(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134358
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240926BHJP
H10B 43/30 20230101ALI20240926BHJP
H10B 41/30 20230101ALI20240926BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240926BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240926BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H10B43/30
H10B41/30
H01L29/78 371
H01L21/304 611Z
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044617
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠島 未希
(72)【発明者】
【氏名】村上 貞俊
(72)【発明者】
【氏名】大賀 淳
【テーマコード(参考)】
5F057
5F083
5F101
5F131
【Fターム(参考)】
5F057AA04
5F057BA11
5F057BA15
5F057BA19
5F057BB03
5F057BB15
5F057BB16
5F057BB19
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5F057CA11
5F057CA40
5F057DA01
5F057DA19
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5F057DA28
5F057FA30
5F083EP02
5F083EP18
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5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
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5F083ER19
5F083ER22
5F083GA10
5F083JA04
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5F083JA39
5F083MA06
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5F083PR03
5F083PR05
5F083PR06
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5F083PR40
5F083ZA28
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB02
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5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH13
5F131AA02
5F131BA31
5F131BA43
5F131BA53
5F131CA09
5F131EC43
5F131EC73
(57)【要約】
【課題】一つの実施形態は、基板接合後の分離を適正に行うことができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。半導体装置の製造方法は、第1の基板に第1の膜を積層し、第2の基板に第2の膜、第3の膜、第4の膜を積層することを含む。半導体装置の製造方法は、第1の膜における第1の基板の反対側の主面と第4の膜における第2の基板の反対側の主面とを接合することを含む。半導体装置の製造方法は、焦点が第2の膜の近傍に位置するように第2の基板の側からレーザー光を照射することを含む。半導体装置の製造方法は、第2の基板を分離することを含む。第2の膜及び第4の膜は、それぞれ、第1の材料を含む。第3の膜は、第2の材料を含む。第2の材料は、第1の材料と異なる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板に第1の膜を積層し、第2の基板に第2の膜、第3の膜、第4の膜を積層することと、
前記第1の膜における前記第1の基板の反対側の主面と前記第4の膜における前記第2の基板の反対側の主面とを接合することと、
前記第2の基板の側からレーザー光を照射することと、
前記第2の基板を分離することと、
を備え、
前記第2の膜及び前記第4の膜は、それぞれ、第1の材料を含み、
前記第3の膜は、前記第1の材料と異なる第2の材料を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2の材料の熱膨張係数は、前記第1の材料の熱膨張係数より大きい
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2の材料の熱伝導率は、前記第1の材料の熱伝導率より高い
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2の材料の熱拡散率は、前記第1の材料の熱拡散率より大きい
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の材料は、半導体酸化物を含み、
前記第2の材料は、半導体、半導体窒化物、金属、金属酸化物及び金属窒化物の少なくとも1つを主成分とする材料を含む
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の材料は、半導体の多結晶材及び半導体のアモルファス材の少なくとも1つを含む
請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2の材料は、ポリシリコン及びアモルファスシリコンの少なくとも1つを含む
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第3の膜は、複数のパターンを有する
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記パターンは、平面視において、ライン状、ドット状、十字状、L字状及びT字状である
請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
第1の基板に第1の膜を積層し、第2の基板に第2の膜、第3の膜、第4の膜を積層することと、
前記第1の膜における前記第1の基板の反対側の主面と前記第4の膜における前記第2の基板の反対側の主面とを接合することと、
前記第2の膜が前記第2の基板に積層された積層体を分離することと、
前記積層体から前記第2の膜を除去することと、
を備えた半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記除去は、
前記第2の膜をウェットエッチングすることを含む
請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記分離は、
前記第2の基板の側からレーザー光を照射し、前記積層体を分離することを含む
請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記分離は、
前記第3の膜を機械的に除去し、前記積層体を分離することを含む
請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記積層は、
前記第2の基板に前記第2の膜、犠牲基板、前記第3の膜、前記第4の膜を積層することを含む
請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
基板と、
前記基板の主面側に配される第1の膜と、
前記第1の膜を間にして前記基板の反対側に配される第2の膜と、
前記第2の膜を間にして前記第1の膜の反対側に配される第3の膜と、
を備え、
前記第1の膜及び前記第3の膜は、互いに反対側で前記第2の膜に接触し、
前記第1の膜及び前記第3の膜は、それぞれ、第1の材料を含み、
前記第2の膜は、前記第1の材料と異なる第2の材料を含み、
前記第2の材料の熱膨張係数は、前記第1の材料の熱膨張係数より大きい
半導体装置。
【請求項16】
前記第2の材料の熱伝導率は、前記第1の材料の熱伝導率より高い
請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2の材料の熱拡散率は、前記第1の材料の熱拡散率より大きい
請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際に、2つの基板を接合し、その後、2つの基板のうち一方の基板を分離することがある。この分離を適正に行うことが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-103725号公報
【特許文献2】特開2021-106197号公報
【特許文献3】国際公開第2020/213478号
【特許文献4】国際公開第2021/010284号
【特許文献5】国際公開第2021/131710号
【特許文献6】国際公開第2021/131711号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、基板接合後の分離を適正に行うことができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。半導体装置の製造方法は、第1の基板に第1の膜を積層し、第2の基板に第2の膜、第3の膜、第4の膜を積層することを含む。半導体装置の製造方法は、第1の膜における第1の基板の反対側の主面と第4の膜における第2の基板の反対側の主面とを接合することを含む。半導体装置の製造方法は、焦点が第2の膜の近傍に位置するように第2の基板の側からレーザー光を照射することを含む。半導体装置の製造方法は、第2の基板を分離することを含む。第2の膜及び第4の膜は、それぞれ、第1の材料を含む。第3の膜は、第2の材料を含む。第2の材料は、第1の材料と異なる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示すフローチャート。
【
図2】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図3】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す拡大断面図。
【
図4】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図5】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す拡大断面図。
【
図6】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図7】実施形態におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図。
【
図8】実施形態におけるレーザー光照射時の基板の熱の流れを示す断面図。
【
図9】実施形態における熱伝導率、熱拡散率を示す図。
【
図10】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図11】実施形態における応力の発生を示す断面図。
【
図12】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図13】実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す拡大断面図。
【
図14】実施形態の第1の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図。
【
図15】実施形態の第2の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図。
【
図16】実施形態の第4の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図。
【
図17】実施形態の第5の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図。
【
図18】実施形態の第6の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図19】実施形態の第6の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す平面図。
【
図20】実施形態の第7の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図21】実施形態の第8の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図22】実施形態の第8の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図23】実施形態の第8の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図24】実施形態の第8の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【
図25】実施形態の第9の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
以下では、接合される2つの基板のうち剥離されずに残る他方の基板を基準とし、他方の基板の主面に垂直な方向をZ方向とし、Z方向に垂直な面内で互いに直交する2方向をX方向及びY方向とする。
【0009】
例えば、半導体装置1の製造方法は、
図1~
図13に示すように行われ得る。
図1は、半導体装置1の製造方法を示すフローチャートである。
図2(a)~
図2(f)、
図3(a)、
図3(b)、
図4(a)~
図4(b)、
図5、
図6(a)~
図6(c)、
図10(a)~
図10(c)、
図11、
図12(a)~
図12(e)、
図13は、半導体装置1の製造方法を示すYZ断面図である。
図3(a)は、
図2(b)の拡大断面図である。
図3(b)は、
図2(e)の拡大断面図である。
図5は、
図4(a)の拡大断面図である。
図13は、
図12(c)に相当する拡大断面図である。
図11は、応力の発生を示すYZ断面図である。
図7は、レーザー光照射時の基板の温度分布を示す図である。
図8は、レーザー光照射時の基板の熱の流れを示す断面図である。
図9は、熱伝導率、熱拡散率を説明する図である。
【0010】
半導体装置1の製造方法では、
図1に示すように、下基板の処理(S1~S2)と上基板の処理(S3~S4)とが、たとえば、並行して行われる。下基板は、接合すべき2つの基板のうち接合時に-Z側に配される基板である。上基板は、接合すべき2つの基板のうち接合時に+Z側に配される基板である。
【0011】
下基板の準備(S1)では、
図2(a)に示すように、基板(下基板)2が準備される。基板2は、実質的に不純物を含まない半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。
【0012】
成膜(S2)では、
図2(b)に示すように、基板2の主面2a側(+Z側)に、所定のデバイス構造が形成される。
【0013】
例えば、
図3(a)に示すような周辺回路構造PHCが形成されてもよい。基板2の+Z側の主面2a近傍に不純物が導入され半導体領域SRが形成される。基板2の主面2aに導電パターンGTが形成される。これにより、それぞれが半導体領域SR及び導電パターンGTを含む複数のトランジスタTRが形成される。複数のトランジスタTRを含む周辺回路構造PHCは、後述するメモリセルアレイ構造MARに対する周辺回路として機能する。
【0014】
所定のデバイス構造が形成された後、CVD法等により、基板2の主面2aを覆う膜3が形成される。例えば、基板2の主面2aに層間絶縁膜40が堆積される。層間絶縁膜40は、絶縁物を主成分とする材料で形成されてもよく、半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。また、層間絶縁膜40の堆積とともに層間絶縁膜40にホールが加工され導電物が埋め込まれたり導電パターンが形成されたりすることで、トランジスタTRに電気的に接続される配線構造WRが形成される。層間絶縁膜40の+Z側の主面40aには、メッキ等により、配線構造WRに電気的に接続される電極PD1が形成される。
図2(b)以降では、簡略化のため、導電パターンGT、配線構造WR、電極PD1、層間絶縁膜40を含む膜を膜3として図示及び説明を行う。また、膜3は、体積的に層間絶縁膜40が大部分を占めるため、半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよいものとして扱う。なお、
図3(a)に示すデバイス構造は一例であり、特に限定されない。
【0015】
上基板の準備(S3)では、
図2(c)に示すように、基板(上基板)100が準備される。基板100は、実質的に不純物を含まない半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。
【0016】
成膜(S4)では、
図2(d)に示すように、CVD法等により、基板100の主面100b側に、膜6が堆積される。膜6は、赤外光の吸収率が基板100より大きい任意の材料で形成され得る。膜6は、例えば、膜4がレーザー吸収層として機能するのに適したレーザー波長(例えば、9.2μm以上10.8μm以下)の吸収率が基板100より大きい材料で形成され得る。膜6は、ウェットエッチングで除去可能な材料で形成され得る。膜6は、半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。膜6の膜厚は、レーザー吸収層として機能するのに適した任意の膜厚でよいが、例えば、0.1μm以上1μm以下であってもよい。
【0017】
膜6の-Z側に、
図2(e)に示すように、CVD法等により、膜5が堆積される。膜5は、膜6より熱膨張係数が大きい任意の材料で形成され得る。膜5は、膜6より熱伝導率が大きい任意の材料で形成され得る。膜5は、膜6より熱拡散率が大きい任意の材料で形成され得る。膜5は、半導体の多結晶材(例えば、多結晶シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよいし、半導体のアモルファス材(例えば、アモルファスシリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。半導体の多孔質材(例えば、ポーラスシリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。なお、膜5がポーラスシリコンを主成分とする材料で形成される場合、ポーラス度は、40%以上90%以下であってもよく、好ましくは、50%以上90%以下であってもよい。ポーラス度は、分光エリプソメトリーまたはガス吸着法で測定された値を用いてもよい。膜5の膜厚は、膜6との界面が剥離界面となることに適した任意の膜厚でよいが、例えば、0.05μm以上1μm以下であってもよく、好ましくは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。
【0018】
膜5の-Z側に、
図2(f)に示すように、CVD法等により、膜4が堆積される。
【0019】
例えば、
図3(b)に示すようなメモリセルアレイ構造MARを含む膜4が形成されてもよい。膜5の-Z側に、絶縁膜60を堆積した後、導電膜を堆積し、導電膜をパターニングして、導電層SLを形成する。絶縁膜60は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。導電層SLは、不純物を含むポリシリコン等の導電性が付与された半導体で形成され得る。その後、導電層SLの+Z側に、絶縁層と犠牲層(図示せず)とを交互に複数回堆積して積層体LMを形成する。絶縁層は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。犠牲層は、シリコン窒化物等の絶縁層との間でエッチング選択比を確保可能な絶縁物で形成され得る。各絶縁層及び各犠牲層は、概ね同様な膜厚で堆積され得る。
【0020】
Y方向に延びるライン状に開口されたレジストパターンを積層体LMの-Z側に形成する。レジストパターンをマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)法などの異方性エッチングを行い、積層体LMをYZ方向に貫通する溝を形成する。そして、溝に分断膜(図示せず)が埋め込まれる。分断膜は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。分断膜は、積層体LMの-X側でYZ方向に延びる。分断膜は、積層体LMを-X側の他の積層体LMから分断する。各積層体LMでは、絶縁層及び犠牲層が交互に複数回積層されている。各積層体LMは、XY平面視でY方向を長手方向とする略矩形状を有する。
【0021】
メモリホールの形成位置が開口されたレジストパターンを各積層体LMの-Z側に形成する。レジストパターンをマスクとしてRIE法などの異方性エッチングを行い、積層体LMを貫通し導電層SLに到達するメモリホールを形成する。
【0022】
メモリホールの側面及び底面に、ブロック絶縁膜、電荷蓄積膜、トンネル絶縁膜が順に堆積される。ブロック絶縁膜は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。トンネル絶縁膜におけるメモリホールの底面の部分が選択的に除去される。
【0023】
メモリホールの側面及び底面に半導体膜が堆積される。半導体膜は、半導体(例えば、ポリシリコン)を主成分とする材料で形成され得る。そして、メモリホールにコア部材が埋め込まれる。コア部材は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。これにより、積層体LMをZ方向にそれぞれ貫通する複数の柱状体PLが形成される。複数の柱状体PLは、XY方向に配列されるように形成される。
【0024】
積層体LMの犠牲層が除去される。除去によって形成された空隙の露出された面にブロック絶縁膜が形成される。ブロック絶縁膜は、アルミニウム酸化物等の絶縁物で形成され得る。空隙には、さらに、導電層WLが埋め込まれる。導電層WLは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。これにより、導電層WLと絶縁層とが交互に繰り返し積層された積層体LMが形成される。導電層WLと柱状体PLの半導体膜とが交差する位置にメモリセルが形成される。すなわち、複数のメモリセルが3次元的に配列されたメモリセルアレイ構造MARが形成される。
【0025】
また、積層体LMを覆う層間絶縁膜50がさらに形成される。レジストパターンの形成及びスリミングとエッチング加工を繰り返すことなどにより、積層体LMのY方向両側に階段状に導電層WLが引き出された階段構造を形成する。層間絶縁膜50にホールを形成し導電物を埋め込むことなどにより、各導電層WLに電気的に接続される導電プラグCCを形成する。また、層間絶縁膜50の堆積とともに層間絶縁膜50にホールが加工され導電物が埋め込まれたり導電パターンが形成されたりすることで、導電プラグCCに電気的に接続される配線構造WR2が形成される。層間絶縁膜50の-Z側の主面50aには、メッキ等により、配線構造WR2に電気的に接続される電極PD2が形成される。
図2(f)以降では、簡略化のため、メモリセルアレイ構造MAR、導電プラグCC、配線構造WR2、電極PD2、層間絶縁膜50,60を含む膜を膜4として図示及び説明を行う。また、膜4は、本実施形態で注目する部分が層間絶縁膜60であるため、膜4の材料は主に層間絶縁膜60の材料であるものとして扱う。なお、
図3(b)に示すデバイス構造は一例であり、特に限定されない。また、
図3(b)においてメモリセルアレイ構造MARが1つ示されているが、複数あってもよい。
【0026】
膜4は、膜6と略同じ材料で形成され得る。膜4は、赤外光の吸収率が基板100より大きい任意の材料で形成され得る。膜4は、例えば、膜4がレーザー吸収層として機能するのに適したレーザー波長(例えば、9.2μm以上10.8μm以下)の吸収率が基板100より大きい材料で形成され得る。膜6は、半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。膜4の膜厚は、レーザー吸収層として機能するのに適した任意の膜厚であってよいが、例えば、0.1μm以上1μm以下であってもよい。
【0027】
図1に示すように、下基板の処理(S1~S2)と上基板の処理(S3~S4)とがいずれも完了すると、上基板と下基板とが接合される(S5)。膜3の+Z側の主面3a(
図2(b)参照)と膜4の-Z側の主面4b(
図2(f)参照)とがそれぞれプラズマ照射等により活性化され、
図2(g)に示すように、主面3a及び主面4bが向き合うように、基板2及び基板100がZ方向に対向配置される。
図2(g)、
図4(a)及び
図5に示すように、主面3aにおける電極PD1のXY位置と主面4bにおける電極PD2のXY位置とが対応するように、基板2のXY位置と基板100のXY位置とがアライメントされる。
図4(a)及び
図5に示すように、基板2及び基板100がZ方向に互いに近付けられ、基板2側の主面3aと基板100側の主面4bとが接合される。このとき、主面3aの原子と主面4bの原子とは水素結合等で結合され、基板2及び基板100が仮接合された状態である。
【0028】
そのため、
図1に示すように、比較的低温度での熱処理(アニール)が行われる(S6)。熱処理(アニール)では、
図4(b)に点線の矢印で示すように、基板2及び基板100が全体的に加熱される。熱処理では、例えば基板2及び基板100がそれぞれ比較的低温度(すなわち、デバイス構造の許容温度、例えば、200℃程度)に所定時間で加熱される。このとき、界面から水分子が抜けることなどにより、主面3aの原子と主面4bの原子とは共有結合等で結合され、基板2及び基板100が本接合された状態になる。これにより、基板2及び基板100の接合体CBが形成される。このとき、電極PD1と電極PD2とが直接接合で接合され、周辺回路構造PHCとメモリセルアレイ構造MARとが電気的に接続され得る。
【0029】
図1に示すS6が完了すると、基板100の側からレーザー光200を照射する(S7)。
【0030】
レーザー光の照射は、レーザー吸収層である膜6及び膜4の光吸収率が基板100よりも大きい波長帯(例えば、9.2μm以上10.8μm以下の波長帯)になるレーザー光200で行う。レーザー光200は、パルスレーザーが用いられる。レーザー光200は、赤外レーザーが用いられてもよい。レーザー光200は、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)が用いられてもよい。レーザー光200の吸収は、基板又は膜の吸収係数と厚みに依存して起こり、本構造では、レーザー吸収層となる膜6及び膜4で主にレーザー吸収が起きる。
【0031】
なお、ステージ及び光源を有するレーザー照射装置において、ステージが回転されながら光源が基板の中心位置から外周位置に徐々に移動してもよい。この場合、らせん状の軌道OB(図示せず)に沿って中心位置から外周位置に向かうスポット領域の照射パターンを実現可能である。外周位置から中心位置に向かって光源が移動してもよい。
【0032】
例えば、
図6(a)に示すように、1照射目のレーザー光200を照射すべきXY平面位置が決められ、レーザー光200の焦点が膜6内に位置するように調整される。照射すべきXY平面位置は、らせん状の軌道OBの開始位置であってもよい。膜6のレーザー光200の吸収率は、基板100のレーザー光200の吸収率より大きく、膜4のレーザー光200の吸収率は、基板100のレーザー光200の吸収率より大きい。これにより、基板100を通して膜6に照射されたレーザー光200は、主に膜6及び膜4内の照射箇所近傍で吸収され、そのXY平面位置で膜6及び膜4を局所発熱(局所加熱)させる。
【0033】
例えば、
図7(a)、
図7(b)に示すように、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。このとき、膜5の熱伝導率は膜6の熱伝導率より大きく、膜5の熱伝導率は膜4の熱伝導率より大きい。これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5へ-Z方向に伝達される。
【0034】
ここで、
図9に示すように、熱伝導率(W/(m・K))が高い材料なら熱流(W)が大きく、単位時間当たり温度勾配当たりで多くの熱(J)が伝わる。一方,熱(J)が伝わっても熱容量(J/K)が大きいと温度(K)が上がりにくい。熱容量(J/K)に対して熱伝導率が相対的に大きければ温度(K)が上がり易い。すなわち、熱拡散率(m
2/s)=熱伝導率(W/(m・K)/(比熱(J/(kg・K)×密度(kg/m
3)が高いと温度(K)が上がり易い。このとき、膜6や膜4に比べて線膨張係数(1/K)が高ければ、線膨張係数差によって両者の界面に大きな応力が発生し得る。
【0035】
図7(a)に示す膜5の熱拡散率は膜6の熱拡散率より大きく、膜5の熱拡散率は膜4の熱拡散率より大きい。そのため、
図8(b)に示すように、膜5へ伝達された熱は、さらに、膜5内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5側へ引っ張る熱の流れが形成され、
図7(b)、
図7(c)に示すように、基板100の温度を目標温度Tth以下に抑制でき、膜5の温度を最高温度T1付近まで上昇させることができる。
【0036】
このとき、膜5の熱膨張係数は膜6の熱膨張係数より大きく、膜5の熱膨張係数は膜4の熱膨張係数より大きい。膜5の温度上昇に伴い、膜5の方が膜6及び膜4よりも膨張する。これにより、そのXY平面位置で膨張の差に起因した応力が、膜5及び膜6の界面に発生する。これにより、
図6(b)に示すように、そのXY平面位置で膜5と膜6との界面で剥離する。または、膜5と膜4との界面で剥離してもよい。
【0037】
図6(c)に示すように、2照射目のレーザー光200を照射すべきXY平面位置が
図6(a)のXY平面位置からXY平面方向にシフトした位置に決められ、レーザー光200の焦点が膜6内に位置するように調整される。
図6(a)のXY平面位置からXY平面方向にシフトした位置は、らせん状の軌道OBに沿ってその開始位置からシフトした位置であってもよい。膜6のレーザー光200の吸収率は、基板100のレーザー光200の吸収率より大きく、膜4のレーザー光200の吸収率は、基板100のレーザー光200の吸収率より大きい。これにより、基板100を通して膜6に照射されたレーザー光200は、主に膜6内の照射箇所で吸収され、そのXY平面位置で膜6及び膜4を局所発熱(局所加熱)させる。
【0038】
例えば、
図7(a)、
図7(b)に示すように、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。このとき、膜5の熱伝導率は膜6の熱伝導率より大きく、膜5の熱伝導率は膜4の熱伝導率より大きい。これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5へ-Z方向に伝達される。
【0039】
膜5の熱拡散率は膜6の熱拡散率より大きく、膜5の熱拡散率は膜4の熱拡散率より大きい。そのため、
図8(b)に示すように、膜5へ伝達された熱は、さらに、膜5内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5側へ引っ張る熱の流れが形成され、
図7(b)、
図7(c)に示すように、基板100の温度を目標温度Tth(例えば、600℃)以下に抑制でき、膜5の温度を最高温度T1付近まで上昇させることができる。
【0040】
このとき、膜5の熱膨張係数は膜6の熱膨張係数より大きく、膜5の熱膨張係数は膜4の熱膨張係数より大きい。膜5の温度上昇に伴い、膜5の方が膜6及び膜4よりも膨張する。これにより、そのXY平面位置で膨張の差に起因した応力が、膜5及び膜6の界面に発生する。これにより、
図10(a)に示すように、そのXY平面位置で膜5と膜6との界面で剥離する。または、膜5と膜4との界面で剥離してもよい。
【0041】
図10(b)に示すように、最終であるN照射目のレーザー光200を照射すべき最終のXY平面位置が決められ、レーザー光200の焦点が膜4内に位置するように調整される。Nは、任意の3以上の整数である。最終のXY平面位置は、らせん状の軌道OBに沿ったその最終位置であってもよい。膜6のレーザー光200の吸収率は、基板100のレーザー光200の吸収率より大きく、膜4のレーザー光200の吸収率は、基板100のレーザー光200の吸収率より大きい。これにより、基板100を通して膜6に照射されたレーザー光200は、主に膜6内の照射箇所で吸収され、そのXY平面位置で膜6及び膜4を局所発熱(局所加熱)させる。
【0042】
例えば、
図7(a)、
図7(b)に示すように、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。このとき、膜5の熱伝導率は膜6の熱伝導率より大きく、膜5の熱伝導率は膜4の熱伝導率より大きい。これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5へ-Z方向に伝達される。
【0043】
膜5の熱拡散率は膜6の熱拡散率より大きく、膜5の熱拡散率は膜4の熱拡散率より大きい。そのため、
図8(b)に示すように、膜5へ伝達された熱は、さらに、膜5内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5側へ引っ張る熱の流れが形成され、
図7(b)、
図7(c)に示すように、基板100の温度を目標温度Tth以下に抑制でき、膜5の温度を最高温度T1付近まで上昇させることができる。
【0044】
このとき、膜5の熱膨張係数は膜6の熱膨張係数より大きく、膜5の熱膨張係数は膜4の熱膨張係数より大きい。膜5の温度上昇に伴い、膜5の方が膜6及び膜4よりも膨張する。これにより、そのXY平面位置で膨張の差に起因した応力が、膜5及び膜6の界面に発生する。これにより、
図10(c)に示すように、そのXY平面位置で膜5と膜6と界面で剥離する。または、膜5と膜4との界面で剥離してもよい。
【0045】
膜6内に複数のスポット領域が2次元的に分布するようにレーザー光200の照射が行われたことにより、
図11に示すように、膜5の+Z側の主面5aは、2次元的に分布する凸部5a2を有する状態になる。主面5aにおいて、複数の凸部5a2がXY方向に互いに離間して配された状態になる。これにより、
図11に点線の矢印で示すように、主面5aにおける複数の凸部5a2のそれぞれがXY方向外側に膜6を主面6b近傍で押し出す局所応力が発生し得る。
【0046】
なお、膜5及び膜6の界面と膜5及び膜4の界面とは、それぞれ、XY方向に互いに離間した複数個所で局所応力が発生する。膜5及び膜6の界面の温度が膜5及び膜4の界面の温度より高ければ、膜5及び膜6の界面の応力は、膜5及び膜4の界面の応力より大きくなり得る。
図11では、簡略化のため、比較的大きい膜5及び膜6の界面で発生する局所応力を選択的に示している。
【0047】
これにより、膜5及び膜6の界面で剥離が行われる(S8)。剥離では、
図12(a)に示すように、積層体7から積層体8が剥離される。積層体7では、基板2に膜3、膜4、膜5が積層されている。積層体8では、基板100に膜6が積層されている。例えば、2次元的に分布する複数の凸部5a2で局所応力が発生しているため、複数の凸部5a2を起点として、積層体7から積層体8が容易に剥離される。
【0048】
その後の加工等を考慮し、積層体7は、
図1に示すように、剥離面が処理される(S9)。積層体7では、
図12(b)に示すように、膜5の+Z側の主面5aにおいて、複数の凸部5a2がXY方向に分布しており、膜5の-Z側の主面5bにおいて、複数の凸部5b2がXY方向に分布している。ドライエッチング又はウェットエッチングにより、膜5が除去される。
【0049】
膜5が除去された積層体7aでは、
図12(c)に示すように、膜4の+Z側の主面4aにおいて、それぞれが凸部5b2に対応する複数の凹部4a2がXY方向に分布している。膜4は、CMP法等により、主面4aが研磨されて平坦化される。
【0050】
これにより、
図12(d)に示すように、基板2に膜3、膜4が積層され、膜4の主面4aが平坦化された半導体装置1が得られる。
【0051】
例えば、
図13に示すように、平坦化後に、層間絶縁膜60の+Z側の主面60aにホールを形成し導電物を埋め込むことなどにより、導電層SLに電気的に接続される導電プラグPGを形成する。メッキ等により、層間絶縁膜60の主面60aに、導電プラグPGに電気的に接続される電極パターンELを形成する。また、図示しないが、層間絶縁膜60の主面60aに、メモリセルアレイ構造MARをバイパスして周辺回路構造PHCに接続される電極パターンELも形成される。これにより、メモリセルアレイ構造MAR及び周辺回路構造PHCに外部から電源、信号等を供給可能である。
【0052】
なお、メモリセルアレイ構造MARを含む膜4はメモリセルアレイ用のチップ領域とみなすことができ、周辺回路構造PHCを含む膜3及び基板2は周辺回路用のチップ領域とみなすことができる。半導体装置1は、メモリセルアレイ用のチップ領域と周辺回路用のチップ領域との直接接合で得られた構造を有する。この構造は、CBA(CMOS directly Bonded to Array)とも呼ばれる。CBAにおいて、周辺回路用のチップ領域の+Z側に接合されるメモリセルアレイ用のチップ領域の個数は、1個に限定されず、2個以上であってもよい。
【0053】
一方、剥離された基板100は、
図1に示すように、再利用される(S10)。基板100は、
図2に実線の矢印で示すように、上基板100として再利用されてもよい。
【0054】
剥離直後の積層体8では、
図12(d)に示すように、基板100の-Z側の主面100bが膜6で覆われている。膜6がウェットエッチングで除去される。
【0055】
例えば、膜6が半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成される場合、基板100の材料(例えば、シリコンなどの半導体)とのエッチング選択比を確保しながらウェットエッチングで容易に除去され得る。
【0056】
これにより、
図12(e)に示すように、基板100が得られる。
図12(e)に示す基板100は、例えば上基板100としての再利用が容易である。また、CMP法等による研磨が不要なので、基板100がほぼ元の状態で再利用可能である。
【0057】
なお、剥離された基板100は、上基板100として再利用される代わりに、
図1に点線の矢印で示すように、下基板2として再利用されてもよい。
【0058】
以上のように、実施形態では、膜3が積層された基板2と膜6、膜5及び膜4が積層された基板100とが接合された後、焦点が膜6の近傍に位置するように基板100の側からレーザー光200が照射される。例えば、膜6及び膜4は、略同じ材料で形成され、膜5の材料は、膜6及び膜4の材料と異なる。膜5の材料は、膜6及び膜4の材料より熱膨張率が大きくてもよい。さらに、膜5の材料は、膜6及び膜4の材料より熱伝導率が高く且つ熱拡散率が大きくてもよい。これにより、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行い、膜6内等の熱を膜5側へ引き込み、膜5内で容易に拡散でき、基板100からZ方向に離間した膜5及び膜6の界面で局所応力を発生させることができる。この結果、基板100への熱的なダメージ(例えば、熱応力等による格子歪など)を抑制しながら基板100を容易に基板2から分離できる。したがって、基板2を含む半導体装置1の製造歩留まりを向上でき、基板100を容易に再利用できる。すなわち、半導体装置1の製造時における基板100の分離を適切に行うことができる。
【0059】
また、実施形態では、上基板100が分離される際に、剥離界面と上基板100との間に膜6を介在させる。すなわち、基板100からZ方向に離間した膜5及び膜6の界面で剥離を行い、積層体7から積層体8を剥離できる。その後、積層体8から膜6がウェットエッチングで除去される。これにより、剥離の際に基板100へ与えるダメージを抑制でき、その後の膜6の除去の際に基板100へ与えるダメージを抑制できる。この結果、剥離を良好に行うことができ、基板100をほぼ元の状態で再利用可能である。
【0060】
例えば、
図8(a)に示すように、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行った際に、その熱の大部分が基板100の側へ向かうと、基板100が熱的なダメージ(例えば、熱応力等による格子歪など)を受ける。この熱的なダメージが大きいと、その後にダメージ回復のための熱処理を行っても、ダメージを回復しきれない可能性がある。このため、基板100を再利用することが困難になる可能性がある。
【0061】
それに対して、本実施形態では、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行い、膜6内等の熱を膜5側へ引き込み、膜5内で容易に拡散でき、基板100からZ方向に離間した膜5及び膜6の界面で局所応力を発生させることができる。この結果、基板100への熱的なダメージ(例えば、熱応力等による格子歪など)を抑制しながら基板100を容易に基板2から分離できる。したがって、基板2を含む半導体装置1の製造歩留まりを向上でき、基板100を容易に再利用できる。
【0062】
なお、基板100の分離は、膜5及び膜6の界面での剥離(
図12(a)参照)に代えて、膜5及び膜4の界面での剥離で行われてもよい。
【0063】
また、膜5の材料は、膜6及び膜4の材料から熱を効率良く奪い,それ自身の温度が上がり易く,大きく熱膨張する任意の材料が適用可能である。
【0064】
(変形例1)
実施形態の第1の変形例として、膜5iの材料は、
図14に示すように、半導体窒化物(例えば、シリコン窒化物)を主成分とする材料であってもよい。
図14は、実施形態の第1の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図である。膜5iの膜厚は、膜6との界面が剥離界面となることに適した任意の膜厚でよいが、例えば、0.05μm以上1μm以下であってもよく、好ましくは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。
【0065】
例えば、
図6(a)に示すように、基板100の側からレーザー光200が照射された際に、
図14(a)、
図14(b)に示すように、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。
【0066】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5iの材料は、半導体窒化物(例えば、シリコン窒化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱伝導率が高い。
【0067】
これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5iへ-Z方向に伝達される。
【0068】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、
図14(a)に示す膜5iの材料は、半導体窒化物(例えば、シリコン窒化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱拡散率が大きい。
【0069】
そのため、
図8(b)に示すように、膜5iへ伝達された熱は、さらに、膜5i内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5i側へ引っ張る熱の流れが形成され、
図14(b)、
図14(c)に示すように、基板100の温度を目標温度Tth以下に抑制でき、膜5iの温度を最高温度T11付近まで上昇させることができる。
【0070】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5iの材料は、半導体窒化物(例えば、シリコン窒化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱膨張率が大きい。
【0071】
そのため、膜5iの温度上昇に伴い、そのXY平面位置で熱膨張係数の差に起因した応力が、膜5i及び膜6の界面と膜5及び膜4の界面とにそれぞれ発生する。これにより、
図6(b)に示すように、そのXY平面位置で膜5iが膜6の側へ膨張し、膜5iが膜4の側へ膨張する。
【0072】
このように、膜5iの材料として半導体窒化物(例えば、シリコン窒化物)を主成分とする材料を採用することによっても、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行い、膜6内等の熱を膜5i側へ引き込み、膜5i内で容易に拡散でき、基板100からZ方向に離間した膜5及び膜6の界面で局所応力を発生させることができる。
【0073】
(変形例2)
実施形態の第2の変形例として、膜5jの材料は、
図15に示すように、金属酸化物(例えば、アルミニウム酸化物)を主成分とする材料であってもよい。
図15は、実施形態の第2の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図である。膜5jの膜厚は、膜6との界面が剥離界面となることに適した任意の膜厚でよいが、例えば、0.05μm以上1μm以下であってもよく、好ましくは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。
【0074】
例えば、
図6(a)に示すように、基板100の側からレーザー光200が照射された際に、
図15(a)、
図15(b)に示すように、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。
【0075】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5jの材料は、金属酸化物(例えば、アルミニウム酸化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱伝導率が高い。
【0076】
これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5jへ-Z方向に伝達される。
【0077】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、
図15(a)に示す膜5jの材料は、金属酸化物(例えば、アルミニウム酸化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱拡散率が大きい。
【0078】
そのため、
図8(b)に示すように、膜5jへ伝達された熱は、さらに、膜5j内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5j側へ引っ張る熱の流れが形成され、
図15(b)、
図15(c)に示すように、基板100の温度を目標温度Tth以下に抑制でき、膜5jの温度を最高温度T21付近まで上昇させることができる。
【0079】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5jの材料は、金属酸化物(例えば、アルミニウム酸化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱膨張率が大きい。
【0080】
そのため、膜5jの温度上昇に伴い、そのXY平面位置で熱膨張係数の差に起因した熱応力が、膜5j及び膜6の界面と膜5及び膜4の界面とにそれぞれ発生する。これにより、
図6(b)に示すように、そのXY平面位置で膜5jが膜6の側へ膨張し、膜5jが膜4の側へ膨張する。
【0081】
このように、膜5jの材料として金属酸化物(例えば、アルミニウム酸化物)を主成分とする材料を採用することによっても、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行い、膜6内等の熱を膜5j側へ引き込み、膜5j内で容易に拡散でき、基板100からZ方向に離間した膜5j及び膜6の界面で局所応力を発生させることができる。
【0082】
(変形例3)
実施形態の第3の変形例として、膜5mの材料は、図示しないが、金属窒化物(例えば、アルミニウム窒化物、タングステン窒化物、チタン窒化物等)を主成分とする材料であってもよい。膜5mの膜厚は、膜6との界面が剥離界面となることに適した任意の膜厚でよいが、例えば、0.05μm以上1μm以下であってもよく、好ましくは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。
【0083】
例えば、
図6(a)に示すように、基板100の側からレーザー光200が照射された際に、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。
【0084】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5mの材料は、金属窒化物(例えば、アルミニウム窒化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱伝導率が高い。
【0085】
これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5mへ-Z方向に伝達される。
【0086】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5mの材料は、金属窒化物(例えば、アルミニウム窒化物、タングステン窒化物、チタン窒化物等)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱拡散率が大きい。
【0087】
そのため、
図8(b)に示すように、膜5mへ伝達された熱は、さらに、膜5m内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5m側へ引っ張る熱の流れが形成され、基板100の温度を目標温度Tth以下に抑制でき、膜5mの温度を最高温度付近まで上昇させることができる。
【0088】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5mの材料は、金属窒化物(例えば、アルミニウム窒化物)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱膨張率が大きい。
【0089】
そのため、膜5mの温度上昇に伴い、そのXY平面位置で熱膨張係数の差に起因した応力が、膜5m及び膜6の界面と膜5m及び膜4の界面とにそれぞれ発生する。これにより、
図6(b)に示すように、そのXY平面位置で膜5mが膜6の側へ膨張し、膜5mが膜4の側へ膨張する。
【0090】
このように、膜5mの材料として金属窒化物(例えば、アルミニウム窒化物)を主成分とする材料を採用することによっても、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行い、膜6内等の熱を膜5m側へ引き込み、膜5m内で容易に拡散でき、基板100からZ方向に離間した膜5m及び膜6の界面で局所応力を発生させることができる。
【0091】
(変形例4)
実施形態の第4の変形例として、膜5kの材料は、
図16に示すように、金属(例えば、タングステン、モリブデン、チタニウム等)を主成分とする材料であってもよい。
図16は、実施形態の第4の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図である。膜5kの膜厚は、膜6との界面が剥離界面となることに適した任意の膜厚でよいが、例えば、0.05μm以上1μm以下であってもよく、好ましくは、0.05μm以上0.2μm以下であってもよい。
【0092】
例えば、
図6(a)に示すように、基板100の側からレーザー光200が照射された際に、
図16(a)、
図16(b)に示すように、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。
【0093】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5kの材料は、金属(例えば、タングステン、モリブデン、チタニウム等)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱伝導率が高い。
【0094】
これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5kへ-Z方向に伝達される。
【0095】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、
図16(a)に示す膜5kの材料は、金属(例えば、タングステン、モリブデン、チタニウム等)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱拡散率が大きい。
【0096】
そのため、
図8(b)に示すように、膜5kへ伝達された熱は、さらに、膜5k内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5k側へ引っ張る熱の流れが形成され、
図16(b)、
図16(c)に示すように、基板100の温度を目標温度Tth以下に抑制でき、膜5kの温度を最高温度T31付近まで上昇させることができる。
【0097】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5kの材料は、金属(例えば、タングステン、モリブデン、チタニウム等)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱膨張率が大きい。
【0098】
そのため、膜5kの温度上昇に伴い、そのXY平面位置で熱膨張係数の差に起因した応力が、膜5k及び膜6の界面と膜5k及び膜4の界面とにそれぞれ発生する。これにより、
図6(b)に示すように、そのXY平面位置で膜5kが膜6の側へ膨張し、膜5kが膜4の側へ膨張する。
【0099】
このように、膜5kの材料として金属(例えば、タングステン、モリブデン、チタニウム等)を主成分とする材料を採用することによっても、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行い、膜6内等の熱を膜5k側へ引き込み、膜5k内で容易に拡散でき、基板100からZ方向に離間した膜5k及び膜6の界面で局所応力を発生させることができる。
【0100】
(変形例5)
実施形態の第5の変形例として、膜5pの材料は、
図17に示すように、比較的熱伝導率の高い金属(例えば、銅)を主成分とする材料であってもよい。
図17は、実施形態の第5の変形例におけるレーザー光照射時の基板の温度分布を示す図である。膜5p膜厚は、膜6との界面が剥離界面となることに適した任意の膜厚でよいが、例えば、0.05μm以上1μm以下であってもよく、好ましくは、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。
【0101】
例えば、
図6(a)に示すように、基板100の側からレーザー光200が照射された際に、
図17(a)、
図17(b)に示すように、膜6及び膜4の局所発熱により、そのXY位置で膜6及び膜4の温度が高温になる。
【0102】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5pの材料は、金属(例えば、銅)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱伝導率が高い。
【0103】
これにより、
図8(b)に示すように、膜6内の熱は、基板100へ+Z方向に伝達されるとともに、膜5pへ-Z方向に伝達される。
【0104】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、
図17(a)に示す膜5pの材料は、金属(例えば、銅)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱拡散率が大きい。
【0105】
そのため、
図8(b)に示すように、膜5pへ伝達された熱は、さらに、膜5p内でXY方向に伝達される。これにより、膜6内の熱を膜5p側へ引っ張る熱の流れが形成され、
図17(b)、
図17(c)に示すように、基板100の温度を目標温度Tth以下に抑制でき、膜5pの温度を最高温度T41付近まで上昇させることができる。
【0106】
膜6及び膜4の材料が半導体酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料である場合、膜5pの材料は、金属(例えば、銅)を主成分とする材料であり、膜6及び膜4の材料より熱膨張率が大きい。
【0107】
そのため、膜5pの温度上昇に伴い、そのXY平面位置で熱膨張係数の差に起因した応力が、膜5p及び膜6の界面と膜5p及び膜4の界面とにそれぞれ発生する。これにより、
図6(b)に示すように、そのXY平面位置で膜5pが膜6の側へ膨張し、膜5pが膜4の側へ膨張する。
【0108】
このように、膜5pの材料として金属(例えば、銅)を主成分とする材料を採用することによっても、レーザーに対する光吸収を膜6及び膜4で行い、膜6内等の熱を膜5p側へ引き込み、膜5p内で容易に拡散でき、基板100からZ方向に離間した膜5p及び膜6の界面で局所応力を発生させることができる。
【0109】
(変形例6)
実施形態の第6の変形例として、
図1の成膜(S4)で膜6の-Z側に形成される膜5qは、2次元的に配列される複数のパターンPT_1~PT_nを有した膜であってもよい。nは、任意の2以上の整数である。
【0110】
図1に示す成膜(S4)において、実施形態と同様に、基板100の主面100b側に膜6が堆積され、膜6の-Z側に膜5が堆積される。例えば、膜5は、上記実施形態の膜5、5i、5m、5k、5pと同様であってもよい。その後、膜5の-Z側に、複数のパターンに対応するレジストパターンが形成され、レジストパターンをマスクとしてドライまたはウェットエッチングが行われることで、複数のパターンPT_1~PT_nを有する膜5qが形成される。その後、膜5qの複数のパターンPT_1~PT_nを覆うように膜4が堆積される。これ以降は、実施形態と同様である。あるいは、各種膜5を成膜した後、リソグラフィやエッチング、CMP等を用いたいわゆるダマシンプロセスによりパターニングされた膜5を形成してもよい。
【0111】
例えば、膜5qを含む積層体CB(
図4(b)参照)に対して、
図18に示すように、基板100の側からレーザー200が照射されてもよい。
図18は、実施形態の第6の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図であり、
図6(a)に相当する工程を示す。
【0112】
複数のパターンPT_1~PT_nの配列方向は、任意であるが、X方向及び/又はY方向に沿った方向であってもよいし、X方向及び/又はY方向に交差する方向であってもよい。複数のパターンPT_1~PT_nの配列ピッチは、その配列方向に沿って均等であってもよい。配列ピッチは、レーザー200の波長の1/5であってもよく、例えば2μm以下であってもよい。
【0113】
各パターンPTは、
図19(a)に示すように、XY平面視において、ライン状であってもよい。
図19は、半導体装置の製造方法を示す平面図である。
図19(a)に示す各パターンPTは、X方向に延びる。複数のパターンPT_1~PT_nは、Y方向に略均等なピッチP
Yで配列される。
【0114】
各パターンPTは、
図19(b)、
図19(c)に示すように、XY平面視において、ドット状であってもよい。各パターンPTは、略矩形のドット状であってもよいし、略円形のドット状であってよい。
図19(b)、
図19(c)では、略矩形のドット状のパターンPTが例示される。各パターンPTの配列の態様は、
図19(b)に示すように、千鳥状の配列でもよいし、
図19(c)に示すように、格子状の配列でもよい。X方向に略均等なピッチP
Xで配列され、Y方向に略均等なピッチP
Yで配列されてもよい。
【0115】
各パターンPTは、
図19(d)に示すように、XY平面視において、十字状であってもよい。各パターンPTは、X方向に延びるラインとY方向に延びるラインとが交差した十字状のパターンであってもよい。複数のパターンPT_1~PT_nは、X方向に略均等なピッチP
Xで配列され、Y方向に略均等なピッチP
Yで配列されてもよい。
【0116】
他に各パターンPTは、T字状であってもよい。
【0117】
各パターンPTは、
図19(d)に示すように、XY平面視において、L字状などの非対称なパターンであってもよい。各パターンPTは、X方向に延びるラインとY方向に延びるラインと端部で連結されたL字状のパターンであってもよい。複数のパターンPT_1~PT_nは、X方向の配列ピッチP
XがX方向にオフセットし、Y方向の配列ピッチP
Yが一定であってもよい。
【0118】
このように、膜5qに2次元的に配列される複数のPT_1~PT_nを含ませることによって膜5q及び膜6の界面で局所応力が発生する際に、その界面における応力分布を制御できる。
【0119】
(変形例7)
実施形態の第7の変形例として、上基板100の分離は、
図20に示すように、機械的な剥離で行われてもよい。
図20は、実施形態の第7の変形例にかかる半導体装置1の製造方法を示す断面図である。
【0120】
機械的な剥離が行われる場合、
図1に示すレーザー照射(S7)が省略される。下基板の処理(S1~S2)と上基板の処理(S3~S4)とが、たとえば、並行して行われる点は、実施形態と同様であるが、S4の工程が次の点で実施形態と異なる。
【0121】
図1に示す成膜(S4)において、基板100の主面100b側に膜6が堆積される。膜6は、ウェットエッチングで除去可能な材料で形成され得る。膜6は、半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよいし、半導体窒化物(例えば、窒化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。
【0122】
膜6の-Z側に膜5が堆積される。このとき、膜5は、機械的な強度が比較的弱い材料で形成され得る。膜5は、半導体の多結晶材(例えば、多結晶シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよいし、半導体のアモルファス材(例えば、アモルファスシリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。半導体の多孔質材(例えば、ポーラスシリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。なお、膜5がポーラスシリコンを主成分とする材料で形成される場合、ポーラス度は、40%以上90%以下であってもよく、好ましくは、50%以上90%以下であってもよい。ポーラス度は、分光エリプソメトリーまたはガス吸着法で測定された値を用いてもよい。これ以降は、実施形態のS4と同様である。
【0123】
図1に示す下基板の処理(S1~S2)と上基板の処理(S3~S4)とがいずれも完了すると、上基板と下基板とが接合され(S5)、熱処理(S6)が行われる点は、実施形態と同様である。
【0124】
その後、
図1に示すように、剥離が行われる(S8)。剥離では、膜5を剥離層とした機械的な剥離が行われ、
図20(a)に示すように、積層体207から積層体208が剥離される。積層体207では、基板2に膜3、膜4、膜51が積層されている。膜51は、膜5の一部である。積層体208では、基板100に膜6、膜52が積層されている。膜52は、膜5の他の一部である。
【0125】
例えば、膜5のZ方向中央付近にブレード部材BLの先端を挿入させる。ブレード部材BLの先端は、鋭角を成す鋭利な形状を有する。膜5は、機械的な強度が比較的弱い材料で形成されているため、ブレード部材BLの先端の挿入による応力で膜51及び52へZ方向に分断される。
【0126】
その後の加工等を考慮し、積層体207は、
図1に示すように、剥離面が処理される(S9)。
図20(b)に示す積層体207では、機械的な剥離の影響で、膜51の+Z側の主面51aが粗面となっている。ドライエッチング又はウェットエッチングにより、膜51が除去される。
【0127】
これにより、
図20(c)に示すように、基板2に膜3、膜4が積層され、膜4の主面4aが平坦である半導体装置1が得られる。
【0128】
一方、剥離された基板100は、
図1に示すように、再利用される(S10)。基板100は、
図2に実線の矢印で示すように、上基板100として再利用されてもよい。
【0129】
剥離直後の積層体208では、
図20(d)に示すように、基板100の-Z側の主面100bが膜6及び膜52で覆われている。膜6がウェットエッチングで除去され、それに伴い、膜52も除去される。
【0130】
例えば、膜6が半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成される場合、基板100の材料(例えば、シリコンなどの半導体)とのエッチング選択比を確保しながらウェットエッチングで容易に除去され得る。あるいは、膜6が半導体窒化物(例えば、窒化シリコン)を主成分とする材料で形成される場合、基板100の材料(例えば、シリコンなどの半導体)とのエッチング選択比を確保しながらウェットエッチングで容易に除去され得る。
【0131】
これにより、
図20(e)に示すように、基板100が得られる。
図20(e)に示す基板100は、例えば上基板100としての再利用が容易である。また、CMP法等による研磨が不要なので、基板100がほぼ元の状態で再利用可能である。
【0132】
このような処理においても、上基板100が分離される際に、剥離界面と上基板100との間に膜6を介在させる。すなわち、基板100からZ方向に離間した膜5を剥離層として剥離を行い、積層体207から積層体208を剥離できる。その後、積層体208から膜6がウェットエッチングで除去される。これにより、剥離の際に基板100へ与えるダメージを抑制でき、その後の膜6の除去の際に基板100へ与えるダメージを抑制できる。この結果、剥離を良好に行うことができ、基板100をほぼ元の状態で再利用可能である。
【0133】
(変形例8)
実施形態の第8の変形例として、
図21~
図24に示すように、剥離界面と上基板100との間に犠牲基板300を介在させる処理が行われてもよい。
図21(a)~
図21(f)、
図22(a)~
図22(e)、
図23(a)~
図23(d)、
図24(a)~
図24(e)、は、半導体装置1の製造方法を示すYZ断面図である。
【0134】
下基板の準備(S1)では、基板(下基板)2を含む積層体308が準備される。S1では、
図21(a)~
図21(b)に示す工程と
図21(c)~
図21(d)に示す工程とが、たとえば、並行して行われる。
【0135】
下基板の準備(S1)は、
図21(a)に示すように、実施形態(
図2(a)参照)と同様に行われる。
【0136】
成膜(S2)は、
図21(b)に示すように、実施形態(
図2(b)参照)と同様に行われる。
【0137】
上基板の準備(S3)では、
図21(c)に示すように、基板(上基板)100を含む積層体308が準備される。積層体308は、
図22(a)~
図22(e)に示すように形成される。S3では、
図22(a)~
図22(b)に示す工程と
図22(c)~
図22(d)に示す工程とが並行して行われてもよい。
【0138】
図22(a)に示す工程では、犠牲基板300が準備される。犠牲基板300は、実質的に不純物を含まない半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。犠牲基板300は、再利用されない基板であり、基板100より薄い。
【0139】
図22(b)に示す工程では、CVD法等により、犠牲基板300の+Z側の主面300a側に、膜9が堆積される。膜9は、ダミーの膜であり、任意の材料で形成され得る。
【0140】
図22(c)に示す工程では、基板(上基板)100が準備される。基板100は、実質的に不純物を含まない半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。
【0141】
図22(d)に示す工程では、CVD法等により、基板100の主面100b側に、膜6が堆積される。膜6は、実施形態の膜6と同様であってもよい。
【0142】
図22(b)に示す工程と
図22(d)に示す工程とがいずれも完了すると、犠牲基板300と基板100とが接合される。膜9の+Z側の主面9a(
図22(b)参照)と膜6の-Z側の主面6b(
図22(d)参照)とがそれぞれプラズマ照射等により活性化され、
図22(e)に示すように、主面9a及び主面6bが向き合うように、犠牲基板300及び基板100がZ方向に対向配置される。
図21(c)に示すように、犠牲基板300及び基板100がZ方向に互いに近付けられ、犠牲基板300側の主面9aと基板100側の主面6bとが接合される。このとき、主面9aの原子と主面9bの原子とは水素結合等で結合され、犠牲基板300及び基板100が仮接合された状態である。これにより、基板100に、膜9、膜6、犠牲基板300が積層された積層体308が形成される。
【0143】
成膜(S4)では、
図21(d)に示すように、CVD法等により、積層体308の-Z側の主面300b側に、膜5が堆積される。膜5は、実施形態の膜5、5i、5j、5m、5k、5p、5qと同様であってもよい。
【0144】
膜5の-Z側に、
図21(e)に示すように、CVD法等により、膜4が堆積される。膜4は、実施形態の膜4と同様であってもよい。
【0145】
図1に示すように、下基板の処理(S1~S2)と上基板の処理(S3~S4)とがいずれも完了すると、上基板と下基板とが接合される(S5)。膜3の+Z側の主面3a(
図21(b)参照)と膜4の-Z側の主面4b(
図21(e)参照)とがそれぞれプラズマ照射等により活性化され、
図21(f)に示すように、主面3a及び主面4bが向き合うように、基板2及び基板100がZ方向に対向配置される。基板2及び基板100がZ方向に互いに近付けられ、基板2側の主面3aと基板100側の主面4bとが接合される。このとき、主面3aの原子と主面4bの原子とは水素結合等で結合され、基板2及び基板100が仮接合された状態である。
【0146】
その後、比較的低温度での熱処理(アニール)が行われ(S6)、界面から水分子が抜けることなどにより、主面3aの原子と主面4bの原子とは共有結合等で結合され、基板2及び基板100が本接合された状態になる。これにより、
図23(a)に示すように、基板2及び基板100の接合体CB1が形成される。
【0147】
図1に示すS6が完了すると、基板100の側からレーザー光200を照射する(S7)。
【0148】
例えば、
図23(a)に示すように、1照射目のレーザー光200を照射すべきXY平面位置が決められ、レーザー光200の焦点が膜4内に位置するように調整される。基板100、膜6、膜9、犠牲基板300を通して膜4に照射されたレーザー光200は、効率的に膜4内の照射箇所近傍で吸収され、そのXY平面位置で膜4を局所発熱(局所加熱)させる。
【0149】
これにより、
図23(b)に示すように、そのXY平面位置で膜5が犠牲基板300の側へ膨張し、膜5が膜4の側へ膨張する。
【0150】
図23(c)に示すように、2照射目のレーザー光200を照射すべきXY平面位置が
図23(a)のXY平面位置からXY平面方向にシフトした位置に決められ、レーザー光200の焦点が膜4内に位置するように調整される。基板100、膜6、膜9、犠牲基板300を通して膜4に照射されたレーザー光200は、効率的に膜4内の照射箇所で吸収され、そのXY平面位置で膜4を局所発熱(局所加熱)させる。
【0151】
これにより、
図23(d)に示すように、そのXY平面位置で膜5が犠牲基板300の側へ膨張し、膜5が膜4の側へ膨張する。
【0152】
同様にして、最終であるN照射目のレーザー光200の照射が行われると、
図24(a)に示すように、膜5の+Z側の主面5aは、2次元的に分布する凸部5a2を有する状態になる。これにより、主面5aにおける複数の凸部5a2のそれぞれがXY方向外側に犠牲基板300を主面300b近傍で押し出す局所応力が発生し得る。
【0153】
これにより、膜5及び犠牲基板300の界面で剥離が行われる(S8)。剥離では、
図24(a)に示すように、積層体307から積層体308が剥離される。積層体307では、基板2に膜3、膜4、膜5が積層されている。積層体308では、基板100に膜6、膜9、犠牲基板300が積層されている。例えば、2次元的に分布する複数の凸部5a2で局所応力が発生しているため、複数の凸部5a2を起点として、積層体307から積層体308が容易に剥離される。
【0154】
その後の加工等を考慮し、積層体307は、
図1に示すように、剥離面が処理される(S9)。積層体307では、
図24(b)に示すように、膜5の+Z側の主面5aにおいて、複数の凸部5a2がXY方向に分布しており、膜5の-Z側の主面5bにおいて、複数の凸部5b2がXY方向に分布している。ドライエッチング又はウェットエッチングにより、膜5が除去される。
【0155】
膜5が除去された積層体307aでは、膜4の+Z側の主面4aにおいて、それぞれが凸部5b2に対応する複数の凹部がXY方向に分布している。膜4は、CMP法等により、主面4aが研磨されて平坦化される。
【0156】
これにより、
図24(c)に示すように、基板2に膜3、膜4が積層され、膜4の主面4aが平坦化された半導体装置1が得られる。
【0157】
一方、剥離された基板100は、
図1に示すように、再利用される(S10)。基板100は、
図2に実線の矢印で示すように、上基板100として再利用されてもよい。
【0158】
剥離直後の積層体308では、
図24(d)に示すように、基板100の-Z側の主面100bが膜6、膜9、犠牲基板300で覆われている。膜6がウェットエッチングで除去され、それに伴い、膜9、犠牲基板300も除去される。
【0159】
例えば、膜6が半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成される場合、基板100の材料(例えば、シリコンなどの半導体)とのエッチング選択比を確保しながらウェットエッチングで容易に除去され得る。それに伴い、膜9、犠牲基板300も除去される。
【0160】
これにより、
図24(e)に示すように、基板100が得られる。
図24(e)に示す基板100は、例えば上基板100としての再利用が容易である。また、CMP法等による研磨が不要なので、基板100がほぼ元の状態で再利用可能である。
【0161】
このような処理によっても、上基板100が分離される際に、剥離界面と上基板100との間に膜6、膜9、犠牲基板300を介在させる。すなわち、基板100からZ方向に離間した膜5と犠牲基板300との界面で剥離を行い、積層体307から積層体308を剥離できる。その後、積層体308から膜6がウェットエッチングで除去され、それに伴い、膜9、犠牲基板300も除去される。これにより、剥離の際に基板100へ与えるダメージを抑制でき、その後の膜6、膜9、犠牲基板300の除去の際に基板100へ与えるダメージを抑制できる。この結果、剥離を良好に行うことができ、基板100をほぼ元の状態で再利用可能である。
【0162】
(変形例9)
実施形態の第9の変形例として、実施形態の第8の変形例における上基板100の分離が、
図25に示すように、機械的な剥離で行われてもよい。
図25は、実施形態の第9の変形例にかかる半導体装置1の製造方法を示す断面図である。
【0163】
機械的な剥離が行われる場合、
図1に示すレーザー照射(S7)が省略される。下基板の処理(S1~S2)と上基板の処理(S3~S4)とが、たとえば、並行して行われる点は、実施形態の第7の変形例と同様であるが、S4の工程が次の点で実施形態の第7の変形例と異なる。
【0164】
図1に示す成膜(S4)において、
図22(d)に示す工程で、基板100の主面100b側に膜6が堆積される。膜6は、ウェットエッチングで除去可能な材料で形成され得る。膜6は、半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよいし、半導体窒化物(例えば、窒化シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。
【0165】
図21(d)に示す工程で、犠牲基板300の-Z側に膜5が堆積される。このとき、膜5は、機械的な強度が比較的弱い材料で形成され得る。膜5は、半導体の多結晶材(例えば、多結晶シリコン)を主成分とする材料で形成されてもよいし、半導体のアモルファス材(例えば、アモルファスシリコン)を主成分とする材料で形成されてもよいし、半導体の多孔質材(例えば、ポーラスシリコン)を主成分とする材料で形成されてもよい。なお、膜5がポーラスシリコンを主成分とする材料で形成される場合、ポーラス度は、40%以上90%以下であってもよく、好ましくは、50%以上90%以下であってもよい。ポーラス度は、分光エリプソメトリーまたはガス吸着法で測定された値を用いてもよい。これ以降は、実施形態の第7の変形例のS4と同様である。
【0166】
図1に示す下基板の処理(S1~S2)と上基板の処理(S3~S4)とがいずれも完了すると、上基板と下基板とが接合され(S5)、熱処理(S6)が行われる点は、実施形態の第7の変形例と同様である。
【0167】
その後、
図1に示すように、剥離が行われる(S8)。剥離では、膜5を剥離層とした機械的な剥離が行われ、
図25(a)に示すように、積層体407から積層体408が剥離される。積層体407では、基板2に膜3、膜4、膜51が積層されている。膜51は、膜5の一部である。積層体408では、基板100に膜6、膜9、犠牲基板300、膜52が積層されている。膜52は、膜5の他の一部である。
【0168】
例えば、膜5のZ方向中央付近にブレード部材BLの先端を挿入させる。ブレード部材BLの先端は、鋭角を成す鋭利な形状を有する。膜5は、機械的な強度が比較的弱い材料で形成されているため、ブレード部材BLの先端の挿入による応力で膜51及び52へZ方向に分断される。
【0169】
その後の加工等を考慮し、積層体407は、
図1に示すように、剥離面が処理される(S9)。
図25(b)に示す積層体407では、機械的な剥離の影響で、膜51の+Z側の主面51aが粗面となっている。ドライエッチング又はウェットエッチングにより、膜51が除去される。
【0170】
これにより、
図25(c)に示すように、基板2に膜3、膜4が積層され、膜4の主面4aが平坦である半導体装置1が得られる。
【0171】
一方、剥離された基板100は、
図1に示すように、再利用される(S10)。基板100は、
図2に実線の矢印で示すように、上基板100として再利用されてもよい。
【0172】
剥離直後の積層体208では、
図25(d)に示すように、基板100の-Z側の主面100bが膜6及び膜52で覆われている。膜6がウェットエッチングで除去され、それに伴い、膜9、犠牲基板300、膜52も除去される。
【0173】
例えば、膜6が半導体酸化物(例えば、酸化シリコン)を主成分とする材料で形成される場合、基板100の材料(例えば、シリコンなどの半導体)とのエッチング選択比を確保しながらウェットエッチングで容易に除去され得る。あるいは、膜6が半導体窒化物(例えば、窒化シリコン)を主成分とする材料で形成される場合、基板100の材料(例えば、シリコンなどの半導体)とのエッチング選択比を確保しながらウェットエッチングで容易に除去され得る。それに伴い、膜9、犠牲基板300、膜52も除去される。
【0174】
これにより、
図25(e)に示すように、基板100が得られる。
図25(e)に示す基板100は、例えば上基板100としての再利用が容易である。また、CMP法等による研磨が不要なので、基板100がほぼ元の状態で再利用可能である。
【0175】
このような処理においても、上基板100が分離される際に、剥離界面と上基板100との間に膜6、膜9、犠牲基板300を介在させる。すなわち、基板100からZ方向に離間した膜5を剥離層として剥離を行い、積層体407から積層体408を剥離できる。その後、積層体408から膜6がウェットエッチングで除去され、それに伴い、膜9、犠牲基板300も除去される。これにより、剥離の際に基板100へ与えるダメージを抑制でき、その後の膜6、膜9、犠牲基板300の除去の際に基板100へ与えるダメージを抑制できる。この結果、剥離を良好に行うことができ、基板100をほぼ元の状態で再利用可能である。
【0176】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0177】
1 半導体装置、2、100 基板、3~6,9,51,52 膜、300 犠牲基板。