面SAdに表示されるポップアップPUbの一例である。ポップアップPUbを確認した店員は、販売処理装置3で代金の支払いが可能であることを知り得るので、購買者を販売処理装置3が設置されている方へと案内することとなる。
【0104】
図23は、ディスプレイ25の小計画面SBbに表示されるテキストTXbの一例である。テキストTXbを確認した購買者は、店員の案内に従い販売処理装置3が設置されている方へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0105】
タッチパネル23及びディスプレイ25を用いて代金の支払いが可能であることを報知したプロセッサ61は、ACT133へと進む。プロセッサ61は、ACT133として第1取引ファイル621に記憶したデータ、つまりは一取引として登録された購買商品の販売データを第2取引ファイル622に複写する。次いでプロセッサ61は、ACT134として支払いコードを取得しているか否かを確認する。
【0106】
支払いコードを取得していない場合には、プロセッサ61は、ACT134からACT135へと進む。プロセッサ61は、ACT135としてステータスメモリ623に記憶される支払いステータスSTを“10”とする。これに対し、ACT123の処理において支払いコードを取得している場合には、プロセッサ61は、ACT134からACT136へと進む。プロセッサ61は、ACT136としてその支払いコードを第2取引ファイル622に追加する。またプロセッサ61は、ACT137としてステータスメモリ623に記憶される支払いステータスSTを“20”とする。
【0107】
ACT135又はACT137の処理を終えると、プロセッサ61は、ACT138へと進む。プロセッサ61は、ACT138としてフラグメモリ624の第1の支払い中フラグFaを“1”に書き換える。またプロセッサ61は、ACT139として第1取引ファイル621をクリアする。以上でプロセッサ61は、第1の支払い中フラグFaが“0”の状態、つまりは販売処理装置3が空いているときの購買者との取引に係る第1の情報処理を終了する。
【0108】
一方、第1の支払い中フラグFaは“1”であるが、第2の支払い中フラグFbが“0”のときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ61は、
図9のACT141へと進む。プロセッサ61は、ACT141として通信インターフェース65を介して支払い機4に支払いイベントを送信する。
【0109】
支払いイベントを送信したプロセッサ61は、ACT142へと進む。プロセッサ61は、ACT142としてタッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに、支払い機4が空いているため購買者を支払い機4へと案内するポップアップPUc(
図24を参照)を表示する。またプロセッサ61は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、支払い機4で代金の支払いを行うことを購買者に指示するためのテキストTXc(
図25を参照)を表示する。
【0110】
図24は、タッチパネル23の支払い画面SAdに表示されるポップアップPUcの一例である。ポップアップPUcを確認した店員は、口頭で購買者をパトランプ47が点灯している支払い機4へと案内することとなる。
【0111】
図25は、ディスプレイ25の小計画面SBbに表示されるテキストTXcの一例である。テキストTXcを確認した購買者は、店員の案内に従いパトランプ47が点灯している支払い機4へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0112】
タッチパネル23及びディスプレイ25を用いて購買者を支払い機4へと案内したプロセッサ61は、ACT143へと進む。プロセッサ61は、ACT143として第2の支払い中フラグFbを“1”に書き換える。またプロセッサ61は、ACT144として第1取引ファイル621に記憶したデータを削除する。以上でプロセッサ61は、第1の支払い中フラグFaが“0”で第2の支払い中フラグFbが“1”の状態、つまり販売処理装置3は塞がっているが支払い機4は空いているときの購買者との取引に係る第1の情報処理を終了する。
【0113】
このように、第1取引ファイル621は、第1の情報処理が終了する前のACT139又はACT144の処理によりクリアされる。したがって、販売処理装置3のプロセッサ61は、引き続き第1の情報処理を開始することができる。すなわち、次の購買者が会計場に来たので店員が登録開始を指令すると、プロセッサ61は、ACT101以降の第1の情報処理を前述したのと同様に実行する。
【0114】
ここにプロセッサ61は、ACT102の処理により、入力手段201としての機能を実現する。プロセッサ61は、ACT111及びACT126の処理により、終了受付手段202としての機能を実現する。プロセッサ61は、ACT121乃至ACT123の処理により、第1の支払い受付手段203としての機能を実現する。
【0115】
またプロセッサ61は、ACT104の処理により第1処理手段302としての機能を実現する。プロセッサ61は、ACT129の処理により、無効手段307としての機能を実現する。プロセッサ61は、ACT142の処理により、案内手段306としての機能を実現する。
【0116】
またプロセッサ61は、ACT103の処理により、情報送信手段309としての機能を実現する。プロセッサ61は、ACT141の処理により、指示送信手段310としての機能を実現する。プロセッサ61は、ACT131の処理により、削除指示手段311としての機能を実現する。
【0117】
図10は、販売処理装置3のプロセッサ61が第1の業務プログラムに従って実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ61は、前述した第1の情報処理と並行して第2の情報処理を実行する。
【0118】
プロセッサ61は、ACT151として第1の支払い中フラグFaが“1”にセットされるのを待ち受ける。第1の情報処理のACT138において、第1の支払い中フラグFaが“1”にセットされると、プロセッサ61は、ACT152へと進む。プロセッサ61は、ACT152として第1のタッチパネル32の画面を支払い開始画面SCa(
図26を参照)とする。
【0119】
図26は、第1のタッチパネル32に表示される支払い開始画面SCaの一例である。支払い開始画面SCaは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアACaを含む。合計エリアACaには、第2取引ファイル622に記憶された購買商品の販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が表示される。
【0120】
支払い開始画面SCaを表示したプロセッサ61は、ACT153へと進む。プロセッサ61は、ACT153として支払いステータスSTを調べる。支払いステータスSTが“10”、すなわち第1の情報処理で代金の支払い方法が選択されなかった場合には、プロセッサ61は、ACT153からACT154へと進む。プロセッサ61は、ACT154として第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDa(
図27を参照)とする。
【0121】
図27は、第2のタッチパネル34に表示される支払い方法選択画面SDaの一例である。支払い方法選択画面SDaは、支払い方法別の選択ボタン群BDaを含む。選択ボタン群BDaには、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン及びコード決済ボタンが含まれる。また支払い方法選択画面SDaは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアADaを含む。合計エリアADaには、第2取引ファイル622に記憶された購買商品の販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が表示される。
【0122】
支払い方法選択画面SDaを確認した購買者は、希望する支払い方法のボタンにタッチする。例えば現金で支払うことを希望した購買者は、選択ボタン群BDaの現金ボタンにタッチする。例えばクレジットカードで支払うことを希望する購買者は、選択ボタン群BDaのクレジットボタンにタッチする。例えば電子マネーで支払うことを希望する購買者は、選択ボタン群BDaの電子マネーボタンにタッチする。例えばコード決済で支払うことを希望する購買者は、選択ボタン群BDaのコード決済ボタンにタッチする。
【0123】
第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDaとしたプロセッサ61は、ACT155へと進む。プロセッサ61は、ACT155として支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BDaに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ61は、ACT156へと進む。プロセッサ61は、ACT156として、第1の情報処理のACT123の処理と同様に、選択された支払い方法の支払いコードを取得する。
【0124】
一方、ACT153において支払いステータスSTが“20”、すなわち第1の情報処理で代金の支払い方法が選択されていた場合には、プロセッサ61は、ACT153からACT157へと進む。プロセッサ61は、ACT157として第2取引ファイル622から支払いコードを抽出する。
【0125】
ACT156又はACT157の処理を終えたプロセッサ61は、ACT158へと進む。プロセッサ61は、ACT158として第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面を支払い通知画面とする。支払い通知画面は、ACT156又はACT157の処理により得た支払いコードに基づく画面である。
【0126】
図28は、第1のタッチパネル32に表示される支払い通知画面の一例である。
図28は、ACT156又はACT157の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い通知画面SCbを示す。現金支払い通知画面SCbは、支払い開始画面SCaと同様の合計エリアACaを含む。また現金支払い通知画面SCbは、釣銭機情報エリアACbを含む。釣銭機情報エリアACbには、合計金額と、自動釣銭機36に投入された現金の総額いわゆる投入金額と、合計金額から投入金額を減額した残額とが表示される。
【0127】
図29は、第2のタッチパネル34に表示される支払い通知画面の一例である。
図29は、ACT156又はACT157の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い通知画面SDbを示す。現金支払い通知画面SDbは、現金支払い通知画面SCbと同様の釣銭機情報エリアADbを含む。
【0128】
支払い通知画面を確認した購買者は、自らが選択した支払い方法で代金を支払う。例えば現金支払いを選択した購買者は、自動釣銭機36に現金を投入する。クレジットカード支払いを選択した購買者は、キャッシュレス決済端末37のリーダでクレジットカードのデータを読み取らせる。電子マネー支払いを選択した購買者は、キャッシュレス決済端末37のリーダで電子マネー媒体のデータを読み取らせる。コード決済支払いを選択した購買者は、キャッシュレス決済端末37のスキャナでコード決済用のバーコードまたは二次元データコードを読み取らせる。
【0129】
第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面を支払い通知画面としたプロセッサ61は、ACT159へと進む。プロセッサ61は、ACT159として代金の支払いが開始されるのを待ち受ける。例えば現金支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、自動釣銭機36に現金が投入されるのを待ち受ける。例えばクレジットカード支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、キャッシュレス決済端末37でクレジットカードのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えば電子マネー支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、キャッシュレス決済端末37で電子マネーのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えばコード決済支払いが選択された場合には、プロセッサ61は、キャッシュレス決済端末37でコード決済用のバーコード又は二次元データコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0130】
代金の支払いが開始されると、プロセッサ61は、ACT159からACT160へと進む。プロセッサ61は、ACT160として第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面を支払い中画面とする。
【0131】
図30は、第1のタッチパネル32に表示される支払い中画面の一例である。
図30は、ACT156又はACT157の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い中画面SCcを示す。現金支払い中画面SCcは、現金支払い通知画面SCbと同一のレイアウトである。現金支払い中画面SCcは、釣銭機情報エリアACbに表示される情報が、自動釣銭機36に投入された現金の金額に応じて更新される。
【0132】
図31は、第2のタッチパネル34に表示される支払い中画面の一例である。
図31は、ACT156又はACT157の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い中画面SDcを示す。現金支払い中画面SDcも、現金支払い中画面SCcと同様に、釣銭機情報エリアADbに表示される情報が、自動釣銭機36に投入された現金の金額に応じて更新される。支払い中画面は、さらに会計ボタンBDbを含む。会計ボタンBDbは、ソフトウェアキーである。会計ボタンBDbは、代金の支払い終了を指令するための操作子である。選択した支払い方法での代金の支払いを終えた購買者は、会計ボタンBDbにタッチする。
【0133】
第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面を支払い中画面としたプロセッサ61は、ACT161へと進む。プロセッサ61は、ACT161として会計ボタンBDbが入力されるのを待ち受ける。会計ボタンBDbがタッチ操作により入力されると、プロセッサ61は、ACT162へと進む。プロセッサ61は、ACT162として支払いコードに基づき取引の決済処理を実行する。すなわち、支払いコードが現金支払いのコードである場合には、プロセッサ61は、自動釣銭機36に投入された現金で取引の決済処理を実行する。支払いコードがクレジットカード支払いのコードである場合には、プロセッサ61は、キャッシュレス決済端末37で読み取ったクレジットカードのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードが電子マネー支払いのコードである場合には、プロセッサ61は、キャッシュレス決済端末37で読み取った電子マネーのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードがコード決済支払いのコードである場合には、プロセッサ61は、キャッシュレス決済端末37で読み取ったバーコード又は二次元データコードで取引の決済処理を実行する。これらの決済処理はいずれも周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0134】
決済処理を終えると、プロセッサ61は、ACT163へと進む。プロセッサ61は、ACT163として代金の支払いが完了したか否かを判定する。支払われた代金が不足しており支払いが完了していない場合には、プロセッサ61は、ACT154に戻る。すなわちプロセッサ61は、第2のタッチパネル34の画面を支払い方法選択画面SDaとする。そしてプロセッサ61は、支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BDaに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ61は、支払いコードを取得する。以後、プロセッサ61は、ACT158乃至ACT163の処理を前述したのと同様に実行する。
【0135】
ACT163において、代金の支払いが完了したと判定すると、プロセッサ61は、ACT164へと進む。プロセッサ61は、ACT164としてプリンタ35を駆動して取引レシートを発行する。またプロセッサ61は、ACT165として第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面を支払い完了画面とする。
【0136】
図32は、第1のタッチパネル32に表示される支払い完了画面の一例である。
図32は、ACT156又はACT157の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い完了画面SCdを示す。現金支払い完了画面SCdは、現金支払い通知画面SCb及び現金支払い中画面SCcと同様の釣銭機情報エリアACbを含む。店員は、釣銭機情報エリアACbに表示される情報により、現金支払いを選択した購買者の支払いが完了したことを知り得る。
【0137】
図33は、第2のタッチパネル34に表示される支払い完了画面の一例である。
図33は、ACT156又はACT157の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い完了画面SDdを示す。現金支払い完了画面SDdは、現金支払い通知画面SDb及び現金支払い中画面SDcと同様の釣銭機情報エリアADbを含む。現金支払い完了画面SDdを確認した購買者は、レシートとお釣りを取って店を出ることとなる。
【0138】
支払い完了画面を表示したプロセッサ61は、ACT166へと進む。プロセッサ61は、ACT166として第2取引ファイル622に記憶したデータ、つまりは決済を完了した購買者が購入した商品のデータを保存する。データの保存先は、例えば補助記憶デバイス63である。データの保存先は、メインメモリ62であってもよい。あるいは、通信インターフェース65を介してPOSサーバ55に第2取引ファイル622のデータを送信して、POSサーバ55で保存してもよい。
【0139】
第2取引ファイル622のデータを保存したプロセッサ61は、ACT167へと進むプロセッサ61は、ACT167として第2取引ファイル622をクリアする。またプロセッサ61は、ACT168として第1の支払い中フラグFaを“0”に書き換える。以上で、プロセッサ61は、第2の情報処理を終了する。
【0140】
このように、第2取引ファイル622は、第2の情報処理が終了する前のACT167の処理によりクリアされる。また、第1の支払い中フラグFaは、第2の情報処理が終了する前のACT168の処理により“0”に書き換えられる。したがって、販売処理装置3のプロセッサ61は、第2の情報処理と並行して行っていた第1の情報処理において、第2の情報処理の終了後に小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、再び第2の情報処理を開始する。
【0141】
ここにプロセッサ61は、ACT153及びACT154の処理により第2の支払い受付手段303としての機能を実現する。プロセッサ61は、ACT162の処理により第1決済手段304としての機能を実現する。
【0142】
図11は、販売処理装置3のプロセッサ61が第1の業務プログラムに従って実行する第3の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ61は、前述した第1の情報処理及び第2の情報処理と並行して第3の情報処理を実行する。
【0143】
プロセッサ61は、ACT171として第2の支払い中フラグFbが“1”にセットされるのを待ち受ける。第1の情報処理のACT143において、第2の支払い中フラグFbが“1”にセットされると、プロセッサ61は、ACT172へと進む。プロセッサ61は、ACT172として支払い機4での代金支払いが完了するのを待ち受ける。詳細は後述するが、支払い機4において代金支払いが完了すると、支払い機4から販売処理装置3に対して支払い完了イベントが送信される。
【0144】
プロセッサ61は、支払い機4から支払い完了イベントを受信すると、支払い機4での代金支払いが完了したと認定する。プロセッサ61は、ACT172からACT173へと進む。プロセッサ61は、ACT173として第2の支払い中フラグFbを“0”に書き換える。以上で、プロセッサ61は、第3の情報処理を終了する。
【0145】
このように、第2の支払い中フラグFbは、第3の情報処理が終了する前のACT173の処理により“0”に書き換えられる。したがって、販売処理装置3のプロセッサ61は、第3の情報処理と並行して行っていた第1の情報処理において、第3の情報処理の終了後に小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力された時点で第1の支払い中フラグFaが“1”であるとき、再び第3の情報処理を開始する。
【0146】
図12及び
図13は、支払い機4のプロセッサ81が第2の業務プログラムに従って実行する第4の情報処理の要部手順を示す流れ図である。待機状態にある支払い機4のプロセッサ81は、
図12の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、プロセッサ81は、ACT201としてタッチパネル42の画面を待機画面とする。待機画面は、支払い機4が待機状態にあることを示す画面である。例えば「お待ちください」、「いらっしゃいませ」等のテキストを表示した画面を待機画面とする。
【0147】
タッチパネル42の画面を待機画面としたプロセッサ81は、ACT202として入力イベントを待ち受ける。通信インターフェース85を介して販売処理装置3から入力イベントを受信すると、プロセッサ81は、ACT203へと進む。プロセッサ81は、ACT203として商品販売データ処理を実行する。この処理は、入力イベントに含まれる商品コードで特定される商品の商品名、単価等を商品マスタから読込み、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等を含む購買商品の販売データを生成して、第3取引ファイル821に書き込む処理である。
【0148】
商品販売データ処理を実行したプロセッサ81は、ACT204へと進む。プロセッサ81は、ACT204として新らに入力イベントを受信したか否かを確認する。入力イベントを受信していない場合、プロセッサ81は、ACT205へと進む。プロセッサ81は、ACT205として選択イベントを受信したか否かを確認する。選択イベントを受信していない場合、プロセッサ81は、ACT206へと進む。プロセッサ81は、ACT206として削除イベントを受信したか否かを確認する。削除イベントを受信していない場合、プロセッサ81は、ACT207へと進む。プロセッサ81は、ACT207として支払いイベントを受信したか否かを確認する。支払いイベントを受信していない場合、プロセッサ81は、ACT204に戻る。このようにプロセッサ81は、ACT204乃至ACT207において入力イベント、選択イベント、削除イベント又は支払いイベントを受信するのを待ち受ける。なお、ACT204乃至ACT207の待ち受け状態においてもタッチパネル42の画面は待機画面となっている。
【0149】
ACT204乃至ACT207の待ち受け状態において、入力イベントを受信すると、プロセッサ81は、ACT203へと戻る。プロセッサ81は、その入力イベントに含まれる商品コードに基づいて商品販売データ処理を実行する。そしてプロセッサ81は、再びACT204乃至ACT207の待ち受け状態となる。
【0150】
ACT204乃至ACT207の待ち受け状態において、選択イベントを受信すると、プロセッサ81は、ACT208へと進む。プロセッサ81は、ACT208として第1の情報処理のACT123の処理と同様に、選択された支払い方法の支払いコードを取得する。そしてプロセッサ81は、ACT209としてその取得した支払いコードを第3取引ファイル821に追加する。
【0151】
支払いコードを第3取引ファイル821に追加したプロセッサ81は、ACT210へと進む。プロセッサ81は、ACT210として削除イベントを受信したか否かを確認する。削除イベントを受信していない場合、プロセッサ81は、ACT211へと進む。プロセッサ81は、ACT211として支払いイベントを受信したか否かを確認する。支払いイベントを受信していない場合、プロセッサ81は、ACT210へと戻る。このようにプロセッサ81は、選択イベントを受信した後は、ACT210及びACT211として削除イベントまたは支払いイベントを待ち受ける。
【0152】
ACT204乃至ACT207の待ち受け状態、あるいはACT210及びACT211の待ち受け状態において、削除イベントを受信すると、プロセッサ81は、ACT212へと進む。プロセッサ81は、ACT212として第3取引ファイル821をクリアする。以上で、プロセッサ81は、第4の情報処理を終了する。
【0153】
このように、支払いイベントを受信することなく削除イベントを受信した場合には、第3取引ファイル821がクリアされて、支払い機4は待機中となる。
【0154】
一方、ACT204乃至ACT207の待ち受け状態、あるいはACT210及び211の待ち受け状態において、支払いイベントを受信すると、プロセッサ81は、ACT213へと進む。プロセッサ81は、ACT213としてパトランプ47を点灯させる。またプロセッサ81は、ACT214としてタッチパネル42の画面を明細確認画面SEa(
図34を参照)とする。
【0155】
図34は、タッチパネル42に表示される明細確認画面SEaの一例である。明細確認画面SEaは、明細エリアAEaと、合計エリアAEbとに区分される。明細エリアAEaは、一連の番号順に、一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額をリスト形式で表示するエリアである。合計エリアAEbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示するエリアである。プロセッサ81は、第3取引ファイル821に記憶した商品販売データに基づいて、明細エリアAEaに一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額を表示させる。プロセッサ81は、第3取引ファイル821に記憶した商品販売データに基づいて、合計エリアAEbに購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示させる。
【0156】
明細確認画面SEaは、確認ボタンBEaと店員呼出ボタンBEbとを含む。確認ボタンBEa及び店員呼出ボタンBEbは、ソフトウェアキーである。確認ボタンBEaは、購買商品の明細が明細確認画面SEaに表示されていることを購買者が確認したことを指令するための操作子である。店員呼出ボタンBEbは、購買者が店員を呼び出すことを指令するための操作子である。
【0157】
明細確認画面SEaを表示したプロセッサ81は、ACT215へと進む。プロセッサ81は、ACT215として確認ボタンBEaが入力されるのを待ち受ける。なお、この待ち受け状態において、店員呼出ボタンBEbが入力されると、プロセッサ81は、店員呼出動作を行う。例えばプロセッサ81はパトランプ47を点滅させる。その後、呼び出された店員により呼出し終了操作が行われると、プロセッサ81は、ACT215の待ち受け状態に戻る。
【0158】
ACT215の待ち受け状態において確認ボタンBEaが入力されると、プロセッサ81は、
図13のACT221へと進む。プロセッサ81は、ACT221として第3取引ファイル821に支払いコードが追加されているか否かを確認する。ACT209の処理において第3取引ファイル821に支払いコードが追加されていた場合、プロセッサ81は、ACT222へと進む。プロセッサ81は、ACT222として第3取引ファイル821から支払いコードを抽出する。
【0159】
これに対し、第3取引ファイル821に支払いコードが追加されていない場合には、プロセッサ81は、ACT223へと進む。プロセッサ81は、ACT223としてタッチパネル42の画面を支払い方法選択画面SEb(
図35を参照)とする。
【0160】
図35は、タッチパネル42に表示される支払い方法選択画面SEbの一例である。支払い方法選択画面SEbは、支払い方法別の選択ボタン群BEcを含む。選択ボタン群BEcには、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン及びコード決済ボタンが含まれる。また支払い方法選択画面SEbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアAEcを含む。合計エリアAEcには、第3取引ファイル821に記憶された購買商品の販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が表示される。なお、支払い方法選択画面SEbにおいても店員呼出ボタンBEbは表示されており、購買者は店員を呼び出すことができる。
【0161】
支払い方法選択画面SEbを確認した購買者は、希望する支払い方法のボタンにタッチする。例えば現金で支払うことを希望した購買者は、選択ボタン群BEcの現金ボタンにタッチする。例えばクレジットカードで支払うことを希望する購買者は、選択ボタン群BEcのクレジットボタンにタッチする。例えば電子マネーで支払うことを希望する購買者は、選択ボタン群BEcの電子マネーボタンにタッチする。例えばコード決済で支払うことを希望する購買者は、選択ボタン群BEcのコード決済ボタンにタッチする。
【0162】
タッチパネル42の画面を支払い方法選択画面SEbとしたプロセッサ81は、ACT224へと進む。プロセッサ81は、ACT224として支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BEcに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ81は、ACT225へと進む。プロセッサ81は、ACT225として、第1の情報処理のACT123の処理と同様に、選択された支払い方法の支払いコードを取得する。
【0163】
ACT222又はACT225の処理を終えたプロセッサ81は、ACT226へと進む。プロセッサ81は、ACT226としてタッチパネル42の画面を支払い通知画面とする。支払い通知画面は、ACT222又はACT225の処理により得た支払いコードに基づく画面である。
【0164】
図36は、タッチパネル42に表示される支払い通知画面の一例である。
図36は、ACT222又はACT225の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い通知画面SEcを示す。現金支払い通知画面SEcは、支払い方法選択画面SEbと同様の合計エリアAEcを含む。また現金支払い通知画面SEcは、釣銭機情報エリアAEdを含む。釣銭機情報エリアAEdには、合計金額と、自動釣銭機88に投入された現金の総額いわゆる投入金額と、合計金額から投入金額を減額した残額とが表示される。なお、支払い通知画面においても店員呼出ボタンBEbは表示されており、購買者は店員を呼び出すことができる。
【0165】
支払い通知画面を確認した購買者は、自らが選択した支払い方法で代金を支払う。例えば現金支払いを選択した購買者は、自動釣銭機88に現金を投入する。クレジットカード支払いを選択した購買者は、キャッシュレス決済端末89のリーダでクレジットカードのデータを読み取らせる。電子マネー支払いを選択した購買者は、キャッシュレス決済端末89のリーダで電子マネー媒体のデータを読み取らせる。コード決済支払いを選択した購買者は、キャッシュレス決済端末89のスキャナでコード決済用のバーコードまたは二次元データコードを読み取らせる。
【0166】
タッチパネル42の画面を支払い通知画面としたプロセッサ81は、ACT227へと進む。プロセッサ81は、ACT227として代金の支払いが開始されるのを待ち受ける。例えば現金支払いが選択された場合には、プロセッサ81は、自動釣銭機88に現金が投入されるのを待ち受ける。例えばクレジットカード支払いが選択された場合には、プロセッサ81は、キャッシュレス決済端末89でクレジットカードのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えば電子マネー支払いが選択された場合には、プロセッサ81は、キャッシュレス決済端末89で電子マネーのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えばコード決済支払いが選択された場合には、プロセッサ81は、キャッシュレス決済端末89でコード決済用のバーコード又は二次元データコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0167】
代金の支払いが開始されると、プロセッサ81は、ACT227からACT228へと進む。プロセッサ81は、ACT228としてタッチパネル42の画面を支払い中画面とする。
【0168】
図37は、タッチパネル42に表示される支払い中画面の一例である。
図37は、ACT222又はACT225の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い中画面SEdを示す。現金支払い中画面SEdは、現金支払い通知画面SCbに会計ボタンBEdを追加した画面である。現金支払い中画面SCcは、釣銭機情報エリアAEdに表示される情報が、自動釣銭機88に投入された現金の金額に応じて更新される。会計ボタンBEdは、ソフトウェアキーである。会計ボタンBEdは、代金の支払い終了を指令するための操作子である。選択した支払い方法での代金の支払いを終えた購買者は、会計ボタンBEdにタッチする。なお、支払い中画面においても店員呼出ボタンBEbは継続して表示されており、購買者は店員を呼び出すことができる。
【0169】
タッチパネル42の画面を支払い中画面としたプロセッサ81は、ACT229へと進む。プロセッサ81は、ACT229として会計ボタンBEdが入力されるのを待ち受ける。会計ボタンBEdがタッチ操作により入力されると、プロセッサ81は、ACT230へと進む。プロセッサ81は、ACT230として支払いコードに基づき取引の決済処理を実行する。すなわち、支払いコードが現金支払いのコードである場合には、プロセッサ81は、自動釣銭機88に投入された現金で取引の決済処理を実行する。支払いコードがクレジットカード支払いのコードである場合には、プロセッサ81は、キャッシュレス決済端末89で読み取ったクレジットカードのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードが電子マネー支払いのコードである場合には、プロセッサ81は、キャッシュレス決済端末89で読み取った電子マネーのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードがコード決済支払いのコードである場合には、プロセッサ81は、キャッシュレス決済端末89で読み取ったバーコード又は二次元データコードで取引の決済処理を実行する。これらの決済処理はいずれも周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0170】
決済処理を終えると、プロセッサ81は、ACT231へと進む。プロセッサ81は、ACT231として代金の支払いが完了したか否かを判定する。支払われた代金が不足しており支払いが完了していない場合には、プロセッサ81は、ACT223に戻る。すなわちプロセッサ81は、タッチパネル42の画面を支払い方法選択画面SEbとする。そしてプロセッサ81は、支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BEcに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ81は、選択された支払い方法の支払いコードを取得する。以後、プロセッサ81は、ACT226乃至ACT231の処理を前述したのと同様に実行する。
【0171】
ACT231において、代金の支払いが完了したと判定すると、プロセッサ81は、ACT232へと進む。プロセッサ81は、ACT232としてプリンタ87を駆動して取引レシートを発行する。またプロセッサ81は、ACT233としてタッチパネル42の画面を支払い完了画面とする。
【0172】
図38は、タッチパネル42に表示される支払い完了画面の一例である。
図38は、ACT222又はACT225の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の現金支払い完了画面SEeを示す。現金支払い完了画面SEeは、現金支払い通知画面SEc及び現金支払い中画面SEdと同様の釣銭機情報エリアAEdを含む。店員は、釣銭機情報エリアAEdに表示される情報により、現金支払いを選択した購買者の支払いが完了したことを知り得る。なお、支払いを完了した購買者は店員を呼び出すことがないので、支払い完了画面に店員呼出ボタンBEbは表示されていない。支払い完了画面を確認した購買者は、レシートを取って店を出ることとなる。
【0173】
支払い完了画面を表示したプロセッサ81は、ACT234へと進む。プロセッサ81は、ACT234として第3取引ファイル821に記憶したデータ、つまりは決済を完了した購買者が購入した商品のデータを保存する。データの保存先は、例えば補助記憶デバイス83である。データの保存先は、メインメモリ82であってもよい。あるいは、通信インターフェース85を介してPOSサーバ55に第3取引ファイル821のデータを送信して、POSサーバ55で保存してもよい。
【0174】
第3取引ファイル821のデータを保存したプロセッサ81は、ACT235へと進むプロセッサ81は、ACT235として第3取引ファイル821をクリアする。またプロセッサ81は、ACT236として通信インターフェース85を介して販売処理装置3に支払い完了イベントを送信する。さらにプロセッサ81は、ACT237としてパトランプ47を消灯する。以上で、プロセッサ81は、第4の情報処理を終了する。
【0175】
このように、支払い機4のプロセッサ81は、ACT213乃至ACT234の処理を終えた時点で第3取引ファイル821をクリアする。そしてプロセッサ81は、販売処理装置3に支払い完了イベントを送信する。支払い完了イベントを受信した販売処理装置3においては、第2の支払い中フラグFbが“0”に書き換えられて第3の情報処理が終了する。したがって、販売処理装置3において再び第1の情報処理が実行され、ACT141において支払いイベントが支払い機4に送信されると、支払い機4のプロセッサ81は、第4の情報処理のACT213以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0176】
ところで、販売処理装置3から支払いイベントを受信すると、支払い機4においてパトランプ47が点灯する。そしてパトランプ47は、支払い機4から販売処理装置3に支払い完了イベントが送信されたタイミングで消灯する。したがって、スペースSPに立つ店員は、パトランプ47が点灯している間は、購買者が支払い機4を操作して代金の支払い中であることを認識できる。
【0177】
ここに、プロセッサ81は、ACT223の処理により、第3の支払い受付手段401としての機能を実現する。プロセッサ81は、ACT203の処理により、第2処理手段402としての機能を実現する。プロセッサ81は、ACT230の処理により、第2決済手段403としての機能を実現する。プロセッサ81は、ACT212の処理により削除手段404としての機能を実現する。
【0178】
以上詳述したように、商品販売システム1においては、購買者が購入する購買商品の登録操作は、スペースSPに立つ店員が入力装置2のデバイスを操作して行う。一方、登録操作を終えた購買商品の代金支払いに係る操作は、通路PAを移動する購買者が自ら販売処理装置3又は支払い機4のデバイスを操作して行う。そして商品販売システム1においては、購買者が販売処理装置3又は支払い機4のデバイスを操作して代金支払いに係る操作を行っている間も、店員が入力装置2のデバイスを操作して次の購買者が購入する購買商品の登録操作を行うことができる。したがって、二人制の商品販売システムと同規模の商品販売システム1であっても、購買商品を登録中の購買者が1名と、代金支払い中の購買者が2名の計3人まで、同時に購買者を捌くことができる。よって、既存の二人制の商品販売システムを採用した場合と比較して、混雑時でも購買者を効率よく捌ける。しかも、業務に係わる店員は1名で済むので、人件費の削減を図ることができる。また、現金、キャッシュカード等に店員が触れないので、感染症対策の面からも優れた効果が期待できる。
【0179】
その上、商品販売システム1は、店員が入力装置2を操作して購買者が選択した代金の支払い方法を指定する第1の運用と、購買者が販売処理装置3または支払い機4を操作して自ら選択した代金の支払い方法を指定する第2の運用とを容易に使い分けることができる。
【0180】
第2の運用が実施された場合、販売処理装置3における第2のタッチパネル34又は支払い機4におけるタッチパネル42の画面は、先ず、支払い方法選択画面となる。ここで、購買者が希望する代金の支払い方法を指定すると、支払い通知画面に遷移する。そして、購買者が代金の支払いを開始すると、支払い中画面cに遷移し、支払いが完了すると、支払い完了画面に遷移する。
【0181】
これに対し、第1の運用が実施された場合には、第2のタッチパネル34又はタッチパネル42に支払い方法選択画面は表示されない。第2のタッチパネル34には先ず、支払い通知画面が表示される。そして、購買者が代金の支払いを開始すると、支払い中画面に遷移し、支払いが完了すると、支払い完了画面に遷移する。
【0182】
このように、第1の運用又は第2の運用が実施された場合であっても、購買者は、第2のタッチパネル34又はタッチパネル42に表示される画面の遷移に従い代金の支払い操作を行えばよいので、支払い方法の如何に拘わらず効率よく代金を支払うことができる。
【0183】
ところで、第2の運用が実施された場合には、購買者は、支払い方法選択画面に表示された支払い方法の中から代金の支払い方法を決め、該当する支払い方法のボタンをタッチするステップが追加される。このため、第1の運用が実施された場合と比較して購買者が販売処理装置3又は支払い機4を占有する時間が長くなる傾向がある。そこで、比較的混んでいる時間帯は第1の運用を実施する。そうすることにより、購買者が販売処理装置3又は支払い機4を占有する時間が短くなるので、効率よく購買者を捌くことができる。その一方で、比較的空いている時間帯は第2の運用を実施する。そうすることにより、店員が購買者に代金の支払い方法を確認する必要がなくなるので、店員の負担を軽減できる。
【0184】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、代金の支払い方法として、現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い及びコード決済支払いの4種類を例示した。代金の支払い方法は、これらの4種類に限定されるものではない。例えば、商品券等の金券で支払う金券支払いがある。金券支払いの場合、不正防止の観点から店員が金券を確認してからでないと支払いに使用することができない。このため、支払い機4では、金券支払いを行えないようにする必要がある。
【0185】
そこで次に、代金支払い方法として金券支払いを追加した商品販売システム1の第2の実施形態について、
図39乃至
図49を用いて説明する。なお、第2の実施形態においても、商品販売システム1のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。したがって、
図1乃至
図4については、第2の実施形態でもそのまま使用する。また、その他の図についても、第1の実施形態と共通する図はそのまま使用し、あるいは第1の実施形態で用いた符号をそのまま転用して、詳細な説明は省略する。
【0186】
図39は、入力装置2と販売処理装置3と支払い機4とが有する主要な機能構成を示す模式図である。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は次の2点である。
[1]第1の支払い受付手段203及び第2の支払い受付手段303は、金券支払いを選択可能とする。
[2]販売処理装置3は、確認手段312としての機能を有する。
【0187】
図40は、第1の支払い受付手段203としての機能により、入力装置2のタッチパネル23に表示される支払い方法選択画面SAcの一例である。図示するように、第2の実施形態では、支払い方法選択画面SAcにおける支払い方法別の選択ボタン群BAgに、金券ボタンが追加されている。金券ボタンは、金券支払いを指令するための操作子である。
【0188】
図41は、第2の支払い受付手段303としての機能により、販売処理装置3の第2のタッチパネル34に表示される支払い方法選択画面SDaの一例である。図示するように、第2の実施形態では、支払い方法選択画面SDaにおける支払い方法別の選択ボタン群BDaに、金券ボタンが追加されている。
【0189】
なお、支払い機4が有する第3の支払い受付手段401は、第1の実施形態と同様である、したがって、
図35に示すように、支払い機4のタッチパネル42に表示される支払い方法選択画面SEbの選択ボタン群BEcには、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン及びコード決済ボタンが含まれるが、金券ボタンは含まれない。
【0190】
確認手段312は、終了受付手段202が入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が不可能である場合に、第1の支払い受付手段203で受け付けた代金支払い方法が店員の確認を必要とする支払い方法であるか否かを確認する機能である。店員の確認を必要とする支払い方法は、第2の実施形態では金券支払いである。確認手段312は、フラグメモリ624によって記憶される第1の支払い中フラグFaが“1”のとき、すなわち、販売処理装置3において別の購買者が代金を支払っているとき、取引の決済が不可能であると認定する。このとき確認手段312は、第1の支払い受付手段203で受け付けた代金支払い方法が金券支払いであるか否かを確認する。
【0191】
代金支払い方法が現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い又はコード決済支払いの場合、店員の確認を必要としない。その場合、販売処理装置3は、指示送信手段310としての機能により、入力終了指示を支払い機4に送信する。その結果、購買者は、支払い機4において現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い又はコード決済支払いの支払い方法で代金を支払うことができる。
【0192】
これに対し、代金支払い方法が金券支払いである場合、すなわち店員の確認を必要とする場合には、販売処理装置3は入力終了指示を支払い機4に送信しない。販売処理装置3は、第1の支払い中フラグFaが“0”となり、取引の決済が可能となるのを待って、第1決済手段304としての機能により、第1処理手段302で処理した販売データの取引を金券で決済する。その結果、購買者は、販売処理装置3において金券支払いの支払い方法で代金を支払うこととなる。たとえ、販売処理装置3が塞がっていても、支払い機4で代金を支払うことはできない。したがって、購買者が使用する商品券等の金券をスペースSPに居る店員が確認するという運用を確実にとることができる。その結果、店員の確認が必要な支払い方法を追加することができる。
【0193】
図42及び
図43は、第2の実施形態において、販売処理装置3のプロセッサ61が第1の業務プログラムに従って実行する第5の情報処理の要部手順を示す流れ図である。第5の情報処理は、第1の情報処理の一部を変更したものである。具体的には、
図7を用いて説明した第1の情報処理のACT123において支払いコードを取得した後、プロセッサ61は、
図42のACT301としてその支払いコードが金券支払いのコードであるか否かを確認する。ここに、プロセッサ61は、ACT301の処理により、確認手段312としての機能を実現する。
【0194】
支払いコードが金券支払いのコード以外である場合には、プロセッサ61は、ACT124へと進む。すなわちプロセッサ61は、通信インターフェース65を介して支払い機4に選択イベントを送信する。その後、プロセッサ61は、ACT125へと進む。プロセッサ61は、タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとする。
【0195】
支払いコードが金券支払いのコードである場合には、プロセッサ61は、ACT124の処理をスキップしてACT125へと進む。すなわちプロセッサ61は、支払い機4に選択イベントを送信することなく、タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとする。
【0196】
このように、支払いコードが金券支払いのコード以外である場合、すなわち、入力装置2のタッチパネル23に表示された支払い方法選択画面SAcにおいて現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタンまたはコード決済ボタンが操作された場合には、支払い機4に選択イベントが送信される。その結果、支払い機4においては、支払いイベントに含まれる支払いコードが第3取引ファイル821に追加される。
【0197】
これに対し、支払いコードが金券支払いのコードである場合、すなわち、支払い方法選択画面SAcにおいて金券ボタンが操作された場合には、支払い機4に選択イベントが送信されない。したがって、支払い機4においては、第3取引ファイル821に支払いコードが追加されない。
【0198】
タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとしたプロセッサ61は、ACT126乃至ACT129の処理を第1の情報処理のときと同様に実行する。したがって、第1の支払い中フラグFaが“0”のときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ61は、
図8の流れ図に示したACT131乃至ACT139の処理を実行する。その結果、第1の支払い中フラグFaが“1”に書き換えられるので、プロセッサ61は、第5の情報処理と並行して、
図10を用いて説明した第2の情報処理を実行する。
【0199】
一方、第1の支払い中フラグFaが“1”でかつ第2の支払い中フラグFbが“0”のときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力された場合には、プロセッサ61は、
図43のACT311へと進む。プロセッサ61は、ACT311として支払いコードを取得しているか否かを確認する。小計画面SAbの支払いボタンBAeが入力された場合には、プロセッサ61は、支払いコードを取得していない。支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力された場合には、プロセッサ61は、支払いコードを取得している。
【0200】
支払いコードを取得していない場合には、プロセッサ61は、ACT141へと進む。そしてプロセッサ61は、ACT141乃至ACT144の処理を第1の情報処理のときと同様に実行する。支払いコードを取得している場合には、プロセッサ61は、ACT312へと進む。プロセッサ61は、その支払いコードが金券支払いの支払いコードであるか否かを確認する。金券支払い以外の支払いコードである場合、プロセッサ61は、ACT141乃至ACT144の処理を第1の情報処理のときと同様に実行する。
【0201】
このように、支払いコードを取得していない場合、若しくは金券支払い以外の支払いコードを取得している場合には、プロセッサ61は、ACT141乃至ACT144の処理を第1の情報処理のときと同様に実行する。その結果、第2の支払い中フラグFbが“1”に書き換えられるので、プロセッサ61は、第5の情報処理と並行して、
図11を用いて説明した第3の情報処理を実行する。また、支払いイベントが支払い機4に送信されるので、支払い機4においては、第3取引ファイル821に追加された支払いコードに基づき取引の決済処理が実行される。かくして購買者は、支払い機4を操作して購買商品の代金を支払うことができる。
【0202】
一方、ACT123において取得した支払いコードが金券支払いの支払いコードである場合には、プロセッサ61は、ACT313へと進む。プロセッサ61は、ACT313として、タッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに代金の支払いが不可能であることを報知するポップアップPUa(
図20を参照)を表示する。またプロセッサ61は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、代金の支払いが不可能であるため待機することを指示するためのテキストTXa(
図21を参照)を表示する。
【0203】
その後、プロセッサ61は、ACT314へと進む。プロセッサ61は、ACT314として第1の支払い中フラグFaが“0”に書き換えられるのを待ち受ける。第1の支払い中フラグFaは、第5の情報処理と並行して行われている第2の情報処理のACT168において“0”に書き換えられる。第1の支払い中フラグFaが“0”に書き換えられると、プロセッサ61は、
図8のACT131へと進む。そしてプロセッサ61は、ACT131乃至ACT139の処理を実行する。その結果、第1の支払い中フラグFaが“1”に書き換えられるので、プロセッサ61は、第5の情報処理と並行して、
図10を用いて説明した第2の情報処理を実行する。
【0204】
このように、代金支払い方法として金券支払いが選択された場合には、プロセッサ61は第2の情報処理を実行することはできるが、第3の情報処理を実行することはできない。したがって、金券支払いを希望する購買者は、必ず、販売処理装置3を操作して購買商品の代金を支払うこととなる。
【0205】
図44は、第2の情報処理のACT156又はACT157の処理により金券支払いの支払いコードを得た場合において、ACT158の処理で販売処理装置3の第1のタッチパネル32に表示される金券支払い通知画面SFaの一例である。
図45は、同じく金券支払いの支払いコードを得た場合において、ACT158の処理で販売処理装置3の第2のタッチパネル34に表示される金券支払い通知画面SGaの一例である。
【0206】
図44に示すように、金券支払い通知画面SFaには、店員に対し、購買者から金券を受け取り、券面金額を示すバーコードをスキャニングすることを指示するテキストTXdが表示される。また、
図45に示すように、金券支払い通知画面SGaには、購買者に対し、金券を店員に渡すことを指示するテキストTXeが表示される。よって、金券支払い通知画面SGaを確認した購買者は、代金の支払いに使用する金券を店員に渡す。金券支払い通知画面SFaを確認した店員は、金券が正当なものであるか確認し、正当なものであれば、ハンディスキャナ33でその金券に表記されているバーコードを読み取る。
【0207】
バーコードが読み取られると、プロセッサ61は、ACT160において第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面を金券支払い中画面とする。
図46は、第1のタッチパネル32に表示される金券支払い中画面SFbの一例である。
図47は、第2のタッチパネル34に表示される金券支払い中画面SGbの一例である。金券支払い中画面SFbには、合計金額、券面金額及び釣銭額を表示する金券情報エリアAFbが配置されている。金券支払い中画面SGbには、同様の金券情報エリアAGbに加えても会計ボタンBGaが配置されている。
【0208】
購買者によって金券ボタンが入力されると、プロセッサ61は、金券による決済処理を実行する。そして代金の支払いが完了すると、プロセッサ61は、プリンタ35を駆動して取引レシートを発行する。またプロセッサ61は、第1のタッチパネル32及び第2のタッチパネル34の画面を支払い完了画面とする。
【0209】
図48は、販売処理装置3の第1のタッチパネル32に表示される金券支払い完了画面SFcの一例である。図示するように、金券支払い完了画面SFcには、店員に対して金券を回収することを指示するテキストTXfが表示される。よって、金券支払い完了画面SFcを確認した店員は、購買者から受け取った金券を回収する。
【0210】
以上詳述したように、第2の実施形態によれば、商品券等の金券については店員が必ず確認してから代金の支払いに関する操作を購買者に行わせることができる商品販売システム1を提供することができる。
【0211】
[第3の実施形態]
第2の実施形態は、金券の券面金額をバーコードのスキャニングによって入力する場合を例示した。しかし、必ずしも金券に額面金額がバーコードによって表記されているとは限らない。そこで、金券の券面金額をバーコードのスキャニング以外の方法で入力する第3の実施形態を、
図49を用いて説明する。
【0212】
図49は、販売処理装置3の第1のタッチパネル32に表示される金券選択画面SHaの一例である。金券選択画面SHaは、プロセッサ61が、第2の情報処理のACT156において取得した支払いコード、又はACT157の処理で取得した支払いコードが金券支払いの支払いコードであるとき、支払い通知画面を表示する前に表示される画面である。
【0213】
金券選択画面SHaは、例えば100円、500円、1000円、2000円、5000円及び10000円の各券面金額を入力するための金額ボタンBHaと、確定ボタンBHbとを含む。金額ボタンBHa及び確定ボタンBHbはソフトウェアキーである。例えば購買者が提示した金券の券面金額が1000円である場合、店員は、1000円の金額ボタンBHaにタッチしてから確定ボタンBFbを入力する。例えば券面金額が3000円である場合には、店員は、2000円と1000円の金額ボタンBHaにタッチしてから確定ボタンBHbを入力する。あるいは店員は、1000円の金額ボタンBHaを3回タッチしてから確定ボタンBHbを入力する。プロセッサ61は、確定ボタンBHbが入力されると、金額ボタンBHaによって入力された金額を券面金額として処理する。
【0214】
かかる構成の第3の実施形態によれば、額面金額がバーコードで表記されているない金券であっても、店員は、容易に金券の券面金額を販売処理装置3に入力することができる。
【0215】
[第4の実施形態]
代金の支払い方法としてポイント支払いがある。ポイント支払いは、ポイント会員となった購買者が貯めた累積ポイントを金額に換算して代金を支払う方法である。
【0216】
そこで次に、代金支払い方法としてポイント支払いを追加した商品販売システム1の第4の実施形態について、
図50乃至
図56を用いて説明する。なお、第4の実施形態においても、商品販売システム1のハードウェア構成は第2の実施形態と同様である。したがって、
図1乃至
図4については、第4の実施形態でもそのまま使用する。また、その他の図についても、第1及び第2の実施形態と共通する図はそのまま使用し、あるいは第1及び第2の実施形態で用いた符号をそのまま転用して、詳細な説明は省略する。
【0217】
図50は、入力装置2と販売処理装置3と支払い機4とが有する主要な機能構成を示す模式図である。第4の実施形態が第1の実施形態と異なる点は次の3点である。
[1]第1の支払い受付手段203は、ポイント支払いを選択可能とする。
[2]入力装置2は、読取手段204としての機能を有する。
[3]販売処理装置3は、ポイント取得手段313としての機能を有する。
【0218】
図51は、第1の支払い受付手段203としての機能により、入力装置2のタッチパネル23に表示される支払い方法選択画面SAcの一例である。図示するように、第4の実施形態では、支払い方法選択画面SAcにおける支払い方法別の選択ボタン群BAgに、ポイントボタンが追加されている。ポイントボタンは、ポイント支払いを指令するための操作子である。
【0219】
読取手段204は、ポイント会員を識別するために会員毎に割り当てられた会員IDを読み取るための機能である。会員IDは、例えばICカードに記録されている。この場合、ICカードリーダが読取手段204となる。会員IDは、例えばスマートフォンにバーコードの形態で表示されてもよい。この場合、ハンディスキャナ22が読取手段204となる。
【0220】
ポイント取得手段313は、会員IDで識別されるポイント会員の累積ポイントを取得する機能である。例えば、各ポイント会員の会員IDと関連付けて累積ポイントをそれぞれ記憶したポイントデータベースをPOSサーバ55が備える。ポイント取得手段313は、読取手段204により読み取られた会員IDでポイントデータベースを検索して、当該会員IDと関連付けられた累積ポイントを取得する。
【0221】
図52は、第4の実施形態において、販売処理装置3のプロセッサ61が第1の業務プログラムに従って実行する第6の情報処理の要部手順を示す流れ図である。第6の情報処理は、第5の情報処理の一部を変更したものである。具体的には、
図42を用いて説明した第5の情報処理のACT301において取得した支払いコードが金券支払いのコードでないと判定すると、プロセッサ61は、
図53のACT401としてその支払いコードがポイント支払いのコードであるか否かを確認する。
【0222】
ポイント支払いのコードでない場合には、プロセッサ61は、ACT124へと進む。すなわちプロセッサ61は、通信インターフェース65を介して支払い機4に選択イベントを送信する。選択イベントは、支払い方法選択画面SAcで選択された支払い方法の支払いコードを含む。その後、プロセッサ61は、ACT125へと進む。プロセッサ61は、タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとする。
【0223】
支払いコードがポイント支払いのコードである場合には、プロセッサ61は、ACT402へと進む。プロセッサ61は、ACT402として会員IDが読み取られたか否かを確認する。会員IDが読み取られていない場合、プロセッサ61は、会員IDが読み取られるのを待ち受ける。読取手段204により会員IDが読み取られるか、既に読み取られていた場合、プロセッサ61は、ACT403へと進む。プロセッサ61は、ACT403としてその会員IDと関連付けられた累積ポイントを取得する。ここに、プロセッサ61は、ACT403の処理により、ポイント取得手段313としての機能を実現する。
【0224】
累積ポイントを取得したプロセッサ61は、ACT124へと進む。すなわちプロセッサ61は、通信インターフェース65を介して支払い機4に選択イベントを送信する。選択イベントは、ポイント支払いの支払いコードを含む。また選択イベントは、会員IDと累積ポイントも含む。その後、プロセッサ61は、ACT125へと進む。プロセッサ61は、タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとする。
【0225】
タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとしたプロセッサ61は、ACT126乃至ACT129の処理を第4の情報処理のときと同様に実行する。したがって、第1の支払い中フラグFaが“0”のときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ61は、
図8の流れ図に示したACT131乃至ACT139の処理を実行する。その結果、第1の支払い中フラグFaが“1”に書き換えられるので、プロセッサ61は、第6の情報処理と並行して、
図10を用いて説明した第2の情報処理を実行する。
【0226】
また、第1の支払い中フラグFaが“1”でかつ第2の支払い中フラグFbが“0”のときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力された場合には、プロセッサ61は、
図9の流れ図に示したACT141乃至ACT144の処理を実行する。その結果、第2の支払い中フラグFaが“1”に書き換えられるので、プロセッサ61は、第6の情報処理と並行して、
図11を用いて説明した第3の情報処理を実行する。
【0227】
代金の支払い方法としてポイント支払いを選択する購買者は、店員に会員IDを提示する。店員は、読取手段204で会員IDを読み取るとともに、支払い方法選択画面SAcでポイントボタンにタッチする。このとき、販売処理装置3が空いていると、第2のタッチパネル158にポイント支払い通知画面SIa(
図53を参照)が表示される。
【0228】
図53は、ポイント支払い通知画面SIaの一例である。ポイント支払い通知画面SIaは、ポイント情報エリアAIaを含む。ポイント情報エリアAIaには、合計金額と、累積ポイントと、合計金額から使用ポイントの金額を減じて算出される残額とが表示される。
【0229】
またポイント支払い通知画面SIaは、使用ポイントを指定するためのボタン群BIaを含む。ボタン群BIaは、合計金額の全額をポイントで支払うことを指定する第1ボタンBTaと、合計金額の下3桁の端数をポイントで支払うことを指定する第2ボタンBTbと、合計金額の下2桁の端数をポイントで支払うことを指定する第3ボタンBTcと、合計金額の下1桁の端数をポイントで支払うことを指定する第4ボタンBTdとを含む。因みに、
図53は、合計金額が1230円であり、累積ポイントが2345ポイントであった場合のポイント支払い通知画面SIaを示す。ポイント支払い通知画面SIaを確認した購買者は、ボタン群BIaの第1乃至第4ボタンBTa,BTb,BTc.BTdの中から、支払いに使用するポイントに対応したボタンにタッチする。なお、
図53では図示しないが、テンキーによって使用するポイントを入力してもよい。ボタン群BIaの中のいずれかのボタンが入力されると、第2のタッチパネル158の画面は、ポイント支払い中画面SIb(
図54を参照)となる。
【0230】
図54は、購買者が合計金額の全額をポイントで支払うために第1ボタンBTaにタッチした場合のポイント支払い中画面SIbの一例である。ポイント支払い中画面SIbは、ポイント支払い通知画面SIaと同様のポイント情報エリアAIaを含む。またポイント支払い中画面SIbは、OKボタンBIbと、戻るボタンBIcとを含む。OKボタンBIbと戻るボタンBIcは、ソフトウェアキーである。購買者は、使用ポイントで代金を支払う場合にはOKボタンBIbにタッチする。使用ポイントを見直す場合には、購買者は、戻るボタンBIcにタッチする。戻るボタンBIcがタッチ操作により入力されると、第2のタッチパネル34の画面は、ポイント支払い通知画面SIaに戻る。OKボタンBIbが入力されると、第2のタッチパネル158の画面は、ポイント支払い完了画面SIc(
図55を参照)となる。
【0231】
図55は、ポイント支払い完了画面SIcの一例である。ポイント支払い完了画面SIcは、ポイント支払い中画面SIb及びポイント支払い通知画面SIaと同様のポイント情報エリアAIaを含む。また、ポイント支払い完了画面SIcは、購買者にレシートを受け取ることを指示するテキストと、代金支払い後に残ったポイントを通知するテキストとを表示する。ポイント支払い完了画面SIcを確認した購買者は、レシートを取って店を出ることとなる。
【0232】
このように、ポイント支払いを選択した購買者も、第2のタッチパネル34に表示される画面に従ってポイントによる代金の支払い操作を行えばよい。しかも、使用できるポイントは、ポイント支払い通知画面SIaに表示されるボタン群BIaの中から選択すればよいので、大変効率的である。
【0233】
なお、前述したように、販売処理装置3から支払い機4に送信される選択イベントには、ポイント支払いの支払いコードに加えて会員IDと累積ポイントが含まれる。したがって、詳細な説明は省略するが、支払い機4においても、販売処理装置3と同様に、ポイント支払いを選択した購買者の取引を決済することができる。
【0234】
[他の実施形態]
販売処理装置3に2台以上の支払い機4が接続されてもよい。例えば販売処理装置3に2台の支払い機4を接続することによって、購買商品を登録中の購買者が1名と、代金支払い中の購買者が3名の計4人まで、同時に購買者を捌くことができる。因みに、2台以上の支払い機4を接続する場合には、販売処理装置のプロセッサ61は、マルチキャスト通信により各支払い機4に入力イベント及び選択イベントを並行して送信する。一方、支払いイベントは、いずれか1台の支払い機4に送信し、削除イベントは他の支払い機4に送信する。そうすることにより、販売処理装置3に2台以上の支払い機4を接続した商品販売システムを構成することができる。
【0235】
前記実施形態では、店員が代金の支払い方法を指定する第1の運用と、購買者が代金の支払い方法を指定する第2の運用のどちらを採用するかということを、店員が選択する場合を例示した。この点に関しては、例えば、時間帯、曜日、日付等を判定条件として、販売処理装置3のプロセッサ61が自動的に決めてもよい。
【0236】
また、店員の確認が必要な支払い方法は、金券支払いに限定されない。例えばコード決済の支払いにおいても店員の確認が必要となる場合がある。そのような支払い方法に対しては、第2の実施形態を適用すればよい。
【0237】
第4の実施形態においては、入力装置2が読取手段204を備える場合を例示した。他の実施形態としては、販売処理装置3と支払い機4が読取手段を備えてもよい。すなわち、会員IDの読み取り操作を購買者がセルフで行うことも可能である。
【0238】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0239】
1…商品販売システム、2…入力装置、3…販売処理装置、4…支払い機、21…定置式スキャナ、22…ハンディスキャナ、23…タッチパネル、24…キーボード、25…ディスプレイ、31…キーボード、32…第1のタッチパネル、33…ハンディスキャナ、34…第2のタッチパネル、35,87…プリンタ、36,88…自動釣銭機、37,89…キャッシュレス決済端末、41…籠置台、42…タッチパネル、47…パトランプ、51…チェックアウトカウンタ、52…レジカウンタ、53…伝送ケーブル、54…LAN、55…POSサーバ、61,81…プロセッサ、62,82…メインメモリ、63,83…補助記憶デバイス、64,84…時計、65,85…通信インターフェース、66…スキャナインターフェース、67…タッチパネルインターフェース、68…プリンタインターフェース、69…釣銭機インターフェース、70…決済端末インターフェース、71…入力装置インターフェース、72,86…システム伝送路、201…入力手段、202…終了受付手段、203…第1の支払い受付手段、204…読取手段、301…第1通信手段、302…第1処理手段、303…第2の支払い受付手段、304…第1決済手段、305…記憶手段、306…案内手段、307…無効手段、308…第2通信手段、309…情報送信手段、310…指示送信手段、311…削除指示手段、312…確認手段、313…ポイント取得手段、401…第3の支払い受付手段、402…第2処理手段、403…第2決済手段、404…削除手段、621…第1取引ファイル、622…第2取引ファイル、623…ステータスメモリ、624…フラグメモリ、821…第3取引ファイル。