(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134470
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】主装置、プログラム、および発信制御方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/42 20060101AFI20240926BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H04M3/42 C
H04M11/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044787
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博久
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA05
5K201DA03
5K201EC04
5K201ED01
5K201ED04
(57)【要約】
【課題】適切な発信モードを自動的に選択して発信することが可能なクリックコールの発信制御技術を提供する。
【解決手段】主装置1は、データ通信網7を介して発信先の指定を伴う発信要求を受信した場合に、この発信要求の送信元(電話端末2と連携するデータ通信端末3、あるいは携帯端末4)の属性情報(端末ID、搭載OS、発信要求操作に用いたWebブラウザ、および通信アプリケーションプログラムに関する情報の少なくとも1つ)を取得する。そして、取得した属性情報に基づいて発信先への発信モードを決定する。例えば、発信要求の送信元がリレー発信可能な場合には、発信モードをリレー発信モードに決定し、そうでない場合には、発信モードをV字発信モードに決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
V字発信機能およびリレー発信機能を有する主装置であって、
発信先の指定を伴う発信要求を通信端末から受信した場合に、前記通信端末の属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段により取得された前記通信端末の属性情報に基づいて、発信モードとして、前記V字発信機能を用いて発信するV字発信モードおよび前記リレー発信機能を用いて発信するリレー発信モードのいずれかを決定する発信モード決定手段と、
前記発信モード決定手段により決定された発信モードにより、前記発信要求により指定された前記発信先に対して発信する発信処理手段と、を有する
ことを特徴とする主装置。
【請求項2】
請求項1に記載の主装置であって、
前記属性情報取得手段は、
前記通信端末の属性情報として、前記通信端末の識別情報、前記通信端末の搭載オペレーションシステムに関する情報、前記通信端末のWebブラウザに関する情報、および前記通信端末の通信アプリケーケーションプログラムに関する情報の少なくとも1つを取得し、
前記発信モード決定手段は、
前記通信端末の識別情報が携帯番号である場合、前記通信端末の搭載オペレーションシステムが携帯端末用である場合、前記通信端末のWebブラウザが携帯端末用である場合、および、前記通信端末の通信アプリケーケーションプログラムが携帯端末用である場合の少なくとも1つに該当するならば、前記発信モードを前記リレー発信モードに決定し、いずれにも該当しないならば、前記発信モードを前記V字発信モードに決定する
ことを特徴とする主装置。
【請求項3】
請求項2に記載の主装置であって、
前記発信モード決定手段は、
前記通信端末に前記V字発信モードを採用すべき旨の設定が予めなされている場合は、前記通信端末の識別情報が携帯番号である場合、前記通信端末の搭載オペレーションシステムが携帯端末用である場合、前記通信端末のWebブラウザが携帯端末用である場合、および、前記通信端末の通信アプリケーケーションプログラムが携帯端末用である場合の少なくとも1つに該当するか否かにかかわらず、前記発信モードを前記V字発信モードに決定する
ことを特徴とする主装置。
【請求項4】
V字発信機能およびリレー発信機能を有する主装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
発信先の指定を伴う発信要求を通信端末から受信した場合に、前記通信端末の属性情報を取得する属性情報取得手段、
前記属性情報取得手段により取得された前記通信端末の属性情報に基づいて、発信モードとして、前記V字発信機能を用いて発信するV字発信モードおよび前記リレー発信機能を用いて発信するリレー発信モードのいずれかを決定する発信モード決定手段、および
前記発信モード決定手段により決定された発信モードにより、前記発信要求により指定された前記発信先に対して発信する発信処理手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
V字発信機能およびリレー発信機能を有する主装置の発信制御方法であって、
発信先の指定を伴う発信要求を通信端末から受信した場合に、
前記通信端末の属性情報を取得し、
前記取得した前記通信端末の属性情報に基づいて、発信モードとして、前記V字発信機能を用いて発信するV字発信モードおよび前記リレー発信機能を用いて発信するリレー発信モードのいずれかを決定し、
前記決定した発信モードにより、前記発信要求により指定された前記発信先に対して発信する
ことを特徴とする発信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主装置に関し、特に、クリックコールの発信制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CTI(Computer Telephony Integration)システムでは、発信にクリックコールが用いられている。クリックコールには、V字発信モード(Click To Callback)およびリレー発信モード(Click To Call)がある。V字発信モードでは、データ通信網を介して発信先の指定を含む発信要求を受信した主装置が、この発信要求の要求元に紐付けられた電話端末(要求元自身がこの電話端末であってもよい)に電話網を介して発信し、電話網を介してこの電話端末から応答があったならば、この発信要求で指定されている発信先の電話端末に電話網を介して発信する。リレー発信モードでは、データ通信網を介して発信先の指定を含む発信要求を受信した主装置が、続けてこの発信要求の要求元から電話網を介して着信したならば、この発信要求で指定されている発信先の電話端末に電話網を介して発信する。
【0003】
特許文献1には、携帯電話機、PDA(Personal Data Assistance)、PC(Personal Computer)、タブレットPC等の通信端末に表示される発信操作画面において、発信先を選択し、さらに、選択した発信先に対して、V字発信モードで発信するか、それともリレー発信モードで発信するかを指定することができるCTIシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
V字発信モードは、固定電話機、携帯電話機、スマートホン等、様々な電話端末を発信元として利用することができる。しかし、主装置が発信元に発信することにより、発信元と主装置との間に通話路が確立されるため、主装置と発信元との通話に外線電話網を利用している場合、主装置側に通話料金が発生する。
【0006】
一方、リレー発信モードは、発信元から主装置に着信することにより、発信元と主装置との間に通話路が確立されるため、主装置と発信元との通話に外線電話網を利用している場合でも、主装置側には通話料金が発生せず、発信元側に通話料金が発生する。したがって、主装置側の通話コストを削減できる。加えて、発信元が外線電話網の定額料金サービスを利用できる場合には、主装置側および発信元側のトータルコストを削減できる。しかし、発信元が、携帯電話機、スマートホン等の、データ通信が可能なものに限定される。このため、リレー発信モードを利用できない電話端末も存在する。
【0007】
特許文献1に記載の技術では、V字発信モードで発信するか、それともリレー発信モードで発信するかを、通信端末に表示される発信操作画面を介してユーザに指定させる。このため、ユーザは、主装置側の通話コスト削減の観点からリレー発信モードを指定すべきところ、誤ってV字発信モードを指定したり、あるいは、リレー発信モードを利用できない通信端末であるにもかかわらず、リレー発信モードを指定したりするなど、適切な発信モードを指定できない可能性がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切な発信モードを自動的に選択して発信することが可能なクリックコールの発信制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明において、主装置は、発信先の指定を伴う発信要求を通信端末から受信した場合に、この通信端末の属性情報(端末ID、搭載OS(Operating System)、発信要求操作に用いたWebブラウザ、および通信アプリケーションプログラムに関する情報の少なくとも1つ)を取得する。そして、取得した属性情報に基づいて、発信先への発信モードを決定する。例えば、発信要求元の通信端末がリレー発信可能な場合には、発信モードをリレー発信モードに決定し、そうでない場合には、発信モードをV字発信モードに決定する。なお、発信要求の送信元の通信端末がリレー発信可能な場合でも、その通信端末にV字発信モードを採用すべき旨の設定が予めなされている場合は、発信モードをV字発信モードに決定してもよい。
【0010】
例えば、本発明は、
V字発信機能およびリレー発信機能を有する主装置であって、
発信先の指定を伴う発信要求を通信端末から受信した場合に、前記通信端末の属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段により取得された前記通信端末の属性情報に基づいて、発信モードとして、前記V字発信機能を用いて発信するV字発信モードおよび前記リレー発信機能を用いて発信するリレー発信モードのいずれかを決定する発信モード決定手段と、
前記発信モード決定手段により決定された発信モードにより、前記発信要求により指定された前記発信先に対して発信する発信処理手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発信要求の送信元の属性情報に基づいて、発信先に対する発信モードを決定するので、発信要求の送信元がリレー発信可能な通信端末である場合には送信モードをリレー発信モードに決定し、そうでない場合にはV字発信モードに送信モードを決定する等、適切な発信モードを自動的に選択して発信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係るCTIシステムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態に係るCTIシステムのV字発信モードを説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施の形態に係るCTIシステムのリレー発信モードを説明するためのシーケンス図である。
【
図5】
図5は、主装置1の発信処理を説明するためのフロー図である。
【
図6】
図6は、主装置1の発信処理を説明するためのフロー図であり、
図5の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係るCTIシステムの概略構成図である。
【0015】
図示するように、本実施の形態に係るCTIシステムは、主装置1と、主装置1に収容された電話端末2、データ通信端末3、および携帯端末4と、を備えて構成される。
【0016】
電話端末2は、固定電話機等の電話端末であり、電話網6を介して主装置1に収容されている。電話端末2は、データ通信機能を有しておらず、このためリレー発信モードに非対応であり、V字発信モードのみに対応している。
【0017】
データ通信端末3は、PC、タブレットPC等の、電話機能を有していないデータ通信端末であり、データ通信網7を介して主装置1に収容されている。また、データ通信端末3は、電話端末2に紐付けされており、電話端末2のユーザは、データ通信端末3を自身の電話端末2と連携させて使用することができる。
【0018】
携帯端末4は、スマートホン、携帯電話機等のデータ通信機能付き携帯電話端末であり、電話網6およびデータ通信網7のそれぞれを介して主装置1に収容されている。携帯端末4は、V字発信モードおよびリレー発信モードの両方に対応している。
【0019】
主装置1は、クリックコールに対応しており、データ通信網7を介して収容端末(データ通信端末3あるいは携帯端末4)から発信要求を受信した場合に、この発信要求の送信元の属性情報に基づいて、発信モードをV字発信モードおよびリレー発信モードのいずれか一方に決定する。具体的には、発信要求の送信元の属性情報に基づき発信要求の送信元がリレー発信可能な端末と判断されればリレー発信モードに決定し、そうでないならばV字発信モードに決定する。そして、決定した発信モードに従い、発信要求で指定されている発信先に発信する。
【0020】
図2は、本実施の形態に係るCTIシステムのV字発信モードを説明するためのシーケンス図である。
【0021】
データ通信端末3が、Webブラウザを用いたユーザの発信要求操作に従い、データ通信網7を介して主装置1に、電話端末5を発信先とし、データ通信端末3に紐付けられた電話端末2を発信元とする発信要求を送信したものとする(S100)。これを受けて、主装置1は、発信要求の送信元であるデータ通信端末3の属性情報を取得する(S101)。具体的には、受信した発信要求のメタ情報から、データ通信端末3の属性情報として、データ通信端末3の端末ID、搭載OS、発信要求操作に用いたWebブラウザ、および発信要求の送信に用いた通信アプリケーションプログラムの情報の少なくとも1つを取得する。そして、取得した属性情報に基づいて、発信モードをV字発信モードおよびリレー発信モードのいずれかに決定する。具体的には、データ通信端末3の属性情報が、下記の表1に示す条件1~4の少なくとも1つに該当するならば、発信モードをリレー発信モードに決定し、いずれにも該当しないならば発信モードをV字発信モードに決定する。
【0022】
【0023】
ここでは、発信要求の送信元が、PC、タブレットPC等の、電話機能を有していないデータ通信端末3であるので、その属性情報は、表1に示すいずれの条件1~4にも該当しない。このため、主装置1は、発信モードをV字発信モードに決定する(S102)。
【0024】
つぎに、主装置1は、発信要求で発信元に指定された電話端末2に、電話網6を介して呼(呼び返し)を送出する(S103)。そして、電話端末2が、ユーザの応答操作に従い、電話網6を介して主装置1に応答を返信すると(S104)、主装置1は、電話端末2との通話路を確立するとともに(S105)、電話網6を介して、発信要求で発信先に指定された電話端末5に呼を送出する(S106)。そして、電話端末5が、ユーザの応答操作に従い、電話網6を介して主装置1に応答を返信すると(S107)、主装置1は、電話端末5との通話路を確立するとともに(S108)、この電話端末5との通話路を電話端末2との通話路に接続して両通話路間を中継する(S109)。これにより、電話端末2と電話端末5との通話が可能となる。
【0025】
図3は、本実施の形態に係るCTIシステムのリレー発信モードを説明するためのシーケンス図である。
【0026】
携帯端末4が、Webブラウザを用いたユーザの発信要求操作に従い、データ通信網7を介して主装置1に、電話端末5を発信先とし、携帯端末4を発信元とする発信要求を送信したものとする(S120)。これを受けて、主装置1は、発信要求の送信元である携帯端末4の属性情報を取得する(S121)。具体的には、受信した発信要求のメタ情報から、携帯端末4の属性情報として、携帯端末4の端末ID、搭載OS、発信要求操作に用いたWebブラウザ、および発信要求の送信に用いた通信アプリケーションプログラムの情報の少なくとも1つを取得する。そして、取得した属性情報に基づいて、発信モードをV字発信モードおよびリレー発信モードのいずれかに決定する。具体的には、携帯端末4の属性情報が、上述の表1に示す条件1~4の少なくとも1つに該当するならば、発信モードをリレー発信モードに決定し、いずれにも該当しないならば発信モードをV字発信モードに決定する。
【0027】
ここでは、発信要求の送信元が、スマートホン、携帯電話機等の、データ通信機能付き携帯電話機であるので、その属性情報は、表1に示すいずれかの条件1~4に該当する。このため、主装置1は、発信モードをリレー発信モードに決定する(S122)。
【0028】
つぎに、主装置1は、データ通信網7を介して、発信要求で発信元に指定された携帯端末4にリレー発信通知を送信する(S123)。これを受けて、携帯端末4は、電話網6を介して主装置1に呼を送出する(S124)。そして、主装置1は、携帯端末4から着信すると、発信要求で発信先に指定された電話端末5に、電話網6を介して呼を送出する(S125)。そして、電話端末5が、ユーザの応答操作に従い、電話網6を介して主装置1に応答を返信すると(S126)、主装置1は、電話網6を介して携帯端末4に応答を返信する(S127)。これにより、主装置1は、電話端末5との通話路および携帯端末4との通話路をそれぞれ確立するとともに(S128、S129)、これらの通話路を互いに接続して両通話路間を中継する(S130)。これにより、携帯端末4と電話端末5との通話が可能となる。
【0029】
つぎに、本実施の形態に係るCTIシステムを構成する主装置1の詳細を説明する。
【0030】
なお、上述したように、電話端末2には、固定電話機等の電話端末を利用でき、データ通信端末3には、PC、タブレットPC等の、電話機能を有していないデータ通信端末を利用でき、そして、携帯端末4には、スマートホン、携帯電話機等のデータ通信機能付き携帯電話端末を利用でき、これらはいずれも既存のものであるので、その詳細な説明を省略する。
【0031】
【0032】
図示するように、主装置1は、電話網インターフェース部10と、データ通信網インターフェース部11と、呼制御部12と、中継部13と、クリックコール制御部14と、発信要求受信部15と、属性情報取得部16と、発信モード決定部17と、を備えている。
【0033】
電話網インターフェース部10は、電話網6に接続するためのインターフェースであり、データ通信網インターフェース部11は、データ通信網7に接続するためのインターフェースである。
【0034】
呼制御部12は、電話網インターフェース部10を介して、電話端末2あるいは携帯端末4と連携して呼制御処理を実施することにより、これらの端末2、4と通話相手との間に電話網6を介して通話路を確立する。
【0035】
中継部13は、呼制御部12により確立された通話路を介して、電話端末2あるいは携帯端末4と通話相手との通話を中継する。
【0036】
クリックコール制御部14は、発信モード決定部17により決定された発信モード(V字発信モードあるいはリレー発信モード)に従って発信するように呼制御部12を制御する。
【0037】
発信要求受信部15は、データ通信網インターフェース部11を介してデータ通信端末3あるいは携帯端末4から、発信先および発信元の指定を伴う発信要求を受信する。
【0038】
属性情報取得部16は、発信要求受信部15が受信した発信要求の送信元の属性情報を取得する。具体的には、受信した発信要求のメタ情報から、発信要求の送信元の属性情報として、発信要求の送信元の端末ID、搭載OS、発信要求操作に用いたWebブラウザ、および発信要求の送信に用いた通信アプリケーションプログラムの情報の少なくとも1つを取得する。
【0039】
発信モード決定部17は、発信要求受信部15が受信した発信要求に対する発信モード(V字発信モードあるいはリレー発信モード)を、属性情報取得部16が取得した属性情報に基づき決定する。具体的には、発信要求の送信元の属性情報が、上述の表1に示す条件1~4の少なくとも1つに該当するならば、発信モードをリレー発信モードに決定し、いずれにも該当しないならば発信モードをV字発信モードに決定する。
【0040】
なお、
図4に示す主装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウェア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現される。
【0041】
図5および
図6は、主装置1の発信処理を説明するためのフロー図である。
【0042】
このフローは、発信要求受信部15がデータ通信網インターフェース部11を介してデータ通信網7から発信要求を受信することにより開始される。
【0043】
まず、発信要求受信部15は、受信した発信要求を属性情報取得部16に通知する。これを受けて、属性情報取得部16は、通知された発信要求のメタ情報から発信要求の送信元の属性情報を取得する(S200)。具体的には、発信要求元の端末ID、搭載OS、発信要求操作に用いたWebブラウザ、および発信要求の送信に用いた通信アプリケーションプログラムの情報の少なくとも1つを、発信要求の送信元の属性情報として取得する。そして、取得した属性情報を、発信要求の送信元、およびこの発信要求に含まれている発信先および発信元の情報とともに発信モード決定部17に通知する。
【0044】
これを受けて、発信モード決定部17は、属性情報取得部16より通知された発信要求の送信元の属性情報に基づいて発信モードを決定する。まず、発信モード決定部17は、属性情報に端末IDが含まれているか否かを判断し(S201)、含まれている場合は(S201でYES)、この端末IDが携帯番号であるか否かを判断する(S202)。そして、端末IDが携帯番号である場合は(S202でYES)、発信モードをリレー発信モードに決定する(S209)。一方、属性情報に端末IDが含まれていない場合(S201でNO)、あるいは、含まれていてもそれが携帯番号でない場合は(S202でNO)、S203に進む。
【0045】
つぎに、S203において、発信モード決定部17は、属性情報に搭載OSの情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合は(S203でYES)、この搭載OSがアップル社のiOS(商標)、グーグル社のAndroid(商標)等の携帯端末(携帯電話機、スマートホン)用OSであるか否かを判断する(S204)。そして、搭載OSが携帯端末用OSである場合は(S204でYES)、発信モードをリレー発信モードに決定する(S209)。一方、属性情報に搭載OSの情報が含まれていない場合(S203でNO)、あるいは、含まれていてもそれが携帯端末用OSでない場合は(S204でNO)、S205に進む。
【0046】
つぎに、S205において、発信モード決定部17は、属性情報に発信要求の送信元のユーザが発信要求操作に用いたWebブラウザの情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合は(S205でYES)、このWebブラウザが、アップル社のSafari(商標)、グーグル社のGoogle Chrome(商標)等の携帯端末(携帯電話機、スマートホン)用ブラウザであるか否かを判断する(S206)。そして、Webブラウザが携帯端末用ブラウザである場合は(S206でYES)、発信モードをリレー発信モードに決定する(S209)。一方、属性情報にWebブラウザの情報が含まれていない場合(S205でNO)、あるいは、含まれていてもそれが携帯端末用ブラウザでない場合は(S206でNO)、S207に進む。
【0047】
つぎに、S207において、発信モード決定部17は、属性情報に通信アプリケーションプログラムの情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合は(S207でYES)、この通信アプリケーションプログラムが携帯端末(携帯電話機、スマートホン)用プログラムであるか否かを判断する(S208)。そして、通信アプリケーションプログラムが携帯端末用プログラムである場合は(S208でYES)、発信モードをリレー発信モードに決定する(S209)。一方、属性情報に通信アプリケーションプログラムの情報が含まれていない場合(S207でNO)、あるいは、含まれていてもそれが携帯端末用プログラムでない場合は(S208でNO)、上述の表1に示す条件1~4のいずれにも該当しないことになるので、発信モードをV字発信モードに決定する(S210)。
【0048】
発信モード決定部17は、S209において発信モードをリレー発信モードに決定した場合、その旨を、属性情報取得部16から通知された発信要求の送信元、発信先および発信元の情報とともにクリックコール制御部14に通知する。これを受けて、クリックコール制御部14は、データ通信網インターフェース部11を介して発信要求の送信元にリレー発信通知を送信する(S220)。また、クリックコール制御部14は、発信先および発信元の指定を伴うリレー発信予約を呼制御部12に通知する(S221)。
【0049】
これを受けて、呼制御部12は、電話網インターフェース部10を介して、リレー発信予約で指定されている発信元から呼が着信するのを待つ(S222)。そして、発信元から呼が着信すると、電話網インターフェース部10を介して、リレー発信予約で指定されている発信先に発信する(S223)。そして、発信先から応答を受信すると(S224でYES)、電話網インターフェース部10を介して発信元に応答を返信する(S225)。これにより、発信元および発信先それぞれとの通話路を確立する(S226)。
【0050】
つぎに、中継部13は、呼制御部12により確立された発信元との通話路および発信先との通話路間を中継する(S227)。これにより、発信元と発信先との通話が可能となる。
【0051】
一方、発信モード決定部17は、S210において発信モードをV字発信モードに決定した場合、その旨を、属性情報取得部16から通知された発信先および発信元の情報とともにクリックコール制御部14に通知する。そして、クリックコール制御部14は、発信先および発信元の指定を伴うV字発信起動を呼制御部12に通知する(S230)。
【0052】
これを受けて、呼制御部12は、電話網インターフェース部10を介して発信元に発信する(S231)。そして、発信元から応答を受信すると(S232でYES)、発信元との通話路を確立する(S233)。それから、呼制御部12は、電話網インターフェース部10を介して発信先に発信する(S234)。そして、発信先から応答を受信すると(S235でYES)、発信元との通話路を確立する(S236)。
【0053】
つぎに、中継部13は、呼制御部12により確立された発信元との通話路および発信先との通話路間を中継する(S237)。これにより、発信元と発信先との通話が可能となる。
【0054】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0055】
本実施の形態において、主装置1は、データ通信網7を介して、発信先(電話端末5)の指定を伴う発信要求を受信した場合に、この発信要求の送信元の属性情報を取得し、取得した属性情報に基づいて発信先への発信モードを決定する。したがって、本実施の形態によれば、発信要求の送信元がリレー発信可能な通信端末である場合には発信モードをリレー発信モードに決定し、そうでない場合には発信モードをV字発信モードに決定する等、発信要求の送信元に応じた適切な発信モードを自動的に選択して発信することができる。
【0056】
例えば、本実施の形態においては、発信要求の送信元の属性情報として、端末ID、搭載OS、発信要求操作に用いられたWebブラウザ、および通信アプリケーションプログラムに関する情報の少なくとも1つを取得し、取得した属性情報が上述の表1に示す条件1~4の少なくとも1つに該当するならば、発信モードをリレー発信モードに決定し、いずれにも該当しないならば発信モードをV字発信モードに決定する。このようにすることにより、発信要求の送信元がリレー発信可能な通信端末である場合には発信モードをリレー発信モードに決定し、そうでない場合には発信モードをV字発信モードに決定することができるので、主装置1側の通話コストを削減することができる。加えて、発信元(電話端末2、携帯端末4)が電話網6の定額料金サービスを利用できる場合には、主装置1側および発信元(電話端末2、携帯端末4)側のトータルコストを削減できる。
【0057】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0058】
例えば、上記の実施の形態において、主装置1は、発信要求の送信元の属性情報として、発信要求の送信元の端末ID、搭載OS、発信要求操作に用いたWebブラウザ、および発信要求の送信に用いた通信アプリケーションプログラムの情報の少なくとも1つを取得し、取得した属性情報が上述の表1に示す条件1~4の少なくとも1つに該当するならば発信モードをリレー発信モードに決定し、いずれにも該当しないならば発信モードをV字発信モードに決定する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。発信要求の送信元にV字発信モードを採用すべき旨の設定が予めなされているならば、取得した属性情報が上述の表1に示す条件1~4の少なくとも1つに該当する場合でも、発信モードをV字発信モードに決定してもよい。このようにすることにより、発信要求の送信元の発信モードをより柔軟に決定することができる。
【符号の説明】
【0059】
1:主装置 2:電話端末 3:データ通信端末
4:携帯端末 5:電話端末 6:電話網 7:データ通信網
10:電話網インターフェース部 11:データ通信網インターフェース部
12:呼制御部 13:中継部 14:クリックコール制御部
15:発信要求受信部 16:属性情報取得部 17:発信モード決定部