(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134469
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】嵌合システム、嵌合機構、及び制御装置
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20240926BHJP
B25J 15/00 20060101ALI20240926BHJP
B25J 9/16 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B65B7/28 N
B25J15/00 F
B65B7/28 P
B25J9/16
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044786
(22)【出願日】2023-03-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】518106124
【氏名又は名称】コネクテッドロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】中島 和哉
(72)【発明者】
【氏名】三浦 祐太
(72)【発明者】
【氏名】澤崎 佑基
【テーマコード(参考)】
3C707
3E049
【Fターム(参考)】
3C707AS07
3C707BS15
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT02
3C707FU02
3C707KS34
3C707KX06
3C707LU08
3C707LV17
3C707NS26
3E049AA02
3E049AA05
3E049AB02
3E049BA04
3E049CA04
3E049DA01
3E049EA01
3E049EA02
3E049EA07
3E049EB02
3E049EC02
3E049EC03
(57)【要約】
【課題】ロボットによって蓋閉め作業を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させる
【解決手段】嵌合システム1は、蓋を押圧する複数の押圧部材330を備えた多関節ロボット30と、多関節ロボット30の動作を制御する制御装置40と、を備える。蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在する。複数の押圧部材330は、複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能である。制御装置40は、複数の押圧部材330を押圧方向に移動させることで、複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された複数の押圧部材330それぞれで押圧するように多関節ロボット30の動作を制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋を押圧する複数の押圧部材を備えたロボットと、前記ロボットの動作を制御する制御装置と、を備えた嵌合システムであって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能であり、
前記制御装置は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする嵌合システム。
【請求項2】
前記ロボットは、前記押圧部材が配置されると共に、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させる嵌合機構をさらに備え、
前記複数の押圧部材は、前記嵌合機構の前記蓋の押圧対象面と対向する面の中心から離間した複数の位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の嵌合システム。
【請求項3】
前記第2部分の位置は、前記蓋の押圧対象面の中心から離間した複数の位置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の嵌合システム。
【請求項4】
前記蓋の押圧対象面は、蓋が押圧される容器を覆う天面部と、前記天面部の縁よりも外側で前記容器と嵌合する嵌合部とを備え、
前記複数の第2部分の位置は、前記嵌合部における複数の位置である、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項5】
前記押圧方向に伸縮可能な押圧部材は、前記伸縮の程度に関わらず、前記第2部分に対して与える押圧の力の強さが一定となるように制御する機構を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項6】
前記複数の押圧部材のそれぞれは、前記押圧方向を長手方向とする柱状の部材である、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項7】
前記複数の押圧部材の間には、前記押圧方向と交わる方向に平面形状の中間部材が架け渡され、
前記中間部材と前記複数の押圧部材とは相互に支持をすると共に、前記中間部材は支持される前記複数の押圧部材によって、前記押圧方向において相対的に異なる位置に移動可能に支持される、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記複数の押圧部材と共に前記中間部材を前記押圧方向に移動させることで、前記中間部材によって、前記第1部分であるか前記第2部分であるかに関わりなく前記蓋の押圧対象面を押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする請求項7に記載の嵌合システム。
【請求項9】
蓋を押圧する複数の押圧部材と、前記複数の押圧部材を移動させる機構と、を備えた嵌合機構であって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能であり、
前記押圧部材を移動させる機構は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧する、
ことを特徴とする嵌合機構。
【請求項10】
蓋を押圧する複数の押圧部材を備えたロボットの動作を制御する制御装置の制御に従って、前記ロボットが行う嵌合方法であって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能であり、
前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧する押圧ステップを実行する、
ことを特徴とする嵌合方法。
【請求項11】
蓋を押圧する複数の押圧部材を備えたロボットの動作を制御する制御手段を備えた制御装置であって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能であり、
当該制御装置は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項12】
蓋を押圧する複数の押圧部材を備えたロボットの動作を制御する制御機能をコンピュータに実現させるプログラムであって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能であり、
前記制御機能は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌合システム、嵌合機構、嵌合方法、制御装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な業界において機械化が推進され、ロボットにより各種の作業が行われている。例えば、惣菜等の食品が盛り付けられた容器に対して、蓋を嵌合することで容器を閉塞するという蓋閉め作業がロボットにより行われている。
このような、蓋閉め作業を行うロボットに関する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1では、板状の押圧部材に、押圧方向に対して伸縮可能なバネを配置している。そして、このバネが伸縮することにより、押圧方向における過剰な反力等を吸収し、蓋を適切に嵌合できるとしている。
ただし、このような構成は、押圧部材の押圧面と、押圧対象となる蓋の押圧対象面という2つの平面が平行な状態(例えば、双方がともに水平な状態)で押圧することが前提である。すなわち、容器や蓋が傾いていない場面のみを想定しているものである。
【0005】
しかしながら、例えば、容器がベルトコンベア等の搬送装置で運搬されるような場合、搬送装置の駆動に伴って発生するうねりや、搬送装置の搬送面上にある阻害物(例えば、盛り付け時に落下した食品)が原因となり、容器や蓋が傾いた状態となることがある。あるいは、容器や蓋の種類によっては、蓋の押圧対象面に段差があり、平面による押圧では押圧すべき複数の位置それぞれを適切に押圧できない構造のものある。
そのため、押圧部材の押圧面によって押圧方向を単純に押圧したからといって、必ずしも適切に嵌合できるとは限らない。
【0006】
この課題は、食品が盛り付けられた容器に蓋を閉める状況に限られるものではなく、工業分野等において、ロボットによって蓋閉めを行う様々な状況全般に共通するものである。
このように、従来の技術では、ロボットによって嵌合を行う場合に、適切に嵌合を行うという観点において、未だ改善の余地があった。
【0007】
本発明の課題は、ロボットによって嵌合を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る嵌合システムは、
蓋を押圧する複数の押圧部材を備えたロボットと、前記ロボットの動作を制御する制御装置と、を備えた嵌合システムであって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能であり、
前記制御装置は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロボットによって蓋閉め作業を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】発明に係る嵌合システム1全体の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】制御装置40のハードウェア構成を示す模式図である。
【
図3】制御装置40の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】ハンド31の先端に装着される嵌合機構31aの構成について模式的に示す斜視図である。
【
図5】押圧部材330の構造について、より詳細に説明するための模式図であり、押圧部材330を側面視した状態を示す。
【
図6】複数の押圧部材330の支持部333による、中間部材340の支持について示す図である。
【
図7】複数の押圧部材330の支持部333による、中間部材340の支持について示す図である。
【
図8】制御装置40の制御に基づいて、多関節ロボット30が行う嵌合に関する一連の動作の一例を示す模式図である。
【
図9】制御装置40の制御に基づいて、多関節ロボット30が行う嵌合に関する一連の動作の一例を示す模式図である。
【
図10】制御装置40の制御に基づいて、多関節ロボット30が行う嵌合に関する一連の動作の他の一例(すなわち、中間部材340による押圧を行う例)を示す模式図である。
【
図11】制御装置40の制御に基づいて、多関節ロボット30が行う嵌合に関する一連の動作の他の一例(すなわち、中間部材340による押圧を行う例)を示す模式図である。
【
図12】嵌合システム1が実行する蓋嵌合処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[実施形態]
[全体構成]
図1は、本発明に係る嵌合システム1全体の構成を模式的に示す斜視図である。
本実施形態における嵌合システム1は、対象物が盛り付けられた容器に対して、蓋を嵌合する嵌合システムに本発明を適用することを想定したものである。以下の説明では、嵌合システム1が、対象物として食品が盛り付けられた容器に対して、蓋を嵌合することで、この容器の開口部を閉塞する場合を例に挙げて説明する。
【0012】
この場合、食品の種類について特に限定されず、例えば、麺類や寿司といった主食や、肉や魚料理等の主菜や、ポテトサラダ等の副菜(すなわち、惣菜)や、これらが容器内で区分された領域毎に詰め合わせられた弁当等であってもよい。また、容器及び蓋の形状についても特に限定されず、容器及び蓋を鉛直上方から平面視した場合に、四角形や六角形といった多角形の形状のものであってもよいし、多角形にさらに円弧を含んだ形状のものであってもよいし、正円や楕円といった円形の形状のものであってもよい。
すなわち、嵌合システム1は、様々な食品が盛り付けられた、様々な形状の容器及び蓋に対して、汎用的に嵌合を行うことができる。
【0013】
図1に示すように、嵌合システム1は、蓋供給部10と、容器検出センサ20と、多関節ロボット30と、制御装置40と、を備えている。また、制御装置40と、蓋供給部10、容器検出センサ20、及び多関節ロボット30とは、有線又は無線によって通信接続されており、相互に通信可能となっている。
【0014】
さらに、嵌合システム1に隣接して、食品が盛り付けられた容器を上流から下流に向かって自動的に運搬するベルトコンベア2が設置されている。このベルトコンベア2には、容器の進行方向を前方向とした場合における左右の方向に、一対の案内部材2Aが設置されている。案内部材2Aは、進行方向に向かってその左右幅が狭まっていくテーパ状の形状をしており、容器を所定の位置に案内できる構造となっている。食品が盛り付けられた容器は、案内部材2Aよりも上流においてベルトコンベア2の様々な位置(例えば、左右方向における異なる位置)にて運搬されているが、この案内部材2Aにより案内されることで、蓋を嵌合する位置である嵌合位置P1に搬送される。
【0015】
なお、本実施形態において、嵌合システム1のさらなる上流にて容器に食品を盛り付ける作業は、人手によって行われてもよいし、食品盛り付け用のロボットによって行われてもよい。
【0016】
蓋供給部10は、多関節ロボット30に対して蓋を供給する位置である蓋供給位置P2に対して、蓋を供給する。蓋供給部10には、複数の種類の容器に対応した複数の種類の蓋が、それぞれ複数個収容されている。そして、蓋供給部10は、嵌合システム1が動作を開始すると、蓋供給部10に備えられた押し出し機構によって、ベルトコンベア2にて運搬中の容器に対応した形状の蓋を、1つずつ蓋供給位置P2に供給する。また、蓋供給部10は、多関節ロボット30が蓋閉めのために蓋を取得するたびに、新たに蓋を供給する。
なお、蓋が確実に蓋供給位置P2上に供給されるように、例えば、蓋供給部10の蓋の排出部分に向かって開口している、鉛直上方から平面視した場合に凹型等の形状をした部材を、蓋供給位置P2を囲うようにして設置してもよい。
また、蓋は、例えば、1つずつ供給されるのではなく、積み重ねられた状態で一度に複数個供給され、多関節ロボット30がこの複数個を全て取得するたびに、新たに複数個の蓋を供給するようにしてもよい。
【0017】
容器検出センサ20は、ベルトコンベア2にて運搬中の容器の位置を検出するセンサである。容器検出センサ20は、例えば、光学センサにより構成される。容器検出センサ20は、例えば、案内部材2Aにより案内された容器が、嵌合位置P1に運搬されたこと、あるいは、嵌合位置P1に運搬される直前であることを検出する。容器検出センサ20によって検出された容器の位置のデータは、制御装置40に出力される。
【0018】
多関節ロボット30は、例えば、水平多関節ロボットあるいは垂直多関節ロボット等によって構成され、容器に対して蓋の嵌合を実行するハンド31と、ハンド31の先端に装着されて蓋の嵌合を実行する嵌合機構31aと、可動範囲において任意の位置にハンド31を移動させるロボットアーム32と、を備えている。
また、多関節ロボット30のハンド31を保持する関節には、ハンド31が容器や蓋に接触したことを検出する手段の一例として、接触対象物からの反力(表面に接触されることで得られる力覚を含む)を計測する力センサ30Aが設置されている。力センサ30Aによって計測された反力のデータは、制御装置40に出力される。
【0019】
さらに、ハンド31を保持する関節は、ロボットアーム32に対してハンド31を捻り方向に回転させる軸を備えている。そのため、ハンド31が容器に蓋を嵌合する際に、ハンド31の向きを変化させることで、ハンド31が蓋や容器に対向する方向を調整することができる。これにより、自由度の高い動きによって、適切に嵌合を行うことができる。
【0020】
制御装置40は、PC(Personal Computer)又はプログラマブルコントローラ等の情報処理装置によって構成され、各種プログラムを実行することにより、嵌合システム1全体を制御する。例えば、制御装置40は、蓋供給部10が蓋を供給する動作や、多関節ロボット30が、蓋供給位置P2から蓋を取得し、この蓋を嵌合位置P1において容器に対して嵌合する動作等を制御する。より詳細には、例えば、制御装置40は、ロボットアーム32の駆動を制御することで、ハンド31を予め設定された所定位置に所定ルート及び所定速度で移動させる動作や、ハンド31に装着された嵌合機構31aが備える各機構が協働して押圧をすることで蓋を容器に対して嵌合をする動作を制御する。
【0021】
[制御装置40のハードウェア構成]
図2は、制御装置40のハードウェア構成を示す模式図である。
図2に示すように、制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM(Read Only Memory)712と、RAM(Random Access Memory)713と、バス714と、入力部715と、出力部716と、記憶部717と、通信部718と、ドライブ719と、を備えている。
【0022】
CPU711は、ROM712に記録されているプログラム、又は、記憶部717からRAM713にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM713には、CPU711が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0023】
CPU711、ROM712及びRAM713は、バス714を介して相互に接続されている。バス714には、入力部715、出力部716、記憶部717、通信部718及びドライブ719が接続されている。
【0024】
入力部715は、マウスやキーボード等の入力装置を備え、制御装置40に対する各種情報の入力を受け付ける。なお、入力部715としてマイクを備え、作業者の音声入力によって各種情報の入力を受け付けることとしてもよい。
出力部716は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部717は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部718は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0025】
ドライブ719には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア731が適宜装着される。ドライブ719によってリムーバブルメディア731から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部717にインストールされる。
なお、上記ハードウェア構成は、制御装置40の基本的構成であり、一部のハードウェアを備えない構成としたり、付加的なハードウェアを備えたり、ハードウェアの実装形態を変更したりすることができる。
【0026】
[機能的構成]
次に、制御装置40の機能的構成について説明する。
図3は、制御装置40の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、嵌合システム1の動作を制御するためのプログラムを実行することにより、制御装置40のCPU711においては、対象情報取得部151と、センサ情報取得部152と、蓋供給制御部153と、多関節ロボット制御部154と、記録制御部155と、が機能する。また、記憶部717には、パラメータ記憶部171と、履歴データベース(履歴DB)172と、が形成される。
【0027】
パラメータ記憶部171には、嵌合システム1が動作する際に用いられる各種パラメータが記憶されている。例えば、パラメータ記憶部171には、嵌合位置P1や蓋供給位置P2の位置、嵌合を実行する際のハンド31の移動経路、嵌合を実行する際の嵌合機構31aの駆動制御の手順といった、多関節ロボット30の動作パターンを定義するパラメータ等が記憶される。なお、嵌合システム1は、上述したように、様々な種類の容器及び蓋の嵌合に対応することが可能なので、このパラメータは様々な種類の容器及び蓋のそれぞれに対応して複数設定されていることを想定する。
【0028】
履歴DB172には、嵌合システム1が動作した際に取得される制御に関するパラメータ、あるいは嵌合システム1で嵌合を行った際に嵌合に要した時間を示す値(例えば、複数回の嵌合に要した時間を、嵌合した回数で除算した値)等が履歴として記憶される。この場合、記録された制御に関するパラメータは、例えば、新たな動作パターンを設定する場面等において活用される。また、嵌合に要した時間を示す値は、例えば、嵌合システム1のユーザが要求するタクトタイム(TT:Takt Time)を、満たすことができるか否か等を検討する際の指標として活用される。
【0029】
対象情報取得部151は、嵌合の対象となる容器及び蓋に関する情報である対象情報を取得する。例えば、対象情報取得部151は、現在ベルトコンベア2にて運搬中の容器の種類や、これに対応する形状の蓋の種類といった情報や、あといくつ嵌合した場合に、ベルトコンベア2にて運搬される容器が異なる種類の容器変更される予定かといった情報を取得する。これらの情報は、ユーザが制御装置40の入力部715を介して入力することで、対象情報取得部151に取得される。この場合に、入力部715に代えて、例えば、多関節ロボット30の近傍にタッチパネル等の入力装置を設置し、ユーザがこの入力装置を介してこれらの情報を入力するようにしてもよい。
【0030】
センサ情報取得部152は、嵌合システム1に設置された各種センサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する。例えば、センサ情報取得部152は、多関節ロボット30の関節に設置された力センサ30Aによって計測された反力のデータや、多関節ロボット30の近傍に設置された容器検出センサ20によって検出された容器の位置のデータを取得する。
【0031】
蓋供給制御部153は、蓋供給部10を制御し、蓋供給位置P2に蓋を供給するタイミングを制御する。例えば、蓋供給制御部153は、嵌合システム1の動作開始と共に、蓋供給部10に蓋の供給を開始させる。また、蓋供給制御部153は、多関節ロボット30が蓋閉めのために蓋を取得するたびに、蓋供給部10に新たに蓋を供給させる。この場合に、蓋供給制御部153は、対象情報取得部151が取得した対象情報に基づいて、現在ベルトコンベア2にて運搬中の容器の種類を特定し、この特定した容器に対応する形状の蓋を、蓋供給部10に供給させる。
【0032】
多関節ロボット制御部154は、多関節ロボット30の動作を制御し、嵌合システム1において定義されている動作パターンに従って、容器に対して蓋を嵌合するための一連の動作を多関節ロボット30に実行させる。例えば、多関節ロボット制御部154は、ハンド31を嵌合位置P1や蓋供給位置P2に向かって移送する動作(移送動作)、ハンド31により蓋供給位置P2から蓋を取得する動作(蓋取得動作)、ハンド31により嵌合位置P1にて容器に対して蓋を嵌合する動作(嵌合実行動作)、等を含む様々な動作を多関節ロボット30に実行させる。この場合に、多関節ロボット制御部154は、対象情報取得部151が取得した対象情報に基づいて、現在ベルトコンベア2にて運搬中の容器の種類を特定し、この特定した容器に対応する動作パターンを用いるようにする。
【0033】
記録制御部155は、嵌合システム1が動作した際に取得される制御に関するパラメータや、嵌合システム1で嵌合を行った際に嵌合に要した時間を示す値等を、履歴DB172に記憶する。これらの情報の活用方法については、履歴DB172の説明の際に上述した通りである。
【0034】
[嵌合機構31aの構成]
図4は、ハンド31の先端に装着される嵌合機構31aの構成について模式的に示す斜視図である。
図4に示すように、嵌合機構31aは、連結部310と、結合部材320と、押圧部材330と、中間部材340と、保持機構350と、を備える。
【0035】
この場合に、中間部材340の長手方向を左右方向と定義する。また、水平面において、この左右方向と直交する方向を前後方向と定義する。さらに、この左右方向及び前後方向のそれぞれと互いに直行する方向を鉛直方向と定義する。また、鉛直方向において、連結部310が配置されている側の方向が鉛直上方であって、中間部材340が配置されている側の方向が鉛直下方となる。
【0036】
連結部310は、自身がハンド31に固定されることで、嵌合機構31aと、ハンド31とを連結する。このようにして、嵌合機構31aと、ハンド31とを連結することにより、嵌合機構31aは、ハンド31の移動に伴って様々な方向に移動することが可能となる。例えば、嵌合機構31aは、ハンド31の移動に伴って蓋の押圧を実行するための押圧方向(本実施形態では、鉛直下方とする)に移動することが可能となる。これによって、嵌合機構31aは、容器と蓋を嵌合する動作を実行することができる。
また、連結部310は、継手311を複数備える。この継手311には、後述のエアシリンダを駆動するためにコンプレッサ(図示省略)から圧縮空気が供給される。
【0037】
結合部材320は、連結部310、押圧部材330、中間部材340、及び保持機構350を結合して支持する支持部材である。なお、中間部材340については、結合部材320が直接連結して支持するのではなく、押圧部材330を介して間接的に支持する。これにより、嵌合機構31aの備える各部分は、全体として1つの嵌合機構31aとして機能する。
【0038】
また、結合部材320は、保持機構350を支持する部材の一部として、バッファ機構321を備える。バッファ機構321は、内蔵しているバネ等の弾性体により押圧方向に伸縮することで、支持している保持機構350の高さを調整する機構である。押圧部材330が押圧を行う際に、バッファ機構321が保持機構350の高さを調整することで、保持機構350が蓋に対して過剰に強い力で押し付けられて、保持機構350や蓋が破損するようなことを防止できる。
【0039】
押圧部材330は、押圧方向を長手方向とする柱状の部材であり、本実施形態では、4つの押圧部材330が配置されている。この配置位置は、それぞれ蓋の押圧対象とする部分(以下、「押圧対象部分」と称する。)に対応した配置位置である。
例えば、蓋の押圧対象面(すなわち、押圧対象部分が存在する面)において、押圧対象面の中心を挟んで互いに離間した位置に、複数の押圧対象部分が存在する場合、この押圧対象部分それぞれに対応した位置(すなわち、押圧対象部分それぞれを押圧できる位置)に、複数の押圧部材330が配置される。
このような位置関係において、「蓋の押圧対象面の中心」は、本発明の「第1部分」に相当する。また、「押圧対象部分」は、本発明の「第2部分」に相当する。なお、典型的な形状の蓋の場合、蓋の押圧対象面の中心(第1部分)には蓋の天面が設けられ、押圧対象部分(第2部分)には蓋の嵌合部が設けられている。
【0040】
また、押圧の際に、蓋の押圧対象面の中心(第1部分)の鉛直上方に、嵌合機構31aの蓋の押圧対象面と対向する面の中心がくるような構成とするとよい。このようにした場合、嵌合機構31aの蓋の押圧対象面と対向する面の中心(すなわち、(第1部分)に相当する位置の鉛直上方の位置)から離れた位置に複数の押圧部材330が配置される。このように嵌合機構31aの中央を挟んで離間した位置に配置することにより、嵌合機構31aが押圧のために下降する際に、押圧するための力を複数の押圧部材330それぞれに対して均一に伝達することができるバランスのよい配置となる。これにより、押圧対象位置(第2部分)のそれぞれを、均一に押圧することが可能となる。ただし、これは一例に過ぎず、押圧の際に、蓋の押圧対象面の中心(第1部分)の鉛直上方とは異なる位置に、嵌合機構31aの蓋の押圧対象面と対向する面の中心がくるような構成としてもよい。すなわち、両者の中心が水平方向においてズレていてもよい。
あるいは、嵌合機構31aの蓋の押圧対象面と対向する面の中心を本発明の「第1部分」に相当すると扱ってもよい。この場合、この嵌合機構31aの蓋の押圧対象面と対向する面の中心(第1部分)から離間した位置に配置された複数の押圧部材330が押圧した蓋の押圧対象面の位置が、結果として「第2部分」に相当することになる。すなわち、嵌合機構31aが蓋と対向していない状態であっても、「第1部分」と「第2部分に対応する位置」を特定することができる。
また、これら4つの押圧部材330は、それぞれ、第1部材331と、第2部材332と、支持部333と、押圧部334と、継手335と、を備える。
【0041】
第1部材331と第2部材332は、対となることで1つのエアシリンダとして機能する。これにより、押圧部材330が押圧を行う際に、第1部材331と、第2部材332(及びこれに連結する支持部333と押圧部334)は、押圧方向に伸縮する。なお、このエアシリンダを駆動するための圧縮空気は、継手311を介して継手335に供給される。
【0042】
支持部333は、中間部材340を支持する部材であり、鉛直方向において離間した2つの円形の部材と、これらを支持する円柱状の部材を備える。支持部333による、中間部材340の支持については、
図6及び
図7を参照して後述する。
【0043】
押圧部334は、実際に蓋に接触して蓋を押圧する部分である。蓋に接触する押圧部334の先端は、蓋を押圧するのに適した形状に形成される。例えば、押圧する蓋が矩形であれば、その蓋の矩形の角それぞれに設けられた嵌合部に対応したL字形状に形成される。
なお、第2部材332には蝶ネジが設けられ、これにより支持部333及び押圧部334を第2部材332に固定する構造となっている。そのため、ユーザが蝶ネジを緩めるのみで支持部333及び押圧部334を容易に取り外せ、支持部333及び押圧部334を定期的に洗浄するといったメンテナンスを簡便に行うことが可能となっている。
【0044】
中間部材340は、ステンレス等の容易に変形しない素材で構成された、薄い平面形状の部材である。中間部材340は、複数の押圧部材330の間に、押圧方向と交わる水平方向に架け渡される。この場合、上述したように、中間部材340は、複数の押圧部材330により支持される。また、中間部材340の平面形状の中心には、保持機構350が挿通するための挿通孔が設けられる。
【0045】
保持機構350は、接続されている真空発生器(図示省略)を用いて、密着した対象物との間の空間を真空に近づけることで、対象物を吸着する吸着パッドである。保持機構350は、挿通孔を介して挿通すると共に、挿通孔を挿通させた先端部を蓋に密着して吸着することで、蓋を保持する。
また、保持機構350は、上述したバッファ機構321を介して支持されることで、押圧部材330による押圧の際に、押圧方向における高さを調整される。この場合に、保持機構350は、さらに、蓋に密着した先端が伸縮する構造を有していてもよい。例えば、その先端が伸縮するシリコン等の弾性体で構成されていてもよい。これにより、例えば、蓋が傾いているような場合であっても、この傾きに追従して変形することで、蓋を適切に保持することができる。
【0046】
なお、継手311、継手335、及び保持機構350には、圧縮空気等を供給するためのチューブが接続されるが、このチューブの形状や取り回し等は本実施形態の要旨ではないので、チューブについての図示は省略する。
【0047】
図5は、押圧部材330の構造について、より詳細に説明するための模式図であり、押圧部材330を側面視した状態を示す。
図5(a)に示すように、押圧部材330が蓋に接触していない場合、エアシリンダとして機能する第1部材331と第2部材332は、平常の状態(すなわち、伸びた状態)である。
【0048】
次に
図5(b)に示すように、ハンド31の駆動により、押圧部材330が蓋を押圧するために押圧方向に移動すると、押圧部材330の先端の押圧部334が蓋に接触し、押圧が開始される。この場合に、エアシリンダである第1部材331と第2部材332は、伸縮の程度に関わらず、蓋の押圧対象部分に対して与える押圧の力の強さが一定となるように制御する。すなわち、押圧部材330による押圧では、常に一定の力(いわば、定荷重)が与えられることになる。
これにより、押圧部材330と、蓋との位置関係によって、押圧の力が過剰に強くなってしまうことを防止できる。そのため、例えば、容器や蓋の破損といった事態を防止できる。また、これにより、押圧部材330と、蓋との位置関係によって、押圧の力が過剰に弱くなってしまうことを防止できる。そのため、例えば、一部の押圧対象の嵌合が不十分となるという事態を防止できる。
なお、この一定の押圧の力の強さは、ユーザが、エアシリンダの選定や、エアシリンダに供給される圧縮空気の調整を行うことにより、嵌合対象の容器や蓋に応じた適切な強さに設定することができる。例えば、蓋からの反力を差し引いたとしても、蓋を押圧方向に押し込んで嵌合させる程度の強さに設定することができる。
【0049】
次に
図5(c)に示すように、エアシリンダである第1部材331と第2部材332は、蓋との位置(蓋を押圧して反力を受ける位置)との関係に応じて縮む。例えば、2つの押圧部材330で、蓋の両端のそれぞれを押圧する場合に、容器と蓋が傾いていると、蓋の一端が浮いた状態となる一方で、蓋の他端が容器に近接している状態となる場合がある。この場合、浮いた状態となっている蓋を押圧する押圧部材330については、
図5(c)に示すように縮む。一方で、容器に近接している状態となっている蓋を押圧する押圧部材330については、
図5(b)に示すように伸びた状態を維持する。このように、蓋との位置(蓋を押圧して反力を受ける位置)との関係に応じて複数の押圧部材330がそれぞれ伸縮することで傾きを吸収し、容器や蓋が傾いている場合であっても、蓋の各押圧対象部分を、それぞれ均一の力によって的確に押圧することができる。
【0050】
図6及び
図7は、複数の押圧部材330の支持部333による、中間部材340の支持について示す図である。
図6は、支持部333と中間部材340のみを鉛直上方から平面視した状態を示す。また、
図7は、嵌合機構31aの主要部を側面視した状態と、その一部を拡大した状態を示す。
【0051】
図6(a)に示すように、中間部材340の矩形形状の角のそれぞれは、円弧形状に切り欠かれた形状となっている。また、支持部333を含んだ押圧部材330は、結合部材320に脱着可能であり、中間部材340を架け渡す前は、それぞれが結合部材320には固定されていない。また、
図5に示したように支持部333は、支持部333の鉛直方向において離間した2つの円形の部材を有しており、この2つの円形の部材の離間している部分は円柱状の部材により支持されている。
【0052】
図6(b)に示すように、この円柱状の部材を、中間部材340の円弧形状に切り欠かれた形状に差し込むことにより、中間部材340は、支持部333の2つの円形の部材により、角のそれぞれを支持された状態となる。そして、この状態のまま支持部333を含んだ押圧部材330を結合部材320にネジ等で固定することで、中間部材340は、複数の押圧部材330の間に、押圧方向と交わる水平方向に架け渡される。
【0053】
図7(a)に示すように、中間部材340は、完全には固定されておらず、支持部333の2つの円形の部材の、鉛直方向に離間している部分(いわば、遊び部分)を移動可能な状態で支持される。すなわち、中間部材340は、支持部333との関係において、押圧方向において相対的に異なる位置に移動可能に支持される。ただし、通常時には、複数の押圧部材330が何れも伸びており水平状態を維持している。なお、図中では、この状態を拡大図としても示す。
【0054】
次に
図7(b)に示すように、嵌合機構31aが押圧のために下降をしたとする。すると、蓋に押圧部334が接したことに伴い、容器や蓋の傾きに応じて一部の押圧部材330は独立して縮もうとする。この場合に、中間部材340は、支持部333の2つの円形の部材の離間している部分(いわば、遊び部分)を移動することで、傾くことができる。そのため、中間部材340は、この押圧部材330が独立して縮もうとする動作を妨げることはない。また、その後、この押圧部材330が独立して伸びようとする動作を妨げることもない。なお、図中では、この状態も拡大図としても示す。
【0055】
なお、中間部材340は、単に複数の押圧部材330に支持されているだけではなく、状況によっては、複数の押圧部材330を支持することもある。すなわち、中間部材340と複数の押圧部材330とは相互に支持をする。例えば、中間部材340は、複数の押圧部材330が押圧する際に、押圧する力及びこれに応じた反力等に基づいて、押圧部材330が押圧方向から傾くことを防止するように支持することができる。
【0056】
本実施形態では、以上説明したような嵌合機構31aの構成及び機能を利用して、蓋閉め作業において嵌合を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させる。
この嵌合時の動作について、以下、さらに説明をする。
【0057】
[嵌合に関する一連の動作]
図8及び
図9は、制御装置40の制御に基づいて、多関節ロボット30が行う嵌合に関する一連の動作の一例を示す模式図である。
【0058】
図8(a)に、容器及び蓋を鉛直上方から平面視した状態を示す。容器及び蓋の中心の盛り付け領域には、食品が盛り付けられている。また、盛り付け領域の周辺には嵌合部が設けられており、容器の嵌合部を蓋の嵌合部に対して押圧して、複数の嵌合部を嵌合することで、容器の開口部は蓋により閉塞される。なお、このような容器と蓋の嵌合については、例えば、外勘合方式、内勘合方式、内外勘合方式等の様々な嵌合方式があるが、本実施形態では、蓋の押圧対象面(例えば、
図8(a)に図示している蓋の面)を押圧することで嵌合を実現できるのであれば、何れの嵌合方式についても、処理の対象とすることができる。
【0059】
以下に説明する
図8(b)~
図9は、この
図8(a)のA-A断面図である。
まず、
図8(b)に示すように、多関節ロボット30は、ハンド31を蓋供給位置P2に移送させると、嵌合機構31aを蓋供給位置P2に供給されている蓋に接触するまで鉛直上方から下降させる。そして、多関節ロボット30は、押圧部材330の挿通孔を挿通している保持機構350の先端で蓋を吸着することで、蓋の保持を開始する。そして、多関節ロボット30は、蓋を保持したまま、ハンド31を嵌合位置P1に移送する。
【0060】
次に、
図8(c)に示すように、多関節ロボット30は、嵌合機構31aを嵌合のために移動すべき方向である押圧方向へ移動させる。ここで、本実施形態では、押圧方向は鉛直下方であるので、多関節ロボット30は、ベルトコンベア2により嵌合位置P1まで運搬されてきた容器に対して、嵌合機構31aを鉛直上方から鉛直下方に下降する。
ただし、本実施形態では、ベルトコンベア2の駆動に伴って発生するうねりや、ベルトコンベア2の搬送面上にある阻害物(例えば、盛り付け時に落下した食品)が原因となり、容器や蓋が傾いた状態となっていることを想定する。今回の例では、図示するように、容器が紙面における右側に傾いていることを想定する。
【0061】
次に、
図9(d)に示すように、多関節ロボット30は、容器に対して、嵌合機構31aを鉛直上方からさらに下降させることで押圧を開始する。
この場合、蓋は容器の傾きに応じて、容器と同様に紙面における右側に傾く。すると、
図5を参照して上述したように、蓋との位置(蓋を押圧して反力を受ける位置)との関係に応じて一部の押圧部材330が縮む。今回の例では、紙面における左側において蓋が浮いているため、ここを押圧対象部分として押圧している押圧部材330は縮む。一方で、紙面における右側では蓋が容器に近接しているため、ここを押圧対象部分として押圧している押圧部材330は縮むことなく、伸びた状態を維持する。なお、この場合に、押圧部材330が備えるエアシリンダの機能により、それぞれの押圧部材330が蓋を押圧する力としては、常に一定の力(いわば、定荷重)が与えられることになる。すなわち、蓋の傾きに関わらず、均一な力で的確に押圧をすることができる。
このまま押圧が継続すると容器と蓋が嵌合することになるが、この押圧の過程において容器が傾いた状態のままとなる場合と、容器の傾きが解消する場合が考えられる。
【0062】
図9(e-1)に示すように、容器が傾いた状態のままとなる場合、蓋も引き続き傾いている。そのため、
図9(d)において一度縮んだ押圧部材330は、この縮んだ状態を維持したまま押圧を継続する。一方で、
図9(d)において伸びた状態を維持した押圧部材330は、引き続き伸びた状態を維持したまま押圧を継続する。このような押圧部材330の伸縮により、容器及び蓋の傾きは吸収されながら、各押圧対象部分は、均一の力で押圧される。これにより、何れの押圧対象部分についても力の過不足なく押圧でき、蓋全体を容器に適切に嵌合することができる。
【0063】
一方で、
図9(e-2)に示すように、容器の傾きが解消する場合も考えられる。例えば、押圧する力によって、ベルトコンベア2の駆動に伴って発生するうねりの影響を抑制できた場合や、ベルトコンベア2の搬送面上にある阻害物が押圧する力の影響で容器底面から離れた位置に移動した場合等である。この場合、図示するように、容器及び蓋は傾いていない状態(ここでは、水平状態)となる。そのため、
図9(d)において伸びた状態を維持した押圧部材330は、蓋との位置(蓋を押圧して反力を受ける位置)との関係に応じて伸びた状態となって、押圧を継続する。一方で、
図9(d)において伸びた状態を維持した押圧部材330は、引き続き伸びた状態を維持したまま押圧を継続する。このような押圧部材330の伸縮により、各押圧対象部分は、均一の力で押圧される。これにより、
図9(e-1)に示した場合と同様に、何れの押圧対象部分についても力の過不足なく押圧でき、蓋全体を容器に適切に嵌合することができる。
このように、嵌合システム1によれば、多関節ロボット30によって嵌合を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させることができることは明らかである。
【0064】
そして、多関節ロボット30は、嵌合が終了すると保持機構350による吸着を取り止め、保持機構350による蓋の保持を終了する。その後、多関節ロボット30は、嵌合後の容器を解放するために上昇する。これにより、嵌合システム1による嵌合時の一連の動作は終了する。
【0065】
なお、今回の例では、容器や蓋が右方向に傾いた場合について説明したが、左方向に傾いた場合についても同様の結果となる。また、前後方向に傾いた場合や、これらの傾きが組み合わさって前後左右の両方向(すなわち、斜め方向)に傾いた場合についても同様の結果となる。さらに、容器や蓋の傾きは毎回発生するものではないが、当初から傾いていない場合も同様の結果となる。これら同様の結果とは、すなわち、何れの押圧対象部分についても力の過不足なく押圧でき、蓋全体を容器に適切に嵌合することができる、という結果である。
【0066】
以上複数の押圧部材330による押圧で、嵌合をする場合の一連の動作について説明した。しかしながら、本実施形態が実行できる動作はこれに限られず、例えば、中間部材340による押圧で嵌合をすることも可能である。この場合の一連の動作について、他の一例として、以下説明する。
図10及び
図11は、制御装置40の制御に基づいて、多関節ロボット30が行う嵌合に関する一連の動作の他の一例(すなわち、中間部材340による押圧を行う例)を示す模式図である。なお、以下では、
図8及び
図9を参照して上述した内容と共通する内容については、適宜省略を説明する。
【0067】
図10(a)に、容器及び蓋を鉛直上方から平面視した状態を示す。なお、中間部材340による押圧を行う場合も、蓋の押圧対象面(例えば、
図10(a)に図示している蓋の面)を押圧することで嵌合を実現できるのであれば、何れの嵌合方式についても、処理の対象とすることができる。ただし、この場合に、複数の押圧部材330同士が離間している距離よりも、幅の狭い押圧対象面の蓋である必要がある。
【0068】
以下に説明する
図10(b)~
図11は、この
図10(a)のB-B断面図である。
まず、
図10(b)に示すように、多関節ロボット30は、蓋供給位置P2において、蓋を吸着することで、蓋の保持を開始する。そして、多関節ロボット30は、蓋を保持したまま、ハンド31を嵌合位置P1に移送する。
【0069】
次に、
図10(c)に示すように、多関節ロボット30は、嵌合機構31aを嵌合のために移動すべき方向である押圧方向へ移動させる。
この場合、上述した例と同様に、容器が紙面における右側に傾いていることを想定する。
【0070】
次に、
図11(d)に示すように、多関節ロボット30は、容器に対して、嵌合機構31aを鉛直上方からさらに下降させることで押圧を開始する。
この場合、蓋は容器の傾きに応じて、容器と同様に紙面における右側に傾く。また、中間部材340に対して、この蓋から反力が与えられる。すると、上述したように鉛直方向に移動可能な中間部材340は、蓋の傾きに応じて傾く。また、この蓋からの反力は、押圧部材330の支持部333が有する円形の部材を介して押圧部材330に伝達される。
【0071】
これにより、蓋との位置(蓋を押圧して反力を受ける位置)との関係に応じて一部の押圧部材330が縮む。今回の例では、紙面における左側において蓋が浮いているため、ここを押圧対象部分として押圧している中間部材340から反力を伝達された押圧部材330は縮む。一方で、紙面における右側では蓋が容器に近接しているため、ここを押圧対象部分として押圧している中間部材340から反力を伝達された押圧部材330は縮むことなく、伸びた状態を維持する。なお、この場合に、押圧部材330が備えるエアシリンダの機能により、それぞれの押圧部材330が蓋を押圧する力としては、常に一定の力(いわば、定荷重)が与えられることになる。すなわち、蓋の傾きに関わらず、均一な力で的確に押圧をすることができる。
このまま押圧が継続すると容器と蓋が嵌合することになるが、この押圧の過程において容器が傾いた状態のままとなる場合と、容器の傾きが解消する場合が考えられる。
【0072】
図11(e-1)に示すように、容器が傾いた状態のままとなる場合、蓋及びこれを押圧する中間部材340も引き続き傾いている。そのため、
図11(d)において一度縮んだ押圧部材330は、この縮んだ状態を維持したまま押圧を継続する。一方で、
図11(d)において伸びた状態を維持した押圧部材330は、引き続き伸びた状態を維持したまま押圧を継続する。このような押圧部材330の伸縮により、容器、蓋、及び中間部材340の傾きは吸収されながら、中間部材340の押圧している面全体は、均一の力で押圧される。これにより、中間部材340の押圧している面全体について力の過不足なく押圧でき、蓋全体を容器に適切に嵌合することができる。
【0073】
一方で、
図11(e-2)に示すように、容器の傾きが解消する場合も考えられる。この場合、図示するように、容器、蓋及び中間部材340は傾いていない状態(ここでは、水平状態)となる。そのため、
図11(d)において伸びた状態を維持した押圧部材330は、蓋との位置(蓋を押圧して反力を受ける位置)との関係に応じて伸びた状態となって、押圧を継続する。一方で、
図11(d)において伸びた状態を維持した押圧部材330は、引き続き伸びた状態を維持したまま押圧を継続する。このような押圧部材330の伸縮により、中間部材340の押圧している面全体は、均一の力で押圧される。これにより、
図11(e-1)に示した場合と同様に、中間部材340の押圧している面全体について力の過不足なく押圧でき、蓋全体を容器に適切に嵌合することができる。
【0074】
このように、他の例においても、嵌合システム1によれば、多関節ロボット30によって嵌合を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させることができることは明らかである。また、他の例においても、前後方向に傾いている場合や、斜め方向に傾いている場合や、傾いていない場合、においても、中間部材340の押圧している面全体について力の過不足なく押圧でき、蓋全体を容器に適切に嵌合することができる。
【0075】
以上、嵌合システム1による嵌合時の一連の動作について説明したが、この一連の動作によれば、例えば、以下に示すような効果を奏する。
まず、上述したように、嵌合システム1では、押圧対象部分に対応する位置に配置された複数の押圧部材330により、互いに離間した複数の押圧対象部分それぞれを、的確に押圧することができる。そのため、例えば、蓋の押圧対象面全体を「平面」で押圧するよりも、「複数の点」で押圧することが望ましい状況において、より適切に嵌合させることができる。例えば、蓋の押圧対象面に段差があり、平面による押圧では押圧すべき複数の位置を適切に押圧できない構造の場合であっても、より適切に嵌合させることができる。
【0076】
また、この押圧の際に、少なくとも1つの押圧部材330は伸縮可能である。そのため、例えば、容器や蓋が傾いて押圧対象部分の高さがそれぞれ異なってしまっている場合や、容器や蓋の場合であっても、この高さの違いを吸収するように、押圧部材330が伸縮して押圧をする。そのため、このような容器や蓋の傾き等が生じた場合であっても、より適切に嵌合させることができる。
【0077】
このように、嵌合システム1は、「押圧部材の押圧面によって押圧方向を単純に押圧したからといって、必ずしも適切に嵌合できるとは限らない。」という、従来技術では、そもそも想定すらされていなかった課題を鑑みたものであって、さらに、この課題を解決するものである。
すなわち、嵌合システム1によれば、多関節ロボット30によって嵌合を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させることができる。
【0078】
この場合に、例えば、複数の押圧部材330は、嵌合機構31aの蓋の押圧対象面と対向する面の中心から離間した複数の位置に配置される。これにより、嵌合機構31aの中心から離間した複数の位置から、押圧対象部分を均一の力で押圧して、嵌合させることができる。
【0079】
あるいは、この場合に、例えば、押圧対象部分の位置は、蓋の押圧対象面の中心から離間した複数の位置である。これにより、蓋の押圧対象面の中心を押圧することなく、この中心から離間した複数の押圧対象部分を押圧することができる。特に、容器や蓋が傾いているような場合には、中心を押圧してしまうと、複数の押圧対象部分それぞれを押圧することが困難となったり、容器や蓋の傾きを修正することが困難となったりすることが想定される。しかしながら、本構成であれば、このような問題の発生を回避することができる。
【0080】
また、この場合に、例えば、蓋の押圧対象面は、蓋が押圧される容器を覆う天面部と、天面部の縁よりも外側で容器と嵌合する嵌合部とを備え、複数の押圧対象部分の位置は、嵌合部における複数の位置である。これにより、天面部が、嵌合部よりも押圧部材330に近い位置(例えば、高い位置)に存在するような蓋の構造であっても、この天面部を避けて、嵌合部のみを押圧して、嵌合させることができる。
【0081】
また、この場合に、押圧方向に伸縮可能な押圧部材330は、伸縮の程度に関わらず、押圧対象部分に対して与える押圧の力の強さが一定となるように制御するエアシリンダを有する。これにより、容器や蓋が傾いていることにより相対的に押圧部材330との距離が近くなっている(例えば、浮いてしまっている)押圧対象部分に対して与えられる押圧の力が過剰に強くなってしまうことを防止できる。そのため、例えば、容器や蓋の破損といった事態を防止できる。また、同様に、容器や蓋が傾いていることにより相対的に押圧部材330との距離が遠くなっている(例えば、容器に近接している)押圧対象部分に対して与えられる押圧の力が過剰に弱くなってしまうことを防止できる。そのため、例えば、一部の押圧対象部分の嵌合が不十分となるという事態を防止できる。
【0082】
また、この場合に、複数の押圧部材330のそれぞれは、押圧方向を長手方向とする柱状の部材である。この点、蓋の1つの辺に沿った壁状の押圧部材330であったり、蓋の縁の全周に沿った環状の押圧部材330であったりすると、蓋の1つの辺や、蓋の縁の全周に傾きが生じている場合に、これら1つの辺全体や、蓋の縁の全周を均一な力で押圧することが困難となる。また、蓋の押圧対象面に段差があるような場合にも、このような押圧部材330であると、押圧対象部分のみを的確に押圧することが困難となる。しかしながら、本構成であれば、柱状の押圧部材330により、押圧対象部分のみを的確に(すなわち、ピンポイントに)、且つ、均一な力で押圧して、嵌合させることができる。
【0083】
[全体動作]
次に、嵌合システム1の全体動作を説明する。
図12は、嵌合システム1が実行する蓋嵌合処理の流れを示すフローチャートである。蓋嵌合処理は、例えば、ユーザによって蓋嵌合処理を開始させる操作が行われたことを契機として開始される。
【0084】
図12に示すように、蓋嵌合処理が開始されると、S11において、多関節ロボット制御部154は、蓋嵌合処理における一連の動作を実行するための動作用のデータ(動作パターンのデータ等)をパラメータ記憶部171から読み込むことで、容器に蓋を嵌合するための準備を行う。この際、多関節ロボット制御部154は、現在ベルトコンベア2にて運搬中の容器とこれに嵌合する蓋の種類に対応する動作パターンを読み込む。
【0085】
ステップS12において、蓋供給制御部153は、蓋供給部10を制御し、蓋供給位置P2に、現在ベルトコンベア2にて運搬中の容器に対応する蓋を供給する。
ステップS13において、多関節ロボット制御部154は、動作パターンのデータに従って、蓋供給位置P2に、ハンド31を移送する。
【0086】
ステップS14において、多関節ロボット制御部154は、保持機構350を制御し、蓋を吸着して保持する。
ステップS15において、多関節ロボット制御部154は、容器検出センサ20によって容器が嵌合位置P1に運搬されたこと、あるいは、嵌合位置P1に運搬される直前であることが検出されたか否かを判定する。検出された場合は、ステップS15においてYesと判定され、処理はステップS16に進む。一方で、検出されない場合は、ステップS15においてNoと判定され、ステップS15の判定を継続する。
【0087】
ステップS16において、多関節ロボット制御部154は、動作パターンのデータに従って、嵌合位置P1に、ハンド31を移送する。
ステップS17において、多関節ロボット制御部154は、嵌合機構31aを制御し、蓋の押圧対象部分を押圧する。この場合、多関節ロボット制御部154は、ステップS11において読み込んだ動作パターンに基づいて、押圧部材330で押圧をするか、それとも中間部材340で押圧するかを選択する。
【0088】
ステップS18において、多関節ロボット制御部154は、嵌合機構31aを制御し、蓋の押圧対象部分の押圧を継続する。これにより、多関節ロボット制御部154は、容器と蓋を嵌合させる。
ステップS19において、多関節ロボット制御部154は、保持機構350を制御して蓋の保持を終了させると共に、ハンド31を上昇させる。これにより容器と蓋の嵌合が実現される。
【0089】
ステップS20において、記録制御部155は、嵌合システム1が動作した際に取得される制御に関するパラメータや、嵌合システム1で嵌合を行った際に嵌合に要した時間を示す値等を、履歴DB172に記憶する。
【0090】
ステップS21において、多関節ロボット制御部154は、蓋嵌合処理を終了する条件に適合したか否かを判定する。この場合、蓋嵌合処理を終了する条件としては、予定された数の容器に蓋を嵌合したこと、あるいは、ユーザによって蓋嵌合処理を終了させる操作が行われたこと等を定義することができる。
蓋嵌合処理を終了する条件に適合していない場合は、ステップS21においてNoと判定されて、処理はステップS22に進む。一方で、蓋嵌合処理を終了する条件に適合している場合は、ステップS21においてYesと判定されて、蓋嵌合処理は終了する。
【0091】
ステップS22において、多関節ロボット制御部154は、対象情報取得部151が取得している対象情報に基づいて、嵌合をすべき容器と蓋に変更があるか否かを判定する。変更がある場合は、ステップS22においてYesと判定され、処理は示すステップS11に戻る。そして、多関節ロボット制御部154は、変更後の容器と蓋に対応する動作パターンを新たに読み込んだ上で、この新たに読み込んだ動作パターンに従って、ステップS12以降の処理を再度行う。一方で、変更がない場合は、ステップS22においてNoと判定され、処理はステップS12に戻る。そして、多関節ロボット制御部154は、読み込み済みの動作パターンに従って、ステップS12以降の処理を再度行う。
【0092】
以上のように、本実施形態に係る嵌合システム1によれば、多関節ロボット30によって蓋閉め作業を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させることができる。これに加えて、本実施形態に係る嵌合システム1は、各図を参照した説明の際に上述したような、様々な効果も奏する。
【0093】
[変形例1]
上述の実施形態において、複数の押圧部材330は全て同一の構成であって、第1部材331と第2部材332により実現されるエアシリンダにより伸縮する機能を備えていたが、これには限らない。例えば、一部の押圧部材330はエアシリンダにより伸縮する機能を有していなくてもよい。すなわち、少なくとも1つの押圧部材330がエアシリンダにより伸縮する機能を有していればよい。
【0094】
このような構成とした場合であっても、所定方向の容器や蓋の傾きを吸収することは可能である。例えば、ベルトコンベア2の駆動の特性や、ベルトコンベア2と多関節ロボット30との位置関係等に基づいて、予め何れの方向に傾きやすいかということが分かっていれば、これに対応するために伸縮する必要がある場合の押圧部材330のみが、エアシリンダにより伸縮する機能を備えていればよい。例えば、
図9等に示したように、容器が紙面における右側に傾きやすく、蓋が紙面における左側が浮きやすいということが分かっていれば、この浮きやすいと分かっている部分を押圧する押圧部材330のみが、エアシリンダにより伸縮する機能を備えていればよい。他にも、蓋が矩形の場合であれば、例えば、対向する角のどちらかの押圧部材330のみが、エアシリンダにより伸縮する機能を備えていてもよい。このようにすることで、装置構成を簡略化することができる。
また、伸縮する機能は必ずしもエアシリンダで実現する必要はなく、例えば、コイルバネ等の他の弾性体により実現するようにしてもよい。
【0095】
[変形例2]
上述の実施形態において、結合部材320は、鉛直上面から平面視した場合に、長方形の形状をした枠として構成されており、それぞれの角に対応して4つの押圧部材330が配置されていたが、これには限らない。例えば、嵌合の対象とする容器や蓋の形状に対応して変形するようにしてもよい。
例えば、容器及び蓋を鉛直上方から平面視した場合に、六角形や八角形といった多角形の形状のものであれば、結合部材320の形状及び押圧部材330の数や配置位置も、これに対応した形状や数や配置としてもよい。同様に、容器や蓋がさらに円弧を含んだ形状のものであれば、結合部材320の形状及び押圧部材330の数や配置位置も、これに対応した形状や数や配置としてもよい。さらに同様に、容器や蓋が正円や楕円といった円形の形状であれば、結合部材320の形状及び押圧部材330の数や配置位置も、これに対応した形状や数や配置としてもよい。
【0096】
また、この場合に、押圧部334の蓋と接触する部分の形状も、L字形状のみでなく、蓋の角に合わせた角度の形状や、円弧を含んだ形状にしてもよい。
すなわち、上述の実施形態の構成は、本発明の実施形態の一例に過ぎず、嵌合の対象とする容器や蓋の種類といった実装環境に応じて、適宜変更した構成とすることが可能である。
【0097】
[変形例3]
上述の実施形態では、中間部材340を複数の押圧部材330の間に架け渡していたが、これには限られない。中間部材340による押圧を行わないのであれば、中間部材340を省略した構成としてもよい。
このようにしても、複数の押圧部材330がそれぞれ伸縮することで傾きを吸収し、容器や蓋が傾いている場合であっても、蓋の各押圧対象部分を、それぞれ均一の力によって的確に押圧することができる。
【0098】
[変形例4]
上述の実施形態において、多関節ロボット制御部154は、例えば、力センサ30Aによって計測された容器や蓋からの反力(すなわち、容器や蓋への接触の検出結果)のデータに基づいて、嵌合に関する一連の動作(例えば、押圧する動作)を開始したり、これらを終了したりするように、多関節ロボット30を制御することができる。これに限らず、他の方法で制御をするようにしてもよい。
【0099】
例えば、容器や蓋の幅や高さが正確にデータとして把握できており、より高精度に多関節ロボット30を駆動できる場合には、この容器や蓋の幅や高さのデータのみに基づいて、多関節ロボット30を制御するようにしてもよい。あるいは、カメラの設置コスト等が問題とならない場合には、カメラ(すなわち、撮像装置)によって、嵌合位置P1の蓋や容器を撮影する。そして、この撮像装置によって撮像された画像をリアルタイムに画像解析し、その解析結果に基づいて、多関節ロボット30を制御するようにしてもよい。
なお、上述した変形例1~変形例4については、これらを適宜組み合わせて、別途の変形例とすることも可能である。
【0100】
[構成例]
以上のように、本実施形態における嵌合システム1は、蓋を押圧する複数の押圧部材330を備えた多関節ロボット30と、多関節ロボット30の動作を制御する制御装置40と、を備える。
蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在する。
複数の押圧部材330は、複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧方向に伸縮可能である。
制御装置40は、複数の押圧部材330を押圧方向に移動させることで、複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された複数の押圧部材330それぞれで押圧するように多関節ロボット30の動作を制御する。
これにより、第2部分に対応する位置に配置された複数の押圧部材330により、互いに離間した複数の第2部分それぞれを、的確に押圧することができる。そのため、例えば、蓋の押圧対象面全体を「平面」で押圧するよりも、「複数の点」で押圧することが望ましい状況において、より適切に嵌合させることができる。例えば、蓋の押圧対象面に段差があり、平面による押圧では押圧すべき複数の位置を適切に押圧できない構造の場合であっても、より適切に嵌合させることができる。
また、この押圧の際に、少なくとも1つの押圧部材330は伸縮可能である。そのため、例えば、容器や蓋が傾いて第2部分の高さがそれぞれ異なってしまっている場合や、容器や蓋の場合であっても、この高さの違いを吸収するように、押圧部材330が伸縮して押圧をする。そのため、このような容器や蓋の傾き等が生じた場合であっても、より適切に嵌合させることができる。
このように、嵌合システム1は、「押圧部材330の押圧面によって押圧方向を単純に押圧したからといって、必ずしも適切に嵌合できるとは限らない。」という、従来技術では、そもそも想定すらされていなかった課題を鑑みたものであって、さらに、この課題を解決するものである。
すなわち、嵌合システム1によれば、多関節ロボット30によって嵌合を行う場合に、容器と蓋を、より適切に嵌合させることができる。
【0101】
多関節ロボット30は、複数の押圧部材330が配置されると共に、複数の押圧部材330を押圧方向に移動させる嵌合機構31aをさらに備え、
複数の押圧部材330は、嵌合機構31aの蓋の押圧対象面と対向する面の中心から離間した複数の位置に配置される。
これにより、嵌合機構31aの中心から離間した複数の位置から、第2部分を均一の力で押圧して、嵌合させることができる。
【0102】
第2部分の位置は、蓋の押圧対象面の中心から離間した複数の位置である。
これにより、蓋の押圧対象面の中心を押圧することなく、この中心から離間した複数の第2部分を押圧することができる。特に、容器や蓋が傾いているような場合には、中心を押圧してしまうと、複数の第2部分それぞれを押圧することが困難となったり、容器や蓋の傾きを修正することが困難となったりすることが想定される。しかしながら、本構成であれば、このような問題の発生を回避することができる。
【0103】
蓋の押圧対象面は、蓋が押圧される容器を覆う天面部と、天面部の縁よりも外側で容器と嵌合する嵌合部とを備え、
複数の第2部分の位置は、嵌合部における複数の位置である。
これにより、天面部が、嵌合部よりも押圧部材330に近い位置(例えば、高い位置)に存在するような蓋の構造であっても、この天面部を避けて、嵌合部のみを押圧して、嵌合させることができる。
【0104】
押圧方向に伸縮可能な押圧部材330は、伸縮の程度に関わらず、第2部分に対して与える押圧の力の強さが一定となるように制御する機構を有する。
これにより、容器や蓋が傾いていることにより相対的に押圧部材330との距離が近くなっている(例えば、浮いてしまっている)第2部分に対して与えられる押圧の力が過剰に強くなってしまうことを防止できる。そのため、例えば、容器や蓋の破損といった事態を防止できる。
また、同様に、容器や蓋が傾いていることにより相対的に押圧部材330との距離が遠くなっている(例えば、容器に近接している)第2部分に対して与えられる押圧の力が過剰に弱くなってしまうことを防止できる。そのため、例えば、一部の第2部分の嵌合が不十分となるという事態を防止できる。
【0105】
複数の押圧部材330のそれぞれは、押圧方向を長手方向とする柱状の部材である。
この点、蓋の1つの辺に沿った壁状の押圧部材330であったり、蓋の縁の全周に沿った環状の押圧部材330であったりすると、蓋の1つの辺や、蓋の縁の全周に傾きが生じている場合に、これら1つの辺全体や、蓋の縁の全周を均一な力で押圧することが困難となる。また、蓋の押圧対象面に段差があるような場合にも、このような押圧部材330であると、第2部分のみを的確に押圧することが困難となる。
しかしながら、本構成であれば、柱状の押圧部材330により、第2部分のみを的確に(すなわち、ピンポイントに)、且つ、均一な力で押圧して、嵌合させることができる。
【0106】
複数の押圧部材330の間には、押圧方向と交わる方向に平面形状の中間部材340が架け渡される。
中間部材340と複数の押圧部材330とは相互に支持をすると共に、中間部材340は支持される複数の押圧部材330によって、押圧方向において相対的に異なる位置に移動可能に支持される。
これにより、複数の押圧部材330が押圧する際に、押圧する力及びこれに応じた反力等に基づいて、押圧部材330が押圧方向から傾くことを防止するように支持することができる。また、複数の押圧部材330が押圧する際に、押圧方向において移動可能であるので、複数の押圧部材330のそれぞれが独立して伸縮することを妨げることもない。
【0107】
制御装置40は、複数の押圧部材330と共に中間部材340を押圧方向に移動させることで、中間部材340によって、第1部分であるか第2部分であるかに関わりなく蓋の押圧対象面を押圧するように多関節ロボット30の動作を制御する。
これにより、複数の押圧部材330それぞれと相互に支持されている中間部材は、押圧部材330の伸縮に伴い傾いた状態となって、蓋の押圧対象面を押圧することができる。そのため、例えば、容器や蓋が傾いている場合に、これを押圧方向に単純に押圧するのではなく、この傾きに対応した状態となってから押圧して、嵌合させることができる。また、複数の押圧部材330同士が離間している距離よりも、幅の狭い押圧対象面の蓋であっても押圧して、嵌合させることができる。
【0108】
なお、上述の実施形態及び変形例は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の機能を実現する種々の実施形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態及び変形例において、食品が盛り付けられた容器に対して、蓋をする嵌合システムに本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、種々の対象物を嵌合するシステムに適用することができる。例えば、工業分野等において、ロボットによって嵌合を行う様々なシステムに本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態に記載された例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が嵌合システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0109】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0110】
プログラムを記憶する記憶媒体は、装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア、あるいは、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクあるいはフラッシュメモリ等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray Disc(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。フラッシュメモリは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリあるいはSDカードにより構成される。また、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体は、例えば、プログラムが記憶されているROMやハードディスク等で構成される。
【0111】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0112】
上記実施形態は、本発明を適用した一例を示しており、本発明の技術的範囲を限定するものではない。すなわち、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができ、上記実施形態以外の各種実施形態を取ることが可能である。本発明が取ることのできる各種実施形態及びその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1 嵌合システム、2 ベルトコンベア、2A 案内部材、10 蓋供給部、20 容器検出センサ、30 多関節ロボット、30A 力センサ、31 ハンド、31a 嵌合機構、32 ロボットアーム、40 制御装置、151 対象情報取得部、152 センサ情報取得部、153 蓋供給制御部、154 多関節ロボット制御部、155 記録制御部、171 パラメータ記憶部、172 履歴データベース(履歴DB)、310 連結部、311、335 継手、320 結合部材、321 バッファ機構、330 押圧部材、331 第1部材、332 第2部材、333 支持部、334 押圧部、340 中間部材、350 保持機構、711 CPU、712 ROM、713 RAM、714 バス、715 入力部、716 出力部、717 記憶部、718 通信部、719 ドライブ、731 リムーバブルメディア
【手続補正書】
【提出日】2023-07-18
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、嵌合システム、嵌合機構、及び制御装置に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋を押圧する複数の押圧部材を備えたロボットと、前記ロボットの動作を制御する制御装置と、を備えた嵌合システムであって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧対象物からの反力に応じて押圧方向に伸縮可能であり、
前記制御装置は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする嵌合システム。
【請求項2】
前記複数の押圧部材は、その内の少なくとも1つが前記伸縮をすることで、前記複数の第2部分それぞれを、異なる高さで同時に押圧する、
ことを特徴とする請求項1に記載の嵌合システム。
【請求項3】
前記ロボットは、前記押圧部材が配置されると共に、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させる嵌合機構をさらに備え、
前記複数の押圧部材は、前記嵌合機構の前記蓋の押圧対象面と対向する面の中心から離間した複数の位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の嵌合システム。
【請求項4】
前記第2部分の位置は、前記蓋の押圧対象面の中心から離間した複数の位置である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の嵌合システム。
【請求項5】
前記蓋の押圧対象面は、蓋が押圧される容器を覆う天面部と、前記天面部の縁よりも外側で前記容器と嵌合する嵌合部とを備え、
前記複数の第2部分の位置は、前記嵌合部における複数の位置である、
ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項6】
前記押圧方向に伸縮可能な押圧部材は、前記伸縮の程度に関わらず、前記第2部分に対して与える押圧の力の強さが一定となるように制御する機構を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項7】
前記複数の押圧部材のそれぞれは、前記押圧方向を長手方向とする柱状の部材である、
ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項8】
前記複数の押圧部材の間には、前記押圧方向と交わる方向に平面形状の中間部材が架け渡され、
前記中間部材と前記複数の押圧部材とは相互に支持をすると共に、前記中間部材は支持される前記複数の押圧部材によって、前記押圧方向において相対的に異なる位置に移動可能に支持される、
ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の嵌合システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記複数の押圧部材と共に前記中間部材を前記押圧方向に移動させることで、前記中間部材によって、前記第1部分であるか前記第2部分であるかに関わりなく前記蓋の押圧対象面を押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする請求項8に記載の嵌合システム。
【請求項10】
蓋を押圧する複数の押圧部材と、前記複数の押圧部材を移動させる機構と、を備えた嵌合機構であって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧対象物からの反力に応じて押圧方向に伸縮可能であり、
前記押圧部材を移動させる機構は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧する、
ことを特徴とする嵌合機構。
【請求項11】
蓋を押圧する複数の押圧部材を備えたロボットの動作を制御する制御手段を備えた制御装置であって、
前記蓋の押圧対象面には、第1部分を挟んで互いに離間した位置に複数の第2部分が存在し、
前記複数の押圧部材は、前記複数の第2部分それぞれに対応する位置に配置されると共に、その内の少なくとも1つが押圧の際に押圧対象物からの反力に応じて押圧方向に伸縮可能であり、
当該制御装置は、前記複数の押圧部材を前記押圧方向に移動させることで、前記複数の第2部分それぞれを、対応する位置に配置された前記複数の押圧部材それぞれで押圧するように前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする制御装置。