(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134420
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ノズル面清掃装置 画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20240926BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B41J2/165 307
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044718
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】壁谷 幹俊
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056JA04
(57)【要約】
【課題】払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭する場合と比して、ノズル面に形成された撥水膜の劣化を抑制することである。
【解決手段】ノズル面清掃装置は、撥水膜が形成されたノズル面に付着したインクを吸い取り、インクが吸い取られた前記ノズル面を払拭する清掃ユニットを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撥水膜が形成されたノズル面に付着したインクを吸い取り、インクが吸い取られた前記ノズル面を払拭する清掃ユニットを備えるノズル面清掃装置。
【請求項2】
前記清掃ユニットは、前記ノズル面と離隔した状態で前記ノズル面に付着したインクを吸い取る、
請求項1に記載のノズル面清掃装置。
【請求項3】
前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、
前記清掃ユニットは、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動する清掃部材と、前記清掃部材を前記ノズル面に対して相対的に近接離隔させる近接離隔部材と、を有し、
前記近接離隔部材を制御し、前記清掃部材が前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記清掃部材を前記ノズル面から離隔させて前記清掃部材に前記ノズル面に付着したインクを吸い取らせ、前記清掃部材が前記ノズル面に対して前記交差方向の他方側へ移動している状態で、前記清掃部材を前記ノズル面に接触させて前記ノズル面を払拭させる制御部を備える、
請求項2に記載のノズル面清掃装置。
【請求項4】
前記清掃部材は、インクを吸い取る布を含んで構成されている、
請求項3に記載のノズル面清掃装置。
【請求項5】
前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、
記録媒体の搬送方向において前記ノズル面の両側には、前記ノズル面に対して突出して前記ノズル面を保護する保護部材が前記交差方向に延びて一対設けられており、
前記清掃ユニットは、前記搬送方向において一対の前記保護部材に掛け渡され、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動して、前記ノズル面に付着したインクを吸い取る吸取部材を備える、
請求項2に記載のノズル面清掃装置。
【請求項6】
前記吸取部材は、インクを吸い取る布と、前記布に対して前記ノズル面の反対側で前記布を支持すると共に一対の前記保護部材に掛け渡される支持部材とを含んで構成されている、
請求項5に記載のノズル面清掃装置。
【請求項7】
前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、
前記清掃ユニットは、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動し、前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記ノズル面と離隔して前記ノズル面に付着したインクを吸い取る吸取部材と、前記交差方向において前記吸取部材と並んで配置され、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動し、前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記ノズル面を払拭する払拭部材とを含んで構成されている、
請求項2に記載のノズル面清掃装置。
【請求項8】
記録媒体の搬送方向において前記ノズル面の両側には、前記ノズル面に対して突出して前記ノズル面を保護する保護部材が一対設けられており、
前記吸取部材は、インクを吸い取る布と、前記布に対して前記ノズル面の反対側で、前記布を支持すると共に一対の前記保護部材に掛け渡される支持部材とを含んで構成されている、
請求項7に記載のノズル面清掃装置。
【請求項9】
記録媒体に向けてインク滴を吐出するノズルが複数形成されたノズル面を有する吐出ヘッドと、
前記ノズル面を清掃する請求項1~8の何れか1項に記載されたノズル面清掃装置と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル面清掃装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載には、インクを吐出するノズルが複数配列されたノズル列と、ノズル列に対応する部分が開口され、ノズル列のインク吐出面の周囲に設けられたノズルガードとを有するインクジェットヘッドのクリーニング装置であって、インク吐出面に接触することなく移動してノズルガードの表面に付着したインクを払拭する第1のワイプブレードと、インク吐出面に接触しながら移動してインク吐出面に付着したインクを払拭する第2のワイプブレードと、第1のワイプブレードおよび第2のワイプブレードのうちの第1のワイプブレードのみを用い、かつノズル列からインクを吐出させることなくインクジェットヘッドのクリーニングを行う第1のクリーニング動作と、第1のワイプブレードおよび第2のワイプブレードのうちの少なくとも第2のワイプブレードを用い、かつノズル列からインクを吐出させてインクジェットヘッドのクリーニングを行う第2のクリーニング動作とを選択的に切り替えて制御するクリーニング制御部とを備えたインクジェットヘッドのクリーニング装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インク滴を吐出するノズルが形成されたノズル面に撥水膜が形成されている。このノズル面にインクが付着すると、インク滴の吐出不良が発生することがある。このため、払拭部材を用いてノズル面を払拭して、ノズル面を清掃するノズル面清掃装置がある。
【0005】
ここで、インクがノズル面に付着した状態で、払拭部材をノズル面に接触させてインクを払拭すると、インクと払拭部材との間で生じる摩擦によって、ノズル面に形成された撥水膜が劣化してしまう。
【0006】
本開示の課題は、払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭する場合と比して、ノズル面に形成された撥水膜の劣化を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様に係るノズル面清掃装置は、撥水膜が形成されたノズル面に付着したインクを吸い取り、インクが吸い取られた前記ノズル面を払拭する清掃ユニットを備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の第2態様に係るノズル面清掃装置は、第1態様に記載のノズル面清掃装置において、前記清掃ユニットは、前記ノズル面と離隔した状態で前記ノズル面に付着したインクを吸い取ることを特徴とする。
【0009】
本開示の第3態様に係るノズル面清掃装置は、第2態様に記載のノズル面清掃装置において、前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、前記清掃ユニットは、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動する清掃部材と、前記清掃部材を前記ノズル面に対して相対的に近接離隔させる近接離隔部材と、を有し、前記近接離隔部材を制御し、前記清掃部材が前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記清掃部材を前記ノズル面から離隔させて前記清掃部材に前記ノズル面に付着したインクを吸い取らせ、前記清掃部材が前記ノズル面に対して前記交差方向の他方側へ移動している状態で、前記清掃部材を前記ノズル面に接触させて前記ノズル面を払拭させる制御部を備えることを特徴とする。
【0010】
本開示の第4態様に係るノズル面清掃装置は、第3態様に記載のノズル面清掃装置において、前記清掃部材は、インクを吸い取る布を含んで構成されていることを特徴とする。
【0011】
本開示の第5態様に係るノズル面清掃装置は、第2態様に記載のノズル面清掃装置において、前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、記録媒体の搬送方向において前記ノズル面の両側には、前記ノズル面に対して突出して前記ノズル面を保護する保護部材が前記交差方向に延びて一対設けられており、前記清掃ユニットは、前記搬送方向において一対の前記保護部材に掛け渡され、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動して、前記ノズル面に付着したインクを吸い取る吸取部材を備えることを特徴とする。
【0012】
本開示の第6態様に係るノズル面清掃装置は、第5態様に記載のノズル面清掃装置において、前記吸取部材は、インクを吸い取る布と、前記布に対して前記ノズル面の反対側で前記布を支持すると共に一対の前記保護部材に掛け渡される支持部材とを含んで構成されていることを特徴とする。
【0013】
本開示の第7態様に係るノズル面清掃装置は、第2態様に記載のノズル面清掃装置において、前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、前記清掃ユニットは、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動し、前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記ノズル面と離隔して前記ノズル面に付着したインクを吸い取る吸取部材と、前記交差方向において前記吸取部材と並んで配置され、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動し、前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記ノズル面を払拭する払拭部材とを含んで構成されていることを特徴とする。
【0014】
本開示の第8態様に係るノズル面清掃装置は、第7態様に記載のノズル面清掃装置において、記録媒体の搬送方向において前記ノズル面の両側には、前記ノズル面に対して突出して前記ノズル面を保護する保護部材が一対設けられており、前記吸取部材は、インクを吸い取る布と、前記布に対して前記ノズル面の反対側で、前記布を支持すると共に一対の前記保護部材に掛け渡される支持部材とを含んで構成されていることを特徴とする。
【0015】
本開示の第9態様に係る画像形成装置は、記録媒体に向けてインク滴を吐出するノズルが複数形成されたノズル面を有する吐出ヘッドと、前記ノズル面を清掃する請求項1~8の何れか1項に記載されたノズル面清掃装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本開示の第1態様のノズル面清掃装置によれば、払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭する場合と比して、ノズル面に形成された撥水膜の劣化を抑制することができる。
【0017】
本開示の第2態様のノズル面清掃装置によれば、ノズル面に吸取部材を押し付けてインクを吸い取る場合と比して、撥水膜の劣化を抑制することができる。
【0018】
本開示の第3態様のノズル面清掃装置によれば、清掃部材が記録媒体の搬送方向に移動することでノズル面を清掃する場合と比して、清掃部材の大型化を抑制することができる。
【0019】
本開示の第4態様のノズル面清掃装置によれば、ブレードを用いてインクをノズル面から吸い取る場合と比して、ノズル面のインクを効果的に吸い取ることができる。
【0020】
本開示の第5態様のノズル面清掃装置によれば、吸取部材が一対の保護部材で挟まれる領域内だけに配置されている場合と比して、吸取部材をノズル面に対して簡易な構成で離隔させることができる。
【0021】
本開示の第6態様のノズル面清掃装置によれば、ブレードを用いてインクをノズル面から吸い取る場合と比して、ノズル面のインクを効果的に吸い取ることができる。
【0022】
本開示の第7態様のノズル面清掃装置によれば、ノズル面に対して交差方向の一方側へ相対移動している状態でインクを吸い取り、ノズル面に対して交差方向の他方側へ相対移動している状態でノズル面を払拭する場合と比して、短い時間でノズル面を清掃することができる。
【0023】
本開示の第8態様のノズル面清掃装置によれば、吸取部材が一対の保護部材で挟まれる領域内だけに配置されている場合と比して、吸取部材をノズル面に対して簡易な構成で離隔させることができる。
【0024】
本開示の第9態様の画像形成装置によれば、払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭するノズル面清掃装置を備える場合と比して、画像品質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係るノズル面清掃装置を示した概略構成図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係るノズル面清掃装置に備えられた清掃部材を示した構成図である。
【
図4】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るノズル清掃装置における制御部のハードウェア構成、及び機能構成を示したブロック図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係るノズル面清掃装置によってノズル面を清掃する工程を示したフロー図である。
【
図6】(A)(B)(C)本開示の第1実施形態に係るノズル面清掃装置において、清掃部材を待機位置、吸取位置、払拭位置へ移動させた状態を示した図面である。
【
図7】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るノズル面清掃装置によってノズル面を清掃する工程を示した工程図である。
【
図8】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るノズル面清掃装置によってノズル面を清掃する工程を示した工程図である。
【
図9】(A)(B)本開示の第2実施形態に係る画像形成装置に備えられた吐出ヘッドのノズル面を示した底面図、及び断面図である。
【
図10】本開示の第2実施形態に係るノズル面清掃装置を示した構成図である。
【
図11】本開示の第2実施形態に係るノズル面清掃装置の清掃部材の上方部分を示した斜視図である。
【
図12】(A)(B)本開示の第2実施形態に係るノズル面清掃装置において、ノズル面のインクを吸い取る状態、及びノズル面を払拭する状態を示した断面図である。
【
図13】(A)(B)本開示の第2実施形態に係るノズル清掃装置における制御部のハードウェア構成、及び機能構成を示したブロック図である。
【
図14】本開示の第2実施形態に係るノズル面清掃装置によってノズル面を清掃する工程を示したフロー図である。
【
図15】本開示の第3実施形態に係る画像形成装置に備えられた吐出ヘッドのノズル面を示した底面図である。
【
図16】本開示の第3実施形態に係るノズル面清掃装置の清掃部材の上方部分を示した斜視図である。
【
図17】(A)(B)本開示の第3実施形態に係るノズル面清掃装置によってノズル面を清掃する工程を示した工程図である。
【
図18】(A)(B)本開示の第3実施形態に係るノズル面清掃装置によってノズル面を清掃する工程を示した工程図である。
【
図19】本開示の第4実施形態に係るノズル面清掃装置を示した概略構成図である。
【
図20】本開示の第4実施形態に係るノズル面清掃装置に備えられた清掃部材を示した構成図である。
【
図21】(A)(B)本開示の第4実施形態に係るノズル清掃装置における制御部のハードウェア構成、及び機能構成を示したブロック図である。
【
図22】本開示の第4実施形態に係るノズル面清掃装置によってノズル面を清掃する工程を示したフロー図である。
【
図23】本開示の第5実施形態に係るノズル面清掃装置に備えられた清掃部材を示した構成図である。
【
図24】本開示の第5実施形態に係るノズル面清掃装置に備えられた清掃部材のロール等を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態に係るノズル面清掃装置、及び画像形成装置の一例を
図1~
図8に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。また、装置上下方向、装置幅方向、及び装置奥行方向は、互いに直交する。
【0027】
(画像形成装置10の全体構成)
画像形成装置10は、
図1に示されるように、記録媒体としての連続紙Pに画像を形成する画像形成ユニット12と、画像形成ユニット12に供給する連続紙Pが収容される前処理ユニット14と、画像形成ユニット12と前処理ユニット14との間に配置され、前処理ユニット14から画像形成ユニット12へ供給される連続紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット16と、を備えている。
【0028】
さらに、画像形成装置10は、画像形成ユニット12から排出される連続紙Pを収容する後処理ユニット18と、画像形成ユニット12と後処理ユニット18との間に配置され、画像形成ユニット12から後処理ユニット18へ排出される連続紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット20と、を備えている。
【0029】
また、画像形成装置10は、画像形成ユニット12内に配置される、搬送される連続紙Pが巻き掛けられる複数の搬送ロール(符号省略)と、一の搬送ロールに巻き掛けられている部分の連続紙Pを加熱して連続紙Pに形成された画像を乾燥させるハロゲンヒータ29と、各部を制御する制御部38と、を備えている。制御部38については、詳細を後述する。
【0030】
さらに、画像形成装置10は、搬送経路24において幅方向に沿っている部分の連続紙Pに対して、インク滴を吐出して画像を形成する液滴吐出装置21を備えている。また、画像形成装置10は、液滴吐出装置21に備えられた吐出ヘッド22K、22Y、22M、22Cのノズル面26K、26Y、26M、26Cを清掃するノズル面清掃装置40K、40Y、40M、40Cを備えている(
図2参照)。ノズル面清掃装置40K、40Y、40M、40Cについては、詳細を後述する。なお、以後の説明では、K、Y、M、Cを区別しない場合には、符号に付しているK、Y、M、Cを省略することがある。
【0031】
〔前処理ユニット14、後処理ユニット18〕
前処理ユニット14は、
図1に示されるように、画像形成ユニット12へ供給される連続紙Pが巻き付けられている供給ロール27を備えており、この供給ロール27は、図示せぬフレーム部材に回転可能に支持されている。一方、後処理ユニット18は、画像が形成された連続紙Pを巻き取る巻取ロール28を備えている。
【0032】
〔液滴吐出装置21〕
液滴吐出装置21は、
図1に示されるように、連続紙Pにインク滴を吐出してK(ブラック)色の画像を形成する吐出ヘッド22Kと、Y(イエロー)色の画像を形成する吐出ヘッド22Yと、M(マゼンタ)色の画像を形成する吐出ヘッド22Mと、C(シアン)色の画像を形成する吐出ヘッド22Cと、を備えている。各色の吐出ヘッド22K、22Y、22M、22Cは、用いるインクの色を除いて同様の構成とされている。
【0033】
また、吐出ヘッド22K、22Y、22M、22Cは、この順番で連続紙Pの搬送方向(以下単に「用紙搬送方向」と記載する)に沿って上流側から下流側に連続紙Pと対向するように並べられている。
【0034】
そして、吐出ヘッド22において連続紙Pと対向する部分には、インク滴を吐出する複数のノズル(図示省略)が形成されたノズル面26が形成されている。このノズル面26には、撥水膜が形成されており、ノズル面26は、装置奥行方向に延びている。
【0035】
この構成において、巻取ロール28を回転させることで、用紙搬送方向の張力が連続紙Pに付与され、連続紙Pが搬送経路24に沿って搬送される。そして、各色の吐出ヘッド22が、搬送される連続紙Pに各色のインク滴を順番に吐出することで連続紙Pに画像が形成される。
【0036】
(要部構成)
次に、ノズル面清掃装置40、及び制御部38等について説明する。
【0037】
〔ノズル面清掃装置40〕
ノズル面清掃装置40は、
図2に示されるように、吐出ヘッド22を装置奥行方向へ移動させる移動ユニット42(
図4参照)と、移動する吐出ヘッド22のノズル面26と対向するように配置された清掃ユニット60と、ノズル面26を保護する保護キャップ50とを備えている。装置奥行方向は、交差方向の一例である。
【0038】
-移動ユニット42-
図4に示す移動ユニット42は、公知のボールねじやベルト等の機械要素によって構成されており、
図2に示すように、吐出ヘッド22を装置奥行方向へ移動させるようになっている。具体的には、移動ユニット42は、吐出ヘッド22を、連続紙Pと対向する稼働位置(図中実線)と稼働位置に対して装置奥行方向の奥側の待機位置(図中二点鎖線)との間を往復移動させるようになっている。
【0039】
-保護キャップ50-
保護キャップ50は、
図2に示されるように、待機位置に移動した吐出ヘッド22のノズル面26と上下方向で対向するように配置されている。そして、保護キャップ50は、公知のボールねじやベルト等の機械要素によって構成された昇降ユニット52(
図4参照)により、昇降するようになっている。
【0040】
-清掃ユニット60-
清掃ユニット60は、
図2に示されるように、稼働位置と待機位置との間を移動している吐出ヘッド22のノズル面26と上下方向で対向するように配置されている。そして、清掃ユニット60は、清掃部材62と、清掃部材62をノズル面26に対して近接離隔させる近接離隔部材76とを備えている。
【0041】
近接離隔部材76は、ラック・ピニオンやスライドガイド等の公知の機械要素によって構成されている。
【0042】
清掃部材62は、
図3に示されるように、上方が開放された箱状の筐体62aと、清掃シート64と、繰出ロール66と、巻取ロール68と、モーター72と、支持ロール70とを備えている。
【0043】
清掃シート64は、繊維を積層してシート状に広げた不織布を長尺状に形成したものである。清掃シート64は、布の一例である。ここで、本実施形態で、布とは、不織布又は織布のことである。
【0044】
繰出ロール66は、筐体62aの内部に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。そして、繰出ロール66に清掃シート64の一端部側が巻き付けられている。巻取ロール68は、筐体62aの内部で、かつ、繰出ロール66に対して装置奥行方向の奥側に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。そして、巻取ロール68に清掃シート64の他端部側が巻き付けられており、巻取ロール68は、モーター72からの回転駆動力によって一定の巻取速度で回転駆動するようになっている。
【0045】
支持ロール70は、少なくとも一部が筐体62aの内部に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。また、支持ロール70、繰出ロール66、及び巻取ロール68は、装置幅方向から見て、三角形の頂点に配置されるように並んでいる。そして、支持ロール70には、繰出ロール66から巻取ロール68へ送り出される清掃シート64が巻き掛けられており、支持ロール70は、清掃シート64をノズル面26(
図2参照)と近接させるために、清掃シート64を下方から支持している。
【0046】
また、装置幅方向において支持ロール70が配置されている領域は、
図6(A)に示されるように、ノズル面26が配置されている領域を覆っている。さらに、
図3に示す清掃ユニット60は、繰出ロール66と支持ロール70との間の部分の清掃シート64に対して、洗浄液を吹き付ける図示せぬ吹付部材を備えている。
【0047】
〔制御部38〕
制御部38は、前述したように、画像形成装置10に備えられた部材であるが、ノズル面清掃装置40も制御する。ここでは、制御部38において、ノズル面清掃装置40に対する制御構成について主に説明する。
【0048】
制御部38は、
図4(A)に示されるように、画像形成を終了した画像信号、又は画像形成を開始させる画像信号を画像形成装置10の図示せぬ信号発信部から受けて移動ユニット42、昇降ユニット52、近接離隔部材76、及びモーター72等を制御するようになっている。
【0049】
-制御部38のハードウェア構成-
制御部38は、
図4(A)に示されるように、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、ストレージ84、及び通信インタフェース(I/F)85を有する。そして、各構成は、バス89を介して相互に通信可能に接続されている。
【0050】
CPU81は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU81は、ROM82またはストレージ84からプログラムを読み出し、RAM83を作業領域としてプログラムを実行する。CPU81は、ROM82またはストレージ84に記憶されているプログラムにしたがって、各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0051】
本実施形態では、例えば、ROM82またはストレージ84には、制御部38が画像形成を終了する画像信号及び画像形成を開始する画像信号を受けて、移動ユニット42、昇降ユニット52、近接離隔部材76、及びモーター72等を制御して、ノズル面26を清掃する清掃プログラムが記憶されている。
【0052】
RAM83は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ84は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0053】
通信インタフェース85は、制御部38が移動ユニット42、昇降ユニット52、近接離隔部材76、及びモーター72等と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0054】
上記の清掃プログラムを実行する際に、制御部38は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。制御部38が各種の機能を実現する制御部38の機能構成について説明する。
【0055】
-制御部38の機能構成-
制御部38は、
図4(B)に示されるように、受取部92、処理部94、及び稼働部96を有する。各機能構成は、CPU81がROM82またはストレージ84に記憶された清掃プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0056】
受取部92は、吐出ヘッド22による画像形成動作の信号である画像信号を信号発信部から受け取る。処理部94は、清掃プログラムを起動させて画像信号を処理する。稼働部96は、画像信号の処理結果に基づいて各部材を稼働させる。
【0057】
(作用)
次に、制御部38の受取部92が、信号発信部から画像形成が終了した画像信号を受け取って、吐出ヘッド22のノズル面26を清掃する清掃動作について、
図5に示すフロー図を用いて説明する。
【0058】
画像形成動作中は、清掃動作は行われず、清掃動作の開始前の吐出ヘッド22は、
図2に示されるように、ノズル面26が連続紙Pと上下方向で対向する稼働位置に配置されている。
【0059】
また、清掃ユニット60の清掃部材62は、支持ロール70に巻き掛けられた部分の清掃シート64の上端位置が、装置上下方向において、ノズル面26より下方となる待機位置に配置されている(
図6(A)参照)。さらに、保護キャップ50は、装置上下方向において、ノズル面26より下方となるに配置されている。
【0060】
制御部38の受取部92が、信号発信部から画像形成が終了した画像信号を受け取ると、ステップS100で、制御部38の処理部94は、清掃プログラムを起動させ、制御部38の稼働部96は、移動ユニット42を制御する。そして、稼働部96は、
図7(A)に示されるように、稼働位置の吐出ヘッド22を待機位置へ移動させる。
【0061】
吐出ヘッド22が移動している状態では、
図6(A)に示されるように、支持ロール70に巻き掛けられた部分の清掃シート64は、ノズル面26と大きく離隔している。
【0062】
次に、ステップS200で、制御部38の稼働部96は、昇降ユニット52を制御し、保護キャップ50を上昇させる。そして、吐出ヘッド22が保護キャップ50へ空吐出を行い、その後、稼働部96は、保護キャップ50を降下させる。
【0063】
次に、ステップS300で、制御部38の稼働部96は、モーター72を稼働させて、巻取ロール68に清掃シート64を巻き取らせ、吹付部材を稼働させて洗浄液を清掃シート64に吹き付ける。さらに、制御部38の稼働部96は、近接離隔部材76を制御し、待機位置の清掃部材62を吸取位置へ移動させる。
【0064】
具体的には、支持ロール70に巻き掛けられた部分の清掃シート64が、装置上下方向において、ノズル面26に対して0.5~1.5〔mm〕程度下方となる吸取位置へ清掃部材62を移動させる(
図6(B)参照)。
【0065】
次に、ステップS400で、制御部38の稼働部96は、
図7(B)に示されるように、待機位置の吐出ヘッド22を稼働位置へ移動させる。
【0066】
吐出ヘッド22が移動している状態では、
図6(B)に示されるように、支持ロール70に巻き掛けられた部分の清掃シート64とノズル面26との間には、少しの隙間が設けられている。これにより、清掃シート64は、ノズル面26に付着したインクをノズル面26と接触することなく吸い取る。
【0067】
次に、ステップS500で、制御部38の稼働部96は、近接離隔部材76を制御し、吸取位置の清掃部材62を払拭位置へ移動させる。具体的には、支持ロール70に巻き掛けられた部分の清掃シート64のが、装置上下方向において、ノズル面26と接触する位置へ清掃部材62を移動させる(
図6(C)参照)。
【0068】
次に、ステップS600で、制御部38の稼働部96は、移動ユニット42を制御し、
図8(A)に示されるように、稼働位置の吐出ヘッド22を待機位置へ移動させる。
【0069】
吐出ヘッド22が移動している状態では、
図6(C)に示されるように、支持ロール70に巻き掛けられた部分の清掃シート64は、ノズル面26と接触する。これにより、清掃シート64は、ノズル面26を払拭する。
【0070】
次に、ステップS700で、制御部38の稼働部96は、昇降ユニット52を制御し、保護キャップ50を上昇させる。そして、吐出ヘッド22のノズル面26を保護キャップ50で覆ってノズル面26を保護させる。さらに、制御部38の稼働部96は、稼働しているモーター72を停止させる。これにより、一連の清掃動作が終了する。
【0071】
なお、制御部38の受取部92が、信号発信部から画像形成が開始される画像信号を受け取ると、制御部38の稼働部96は、昇降ユニット52を制御し、保護キャップ50を降下し、近接離隔部材76を制御し、払拭位置の清掃部材62を待機位置へ移動させる。そして、制御部38の稼働部96は、移動ユニット42を制御し、
図8(B)に示されるように、待機位置の吐出ヘッド22を稼働位置へ移動させる。
【0072】
(まとめ)
以上説明したように、ノズル面清掃装置40においては、吸取位置へ移動した清掃部材62の清掃シート64が、ノズル面26と離隔した状態でノズル面26に付着したインクを吸い取る。さらに、払拭位置へ移動した清掃部材62の清掃シート64が、ノズル面26と接触してノズル面26を払拭する。これにより、払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭する場合と比して、インクと払拭部材との間に生じる摩擦に起因する、ノズル面26に形成された撥水膜の劣化が抑制される。
【0073】
また、ノズル面清掃装置40においては、清掃部材62の清掃シート64は、ノズル面26と離隔した状態でノズル面26に付着したインクを吸い取る。このため、ノズル面に清掃シートを押し付けてインクを吸い取る場合と比して、撥水膜の劣化が抑制される。
【0074】
また、ノズル面清掃装置40においては、清掃部材62は、装置奥行方向に延びるノズル面26が奥行方向に移動することでノズル面26を清掃する。このため、ノズル面が装置幅方向に移動することで清掃部材がノズル面を清掃する場合と比して、清掃部材の大型化が抑制される。
【0075】
また、ノズル面清掃装置40においては、インクをノズル面26から吸い取るために、不織布を用いて形成された清掃シート64が用いられている。このため、ブレードを用いてインクをノズル面から吸い取る場合と比して、ノズル面26のインクが効果的に吸い取られる。
【0076】
また、画像形成装置10においては、払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭するノズル面清掃装置を備える場合と比して、撥水膜の劣化が抑制されてインク滴が安定することで、画像品質の低下を抑制することができる。
【0077】
<第2実施形態>
次に、本開示の第2実施形態に係るノズル面清掃装置、及び画像形成装置の一例を
図9~
図14に従って説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0078】
第2実施形態に係るノズル面清掃装置140によって清掃される吐出ヘッド122のノズル面126に対して装置幅方向の両側には、
図9(A)(B)に示されるように、ノズル面126に対して突出して装置奥行方向に延びてノズル面126を保護する保護部材130が設けられている。
【0079】
保護部材130は、ノズル面126に対して0.5~1.5〔mm〕程度突出しており、連続紙Pが、ノズル面126に接触するのを抑制している。
【0080】
ノズル面清掃装置140は、
図10に示されるように、2個の清掃ユニット160、180を備えている。清掃ユニット160と清掃ユニット180とは、装置奥行方向に並んでおり、清掃ユニット160が、清掃ユニット180に対して保護キャップ50側に配置されている。
【0081】
(清掃ユニット160)
清掃ユニット160は、
図10に示されるように、清掃部材162と、近接離隔部材176とを備えている。
【0082】
清掃部材162は、上方が開放された箱状の筐体162aと、清掃シート164と、繰出ロール166と、巻取ロール168と、モーター172(
図13参照)と、支持ロール170とを備えている。また、
図11に示す支持ロール170が配置されている領域は、
図12(A)に示されるように、装置奥行方向において、ノズル面126及び保護部材130が配置されている領域を覆っている。そして、清掃シート164と支持ロール170とで、ノズル面126に付着したインクを吸い取る吸取部材178を構成している。清掃シート164は、布の一例であって、支持ロール170は、支持部材の一例である。
【0083】
(清掃ユニット180)
清掃ユニット180は、
図10に示されるように、清掃部材182と、近接離隔部材206とを備えている。
【0084】
清掃部材182は、上方が開放された箱状の筐体182aと、清掃シート184と、繰出ロール186と、巻取ロール188と、モーター202(
図12参照)と、支持ロール190とを備えている。また、
図11に示す支持ロール190が配置されている領域は、
図12(B)に示されるように、装置奥行方向において、一対の保護部材130に挟まれている領域とされている。そして、清掃シート184と支持ロール190とで、ノズル面126に付着したインクを拭き取る拭取部材198を構成している。
【0085】
(制御部138)
制御部138は、
図13(A)に示されるように、CPU(Central Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、ストレージ134、及び通信インタフェース(I/F)135を有する。そして、各構成は、バス139を介して相互に通信可能に接続されている。
【0086】
また、制御部138は、
図13(B)に示されるように、受取部192、処理部194、及び稼働部196を有する。各機能構成は、CPU131がROM132またはストレージ134に記憶された清掃プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0087】
(作用)
次に、吐出ヘッド122のノズル面126を清掃する清掃動作について、
図14に示すフロー図を用いて説明する。
【0088】
制御部138の受取部192が、信号発信部から画像形成が終了した画像信号を受け取ると、ステップS1100で、制御部138の処理部194は、清掃プログラムを起動させ、制御部138の稼働部196は、移動ユニット42を制御する。そして、稼働部196は、稼働位置の吐出ヘッド122を待機位置へ移動させる(
図7(A)参照)。
【0089】
次に、ステップS1200で、制御部138の稼働部196は、昇降ユニット52を制御し、保護キャップ50を上昇させる。そして、吐出ヘッド122が保護キャップ50へ空吐出を行い、その後、保護キャップ50を降下させる。
【0090】
次に、ステップS1300で、制御部138の稼働部196は、清掃ユニット160のモーター172を稼働させて、巻取ロール168に清掃シート164を巻き取らせ、吹付部材を稼働させて洗浄液を清掃シート164に吹き付ける。さらに、制御部138の稼働部196は、近接離隔部材176を制御し、待機位置の清掃部材162を吸取位置へ移動させる。
【0091】
具体的には、稼働部196は、支持ロール170に巻き掛けられた部分の清掃シート164が移動する吐出ヘッド122の保護部材130と接触する吸取位置へ清掃部材162を移動させる(
図12(A)参照)。換言すれば、稼働部196は、保護キャップ50側の清掃部材162を吸取位置へ移動させる。
【0092】
次に、ステップS1400で、制御部138の稼働部196は、待機位置の吐出ヘッド122を稼働位置へ移動させる(
図7(B)参照)。
【0093】
吐出ヘッド122が移動している状態では、
図12(A)に示されるように、支持ロール170に巻き掛けられた部分の清掃シート164は、吐出ヘッド122の保護部材130と接触する。換言すれば、装置幅方向において、一対の保護部材130に支持ロール170が掛け渡される。そして、支持ロール170に巻き掛けられた清掃シート164は、ノズル面126に付着したインクをノズル面126と接触することなく吸い取る。
【0094】
次に、ステップS1500で、制御部138の稼働部196は、近接離隔部材176を制御し、吸取位置の清掃部材162を待機位置へ移動させる。
【0095】
さらに、制御部138の稼働部196は、清掃部材182を払拭位置へ移動させる。具体的には、稼働部196は、支持ロール190に巻き掛けられた部分の清掃シート184がノズル面126と接触する位置へ清掃部材182を移動させる(
図12(B)参照)。換言すれば、稼働部196は、連続紙P側の清掃部材182を拭取位置へ移動させる。
【0096】
次に、ステップS1600で、制御部138の稼働部196は、移動ユニット42を制御し、稼働位置の吐出ヘッド122を待機位置へ移動させる(
図8(A)参照)。
【0097】
吐出ヘッド122が移動している状態では、
図12(B)に示されるように、支持ロール190に巻き掛けられた部分の清掃シート184は、ノズル面126と接触する。これにより、清掃シート184は、ノズル面126を払拭する。
【0098】
次に、ステップS1700で、制御部138の稼働部196は、昇降ユニット52を制御し、保護キャップ50を上昇させる。そして、吐出ヘッド122のノズル面126を保護キャップ50で覆ってノズル面126を保護させる。これにより、一連の清掃動作が終了する。
【0099】
(まとめ)
以上説明したように、装置幅方向において、一対の保護部材130に支持ロール170が掛け渡される。そして、支持ロール170に巻き掛けられた清掃シート164は、ノズル面126に付着したインクをノズル面126と接触することなく吸い取る。これにより、支持ロールが一対の保護部材で挟まれる領域内だけに配置されている場合と比して、清掃シート164がノズル面126に対して簡易な構成で離隔する。
他の作用については、第1実施形態と同様である。
【0100】
<第3実施形態>
次に、本開示の第3実施形態に係るノズル面清掃装置、及び画像形成装置の一例を
図15~
図18に従って説明する。なお、第3実施形態については、第2実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0101】
第3実施形態に係るノズル面清掃装置240によって清掃される吐出ヘッド222のノズル面226は、
図15に示されるように、複数設けられ、装置奥行方向に沿って千鳥状に並んでいる。そして、夫々のノズル面226を四方から囲むように、ノズル面226に対して突出した保護部材230が設けられている。
【0102】
保護部材230は、ノズル面226に対して0.5~1.5〔mm〕程度突出しており、連続紙Pが、ノズル面226に接触するのを抑制している。
【0103】
(ノズル面清掃装置240)
ノズル面清掃装置240は、
図16に示されるように、清掃ユニット160と清掃ユニット180とが、奥行方向に並べられている。そして、奥行方向に並べられた清掃ユニット160及び清掃ユニット180が、装置幅方向に2列設けられている。
【0104】
(作用)
次に、吐出ヘッド222のノズル面226を清掃する清掃動作について、第2実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0105】
清掃ユニット180を用いてノズル面226に接触してノズル面226を払拭する場合には、
図17(A)(B)に示されるように、装置幅方向に延びる部分の保護部材230が支持ロール190の上方を通過した後に、待機位置の清掃部材182を払拭位置へ移動させる。つまり、支持ロール190に巻き掛けられた部分の清掃シート184が保護部材230と接触しないように、待機位置の清掃部材182を払拭位置へ移動させる。
【0106】
さらに、
図18(A)(B)に示されるように、装置幅方向に延びる部分の保護部材230が支持ロール190に巻き掛けられた清掃シート184と接触する前に、払拭位置の清掃部材182を待機位置へ移動させる。
【0107】
(まとめ)
以上説明したように、ノズル面清掃装置240においては、支持ロール190に巻き掛けられた部分の清掃シート184が装置幅方向に延びる保護部材230と接触しないように、清掃部材182を移動させる。これにより、装置幅方向に延びる保護部材230とノズル面226との角部におけるインク溜の発生が抑制される。
他の作用については、第2実施形態と同様である。
【0108】
<第4実施形態>
次に、本開示の第4実施形態に係るノズル面清掃装置、及び画像形成装置の一例を
図19~
図22に従って説明する。なお、第4実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0109】
(ノズル面清掃装置340)
ノズル面清掃装置340の清掃ユニット360は、
図19、
図20に示されるように、稼働位置と待機位置との間を移動している吐出ヘッド22のノズル面26と上下方向で対向するように配置されている。そして、清掃ユニット360は、清掃部材362と、清掃部材362をノズル面26に対して近接離隔させる近接離隔部材376とを備えている。
【0110】
清掃部材362は、
図20に示されるように、上方が開放された箱状の筐体362aと、清掃シート364と、繰出ロール366と、巻取ロール368と、モーター372と、第一支持ロール370と、第二支持ロール371と、中間ロール374とを備えている。第一支持ロール370と清掃シート364とで、ノズル面26に付着したインクを吸い取る吸取部材378を構成している。さらに、第二支持ロール371と清掃シート364とで、ノズル面26に付着したインクを払拭する払拭部材380を構成している。清掃シート364は、布の一例である。
【0111】
繰出ロール366は、筐体362aの内部に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。そして、繰出ロール366に清掃シート364の一端部側が巻き付けられている。巻取ロール368は、筐体362aの内部で、かつ、繰出ロール366に対して装置奥行方向の奥側に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。そして、巻取ロール368に清掃シート364の他端部側が巻き付けられており、巻取ロール368は、モーター372からの回転駆動力によって一定の巻取速度で回転駆動するようになっている。
【0112】
第一支持ロール370と第二支持ロール371とは、この順番で装置奥行方向の奥側から手前側に並んでおり、少なくとも一部が筐体362aの内部に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。また、第一支持ロール370及び第二支持ロール371は、装置奥行方向において繰出ロール366と巻取ロール368との間で、かつ、繰出ロール366及び巻取ロール368に対して上方に配置されている。
【0113】
中間ロール374は、装置奥行方向において、第一支持ロール370と第二支持ロール371との間で、かつ、第一支持ロール370及び第二支持ロール371の下方に配置されている。そして、中間ロール374には、第一支持ロール370と第二支持ロール371との間の部分の清掃シート364が下方から巻き掛けられている。
【0114】
この構成において、近接離隔部材376を稼働させて待機位置の清掃部材362を清掃位置へ移動させる。そうすると、第一支持ロール370に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、ノズル面26との間に0.5~1.5〔mm〕の隙をあけて配置され、第二支持ロール371に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、ノズル面26と接触する。つまり、第一支持ロール370の上端が、第二支持ロール371の上端に対して下方になるように、第一支持ロール370及び第二支持ロール371が配置されている。
【0115】
〔制御部338〕
制御部338は、
図21(A)に示されるように、CPU(Central Processing Unit)331、ROM(Read Only Memory)332、RAM(Random Access Memory)333、ストレージ334、及び通信インタフェース(I/F)335を有する。そして、各構成は、バス339を介して相互に通信可能に接続されている。
【0116】
また、制御部338は、
図21(B)に示されるように、受取部392、処理部394、及び稼働部396を有する。各機能構成は、CPU331がROM332またはストレージ334に記憶された清掃プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0117】
(作用)
次に、吐出ヘッド22のノズル面26を清掃する清掃動作について、
図22に示すフロー図を用いて、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0118】
制御部338の受取部392が、信号発信部から画像形成が終了した画像信号を受け取ると、ステップS2100で、制御部338の処理部394は、清掃プログラムを起動させ、制御部338の稼働部396は、移動ユニット42を制御する。そして、稼働部96は、稼働位置の吐出ヘッド22を待機位置へ移動させる(
図7(A)参照)。
【0119】
次に、ステップS2200で、制御部338の稼働部396は、昇降ユニット52を制御し、保護キャップ50を上昇させる。そして、吐出ヘッド22が保護キャップ50へ空吐出を行い、その後、保護キャップ50を降下させる。
【0120】
次に、ステップS2300で、制御部338の稼働部396は、モーター372を稼働させて、巻取ロール368に清掃シート364を巻き取らせ、吹付部材を稼働させて洗浄液を清掃シート364に吹き付ける。さらに、制御部338の稼働部396は、近接離隔部材376を制御し、待機位置の清掃部材362を清掃位置へ移動させる。
【0121】
次に、ステップS2400で、制御部338の稼働部96は、待機位置の吐出ヘッド22を稼働位置へ移動させる(
図7(B)参照)。
【0122】
吐出ヘッド22が移動している状態では、
図20に示されるように、第一支持ロール370に巻き掛けられた部分の清掃シート364は、ノズル面26との間に少しの隙間が設けられている。さらに、第二支持ロール371に巻き掛けられた部分の清掃シート364は、ノズル面26と接触している。
【0123】
これにより、第一支持ロール370に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、ノズル面26に付着したインクをノズル面26と接触することなく吸い取る。さらに、第二支持ロール371に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、インクが吸い取られたノズル面26を払拭する。
【0124】
次に、ステップS2500で、制御部338の稼働部396は、近接離隔部材376を制御し、清掃位置の清掃部材362を待機位置へ移動させる。
【0125】
次に、ステップS2600で、制御部338の稼働部396は、移動ユニット42を制御し、稼働位置の吐出ヘッド22を待機位置へ移動させる(
図8(A)参照)。
【0126】
次に、ステップS2700で、制御部338の稼働部396は、昇降ユニット52を制御し、保護キャップ50を上昇させる。そして、吐出ヘッド22のノズル面26を保護キャップ50で覆ってノズル面26を保護させる。これにより、一連の清掃動作が終了する。
【0127】
(まとめ)
以上説明したように、ノズル面清掃装置340においては、吐出ヘッド22が、待機位置から稼働位置に移動している状態で、第一支持ロール370に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、ノズル面26に付着したインクをノズル面26と接触することなく吸い取る。さらに、第二支持ロール371に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、ノズル面26を払拭する。換言すれば、吐出ヘッド22が奥行方向において奥側から手前側へ移動している状態で、第一支持ロール370に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、ノズル面26に付着したインクをノズル面26と接触することなく吸い取る。さらに、第二支持ロール371に巻き掛けられた部分の清掃シート364が、ノズル面26を払拭する。
【0128】
これにより、吐出ヘッドが奥行方向の手前側に移動している状態でインクを吸い取り、吐出ヘッドが奥行方向の奥側に移動している状態でノズル面を払拭する場合と比して、短い時間でノズル面26が清掃される。
他の作用については、第1実施形態と同様である。
【0129】
<第5実施形態>
次に、本開示の第5実施形態に係るノズル面清掃装置、及び画像形成装置の一例を
図23~
図24に従って説明する。なお、第5実施形態については、第4実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0130】
第5実施形態に係るノズル面清掃装置440によって清掃される吐出ヘッド122のノズル面126に対して装置幅方向の両側には、ノズル面126に対して突出してノズル面126を保護する保護部材130が装置奥行方向に延びて設けられている(
図9(A)(B)参照)。
【0131】
(ノズル面清掃装置440)
ノズル面清掃装置440の清掃ユニット460は、
図23に示されるように、稼働位置と待機位置との間を移動している吐出ヘッド122のノズル面126と上下方向で対向するように配置されている。そして、清掃ユニット460は、清掃部材462と、清掃部材462をノズル面26に対して近接離隔させる近接離隔部材476とを備えている。
【0132】
清掃部材462は、上方が開放された箱状の筐体462aと、清掃シート464と、繰出ロール466と、巻取ロール468と、モーター472と、第一支持ロール470と、第二支持ロール471と、中間ロール474とを備えている。そして、第一支持ロール470と清掃シート464とで、ノズル面126に付着したインクを吸い取る吸取部材478を構成している。また、第二支持ロール471と清掃シート464とで、ノズル面126に付着したインクを払拭する払拭部材480を構成している。清掃シート464は、布の一例であって、第一支持ロール470は、支持部材の一例である。
【0133】
繰出ロール466は、筐体462aの内部に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。また、繰出ロール466に清掃シート464の一端部側が巻き付けられている。巻取ロール468は、筐体462aの内部で、かつ、繰出ロール466に対して装置奥行方向の奥側に配置され、軸方向が幅方向とされている。そして、巻取ロール468に清掃シート464の他端部側が巻き付けられており、巻取ロール468は、モーター472からの回転駆動力によって一定の巻取速度で回転駆動するようになっている。
【0134】
第一支持ロール470と第二支持ロール471とは、この順番で装置奥行方向の奥側から手前側に並んでおり、少なくとも一部が筐体462aの内部に配置され、軸方向が装置幅方向とされている。また、第一支持ロール470及び第二支持ロール471は、装置奥行方向において繰出ロール466と巻取ロール468との間で、かつ、繰出ロール466及び巻取ロール468に対して上方に配置されている。
【0135】
ここで、
図24に示されるように、第二支持ロール471は、第一支持ロール470と比して短くされている。これにより、清掃部材462が清掃位置へ移動した状態では、第二支持ロール471が、一対の保護部材130に挟まれ、第二支持ロール471に支持された部分の清掃シート464は、ノズル面126に接触するようになっている(
図12(B)参照)。また、第一支持ロール470は、一対の保護部材130に掛け渡されるようになっている(
図12(A)参照)。
【0136】
(まとめ)
以上説明したように、装置幅方向において、一対の保護部材130に第一支持ロール470が掛け渡される。そして、第一支持ロール470に巻き掛けられた清掃シート464は、ノズル面126に付着したインクをノズル面126と接触することなく吸い取る。これにより、支持ロールが一対の保護部材で挟まれる領域内だけに配置されている場合と比して、清掃シート464がノズル面126に対して簡易な構成で離隔する。
他の作用については、第4実施形態と同様である。
【0137】
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能である
【0138】
ことは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、清掃部材62、162、362、462を上下移動させることでノズル面26、126、226に近接離隔せたが、吐出ヘッド22、122、222を上下移動させることで、清掃部材62、162、362、462をノズル面26、126、226に近接離隔せてもよい。
【0139】
また、上記実施形態では、吐出ヘッド22、122、222が装置奥行方向に移動することで、ノズル面26、126、226が清掃されたが、清掃ユニット60、160、360、460が、装置奥行方向に移動することで、ノズル面が清掃されてもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、画像形成装置10の制御部が、ノズル面清掃装置の制御部を兼ねたが、ノズル面清掃装置の専用の制御部を設けてもよい。
【0141】
また、上記実施形態では、ノズル面に付着したインクをノズル面と離隔した状態で、吸い取ったが、ノズル面に吸取部材を押し付けてインクを吸い取ってもよい。この場合には、ノズル面と離隔した状態でインクを吸い取ることで奏する作用は奏しない。
【0142】
また、上記第2実施形態では、吐出ヘッド122が待機位置から稼働位置へ移動するときにノズル面126に付着しインクを吸い取り、吐出ヘッド122が稼働位置から待機位置へ移動するときにノズル面126に付着しインクを拭取った。しかし、吐出ヘッドが待機位置から稼働位置へ移動するときに、清掃部材162を吸取位置へ移動させ、かつ、清掃部材182を払拭位置へ移動させることで、吐出ヘッドが待機位置から稼働位置へ移動するときにノズル面に付着しインクを吸い取り、かつ、ノズル面に付着したインクを払拭してもよい。
また、記録媒体を連続紙Pとして説明したが、カット紙の画像形成装置でもよい。
【0143】
(((1)))
撥水膜が形成されたノズル面に付着したインクを吸い取り、インクが吸い取られた前記ノズル面を払拭する清掃ユニットを備えるノズル面清掃装置。
【0144】
(((2)))
前記清掃ユニットは、前記ノズル面と離隔した状態で前記ノズル面に付着したインクを吸い取る、
(((1)))に記載のノズル面清掃装置。
【0145】
(((3)))
前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、
前記清掃ユニットは、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動する清掃部材と、前記清掃部材を前記ノズル面に対して相対的に近接離隔させる近接離隔部材と、を有し、
前記近接離隔部材を制御し、前記清掃部材が前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記清掃部材を前記ノズル面から離隔させて前記清掃部材に前記ノズル面に付着したインクを吸い取らせ、前記清掃部材が前記ノズル面に対して前記交差方向の他方側へ移動している状態で、前記清掃部材を前記ノズル面に接触させて前記ノズル面を払拭させる制御部を備える、
(((2)))に記載のノズル面清掃装置。
【0146】
(((4)))
前記清掃部材は、インクを吸い取る布を含んで構成されている、
(((3)))に記載のノズル面清掃装置。
【0147】
(((5)))
前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、
記録媒体の搬送方向において前記ノズル面の両側には、前記ノズル面に対して突出して前記ノズル面を保護する保護部材が前記交差方向に延びて一対設けられており、
前記清掃ユニットは、前記搬送方向において一対の前記保護部材に掛け渡され、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動して、前記ノズル面に付着したインクを吸い取る吸取部材を備える、
(((2)))に記載のノズル面清掃装置。
【0148】
(((6)))
前記吸取部材は、インクを吸い取る布と、前記布に対して前記ノズル面の反対側で前記布を支持すると共に一対の前記保護部材に掛け渡される支持部材とを含んで構成されている、
(((5)))に記載のノズル面清掃装置。
【0149】
(((7)))
前記ノズル面は、前記ノズル面に形成されたノズルから吐出されるインク滴によって画像が形成される記録媒体の搬送方向に対して交差する交差方向に延びており、
前記清掃ユニットは、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動し、前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記ノズル面と離隔して前記ノズル面に付着したインクを吸い取る吸取部材と、前記交差方向において前記吸取部材と並んで配置され、前記ノズル面に対して前記交差方向に相対移動し、前記ノズル面に対して前記交差方向の一方側へ移動している状態で、前記ノズル面を払拭する払拭部材とを含んで構成されている、
(((2)))に記載のノズル面清掃装置。
【0150】
(((8)))
記録媒体の搬送方向において前記ノズル面の両側には、前記ノズル面に対して突出して前記ノズル面を保護する保護部材が一対設けられており、
前記吸取部材は、インクを吸い取る布と、前記布に対して前記ノズル面の反対側で、前記布を支持すると共に一対の前記保護部材に掛け渡される支持部材とを含んで構成されている、
(((7)))に記載のノズル面清掃装置。
【0151】
(((9)))
記録媒体に向けてインク滴を吐出するノズルが複数形成されたノズル面を有する吐出ヘッドと、
前記ノズル面を清掃する(((1)))~(((8)))の何れか1に記載されたノズル面清掃装置と、
を備える画像形成装置。
【0152】
(((1)))のノズル面清掃装置によれば、払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭する場合と比して、ノズル面に形成された撥水膜の劣化を抑制することができる。
【0153】
(((2)))のノズル面清掃装置によれば、ノズル面に吸取部材を押し付けてインクを吸い取る場合と比して、撥水膜の劣化を抑制することができる。
【0154】
(((3)))のノズル面清掃装置によれば、清掃部材が記録媒体の搬送方向に移動することでノズル面を清掃する場合と比して、清掃部材の大型化を抑制することができる。
【0155】
(((4)))のノズル面清掃装置によれば、ブレードを用いてインクをノズル面から吸い取る場合と比して、ノズル面のインクを効果的に吸い取ることができる。
【0156】
(((5)))のノズル面清掃装置によれば、吸取部材が一対の保護部材で挟まれる領域内だけに配置されている場合と比して、吸取部材をノズル面に対して簡易な構成で離隔させることができる。
【0157】
(((6)))のノズル面清掃装置によれば、ブレードを用いてインクをノズル面から吸い取る場合と比して、ノズル面のインクを効果的に吸い取ることができる。
【0158】
(((7)))のノズル面清掃装置によれば、ノズル面に対して交差方向の一方側へ相対移動している状態でインクを吸い取り、ノズル面に対して交差方向の他方側へ相対移動している状態でノズル面を払拭する場合と比して、短い時間でノズル面を清掃することができる。
【0159】
(((8)))のノズル面清掃装置によれば、吸取部材が一対の保護部材で挟まれる領域内だけに配置されている場合と比して、吸取部材をノズル面に対して簡易な構成で離隔させることができる。
【0160】
(((9)))の画像形成装置によれば、払拭部材をノズル面に常に接触させてインクを払拭するノズル面清掃装置を備える場合と比して、画像品質の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0161】
10 画像形成装置
22 吐出ヘッド
26 ノズル面
38 制御部
40 ノズル面清掃装置
60 清掃ユニット
62 清掃部材
64 清掃シート(布の一例)
70 支持ロール(支持部材の一例)
76 近接離隔部材
122 吐出ヘッド
126 ノズル面
130 保護部材
138 制御部
140 ノズル面清掃装置
160 清掃ユニット
162 清掃部材
164 清掃シート(布の一例)
170 支持ロール(支持部材の一例)
176 近接離隔部材
178 吸取部材
180 清掃ユニット
182 清掃部材
184 清掃シート(布の一例)
190 支持ロール(支持部材の一例)
206 近接離隔部材
222 吐出ヘッド
226 ノズル面
230 保護部材
240 ノズル面清掃装置
338 制御部
340 ノズル面清掃装置
360 清掃ユニット
362 清掃部材
364 清掃シート(布の一例)
370 第一支持ロール(支持部材の一例)
371 第二支持ロール(支持部材の一例)
376 近接離隔部材
378 吸取部材
380 払拭部材
440 ノズル面清掃装置
460 清掃ユニット
462 清掃部材
464 清掃シート(布の一例)
470 第一支持ロール(支持部材の一例)
471 第二支持ロール(支持部材の一例)
476 近接離隔部材
478 吸取部材
480 払拭部材