(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134345
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 61/00 20230101AFI20240926BHJP
G11C 11/16 20060101ALI20240926BHJP
H10N 50/10 20230101ALI20240926BHJP
H10N 50/80 20230101ALI20240926BHJP
【FI】
H10B61/00
G11C11/16 100A
H10N50/10 Z
H10N50/80 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044602
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 和也
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】吉野 健一
(72)【発明者】
【氏名】趙 亨峻
(72)【発明者】
【氏名】秋山 直紀
(72)【発明者】
【氏名】島野 拓也
【テーマコード(参考)】
4M119
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA03
4M119AA11
4M119AA19
4M119BB01
4M119CC05
4M119DD08
4M119DD17
4M119DD37
4M119DD42
4M119EE22
4M119EE27
5F092AA04
5F092AA11
5F092AA12
5F092AB07
5F092AC12
5F092AD23
5F092AD25
5F092BB10
5F092BB23
5F092BB36
5F092BB43
5F092BB53
5F092BB55
5F092BC03
5F092BC04
5F092BC07
5F092BC12
5F092EA04
(57)【要約】
【課題】 特性及び信頼性に優れたメモリセルを含む記憶装置を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る記憶装置は、第1の方向に延伸する第1の配線11と、第1の配線の上層側に設けられ、第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第2の配線12と、第1の配線と第2の配線との間に設けられたメモリセルであって、磁気抵抗効果素子30と、スイッチング素子40と、磁気抵抗効果素子とスイッチング素子との間に設けられた中間電極53と、磁気抵抗効果素子と第2の配線との間に設けられた抵抗層60とを含むメモリセル20とを備え、抵抗層の抵抗は、中間電極の抵抗よりも高い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延伸する第1の配線と、
前記第1の配線の上層側に設けられ、前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第2の配線と、
前記第1の配線と前記第2の配線との間に設けられたメモリセルであって、磁気抵抗効果素子と、スイッチング素子と、前記磁気抵抗効果素子と前記スイッチング素子との間に設けられた中間電極と、前記磁気抵抗効果素子と前記第2の配線との間に設けられた抵抗層とを含むメモリセルと、
を備える記憶装置であって、
前記抵抗層の抵抗は、前記中間電極の抵抗よりも高い
ことを特徴とする記憶装置。
【請求項2】
前記磁気抵抗効果素子は、前記スイッチング素子の上層側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
前記磁気抵抗効果素子は、前記スイッチング素子の下層側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【請求項4】
前記抵抗層は、前記スイッチング素子の上層側に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の記憶装置。
【請求項5】
前記抵抗層は、前記スイッチング素子の下層側に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の記憶装置。
【請求項6】
前記抵抗層は、半導体材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【請求項7】
前記中間電極は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含有する材料、タングステン(W)及び窒素(N)を含有する材料、又はタンタル(Ta)及び窒素(N)を含有する材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【請求項8】
前記磁気抵抗効果素子は、
可変の磁化方向を有する第1の磁性層と、
固定された磁化方向を有する第2の磁性層と、
前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に設けられた非磁性層と、
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【請求項9】
前記磁気抵抗効果素子は、第3の磁性層をさらに含み、
前記第2の磁性層は、前記非磁性層と前記第3の磁性層との間に設けられ、
前記第2の磁性層と前記第3の磁性層とは、互いに反強磁性結合されている
ことを特徴とする請求項8に記載の記憶装置。
【請求項10】
前記磁気抵抗効果素子は、前記第1の磁性層の垂直磁気異方性を高める補助層をさらに含み、
前記第1の磁性層は、前記非磁性層と前記補助層との間に設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載の記憶装置。
【請求項11】
前記スイッチング素子は、2端子型のスイッチング素子であり、2端子間に印加される電圧が閾値電圧よりも大きくなるとオフ状態からオン状態に移行する特性を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に、磁気抵抗効果素子とセレクタ(スイッチング素子)とを含むメモリセルが集積化された記憶装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特性及び信頼性に優れたメモリセルを含む記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る記憶装置は、第1の方向に延伸する第1の配線と、前記第1の配線の上層側に設けられ、前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線との間に設けられたメモリセルであって、磁気抵抗効果素子と、スイッチング素子と、前記磁気抵抗効果素子と前記スイッチング素子との間に設けられた中間電極と、前記磁気抵抗効果素子と前記第2の配線との間に設けられた抵抗層とを含むメモリセルと、を備える記憶装置であって、前記抵抗層の抵抗は、前記中間電極の抵抗よりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る記憶装置の基本的な概略構成を模式的に示した斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る記憶装置におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る記憶装置におけるセレクタの電流-電圧特性を模式的に示した図である。
【
図4】第1の実施形態に係る記憶装置の第1の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る記憶装置の第2の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る記憶装置の第3の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図7】第2の実施形態に係る記憶装置の基本的な概略構成を模式的に示した斜視図である。
【
図8】第2の実施形態に係る記憶装置におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図9】第2の実施形態に係る記憶装置の第1の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図10】第2の実施形態に係る記憶装置の第2の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図11】第2の実施形態に係る記憶装置の第3の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図12】第2の実施形態に係る記憶装置の第4の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図13】第2の実施形態に係る記憶装置の第5の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図14】第2の実施形態に係る記憶装置の第6の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図15】第2の実施形態に係る記憶装置の第7の変形例におけるメモリセルの詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る記憶装置の基本的な概略構成を模式的に示した斜視図である。
【0009】
なお、
図1に示されたX方向、Y方向及びZ方向は、互いに交差する方向である。具体的には、X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交している。他の図についても同様である。
【0010】
図1に示した記憶装置は、X方向に延伸する配線11と、配線11の上層側に設けられ且つY方向に延伸する配線12と、配線11と配線12との間に設けられたメモリセル20とを含んでいる。
【0011】
メモリセル20は、磁気抵抗効果素子30と、磁気抵抗効果素子30に対して直列に接続されたセレクタ(スイッチング素子)40とを含んでいる。磁気抵抗効果素子30及びセレクタ40は、Z方向に積層されている。本実施形態では、磁気抵抗効果素子30は、セレクタ40の上層側に設けられている。
【0012】
図2は、メモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0013】
すでに述べたように、メモリセル20は、X方向に延伸する配線11とY方向に延伸する配線12との間に設けられており、磁気抵抗効果素子30と、セレクタ40と、下部電極51と、上部電極52と、磁気抵抗効果素子30とセレクタ40との間に設けられた中間電極53と、磁気抵抗効果素子30と配線12との間に設けられた抵抗層60とを含んでいる。これらの要素は、配線11と配線12との間に積層されている。
【0014】
磁気抵抗効果素子30は、MTJ(magnetic tunnel junction)素子であり、記憶層(第1の磁性層)31と、参照層(第2の磁性層)32と、トンネルバリア層(非磁性層)33と、超格子層(第3の磁性層)34と、中間層35と、補助層36とを含んでいる。これらの層は、上部電極52と中間電極53との間に積層されている。すなわち、上部電極52が磁気抵抗効果素子30に対する上部電極として機能し、中間電極53が磁気抵抗効果素子30に対する下部電極として機能する。なお、上部電極52は、キャップ層としても機能する。また、中間電極53は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含有するチタン窒化物(TiN)で形成されている。中間電極53は、タングステン(W)及び窒素(N)を含有するタングステン窒化物(WN)或いはタンタル(Ta)及び窒素(N)を含有するタンタル窒化物(TaN)等で形成されていてもよい。
【0015】
磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の上層側に位置するトップフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0016】
記憶層31は、可変の磁化方向を有する強磁性層であり、例えば、コバルト(Co)、鉄(Fe)及びボロン(B)を含有するCoFeB層で形成されている。可変の磁化方向とは、所定の書き込み電流に対して磁化方向が変わることを意味する。
【0017】
参照層32は、固定された磁化方向を有する強磁性層であり、例えば、コバルト(Co)、鉄(Fe)及びボロン(B)を含有するCoFeB層で形成されている。固定された磁化方向とは、所定の書き込み電流に対して磁化方向が変わらないことを意味する。
【0018】
トンネルバリア層33は、記憶層31と参照層32との間に設けられた絶縁層であり、例えば、マグネシウム(Mg)及び酸素(O)を含有するMgO層で形成されている。
【0019】
超格子層34は、例えば、コバルト(Co)及びプラチナ(Pt)の超格子で形成された層である。上述した参照層32は、トンネルバリア層33と超格子層34との間に設けられており、参照層32と超格子層34とは、参照層32と超格子層34の間に設けられた中間層35を介して互いに反強磁性結合されている。すなわち、参照層32、超格子層34及び中間層35によってSAF(Synthetic Anti-Ferromagnetic)構造が形成されている。
【0020】
補助層36は、記憶層31の垂直磁気異方性を高めるための層であり、トンネルバリア層33と補助層36との間に記憶層31が設けられている。
【0021】
上述した磁気抵抗効果素子30は、記憶層31の磁化方向と参照層32の磁化方向とが平行である場合には低抵抗状態を呈し、記憶層31の磁化方向と参照層32の磁化方向とが反平行である場合には高抵抗状態を呈する。したがって、磁気抵抗効果素子30は、その抵抗状態に応じて2値データを記憶することが可能である。また、磁気抵抗効果素子30は、垂直磁化を有するSTT(spin transfer torque)型の磁気抵抗効果素子であり、記憶層31の磁化方向はその主面に対して垂直であり、参照層32の磁化方向はその主面に対して垂直である。
【0022】
セレクタ40は、2端子型のスイッチング素子であり、セレクタ材料層を含んでいる。セレクタ材料層は、絶縁材料及び添加元素を含んでいる。例えば、絶縁材料にはシリコン酸化物等の酸化物が用いられ、添加元素にはヒ素(As)等が用いられる。セレクタ材料層は、下部電極51と中間電極53との間に設けられている。すなわち、下部電極51がセレクタ40に対する下部電極として機能し、中間電極53がセレクタ40に対する上部電極として機能する。
【0023】
図3は、セレクタ40の電流-電圧特性を模式的に示した図である。
図3に示されるように、セレクタ40は、2端子間(下部電極51と中間電極53との間)に印加される電圧が閾値電圧Vthよりも大きくなると、オフ状態からオン状態に移行する特性を有している。また、セレクタ40は、2端子間に印加される電圧がホールド電圧Vholdよりも小さくなると、オン状態からオフ状態に移行する特性を有している。また、電流Iholdは、2端子間に印加されている電圧がホールド電圧Vholdで且つオン状態が維持されているときにセレクタ40に流れる電流である。
【0024】
抵抗層60は、磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられている。
図2の例では、抵抗層60は、上部電極52の下層側に設けられている。
【0025】
抵抗層60の抵抗は、中間電極53の抵抗よりも高い。具体的には、抵抗層60のZ方向の抵抗は、中間電極53のZ方向の抵抗よりも高い。言い換えると、抵抗層60の材料の抵抗率は、中間電極53の材料の抵抗率よりも高い。
【0026】
抵抗層60は、半導体材料で形成されている。本実施形態では、中間電極53は、チタン窒化物(TiN)で形成されている。したがって、抵抗層60は、チタン窒化物(TiN)の抵抗率よりも抵抗率の高い材料で形成されている。例えば、抵抗層60は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)或いはカーボン(C)等の半導体材料で形成されている。これらの半導体材料(Si、Ge或いはC)中に、n型或いはp型の不純物が含有されていてもよい。
【0027】
上述したように、本実施形態の記憶装置では、磁気抵抗効果素子30の上層側に抵抗層60が設けられている。これにより、以下に述べるように、特性及び信頼性に優れたメモリセル20を含む記憶装置を得ることができる。
【0028】
上述した記憶装置では、配線11と配線12との間にオン電圧を印加するとセレクタ40がオン状態となり、セレクタ40に対して直列に接続された磁気抵抗効果素子30に書き込み電流が流れる。その結果、磁気抵抗効果素子30に低抵抗状態或いは高抵抗状態を設定することが可能となる。すなわち、メモリセル20に対してデータを書き込むことが可能となる。
【0029】
メモリセル20に対してデータを書き込む場合、メモリセル20全体の抵抗が低いと、書き込み電流が大きくなる。通常、メモリセル20に対してデータを書き込むときは、セレクタに流れる電流が
図3に示したIholdよりも大きくなるように書き込み電流が設定される。そのため、メモリセル20全体の抵抗が低い場合には、書き込み電流Iholdの値が大きくなる。
【0030】
本実施形態では、磁気抵抗効果素子30及びセレクタ40に対して直列に、相対的に高い抵抗を有する抵抗層60が接続されている。そのため、抵抗層60によってメモリセル20に流れる電流を抑制することができる。したがって、本実施形態では、メモリセル20に対する書き込み電流を低減することが可能となる。
【0031】
また、磁気抵抗効果素子30のパターンを形成する際には、通常、IBE(ion beam etching)が用いられる。この場合、仮に抵抗層60が磁気抵抗効果素子30よりも下層側に設けられているとすると、磁気抵抗効果素子層のエッチングの後に抵抗層60のエッチングが行われる。そのため、抵抗層60の材料が磁気抵抗効果素子30の側面に付着し、磁気抵抗効果素子30の特性が劣化するおそれがある。
【0032】
本実施形態では、磁気抵抗効果素子30の上層側に抵抗層60が設けられているため、抵抗層60のエッチングの後に磁気抵抗効果素子層のエッチングが行われる。そのため、抵抗層60の材料が磁気抵抗効果素子30の側面に付着することを防止することができ、磁気抵抗効果素子30の特性の劣化を抑制することが可能である。
【0033】
また、磁気抵抗効果素子30の上層側に抵抗層60を設けることで、電流Iholdに対応する電圧Vholdのばらつきを低減することも可能である。
【0034】
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。
図4は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0035】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60は磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられており、磁気抵抗効果素子30がセレクタ40の上層側に設けられている。また、本変形例でも、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の上層側に位置するトップフリー型の磁気抵抗効果素子である。ただし、本変形例では、抵抗層60は、上部電極52の上層側に設けられている。
【0036】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0037】
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。
図5は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0038】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60は磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられており、磁気抵抗効果素子30がセレクタ40の上層側に設けられている。ただし、本変形例では、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の下層側に位置するボトムフリー型の磁気抵抗効果素子である。また、本変形例では、抵抗層60は、上部電極52の下層側に設けられている。
【0039】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0040】
次に、本実施形態の第3の変形例について説明する。
図6は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0041】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60は磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられており、磁気抵抗効果素子30がセレクタ40の上層側に設けられている。ただし、本変形例では、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の下層側に位置するボトムフリー型の磁気抵抗効果素子である。また、本変形例では、抵抗層60は、上部電極52の上層側に設けられている。
【0042】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、基本的な事項は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態で説明した事項の説明は省略する。
【0044】
図7は、第2の実施形態に係る記憶装置の基本的な概略構成を模式的に示した斜視図である。
【0045】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、メモリセル20は、直列接続された磁気抵抗効果素子30及びセレクタ40を含んでおり、磁気抵抗効果素子30及びセレクタ40がZ方向に積層されている。ただし、本実施形態では、磁気抵抗効果素子30がセレクタ40の下層側に設けられている。
【0046】
図8は、メモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0047】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、メモリセル20は、X方向に延伸する配線11とY方向に延伸する配線12との間に設けられており、磁気抵抗効果素子30と、セレクタ40と、下部電極51と、上部電極52と、磁気抵抗効果素子30とセレクタ40との間に設けられた中間電極53と、磁気抵抗効果素子30と配線12との間に設けられた抵抗層60とを含んでいる。これらの要素は、配線11と配線12との間に積層されており、各要素の基本的な構成は第1の実施形態と同様である。
【0048】
また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、抵抗層60は、磁気抵抗効果素子30と配線12との間、すなわち、磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられている。
図8の例では、抵抗層60がセレクタ40の上層側に設けられている。また、
図8の例では、抵抗層60は、上部電極52の下層側に設けられている。また、
図8の例では、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の上層側に位置するトップフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0049】
また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、抵抗層60の抵抗は、中間電極53の抵抗よりも高い。具体的には、抵抗層60のZ方向の抵抗は、中間電極53のZ方向の抵抗よりも高い。言い換えると、抵抗層60の材料の抵抗率は、中間電極53の材料の抵抗率よりも高い。抵抗層60の材料及び中間電極53の材料は、第1の実施形態と同様である。
【0050】
上述したように、本実施形態では、磁気抵抗効果素子30がセレクタ40の下層側に設けられている。そのため、下部電極51が磁気抵抗効果素子30に対する下部電極として機能し、中間電極53が磁気抵抗効果素子30に対する上部電極として機能する。また、上部電極52がセレクタ40に対する上部電極として機能し、中間電極53がセレクタ40に対する下部電極として機能する。
【0051】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0052】
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。
図9は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0053】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられており、抵抗層60がセレクタ40の上層側に設けられている。ただし、本変形例では、抵抗層60は、上部電極52の上層側に設けられている。また、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の上層側に位置するトップフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0054】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0055】
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。
図10は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0056】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられており、抵抗層60がセレクタ40の上層側に設けられている。また、本変形例では、抵抗層60は、上部電極52の下層側に設けられている。また、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の下層側に位置するボトムフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0057】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0058】
次に、本実施形態の第3の変形例について説明する。
図11は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0059】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられており、抵抗層60がセレクタ40の上層側に設けられている。また、本変形例では、抵抗層60は、上部電極52の上層側に設けられている。また、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の下層側に位置するボトムフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0060】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0061】
次に、本実施形態の第4の変形例について説明する。
図12は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0062】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられている。ただし、本変形例では、抵抗層60がセレクタ40の下層側に設けられている。また、本変形例では、抵抗層60は、中間電極53の下層側に設けられている。また、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の上層側に位置するトップフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0063】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0064】
次に、本実施形態の第5の変形例について説明する。
図13は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0065】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられている。また、本変形例でも、上述した第4の変形例と同様に、抵抗層60がセレクタ40の下層側に設けられている。また、本変形例では、抵抗層60は、中間電極53の上層側に設けられている。また、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の上層側に位置するトップフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0066】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0067】
次に、本実施形態の第6の変形例について説明する。
図14は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0068】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられている。また、本変形例でも、上述した第4の変形例と同様に、抵抗層60がセレクタ40の下層側に設けられている。また、本変形例では、抵抗層60は、中間電極53の下層側に設けられている。また、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の下層側に位置するボトムフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0069】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0070】
次に、本実施形態の第7の変形例について説明する。
図15は、本変形例におけるメモリセル20の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【0071】
本変形例でも、上述した実施形態と同様に、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側であって且つ配線12の下層側に設けられている。また、本変形例でも、上述した第4の変形例と同様に、抵抗層60がセレクタ40の下層側に設けられている。また、本変形例では、抵抗層60は、中間電極53の上層側に設けられている。また、磁気抵抗効果素子30は、記憶層31が参照層32の下層側に位置するボトムフリー型の磁気抵抗効果素子である。
【0072】
本変形例でも、抵抗層60の抵抗が中間電極53の抵抗よりも高く、抵抗層60が磁気抵抗効果素子30の上層側に設けられている。したがって、本変形例でも、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
11、12…配線 20…メモリセル
30…磁気抵抗効果素子
31…記憶層(第1の磁性層) 32…参照層(第2の磁性層)
33…トンネルバリア層(非磁性層) 34…超格子層(第3の磁性層)
35…中間層 36…補助層
40…セレクタ(スイッチング素子)
51…下部電極 52…上部電極 53…中間電極
60…抵抗層