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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134466
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】車両制御装置および車両制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20240926BHJP
   B60W 30/182 20200101ALI20240926BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W30/182
B60L15/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044783
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 利幸
(72)【発明者】
【氏名】木曽 絢太
【テーマコード(参考)】
3D241
5H125
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA33
3D241BA59
3D241BA60
3D241BC01
3D241CC01
3D241CC08
3D241CD12
3D241CE04
3D241CE08
3D241DA13B
3D241DA13Z
3D241DA23Z
3D241DA39B
3D241DA39Z
3D241DB01Z
3D241DC25Z
3D241DC31Z
3D241DD02
3D241DD08Z
3D241DD12Z
5H125AA01
5H125CA08
5H125CA11
5H125CD02
5H125EE42
5H125EE47
5H125EE49
5H125EE55
5H125EE66
(57)【要約】
【課題】駐車場モードから通常モードへの切り替えを良好に行い得るようにする。
【解決手段】モード設定部により、第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードが通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定され、第2の条件を満たすことで駐車場モードに設定されている車両の走行モードが通常モードに設定される。第2の条件には、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作が含まれる。駐車場モードから通常モードへの切り替えを行う際に、例えば運転者が解除釦を押圧する操作を行わなくても済み、運転者の操作負担を軽減することが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードを前記通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定し、第2の条件を満たすことで前記駐車場モードに設定されている前記車両の走行モードを前記通常モードに設定するモード設定部を備え、
前記第2の条件は、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含む
車両制御装置。
【請求項2】
前記第2の条件は、運転者による前記駐車場モードの解除操作をさらに含む
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記解除操作は、解除釦の押圧操作である
請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記解除操作は、音声入力による操作である
請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記解除操作は、ジェスチャーによる操作である
請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記第2の条件は、前記第1の条件が、前記車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置することであるとき、前記駐車場に位置しないことをさらに含む
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記アクセルペダルによる加速操作は、前記車両が駐車場に位置しない場合における操作である
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記アクセルペダルによる加速操作は、前記車両の進行方向に障害物がない場合における操作である
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記第1の条件は、運転者による前記車両のイグニッションオン操作と前記車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、の双方を含むか、前記車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、のみを含む
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項10】
前記車両が前記駐車場に位置することは、前記車両の周辺環境情報から所定の状態が検出されることで判断される
請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記車両が前記駐車場に位置することは、前記車両の位置情報と、駐車場または自宅が登録された地図に基づいて、前記車両が前記駐車場または前記自宅に位置することが検出されることで判断される
請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項12】
前記車両が前記駐車場に位置することは、運転者による操作に基づいて判断される
請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項13】
前記車両が前記駐車場に位置することは、前記車両の過去の運行履歴または運転者の行動に基づく学習機能により判断される
請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項14】
前記モード設定部で設定された前記車両の走行モードに応じて前記車両の状態を制御する車両状態制御部をさらに備える
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項15】
前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、運転者によるリバースレンジまたはドライブレンジでのアクセルペダルによる閾値以上の加速操作をブレーキ操作に変換して前記車両を制動する
請求項14に記載の車両制御装置。
【請求項16】
前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、表示部にアラウンドビュー画像を表示する
請求項14に記載の車両制御装置。
【請求項17】
前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、シフト位置がリバースレンジまたはドライブレンジであるとき、前記シフト位置と運転者の挙動が対応していないとき、前記車両が動くことを抑制する
請求項14に記載の車両制御装置。
【請求項18】
前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、運転者によるアクセルペダルの応答を前記通常モードより弱めのトルクに設定する
請求項14に記載の車両制御装置。
【請求項19】
前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、クリープを前記通常モードより強めに設定する
請求項14に記載の車両制御装置。
【請求項20】
第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードを前記通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定し、第2の条件を満たすことで前記駐車場モードに設定されている前記車両の走行モードを前記通常モードに設定する手順を有し、
前記第2の条件は、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含む
車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、車両制御装置および車両制御方法に関し、詳しくは走行モードとして通常モードの他に通常モードより加速が制限される駐車場モードを有する車両に適用し得る車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢運転者を中心に、駐車場にてアクセルとブレーキを踏み間違えて急加速をすることで発生する事故が多くなっている。そのため、駐車場内での急加速を抑制し、事故を未然に防止することが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、アクセルペダルレス車両において、駐車場内と判定された場合に、通常モードより加速が制限される駐車場モード(駐車場専用モード)に設定すること、が開示されている。また、この特許文献1には、釦操作により駐車場モードから通常モードへの切り替えを行い得ること、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-131734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本技術の目的は、駐車場モードから通常モードへの切り替えを良好に行い得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の概念は、
第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードを前記通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定し、第2の条件を満たすことで前記駐車場モードに設定されている前記車両の走行モードを前記通常モードに設定するモード設定部を備え、
前記第2の条件は、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含む
車両制御装置にある。
【0007】
本技術においては、モード設定部により、第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードが通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定され、第2の条件を満たすことで駐車場モードに設定されている車両の走行モードが通常モードに設定される。そして、第2の条件には、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作が含まれる。
【0008】
例えば、第2の条件には、運転者による駐車場モードの解除操作をさらに含まれてもよい。この場合、例えば、解除操作は、解除釦の押圧操作、音声入力による操作またはジェスチャーによる操作であってもよい。このように第2の条件に運転者による前記駐車場モードの解除操作が含まれることで、運転者は直接的に駐車場モードから通常モードに切り替えることが可能となる。
【0009】
また、例えば、第2の条件は、第1の条件が、車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置することであるとき、駐車場に位置しないことをさらに含む、ようにされてもよい。この場合、車両が駐車場に位置しなくなると、駐車場モードから通常モードに自動的に切り替えられ、運転者の操作負担が軽減される。
【0010】
また、例えば、アクセルペダルによる加速操作は、車両が駐車場に位置しない場合における操作であってもよい。これにより、車両が駐車場に位置する場合には、アクセルペダルによる加速操作があっても駐車場モードから通常モードに切り替えられることはなく、加速制限が担保される。
【0011】
また、例えば、アクセルペダルによる加速操作は、車両の進行方向に障害物がない場合における操作であってもよい。これにより、車両の進行方向に障害物がある場合には、アクセルペダルによる加速操作があっても駐車場モードから通常モードに切り替えられることはなく、加速が制限され、障害物への衝突の回避が容易となる。
【0012】
また、例えば、第1の条件は、運転者による前記車両のイグニッションオン操作と車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、の双方を含むか、車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、のみを含む、ようにされてもよい。
【0013】
この場合、例えば、車両が駐車場に位置することは、車両の周辺環境情報から所定の状態が検出されることで判断されてもよい。また、この場合、例えば、車両が駐車場に位置することは、車両の位置情報と、駐車場または自宅が登録された地図に基づいて、車両が駐車場または自宅に位置することが検出されることで判断されてもよい。また、この場合、例えば、車両が駐車場に位置することは、運転者による操作に基づいて判断されてもよい。また、この場合、例えば、車両が駐車場に位置することは、車両の過去の運行履歴または運転者の行動に基づく学習機能により判断されてもよい。
【0014】
このように第1の条件に車両のイグニッションオン操作が含まれることで、車両の発進時には常に加速が制限される駐車場モードからのスタートとなるため、急発進による事故を回避することが可能となる。また、このように第1の条件に車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置することが含まれることで、車両が駐車場に位置する場合には常に加速が制限される駐車場モードとなることから、急加速による事故を回避することが可能となる。
【0015】
また、例えば、モード設定部で設定された車両の走行モードに応じて車両の状態を制御する車両状態制御部をさらに備える、ようにされてもよい。これにより、モード設定部で設定された車両の走行モードに応じて車両の状態を制御することが可能となる。
【0016】
この場合、例えば、車両状態制御部は、車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、運転者によるリバースレンジまたはドライブレンジでのアクセルペダルによる閾値以上の加速操作をブレーキ操作に変換して車両を制動する、ようにされてもよい。これにより、車両は急加速することなく停止されるので、急加速による事故を回避することが可能となる。
【0017】
また、この場合、例えば、車両状態制御部は、車両の走行モードが駐車場モードである場合、表示部にアラウンドビュー画像を表示する、ようにされてもよい。これにより、運転者は目視だけでは確認しにくい車両の周囲を表示部(ディスプレイ)において容易に確認することが可能となる。
【0018】
また、この場合、例えば、車両状態制御部は、車両の走行モードが駐車場モードである場合、シフト位置がリバースレンジまたはドライブレンジであるとき、シフト位置と運転者の挙動が対応していないとき、車両が動くことを抑制する、ようにされてもよい。これにより、運転者のシフト間違えにより、車両が意図しない方向に進むことを回避することが可能となる。
【0019】
また、この場合、例えば、車両状態制御部は、車両の走行モードが駐車場モードである場合、運転者によるアクセルペダルの応答を通常モードより弱めのトルクに設定する、ようにされてもよい。例えば、この場合のトルクは、坂や段差は乗り越えても、縁石を乗り越えない程度のトルクとされる。これにより、車両の加速を制限でき、急加速による事故を回避することが可能となる。
【0020】
また、この場合、例えば、車両状態制御部は、車両の走行モードが駐車場モードである場合、クリープを通常モードより強めに設定する、ようにされてもよい。駐車場モードではアクセルペダルによる加速操作をせずに走行することが想定されている場合、このようにクリープを強めに設定することで、例えば駐車場において、緩やかな坂や小さな段差を乗り越えることをスムーズに行うことができ、またある程度の速度でストレスなく走行を行うことが可能となる。
【0021】
このように本技術においては、駐車場モードに設定されている車両の走行モードを通常モードに設定する条件に、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含むものであり、例えば運転者が解除釦を押圧する操作を行わなくても済み、駐車場モードから通常モードへの切り替えにおける運転者の操作負担を軽減することが可能となる。
【0022】
また、本技術の他の概念は、
第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードを前記通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定し、第2の条件を満たすことで前記駐車場モードに設定されている前記車両の走行モードを前記通常モードに設定する手順を有し、
前記第2の条件は、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含む
車両制御方法にある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施の形態としての車両制御システムの構成例を示すブロック図である。
図2】ドライブレンジでアクセルペダルをゆっくり踏み続けること、の定義を説明するための図である。
図3】通常モードや駐車場モードに設定された場合における車両状態制御部を構成する車両制御部およびIVIシステムの設定の一例を示す図である。
図4】車両制御装置のモード設定部におけるモード設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5図4のフローチャートで示されるモード設定処理の処理手順によるモード遷移の一例を示す図である。
図6】車両制御装置のモード設定部におけるモード設定処理の処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図7図6のフローチャートで示されるモード設定処理の処理手順によるモード遷移の一例を示す図である。
図8図6のフローチャートで示されるモード設定処理の処理手順によるモード遷移の一例を示す図である。
図9】駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理の処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図11】駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理の処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図12】通常モードや駐車場モードに設定された場合における車両状態制御部を構成する車両制御部およびIVIシステムの設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
1-1.車両制御システムの構成
1-2.車両状態制御部の設定例
1-3.モード設定処理の手順例
1-4.駐車場モードの解除条件判断処理の手順例
1-5.車両状態制御部の設定処理の手順例
1-6.コンピュータのソフトウェアによる処理
2.変形例
【0025】
<1.実施の形態>
[1-1.車両制御システムの構成]
図1は、実施の形態としての車両制御システム10の構成例を示している。この車両制御システム10は、車両制御装置110と、車両制御部120と、IVI(in-vehicle infotainment)システム130と、ユーザ操作部140と、車外センサ151と、車内センサ152と、位置情報取得部153と、アクセル操作情報取得部154と、シフト位置情報取得部155を有している。
【0026】
車外センサ151は、車両の外部の状況を検出するための各種のセンサを備え、各センサからのセンサデータを車両制御装置110に供給する。車外センサ151が備えるセンサの種類や数は任意である。例えば、車外センサ151は、カメラ、レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)などを備える。
【0027】
車内センサ152は、車両の内部の状況を検出するための各種のセンサを備え、各センサからのセンサデータを車両制御装置110に供給する。車内センサ152が備えるセンサの種類や数は任意である。例えば、車内センサ152は、カメラ(インキャビンカメラ、ToF(Time of Flight)カメラ)、マイクロフォンなどを備える。
【0028】
位置情報取得部153は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からGNSS信号を受信して車両の位置情報を取得し、この位置情報を車両制御装置110に供給する。なお、位置情報取得部153は、GNSS信号を用いた方式に限定されず、例えば、ビーコンを用いて位置情報を取得してもよい。
【0029】
アクセル操作情報取得部154は、運転者によるアクセルペダルの操作量をアクセル操作情報として検出し、このアクセル操作情報を車両制御装置110に供給する。シフト位置情報取得部155は、運転者のシフトレバーの操作によるシフト位置情報を取得し、このシフト位置情報を車両制御装置110に供給する。
【0030】
ユーザ操作部140は、運転者が各種のデータや指示等を入力する部分であり、その入力情報は車両制御装置110に供給される。このユーザ操作部140は、タッチパネル、釦、スイッチ、レバー等の操作デバイスを備える。例えば、釦の一つとして、例えば、車両の走行モードを通常モードから加速が制限される駐車場モードに設定し、またはその駐車場モードを解除して通常モードに戻すためのモード設定/解除釦141を備えている。
【0031】
車両制御部120は、車両の各部を制御する。この車両制御部120は、車両状態制御部を構成している。この車両制御部120は、駆動制御部121、制動制御部(ブレーキ制御部)122などを備える。駆動制御部121は、車両の駆動システムの状態の検出および制御等を行う。駆動システムは、例えば、アクセルペダル、内燃機関または駆動用モータ等の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構等を備える。
【0032】
制動制御部122は、車両のブレーキシステムの状態の検出および制御等を行う。ブレーキシステムは、例えば、ブレーキペダル等を含むブレーキ機構、ABS(Antilock Brake System)、回生ブレーキ機構等を備える。
【0033】
IVIシステム130は、運転者や同乗者が必要とする情報や娯楽を提供する。このIVIシステム130は、車両状態制御部を構成している。このIVIシステム130は、表示制御部131、音声出力制御部132などを備えている。表示制御部131は、運転者や同乗者が必要とする情報や娯楽の表示情報を、表示部(モニター)に表示する。音声出力制御部132は、運転者や同乗者が必要とする情報や娯楽の音声情報を、音声出力部(スピーカー)から出力する。
【0034】
車両制御装置110は、車外センサ151、車内センサ152、位置情報取得部153、アクセル操作情報取得部154、シフト位置情報取得部155およびユーザ操作部140からの供給情報に基づいて制御情報を生成し、この制御情報を車両制御部120やIVIシステム130に供給する。車両制御部120やIVIシステム130は、車両制御装置110から供給される制御情報に基づいた車両制御や情報報知をする。
【0035】
この車両制御装置110は、センサデータ処理部111、モード設定部112などを備える。センサデータ処理部111は、車外センサ151や車内センサ152からのセンサデータを処理し、必要とする情報を取得する。
【0036】
例えば、センサデータ処理部111は、車外センサ151からのセンサデータに基づいて、周辺車両、歩行者、電柱などの障害物の存在や、その障害物の位置あるいはその障害物までの距離などの情報を取得する。また、例えば、センサデータ処理部111は、車内センサ152としてのカメラからの画像データに基づいて、運転者の挙動を示す情報を取得する。
【0037】
また、例えば、センサデータ処理部111は、車内センサ152としてのカメラからの画像データに基づいて、運転者が特定のジェスチャーを行っていることを検出して、特定の指示情報を取得する。また、例えば、センサデータ処理部111は、車内センサ152としてのマイクロフォンからの音声データに基づいて、運転者が特定の音声を発していることを検出して、特定の指示情報を取得する。
【0038】
モード設定部112は、位置情報取得部153、アクセル操作情報取得部154、シフト位置情報取得部155およびユーザ操作部140からの供給情報、さらにはセンサデータ処理部111で取得された情報に基づいて、モード設定をする。
【0039】
この場合、モード設定部112は、第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードを通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定し、第2の条件を満たすことで駐車場モードに設定されている車両の走行モードを通常モードに設定する。
【0040】
上述の第1の条件は、運転者による車両のイグニッションオン操作と車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、の双方を含むか、車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、のみを含んでいてもよい。このように第1の条件に車両のイグニッションオン操作が含まれることで、車両の発進時には常に加速が制限される駐車場モードからのスタートとなるため、急発進による事故を回避することが可能となる。また、このように第1の条件に車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置することが含まれることで、車両が駐車場に位置する場合には常に加速が制限される駐車場モードとなることから、急加速による事故を回避することが可能となる。
【0041】
例えば、車両が駐車場に位置することは、車両の周辺環境情報から所定の状態が検出されることで判断されてもよい。所定の状態とは、例えば、駐車場のバーが上がって車両が駐車場の内部に入ったこと、車両が車止め(縁石)にゆっくり近づいていること、などである。
【0042】
また、例えば、車両が駐車場に位置することは、車両の位置情報と、駐車場または自宅が登録された地図に基づいて、車両が駐車場または自宅に位置することが検出されることで判断されてもよい。また、例えば、車両が駐車場に位置することは、運転者による操作に基づいて判断されてもよい。この運転者による操作は、設定釦の押圧操作、音声入力による操作、ジェスチャーによる操作などが考えられる。この設定釦の押圧操作には、例えば、自動駐車機能を有する車両における自動駐車操作釦(パーキング釦)の押圧操作が含まれてもよい。
【0043】
なお、自動駐車機能を用いて車両を駐車させる場合、車止め(縁石)と少し間を離して停止させるように制御されてもよい。このように制御されることで、駐車後、再始動時に、シフト間違えによってリバースレンジにある場合、車両は車止めの方向に進んで車止めにぶつかるため、この車止めにぶつかった衝撃により運転者にシフト間違えを気付かせることが可能となる。また、車両を車止めと少し間を離して停止させるように制御されることで、駐車後、再始動時に、シフト間違えによってリバースレンジにある場合、インパネ(インスツルメントパネル)のディスプレイに表示されるリアカメラの映像に車止めが映っているため、これによっても、運転者にシフト間違えを気付かせることが可能となる。
【0044】
これに対して、駐車時に車両が車止めに接触した状態で停止されている場合、車止めにぶつかった衝撃により運転者にシフト間違えを気付かせる、あるいはインパネのディスプレイに表示されるリアカメラの映像に車止めが映っていることにより運転者にシフト間違えを気付かせるということができなく、運転者がアクセルペダルを踏み、車両が車止めを乗り越えてしまうおそれがある。
【0045】
また、例えば、車両が駐車場に位置することは、車両の過去の運行履歴または運転者の行動に基づく、例えばAI(artificial intelligence)などの学習機能により判断されてもよい。ここで、車両の過去の運行履歴には、過去に駐車場と判断された場所とか時間帯とかの情報が含まれる。また、運手者の行動には、頻繁に振り返るなど、車両が駐車場に位置している場合における特有の行動が含まれる。
【0046】
上述の第2の条件は、ドライブレンジ(Dレンジ)でのアクセルペダルによる加速操作を含んでいてもよい。これにより、例えば運転者が解除釦を押圧する操作を行わなくても済み、駐車場モードから通常モードへの切り替えにおける運転者の操作負担を軽減することが可能となる。なお、リバースレンジ(Rレンジ)でのアクセルペダルによる加速操作は、第2の条件、つまり駐車場モードの解除条件には含まれない。これは、リバースレンジは駐車場で駐車する際に頻繁に用いられるからである。
【0047】
この加速操作は、例えば、ドライブレンジでアクセルペダルをゆっくり踏み続けること、とされる。ここで、「アクセルペダルをゆっくり踏み続ける」とは、例えば、以下の(1)、(2)を満たす状態である。
【0048】
(1)アクセルペダルが踏まれていない状態から、アクセル開度が第1の閾値A1の状態まで到達するまでの踏み込み速度(図2のt0-t1の傾き)が一定以下であること。
(2)アクセル開度について、第1の閾値A1以上かつ第2の閾値A2未満の状態が、一定時間以上維持されること(図2のt1-t2が一定時間以上)。
【0049】
第2の条件としてのドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作は、上述のアクセルペダルをゆっくり踏み続けることに限定されるものではない。例えば、上述の(2)のみを満たす状態とされてもよい。
【0050】
なお、第2の条件は、運転者による駐車場モードの解除操作をさらに含んでいてもよい。この解除操作としては、解除釦の押圧操作、音声入力による操作、ジェスチャーによる操作などが考えられる。また、解除操作としては、例えば、スポーツモードを備える車両において、運転者がシフトレバーをスポーツモードに入れる場合も想定される。これは、運転者が意図的に急加速する意思表示と考えられるからである。このように第2の条件に運転者による駐車場モードの解除操作が含まれることで、運転者は直接的に駐車場モードから通常モードに切り替えることが可能となる。
【0051】
また、第2の条件は、第1の条件が、車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置することであるとき、駐車場に位置しないことをさらに含んでいてもよい。この場合、車両が駐車場に位置しなくなると、駐車場モードから通常モードに自動的に切り替えられ、運転者の操作負担が軽減される。
【0052】
駐車場に位置しないことも、上述した駐車場に位置することと同様に、判断することが可能である。
【0053】
例えば、車両が駐車場に位置しないことは、車両の周辺環境情報から所定の状態が検出されることで判断されてもよい。所定の状態とは、例えば、駐車場のバーが上がって車両が駐車場の外部に出たこと、車両が車止め(縁石)から離れていること、などである。また、例えば、車両が駐車場に位置しないことは、車両の位置情報と、駐車場または自宅が登録された地図に基づいて、車両が駐車場または自宅に位置しないことが検出されることで判断されてもよい。
【0054】
また、例えば、車両が駐車場に位置しないことは、運転者による操作に基づいて判断されてもよい。また、例えば、車両が駐車場に位置しないことは、車両の過去の運行履歴または運転者の行動に基づき、例えばAIなどの学習機能により判断されてもよい。
【0055】
また、上述のアクセルペダルによる加速操作は、車両が駐車場に位置しない場合における操作であってもよい。これにより、車両が駐車場に位置する場合には、アクセルペダルによる加速操作があっても駐車場モードから通常モードに切り替えられることはなく、加速制限が担保される。
【0056】
また、上述のアクセルペダルによる加速操作は、車両の進行方向に障害物がない場合における操作であってもよい。この場合、障害物は、例えば周辺車両、歩行者、電柱などであって、自車両の進行方向から所定の距離(例えば30m)以内に存在するものとされる。これにより、車両の進行方向に障害物がある場合には、アクセルペダルによる加速操作があっても駐車場モードから通常モードに切り替えられることはなく、加速が制限され、障害物への衝突の回避が容易となる。
【0057】
[1-2.車両状態制御部の設定例]
図3は、通常モードや駐車場モードに設定された場合における車両状態制御部を構成する車両制御部120およびIVIシステム130の設定の一例を示している。
【0058】
アクセルペダルの応答に関して、通常モードにおいては通常のトルクに設定されるが、駐車場モードにおいては坂や段差は乗り越えても、車止め(縁石)を乗り越えない程度のトルク、つまり通常モードより弱めのトルクに設定される。これにより、駐車場モードにおいては、車両の加速を制限でき、急加速による事故を回避することが可能となる。
【0059】
また、アクセルペダルの応答に関して、駐車場モードにおいては、急なアクセルペダルの踏み込み、つまりリバースレンジまたはドライブレンジでのアクセルペダルによる閾値以上の加速操作を、ブレーキ操作に変換する。これにより、駐車場モードにおいては、車両は急加速することなく停止されるので、急加速による事故を回避することが可能となる。
【0060】
また、インパネ表示、つまりインスツルメントパネルのディスプレイ(表示部)における表示に関して、通常モードにおいてはマップ等の通常表示が行われるが、駐車場モードにおいてはアラウンドビュー画像が表示される。ここで、アラウンドビュー画像とは、車両を上から見たような映像であり、鳥瞰画像等の他の言い方をする場合もある。これにより、駐車場モードにおいては、運転者は目視だけでは確認しにくい車両の周囲をディスプレイにおいて容易に確認することが可能となる。
【0061】
また、リバースレンジ選択時やドライブレンジ選択時に関して、通常モードにおいては車両の後退や前進に制限はないが、駐車場モードにおいてはシフト位置と運転者の挙動が対応していないときは車両が動くことを抑制するように設定される。例えば、駐車場モードでリバースレンジ選択時の場合、運転者が後方、ミラーまたはリアビュー画像をみたこと、つまり後方視認状態が検出されたら、後退開始とされる。また、例えば、駐車場モードでドライブレンジ選択時の場合、運転者が前方を見たこと、つまり前方視認状態が検出されたら、前進開始とされる。これにより、駐車場モードにおいては、運転者のシフト間違えにより、車両が意図しない方向に進むことを回避することが可能となる。
【0062】
また、クリープ(クリープ現象)に関して、通常モードにおいては通常の強さに設定されるが、駐車場モードにおいては通常モードより強めに設定される。駐車場モードではアクセルペダルによる加速操作をせずに走行することが想定される。この場合、クリープを強めに設定することで、例えば駐車場において、緩やかな坂や小さな段差を乗り越えることをスムーズに行うことができ、またある程度の速度でストレスなく走行を行うことが可能となる。
【0063】
なお、駐車場モードに設定された場合、IVIシステム130において、駐車場モードに設定されたこと、またこの駐車場モードでは原則としてアクセルペダルを踏まないで操作すべきこと、を運転者に、表示または音声出力で、報知するようにされてもよい。これにより、運転者は、駐車場モードに設定されたことを認識でき、またこの駐車場モードでは原則としてアクセルペダルを踏まないで操作すべきことを容易に認識できる。
【0064】
また、このように駐車場モードに設定された場合、IVIシステム130において、この駐車場モードの解除方法を、運転者に、表示または音声出力で、報知するようにされてもよい。例えば、「ドライブレンジでアクセルペダルをゆっくり踏み続けることで駐車場モードを解除できます。」、あるいは「解除操作(解除釦の押圧操作、音声入力による操作、ジェスチャーによる操作など)を行うことで駐車場モードを解除できます。」などの表示または音声出力をしてもよい。
【0065】
[1-3.モード設定処理の手順例]
図4のフローチャートは、車両制御装置110のモード設定部112におけるモード設定処理の処理手順の一例を示している。この例は、上述の第1の条件、つまり駐車場モードの設定条件として、運転者によるイグニッションオン操作と、車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、の双方を含むものである。
【0066】
モード設定部112は、ステップST1において、イグニッションオン(IGオン)とされることで、つまり運転者によりイグニッションオンの操作がされることで、処理を開始する。なお、イグニッションオフの状態では、車両の走行モードは通常モードに設定されている。
【0067】
次に、モード設定部112は、ステップST2において、通常モードから駐車場モードに遷移させる。次に、モード設定部112は、ステップST3において、駐車場モードの解除条件を満たすか否かを判断する。
【0068】
駐車場モードの解除条件を満たすと判断する場合、モード設定部112は、ステップST4において、駐車場モードから通常モードに遷移させる。次に、モード設定部112は、ステップST5において、駐車場か、つまり車両が駐車場に位置するか否かを判断する。この場合、ステップST3で車両が駐車場に位置した状態で解除条件を満たしたとき、例えば運転者の解除操作により、あるいはドライブレンジでアクセルペダルがゆっくり踏み続けられることにより解除条件を満たしたときには、車両が駐車場に位置しても、駐車場でないと判断する。これにより、駐車場モードの解除条件を満たして駐車場モードから通常モードに遷移させた場合に、直ちに駐車場モードに戻ってしまうことを回避できる。
【0069】
駐車場であると判断する場合、モード設定部112は、ステップST6において、通常モードから駐車場モードに遷移させる。そして、このステップST6の処理の後、モード設定部112は、ステップST3の処理に戻る。
【0070】
上述のステップST5で駐車場でないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST7において、イグニッションオフ(IGオフ)か、つまりイグニッションオフ操作がされたか否かを判断する。イグニッションオフでないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST5の処理に戻る。一方、イグニッションオフであると判断する場合、モード設定部112は、ステップST8において、処理を終了する。
【0071】
また、上述のステップST3で駐車場モードの解除条件を満たさないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST9において、イグニッションオフ(IGオフ)か、つまりイグニッションオフ操作がされたか否かを判断する。イグニッションオフでないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST3の処理に戻る。一方、イグニッションオフであると判断する場合、モード設定部112は、ステップST10において、駐車場モードを通常モードに遷移させ、その後、ステップST8において、処理を終了する。
【0072】
図5(a)~(c)は、図4のフローチャートで示されるモード設定処理の処理手順によるモード遷移の一例を示している。
【0073】
図5(a)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t11でイグニッションオンとされ、この時点t11で通常モードから駐車場モードに遷移する。次に、時点t12で駐車場モード解除条件を満たすと判断され、この時点t12で駐車場モードから通常モードに遷移する。次に、時点t13で駐車場と判断され、この時点t13で通常モードから駐車場モードに遷移する。そして、時点t14でイグニッションオフとされ、この時点t14で駐車場モードから通常モードに遷移する。
【0074】
図5(b)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t21でイグニッションオンとされ、この時点t21で通常モードから駐車場モードに遷移する。次に、時点t22で駐車場モード解除条件を満たすと判断され、この時点t22で駐車場モードから通常モードに遷移している。そして、時点t23でイグニッションオフとされる。この場合、既に通常モードにあることから、モード遷移はしない。
【0075】
図5(c)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t31でイグニッションオンとされ、この時点t31で通常モードから駐車場モードに遷移する。そして、時点t32でイグニッションオフとされ、この時点t32で駐車場モードから通常モードに遷移する。
【0076】
図6のフローチャートは、車両制御装置110のモード設定部112におけるモード設定処理の手順の他の一例を示している。この例は、上述の第1の条件、つまり駐車場モードの設定条件として、車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、のみを含むものである。
【0077】
モード設定部112は、ステップST11において、イグニッションオン(IGオン)とされることで、つまり運転者によりイグニッションオンの操作がされることで、処理を開始する。なお、イグニッションオフの状態では、車両の走行モードは通常モードに設定されている。
【0078】
次に、モード設定部112は、ステップST12において、駐車場か、つまり車両が駐車場に位置するか否かを判断する。駐車場であると判断する場合、モード設定部112は、ステップST13において、通常モードから駐車場モードに遷移させる。
【0079】
次に、モード設定部112は、ステップST14において、駐車場モードの解除条件を満たすか否かを判断する。駐車場モードの解除条件を満たすと判断する場合、モード設定部112は、ステップST15において、駐車場モードから通常モードに遷移させる。そして、このステップST15の処理の後、モード設定部112は、ステップST12の処理に戻る。この場合、ステップST14で車両が駐車場に位置した状態で解除条件を満たしたとき、例えば運転者の解除操作により、あるいはドライブレンジでアクセルペダルがゆっくり踏み続けられることにより解除条件を満たしたときには、車両が駐車場に位置しても、駐車場でないと判断する。これにより、駐車場モードの解除条件を満たして駐車場モードから通常モードに遷移させた場合に、直ちに駐車場モードに戻ってしまうことを回避できる。
【0080】
上述のステップST14で駐車場モードの解除条件を満たさないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST16において、イグニッションオフ(IGオフ)か、つまりイグニッションオフ操作がされたか否かを判断する。イグニッションオフでないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST14の処理に戻る。一方、イグニッションオフであると判断する場合、モード設定部112は、ステップST17において、駐車場モードから通常モードに遷移させ、その後、ステップST18において、処理を終了する。
【0081】
また、上述のステップST12で駐車場でないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST19において、イグニッションオフ(IGオフ)か、つまりイグニッションオフ操作がされたか否かを判断する。イグニッションオフでないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST12の処理に戻る。一方、イグニッションオフであると判断する場合、モード設定部112は、ステップST18において、処理を終了する。
【0082】
図7(a)~(c)、図8(a)~(d)は、図6のフローチャートで示されるモード設定処理の処理手順によるモード遷移の一例を示している。図7(a)~(c)は、イグニッションオン時に車両が駐車場に位置する場合の例である。一方、図8(a)~(d)は、イグニッションオン時に車両が駐車場に位置しない場合の例である。
【0083】
図7(a)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t11でイグニッションオンとされると共に駐車場と判断され、この時点t11で通常モードから駐車場モードに遷移する。次に、時点t12で駐車場モード解除条件を満たすと判断され、この時点t12で駐車場モードから通常モードに遷移する。次に、時点t13で駐車場と判断され、この時点t13で通常モードから駐車場モードに遷移する。そして、時点t14でイグニッションオフとされ、この時点t14で駐車場モードから通常モードに遷移する。
【0084】
図7(b)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t21でイグニッションオンとされると共に駐車場と判断され、この時点t21で通常モードから駐車場モードに遷移する。次に、時点t22で駐車場モード解除条件を満たすと判断され、この時点t22で駐車場モードから通常モードに遷移する。そして、時点t23でイグニッションオフとされる。この場合、既に通常モードにあることから、モード遷移はしない。
【0085】
図7(c)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t31でイグニッションオンとされると共に駐車場と判断され、この時点t31で通常モードから駐車場モードに遷移する。そして、時点t32でイグニッションオフとされ、この時点t32で駐車場モードから通常モードに遷移する。
【0086】
図8(a)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t41でイグニッションオンとされる。この時点t41で車両は駐車場に位置しないので、モード遷移はしない。次に、時点t42で駐車場と判断され、この時点t42で通常モードから駐車場モードに遷移する。次に、時点t43で駐車場モード解除条件を満たすと判断され、この時点t43で駐車場モードから通常モードに遷移する。次に、時点t44で駐車場と判断され、この時点t44で通常モードから駐車場モードに遷移する。そして、時点t45でイグニッションオフとされ、この時点t45で駐車場モードから通常モードに遷移する。
【0087】
図8(b)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t51でイグニッションオンとされる。この時点t51で車両は駐車場に位置しないので、モード遷移はしない。次に、時点t52で駐車場と判断され、この時点t52で通常モードから駐車場モードに遷移する。次に、時点t53で駐車場モード解除条件を満たすと判断され、この時点t53で駐車場モードから通常モードに遷移する。そして、時点t54でイグニッションオフとされる。この場合、既に通常モードにあることから、モード遷移はしない。
【0088】
図8(c)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t61でイグニッションオンとされる。この時点t61で車両は駐車場に位置しないので、モード遷移はしない。次に、時点t62で駐車場と判断され、この時点t62で通常モードから駐車場モードに遷移する。そして、時点t63でイグニッションオフとされ、この時点t63で駐車場モードから通常モードに遷移する。
【0089】
図8(d)で示されるモード遷移例について説明する。まず、時点t71でイグニッションオンとされる。この時点t71で車両は駐車場に位置しないので、モード遷移はしない。そして、時点t72でイグニッションオフとされる。この場合、既に通常モードにあることから、モード遷移はしない。
【0090】
[1-4.駐車場モードの解除判断処理の手順例]
図9のフローチャートは、図4のステップST3および図6のステップST14における駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理の処理手順の一例を示している。
【0091】
まず、モード設定部112は、ステップST21において、処理を開始する。次に、モード設定部112は、ステップST22において、運転者による駐車場モードの解除操作(解除釦の押圧操作、音声入力による操作、ジェスチャーによる操作など)があるか否かを判断する。解除操作があると判断する場合、モード設定部112は、ステップST23において、解除条件を満たすと判断し、その後、ステップST24において、処理を終了する。
【0092】
上述のステップST22で解除操作がないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST25において、駐車場か、つまり車両が駐車場に位置するか否かを判断する。駐車場であると判断する場合、モード設定部112は、ステップST26において、解除条件を満たさないと判断し、その後、ステップST24において、処理を終了する。
【0093】
上述のステップST25で駐車場でないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST27において、進行方向に障害物があるか否かを判断する。進行方向に障害物があると判断する場合、モード設定部112は、ステップST26において、解除条件を満たさないと判断し、その後、ステップST24において、処理を終了する。
【0094】
上述のステップST27で進行方向に障害物がないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST28において、ドライブレンジ(Dレンジ)でアクセルペダルをゆっくり踏み続けているか否かを判断する(図2参照)。アクセルペダルをゆっくり踏み続けていないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST26において、解除条件を満たさないと判断し、その後、ステップST24において、処理を終了する。
【0095】
上述のステップST28でアクセルペダルをゆっくり踏み続けていると判断する場合、モード設定部112は、ステップST23において、解除条件を満たすと判断し、その後、ステップST24において、処理を終了する。
【0096】
図9のフローチャートが示す駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理では、運転者による駐車場モードの解除操作がある場合、あるいは運転者による駐車場モードの解除操作はないが、駐車場ではなく、進行方向に障害物がなく、ドライブレンジ(Dレンジ)でアクセルペダルがゆっくり踏み続けてられている場合、解除条件を満たすと判断される。
【0097】
ここで、アクセルペダルがゆっくり踏み続けてられている場合を解除条件とするのは、解除操作、例えば解除釦の押圧操作を煩わしく感じる運転者がいる可能性があるためである。イグニッションオンで駐車場モードとなるモード設定処理が行われる場合、例えば、道路の路肩に駐車し、イグニッションオフにし、再度イグニッションオンにするケースでは、すぐに通常走行したくても駐車場モードからスタートすることになる。そのような場合に、ドライブレンジでアクセルペダルをゆっくり踏み続けることをトリガーとして通常モードに遷移できれば、急加速を抑制しつつ、運転者の手を煩わすことなく通常走行できるようになる。
【0098】
また、例えば、広大な敷地の駐車場で、かつ周囲に車両がほとんどいない状況においては、ある程度の速度で走行したいというニーズが考えられる。そのような場合に、ドライブレンジでアクセルペダルをゆっくり踏み続けることをトリガーとして通常モードに遷移できれば、急加速を抑制しつつ、運転者の手を煩わすことなく通常走行できるようになる。
【0099】
図10のフローチャートは、図4のステップST3および図6のステップST14における駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理の処理手順の他の一例を示している。
【0100】
まず、モード設定部112は、ステップST31において、処理を開始する。次に、モード設定部112は、ステップST32において、運転者による駐車場モードの解除操作(解除釦の押圧操作、音声入力による操作、ジェスチャーによる操作など)があるか否かを判断する。解除操作があると判断する場合、モード設定部112は、ステップST33において、解除条件を満たすと判断し、その後、ステップST34において、処理を終了する。
【0101】
上述のステップST32で解除操作がないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST35において、進行方向に障害物があるか否かを判断する。進行方向に障害物があると判断する場合、モード設定部112は、ステップST36において、解除条件を満たさないと判断し、その後、ステップST34において、処理を終了する。
【0102】
上述のステップST35で進行方向に障害物がないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST37において、ドライブレンジ(Dレンジ)でアクセルペダルをゆっくり踏み続けているか否かを判断する(図2参照)。アクセルペダルをゆっくり踏み続けていないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST36において、解除条件を満たさないと判断し、その後、ステップST34において、処理を終了する。
【0103】
上述のステップST37でアクセルペダルをゆっくり踏み続けていると判断する場合、モード設定部112は、ステップST33において、解除条件を満たすと判断し、その後、ステップST34において、処理を終了する。
【0104】
図10のフローチャートが示す駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理では、運転者による駐車場モードの解除操作がある場合、あるいは運転者による駐車場モードの解除操作はないが、進行方向に障害物がなく、ドライブレンジ(Dレンジ)でアクセルペダルがゆっくり踏み続けてられている場合、解除条件を満たすと判断される。
【0105】
図11のフローチャートは、図6のステップST14における駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理の処理手順の一例を示している。
【0106】
まず、モード設定部112は、ステップST41において、処理を開始する。次に、モード設定部112は、ステップST42において、運転者による駐車場モードの解除操作(解除釦の押圧操作、音声入力による操作、ジェスチャーによる操作など)があるか否かを判断する。解除操作があると判断する場合、モード設定部112は、ステップST43において、解除条件を満たすと判断し、その後、ステップST44において、処理を終了する。
【0107】
上述のステップST42で解除操作がないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST45において、駐車場か、つまり車両が駐車場に位置するか否かを判断する。駐車場でないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST43において、解除条件を満たすと判断し、その後、ステップST44において、処理を終了する。
【0108】
上述のステップST45で駐車場であると判断する場合、モード設定部112は、ステップST46において、進行方向に障害物があるか否かを判断する。進行方向に障害物があると判断する場合、モード設定部112は、ステップST47において、解除条件を満たさないと判断し、その後、ステップST44において、処理を終了する。
【0109】
上述のステップST46で進行方向に障害物がないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST48において、ドライブレンジ(Dレンジ)でアクセルペダルをゆっくり踏み続けているか否かを判断する(図2参照)。アクセルペダルをゆっくり踏み続けていないと判断する場合、モード設定部112は、ステップST47において、解除条件を満たさないと判断し、その後、ステップST44において、処理を終了する。
【0110】
上述のステップST48でアクセルペダルをゆっくり踏み続けていると判断する場合、モード設定部112は、ステップST43において、解除条件を満たすと判断し、その後、ステップST44において、処理を終了する。
【0111】
図11のフローチャートが示す駐車場モードの解除条件を満たすか否かの判断処理では、運転者による駐車場モードの解除操作がある場合、あるいは運転者による駐車場モードの解除操作はなく、かつ駐車場であっても、進行方向に障害物がなく、ドライブレンジ(Dレンジ)でアクセルペダルがゆっくり踏み続けてられている場合、解除条件を満たすと判断される。
【0112】
[1-5.車両状態制御部の設定処理の手順例]
図12のフローチャートは、通常モードや駐車場モードに設定された場合における車両状態制御部を構成する車両制御部120およびIVIシステム130の設定処理の処理手順の一例を示している。
【0113】
まず、ステップST51において、処理を開始する。次に、車両状態制御部は、ステップST52において、通常モードであるか駐車場モードであるかを判断する。通常モードであると判断するとき、車両状態制御部は、ステップST53において、アクセルペダルの応答を通常トルクに設定する。
【0114】
次に、車両状態制御部は、ステップST54において、インパネ表示をマップ等の通常表示に設定する。次に、車両状態制御部は、ステップST55において、リバースレンジ選択時における後退開始を制限なしに設定する。次に、車両状態制御部は、ステップST56において、ドライブレンジ選択時における前進開始を制限なしに設定する。
【0115】
次に、車両状態制御部は、ステップST57において、クリープ(クリープ現象)を、通常の強さに設定する。その後、車両状態制御部は、ステップST58において、処理を終了する。
【0116】
また、上述のステップST52で駐車場モードであると判断する場合、車両状態制御部は、ステップST59において、アクセルペダルの応答を通常より弱めのトルクに設定し、また急なアクセルペダルの踏み込み、つまりリバースレンジおよびドライブレンジでのアクセルペダルによる閾値以上の加速操作を、ブレーキ操作に変換するように設定する。
【0117】
次に、車両状態制御部は、ステップST60において、インパネ表示をアラウンドビュー表示に設定する。次に、車両状態制御部は、ステップST61において、リバースレンジ選択時は後方視認状態で後退を開始するように設定する。次に、車両状態制御部は、ステップST62において、ドライブレンジ選択時は前方視認状態で前進を開始するように設定する。次に、車両状態制御部は、ステップST63において、クリープ(クリープ現象)を、通常より強めに設定する。その後、車両状態制御部は、ステップST58において、処理を終了する。
【0118】
以上説明したように、図1に示す車両制御システム10において、車両制御装置110のモード設定部112が駐車場モードに設定されている車両の走行モードを通常モードに設定する条件に、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含むものであり、例えば運転者が解除釦を押圧する操作を行わなくても済み、駐車場モードから通常モードへの切り替えにおける運転者の操作負担を軽減することが可能となる。
【0119】
「1-6.コンピュータのソフトウェアによる処理」
上述の図4図6図9図12のフローチャートに示す処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0120】
図13は、コンピュータ400のハードウェア構成例を示すブロック図である。コンピュータ400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、バス404と、入出力インタフェース405と、入力部406と、出力部407と、記憶部408と、ドライブ409と、接続ポート410と、通信部411を有している。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0121】
CPU401は、例えば、演算処理装置または制御装置として機能し、ROM402、RAM403、記憶部408、またはリムーバブル記録媒体501に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。
【0122】
ROM402は、CPU401に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM403には、例えば、CPU401に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的または永続的に格納される。
【0123】
CPU401、ROM402、RAM403は、バス404を介して相互に接続される。一方、バス404には、インタフェース405を介して種々の構成要素が接続される。
【0124】
入力部406には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、釦、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部406としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0125】
出力部407には、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、又は有機EL等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。
【0126】
記憶部408は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部408としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等が用いられる。
【0127】
ドライブ409は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体501に記録された情報を読み出し、またはリムーバブル記録媒体501に情報を書き込む装置である。
【0128】
リムーバブル記録媒体501は、例えば、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体501は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、または電子機器等であってもよい。
【0129】
接続ポート410は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、または光オーディオ端子等のような外部接続機器502を接続するためのポートである。外部接続機器502は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、またはICレコーダ等である。
【0130】
通信部411は、ネットワーク503に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線または無線LAN、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または各種通信用のモデム等である。
【0131】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0132】
<2.変形例>
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0133】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0134】
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードを前記通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定し、第2の条件を満たすことで前記駐車場モードに設定されている前記車両の走行モードを前記通常モードに設定するモード設定部を備え、
前記第2の条件は、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含む
車両制御装置。
(2)前記第2の条件は、運転者による前記駐車場モードの解除操作をさらに含む
前記(1)に記載の車両制御装置。
(3)前記解除操作は、解除釦の押圧操作である
前記(2)に記載の車両制御装置。
(4)前記解除操作は、音声入力による操作である
前記(2)または(3)に記載の車両制御装置。
(5)前記解除操作は、ジェスチャーによる操作である
前記(2)から(4)のいずれかに記載の車両制御装置。
(6)前記第2の条件は、前記第1の条件が、前記車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置することであるとき、前記駐車場に位置しないことをさらに含む
前記(1)から(5)のいずれかに記載の車両制御装置。
(7)前記アクセルペダルによる加速操作は、前記車両が駐車場に位置しない場合における操作である
前記(1)から(6)のいずれかに記載の車両制御装置。
(8)前記アクセルペダルによる加速操作は、前記車両の進行方向に障害物がない場合における操作である
前記(1)から(7)に記載の車両制御装置。
(9)前記第1の条件は、運転者による前記車両のイグニッションオン操作と前記車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、の双方を含むか、前記車両がイグニッションオンの状態で駐車場に位置すること、のみを含む
前記(1)から(8)のいずれかに記載の車両制御装置。
(10)前記車両が前記駐車場に位置することは、前記車両の周辺環境情報から所定の状態が検出されることで判断される
前記(9)に記載の車両制御装置。
(11)前記車両が前記駐車場に位置することは、前記車両の位置情報と、駐車場または自宅が登録された地図に基づいて、前記車両が前記駐車場または前記自宅に位置することが検出されることで判断される
前記(9)または(10)に記載の車両制御装置。
(12)前記車両が前記駐車場に位置することは、運転者による操作に基づいて判断される
前記(9)から(11)のいずれかに記載の車両制御装置。
(13)前記車両が前記駐車場に位置することは、前記車両の過去の運行履歴または運転者の行動に基づく学習機能により判断される
前記(9)から(12)のいずれかに記載の車両制御装置。
(14)前記モード設定部で設定された前記車両の走行モードに応じて前記車両の状態を制御する車両状態制御部をさらに備える
前記(1)から(13)のいずれかに記載の車両制御装置。
(15)前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、運転者によるリバースレンジまたはドライブレンジでのアクセルペダルによる閾値以上の加速操作をブレーキ操作に変換して前記車両を制動する
前記(14)に記載の車両制御装置。
(16)前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、表示部にアラウンドビュー画像を表示する
前記(14)または(15)に記載の車両制御装置。
(17)前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、シフト位置がリバースレンジまたはドライブレンジであるとき、前記シフト位置と運転者の挙動が対応していないとき、前記車両が動くことを抑制する
前記(14)から(16)のいずれかに記載の車両制御装置。
(18)前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、運転者によるアクセルペダルの応答を前記通常モードより弱めのトルクに設定する
前記(14)から(17)のいずれかに記載の車両制御装置。
(19)前記車両状態制御部は、前記車両の走行モードが前記駐車場モードである場合、クリープを前記通常モードより強めに設定する
前記(14)から(18)のいずれかに記載の車両制御装置。
(20)第1の条件を満たすことで通常モードに設定されている車両の走行モードを前記通常モードより加速が制限される駐車場モードに設定し、第2の条件を満たすことで前記駐車場モードに設定されている前記車両の走行モードを前記通常モードに設定する手順を有し、
前記第2の条件は、ドライブレンジでのアクセルペダルによる加速操作を含む
車両制御方法。
【符号の説明】
【0135】
10・・・車両制御システム
110・・・車両制御装置
111・・・センサデータ処理部
112・・・モード設定部
120・・・車両制御部
121・・・駆動制御部
122・・・制動制御部
130・・・IVIシステム
131・・・表示制御部
132・・・音声出力制御部
140・・・ユーザ操作部
141・・・モード設定/解除釦
151・・・車外センサ
152・・・車内センサ
153・・・位置情報取得部
154・・・アクセル操作情報取得部
155・・・シフト位置情報取得部
図1
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