(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134480
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】支援サーバ、支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044805
(22)【出願日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】518172509
【氏名又は名称】株式会社STANDAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120581
【弁理士】
【氏名又は名称】市原 政喜
(72)【発明者】
【氏名】足立 彰紀
(72)【発明者】
【氏名】大森 健太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】 通常は買手からの質問に対してAIやQ&Aに基づいて回答しつつ、Q&Aの精度を高めるため運用モードを切り替えて、専門家であるトレーナなどによりQ&Aをトレーニングしてブラッシュアップすること。
【解決手段】 貿易関連手続支援サーバ101は、輸出業者端末111からアクセスを受け、商品情報や、自社の情報提供サイトのアドレスを受信して、海外の買い手向けに提供する商品情報管理抽出モジュール201、輸出業者からの問合せに自動対応するための基礎となるQ&Aを生成するQ&A生成モジュール202、生成されたQ&Aをトレーナによりトレーニングして応答精度を向上させるトレーニング管理モジュール203、貿易関連ビジネス支援サービスに伴う種々の通信を行う通信モジュール204および輸出入業者を含め関係者間で情報を交換可能な通信手段を提供するメッセージ管理モジュール205を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問合者端末と提供者端末とを接続してオンライン取引の手続きを支援する支援サーバであって、
前記回答者端末から提供者の提供する取引に関する取引情報を受信し、当該取引についての問合せ応答対応表を生成する対応表生成手段と、
前記問合者端末から前記取引に関連する問合せを受信した場合、前記問合せ応答対応表に含まれる前記問合せに関連する応答に基づいて回答を送信する対応表応答手段と、
前記オンライン取引の手続きの専門家により前記問合者端末から前記取引に関連するトレーニング用の問合せを受信し、前記問合せ応答対応表に含まれる前記トレーニング用の問合せに関連する応答に基づいて送信された回答に対する前記専門家による修正を受信したときは、前記応答を修正するように前記質問応答対応表を更新する更新手段と
を備えることを特徴とする支援サーバ。
【請求項2】
前記問合せ応答対応表は、前記取引に対して前記問合者端末から送信されると想定される質問に対する回答を作成するための応答項目を含むことを特徴とする請求項1に記載の支援サーバ。
【請求項3】
前記更新手段は、前記取引に関連するトレーニング用の問合せを処理した結果複数の質問が得られたときは、前記問合者端末にすべての質問を送信し、前記複数の質問から前記専門家により選択され、前記問合者端末から送信された質問を受信して、当該質問を修正するように前記質問応答対応表を更新することを特徴とする請求項1に記載の支援サーバ。
【請求項4】
前記対応表応答手段は、前記問合せ応答対応表に前記問合者端末から受信した問合せと実質的に同内容の問合せが存在するか否かを自然言語処理を行って判定し、当該判定された問合せに対応する応答を送信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバ。
【請求項5】
前記オンライン取引の手続きの専門家により前記問合者端末から送信された問合せが前記問合せ応答対応表に含まれないときは、前記問合者端末から前記問合せに対応する応答を受信して、前記応答を前記問合せ応答対応表に追加する追加手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバ。
【請求項6】
前記更新手段は、前記問合者端末から前記オンライン取引の手続きの専門家によるトレーニングモードへの切り替える旨の指示を受信した場合、前記問合せ応答対応表に含まれる前記問合せに関連する応答に基づいて回答を送信後、前記問合せ応答対応表に含まれる前記問合せに関連する応答に基づいて回答に対する修正を受信したときは、前記応答を修正するように前記質問応答対応表を更新することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバ。
【請求項7】
前記提供者端末に、前記オンライン取引の手続きの専門家によるトレーニングモードへの切り替えるボタンを表示させることを特徴とする請求項6に記載の支援サーバ。
【請求項8】
前記提供者端末から提供者応答モードに切替る旨の指示を受信した場合、前記問合者端末から前記取引に関連する問合せを受信すると、当該問合せを前記提供者端末に送信し、前記提供者端末から受信した回答を前記問合者端末に送信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバ。
【請求項9】
前記提供者端末は、前記提供者応答モードでないときでも、前記問合者端末の問合せおよび前記対応表応答手段から送信された回答を受信することを特徴とする請求項8に記載の支援サーバ。
【請求項10】
問合者端末と提供者端末とを接続してオンライン取引の手続きを支援する支援方法であって、
前記回答者端末から提供者の提供する取引に関する取引情報を受信し、当該取引についての問合せ応答対応表を生成する対応表生成ステップと、
前記問合者端末から前記取引に関連する問合せを受信した場合、前記問合せ応答対応表に含まれる前記問合せに関連する応答に基づいて回答を送信する対応表応答ステップと、
前記オンライン取引の手続きの専門家により前記問合者端末から前記取引に関連するトレーニング用の問合せを受信し、前記問合せ応答対応表に含まれる前記トレーニング用の問合せに関連する応答に基づいて送信された回答に対する前記専門家による修正を受信したときは、前記応答を修正するように前記質問応答対応表を更新する更新ステップと
を備えることを特徴とする支援方法。
【請求項11】
問合者端末と提供者端末とを接続されたコンピュータにオンライン取引の手続きを支援方法を実行させるプログラムであって、該支援方法は、
前記回答者端末から提供者の提供する取引に関する取引情報を受信し、当該取引についての問合せ応答対応表を生成する対応表生成ステップと、
前記問合者端末から前記取引に関連する問合せを受信した場合、前記問合せ応答対応表に含まれる前記問合せに関連する応答に基づいて回答を送信する対応表応答ステップと、
前記オンライン取引の手続きの専門家により前記問合者端末から前記取引に関連するトレーニング用の問合せを受信し、前記問合せ応答対応表に含まれる前記トレーニング用の問合せに関連する応答に基づいて送信された回答に対する前記専門家による修正を受信したときは、前記応答を修正するように前記質問応答対応表を更新する更新ステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は支援サーバ、支援方法およびプログラムに関し、より具体的には、問い合わせ業務を円滑に行って手続きを容易にする様々なサービスを提供することができる支援サーバ、支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オンラインで売手と買手とを接続して売買を進めるシステムが広く提供されており、近年では輸出入など煩雑な手続きを要する分野でも、オンラインによる取引が提案されるようになってきている。すなわち、海外企業との間で輸出入を行う際は、直接の関係者である輸出業者および輸入業者のほかに、仲介業者や官公庁など多くの関係者がかかわり、また、煩雑な貿易書類が必要なため、専門的な知識と経験が必要であり、従来は専門の業者や商社を介在した取引が行われていたが、取引のオンライン化の進展により、より簡便にこのような関係者等の介在なしに取引を容易にする様々なシステムが提案されている。
【0003】
例えば、ECの海外への提供を支援するための支援方法であって、海外への配送をより容易にして越境ECを促す支援方法を提供することを目的とし、支援サーバ100が、既存のECサイトのための商品情報に含まれる少なくとも1つの商品の表示情報を、海外ユーザーのユーザー端末120に向けて送信するステップ(S201)と、支援サーバ100が、ユーザー端末120から、表示された商品が選択されたことの通知を受信するステップ(S202)とを含み、支援サーバ100が、当該選択された商品の購入費用をユーザー端末120に向けて送信するステップ(S203)と、支援サーバ100が、ユーザー端末120から、当該選択された商品を購入する旨の通知を受信するステップ(S204)とをさらに含むことができる、ECの海外への提供を支援するための支援方法が提案されている(特許文献1を参照)。また、カスタマからの問い合わせとカスタマへの応答内容から、カスタマの質問事項であると判定した質問判定事項を抽出する質問判定部12と、FAQ検索システムに保存された前記カスタマの質問事項に対応する検索クエリであって、前記検索クエリに対する検索結果であるFAQの全てがカスタマにとって役に立たなかったと判定されたFAQに対応する検索クエリを抽出するクエリログ抽出部14と、FAQ検索システムに登録済みのFAQの質問事項、質問判定事項、及び検索クエリを要素としてクラスタリングを行い、クラスタリングの結果に基づいて、整備するFAQの質問事項の候補を抽出する整備用質問候補抽出部15と、を備えることで、FAQの追加、削除といった整備を容易に行なうことを可能とするFAQ整備支援装置1が提案されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-010261号公報
【特許文献2】国際公開2019/156103号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の越境ECを促す支援方法は、ECの海外への提供を支援するためのサービスを提供することができるが、買手が売手に対して発する様々な質問へ有効に対応する機能が提供されないという問題がある。一方、所望のFAQの追加・削除を可能とする従来のFAQ整備支援装置は、買手からの質問などの検索クエリに対する応答のもととなるFAQを機械学習などの手法を用いて追加・削除し、整備することができるが、あくまでカスタマとオペレータのやり取りから問題点を抽出しているだけであり、通常は買手からの質問に対してAIやQ&Aに基づいて回答しつつ、Q&Aの精度を高めるため使用モードを切り替え専門家であるトレーナなどがQ&Aをトレーニングしてブラッシュアップするというものではなく、精度の高い整備が困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、専門的な知識と経験が必要であり、従来は専門の業者や商社を介在させて行われていた取引において、通常は買手からの質問に対してAIやQ&Aに基づいて回答しつつ、Q&Aの精度を高めるため運用モードを切り替えて、専門家であるトレーナなどによりQ&Aをトレーニングしてブラッシュアップすることが可能な支援サーバ、支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、問合者端末と提供者端末とを接続してオンライン取引の手続きを支援する支援サーバであって、回答者端末から提供者の提供する取引に関する取引情報を受信し、取引についての問合せ応答対応表を生成する対応表生成手段と、問合者端末から取引に関連する問合せを受信した場合、問合せ応答対応表に含まれる問合せに関連する応答に基づいて回答を送信する対応表応答手段と、オンライン取引の手続きの専門家により問合者端末から取引に関連するトレーニング用の問合せを受信し、問合せ応答対応表に含まれるトレーニング用の問合せに関連する応答に基づいて送信された回答に対する専門家による修正を受信したときは、応答を修正するように質問応答対応表を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の支援サーバにおいて、問合せ応答対応表は、取引に対して問合者端末から送信されると想定される質問に関連する応答項目から回答を作成することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の支援サーバにおいて、更新手段は、取引に関連するトレーニング用の問合せを処理した結果複数の質問が得られたときは、問合者端末にすべての質問を送信し、複数の質問から専門家により選択され、問合者端末から送信された質問を受信して、質問を修正するように質問応答対応表を更新することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバにおいて、対応表応答手段は、問合せ応答対応表に問合者端末から受信した問合せと実質的に同内容の問合せが存在するか否かを自然言語処理を行って判定し、判定された問合せに対応する応答を送信することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバにおいて、オンライン取引の手続きの専門家により問合者端末から送信された問合せが問合せ応答対応表に含まれないときは、問合者端末から問合せに対応する応答を受信して、応答を前記問合せ応答対応表に追加する追加手段をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバにおいて、更新手段は、問合者端末からオンライン取引の手続きの専門家によるトレーニングモードへの切り替える旨の指示を受信した場合、問合せ応答対応表に含まれる問合せに関連する応答に基づいて回答を送信後、問合せ応答対応表に含まれる問合せに関連する応答に基づいて回答に対する修正を受信したときは、応答を修正するように質問応答対応表を更新することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の支援サーバにおいて、提供者端末に、オンライン取引の手続きの専門家によるトレーニングモードへの切り替えるボタンを表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の支援サーバにおいて、提供者端末から提供者応答モードに切替る旨の指示を受信した場合、問合者端末から取引に関連する問合せを受信すると、問合せを提供者端末に送信し、提供者端末から受信した回答を問合者端末に送信することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の支援サーバにおいて、提供者端末は、提供者応答モードでないときでも、問合者端末の問合せおよび対応表応答手段から送信された回答を受信することを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、問合者端末と提供者端末とを接続してオンライン取引の手続きを支援する支援方法であって、回答者端末から提供者の提供する取引に関する取引情報を受信し、取引についての問合せ応答対応表を生成する対応表生成ステップと、問合者端末から取引に関連する問合せを受信した場合、問合せ応答対応表に含まれる問合せに関連する応答に基づいて回答を送信する対応表応答ステップと、オンライン取引の手続きの専門家により問合者端末から取引に関連するトレーニング用の問合せを受信し、問合せ応答対応表に含まれるトレーニング用の問合せに関連する応答に基づいて送信された回答に対する専門家による修正を受信したときは、応答を修正するように質問応答対応表を更新ステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、問合者端末と提供者端末とを接続されたコンピュータにオンライン取引の手続きを支援方法を実行させるプログラムであって、支援方法は、回答者端末から提供者の提供する取引に関する取引情報を受信し、取引についての問合せ応答対応表を生成する対応表生成ステップと、問合者端末から取引に関連する問合せを受信した場合、問合せ応答対応表に含まれる問合せに関連する応答に基づいて回答を送信する対応表応答ステップと、オオンライン取引の手続きの専門家により問合者端末から取引に関連するトレーニング用の問合せを受信し、問合せ応答対応表に含まれるトレーニング用の問合せに関連する応答に基づいて送信された回答に対する専門家による修正を受信したときは、応答を修正するように質問応答対応表を更新する更新ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、回答者端末から提供者の提供する取引に関する取引情報を受信し、取引についての問合せ応答対応表を生成する対応表生成手段と、問合者端末から取引に関連する問合せを受信した場合、問合せ応答対応表に含まれる問合せに関連する応答に基づいて回答を送信する対応表応答手段と、オンライン取引の手続きの専門家により問合者端末から取引に関連するトレーニング用の問合せを受信し、問合せ応答対応表に含まれるトレーニング用の問合せに関連する応答に基づいて送信された回答に対する専門家による修正を受信したときは、応答を修正するように質問応答対応表を更新手段とを備えるので、従来は専門の業者や商社を介在させて行われていた取引において、通常は買手からの質問に対してAIやQ&Aに基づいて回答しつつ、Q&Aの精度を高めるため運用モードを切り替えて、専門家であるトレーナなどによりQ&Aをトレーニングしてブラッシュアップすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態の全体のシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸出業者端末の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸入業者端末の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよびトレーナ端末の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームの輸出業者端末のメッセージ機能の画面の一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態の貿易関連ビジネス支援処理の一例の全体のフローを説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームの輸入業者端末のメッセージ機能の画面の一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームのトレーニングモード画面の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームのQ&Aリスト画面の一例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aをトレーニングする処理のフローの一例を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の支援サーバ、支援方法およびプログラムについて、図面を参照して実施形態を説明する。なお、異なる図面でも、同一の処理、構成を示すときは同一の符号を用いる。
【0021】
本実施形態は、貿易関連ビジネスにおいて当事者である開発メーカや販売業者である売手が、主に国内向けに販売している製品を、海外に販売展開し、買手とのビジネスを支援し、従来専門性を要した手続きを容易に進めることができるようにするものである。本実施形態の支援サーバは、貿易関連ビジネスの支援を提供する支援プラットフォームに付随して提供される、問合せ対応AIシステムであり、買手からの問合せに自動的に対応するため、Q&Aの構築を行い、構築されたQ&Aをトレーニングして問合せに対応した応答の精度を向上させるものである。ここで、貿易支援プラットフォームである、「貿易用マーケットプレイス」は、例えば
図5に示すように、本実施形態の主要機能である、関係者間で通信のやり取りを可能にするメッセージ処理機能505に加え、商品情報を買い手に提供する商品情報処理機能506、買い手からのオファーを処理する注文処理機能507、配送関連の処理を実行する配送処理機能508、相談対応や具体的な支援を提供するコンシェルジュ処理機能509など貿易関連ビジネスで必要な支援機能を網羅的に提供するものであるが、本実施形態ではさらに、端末の種類によりAIトレーニング機能またはQ&Aリスト機能を備える。本実施形態では、貿易用マーケットプレイス内で以上のような各機能を提供するが、これに限られることなく本技術分野で知られるような形態で、複数のプラットフォームに分割することもでき、また、以上列挙した機能に加え、本技術分野で知られる種々の機能を加えることもできる。
【0022】
本実施形態では貿易関連の取引を例に本願発明のトレーニングモード切替機能を説明するが、これに限られることなく同様に専門的な知見を必要とする様々な取引業務の対応に適用することができる。
【0023】
(システム構成)
本発明の一実施形態で用いる貿易支援プラットフォームの主な動作及び処理をまず説明し、次にメッセージ処理機能およびAIトレーニング機能について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の全体のシステム構成図である。本システムは、貿易支援処理の主な機能を実行し、輸入業者などの買手に対して様々な貿易関連の支援を提供したり、システム全体を制御したりするための貿易関連手続支援サーバ101を備えており、ネットワーク103を介して提供者である輸出業者の端末111や問合せ者である輸入業者の端末121、さらにトレーナ端末131に接続されている。本実施形態では、このサーバ101の機能は、クラウドを通じて各端末に提供することもできる。この場合、各端末ではブラウザや専用アプリを使用して主に入力、表示のみの処理を行い、データの管理、種々の処理は基本的にサーバ上で行われるが、クラウドの構成とせずインターネットや専用のネットワークを介して直接クライアントや端末などに提供するような構成とするなど、本技術分野で知られたいずれの構成とすることもできる。したがって、輸出業者端末111、輸入業者端末121およびトレーナ端末131は
図1において異なるものとして示しているが、ハードウェアや基本機能は同一とすることができ、ログイン時のIDなどにより使用するユーザが輸出業者、輸入業者およびトレーナであるかを認識してサーバ側で、表示画面を適合させるなど処理を変更することができる。
【0024】
サーバとしては、貿易関連手続支援サーバ101に加え、本技術分野で知られた様々なサービスを提供する各種サーバを備えることができる。また、図示しないデータベースを備え、データベースには、本実施形態で必要とされる各種データを格納しておくことができる。
【0025】
本実施形態では、提供者側の端末として、輸出業者端末111が用いられ、貿易関連ビジネスの諸手続きの支援の提供を受けることができるが、これらの端末は貿易関連支援サービスを依頼するクライアントの個人情報や企業データの入力などのために用いることもできる。また、同様に問合せ者である輸入業者は、輸入業者端末121を使用して、貿易支援プラットフォームから提供される商品情報に基づいて所望の商品の購入を決定する段階から、輸出業者に対してオファーを行った後、メッセージ処理機能を用いて例えば、メッセージにより輸出業者とで情報を交換して、売買条件、その他を決定することができるなど、最初の段階からメッセージ機能を使用することができる。さらに、輸出入の専門家であるトレーナは、トレーナ端末131を使用してQ&Aなどのトレーニングを行い、Q&Aの精度を改善することができる。なお、本実施形態では、日本国内の売手と海外の買手とが売買を行う場合で説明するが、これに限られることなく日本国内の買手と海外の売手との取引にも同様に適用することができる。ここで、各端末を便宜的に輸出業者端末111、輸入業者端末121およびトレーナ端末131と呼ぶが、端末のハードウェアおよびソフトウェア自体は同一のものであり、サーバにログインする際などにIDなどによりその端末の使用者の属性を確認して、以後その属性のユーザが使用するものとして処理が行われる。
【0026】
端末111、121および131は、基本的に無線でネットワーク103に接続されており、スマートフォン、あるいはタブレット端末等とすることができるが、そのほか例えばモバイルパソコン等とすることができる。ここで、本実施形態でネットワーク103との接続は、携帯電話の回線や、Wi-fi、BLUETOOTH(登録商標)等の無線ネットワークにより行うことができるが、基本的にネットワークを介して貿易支援プラットフォームにアクセスして入力画面を表示、およびタッチパネル、マウスまたはキーボードで一定の入力操作をすることができれば、タブレット端末のほか、モバイルあるいはデスクトップのパソコン、専用端末などいずれの装置を用いることもできる。また、本実施形態の貿易関連ビジネス支援サービスに関する処理を主に実行するサーバとしては、貿易関連手続支援サーバ101のみで処理を行うようにしているが、これに限られず複数のサーバに分けて、機能分担させることもできる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸出業者端末の機能ブロック図である。貿易関連手続支援サーバ101は、輸出業者端末111からアクセスを受け、商品情報や、自社の情報提供サイトのアドレスを受信して、海外の買い手向けに提供する商品情報管理抽出モジュール201、輸出業者からの問合せに自動対応するための基礎となるQ&Aを生成するQ&A生成モジュール202、生成されたQ&Aをトレーナによりトレーニングして応答精度を向上させるトレーニング管理モジュール203、貿易関連ビジネス支援サービスに伴う種々の通信を行う通信モジュール204および輸出入業者を含め関係者間で情報を交換可能な通信手段を提供するメッセージ管理モジュール205を備える。
【0028】
一方、輸出業者端末111は、様々なデータを送受信するデータ送受信モジュール206、メッセージによる関係者との通信による貿易関連ビジネス支援サービスを提供するメッセージ処理モジュール207、輸出業者に関する情報を入力させ、入力された輸出業者に関する情報を管理するデータ入力管理モジュール208、および問合せを受信して、AI対応により問合せに対して生成された回答を送信するAI対応モードと、輸出業者が直接回答する直接回答モードとの切替を管理して貿易関連手続支援サーバ101に指示するAI対応管理モジュール209を備える。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸入業者端末の機能ブロック図である。貿易関連手続支援サーバ101は、輸入業者端末121からアクセスを受けて、輸出業者の商品情報を提供する商品情報管理抽出モジュール201、輸出業者からの問合せに自動対応するための基礎となるQ&Aを生成するQ&A生成モジュール202、生成されたQ&Aをトレーナによりトレーニングして応答精度を向上させるトレーニング管理モジュール203、貿易関連ビジネス支援サービスに伴う種々の通信を行う通信モジュール204および輸出入業者を含め関係者間で情報を交換可能な通信手段を提供するメッセージ管理モジュール205を備える。
【0030】
一方、輸入業者端末121は、輸入業者に関する情報を入力させ、入力された輸入業者に関する情報を管理するデータ入力管理モジュール301、様々なデータを送受信するデータ送受信モジュール302、およびメッセージによる関係者との通信による貿易関連ビジネス支援サービスを提供するメッセージ処理モジュール303を備える。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよびトレーナ端末の機能ブロック図である。貿易関連手続支援サーバ101は、輸出業者端末111からアクセスを受け、商品情報や、自社の情報提供サイトのアドレスを受信して、海外の買い手向けに提供する商品情報管理抽出モジュール201、輸出業者からの問合せに自動対応するための基礎となるQ&Aを生成するQ&A生成モジュール202、生成されたQ&Aをトレーナによりトレーニングして応答精度を向上させるトレーニング管理モジュール203、貿易関連ビジネス支援サービスに伴う種々の通信を行う通信モジュール204および輸出入業者を含め関係者間で情報を交換可能な通信手段を提供するメッセージ管理モジュール205を備える。
【0032】
一方、トレーナ端末131は、様々なデータを送受信するデータ送受信モジュール401、メッセージによる関係者との通信による貿易関連ビジネス支援サービスを提供するメッセージ処理モジュール402および所定の問合せを送信して、AI対応により問合せに対して生成された回答を受信するとともに、この回答に対しトレーナが行った修正を送信するAIトレーニングモジュール403を備える。
【0033】
(本実施形態の貿易関連手続支援処理)
図5および6を参照して、本実施形態の貿易関連手続支援全体の処理を説明する。
図5は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームの提供者端末である輸出業者端末のメッセージ機能の画面の一例を示す図であり、
図6は、本実施形態の貿易関連ビジネス支援処理の一例の全体のフローを説明するための図である。
【0034】
自社製品を海外にも展開しようと考えるメーカーや国内向けに販売している商品を海外にも流通させようとする企業は、事前に貿易支援プラットフォーム501に自社の情報を入力して会員登録しておき(ステップS601)、貿易支援プラットフォームのログイン画面(不図示)で設定されたIDとパスワードを入力してログインすることができる。会員登録したメーカーや企業は、貿易支援プラットフォームにログインした後、海外展開しようとする商品情報を登録する(ステップS602)ことにより、貿易関連手続サーバは、提供された情報に基づいて情報を収集し、買手が貿易支援プラットフォーム501の商品情報506を選択すると、不図示の商品情報提供画面が問合せ者に閲覧可能となる。この商品情報提供画面は、提供される商品の画像がリストアップされており、その画像をクリックすると、不図示の詳細情報が表示され、問合せ者は商品のスペックや販売条件などを確認することができる。本実施形態では、商品の画像をリストアップして、これをクリックすると詳細情報が表示されるような構成になっているが、商品情報の提供方法はその他、本技術分野で知られたいずれの方法とすることもできる。
【0035】
一般に、海外在住の邦人や外国人からの商品情報を見ての問合せに対して貿易関連などの専門知識の乏しいメーカーや企業の担当が直接回答するのは困難であり、回答が遅延しがちになるが、回答の遅延はビジネス機会の損失につながる。一方、貿易支援プラットフォームといった特定の手続きに関する問合せは、一般に特定の範囲に含まれるものがほとんどであるため、予め問合せに対する応答を予測しておくことができる。本実施形態では、以上の点に鑑み、提供者であるメーカーや企業から取得した情報に基づいて、問合せ応答対応表であるQ&Aリストを生成し、貿易関連の専門家である、輸出業者や輸出業の経験者をトレーナとして使用し、生成されたQ&Aリストを修正して、問合せ応答の精度を向上させる(ステップS603)。このように、Q&Aリストが作成され、適宜あるいは定期的に更新されることにより、購入希望者が貿易支援プラットフォームを使用して問合せを行った場合、メーカー企業の担当者が直接回答する必要なく、貿易支援プラットフォームが対応することができる(ステップS604)。Q&Aリストの作成とトレーニングの処理については後述するが、このようなトレーニングはQ&Aリストが生成された際に行われ、その後定期的に、例えば年1回あるいは月1回程度メインテナンスすることができる。この結果、適切な回答がなされ、購入者が購入を希望すれば貿易支援プラットフォームの様々な機能を用いて輸出入の手続きを完了することができる(ステップS605)。
【0036】
(本実施形態のメッセージ処理)
図5、7および9を参照して、本実施形態のメッセージ処理を説明する。
図5は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームの提供者端末のメッセージ機能の画面の一例を示す図であり、
図7は、本実施形態の貿易支援プラットフォームの問合者端末である輸入業者端末のメッセージ機能の画面の一例を示す図である。また、
図9は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームのQ&Aリスト画面の一例を示す図である。
【0037】
本実施形態の貿易支援プラットフォームにおいて、上述の通り購入者とメーカーや企業との情報交換は
図5および7に示すようなメッセージ機能を用いて行われる。例えば、メッセージボタン505をクリックすると
図5に示すようなメッセージ画面が表示され、通信相手の一覧501から相手を選択すると、チャットエリアに問合せ者メッセージ502および提供者メッセージ503が表示され、
図5に示す提供者端末のメッセージ画面では、入力フィールドにメッセージを入力して送信ボタンをクリックすると、提供者メッセージ503にそのメッセージが書き込まれ、これに応答して問合者端末から送信されたメッセージは問合せ者メッセージ502に表示される。このようにして、AI対応を使用しない場合は、問合者端末と提供者端末との間でメッセージのやり取りを行うことができる。AI対応の処理を行う、すなわち担当者が直接メッセージのやり取りをするのではなく、貿易支援プラットフォームのAI対応機能で自動的にメッセージの処理を選択する際は、AI対応スイッチ504をONにする。逆に、AI対応モードから直接対応モードに移行する際は、AI対応スイッチ504を再度クリックすることにより、トグルスイッチ的にモードを切り替えることができるが、これに限られず、ON用とOFF用のAI対応スイッチを設けることもできる。この場合、AI対応スイッチ504を用いなくても、担当者が直接メッセージを書き込むことで、直接対応モードに切り替えることもできる。また、提供者端末ではAI対応時でも、メッセージのやり取りが表示され、AI対応により送信されているメッセージを確認することもできる。
【0038】
なお、
図7に示す問合者端末のメッセージ画面では、現在AI対応モードであるか否かを何らかの表示により示すことができる。例えば、AI対応から直接対応に切り替えられる際に、問合者端末のメッセージ画面内のシステムメッセージ701に「ここから担当者が対応します」を表示し、直接対応からAI対応に切り替えられたときは、「ここからはAI商社マンが対応します!質問を入力してください。」などと表示して現在やり取りしている相手がAI対応機能なのか、担当者なのか問合せ者に認識できるようにすることができる。また、逆に購入者がAI対応ではなく、直接担当者とメッセージ交換をしたい場合は、呼出ボタン702をクリックして、モードを切り替えることもできる。この際、担当者が席を外している等により、すぐに応答できない場合は、「担当者を呼び出しています」等の表示を行って、担当者を呼び出すと同時に購入者を待機させることもできる。
【0039】
ここで、本実施形態のAI対応機能を用いるAI対応モードにおいては、
図9に示すようなQ&Aリストに基づいて、問合せに対しAI対応処理を行う。すなわち、購入者から問合せがあると、その内容をQ&Aリスト内の問合せ項目で検索して合致する問合せに対応する応答を抽出する。この際、問合せは必ずしもQ&Aリストに含まれるものと同一ではない可能性があるため、本技術分野で知られたいずれかのAI手法により実質的同様の内容を有する問合せ項目を検索し、対応する応答を回答することができる。この際は、機械学習等により、元の問合せに合わせて表現や内容を変えることができる。問合せによっては、応答が複数となる場合もあることから、応答を編集して回答を作成して送信することもできる。
【0040】
具体的には、例えば
図7に示すように、購入者が「製品のサイズを教えてください」という問合せ703を行うと、AI対応機能ではQ&Aリストから応答を抽出して、「箱のサイズは50cm×40cm×35cmです」との回答704を書き込む。同様に、購入者が「MOQはいくつですか」という問合せ705を行うと、AI対応機能ではQ&Aリストから応答を抽出して、「MOQは、1000箱です」との回答706を書き込む。以上のように、AI対応機能では、本技術分野で知られたいずれかのQ&Aを用いた応答技術に基づいて、問合せに対して自動的に応答することができる。
【0041】
(本実施形態のQ&Aリスト作成およびトレーニング処理)
図8ないし14を参照して本実施形態のQ&Aリスト作成およびトレーニング処理を説明する。
図8は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームのトレーニングモード画面の一例を示す図であり、
図9は、本実施形態の貿易支援プラットフォームのQ&Aリストリスト画面の一例を示す図である。
図10は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aリストをトレーニングする処理のフローの一例を示す図であり、
図11は、本実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aリストをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図である。
図12は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aリストをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図であり、
図13は、本実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aリストをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図である。
図14は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるQ&Aリストをトレーニングする処理のフローの別の例を示す図である。
【0042】
本実施形態では、上述の通り構築されたQ&Aリストに基づいて、AI対応機能を用いて問合せに自動応答するが、
図9に示すようなQ&Aリストの構築は、先ずQ&Aリストを自動生成し、生成されたQ&Aリストをトレーニングすることにより実行される。ここで、Q&Aリストの生成は、貿易支援プラットフォームに登録された商品情報に基づき、対応する業務、本実施形態では貿易関連業務において予想される様々な質問をカテゴライズすることにより、よくある質問を生成し、登録された商品情報の具体的な数値などを当てはめていって、
図9に示すようなQ&Aリストを生成する。例えば、「会社概要」、「商品の写真」、「搬送期間」などの、業務に特有なカテゴライズされた質問を生成し、登録された会社情報や企業情報から応答案を抽出して対応付けを行い、Q&Aリストを生成する。ここで、カテゴライズされた質問の生成や対応付けなどは本技術分野で知られたいずれの方法も用いることができる。以上のように生成されたQ&Aリストをトレーニングして応答精度を向上させる。
【0043】
Q&Aリストのトレーニングは、基本的にAI応答システムを用いて専門知識を有するトレーナが問合せを行い、それに対する回答に対処することにより実行される。まず、特に修正が不要な場合について説明すると、
図10に示すように学習画面を表示させ(ステップS1001)、問合せ者が問い合わせるときと同様にトレーニングを所望する質問を入力する(ステップS1002)。貿易支援プラットフォームでは、この質問に対しその時点におけるQ&Aリストを用いてAI応答で対応し、質問を検索して(ステップS1003)、該当する応答項目から回答を生成してトレーナ端末へ送信する(ステップS1004)が、この回答をトレーナが確認して、特に修正がなければ終了する(ステップS1005)。
【0044】
Q&Aリストの修正が必要な場合について説明すると、
図11に示すように修正を行う。AI応答で回答を表示させる処理まで(ステップS1001~1004)は
図10と同じであるが、表示された回答が適切ではないとトレーナが判断した場合、正しい回答を書き込み送信する(ステップS1101)。トレーニング管理モジュール203は、修正された回答を受信して、Q&Aリストを更新(ステップS1102)して終了する(ステップS1103)。
【0045】
また、トレーニングは回答だけでなく質問に対しても行うことがっできる。すなわち、生成された質問がその業務に関して不適切な場合、問合せを行っても適切な質問を検索できず、適切な応答を抽出できない。そこで、
図12に示すように不適切な質問項目についてトレーニングが行われる。具体的には、トレーナが通常考えられる問合せを行っても、該当する適切な質問がQ&Aリストにない場合は、通常より近いと自然言語処理等で判断された質問が複数の検索されるため、複数の質問を表示させ(ステップS1201)、トレーナはその質問を修正して送信する(ステップS1202)。
修正された質問を受信すると、受信した質問に修正して(ステップS1203)、該当する応答項目から回答を生成してトレーナ端末へ送信(ステップS1204)し、終了する(ステップS1205)。
【0046】
質問を修正した場合で、さらに応答も修正するときは、例えば
図13に示すように処理を行う。すなわち、複数の質問が表示させられると(ステップS1201)、トレーナはその質問を修正して送信し(ステップS1202)、修正された質問を受信すると、受信した質問に修正して(ステップS1203)、該当する応答項目から回答を生成してトレーナ端末へ送信(ステップS1204)する。表示された回答が適切ではないとトレーナが判断した場合、正しい回答を書き込み送信する(ステップS1301)。トレーニング管理モジュール203は、修正された回答を受信して、Q&Aリストを更新(ステップS1302)して終了する(ステップS1303)。
【0047】
さらに、登録した情報に不足分が有り質問に対応する応答がない場合は例えば
図13に示すように処理を行う。すなわち、トレーナはトレーニングを所望する質問を入力し(ステップS1401)、貿易支援プラットフォームでは、この質問に対しその時点におけるQ&Aリストを用いてAI応答で対応し、質問を検索する(ステップS1402)が、該当する応答項目が見つからない場合「回答候補が見つかりませんでした。」あるいは「正しい回答を入力してください。」など、対応する応答がない旨トレーナ端末へ送信して(ステップS1403)、トレーナは正しい回答を書き込み送信する(ステップS1404)。トレーニング管理モジュール203は、修正された回答を受信して、Q&Aリストを更新(ステップS1405)して終了する(ステップS1406)。本実施形態では、Q&Aリストのトレーニングパターンとして、回答1つで修正なし、回答1つで修正あり、質問修正あり回答修正なし、質問修正あり回答修正あり、およびリストに回答なしのパターンの処理を説明したが、これに限られず、本実施形態で知られる様々なパターンでトレーニングすることができる。
【0048】
以上のように本実施形態を用いることにより、専門的な知識と経験が必要であり、従来は専門の業者や商社を介在させて行われていた取引において、通常は買手からの質問に対してAIやQ&Aに基づいて回答しつつ、Q&Aの精度を高めるため運用モードを切り替えて、専門家であるトレーナなどによりQ&Aをトレーニングしてブラッシュアップすることができる。
【符号の説明】
【0049】
101 貿易関連手続支援サーバ
103 ネットワーク
111 輸出業者端末
121 輸入業者端末
131 トレーナ端末
501 メッセージ画面
901 Q&Aリスト画面