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特開2024-134472積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置
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  • 特開-積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置 図1
  • 特開-積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置 図2
  • 特開-積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134472
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/20 20060101AFI20240926BHJP
   C08J 7/046 20200101ALI20240926BHJP
   G02B 1/14 20150101ALI20240926BHJP
【FI】
B32B27/20 Z
C08J7/046 CFD
G02B1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044789
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】水川 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚樹
【テーマコード(参考)】
2K009
4F006
4F100
【Fターム(参考)】
2K009AA15
2K009BB24
2K009CC09
2K009CC24
2K009DD02
4F006AA35
4F006AB43
4F006AB64
4F006AB76
4F006BA02
4F006CA05
4F006CA08
4F006DA04
4F006EA03
4F006EA05
4F100AA20B
4F100AK01B
4F100AK25B
4F100AK42A
4F100AL01B
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100CB05C
4F100CC02B
4F100DE01B
4F100EH46B
4F100EJ08B
4F100GB41
4F100JB14B
4F100JK09B
4F100JK12
4F100JK17
(57)【要約】
【課題】 本発明は、屈曲性と硬度を両立した積層体の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明の積層体10又は10aは、樹脂基材11の少なくとも一方の面上に樹脂層12が形成され、樹脂層12は、個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子を同一層内に含み、樹脂層12は、前記粒子のうち、最も個数平均粒子径の大きな粒子(A)13aの個数平均粒子径(r1)と、最も個数平均粒子径の小さな粒子(B)13bの個数平均粒子径(r2)との個数平均粒子径比(r1/r2)が1.4以上である、前記粒子を含み、粒子(A)13aと、粒子(B)13bとの重量比(A:B)が、80:20 ~95:5であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材の少なくとも一方の面上に樹脂層が形成され、
前記樹脂層は、個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子を同一層内に含み、
前記粒子のうち、最も個数平均粒子径の大きな粒子(A)の個数平均粒子径(r1)と、最も個数平均粒子径の小さな粒子(B)の個数平均粒子径(r2)との個数平均粒子径比(r1/r2)が1.4以上であり、
前記粒子(A)と、前記粒子(B)との重量比(A:B)が、80:20 ~95:5であることを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記樹脂層全体に対する、前記粒子の充填率(重量%)が、60重量%以上、かつ、65重量%以下である請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記樹脂層が、前記樹脂基材の一方の面上に形成されている請求項1記載の積層体。
【請求項4】
前記粒子(A)の個数平均粒子径が、35nm以上、かつ、150nm以下であり、
前記粒子(B)の個数平均粒子径が、6nm以上、かつ、25nm以下である請求項1記載の積層体。
【請求項5】
前記樹脂層が、官能基を有するオリゴマーとモノマーとの共重合体により形成されている請求項1記載の積層体。
【請求項6】
前記粒子(A)、及び前記粒子(B)の少なくとも一方が、無機粒子である請求項1記載の積層体。
【請求項7】
前記無機粒子が、酸化珪素粒子である請求項6記載の積層体。
【請求項8】
前記樹脂基材の一方の面上に前記樹脂層が形成され、他方の面上に粘接着層が形成されている請求項1記載の積層体。
【請求項9】
前記樹脂基材上に、前記樹脂層を形成する、樹脂層形成工程を含み、
前記樹脂層形成工程が、前記樹脂基材上に樹脂層形成用塗工液を塗工する、塗工工程を含み、
前記樹脂層形成用塗工液が、樹脂と、前記個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子とを含むことを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
前記樹脂層形成工程が、さらに、塗工した前記樹脂層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程を含む請求項9記載の製造方法。
【請求項11】
前記樹脂層形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含む請求項9又は10記載の製造方法。
【請求項12】
請求項1記載の積層体を含む光学部材。
【請求項13】
ハードコートフィルムである請求項12記載の光学部材。
【請求項14】
請求項1から8のいずれか一項に記載の積層体、又は請求項12もしくは13記載の光学部材を含む画像表示装置。
【請求項15】
フォルダブルディスプレイである請求項14記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置等に用いる積層体には、画面の傷付き等を防止するために、樹脂基材表面に樹脂層が形成されたものがある(特許文献1)。
【0003】
また、近年では、画像表示装置には従来よりもさらに薄型化され、かつ、可撓性を具備するシート状のものも実用化されるようになっている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-221746号公報
【特許文献2】特開2003-280548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような画面の傷付き等を防止するための樹脂層は、屈曲させると割れ等が起きるおそれがある。一方で、割れ等を防止するために屈曲性を向上させると硬度が下がるため、画面の傷付きを防止できなくなるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、屈曲性と硬度を両立した、積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の積層体は、
樹脂基材の少なくとも一方の面上に樹脂層が形成され、
前記樹脂層は、個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子を同一層内に含み、
前記粒子のうち、最も個数平均粒子径の大きな粒子(A)の個数平均粒子径(r1)と、最も個数平均粒子径の小さな粒子(B)の個数平均粒子径(r2)との個数平均粒子径比(r1/r2)が1.4以上であり、
前記粒子(A)と、前記粒子(B)との重量比(A:B)が、80:20 ~95:5であることを特徴とする。
【0008】
本発明の積層体の製造方法は、
前記樹脂基材上に、前記樹脂層を形成する、樹脂層形成工程を含み、
前記樹脂層形成工程が、前記樹脂基材上に樹脂層形成用塗工液を塗工する、塗工工程を含み、
前記樹脂層形成用塗工液が、樹脂と、前記個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の光学部材は、前記本発明の積層体を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の画像表示装置は、前記本発明の積層体、又は前記本発明の光学部材を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、屈曲性と硬度を両立した、積層体、積層体の製造方法、光学部材、及び画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1(a)及び(b)は、本発明の積層体の構成を例示する断面図である。
図2図2(a)及び(b)は、本発明の積層体の構成における別の例を示す断面図である。
図3図3(a)及び(b)は、本発明の積層体の構成におけるさらに別の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。
【0014】
本発明において、特に断らない限り、「質量%」と「重量%」とは互いに読み替えてもよく、「質量部」と「重量部」とは互いに読み替えてもよい。
【0015】
本発明において、「上に」又は「面上に」は、上に、又は面上に直接接触した状態でもよいし、他の層等を介した状態でもよい。
【0016】
本発明において、「粘接着層」は、粘着剤及び接着剤の少なくとも一方により形成された層をいう。本発明において、「粘接着層」は、特に断らない限り、粘着剤により形成された「粘着剤層」であってもよく、接着剤により形成された「接着剤層」であってもよく、粘着剤及び接着剤の両方を含む層であってもよい。また、本発明において、粘着剤と接着剤とをまとめて「粘接着剤」という場合がある。一般的に、粘着力又は接着力が比較的弱い剤(例えば、被接着物の再剥離が可能な剤)を「粘着剤」と呼び、粘着力又は接着力が比較的強い剤(例えば、被接着物の再剥離が不可能であるか、又はきわめて困難な剤)を「接着剤」と呼んで区別する場合がある。本発明において、粘着剤と接着剤とに明確な区別は無い。また、本発明において、「粘着力」と「接着力」とに明確な区別はない。
【0017】
[1.積層体]
図1(a)の断面図に、本発明の積層体における構成の一例を示す。図示のとおり、この積層体10は、樹脂基材11の片面に樹脂層12が直接積層されている。また、図1(b)の断面図に、本発明の積層体における構成の別の一例を示す。図示のとおり、この積層体10aは、樹脂基材11の両面に樹脂層12が直接積層されている。樹脂層12は、個数平均粒子径の2種類の異なる粒子(粒子13a、粒子13b)を含む。これらのうち、粒子13aが最も個数平均粒子径が大きな粒子(A)であり、粒子13bが最も個数平均粒子径が小さな粒子(B)である。また、粒子13aの個数平均粒子径(r1)と、粒子13bの個数平均粒子径(r2)との個数平均粒子径比(r1/r2)は、1.4以上である。さらに、粒子13aと粒子13bとの重量比は、80:20~95:5である。なお、前記個数平均粒子径の異なる粒子は、図1においては2種類のみを含むが、これに限定されず、例えば3種類以上含んでもよい。後述する図2図3においても同様である。
【0018】
また、図2(a)の積層体10bは、図示のとおり、樹脂基材11の片面に、粒子13a、粒子13bを含む樹脂層12が表面処理層14を介して積層されている。この積層体10bは、樹脂基材11と樹脂層12との間に表面処理層14が存在していること以外は、図1(a)の積層体10と同じである。表面処理層14は、コロナ処理、又は易接着処理等により形成された層である。図2(b)の積層体10cは、図示のとおり、樹脂基材11の両面に、粒子13a、粒子13bを含む樹脂層12が表面処理層14を介して積層されている。この積層体10cは、樹脂基材11とそれぞれの樹脂層12との間に表面処理層14が存在していること以外は、図1(b)の積層体10aと同じである。表面処理層14は、図2(a)と同様に、コロナ処理、又は易接着処理等により形成された層である。
【0019】
また、本発明の積層体は、前記樹脂基材、及び前記樹脂層以外の他の構成要素を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。前記他の構成要素も特に限定されないが、例えば、図2に示したような表面処理層等でもあってもよいし、粘接着層等であってもよい。図3に、そのような本発明の積層体の例を示す。図3(a)の積層体10dは、図示のとおり、樹脂基材11における樹脂層12と反対側の面上に粘接着層15が直接接触して設けられていること以外は図1(a)の積層体10と同じである。図3(b)の積層体10eは、図示のとおり、樹脂基材11における粒子13a、粒子13bを含む樹脂層12と反対側の面上に、表面処理層14を介して粘接着層15が設けられていること以外は図2(a)の積層体10bと同じである。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、粘接着層15と樹脂基材11又は表面処理層14との間に他の構成要素が存在していてもよい。前記他の構成要素も特に限定されないが、例えば、光学機能層でもよい。前記光学機能層も特に限定されず、例えば、一般的な光学フィルムに用いられる光学機能層でもよく、例えば、マイクロレンズフィルム、プリズムフィルム、拡散フィルム、偏光反射フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、高屈折率層等であってもよい。
【0020】
本発明の積層体は、前述のとおり、樹脂基材の少なくとも一方の面に樹脂層が形成される。前記樹脂基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等があげられる。また、前記樹脂基材の形成材料としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等もあげられる。さらに、前記樹脂基材の形成材料としては、例えば、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等もあげられる。前記樹脂基材は、光透過性を有してもよいし、有さなくてもよい。
【0021】
本発明の積層体は、例えば、保護フィルムとして偏光板に使用することもでき、この場合には、前記樹脂基材としては、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、アクリル系ポリマー、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン等から形成されたフィルムが好ましい。また、本発明において、前記樹脂基材は、偏光子自体であってもよい。このような構成であると、TAC等からなる保護層を不要とし偏光板の構造を単純化できるので、偏光板若しくは画像表示装置の製造工程数を減少させ、生産効率の向上が図れる。また、このような構成であれば、偏光板を、より薄層化することができる。なお、前記樹脂基材が偏光子である場合には、樹脂層が、従来の保護層としての役割を果たすことになる。また、このような構成であれば、積層体は、液晶セル表面に装着されるカバープレートとしての機能を兼ねることになる。
【0022】
前記樹脂基材は、例えば、前記樹脂基材の少なくとも一方の面に、コロナ処理、易接着処理等の表面処理を行ったものを使用してもよい。前記表面処理は、例えば、樹脂層を形成する前に行ってもよいし、樹脂層を形成する工程(樹脂層形成工程)と同一行程で行ってもよい。
【0023】
前記樹脂基材の厚みは、特に制限されないが、例えば、強度、取り扱い性などの作業性及び薄層性などの点を考慮すると、10~500μmの範囲が好ましく、より好ましくは20~300μmの範囲であり、最適には、30~200μmの範囲である。前記樹脂基材が光透過性を有する場合、屈折率は、特に制限されないが、例えば、1.30~1.80又は1.40~1.70の範囲である。
【0024】
前記樹脂層の厚み(以下、単に「膜厚」という場合がある。)は、例えば、1μm以上、1.5μm以上、2μm以上、2.5μm以上、又は3μm以上であってもよいし、6μm以下、5μm以下、又は4μm以下であってもよい。
【0025】
本発明の積層体は、前述のとおり、個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子を同一層内に含む。前記粒子の種類は、例えば、2種類のみであってもよいし、例えば、3種類、4種類、又は5種類以上であってもよい。
【0026】
本発明の積層体は、前述のとおり、前記粒子のうち、最も個数平均粒子径の大きな粒子(A)の個数平均粒子径(r1)と、最も個数平均粒子径の小さな粒子(B)の個数平均粒子径(r2)との個数平均粒子径比(r1/r2)が1.4以上である、前記粒子を前記樹脂層に含む。前記個数平均粒子径比(r1/r2)は、例えば、2.0以上、2.3以上、又は2.6以上であってもよいし、例えば、25以下、20以以下、15以下、10以下、6.0以下、5.0以下、4.0以下、又は3.0以下であってもよい。
【0027】
本発明の積層体は、前述のとおり、前記粒子(A)と、前記粒子(B)との重量比(A:B)が、80:20 ~95:5である。前記重量比(A:B)は、例えば、81:19~94:6であってもよい。
【0028】
前記樹脂層全体に対する、前記粒子の充填率(重量%)は、例えば、前述のとおり、60重量%以上、かつ、65重量%以下であってもよい。前記充填率(重量%)は、例えば、62重量%以上、かつ、64重量%以下であってもよい。
【0029】
前記粒子(A)の個数平均粒子径は、例えば、前述のとおり、35nm以上、かつ、150nm以下であってもよい。前記粒子(A)の個数平均粒子径の上限は、例えば、140nm以下、130nm以下、120nm以下、110nm以下、又は100nm以下であってもよく、下限は、例えば、40nm以上、45nm以上、50nm以上、55nm以上、60nm以上、又は70nm以上であってもよい。また、前記粒子(A)の粒度のバラツキを示す粒度分布は、特に制限されず、例えば、粒径45μm~150μmの粒子が、50~99.9重量%、80~99.8重量%、もしくは90~99.7重量%であり、又は、粒径45μm~150μmの粒子が、0.1~50重量%、0.2~20重量%、もしくは0.3~10重量%である。前記粒度分布は、例えば、粒度分布評価装置又は電子顕微鏡により測定することができる。
【0030】
前記粒子(B)の個数平均粒子径は、例えば、前述のとおり、6nm以上、かつ、25nm以下であってもよい。前記粒子(B)の個数平均粒子径の上限は、例えば、20nm以下、15nm以下、又は10nm以下であってもよく、下限は、例えば、8nm以上、9nm以上、又は10nm以上であってもよい。また、前記粒子(B)の粒度のバラツキを示す粒度分布は、特に制限されず、例えば、粒径6μm~14μmの粒子が、50~99.9重量%、80~99.8重量%、もしくは90~99.7重量%であり、又は、粒径14μm~25μmの粒子が、0.1~50重量%、0.2~20重量%、もしくは0.3~10重量%である。
【0031】
なお、本発明において、前記粒子(A)、及び前記粒子(B)の粒子の個数平均粒子径は、例えば、コールターカウント法により測定できる。例えば、細孔電気抵抗法を利用した粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザー、ベックマン・コールター社製)を用い、前記粒子が前記細孔を通過する際の前記粒子の体積に相当する電解液の電気抵抗を測定することにより、前記粒子の数と体積を測定し、個数平均粒子径を算出する。
【0032】
また、本発明において、前記個数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、粒子の断面を観察することにより測定することもできる。例えば、TEM観察により得られた観察像に含まれる前記粒子の断面より、粒子の直径を測定し、前記測定した平均値を、前記個数平均粒子径とすることができる。この場合、TEM観察像において、任意の箇所における、0.58μm×0.33μmの矩形の範囲に含まれる粒子の個数平均粒子径が、前記個数平均粒子径を満たす場合には、本発明における前記個数平均粒子径の条件を満たすものとする。より具体的には、例えば、後述する実施例に記載の測定方法により測定することができる。
【0033】
なお、本発明における個数平均粒子径は、前記コールターカウント法、又は前記TEM観察のいずれか一方の測定方法により得られた個数平均粒子径が、本発明における個数平均粒子径の数値範囲に含まれていればよい。
【0034】
前記樹脂層は、例えば、前述のとおり、官能基を有するオリゴマーとモノマーとの共重合体により形成されていてもよい。前記官能基を有するオリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、硬化型ウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。前記硬化型ウレタンアクリレート樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル系ウレタンアクリレート等が挙げられる。前記モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、多官能アクリレート等が挙げられる。前記多官能アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールやトリメチロールプロパンを含む多官能アクリレート等が挙げられる。
【0035】
前記樹脂層は、例えば、硬化型ウレタンアクリレート樹脂及び多官能アクリレートの共重合物であってもよい。
【0036】
前記樹脂層は、例えば、ひっかき硬度(鉛筆法)が500g荷重でH以上であってもよい。前記ひっかき硬度(鉛筆法)は、例えば、後述する実施例記載の方法により試験することができる。
【0037】
前記樹脂層は、例えば、屈曲性が、2mmφ以下であってもよい。前記屈曲性は、例えば、後述する実施例記載の方法により試験することができる。
【0038】
本発明の積層体において、前記粒子(A)、及び前記粒子(B)は、例えば、前述のとおり、これらのうち少なくとも一方が、無機粒子であってもよい。前記粒子(A)、及び前記粒子(B)は、例えば、いずれもが無機粒子であってもよい。
【0039】
前記無機粒子は、例えば、前述のとおり、酸化珪素粒子であってもよい。前記酸化珪素粒子は、例えば、シリカ粒子(二酸化珪素粒子)である。前記無機粒子は、例えば、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク粒子、カオリン粒子、硫酸カルシウム粒子等であってもよい。これらの無機粒子は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0040】
前記無機粒子以外の粒子を含む場合、例えば、有機粒子を含んでもよい。前記有機粒子は、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末(PMMA粒子)、シリコーン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末等があげられる。これらの有機粒子は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0041】
本発明の積層体は、例えば、前述のとおり、前記樹脂基材の少なくとも一方の面上に、粘接着層が形成されていてもよい。前記粘接着層を形成する粘着剤又は接着剤は特に限定されず、例えば、一般的な粘着剤又は接着剤等が使用できる。前記粘着剤又は接着剤としては、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤、ゴム系接着剤等があげられる。また、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等もあげられる。粘着剤としては、例えば、前述した粘着剤があげられる。これら粘着剤及び接着剤は、1種類のみ用いても、複数種類を併用(例えば、混合、積層等)しても良い。また、前記粘接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1~100μm、5~50μm、10~30μm、又は12~25μmである。
【0042】
[2.積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、前述のとおり、前記樹脂基材上に、前記樹脂層を形成する、樹脂層形成工程を含み、前記樹脂層形成工程が、前記樹脂基材上に樹脂層形成用塗工液を塗工する塗工工程を含む。
【0043】
前記塗工工程は、例えば、ファウンテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗工方法を用いることができる。
【0044】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前述のとおり、前記樹脂層形成工程が、さらに、塗工した前記樹脂層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程を含んでもよい。前記乾燥は、例えば、自然乾燥でもよいし、風を吹きつけての風乾であってもよいし、熱風、オーブン、又は赤外線等による加熱乾燥であってもよいし、これらを組み合わせた方法であってもよい。
【0045】
前記塗膜形成工程の乾燥温度は、例えば、30℃以上、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、又は100℃以上であってもよく、200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、120℃以下、又は110℃以下であってもよい。乾燥時間は特に限定されないが、例えば、30秒以上、40秒以上、50秒以上、又は60秒以上であってもよく、150秒以下、130秒以下、110秒以下、又は90秒以下であってもよい。
【0046】
本発明の積層体の製造方法は、前述のとおり、前記樹脂層形成用塗工液が、樹脂と、前記個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子とを含む。前記樹脂は、例えば、官能基を有するオリゴマーとモノマーとを有していてもよい。前記官能基を有するオリゴマーとモノマーは、例えば、前記実施形態の前記樹脂層を形成するものと同様である。
【0047】
前記樹脂層形成用塗工液は、さらに、希釈溶媒を含んでいてもよい。前記希釈溶媒(以下、単に「溶媒」という場合がある。)は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール、t-ブチルアルコール(TBA)、2-メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等があげられる。また、例えば、前記溶媒が、炭化水素溶媒と、ケトン溶媒とを含んでいてもよい。前記炭化水素溶媒は、例えば、芳香族炭化水素であってもよい。前記芳香族炭化水素は、例えば、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、及びベンゼンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記ケトン溶媒は、例えば、シクロペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、及びアセトフェノンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0048】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前述のとおり、前記樹脂層形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含んでいてもよい。前記硬化工程は、例えば、熱、光(紫外線等)、又は電子線等による硬化工程であってもよい。前記硬化工程が紫外線硬化である場合、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、例えば、50~500mJ/cmが好ましい。照射量が、50mJ/cm以上であれば、硬化が十分に進行しやすく、形成される樹脂層の硬度が高くなりやすい。また、500mJ/cm以下であれば、形成される樹脂層の着色を防止することができる。前記硬化工程が電子線硬化である場合、線量は、樹脂基材を劣化、着色させないため、例えば、5~50kGy、5~40kGyが好ましい。電子線の加速電圧は、100~3000kV、150~300kVが好ましい。
【0049】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前記粒子のうち少なくとも1種類の粒子が、無機粒子であってもよい。また、例えば、前記粒子のうちすべての粒子が、無機粒子であってもよい。前記無機粒子は、例えば、前記実施形態の前記樹脂層に含まれる粒子が無機粒子の場合のもの同様である。
【0050】
前記無機粒子以外の粒子を含む場合、例えば、有機粒子を含んでもよい。前記有機粒子は、例えば、前記実施形態の前記樹脂層において前記無機粒子以外の粒子を含む場合における有機粒子と同様である。
【0051】
また、本発明の積層体の製造方法は、前記樹脂基材上に、さらに前記粘接着層を形成する、粘接着層形成工程を含んでもよい。具体的には、例えば、前記樹脂基材上に、粘着剤又は接着剤を塗布(塗工)することにより、前記粘接着層を形成しても良い。また、基材上に前記粘接着層が積層された粘着テープ等の、前記粘接着層側を、前記樹脂基材に貼り合せることにより、前記樹脂基材上に前記粘接着層を形成しても良い。この場合、前記粘着テープ等の基材は、そのまま貼り合せたままにしても良いし、前記粘接着層から剥離しても良い。
【0052】
[3.光学部材及び画像表示装置]
本発明の光学部材は、例えば、ハードコートフィルムであってもよい。
【0053】
本発明の画像表示装置は、どのような画像表示装置でもよいが、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等があげられる。
【0054】
本発明の積層体の用途は、特に限定されず、任意の用途に使用可能である。その用途としては、例えば、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等があげられる。また、本発明の積層体は、屈曲性と硬度の両方を備えるため、例えば、フォルダブルデバイス、ローラブルデバイス等にも使用可能である。
【実施例0055】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0056】
なお、以下の参考例、実施例及び比較例において、各物質の部数(相対的な使用量)は、特に断らない限り、質量部(重量部)である。
【0057】
また、以下の実施例及び比較例において、個数平均粒子径、膜厚、屈曲性(マンドレル試験)、及びひっかき硬度(鉛筆法)は、それぞれ下記の測定方法により測定した。
【0058】
<個数平均粒子径>
TEM装置を用いてTEM観察像より測定を行った。まず、本発明の積層体について超薄切片法によりTEM観察用のサンプルを作製した。つぎに、作製したサンプルを重金属を用いて染色した。染色後のサンプルについて、TEM装置(株式会社日立製作所製、商品名:HT7820)を用いて、加速電圧100kVの条件で断面観察を行って、0.58μm×0.33μmの観察視野における画像を取得した。取得した画像内に存在する粒子の直径を測定して平均値を算出したものを、個数平均粒子径とした。
【0059】
<膜厚>
本発明の積層体をミクロトーム(LEICA MICROSYSTEMS株式会社製、商品名:LEICAEM UC7)を用いて、ダイヤモンドナイフにより切削加工を実施し、観察する断面を露出させた。その後、断面を露出させた試料に対し、マグネトロンスパッタ装置(株式会社真空デバイス製、商品名:MSP-20TK)を使用して、放電条件(気圧:3Pa、プラズマガス:アルゴン、電流:10mA、放電時間:30秒)を設定して金属薄膜をコーティングし、電子顕微鏡で断面層を観察するための導電処理を施した。その後、導電処理を施した試料をSEM装置(株式会社日立ハイテク製、商品名:Regulus8230)を使用して、倍率1万倍の条件で二次電子像を取得した。取得した画像を用いて該当の膜厚を測長することによって算出を行った。
【0060】
<屈曲性(マンドレル試験)>
マンドレル試験機(コーティングスター株式会社製、商品名:屈曲試験機(円筒型マンドレル法)タイプI)を用いて、JIS K 5600‐5‐1に準拠した方法に基づいて測定した。本発明の積層体を塗面が外側になるようにマンドレル試験機に設置し、マンドレルφ2mmの条件で外曲げの屈曲試験を実施した。サンプルを屈曲試験機に設置後、本体を約1~2秒かけて、均等に180°折り曲げた後、180°開いて元に戻し、塗膜の割れ及び塗膜の割けを目視にて観察し、屈曲性を評価した。
【0061】
屈曲性評価基準
OK:塗膜の割れ及び割けがなかった
NG:塗膜の割れ又は割けがあった
【0062】
<ひっかき硬度(鉛筆法)>
JIS K 5600‐5‐4に準拠して行った。各種硬度の鉛筆を45°の角度で資料の表面に当て、荷重をかけてひっかき試験を行い、傷がつかない最も硬い鉛筆の硬さを鉛筆硬度とした。
【0063】
[実施例1]
<1.樹脂層形成用塗液の調製>
下記の手順により、本参考例(参考例1)の樹脂層形成用塗液を調製した。
【0064】
ハードコート層形成材料に含まれる樹脂として、紫外線硬化性多官能アクリレート樹脂100重量部を準備した。前記樹脂の合計固形分100重量部あたり、粒子(A)(シリカ粒子、個数平均粒子径35~150nm)180重量部、粒子(B)(シリカ粒子、個数平均粒子径6~25nm)180重量部、光重合開始剤(BASF株式会社製、商品名:OMNIRAD2959)を4重量部、レベリング剤(共生社化学株式会社製、商品名:LE303)を0.05重量部混合した。この混合物を固形分濃度が40重量%となるように、MIBKで希釈して、ハードコート層形成材料(塗工液)を調製した。なお、粒子(A)の個数平均粒子径は35~150nmであり、粒子(B)の個数平均粒子径は6~25nmであった。
【0065】
<2.積層体の製造>
参考例1で作製した樹脂層形成用塗液を、厚みが50μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:ルミラー(登録商標)U-48)上に塗工した。塗工には、バーコーターを用いた。バーコーターを用いて、前記PETフィルムの片面に、前記ハードコート層形成材料(塗工液)を塗工し、塗膜を形成した。その後、塗膜が形成された前記PETフィルムを乾燥オーブン(ウシオ電機株式会社製、商品名:UVC-025616S1AGM01、No.1209001)にて85℃、1分の条件で乾燥した。つぎに、樹脂層面からUV照射(積算光量230mJ/cm)を行ない、本実施例の積層体を製造した。なお、樹脂層の膜厚は3~4μmであった。
【0066】
[実施例2~6、及び比較例1~16]
前述の「1.樹脂層形成用塗液の調製」における粒子の配合比(部)を、以下の表1のように変更した以外は実施例1と同条件で樹脂層形成用塗液の調製、及び積層体の製造を行い、実施例2~6、及び比較例1~16の積層体を製造した。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示したとおり、個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子を同一層内に含み、最も個数平均粒子径の大きな粒子(A)の個数平均粒子径(r1)と、最も個数平均粒子径の小さな粒子(B)の個数平均粒子径(r2)との個数平均粒子径比(r1/r2)が1.4以上であり、かつ、前記粒子(A)と、前記粒子(B)との重量比(A:B)が、80:20 ~95:5である、実施例1~6においては、マンドレル試験の評価が良好であり、かつ、ひっかき硬度(鉛筆法)試験の結果も良好であった。すなわち、実施例1~6の積層体は、屈曲性及び硬度を両立できていた。
【0069】
これに対し、上記の条件を満たさなかった比較例1~16の積層体は、マンドレル試験の評価、及びひっかき硬度(鉛筆法)試験の評価の少なくとも一方が悪かった。すなわち、比較例1~16の積層体は、屈曲性及び硬度を両立できなかった。
【0070】
<付記>
上記実施形態及び実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載し得るが、以下には限定されない。
(付記1)
樹脂基材の少なくとも一方の面上に樹脂層が形成され、
前記樹脂層は、個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子を同一層内に含み、
前記粒子のうち、最も個数平均粒子径の大きな粒子(A)の個数平均粒子径(r1)と、最も個数平均粒子径の小さな粒子(B)の個数平均粒子径(r2)との個数平均粒子径比(r1/r2)が1.4以上であり、
前記粒子(A)と、前記粒子(B)との重量比(A:B)が、80:20 ~95:5であることを特徴とする積層体。
(付記2)
前記樹脂層全体に対する、前記粒子の充填率(重量%)が、60重量%以上、かつ、65重量%以下である付記1記載の積層体。
(付記3)
前記樹脂層が、前記樹脂基材の一方の面上に形成されている付記1又は2記載の積層体。
(付記4)
前記粒子(A)の個数平均粒子径が、35nm以上、かつ、150nm以下であり、
前記粒子(B)の個数平均粒子径が、6nm以上、かつ、25nm以下である付記1から3のいずれかに記載の積層体。
(付記5)
前記樹脂層が、官能基を有するオリゴマーとモノマーとの共重合体により形成されている付記1から4のいずれかに記載の積層体。
(付記6)
前記粒子(A)、及び前記粒子(B)の少なくとも一方が、無機粒子である付記1から5のいずれかに記載の積層体。
(付記7)
前記無機粒子が、酸化珪素粒子である付記6記載の積層体。
(付記8)
前記樹脂基材の一方の面上に前記樹脂層が形成され、他方の面上に粘接着層が形成されている付記1から7のいずれかに記載の積層体。
(付記9)
前記樹脂基材上に、前記樹脂層を形成する、樹脂層形成工程を含み、
前記樹脂層形成工程が、前記樹脂基材上に樹脂層形成用塗工液を塗工する、塗工工程を含み、
前記樹脂層形成用塗工液が、樹脂と、前記個数平均粒子径が異なる少なくとも2種類の粒子とを含むことを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の積層体の製造方法。
(付記10)
前記樹脂層形成工程が、さらに、塗工した前記樹脂層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程を含む付記9記載の製造方法。
(付記11)
前記樹脂層形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含む付記9又は10記載の製造方法。
(付記12)
付記1から8のいずれかに記載の積層体を含む光学部材。
(付記13)
ハードコートフィルムである付記12記載の光学部材。
(付記14)
付記1から8のいずれかに記載の積層体、又は付記12もしくは13記載の光学部材を含む画像表示装置。
(付記15)
フォルダブルディスプレイである付記14記載の画像表示装置。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上、説明したとおり、本発明によれば、屈曲性及び硬度両立した、積層体、積層体の製造方法、光学部材及び画像表示装置を提供することができる。本発明の用途は特に限定されない。本発明の積層体によれば、例えば、低角度で折り曲げた際にもクラックが入らず、かつ、表面硬度が良好であるため、特に、フォルダブルディスプレイ表面のハードコートフィルムに適する。さらに、本発明の積層体の用途は、本発明の光学部材及び画像表示装置に限定されず任意であり、広範な用途に使用可能である。
【符号の説明】
【0072】
10、10a、10b、10c、10d、10e 積層体
11 樹脂基材
12 樹脂層
13a 粒子(A)
13b 粒子(B)
14 表面処理層
15 粘接着層
図1
図2
図3