(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134343
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】案内装置、案内方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240926BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240926BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044599
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】村上 徹
【テーマコード(参考)】
5E555
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA27
5E555AA59
5E555AA64
5E555BA02
5E555BA06
5E555BA08
5E555BA23
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB23
5E555BC17
5E555BE10
5E555BE17
5E555CA29
5E555CA42
5E555CB47
5E555CB52
5E555DB18
5E555DB41
5E555DB51
5E555DB57
5E555DC09
5E555DC17
5E555DC21
5E555DC25
5E555DD01
5E555EA22
5E555FA00
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配達業務を支援する技術において、荷物の配達先の識別性を向上させる。
【解決手段】案内装置は、利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、配達先である建物に対して、配達先の情報を重畳表示させる案内部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内装置であって、
利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、前記配達先である建物に対して、前記配達先の情報を重畳表示させる案内部を備える、案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記配達先である建物のうち、前記利用者が移動中の道路に面した壁面に対して、前記配達先の情報を表す板状のオブジェクトを重畳表示させる、案内装置。
【請求項3】
請求項2に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記利用者と、前記配達先である建物との間の距離に応じて、
当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトの大きさと、
当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトに配置する文字の大きさと、
当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトに配置する文字の奥行き感と、
の少なくとも一部を変化させる、案内装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記オブジェクトに対して、
前記配達先の情報としての、前記配達先の表札を表す文字と、
前記配達先の情報としての、前記配達先があるビル名及びテナント名を表す文字と、
のいずれか一方を配置する、案内装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、さらに、
前記配達先へと前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を取得し、
前記オブジェクトに対してさらに、前記時間帯指定に応じた着色を施す、案内装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に対してさらに、前記配達先である建物が前記外景の範囲外に存在する場合に、当該建物が存在する方向を示す方向案内オブジェクトを重畳表示させる、案内装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記オブジェクトに対して、前記配達先への巡回順を表す文字を配置する、案内装置。
【請求項8】
案内方法であって、情報処理装置が、
利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、前記配達先である建物に対して、前記配達先の情報を重畳表示させる案内工程を備える、案内方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムであって、情報処理装置に、
利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、前記配達先である建物に対して、前記配達先の情報を重畳表示させる案内ステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内装置、案内方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットショッピングの普及により、物流業務の需要が増加し、商品等の荷物を指定された配達先へと配達する業務に従事する者(以降「配達人」とも呼ぶ)が増加している。配達人は、業務効率化の観点から、予め定められた担当エリアを有しており、担当エリア内の個人宅等に荷物を配達する。ここで、配達人は、荷物の配達のために個人宅を巡回する必要があるところ、商業施設等とは異なり、個人宅は区別しづらく識別性が低い。例えば、特許文献1には、カメラが撮影した画像に写り込む施設に対して、ARタグを付す拡張現実システムが開示されている。特許文献2には、車両周辺の風景に案内オブジェクトを重畳表示する技術において、車両と案内地点との距離に応じて案内オブジェクトの表示態様を変更することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-190255号公報
【特許文献2】特開2021-76415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2に記載の技術は一般的な拡張現実技術に過ぎず、荷物の配達先を拡張現実によって案内することはできないという課題があった。
【0005】
このため、配達業務を支援する技術において、荷物の配達先の識別性を向上させることが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、案内装置が提供される。この案内装置は、利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、前記配達先である建物に対して、前記配達先の情報を重畳表示させる案内部を備える。
この構成によれば、案内部は、利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、配達先である建物に対して、配達先の情報を重畳表示させる。このため、配達先が類似した家屋あるいは部屋が立ち並ぶ中に存在する個人宅や、表札が掲げられていない個人宅といった識別しづらい外観を有している場合であっても、利用者は、荷物を配達すべき配達先を一見して容易に識別できる。この結果、配達業務を支援する技術において、荷物の配達先の識別性を向上させることができる。
【0008】
(2)上記形態の案内装置において、前記案内部は、前記配達先である建物のうち、前記利用者が移動中の道路に面した壁面に対して、前記配達先の情報を表す板状のオブジェクトを重畳表示させてもよい。
この構成によれば、案内部は、配達先である建物のうち、利用者が移動中の道路に面した壁面に対して配達先の情報を表すオブジェクトを重畳表示させる。このため、オブジェクトが建物の上(例えば、屋根や上空)に配置される場合と比較して、利用者がオブジェクトを確認する際の目線移動量を減らすことができる。この結果、利用者がオブジェクトを視認しつつ移動している場合でも、配達先の情報を安全に確認できる。また、案内部は、オブジェクトの形状を板状とするため、板状ではない他の形状(例えば、吹き出し状)のオブジェクトと比較して、道路や通行人といった建物周囲の外景を遮ることがなく、安全性をより一層向上できる。
【0009】
(3)上記形態の案内装置において、前記案内部は、前記利用者と、前記配達先である建物との間の距離に応じて、当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトの大きさと、当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトに配置する文字の大きさと、当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトに配置する文字の奥行き感と、の少なくとも一部を変化させてもよい。
この構成によれば、案内部は、利用者と、配達先である建物との間の距離に応じて、オブジェクトそのものの大きさと、文字の大きさと、文字の奥行き感と、の少なくとも一部を変化させる。このため、利用者は、自身と配達先である建物との距離感を一見して容易に把握できる。
【0010】
(4)上記形態の案内装置において、前記案内部は、前記オブジェクトに対して、前記配達先の情報としての、前記配達先の表札を表す文字と、前記配達先の情報としての、前記配達先があるビル名及びテナント名を表す文字と、のいずれか一方を配置してもよい。
この構成によれば、案内部は、オブジェクトに対して、配達先の表札を表す文字と、配達先があるビル名及びテナント名を表す文字と、のいずれか一方を配置するため、オブジェクトに必要最小限の情報を配置することで、オブジェクトの視認性をより向上することができる。
【0011】
(5)上記形態の案内装置において、前記案内部は、さらに、前記配達先へと前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を取得し、前記オブジェクトに対してさらに、前記時間帯指定に応じた着色を施してもよい。
この構成によれば、案内部は、オブジェクトに対して時間帯指定に応じた着色を施すため、利用者は、オブジェクトの色によって、一見して、配達先ごとの時間帯指定の情報を把握できる。この結果、利用者における利便性をより向上できる。
【0012】
(6)上記形態の案内装置において、前記案内部は、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に対してさらに、前記配達先である建物が前記外景の範囲外に存在する場合に、当該建物が存在する方向を示す方向案内オブジェクトを重畳表示させてもよい。
この構成によれば、案内部は、配達先である建物が外景の範囲外に存在する場合に、当該建物が存在する方向を示す方向案内オブジェクトを重畳表示させる。このため、利用者は、方向案内オブジェクトの存在によって容易に、現在視認している外景の範囲外に配達先である建物が存在することを把握できる。また、利用者は、方向案内オブジェクトが指し示す方向に沿ってレンズを移動させることで、当該配達先の情報を確認することができる。
【0013】
(7)上記形態の案内装置において、前記案内部は、前記オブジェクトに対して、前記配達先への巡回順を表す文字を配置してもよい。
この構成によれば、案内部は、オブジェクトに対して、配達先への巡回順を表す文字を配置するため、利用者は、一見して、配達先ごとの巡回順を把握できる。この結果、利用者における利便性をより向上できる。
【0014】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、案内装置、ナビゲーション装置、地図表示装置、配達支援装置、これら各装置や、これら各装置を含むシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態としての配達支援システムの概略構成を示す図である。
【
図3】配達支援処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】ピンの絞り込みが行われた後の地図表示画面の一例を示す図である。
【
図12】オブジェクトの特徴c1に関する変形の説明図である。
【
図13】オブジェクトの特徴c2~c6に関する変形の説明図である。
【
図15】第2実施形態の配達支援システムの概略構成を示す図である。
【
図16】第2実施形態の配達支援処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図17】第3実施形態の配達支援システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての配達支援システム1の概略構成を示す図である。配達支援システム1は、物流業務、なかでも、商品等の荷物を指定された配達先へと配達する業務に従事する配達人が利用者となるシステムである。配達支援システム1は、利用者が配達すべき荷物(以降、「要配達荷物」または単に「荷物」とも呼ぶ)の情報を用いて、利用者による要配達荷物の配達を支援する。
【0017】
配達支援システム1は、サーバ10と、利用者端末30とを備えている。サーバ10は、有線通信によりインターネットINTに接続されている。利用者端末30は、通信キャリアBSを介した無線通信によってインターネットINTに接続されている。通信キャリアBSには、送受信アンテナや、無線基地局、交換局が含まれる。すなわち、サーバ10と利用者端末30とは、インターネットINTを介して相互に通信することができる。
【0018】
サーバ10は、CPU110と、通信部120と、ROM/RAM130と、記憶部140とを備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。サーバ10は「案内装置」に相当する。
【0019】
CPU110は、ROM130に格納されているコンピュータプログラムをRAM130に展開して実行することにより、サーバ10の各部を制御する。CPU110は、案内部111としても機能する。案内部111は、利用者端末30と協働して、後述の配達支援処理を実行する。案内部111は、配達支援処理において、拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を利用して、利用者が利用者端末30のレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、要配達荷物の配達先である建物に対して、配達先の情報を表すオブジェクトを重畳表示させる。詳細は後述する。
【0020】
通信部120は、利用者端末30など他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。
【0021】
記憶部140は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。記憶部140には、荷物情報データベース141と、地図情報データベース142と、仮想3Dモデル144と、が予め記憶されている。以降の説明では、データベースを単に「DB」とも呼ぶ。
【0022】
図2は、荷物情報DB141の一例を示す図である。荷物情報DB141には、利用者端末30の利用者ごとに、当該利用者がその日に配達する要配達荷物の情報(以降「荷物情報」とも呼ぶ)が記憶されている。
図2に示すように、各荷物情報には、例えば、次のa1~a11に示す情報が含まれている。なお、情報a1~a11は、配達支援処理に先立って予め登録されており、配達支援処理の中で随時更新可能である。
(a1)配達先住所:配達先の住所を表す。
(a2)配達先緯度経度:配達先の緯度経度を表す。配達先緯度経度は、配達先住所で代用できるため省略されてもよい。
(a3)配達先における宅配ボックスの有無:配達先に宅配ボックスが存在するか否かを表す。
(a4)表札情報/ビル・テナント情報:配達先の表札を表す情報(例えば、非集合住宅の場合は「山田」、集合住宅の場合は「101 山田」等)と、配達先があるビル名及びテナント名を表す情報(例えば、「XYZビル 〇〇食堂」等)と、のいずれか一方。
(a5)備考情報:配達にあたっての注意事項等を表す。
(a6)時間帯指定:個々の要配達荷物に対して指定された配達時間帯の指定内容を表す。
(a7)宅配ボックス利用可否:個々の要配達荷物に対して指定された宅配ボックスの利用可否の指定内容を表す。
(a8)荷物状況:個々の要配達荷物の状況(例えば、配達、不在、再配達、集荷、代引/着払、等の状況)を表す。
(a9)サイズ情報:要配達荷物の大きさ(小、中、大、特大等)、及び、要配達荷物の個口数を表す。
(a10)置き配情報:置き配の可否、置き配場所の指定、置き配を実施する条件の指定(日時、天候等)等が含まれ得る。
(a11)巡回順:利用者がその日に配達すべき荷物情報がn個(nは任意の自然数)ある場合に、その荷物情報が示す要配達荷物を何番目に配達するかを表す数字、換言すれば、巡回順を表す数字。巡回順は、荷物情報の登録順に応じて自動的に設定されてもよいし、後述の配達支援処理において設定及び変更可能とされてもよい。
【0023】
なお、荷物情報は、上述した項目の一部を省略してもよく、例示しない他の情報が含まれてもよい。
図2には、ある利用者Aについての荷物情報の一例を示すが、他の利用者B,C等についても、上述した要配達荷物の情報(荷物情報)が、予め荷物情報DB141内に記憶されている。
【0024】
図1に戻り、説明を続ける。地図情報DB142は、地図画像を表すデータを格納するデータベースである。地図画像を表すデータには、地形、建物、道路の形状等、地図表示のために必要な情報が含まれている。
【0025】
仮想3Dモデル144は、実在する地物(地上にある、自然あるいは人工のすべての物であって、建物や道路を含む)について、仮想的に構築された三次元モデルである。仮想3Dモデル144は、配達支援処理において、案内部111が、配達先である建物に対してオブジェクトを重畳するために用いられる。詳細は後述する。
【0026】
利用者端末30は、例えば、図示するスマートフォンのほか、クローズ型のARグラス、ウェアラブルデバイス等の任意のデバイスとして構成できる。なお、利用者端末30としては、パーソナルコンピュータや、車載装置が使用されてもよい。利用者端末30は、CPU310と、通信部320と、ROM/RAM330と、記憶部340と、入出力部350と、現在位置取得部360とを備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
【0027】
CPU310は、ROM330に格納されているコンピュータプログラムをRAM330に展開して実行することにより、利用者端末30の各部を制御するほか、処理部311としても機能する。処理部311は、サーバ10と協働して、後述の配達支援処理を実行する。通信部320は、サーバ10など他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。
【0028】
記憶部340は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成されている。入出力部350は、利用者端末30と利用者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部350のうち入力部としては、カメラと、タッチパネルを含む。入出力部350のうち表示部(出力部)としては、タッチパネルや、液晶パネル等を採用できる。現在位置取得部360は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)やQZSS(Quasi-Zenith Satellite System/準天頂衛星システム)を構成する人工衛星から送信された電波を受信し、利用者端末30の現在位置を表す現在位置情報(緯度および経度)を取得する。ここで、利用者端末30は利用者が持ち歩いているため、現在位置取得部360により取得された現在位置は、利用者の現在位置と同視できる。
【0029】
図3は、配達支援処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図3では、サーバ10の構成要素を破線枠で囲むと共に、利用者端末30を単に「端末30」と表している。本実施形態の配達支援処理は、予め準備された荷物情報DB141、地図情報DB142、及び仮想3Dモデル144を利用して、利用者による要配達荷物の配達を支援する処理である。配達支援処理は、任意のタイミングで実行され得る。
図3の例では、配達支援処理は、利用者端末30にインストールされている所定のアプリケーションの起動を契機として実行される。
【0030】
ステップS10において、所定のアプリケーションの起動に伴って、利用者端末30の処理部311は、サーバ10に対して利用者IDを送信する。利用者IDは、各利用者を区別するために一意に付与されたIDである。
【0031】
ステップS12において、サーバ10の案内部111は、利用者IDをキーとして荷物情報DB141を検索し、当該利用者がその日に配達する要配達荷物の情報(荷物情報、情報a1~a11)を取得する。
【0032】
ステップS14において、サーバ10の案内部111は、利用者端末30において画面表示のために用いられる一連のデータ(表示用データ)を生成する。ステップS16において、サーバ10の案内部111は、生成した表示用データを利用者端末30に送信する。ステップS18において、利用者端末30の処理部311は、受信した表示用データを用いて、入出力部350に画面を表示させる。以降、表示用データを用いて利用者端末30に表示される一連の画面について説明する。なお、サーバ10と利用者端末30とは、後述する画面遷移を実現するために、ステップS14~S18の処理を繰り返し実行してもよい。
【0033】
図4は、地図表示画面W1の一例を示す図である。地図表示画面W1は、
図3のステップS18において利用者端末30に初期表示される画面である。地図表示画面W1には、地図と、地図上に配置された複数のピンP1~P11と、現在位置シンボルPLと、ボタンB1~B7と、ボタンB11とが含まれている。なお、地図表示画面W1に表示されている地図の中心位置や縮尺は、任意に定めることができる。
【0034】
ピンP1~P11は、地図上において要配達荷物の配達先に相当する位置にそれぞれプロットされた目印である。換言すれば、ピンP1~P11は、利用者が配達すべき複数の要配達荷物の配達先をそれぞれ表す目印である。各ピンは、荷物情報の時間帯指定(情報a6)に応じて色分け表示されている。各ピンの内部には、荷物情報の荷物状況(情報a8)を表す文字が記載されている。すなわち、各ピンは、時間帯指定の情報a6と、荷物状況の情報a8とを含んでいる。ピンP1,P6のように、1つの集合住宅に複数の配達先が存在する場合は、ピンには、配達先数に応じた数を記したバッジが付される。各ピンは、それぞれ「配達先ピン」に相当する。
【0035】
ボタンB1は、メニュー画面に遷移するためのボタンである。メニュー画面では、利用者の個人設定(名前、連絡先等)の確認及び変更や、アプリケーションの汎用設定(各種初期値等)の確認及び変更ができる。ボタンB2は、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物の総数が表示されたボタンである。ボタンB2のタップによって、荷物一覧画面W2へと遷移する。ボタンB3は、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物が全て1画面に収まる縮尺へと、地図の縮尺を変更するためのボタンである。例えば、ボタンB2に要配達荷物の総数として「150件」と表示されていれば、ボタンB3のタップによって、地図表示画面W1には、当該150件分のピンが1画面に収まった広域地図が表示される。ボタンB4は、ピンを絞り込み(フィルタ)表示するためのボタンである。ボタンB4のタップによって、荷物絞込画面W6へと遷移する。ボタンB5は、地図上へのピンの表示/非表示を切り替えるためのボタンである。ボタンB6は、現在位置シンボルPLが地図の中心になるように、地図の中心位置を変更するためのボタンである。ボタンB7は、地図表示画面W1内の地図の縮尺を拡大(+タップ時)、または、縮小(-タップ時)するためのボタンである。
【0036】
ボタンB11は、拡張現実モードに移行するためのボタンである。拡張現実モードでは、入出力部350のカメラが自動的に起動し、利用者がカメラレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、要配達荷物の配達先である建物に対して、配達先の情報を表すオブジェクトが重畳表示される。詳細は後述する。
【0037】
図5は、荷物一覧画面W2の一例を示す図である。荷物一覧画面W2は、地図表示画面W1においてボタンB2がタップされた場合に表示される画面である。荷物一覧画面W2には、時間帯スライダーバー上に表示されたボタンB100と、荷物情報BI1~BI4と、キャンセルボタンBCと、が含まれている。なお、
図5の例では、荷物一覧画面W2には4つの荷物情報のみが表示されている。しかし、荷物一覧画面W2では、画面スクロールによって、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物の荷物情報の全てが参照できる。
【0038】
ボタンB100は、バー上に表示された各時間帯へとボタンB100をスライドさせることによって、荷物情報BI1~BI4に表示される荷物情報を、時間帯指定(情報a6)によって絞り込み表示するためのボタンである。キャンセルボタンBCは、荷物一覧画面W2を閉じて地図表示画面W1へと遷移させるためのボタンである。
【0039】
荷物情報BI1~BI4には、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物についての、個々の荷物情報が表示されている。荷物情報BI1~BI4は、ボタンB11を用いた絞り込み条件下において、巡回順(情報a11)が若い順、換言すれば巡回順(情報a11)が早い順にソートされている。図示の例では、荷物情報BI1が最も巡回順が早く、荷物情報BI2、荷物情報BI3,荷物情報BI4の順に巡回順が設定されていることを表す。
【0040】
例えば、
図5に示す表示D1は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の時間帯指定(情報a6)、及び、荷物状況(情報a8)の表示である。表示D2は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の配達先住所(情報a1)の表示である。表示D3は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の表札情報/ビルテナント情報(情報a4)の表示である。表示D4は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の大きさ及び個口数(情報a9)の表示である。表示D5は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の置き配可否(情報a10)、及び、宅配ボックス利用可否(情報a7)の表示である。表示D6,D7は、荷物情報BI4が示す要配達荷物の備考情報(情報a5)の表示である。
【0041】
図6は、荷物情報詳細画面W3の一例を示す図である。荷物情報詳細画面W3は、荷物一覧画面W2において荷物情報BI1~BI4のいずれか1つがタップされた場合に表示される画面である。
図6では、
図5の荷物情報BI1がタップされた場合に表示される荷物情報詳細画面W3を例示している。荷物情報詳細画面W3には、荷物情報BI1と、ボタンB111,B112,B113と、が含まれている。
【0042】
荷物情報詳細画面W3は、特定の1つの荷物情報BI(図示の例ではBI1)の詳細を表す画面に相当し、利用者は、荷物情報詳細画面W3を用いて荷物情報BIを参照及び編集できる。荷物情報BI1には、現在の荷物情報DB141に基づく荷物情報が表示されている。例えば利用者は、荷物情報BI(図示の例ではBI1)欄の宅配ボックスチェックボックスにおけるチェックを変更することで、宅配ボックス利用可否(情報a7)を変更できる。また、利用者は、表札情報や備考情報のテキストボックスに文字を入力することで、表札情報/ビル・テナント情報(情報a4)や備考情報(情報a5)を変更できる。利用者は、時間指定の選択マークを移動させることで、時間帯指定(情報a6)を変更できる。さらに、利用者は、要配達荷物の配達が完了した際、配達状況の選択マークを「完了」に移動させた上で、荷物状況(情報a8)を変更できる。
【0043】
ボタンB111は、荷物情報BI(図示の例ではBI1)に表示される情報量を増加あるいは減少させるためのボタンである。ボタンB112は、荷物情報BI(図示の例ではBI1)が表す配達先へのナビゲーションを行うためのボタンである。配達先へのナビゲーションについて詳細は後述する。
【0044】
ボタンB113は、上述したチェックボックス、テキストボックス、及び選択マークに対する入力内容を用いた変更を確定するためのボタンである。ボタンB113のタップを検出した際に、利用者端末30は、荷物情報詳細画面W3における入力内容(チェックボックス、テキストボックス、選択マークの値)をサーバ10に送信する。その後、サーバ10の案内部111は、受信した情報を用いて荷物情報DB141を更新する。
【0045】
図7は、配達先情報画面W4の一例を示す図である。配達先情報画面W4は、地図表示画面W1において、任意の1つのピンがタップされた場合に表示される画面である。
図7では、ピンP1がタップされた場合に表示される配達先情報画面W4を例示している。配達先情報画面W4には、拡大地
図W41と、情報表示W42と、が含まれている。
【0046】
拡大地
図W41は、タップされたピンが付された建物(図示の例では、ピンP1が付された建物BU1)を中心とした、当該建物近傍を拡大して表す狭域地図である。
【0047】
情報表示W42には、タップされたピンが付された建物(図示の例では、ピンP1が付された建物BU1)の情報を表す情報BUIと、当該建物内の居住者を配達先とする要配達荷物の荷物情報BI1,BI2と、が含まれている。荷物情報BI1,BI2には、
図6(荷物一覧画面W2)と同様の情報が表示されている。情報BUIには、タップされたピンが付された建物(図示の例では、ピンP1が付された建物BU1)の住所及び名称の表示と、ボタンB101,B102と、が含まれている。
【0048】
ボタンB101は、ボタンB101がタップされることによって、情報BUIが表す配達先(建物)へのナビゲーションを開始するためのボタンである。配達先へのナビゲーションについて詳細は後述する。ボタンB102は、情報BUIが表す建物における宅配ボックスの有無(情報a3)を設定変更するためのボタンである。
【0049】
配達先へのナビゲーションについて説明する。荷物情報詳細画面W3(
図6)のボタンB112のタップ、または、配達先情報画面W4(
図7)のボタンB101のタップを検出した利用者端末30は、
図3のステップS20に示すように、現在地(現在位置取得部360により取得された現在位置情報)と、配達先住所と、を含む経路探索要求をサーバ10に送信する。なお、配達先情報画面W4のボタンB101のタップをトリガとする場合、ステップS20では、配達先住所に代えて、ピンP1の識別情報が送信されてもよい。
【0050】
ステップS22に示すように、サーバ10の案内部111は、受信した現在地を出発地とし、配達先住所を目的地とした経路(出発から目的地までの走行ルート)を取得する。この際、案内部111は、インターネットINTを介して接続された外部の経路探索サーバから経路を取得してもよいし、サーバ10自身が経路DBと経路探索部を備える場合は、経路探索部から経路を取得してもよい。
【0051】
ステップS24において案内部111は、取得した経路を利用者端末30へと送信する。その後、ステップS26において利用者端末30では、受信した経路を用いたナビゲーションが行われる。
【0052】
図8は、ナビゲーション画面W5の一例を示す図である。ナビゲーション画面W5は、荷物情報詳細画面W3のボタンB112、または、配達先情報画面W4のボタンB101をタップした際に表示される画面、換言すれば、
図3のステップS26において利用者端末30に表示される画面である。
【0053】
ナビゲーション画面W5には、行先表示W51と、拡大地
図W52と、が含まれている。行先表示W51は、次の右左折あるいは直進ポイントを拡大図付きで表す案内表示である。拡大地
図W52は、配達先までの経路(走行ルート)と、現在位置シンボルPLとを含み、現在位置近傍を拡大して表す狭域地図である。拡大地
図W52には、ボタンB121が配置されている。ボタンB121は、地図表示画面W1(
図4)のボタンB11と同様に、拡張現実モードに移行するためのボタンである。
【0054】
図9は、荷物絞込画面W6の一例を示す図である。荷物絞込画面W6は、地図表示画面W1(
図4)においてボタンB4がタップされた場合に表示される画面である。荷物絞込画面W6には、地図表示画面W1におけるピンを絞り込むための2種類の候補C1,C2と、キャンセルボタンBCと、が含まれている。
【0055】
候補C1は、荷物情報のうちの荷物状況(情報a8)を用いて、地図表示画面W1におけるピンを絞り込むためのアイコン群である。候補C2は、荷物情報のうちの時間帯指定(情報a6)を用いて、地図表示画面W1におけるピンを絞り込むためのアイコン群である。利用者は、候補C1,C2の中から、ピンの絞り込みを意図する1つのアイコンをタップする。これにより、利用者端末30の入出力部350に表示された画面が更新されて、候補C1,C2から選択された条件に該当するピンのみが配置された地図表示画面W11が表示される。なお、荷物絞込画面W6は、候補C1,C2から複数のアイコン(複数の条件)を選択可能に構成されてもよい。
【0056】
図10は、ピンの絞り込みが行われた後の地図表示画面W11の一例を示す図である。
図10の例では、
図9に示す荷物絞込画面W6において、利用者が候補C2の「午前中」を選択した場合に表示される地図表示画面W11を示す。地図表示画面W11では、図示のように、荷物情報のうちの荷物状況(情報a8)あるいは時間帯指定(情報a6)が、候補C1,C2から選択された条件に該当するピンのみが地図上に配置されている。
【0057】
以降、拡張現実モードについて説明する。地図表示画面W1(
図4)のボタンB11のタップ、または、ナビゲーション画面W5(
図8)のボタンB121のタップを検出した利用者端末30は、
図3のステップS30に示すように、利用者端末30の座標情報と、方向情報と、を取得してサーバ10に送信する。利用者端末30の座標情報は、現在位置取得部360から得られる利用者端末30の現在位置の三次元座標(XYZ座標)である。利用者端末30の方向情報は、利用者端末30に内蔵されたジャイロセンサから得られる、カメラの向き及び角度である。なお、方向情報は、ジャイロセンサに加えて、磁気センサ、加速センサ、GPS等の情報も組み合わされて求められてもよい。その後、利用者端末30は、ステップS32に示すように、入出力部350のカメラを自動的に起動させる。
【0058】
図3のステップS34において、サーバ10の案内部111は、ARレイヤを、次の手順b1~b7によって生成する。
(b1)案内部111は、仮想3Dモデル144の三次元モデルを読み込む。
(b2)案内部111は、ステップS30で取得した座標情報(XYZ座標)を用いて、三次元モデル内における利用者端末30の三次元位置(XYZ座標)を求める。
(b3)案内部111は、ステップS30で取得した方向情報を用いて、三次元モデル内におけるカメラの向き及び角度を求める。
(b4)案内部111は、三次元モデルのうち、手順b2で求めた座標から、手順b3で求めた向き及び角度にある建物を特定する。
(b5)案内部111は、手順b4で特定した建物と、
図3のステップS12で取得した荷物情報とを照合し、手順b4で特定した建物のうち配達先である建物に対して重畳すべきオブジェクトを生成する。本手順で生成されるオブジェクトの特徴については
図11で説明する。
(b6)案内部111は、手順b4で特定した建物に対して、手順b5で生成したオブジェクトを配置する。
(b7)案内部111は、オブジェクト配置後、手順b2で求めた座標から、手順b3で求めた向き及び角度にある所定範囲をトリミングすることで、ARレイヤを生成する。なお、手順b7の所定範囲は、利用者端末30のカメラ撮像範囲と一致している。
【0059】
ステップS36において、サーバ10の案内部111は、ステップS34で生成したARレイヤを利用者端末30に送信する。ステップS38において利用者端末30は、カメラ画像と、サーバ10から取得したARレイヤとを重畳して、入出力部350に表示する。
【0060】
図11は、拡張現実画面W7の一例を示す図である。拡張現実画面W7は、地図表示画面W1のボタンB11、または、ナビゲーション画面W5のボタンB121をタップした際に表示される画面、換言すれば、
図3のステップS38において利用者端末30に表示される画面である。
【0061】
拡張現実画面W7では、外景OVと、ARレイヤL1とが重畳表示されている。外景OVは、
図11上部の吹き出し内に示すように、利用者端末30のカメラにより写されている実際の街並みの外景、換言すれば、利用者がカメラレンズ越しに視認する実際の街並みの外景である。図示の例では、外景OVには、配達先である2件の建物BU11,BU12が含まれている。
【0062】
ARレイヤL1は、
図11上部の吹き出し内に示すように、
図3のステップS34により生成されたレイヤ(オブジェクトが配置されたレイヤ)である。図示の例では、ARレイヤL1には、建物BU11に重畳するための第1オブジェクトOB1と、建物BU12に重畳するための第2オブジェクトOB2とが含まれている。
【0063】
図11のオブジェクトOB1,2は、次のc1~c6に示す全ての特徴を有している。オブジェクトOB1,2は、配達先の情報を表すARタグである。
(c1)オブジェクトOB1,2は、オブジェクトの外縁を形成する枠の内部に、配達先の情報として、荷物情報の表札情報/ビル・テナント情報(情報a4)を表す文字が配置されている。
(c2)オブジェクトOB1,2は、配達先である建物BU11,BU12のうち、利用者が移動中の道路に面した壁面に配置されている。
(c3)オブジェクトOB1,2は、各オブジェクトが配置された建物BU11,BU12の壁面いっぱいの大きさ(壁面と同じ大きさ)を有し、板状である。
(c4)オブジェクトOB1,2は、利用者と、各オブジェクトが配置された建物BU11,BU12との間の距離に応じて、オブジェクトOB1,2の大きさが変化している。図示の例では、距離が相対的に近いオブジェクトOB1は、距離が相対的に遠いオブジェクトOB1よりも大きい。
(c5)オブジェクトOB1,2は、利用者と、各オブジェクトが配置された建物BU11,BU12との間の距離に応じて、オブジェクトOB1,2に配置された文字の大きさが変化している。図示の例では、距離が相対的に近いオブジェクトOB1は、距離が相対的に遠いオブジェクトOB1よりも小さな文字が配置されている。
(c6)オブジェクトOB1,2は、利用者と、各オブジェクトが配置された建物BU11,BU12との間の距離に応じて、オブジェクトOB1,2に配置された文字の奥行き感が変化している。図示の例では、距離が相対的に近いオブジェクトOB1は、距離が相対的に遠いオブジェクトOB1よりもより奥行き感を強く感じる態様(換言すれば、歪みの大きい態様)の文字が配置されている。
【0064】
このように、外景OVにARレイヤL1が重畳表示されることによって、利用者は、カメラレンズ越しに実際に視認する配達先BU11,BU12に対して、重畳表示されたオブジェクトOB1,2を視認することができる(
図11下段)。
【0065】
図12は、オブジェクトの特徴c1に関する変形の説明図である。
【0066】
図12(A)に示すように、配達先が集合住宅内にある場合、当該配達先である建物(アパートやマンション)に重畳するためのオブジェクトOBには、部屋番号が含まれてもよい。
図12(B)に示すように、配達先が複数棟からなる集合住宅内にある場合、当該配達先である建物に重畳するためのオブジェクトOBには、配達先が何号棟であるかを示す情報と、部屋番号とが含まれていてもよい。
図12(C)に示すように、配達先が複数棟からなる集合住宅内にある場合、当該配達先である建物に重畳するためのオブジェクトOBには、配達先が何号棟であるかを示す情報のみが含まれ、部屋番号が省略されてもよい。
図12(D)に示すように、配達先が複数棟からなる集合住宅内にある場合、当該配達先である建物に重畳するためのオブジェクトOBには、配達先である建物の名称と、配達先が何号棟であるかを示す情報のみが含まれ、部屋番号や表札情報が省略されてもよい。
【0067】
図12(E)に示すように、1つの建物に複数の配達先が存在する場合、当該建物に重畳するためのオブジェクトOBには、建物内の配達先数を示すバッジが付与されていてもよい。なお、建物内の配達先数は、バッジ以外の態様(例えば、枠内の文字表示等)により実現されてもよい。
図12(F)に示すように、1つの建物に複数の配達先が存在する場合、当該建物に重畳するためのオブジェクトOBには、代表となる表札情報に代えて、配達先である建物の名称と、配達先が何号棟であるかを示す情報が配置されてもよい。
【0068】
図12(G)に示すように、配達先がテナントである場合、当該配達先である建物(ビル等)に重畳するためのオブジェクトOBには、ビル・テナント情報が含まれてもよい。
図12(H)に示すように、配達先の情報としては、荷物情報の表札情報/ビル・テナント情報(情報a4)に加えて、または、表札情報/ビル・テナント情報(情報a4)に代えて、荷物情報として挙げたa1~a11の中から任意の情報が採用さてよい。図示の例では、巡回順(情報a11)と、時間帯指定(情報a6)とがさらに含まれている。
【0069】
図13は、オブジェクトの特徴c2~c6に関する変形の説明図である。
図11では、オブジェクトOB1,2は、特徴c1に加えて、特徴c2~c6の全てを備えるとしたが、特徴c2~c6は、その少なくとも一部分が省略されてもよい。また、オブジェクトOB1,2の特徴c2~c6は、その少なくとも一部分が変更されてもよい。
【0070】
例えば、
図13(A)のARレイヤL1aに示すように、オブジェクトOB1a,2aには、荷物情報の時間帯指定(情報a6)に応じた着色が施されてもよい。この着色は、オブジェクト内に配置される文字色の変更によって実現されてもよく、オブジェクトの外枠の色の変更によって実現されてもよく、オブジェクト枠内の色の変更によって実現されてもよい。
【0071】
図13(B)のARレイヤL1bに示すように、オブジェクトOB1b,2bは、利用者と、各オブジェクトが配置された建物BU11,BU12との間の距離に関係なく一定の大きさを有していてもよい。さらに、オブジェクトOB1b,2bには、奥行き感のない文字(換言すれば、歪みのない文字)が配置されていてもよい。
【0072】
図13(C)のARレイヤL1cに示すように、オブジェクトOB1c,2cは、利用者が移動中の道路に面した壁面とは異なる位置に配置されていてもよい。図示の例では、オブジェクトOB1c,2cは、配達先である建物から延びる吹き出しの態様とされている。しかし、オブジェクトOB1c,2cは、配達先である建物の上(例えば、屋根よりも上部の空の部分)に配置された文字から構成されてもよく、任意の態様とできる。
【0073】
また、特徴c4~c6に加えて、あるいは、特徴c4~c6のいずれかに代えて、案内部111は、利用者と、各オブジェクトが配置された建物BU11,BU12との間の距離に応じて、オブジェクトOB1,2の視認性を変化させてもよい。この場合、例えば、距離が相対的に近いオブジェクトを、距離が相対的に遠いオブジェクトよりも濃い色(透過度を低く設定)にすることで、近いオブジェクトの視認性を向上させてもよい。逆に、距離が相対的に遠いオブジェクトを、距離が相対的に近いオブジェクトよりも濃い色にすることで、遠いオブジェクトの視認性を向上させてもよい。視認性の向上は、透過度の設定に限らず、オブジェクトの大きさ、文字色の変更等の任意の手段によって実現できる。
【0074】
さらに、特徴c2に加えて、あるいは、特徴c2に代えて、案内部111は、配達先が集合住宅内にある場合や、配達先がビル内のテナントである場合に、当該配達先である建物のうち、配達先の部屋が実際に存在する階、または配達先の部屋が実際に存在する位置のみに、オブジェクトを配置してもよい。
【0075】
さらに、入出力部350に表示されたオブジェクトOB,OB1,2,1a~1c,2a~2cへのタップを検出した場合に、タップされたオブジェクトに対応する荷物情報を表示させてもよい。荷物情報の表示は、ARレイヤによって実現されてもよいし、
図6で説明した荷物情報詳細画面W3への遷移によって実現されてもよい。
【0076】
図14は、ARレイヤL1に関する変形の説明図である。
図14の例では、案内部111は、上述したARレイヤL1,L1a~dに代えて、ARレイヤL1dを生成する。
図14(A)に示すように、ARレイヤL1dには、上述したオブジェクトOB1,2に加えてさらに、方向案内オブジェクトOB3が配置されている。
【0077】
図14(B)は、方向案内オブジェクトOB3について説明する図である。方向案内オブジェクトOB3は、利用者がカメラレンズ越しに視認する外景OVの範囲外に、配達先である建物が存在する旨と、当該範囲外にある配達先建物(以降「範囲外建物」とも呼ぶ)の方向と、範囲外建物までの距離と、を示すARタグである。
図14(A)の例では、方向案内オブジェクトOB3は、ARレイヤL1dの左端に配置された矢印と、「500m」という距離表示を含んでいる。
【0078】
サーバ10の案内部111は、上述した手順b1~b7のうち、手順b6に代えて、次の手順d1~d6を実行することで、ARレイヤL1dを生成できる。
(d1)案内部111は、
図3のステップS12で取得した荷物情報を用いて、利用者端末30を中心として所定範囲内に位置する配達先建物を抽出する。所定範囲とは任意に定めることができ、例えば数kmとできる。
図14(B)の例では、手順d1の結果、建物BU11,BU12,BU13が抽出される。
(d2)案内部111は、手順d1で抽出された建物から、手順b4で特定した建物(すなわち、利用者端末30のカメラで撮影可能な範囲CAに位置する建物)を除外する。
図14(B)の例では、手順d2の結果、建物BU11,BU12が除外され、範囲外建物BU13が残存する。
(d3)案内部111は、方向案内オブジェクトOB3の表示態様を決定する。案内部111は、平面地図上において利用者端末30を中心としたとき、範囲外建物BU13がDD1,DD2,DD3,DD4のどの方向に位置するかを、位置情報の比較によって求める。案内部111は、範囲外建物BU13が方向DD1に位置する場合、方向案内オブジェクトOB3を下向き矢印とし、ARレイヤL1dの下縁に配置すると決定する。同様に、案内部111は、範囲外建物BU13が方向DD2に位置する場合、方向案内オブジェクトOB3を上向き矢印としてARレイヤL1dの上縁に配置すると決定し、範囲外建物BU13が方向DD3に位置する場合、方向案内オブジェクトOB3を左向き矢印としてARレイヤL1dの左縁に配置すると決定し、範囲外建物BU13が方向DD4に位置する場合、方向案内オブジェクトOB3を右向き矢印としてARレイヤL1dの右縁に配置すると決定する。
(d4)案内部111は、方向案内オブジェクトOB3のうちの距離情報を求める。距離情報としては、利用者端末30から範囲外建物BU13までの直線距離LAや、範囲外建物BU13の最寄の配達先建物BU12から範囲外建物BU13までの直線距離LBを使用できる。また、案内部111は、利用者端末30から範囲外建物BU13までの走行ルートを探索し、当該走行ルートにおける走行距離を距離情報としてもよい。
(d5)案内部111は、手順d3で決定した表示態様を有し、かつ、手順d4で算出された距離情報を有する方向案内オブジェクトOB3を生成する。
(d6)案内部111は、手順b4で特定した建物に対して、手順b5で生成したオブジェクトを配置し、さらに手順d5で生成した方向案内オブジェクトを配置する。
【0079】
この結果、
図14(A)に示すように、外景OVにARレイヤL1dが重畳表示されることによって、利用者は、カメラレンズ越しに実際に視認する配達先BU11,BU12に対して、重畳表示されたオブジェクトOB1,2を視認すると共に、範囲外建物BU13の存在及び範囲外建物BU13の方向を示す矢印と、範囲外建物BU13までの距離を表す方向案内オブジェクトOB3を視認することができる。図示の例では、方向案内オブジェクトOB3は1つのみ表示されているが、手順d1の所定範囲内に複数の範囲外建物が存在する場合、ARレイヤL1dには、各範囲外建物に対応した複数の方向案内オブジェクトOB3が含まれることとなる。
【0080】
なお、手順d1の所定範囲内に複数の範囲外建物が存在する場合、ARレイヤL1dには、最も近い1つ(あるいは所定個数)の範囲外建物に対応した方向案内オブジェクトOB3のみが含まれてもよい。また、方向案内オブジェクトOB3の矢印と、距離表示とのいずれか一方は、省略してもよい。さらに、方向案内オブジェクトOB3には、荷物情報に記憶されている情報a1~a11の少なくともいずれかが、付加的情報として含まれてもよい。
【0081】
以上のように、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、利用者がカメラレンズ越しに視認する外景OVに含まれる建物のうち、配達先である建物BU11,BU12に対して、配達先の情報OB1,2を重畳表示させる。このため、配達先が類似した家屋あるいは部屋が立ち並ぶ中に存在する個人宅や、表札が掲げられていない個人宅といった識別しづらい外観を有している場合であっても、利用者は、荷物を配達すべき配達先を一見して容易に識別できる。この結果、配達業務を支援する技術において、荷物の配達先の識別性を向上させることができる。
【0082】
また、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、配達先である建物BU11,BU12のうち、利用者が移動中の道路に面した壁面に対して配達先の情報を表すオブジェクトOB1,2を重畳表示させる(特徴c2)。このため、オブジェクトが建物の上(例えば、屋根や上空)に配置される場合と比較して、利用者がオブジェクトOB1,2を確認する際の目線移動量を減らすことができる。この結果、利用者がオブジェクトOB1,2を視認しつつ移動している場合でも、配達先の情報を安全に確認できる。また、案内部111は、オブジェクトOB1,2の形状を板状とする(特徴c3)。このため、板状ではない他の形状(例えば、吹き出し状)のオブジェクトと比較して、道路や通行人といった建物周囲の外景OVを遮ることがなく、安全性をより一層向上できる。
【0083】
さらに、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、利用者と、配達先である建物BU11,BU12との間の距離に応じて、オブジェクトOB1,2そのものの大きさと、文字の大きさと、文字の奥行き感と、の少なくとも一部を変化させる(特徴c4~c6)。このため、利用者は、自身と配達先である建物BU11,BU12との距離感を一見して容易に把握できる。
【0084】
さらに、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、オブジェクトOB1,2に対して、配達先の表札を表す文字と、配達先があるビル名及びテナント名を表す文字と、のいずれか一方を配置する(特徴c1)。このため、オブジェクトOB1,2に必要最小限の情報を配置することで、オブジェクトOB1,2の視認性をより向上することができる。
【0085】
さらに、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、オブジェクトOB1,2に対して、時間帯指定に応じた着色を施す(
図13(A))。このため、利用者は、オブジェクトOB1,2の色によって、一見して、配達先ごとの時間帯指定の情報を把握できる。この結果、利用者における利便性をより向上できる。
【0086】
さらに、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、配達先である建物BU13が外景OVの範囲外に存在する場合に、当該建物BU13が存在する方向を示す方向案内オブジェクトOB3を重畳表示させる(
図14)。このため、利用者は、方向案内オブジェクトOB3の存在によって容易に、現在視認している外景OVの範囲外に配達先である建物BU13が存在することを把握できる。また、利用者は、方向案内オブジェクトOB3が指し示す方向に沿ってカメラレンズを移動させることで、当該配達先BU13の情報を確認することができる。
【0087】
さらに、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、オブジェクトOBに対して、配達先への巡回順を表す文字を配置する(
図12(H))。このため、利用者は、一見して、配達先ごとの巡回順を把握できる。この結果、利用者における利便性をより向上できる。
【0088】
B.第2実施形態:
図15は、第2実施形態の配達支援システム1Aの概略構成を示す図である。
図16は、第2実施形態の配達支援処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。第2実施形態では、利用者端末30Aとしてシースルー型のARグラスを用いることで、利用者が透明レンズ越しに外景OVを透過視する場合について説明する。第2実施形態の配達支援システム1Aは、第1実施形態で説明した構成において、利用者端末30に代えて利用者端末30Aを備えている。
【0089】
利用者端末30Aは、第1実施形態で説明した構成において、CPU310に代えてCPU310Aを備えると共に、入出力部350に代えて入出力部350Aを備える。CPU310Aは、処理部311Aの機能を実行する。処理部311Aは、
図16に示す配達支援処理を実行する。入出力部350Aは、カメラを有しておらず、表示部として透過型の(透明な)ディスプレイを有している。
【0090】
第2実施形態の配達支援処理は、第1実施形態で説明した配達支援処理(
図3)においてステップS32が実行されず、かつ、ステップS38に代えてステップS38Aが実行される。ステップS38Aにおいて利用者端末30Aは、入出力部350Aに対して、サーバ10から取得したARレイヤを表示させる。入出力部350Aは透過型ディスプレイであるため、利用者は、透過型ディスプレイのレンズ越しに透過視(透過して視認)する外景に含まれる建物のうち、配達先である建物に対して配達先の情報(ARレイヤに含まれるオブジェクトOB1,2)が重畳表示されたものを確認できる。
【0091】
このように、配達支援システム1Aの構成は種々の変更が可能であり、カメラによって撮像された外景OV、換言すれば、カメラレンズ越しに視認する外景OVに代えて、透過型ディスプレイのレンズ越しに透過視する外景に対して、ARレイヤを重畳表示させてもよい。第2実施形態の配達支援システム1Aによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第2実施形態の配達支援システム1Aによれば、シースルー型のARグラスを用いてシステムを構成できる。なお、配達支援システム1Aでは、シースルー型のARグラスに代えて、車両のフロントガラスを透過型ディスプレイとして利用する車載装置等を利用者端末30Aとして利用してもよい。
【0092】
C.第3実施形態:
図17は、第3実施形態の配達支援システム1Bの概略構成を示す図である。第3実施形態の配達支援システム1Bは、利用者端末30に代えて利用者端末30Bを備えると共に、サーバ10を備えない。第3実施形態の利用者端末30Bは、サーバ10と協働せずに配達支援処理を実行する。本実施形態では、利用者端末30Bが「案内装置」に相当する。
【0093】
利用者端末30BのCPU310Bは、処理部311に加えてさらに、案内部312を備える。案内部312は、第1実施形態で説明した案内部111と同様の機能を実行する。利用者端末30Bの記憶部340Bには、荷物情報DB341と、地図情報DB342と、仮想3Dモデル344が記憶されている。荷物情報DB341は、第1実施形態で説明した荷物情報DB141と同様であり、地図情報DB342は、第1実施形態で説明した地図情報DB142と同様であり、仮想3Dモデル344は、第1実施形態で説明した仮想3Dモデル144と同様である。
【0094】
このように、配達支援システム1Bの構成は種々の変更が可能であり、利用者端末30Bが案内装置として構成されてもよい。なお、荷物情報DB341、地図情報DB342、及び仮想3Dモデル344の少なくとも一部が外部のデータサーバに記憶された構成としてもよい。この場合、案内部312は、配達支援処理(
図3、
図16)において都度データサーバに接続し、必要なデータを取得すればよい。このような第3実施形態の配達支援システム1Bによっても、上述した第1,2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
D.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
【0096】
・変形例1:
上記実施形態では、配達支援システム、サーバ、利用者端末の構成の一例を示した。しかし、各装置の構成は任意の態様を採用することができる。
【0097】
例えば、サーバ10は、荷物情報を取得し、配達先の情報を拡張現実によって案内するだけの装置として構成されてもよい。換言すれば、サーバ10は、要配達荷物の配達を支援する機能(荷物情報の登録及び編集機能、フィルタ等の表示支援機能、現在地から配達先までのナビゲーション機能)を有していなくてもよい。
【0098】
例えば、サーバ10の荷物情報DB141、地図情報DB142、及び仮想3Dモデル144のうちの少なくともいずれかは、利用者端末30や、インターネットINTを介して接続された外部サーバに記憶されていてもよい。例えば、上述した荷物情報DB141、地図情報DB142、及び仮想3Dモデル144の構成はあくまで一例であり、例示した情報の一部を省略してもよく、例示しない他の情報を含んでもよく、複数のデータベースに分割して記憶されていてもよい。
【0099】
・変形例2:
上記実施形態では、配達支援処理(
図3、
図17)について、処理手順の一例を挙げて説明した。しかし、これらの処理手順は種々の変更が可能であり、各ステップにおける処理内容の追加、省略、変更をしてもよく、各ステップの実行順序を変更してもよい。なお、利用者端末30にステップS18,26,32,38,38Aを実行させるための命令は、ステップS14においてサーバ10により生成される表示用データ内に含まれている。このため、これらのステップは、サーバ10が利用者端末30に実行させていると言える。
【0100】
例えば、荷物情報の巡回順(情報a11)が決定している場合、拡張現実モードにおける外景への配達先の情報の重畳表示は、次に巡回する配達先に限って行われてもよい。このようにすれば、次に巡回する配達先を誤りなく発見しやすくできる。また、拡張現実モードにおける外景への配達先の情報の重畳表示の表示態様を、次に巡回する配達先と、次の次以降に巡回する配達先とで変化させてもよい。この場合、例えば、次に巡回する配達先での表示態様を、次の次以降に巡回する配達先での表示態様よりも目立つ(視認性の高い、注意を引きやすい)態様とできる。
【0101】
・変形例3:
上記実施形態では、利用者端末30,30Aに表示される各種の画面について、画面構成及び画面遷移の一例を挙げて説明した。しかし、これらの画面構成や画面遷移は種々の変更が可能であり、各画面に配置されるとした各項目の追加、省略、変更をしてもよく、各画面の遷移順序を変更してもよい。
【0102】
・変形例4:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0103】
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
案内装置であって、
利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、前記配達先である建物に対して、前記配達先の情報を重畳表示させる案内部を備える、案内装置。
[適用例2]
適用例1に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記配達先である建物のうち、前記利用者が移動中の道路に面した壁面に対して、前記配達先の情報を表す板状のオブジェクトを重畳表示させる、案内装置。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記利用者と、前記配達先である建物との間の距離に応じて、
当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトの大きさと、
当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトに配置する文字の大きさと、
当該建物に重畳表示させる前記オブジェクトに配置する文字の奥行き感と、
の少なくとも一部を変化させる、案内装置。
[適用例4]
適用例1から適用例3のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記オブジェクトに対して、
前記配達先の情報としての、前記配達先の表札を表す文字と、
前記配達先の情報としての、前記配達先があるビル名及びテナント名を表す文字と、
のいずれか一方を配置する、案内装置。
[適用例5]
適用例1から適用例4のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、さらに、
前記配達先へと前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を取得し、
前記オブジェクトに対してさらに、前記時間帯指定に応じた着色を施す、案内装置。
[適用例6]
適用例1から適用例5のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に対してさらに、前記配達先である建物が前記外景の範囲外に存在する場合に、当該建物が存在する方向を示す方向案内オブジェクトを重畳表示させる、案内装置。
[適用例7]
適用例1から適用例6のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記オブジェクトに対して、前記配達先への巡回順を表す文字を配置する、案内装置。
[適用例8]
案内方法であって、情報処理装置が、
利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、前記配達先である建物に対して、前記配達先の情報を重畳表示させる案内工程を備える、案内方法。
[適用例9]
コンピュータプログラムであって、情報処理装置に、
利用者が配達すべき複数の荷物の配達先の情報を取得し、前記利用者がレンズ越しに視認する外景に含まれる建物のうち、前記配達先である建物に対して、前記配達先の情報を重畳表示させる案内ステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0104】
1,1A,1B…配達支援システム
10…サーバ
30,30A,30B…利用者端末
110…CPU
111…案内部
120…通信部
130…ROM/RAM
140…記憶部
141…荷物情報データベース
142…地図情報データベース
144…仮想3Dモデル
310,310A,310B…CPU
311,311A…処理部
312…案内部
320…通信部
330…ROM/RAM
340,340B…記憶部
344…仮想3Dモデル
350,350A…入出力部
360…現在位置取得部