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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134355
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】積層コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/00 20060101AFI20240926BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20240926BHJP
   H01F 27/30 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01F27/29 123
H01F27/30 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044614
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 駿也
(72)【発明者】
【氏名】松浦 利典
(72)【発明者】
【氏名】濱地 紀彰
(72)【発明者】
【氏名】及川 康太
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB03
5E070CB13
5E070CB18
5E070DB02
(57)【要約】
【課題】実装の容易性が確保されながら、渦電流損失が抑制される積層コイル部品を提供する。
【解決手段】積層コイル部品1において、コイル70は、素体2の内部に設けられており、互いに離隔している端部70a,70bを含んでいると共に一対の端面2a,2bの対向方向に沿ったコイル軸AXを形成している。外部電極3,4は、一対の側面2c,2d及び一対の側面2e,2fの各々に設けられている。連結導体81は、素体2の内部に設けられており、外部電極3と端部70aとを連結している。連結導体82は、素体2の内部に設けられており、外部電極4と端部70bとを連結している。外部電極3,4は、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において互いに対向している一対の端面と、前記第1方向に交差する第2方向において互いに対向している一対の第1側面と、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において互いに対向している一対の第2側面とを含んでいる直方体形状を呈している素体と、
前記素体の内部に設けられており、互いに離隔している第1及び第2端部を含んでいると共に前記一対の端面の対向方向に沿ったコイル軸を形成しているコイルと、
前記一対の第1側面及び前記一対の第2側面の各々に設けられており、前記対向方向において互いに対向していると共に互いに離隔している第1及び第2外部電極と、
前記素体の内部に設けられており、前記第1外部電極と前記第1端部とを連結する第1連結導体と、
前記素体の内部に設けられており、前記第2外部電極と前記第2端部とを連結する第2連結導体と、を備えており、
前記第1及び第2外部電極は、前記コイル軸が通過する開口を形成している、積層コイル部品。
【請求項2】
前記コイルは、前記対向方向から見て、前記第1外部電極の前記開口に囲まれている、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項3】
前記第1及び第2連結導体は、前記対向方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項4】
前記コイルは、前記第1端部と前記第2端部とを連結しているコイル導体を含んでおり、
前記第1外部電極は、前記側面上に設けられている部分を含んでおり、
前記コイル軸に直交する方向において、前記コイル導体の厚さは、前記部分の厚さよりも大きい、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項5】
前記第1外部電極の縁は、前記コイル軸に直交する方向から見て、前記対向方向において前記端面に一致している又は前記端面から突出している、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項6】
前記素体は、前記コイル軸に直交する方向から見て、前記対向方向において前記一対の端面と離隔していると共に、前記側面において前記コイル軸に直交する方向に窪んだ窪み部を含んでおり、
前記第1外部電極は、前記窪み部に形成されている、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項7】
前記第1外部電極は、前記コイル軸に直交すると共に前記コイルを通る断面上において、互いに離隔して位置している4つの電極部を含んでいる、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層コイル部品。
【請求項8】
前記4つの電極部は、前記対向方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている、請求項7に記載の積層コイル部品。
【請求項9】
前記第1外部電極は、前記4つの電極部のみからなる、請求項7に記載の積層コイル部品。
【請求項10】
前記第1外部電極は、前記コイル軸の周囲に形成されていると共に、前記4つの電極部を連結している環状部をさらに含んでいる、請求項7に記載の積層コイル部品。
【請求項11】
前記第1外部電極と前記第1端部とを連結している複数の連結導体をさらに備え、
前記複数の連結導体は、互いに異なる前記電極部に接続されている、請求項7に記載の積層コイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層コイル部品が知られている(たとえば、特許文献1)。積層コイル部品は、素体と、素体の内部に設けられているコイルと、素体の表面に設けられている外部電極とを備えている。素体は、直方体形状をしている。コイルは、素体の一対の端面の対向方向に沿ったコイル軸を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-317308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コイルに通電された場合、コイルの軸方向に磁束が発生する。発生したが磁束が外部電極を通過すると、外部電極内に渦電流が発生する。渦電流が発生すれば、渦電流損失が生じる。このため、コイルによって発生する磁束が外部電極を通過しないように、外部電極を素体の表面上に配置することが考えられる。
【0005】
一方、積層コイル部品は比較的小さいため、積層コイル部品の実装方向を確認し、基板などの実装面に対して積層コイル部品を正しく配置することは困難である。このため、積層コイル部品を実装する向きについて複数のバリエーションが確保されるように、積層コイル部品の外部電極を配置することが考えられる。積層コイル部品の実装位置について複数のバリエーションがあれば、積層コイル部品の実装位置が一種のものに比べて、積層コイル部品の実装の容易性が向上する。積層コイル部品の実装の容易性の確保と上述した渦電流損失の抑制とを両立した構成は、確立されていなかった。
【0006】
本発明の一つの態様は、実装の容易性が確保されながら、渦電流損失が抑制される、積層コイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様における積層コイル部品は、素体と、コイルと、第1及び第2外部電極と、第1及び第2連結導体を備えている。素体は、直方体形状を呈している。素体は、一対の端面と、一対の第1側面と、一対の第2側面とを含んでいる。一対の端面は、第1方向において互いに対向している。一対の第1側面は、第1方向に交差する第2方向において互いに対向している。一対の第2側面は、第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において互いに対向している。コイルは、素体の内部に設けられており、互いに離隔している第1及び第2端部を含んでいると共に一対の端面の対向方向に沿ったコイル軸を形成している。第1及び第2外部電極は、一対の第1側面及び一対の第2側面の各々に設けられている。第1及び第2外部電極は、対向方向において互いに対向していると共に互いに離隔している。第1連結導体は、素体の内部に設けられており、第1外部電極と第1端部とを連結している。第2連結導体は、素体の内部に設けられており、第2外部電極と第2端部とを連結している。第1及び第2外部電極は、コイル軸が通過する開口を形成している。
【0008】
この積層コイル部品において、第1及び第2外部電極は、一対の第1側面及び一対の第2側面の各々に設けられている。第1及び第2外部電極は、コイル軸が通過する開口を形成している。この場合、実装位置についてバリエーションが確保されながら、外部電極を通過する磁束が低減される。したがって、実装の容易性が確保されながら、渦電流損失が抑制される。
【0009】
上記一つの態様では、コイルは、上記対向方向から見て、第1外部電極の開口に囲まれていてもよい。この場合、外部電極を通過する磁束がさらに低減される。したがって、渦電流損失がさらに抑制される。
【0010】
上記一つの態様では、第1及び第2連結導体は、対向方向から見て、コイル軸に対して回転対称な位置に配置されていてもよい。この場合、異なる実装位置間の導電経路長差が低減され得る。
【0011】
上記一つの態様では、コイルは、コイル導体を含んでいてもよい。コイル導体は、第1端部と第2端部とを連結していてもよい。第1外部電極は、側面上に位置している部分を含んでいてもよい。コイル軸に直交する方向において、コイル導体の厚さは、部分の厚さよりも大きくてもよい。この場合、直流抵抗が低減される。
【0012】
上記一つの態様では、第1外部電極の縁は、コイル軸に直交する方向から見て、対向方向において端面に一致又は端面から突出していてもよい。この場合、対向方向の素体の大きさに対して磁路長が向上され得る。
【0013】
上記一つの態様では、素体は、コイル軸に直交する方向から見て、対向方向において一対の端面と離隔していてもよい。素体は、側面においてコイル軸に直交する方向に窪んだ窪み部を含んでいてもよい。第1外部電極は、窪み部に形成されていてもよい。この場合、第1外部電極と素体の表面との接触面積が向上し、堅牢性が向上する。
【0014】
上記一つの態様では、第1外部電極は、コイル軸に直交すると共にコイルを通る断面上において、互いに離隔して位置している4つの電極部を含んでいてもよい。この場合、コイル軸と直交する方向から見て、外部電極とコイルとが重なる領域が低減され、浮遊容量が低減され得る。
【0015】
上記一つの態様では、4つの電極部は、対向方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されていてもよい。この場合、異なる実装位置間の導電経路長差が低減され得る。
【0016】
上記一つの態様では、第1外部電極は、4つの電極部のみからなってもよい。この場合、対向方向において、第1外部電極とコイルとが重なる領域が低減される。したがって、浮遊容量が低減されると共に、対向方向の素体の大きさに対して磁路長が向上され得る。
【0017】
上記一つの態様では、第1外部電極は、コイル軸の周囲に形成された環状部をさらに含んでいてもよい。環状部は、4つの電極部を連結している。この場合、4つの電極部が互いに電気的に接続されている。このため、導電経路長が同一である実装位置のバリエーションが確保される。
【0018】
上記一つの態様では、積層コイル部品は、複数の連結導体を備えていてもよい。複数の連結導体は、第1外部電極と第1端部とを連結している。複数の連結導体は、互いに異なる電極部に接続されていてもよい。この場合、実装位置についてバリエーションがさらに確保されやすい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一つの態様は、実装の容易性が確保されながら、渦電流損失が抑制される、積層コイル部品が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態における積層コイル部品の斜視図である。
図2】II-II線における積層コイル部品の断面図である。
図3】III-III線における積層コイル部品の断面図である。
図4】YZ軸平面における積層コイル部品の断面の部分拡大図である。
図5】本実施形態の変形例における積層コイル部品の斜視図である。
図6】YZ軸平面における積層コイル部品の断面の部分拡大図である。
図7】本実施形態の変形例における積層コイル部品の斜視図である。
図8】YZ軸平面における積層コイル部品の断面の部分拡大図である。
図9】本実施形態の変形例における積層コイル部品の斜視図である。
図10】X-X線における積層コイル部品の断面図である。
図11】XI-XI線における積層コイル部品の断面図である。
図12】本実施形態の変形例における積層コイル部品の斜視図である。
図13】XIII-XIII線における積層コイル部品の断面図である。
図14】XIV-XIV線における積層コイル部品の断面図である。
図15】本実施形態の変形例における積層コイル部品の斜視図である。
図16】XVI-XVI線における積層コイル部品の断面図である。
図17】XVII-XVII線における積層コイル部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0022】
まず、図1から図3を参照して、本実施形態における積層コイル部品1の概略構成を説明する。図1は、本実施形態における積層コイル部品1の斜視図である。X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに交差する方向である。本実施形態における積層コイル部品は、複数の層をZ軸方向に積層することによって形成されている。層間の境界は、視認できない程度に一体化されている。本実施形態において、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに直交している。
【0023】
図1に示されているように、積層コイル部品1は、素体2と、外部電極3,4とを備えている。たとえば、外部電極3が第1外部電極の場合、外部電極4が第2外部電極に相当する。積層コイル部品1は、たとえば、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含んでいる。本実施形態において、素体2は、Z軸方向に積層された複数の素体層によって形成されている。
【0024】
素体2は、たとえば、絶縁性を有する。素体2は、たとえば磁性材料により構成されている。磁性材料は、たとえば、Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、及び、Ni-Cu系フェライト材料から選択された少なくとも一つを含んでいる。素体2を構成する磁性材料には、Fe合金等が含まれていてもよい。素体2は、非磁性材料から構成されていてもよい。非磁性材料は、たとえば、ガラスセラミック材料、及び、誘電体材料から選択された少なくとも一つを含んでいる。
【0025】
素体2は、たとえば、直方体形状を呈している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含んでいる。直方体形状は、窪みを有している形状も含んでいる。素体2は、その外表面として、一対の端面2a,2bと、一対の側面2c,2dと、一対の側面2e,2fとを有している。たとえば、各側面2e,2fの面積は、端面2a、端面2b、側面2c、及び、側面2dのいずれの面積よりも大きい。たとえば、側面2c,2dが第1側面に相当し、側面2e,2fが第2側面に相当する。
【0026】
一対の端面2a,2bは、Z軸方向で互いに対向している。一対の側面2c,2dは、X軸方向で互いに対向している。一対の側面2e,2fは、Y軸方向で互いに対向している。素体2は、たとえば、Z軸方向の長さに比して及びX軸方向の長さが小さい。素体2は、たとえば、Z軸方向及びY軸方向の長さに比してX軸方向の長さが小さい。素体2のX軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向における長さ比はこれに限定されない。Z軸方向は、たとえば長手方向である。たとえば、Z軸方向は第1方向に相当し、X軸方向は第2方向に相当し、Y軸方向は第3方向に相当する。
【0027】
一対の外部電極3,4は、互いに離隔して素体2の外表面に配置されている。一対の外部電極3,4は、Z軸方向において互いに対向している。一対の外部電極3,4は、Z軸方向において互いに離隔している。外部電極3,4は、それぞれ、一対の側面2c,2dと一対の側面2e,2fとの各々に設けられている。
【0028】
一対の外部電極3,4は、既知の手法によって形成される。一対の外部電極3,4は、たとえば、金属材料から構成されている。金属材料は、たとえば、銅、銀、金、ニッケル、又はクロムである。一対の外部電極3,4は、たとえば、電極層にめっき処理が施されることによって形成されている。電極層は、たとえば、導電性ペーストからなる。導電性ペーストは、たとえば、ディップ法、印刷法、又は転写法によって付与されている。電極層は、たとえば、フォトリソグラフィ工法により形成されてもよい。めっき処理は、たとえば、電解めっき又は無電解めっきである。このめっき処理によって、導電性ペーストの外表面にめっき層が形成される。
【0029】
外部電極3は、たとえば、一対の部分3aと一対の部分3bとを含んでいる。一対の部分3aは、側面2c上及び側面2d上に設けられている。一対の部分3bは、側面2e上及び側面2f上に設けられている。一対の部分3aは、たとえば、一対の側面2c,2dの一部を覆っている。一対の部分3bは、たとえば、一対の側面2e,2fとの一部を覆っている。
【0030】
本実施形態に示されている例において、部分3a,3bは、互いに連結されている。外部電極3は、一対の部分3aと一対の部分3bとによって、環状に形成されている。各側面2c,2dにおいて、部分3aに覆われている領域は、たとえば、X軸方向から見て矩形状を呈している。各側面2e,2fにおいて、部分3bに覆われている領域は、たとえば、Y軸方向から見て矩形状を呈している。本明細書において、「連結」とは、直接的に接した状態において接続されていることを意味する。「直接的に接する」とは、本明細書において示した他の部材を介することなく、互いに接続されることを意味する。「直接的に接する」は、本明細書に明示されていない部材を介して接続されることを除外しない。
【0031】
外部電極4は、たとえば、一対の部分4aと一対の部分4bとを含んでいる。一対の部分4aは、側面2c上及び側面2d上に設けられている。一対の部分4bは、側面2e上及び側面2f上に設けられている。一対の部分4aは、たとえば、一対の側面2c,2dの一部を覆っている。一対の部分4bは、たとえば、一対の側面2e,2fの一部を覆っている。
【0032】
本実施形態に示されている例において、部分4a,4bは、互いに連結されている。外部電極4は、一対の部分4aと一対の部分4bとによって環状に形成されている。各側面2c,2dにおいて、部分4aに覆われている領域は、たとえば、矩形状を呈している。各側面2e,2fにおいて、部分4bに覆われている領域は、たとえば、矩形状を呈している。
【0033】
積層コイル部品1は、さらに、図2及び図3に示されているように、コイル70と、連結導体81,82とを備えている。コイル70と、連結導体81,82とは、素体2の内部に設けられている。図2及び図3は、積層コイル部品1のXY軸平面に平行な面における断面図である。図2は、図1のII-II線における積層コイル部品の断面図である。図3は、図1のIII-III線における積層コイル部品の断面図である。
【0034】
コイル70は、外部電極3と外部電極4とを電気的に接続する。コイル70は、一対の端面2a,2bの対向方向に沿ったコイル軸AXを形成している。コイル軸AXは、たとえば、Z軸方向に延在している。すなわち、Z軸方向は、コイル軸方向に相当する。コイル70は、互いに離隔している端部70a,70bを含んでいる。たとえば、コイル70は、Z軸方向から見て、端部70aから端部70bに向かって右回りに進行する螺旋構造を有している。
【0035】
コイル70の端部70aは、連結導体81を介して外部電極3に接続されている。換言すれば、連結導体81は、端部70aと外部電極3とを連結している。コイル70の端部70bは、連結導体82を介して外部電極4に接続されている。換言すれば、連結導体82は、端部70bと外部電極4とを連結している。
【0036】
コイル70は、複数のコイル導体71を含んでいる。コイル導体71は、内部導体層に相当する。複数のコイル導体71は、Z軸方向に積層され、互いに電気的に接続されている。複数のコイル導体71は、上述した端部70a,70bを含んでいる。コイル70は、端部70aと端部70bとを連結しているコイル導体71を含んでいる。たとえば、コイル70は、複数のコイル導体71によって螺旋状に形成されている。換言すれば、一対の外部電極3,4は、複数のコイル導体71及び連結導体81,82を介して互いに電気的に接続されている。コイル軸AXに直交する方向において、コイル導体71の厚さは、部分3a,3b,4a,4bの厚さよりも大きい。
【0037】
連結導体81,82は、内部導体層に相当する。連結導体81と連結導体82とは、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。たとえば、積層コイル部品1において、連結導体81と連結導体82とは、Z軸方向から見て、コイル軸AXに対して互いに対称に配置されている。連結導体81は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2d及び側面2fに向かって延在しており、外部電極3の部分3a,3bに連結されている。連結導体82は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2c及び側面2eに向かって延在しており、外部電極4の部分4a,4bに連結されている。
【0038】
コイル70及び連結導体81,82は、導電材料によって構成されている。積層コイル部品1の内部に設けられた内部導体層は、導電材料によって構成されている。導電材料は、たとえば、Ag及びPdから選択された少なくとも一つを含んでいる。
【0039】
外部電極3,4は、それぞれコイル軸AXの周囲に環状に形成されている。本実施形態に示す例において、外部電極3,4は、それぞれ、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。開口5の縁5aは、Z軸方向から見てコイル軸AXを囲んでいる。コイル70は、Z軸方向から見て、外部電極3,4の開口5の縁5aに囲まれている。外部電極3の開口5の縁5aは、部分3a,3bによって形成されている。換言すれば、外部電極3の開口5は、部分3a,3bによって画定されている。外部電極4の開口5の縁5aは、部分4a,4bによって形成されている。換言すれば、外部電極4の開口5は、部分4a,4bによって画定されている。本実施形態に示す例において、開口5は、Z軸方向から見て矩形形状である。
【0040】
図4は、YZ軸平面における積層コイル部品の断面の部分拡大図である。素体2は、それぞれ外部電極3,4が形成される一対の窪み部17を含んでいる。窪み部17は、側面2c,2d,2e,2fにおいて、コイル軸AXに直交する方向に窪んでいる。窪み部17は、面α1及び面α2によって画定されている。
【0041】
外部電極3は、窪み部17に形成されている。外部電極3は、表面13a,13b,13c,13dを含んでいる。表面13aと表面13bとは、Z軸方向において互いに対向している。表面13cと表面13dとは、互いに対向している。表面13dは、Y軸方向において、素体2の面α1と接している。表面13bは、Z軸方向において、素体2の面α2と接している。図4に示されている例において、コイル軸AXに直交する方向から見て、外部電極3の縁は、Z軸方向において、端面2aに一致している又は端面2aから突出している。たとえば、表面13aは、端面2aと面一に形成されている。
【0042】
外部電極4は、外部電極3と同様の構成を有しており、XY軸平面に対して外部電極3と対称に形成されている。コイル軸AXに直交する方向から見て、外部電極4の縁は、Z軸方向において、端面2bに一致している又は端面2bから突出している。
【0043】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Aについて説明する。図5は、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Aの斜視図である。本変形例の積層コイル部品1Aは、概ね、上述した実施形態における積層コイル部品1と類似又は同じである。本変形例は、外部電極3、4の代わりに外部電極23,24が設けられている点で、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
【0044】
積層コイル部品1Aは、素体2と、外部電極23,24と、コイル70と、連結導体81,82とを備えている。たとえば、外部電極23が第1外部電極の場合、外部電極24が第2外部電極に相当する。積層コイル部品1Aは、たとえば、電子機器にはんだ実装される。
【0045】
一対の外部電極23,24は、互いに離隔して素体2の外表面に配置されている。一対の外部電極23,24は、Z軸方向において互いに対向している。一対の外部電極23,24は、Z軸方向において互いに離隔している。外部電極23,24は、それぞれ、一対の側面2c,2dと一対の側面2e,2fとの各々に設けられている。外部電極23は、さらに、端面2aにも設けられている。外部電極24は、さらに、端面2bにも設けられている。一対の外部電極23,24は、既知の手法によって形成される。一対の外部電極23,24は、たとえば、金属材料から構成されている。
【0046】
外部電極23は、たとえば、一対の部分3aと一対の部分3bと部分3cとを含んでいる。部分3cは、端面2a上に設けられている。部分3cは、たとえば、一対の端面2aの一部を覆っている。外部電極23の部分3a,3b,3cは、互いに連結されている。外部電極23は、一対の部分3aと一対の部分3bと部分3cとによって、コイル軸AXの周囲に環状に形成されている。
【0047】
外部電極24は、たとえば、一対の部分4aと、一対の部分4bと、部分4cとを含んでいる。部分4cは、端面2b上に設けられている。部分4cは、たとえば、一対の端面2bの一部を覆っている。外部電極24の部分4a,4b,4cは、互いに連結されている。外部電極24は、一対の部分4aと一対の部分4bと部分4cとによって、コイル軸AXの周囲に環状に形成されている。
【0048】
本変形例において、外部電極23,24は、それぞれ、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。開口5の縁5aは、Z軸方向から見てコイル軸AXを囲んでいる。コイル70は、Z軸方向から見て、外部電極23,24の開口5の縁5aに囲まれている。外部電極23の開口5の縁5aは、部分3cによって形成されている。換言すれば、外部電極23の開口5は、部分3cによって画定されている。外部電極24の開口5の縁5aは、部分4cによって形成されている。換言すれば、外部電極24の開口5は、部分4cによって画定されている。本変形例において、開口5は、Z軸方向から見て円形である。
【0049】
コイル70は、外部電極23と外部電極24とを電気的に接続する。コイル70の端部70aは、連結導体81を介して外部電極23に接続されている。換言すれば、連結導体81は、端部70aと外部電極23とを連結している。コイル70の端部70bは、連結導体82を介して外部電極24に接続されている。換言すれば、連結導体82は、端部70bと外部電極24とを連結している。一対の外部電極23,24は、複数のコイル導体71及び連結導体81,82を介して互いに電気的に接続されている。連結導体81は、外部電極23の部分3a,3bに連結されている。連結導体82は、外部電極24の部分4a,4bに連結されている。
【0050】
図6は、YZ軸平面における積層コイル部品1Aの断面の部分拡大図である。外部電極23は、表面13a,13b,13c,13dを含んでいる。表面13aと表面13bとは、Z軸方向において互いに対向している。表面13cと表面13dとは、互いに対向している。表面13dは、Y軸方向において、素体2の面α1と接している。表面13bは、Z軸方向において、素体2の面α2と接している。図6に示されている例において、コイル軸AXに直交する方向から見て、外部電極23の縁は、Z軸方向において、端面2aから突出している。たとえば、表面13aは、端面2aから突出した位置に形成されている。外部電極24は、外部電極23と同様の構成を有しており、XY軸平面に対して外部電極23と対称に形成されている。コイル軸AXに直交する方向から見て、外部電極24の縁は、Z軸方向において、端面2bから突出している。
【0051】
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Bについて説明する。図7は、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Bの斜視図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態における積層コイル部品1と類似又は同じである。本変形例は、外部電極3,4の代わりに外部電極33,34が設けられている点で、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
【0052】
積層コイル部品1Bは、素体32と、外部電極33,34と、コイル70と、連結導体81,82とを備えている。図8は、YZ軸平面における積層コイル部品1Bの断面の部分拡大図である。素体32は、図8に示されているように、それぞれ外部電極33,34が形成される一対の窪み部37を含んでいる。窪み部37は、側面2c,2d,2e,2fにおいて、コイル軸AXに直交する方向に窪んでいる。窪み部37は、コイル軸AXに直交する方向から見て、Z軸方向において一対の端面2a,2bと離隔している。窪み部37は、面α1、面α2、及び、面α3によって画定されている。素体32は、コイル軸AXに直交する方向から見て、外部電極33,34から露出した領域R1,R2,R3を含んでいる。領域R1は、コイル軸AXに直交する方向から見て、一対の外部電極33,34の間に位置している。領域R2は、コイル軸AXに直交する方向から見て、端面2aと外部電極33との間に位置している。領域R3は、コイル軸AXに直交する方向から見て、端面2bと外部電極34との間に位置している。
【0053】
外部電極33,34は、一対の窪み部37に形成されている。たとえば、外部電極33が第1外部電極の場合、外部電極34が第2外部電極に相当する。表面13dは、Y軸方向において、素体2の面α1と接している。表面13bは、Z軸方向において、素体2の面α2と接している。表面13aは、Z軸方向において、素体2の面α3と接している。積層コイル部品1Bは、たとえば、電子機器にはんだ実装される。
【0054】
一対の外部電極33,34は、互いに離隔して素体2の外表面に配置されている。一対の外部電極33,34は、Z軸方向において互いに対向している。一対の外部電極33,34は、Z軸方向において互いに離隔している。外部電極33,34は、それぞれ、一対の側面2c,2dと一対の側面2e,2fとの各々に設けられている。一対の外部電極33,34は、既知の手法によって形成される。一対の外部電極33,34は、たとえば、金属材料から構成されている。
【0055】
外部電極33は、たとえば、一対の部分3aと一対の部分3bとを含んでいる。外部電極34は、たとえば、一対の部分4aと一対の部分4bとを含んでいる。外部電極33,34は、それぞれ、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。コイル70は、Z軸方向から見て、外部電極33,34の開口5の縁5aに囲まれている。外部電極33の開口5の縁5aは、一対の部分3aと一対の部分3bによって形成されている。換言すれば、外部電極33の開口5は、一対の部分3aと一対の部分3bとによって画定されている。外部電極34の開口5の縁5aは、一対の部分4aと一対の部分4bとによって形成されている。換言すれば、外部電極34の開口5は、一対の部分4aと一対の部分4bとによって画定されている。本変形例において、開口5は、Z軸方向から見て矩形形状である。
【0056】
コイル70は、外部電極33と外部電極34とを電気的に接続する。コイル70の端部70aは、連結導体81を介して外部電極33に接続されている。換言すれば、連結導体81は、端部70aと外部電極33とを連結している。コイル70の端部70bは、連結導体82を介して外部電極34に接続されている。換言すれば、連結導体82は、端部70bと外部電極34とを連結している。一対の外部電極33,34は、複数のコイル導体71及び連結導体81,82を介して互いに電気的に接続されている。連結導体81は、外部電極33の部分3a,3bに連結されている。連結導体82は、外部電極34の部分4a,4bに連結されている。
【0057】
次に、図9から図11を参照して、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Cについて説明する。図9は、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Cの斜視図である。図10及び図11は、積層コイル部品1CのXY軸平面に平行な面における断面図である。図10は、図9のX-X線における積層コイル部品の断面図である。図11は、図9のXI-XI線における積層コイル部品の断面図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態における積層コイル部品1と類似又は同じである。本変形例は、外部電極3,4の代わりに外部電極43,44が設けられている点で、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
【0058】
積層コイル部品1Cは、素体42と、外部電極43,44と、コイル70と、連結導体81,82,86,87を備えている。たとえば、外部電極43が第1外部電極の場合、外部電極44が第2外部電極に相当する。積層コイル部品1Cは、たとえば、電子機器にはんだ実装される。
【0059】
一対の外部電極43,44は、互いに離隔して素体42の外表面に配置されている。一対の外部電極43,44は、Z軸方向において互いに対向している。一対の外部電極43,44は、Z軸方向において互いに離隔している。外部電極43,44は、それぞれ、一対の側面2c,2dと一対の側面2e,2fとの各々に設けられている。一対の外部電極43,44は、既知の手法によって形成される。一対の外部電極43,44は、たとえば、金属材料から構成されている。
【0060】
外部電極43は、4つの電極部431,432,433,434を含んでいる。4つの電極部431,432,433,434は、互いに離隔して位置している。4つの電極部431,432,433,434は、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。本変形例において、外部電極43は、4つの電極部431,432,433,434のみからなる。
【0061】
電極部431は、側面2e上に設けられている部分3bと、側面2d上に設けられている部分3aとを含んでいる。電極部432は、側面2e上に設けられている部分3bと、側面2c上に設けられている部分3aとを含んでいる。電極部433は、側面2f上に設けられている部分3bと、側面2c上に設けられている部分3aとを含んでいる。電極部434は、側面2f上に設けられている部分3bと、側面2d上に設けられている部分3aとを含んでいる。各電極部431,432,433,434は、部分3aと部分3bとの連結によって、Z軸方向から見てL字形状に形成されている。
【0062】
素体42は、それぞれ電極部431,432,433,434が形成される4つの窪み部47を含んでいる。窪み部47は、側面2c,2d,2e,2fにおいて、コイル軸AXに直交する方向に窪んでいる。窪み部47は、面α1及び面α2によって画定されている。4つの窪み部47は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体42の角に配置されている。各電極部431,432,433,434は、互いに異なる窪み部47に設けられている。4つの電極部431,432,433,434は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体42の角を覆うように配置されている。
【0063】
4つの電極部431,432,433,434は、コイル軸AXに直交すると共にコイル70を通る断面上に位置している。コイル軸AXに直交する方向から見て、電極部431,432,433,434の縁は、Z軸方向において、端面2aに一致している又は端面2aから突出している。たとえば、電極部431,432,433,434は、端面2aと面一に形成されている。
【0064】
外部電極44は、4つの電極部441,442,443,444を含んでいる。4つの電極部441,442,443,444は、互いに離隔して位置している。4つの電極部441,442,443,444は、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。本変形例において、外部電極44は、4つの電極部441,442,443,444のみからなる。
【0065】
電極部441は、側面2e上に設けられている部分4bと、側面2d上に設けられている部分4aとを含んでいる。電極部442は、側面2e上に設けられている部分4bと、側面2c上に設けられている部分4aとを含んでいる。電極部443は、側面2f上に設けられている部分4bと、側面2c上に設けられている部分4aとを含んでいる。電極部444は、側面2f上に設けられている部分4bと、側面2d上に設けられている部分4aとを含んでいる。各電極部441,442,443,444は、部分4aと部分4bとの連結によって、Z軸方向から見てL字形状に形成されている。
【0066】
素体42は、それぞれ電極部441,442,443,444が形成される4つの窪み部47を含んでいる。4つの窪み部47は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体42の角に配置されている。各電極部441,442,443,444は、互いに異なる窪み部47に設けられている。4つの電極部441,442,443,444は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体42の角を覆うように配置されている。
【0067】
4つの電極部441,442,443,444は、コイル軸AXに直交すると共にコイル70を通る断面上に位置している。コイル軸AXに直交する方向から見て、電極部441,442,443,444の縁は、Z軸方向において、端面2bに一致している又は端面2bから突出している。たとえば、電極部441,442,443,444は、端面2bと面一に形成されている。電極部441,442,443,444は、XY軸平面に対して、電極部431,432,433,434と対称に形成されている。
【0068】
外部電極43,44は、それぞれ、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。コイル70は、Z軸方向から見て、外部電極43,44の開口5の縁5aに囲まれている。外部電極43の開口5の縁5aは、電極部431,432,433,434によって形成されている。換言すれば、外部電極43の開口5は、電極部431,432,433,434によって画定されている。外部電極44の開口5の縁5aは、電極部441,442,443,444によって形成されている。換言すれば、外部電極44の開口5は、電極部441,442,443,444によって画定されている。本変形例において、開口5は、Z軸方向から見て矩形形状である。
【0069】
コイル70は、外部電極43と外部電極44とを電気的に接続する。コイル70の端部70aは、連結導体81及び連結導体86を介して外部電極43に接続されている。換言すれば、連結導体81及び連結導体86は、端部70aと外部電極43とを連結している。コイル70の端部70bは、連結導体82及び連結導体87を介して外部電極44に接続されている。換言すれば、連結導体82及び連結導体87は、端部70bと外部電極44とを連結している。一対の外部電極43,44は、複数のコイル導体71及び連結導体81,82,86,87を介して互いに電気的に接続されている。
【0070】
連結導体81と連結導体86とは、互いに異なる電極部431,433に連結されている。図10に示されているように、連結導体81は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2c及び側面2fに向かって延在しており、外部電極43の電極部433の部分3a,3bに連結されている。連結導体86は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2d及び側面2eに向かって延在しており、外部電極43の電極部431の部分3a,3bに連結されている。
【0071】
連結導体82と連結導体87とは、互いに異なる電極部442,444に連結されている。図11に示されているように、連結導体82は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2c及び側面2eに向かって延在しており、外部電極44の電極部442の部分4a,4bに連結されている。連結導体87は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2d及び側面2fに向かって延在しており、外部電極44の電極部444の部分4a,4bに連結されている。
【0072】
連結導体81,82,86,87は、内部導体層に相当する。連結導体81,86と連結導体82,87とは、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。たとえば、積層コイル部品1Cにおいて、連結導体81と連結導体86とは、Z軸方向から見て、コイル軸AXに対して互いに対称に配置されている。たとえば、積層コイル部品1Cにおいて、連結導体82と連結導体87とは、Z軸方向から見て、コイル軸AXに対して互いに対称に配置されている。
【0073】
次に、図12から図14を参照して、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Dについて説明する。図12は、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Dの斜視図である。図13及び図14は、積層コイル部品1DのXY軸平面に平行な面における断面図である。図13は、図12のXIII-XIII線における積層コイル部品1Dの断面図である。図14は、図12のXIV-XIV線における積層コイル部品1Dの断面図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態における積層コイル部品1と類似又は同じである。本変形例は、外部電極3,4の代わりに外部電極53,54が設けられている点で、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
【0074】
積層コイル部品1Dは、素体52と、外部電極53,54と、コイル70と、連結導体81,82を備えている。たとえば、外部電極53が第1外部電極の場合、外部電極54が第2外部電極に相当する。積層コイル部品1Dは、たとえば、電子機器にはんだ実装される。
【0075】
一対の外部電極53,54は、互いに離隔して素体52の外表面に配置されている。一対の外部電極53,54は、Z軸方向において互いに対向している。一対の外部電極53,54は、Z軸方向において互いに離隔している。外部電極53,54は、それぞれ、一対の側面2c,2dと一対の側面2e,2fとの各々に設けられている。一対の外部電極53,54は、既知の手法によって形成される。一対の外部電極53,54は、たとえば、金属材料から構成されている。
【0076】
外部電極53は、4つの電極部531,532,533,534と、電極部535とを含んでいる。4つの電極部531,532,533,534は、互いに離隔して位置している。4つの電極部531,532,533,534は、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。電極部535は、コイル軸AXの周囲に環状に形成されている。電極部535は、環状部に相当する。電極部535は、4つの電極部531,532,533,534を連結している。
【0077】
電極部531は、側面2e上に設けられている部分3bと、側面2d上に設けられている部分3aとを含んでいる。電極部532は、側面2e上に設けられている部分3bと、側面2c上に設けられている部分3aとを含んでいる。電極部533は、側面2f上に設けられている部分3bと、側面2c上に設けられている部分3aとを含んでいる。電極部534は、側面2f上に設けられている部分3bと、側面2d上に設けられている部分3aとを含んでいる。各電極部531,532,533,534は、部分3aと部分3bとの連結によって、Z軸方向から見てL字形状に形成されている。
【0078】
素体52は、電極部531,532,533,534及び電極部535が形成される窪み部57を含んでいる。窪み部57は、側面2c,2d,2e,2fにおいて、コイル軸AXに直交する方向に窪んでいる。窪み部57は、面α1及び面α2によって画定されている。4つの電極部531,532,533,534は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体52の角を覆うように配置されている。
【0079】
4つの電極部531,532,533,534は、コイル軸AXに直交すると共にコイル70を通る断面上に位置している。電極部535は、コイル軸AXに直交する方向から見て、Z軸方向において、端面2aに一致している又は端面2aから突出している。たとえば、電極部535は、端面2aと面一に形成されている。
【0080】
外部電極54は、4つの電極部541,542,543,544を含んでいる。4つの電極部541,542,543,544は、互いに離隔して位置している。4つの電極部541,542,543,544は、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。電極部545は、コイル軸AXの周囲に環状に形成されている。電極部545は、環状部に相当する。電極部545は、4つの電極部541,542,543,544を連結している。
【0081】
電極部541は、側面2e上に設けられている部分4bと、側面2d上に設けられている部分4aとを含んでいる。電極部542は、側面2e上に設けられている部分4bと、側面2c上に設けられている部分4aとを含んでいる。電極部543は、側面2f上に設けられている部分4bと、側面2c上に設けられている部分4aとを含んでいる。電極部544は、側面2f上に設けられている部分4bと、側面2d上に設けられている部分4aとを含んでいる。各電極部541,542,543,544は、部分4aと部分4bとの連結によって、Z軸方向から見てL字形状に形成されている。
【0082】
素体52は、電極部541,542,543,544及び電極部545が形成される窪み部57を含んでいる。各電極部541,542,543,544は、互いに異なる窪み部57に設けられている。4つの電極部541,542,543,544は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体52の角を覆うように配置されている。
【0083】
4つの電極部541,542,543,544は、コイル軸AXに直交すると共にコイル70を通る断面上に位置している。電極部545は、コイル軸AXに直交する方向から見て、Z軸方向において、端面2bに一致している又は端面2bから突出している。たとえば、電極部545は、端面2bと面一に形成されている。電極部541,542,543,544,545は、XY軸平面に対して、電極部531,532,533,534,535と対称に形成されている。
【0084】
外部電極53,54は、それぞれ、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。コイル70は、Z軸方向から見て、外部電極53,54の開口5の縁5aに囲まれている。外部電極53の開口5の縁5aは、電極部535によって形成されている。換言すれば、外部電極53の開口5は、電極部535によって画定されている。外部電極54の開口5の縁5aは、電極部545によって形成されている。換言すれば、外部電極54の開口5は、電極部545によって画定されている。本変形例において、開口5は、Z軸方向から見て矩形形状である。
【0085】
コイル70は、外部電極53と外部電極54とを電気的に接続する。コイル70の端部70aは、連結導体81を介して外部電極53に接続されている。換言すれば、連結導体81は、端部70aと外部電極53とを連結している。コイル70の端部70bは、連結導体82を介して外部電極54に接続されている。換言すれば、連結導体82は、端部70bと外部電極54とを連結している。一対の外部電極53,54は、複数のコイル導体71及び連結導体81,82を介して互いに電気的に接続されている。
【0086】
連結導体81,82は、内部導体層に相当する。連結導体81と連結導体82とは、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。たとえば、積層コイル部品1Dにおいて、連結導体81と連結導体82とは、Z軸方向から見て、コイル軸AXに対して互いに対称に配置されている。
【0087】
次に、図15から図17を参照して、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Eについて説明する。図15は、本実施形態の変形例における積層コイル部品1Eの斜視図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態における積層コイル部品1と類似又は同じである。本変形例は、外部電極3,4の代わりに外部電極63,64が設けられている点で、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
【0088】
図15に示されているように、積層コイル部品1Eは、素体62と、外部電極63,64と、コイル70と、連結導体81,82,86,87を備えている。たとえば、外部電極63が第1外部電極の場合、外部電極64が第2外部電極に相当する。積層コイル部品1Eは、たとえば、電子機器にはんだ実装される。
【0089】
一対の外部電極63,64は、互いに離隔して素体62の外表面に配置されている。一対の外部電極63,64は、Z軸方向において互いに対向している。一対の外部電極63,64は、Z軸方向において互いに離隔している。外部電極63,64は、それぞれ、一対の側面2c,2dと一対の側面2e,2fとの各々に設けられている。一対の外部電極63,64は、既知の手法によって形成される。一対の外部電極63,64は、たとえば、金属材料から構成されている。
【0090】
外部電極63は、4つの電極部631,632,633,634を含んでいる。4つの電極部631,632,633,634は、互いに離隔して位置している。4つの電極部631,632,633,634は、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。電極部635は、コイル軸AXの周囲に環状に形成されている。電極部635は、環状部に相当する。電極部635は、4つの電極部631,632,633,634を連結している。
【0091】
電極部631は、側面2e上に設けられている部分3bを含んでいる。電極部632は、側面2c上に設けられている部分3aを含んでいる。電極部633は、側面2f上に設けられている部分3bを含んでいる。電極部634は、側面2d上に設けられている部分3aを含んでいる。各電極部631,632,633,634は、矩形形状に形成されている。
【0092】
素体62は、電極部631,632,633,634及び電極部635が形成される窪み部67を含んでいる。窪み部67は、側面2c,2d,2e,2fにおいて、コイル軸AXに直交する方向に窪んでいる。窪み部67は、面α1及び面α2によって画定されている。4つの電極部631,632,633,634は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体62の角から離隔して配置されている。
【0093】
4つの電極部631,632,633,634は、コイル軸AXに直交すると共にコイル70を通る断面上に位置している。電極部635は、コイル軸AXに直交する方向から見て、Z軸方向において、端面2aに一致している又は端面2aから突出している。たとえば、電極部635は、端面2aと面一に形成されている。
【0094】
外部電極64は、4つの電極部641,642,643,644を含んでいる。4つの電極部641,642,643,644は、互いに離隔して位置している。4つの電極部641,642,643,644は、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。電極部645は、コイル軸AXの周囲に環状に形成されている。電極部645は、環状部に相当する。電極部645は、4つの電極部641,642,643,644を連結している。
【0095】
4つの電極部641,642,643,644は、コイル軸AXに直交すると共にコイル70を通る断面上に位置している。電極部645は、コイル軸AXに直交する方向から見て、Z軸方向において、端面2bに一致している又は端面2bから突出している。たとえば、電極部645は、端面2bと面一に形成されている。電極部641,642,643,644,645は、XY軸平面に対して、電極部631,632,633,634,635と対称に形成されている。
【0096】
電極部641は、側面2e上に設けられている部分4bを含んでいる。電極部642は、側面2c上に設けられている部分4aを含んでいる。電極部643は、側面2f上に設けられている部分4bを含んでいる。電極部644は、側面2d上に設けられている部分4aを含んでいる。各電極部641,642,643,644は、矩形形状に形成されている。
【0097】
素体62は、電極部641,642,643,644及び電極部645が形成される窪み部67を含んでいる。4つの電極部641,642,643,644は、それぞれ、Z軸方向から見て、素体62の角から離隔して配置されている。
【0098】
外部電極63,64は、それぞれ、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。コイル70は、Z軸方向から見て、外部電極63,64の開口5の縁5aに囲まれている。外部電極63の開口5の縁5aは、電極部635によって形成されている。換言すれば、外部電極63の開口5は、電極部635によって画定されている。外部電極64の開口5の縁5aは、電極部645によって形成されている。換言すれば、外部電極64の開口5は、電極部645によって画定されている。本変形例において、開口5は、Z軸方向から見て矩形形状である。
【0099】
コイル70は、外部電極63と外部電極64とを電気的に接続する。コイル70の端部70aは、連結導体81及び連結導体86を介して外部電極63に接続されている。換言すれば、連結導体81及び連結導体86は、端部70aと外部電極63とを連結している。コイル70の端部70bは、連結導体82及び連結導体87を介して外部電極64に接続されている。換言すれば、連結導体82及び連結導体87は、端部70bと外部電極64とを連結している。一対の外部電極63,64は、複数のコイル導体71及び連結導体81,82,86,87を介して互いに電気的に接続されている。
【0100】
連結導体81と連結導体86とは、互いに異なる電極部632,634に連結されている。図16に示されているように、連結導体81は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2cに向かって延在しており、外部電極63の電極部632の部分3aに連結されている。連結導体86は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2dに向かって延在しており、外部電極63の電極部634の部分3aに連結されている。
【0101】
連結導体82と連結導体87とは、互いに異なる電極部642,644に連結されている。図11に示されているように、連結導体82は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2dに向かって延在しており、外部電極64の電極部644の部分4aに連結されている。連結導体87は、Z軸方向から見て、コイル70から側面2cに向かって延在しており、外部電極64の電極部644の部分4aに連結されている。
【0102】
連結導体81,82,86,87は、内部導体層に相当する。連結導体81と連結導体82とは、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。連結導体86と連結導体87とは、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。たとえば、積層コイル部品1Eにおいて、連結導体81と連結導体82とは、Z軸方向から見て、コイル軸AXに対して互いに対称に配置されている。たとえば、積層コイル部品1Eにおいて、連結導体86と連結導体87とは、Z軸方向から見て、コイル軸AXに対して互いに対称に配置されている。
【0103】
次に、本実施形態及び変形例における積層コイル部品1,1A,1B,1C,1D,1Eによる作用効果について説明する。
【0104】
積層コイル部品1において、外部電極3及び外部電極4は、一対の側面2c,2d及び一対の側面2e,2fの各々に設けられている。外部電極3,4は、コイル軸AXが通過する開口5を形成している。この場合、複数の側面2c,2d,2e,2fが実装面に設定され得る。外部電極3,4において開口5が形成されており、外部電極を通過する磁束が低減される。このため、実装位置についてバリエーションが確保されながら、外部電極を通過する磁束が低減される。したがって、実装の容易性が確保されながら、渦電流損失が抑制される。積層コイル部品1A,1B,1C,1D,1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0105】
積層コイル部品1において、コイル70は、Z軸方向から見て、外部電極3,4の開口5に囲まれている。この場合、外部電極3,4を通過する磁束がさらに低減される。したがって、渦電流損失がさらに抑制される。積層コイル部品1A,1B,1C,1D,1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0106】
積層コイル部品1において、連結導体81,82は、Z軸方向から見て、コイル軸AXに対して回転対称な位置に配置されている。この場合、異なる実装位置間の導電経路長差が低減され得る。たとえば、この構成を有している積層コイル部品1において、側面2c,2dのいずれが実装面されても、導電経路長が同一である。積層コイル部品1A,1B,1C,1D,1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0107】
積層コイル部品1において、コイル70は、コイル導体71を含んでいる。コイル導体71は、端部70aと端部70bとを連結している。外部電極3,4は、側面2c,2d,2e,2f上に位置している部分3a,3b,4a,4bを含んでいる。コイル軸AXに直交する方向において、コイル導体71の厚さは、部分3a,3b,4a,4bの厚さよりも大きくてもよい。この場合、直流抵抗が低減される。積層コイル部品1A,1B,1C,1D,1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0108】
積層コイル部品1において、外部電極3,4の縁は、コイル軸AXに直交する方向から見て、Z軸方向において端面2a,2bに一致又は端面2a,2bから突出している。この場合、外部電極3,4の間の距離が確保され、Z軸方向の素体2の大きさに対して磁路長が向上され得る。積層コイル部品1A,1C,1D,1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0109】
積層コイル部品1Bにおいて、素体32は、コイル軸AXに直交する方向から見て、Z軸方向において一対の端面2a,2bと離隔している。素体32は、側面2c,2d,2e,2fにおいてコイル軸AXに直交する方向に窪んだ窪み部37を含んでいる。外部電極3,4は、窪み部37に形成されている。この場合、外部電極33,34と素体32の表面との接触面積が向上し、堅牢性が向上する。たとえば、外部電極33,34は、素体32の表面のうち面α1、面α2、及び、面α3に接している。
【0110】
積層コイル部品1Cにおいて、外部電極43は、コイル軸AXに直交すると共にコイル70を通る断面上において、互いに離隔して位置している4つの電極部431,432,433,434を含んでいる。この場合、コイル軸AXと直交する方向から見て、外部電極43とコイル70とが重なる領域が低減され、浮遊容量が低減され得る。積層コイル部品1D,1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0111】
積層コイル部品1Cにおいて、4つの電極部431,432,433,434は、Z軸方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている。この場合、異なる実装位置間の導電経路長差が低減され得る。積層コイル部品1D,1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0112】
積層コイル部品1Cにおいて、外部電極43は、4つの電極部431,432,433,434のみからなっている。この場合、Z軸方向から見て外部電極43とコイル70とが重なる領域が低減される。したがって、浮遊容量が低減されると共に、Z軸向の素体42の大きさに対して磁路長が向上され得る。
【0113】
積層コイル部品1Dにおいて、外部電極53は、コイル軸AXの周囲に形成された電極部535をさらに含んでいる。電極部535は、4つの電極部531,532,533,534を連結している。この場合、4つの電極部531,532,533,534が互いに電気的に接続されている。このため、導電経路長が同一である実装位置のバリエーションが確保される。積層コイル部品1Eも同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0114】
積層コイル部品1Cにおいて、複数の連結導体81,86を備えている。複数の連結導体81,86は、外部電極43と端部70aとを連結している。複数の連結導体81,86は、互いに異なる電極部431,433に接続されている。この場合、実装位置についてバリエーションがさらに確保されやすい。
【0115】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0116】
たとえば、積層コイル部品1,1A,1B,1C,1D,1Eの構成が組み合わされてもよい。たとえば、積層コイル部品1C,1D,1Eの構成が、コイル軸AXに直交する方向から見て、外部電極の縁が端面2a及び端面2bから離隔するように変形されてもよい。たとえば、他の積層コイル部品1,1A,1B,1C,1D,1Eにおける連結導体81,82,86,87の構造が採用されてもよい。
【0117】
上述した実施形態の記載から把握されるとおり、本明細書は、以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
第1方向において互いに対向している一対の端面と、前記第1方向に交差する第2方向において互いに対向している一対の第1側面と、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において互いに対向している一対の第2側面とを含んでいる直方体形状を呈している素体と、
前記素体の内部に設けられており、互いに離隔している第1及び第2端部を含んでいると共に前記一対の端面の対向方向に沿ったコイル軸を形成しているコイルと、
前記一対の第1側面及び前記一対の第2側面の各々に設けられており、前記対向方向において互いに対向していると共に互いに離隔している第1及び第2外部電極と、
前記素体の内部に設けられており、前記第1外部電極と前記第1端部とを連結する第1連結導体と、
前記素体の内部に設けられており、前記第2外部電極と前記第2端部とを連結する第2連結導体と、を備えており、
前記第1及び第2外部電極は、前記コイル軸が通過する開口を形成している、積層コイル部品。
(付記2)
前記コイルは、前記対向方向から見て、前記第1外部電極の前記開口に囲まれている、付記1に記載の積層コイル部品。
(付記3)
前記第1及び第2連結導体は、前記対向方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている、付記1又は付記2に記載の積層コイル部品。
(付記4)
前記コイルは、前記第1端部と前記第2端部とを連結しているコイル導体を含んでおり、
前記第1外部電極は、前記側面上に設けられている部分を含んでおり、
前記コイル軸に直交する方向において、前記コイル導体の厚さは、前記部分の厚さよりも大きい、付記1から付記3のいずれか一つに記載の積層コイル部品。
(付記5)
前記第1外部電極の縁は、前記コイル軸に直交する方向から見て、前記対向方向において前記端面に一致している又は前記端面から突出している、付記1から付記4のいずれか一つに積層コイル部品。
(付記6)
前記素体は、前記コイル軸に直交する方向から見て、前記対向方向において前記一対の端面と離隔していると共に、前記側面において前記コイル軸に直交する方向に窪んだ窪み部を含んでおり、
前記第1外部電極は、前記窪み部に形成されている、付記1から付記5のいずれか一つに記載の積層コイル部品。
(付記7)
前記第1外部電極は、前記コイル軸に直交すると共に前記コイルを通る断面上において、互いに離隔して位置している4つの電極部を含んでいる、付記1から付記6のいずれか一つに記載の積層コイル部品。
(付記8)
前記4つの電極部は、前記対向方向から見て、互いに回転対称な位置に配置されている、付記7に記載の積層コイル部品。
(付記9)
前記第1外部電極は、前記4つの電極部のみからなる、付記7又は付記8に記載の積層コイル部品。
(付記10)
前記第1外部電極は、前記コイル軸の周囲に形成されていると共に、前記4つの電極部を連結している環状部をさらに含んでいる、付記7から付記9のいずれか一つに記載の積層コイル部品。
(付記11)
前記第1外部電極と前記第1端部とを連結している複数の連結導体をさらに備え、
前記複数の連結導体は、互いに異なる前記電極部に接続されている、付記7から付記10のいずれ一つに記載の積層コイル部品。
【符号の説明】
【0118】
1,1A,1B,1C,1D,1E…積層コイル部品、2,32,42,52,62…素体、2a,2b…端面、2c,2d,2e,2f…側面、3a,3b,3c,4a,4b,4c…部分、5…開口、5a…縁、17,37,47,57,67…窪み部、70…コイル、71…コイル導体、81,82,86,87…連結導体、431,432,433,434,441,442,443,444,531,532,533,534,535,541,542,543,544,545,631,632,633,634,635,641,642,643,644,645…電極部、AX…コイル軸。
図1
図2
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