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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134456
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】集積回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20240926BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G01R31/28 V
H01L27/04 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044772
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米田 尚弘
【テーマコード(参考)】
2G132
5F038
【Fターム(参考)】
2G132AA01
2G132AD01
2G132AK07
5F038DT07
5F038DT08
5F038DT11
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】本開示は、論理回路を用いて集積回路の電源の状態を検出する集積回路の提供を目的とする。
【解決手段】集積回路10は、検査信号を出力する出力回路と、第一電源S1から電力が供給され、検査信号が入力された場合に、検査信号及び第一電源S1の状態に基づいた結果信号を出力する論理回路32と、電源とは異なる第二電源S2から電力が供給され、出力回路及び論理回路32から、それぞれ入力される検査信号及び結果信号に基づいて、論理回路32の状態を判別する判別回路24と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査信号を出力する出力回路と、
電源から電力が供給され、前記検査信号が入力された場合に、前記検査信号及び前記電源の状態に基づいた結果信号を出力する論理回路と、
前記電源とは異なる他の電源から電力が供給され、前記出力回路及び前記論理回路から、それぞれ入力される前記検査信号及び前記結果信号に基づいて、前記論理回路の状態を判別する判別回路と、
を備える、集積回路。
【請求項2】
前記判別回路に対して並列に接続されるとともに、それぞれ前記電源とは異なる電源から電力が供給される複数の前記論理回路を備えるとともに、
前記出力回路は、前記複数の論理回路のそれぞれに前記検査信号を出力し、
前記判別回路は、前記検査信号及び、前記複数の論理回路のそれぞれから出力された複数の前記結果信号に基づいて、複数の前記論理回路の状態を判別する、
請求項1に記載の、集積回路。
【請求項3】
直列に接続されるとともに、それぞれ前記電源とは異なる電源から電力が供給される複数の前記論理回路を備えるとともに、
前記出力回路は、前記直列に接続された複数の前記論理回路のうち、順の最初の前記論理回路に前記検査信号を出力し、
前記判別回路は、前記検査信号及び、前記直列に接続された複数の前記論理回路のうち、前記順の最後の前記論理回路から出力された前記結果信号に基づいて、複数の前記論理回路の状態を判別する、
請求項1に記載の、集積回路。
【請求項4】
前記論理回路は、前記電源からの電圧に基づいて遅延時間が変化する遅延回路であり、
前記判別回路は、前記検査信号が入力されてから予め定められた時間が経過した後に、前記論理回路の状態を判別する、
請求項1に記載の、集積回路。
【請求項5】
前記論理回路は、複数の前記遅延回路を備え、
前記複数の遅延回路は、それぞれ異なる遅延時間が予め定められている、
請求項4に記載の、集積回路。
【請求項6】
前記判別回路は、前記予め定められた時間の長さを変更可能とされている、
請求項4に記載の、集積回路。
【請求項7】
前記出力回路は、前記他の電源から電力が供給される、
請求項1に記載の、集積回路。
【請求項8】
前記判別回路は、前記検査信号が入力される第一フリップフロップ回路と、前記結果信号が入力される第二フリップフロップ回路と、
を有する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体装置の内部に配置される内部配線と外部に配置された他の部品とを接続するパッド毎に電源電圧異常を検出する複数の電源検査回路と、複数の電源検査回路が出力する結果信号により示される検査結果を格納する結果格納レジスタと、を有する半導体装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-163917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、論理回路を用いて集積回路の電源の状態を検出する集積回路の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一態様の集積回路は、検査信号を出力する出力回路と、電源から電力が供給され、前記検査信号が入力された場合に、前記検査信号及び前記電源の状態に基づいた結果信号を出力する論理回路と、前記電源とは異なる他の電源から電力が供給され、前記出力回路及び前記論理回路から、それぞれ入力される前記検査信号及び前記結果信号に基づいて、前記論理回路の状態を判別する判別回路と、を備える。
【0006】
この態様に係る集積回路は、出力回路から出力された検査信号が、論理回路及び判別回路に出力される。また、論理回路が、電源の状態に基づいた結果信号を判別回路に出力する。したがって、この態様に係る集積回路によれば、判別回路が、検査信号及び結果信号に基づいて、論理回路の状態を判別することにより、電源の状態を検出することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、論理回路で電源電圧の異常を検出する集積回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第一実施形態に係る集積回路を説明する図である。
図2】本開示の第一実施形態の第一変形例に係る集積回路を説明する図である。
図3】本開示の第一実施形態の第二変形例に係る集積回路を説明する図である。
図4】本開示の第二実施形態に係る集積回路を説明する図である。
図5】本開示の第二実施形態に係る遅延回路における、供給される電圧と遅延時間について説明する図である。
図6】本開示の第二実施形態に係る集積回路におけるクロック供給回路、第一フリップフロップ回路、及び第二フリップフロップ回路の動作を説明する図であり、(A)は、遅延回路の遅延時間が変化する前の状態の動作を示す図、(B)は、遅延回路の遅延時間が長くなった後の状態の動作を示す図である。
図7図6に続けて本開示の第二実施形態に係る集積回路におけるクロック供給回路、第一フリップフロップ回路、及び第二フリップフロップ回路の動作を説明する図であり、(A)は、遅延回路の遅延時間が変化する前の状態の動作を示す図、(B)は、遅延回路の遅延時間が短くなった後の状態の動作を示す図である。
図8】本開示の第二実施形態の第一変形例に係る集積回路を説明する図である。
図9】本開示の第二実施形態の第二変形例に係る集積回路におけるクロック供給回路、第一フリップフロップ回路、及び第二フリップフロップ回路の動作を説明する図であり、(A)は、検査時間を変化させる前の状態の動作を示す図、(B)は、検査時間を長くした場合の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において、同一又は等価な構成要素及び部品には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0010】
[第一実施形態]
(構成)
図1に、第一実施形態に係る集積回路10を示す。図1に示されるように、本実施形態に係る集積回路10は、基準回路20と、検査対象回路30と、を備える。また、本実施形態に係る集積回路10では、検査対象回路30には本開示における電源の一例である第一電源S1から電力が供給され、基準回路20には本開示における他の電源の一例である、第二電源S2から電力が供給されることにより、それぞれの回路が駆動される。また、本実施形態に係る集積回路10では、基準回路20と検査対象回路30とは、第一バスB1及び第二バスB2を通じて電気的に接続されている。
【0011】
本実施形態において、第一電源S1及び第二電源S2は、基準回路20と検査対象回路30とについてそれぞれ駆動可能とされていれば、どのような種類の電源でもよい。例えば、第一電源S1及び第二電源S2は、それぞれ同じ性能を有している場合、互いに直流電源でありながら電圧値が異なる場合、一方が直流電源であり、他方が交流電源である場合、電圧値が等しくとも電流値が異なる場合、等が挙げられる。
【0012】
検査対象回路30は、図1に示されるように、論理回路32を有している。この論理回路32は、AND回路、NAND回路、OR回路、NOR回路、EXOR回路、NOT回路等のいずれの論理回路も適用でき、本実施形態では一例としてAND回路である。論理回路32は、第一電源S1から電力が供給されており、後述する出力回路22から第一バスB1を通じて検査信号が入力された場合に、第二バスB2に結果信号として検査信号と同等の電圧値の波形(以後、電圧波形と称する)を結果信号として出力する。より具体的には、論理回路32は、第一電源S1から供給された電力と、第一バスB1から入力された検査信号が共に予め定められた閾値を超えた場合に、結果信号としてHiの値を出力する。また、第一電源S1から供給された電力と、第一バスB1から入力された検査信号のうちいずれか一方が予め定められた閾値以下である場合には、結果信号としてLowの値を出力する。
【0013】
なお、Hiの値及びLowの値並びに予め定められた閾値については、どのような値に設定されていてもよいが、予め定められた閾値は、検査対象回路30が動作するために推奨される動作電圧を超える値とされうる。
【0014】
基準回路20は、検査信号を出力する出力回路22と、検査信号及び結果信号が入力される判別回路24を有している。
【0015】
出力回路22は、図1に示されるように、検査対象回路30の論理回路32と、判別回路24に検査信号を出力する。この検査信号としては論理回路32と判別回路24に供給可能であればどのような信号でもよいが、一例として、Hi又はLowの2値を電圧で示す電圧波形が検査信号として出力される。検査信号は、第一バスB1を通じて論理回路32及び判別回路24に入力される。
【0016】
なお、検査信号として出力する電圧波形は、どのような波形が用いられてもよい。電圧波形としては、一例として、立上り及び立下りが一回であるパルス波、立ち上った後にHiを保つステップ波の他、予め定められたHiとLowとの組合せを有するビット列が挙げられる。
【0017】
判別回路24は、図1に示されるように、第一バスB1を通じて出力回路22から検査信号が入力されると共に、検査対象回路30の論理回路32から第二バスB2を通じて結果信号が入力される回路である。また、判別回路24は、検査信号と結果信号とを比較する回路であり、本実施形態においては、検査信号と結果信号とが同じ値であるか否かを比較する。
【0018】
より具体的には、判別回路24は、第一バスB1と接続された図示しない第一保持回路と、第二バスB2と接続された図示しない第二保持回路と、を有する。第一保持回路は、検査信号としてHiが入力された場合にHiを保持し、第二保持回路は、結果信号がHi入力された場合にHiを保持する。そして、判別回路24は、第一保持回路及び第二保持回路の値を比較することで、検査信号と結果信号とを比較する。
【0019】
なお、上述の説明及び図1において、第一バスB1は、出力回路22、判別回路24、及び論理回路32を直接的に接続しているが、本実施形態に係る集積回路10では、これに限られず、他の素子を介して接続していてもよい。同様に第二バスB2は、判別回路24、及び論理回路32を直接的に接続しているが、本実施形態に係る集積回路10では、これに限られず、他の素子を介して接続していてもよい。他の素子としては、一例として変圧器、抵抗器等の受動素子の他、トランジスタ、継電器等の能動素子が挙げられる。
【0020】
なお、本実施形態に係る集積回路10では、基準回路20と検査対象回路30とを繋ぐ第一バスB1及び第二バスB2は、矢印の方向のみに電流が流れる(信号が伝わる)構成としてもよい。例えば、本実施形態における第一バスB1は、出力回路22と論理回路32との間にダイオードを設けられた構成としてもよい。この場合、検査対象回路30における配線が第一バスB1と短絡して検査対象回路30上の第一バスB1に第一電源S1から電力が直接的に供給された場合に、第一バスB1を通じて基準回路20に第一電源S1から供給される電力が遮断される。
【0021】
(電源の状態の検出)
ところで、上述したように、本実施形態において検査信号は、Hi又はLowの2値を示す電圧波形であり、論理回路32は、検査信号と同等の電圧波形である、Hi又はLowの2値の電圧波形を結果信号として出力する。このため、本実施形態においては、論理回路32に第一電源S1から電力が供給されている場合、すなわち論理回路32に供給される電源の状態が正常である場合、検査信号及び結果信号は、同等の電圧値を示す電圧波形となる。なお、本開示において、「電源の状態」とは、論理回路32に電力を供給する第一電源S1の状態、及び論理回路32に電力が供給されている状態のいずれをも含む。
【0022】
例えば、検査信号がHiを示す場合、論理回路32は、検査信号と同様にHiを示す結果信号を出力するため、判別回路24には、いずれもがHiである検査信号及び結果信号が入力される。また、検査信号がLowを示す場合、論理回路32は、検査信号と同様にLowを示す結果信号を出力するため、判別回路24には、いずれもがLowである検査信号及び結果信号が入力される。
【0023】
このように、本実施形態に係る集積回路10では、検査対象回路30が正常に動作している場合、判別回路24に入力される検査信号及び結果信号が、Hiの場合及びLowの場合のいずれにおいても、同じ値となる。言い換えれば、本実施形態に係る集積回路10では、検査対象回路30が正常に動作している場合には、判別回路24に入力される検査信号及び結果信号が、Hiの場合及びLowの場合のいずれにおいても、同じ値となる。
【0024】
ここで、本実施形態に係る集積回路10において、電源が正常でない場合、例えば第一電源S1が故障するか、又は検査対象回路30の配線に断線が生じ、検査対象回路30に電力が供給されない場合の動作は、次の様になる。まず、検査信号がHiを示す場合においても、論理回路32には電力が供給されていないため、結果信号がHiにならない。このため、第一電源S1が故障するか、又は検査対象回路30の配線に断線が生じ、検査対象回路30に電力が供給されない場合、検査信号がHiの場合においても、判別回路24に入力される結果信号は、0V、すなわち、Lowとなる。
【0025】
また、他の電源が正常でない場合、例えば本実施形態に係る集積回路10において、検査対象回路30の配線に短絡が生じ、第一バスB1に電力が供給され続ける場合の動作は、次の様になる。まず、検査信号がLowを示す場合においても、論理回路32には電力が供給され続けると共に第一バスB1から電力が供給されるため、結果信号がLowにならない。このため、検査対象回路30の配線に短絡が生じ、第一バスB1に電力が供給され続ける、検査信号がLowの場合においても、判別回路24に出力される結果信号は、Hiとなる。
【0026】
このように、本実施形態に係る集積回路10では、電源が正常でない場合には、判別回路24に出力される検査信号及び結果信号は、互いに異なる値となる。
【0027】
(作用及び効果)
上述のように、本実施形態に係る集積回路10では、判別回路24には、検査信号及び結果信号が出力される。このため、判別回路24に入力される検査信号がHiとLowのいずれの場合においても、結果信号と同じ値となるか否かを判別することで、論理回路32に供給される電源の状態を判別することができる。
【0028】
そして、論理回路32に供給される電源の状態が正常でない場合とは、第一電源S1が故障している場合、検査対象回路30の配線に断線が生じている場合、又は、検査対象回路30の配線に短絡が生じ、第一バスB1に電力が供給され続ける場合である。また、論理回路32に供給される電源の状態が正常でない場合とは、集積回路10の状態が正常でない場合であるともいえる。
【0029】
したがって、この態様に係る集積回路10によれば、判別回路24が、検査信号及び結果信号に基づいて、論理回路32の状態を判別することにより、論理回路32を用いて電源の状態を検出することができる。
【0030】
また、検査対象回路30の電源の状態を基準回路20で測定するため、検査対象回路30から出力されるアナログ信号を、基準回路20が備えるアナログ回路を用いて判別する方法も想定される。しかし、検査対象回路30からアナログ信号を出力して、電源の状態を判別する場合、アナログ回路は、基準電圧電源、抵抗、比較器等で構成されるため、回路面積が大きくなりやすく、結果信号に重畳するノイズの影響を受けやすい。
【0031】
しかし、本実施形態における集積回路10によれば、検査信号と、検査対象回路30の電源の状態を論理回路32から出力される結果信号とに基づいて判別回路24が判別する。このため、検査信号としては、Hi又はLowの2値をとるデジタル信号とすることができる。したがって、この態様に係る集積回路10によれば、結果信号に重畳するノイズの影響を削減すると共に、集積回路10の小型化を図ることができる。
【0032】
また、本実施形態に係る集積回路10では、基準回路20及び出力回路22は、第二電源S2から電力が供給される。したがって、この態様に係る集積回路10によれば、判別回路24と出力回路22を同じ回路に組み込み、集積回路10の小型化を図ることができる。
【0033】
また、本実施形態に係る集積回路10では、論理回路32が動作する予め定められた閾値は、検査対象回路30が動作するために推奨される動作電圧を超える値とされている。このため、第一電源S1の不調により、出力される電圧が閾値を下回った場合には、検査対象回路30における他の回路が動作している場合においても、AND回路である論理回路32は、結果信号としてはLowを出力する。したがって、この態様に係る集積回路10によれば、検査対象回路30が動作している場合においても、第一電源S1が不調であることを検出することができる。
【0034】
続いて、本実施形態の第一変形例を、図2を参照しながら説明する。なお、第一変形例の構成において、第一実施形態に係る集積回路10と同様の構成については、第一実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する場合がある。
【0035】
(第一変形例)
(構成)
図2は、本開示の第一変形例に係る集積回路10を説明する図である。図2に示されるように、第一変形例に係る集積回路10は、第一実施形態に係る集積回路10に対し、第二検査対象回路40と、第三電源S3とを更に備える。
【0036】
図2に示されるように、第二検査対象回路40は、第三電源S3から電力を供給される。なお、第二電源S2は、第一電源S1及び第二電源S2とは異なる他の電源である。
【0037】
また、図2に示されるように、第二検査対象回路40は、第二論理回路42を有している。第二論理回路42は、出力回路22と第三バスB3を介して接続されており、出力回路22から検査信号が入力される。また、第二論理回路42は、判別回路24と第四バスを介して接続されており、判別回路24に結果信号を出力する。すなわち、第二検査対象回路40が有する第二論理回路42は、検出回路が有する論理回路32と同様の構成である。
【0038】
なお、図2に示されるように、第一変形例に係る集積回路10では、基準回路20は、第一バスB1を通じて論理回路32へ、第三バスB3を通じて第二論理回路42へとそれぞれ検査信号を出力する。言い換えれば、第一変形例に係る集積回路10では、出力回路22は、複数の論理回路として、論理回路32及び第二論理回路42のそれぞれに検査信号を出力する。
【0039】
また、第一変形例に係る集積回路10では、論理回路32は、第二バスB2を通じて判別回路24へ、第二論理回路42は、第四バスを通じて判別回路24へそれぞれ検査信号を出力する。言い換えれば、論理回路32及び第二論理回路42は、判別回路24に対して並列に接続されている。
【0040】
その他の構成は、第一実施形態に係る集積回路10と同様である。
【0041】
(作用及び効果)
本実施形態に係る集積回路10では、判別回路24には、検査信号、論理回路32から出力された結果信号、及び第二論理回路42から出力された結果信号が入力される。また、判別回路24は、それぞれの論理回路32から出力された複数の結果信号に基づいて、第一実施形態に係る集積回路10と同様に、論理回路32の状態及び第二論理回路42の状態を判別する。
【0042】
したがって、この態様に係る集積回路10によれば、検査信号及び結果信号に基づいて、判別回路24に対して並列に接続された複数の論理回路32の状態を判別することができる。
【0043】
続いて、本実施形態の第二変形例を、図3を参照しながら説明する。なお、第二変形例の構成において、第一実施形態に係る集積回路10と同様の構成については、第一実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する場合がある。
【0044】
(第二変形例)
(構成)
図3は、本開示の第二変形例に係る集積回路10を説明する図である。図3に示されるように、第二変形例に係る集積回路10は、第一実施形態に係る集積回路10に対し、第二検査対象回路40と、第三電源S3とを更に備える。
【0045】
図3に示されるように、第二検査対象回路40は、第三電源S3から電力を供給される。なお、第三電源S3は、第一電源S1及び第二電源S2とは異なる他の電源である。
【0046】
また、図3に示されるように、第二検査対象回路40は、第二論理回路42を有している。第二論理回路42は、論理回路32と第三バスB3を介して接続されており、検査信号として、論理回路32から結果信号が入力される。また、第二論理回路42は、判別回路24と第三バスB3を介して接続されており、判別回路24に結果信号を出力する。
【0047】
ここで、図3に示されるように、第二変形例に係る集積回路10は、基準回路20から第一バスB1を通じて論理回路32へ、そして論理回路32から第二バスB2を通じて第二論理回路42へと検査信号及び結果信号が出力される。言い換えれば、第二変形例に係る集積回路10では、論理回路32及び第二論理回路42は、直列に接続される。また言い換えれば、第二変形例に係る集積回路10では、出力回路22は、順の最初である論理回路32に検査信号を出力し、順の最後である第二論理回路42は、結果信号を判別回路24に出力する。
【0048】
その他の構成は、第一実施形態に係る集積回路10と同様である。
【0049】
(作用及び効果)
本実施形態に係る集積回路10では、判別回路24には、検査信号及び第二論理回路42から出力された結果信号が入力される。
【0050】
ここで、検査対象回路30及び第二検査対象回路40が、それぞれ電源の状態が正常である場合には、第一実施形態に係る集積回路10と同様に、検査信号と結果信号とが同じ値となる。一方、検査対象回路30及び第二検査対象回路40のうち、いずれか片方又は両方の電源の状態が正常でない場合には、第一実施形態に係る集積回路10と同様に、検査信号と結果信号とが異なる値となる。
【0051】
したがって、この態様に係る集積回路10によれば、検査信号及び結果信号に基づいて、判別回路24に対して直列に接続された複数の論理回路32の状態を判別することができる。
【0052】
(その他の変形例)
また、上述の説明では、集積回路10が基準回路20に判別回路24を一つのみ有していたが、本実施形態に係る構成は、これに限らない。例えば、第一変形例のように複数の検査対象回路30及び論理回路32を有する場合において、集積回路10が複数の判別信号を備えることにより、複数の論理回路32から出力される結果信号をそれぞれの判別回路24に入力される構成としてもよい。この場合においても、複数の検査対象回路30のそれぞれについて、第一実施形態に係る集積回路10と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0053】
また、上述の説明では、論理回路32がAND回路とされていたが、本実施形態に係る集積回路10の構成は、これに限らない。すなわち、AND回路に変えて、NAND回路、OR回路、NOR回路、EXOR回路、NOT回路等のいずれの回路も用いることができる。例えば、論理回路32にNOT回路を用いた場合、第一電源S1が正常である場合には、検査信号と結果信号との値が異なるが、第一電源S1の故障又は配線の断線が生じていた場合には、検査信号の値がいずれの場合であっても、結果信号がLowの値を示す。このことから、論理回路32にNOT回路を用いた場合においても、第一電源S1が正常である場合には、検査信号と結果信号との値を比較することにより、第一電源S1の故障又は配線の断線が生じていることを検出することができる。同様に、例えば、OR回路を用いれば、第一電源S1の故障又は、配線の断線を検出することができる。また、NAND回路を用いれば、上述の説明における判別回路24において、検査信号と結果信号の値が一致しない場合に、電源の状態が正常であると検出することができる。その他の回路についても判別回路24における比較方法を種々変更することにより、本実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0054】
また、上述の説明では、予め定められた閾値は、検査対象回路30が動作するために推奨される動作電圧を超える値とされていたが、本実施形態に係る構成は、これに限らない。すなわち、予め定められた閾値は、検査信号に重畳されるノイズの値よりも高ければ、検査対象回路30が動作するために推奨される動作電圧以下の値とされていてもよい。
【0055】
また、上述の説明では、出力回路22は、基準回路20が有していたが、本実施形態に係る構成は、これに限らない。すなわち、出力回路22は、基準回路20ではなく検査対象回路30が有していてもよい。言い換えれば、本実施形態に係る出力回路22は、第二電源S2からではなく、第一電源S1から電力が供給されてもよい。この場合、判別回路24は、出力回路22から信号が出力されないことを判別することにより、第一電源S1から電力が供給される検査対象回路30の電源の状態が正常ではないことを検出してもよい。
【0056】
また、上述の説明では、集積回路10は、基準回路20のみが出力回路22及び判別回路24を有していたが、本実施形態に係る構成は、これに限らない。例えば判別回路24が検査対象回路30にも設けられ、検査対象回路30及び基準回路20のそれぞれに設けられた判別回路24が互いに電源の状態を検出する構成としてもよい。
【0057】
続いて、図4から図7を適宜参照しながら、本開示の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態の構成において、第一実施形態及びその変形例に係る集積回路10と同様の構成については、第一実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する場合がある。
【0058】
[第二実施形態]
(構成)
図4は、本開示の第二実施形態に係る集積回路110である。図4に示されるように、本実施形態に係る集積回路110は、基準回路120にクロック供給回路CKと、基準フリップフロップ回路122と、第一フリップフロップ回路125と、第二フリップフロップ回路126と、を備える。また、本実施形態に係る集積回路110は、検査対象回路130に論理回路32の一例である遅延回路132を有している。
【0059】
本実施形態に係る集積回路110において、遅延回路132は、第二バスB12を通じて基準フリップフロップ回路122と接続されており、第三バスB13を通じて第二フリップフロップ回路126と接続されている。
【0060】
なお、本実施形態に係る遅延回路132は、第二バスB12を通じて検査信号が入力された場合に、第一電源S1の電圧に基づいた遅延時間が経過した後に、第一実施形態に係る集積回路10と同様の結果信号を出力する。遅延回路132は、第一電源S1の電圧値に基づいて遅延時間が変化すればどのような構成としてもよいが、一例として第一電源S1の電圧値が上昇した場合に、遅延時間が短くなる遅延回路132とされている。
【0061】
具体例として、図5に示されるように、第一電源S1の電圧値がV2を示す場合の遅延時間がT2である遅延回路132では、第一電源S1の電圧値が上昇してV3を示す場合には遅延時間がT3となり遅延時間が短くなる。また、第一電源S1の電圧値が低下してV1を示す場合、遅延時間がT1となって、遅延時間が長くなる。なお、本実施形態においては、一例として第一電源S1の電圧値と遅延時間の関係が予め求められており、図示しない記憶手段に第一電源S1の電圧値と遅延時間の関係が記憶されている。なお、第一電源S1が正常に動作している場合の電圧値における遅延時間が管理又は調整されている場合には、電圧値と遅延時間の関係を記憶していなくてもよい。
【0062】
クロック供給回路CK及び基準フリップフロップ回路122は、本開示に係る出力回路の一例である。クロック供給回路CKは、一例として、第一バスB11を通じて矩形波を、基準フリップフロップ回路122、第一フリップフロップ回路125、及び第二フリップフロップ回路126に出力する。
【0063】
また、本実施形態では、基準フリップフロップ回路122は、第一バスB11からクロック供給信号が出力された場合に、第二バスB12を通じて検査信号を、第一フリップフロップ回路125、第二フリップフロップ回路126及び遅延回路132に出力する。
【0064】
また、本実施形態では、第一フリップフロップ回路125は、第二バスB12から検査信号が出力された場合に、第四バスB14を通じて、結果信号を判別回路124に出力する。
【0065】
また、本実施形態では、第二フリップフロップ回路126は、第三バスB13から結果信号が出力された場合に、第五バスB15を通じて、結果信号を判別回路124に出力する。
【0066】
そして、本実施形態に係る判別回路124は、後述する検査時間CTの経過後に第一フリップフロップ回路125及び第二フリップフロップ回路126の値である結果信号を比較する。すなわち、本実施形態に係る第一フリップフロップ回路125及び第二フリップフロップ回路126は、本開示に係る判別回路を成す一部分でもある。
【0067】
なお、本実施形態に係る基準フリップフロップ回路122、第一フリップフロップ回路125及び第二フリップフロップ回路126は、一例としてD型フリップフロップ回路である。すなわち、基準フリップフロップ回路122、第一フリップフロップ回路125、及び第二フリップフロップ回路126は、クロック供給回路CKから出力されるクロック信号によりリセットされる。これにより、基準フリップフロップ回路122、第一フリップフロップ回路125及び第二フリップフロップ回路126が同期される。
【0068】
また、基準フリップフロップ回路122は、クロック信号が入力された場合に検査信号を出力する。このため、基準フリップフロップ回路122が検査信号を出力したタイミングが、後述する検査時間CTの開始タイミングである。なお、本実施形態では、第一フリップフロップ回路125及び第二フリップフロップ回路126における信号の反転が、それぞれのフリップフロップ回路から出力される結果信号として用いられる。
【0069】
続いて、本実施形態に係る集積回路110による、電源の状態の検出方法について、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0070】
(電源の状態の検出)
本実施形態に係る集積回路110では、判別回路124は、予め定められた時間である検査時間CTと、第一フリップフロップ回路125及び第二フリップフロップ回路126の両方から出力される検査信号とに基づいて、電源の状態を判別する。より具体的には、判別回路124は、検査時間CTの入力後に、第一フリップフロップ回路125及び第二フリップフロップ回路126の両方から出力される検査信号に基づいて電源の状態を判別する。なお、本実施形態では、検査時間CTは、一例として、図6に示されるようにクロック供給回路CKから出力される矩形波の1周期とされている。ただし、検査時間CTは、クロック供給回路CKから出力される矩形波の周期に限られず、他の方法により定めてもよい。
【0071】
図4に示されるように、クロック供給回路CKからクロック信号が基準フリップフロップ回路122に出力された場合には、基準フリップフロップ回路122から第一フリップフロップ回路125に検査信号が出力される。そして、第一フリップフロップ回路125に検査信号が入力された場合に、第一フリップフロップ回路125から判別回路124へ結果信号が出力される。
【0072】
ここで、図6に示されるように、第一フリップフロップ回路125から出力される結果信号は、基準フリップフロップ回路122から検査信号が出力された時点から、第一遅延時間R1だけ遅れて判別回路124に出力される。この第一遅延時間R1は、基準フリップフロップ回路122から第一フリップフロップ回路125への検査信号の伝達のために遅延した時間である。
【0073】
また、基準フリップフロップ回路122から遅延回路132に検査信号が出力された場合には、第一電源S1の電圧に基づいた遅延時間の経過後に、遅延回路132から第二フリップフロップ回路126に結果信号が出力される。そして、第二フリップフロップ回路126から判別回路124へ結果信号が出力される。
【0074】
ここで、図6に示されるように、第二フリップフロップ回路126から出力される結果信号は、基準フリップフロップ回路122から検査信号が出力された時点から、第二遅延時間R2だけ遅れて供給回路に出力される。この第二遅延時間R2は、基準フリップフロップ回路122から遅延回路132への検査信号の伝達と、遅延回路132の遅延時間と、遅延回路132から第二フリップフロップ回路126への結果信号の伝達と、のために遅延した時間である。
【0075】
ところで、上述したように、本実施形態において遅延回路132は、第一電源S1の電圧に基づいて遅延時間が変化する。言い換えれば、遅延時間が変化した場合においては、第一電源S1の電圧が変化していると判別することができる。
【0076】
例えば、図6(A)に示されるように、判別回路124に第一フリップフロップ回路125から出力される結果信号及び、第二フリップフロップ回路126から出力される結果信号が検査時間CT内に入力される場合に、電源が正常であるとする。この条件において、例えば、第一電源S1の電圧が低下して第二遅延時間R2が長くなると、図6(B)に示されるように、遅延回路132から出力される結果信号が検査時間CT内に第二フリップフロップ回路126に到達しない場合がある。この場合においては、判別回路124は、遅延回路132から結果信号が検査時間CT内に到達しなかったことで、第一電源S1の電圧が低下し、正常ではない場合になったと判別する。
【0077】
また例えば、図7(A)に示されるように、判別回路124に第一フリップフロップ回路125から出力される結果信号が検査時間CT内に入力され、第二フリップフロップ回路126から出力される結果信号は検査時間CT内に入力されない場合に、電源が正常であるとする。この条件において、例えば、第一電源S1の電圧が上昇して第二遅延時間R2が短くなると、図7(B)に示されるように、遅延回路132から結果信号が検査時間CT内に第二フリップフロップ回路126に到達する場合がある。この場合においては、判別回路124は、遅延回路132から結果信号が検査時間CT内に到達したことで、第一電源S1の電圧が上昇し、正常ではない場合になったと判別する。
【0078】
(作用及び効果)
このように、この態様に係る集積回路110によれば、判別回路124は、検査時間CTが経過した後に、検査信号と結果信号とに基づいて遅延回路132の状態を判別する。
【0079】
したがって、判別回路124は、検査時間CTが経過した後に、検査信号と結果信号とに基づいて遅延回路132の状態を判別することで、遅延回路132に電力を供給する電源の状態を検出することができる。
【0080】
また、本実施形態に係る集積回路110では、判別回路124が、検査信号が入力される第一フリップフロップ回路125と、結果信号が入力される第二フリップフロップ回路126を有している。このため、本実施形態に係る判別回路124では、第一フリップフロップ回路125は、検査信号が入力されたことを、第二フリップフロップ回路126は、結果信号が入力されたことを保持する。したがって、この態様に係る集積回路110によれば、検査信号及び結果信号が、Hi又はLowのいずれの値であるか記憶することができる。
【0081】
なお、本実施形態においても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態においても、第一実施形態と同様の変形例を適用することができる。
【0082】
続いて、本実施形態における第一変形例を、図8を適宜参照しながら説明する。なお、第一変形例の構成において、第二実施形態に係る集積回路110と同様の構成については、第二実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する場合がある。
【0083】
(第一変形例)
(構成)
図8は、第一変形例に係る集積回路110を説明する図である。図8に示されるように、第一変形例に係る集積回路110は、複数の遅延回路132と、セレクタSSを有している。
【0084】
複数の遅延回路132は、順に第一遅延回路132A、第二遅延回路132B、…、及び第N遅延回路132Nとされている。これらの複数の遅延回路132は、それぞれ順に異なる遅延時間が設定されており、例えば第一遅延回路132Aは、第二遅延回路132Bよりも遅延時間が短い。同様に、複数の遅延回路132は、それぞれ順に遅延時間が長くなるように設定されている。また、これらの複数の遅延回路132は、第二実施形態の遅延回路132と同様に、第一電源S1の電圧値に基づいて、遅延時間が変化する。なお、本変形例において、遅延回路132の具体的な個数は、適宜設定される。
【0085】
セレクタSSは、図8に示されるように、複数の遅延回路132の出力側の端子と、第三バスB13とを接続する。このセレクタSSは、どのような構成でもよいが、一例として、セレクタSSは、検査対象回路30の外部から制御される複数のトランジスタにより、複数の遅延回路132のうちいずれかの出力側の端子とを電気的に接続する構成とされている。
【0086】
その他の構成は、第二実施形態に係る集積回路110と同様である。
【0087】
(電源の状態の検出)
本実施形態では、第二フリップフロップ回路126に結果信号を出力する遅延回路132を、セレクタSSの接続関係を変更することにより選択する。ここで、上述のように複数の遅延回路132は、それぞれ異なる遅延時間が予め定められている。ここで、本変形例に係る集積回路110では、複数の遅延回路132のうち、検査時間CT内に第二フリップフロップ回路126から結果信号を出力する遅延回路132を選択する。
【0088】
この場合、選択された遅延回路132の遅延時間が予め定められていることから、第一電源S1の電圧値が変化しても、検査時間CT内に結果信号を出力させる遅延回路132の遅延時間から、第一電源S1の電圧値の下限値を求めることができる。
【0089】
また、本変形例に係る集積回路110では、複数の遅延回路132のうち、検査時間CT内に第二フリップフロップ回路126から結果信号が出力されない遅延回路132を選択することが可能であるとする。この場合、選択された遅延回路132の遅延時間が予め定められていることから、第一電源S1の電圧値が変化しても、検査時間CT内に結果信号を出力させない遅延回路132の遅延時間から、第一電源S1の電圧値の上限値を求めることができる。
【0090】
(作用及び効果)
このように、いずれかの遅延回路132を選択することにより、電源の電圧に基づいた遅延時間が予め定められた時間となった遅延回路132を得ることができる。したがって、本変形例に係る集積回路110によれば、遅延回路132に供給される電源の電圧が変化した場合においても、遅延時間が予め定められた時間となった遅延回路132から出力される結果信号に基づいて、電源の電圧を求めることができる。
【0091】
続いて、本実施形態における第二変形例を、図9を適宜参照しながら説明する。なお、第二変形例の構成において、第二実施形態に係る集積回路110と同様の構成については、第二実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する場合がある。
【0092】
(第二変形例)
(構成)
第二変形例に係る集積回路110では、第二実施形態の集積回路110に対し、検査時間CTを変更可能とされている。より具体的には、クロック供給回路CKから出力される矩形波の周波数、すなわち、矩形波における電圧の立上りから立下りまでの時間を変更可能とされている。
【0093】
その他の構成は、第二変形例に係る集積回路110と同様である。
【0094】
(電源の状態の検出)
本実施形態では、検査時間CTの長さを適宜変更して選択する。ここで、上述のように遅延回路132は、第一電源S1の電圧値に基づいて、遅延時間が変化する。
【0095】
例えば、本変形例に係る集積回路110では、図9(A)から図9(B)のように、第一電源S1の電圧値が低下して、遅延時間が長くなった場合においても、検査時間CTを変化させることで検査時間CT内に第二フリップフロップ回路126から結果信号を出力させることが可能であるとする。この場合、変化させた検査時間CT内に結果信号を出力させる遅延回路132の遅延時間から、第一電源S1の電圧値の上限値を求めることができる。
【0096】
また例えば、第一電源S1の電圧値が上昇して、遅延時間が短くなった場合においても、検査時間CTを変化させることで検査時間CT内に第二フリップフロップ回路126から結果信号を出力させないことが可能であるとする。この場合、変化させた検査時間CT内に結果信号を出力させる遅延回路132の遅延時間から、第一電源S1の電圧値の下限値を求めることができる。
【0097】
(作用及び効果)
このように、判別回路124が予め定められた時間の長さを変更可能とされている。このため、時間の長さを変更することにより、電源の電圧に基づいた遅延回路132の遅延時間が、変更された時間となったことを検出ことができる。したがって、この態様に係る集積回路110によれば、遅延回路132に供給される電源の電圧が変化した場合においても、検査信号及び変更された予め定められた時間から、電源の電圧を求めることができる。
【0098】
(その他の変形例)
なお、上述の説明では、第一フリップフロップ回路125、第二フリップフロップ回路126、及び基準フリップフロップ回路122は、いずれもD型とされていたが、本実施形態におけるフリップフロップ回路は、これに限らない。例えば、RS型、JK型及びT型のフリップフロップ回路を用いてもよい。
【0099】
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を説明したが、本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変形例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0100】
なお、以下に本開示の好ましい態様を更に示す。
【0101】
(付記1)
検査信号を出力する出力回路と、
電源から電力が供給され、前記検査信号が入力された場合に、前記検査信号及び前記電源の状態に基づいた結果信号を出力する論理回路と、
前記電源とは異なる他の電源から電力が供給され、前記出力回路及び前記論理回路から、それぞれ入力される前記検査信号及び前記結果信号に基づいて、前記論理回路の状態を判別する判別回路と、
を備える、集積回路。
【0102】
(付記2)
前記判別回路に対して並列に接続されるとともに、それぞれ前記電源とは異なる電源から電力が供給される複数の前記論理回路を備えるとともに、
前記出力回路は、前記複数の論理回路のそれぞれに前記検査信号を出力し、
前記判別回路は、前記検査信号及び、前記複数の論理回路のそれぞれから出力された複数の前記結果信号に基づいて、複数の前記論理回路の状態を判別する、
付記1に記載の、集積回路。
【0103】
(付記3)
直列に接続されるとともに、それぞれ前記電源とは異なる電源から電力が供給される複数の前記論理回路を備えるとともに、
前記出力回路は、前記直列に接続された複数の前記論理回路のうち、順の最初の前記論理回路に前記検査信号を出力し、
前記判別回路は、前記検査信号及び、前記直列に接続された複数の前記論理回路のうち、前記順の最後の前記論理回路から出力された前記結果信号に基づいて、複数の前記論理回路の状態を判別する、
付記1又は付記2に記載の、集積回路。
【0104】
(付記4)
前記論理回路は、前記電源からの電圧に基づいて遅延時間が変化する遅延回路であり、
前記判別回路は、前記検査信号が入力されてから予め定められた時間が経過した後に、前記論理回路の状態を判別する、
付記1から付記3のいずれか1に記載の、集積回路。
【0105】
(付記5)
前記論理回路は、複数の前記遅延回路を備え、
前記複数の遅延回路は、それぞれ異なる遅延時間が予め定められている、
付記4に記載の、集積回路。
【0106】
(付記6)
前記判別回路は、前記予め定められた時間の長さを変更可能とされている、
付記4又は付記5に記載の、集積回路。
【0107】
(付記7)
前記出力回路は、前記他の電源から電力が供給される、
付記1から付記6のいずれか1に記載の、集積回路。
【0108】
(付記8)
前記判別回路は、前記検査信号が入力される第一フリップフロップ回路と、前記結果信号が入力される第二フリップフロップ回路と、
を有する、付記1から付記7のいずれか1に記載の、集積回路。
【符号の説明】
【0109】
10 集積回路
20 基準回路
22 出力回路
24 判別回路
30 検査対象回路
32 論理回路
40 第二検査対象回路
42 第二論理回路
110 集積回路
122 基準フリップフロップ回路
124 判別回路
125 第一フリップフロップ回路
126 第二フリップフロップ回路
132 遅延回路(論理回路の一例)
CK クロック供給回路
CT 検査時間
S1 第一電源(電源の一例)
S2 第二電源(他の電源の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9