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特開2024-134394口腔機能評価方法、口腔機能評価装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134394
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】口腔機能評価方法、口腔機能評価装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 21/00 20060101AFI20240926BHJP
   G09B 19/04 20060101ALI20240926BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G09B21/00 G
G09B19/04
G09B19/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044665
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(72)【発明者】
【氏名】吉村和也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤知哉
(57)【要約】
【課題】 オーラルディアドコキネシスを容易に実施可能とする。
【解決手段】
一実施形態に係る口腔機能評価方法は、口腔機能評価システムが実行する口腔機能評価方法であって、被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価処理と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔機能評価システムが実行する口腔機能評価方法であって、
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、
前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価処理と、
を含む口腔機能評価方法。
【請求項2】
前記フレーズは、パ、タ、カ及びラのうち3つ以上の音節を含む
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項3】
前記フレーズは、パタカである
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項4】
前記取得処理は、前記フレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項5】
前記取得処理は、前記フレーズを所定時間繰り返し発話した音声情報を取得する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項6】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話の速さを評価する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項7】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、前記フレーズを前記所定回数繰り返すのに要した時間を算出する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項8】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話のリズムを評価する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項9】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話のリズムの安定度を算出する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項10】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話中の呼吸を評価する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項11】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話中の息継ぎの回数を算出する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項12】
音声認識により前記音声情報からテキスト情報を生成する生成処理を更に含み、
前記評価処理は、前記テキスト情報に基づいて、発音を評価する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項13】
音声認識により前記音声情報からテキスト情報を生成する生成処理を更に含み、
前記評価処理は、前記テキスト情報に基づいて、発音の正解数を算出する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項14】
コンピュータに、
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、
前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価処理と、
を含む口腔機能評価方法を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する取得部と、
前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価部と、
を備える口腔機能評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔機能評価方法、口腔機能評価装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、口腔機能を評価する方法として、オーラルディアドコキネシスが知られている。オーラルディアドコキネシスでは、例えば、被評価者が「パ」、「タ」、「カ」といった1つの音節を10秒間に何回繰り返し発話できたかによって、その被評価者の口腔機能を評価する。
【0003】
オーラルディアドコキネシスを実行する際、評価者は、例えば、被評価者の発話に合わせて筆記具で紙に点を打つなどの方法により、発話された「パ」の数を数える。また、引用文献1には、被評価者が発話した音声データに対して音声認識を利用することにより、「パ」の数を自動で数える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-235134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のオーラルディアドコキネシスでは、「パ」、「タ」、「カ」といった音節ごとに、被評価者に発話してもらい、それぞれの回数を数える必要があった。すなわち、3回の発話と、3回の計数が必要であった。これは、被評価者及び評価者にとって負担であった。
【0006】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、オーラルディアドコキネシスを容易に実施可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る口腔機能評価方法は、口腔機能評価システムが実行する口腔機能評価方法であって、被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価処理と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態によれば、オーラルディアドコキネシスを容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】口腔機能評価システムの構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】口腔機能評価装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】評価結果情報の一例を示す図である。
図5】口腔機能評価システムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】音声情報の一例を示す図である。
図7】評価結果表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0011】
<口腔機能評価システムの構成>
まず、本実施形態に係る口腔機能評価システム(以下「評価システム」という。)の概要について説明する。本実施形態に係る評価システムは、オーラルディアドコキネシスを実施するための情報処理システムである。オーラルディアドコキネシスは、被評価者に「パ」、「タ」、「カ」といった音節を繰り返し発話してもらい、その様子を観察することで、被評価者の口腔機能を評価するためのテストである。オーラルディアドコキネシスは、例えば、医療機関、介護施設、リハビリ施設、居宅などで実施される。
【0012】
本実施形態において、被評価者は、「パ」、「タ」、「カ」及び「ラ」のうち、3つ以上の音節を含む所定のフレーズを繰り返し発話する。フレーズは、「パ」、「タ」、「カ」及び「ラ」のうちの3音節を1つずつ任意の順番で並べたものであってもよいし、「パ」、「タ」、「カ」及び「ラ」の4音節を1つずつ任意の順番で並べたものであってもよい。また、フレーズは、「パ」、「タ」、「カ」及び「ラ」以外の音節を含んでもよい。
【0013】
以下では、フレーズが「パタカ」である場合を例に説明する。すなわち、本実施形態において、被評価者は、「パタカ」という3音節のフレーズを繰り返し発話するものとする。しかしながら、上記の通り、フレーズは「パタカ」に限られない。
【0014】
また、以下では、被評価者は、所定のフレーズを10回繰り返し発話するものとする。すなわち、本実施形態において、被評価者は、「パタカパタカパタカパタカパタカパタカパタカパタカパタカパタカ」と発話する。しかしながら、被評価者が所定のフレーズを発話する回数は任意に設定可能である。また、被評価者は、所定時間(例えば10秒間)繰り返し所定のフレーズを発話してもよい。
【0015】
図1は、本実施形態に係る評価システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る評価システムは、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続された、口腔機能評価装置1(以下「評価装置1」という。)と、ユーザ端末2と、を備える。ネットワークNは、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、インターネット、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又はこれらの組み合わせである。図1の例では、評価システムは、評価装置1及びユーザ端末2をそれぞれ1つずつ備えるが、それぞれ複数備えてもよい。
【0016】
評価装置1は、被評価者がフレーズを繰り返し発話した音声情報121に基づいて、被評価者の口腔機能を評価する情報処理装置である。より詳細には、評価装置1は、音声情報121に基づいて、発話に関する1又は複数の評価項目の測定値を算出して発話を評価することにより、被評価者の口腔機能を評価する。評価項目は、例えば、発話の速さ、発話のリズム、発話中の呼吸及び発音であるが、これに限られない。評価装置1は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、サーバ装置、又はマイクロコンピューであるが、これに限られない。評価装置1について、詳しくは後述する。
【0017】
ユーザ端末2は、評価システムのユーザが利用する情報処理装置である。ユーザは、被評価者自身であってもよいし、被評価者とは異なる第三者であってもよい。以下では、ユーザが被評価者とは異なる第三者である場合を例に説明する。ユーザは、ユーザ端末2を利用して、被評価者の音声情報121を取得して評価装置1に送信し、評価装置1から評価結果情報123を受信して評価結果を表示する。ユーザ端末2は、例えば、PC、スマートフォン又はタブレット端末であるが、これに限られない。
【0018】
<情報処理装置のハードウェア構成>
次に、情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置100は、バスBを介して相互に接続された、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信I/F104と、入出力I/F105と、ドライブ装置106と、を備える。
【0019】
プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されたOS(Operating System)を含む各種のプログラムをメモリ102に展開して実行することにより、情報処理装置100の各構成を制御し、情報処理装置100の機能を実現する。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はこれらの組み合わせである。
【0020】
メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はこれらの組み合わせである。ROMは、例えば、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又はこれらの組み合わせである。RAMは、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、又はこれらの組み合わせである。
【0021】
ストレージ103は、OSを含む各種のプログラム及びデータを記憶する。ストレージ103は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SCM(Storage Class Memories)、又はこれらの組み合わせである。
【0022】
通信I/F104は、情報処理装置100を、ネットワークNを介して外部装置に接続し、通信を制御するためのインタフェースである。通信I/F104は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Ethernet(登録商標)、又は光通信に準拠したアダプタであるが、これに限られない。
【0023】
入出力I/F105は、情報処理装置100に入力装置107及び出力装置108を接続するためのインタフェースである。入力装置107は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、スキャナ、カメラ、各種センサ、操作ボタン、又はこれらの組み合わせである。出力装置108は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、スピーカ、バイブレータ、又はこれらの組み合わせである。
【0024】
ドライブ装置106は、ディスクメディア109のデータを読み書きする。ドライブ装置106は、例えば、磁気ディスクドライブ、光学ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、又はこれらの組み合わせである。ディスクメディア109は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、FD(Floppy Disk)、MO(Magneto-Optical disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、又はこれらの組み合わせである。
【0025】
なお、本実施形態において、プログラムは、情報処理装置100の製造段階でメモリ102又はストレージ103に書き込まれてもよいし、ネットワークNを介して情報処理装置100に提供されてもよいし、ディスクメディア109などの非一時的でコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して情報処理装置100に提供されてもよい。
【0026】
<口腔機能評価装置1の機能構成>
次に、評価装置1の機能構成について説明する。図3は、評価装置1の機能構成の一例を示す図である。図3に示すように、評価装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0027】
通信部11は、通信I/F104により実現される。通信部11は、ネットワークNを介して、ユーザ端末2との間で情報の送受信を行う。通信部11は、評価装置1に被評価者の音声情報121を送信し、評価装置1から評価結果情報123を受信する。
【0028】
記憶部12は、メモリ102及びストレージ103により実現される。記憶部12は、音声情報121と、テキスト情報122と、評価結果情報123と、評価情報124と、アドバイス情報125と、を記憶する。
【0029】
音声情報121は、被評価者が所定のフレーズを繰り返し発話した音声の情報である。本実施形態において、音声情報121は、被評価者が「パタカ」を10回繰り返し発話した音声の情報となる。なお、音声情報121は、被評価者が所定のフレーズを所定回数繰り返し発話した音声の情報であればよい。また、音声情報121は、被評価者が所定のフレーズを所定時間繰り返し発話した音声の情報であってもよい。
【0030】
テキスト情報122は、音声認識により音声情報121から生成したテキストを示す情報である。被評価者が正確に「パタカパタカ・・・」と発話している場合、テキスト情報122は、「パタカパタカ・・・」というテキストを示す情報となる。
【0031】
評価結果情報123は、評価装置1による被評価者の口腔機能の評価結果を示す情報である。評価結果情報123は、音声情報121と対応づけて記憶される。
【0032】
図4は評価結果情報123の一例を示す図である。図4の評価結果情報123は、情報項目として、「評価項目」、「測定対象」、「測定値」、「点数」、「評価」及び「アドバイス」を含む。
【0033】
「評価項目」は、発話及び口腔機能の評価項目である。図4の例では、「評価項目」は、「速さ」、「リズム」、「呼吸」、「発音(パ)」、「発音(タ)」、「発音(カ)」及び「総合」を含む。
【0034】
「速さ」は、発話の速さを評価する評価項目である。発話の速さを評価することにより、被評価者の口や舌の動きの滑らかさを評価できる。
【0035】
「リズム」は、発話のリズムを評価する評価項目である。発話の「リズム」を評価することにより、被評価者の口周辺の筋肉の持久力を評価できる。
【0036】
「呼吸」は、発話中の呼吸を評価する評価項目である。発話中の呼吸を評価することにより、被評価者の肺活量を評価できる。
【0037】
「発音(パ)」は、「パ」という音節の発音を評価する評価項目である。「パ」の発音を評価することにより、被評価者の口唇の力を評価できる。
【0038】
「発音(タ)」は、「タ」という音節の発音を評価する評価項目である。「タ」の発音を評価することにより、被評価者の舌の前方の力を評価できる。
【0039】
「発音(カ)」は、「カ」という音節の発音を評価する評価項目である。「カ」の発音を評価することにより、被評価者の舌の後方の力を評価できる。
【0040】
「総合」は、口腔機能を評価する評価項目である。「総合」は、各発話の評価項目に基づいた、被評価者の口腔機能の総合評価となる。
【0041】
「測定対象」は、評価項目を評価するための測定対象である。「測定対象」は、「時間(s)」、「安定度(%)」、「息継ぎ回数(回)」及び「正解数(回)」を含む。
【0042】
「時間(s)」は、評価項目「速さ」の測定対象であり、「パタカ」を10回繰り返すのに要した時間である。「時間(s)」が短いほど、口や舌の動きが滑らかであることを意味し、口腔機能は高く評価される。
【0043】
「安定度(%)」は、評価項目「リズム」の測定対象であり、「パタカ」を10回発話した際のリズムの安定度である。「安定度(%)」は、0以上100以下の値をとり、発話のリズムが安定しているほど大きくなる。「安定度(%)」が大きいほど、口周辺の筋肉の持久力が高いことを意味し、口腔機能は高く評価される。
【0044】
「息継ぎ回数(回)」は、評価項目「呼吸」の測定対象であり、「パタカ」を10回発話した際の息継ぎの回数である。「息継ぎ回数(回)」が少ないほど、肺活量が大きいことを意味し、口腔機能は高く評価される。
【0045】
「正解数(回)」は、評価項目「発音(パ)」、「発音(タ)」及び「発音(カ)」の測定対象であり、「パタカ」を10回発話した際の「パ」、「タ」及び「カ」をそれぞれ正確に発話できた回数である。「正解数(回)」は、0以上10以下の値をとり、発音が正確であるほど大きくなる。「発音(パ)」の「正解数(回)」が多いほど、口唇の力が強いことを意味し、口腔機能は高く評価される。「発音(タ)」の「正解数(回)」が多いほど、舌の前方の力が強いことを意味し、口腔機能は高く評価される。「発音(カ)」の「正解数(回)」が多いほど、舌の後方の力が強いことを意味し、口腔機能は高く評価される。
【0046】
「測定値」は、音声情報121及びテキスト情報122に基づいて算出された「測定対象」の値である。図4の例では、「速さ」の測定値は「15.42」、「リズム」の測定値は「21」、「呼吸」の測定値は「9」、「発音(パ)」の測定値は「5」、「発音(タ)」の測定値は「7」、「発音(カ)」の測定値は「9」である。
【0047】
「点数」は、「測定値」に基づいて評価された「評価項目」の評価値(定量的な評価)である。図4の例では、「速さ」の点数は「0」、「リズム」の点数は「0」、「呼吸」の点数は「0」、「発音」の点数は「21」、「総合」の点数は「21」である。「総合」の点数は、発話の各評価項目の点数の合計である。「発話」の点数は、「発話(パ)」、「発話(タ)」及び「発話(カ)」の正解数の合計である。
【0048】
「評価」は、「測定値」又は「点数」に基づいて評価された「評価項目」の定性的な評価である。図4の例では、「発音(パ)」の評価は「発音が乱れています。」、「発音(タ)」の評価は「発音が時々乱れています。」、「発音(カ)」の評価は「しっかり発音できています!」、「総合」の評価は「発音が良い感じですね!・・・」である。
【0049】
「アドバイス」は、「測定値」又は「点数」に基づいて提供される「評価項目」に対するアドバイスである。図4の例では、「総合」のアドバイスは「言い終わるまでに時間がかかっていますね。・・・」である。
【0050】
なお、評価結果情報123は、上記の例に限られない。評価結果情報123は、上記の情報項目の一部を含まなくてもよいし、上記以外の情報項目を含んでもよい。例えば、評価結果情報123として、上記以外の評価項目が含まれてもよい。また、評価項目の測定対象は、上記の例に限られない。
【0051】
評価情報124は、「評価項目」の定性的な評価を示すテキスト情報である。評価情報124は、「測定値」又は「点数」に対応づけて記憶される。
【0052】
アドバイス情報125は、「評価項目」に対するアドバイスを示すテキスト情報である。アドバイス情報125は、「測定値」又は「点数」に対応づけて記憶される。
【0053】
制御部13は、プロセッサ101がメモリ102からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。制御部13は、評価装置1の動作全体を制御する。制御部13は、取得部131と、生成部132と、評価部133と、を備える。
【0054】
取得部131は、ユーザ端末2から被評価者の音声情報121を取得する。取得部131は、取得した音声情報121を記憶部12に保存する。
【0055】
生成部132は、音声認識により音声情報121からテキスト情報122を生成する。生成部132は、被評価者が正確に「パタカパタカ・・・」と発話している場合、「パタカパタカ・・・」というテキストを示すテキスト情報122を生成する。生成部132は、例えば、音響モデル、言語モデル及び発音辞書などを利用した音声認識処理により、テキスト情報122を生成してもよい。また、生成部132は、音声をテキストに変換するAIモデルを利用して、音声情報121からテキスト情報122を生成してもよい。生成部132は、生成したテキスト情報122を記憶部12に保存する。
【0056】
評価部133は、音声情報121及びテキスト情報122に基づいて、被評価者の発話及び口腔機能を評価する。ここでいう発話及び口腔機能の評価は、評価項目ごとの、測定値の算出、点数の算出、評価の選択及びアドバイスの選択を含む。評価部133による評価方法について、詳しくは後述する。
【0057】
なお、評価装置1の機能構成は、上記の例に限られない。例えば、評価装置1は、上記の機能構成の一部を備え、残りをユーザ端末2が備えてもよい。また、評価装置1は、上記以外の機能構成を備えてもよい。また、評価装置1の各機能構成は、上記の通り、ソフトウェアにより実現されてもよいし、ICチップ、SoC(System on Chip)、LSI(Large Scale Integration)、マイクロコンピュータ等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0058】
<口腔機能評価システムが実行する処理>
次に、本実施形態に係る評価システムが実行する処理について説明する。図5は、評価システムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
(ステップS101)
まず、ユーザが、被評価者に所定のフレーズを繰り返し発話してもらい、その音声情報をユーザ端末2で取得する(ステップS101)。ここでは、被評価者が「パタカ」を10回繰り返し発話した音声情報が取得される。ユーザ端末2は、音声情報の代わりに、音声情報を含む動画情報を取得してもよい。
【0060】
ユーザは、音声情報を取得すると、ユーザ端末2を操作して、取得した音声情報を被評価者の情報と対応づけてユーザ端末2から評価装置1に送信する。なお、ユーザは、予めユーザ端末2に保存された被評価者の音声情報を評価装置1に送信してもよい。
【0061】
(ステップS102)
評価装置1の取得部131は、ユーザ端末2から音声情報を受信すると、受信した音声情報を音声情報121として取得し、被評価者の情報と対応づけて記憶部12に保存する(ステップS102)。
【0062】
(ステップS103)
生成部132は、記憶部12に音声情報121が保存されると、音声認識により、保存された音声情報121からテキスト情報122を生成し、音声情報121と対応づけて記憶部12に保存する(ステップS103)。被評価者が正確に「パタカパタカ・・・」と発話している場合、テキスト情報122は、「パタカパタカ・・・」というテキストを示す情報となる。
【0063】
(ステップS104)
評価部133は、音声情報121及びテキスト情報122が保存されると、音声情報121及びテキスト情報122に基づいて、被評価者の発話及び口腔機能を評価し、評価結果情報123を音声情報121と対応づけて記憶部12に保存する(ステップS104)。評価部133は、保存した評価結果情報123を、音声情報121と対応づけてユーザ端末2に送信する。
【0064】
ここで、図6は、音声情報121の一例を模式的に示す図である。図6の例では、横軸は時間、縦軸は振幅である。図6の音声情報121には、10回分の「パタカ」に対応する波形が含まれている。なお、実際の音声情報121には、この他に周波数などの情報も含まれる。以下では、「速さ」、「リズム」、「呼吸」、「発音」及び「総合」の5つの評価項目の評価方法について説明する。
【0065】
(1)「速さ」の評価方法
評価部133は、被評価者が所定のフレーズを所定回数繰り返し発話する場合、音声情報121に基づいて、被評価者が所定のフレーズを所定回数繰り返し発話するのに要した時間を、「速さ」の「測定値(所要時間)」として算出する。図6の例では、評価部133は、「パタカ」を10回繰り返し発話するのに要した時間、すなわち、1つ目の「パ」の波形の開始時間t1から10個目の「カ」の波形の終了時間t2までの時間Tを、「速さ」の「測定値」として算出する。
【0066】
次に、評価部133は、「測定値」に基づいて、「速さ」の「点数」を決定する。評価部133は、「速さ」の「測定値」に基づいて「速さ」の「点数」を算出してもよい。また、評価部133は、「点数」と「測定値」の対応表を参照して、「測定値」に対応する「速さ」の「点数」を選択してもよい。
【0067】
さらに、評価部133は、評価情報124に含まれる「点数」と「評価」の対応表を参照して、「点数」に対応する「速さ」の「評価」を決定する。「点数」と「評価」の対応表の代わりに、「測定値」と「評価」の対応表が用意されていてもよい。また、「速さ」の「評価」が不要の場合には、「評価」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0068】
またさらに、評価部133は、アドバイス情報125に含まれる「点数」と「アドバイス」の対応表を参照して、「点数」に対応する「速さ」の「アドバイス」を決定する。「点数」と「アドバイス」の対応表の代わりに、「測定値」と「アドバイス」の対応表が用意されていてもよい。また、「速さ」の「アドバイス」が不要の場合には、「アドバイス」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0069】
評価部133は、こうして決定した「速さ」の「測定値」、「点数」、「評価」及び「アドバイス」を、評価結果情報133として記憶部12に保存する。図4の例では、「速さ」の「測定値」は「15.42」、「点数」は「0」、「評価」は「-」、「アドバイス」は「-」となっている。
【0070】
なお、評価部133は、被評価者が所定のフレーズを所定時間繰り返し発話する場合、音声情報121に基づいて、被評価者が所定のフレーズを所定時間の間に繰り返し発話した回数を、「速さ」の「測定値」として算出してもよい。
【0071】
(2)「リズム」の評価方法
評価部133は、被評価者が所定のフレーズを所定回数繰り返し発話する場合、音声情報121に基づいて、被評価者が所定のフレーズを繰り返し発話している間のリズムの安定度を、「リズム」の「測定値(安定度)」として算出する。リズムの安定度は、音節ごと(「パ」、「タ」又は「カ」)の発話間隔のばらつき(分散など)の小ささであってもよいし、隣接する音節の発話間隔のばらつきの小ささであってもよい。また、リズムの安定度は、音節ごとの発話間隔又は隣接する音節の発話間隔のうち、平均値を基準とした所定の範囲に含まれる音節の数又はその割合であってもよい。いずれの場合も、発話間隔が一定であるほど安定度は高くなる。
【0072】
次に、評価部133は、「測定値」に基づいて、「リズム」の「点数」を決定する。評価部133は、「リズム」の「測定値」に基づいて「リズム」の「点数」を算出してもよい。また、評価部133は、「点数」と「測定値」の対応表を参照して、「測定値」に対応する「リズム」の「点数」を選択してもよい。
【0073】
さらに、評価部133は、評価情報124に含まれる「点数」と「評価」の対応表を参照して、「点数」に対応する「リズム」の「評価」を決定する。「点数」と「評価」の対応表の代わりに、「測定値」と「評価」の対応表が用意されていてもよい。また、「リズム」の「評価」が不要の場合には、「評価」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0074】
またさらに、評価部133は、アドバイス情報125に含まれる「点数」と「アドバイス」の対応表を参照して、「点数」に対応する「リズム」の「アドバイス」を決定する。「点数」と「アドバイス」の対応表の代わりに、「測定値」と「アドバイス」の対応表が用意されていてもよい。また、「リズム」の「アドバイス」が不要の場合には、「アドバイス」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0075】
評価部133は、こうして決定した「リズム」の「測定値」、「点数」、「評価」及び「アドバイス」を、評価結果情報133として記憶部12に保存する。図4の例では、「リズム」の「測定値」は「21」、「点数」は「0」、「評価」は「-」、「アドバイス」は「-」となっている。
【0076】
なお、評価部133は、被評価者が所定のフレーズを所定時間繰り返し発話する場合、音声情報121に基づいて、被評価者が所定のフレーズを所定時間の間のリズムの安定度を、「リズム」の「測定値」として算出してもよい。
【0077】
(3)「呼吸」の評価方法
評価部133は、音声情報121に基づいて、被評価者が所定のフレーズを繰り返し発話している間に行った息継ぎの回数を、「呼吸」の「測定値(息継ぎ回数)」として算出する。図6の例では、評価部133は、「パタカ」を10回繰り返し発話している間に行った息継ぎの回数、すなわち、1つ目の「パ」の波形の開始時間t1から10個目の「カ」の波形の終了時間t2までの間に行った息継ぎの回数を、「呼吸」の「測定値」として算出する。評価部133は、例えば、音声情報121において所定時間以上継続して振幅が閾値以下である期間を、被評価者が息継ぎを行った期間として検出する。なお、息継ぎの検出方法は、これに限られず、任意である。
【0078】
次に、評価部133は、「測定値」に基づいて、「呼吸」の「点数」を決定する。評価部133は、「呼吸」の「測定値」に基づいて「呼吸」の「点数」を算出してもよい。また、評価部133は、「点数」と「測定値」の対応表を参照して、「測定値」に対応する「呼吸」の「点数」を選択してもよい。
【0079】
さらに、評価部133は、評価情報124に含まれる「点数」と「評価」の対応表を参照して、「点数」に対応する「呼吸」の「評価」を決定する。「点数」と「評価」の対応表の代わりに、「測定値」と「評価」の対応表が用意されていてもよい。また、「呼吸」の「評価」が不要の場合には、「評価」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0080】
またさらに、評価部133は、アドバイス情報125に含まれる「点数」と「アドバイス」の対応表を参照して、「点数」に対応する「呼吸」の「アドバイス」を決定する。「点数」と「アドバイス」の対応表の代わりに、「測定値」と「アドバイス」の対応表が用意されていてもよい。また、「呼吸」の「アドバイス」が不要の場合には、「アドバイス」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0081】
評価部133は、こうして決定した「呼吸」の「測定値」、「点数」、「評価」及び「アドバイス」を、評価結果情報123として記憶部12に保存する。図4の例では、「呼吸」の「測定値」は「9」、「点数」は「0」、「評価」は「-」、「アドバイス」は「-」となっている。
【0082】
なお、評価部133は、被評価者が所定のフレーズを所定時間繰り返し発話する場合、音声情報121に基づいて、被評価者が所定のフレーズを所定時間の間に繰り返し発話している間に行った息継ぎの回数を、「呼吸」の「測定値」として算出してもよい。
【0083】
(4)「発音」の評価方法
評価部133は、被評価者が所定のフレーズを所定回数繰り返し発話する場合、テキスト情報122に基づいて、被評価者が所定のフレーズを所定回数繰り返し発話する間に各音節を正確に発音した回数を、「発音」の「測定値(正解数)」として算出する。図6の例では、評価部133は、「パタカ」を10回繰り返し発話する間に「パ」、「タ」及び「カ」を正確に発音した回数を、それぞれ「発音(パ)」、「発音(タ)」及び「発音(カ)」の「測定値」として算出する。
【0084】
「パ」を正確に発音した回数は、「パタカ」というフレーズにおいて「パ」と発音すべき音節が、テキスト情報122において「パ」と認識されている回数である。これは、「パ」を正確に発音した場合、音声認識により「パ」と認識される一方、「パ」を不正確に発音した場合、音声認識により「パ」以外の音節に認識されるためである。「タ」及び「カ」についても同様である。
【0085】
図6の例では、テキスト情報122において、音声情報121は「パタカハサカカタサパタカパカカハタカパタカパカカカタカカタカ」と認識されている。「パ」と発音すべき10回の音節を抜き出すと「パ・ハ・カ・パ・パ・ハ・パ・パ・カ・カ」であり、「パ」と発音すべき10回のうち5回が「パ」と認識されている。このため、図6の例では、「発音(パ)」の正解数は5となる。同様に、「発音(タ)」の正解数は7、「発音(カ)」の正解数は9となる。
【0086】
なお、「発音」の「測定値」は、正解数ではなく正解率であってもよい。この場合、「パ」を正確に発音した正解率は、「パ」の正解数を、「パタカ」を繰り返した回数で割った値となる。「タ」及び「カ」についても同様である。図6の例では、「発音(パ)」の正解率は50%、「発音(タ)」の正解率は70%、「発音(カ)」の正解率は90%となる。
【0087】
次に、評価部133は、「測定値」に基づいて、「発音」の「点数」を決定する。評価部133は、「発音」の「測定値」に基づいて「発音」の「点数」を算出してもよい。また、評価部133は、「点数」と「測定値」の対応表を参照して、「測定値」に対応する「発音」の「点数」を選択してもよい。「発音」の「点数」は、音節ごとに決定されてもよいし、全音節の総合点として決定されてもよい。
【0088】
さらに、評価部133は、評価情報124に含まれる「点数」と「評価」の対応表を参照して、「点数」に対応する「発音」の「評価」を決定する。「点数」と「評価」の対応表の代わりに、「測定値」と「評価」の対応表が用意されていてもよい。また、「発音」の「評価」が不要の場合には、「評価」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0089】
またさらに、評価部133は、アドバイス情報125に含まれる「点数」と「アドバイス」の対応表を参照して、「点数」に対応する「発音」の「アドバイス」を決定する。「点数」と「アドバイス」の対応表の代わりに、「測定値」と「アドバイス」の対応表が用意されていてもよい。また、「発音」の「アドバイス」が不要の場合には、「アドバイス」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0090】
評価部133は、こうして決定した「発音」の「測定値」、「点数」、「評価」及び「アドバイス」を、評価結果情報123として記憶部12に保存する。図4の例では、「発音(パ)」の「測定値」は「5」、「評価」は「発音が乱れています。」、「アドバイス」は「-」となっている。「発音(タ)」の「測定値」は「7」、「評価」は「発音が時々乱れています。」、「アドバイス」は「-」となっている。「発音(カ)」の「測定値」は「9」、「評価」は「しっかり発音できています!」、「アドバイス」は「-」となっている。「発音」の「点数」は「21」となっている。
【0091】
(5)「総合」の評価方法
評価部133は、発話の各「評価項目」の「点数」に基づいて、「総合」の「点数」を決定する。評価部133は、発話の各「評価項目」の「点数」に基づいて「総合」の「点数」を算出してもよい。また、評価部133は、発話の各「評価項目」の「点数」と「総合」の「点数」の対応表を参照して、「総合」の「点数」を選択してもよい。評価部133は、発話の各「評価項目」の「点数」の代わりに、発話の各「評価項目」の「測定値」に基づいて「総合」の「点数」を決定してもよい。
【0092】
次に、評価部133は、評価情報124に含まれる「点数」と「評価」の対応表を参照して、「点数」に対応する「総合」の「評価」を決定する。「総合」の「点数」と「評価」の対応表の代わりに、発話の各「評価項目」の「点数」又は「測定値」と「評価」の対応表が用意されていてもよい。また、「総合」の「評価」が不要の場合には、「評価」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0093】
さらに、評価部133は、アドバイス情報125に含まれる「点数」と「アドバイス」の対応表を参照して、「点数」に対応する「総合」の「アドバイス」を決定する。「点数」と「アドバイス」の対応表の代わりに、発話の各「評価項目」の「点数」又は「測定値」と「アドバイス」の対応表が用意されていてもよい。また、「総合」の「アドバイス」が不要の場合には、「アドバイス」の対応表は用意されていなくてもよい。
【0094】
評価部133は、こうして決定した「総合」の「点数」、「評価」及び「アドバイス」を、評価結果情報123として記憶部12に保存する。図4の例では、「総合」の「点数」は「21」、「評価」は「発音が良い感じですね!・・・」、「アドバイス」は「言い終わるまでに時間がかかっていますね。・・・」となっている。
【0095】
なお、発話及び口腔機能の「評価項目」、「測定対象」、「測定値」、「点数」、「評価」及び「アドバイス」は、上記の例に限られない。評価結果情報123には、上記の一部の情報が含まれなくてもよいし、上記以外の情報が含まれてもよい。
【0096】
(ステップS106)
ユーザ端末2は、評価装置1から評価結果情報123を受信すると、評価結果情報123が示す評価結果を評価結果表示画面に表示する(ステップS106)。
【0097】
図7は、評価結果表示画面の一例を示す図である。図7の評価結果表示画面には、「速さ」の測定値(15.42秒)及び点数(0/30点)と、「リズム」の測定値(21%)及び点数(0/30点)と、「呼吸」の測定値(9回)及び点数(0/30点)と、「発音(パ)」の点数(5点)及び評価(発音に乱れが生じています。)と、「発音(タ)」の点数(7点)及び評価(発音が時々乱れています。)と、「発音(カ)」の点数(9点)及び評価(しっかり発音できています!)と、「総合」の点数(21点/30)、評価(発音が良い感じですね!・・・)及びアドバイス(言い終わるまでに時間がかかっていますね。・・・)と、が表示されている。
【0098】
被評価者は、このような評価結果表示画面を見ることにより、自身の発話及び口腔機能の状態を知ることができる。なお、評価結果表示画面に表示される評価結果は、上記の例に限られない。
【0099】
<まとめ>
以上説明した通り、本実施形態に係る評価システムは、被評価者が「パタカ」など複数の音節を含む所定のフレーズを繰り返し発話した音声情報に基づいて、被評価者の発話及び口腔機能を評価する。これにより、被評価者は、一度の発話で複数の音節の発話の評価を受けることができる。また、評価者は、被評価者の一度の発話の音声情報を取得するだけで、被評価者の複数の音節の発話を評価することができる。すなわち、オーラルディアドコキネシスを実施する際に、被評価者が「パ」、「タ」及び「カ」などの音節についてそれぞれ発話して録音したり、評価者が各音節の発話された回数を数えたりする必要がない。結果として、この評価システムを利用することにより、オーラルディアドコキネシスを容易に実施することができる。
【0100】
また、評価システムは、所定のフレーズを繰り返し発話した音声情報に基づいて、「速さ」、「リズム」、「呼吸」、「発音」及び「総合」などの複数の評価項目について自動で評価することができる。これにより、オーラルディアドコキネシスを手動で実施する場合に比べて、被評価者の発話及び口腔機能の評価を、より詳細に行うことができる。
【0101】
<付記>
本実施形態は、以下の開示を含む。
【0102】
(付記1)
口腔機能評価システムが実行する口腔機能評価方法であって、
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、
前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価処理と、
を含む口腔機能評価方法。
【0103】
(付記2)
前記フレーズは、パ、タ、カ及びラのうち3つ以上の音節を含む
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0104】
(付記3)
前記フレーズは、パタカである
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0105】
(付記4)
前記取得処理は、前記フレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0106】
(付記5)
前記取得処理は、前記フレーズを所定時間繰り返し発話した音声情報を取得する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0107】
(付記6)
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話の速さを評価する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0108】
(付記7)
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、前記フレーズを前記所定回数繰り返すのに要した時間を算出する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0109】
(付記8)
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話のリズムを評価する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0110】
(付記9)
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話のリズムの安定度を算出する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0111】
(付記10)
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話中の呼吸を評価する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0112】
(付記11)
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話中の息継ぎの回数を算出する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0113】
(付記12)
音声認識により前記音声情報からテキスト情報を生成する生成処理を更に含み、
前記評価処理は、前記テキスト情報に基づいて、発音を評価する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0114】
(付記13)
音声認識により前記音声情報からテキスト情報を生成する生成処理を更に含み、
前記評価処理は、前記テキスト情報に基づいて、発音の正解数を算出する
付記1に記載の口腔機能評価方法。
【0115】
(付記14)
コンピュータに、
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、
前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価処理と、
を含む口腔機能評価方法を実行させるためのプログラム。
【0116】
(付記15)
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する取得部と、
前記音声情報に基づいて、前記発話を評価する評価部と、
を備える口腔機能評価システム。
【0117】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
1:評価装置
2:ユーザ端末
11:通信部
12:記憶部
13:制御部
101:プロセッサ
102:メモリ
103:ストレージ
104:通信I/F
105:入出力I/F
106:ドライブ装置
107:入力装置
108:出力装置
109:ディスクメディア
121:音声情報
122:テキスト情報
123:評価結果情報
124:評価情報
125:アドバイス情報
131:取得部
132:生成部
133:評価部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔機能評価システムが実行する口腔機能評価方法であって、
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、
前記音声情報に基づいて、発話中の息継ぎの回数を算出し、発話中の呼吸を評価する評価処理と、
を含む口腔機能評価方法。
【請求項2】
前記フレーズは、パ、タ、カ及びラのうち3つ以上の音節を含む
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項3】
前記フレーズは、パタカである
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項4】
前記取得処理は、前記フレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項5】
前記取得処理は、前記フレーズを所定時間繰り返し発話した音声情報を取得する
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項6】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話の速さを評価する処理を更に含む、
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項7】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、前記フレーズを所定回数繰り返すのに要した時間を算出する処理を更に含む、
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項8】
前記評価処理は、前記音声情報に基づいて、発話のリズムの安定度を算出する処理を更に含む、
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項9】
音声認識により前記音声情報からテキスト情報を生成する生成処理を更に含み、
前記評価処理は、前記テキスト情報に基づいて、発音を評価する処理を更に含む、
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項10】
音声認識により前記音声情報からテキスト情報を生成する生成処理を更に含み、
前記評価処理は、前記テキスト情報に基づいて、発音の正解数を算出する処理を更に含む、
請求項1に記載の口腔機能評価方法。
【請求項11】
コンピュータに、
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する取得処理と、
前記音声情報に基づいて、発話中の息継ぎの回数を算出し、発話中の呼吸を評価する評価処理と、
を含む口腔機能評価方法を実行させるプログラム。
【請求項12】
被評価者が複数の音節を含む所定のフレーズを所定回数繰り返し発話した音声情報を取得する取得部と、
前記音声情報に基づいて、発話中の息継ぎの回数を算出し、発話中の呼吸を評価する評価部と、
を備える口腔機能評価システム。