(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134380
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20240926BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240926BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240926BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240926BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B41J29/393 101
B41J29/00 C
B41J29/00 E
B41J29/38 104
G03G21/00 396
G03G21/00 510
H04N1/00 002A
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044649
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】竹田 道弘
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CG02
2C061CG15
2C061HJ08
2C061HN05
2C061KK04
2C061KK23
2C061KK35
2H270KA55
2H270KA59
2H270KA62
2H270LA01
2H270LA62
2H270MF14
2H270MF20
2H270MF22
2H270NC02
2H270NC11
2H270NC26
2H270NC28
2H270ND16
2H270ND21
2H270PA80
2H270QB05
2H270RA17
2H270RA24
2H270RA27
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC55
(57)【要約】
【課題】電池を設けることなく、画像処理装置の故障時や主電源がOFFのときでも画像処理装置の状態を確認することができるようにする。
【解決手段】複合機1は、画像処理部50と、画像処理部50を制御する主制御部40と、画像処理部50及び主制御部40に電力を供給する主電源90と、NFC基板20とを備えている。NFC基板20は、携帯端末2と無線通信を行うアンテナ21と、アンテナ21が携帯端末2から受信した検査信号に含まれる電磁波によって電力を生成する電力生成部23と、電力生成部23によって生成された電力が供給される副制御部24とを有する。副制御部24は、電力生成部23が生成した電力の供給を受けて、複合機1の状態を検査し、状態信号を携帯端末2に送信させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理部と、
前記画像処理部を制御する主制御部と、
前記画像処理部及び前記主制御部に電力を供給する主電源と、
外部装置と無線通信を行う通信部と、
前記通信部が前記外部装置から受信した検査信号に含まれる電磁波によって電力を生成する電力生成部と、
前記電力生成部によって生成された電力が供給される副制御部と、を備えた画像処理装置であって、
前記副制御部は、前記検査信号にしたがって前記画像処理装置の状態を検査し、前記状態を示す状態信号を前記通信部によって前記外部装置に送信させることを特徴とする、画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、画像形成部及び画像読取部の少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記主制御部と前記副制御部との間に配置され、前記主制御部及び前記副制御部のそれぞれと電気的に接続された中継基板と、
前記中継基板と電気的に接続された表示部と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記副制御部は、前記主電源の状態と、前記主制御部と前記中継基板との間の電気的接続の状態と、前記表示部の状態と、前記主制御部の状態と、の少なくともいずれかを検査することを特徴とする、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記主制御部から前記中継基板を介して前記副制御部の第1ポートまで延びる第1配線と、
前記主制御部から前記中継基板を介して前記副制御部の第2ポートまで延びる第2配線と、をさらに備え、
前記主電源は、前記中継基板上の前記第1配線に、第1抵抗を介して接続され、
前記主制御部上の前記第1配線は、第2抵抗を介して接地され、
前記主電源は、前記主制御部上の前記第2配線に、第3抵抗を介して接続され、
前記中継基板上の前記第2配線は、第4抵抗を介して接地され、
前記第1抵抗の抵抗値R1、前記第2抵抗の抵抗値R2、前記第3抵抗の抵抗値R3及び前記第4抵抗の抵抗値R4は、R1>R2,R3<R4の関係を満たし、
前記副制御部は、前記第1ポートに入力される信号と前記第2ポートに入力される信号との組み合わせに基づいて、前記主電源の状態と、前記主制御部と前記中継基板との間の電気的接続の状態とを検査することを特徴とする、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記主電源は、前記表示部を介して、比較器の第1入力端子に接続され、
前記第1入力端子は、電流制限抵抗を介して、前記比較器の第2入力端子に接続され、
前記比較器の出力端子は、前記副制御部の第3ポートに接続され、
前記副制御部は、前記第3ポートに入力される信号に基づいて、前記表示部の状態を検査することを特徴とする、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記主制御部から前記中継基板を介して前記副制御部の第4ポートまで延びる第3配線をさらに備え、
前記副制御部は、前記第4ポートに入力される信号に基づいて、前記主制御部の状態を検査することを特徴とする、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
記憶部をさらに備え、
前記副制御部は、前記状態の検査結果を前記記憶部に記憶させることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
検査プログラムを記憶した記憶部であって、前記電力生成部によって生成された電力が供給される記憶部をさらに備え、
前記副制御部は、前記検査信号にしたがって前記記憶部から前記検査プログラムを読み出し、前記画像処理装置の状態を検査することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と無線通信を行う通信部を備えた画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の複合機(画像処理装置)は、印刷部(画像処理部)と、印刷部を制御するCPU(主制御部)と、電源部(主電源)と、ROMと、無線通信装置と、電池と、スイッチとを備えている。スイッチをONにして電池からROMに電力を供給させ、無線通信装置を介してROMのデータ(例えば、累計印刷枚数のようなメンテナンス情報)を読み出すことができる。これにより、サービスマンは、複合機の故障時や主電源がOFFのときでも、ROMのデータによって複合機(画像処理装置)の状態を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、画像処理装置の状態を確認するために、電池を設ける必要がある。
【0005】
本発明の目的は、電池を設けることなく、画像処理装置の故障時や主電源がOFFのときでも画像処理装置の状態を確認することができる画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、画像処理部と、前記画像処理部を制御する主制御部と、前記画像処理部及び前記主制御部に電力を供給する主電源と、外部装置と無線通信を行う通信部と、前記通信部が前記外部装置から受信した検査信号に含まれる電磁波によって電力を生成する電力生成部と、前記電力生成部によって生成された電力が供給される副制御部と、を備えた画像処理装置であって、前記副制御部は、前記検査信号にしたがって前記画像処理装置の状態を検査し、前記状態を示す状態信号を前記通信部によって前記外部装置に送信させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、副制御部は、外部装置からの検査信号に含まれる電磁波によって生成された電力の供給を受けて、画像処理装置の状態を検査し、状態信号を外部装置に送信させる。これにより、電池を設けることなく、画像処理装置の故障時や主電源がOFFのときでも画像処理装置の状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る複合機の外観図である。
【
図2】
図1の複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の複合機が有するNFC基板、中継基板、ディスプレイ及び主制御部の接続構成を示す模式図である。
【
図4】
図1の複合機の副制御部が実行する検査プログラムを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る複合機(画像処理装置)1は、
図1に示すように、操作パネル10を有する。操作パネル10は、ディスプレイ(表示部)11と、NFC(Near field communication)インターフェース12とを有する。
【0010】
NFCインターフェース12は、ISO/IEC21481又はISO/IEC18
092の国際標準規格に基づいて、NFC方式の近距離無線通信を可能にするインターフェースである。複合機1は、NFCインターフェース12にかざされた携帯端末(外部装置)2と、NFCインターフェース12を介してNFC方式による近距離無線通信を行うことができる。
【0011】
複合機1は、さらに、
図2に示すように、NFCインターフェース12を構成するNFC基板20と、中継基板30と、主制御部40と、画像処理部50と、主電源90とを有する。
【0012】
NFC基板20は、携帯端末2と無線通信を行うアンテナ(通信部)21と、共振回路22と、電力生成部23と、副制御部24とを有する。
【0013】
共振回路22は、アンテナ21が携帯端末2から受信した検査信号に含まれる電磁波から、電力を取り出す。電力生成部23は、共振回路22が取り出した電力を副制御部24に適した電力に変換する。電力生成部23が生成した電力は、副制御部24に供給される。
【0014】
副制御部24は、コントローラ241と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)242とを含む。コントローラ241は、共振回路22と電気的に接続されており、共振回路22の動作を制御する。EEPROM242は、本発明の「記憶部」に該当し、後に詳述する検査プログラムを記憶している。コントローラ241は、EEPROM242に対してデータの読み出し及び書き込みが可能である。
【0015】
中継基板30は、NFC基板20と主制御部40との間に配置され、NFC基板20及び主制御部40とのそれぞれと電気的に接続されている。ディスプレイ11は、中継基板30と電気的に接続されている。
【0016】
主制御部40は、CPU(Central Processing Unit)41と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43とを有する。ROM42は、CPU41が実行するプログラム、CPU41がプログラムを実行するために必要なデータ等を記憶している。RAM43は、CPU41がプログラムを実行するために必要なデータ(画像データ等)を一時的に記憶する。CPU41は、複合機1と電気的に接続されたPCや外部メモリから受信した指令に基づいて、ROM42やRAM41に記憶されているプログラムやデータにしたがい、画像処理部50を制御する。
【0017】
画像処理部50は、画像形成部51と、画像読取部52とを含む。
【0018】
画像形成部51は、用紙等の媒体に対して画像を形成するものであり、インクジェット方式、レーザー方式等のヘッドと、媒体を搬送する搬送機構とを有する。画像形成部51は、主制御部40による制御の下、媒体に対して画像を形成する。
【0019】
画像読取部52は、用紙等の媒体に形成された画像を読み取るものであり、CCD方式、CIS方式等のラインセンサと、ラインセンサを移動させる移動機構とを有する。画像読取部52は、主制御部40による制御の下、媒体に形成された画像を読み取る。
【0020】
主電源90は、ディスプレイ11と、主制御部40と、画像処理部50とに、電力を供給する。
【0021】
NFC基板20、中継基板30、ディスプレイ11及び主制御部40は、
図3に示すように接続されている。
【0022】
NFC基板20の副制御部24は、4つの入出力ポートP1~P4を有する。4つの入出力ポートP1~P4は、第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3及び第4ポートP4を含む。
【0023】
第1ポートP1には、第1配線L1が接続されている。第1配線L1は、主制御部40から中継基板30を介して第1ポートP1まで延びている。主電源90は、中継基板30上の第1配線L1に、第1抵抗81を介して接続されている。主制御部40上の第1配線L1は、第2抵抗82を介して接地されている。
【0024】
第2ポートP2には、第2配線L2が接続されている。第2配線L2は、主制御部40から中継基板30を介して第2ポートP2まで延びている。主電源90は、主制御部40上の第2配線L2に、第3抵抗83を介して接続されている。中継基板30上の第2配線L2は、第4抵抗84を介して接地されている。
【0025】
第1抵抗81の抵抗値R1、第2抵抗82の抵抗値R2、第3抵抗83の抵抗値R3及び第4抵抗84の抵抗値R4は、R1>R2,R3<R4の関係を満たす。当該構成において、配線L1,L2が断線しておらずかつ主電源90が正常な場合、第1ポートL1の電圧はLow(所定の定電圧)かつ第2ポートL2の電圧はHigh(所定の高電圧)となる。なお、配線L1,L2の断線とは、配線L1,L2の破断の他、配線L1,L2がポートP1,P2から外れていることを含む。
【0026】
より具体的には、第1ポートL1の電圧及び第2ポートL2の電圧が共にHighの場合、主電源90は正常であるが、配線L1のうち主制御部40と中継基板30との間の部分が断線している(主制御部40と中継基板30との間の電気的接続に異常がある)と推定される。第1ポートL1の電圧がHighかつ第2ポートL2の電圧がLowの場合、主電源90は正常であるが、配線L1,L2のうち主制御部40と中継基板30との間の部分が断線している(主制御部40と中継基板30との間の電気的接続に異常がある)と推定される。第1ポートL1の電圧及び第2ポートL2の電圧が共にLowの場合、配線L2のうち主制御部40と中継基板30との間の部分が断線している(主制御部40と中継基板30との間の電気的接続に異常がある)か、主電源90が異常であるか、の少なくともいずれかであると推定される。
【0027】
第3ポートP3には、配線を介して、中継基板30に設けられた比較器35の出力端子35cが接続されている。比較器35の第1入力端子35aは、ディスプレイ11を介して、主電源90と接続されている。また、比較器35の第1入力端子35aは、電流制限抵抗85を介して、比較器35の第2入力端子35bに接続されている。ディスプレイ11が正常な場合(即ち、ディスプレイ11が故障しておらずかつ主電源90からディスプレイ11に正常に電力が供給されている場合)、第3ポートP3の電圧はHighとなる。
【0028】
第4ポートP4には、第3配線L3が接続されている。第3配線L3は、主制御部40のCPU41から中継基板30を介して第4ポートP4まで延びている。CPU41が正常な場合(即ち、CPU41が故障しておらずかつ主電源90からCPU41に正常に電力が供給されている場合)、副制御部24は、第4ポートP4及び第3配線L3を介して、主制御部40のCPU41と通信可能である。
【0029】
次いで、
図4を参照し、副制御部24のコントローラ241が実行する検査プログラムについて説明する。
【0030】
先ず、副制御部24のコントローラ241は、携帯端末2から検査信号を受信したか否かを判断する(S1)。検査信号を受信していないと判断した場合(S1:NO)、コントローラ241は、当該処理を繰り返す。
【0031】
検査信号を受信したと判断した場合(S1:YES)、コントローラ241は、EEPROM242から検査プログラムを読み出し(S2)、以下のとおり、検査プログラムにしたがって複合機1の状態を検査する。
【0032】
S2の後、コントローラ241は、第1ポートP1及び第2ポートP2の電圧をチェックし、第1ポートP1の電圧がLowかつ第2ポートP2の電圧がHighであるか否かを判断する(S3)。第1ポートP1の電圧がLowかつ第2ポートP2の電圧がHighの場合、上述のとおり、配線L1,L2が断線しておらずかつ主電源90が正常であると推定される。つまり、S3において、コントローラ241は、第1ポートP1に入力される信号と第2ポートP2に入力される信号との組み合わせに基づいて、主電源90の状態と、主制御部40と中継基板30との間の電気的接続の状態とを検査する。
【0033】
第1ポートP1の電圧がLowかつ第2ポートP2の電圧がHighであると判断した場合(S3:YES)、コントローラ241は、第3ポートP3の電圧をチェックし、第3ポートP3の電圧がHighであるか否かを判断する(S4)。第3ポートP3の電圧がHighである場合、上述のとおり、ディスプレイ11が正常であると推定される。つまり、S4において、コントローラ241は、第3ポートP3に入力される信号に基づいて、ディスプレイ11の状態を検査する。
【0034】
第3ポートP3の電圧がHighであると判断した場合(S4:YES)、コントローラ241は、第4ポートP4を介して主制御部40のCPU41と通信可能であるか否かを判断する(S5)。コントローラ241が第4ポートP4を介して主制御部40のCPU41と通信可能である場合、上述のとおり、CPU41が正常であると推定される。つまり、S5において、コントローラ241は、第4ポートP4に入力される信号に基づいて、CPU41の状態を検査する。
【0035】
第4ポートP4を介して主制御部40のコントローラ41と通信可能であると判断した場合(S5:YES)、コントローラ241は、複合機1が正常状態であることを示す状態信号を、NFC基板20のアンテナ21によって携帯端末2に送信させる(S6)。
【0036】
一方、第1ポートP1の電圧がLowかつ第2ポートP2の電圧がHighでないと判断した場合(S3:NO)、第3ポートP3の電圧がHighでないと判断した場合(S4:NO)、又は、第4ポートP4を介して主制御部40のCPU41と通信可能でないと判断した場合(S5:NO)、コントローラ241は、複合機1が異常状態であることを示す状態信号を、NFC基板20のアンテナ21によって携帯端末2に送信させる(S7)。
【0037】
S6又はS7の後、コントローラ241は、状態信号(複合機1の状態の検査結果)をEEPROM242に記憶させる(S8)。S8の後、コントローラ241は、当該検査プログラムを終了する。
【0038】
なお、S7で携帯端末2に送信される状態信号は、複合機1のどの部分が異常状態であるかを特定したものであってもよい。
【0039】
また、S7において、コントローラ241は、状態信号を携帯端末2に送信させると共に、携帯端末2の報知部(ディスプレイ、スピーカ等)に状態を報知させてもよい。例えば、携帯端末2の報知部に「主電源の異常あり」と報知させることで、主電源90のスイッチを入れること、コンセント抜けの確認をすること等を、ユーザに促す。報知に応じてユーザが操作(主電源90のスイッチを入れること等)を行った場合、コントローラ241は、検査信号の受信の有無の判断(S1)を行わずに、S3以降の検査処理を実行してよい。
【0040】
以上に述べたとおり、本実施形態によれば、副制御部24は、携帯端末2からの検査信号に含まれる電磁波によって生成された電力の供給を受けて、複合機1の状態を検査し、状態信号を携帯端末2に送信させる(
図2及び
図4参照)。これにより、電池を設けることなく、複合機1の故障時や主電源90がOFFのときでも複合機1の状態を確認することができる。
【0041】
また、本実施形態において、副制御部24は、電力生成部23によって生成された電力が供給されるEEPROM242から、検査プログラムを読み出して検査を行う。これにより、複合機1の故障時や主電源がOFFのときでも、EEPROM242から検査プログラムを読み出して検査することができる。
【0042】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0043】
副制御部は、上述の実施形態では、主電源の状態と、主制御部と中継基板との間の電気的接続の状態と、表示部の状態と、主制御部の状態と、のそれぞれを検査するが、これらの少なくともいずれかを検査してもよい。また、各部の状態の検査の順番は、任意に変更可能である。
【0044】
副制御部は、画像処理部の状態を検査してもよい。例えば、副制御部は、画像処理部のメンテナンス情報(累計記録枚数等)を検査により取得し、当該情報を外部装置に送信させてもよい。また、副制御部は、取得したメンテナンス情報を画像処理装置の記憶部に記憶させてもよい。
【0045】
主電源をONにすると問題が生じ得る場合等には、主電源をOFFとし、主電源の電力の代わりに、電力生成部が生成した電力を用いて、表示部の状態や主制御部の状態を検査してもよい。
【0046】
副制御部は、上述の実施形態では、NFC基板のEEPROMに、状態の検査結果を記憶させるが、これに限定されず、主制御部のRAM等に、状態の検査結果を記憶させてもよい。
【0047】
上述の実施形態では、画像処理装置の記憶部(EEPROM)が、検査プログラムを記憶しており、副制御部が、記憶部から検査プログラムを読み出して検査を行うが、これに限定されない。例えば、外部装置が、検査プログラムを含む検査信号を副制御部に送信し、副制御部が、当該検査信号から検査プログラムを読み出して検査を行ってもよい。
【0048】
画像処理部が処理する媒体は、紙に限定されず、布、プラスチックフィルム等であってもよい。
【0049】
画像処理部は、上述の実施形態では画像形成部及び画像読取部の両方を含むが、画像形成部及び画像読取部の一方を含んでよい。
【0050】
外部装置は、携帯端末に限定されず、携帯されない端末(PC等)であってもよい。
【0051】
本発明に係る画像処理装置は、複合機に限定されず、画像形成部を有しかつ画像読取部を有さないプリンタ(画像形成装置)、又は、画像形成部を有さずかつ画像読取部を有するスキャナ(画像読取装置)であってもよい。また、本発明に係る画像処理装置は、ファクシミリ、コピー機等であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 複合機(画像処理装置)
2 携帯端末(外部装置)
10 操作パネル
11 ディスプレイ(表示部)
12 NFCインターフェース
20 NFC基板
21 アンテナ(通信部)
23 電力生成部
24 副制御部
242 EEPROM(記憶部)
30 中継基板
35 比較器
35a 第1入力端子
35b 第2入力端子
35c 出力端子
40 主制御部
50 画像処理部
81 第1抵抗
82 第2抵抗
83 第3抵抗
84 第4抵抗
85 電流制限抵抗
90 主電源
L1 第1配線
L2 第2配線
L3 第3配線
P1 第1ポート
P2 第2ポート
P3 第3ポート
P4 第4ポート