(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134475
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20240926BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240926BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240926BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q19/10
A61K8/36
A61K8/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044794
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(72)【発明者】
【氏名】森 愛莉
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB052
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD531
4C083AD532
4C083BB05
4C083BB51
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】l-メントールおよびエタノールを含有するにもかかわらず、l-メントールの溶解性、並びに泡の起泡性および持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】l-メントールを0.1~3.0質量%、エタノールを0.1~6.0質量%、アニオン性界面活性剤を0.8~35質量%含有する皮膚洗浄剤組成物とすることで、l-メントールの溶解性、並びに泡の起泡性および持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
l-メントールを0.1~3.0質量%、エタノールを0.1~6.0質量%、アニオン性界面活性剤を0.8~35質量%含有する皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤が、高級脂肪酸およびその塩、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むアニオン性界面活性剤である請求項1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、皮膚洗浄剤に求められる使用感(洗い上がり後に付与される質感など)が多様化しており、使用時および使用後に清涼感が感じられる皮膚洗浄剤も求められている。皮膚洗浄剤に清涼感を付与する手段として、l-メントールなどの清涼剤を配合することが挙げられる。しかしながら、清涼剤の多くは水への溶解性が低く、組成物の安定性が低下する傾向がある。この問題を解消する手段として、清涼剤と併せてエタノールなどを配合することで組成物の安定性を向上する手段が知られている(特許文献1)。
【0003】
一方、高級脂肪酸を用いた皮膚洗浄剤は、濃密な泡を形成しやすいことが知られている(特許文献2)。しかしながら、エタノールなどの低級アルコールを配合すると、泡立ちおよび泡の持続性が悪化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-94267号公報
【特許文献2】特開2013-139439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、l-メントールおよびエタノールを含有するにもかかわらず、l-メントールの溶解性、並びに泡の起泡性および持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、l-メントール、エタノールおよびアニオン性界面活性剤を所定量で含有する皮膚洗浄剤組成物とすることで、l-メントールの溶解性、並びに泡の起泡性および持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、
〔1〕l-メントールを0.1~3.0質量%、エタノールを0.1~6.0質量%、アニオン性界面活性剤を0.8~35質量%含有する皮膚洗浄剤組成物
〔2〕前記アニオン性界面活性剤が、高級脂肪酸およびその塩、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むアニオン性界面活性剤である〔1〕記載の皮膚洗浄剤組成物、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、l-メントールおよびエタノールを含有するにもかかわらず、l-メントールの溶解性、並びに泡の起泡性および持続性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、l-メントールを所定量含有することで、使用時および使用後に充分な清涼感が感じられる皮膚洗浄剤組成物であるにもかかわらず、エタノールおよびアニオン性界面活性剤を所定量含有する含有することでl-メントールの溶解性、並びに泡の起泡性および持続性に優れた皮膚洗浄剤組成物である。
【0010】
l-メントール
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、l-メントールを含有する。皮膚洗浄剤組成物を用いることで、使用時および使用後に充分な清涼感が得られる。
【0011】
皮膚洗浄剤組成物中のl-メントールの含有量は、充分な清涼感の観点から、0.1質量%以上であり、0.8質量%以上が好ましく、1.2質量%以上がより好ましい。また、l-メントールの含有量は、使用時の刺激感の観点から、3.0質量%以下であり、2.4質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がより好ましい。
【0012】
エタノール
本実施形態に係る化粧料組成物は、エタノールを含有する。エタノールはl-メントールの可溶化剤として作用し、さらに気化熱による清涼感が得られる。
【0013】
皮膚洗浄剤組成物中のエタノールの含有量は、l-メントールの溶解性の観点から、0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。また、エタノールの含有量は、泡質の観点から、6.0質量%以下であり、4.5質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましい。
【0014】
皮膚洗浄剤組成物中のl-メントールの含有量に対するエタノールの含有量(エタノール/l-メントール)は、l-メントールの溶解性の観点から0.8~2.2が好ましく、1.0~2.0がより好ましい。
【0015】
アニオン性界面活性剤
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含有する。良好な起泡性や泡質を得る観点から、アニオン性界面活性剤を含有する。
【0016】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸およびその塩、アルキル硫酸エステルおよびその塩、アルキルリン酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸およびその塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸およびその塩、アシルメチルタウリンおよびその塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニンおよびその塩、N-アシルグリシンおよびその塩、N-アシルグルタミン酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸およびその塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸およびその塩、アルキルスルホコハク酸およびその塩、N-アシルサルコシンおよびその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸およびその塩、などが挙げられる。なかでも、起泡性や泡質の観点から、高級脂肪酸およびその塩、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0017】
本明細書において「高級脂肪酸」とは、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の高級脂肪酸を意味する。該高級脂肪酸の炭素数は、皮膚洗浄剤組成物の粘性や洗浄力を確保する観点から、8以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上がさらに好ましい。また、皮膚洗浄剤組成物の水馴染みや高温安定性の低下を防止する観点からは、24以下が好ましく、22以下がより好ましい。さらに、起泡性や泡質をより向上させる観点から、炭素数が12~16の脂肪酸を含有することが好ましい。
【0018】
高級脂肪酸の具体例としては、例えば、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、イソカプリル酸、イソペラルゴン酸、イソカプリン酸、イソウンダカン酸、イソラウリン酸、イソトリデシル酸、イソミリスチン酸、イソペンタデシル酸、イソパルミチン酸、イソマルガリン酸、イソステアリン酸、イソノナデカン酸、イソアラキン酸、イソヘンエイコサン酸、およびイソベヘン酸等が挙げられる。高級脂肪酸の他の具体例としては、例えば、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、綿実油等の植物性油脂;魚油および牛脂等の動物性油脂が挙げられる。
【0019】
本明細書において「高級脂肪酸塩」とは、前記の高級脂肪酸の少なくとも一部(一部または全部)をアルカリ剤でケン化または中和した化合物を意味する。高級脂肪酸塩を用いる場合には、高級脂肪酸とアルカリ剤とから高級脂肪酸塩を得た後に、他の成分と配合してもよく、高級脂肪酸とアルカリ剤とを配合することで、組成物中で高級脂肪酸塩としてもよい。なお、このような高級脂肪酸塩は、高級脂肪酸石鹸とも呼ばれる。
【0020】
アルカリ剤は、中和剤として用いることができる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イソプロパノールアミン、モルホリン、アルギニン等の有機アルカリが挙げられる。入手が容易であり、かつ取り扱い性に優れる観点からは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびトリエタノールアミンが好ましい。
【0021】
高級脂肪酸塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0022】
高級脂肪酸塩の具体例としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン、ミリスチン酸トリエタノールアミン、パルミチン酸トリエタノールアミン、ステアリン酸トリエタノールアミン、イソステアリン酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸ナトリウム、オリーブ油脂肪酸ナトリウム、パーム油脂肪酸ナトリウム、パーム核油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、牛脂脂肪酸カリウム、ヒマシ油脂肪酸カリウム、オリーブ油脂肪酸カリウム、パーム油脂肪酸カリウム、パーム核油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、牛脂脂肪酸トリエタノールアミン、ヒマシ油脂肪酸トリエタノールアミン、オリーブ油脂肪酸トリエタノールアミン、パーム油脂肪酸トリエタノールアミン、パーム核油脂肪酸トリエタノールアミン等が挙げられる。これらの成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0023】
高級脂肪酸および/またはその塩は、起泡性をより一層高める観点から、直鎖状の高級脂肪酸および/またはその塩を含むことが好ましい。また、一方、酸化安定性の観点からは、飽和の高級脂肪酸および/またはその塩が好ましい。
【0024】
高級脂肪酸および/またはその塩は、起泡性および洗浄力をより一層高める観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。さらに、安定性の観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
【0025】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を構成するアルキル基としては、例えば、炭素数8~24(好ましくは12~22)の、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のアルキル基等が挙げられる。具体的には、例えば、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられる。
【0026】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0027】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンウンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸マグネシウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸モノエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ジエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸モノイソプロパノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ジエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウムなどを例示することができる。これらの成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。なかでも、起泡性や泡質の観点から、高級脂肪酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
【0028】
皮膚洗浄剤組成物中のアニオン性界面活性剤の含有量は、泡質および使用感の観点から、0.8質量%以上であり、3.0質量%以上が好ましく、6.0質量%以上がより好ましい。また、アニオン性界面活性剤の含有量は、安定性および安全性の観点から、35質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
【0029】
多価アルコール
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、保湿効果および使用感の観点から、多価アルコールを含有することが好ましい。
【0030】
多価アルコールとしては、化粧品原料として用いられている公知の保湿剤を使用することができる。多価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グルコース、マルトース、マルチトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、および1,2-オクタンジオール等が挙げられる。前記の多価アルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
多価アルコールを含有する場合、皮膚洗浄剤組成物中の多価アルコールの含有量は、保湿効果および使用感の観点から、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。また、多価アルコールの含有量は、ぬるつき抑制および粘性上昇抑制の観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
【0032】
増粘剤
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、泡質をさらに向上させるという観点、および適度な粘性を得る観点から、増粘剤を含有することが好ましい。
【0033】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、トラガントガム、グアガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、およびカゼイン等の天然高分子化合物;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルセルロース、ポリアミド樹脂等の合成高分子化合物等が挙げられる。
【0034】
増粘剤を含有する場合、皮膚洗浄剤組成物中の増粘剤の含有量は、泡質および適度な粘性の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましい。また、増粘剤の含有量は、ぬるつき抑制および粘性上昇抑制の観点から、0.8質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
【0035】
その他の成分
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分に加えて、上記以外の界面活性剤、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、l-メントール以外の清涼剤、シリコーン類、ビタミン類、動植物エキス、粉体類、パール化剤、着色剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、美白剤、殺菌剤、抗炎症剤、pH調整剤、および溶剤等を配合してもよい。
【0036】
上記以外の界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルキロールアミド等のノニオン性界面活性剤;塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等のカチオン界面活性剤;アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられる。前記の界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
キレート剤としては、例えば、エデト酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、シクロヘキサンジアミン五酢酸、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、チロシン、メチオニン、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、エリソルビン酸、コハク酸、フマル酸、ピルビン酸、サリチル酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ピロリン酸塩、トリポリリン酸、ポリリン酸、およびオルトリン酸、並びにこれらの塩等が挙げられ、エデト酸およびその塩が好適に用いられる。
【0038】
防腐剤としては、例えば、安息香酸、フェノキシエタノール、オクトキシグリセリン、メチルパラベン等が挙げられる。
【0039】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、Δ-トコフェロール、天然ビタミンE、エリソルビン酸、オルトトリルビグアナイド、チオジプロピオン酸ジラウリル、パラヒドロキシアニソール、およびフィチン酸等が挙げられる。
【0040】
l-メントール以外の清涼剤としては、例えば、カンファー、およびl-メンチルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0041】
溶剤としては、例えば、水や、エタノール等のアルコール類が挙げられる。
【0042】
皮膚洗浄剤組成物
本実施形態に係る皮膚洗浄剤の剤型は、特に限定されず、クリーム、ジェル、粘性液体、液体等とすることができるが、本発明の効果を発揮する観点から、ジェルまたは粘性液体の剤型とすることが好ましい。
【0043】
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物の用途としては、例えば、洗顔料、シャンプー、ボディーシャンプー、ハンドソープ、シェービング料等が挙げられる。
【0044】
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、使いやすさの観点から、好ましくはポンプ容器に充填されて用いられる。本実施形態において使用可能なポンプ容器は、特に限定されず、市販のポンプ容器が挙げられる。本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物をポンプ容器に充填することにより、皮膚洗浄剤製品が得られる。上記皮膚洗浄剤製品は、ポンプ容器と、上記ポンプ容器に充填された本発明の皮膚洗浄剤とを少なくとも備えた皮膚洗浄剤製品である。
【0045】
本実施形態に係る皮膚洗浄剤は、上記各構成成分を混合し、公知の方法、例えばパドルミキサーを用いて攪拌することにより製造することができる。
【実施例0046】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量)であり、特記しない限り「質量%」で表す。また、表中の配合量における「-」は、その成分を配合していないことを示す。
【0047】
実施例及び比較例
表1に示した組成に従い、常法にて実施例及び比較例の皮膚洗浄剤組成物を調製し、下記評価試験に供した。評価結果は、表1に併記する。
【0048】
表に記載の主な成分の詳細は次のとおりである。
ラウリン酸:Emery Oleochemicals社製、商品名「EDENOR C12-99 MY」
ミリスチン酸:Emery Oleochemicals社製、商品名「EDENOR C14-99 MY」
パルミチン酸:Emery Oleochemicals社製、商品名「EDENOR C16-98 MY」
ラウレス硫酸ナトリウム:花王(株)製、商品名「エマール270J」
l-メントール:高砂香料工業(株)製、「メントール JP COS」
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:信越化学工業(株)製、商品名「メトローズ60SH-10000」
【0049】
<l-メントールの溶解性の評価>
各皮膚洗浄剤組成物を、50gずつ透明なガラス製容器に入れ、l-メントールが溶解して均一な組成物が調整されているかを目視で確認した。
○(優良):l-メントールが溶解した均一な組成物である
×(不良):濁りまたは沈殿が生成しており、不均一な組成物である
【0050】
<泡質(起泡性および持続性)の評価>
各皮膚洗浄剤組成物0.1gと水0.9gとを混合した各混合液1gをナイロンタオルで泡立て、得られた泡を前腕部に塗布した際の持続性について、以下の評価基準で評価した。なお、評価は、3人の専門評価員が実施し、合議により評価結果を決定した。
○(優良):泡立ちおよび持続性共に優れる
×(不良):泡立ちもしくは持続性が不充分である、またはその両方が不充分である
【0051】
【0052】
さらに、以下に、本発明の皮膚洗浄剤組成物の処方例を示す。
【0053】
〔処方例1〕
ラウリン酸 5.00質量%
ミリスチン酸 5.00質量%
パルミチン酸 5.00質量%
水酸化カリウム 3.72質量%
塩化カリウム 2.00質量%
プロピレングリコール 3.00質量%
l-メントール 2.00質量%
エタノール 3.00質量%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.25質量%
フェノキシエタノール 0.70質量%
EDTA-4Na 0.10質量%
水 残部
合計 100.00質量%
【0054】
〔処方例2〕
ラウレス硫酸Na 10.00質量%
ココイルグリシンK 2.00質量%
コカミドMEA 1.00質量%
ラウラミドプロピルベタイン 3.00質量%
プロピレングリコール 3.00質量%
l-メントール 0.50質量%
エタノール 1.00質量%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.25質量%
フェノキシエタノール 0.70質量%
EDTA-4Na 0.10質量%
水 残部
合計 100.00質量%
【0055】
〔処方例3〕
ラウリン酸 5.00質量%
ミリスチン酸 10.00質量%
ヤシ油脂肪酸K 1.00質量%
ラウレス硫酸Na 1.00質量%
水酸化カリウム 3.72質量%
塩化カリウム 1.00質量%
ジステアリン酸グリコール 2.00質量%
プロピレングリコール 3.00質量%
グリセリン 10.00質量%
l-メントール 2.50質量%
エタノール 3.00質量%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.25質量%
ポリクオタニウム-7 2.00質量%
フェノキシエタノール 0.70質量%
EDTA-4Na 0.10質量%
水 残部
合計 100.00質量%