(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024134486
(43)【公開日】2024-10-03
(54)【発明の名称】端子カバー
(51)【国際特許分類】
H01M 50/591 20210101AFI20240926BHJP
H01M 50/543 20210101ALI20240926BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240926BHJP
H01H 85/20 20060101ALN20240926BHJP
【FI】
H01M50/591
H01M50/543
H01M50/588
H01H85/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084788
(22)【出願日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】P 2023044218
(32)【優先日】2023-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕介
(72)【発明者】
【氏名】原田 新太郎
(72)【発明者】
【氏名】平尾 勇輔
【テーマコード(参考)】
5G502
5H043
【Fターム(参考)】
5G502FF08
5H043AA05
5H043AA19
5H043DA06
5H043GA23
5H043GA25
5H043JA01D
5H043JA02D
5H043LA22D
(57)【要約】
【課題】本発明は、ヒンジが延在する方向に小型化を図りつつ、ヒンジの捩れの抑制を図った端子カバーを提供することを目的とする。
【解決手段】端子カバー1、1Aは、開口20を有するベース2と、該ベース2に設置されるカバー本体3と、該カバー本体3にヒンジ4を介して連結されてベース2の開口20を覆う回動カバー5と、ヒンジ4を軸とする回動方向Rに回動カバー5をガイドする回動ガイド機構10、100Aと、を備え、回動ガイド機構10は、回動カバー5に設けられるとともに、ベース2の内側面74R(74L)に向かって延びて形成されたガイド片110と、カバー本体3とベース2とに亘って連続して設けられているとともに、ヒンジ4を中心とする円弧状に形成されて、ガイド片110を回動方向にガイドするガイドレール12と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するベースと、該ベースに設置されるカバー本体と、該カバー本体にヒンジを介して連結されて前記ベースの前記開口を覆う回動カバーと、前記ヒンジを軸とする回動方向に前記回動カバーをガイドする回動ガイド機構と、を備え、
前記回動ガイド機構は、前記回動カバーに設けられるとともに、前記ベースの内側面に向かって延びて形成されたガイド片と、前記カバー本体と前記ベースとに亘って連続して設けられているとともに、前記ヒンジを中心とする円弧状に形成されて、前記ガイド片を前記回動方向にガイドするガイドレールと、を備えることを特徴とする端子カバー。
【請求項2】
前記ガイド片は、前記ガイドレールに向かってボス状に突出して設けられているとともに、当該ガイドレールに沿って移動するガイド突起を有し、
前記ベースは、前記回動カバーが前記ベースの前記開口を開放した開位置にある際に、前記ガイド突起を支持して前記回動カバーが前記開位置にある状態を維持するための突起受け部を有していることを特徴とする請求項1に記載の端子カバー。
【請求項3】
前記ガイド片は、前記ガイドレールに向かってボス状に突出して設けられているとともに、当該ガイドレールに沿って移動するガイド突起を有し、
前記ガイドレールは、前記ガイド突起の先端面を摺動させる第1摺動面と、該第1摺動面の周縁から立ち上がる段差形状であって前記ガイド突起の周面を摺動させる第2摺動面と、を備え、
前記第2摺動面を含む第2部位は、前記第1摺動面を含む第1部位に比して肉厚に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子カバー。
【請求項4】
前記ガイドレールは、前記第2部位の一部であって、前記第2摺動面の第1摺動面から離れた側に連続して、前記ガイド片に対向する対向面と、該対向面の周縁から立ち上がる段差形状であって前記ガイド片の先端面を摺動させる第3摺動面と、を有していることを特徴とする請求項3に記載の端子カバー。
【請求項5】
前記突起受け部は、前記回動カバーが前記開位置にある際に、前記ガイド突起を位置付ける受け面と、該受け面における前記回動方向の両側に凸に設けられているとともに前記開口から離れる方向に延在する一対の第1凸状部と、該一対の第1凸状部の前記開口の側に設けられているとともに、前記受け面に凸に設けられた第2凸状部と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の端子カバー。
【請求項6】
前記ガイド片は、前記ガイドレールに向かってボス状に突出して設けられているとともに、当該ガイドレールに沿って移動するガイド突起を有し、
前記回動カバーが前記ベースの前記開口を覆う閉位置にある際に、前記ガイド突起を保持して前記回動カバーが前記閉位置にある状態を維持するための保持凸部を有していることを特徴とする請求項1に記載の端子カバー。
【請求項7】
前記ガイドレールは、前記ガイド突起の先端面を摺動させる第1摺動面を有し、
前記保持凸部は、前記第1摺動面から前記ガイド突起に向けて突出して設けられているとともに、各ガイド突起を内部に保持可能なU字状またはC字状の内面部を有して構成されていることを特徴とする請求項6に記載の端子カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリポストに接続されて、バッテリからの電力を各負荷に分配するとともに、過電流が流れた際に回路を遮断するヒューズユニットが用いられる。このヒューズユニットには、その上部を覆うヒューズユニット保護カバーが組み付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたヒューズユニット保護カバーは、第1カバーと、第2カバーと、第1カバーに連結されるとともに第1カバーおよび第2カバーの外面に当接する一対のガイドプレートと、係合部材と、を備える。第1カバーおよび第2カバーは、ヒンジを介して連結されており、第2カバーが第1カバーに対してヒンジを中心に相対回動可能となっている。係合部材は、ガイドプレートに設けられた円弧状のスリットと、第2カバーから突出して設けられてガイドプレートにおけるスリット内を移動するボスと、を有して構成されている。
【0004】
このようなヒューズユニット保護カバーは、一対のガイドプレートが、第1カバーおよび第2カバーを両側から挟んで支持されている。これにより、第2カバーが第1カバーに対して回動した際に、第1カバーおよび第2カバーの間に位置するヒンジの捩れが抑制されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来のヒューズユニット保護カバーは、一対のガイドプレートが、第1カバーおよび第2カバーの外面に設置されていることにより、一対のガイドプレートが対向する方向(ヒンジが延在する方向)にサイズアップしてしまうとともに、各ガイドプレートの剛性不足により、第2カバーが第1カバーに対して回動した際に、ヒンジが捩れてしまう場合があった。
【0007】
本発明は、ヒンジが延在する方向に小型化を図りつつ、ヒンジの捩れの抑制を図った端子カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、開口を有するベースと、該ベースに設置されるカバー本体と、該カバー本体にヒンジを介して連結されて前記ベースの前記開口を覆う回動カバーと、前記ヒンジを軸とする回動方向に前記回動カバーをガイドする回動ガイド機構と、を備え、前記回動ガイド機構は、前記回動カバーに設けられるとともに、前記ベースの内側面に向かって延びて形成されたガイド片と、前記カバー本体と前記ベースとに亘って連続して設けられているとともに、前記ヒンジを中心とする円弧状に形成されて、前記ガイド片を前記回動方向にガイドするガイドレールと、を備えることを特徴とする端子カバーである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、ヒンジが延在する方向に小型化を図りつつ、ヒンジの捩れの抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る端子カバーを示す斜視図であり、前記端子カバーを構成する回動カバーが閉位置にある状態を示す図である。
【
図2】前記端子カバーを示す斜視図であり、前記回動カバーが開位置にある状態を示す図である。
【
図4】
図3中のI-I線に沿う斜視断面図であって、前記回動カバーが閉位置にある状態を示す図である。
【
図5】前記回動カバーが開位置にある状態を示す斜視断面図である。
【
図6】前記回動カバーの内部構造を透過して示すとともに、当該回動カバーが回動する様子を示す断面図である。
【
図7】前記回動カバーが開位置と閉位置との間を回動する様子を説明するための図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る端子カバーを示す平面図であり、前記回動カバーが開位置と閉位置との間を回動する様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を
図1~7に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る端子カバー1を示す斜視図であり、端子カバー1を構成する回動カバー5が閉位置にある状態を示す図である。
図2は、端子カバー1を示す斜視図であり、回動カバー5が開位置にある状態を示す図である。
図3は、端子カバー1を示す平面図である。
図4は、
図3中のI-I線に沿う斜視断面図であって、回動カバー5が閉位置にある状態を示す図である。
図5は、回動カバー5が開位置にある状態を示す斜視断面図である。
図6は、回動カバー5の内部構造を透過して示すとともに、当該回動カバー5が回動する様子を示す断面図である。
図7は、回動カバー5が開位置と閉位置との間を回動する様子を説明するための図である。
【0012】
本発明の第1実施形態に係る端子カバー1は、バッテリ端子に組み付けられてバッテリ端子を覆って保護するためのものである。
【0013】
端子カバー1は、
図1~3に示すように、バッテリ端子(不図示)に組み付けられるベース2と、該ベース2に設置されるカバー本体3と、該カバー本体3にヒンジ4を介して連結される回動カバー5と、ヒンジ4を軸とする回動方向R(
図2に示す)に回動カバー5をガイドする回動ガイド機構10(
図2に示す)と、を備える。カバー本体3、ヒンジ4、及び回動カバー5は、一体に設けられて、「カバー6」を構成する。また、端子カバー1において、回動カバー5は、
図1、2に示すように、ヒンジ4を軸として回動されることにより、ベース2の開口20を覆う閉位置(
図1に示す)と、ベース2の開口20を開放する開位置(
図2に示す)とに変位されるように構成されている。
【0014】
本実施形態では、矢印X方向、矢印Y方向、及び矢印Z方向、は互いに直交する方向である。カバー本体3と回動カバー5が並ぶ方向を前後方向(X方向)と記し、ヒンジ4が延在する方向を左右方向(Y方向)と記し、ベース2に対してカバー本体3が設置される方向を上下方向(Z方向)と記す場合がある。また、カバー本体3から見て回動カバー5の側を「前方(X1方向)」と記し、これとは反対方向を「後方(X2方向)」と記す場合がある。また、ベース2から見てカバー6の側を「上方(Z1方向)」と記し、これとは反対方向を「下方(Z2方向)」と記す場合がある。
【0015】
ベース2は、
図1、2に示すように、後方側部分7と、該後方側部分7の前方X1に連
続する前方側部分8と、を備える。
【0016】
後方側部分7は、
図2に示すように、長方形板状の底壁71と、該底壁71の周縁から立設する周壁72と、該周壁72の外面に設けられて後述するカバー本体3の第1係止片34を係止する第1係止受け部73と、ベース側延出部76と、を備える。
【0017】
底壁71は、
図2、4に示すように、長辺方向が前後方向Xに沿うとともに、短辺方向が左右方向Yに沿う格好で設けられている。
【0018】
周壁72は、
図2、4に示すように、底壁71の左右方向Yの端縁から立設されて互いに対向する一対の下側側壁74R、74L(
図2に示す)と、底壁71の後方X2の端縁から立設された下側後壁部75(
図4に示す)と、を備える。
【0019】
第1係止受け部73は、
図1~3に示すように、一対の下側側壁74R、74Lのうち一方の下側側壁74Lの後方X2の端部から突出して設けられている。また、第1係止受け部73は、後述するカバー本体3の第1係止片34を内部に挿通可能な枠状に形成されている。この第1係止受け部73は、後述するカバー本体3の第1係止片34が挿通された状態で、カバー本体3の第1係止片34を係止するように構成されている。
【0020】
ベース側延出部76は、
図4に示すように、下側後壁部75に連続するとともに、円弧状の曲面を有して後方X2に延出するように構成されている。このベース側延出部76は、後述するカバー本体3のカバー側延出部35が組み付けられることにより、円筒状に構成される。
【0021】
前方側部分8は、
図2に示すように、後方側部分7の一対の下側側壁74R、74Lの前方X1に連続する一対の前方側壁部81、81と、該一対の前方側壁部81、81の間に設けられた円弧状の前壁部82と、一対の前方側壁部81、81それぞれの外面に設けられて後述する回動カバー5の第2係止片54に係止される第2係止突起83と、を備える。前方側部分8は、
図2に示すように、例えばバッテリポストを挿通させることが可能なように底壁を有さない枠状に形成されている。
【0022】
第2係止突起83は、
図1、2に示すように、一対の前方側壁部81、81それぞれの上方Z1の端縁に突起状に形成されているとともに、後述する回動カバー5の第2係止片54に係止されるように構成されている。
【0023】
カバー本体3は、
図2、3に示すように、ベース2の後方側部分7に設置されるように構成されている。このカバー本体3は、後方側部分7の底壁71に対向する長方形板状の後方側上壁31と、該後方側上壁31の左右方向Yの端縁から下方Z2に延在する一対の上側側壁32R、32Lと、後方側上壁31の後方X2の端縁から下方Z2に延在する上側後壁部33と、ベース2の第1係止受け部73に係止する第1係止片34(
図2に示す)と、カバー側延出部35と、を備える。尚、
図3において、第1係止片34は省略されている。
【0024】
第1係止片34は、
図1、2に示すように、一対の上側側壁32R、32Lのうち一方の上側側壁32Lの下方Z2の端縁から下方Z2に延出して構成されている。この第1係止片34は、ベース2の第1係止受け部73の内部に挿通されて、第1係止受け部73に係止されるように構成されている。
【0025】
また、カバー本体3には、
図1、3に示すように、該カバー本体3の前方X1の端縁に設けられているとともに、長方形状に切り欠かれて形成された切欠き部30が設けられて
いる。切欠き部30の後方X2の端縁30bには、後述するヒンジ4の後端4bが連続して設けられている。
【0026】
ヒンジ4は、
図1、3に示すように、長方形状に設けられて、その後端4bが、カバー本体3の切欠き部30の後方X2の端縁30bに連続し、その前端4fが、後述する回動カバー5の後端5bに連続して設けられている。またヒンジ4は、長辺方向が左右方向Yに沿って延在するように構成されているとともに、他の部分より薄肉に形成されている。このヒンジ4は、
図2に示すように、左右方向Y(ヒンジ4が延在する方向)を軸とした回動方向Rに、回動カバー5を回動させるように構成されている。
【0027】
回動カバー5は、
図1、3に示すように、矩形板状の前方側上壁51と、該前方側上壁51の周囲に連続する傾斜壁52と、該傾斜壁52の前方X1の端縁に連続する前側壁部53と、傾斜壁52の左右方向Yの両端から下方Z2に突出して設けられて第2係止突起83を係止する第2係止片54と、を備える。
【0028】
傾斜壁52は、
図1、3に示すように、前方側上壁51の後方X2に連続する後方側傾斜壁52Bを有している。後方側傾斜壁52Bは、前方側上壁51とヒンジ4との間に位置しているとともに、前方側上壁51およびヒンジ4を連結するように構成されている。
【0029】
第2係止片54は、
図1、3に示すように、ヒンジ4の前方X2に設けられている。この第2係止片54は、下方Z2に延出するコ字状に形成されて、内部にベース2に設けられた第2係止突起83が位置されることにより、第2係止片54は回動カバー5の第2係止片54に係止されるように構成されている。
【0030】
回動ガイド機構10は、
図4、5に示すように、回動カバー5に設けられるとともに、ベース2の下側側壁74R、74L(ベースの内側面)に向かって延びて形成されたガイド部11と、カバー本体3とベース2とに亘って連続して設けられているとともに、ヒンジ4を軸とする円弧状に形成されて、ガイド部11を回動方向Rにガイドする一対のガイドレール12と、を備える。
【0031】
さらに、回動ガイド機構10は、
図4、5に示すように、回動カバー5がベース2の開口20を開放した開位置にある際に、ガイド突起111を保持して回動カバー5が開位置にある状態を維持するための一対の突起受け部13を有している。
【0032】
ガイド部11は、
図6に示すように、回動カバー5の前側壁部53から離れる方向(後
方X2)に板状に延出されたガイド片110と、該ガイド片110の先端側に設けられて
いるとともに、ガイドレール12に向けて凸の円筒状に形成されてガイドレール12に係合するガイド突起111と、を備える。
【0033】
ガイド片110は、
図6、7に示すように、回動カバー5における第2係止片54とヒンジ4との間を付け根11Aとし、前側壁部53から離れる方向(後方X2)に延びて形成されている。また、ガイド片110は、ベース2の下側側壁74R(74L)に向かって延びて形成されているとともに、後述するガイドレール12を越えることが可能な長さに形成されている。
【0034】
各ガイドレール12は、
図7に示すように、ガイド突起111の先端面を摺動させる第1摺動面120と、該第1摺動面120の周縁から立ち上がってガイド突起111の周面を摺動させる第2摺動面121と、該第2摺動面の第1摺動面120から離れた側(ヒンジ4から離れた側)に連続して、ガイド片110に対向する対向面122と、該対向面122の周縁から立ち上がる段差形状であってガイド片110の先端面110sを摺動させる第3摺動面123と、を有している。
【0035】
また、
図7に示すように、第1摺動面120、第2摺動面121、及び対向面122は、カバー本体3の各上側側壁32R(32L)とベース2の各下側側壁74R(74L)とに亘って設けられ、第3摺動面123は、カバー本体3の各上側側壁32R(32L)に設けられている。
【0036】
また、
図7に示すように、各側壁32R、74R(各側壁32L、74L)において、第2摺動面121を境界として第1摺動面120から離れた側の第2部位10Bは、第1摺動面120を含む第1部位10Aに比して、肉厚に構成されている。
【0037】
ここで、
図7に示すように、ガイドレール12における位置111aには、回動カバー5が開口20を覆う閉位置にある際にガイド突起111が位置し、ガイドレール12における位置111cには、回動カバー5が開口20を開放する開位置にある際にガイド突起111が位置し、ガイドレール12における位置111bには、回動カバー5が閉位置と開位置との間にある際に、ガイド突起111が位置する。即ちガイド突起111は、
図7に示すように、ガイドレール12の位置111a、111b、111cを移動軌跡とするように移動する。
【0038】
各突起受け部13は、
図7に示すように、ベース2の各下側側壁74R、74Lそれぞれに設けられているとともに、各ガイドレール12の位置111cを含む位置に設けられている。各突起受け部13は、回動カバー5が開位置にある際に、ガイド突起111を位置させる受け面130(位置111c)と、該受け面130から突出して設けられるとともに上下方向Z(開口20から離れる方向)に延在する一対の凸状部131、131(一対の第1凸状部)と、一対の凸状部131、131の上端同士に連続する円弧部132(第2凸状部)と、を備えて構成されている。即ち、受け面130は、一対の凸状部131に対して凹んだ位置に設けられている。また、一対の凸状部131、131および円弧部132は、受け面130から立ち上がる面から構成されている。受け面130は、前後方向Xの寸法が、ガイド突起111の外径寸法より僅かに大きい寸法となるように形成されているとともに、各下側側壁74R(74L)の上下方向Zに延在して設けられている。
【0039】
円弧部132は、上方Z1に向けて凸の曲面を有して構成されている。円弧部132は、ガイド突起111が上方Z1(開口20の側)に移動した際に、ガイド突起111に当接可能な位置に設けられている。これによれば、仮にヒンジ4が破損したとしても、ガイド突起111が円弧部132に当接して、ガイド突起111の上方Z1への移動が規制されることにより、回動カバー5の脱落が防止される。
【0040】
各突起受け部13は、ガイド突起111が受け面130に位置した状態で、ガイド突起111が凸状部131に当接することにより、ガイド突起111の回動方向Rの移動を規制するように構成されている。
【0041】
このような回動ガイド機構10は、
図7に示すように、回動カバー5が閉位置にある際に、ガイド片110は、ベース2の下側側壁74R(74L)に向けて延びて形成されているとともに、ガイド突起111は、ガイドレール12の位置111aに位置付けられる。即ち、ガイド突起111がガイドレール12の位置111aに位置付けられた状態で、ガイド突起111の先端面は第1摺動面120に当接し、ガイド突起111の周面は第2摺動面121に当接し、ガイド片110の先端側は対向面122に対向し、ガイド片110の先端面110sは第3摺動面123に当接されている。
【0042】
また、回動カバー5が閉位置から開位置に回動される際には、回動カバー5が回動するに伴って、ガイド突起111は、ガイドレール12における第1摺動面120および第2摺動面121に摺動されつつ移動する。また、ガイド片110の先端側は、対向面122に対向しつつ対向面122に摺動され、ガイド片110の先端面110sは第3摺動面123に摺動されつつ移動する。このような第1摺動面120、第2摺動面121、対向面122、第3摺動面123が設けられていることにより、回動カバー5が回動する際に、各ガイド部11は回動軌跡が一定となって、回動カバー5は安定した状態で回動変位されることとなる。さらに回動が進んで、ガイド突起111は、ガイドレール12の位置111bを通過する。
【0043】
さらに回動が進んで、ガイド突起111は、突起受け部13を構成する凸状部131に当接し、凸状部131を乗り越え、突起受け部13の受け面130に到達して、ガイド突起111は、ガイドレール12の位置111c(受け面130)に位置付けられる。このようにして、回動カバー5は開位置に位置付けられる。
【0044】
また、ガイド突起111が突起受け部13の受け面130に到達した状態では、ガイド突起111が凸状部131に当接することにより回動方向Rへの移動が規制されている。このように、ガイド突起111が突起受け部13の受け面130にある状態では、ガイド突起111の回動方向Rへの移動が規制されている、即ち、ガイド突起111は、突起受け部13に支持されていることにより、回動カバー5が開位置にある状態が維持される。
【0045】
上述した実施形態によれば、回動ガイド機構10は、回動カバー5に設けられるとともに、ベース2の下側側壁74R、74L(ベースの内側面)に向かって延びて形成されたガイド片110と、カバー本体3とベース2とに亘って連続して設けられているとともに、ヒンジ4を中心とする円弧状に形成されて、ガイド片110を回動方向Rにガイドするガイドレール12と、を備える。これによれば、回動カバー5が回動される際に、ガイド部11のガイド片110がガイドレール12にガイドされる。即ち、回動カバー5は、ガイド突起111がガイドレール12の位置111a、111b、111cを移動軌跡とするように所定軌跡上を移動しつつ、閉位置と開位置との間を回動する。このようにして、回動カバー5の回動軌跡が一定となり、回動カバー5は安定した状態で回動変位されることとなる。これにより、ヒンジ4の破損の要因となるヒンジ4の捩れが抑制されることにより、ヒンジ4の破損の抑制を図ることができる。
【0046】
また、ガイド片110が、ベース2の下側側壁74R、74L(ベースの内側面)に向かって延びていることにより、従来技術に比して、ヒンジ4が延在する方向(左右方向Y)の小型化を図ることができる。
【0047】
また、ガイド片110は、ガイドレール12に係合して、当該ガイドレール12に沿って移動するガイド突起111を有し、ベース2は、回動カバー5がベース2の開口20を開放した開位置にある際に、ガイド突起111を支持して回動カバー5が開位置にある状態を維持するための突起受け部13を有している。これによれば、突起受け部13が設けられていることにより、回動カバー5が開位置にある状態を維持できる構成を実現できる。
【0048】
また、ガイドレール12は、ガイド突起111を摺動させる第1摺動面120と、該第1摺動面120の周縁から立ち上がってガイド突起111の周面を摺動させる第2摺動面121と、を備、第2摺動面121を含む第2部位10Bは、第1摺動面120を含む第1部位10Aに比して肉厚に設けられている。これによれば、第2部位10Bが肉厚に構成されていることにより、ベース2およびカバー本体3の剛性アップを図ることができる。
【0049】
また、ガイドレール12は、第2部位10Bの一部であって、第2摺動面121の第1摺動面120から離れた側に連続して、ガイド片110に対向する対向面122と、該対向面の周縁から立ち上がる段差形状であってガイド片110の先端面110sを摺動させる第3摺動面123と、を有している。これによれば、ガイド片110の先端面110sを摺動させる第3摺動面123が設けられていることにより、より一層、回動カバー5の回動軌跡が一定となり、より一層、ヒンジ4の破損の要因となるヒンジ4の捩れが抑制されることにより、ヒンジ4の破損の抑制を図ることができる。
【0050】
また、突起受け部13は、回動カバー5が開位置にある際に、ガイド突起111を位置付ける受け面130と、該受け面130における回動方向Rの両側に凸に設けられているとともに下方Z2(開口20から離れる方向)に延在する一対の凸状部131、131と、該一対の凸状部131、131の上方Z1(開口20の側)に設けられているとともに、受け面130に凸に設けられた円弧部132(第2凸状部)と、を有している。これによれば、仮にヒンジ4が破損したとしても、ガイド突起111が突起受け部13の円弧部132(第2凸状部)に当接して、ガイド突起111の上方Z2への移動を規制することにより、回動カバー5の脱落を防止することができる。
【0051】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態を
図8に基づいて説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る端子カバー1Aを示す平面図であり、回動カバー5が開位置と閉位置との間を回動する様子を説明するための図である。第2実施形態の端子カバー1Aと、第1実施形態の端子カバー1は、回動ガイド機構100A(10)の構成が異なる。本実施形態の回動ガイド機構100Aは、第1実施形態の回動ガイド機構10に、さらに、
図8に示すように、回動カバー5がベース2の開口20を覆う閉位置にある際に、ガイド突起111を保持して回動カバー5が閉位置にある状態を維持するための一対の保持凸部14、14を有している。以下では、第2実施形態において、第1実施形態と同一構成を有する部分には、同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
【0052】
一対の保持凸部14は、
図8に示すように、カバー本体3の各上側側壁32R、32Lそれぞれに設けられているとともに、回動カバー5が閉位置にある際に、ガイド突起111を保持可能な位置(位置111aの周囲)に設けられている。
【0053】
各保持凸部14は、保持凸部本体140と、該保持凸部本体140の端部に設けられた乗上げ面141と、を備える。
【0054】
保持凸部本体140は、各ガイドレール12の第2摺動面121に連続して設けられているとともに、左右方向Yにおいて、第1摺動面120と対向面122との間に位置するように、各ガイドレール12の第1摺動面120から突出して設けられている。また、各保持凸部14は、回動カバー5が回動される際に、各ガイド突起111が各保持凸部14を乗り上げて乗り越えることが可能な程度の突出寸法を有して構成されている。
【0055】
また、保持凸部本体140は、平面視がU字状に形成されているとともに、各ガイド突起111を内部に保持可能なU字内面部142を有している。U字内面部142は、各ガイドレール12の第1摺動面120から立ち上がる面から構成されているとともに、下方Z2に向けて凸の弧状面142Aと、該弧状面142Aの一端から上方Z1に延びる第1立上げ面142Bと、該弧状面142Aの他端から上方Z1に延びるとともに第1立上げ面142Bと平行な第2立上げ面142Cと、を備えて構成されている。U字内面部142、即ち、弧状面142A、第1立上げ面142Bおよび第2立上げ面142Cは、回動カバー5が閉位置にある際に、ガイド突起111を囲うように構成されている。
【0056】
また回動カバー5が閉位置にある際に、各ガイド突起111は、第1立上げ面142Bと第2立上げ面142Cとの間において、第1立上げ面142Bおよび第2立上げ面142Cに当接可能な位置に設けられている。
【0057】
乗上げ面141は、各ガイド突起111の回動方向Rへの移動経路において、保持凸部本体140と第1摺動面120との間に設けられているとともに、保持凸部本体140と第1摺動面120との段差を埋める傾斜を有して構成されている。
【0058】
このような回動ガイド機構100Aは、回動カバー5が開位置から閉位置に回動される際には、回動カバー5が回動するに伴って、ガイド突起111は、受け面130(位置111c)から凸状部131を乗り上げて、乗り越える。さらに回動が進んで、ガイド突起111は、ガイドレール12における第1摺動面120および第2摺動面121に摺動されつつ移動する。また、ガイド片110の先端側は、対向面122に対向し摺動されつつ移動する。さらに回動が進んで、ガイド突起111は、ガイドレール12の途中位置(位置111b)を通過する。
【0059】
さらに回動が進んで、ガイド片110の先端側は、対向面122に対向しし摺動されるとともに、ガイド片110の先端面110sは第3摺動面123に摺動されつつ移動する。このような第1摺動面120、第2摺動面121、対向面122、第3摺動面123が設けられていることにより、回動カバー5が回動する際に、各ガイド部11は回動軌跡が一定となって、回動カバー5は安定した状態で回動変位されることとなる。
【0060】
さらに回動が進んで、ガイド突起111は、保持凸部14の乗上げ面141に当接し、乗上げ面141を乗り上げて保持凸部本体140に到達し、保持凸部本体140を乗り越えて、保持凸部本体140のU字内面部142に到達して、ガイド突起111は、ガイドレール12の端部(位置111a)に位置付けられる。このようにして、回動カバー5は閉位置に位置付けられる。回動カバー5が閉位置に位置付けられた状態では、各ガイド突起111は、U字内面部142の第1立上げ面142Bと第2立上げ面142Cとの間において、これらの第1立上げ面142Bおよび第2立上げ面142Cに当接可能な位置に設けられている。
【0061】
上述した実施形態によれば、ガイド片110は、ガイドレール12に向かってボス状に突出して設けられているとともに、当該ガイドレール12に沿って移動するガイド突起111を有し、カバー本体3は、回動カバー5がベース2の開口20を覆う閉位置にある際に、ガイド突起111を保持して回動カバー5が閉位置にある状態を維持するための保持凸部14を有している。これによれば、保持凸部14が設けられていることにより、回動カバー5が閉位置にある状態を維持することができる。
【0062】
また、ガイドレール12は、ガイド突起111の先端面を摺動させる第1摺動面120を有し、保持凸部14は、第1摺動面120からガイド突起111に向けて突出して設けられているとともに、各ガイド突起111を内部に保持可能なU字内面部142(内面部)を有して構成されている。即ち、回動カバー5が覆う閉位置にある際に、各ガイド突起111は、各保持凸部14の内部にあるU字内面部142における第1立上げ面142Bと第2立上げ面142Cとの間において、第1立上げ面142Bおよび第2立上げ面142Cに当接可能な位置に設けられる。これによれば、仮にヒンジ4が破損したとしても、各ガイド突起111が、弧状面142A、第1立上げ面142B、及び第2立上げ面142Cに囲まれて保持された状態が維持されることとなり、仮にヒンジ4が破損したとしても、回動カバー5が閉位置にある状態を維持する構成が実現される。
【0063】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0064】
前記実施形態では、各保持凸部14は、平面視がU字状に形成されているとともに、各ガイド突起111を内部に保持可能なU字内面部142(内面部)を有して構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。内面部は、各ガイドレール12の第1摺動面120から立ち上がる面から構成されているとともに、下方Z2に向けて凸の弧状面142Aを有して、平面視がC字状に構成されていてもよい。この場合には、第1立上げ面142Bおよび第2立上げ面142Cは省略されていてもよい。
【0065】
また前記実施形態では、端子カバー1、1Aは、バッテリ端子に組み付けられてバッテリ端子を覆って保護するためのものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。端子カバーは、覆って保護することが必要な端子に組み付けられていればよい。即ち端子カバーは、バッテリ端子に組み付けられていない場合であっても、本発明の権利範囲に含むものとする。
【0066】
また、前記実施形態では、ガイド突起111は円筒状に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。ガイド突起は、ボス状に形成されていればよく、円柱状に形成されていてもよい。
【0067】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0068】
1、1A 端子カバー
2 ベース
20 開口
3 カバー本体
4 ヒンジ
5 回動カバー
10、100A 回動ガイド機構
10A 第1部位
10B 第2部位
74R、74L 下側側壁(ベースの内側面)
110 ガイド片
110s ガイド片の先端面
111 ガイド突起
12 ガイドレール
120 第1摺動面
121 第2摺動面
122 対向面
123 第3摺動面
13 突起受け部
130 受け面
131、131 一対の凸状部(一対の第1凸状部)
132 円弧部(第2凸状部)
14 保持凸部
142 U字内面部(内面部)
R 回動方向