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特開2024-134368案内装置、案内方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134368
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】案内装置、案内方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240926BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20240926BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G01C21/26 B
G06Q10/083
B65G61/00 544
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044630
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】村上 徹
【テーマコード(参考)】
2F129
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA06
2F129BB03
2F129BB04
2F129DD34
2F129DD35
2F129DD66
2F129EE02
2F129EE23
2F129EE26
2F129EE29
2F129EE54
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF32
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129HH02
2F129HH12
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配達業務を支援すると共に、荷物の時間帯指定徒過の低減に資する技術を提供する。
【解決手段】案内装置は、利用者の端末に対して、利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内部を備え、複数の配達先ピンは、それぞれ、荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、案内部は、地図上の複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、複数の配達先ピンのそれぞれにおける時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内装置であって、
利用者の端末に対して、前記利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内部を備え、
前記複数の配達先ピンは、それぞれ、前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、
前記案内部は、
地図上の前記複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、前記複数の配達先ピンのそれぞれにおける前記時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する、案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、
前記案内部は、地図上の前記複数の配達先ピンのうち、前記時間帯指定の内容が、前記現在時間帯よりも後の時間帯である前記配達先ピンの表示態様を非表示とする、案内装置。
【請求項3】
請求項1に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、
前記案内部は、地図上の前記複数の配達先ピンのうち、前記時間帯指定の内容が、前記現在時間帯よりも前の時間帯である前記配達先ピンの表示態様を、他の前記配達先ピンの表示態様よりも目立つ表示態様とする、案内装置。
【請求項4】
請求項3に記載の案内装置であって、
前記案内部は、
前記端末に現在表示されている地図の範囲外において、前記時間帯指定の内容が前記現在時間帯よりも前の時間帯であるという条件を満たす前記配達先ピンが存在する場合、
前記条件を満たす前記配達先ピンが存在する旨の案内表示を地図上に表示させる、案内装置。
【請求項5】
請求項4に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記案内表示として、
地図上において前記条件を満たす前記配達先ピンが存在する方向と、
前記条件を満たす前記配達先ピンまでの距離と、
の少なくとも一方を表示させる、案内装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯とし、
前記時間帯指定の内容が前記現在時間帯よりも前の時間帯である前記配達先ピンを遅延ピンとしたとき、
前記案内部は、さらに、地図上の前記遅延ピンに対する前記利用者の特定操作を取得した場合に、前記遅延ピンが示す前記配達先へと自動的に電話を掛けさせ、または、前記遅延ピンが示す前記配達先へと自動的に所定のメッセージを送信させる、案内装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、
前記案内部は、さらに、
現在時刻から、前記現在時間帯の終了時刻までの残り時間と、
前記現在時間帯に配達を終えるべき前記荷物の残り個数と、
の少なくとも一方を地図上にさらに表示させる、案内装置。
【請求項8】
案内方法であって、情報処理装置が、
利用者の端末に対して、前記利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内工程を備え、
前記複数の配達先ピンは、それぞれ、前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、
前記案内工程では、
地図上の前記複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、前記複数の配達先ピンのそれぞれにおける前記時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する、案内方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムであって、情報処理装置に、
利用者の端末に対して、前記利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
前記複数の配達先ピンは、それぞれ、前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、
前記案内ステップでは、
地図上の前記複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、前記複数の配達先ピンのそれぞれにおける前記時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内装置、案内方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットショッピングの普及により、物流業務の需要が増加し、商品等の荷物を指定された配達先へと配達する業務に従事する者(以降「配達人」とも呼ぶ)が増加している。配達人は、業務効率化の観点から、予め定められた担当エリアを有しており、担当エリア内の個人宅等に荷物を配達する。例えば、特許文献1には、管理者による配達人の割り当てを支援するための配達管理装置が開示されている。特許文献1に記載の装置では、配達先、配達先への配達予定時刻、配達先への移動体の割当状態を示す画像を、マップ画像上の配達先の地点に対応付けて表示させる。特許文献2には、目的地への到着予定時刻がスケジュールに対して間に合うかを提示する情報処理装置が開示されている。特許文献2に記載の装置では、時間軸Zに関連付けて、スケジュール情報の日時、現在時刻、到着予定時刻、をそれぞれ表すマークを表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-144925号公報
【特許文献2】特開2019-49564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、配達業務では、受取人による荷物の配達時間帯指定ができることが一般的である。このため配達人は、その日、自身に割り当てられた荷物の全てについて、それぞれ指定された時間帯指定に従って配達を終える必要がある。この点、特許文献1に記載の技術では、地図上にピン状の配達先アイコン(以降「配達先ピン」とも呼ぶ)が配達ステータスに応じた色で表示されるため、荷物の配達先を確認しやすい。しかし、配達人が1日のうちに配達すべき荷物の数は多数であり、かつ、荷物の配達先は担当エリア内の各所に散らばっているため、特許文献1のような配達先ピンを用いた場合であっても、配達先ピンそのものを見落としてしまい、荷物の時間帯指定を遵守できない虞があった。また、特許文献2に記載の技術では、配達人の業務を支援することについて何ら考慮されていない。
【0005】
このため、配達業務を支援すると共に、荷物の時間帯指定徒過の低減に資する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、案内装置が提供される。この案内装置は、利用者の端末に対して、前記利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内部を備え、前記複数の配達先ピンは、それぞれ、前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、前記案内部は、地図上の前記複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、前記複数の配達先ピンのそれぞれにおける前記時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する。
【0008】
この構成によれば、案内部は、利用者の端末に対して、利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印(配達先ピン)が配置された地図を表示させる。このため利用者は、地図を確認することで、一見して、複数の荷物の配達先の位置と、各配達先の位置関係とを把握できるため、利用者による配達業務を支援できる。また、案内部は、地図上の複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、複数の配達先ピンのそれぞれにおける時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する。このため利用者は、配達先ピンの表示態様によって、一見して、現在時刻と、複数の配達先ピンのそれぞれにおける時間帯指定との関係を把握できるため、荷物の時間帯指定徒過を低減できる。この結果、本構成によれば、配達業務を支援すると共に、荷物の時間帯指定徒過の低減に資することができるため、配達業務を効率化できる。
【0009】
(2)上記形態の案内装置では、前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、前記案内部は、地図上の前記複数の配達先ピンのうち、前記時間帯指定の内容が、前記現在時間帯よりも後の時間帯である前記配達先ピンの表示態様を非表示としてもよい。
この構成によれば、案内部は、地図上の複数の配達先ピンのうち、時間帯指定の内容が、現在時間帯よりも後の時間帯である配達先ピンの表示態様を非表示とする。このように利用者が現在時刻において注意を向ける必要がない配達先ピンを非表示とすることで、必要な配達先ピンのみに利用者の注意を向けさせることができる。この結果、本構成によれば、荷物の時間帯指定徒過をより一層低減できる。
【0010】
(3)上記形態の案内装置では、前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、前記案内部は、地図上の前記複数の配達先ピンのうち、前記時間帯指定の内容が、前記現在時間帯よりも前の時間帯である前記配達先ピンの表示態様を、他の前記配達先ピンの表示態様よりも目立つ表示態様としてもよい。
時間帯指定の内容が、現在時間帯よりも前の時間帯である配達先ピンは、既に時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)配達先を表している。本構成によれば、このような配達先ピンの表示態様を、他の配達先ピンの表示態様よりも目立つ表示態様とすることで、利用者の注意を誘導するため、荷物の時間帯指定徒過の幅(時間幅)を小さくできる。
【0011】
(4)上記形態の案内装置において、前記案内部は、前記端末に現在表示されている地図の範囲外において、前記時間帯指定の内容が前記現在時間帯よりも前の時間帯であるという条件を満たす前記配達先ピンが存在する場合、前記条件を満たす前記配達先ピンが存在する旨の案内表示を地図上に表示させてもよい。
この構成によれば、案内部は、端末に現在表示されている地図の範囲外において、既に時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)配達先ピンが存在する場合に、その旨の案内表示を地図上に表示させる。このように、地図の縮尺設定等に起因して表示範囲外となっているために見過ごされている配達先ピンであって、配達遅延している配達先ピンの存在を利用者に対して注意喚起することによって、荷物の時間帯指定徒過の幅(時間幅)を小さくできる。
【0012】
(5)上記形態の案内装置において、前記案内部は、前記案内表示として、地図上において前記条件を満たす前記配達先ピンが存在する方向と、前記条件を満たす前記配達先ピンまでの距離と、の少なくとも一方を表示させてもよい。
この構成によれば、案内部は、配達遅延している配達先ピンが存在する方向と、配達遅延している配達先ピンまでの距離と、の少なくとも一方を表示させることによって注意喚起を行うため、利用者は、配達遅延している配達先ピンを見つけやすい。
【0013】
(6)上記形態の案内装置では、前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯とし、前記時間帯指定の内容が前記現在時間帯よりも前の時間帯である前記配達先ピンを遅延ピンとしたとき、前記案内部は、さらに、地図上の前記遅延ピンに対する前記利用者の特定操作を取得した場合に、前記遅延ピンが示す前記配達先へと自動的に電話を掛けさせ、または、前記遅延ピンが示す前記配達先へと自動的に所定のメッセージを送信させてもよい。
この構成によれば、案内部は、地図上の遅延ピン(配達遅延している配達先ピン)に対する利用者の特定操作を取得した場合に、遅延ピンが示す配達先へと自動的に電話を掛けさせ、または、遅延ピンが示す配達先へと自動的に所定のメッセージを送信させるため、受取人に対する遅延連絡を補助することができ、配達業務をより一層効率化できる。
【0014】
(7)上記形態の案内装置では、前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、前記案内部は、さらに、現在時刻から、前記現在時間帯の終了時刻までの残り時間と、前記現在時間帯に配達を終えるべき前記荷物の残り個数と、の少なくとも一方を地図上にさらに表示させてもよい。
この構成によれば、案内部は、現在時刻から、現在時間帯の終了時刻までの残り時間と、現在時間帯に配達を終えるべき荷物の残り個数と、の少なくとも一方を地図上にさらに表示させる。このため利用者は、残り時間及び/または残り個数を参照することで、現在時間帯における配達のスケジューリングをスムーズに実施できる。この結果、本構成によれば配達業務をより一層効率化できる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、案内装置、ナビゲーション装置、地図表示装置、配達支援装置、これら各装置や、これら各装置を含むシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態としての配達支援システムの概略構成を示す図である。
図2】荷物情報DBの一例を示す図である。
図3】配達支援処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図4】地図表示画面の一例を示す図である。
図5】遅延ピンのアラート表示の変形を示す図である。
図6】荷物一覧画面の一例を示す図である。
図7】荷物情報詳細画面の一例を示す図である。
図8】配達先情報画面の一例を示す図である。
図9】ナビゲーション画面の一例を示す図である。
図10】現在時刻フィルタモードについて説明する図である。
図11】現在時刻フィルタモードの変形について説明する図である。
図12】荷物絞込画面の一例を示す図である。
図13】ピンの絞り込みが行われた後の地図表示画面の一例を示す図である。
図14】管理画面の一例を示す図である。
図15】第2実施形態の配達支援システムの概略構成を示す図である。
図16】第2実施形態の地図表示画面の一例を示す図である。
図17】案内表示について説明する図である。
図18】第3実施形態の配達支援システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての配達支援システム1の概略構成を示す図である。配達支援システム1は、物流業務、なかでも、商品等の荷物を指定された配達先へと配達する業務に従事する配達人が利用者となるシステムである。配達支援システム1は、利用者が配達すべき荷物(以降、「要配達荷物」または単に「荷物」とも呼ぶ)の情報を用いて、利用者による要配達荷物の配達を支援する。
【0018】
配達支援システム1は、サーバ10と、利用者端末30とを備えている。サーバ10は、有線通信によりインターネットINTに接続されている。利用者端末30は、通信キャリアBSを介した無線通信によってインターネットINTに接続されている。通信キャリアBSには、送受信アンテナや、無線基地局、交換局が含まれる。すなわち、サーバ10と利用者端末30とは、インターネットINTを介して相互に通信することができる。
【0019】
サーバ10は、CPU110と、通信部120と、ROM/RAM130と、記憶部140と、入出力部150とを備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。サーバ10は「案内装置」に相当する。
【0020】
CPU110は、ROM130に格納されているコンピュータプログラムをRAM130に展開して実行することにより、サーバ10の各部を制御する。CPU110は、案内部111としても機能する。案内部111は、利用者端末30と協働して、後述の配達支援処理を実行する。案内部111は、配達支援処理において、複数の配達先ピンが配置された地図を表示させると共に、それら複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、複数の配達先ピンのそれぞれにおける時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更することで、要配達荷物の時間帯指定徒過の低減を図る。ここで「配達先ピン」は、要配達荷物の配達先を表す目印である。また「時間帯指定徒過の低減」とは、時間帯指定徒過の発生そのものを抑制することと、時間帯指定徒過が生じた場合における徒過の幅(時間幅)を小さくすることと、の両方を含む。配達支援処理の詳細は後述する。
【0021】
通信部120は、利用者端末30など他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。
【0022】
記憶部140は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。記憶部140には、荷物情報データベース141と、地図情報データベース142と、が予め記憶されている。以降の説明では、データベースを単に「DB」とも呼ぶ。
【0023】
図2は、荷物情報DB141の一例を示す図である。荷物情報DB141には、利用者端末30の利用者ごとに、当該利用者がその日に配達する要配達荷物の情報(以降「荷物情報」とも呼ぶ)が記憶されている。図2に示すように、各荷物情報には、例えば、次のa1~a11に示す情報が含まれている。なお、情報a1~a11は、配達支援処理に先立って予め登録されており、配達支援処理の中で随時更新可能である。
(a1)配達先住所:配達先の住所を表す。
(a2)配達先緯度経度:配達先の緯度経度を表す。配達先緯度経度は、配達先住所で代用できるため省略されてもよい。
(a3)配達先における宅配ボックスの有無:配達先に宅配ボックスが存在するか否かを表す。
(a4)表札情報/ビル・テナント情報:配達先の表札を表す情報(例えば、非集合住宅の場合は「山田」、集合住宅の場合は「101 山田」等)と、配達先があるビル名及びテナント名を表す情報(例えば、「XYZビル 〇〇食堂」等)と、のいずれか一方。
(a5)備考情報:配達にあたっての注意事項等を表す。
(a6)時間帯指定:個々の要配達荷物に対して指定された配達時間帯の指定内容を表す。
(a7)宅配ボックス利用可否:個々の要配達荷物に対して指定された宅配ボックスの利用可否の指定内容を表す。
(a8)荷物状況:個々の要配達荷物の状況(例えば、配達、不在、再配達、集荷、代引/着払、等の状況)を表す。
(a9)サイズ情報:要配達荷物の大きさ(小、中、大、特大等)、及び、要配達荷物の個口数を表す。
(a10)置き配情報:置き配の可否、置き配場所の指定、置き配を実施する条件の指定(日時、天候等)等が含まれ得る。
(a11)巡回順:利用者がその日に配達すべき荷物情報がn個(nは任意の自然数)ある場合に、その荷物情報が示す要配達荷物を何番目に配達するかを表す数字、換言すれば、巡回順を表す数字。巡回順は、荷物情報の登録順に応じて自動的に設定されてもよいし、後述の配達支援処理において設定及び変更可能とされてもよい。
【0024】
なお、荷物情報は、上述した項目の一部を省略してもよく、例示しない他の情報が含まれてもよい。図2には、ある利用者Aについての荷物情報の一例を示すが、他の利用者B,C等についても、上述した要配達荷物の情報(荷物情報)が、予め荷物情報DB141内に記憶されている。
【0025】
図1に戻り、説明を続ける。地図情報DB142は、地図画像を表すデータを格納するデータベースである。地図画像を表すデータには、地形、建物、道路の形状等、地図表示のために必要な情報が含まれている。
【0026】
入出力部150は、サーバ10と、サーバ10の管理者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部150としては、例えば、入力部としてのキーボードやタッチパネル及びマイク、表示部(出力部)としてのタッチパネル、液晶パネル等を採用できる。
【0027】
利用者端末30は、例えば、図示するスマートフォンのほか、パーソナルコンピュータや、車載装置、ウェアラブルデバイス等の任意のデバイスとして構成できる。利用者端末30は、CPU310と、通信部320と、ROM/RAM330と、記憶部340と、入出力部350と、現在位置取得部360とを備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。
【0028】
CPU310は、ROM330に格納されているコンピュータプログラムをRAM330に展開して実行することにより、利用者端末30の各部を制御するほか、処理部311としても機能する。処理部311は、サーバ10と協働して、後述の配達支援処理を実行する。通信部320は、サーバ10など他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。
【0029】
記憶部340は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成されている。入出力部350は、利用者端末30と利用者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部350としては、例えば、入力部としてのカメラやタッチパネル、表示部(出力部)としてのタッチパネル、液晶パネル等を採用できる。現在位置取得部360は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)やQZSS(Quasi-Zenith Satellite System/準天頂衛星システム)を構成する人工衛星から送信された電波を受信し、利用者端末30の現在位置を表す現在位置情報(緯度および経度)を取得する。ここで、利用者端末30は利用者が持ち歩いているため、現在位置取得部360により取得された現在位置は、利用者の現在位置と同視できる。
【0030】
図3は、配達支援処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。図3では、サーバ10の構成要素を破線枠で囲むと共に、利用者端末30を単に「端末30」と表している。本実施形態の配達支援処理は、予め準備された荷物情報DB141及び地図情報DB142を利用して、利用者による要配達荷物の配達を支援する処理である。配達支援処理は、任意のタイミングで実行され得る。図3の例では、配達支援処理は、利用者端末30にインストールされている所定のアプリケーションの起動を契機として実行される。
【0031】
ステップS10において、所定のアプリケーションの起動に伴って、利用者端末30の処理部311は、サーバ10に対して利用者IDを送信する。利用者IDは、各利用者を区別するために一意に付与されたIDである。
【0032】
ステップS12において、サーバ10の案内部111は、利用者IDをキーとして荷物情報DB141を検索し、当該利用者がその日に配達する要配達荷物の情報(荷物情報、情報a1~a11)を取得する。
【0033】
ステップS14において、サーバ10の案内部111は、利用者端末30において画面表示のために用いられる一連のデータ(表示用データ)を生成する。ステップS16において、サーバ10の案内部111は、生成した表示用データを利用者端末30に送信する。ステップS18において、利用者端末30の処理部311は、受信した表示用データを用いて、入出力部350に画面を表示させる。以降、表示用データを用いて利用者端末30に表示される一連の画面について説明する。なお、サーバ10と利用者端末30とは、後述する画面遷移を実現するために、ステップS14~S18の処理を繰り返し実行してもよい。
【0034】
図4は、地図表示画面W1の一例を示す図である。地図表示画面W1は、図3のステップS18において利用者端末30に初期表示される画面である。地図表示画面W1には、地図と、地図上に配置された複数のピンP1~P11と、現在位置シンボルPLと、ボタンB1~B7と、ボタンB11と、残り荷物表示ST1とが含まれている。なお、地図表示画面W1に表示されている地図の中心位置や縮尺は、任意に定めることができる。
【0035】
ピンP1~P11は、地図上において要配達荷物の配達先に相当する位置にそれぞれプロットされた目印である。換言すれば、ピンP1~P11は、利用者が配達すべき複数の要配達荷物の配達先をそれぞれ表す目印である。各ピンは、荷物情報の時間帯指定(情報a6)に応じて色分け表示されている。各ピンの内部には、荷物情報の荷物状況(情報a8)を表す文字が記載されている。すなわち、各ピンは、時間帯指定の情報a6と、荷物状況の情報a8とを含んでいる。ピンP1,P6のように、1つの集合住宅に複数の配達先が存在する場合は、ピンには、配達先数に応じた数を記したバッジが付される。各ピンは、それぞれ「配達先ピン」に相当する。
【0036】
ここで、本実施形態の例では、荷物情報の時間帯指定(情報a6)が、指定なし、午前中、12-14時、14-16時、16-18時、18-20時、19-21時、20-21時の8つの時間帯に区切られているとする。この時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を「現在時間帯」とも呼ぶ。
【0037】
配達支援処理(図3)のステップS20において、利用者端末30の処理部311は、地図表示画面W1において地図上に配置されている複数のピンP1~P11から遅延ピンを算出し、算出した遅延ピンに対してアラート表示をする。ここで「遅延ピン」とは、荷物情報の時間帯指定(情報a6)の内容が、現在時間帯よりも前の時間帯である配達先ピンを意味する。換言すれば、遅延ピンは、現在時刻と比較した時に、既に時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)配達先を表していると言える。アラート表示は、遅延ピンの表示態様を、他の配達先ピン(非遅延ピン)の表示態様よりも目立つ表示態様とすることによって行われる。
【0038】
例えば、現在時刻が12時40分の場合、現在時間帯は、12-14時である。この場合、図4に示すように、地図表示画面W1の地図上の複数のピンP1~P11のうち、時間帯指定の内容が、現在時間帯(すなわち12-14時)よりも前の時間帯である「午前中」の配達先ピンP1,P3,P9の表示態様を点滅表示とすることで、他の配達先ピンP2,P4~P8,P10,P11よりも目立つ表示態様とされている。すなわち、図4の例では、遅延ピンを点滅表示とすることによってアラート表示がなされる。図3のステップS20は、所定時間ごとに繰り返し実行される。これにより、現在時刻に応じた最新の遅延ピンの算出と、当該遅延ピンに対するアラート表示とが実施できる。
【0039】
ボタンB1は、メニュー画面に遷移するためのボタンである。メニュー画面では、利用者の個人設定(名前、連絡先等)の確認及び変更や、アプリケーションの汎用設定(各種初期値等)の確認及び変更ができる。ボタンB2は、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物の総数が表示されたボタンである。ボタンB2のタップによって、荷物一覧画面W2へと遷移する。ボタンB3は、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物が全て1画面に収まる縮尺へと、地図の縮尺を変更するためのボタンである。例えば、ボタンB2に要配達荷物の総数として「150件」と表示されていれば、ボタンB3のタップによって、地図表示画面W1には、当該150件分のピンが1画面に収まった広域地図が表示される。ボタンB4は、ピンを絞り込み(フィルタ)表示するためのボタンである。ボタンB4のタップによって、荷物絞込画面W6へと遷移する。ボタンB5は、地図上へのピンの表示/非表示を切り替えるためのボタンである。ボタンB6は、現在位置シンボルPLが地図の中心になるように、地図の中心位置を変更するためのボタンである。ボタンB7は、地図表示画面W1内の地図の縮尺を拡大(+タップ時)、または、縮小(-タップ時)するためのボタンである。
【0040】
ボタンB11は、現在時刻フィルタモードに移行するためのボタンである。現在時刻フィルタモードでは、地図上の複数のピンP1~P11のうち、時間帯指定の内容(情報a6の内容)が、現在時間帯よりも後の時間帯である配達先ピンの表示態様が非表示とされる。詳細は後述する。
【0041】
残り荷物表示ST1は、残り時間表示と、残り件数表示とを含んでいる。残り時間表示は、現在時刻から、現在時間帯の終了時刻までの残り時間(分)である。例えば、現在時刻が12時40分である場合、現在時間帯(すなわち12-14時)の終了時刻である14時までの残り時間として、80分と表示される。残り件数表示は、現在時間帯のうちに配達を終えるべき荷物の残り個数(件)である。換言すれば、残り件数表示は、利用者Aが当日に配達すべき全ての要配達荷物のうち、時間帯指定の内容が現在時間帯であって、かつ、配達が終了していない荷物の数を表す。すなわち図4に示す残り荷物表示ST1は、現在時間帯(すなわち12-14時)の終了時刻まで残り80分であり、そのうちに15件の荷物を配達する必要があることを示している。なお、残り荷物表示ST1のうちの、残り時間表示と、残り件数表示とは、いずれか一方が省略されてもよい。
【0042】
図5は、遅延ピンのアラート表示の変形を示す図である。図5(A)では、図4と同様に、遅延ピンDPの表示態様を点滅表示とすることでアラート表示を実現している。しかし、遅延ピンDPのアラート表示時の表示態様は、遅延ピンDPを、他の配達先ピンPよりも目立たせることが可能な限りにおいて任意に変更できる。例えば、図5(B)に示すように、遅延ピンDPの大きさと、遅延ピンDP内に表示される文字の大きさと、の少なくともいずれか一方(図示の例では両方を例示)を、他の配達先ピンPよりも大きくすることでアラート表示を実現してもよい。例えば、図5(C)に示すように、遅延ピンDPに対して、「遅延している」旨を示すアイコンを付加することでアラート表示を実現してもよい。例えば、図5(D)に示すように、遅延ピンDPの外側に対してさらに縁取りを施したり、遅延ピンDPの外枠の太さを他の配達先ピンPよりも太くすることでアラート表示を実現してもよい。また、遅延ピンDPの外枠や、文字色を、他の配達先ピンPよりも目立つ色にすることでアラート表示を実現してもよい。
【0043】
図5(E)は、アラート表示されている遅延ピンに対する付加機能についての説明図である。図5(E)に示すように、利用者Aが遅延ピンDPをタップすることで、サブウィンドウSWが表示されてもよい。サブウィンドウSWは、上段「受取人に電話」のタップを検出することによって、利用者端末30から受取人に対して自動的に電話を掛けさせるように構成されている。サブウィンドウSWは、下段「遅延SMS」のタップを検出することによって、利用者端末30から受取人に対して自動的にショートメッセージを送信するように構成されている。ショートメッセージの内容は任意に決定できるが、荷物情報(情報a1~a11のうちの任意の一部)と、荷物が遅延する旨と、が含まれ得る。受取人の連絡先としては、備考情報(情報a5)に受取人の電話番号が含まれている場合は、当該電話番号を利用できる。荷物情報には、上述した情報a1~a11のほかに、本機能を実現するために、受取人電話番号の項目が用意されてもよい。なお、図5(E)で説明した、遅延ピンDPをタップし、「受取人に電話」または「遅延SMS」をタップする操作は、利用者の特定操作に相当する。
【0044】
図6は、荷物一覧画面W2の一例を示す図である。荷物一覧画面W2は、地図表示画面W1においてボタンB2がタップされた場合に表示される画面である。荷物一覧画面W2には、時間帯スライダーバー上に表示されたボタンB100と、荷物情報BI1~BI4と、キャンセルボタンBCと、が含まれている。なお、図6の例では、荷物一覧画面W2には4つの荷物情報のみが表示されている。しかし、荷物一覧画面W2では、画面スクロールによって、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物の荷物情報の全てが参照できる。
【0045】
ボタンB100は、バー上に表示された各時間帯へとボタンB100をスライドさせることによって、荷物情報BI1~BI4に表示される荷物情報を、時間帯指定(情報a6)によって絞り込み表示するためのボタンである。キャンセルボタンBCは、荷物一覧画面W2を閉じて地図表示画面W1へと遷移させるためのボタンである。
【0046】
荷物情報BI1~BI4には、利用者Aが当日に配達すべき要配達荷物についての、個々の荷物情報が表示されている。荷物情報BI1~BI4は、ボタンB11を用いた絞り込み条件下において、巡回順(情報a11)が若い順、換言すれば巡回順(情報a11)が早い順にソートされている。図示の例では、荷物情報BI1が最も巡回順が早く、荷物情報BI2、荷物情報BI3,荷物情報BI4の順に巡回順が設定されていることを表す。
【0047】
例えば、図6に示す表示D1は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の時間帯指定(情報a6)、及び、荷物状況(情報a8)の表示である。表示D2は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の配達先住所(情報a1)の表示である。表示D3は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の表札情報/ビルテナント情報(情報a4)の表示である。表示D4は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の大きさ及び個口数(情報a9)の表示である。表示D5は、荷物情報BI1が示す要配達荷物の置き配可否(情報a10)、及び、宅配ボックス利用可否(情報a7)の表示である。表示D6,D7は、荷物情報BI4が示す要配達荷物の備考情報(情報a5)の表示である。
【0048】
図6に示す表示ST2は、荷物情報BI1が示す要配達荷物に、時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)旨を示す表示である。なお、表示ST2は省略してもよい。また、表示ST2の表示態様は任意に変更でき、図6に示すアイコン表示に代えて、荷物情報BI1そのものの表示態様を変更してもよい。荷物情報BI1の表示態様の変更とは、例えば、荷物情報BI1そのものの点滅表示、荷物情報BI1に外枠を付す、荷物情報BI1の文字色あるいは背景色を変更する、等を採用できる。
【0049】
図7は、荷物情報詳細画面W3の一例を示す図である。荷物情報詳細画面W3は、荷物一覧画面W2において荷物情報BI1~BI4のいずれか1つがタップされた場合に表示される画面である。図7では、図6の荷物情報BI1がタップされた場合に表示される荷物情報詳細画面W3を例示している。荷物情報詳細画面W3には、荷物情報BI1と、ボタンB111,B112,B113と、が含まれている。荷物情報BI1の上部には、図6で説明したと同様の表示ST2、すなわち、時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)旨を示す表示ST2が配置されている。
【0050】
荷物情報詳細画面W3は、特定の1つの荷物情報BI(図示の例ではBI1)の詳細を表す画面に相当し、利用者は、荷物情報詳細画面W3を用いて荷物情報BIを参照及び編集できる。荷物情報BI1には、現在の荷物情報DB141に基づく荷物情報が表示されている。例えば利用者は、荷物情報BI(図示の例ではBI1)欄の宅配ボックスチェックボックスにおけるチェックを変更することで、宅配ボックス利用可否(情報a7)を変更できる。また、利用者は、表札情報や備考情報のテキストボックスに文字を入力することで、表札情報/ビル・テナント情報(情報a4)や備考情報(情報a5)を変更できる。利用者は、時間指定の選択マークを移動させることで、時間帯指定(情報a6)を変更できる。さらに、利用者は、要配達荷物の配達が完了した際、配達状況の選択マークを「完了」に移動させた上で、荷物状況(情報a8)を変更できる。
【0051】
ボタンB111は、荷物情報BI(図示の例ではBI1)に表示される情報量を増加あるいは減少させるためのボタンである。ボタンB112は、荷物情報BI(図示の例ではBI1)が表す配達先へのナビゲーションを行うためのボタンである。配達先へのナビゲーションについて詳細は後述する。
【0052】
ボタンB113は、上述したチェックボックス、テキストボックス、及び選択マークに対する入力内容を用いた変更を確定するためのボタンである。ボタンB113のタップを検出した際に、利用者端末30は、荷物情報詳細画面W3における入力内容(チェックボックス、テキストボックス、選択マークの値)をサーバ10に送信する。その後、サーバ10の案内部111は、受信した情報を用いて荷物情報DB141を更新する。
【0053】
図8は、配達先情報画面W4の一例を示す図である。配達先情報画面W4は、地図表示画面W1において、任意の1つのピンがタップされた場合に表示される画面である。図8では、ピンP1がタップされた場合に表示される配達先情報画面W4を例示している。配達先情報画面W4には、拡大地図W41と、情報表示W42と、が含まれている。
【0054】
拡大地図W41は、タップされたピンが付された建物(図示の例では、ピンP1が付された建物BU1)を中心とした、当該建物近傍を拡大して表す狭域地図である。図8に示すように、拡大地図W41においても、地図内に含まれる配達先ピンが遅延ピンである場合、当該遅延ピンにはアラート表示(図示の例では点滅表示)がなされる。
【0055】
情報表示W42には、タップされたピンが付された建物(図示の例では、ピンP1が付された建物BU1)の情報を表す情報BUIと、当該建物内の居住者を配達先とする要配達荷物の荷物情報BI1,BI2と、が含まれている。荷物情報BI1,BI2には、図7(荷物一覧画面W2)と同様の情報が表示されている。荷物情報BI1,BI2には、図6で説明したと同様の表示ST2、すなわち、時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)旨を示す表示ST2が配置されている。情報BUIには、タップされたピンが付された建物(図示の例では、ピンP1が付された建物BU1)の住所及び名称の表示と、ボタンB101,B102と、が含まれている。
【0056】
ボタンB101は、ボタンB101がタップされることによって、情報BUIが表す配達先(建物)へのナビゲーションを開始するためのボタンである。配達先へのナビゲーションについて詳細は後述する。ボタンB102は、情報BUIが表す建物における宅配ボックスの有無(情報a3)を設定変更するためのボタンである。
【0057】
配達先へのナビゲーションについて説明する。荷物情報詳細画面W3(図7)のボタンB112のタップ、または、配達先情報画面W4(図8)のボタンB101のタップを検出した利用者端末30は、図3のステップS30に示すように、現在地(現在位置取得部360により取得された現在位置情報)と、配達先住所と、を含む経路探索要求をサーバ10に送信する。なお、配達先情報画面W4のボタンB101のタップをトリガとする場合、ステップS30では、配達先住所に代えて、ピンP1の識別情報が送信されてもよい。
【0058】
ステップS32に示すように、サーバ10の案内部111は、受信した現在地を出発地とし、配達先住所を目的地とした経路(出発から目的地までの走行ルート)を取得する。この際、案内部111は、インターネットINTを介して接続された外部の経路探索サーバから経路を取得してもよいし、サーバ10自身が経路DBと経路探索部を備える場合は、経路探索部から経路を取得してもよい。
【0059】
ステップS34において案内部111は、取得した経路を利用者端末30へと送信する。その後、ステップS36において利用者端末30では、受信した経路を用いたナビゲーションが行われる。
【0060】
図9は、ナビゲーション画面W5の一例を示す図である。ナビゲーション画面W5は、荷物情報詳細画面W3のボタンB112、または、配達先情報画面W4のボタンB101をタップした際に表示される画面、換言すれば、図3のステップS36において利用者端末30に表示される画面である。ナビゲーション画面W5には、行先表示W51と、拡大地図W52と、が含まれている。行先表示W51は、次の右左折あるいは直進ポイントを拡大図付きで表す案内表示である。拡大地図W52は、配達先までの経路(走行ルート)と、現在位置シンボルPLとを含み、現在位置近傍を拡大して表す狭域地図である。
【0061】
図10は、現在時刻フィルタモードについて説明する図である。地図表示画面W1(図4)のボタンB11のタップを検出した利用者端末30は、図3のステップS40に示すように、地図上の複数の配達ピンP1~P11を、現在時刻でフィルタし、フィルタ後の地図表示画面W11(図10)を再表示する。具体的には、利用者端末30の処理部311は、地図表示画面W1において地図上に配置されている複数のピンP1~P11のうち、荷物情報の時間帯指定(情報a6)の内容が、現在時間帯よりも後の時間帯である配達先ピンの表示態様を非表示とした地図表示画面W11を生成し、地図表示画面W11を表示させる。
【0062】
例えば、現在時刻が12時40分の場合、現在時間帯は、12-14時である。この場合、図10に示すように、地図表示画面W1の地図上の複数のピンP1~P11のうち、時間帯指定の内容が、現在時間帯(すなわち12-14時)よりも後の時間帯である「14-16時、16-18時、18-20時、19-21時、20-21時」の配達先ピンP4~P7,P10の表示態様が非表示とされている。フィルタ後の地図表示画面W11(図10)の画面レイアウトは地図表示画面W1と同じである。このため、処理部311は、地図表示画面W11のボタンB11のタップを検出した場合にも同様に、図3のステップS40を実行する。
【0063】
図11は、現在時刻フィルタモードの変形について説明する図である。利用者端末30の処理部311は、荷物情報の時間帯指定(情報a6)の内容が、現在時間帯よりも後の時間帯である配達先ピンの表示態様を非表示とすることに代えて、他のピンよりも視認性が低い(目立たない)態様としてもよい。図示の例では、配達先ピンの形状を小さな丸印に変更することで、視認性を低くしている。その他にも、配達先ピンの透過度を下げる、配達先ピンの大きさを小さくする等の任意の手段を採用することで、視認性の低下を図ることができる。
【0064】
なお、図10及び図11に示すフィルタ後の地図表示画面W11において、荷物情報の時間帯指定(情報a6)の内容が「指定なし」であるピンP8,P11は表示あり、換言すれば非表示とされていない。しかし、時間帯指定のないピンP8,P11は、非表示とされてもよいし、表示/非表示を利用者によって設定可能としてもよい。また、図10及び図11に示すフィルタ後の地図表示画面W11において、現在時間帯の次の時間帯(現在時間帯が12-14時である場合、14-16時)の配達先ピンが、次の時間帯が接近するにつれて徐々に出現する態様(徐々に視認性を向上させる態様)を採用してもよい。
【0065】
図12は、荷物絞込画面W6の一例を示す図である。図12では、フィルタ後の地図表示画面W11(図10図11)おいてボタンB4がタップされた場合に表示される画面を例示している。荷物絞込画面W6には、地図表示画面W11におけるピンを絞り込むための2種類の候補C1,C2と、キャンセルボタンBCと、が含まれている。
【0066】
候補C1は、荷物情報のうちの荷物状況(情報a8)を用いて、地図表示画面W11におけるピンを絞り込むためのアイコン群である。候補C2は、荷物情報のうちの時間帯指定(情報a6)を用いて、地図表示画面W11におけるピンを絞り込むためのアイコン群である。利用者は、候補C1,C2の中から、ピンの絞り込みを意図する1つのアイコンをタップする。これにより、利用者端末30の入出力部350に表示された画面が更新されて、候補C1,C2から選択された条件に該当するピンのみが配置された地図表示画面W11が表示される。なお、荷物絞込画面W6は、候補C1,C2から複数のアイコン(複数の条件)を選択可能に構成されてもよい。
【0067】
図示の例では、候補C2のうち、「14-16時、16-18時、18-20時、19-21時、20-21時」がグレーアウトされ、選択不可能となっている。これは、現在時刻フィルタモードにおいて、当該時間帯の配達先ピンが非表示とされていることに起因する。このため、現在時刻フィルタモードに移行していない地図表示画面W1(図4)において、ボタンB4がタップされた場合は、図12の荷物絞込画面W6における候補C2のグレーアウトは施されず、全ての候補C2を選択できる。
【0068】
図13は、ピンの絞り込みが行われた後の地図表示画面W12の一例を示す図である。図13の例では、図12に示す荷物絞込画面W6において、利用者が候補C2の「午前中」を選択した場合に表示される地図表示画面W12を示す。地図表示画面W12では、図示のように、荷物情報のうちの荷物状況(情報a8)あるいは時間帯指定(情報a6)が、候補C1,C2から選択された条件に該当するピンのみが地図上に配置されている。
【0069】
次に、サーバ10において表示される管理画面について説明する。配達支援処理(図3)のステップS50において、サーバ10の管理者による所定の管理アプリケーションの起動操作に伴って、案内部111は管理画面の表示用データを生成する。具体的には、ステップS52において案内部111は、荷物情報DB141を検索して、全ての利用者(すなわち、サーバ10によって管理される全ての配達人、以降「全利用者」とも呼ぶ)が、その日に配達する要配達荷物の情報(荷物情報、情報a1~a11)を取得する。
【0070】
ステップS54において、サーバ10の案内部111は、後述する管理画面W100を表示させるためのデータである表示用データを生成する。ステップS56において案内部111は、生成した表示用データを入出力部150に送信する。ステップS58において入出力部150は、受信した表示用データを用いて、管理画面W100を表示する。ステップS60において入出力部150は、管理画面W100の地図上の複数の配達ピンを現在時刻でフィルタし、フィルタ後の管理画面W100を再表示する。現在時刻によるフィルタの詳細は、ステップS40と同様である。
【0071】
図14は、管理画面W100の一例を示す図である。管理画面W100は、図3のステップS58において入出力部150に表示される画面である。管理画面W100を参照するのは、配達人ではなく、サーバ10の管理者である。管理画面W100には、地図W101と、担当者一覧W102と、荷物一覧W103と、詳細W104と、が含まれている。
【0072】
図W101は、全利用者の全配達先ピンが配置された地図である。地図W101に配置される配達先ピンは、ステップS52により取得された荷物情報を用いて生成される。図14の例では、図示の便宜上、実際よりも少ない数の配達先ピンのみが描画されているが、実際は、全利用者に対応したより多数の配達先ピンが描画されることとなる。地図W101に配置された配達先ピンのそれぞれは、地図表示画面W1(図4)のピンP1~P11と同様に、時間帯指定に応じて色分け表示され、荷物状況を表す文字が記載されると共に、遅延ピンに対するアラート表示がされている。なお、地図W101には、全利用者の現在位置を表すシンボルが表示されていてもよい。
【0073】
担当者一覧W102は、利用者(サーバ10によって管理される配達人)の情報を表示するための画面である。荷物一覧W103は、全利用者がその日に配達する要配達荷物を一覧表示するための画面である。詳細W104は、荷物一覧W103において選択された1つあるいは所定個数の荷物について、要配達荷物の情報(荷物情報、情報a1~a11)を表示するための画面である。なお、担当者一覧W102や、荷物一覧W103から、地図W101に表示された配達先ピンのフィルタ操作が可能であってもよい。
【0074】
サーバ10の管理者は、管理画面W100を参照することによって、全利用者における配達業務の状況を一見して把握できる。また、管理画面W100においても、地図表示画面W1(図4)と同様に、遅延ピンに対するアラート表示がなされるため、サーバ10の管理者は、既に時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)配達先、及び、当該配達先を担当する担当者を容易に把握できる。
【0075】
以上のように、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、利用者の端末(利用者端末30)に対して、利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印(配達先ピンP1~P11)が配置された地図を表示させる(図4)。このため利用者は、地図を確認することで、一見して、複数の荷物の配達先の位置と、各配達先の位置関係とを把握できるため、利用者による配達業務を支援できる。また、案内部111は、地図上の複数の配達先ピンP1~P11の表示態様を、現在時刻と、複数の配達先ピンのそれぞれにおける時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する(図4図5図8図10図11図13)。このため利用者は、配達先ピンP1~P11の表示態様によって、一見して、現在時刻と、複数の配達先ピンP1~P11のそれぞれにおける時間帯指定との関係を把握できるため、荷物の時間帯指定徒過を低減できる。この結果、配達支援システム1によれば、配達業務を支援すると共に、荷物の時間帯指定徒過の低減に資することができるため、配達業務を効率化できる。
【0076】
また、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、地図上の複数の配達先ピンP1~P11のうち、時間帯指定の内容が、現在時間帯よりも後の時間帯である配達先ピンP4~P7,P10の表示態様を非表示とする(図10)。このように利用者が現在時刻において注意を向ける必要がない配達先ピンP4~P7,P10を非表示とすることで、必要な配達先ピンP1~P3,P9のみに利用者の注意を向けさせることができる。この結果、配達支援システム1によれば、荷物の時間帯指定徒過をより一層低減できる。
【0077】
時間帯指定の内容が、現在時間帯よりも前の時間帯である配達先ピンP1,P3,P9は、既に時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)配達先を表している。第1実施形態の配達支援システム1によれば、このような配達先ピンP1,P3,P9の表示態様を、他の配達先ピンP2,P4~P8,P10,P11の表示態様よりも目立つ表示態様とすることで、利用者の注意を誘導するため、荷物の時間帯指定徒過の幅(時間幅)を小さくできる(図4図5図8図10図11図13)。
【0078】
さらに、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、地図上の遅延ピンP1,P3,P9(配達遅延している配達先ピン)に対する利用者の特定操作を取得した場合に、遅延ピンが示す配達先へと自動的に電話を掛けさせ、または、遅延ピンが示す配達先へと自動的に所定のメッセージを送信させる(図5(E))。このため、受取人に対する遅延連絡を補助することができ、配達業務をより一層効率化できる。
【0079】
さらに、第1実施形態の配達支援システム1によれば、サーバ10の案内部111は、現在時刻から、現在時間帯の終了時刻までの残り時間と、現在時間帯に配達を終えるべき荷物の残り個数と、の少なくとも一方を地図上にさらに表示させる(残り荷物表示ST1)。このため利用者は、残り時間及び/または残り個数を参照することで、現在時間帯における配達のスケジューリングをスムーズに実施できる。この結果、配達支援システム1によれば配達業務をより一層効率化できる。
【0080】
B.第2実施形態:
図15は、第2実施形態の配達支援システム1Aの概略構成を示す図である。第2実施形態では、地図表示範囲外の遅延ピンの存在を案内可能な構成について説明する。第2実施形態の配達支援システム1Aは、第1実施形態で説明した構成において、CPU110に代えてCPU110Aを備えている。CPU110Aは、案内部111Aの機能を実行する。案内部111Aは、図4で説明した地図表示画面W1に代えて、次の地図表示画面W1Aを表示させる。
【0081】
図16は、第2実施形態の地図表示画面W1Aの一例を示す図である。地図表示画面W1Aは、図4で説明した各表示及びボタンに加えてさらに、ボタンB12と、案内表示ST4,ST5とを含んでいる。
【0082】
ボタンB12は、遅延ピンのみを抽出表示するためのボタンである。ボタンB12がタップされた場合、(地図の縮尺を維持したまま)現在、地図上に配置された複数のピンP1~P11のうち、遅延ピンのみが表示状態とされ、他のピンは非表示状態とされる。なお、ボタンB12がタップされた場合、地図の縮尺を自動的に変更してもよい。この場合、利用者Aに対する全ての遅延ピンが収まる範囲の縮尺の地図に対して、利用者Aに対する全ての遅延ピンが表示状態とされ、他のピンは非表示状態とされる。また、地図表示画面W1Aは、ボタンB12によって抽出された遅延ピンが示す各配達先のみを巡回するための経路(走行ルート)を自動的に算出し、表示させるための別途のボタンを有してもよい。
【0083】
案内表示ST4,ST5は、地図表示範囲外の遅延ピンが存在する旨の案内表示である。ここで、「地図表示範囲外の遅延ピン」とは、利用者端末30の地図表示画面W1Aにおいて、現在表示されている地図の範囲外に存在する遅延ピン(時間帯指定の内容が、現在時間帯よりも前の時間帯であるピン)を意味する。案内表示ST4,ST5は、いずれも、地図表示範囲外の遅延ピンが存在する方向を表す矢印と、地図表示範囲外の遅延ピンまでの距離表示と、を含んでいる。
【0084】
図17は、案内表示ST4,ST5について説明する図である。図17には、利用者Aがその日に配達すべき要配達荷物の配達先をそれぞれ表す複数の配達先ピンと、地図表示画面W1Aにおける現在の地図の表示範囲MAと、利用者Aの現在位置PLと、を図示している。図17では、複数の配達先ピンのうち、遅延ピンに斜線ハッチングを付している。
【0085】
案内表示ST4は、左向き矢印の中に「500m」という距離が表示されており、地図表示画面W1Aにおいて地図の左縁の中央下寄りに配置されている。案内表示ST5は、右向き矢印の中に「300m」という距離が表示されており、地図表示画面W1Aにおいて地図の右縁の上側に配置されている。案内表示ST4,ST5の、地図の四隅(四辺の縁)に対する表示方向、及び、矢印の向きは、図17に示すように、地図の表示範囲MAと、範囲MA外にある遅延ピンDP1,2との位置関係によって決定される。例えば、遅延ピンDP1は、地図の表示範囲MAに対して左側の中央下寄りに位置するため、案内表示ST4は、地図表示画面W1Aにおいて地図の左縁の中央下寄りに配置される。このように、D1方向にある遅延ピンに対する案内表示は下向き矢印で地図の下縁に配置され、D2方向にある遅延ピンに対する案内表示は上向き矢印で地図の上縁に配置され、D3方向にある遅延ピンに対する案内表示は左向き矢印で地図の左縁に配置され、D4方向にある遅延ピンに対する案内表示は右向き矢印で地図の右縁に配置される。
【0086】
また、案内表示ST4,ST5の距離表示には、現在位置PLから遅延ピンDP1までの直線距離LA1、または、地図の表示範囲MAの端から遅延ピンDP1までの直線距離LB1が使用できる。なお、案内表示ST4,ST5の距離表示には、現在位置PLから遅延ピンDP1までの移動距離(ルート探索の結果得られる移動距離)が採用されてもよい。
【0087】
なお、案内表示ST4,ST5は、方向矢印と、距離表示と、のいずれか一方により構成されてもよい。また、例えば、案内表示ST4へのタップを検出した際に、地図表示画面W1Aにおける地図の中心を、案内表示ST4に対応付けられた遅延ピンDP1へと移動させてもよい。例えば、案内表示ST4へのタップを検出した際に、案内表示ST4に対応付けられた遅延ピンDP1を中心とした配達先情報画面W4(図8)に画面遷移してもよい。
【0088】
このように、配達支援システム1Aの構成は種々の変更が可能であり、地図表示画面W1Aによって、地図表示範囲外の遅延ピンの存在を案内可能としてもよい。第2実施形態の配達支援システム1Aによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第2実施形態の配達支援システム1Aによれば、サーバ10Aの案内部111Aは、利用者端末30に現在表示されている地図の範囲外において、既に時間帯指定徒過が生じている(配達遅延している)配達先ピンDP1,DP2が存在する場合に、その旨の案内表示ST4,ST5を地図上に表示させる。このように、地図の縮尺設定等に起因して表示範囲外となっているために見過ごされている配達先ピンDP1,DP2であって、配達遅延している配達先ピンDP1,DP2の存在を、利用者に対して案内表示ST4,ST5を用いて注意喚起することで、荷物の時間帯指定徒過の幅(時間幅)を小さくできる。
【0089】
さらに、第2実施形態の配達支援システム1Aによれば、サーバ10Aの案内部111Aは、配達遅延している配達先ピンDP1,DP2が存在する方向と、配達遅延している配達先ピンDP1,DP2までの距離と、の少なくとも一方を表示させることによって注意喚起を行うため、利用者は、配達遅延している配達先ピンDP1,DP2を見つけやすい。
【0090】
C.第3実施形態:
図18は、第3実施形態の配達支援システム1Bの概略構成を示す図である。第3実施形態の配達支援システム1Bは、利用者端末30に代えて利用者端末30Bを備えると共に、サーバ10を備えない。第3実施形態の利用者端末30Bは、サーバ10と協働せずに配達支援処理を実行する。本実施形態では、利用者端末30Bが「案内装置」に相当する。
【0091】
利用者端末30BのCPU310Bは、処理部311に加えてさらに、案内部312を備える。案内部312は、第1実施形態で説明した案内部111と同様の機能、または、第2実施形態で説明した案内部111Aと同様の機能を実行する。利用者端末30Bの記憶部340Bには、荷物情報DB341と、地図情報DB342とが記憶されている。荷物情報DB341は、第1実施形態で説明した荷物情報DB141と同様であり、地図情報DB342は、第1実施形態で説明した地図情報DB142と同様である。
【0092】
このように、配達支援システム1Bの構成は種々の変更が可能であり、利用者端末30Bが案内装置として構成されてもよい。なお、荷物情報DB341及び地図情報DB342の少なくとも一部が外部のデータサーバに記憶された構成としてもよい。この場合、案内部312は、配達支援処理(図3)において都度データサーバに接続し、必要なデータを取得すればよい。このような第3実施形態の配達支援システム1Bによっても、上述した第1,2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
D.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
【0094】
・変形例1:
上記実施形態では、配達支援システム、サーバ、利用者端末の構成の一例を示した。しかし、各装置の構成は任意の態様を採用することができる。
【0095】
例えば、サーバ10は、地図上に複数の配達先ピンを表示し、遅延ピンの表示態様を、非遅延ピンの表示態様から変更する機能だけを有する装置として構成されてもよい。換言すれば、サーバ10は、要配達荷物の配達を支援する機能(荷物情報の登録及び編集機能、フィルタ等の表示支援機能、現在地から配達先までのナビゲーション機能)を有していなくてもよい。
【0096】
例えば、サーバ10の荷物情報DB141及び地図情報DB142のうちの少なくともいずれかは、利用者端末30や、インターネットINTを介して接続された外部サーバに記憶されていてもよい。例えば、上述した荷物情報DB141及び地図情報DB142の構成はあくまで一例であり、例示した情報の一部を省略してもよく、例示しない他の情報を含んでもよく、複数のデータベースに分割して記憶されていてもよい。
【0097】
・変形例2:
上記実施形態では、配達支援処理(図3)について、処理手順の一例を挙げて説明した。しかし、これらの処理手順は種々の変更が可能であり、各ステップにおける処理内容の追加、省略、変更をしてもよく、各ステップの実行順序を変更してもよい。なお、利用者端末30にステップS18,20,36,40を実行させるための命令は、ステップS14においてサーバ10により生成される表示用データ内に含まれている。このため、これらのステップは、サーバ10が利用者端末30に実行させていると言える。
【0098】
例えば、遅延ピンの算出及びアラート表示(ステップS20,S60)と、現在時刻フィルタモード(ステップS40)と、は少なくとも一方のみが実行され、他方は省略されてもよい。例えば、管理画面W100を表示させる一連の処理(ステップS50~S60)は、省略してもよい。
【0099】
・変形例3:
上記実施形態では、利用者端末30に表示される各種の画面について、画面構成及び画面遷移の一例を挙げて説明した。しかし、これらの画面構成や画面遷移は種々の変更が可能であり、各画面に配置されるとした各項目の追加、省略、変更をしてもよく、各画面の遷移順序を変更してもよい。
【0100】
・変形例4:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0101】
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
案内装置であって、
利用者の端末に対して、前記利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内部を備え、
前記複数の配達先ピンは、それぞれ、前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、
前記案内部は、
地図上の前記複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、前記複数の配達先ピンのそれぞれにおける前記時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する、案内装置。
[適用例2]
適用例1に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、
前記案内部は、地図上の前記複数の配達先ピンのうち、前記時間帯指定の内容が、前記現在時間帯よりも後の時間帯である前記配達先ピンの表示態様を非表示とする、案内装置。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、
前記案内部は、地図上の前記複数の配達先ピンのうち、前記時間帯指定の内容が、前記現在時間帯よりも前の時間帯である前記配達先ピンの表示態様を、他の前記配達先ピンの表示態様よりも目立つ表示態様とする、案内装置。
[適用例4]
適用例1から適用例3のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、
前記端末に現在表示されている地図の範囲外において、前記時間帯指定の内容が前記現在時間帯よりも前の時間帯であるという条件を満たす前記配達先ピンが存在する場合、
前記条件を満たす前記配達先ピンが存在する旨の案内表示を地図上に表示させる、案内装置。
[適用例5]
適用例1から適用例4のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記案内部は、前記案内表示として、
地図上において前記条件を満たす前記配達先ピンが存在する方向と、
前記条件を満たす前記配達先ピンまでの距離と、
の少なくとも一方を表示させる、案内装置。
[適用例6]
適用例1から適用例5のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯とし、
前記時間帯指定の内容が前記現在時間帯よりも前の時間帯である前記配達先ピンを遅延ピンとしたとき、
前記案内部は、さらに、地図上の前記遅延ピンに対する前記利用者の特定操作を取得した場合に、前記遅延ピンが示す前記配達先へと自動的に電話を掛けさせ、または、前記遅延ピンが示す前記配達先へと自動的に所定のメッセージを送信させる、案内装置。
[適用例7]
適用例1から適用例6のいずれか一項に記載の案内装置であって、
前記時間帯指定において、現在時刻を含む時間帯を現在時間帯としたとき、
前記案内部は、さらに、
現在時刻から、前記現在時間帯の終了時刻までの残り時間と、
前記現在時間帯に配達を終えるべき前記荷物の残り個数と、
の少なくとも一方を地図上にさらに表示させる、案内装置。
[適用例8]
案内方法であって、情報処理装置が、
利用者の端末に対して、前記利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内工程を備え、
前記複数の配達先ピンは、それぞれ、前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、
前記案内工程では、
地図上の前記複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、前記複数の配達先ピンのそれぞれにおける前記時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する、案内方法。
[適用例9]
コンピュータプログラムであって、情報処理装置に、
利用者の端末に対して、前記利用者が配達すべき複数の荷物の配達先をそれぞれ表す目印である複数の配達先ピンが配置された地図を表示させる案内ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
前記複数の配達先ピンは、それぞれ、前記荷物を配達すべき時間帯指定の情報を含んでおり、
前記案内ステップでは、
地図上の前記複数の配達先ピンの表示態様を、現在時刻と、前記複数の配達先ピンのそれぞれにおける前記時間帯指定の内容との比較結果に応じて変更する、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0102】
1,1A,1B…配達支援システム
10,10A…サーバ
30,30B…利用者端末
110,110A…CPU
111,111A…案内部
120…通信部
130…ROM/RAM
140…記憶部
141…荷物情報データベース
142…地図情報データベース
150…入出力部
310,310B…CPU
311…処理部
312…案内部
320…通信部
330…ROM/RAM
340,340B…記憶部
350…入出力部
360…現在位置取得部
図1
図2
図3
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図5
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