(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134410
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】フィルター清掃装置及び乾燥機用フィルター清掃装置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/681 20220101AFI20240926BHJP
D06F 58/22 20060101ALI20240926BHJP
D06F 58/02 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B01D46/681
D06F58/22
D06F58/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044701
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】種村 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3B166
4D058
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA04
3B166AA12
3B166AB23
3B166AB30
3B166BA22
3B166BA56
3B166BA72
3B166BA73
3B166CA11
3B166CB11
3B166EA03
3B166EA12
3B166EB03
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3B166EC02
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3B166ED01
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3B166EE01
3B166GA02
3B166GA12
4D058JA03
4D058KA01
4D058KA25
4D058MA31
4D058MA47
4D058MA60
4D058RA01
4D058RA11
4D058SA01
(57)【要約】
【課題】 塵埃収容部の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することを可能とし、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができるフィルター清掃装置を提供する。
【解決手段】 フィルター清掃装置10は、塵埃収容部6が塵埃の排出時に開状態となる蓋体6aと、通風路3を区画する仕切り板6bと、第2の回動軸4bとを備え、仕切り板6bは、蓋体6aに固定されると共に、蓋体6aが開状態となる塵埃排出時には、フィルター清掃装置本体1の外部に位置するものであり、仕切り板6bの一端は、第2の回動軸4bにより塵埃収容部6の内方に向かい回動する塵埃圧縮片7を兼ねるものであって、塵埃圧縮片7は第1の清掃体5aに押圧されて回動する構成とした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の壁面を備えた中空状のフィルター清掃装置本体と、
前記フィルター清掃装置本体の壁面に形成される塵埃を捕集する第1のフィルター体と、
前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、
前記通風路内に設置された第1の回動軸と、
前記第1の回動軸に備えられると共に、前記第1のフィルター体に回動自在に摺接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する第1の清掃体と、
前記第1の清掃体の清掃終了位置の近傍に開口を備えた塵埃収容部と、を有するフィルター清掃装置において、
前記塵埃収容部は、塵埃の排出時に開状態となる蓋体と、前記通風路を区画する仕切り板と、第2の回動軸と、を備え、
前記仕切り板は、前記蓋体に固定されると共に、該蓋体が開状態となる塵埃排出時には、フィルター清掃装置本体の外部に位置しており、
前記仕切り板の一端は、前記第2の回動軸により前記塵埃収容部の内方に向かい回動する塵埃圧縮片を兼ねるものであって、前記塵埃圧縮片は前記第1の清掃体に押圧されて回動することを特徴とするフィルター清掃装置
【請求項2】
複数の壁面を備えた中空状のフィルター清掃装置本体と、
前記フィルター清掃装置本体の壁面に形成される塵埃を捕集する第1のフィルター体と、
前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、
前記通風路内に設置された第1の回動軸と、
前記第1の回動軸に備えられると共に、前記第1のフィルター体に回動自在に摺接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する第1の清掃体と、
前記第1の清掃体の清掃終了位置の近傍に開口を備えた塵埃収容部と、を有するフィルター清掃装置において、
前記塵埃収容部は、塵埃の排出時に開状態となる蓋体と、前記通風路を区画する仕切り板と、第2の回動軸と、を備え、
前記仕切り板は、前記フィルター清掃装置本体に固定されており、
前記仕切り板の一端は、前記第2の回動軸により前記塵埃収容部の内方に向かい回動する塵埃圧縮片を兼ねるものであって、前記塵埃圧縮片は前記第1の清掃体に押圧されて回動することを特徴とするフィルター清掃装置
【請求項3】
蓋体を閉状態から開状態へと変化させる際には、第1の清掃体が前記蓋体及び/又は仕切り板を押圧することを特徴とする請求項1に記載のフィルター清掃装置
【請求項4】
蓋体を開状態から閉状態へと変化させる際には、前記蓋体及び/又は仕切り板が第1の清掃体を押圧すると共に、該第1の清掃体を清掃終了位置まで移動させることを特徴とする請求項1に記載のフィルター清掃装置
【請求項5】
蓋体を閉状態から開状態へと変化させる際には、塵埃圧縮片が前記蓋体を押圧することを特徴とする請求項2に記載のフィルター清掃装置
【請求項6】
塵埃収容部は、開口近傍に塵埃を捕集する第2のフィルター体が設けられていると共に、塵埃圧縮片は、一端に第2の清掃体を備え、前記塵埃圧縮片の回動時に、前記第2の清掃体が前記第2のフィルター体に回動自在に摺接することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルター清掃装置
【請求項7】
第1の回動軸及び/又は第2の回動軸は、フィルター清掃装置本体の外側面に設けられた操作部材を有する回動機構により操作可能であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルター清掃装置
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のフィルター清掃装置を、乾燥機の風路内に着脱可能に設置したことを特徴とする乾燥機用フィルター清掃装置
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載のフィルター清掃装置を、乾燥機の風路内に設置した状態で、操作部材を操作可能であることを特徴とする乾燥機用フィルター清掃装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターに付着した塵埃を除去するためのフィルター清掃装置と、乾燥機に設置される乾燥機用フィルター清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から塵埃を捕集するフィルターが設置され、このフィルターに付着した塵埃を除去するためのフィルター清掃装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のフィルター清掃装置は、リントを捕集するフィルター面を備えた円弧状のフィルターと、このフィルターの上流側に備えられた通風路と、この通風路内に設置された回動軸と、この回動軸に備えられると共に、フィルターに回動自在に当接し、フィルター面に付着したリントを除去する除塵体と、除塵体の往路終端位置の近傍に開口を有する第1リント収容部と、除塵体の初期位置の近傍に開口を有する第2リント収容部とを有しており、第1リント収容部には、リント圧縮用のフィルターが設置され、このリント圧縮用のフィルターは、乾燥機の乾燥運転時に第1リント収容部に風を流すことによって第1リント収容部内のリントを圧縮する機能を有するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載のフィルター清掃装置では、リント圧縮用のフィルターだけでは第1リント収容部内のリントを十分に圧縮することができず、第1リント収容部の容量を拡大させるか、頻繁にリントの廃棄作業が必要であるという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、塵埃収容部の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することを可能とし、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができるフィルター清掃装置及び乾燥機用フィルター清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の壁面を備えた中空状のフィルター清掃装置本体と、前記フィルター清掃装置本体の壁面に形成される塵埃を捕集する第1のフィルター体と、前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、前記通風路内に設置された第1の回動軸と、前記第1の回動軸に備えられると共に、前記第1のフィルター体に回動自在に摺接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する第1の清掃体と、前記第1の清掃体の清掃終了位置の近傍に開口を備えた塵埃収容部と、を有するフィルター清掃装置において、前記塵埃収容部は、塵埃の排出時に開状態となる蓋体と、前記通風路を区画する仕切り板と、第2の回動軸と、を備え、前記仕切り板は、前記蓋体に固定されると共に、該蓋体が開状態となる塵埃排出時には、フィルター清掃装置本体の外部に位置しており、前記仕切り板の一端は、前記第2の回動軸により前記塵埃収容部の内方に向かい回動する塵埃圧縮片を兼ねるものであって、前記塵埃圧縮片は前記第1の清掃体に押圧されて回動することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、仕切り板の一端が第2の回動軸により塵埃収容部の内方に向かい回動する塵埃圧縮片を兼ねていることから、塵埃収容部の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することができ、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができる。また、仕切り板は、蓋体に固定されると共に、蓋体が開状態となる塵埃排出時には、フィルター清掃装置本体の外部に位置する構成としたことにより、塵埃収容部に収容した塵埃をスムーズに排出させることができる。さらに、塵埃圧縮片は第1の清掃体に押圧されて回動する構成としたことにより、塵埃圧縮片を回動させる別の駆動源を必要としないので、製造コストの低減を図ることができると共に、第1の清掃体の清掃動作終了の度に、塵埃圧縮片により塵埃を圧縮することができるため、塵埃圧縮時に過度な押圧力を必要とせず、より塵埃をコンパクトにすることができる。
【0009】
請求項2の発明は、複数の壁面を備えた中空状のフィルター清掃装置本体と、前記フィルター清掃装置本体の壁面に形成される塵埃を捕集する第1のフィルター体と、前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、前記通風路内に設置された第1の回動軸と、前記第1の回動軸に備えられると共に、前記第1のフィルター体に回動自在に摺接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する第1の清掃体と、前記第1の清掃体の清掃終了位置の近傍に開口を備えた塵埃収容部と、を有するフィルター清掃装置において、前記塵埃収容部は、塵埃の排出時に開状態となる蓋体と、前記通風路を区画する仕切り板と、第2の回動軸と、を備え、前記仕切り板は、前記フィルター清掃装置本体に固定されており、前記仕切り板の一端は、前記第2の回動軸により前記塵埃収容部の内方に向かい回動する塵埃圧縮片を兼ねるものであって、前記塵埃圧縮片は前記第1の清掃体に押圧されて回動することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明では、仕切り板の一端が第2の回動軸により塵埃収容部の内方に向かい回動する塵埃圧縮片を兼ねていることから、塵埃収容部の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することができ、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができる。また、塵埃圧縮片は第1の清掃体に押圧されて回動する構成としたことにより、塵埃圧縮片を回動させる別の駆動源を必要としないので、製造コストの低減を図ることができと共に、第1の清掃体の清掃動作終了の度に、塵埃を圧縮することができるため、塵埃圧縮時に過度な押圧力を必要とせず、より塵埃をコンパクトに圧縮することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、蓋体を閉状態から開状態へと変化させる際には、第1の清掃体が前記蓋体及び/又は仕切り板を押圧することを特徴としている。これにより、蓋体の開動作を簡易に行うことができる。また、塵埃を廃棄する際に、蓋体を手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に廃棄処理をすることができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、蓋体を開状態から閉状態へと変化させる際には、前記蓋体及び/又は仕切り板が第1の清掃体を押圧すると共に、該第1の清掃体を清掃終了位置まで移動させることを特徴としている。これにより、第1の清掃体を清掃終了位置まで戻すために、特別な動力を必要とせず簡単に移動させることができる。また、第1の清掃体を手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に使用することができる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項2の発明において、蓋体を閉状態から開状態へと変化させる際には、塵埃圧縮片が前記蓋体を押圧することを特徴としている。これにより、蓋体の開動作を簡易に行うことができる。また、塵埃を廃棄する際に、蓋体を手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に廃棄処理をすることができる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、塵埃収容部は、開口近傍に塵埃を捕集する第2のフィルター体が設けられていると共に、塵埃圧縮片は、一端に第2の清掃体を備え、前記塵埃圧縮片の回動時に、前記第2の清掃体が前記第2のフィルター体に回動自在に摺接することを特徴としている。これにより、第2のフィルター体に流れる通風によって、塵埃収容部内の塵埃を圧縮することができると共に、第2のフィルター体に付着した塵埃は第2の清掃体によって掻き取られ、塵埃収容部に移送されるため、第1のフィルター体及び第2のフィルター体に塵埃が再付着するのを防ぐことができる。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、第1の回動軸及び/又は第2の回動軸は、フィルター清掃装置本体の外側面に設けられた操作部材を有する回動機構により操作可能であることを特徴としている。これにより、手動で操作部材を操作することによって、第1の清掃体及び/又は第2の清掃体を回動させて第1のフィルター体及び/又は第2のフィルター体の清掃を適切なタイミングで行うことができる。また、塵埃圧縮片を介して塵埃収容部内の塵埃を適切なタイミングで圧縮することができる。
【0016】
請求項8の発明は、乾燥機用フィルター清掃装置の発明であって、請求項1~7のいずれかのフィルター清掃装置を、乾燥機の風路内に着脱可能に設置したことを特徴としている。これにより、乾燥機用フィルター清掃装置の塵埃収容部の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することを可能とし、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができる。また、塵埃の廃棄作業を簡単に行うことができる。
【0017】
請求項9の発明は、乾燥機用フィルター清掃装置の発明であって、請求項1~7のいずれかのフィルター清掃装置を、乾燥機の風路内に設置した状態で、操作部材を操作可能であることを特徴としている。これにより、乾燥機からフィルター清掃装置を取り外す必要なく、乾燥運転時及び乾燥停止時に関わらず適切なタイミングで第1のフィルター体及び第2のフィルター体の清掃を行うことができると共に、適切なタイミングで塵埃収容部内の塵埃を圧縮することができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、2及び8の発明は、塵埃収容部の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することができ、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができる。また、塵埃圧縮片を回動させる別の駆動源を必要としないので、製造コストの低減を図ることができる。さらに、第1の清掃体の清掃動作終了の度に、塵埃圧縮片により塵埃を圧縮することができるため、塵埃圧縮時に過度な押圧力を必要とせず、より塵埃をコンパクトに圧縮することができる。
【0019】
請求項3及び5の発明は、蓋体の開動作を簡易に行うことができる。また、塵埃を廃棄する際に、蓋体を手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に使用することができる。また、請求項4の発明は、第1の清掃体を清掃終了位置まで戻すために、特別な動力を必要とせず簡単に移動させることができる。また、第1の清掃体を手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に使用することができる。また、請求項6の発明は、第2のフィルター体に流れる通風によって、塵埃収容部内の塵埃を圧縮することができると共に、第2のフィルター体に付着した塵埃は第2の清掃体によって掻き取られ、塵埃収容部に移送されるため、第1のフィルター体及び第2のフィルター体に塵埃が再付着するのを防ぐことができる。
【0020】
請求項7の発明は、手動で第1のフィルター体及び/又は第2のフィルター体の清掃を適切なタイミングで行うことができると共に、塵埃圧縮片を介して塵埃収容部内の塵埃を適切なタイミングで圧縮することができる。また、請求項9の発明は、乾燥機からフィルター清掃装置を取り外す必要なく、乾燥運転時及び乾燥停止時に関わらず適切なタイミングで第1のフィルター体及び第2のフィルター体の清掃を行うことができると共に、適切なタイミングで塵埃収容部内の塵埃を圧縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】(a)本発明に係る乾燥機用フィルター清掃装置が設置された衣類乾燥機を示す斜視図(b)本発明に係る乾燥機用フィルター清掃装置が設置された衣類乾燥機の内部構成を示す断面図
【
図2】(a)蓋体が閉状態の第1実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図(b)蓋体が開状態の第1実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図
【
図3】(a)~(f)第1実施形態のフィルター清掃装置の清掃動作を示す説明図
【
図4】(a)蓋体が閉状態の第2実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図(b)蓋体が開状態の第2実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図
【
図5】(a)~(e)第2実施形態のフィルター清掃装置の清掃動作を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
図1(a)は、本発明に係る乾燥機用フィルター清掃装置が設置された衣類乾燥機を示す斜視図であり、
図1(b)は、同衣類乾燥機の内部構造を示す断面図である。これらの図を用いて衣類乾燥機について説明する。衣類乾燥機30は、前面にドア30aを備え、槽体30d内に回転自在に配置され衣類などを収容する回転ドラム30b内に、送風手段(ファン)33及び加熱手段32により発生した温風を、循環ダクト31a、31b、31cを経て循環供給して衣類を乾燥可能とするとともに、循環ダクト31a、31b、31cの槽体30dからの排気側の風路内に本発明に係るフィルター清掃装置10が着脱可能に設置されている。
【0024】
符号30cは、回転ドラム30bを回転させるモータであり、このモータ30cは、乾燥処理、洗濯処理、すすぎ処理や脱水処理といった様々な処理の間、回転ドラム30bを回転させる。また、加熱手段32には、一例として、熱交換器を使用することができる。尚、熱交換器の方式として、ヒートポンプ式やヒーター式等、様々な方式を採用することができる。また、衣類乾燥機30は、ドラム式としているが、これに限定するものではなく、例えば縦型など様々の方式を採用することができる。
【0025】
図2(a)は、蓋体が閉状態の第1実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図であり、
図2(b)は、蓋体が開状態の第1実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図である。また、
図3(a)~(f)第1実施形態のフィルター清掃装置の清掃動作を示す説明図である。これらの図を用いて本発明に係る第1実施形態のフィルター清掃装置の詳細について以下に説明する。
【0026】
第1実施形態のフィルター清掃装置10は、複数の壁面を備えた中空状のフィルター清掃装置本体1と、フィルター清掃装置本体1の壁面に形成される塵埃を捕集する第1のフィルター体2aと、第1のフィルター体2aの上流側に備えられた通風路3と、通風路3内に設置された第1の回動軸4aと、第1の回動軸4aに備えられると共に、第1のフィルター体2aに回動自在に摺接し、第1のフィルター体2aに付着した塵埃を除去する第1の清掃体5aと、第1の清掃体5aの清掃終了位置の近傍に開口を備えた塵埃収容部6とを有している。尚、第1の清掃体5aの先端には、進行方向に対して後方に屈曲又は湾曲状態で第1のフィルター体2aに当接するブレード部材で形成された除塵体5cが備えられている。除塵体5cを構成するブレード部材の材質としてエラストマーを使用することができるが、ゴム、軟質樹脂、発泡樹脂、不織布などでもよく、またはこれらの複合材でもよい。また、ブレード部材に換えてブラシを使用することもできる。
【0027】
塵埃収容部6は、塵埃の排出時に開状態となる蓋体6aと、通風路3を区画する仕切り板6bと、第2の回動軸4bとを備え、仕切り板6bは、蓋体6aに固定されると共に、蓋体6aが開状態となる塵埃排出時には、フィルター清掃装置本体1の外部に位置する構成としている。
【0028】
仕切り板6bの一端は、第2の回動軸4bにより塵埃収容部6の内方に向かい回動する塵埃圧縮片7を兼ねるものであって、塵埃圧縮片7は第1の清掃体5aに押圧されて回動する構成としている。また、塵埃収容部6は、開口近傍に塵埃を捕集する第2のフィルター体2bが設けられている。
【0029】
前述のように構成された第1実施形態のフィルター清掃装置10は、仕切り板6bの一端が第2の回動軸4bにより塵埃収容部6の内方に向かい回動する塵埃圧縮片7を兼ねていることから、塵埃収容部6の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することができ、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができる。また、仕切り板6bは、蓋体6aに固定されると共に、蓋体6aが開状態となる塵埃排出時には、フィルター清掃装置本体1の外部に位置する構成としたことにより、塵埃収容部6に収容した塵埃をスムーズに排出させることができる。さらに、塵埃圧縮片7は第1の清掃体5aに押圧されて回動する構成としたことにより、塵埃圧縮片7を回動させる別の駆動源を必要としないので、製造コストの低減を図ることができると共に、第1の清掃体の清掃動作終了の度に、塵埃を圧縮することができるため、塵埃圧縮時に過度な押圧力を必要とせず、より塵埃をコンパクトに圧縮することができる。
【0030】
第1の回動軸4aは、フィルター清掃装置本体1の外側面に設けられた操作部材8aを有する回動機構8により操作することができる。尚、図示していないが、塵埃圧縮片7の一端に第2の清掃体を備えさせ、塵埃圧縮片7の回動時に、第2の清掃体を第2のフィルター体2bに回動自在に摺接させる構成としてもよい。
【0031】
次に、
図3(a)~(f)を用いて第1実施形態のフィルター清掃装置の清掃動作について説明する。尚、これらの図は第1実施形態のフィルター清掃装置を上方から視た場合の断面図である。先ず、
図3(a)は、第1の清掃体5aが初期位置にある状態を示しており、この状態で前述した衣類乾燥機に設置された場合には乾燥運転中は通風路3の下流側から塵埃であるリントが流れてきて第1のフィルター体2a又は第2のフィルター体2bに捕捉される。
【0032】
次に、
図3(b)に示すように、第1の清掃体5aが初期位置から図面上、反時計回りに回動して第1のフィルター体2aに付着している塵埃Xを掻き取りつつ、第1のフィルター体2aの清掃終了位置まで到達して、掻き取られた塵埃Xは塵埃収容部6に移送される。次に、
図3(c)に示すように、第1の清掃体5aは、さらに反時計回りに回動することで、第2のフィルター体2bに付着している塵埃Xを掻き取りつつ、塵埃圧縮片7を押圧して、塵埃圧縮片7は塵埃収容部6の内方に向かい回動する。これにより、塵埃収容部6内の塵埃Xは塵埃圧縮片7によって圧縮される。尚、塵埃収容部6内の塵埃Xは、通風路3から第2のフィルター体2bに向けて流れる風によっても圧縮されている。これにより、第1の清掃体5aの動作に連動して、塵埃圧縮片7が塵埃収容部6内の塵埃Xを圧縮することができるため、塵埃収容部6の容量を拡大させること無く、多くの塵埃を収容することができ、塵埃の廃棄作業の頻度を低減させることができる。
【0033】
次に、
図3(d)に示すように、 第1の清掃体5aは、さらに反時計回りに回動することで、仕切り板6b及び蓋体6aを押圧することとなり、蓋体6aは、閉状態から開状態へと変化すると共に、塵埃収容部6内の圧縮された塵埃Xは、ごみ箱等の外部に排出される。これにより、塵埃Xを廃棄する際に、蓋体6aを手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に廃棄処理をすることができる。
【0034】
次に、
図3(e)に示すように、塵埃収容部6内が空になった蓋体6を開状態から閉状態へと変化させる際には、蓋体6及び仕切り板6bが第1の清掃体5aを押圧することによって、第1の清掃体5aは第1のフィルター体2aの清掃終了位置まで移動する構成としている。これにより、第1の清掃体5aを清掃終了位置まで戻すために、特別な動力を必要とせず簡単に移動させることができる。また、第1の清掃体5aを手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に使用することができる。
【0035】
そして、第1の回動軸4aを手動又は自動で図面上、時計回りに回動させて
図3(f)に示すように、第1の清掃体5aを初期位置まで戻して次回のフィルター清掃運転時まで停止した状態となる構成としている。尚、第1の清掃体5aは、
図3(c)の状態から
図3(a)の状態に戻して第1のフィルター体2aの清掃を何回か繰り返した後、
図3(d)に進むようにしてもよい。これにより、第1の清掃体5aの清掃動作終了の度に、塵埃Xを圧縮することができるため、塵埃圧縮時に過度な押圧力を必要とせず、より塵埃Xをコンパクトに圧縮することができる。
【0036】
図4(a)は、蓋体が閉状態の第2実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図であり、
図4(b)は、蓋体が開状態の第2実施形態のフィルター清掃装置を示す斜視図である。また、
図5(a)~(e)は、第2実施形態のフィルター清掃装置の清掃動作を示す説明図である。これらの図を用いて本発明に係る第2実施形態のフィルター清掃装置の詳細について以下に説明する。
【0037】
第2実施形態のフィルター清掃装置20は、複数の壁面を備えた中空状のフィルター清掃装置本体11と、フィルター清掃装置本体11の壁面に形成される塵埃を捕集する第1のフィルター体12aと、第1のフィルター体12aの上流側に備えられた通風路13と、通風路内13に設置された第1の回動軸14aと、第1の回動軸14aに備えられると共に、第1のフィルター体12aに回動自在に摺接し、第1のフィルター体12aに付着した塵埃を除去する第1の清掃体15aと、第1の清掃体15aの清掃終了位置の近傍に開口を備えた塵埃収容部16とを有している。尚、第1の清掃体15aの先端には進行方向に対して後方に屈曲又は湾曲状態で第1のフィルター体12aに当接するブレード部材で形成された除塵体15cが備えられている。除塵体15cを構成するブレード部材の材質としてエラストマーを使用することができるが、ゴム、軟質樹脂、発泡樹脂、不織布などでもよく、またはこれらの複合材でもよい。また、ブレード部材に換えてブラシを使用することもできる。
【0038】
塵埃収容部16は、塵埃の排出時に開状態となる蓋体16aと、通風路13を区画する仕切り板16bと、第2の回動軸14bとを備えている。
【0039】
仕切り板16bは、フィルター清掃装置本体11に固定されており、仕切り板16bの一端は、第2の回動軸14bにより塵埃収容部16の内方に向かい回動する塵埃圧縮片17を兼ねるものであって、塵埃圧縮片17は第1の清掃体15aに押圧されて回動する構成としている。
【0040】
塵埃収容部16は、開口近傍に塵埃を捕集する第2のフィルター体12bが設けられていると共に、塵埃圧縮片17は、一端に第2の清掃体15bを備え、塵埃圧縮片17の回動時に、第2の清掃体15bが第2のフィルター体12bに回動自在に摺接する構成としている。これにより、第2のフィルター体12bによって、塵埃収容部16内の塵埃Xを圧縮することができると共に、第2のフィルター体12bに付着した塵埃Xは第2の清掃体15bによって掻き取られ、塵埃収容部16に移送されるため、第1のフィルター体12a及び第2のフィルター体12bに塵埃Xが再付着するのを防ぐことができる。尚、第2の清掃体15bの先端にはブレード部材で形成された除塵体15dが備えられている。除塵体15dの構成は除塵体15cと同様なので説明は省略する。
【0041】
第1の回動軸14aと第2の回動軸14bは、フィルター清掃装置本体11の外側面に設けられた操作部材18a、18bを有する回動機構18により操作することができる。これにより、手動で操作部材18a、18bを操作することによって、第1の清掃体15a及び/又は第2の清掃体15bを回動させて第1のフィルター体12a及び/又は第2のフィルター体12bの清掃を適切なタイミングで行うことができる。また、塵埃圧縮片17を介して塵埃収容部16内の塵埃Xを適切なタイミングで圧縮することができる。
【0042】
また、フィルター清掃装置本体11は、操作部材18bが設けられた面を上面として、衣類乾燥機30(
図1(a)参照)の上部に形成された風路内に装着されており、装着された状態で、操作部材18bを操作することが可能となっている。これにより、衣類乾燥機30からフィルター清掃装置11を取り外す必要なく、乾燥運転時及び乾燥停止時に関わらず適切なタイミングで第2のフィルター体12bの清掃を行うことができると共に、適切なタイミングで塵埃圧縮片17を介して塵埃収容部16内の塵埃Xを圧縮することができる。尚、操作部材18aを操作部材18bと同様に、フィルター清掃装置本体11の上面に設けた場合は、衣類乾燥機30の風路内に装着した状態で、操作部材18aが操作可能となり、第1の清掃体15aを回動させることにより、第1のフィルター体12aの清掃及び塵埃圧縮片17を押圧することで塵埃収容部16内の塵埃Xを圧縮することができる。
【0043】
次に、
図5(a)~(e)を用いて第2実施形態のフィルター清掃装置の清掃動作について説明する。尚、これらの図は第2実施形態のフィルター清掃装置を上方から視た場合の断面図である。先ず、
図5(a)は、第1の清掃体15aが初期位置にある状態を示しており、この状態で前述した衣類乾燥機30に設置された場合には乾燥運転中は通風路13の下流側から塵埃であるリントが流れてきて第1のフィルター体12a又は第2のフィルター体12bに捕捉される。
【0044】
次に、
図5(b)に示すように、第1の清掃体15aが初期位置から図面上、反時計回りに回動して第1のフィルター体12aに付着している塵埃Xを掻き取りつつ、第1のフィルター体12aの清掃終了位置まで到達して、掻き取られた塵埃Xは塵埃収容部16に移送される。次に、
図5(c)に示すように、第1の清掃体15aは、さらに反時計回りに回動することで、第2のフィルター体12bに付着している塵埃Xを掻き取りつつ、塵埃圧縮片17を押圧して、塵埃圧縮片17は塵埃収容部16の内方に向かい回動する。これにより、塵埃収容部16内の塵埃Xは塵埃圧縮片17によって圧縮される。尚、塵埃収容部16内の塵埃Xは、通風路13から第2のフィルター体12bに向けて流れる風によっても圧縮されている。
【0045】
ここで、仕切り板16bは、フィルター清掃装置本体11に固定されており、仕切り板16bの一端は、第2の回動軸14bにより塵埃収容部16の内方に向かい回動する塵埃圧縮片17を兼ねるものであって、塵埃圧縮片17は、一端に第2の清掃体15bを備え、塵埃圧縮片17の回動時に、第2の清掃体15bが第2のフィルター体12bに回動自在に摺接する構成としている。
【0046】
次に、
図5(d)に示すように、第1の清掃体15aは、
図5(c)の位置から時計回りに回動して初期位置に戻る。尚、復路時に第1のフィルター体12aから第1の清掃体15aによって掻き取られた塵埃Xは、補助塵埃収容室19に収容される。また、第2の清掃体15bを備えた仕切り板16bも
図5(c)の位置から時計回りに回動して初期位置に戻る。
【0047】
そして、
図5(a)~
図5(d)までの清掃動作を何回か繰り返した後、
図5(e)に示すように、操作部材18bを有する回動機構18により第2の回動軸14bを反時計回りに回動させて、第2の清掃体15bを備えた塵埃圧縮片17を反時計回りに回動させる。そうすることによって、蓋体16aは塵埃圧縮片17に押圧されて、閉状態から開状態へと変化する。さらに、塵埃圧縮片17により塵埃収容部16に収容されている塵埃Xを外部へ排出させることができる。これにより、塵埃Xを廃棄する際に、蓋体16aを手で触れる必要がないため、手を汚すことなく清潔に廃棄処理をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るフィルター清掃装置は、フィルターに付着した塵埃を除去するために利用される。また、本発明に係る乾燥機用フィルター清掃装置は、乾燥機のフィルターに付着した塵埃を除去するために利用される。
【符号の説明】
【0049】
1、11 フィルター清掃装置本体
2a、12a 第1のフィルター体
2b、12b 第2のフィルター体
3、13 通風路
4a、14a 第1の回動軸
4b、14b 第2の回動軸
5a、15a 第1の清掃体
5c、15c、15d 除塵体
6、16 塵埃収容部
6a、16a 蓋体
6b、16b 仕切り板
7、17 塵埃圧縮片
8、18 回動機構
8a、18a、18b 操作部材
9、19 補助塵埃収容室
10、20 フィルター清掃装置
15b 第2の清掃体
30 衣類乾燥機
30a ドア
30b 回転ドラム
30c モータ
30d 槽体
31a、31b、31c 循環ダクト
32 加熱手段
33 送風手段(ファン)